JP2022080757A - 切削ブレードの直径測定方法 - Google Patents

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Takaaki Kaneko
淳 小松
Atsushi Komatsu
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Abstract

【課題】一度の切り込み動作で効率よくチョッパーカットセットアップに適切な切り込み深さを実現できる切削ブレードの直径測定方法を提供すること。【解決手段】切削ブレードの直径測定方法は、切削ブレード21の直径21-2を測定する方法であって、保持テーブルまたは保持テーブルに隣接する第2の保持テーブルに板状物150を保持する板状物保持ステップと、切削ユニットを垂直方向に下降させ、板状物150に所定量201切り込み、切削溝200を形成する切削溝形成ステップと、撮像ユニットによって切削溝200を撮像する撮像ステップと、撮像された切削溝200の画像から、切削ブレード21の直径21-2を検出する直径測定ステップと、を有する。切削溝形成ステップにおいて、制御ユニットは、負荷検出部で検出される負荷を用いて所定量201の切り込みになるように切り込み送りユニットを制御する。【選択図】図6

Description

本発明は、切削ブレードの直径を測定する方法に関する。
切削ブレードで被加工物を切削していくと、切削ブレードが摩耗してくる。そこで、切削ブレードの摩耗にかかわらず、所望する切り込み深さを実現するため、任意のタイミングで板状物に切削ブレードを切り込ませて切削溝を形成し、切削溝の形状から切削ブレードの直径や先端形状を認識するチョッパーカットセットアップと呼ばれる動作を行うことが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2011-249571号公報 特開2002-059365号公報
しかし、チョッパーカットセットアップでは、切削溝を撮像する撮像ユニットの視野角に収める必要があり、深く切り込み過ぎると観測できなくなり、また逆に浅過ぎると、切り込めずに跡が残らない。そのため、チョッパーカットセットアップを行う前に、チョッパーカットセットアップよりも精度が低い発光部と受光部からなるセットアップユニットを用いて切削ブレードの直径を大まかに検出することで、チョッパーカットセットアップ時の切り込み送り量を適切になるように調整していた。しかし、切削ブレードの直径の検出を二回行う事は非効率であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一度の切り込み動作で効率よくチョッパーカットセットアップに適切な切り込み深さを実現できる切削ブレードの直径測定方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削ブレードの直径測定方法は、被加工物を保持する保持テーブルと、先端に切削ブレードを固定するスピンドルと、該スピンドルを回転駆動させる回転駆動ユニットと、切削時における該回転駆動ユニットの負荷を検出する負荷検出部と、を有する切削ユニットと、該保持テーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、該切削ユニットを該保持テーブルに対して垂直方向に移動させて切り込み送りする切り込み送りユニットと、撮像ユニットと、制御ユニットと、を備えた加工装置において、該切削ブレードの直径を測定する切削ブレードの直径測定方法であって、該保持テーブルまたは該保持テーブルに隣接する第2の保持テーブルに板状物を保持する板状物保持ステップと、該切削ユニットを垂直方向に下降させ、該板状物に所定量切り込み、切削溝を形成する切削溝形成ステップと、該撮像ユニットによって該切削溝を撮像する撮像ステップと、撮像された該切削溝の画像から、該切削ブレードの直径を検出する直径測定ステップと、を有し、該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷を用いて該所定量の切り込みになるように該切り込み送りユニットを制御することを特徴とする。
該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該板状物に対する該切削ブレードの切り込み量と該回転駆動ユニットとの負荷との相関関係に基づき、該負荷検出部で検出される負荷が該所定量の切り込みに対応する負荷となるように該切り込み送りユニットを制御してもよい。
該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該所定量の切り込みを該切り込み送りユニットの送り速度で除して該接触時点から該所定量の切り込みを形成するまでに要する切削時間を計算し、該切削時間に応じて切り込み送りユニットを制御してもよい。
該回転駆動ユニットは、モーターと、エンコーダを含むモータードライバと、を有し、該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該エンコーダの値によって該接触時点から該切削ユニットの該切り込み送り方向の移動量を測定し、該所定量の切り込みを形成してもよい。
該負荷は、該スピンドルを回転させるモーターの負荷電流値であってもよい。
本発明は、一度の切り込み動作で効率よくチョッパーカットセットアップに適切な切り込み深さを実現できる。
図1は、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を実施する加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1の加工装置の要部を示す斜視図である。 図3は、図1の加工装置の別の要部の構成を模式的に示す図である。 図4は、図1の加工装置の動作の一例を示す断面図である。 図5は、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、図5の切削溝形成ステップを示す断面図である。 図7は、切削ブレードの切り込み量とスピンドルモーターの負荷電流値との相関関係を示すグラフである。 図8は、図5の撮像ステップで得られる切削溝画像の一例を示す図である。 図9は、実施形態2に係る切削ブレードの直径測定方法の切削溝形成ステップにおける制御ユニットの処理を説明する図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を実施する加工装置1を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を実施する加工装置1の構成例を示す斜視図である。図2は、図1の加工装置1の要部を示す斜視図である。図3は、図1の加工装置1の別の要部の構成を模式的に示す図である。実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を実施する加工装置1は、図1に示すように、保持テーブル10と、切削ユニット20と、撮像ユニット30と、加工送りユニット41と、割り出し送りユニット42と、切り込み送りユニット43と、制御ユニット50と、を備える。
実施形態1において、加工装置1が加工する加工対象である被加工物100は、例えば、シリコン、サファイア、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素、ガラスなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハなどである。被加工物100は、図2に示すように、平坦な表面101の格子状に形成される複数の分割予定ライン102によって区画された領域にチップサイズのデバイス103が形成されている。被加工物100は、実施形態1では、表面101の裏側の裏面104に粘着テープ105が貼着され、粘着テープ105の外縁部に環状のフレーム106が装着されているが、本発明ではこれに限定されない。また、被加工物100は、本発明では、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックス板、又はガラス板等でも良い。
加工装置1が実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を実施する際に加工する加工対象である板状物150は、図2に示すように、被加工物100と同質の材料により、厚み方向に直交する面積が被加工物100よりも小さい板状に形成されたものである。板状物150は、例えば、シリコンの小片である。板状物150は、切削ユニット20の切削ブレード21が所定量201(図6参照)切り込むことにより、切削ブレード21の外形形状が転写された切削溝200(図6参照)が形成される。
保持テーブル10は、凹部が形成された円盤状の枠体と、凹部内に嵌め込まれた円盤形状の吸着部と、を備える。保持テーブル10の吸着部は、多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミック等から形成され、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続されている。保持テーブル10の吸着部の上面は、図2に示すように、被加工物100が載置されて、載置された被加工物100を吸引保持する保持面11である。保持面11は、実施形態1では、被加工物100が表面101を上方に向けて載置され、載置された被加工物100を裏面104側から粘着テープ105を介して吸引保持する。保持面11と保持テーブル10の枠体の上面とは、同一平面上に配置されており、水平面であるXY平面に平行に形成されている。保持テーブル10は、後述する第2の保持テーブル15とは独立して、不図示の回転駆動源が接続されており、不図示の回転駆動源により鉛直方向でありXY平面に直交するZ軸回りに回転自在に設けられている。
第2の保持テーブル15は、図1及び図2に示すように、保持テーブル10に隣接する位置に設けられる。第2の保持テーブル15は、保持テーブル10と同様の構成を有し、保持面16の面積が保持テーブル10の保持面11よりも小さい。第2の保持テーブル15の保持面16は、図2に示すように、板状物150が載置されて、載置された板状物150を吸引保持する。
加工装置1は、図1及び図2に示すように、セットアップユニット17を備えていてもよい。セットアップユニット17は、実施形態1では、第2の保持テーブル15と同様に保持テーブル10に隣接する位置に設けられているが、本発明ではこれに限定されず、切削ユニット20の下方等、切削ブレード21が進入可能ないかなる位置に設けられていてもよい。セットアップユニット17は、図1及び図2に示すように、切削ブレード21が進入可能な溝部18がX軸方向に沿って形成されており、溝部18の両側部には、Y軸方向に沿った光軸を有する発光部19-1と受光部19-2とが互いに対面して配設されている。セットアップユニット17では、切削ブレード21の切り刃21-1の先端が溝部18に進入するに従って、切削ブレード21の切り刃21-1が発光部19-1と受光部19-2との間を遮る量が増加することに伴い、受光部19-2の受光量が減少する。このため、セットアップユニット17は、例えば、受光部19-2の受光量が所定の光量に達したときの切削ユニット20の切り込み送り方向(Z軸方向)の位置を切り込み送りユニット43より取得することで、切削ブレード21の切り刃21-1の直径21-2を大まかに検出することができる。なお、加工装置1は、実施形態1を含む本願発明に係る切削ブレードの直径測定方法を実施して切削ブレード21の切り刃21-1の直径21-2を検出する場合には、セットアップユニット17を使用しないため、セットアップユニット17を備えていなくてもよい。
切削ユニット20は、図1に示すように、切削ブレード21と、スピンドル22と、回転駆動ユニット23と、負荷検出部24と、を有する。切削ブレード21は、図3に示すように、外周縁に設けられた切り刃21-1を有する。切り刃21-1は、例えば、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。切削ブレード21は、切削するに従い切り刃21-1が摩耗することで自生発刃し、一定以上の切れ味が常に維持される。切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2は、切削ブレード21で切削するに従って切り刃21-1が摩耗することに伴い、徐々に減少する。
スピンドル22は、先端に装着された切削ブレード21を固定する。回転駆動ユニット23は、図3に示すように、スピンドルモーター26と、スピンドルモータードライバ27とを有する。回転駆動ユニット23のスピンドルモーター26は、スピンドル22の基端側に設けられており、スピンドル22を水平方向の一方向であるY軸方向と平行な軸心周りに回転駆動させることにより、切削ブレード21をY軸方向と平行な軸心周りに回転駆動させて、回転駆動させた切削ブレード21により保持テーブル10に保持された被加工物100や第2の保持テーブル15に保持された板状物150を切削加工する。
スピンドルモータードライバ27は、不図示の商用電源からの駆動用の電力をスピンドルモーター26に供給する。スピンドルモータードライバ27は、スピンドルモーター26の回転位置を読み取るエンコーダを含み、エンコーダが読み取ったスピンドルモーター26の回転位置の時間変化に基づいて、スピンドルモーター26の回転速度を検出する。スピンドルモータードライバ27は、スピンドルモーター26に供給する駆動用の電力を制御して、検出するスピンドルモーター26の回転速度を一定に維持する。
負荷検出部24は、切削ブレード21により被加工物100や板状物150の切削中における回転駆動ユニット23の負荷を検出する。負荷検出部24は、実施形態1では、回転駆動ユニット23のスピンドルモーター26に設けられ、スピンドル22を回転させるスピンドルモーター26のステータにスピンドルモータードライバ27から供給される電力の電流値(負荷電流値)を、回転駆動ユニット23の負荷として検出し、検出した負荷電流値を制御ユニット50に出力する。
撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された切削加工前の被加工物100の分割予定ライン102、切削加工後の被加工物100の加工痕(切削痕)、及び、第2の保持テーブル15に保持された切り込み後の板状物150に形成された切削溝200を撮像する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット30は、実施形態1では、切削ユニット20と一体的に移動するように、切削ユニット20に固定されている。
撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された切削加工前の被加工物100を撮像して、被加工物100と切削ブレード21との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット50に出力する。また、撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された切削加工後の被加工物100を撮像して、加工痕(切削痕)が分割予定ライン102の中に収まっているか、大きな欠けなどが発生していないかを自動的に確認する、いわゆるカーフチェックを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット50に出力する。撮像ユニット30は、第2の保持テーブル15に保持された切り込み後の板状物150を撮像して、切削溝200の形状から切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2や切り刃21-1の先端形状を認識する、いわゆるチョッパーカットセットアップを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット50に出力する。
加工送りユニット41は、保持テーブル10及び保持テーブル10上の被加工物100や、第2の保持テーブル15及び第2の保持テーブル15に保持された板状物150を加工送り方向に沿って、切削ユニット20の切削ブレード21及びスピンドル22等に対して相対的に移動させる。ここで、加工送り方向は、実施形態1では、水平方向の別の一方向でありY軸方向に直交するX軸方向である。加工送りユニット41は、後述する切り込み送りユニット43と同様の方法で、保持テーブル10の加工送り方向(X軸方向)の位置を検出し、検出した保持テーブル10の加工送り方向(X軸方向)の位置を制御ユニット50に出力する。
割り出し送りユニット42は、切削ユニット20の切削ブレード21及びスピンドル22等を割り出し送り方向であるY軸方向に沿って、保持テーブル10及び保持テーブル10上の被加工物100や、第2の保持テーブル15及び第2の保持テーブル15に保持された板状物150に対して相対的に移動させる。割り出し送りユニット42は、後述する切り込み送りユニット43と同様の方法で、切削ユニット20の割り出し送り方向(Y軸方向)の位置を検出し、検出した切削ユニット20の割り出し送り方向(Y軸方向)の位置を制御ユニット50に出力する。
切り込み送りユニット43は、切削ユニット20の切削ブレード21及びスピンドル22等を切り込み送り方向であるZ軸方向に沿って、保持テーブル10及び保持テーブル10上の被加工物100や、第2の保持テーブル15及び第2の保持テーブル15に保持された板状物150に対して相対的に移動させる。切り込み送りユニット43は、切削ユニット20をZ軸方向に移動自在に支持するZ軸ガイドレールと、Z軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられたZ軸ボールねじと、Z軸ボールねじを軸心回りに回転させる図3に示すZ軸モーター46と、商用電源からの駆動用の電力をZ軸モーター46に供給する図3に示すZ軸モータードライバ47とを有する。Z軸モータードライバ47は、Z軸モーター46の回転位置を読み取るエンコーダを含み、エンコーダが読み取ったZ軸モーター46の回転位置に基づいて、切削ユニット20の切り込み送り方向(Z軸方向)の位置を検出し、検出した切削ユニット20の切り込み送り方向(Z軸方向)の位置を制御ユニット50に出力する。なお、切り込み送りユニット43は、Z軸モータードライバ47が含むエンコーダにより切削ユニット20の切り込み送り方向(Z軸方向)の位置を検出する構成に限定されず、Z軸方向に平行なリニアスケールと、切り込み送りユニット43によりZ軸方向に移動自在に設けられリニアスケールの目盛を読み取る読み取りヘッドと、により構成してもよい。
制御ユニット50は、加工装置1の各種構成要素の動作を制御して、被加工物100の切削処理を加工装置1に実施させる。制御ユニット50は、スピンドルモータードライバ27を制御することで、スピンドルモーター26に供給する駆動用の電力やスピンドルモーター26の回転速度を制御して、切削ブレード21の回転速度を制御する。制御ユニット50は、負荷検出部24を制御して、切削ブレード21の回転中に、回転駆動ユニット23の負荷であるスピンドルモーター26の負荷電流値を取得する。
制御ユニット50は、また、撮像ユニット30を制御して撮像ユニット30が撮像したアライメントを遂行するための画像を取得し、この画像に基づいてアライメントを遂行する。制御ユニット50は、アライメントの遂行結果に従って、割り出し送りユニット42を制御して、切削ユニット20の切削ブレード21の割り出し送り方向の位置を保持テーブル10に保持された被加工物100の分割予定ライン102に相当する位置に合わせ、切り込み送りユニット43を制御して、切削ブレード21の切り込み送り方向の位置を保持テーブル10に保持された被加工物100の切削加工の深さに応じた位置に合わせた後、切削ブレード21を回転させながら、加工送りユニット41を制御して、切削ブレード21の加工送り方向の位置を保持テーブル10に保持された被加工物100に対して相対的に分割予定ライン102に沿って移動させることで、被加工物100を分割予定ライン102に沿って切削加工して、被加工物100に分割予定ライン102に沿った加工痕(切削痕)を形成する。制御ユニット50は、被加工物100に分割予定ライン102に沿った加工痕(切削痕)を形成した後、撮像ユニット30を制御して撮像ユニット30が撮像したカーフチェックを遂行するための画像を取得し、この画像に基づいてカーフチェックを遂行する。
図4は、図1の加工装置1の動作の一例を示す断面図である。制御ユニット50は、また、切削ブレード21を回転させながら、アライメントの遂行結果に従って、加工送りユニット41、割り出し送りユニット42及び切り込み送りユニット43を制御して、図4に示すように、切削ブレード21を保持テーブル10に保持された被加工物100の表面101側の外周部に表面101から所定の深さに切り込ませた位置に合わせた後、回転駆動源を制御して、被加工物100を保持する保持テーブル10をZ軸回りに回転移動させることで、被加工物100の外周部の全周を環状に切削して面取りして段差部110を形成する、いわゆるエッジトリミングを行う。ここで、段差部110を形成する外周部は、例えば、デバイス103が配設されたデバイス領域を囲繞する外周余剰領域内に、外縁の全周を含む環状の領域に設定される。また、段差部110の厚み方向の深さは、エッジトリミングにおいて切削ブレード21を被加工物100の表面101側から切り込ませた所定の深さに基づき、例えばエッジトリミングの後に被加工物100が裏面104側から研削加工される場合には、研削加工の仕上げ厚みよりも深く設定される。
制御ユニット50は、実施形態1では、コンピュータシステムを含む。制御ユニット50が含むコンピュータシステムは、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御ユニット50の演算処理装置は、制御ユニット50の記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、制御ユニット50の入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
加工装置1は、図1に示すように、さらに、表示ユニット60を備える。表示ユニット60は、アライメントを遂行するための画像を含む加工装置1の切削条件の設定の画面や、カーフチェックを遂行するための画像を含む加工装置1の切削処理の結果の画面、チョッパーカットセットアップを遂行するための切削溝200の画像を含む加工装置1の切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2や切り刃21-1の先端形状の検出結果の画面等を表示する。表示ユニット60は、実施形態1では、液晶表示装置等により構成される。表示ユニット60は、オペレータが加工装置1の切削条件に関する情報等を入力する際に使用する入力ユニットが設けられている。表示ユニット60に設けられた入力ユニットは、実施形態1では、表示ユニット60に設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。
加工装置1は、図1に示すように、さらに、洗浄ユニット70と、搬送ユニット80と、カセット載置台90と、を備える。洗浄ユニット70は、切削加工後の被加工物100及び板状物150を洗浄し、被加工物100及び板状物150に付着した切削屑等の異物を除去する。搬送ユニット80は、実施形態1では、搬送アーム81と、搬送アーム82とを有する。搬送アーム81は、切削加工前の被加工物100をカセット95から搬入出領域83に搬送し、切削加工後の被加工物100を搬入出領域83からカセット95に搬送する。搬送アーム82は、搬送アーム81により搬送された切削加工前の被加工物100を保持テーブル10上に搬送し、切削加工後の被加工物100を保持テーブル10上から洗浄ユニット70に搬送し、洗浄後の被加工物100を洗浄ユニット70から搬入出領域83に向けて搬送する。カセット載置台90は、複数の被加工物100を収容するための収容器であるカセット95を載置する載置台であり、載置されたカセット95をZ軸方向に昇降させる。
次に、本明細書は、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法を図面に基づいて説明する。実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2を測定する方法であって、加工装置1を用いて実施される。図5は、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、図5に示すように、板状物保持ステップ1001と、切削溝形成ステップ1002と、撮像ステップ1003と、直径測定ステップ1004と、を有する。
実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、特に、切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状を整えるために第2の保持テーブル15で保持したドレッサーボードでドレスを行ったことにより、切り刃21-1を摩耗させて、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2が大きく(30μm~50μm程度)減少した後や、被加工物100の厚み以下の深さの溝を形成するいわゆるハーフカット、エッジトリミング、及び、回転中の切削ブレード21の下降及び上昇により被加工物100を切削するチョッパーカット等の切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2が切削処理の品質に大きく影響する切削処理前に実施することが好ましいが、本発明ではこれに限定されず、例えば所定の枚数の被加工物100を切削加工する毎に実施してもよい。
板状物保持ステップ1001は、保持テーブル10または保持テーブル10に隣接する第2の保持テーブル15で板状物150を保持するステップである。板状物保持ステップ1001は、実施形態1では、図2に示すように、第2の保持テーブル15の保持面16に板状物150を載置し、保持面16で板状物150を保持しているが、本発明ではこれに限定されず、保持テーブル10の保持面11に板状物150を載置し、保持面11で板状物150を保持してもよい。
図6は、図5の切削溝形成ステップ1002を示す断面図である。切削溝形成ステップ1002は、図6に示すように、切削ユニット20を垂直方向に下降させ、板状物150に所定量201だけ切り込み、切削溝200を形成するステップである。
ここで、切削ブレード21の切り込み量である所定量201は、切削溝200の深さを決定するパラメータであり、切削溝200をチョッパーカットで形成する場合に切削溝200の深さが切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202を概ね決定するので、チョッパーカットで形成する切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202を決定するパラメータでもある。切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202は、切削溝200の深さの増加に伴い単調に増加し、具体的には概ね以下の式で算出される。このため、所定の切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202に対応する切削溝200の深さは、一意に決まる。
L=2(RZ-Z1/2 (ただし、0≦Z≦R/2) ・・・(式1)
ただし、Lは切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202であり、Rは切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2であり、Zは切削ブレード21の切り込み量である所定量201である。また、式1においては、L,R,Zの長さの単位を合わせている。
これにより、制御ユニット50は、チョッパーカットで形成する場合の切削溝200の深さと切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202との相関関係(例えば、上記の式1)に基づいて、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2(上記の式1のR)を正常値の平均値等の適切な値に仮定して、切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202が撮像ユニット30の視野角の加工送り方向(X軸方向)の長さに収まるように、所定量201を適切に決定する。制御ユニット50の記憶装置は、予め、チョッパーカットで形成する場合の切削溝200の深さと切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202との相関関係のデータが記憶されている。なお、制御ユニット50は、本発明ではこれに限定されず、例えば正常な切削ブレード21を使用したときの切削溝200の深さと切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202との相関データを制御ユニット50の記憶装置が記憶し、この相関データに基づいて所定量201を適切に決定してもよい。
切削溝形成ステップ1002では、制御ユニット50は、まず、アライメントを遂行後、アライメントの遂行結果に従って、加工送りユニット41及び割り出し送りユニット42を制御して、切削ブレード21の加工送り方向及び割り出し送り方向の各位置を第2の保持テーブル15に保持された板状物150に対する所定の位置(例えば板状物150の中央の上方)に合わせる。切削溝形成ステップ1002では、切削ブレード21を板状物150に対する所定の位置に合わせた後、制御ユニット50は、切削ブレード21を回転させながら、切り込み送りユニット43を制御して、図6に示すように、切削ブレード21を第2の保持テーブル15に保持された板状物150に対して相対的に切り込み送り方向に沿って移動させ、切削ブレード21で板状物150を所定量201だけ切り込んで板状物150を切削加工して切削溝200を形成し、その後切削ブレード21を上昇させて第2の保持テーブル15に保持された板状物150から退避させるという、いわゆるチョッパーカットを行う。
切削溝形成ステップ1002において、制御ユニット50は、負荷検出部24で検出される負荷を用いて所定量201の切り込みになるように切り込み送りユニット43を制御する。実施形態1では、具体的には、切削溝形成ステップ1002において、制御ユニット50は、板状物150に対する切削ブレード21の切り込み量と回転駆動ユニット23の負荷であるスピンドルモーター26の負荷電流値との相関関係300(図7参照)に基づき、負荷検出部24で検出されるスピンドルモーター26の負荷電流値が所定量201の切り込みに対応する負荷電流値301(図7参照)となるように切り込み送りユニット43を制御する。
図7は、切削ブレード21の切り込み量とスピンドルモーター26の負荷電流値との相関関係300を示すグラフである。実施形態1では、制御ユニット50の記憶装置は、予め、図7に示すような、切削ブレード21による板状物150の切り込み量とスピンドルモーター26の負荷電流値との相関関係300のデータが記憶されている。制御ユニット50の記憶装置が記憶する相関関係300のデータは、所定間隔ごとの切り込み量とスピンドルモーター26の負荷電流値とを対照付けた複数の数値データであってもよいし、切り込み量とスピンドルモーター26の負荷電流値との関係を表す数式データであってもよい。
まず、切削ブレード21が板状物150に接触を開始することに伴い、回転する切削ブレード21に対する板状物150の物理的な抵抗が急激に増加し、スピンドルモータードライバ27がこの抵抗に対してスピンドルモーター26の回転速度を一定に維持するためにスピンドルモーター26に供給する駆動用の電力を増加することにより、スピンドルモーター26の負荷電流値は、急激に増加する。そして、切削ブレード21による板状物150の切り込み量の増加に伴い、回転する切削ブレード21と切削される板状物150との間の摩擦力が増加するために回転する切削ブレード21に対する板状物150の物理的な抵抗が増加し、スピンドルモータードライバ27がこの抵抗に対してスピンドルモーター26の回転速度を一定に維持するためにスピンドルモーター26に供給する駆動用の電力を増加することにより、スピンドルモーター26の負荷電流値は、単調に増加する。このため、相関関係300は、切削ブレード21が板状物150に接触した以降において、図7に示すように、切削ブレード21による板状物150の切り込み量とスピンドルモーター26の負荷電流値との間に一対一の対応関係を有している。よって、制御ユニット50は、このような相関関係300を使用することで、図7に示すように、所定量201の切り込みに対応する負荷電流値301を一意に算出できる。
切削溝形成ステップ1002では、制御ユニット50は、相関関係300に基づいて、切り込み量が所定量201となるときのスピンドルモーター26の負荷電流値301を算出する。切削溝形成ステップ1002では、制御ユニット50は、チョッパーカットにおいて、切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21を徐々に下降させて切削ブレード21で板状物150を切り込みながらスピンドルモーター26の負荷電流値を連続的にもしくは微小時間ごとに取得し、取得したスピンドルモーター26の負荷電流値が相関関係300に基づいて算出した負荷電流値301に到達したときに、切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21の下降を停止して切削ブレード21による板状物150の切り込みを停止し、切削ブレード21を上昇させて板状物150から退避させる。切削溝形成ステップ1002では、このようにして、制御ユニット50は、切削ブレード21により所望の所定量201の切り込み量の切削溝200を板状物150に形成できる。なお、実施形態1では、例えば、所定量201は30μm~50μmであり、相関関係300において切り込み量が30μmとなるときのスピンドルモーター26の負荷電流値301は1.32A(アンペア)である。
図8は、図5の撮像ステップ1003で得られる切削溝画像400の一例を示す図である。撮像ステップ1003は、制御ユニット50が、切削溝形成ステップ1002で形成した切削溝200を撮像ユニット30により撮像して、チョッパーカットセットアップを遂行するための切削溝200の画像(切削溝画像400)を得るステップである。撮像ステップ1003で得られる切削溝画像400は、切削溝形成ステップ1002で切削溝200を形成する際の切削ブレード21の切り込み量を所定量201に制御したので、図8に示すように、切削溝200が撮像ユニット30の視野角(切削溝画像400の範囲内)に収まる。
また、図8に示すように、撮像ステップ1003で得られる切削溝画像400では、板状物150の表面は、撮像ユニット30の照明光を好適に反射するため、撮像ユニット30の撮像素子へ入射する光量が大きくなり、輝度が高く撮像される。一方で、撮像ステップ1003で得られる切削溝画像400では、板状物150に形成された切削溝200は、撮像ユニット30の照明光をほとんど反射しないため、撮像ユニット30の撮像素子へ入射する光量が小さくなり、輝度が低く撮像される。なお、切削溝画像400における輝度は、実施形態1では、複数段階の階調、例えば256階調で規定され、0から255までの整数値で表され、最も暗いときを値が最小の0で表され、最も明るいときを値が最大の255で表され、明るくなるにつれて大きい値で表される。
直径測定ステップ1004は、撮像ステップ1003で得られた切削溝画像400から、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2を検出するステップである。直径測定ステップ1004では、制御ユニット50は、まず、切削溝画像400において、板状物150の表面が撮像されるときの輝度よりも低く、かつ、切削溝200が撮像されるときの輝度よりも高い所定の閾値以下の輝度の領域を、切削溝200が形成された領域(図8に示す切削溝領域401)として検出する。直径測定ステップ1004では、制御ユニット50は、次に、切削溝200の加工送り方向(X軸方向)の長さ202に対応する切削溝領域401の加工送り方向(X軸方向)の長さ402を検出し、検出した切削溝領域401の加工送り方向(X軸方向)の長さ402と、切削ブレード21の切り込み量である所定量201とに基づいて、上記した式1を使用して、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2を算出する。
直径測定ステップ1004では、制御ユニット50は、また、検出した切削溝領域401の形状と、切り刃の先端形状が正常な切削ブレードによって形成される切削溝から検出される切削溝領域(基準切削溝領域)の形状とを照合することにより、切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状が正常であるか否かを判定してもよい。具体的には、直径測定ステップ1004では、制御ユニット50は、切削溝領域401の形状と基準切削溝領域の形状とにパターンマッチング等の正規化相関を行い、相関値が予め定められた所定の値以上であると、切削溝領域401の形状と基準切削溝領域の形状とが合致したと判定するとともに切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状が正常であると判定し、所定の値未満であると、切削溝領域401の形状と基準切削溝領域の形状とが合致していないと判定するとともに切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状が異常であると判定する。
以上のような構成を有する実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、制御ユニット50により、切削溝形成ステップ1002の実施中に、回転駆動ユニット23の負荷を用いて、切削ブレード21で板状物150を切り込む切り込み量を制御するので、発光部19-1と受光部19-2からなるセットアップユニット17を用いて切削ブレード21の直径21-2を大まかに検出する必要がなく、一度の切り込み動作で効率よくチョッパーカットセットアップに適切な所望の所定量201の切り込み深さを実現できるという作用効果を奏する。
特にエッジトリミングを行う加工装置1においては、切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状を平坦にする必要があるので、切削ブレード21の切り刃21-1の先端形状を整えるために第2の保持テーブル15で保持したドレッサーボードでドレスを行うと、切削ブレード21が摩耗して、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁の直径21-2が30μm~50μm程度も減少することがある。このため、従来では、切り刃の外縁の直径が30μm~50μm程度も減少した切削ブレードで第2の保持テーブル上の板状物を切り込ませることが出来ずに切削溝を形成できない恐れがあったが、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、切削ブレード21がこのようなエッジトリミングのためのドレスを行う場合でも、切削ブレード21で板状物150を切り込む切り込み量を精度よく制御するので、確実に所望の所定量201の切り込み深さの切削溝200を板状物150に形成できる。
また、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、回転駆動ユニット23の負荷としてスピンドルモーター26の負荷電流値を使用するため、回転駆動ユニット23の負荷を精度よく定量できるので、切削ブレード21で板状物150を切り込む切り込み量をより精度よく制御でき、所望の所定量201の切り込み深さをより高精度に実現できる。
また、実施形態1に係る切削ブレードの直径測定方法は、制御ユニット50により、板状物150に対する切削ブレード21の切り込み量と回転駆動ユニット23の負荷であるスピンドルモーター26の負荷電流値との相関関係300に基づき、負荷検出部24で検出されるスピンドルモーター26の負荷電流値が所定量201の切り込みに対応する負荷電流値301となるように切り込み量を制御するので、所望の所定量201の切り込み深さをさらに高精度に実現できる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る切削ブレードの直径測定方法を図面に基づいて説明する。図9は、実施形態2に係る切削ブレードの直径測定方法の切削溝形成ステップ1002における制御ユニット50の処理を説明する図である。実施形態2では、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る切削ブレードの直径測定方法は、実施形態1において、切削溝形成ステップ1002における制御ユニット50による切り込み送りユニット43の制御処理を変更したものである。実施形態2では、制御ユニット50は、切削溝形成ステップ1002のチョッパーカットにおいて、切り込み送りユニット43を制御して、切削ブレード21の下降方向への切り込み送りを停止するまでの間、切削ブレード21の下降方向への切り込み送り速度を一定に維持する。実施形態2では、制御ユニット50は、切削溝形成ステップ1002においてこのようなチョッパーカットを行っている間に、図9に示すように、負荷検出部24で連続的にもしくは微小時間ごとに回転駆動ユニット23の負荷であるスピンドルモーター26の負荷電流値を取得し、このスピンドルモーター26の負荷電流値と、このスピンドルモーター26の負荷電流値を検出した瞬間に制御ユニット50に内蔵された時計機能が指し示す時間(時刻)とを互いに対照付けて、スピンドルモーター26の負荷電流値の時間変化を取得する。
実施形態2では、制御ユニット50は、まず、切削溝形成ステップ1002においてこのようなチョッパーカットを行っている間に、負荷検出部24で検出されるスピンドルモーター26の負荷電流値の急激な変化501を検出することにより、負荷電流値の急激な変化501を検出した時間を、切削ブレード21の切り刃21-1の外縁が板状物150に接触した接触時点502として検出する。実施形態2では、制御ユニット50は、次に、切り込みの所定量201を切り込み送りユニット43の送り速度で除して接触時点502から所定量201の切り込みを形成するまでに要する切削時間503(図9参照)を計算し、接触時点502から切削時間503を経過するまでの間、切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21の下降方向への切り込み送りを行い、接触時点502から切削時間503を経過したタイミング504(図9参照)で切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21の下降方向への切り込み送りを停止して、その後、切削ブレード21を上昇させて板状物150から退避させる。
以上のような構成を有する実施形態2に係る切削ブレードの直径測定方法は、制御ユニット50により負荷の変化501の時点(接触時点502)から切り込み送りユニット43の送り速度に応じて所定量201の切り込みに達する切削時間503を計算して、この切削時間503に応じて切り込み送りユニット43を制御するので、実施形態1が奏する作用効果に加えて、切削ブレード21の砥粒径が大きい等のために切り込んでいっても切り込み深さに応じた負荷の変化が生じにくい場合であっても、所定量201の切り込み量を精度よく制御できるという作用効果を奏する。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る切削ブレードの直径測定方法を図面に基づいて説明する。実施形態3では、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係る切削ブレードの直径測定方法は、実施形態1及び実施形態2において、切削溝形成ステップ1002における制御ユニット50による切り込み送りユニット43の制御処理を変更したものである。実施形態3では、制御ユニット50は、実施形態2と同様に、図9に示すようなスピンドルモーター26の負荷電流値の時間変化を取得する。
実施形態3では、制御ユニット50は、実施形態2と同様にして、スピンドルモーター26の負荷電流値の急激な変化501を検出することにより、接触時点502を検出する。実施形態3では、制御ユニット50は、次に、切り込み送りユニット43を制御して、接触時点502における切り込み送りユニット43のZ軸モータードライバ47のエンコーダの値を基準値として、このエンコーダの値が、基準値から丁度切り込み量の所定量201だけ切り込み送り方向に移動したときに対応する所定の値になるまでの間、切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21の下降方向への切り込み送りを行い、このエンコーダの値が当該所定の値に到達したタイミング504で切り込み送りユニット43を制御して切削ブレード21の下降方向への切り込み送りを停止して、その後、切削ブレード21を上昇させて板状物150から退避させる。
以上のような構成を有する実施形態3に係る切削ブレードの直径測定方法は、制御ユニット50により負荷の変化501の時点(接触時点502)から切り込み送りユニット43のZ軸モータードライバ47のエンコーダの値により切削ブレード21の下降方向への切り込み送りの移動量を測定して、この移動量の測定結果に応じて切り込み送りユニット43を制御するので、実施形態2よりも正確に所定量201の切り込み量を精度よく制御できる。また、実施形態2と同様に、実施形態1が奏する作用効果に加えて、切削ブレード21の砥粒径が大きい等のために切り込んでいっても切り込み深さに応じた負荷の変化が生じにくい場合であっても、所定量201の切り込み量を精度よく制御できるという作用効果を奏する。
なお、前述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3に係る切削ブレードの直径測定方法によれば、以下の加工装置が得られる。
(付記1)
被加工物を保持する保持テーブルと、
先端に切削ブレードを固定するスピンドルと、該スピンドルを回転駆動させる回転駆動ユニットと、切削時における該回転駆動ユニットの負荷を検出する負荷検出部と、を有する切削ユニットと、
該保持テーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、
該切削ユニットを該保持テーブルに対して垂直方向に移動させて切り込み送りする切り込み送りユニットと、
撮像ユニットと、
制御ユニットと、
を備え、
該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷を用いて所定量の切り込みになるように該切り込み送りユニットを制御して該切削ユニットを垂直方向に下降させ、該保持テーブルまたは該保持テーブルに隣接する第2の保持テーブルに保持された板状物に該所定量切り込み、切削溝を形成し、該撮像ユニットによって該切削溝を撮像し、撮像された該切削溝の画像から、該切削ブレードの直径を検出することを特徴とする加工装置。
(付記2)
該制御ユニットは、該切削溝を形成する際に、該板状物に対する該切削ブレードの切り込み量と該回転駆動ユニットとの負荷との相関関係に基づき、該負荷検出部で検出される負荷が該所定量の切り込みに対応する負荷となるように該切り込み送りユニットを制御することを特徴とする付記1に記載の加工装置。
(付記3)
該制御ユニットは、該切削溝を形成する際に、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該所定量の切り込みを該切り込み送りユニットの送り速度で除して該接触時点から該所定量の切り込みを形成するまでに要する切削時間を計算し、該切削時間に応じて切り込み送りユニットを制御することを特徴とする付記1に記載の加工装置。
(付記4)
該切り込み送りユニットは、モーターと、エンコーダを含むモータードライバと、を有し、
該制御ユニットは、該切削溝を形成する際に、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該エンコーダの値によって該接触時点から該切削ユニットの該切り込み送り方向の移動量を測定し、該所定量の切り込みを形成することを特徴とする付記1に記載の加工装置。
(付記5)
該負荷は、該スピンドルを回転させるモーターの負荷電流値であることを特徴とする付記1から付記4のいずれか1つの付記に記載の加工装置。
上記の加工装置は、実施形態1、実施形態2及び実施形態3に係る切削ブレードの直径測定方法と同様に、制御ユニットにより、切削溝を形成する際に、回転駆動ユニットの負荷(スピンドルモーターの負荷電流値)を用いて、切削ブレードで板状物を切り込む切り込み量を制御するので、一度の切り込み動作で効率よくチョッパーカットセットアップに適切な所望の所定量の切り込み深さを実現できるという作用効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 加工装置
10 保持テーブル
15 第2の保持テーブル
20 切削ユニット
21 切削ブレード
21-2 直径
22 スピンドル
23 回転駆動ユニット
24 負荷検出部
26 スピンドルモーター
27 スピンドルモータードライバ
30 撮像ユニット
41 加工送りユニット
43 切り込み送りユニット
46 Z軸モーター
47 Z軸モータードライバ
50 制御ユニット
100 被加工物
150 板状物
200 切削溝
201 所定量
300 相関関係
301 負荷電流値
400 切削溝画像
501 変化
502 接触時点
503 切削時間

Claims (5)

  1. 被加工物を保持する保持テーブルと、
    先端に切削ブレードを固定するスピンドルと、該スピンドルを回転駆動させる回転駆動ユニットと、切削時における該回転駆動ユニットの負荷を検出する負荷検出部と、を有する切削ユニットと、
    該保持テーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、
    該切削ユニットを該保持テーブルに対して垂直方向に移動させて切り込み送りする切り込み送りユニットと、
    撮像ユニットと、
    制御ユニットと、
    を備えた加工装置において、該切削ブレードの直径を測定する切削ブレードの直径測定方法であって、
    該保持テーブルまたは該保持テーブルに隣接する第2の保持テーブルに板状物を保持する板状物保持ステップと、
    該切削ユニットを垂直方向に下降させ、該板状物に所定量切り込み、切削溝を形成する切削溝形成ステップと、
    該撮像ユニットによって該切削溝を撮像する撮像ステップと、
    撮像された該切削溝の画像から、該切削ブレードの直径を検出する直径測定ステップと、を有し、
    該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷を用いて該所定量の切り込みになるように該切り込み送りユニットを制御することを特徴とする切削ブレードの直径測定方法。
  2. 該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該板状物に対する該切削ブレードの切り込み量と該回転駆動ユニットとの負荷との相関関係に基づき、該負荷検出部で検出される負荷が該所定量の切り込みに対応する負荷となるように該切り込み送りユニットを制御することを特徴とする請求項1に記載の切削ブレードの直径測定方法。
  3. 該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該所定量の切り込みを該切り込み送りユニットの送り速度で除して該接触時点から該所定量の切り込みを形成するまでに要する切削時間を計算し、該切削時間に応じて切り込み送りユニットを制御することを特徴とする請求項1に記載の切削ブレードの直径測定方法。
  4. 該切り込み送りユニットは、モーターと、エンコーダを含むモータードライバと、を有し、
    該切削溝形成ステップにおいて、該制御ユニットは、該負荷検出部で検出される負荷の変化により該切削ブレードが該板状物に接触した接触時点を検出し、該エンコーダの値によって該接触時点から該切削ユニットの該切り込み送り方向の移動量を測定し、該所定量の切り込みを形成することを特徴とする請求項1に記載の切削ブレードの直径測定方法。
  5. 該負荷は、該スピンドルを回転させるモーターの負荷電流値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の切削ブレードの直径測定方法。
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