JP2022079400A - 共重合ポリエステル系シーラントフィルム - Google Patents

共重合ポリエステル系シーラントフィルム Download PDF

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文▲シン▼ 黄
Wenxin Huang
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Abstract

【課題】極めて優れたヒートシール強度を有する、リサイクル性に優れた共重合ポリエステル系シーラントフィルムを提供する。【解決手段】本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、前記積層フィルムを140~220℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上であることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、共重合ポリエステル系シーラントフィルムに関する。
ポリエステルは、耐熱性、耐候性、機械的強度、透明性、耐薬品性、ガスバリア性などの性質に優れており、かつ、価格的にも入手し易いことから、汎用性が高く、現在、飲料・食品用容器や包装材料、成形品、フィルムなどに広く利用されている樹脂である。
近年、地球温暖化などの環境問題が深刻になり、パッケージなどの包装材料にも減容化が進められ、使用後の包装材料を資源として再利用するためのリサイクル推進が求められている。これに対して、従来の包装材料は、二軸延伸フィルムを基材フィルムとし、これに最内層としてシーラントフィルムをヒートシールまたはラミネートして得られたフィルム積層体を用い、特性の異なる複数の素材を組み合わせることで、保存性等の各種機能を付与しており、リサイクルが困難であるという問題があった。
例えば、従来の包装材料としては、包装材料のシーラント層に特許文献1に示されているようなポリオレフィン系樹脂からなる無延伸のシーラントフィルムが用いられている。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、ヒートシール性に優れ、高い密着性を有することが知られている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂からなる無延伸のシーラントフィルムは、ポリオレフィン系フィルム同士のヒートシール強度には優れているが、ポリエステル等の他素材からなるフィルムとのヒートシール強度が低いという問題がある。
また、包装内容物の香気及び薬効成分との親和性が高く、成分を吸着してしまうという問題もある。
このような問題に鑑みて、特許文献2及び3には、ポリエチレンテレフタレート(PET)にシール性を付与したポリエステル系フィルムが開示されている。
これらのシーラント用途のポリエステル系フィルムは、種々の有機化合物との親和性が低いために包装内容物の成分を吸着しにくいという利点を持っている。
また、透明バリア蒸着PET等他のポリエステル系基材フィルムを積層させる、またはポリエステル系フィルムに対する高いバリア蒸着・印刷加工技術を組み合わせることにより、ポリエステル材料からなる単一材料系での包装材料を実現できるため、高リサイクル性が期待できる。
しかしながら、特許文献2及び3に記載のシーラント用途ポリエステル系フィルムは、シール強度としては低く、市場の要求を満たすものではなかった。
特開2002-256116号公報 国際公開第2014/175313号パンフレット 特許第6724447号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、極めて優れたヒートシール強度を有する、リサイクル性に優れた共重合ポリエステル系シーラントフィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、フィルムの破断や層間剥離がヒートシール強度を悪化させる要因であることを見出した。
そして、シーラントフィルムのシール層と他の層との親和性を高めることで層間剥離を防止できること、さらには、シール層の厚みを適度にすることでシーラントフィルムの破断を防止でき、結果として、極めて優れたヒートシール強度を達成できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づき完成したものであり、以下の態様を有する。
[1]本発明の第1の態様は、シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、前記積層フィルムを140~220℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
[2]本発明の第2の態様は、シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、前記積層フィルムの厚みが、50μm未満であり、前記積層フィルムを140~200℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
[3]前記[1]又は[2]において、前記シール層と前記最外層の間に、少なくとも一層からなる中間層を有することが好ましい。
[4]前記[3]において、前記中間層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が、低くなる積層構成としてあることが好ましい。
[5]前記[3]又は[4]において、前記中間層は、ポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
[6]前記[1]~[5]のいずれか1つにおいて、前記その他のジカルボン酸成分は、イソフタル酸及び/又はセバシン酸を含むことが好ましい。
[7]前記[1]~[6]のいずれか1つにおいて、前記最外層は、無機粒子を含むことが好ましい。
[8]前記[1]~[7]のいずれか1つにおいて、前記最外層上にバリア層を有することが好ましい。
[9]本発明の第3の態様は、前記[1]~[8]のいずれか1つに記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルムを有する包装材料である。
[10]本発明の第4の態様は、前記[1]~[8]のいずれか1つに記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルムを少なくとも一層として有する積層体である。
[11]本発明の第5の態様は、前記[10]に記載の積層体を少なくとも一部に有する包装材料である。
本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、シーラント用途として必要な低収縮性、破断強度や突刺し強度等の機械的特性を十分に有する。
さらに、本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、極めて優れたヒートシール強度を有する。
したがって、本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、包装材料として好適に使用することができる。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。但し、本発明が、次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本シーラントフィルム>
本発明の実施形態の一例に係る共重合ポリエステル系シーラントフィルム(以下、「本シーラントフィルム」と称する。)は、シール層と最外層とを備えた積層フィルムである。シール層と最外層との間に中間層を設けることもできる。
より具体的には、第1の態様の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、前記積層フィルムを140~220℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルムである。
第2の態様の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、前記積層フィルムの厚みが、50μm未満であり、前記積層フィルムを140~200℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
本シーラントフィルム中のシール層は、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、最外層は、ポリエチレンテレフタレートを主成分樹脂として含むものである。
本シーラントフィルムは、シール層から最外層に向かってフィルムの厚み方向に各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が順次低くなる積層構成としてある。
前記フィルムの厚み方向における前記その他のジカルボン酸成分の濃度勾配をつける方法としては、特に制限されるものではないが、その他のジカルボン酸成分の含有量が異なる2種類以上の層を厚み方向に積層する方法を挙げることができる。
なお、本シーラントフィルムがフィルムの厚み方向に共重合ポリエステル中のジカルボン酸成分の濃度勾配を有するか否かは、例えばフィルムの厚み方向におけるジカルボン酸の濃度勾配における変極点の有無により確認することができる。
変極点は、SAICAS(登録商標)によりフィルムの斜め切削面を作成し、飛行時間型二次イオン質量分析機TOF-SIMSを用いて負の二次イオンピーク強度データを得ることで調べることができる。
前記フィルムの厚み方向における前記その他のジカルボン酸成分の濃度勾配をつけることで、極めて優れたヒートシール強度を達成できる機構については以下のように推定している。
上述の濃度勾配をつけた場合、隣接する層間での結晶構造が似たものとなり、より強く相互作用されることで、層間の密着性向上により層間剥離を防止できると推定している。
一方、一方向に濃度勾配がついていない場合には、その他のジカルボン酸成分が最も少ない層と、隣接する層との間で層間剥離が起きやすい。
加えて、例えば、共重合ポリエステル系シーラントフィルムが、A層がシール層、B層が中間層、C層が最外層の3層構造(A層/B層/C層)である場合、各層中のその他のジカルボン酸成分の含有量の大小関係が、A層>B層>C層となる場合の方が、A層>B層、B層<C層に比べて、ヒートシール強度測定時の剥離過程で力がスムーズに伝搬され、その結果として、本シーラントフィルムは、極めて優れたヒートシール強度を得られる。
本シーラントフィルムは、無延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよい。中でも、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであるのが好ましい。その中でも、力学特性のバランスや平面性に優れる点で、二軸延伸フィルムであるのが好ましい。
<シール層>
シール層は、共重合ポリエステルAを主成分樹脂として含有する層である。
本発明において、主成分樹脂とは、層を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂の意味である。当該主成分樹脂は、層を構成する樹脂のうち50質量%以上、中でも70質量%以上、その中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める場合がある。
シール層は、構成する樹脂が共重合ポリエステルAのみであってもよいが、共重合ポリエステルA以外の樹脂Bを含むものが好ましい。
シール層が、共重合ポリエステルAと、前記樹脂Bとを含む場合については後述する。
(共重合ポリエステルA)
共重合ポリエステルAは、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体である共重合ポリエステルであるのが好ましい。
前記「その他のジカルボン酸成分」としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、多官能酸などを挙げることができる。
なお、「その他のジカルボン酸成分」は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、本シーラントフィルムを柔軟化し易くする観点から、「その他のジカルボン酸成分」としては、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコ酸及びそれらの誘導体などの脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、シクロオクタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、又は、ダイマー酸が好ましい。
中でも、所望するヒートシール強度を確保する観点から、イソフタル酸及び/又はセバシン酸を含むことが好ましい。
シール層中の共重合ポリエステルAにおいて、ジカルボン酸成分、すなわちテレフタル酸及び「その他のジカルボン酸成分」の合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の割合は、15~35mol%であるのが好ましく、中でも17mol%以上33mol%以下、その中でも20mol%以上30mol%以下であるのがさらに好ましい。ここで「その他のジカルボン酸成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味する。
「その他のジカルボン酸成分」の割合が前記範囲であると、本シーラントフィルムが、高いヒートシール性を確保できる。
前記ジオール成分としては、特に制限されるものではなく、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールを挙げることができる。
また、上記以外にも、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール及びそれらの誘導体などを用いてもよい。
これらのジオール成分は、1種又は2種以上を使用することができ、中でもエチレングリコールと、その他のアルコール成分(例えば上述したジオール成分等)との組み合わせが好ましい。
なお、通常、エチレングリコールを原料の1つとしてポリエステルを製造(重縮合)する場合、エチレングリコールの一部は変性してジエチレングリコールとなってポリエステル骨格に導入される。このジエチレングリコールを副生ジエチレングリコールと称し、その副生量は、重縮合の様式(エステル交換法、直接重縮合)等によっても異なるが、エチレングリコールのうち1~5mol%程度である。本発明においては、このようにエチレングリコールから副生されるジエチレングリコールも「その他のアルコール成分」に包含するものとする。
前記の中でも特に好ましい共重合ポリエステルAとして、テレフタル酸、イソフタル酸及び/又はセバシン酸と、エチレングリコール及びジエチレングリコールとの共重合体であり、共重合ポリエステルを構成するジカルボン酸成分に占めるイソフタル酸及び/又はセバシン酸の割合が15mol%以上35mol%以下であり、共重合ポリエステルを構成するジオール成分に占めるジエチレングリコールの割合が0mol%以上5mol%以下である共重合ポリエステルAaを挙げることができる。
(樹脂B)
上述したように、シール層は、共重合ポリエステルAと、樹脂Bとを含む層であってもよい。
また、他の層との親和性を高める観点から、樹脂Bとして、1種又は2種以上のポリエステルを含むことが好ましい。
当該ポリエステル(1種又は2種以上のポリエステル含む)としては、ジカルボン酸成分であるテレフタル酸及び「その他のジカルボン酸成分」と、ジオール成分とを含み、全ジカルボン酸成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるジカルボン酸成分の合計)に対する「その他のジカルボン酸成分」の合計含有量の割合が0mol%以上15mol%以下、中でも好ましくは0mol%以上10mol%以下、その中でも好ましくは0mol%以上5mol%以下であるポリエステルを挙げることができる。
「その他のジカルボン酸成分」の割合が前記範囲であると、本シーラントフィルムの層間剥離を防止することができる。
なお、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合、前記ジオール成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるジオール成分の合計)に対する「その他のアルコール成分」の合計含有量の割合が0mol%以上5mol%以下、中でも好ましくは1mol%以上5mol%以下、その中でも好ましくは1mol%以上4mol%以下であるのが好ましい。
なお、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」としては、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
このように樹脂Bを構成するポリエステルは、「その他のジカルボン酸成分」を含む共重合ポリエステルであってもよいし、「その他のジカルボン酸成分」を含有しないホモポリエステルであってもよい。中でも、耐熱性及びフィルム強度の観点から、樹脂Bはポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
なお、この場合のポリエチレンテレフタレートにも、1~5mol%の副生ジエチレングリコールが含まれる。
シール層において、共重合ポリエステルAと樹脂Bの質量割合は70:30~95:5であるのが好ましく、75:25~93:7であるのがより好ましく、中でも75:25~90:10、その中でも80:20~90:10であるのがさらに好ましい。
よって、シール層が、1種又は2種以上のポリエステルを含有する場合において、シール層に含まれる全ポリエステルの成分量合計において、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は15mol%以上30mol%以下であることが好ましい。
なお、ジオール成分の含有量については特に制限はないが、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合には、前記ジオール成分の含有量合計に占める「その他のアルコール成分」の含有量合計の割合は0mol%以上5mol%以下であることが好ましい。
また、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」としては、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
この際、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は、15~30mol%であるのが好ましく、中でも15mol%以上28mol%以下、その中でも15mol%以上25mol%以下であるのがさらに好ましい。ここで「その他のジカルボン酸成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味する。
シール層中には、無機粒子を含ませてもよい。
シール層中に無機粒子を含ませることにより、易滑性の付与および各工程での傷発生防止になる。
無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等を挙げることができる。
無機粒子は、特に限定するものではないが、シール層中に0質量%~0.5質量%、特に0質量%~0.4質量%、さらに0質量%~0.3質量%を含有させることが好ましい。
<最外層>
本シーラントフィルムは、上述したように、シール層の片面に、最外層を備えた積層フィルムである。最外層は、包装材料などとして用いた場合に外側面になる層である。
最外層は、ポリエチレンテレフタレートを主成分樹脂として含有する層である。最外層がポリエチレンテレフタレートを主成分樹脂として含有することで、耐熱性を良好なものとできる。
なお、この場合のポリエチレンテレフタレートにも、1~5mol%の副生ジエチレングリコールが含まれる。
最外層は、構成する樹脂がポリエチレンテレフタレートのみであってもよいし、ポリエチレンテレフタレート以外の上記樹脂Bを含むものであってもよいが、耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレートのみで構成されることが好ましい。
また、最外層中の樹脂Bとして、1種又は2種以上のポリエステルを含んでいてもよい。
当該ポリエステル(1種又は2種以上のポリエステル含む)としては、ジカルボン酸成分であるテレフタル酸及び「その他のジカルボン酸成分」と、ジオール成分とを含み、全ジカルボン酸成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるジカルボン酸成分の合計)に対する「その他のジカルボン酸成分」の合計含有量の割合が0mol%以上15mol%以下、中でも好ましくは0mol%以上10mol%以下、その中でも好ましくは0mol%以上5mol%以下であるポリエステルを挙げることができる。
このように樹脂Bを構成するポリエステルは、「その他のジカルボン酸成分」を含む共重合ポリエステルであってもよいし、「その他のジカルボン酸成分」を含有しないホモポリエステルであってもよい。
なお、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合、前記ジオール成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるジオール成分の合計)に対する「その他のアルコール成分」の合計含有量の割合が0mol%以上5mol%以下、中でも好ましくは1mol%以上5mol%以下、その中でも好ましくは1mol%以上4mol%以下であるのが好ましい。
なお、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」としては、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
最外層において、ポリエチレンテレフタレートと樹脂Bの質量割合は90:10~100:0であるのが好ましく、中でも95:5~100:0、その中でも98:2~100:0であるのがさらに好ましい。
よって、最外層が、1種又は2種以上のポリエステルを含有する場合において、最外層に含まれる全ポリエステルの成分量合計において、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は0mol%以上5mol%以下であることが好ましい。
なお、ジオール成分の含有量については特に制限はないが、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合には、前記ジオール成分の含有量合計に占める「その他のアルコール成分」の含有量合計の割合は0mol%以上5mol%以下であることが好ましい。
また、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」には、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
この際、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は、0~5mol%であるのが好ましく、中でも0mol%以上4mol%以下、その中でも0mol%以上3mol%以下であるのがさらに好ましい。ここで「その他のジカルボン酸成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味する。
最外層中には、無機粒子を含ませてもよい。
最外層中に無機粒子を含ませることにより、易滑性の付与および各工程での傷発生防止になる。
無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等を挙げることができる。
無機粒子は、特に限定するものではないが、最外層中に0質量%~0.5質量%、特に0質量%~0.4質量%、さらに0質量%~0.3質量%を含有させることが好ましい。
<中間層>
上述したとおり、シール層と最外層との間には、少なくとも一層からなる中間層を設けてもよい。
中間層は、上記共重合ポリエステルAを含有することが好ましい。
中間層は、一層としてもよいが、二層、三層、四層などの複数層としてもよく、一層の場合は、シール層よりもその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)を低くし、かつ、最外層よりもその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)を高くし、複数層の場合は、シール層から最外層に向かってフィルムの厚み方向にその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が順次低くなる積層配列とする。
中間層は、構成する樹脂が共重合ポリエステルAのみであってもよいが、共重合ポリエステルA以外の樹脂Bを含むものが好ましい。
中間層中の共重合ポリエステルAにおいて、ジカルボン酸成分、すなわちテレフタル酸及び「その他のジカルボン酸成分」の合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の割合は、15~35mol%であるのが好ましく、中でも17mol%以上33mol%以下、その中でも20mol%以上30mol%以下であるのがさらに好ましい。ここで「その他のジカルボン酸成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味する。
中間層中の共重合ポリエステルAにおいて、ジオール成分の含有量については特に制限はないが、前記共重合ポリエステルAが、ジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合には、ジオール成分、すなわちエチレングリコール及び「その他のアルコール成分」の合計に占める「その他のアルコール成分」の割合は0mol%以上5mol%以下、中でも好ましくは1mol%以上5mol%以下、その中でも好ましくは1mol%以上4mol%以下であるのが好ましい。
なお、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」には、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
中間層中で特に好ましい共重合ポリエステルAとして、テレフタル酸、イソフタル酸及び/又はセバシン酸と、エチレングリコール及びジエチレングリコールとの共重合体であり、共重合ポリエステルを構成するジカルボン酸成分に占めるイソフタル酸及び/又はセバシン酸の割合が15mol%以上35mol%以下であり、共重合ポリエステルを構成するアルコール成分に占めるジエチレングリコールの割合が0mol%以上5mol%以下である、上記共重合ポリエステルAaを挙げることができる。
また、中間層中の樹脂Bとして、1種又は2種以上のポリエステルを含むことが好ましい。
当該ポリエステル(1種又は2種以上のポリエステル含む)としては、ジカルボン酸成分であるテレフタル酸及び「その他のジカルボン酸成分」と、ジオール成分とを含み、全ジカルボン酸成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるジカルボン酸成分の合計)に対する「その他のジカルボン酸成分」の合計含有量の割合が0mol%以上15mol%以下、中でも好ましくは0mol%以上10mol%以下、その中でも好ましくは0mol%以上5mol%以下である、ポリエステルを挙げることができる。
なお、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合、前記ジオール成分の合計含有量(2種以上のポリエステル含む場合は、各ポリエステルに含まれるアルコール成分の合計)に対する「その他のアルコール成分」の合計含有量の割合が0mol%以上5mol%以下、中でも好ましくは1mol%以上5mol%以下、その中でも好ましくは1mol%以上4mol%以下であるのが好ましい。
なお、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」としては、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
このように樹脂Bを構成するポリエステルは、「その他のジカルボン酸成分」を含む共重合ポリエステルであってもよいし、「その他のジカルボン酸成分」を含有しないホモポリエステルであってもよく、中でも、耐熱性及びフィルム強度の観点から、樹脂Bはポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。なお、この場合のポリエチレンテレフタレートにも、1~5mol%の副生ジエチレングリコールが含まれる。
中間層において、共重合ポリエステルAと樹脂Bの質量割合は30:70~70:30であるのが好ましく、中でも40:60~60:40、その中でも45:55~55:45であるのがさらに好ましい。
よって、中間層が、1種又は2種以上のポリエステルを含有する場合において、中間層に含まれる全ポリエステルの成分量合計において、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は10mol%以上20mol%以下であることが好ましい。
なお、ジオール成分の含有量については特に制限はないが、前記ポリエステルがジオール成分として、エチレングリコールと、その他のアルコール成分とを含む場合には、前記ジオール成分の含有量合計に占める「その他のアルコール成分」の含有量合計の割合は0mol%以上5mol%以下であることが好ましい。
また、「その他のアルコール成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味し、「その他のアルコール成分」には、前記同様、副生ジエチレングリコールを含む。
この際、ジカルボン酸成分の含有量合計に占める「その他のジカルボン酸成分」の含有量合計の割合は、10~20mol%であるのが好ましく、中でも10mol%以上19mol%以下、その中でも10mol%以上18mol%以下であるのがさらに好ましい。ここで「その他のジカルボン酸成分」を2種以上併用する場合は、それらの合計量を意味する。
<その他の層>
最外層上にバリア層を設けてもよい。
また、本シーラントフィルムとバリア層の間に、他の層を有していてもよい。
バリア層は、ガス透過を抑制する性質(「ガスバリア性」とも称する)、特に水蒸気バリア性を高めることができる層である。
本バリア層を構成する主材としての無機物としては、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム及び酸化炭化アルミニウムからなる群から選択される1種又は2種以上の無機化合物を挙げることができる。
本バリア層としては、例えば物理的気相蒸着(PVD)法により形成されたPVD無機物層、プラズマアシスト蒸着法により形成されたプラズマアシスト蒸着無機物層、化学蒸着(CVD)法により形成されたCVD無機物層、無機粒子を有機ポリマーに分散させて塗布する方法により形成されたコート無機物層などであるのが好ましい。
本バリア層は、単層構成であっても、2層以上の複層構成であってもよい。
例えば、2層以上の複層構成の一例として、そのうちの一層を無機物、例えば無機酸化物のみからなる無機物層とし、他の一層を、無機物、例えば無機酸化物と有機物とからなる無機・有機混合層とする例を挙げることができる。
無機物に有機物を混合することにより、比較的柔軟な層とすることができるため、このような柔軟な層を設けることにより、ガスバリア性を高めることができる場合がある。すなわち、基材フィルムの粗大突起部が起点となって、無機物層表面に、ピンホールと呼ばれる微小な欠陥が生じたり、加熱蒸着時に原料が塊となって飛来し付着して、無機物層表面に微小な欠陥が生じたりすることがあり、この欠陥による空隙をガスが通過することによってガスバリア性が低下することがある。そこで、前述のような柔軟な層を、前記表面に重ねて積層することで、前記欠陥を埋めることができ、ガスバリア性を高めることができる場合がある。
本バリア層の厚さ(無機物層が複層構成である場合はそれらの合計厚)は、0.1nm~500nmであるのが好ましく、中でも1nm以上300nm以下、その中でも5nm以上100nm以下であるのがさらに好ましい。
本バリア層の厚さが前記範囲であれば、所望するガスバリア性を確保することが可能となる。
<本シーラントフィルムの厚み>
本発明の第1の態様において、本シーラントフィルムの厚みは、特に限定するものではなく、用途によって適切な厚みを選択することができる。
高いヒートシール性の確保やバリア蒸着・印刷加工を行う観点から、本シーラントフィルムの全厚みは3μmを超えるのが好ましく、中でも5μm以上、その中でも10μm以上であるのがさらに好ましい。
一方、本シーラントフィルムの全厚みの上限は特に限定するものではない。200μm以下であるのが好ましく、中でも160μm以下、その中でも140μm以下、その中でも120μm以下であるのがさらに好ましい。
本発明の第2の態様において、本シーラントフィルムの厚みは、50μm未満である。ヒートシール性向上の観点からは、厚みが厚い方が好ましいが、リサイクル時の廃棄量低減や、生産及び加工効率の観点からは、厚みが薄い方が好ましい。
かかる観点から、本シーラントフィルムの厚みは、3μmを超えるのが好ましく、中でも5μm以上、その中でも10μm以上であるのがさらに好ましい。
また、本シーラントフィルムの厚みの上限は、50μm未満であり、45μm以下であるのが好ましく、40μm以下であるのがさらに好ましい。
シール層の厚みは、特に限定するものではないが、1μm~15μmが好ましく、3μm~12μmがより好ましく、5μm~10μmがさらに好ましい。
最外層の厚みは、特に限定するものではないが、1μm~15μmが好ましく、3μm~12μmがより好ましく、5μm~10μmがさらに好ましい。
中間層の全厚みは、特に限定するものではないが、10μm~150μmが好ましく、15μm~100μmがより好ましく、20μm~80μmがさらに好ましい。
<本シーラントフィルムの物性>
<ヒートシール強度>
本発明の第1の態様において、本シーラントフィルムは、140℃から220℃の範囲において、0.2MPa及び1秒でヒートシールした際に、ヒートシール強度が25N/15mm以上であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様において、本シーラントフィルムは、140℃から200℃の範囲において、0.2MPa及び1秒でヒートシールした際に、ヒートシール強度が25N/15mm以上であることが好ましい。
なお、ここでいう140℃から220℃及び140℃から200℃の範囲においてとは、当該範囲におけるいずれの温度においても、を意味する。180℃以上の高温領域でも高いヒートシール強度があれば、レトルト食品などの高温殺菌用にも好適に用いることができる。
ヒートシール強度が25N/15mm以上であることによって、例えば、包装材料とした場合に、密閉性の向上に寄与することができ、重量用や抗菌用等の用途にも用いることができる。
かかる観点から、本シーラントフィルムは、ヒートシール強度が26N/15mm以上であるのが好ましく、中でも27N/15mm以上、その中でも28N/15mm以上であるのがさらに好ましい。
ヒートシール強度の上限値は特に限定するものではないが、80N/15mm以下であるのが好ましく、中でも75N/15mm以下、その中でも70N/15mm以下であるのがさらに好ましい。
なお、ヒートシール強度は、例えば、後述する実施例に示した方法で測定することができる。
<破断強度>
本シーラントフィルムは、長手方向(MD)と幅方向(TD)の破断強度がいずれも50MPa以上であるのが好ましい。
破断強度が50MPa以上の範囲であることよって、例えば、包装材料とした場合に、破断を防止することができる。
かかる観点から、本シーラントフィルムは、破断強度が50MPa以上であるのが好ましく、中でも60MPa以上、その中でも65MPa以上であるのがさらに好ましい。破断強度は高ければ高いほど好ましいが、150MPa以下であっても実用上十分といえる。
なお、破断強度は、例えば、後述する実施例に示した方法で測定することができる。
<突き刺し強度>
本シーラントフィルムは、突き刺し強度が150N/mm以上であるのが好ましい。
突き刺し強度が150N/mm以上の範囲であることよって、例えば、包装材料とした場合に、耐突き刺し性を向上させることができる。
かかる観点から、本シーラントフィルムは、突き刺し強度が150N/mm以上であるのが好ましく、中でも155N/mm以上、その中でも160N/mm以上であるのがさらに好ましい。突き刺し強度は高ければ高いほど好ましいが、250N/mm以下であっても実用上十分といえる。
なお、突き刺し強度は、例えば、後述する実施例に示した方法で測定することができる。
<収縮率>
本シーラントフィルムは、長手方向(MD)と幅方向(TD)の収縮率がいずれも-5%~5%であるのが好ましい。
収縮率が-5%~5%の範囲であることよって、例えば、高温環境下でも元の形状を保つことができる。
かかる観点から、本シーラントフィルムは、収縮率が-5%~5%であるのが好ましく、中でも-4%~4%、その中でも-3%~3%であるのがさらに好ましい。
なお、収縮率は、例えば、後述する実施例に示した方法で測定することができる。
<ヘーズ>
本シーラントフィルムは、ヘーズが1%~15%であるのが好ましい。
ヘーズが1%~15%の範囲であることよって、例えば、包装材料とした場合に、中身の視認を行うことができる。ヘーズは低ければ低いほど透明性が高くなって好ましいが、現状の技術水準では1%が下限である。
かかる観点から、本シーラントフィルムは、ヘーズが1%~15%であるのが好ましく、中でも1%~13%、その中でも1%~10%であるのがさらに好ましい。
なお、ヘーズは、例えば、後述する実施例に示した方法で測定することができる。
<本シーラントフィルムの製造方法>
本シーラントフィルムの製造方法の一例として、本シーラントフィルムが二軸延伸フィルムの場合について説明する。但し、ここで説明する製造方法に限定するものではない。
先ずは、公知の方法により、原料例えばポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上に加熱し、溶融ポリマーをダイから押し出し、回転冷却ドラム上でポリマーのガラス転移点以下の温度となるように冷却固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得るようにすればよい。
次に、当該未配向シートを、一方向にロール又はテンター方式の延伸機により延伸する。この際、延伸温度は、通常25~120℃、好ましくは35~100℃であり、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは2.8~6倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸する。この際、延伸温度は通常50~140℃であり、延伸倍率は通常3.0~7倍、好ましくは3.5~6倍である。
そして、引き続き130~270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱固定処理を行い、二軸配向フィルムとしての本シーラントフィルムを得ることができる。
なお、前記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。
本シーラントフィルムは、共押出した後、上述のように、一体のフィルムとして、延伸及び熱固定処理を行えばよい。
この際の熱固定処理は、共重合ポリエステルAが結晶性である場合は、共重合ポリエステルAの融点よりも高い温度で熱固定処理するのが好ましい。
<本シーラントフィルムの用途>
本シーラントフィルムは、包装材料などの構成部材として好適に用いることができる。
本シーラントフィルムをそのまま包装材料として用いてもよく、本シーラントフィルムを少なくとも一層として有する積層体とし、この積層体を少なくとも一部に有する包装材料として用いてもよい。
<語句の説明など>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、本発明の実施例の一例について説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(1) ヒートシール強度測定
JIS Z1707に準拠し、ヒートシール強度を測定した。フィルムのシール面同士を合わせて0.2MPa、1秒、各温度(140~220℃)でヒートシールのシール部が15mm幅になるようカットし、引張試験機にて300mm/minの引張り速度でシール部の剥離強度を測定した。
(2) 破断強度測定
引張試験機を用いて1.5cm×15cmの試料フィルムを速度200mm/minで引張り、試料が切断(破断)したときの強度(引張荷重値を試験片の断面積で除した値)を破断強度(MPa)とした。
(3) 突刺し強度測定
JIS Z1707に準拠して突刺し強度(N)を測定し、突刺し強度(N)をフィルム厚みで除した値を単位突刺し強度(N/mm)とした。
(4) 収縮率測定
1.5cm×15cmの試料フィルムを無張力状態で所定の温度(100℃)に保った熱風式オーブン中、5分間熱処理し、その前後の試料フィルムの長さを測定して下記(式1)にて算出した。なお、フィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)のそれぞれについて測定した。
収縮率(%)={(熱処理前のサンプル長)-(熱処理後のサンプル長)}÷(熱処理前のサンプル長)×100 ・・・(式1)
(5) ヘーズ測定
JIS K7136に準拠し、日本電色工業(株)製ヘーズメーター DH-2000を用いて測定した。
<使用した材料>
[ポリエステル原料の調整]
本発明で用いた各ポリエステルの組成を表1に示す。表1において、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、EGはエチレングリコール、DEGはジエチレングリコールである。なお、ポリエステル(B)の製造の際には、滑剤としてSiO(富士シリシア製SL310)をポリエステルに対して、6000ppmの割合で添加した。
Figure 2022079400000001
(実施例1)
最外層の原料としてポリエステルAとポリエステルBを質量比50:50で混合し、中間層の原料としてポリエステルAとポリエステルCを質量比50:50で混合し、シール層の原料としてポリエステルBとポリエステルCを質量比15:85で混合した。
最外層、中間層及びシール層の各混合原料をそれぞれ別の二軸スクリュー押出機に投入し、最外層及び中間層の混合原料は280℃、シール層の混合原料は270℃で溶解させた。それぞれを15℃に設定した冷却ロールに共押出し冷却固化させることで、3種3層(最外層/中間層/シール層)の未延伸積層フィルムを得た。
次いで、得られた未延伸積層フィルムをロール延伸機で長手方向(MD)に85℃で3.3倍に延伸した。更に、テンター内にて95℃で予熱した後、幅方向(TD)に110℃で4.2倍に延伸した。最後に225℃で熱処理を施し、厚み36μm(最外層:5μm、中間層:26μm、シール層:5μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの特性は、上記の方法によって評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み50μm(最外層:7μm、中間層:36μm、シール層:7μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み75μm(最外層:10μm、中間層:55μm、シール層:10μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
中間層の原料としてポリエステルAとポリエステルCを質量比40:60で混合した。中間層以外の各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み75μm(最外層:10μm、中間層:55μm、シール層:10μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み75μm(最外層:5μm、中間層:60μm、シール層:10μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
中間層の原料としてポリエステルAとポリエステルCを質量比52:48で混合し、シール層の原料としてポリエステルBとポリエステルCを7:93で混合した。中間層以外の各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み75μm(最外層:14μm、中間層:47μm、シール層:14μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
各層の原料質量比及び製膜条件は実施例6と同様にして、厚み49.9μm(最外層:9.3μm、中間層:31.3μm、シール層:9.3μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
各層の原料質量比及び製膜条件は実施例6と同様にして、厚み38μm(最外層:7μm、中間層:24μm、シール層:7μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
中間層の原料としてポリエステルAのみを用いた。中間層以外の各層の原料質量比及び製膜条件は実施例1と同様にして、厚み75μm(最外層:5μm、中間層:60μm、シール層:10μm)の積層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2022079400000002
本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、シーラント用途として必要な低収縮性、破断強度や突刺し強度等の機械的特性を十分に有する。
さらに、本発明の共重合ポリエステル系シーラントフィルムは、極めて優れたヒートシール強度を有する。
したがって、本発明によれば、例えば、透明バリア蒸着PET等といった他のポリエステル系基材フィルムを積層させる、またはポリエステル系フィルムに対する高いバリア蒸着・印刷加工技術を組み合わせることにより、ポリエステル材料からなる単一材料系での包装材料を実現できるため、リサイクル性に優れた包装材料を提供することができる。

Claims (11)

  1. シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、
    前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、
    前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、
    前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、
    前記積層フィルムを140~220℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  2. シール層と最外層とを有する、少なくとも二層からなる積層フィルムであって、
    前記シール層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、
    前記最外層が、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含み、
    前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としており、
    前記積層フィルムの厚みが、50μm未満であり、
    前記積層フィルムを140~200℃の範囲において、0.2MPa、1秒でシールしたときのヒートシール強度が25N/15mm以上である、共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  3. 前記シール層と前記最外層の間に、少なくとも一層からなる中間層を有する、請求項1又は2に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  4. 前記中間層が、テレフタル酸及びその他のジカルボン酸成分と、ジオール成分との共重合体からなる共重合ポリエステルを含み、
    前記積層フィルムは、前記シール層から前記最外層に向かって各層中のその他のジカルボン酸成分の含有割合(mоl%)が低くなる積層構成としてある、請求項3に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  5. 前記中間層が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項3又は4に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  6. 前記その他のジカルボン酸成分が、イソフタル酸及び/又はセバシン酸を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  7. 前記最外層が無機粒子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  8. 前記最外層上にバリア層を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルム。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルムを有する包装材料。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の共重合ポリエステル系シーラントフィルムを少なくとも一層として有する積層体。
  11. 請求項10に記載の積層体を少なくとも一部に有する包装材料。
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