JP2022078450A - 炭化珪素半導体ウェハの製造装置 - Google Patents

炭化珪素半導体ウェハの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サセプタの台座にデポジットが形成されるのを抑えつつ、ウェハの裏面側での着膜を抑制可能な炭化珪素半導体ウェハの製造装置を提供する。【解決手段】炭化珪素半導体ウェハの製造装置1は、反応室120を形成するチャンバ12と、反応室120に配置され、ウェハ10が載置されるサセプタ14と、サセプタ14をウェハ10とともに回転させる回転装置16と、を備える。サセプタ14は、ウェハ10が載置される台座143を含むとともに、台座143の周囲に台座143に対して窪んだ有底の凹溝部145が形成されている。台座143は、基準載置状態においてウェハ10の外周縁の内側に収まる大きさになっている。さらに、凹溝部145の底部には、反応室120の外部から凹溝部145へ原料以外の他のガスを導入する貫孔146が形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、炭化珪素半導体ウェハの製造装置に関する。
従来、原料ガスを含む反応ガスが導入される反応室において、炭化珪素半導体ウェハをサセプタに載置した状態で回転させながら加熱することで、当該ウェハの表面に半導体層であるエピタキシャル膜を成長させる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、サセプタにおけるウェハを載置する台座に炭化珪素のデポジット(堆積物)が形成されることを抑制するために、台座の大きさをウェハよりも小さくするとともに、台座の外側にデポジットを溜めるリング形状の溝部を形成している。
特開2011-18772号公報
しかしながら、特許文献1の如く、サセプタの台座の大きさをウェハよりも小さくすると、ウェハの裏面の一部がサセプタとウェハの隙間から溝部に流入した原料ガスを含む反応ガスに晒されることで、ウェハの裏面の一部で着膜量が増加する。ウェハの裏面の一部に着膜量が増加すると、フォトリソグラフィ等の後工程で搬送不良が発生することから好ましくない。
本開示は、サセプタの台座にデポジットが形成されるのを抑えつつ、ウェハの裏面側での着膜を抑制可能な炭化珪素半導体ウェハの製造装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
炭化珪素半導体ウェハの製造装置であって、
反応ガスが導入されるとともに、ウェハ(10)の表面側に半導体層をエピタキシャル成長させる反応室(120)を形成する反応室形成部(12)と、
反応室に配置され、ウェハが載置されるサセプタ(14)と、
サセプタをウェハとともに回転させる回転装置(16)と、を備え、
サセプタは、ウェハが載置される台座(143)を含むとともに、台座の周囲に台座に対して窪んだ有底の凹溝部(145)が形成され、
ウェハの中心がサセプタの回転中心に一致するようにウェハを前記台座に載置した状態を基準載置状態としたとき、
台座は、基準載置状態においてウェハの外周縁の内側に収まる大きさになっており、
反応ガスは、半導体層の原料となる原料ガスを含み、
凹溝部の底部には、反応室の外部から凹溝部へ原料以外の他のガスを導入する貫孔(146)が形成されている。
このように、台座の大きさがウェハよりも小さくなっていれば、台座への炭化珪素のデポジット(堆積物)の発生を抑制することができる。加えて、凹溝部の底部に形成された貫孔を介して凹溝部へ原料以外の他のガスが導入される構成になっている。これによれば、原料ガスを含む反応ガスのウェハの裏面への回り込みが抑制されたり、ウェハの裏面側における原料ガスが希釈されたりするので、ウェハの裏面側への着膜を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る炭化珪素半導体の製造装置の概略構成図である。 ウェハが台座に載置された状態でのサセプタの模式的な平面図である。 図2のIII-III断面図である。 図2のIV-IV断面図である。 図4のV部分の拡大図である。 第2実施形態に係るサセプタの模式的な平面図である。 図2のVI-VI断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図5を参照して説明する。図1に示す装置は、炭化珪素半導体ウェハ(以下、単にウェハ10とも呼ぶ)の製造装置1である。この製造装置1は、ウェハ10の表面側に半導体層をエピタキシャル成長させて成膜する。半導体層は、エピタキシャル膜とも呼ばれる結晶薄膜である。
図1に示すように、製造装置1は、ウェハ10の表面側に半導体層をエピタキシャル成長させる反応室120を形成するチャンバ12を有する。チャンバ12は、反応室120を形成する反応室形成部である。
チャンバ12は、その上部にウェハ10の表面側に結晶薄膜を成長させるための反応ガスを供給するガス供給部121が設けられている。反応ガスは、例えば、シラン(SiH)およびプロパン(C)からなる原料ガス、水素および塩化水素(HCl)からなるキャリーガス、窒素(N)からなるドーパントガスを含んでいる。チャンバ12は、その下部に反応後のガスを排気するためのガス排気部122が設けられている。図示しないが、ガス排気部122は、シャット弁および真空ポンプを含む排気装置が接続されている。なお、原料ガス、キャリーガス、ドーパントガスの組成は上述したものに限定されず、上述したもの以外で構成されていてもよい。
ガス供給部121は、チャンバ12の上部であって、ウェハ10の表面に対向する位置に開口している。これにより、反応室120には、ウェハ10の表面に交差する方向(略直交する方向)からウェハ10の表面に向けて反応ガスが供給される。本実施形態の製造装置1は、ウェハ10の表面に向けて反応ガスを吹き降ろすダウンフロー型のガス供給構造になっている。
反応室120には、ウェハ10を保持する基板保持治具であるサセプタ14が配置されている。サセプタ14は、反応室120において回転装置16の上部に設置されている。サセプタ14の詳細は後述する。
回転装置16は、筒部161、回転軸162、および駆動部163を有する。筒部161は、サセプタ14を支持する円筒形状の部材である。回転軸162は、駆動部163の出力によって回転する軸である。回転軸162は、一体に回転可能なように筒部161に連結されている。駆動部163は、回転力を出力するモータ等で構成されている。このように構成される回転装置16では、駆動部163の出力によって回転軸162が回転すると、筒部161を介してサセプタ14が回転する。
筒部161は、その上部にサセプタ14が配置されると、上部に形成される開口161aがサセプタ14によって閉じられる。これにより、筒部161の内側に中空室160が形成される。この中空室160は、サセプタ14および筒部161によって実質的に反応室120と隔てられた空間となる。
中空室160には、サセプタ14を介してウェハ10の裏面側を加熱する主ヒータ18が配置されている。主ヒータ18は、例えば、カーボン製の抵抗加熱ヒータを用いることができる。主ヒータ18の熱は、筒部161やサセプタ14を介して反応室120に伝わる。このため、主ヒータ18は、反応室120を加熱するヒータとしても機能する。
図示しないが、中空室160には、搬送用ロボットによる反応室120へのウェハ10が載置されたサセプタ14の搬入や反応室120からのサセプタ14の搬出を補助するためのサセプタ昇降機器が配置されている。このサセプタ昇降機器は、例えば、サセプタ14の搬出時にサセプタ14を上昇させて筒部161から引き離すことで、搬送用ロボットにサセプタ14を受け渡す。なお、製造装置1は、ウェハ10が載置されたサセプタ14を搬入および搬出するものではなく、サセプタ14を移動させずにウェハ10だけを搬入および搬出するようになっていてもよい。
回転軸162は、円筒形状の部材で構成されている。回転軸162の内側には、中空室160にパージガスを供給するガス導入管20が配置されている。ガス導入管20は、ガス導入機構に接続され、ガス導入機構を介してパージガスが供給される。パージガスは、アルゴン(Ar)、水素(H)、ヘリウム(He)等の不活性ガスを挙げることができる。
製造装置1は、反応室120を加熱するヒータとしての補助ヒータ22を備える。補助ヒータ22は、ガス供給部121からウェハ10に向かう反応ガスが加熱されるように、反応室120におけるサセプタ14の上方空間を囲むように配置されている。補助ヒータ22は、反応ガスによる劣化を避けるためにチャンバ12の外側に配置されている。なお、補助ヒータ22自身またはその周囲に反応ガスによる劣化の対策がなされていれば、チャンバ12の内側に補助ヒータ22が配置されていてもよい。
具体的には、補助ヒータ22は、ガス供給部121の近くに配置される上段ヒータ部221、サセプタ14の近くに配置される下段ヒータ部222、上段ヒータ部221と下段ヒータ部222との間に配置される中段ヒータ部223を有する。上段ヒータ部221、下段ヒータ部222、中段ヒータ部223は、例えば、カーボン製の抵抗加熱ヒータを用いることができる。補助ヒータ22を複数段のヒータ部で構成すれば、反応室120の温度ムラを抑えつつ、ウェハ10の表面側を均一に加熱することができる。
このように構成される製造装置1では、ウェハ10が載置されたサセプタ14を回転装置16によって600rpmで回転させつつ、反応室120を主ヒータ18および補助ヒータ22によって約1600℃になるまで加熱する。そして、製造装置1は、ガス供給部121から反応室120に向けて反応ガスを供給するとともに、ガス導入管20から中空室160に向けてパージガスを供給する。これにより、ウェハ10の表面側に半導体層であるエピタキシャル膜が形成される。
次に、本実施形態のサセプタ14の詳細について説明する。サセプタ14は、その表面が略水平となる姿勢で反応室120に配置されている。サセプタ14は、高温の環境下に置かれることから、例えば、等方性黒鉛の表面に炭化珪素(SiC)を被覆したもので構成されている。ウェハ10は、ウェハ10の中心がサセプタ14の回転中心Osに一致するように台座143に載置される。このような載置状態を基準載置状態と呼ぶ。
図2および図3に示すように、サセプタ14は、リング形状の外周サセプタ部141、外周サセプタ部141の開口を遮蔽する円盤形状の内周サセプタ部142を備える。外周サセプタ部141および内周サセプタ部142は、互いに分離可能になっている。なお、外周サセプタ部141および内周サセプタ部142は、分離不可能なように一体に構成されていてもよい。
サセプタ14は、ウェハ10が載置される台座143を有する。この台座143は、サセプタ14の回転中心Osを囲むリング形状の1つの凸部で構成されている。台座143は、内周サセプタ部142の表面よりも上方に向けて突き出ている。台座143は、内周サセプタ部142と一体に成形されている。なお、台座143は、内周サセプタ部142と別体に構成されていてもよい。
また、サセプタ14は、ウェハ10の外周面を覆うカバー144を有する。カバー144は、サセプタ14の回転中心Osを中心とする円筒形状である。台座143は、外周サセプタ部141および内周サセプタ部142の表面よりも上方に向けて突き出ている。カバー144は、内周サセプタ部142の上部に設置されている。なお、カバー144は、内周サセプタ部142と一体に成形されていてもよい。
サセプタ14は、内周サセプタ部142に対して台座143およびカバー144が設けられていることで、台座143の周囲に台座143に対して窪んだ有底の凹溝部145が形成されている。この凹溝部145は、内周サセプタ部142の表面、台座143の外側面、カバー144の内側面によって構成されている。なお、凹溝部145は、例えば、内周サセプタ部142の表面を加工用治具等で掘り下げることで一体に形成されていてもよい。
カバー144の突出高さHcは、カバー144の内壁面がウェハ10の外周面と対向する大きさになっている。すなわち、カバー144の突出高さHcは、台座143の突出高さHbよりも大きくなっている(Hc>Hb)となっている。具体的には、カバー144の突出高さHcは、台座143の突出高さHbとウェハ10の厚みTwとを足し合わせた高さと略同等になっている(Hc≒Hb+Tw)。また、カバー144の内側直径Dcは、ウェハ10の直径Dxおよび台座143の外側直径Dbよりも大きくなっている。ウェハ10の直径Dwは、台座143の外側直径Dbよりも大きくなっている(Db<Dw<Dc)。なお、ウェハ10の直径Dwは、後述のオリフラ部11を含まない部位での直径である。
凹溝部145の溝幅Dgは、カバー144の内側直径Dcから台座143の外側直径Dbを差し引いた値の半分である(Dg=(Dc-Db)/2)。このため、ウェハ10の直径Dwは、溝幅Dgを2倍にした値に台座143の外側直径Dbを加えたものよりも小さくなっている(Dw<Db+2Dg)。
本実施形態のウェハ10は、ウェハ10の外周縁の一部が直線状にカットされたオリフラ部11を有する。オリフラ部11は、ウェハ10の結晶方位を示すために設けられている。ウェハ10は、オリフラ部11を含む部位での最小直径Dwofが直径Dwよりも小さくなっている。
ここで、例えば、サセプタ14の回転中心Osに対してウェハ10の中心がずれた状態で、サセプタ14を回転させると、ウェハ10に作用する遠心力等によってウェハ10の位置が大きくずれることがある。ウェハ10の位置ズレが発生すると、サセプタ14におけるウェハ10が載置される台座143が反応ガスに晒されることで、台座143に炭化珪素のデポジット(堆積物)が発生してしまう虞がある。台座143にデポジットが発生すると、次にウェハ10を台座143に載置した際にウェハ10の裏面にデポジットが転写されることで、フォトリソグラフィ等の後工程で搬送不良が発生することから好ましくない。
これに対して、サセプタ14は、ウェハ10が台座143に載置された際に台座143が反応ガスに晒されないようになっている。すなわち、台座143は、基準載置状態において、台座143がウェハ10の外周縁の内側に収まる大きさになっている。具体的には、図4に示すように、サセプタ14は、ウェハ10の最小直径Dwof、台座143の外側直径Db、溝幅Dgが、以下の関係の数式F1を満たすように構成されている。
Db+Dg<Dwof<Db+2Dg ・・・(F1)
ウェハ10の最小直径Dwofが、台座143の外側直径Dbに溝幅Dgを加えた値よりも大きくなっていれば、仮にウェハ10の外周面がカバー144に当たる位置まで位置ズレしても、台座143がウェハ10で覆われる。つまり、ウェハ10が位置ずれしても台座143が反応ガスに晒されることが抑制される。
但し、上述のようにサセプタ14の台座143の大きさをウェハ10よりも小さくすると、ウェハ10の裏面の一部がサセプタ14とウェハ10の隙間から凹溝部145に流入する反応ガスに晒される。また、凹溝部145がウェハ10とカバー144との隙間を介して反応室120だけに連通していると、凹溝部145が袋小路となることで反応ガスが滞留し易い。ウェハ10の裏面が反応ガスに晒されると、ウェハ10の裏面の一部で着膜量が増加する。ウェハ10の裏面の一部に着膜量が増加すると、フォトリソグラフィ等の後工程で搬送不良が発生することから好ましくない。
これらを踏まえて、サセプタ14は、凹溝部145の底部に、反応室120の外部から凹溝部145へ原料ガス以外の他のガスを導入する貫孔146が複数形成されている。貫孔146の開口形状は、回転方向Rsに沿って延びる長孔形状である。貫孔146の開口形状は、長孔形状に限定されず、例えば、円形状や楕円形状であってもよい。
図4、図5に示すように、貫孔146は、サセプタ14の表裏を貫通している。貫孔146は、サセプタ14の表面側に開口する表側開口部147、サセプタ14の裏面側に開口する裏側開口部148、表側開口部147から裏側開口部148に至る孔内壁149を有する。
サセプタ14の回転中心Osを挟んで対向する貫孔146の内側同士の間隔Dh1は、台座143の外側直径Dbよりも大きく、ウェハ10の直径Dwよりも小さい(Db<Dh1<Dw)。また、サセプタ14の回転中心Osを挟んで対向する貫孔146の外側同士の間隔Dh2は、カバー144の内側直径Dcよりも小さい(Dh2<Dc)。
図2に示すように、貫孔146は、凹溝部145の底部に複数形成されている。貫孔146は、凹溝部145の底部のうち回転方向Rsにおいて異なる8箇所に形成されている。すなわち、サセプタ14には、8つの貫孔146が形成されている。この8つの貫孔146は、回転対称となるようにサセプタ14に形成されている。また、8つの貫孔146は、回転方向Rsに等間隔をあけて形成されている。
貫孔146の表側開口部147は、サセプタ14の凹溝部145の底部に開口している。また、貫孔146の裏側開口部148は、サセプタ14のうち、中空室160に区画形成する部位に開口している。これにより、凹溝部145は、貫孔146を介して中空室160に連通している。そして、図5に示すように、筒部161の内側のパージガスは、凹溝部145に形成された貫孔146を介して凹溝部145に供給される。
貫孔146は、孔内壁149の全体がサセプタ14の回転軸方向に沿って延びている。貫孔146の孔内壁149は、サセプタ14の回転中心Osを中心とする径方向に沿う第1内壁1491、サセプタ14の回転中心Osを中心とする周方向(すなわち、サセプタ14の回転方向Rs)に沿う第2内壁1492を有する。第1内壁1491および第2内壁1492は、それぞれサセプタ14の回転軸方向に沿って延びている。
以上説明した炭化珪素半導体ウェハの製造装置1は、台座143は、基準載置状態において、台座143がウェハ10の外周縁の内側に収まる大きさになっている。このように、台座143の大きさがウェハ10よりも小さくなっていれば、台座143への炭化珪素のデポジット(堆積物)の発生を抑制することができる。加えて、サセプタ14の凹溝部145の底部には、反応室120の外部から凹溝部145へ原料ガス以外の他のガスを導入する貫孔146が形成されている。これによれば、原料ガスのウェハ10の裏面への回り込みが抑制されたり、ウェハ10の裏面側における原料ガスが希釈されたりするので、ウェハ10の裏面側への着膜を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)サセプタ14は、ウェハ10の最小直径Dwof、台座143の外側直径Db、溝幅Dgが、上述の数式F1を満たすように構成されている。これによれば、オリフラ部11を有するウェハ10を台座143に載置する場合であっても、台座143への炭化珪素のデポジット(堆積物)の発生を抑制することができる。
(2)サセプタ14は、筒部161の内側のパージガスが凹溝部145に形成された貫孔146を介して凹溝部145に供給される。これによると、筒部161の内側をパージするためのパージガスを他のガスとして凹溝部145に供給することができるので、他のガスを凹溝部145に供給するための専用機器を追加することなく、ウェハ10の裏面側への着膜を抑制することができる。
(3)本実施形態の製造装置1は、反応室120にウェハ10の表面に交差する方向からウェハ10の表面に向けて反応ガスが供給されるダウンフロー型のガス供給構造になっている。これによると、反応室120に供給される反応流れによる圧力がウェハ10を台座143に押し付ける向きに作用する。このため、反応室120にウェハ10の表面に沿う方向からウェハ10の表面と平行に反応ガスが供給されるサイドフロー型のガス供給構造になっている場合に比べて、サセプタ14の回転に起因するウェハ10の位置ズレが抑制される。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6、図7を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図6および図7に示すように、本実施形態の台座143は、サセプタ14の回転中心Osを囲む複数のリング形状の凸部143a、143bで構成されている。複数の凸部143a、143bは、互いに直径が異なっている。複数の凸部143a、143bは、回転中心Osを中心とする同心円形状に構成されている。本実施形態では、複数の凸部143a、143bのうち、外側の凸部143aの外側直径が、台座143の外側直径Dbに対応する。なお、複数の凸部143a、143bは、互いの中心が一致するように構成されていてもよいし、互いの中心が一致してしないように構成されていてもよい。
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の製造装置1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、台座143がサセプタ14の回転中心Osを囲む複数のリング形状の凸部143a、143bで構成されている。これによると、台座143とウェハ10との接触面積を確保して、意図しないウェハ10の位置ズレを抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、凹溝部145が貫孔146を介して中空室160に連通し、筒部161の内側のパージガスが貫孔146を介して凹溝部145に供給される構造になっているが、不活性ガスの供給構造は、これに限定されない。製造装置1は、サセプタ14の裏面側に不活性ガスを導入するガス導入機構を含み、当該ガス供給機構によって、貫孔146を介して凹溝部145に不活性ガスが供給されるようになっていてもよい。また、製造装置1は、中空室160を介さずに、不活性ガスが流れる専用ガス経路および貫孔146を介して凹溝部145に供給される構造になっていてもよい。なお、貫孔146を介して凹溝部145に供給される他のガスは、パージガス等の不活性ガスに限らず、例えば、水素や塩化水素等のキャリーガスであってもよい。
上述の実施形態の貫孔146は、孔内壁149の全体がサセプタ14の回転軸方向に沿って延びているが、これに限定されない。貫孔146は、例えば、孔内壁149のうち第1内壁1491は、少なくとも裏側開口部148に連なる部位がサセプタ14の回転方向Rsの後方から前方にかけて裏側開口部148から表側開口部147に向かう方向に傾斜していてもよい。これによると、サセプタ14を回転させた際に、サセプタ14の裏面側から凹溝部145に向けて不活性ガスが流れ易くなるので、反応ガスのウェハ10の裏面への回り込みを充分に抑制することができる。
上述の実施形態のサセプタ14は、カバー144を有しているが、これに限らず、カバー144を有していなくてもよい。また、サセプタ14は、貫孔146の略全体がウェハ10よりも内側に形成されているが、これに限定されない。サセプタ14は、貫孔146の全体がウェハ10の外側に形成されていてもよい。さらに、サセプタ14は、8つの貫孔146が形成されているが、これに限らず、1~7個、9個以上の貫孔146が形成されていてもよい。貫孔146が複数形成されている場合、貫孔146の位置は任意に設定可能である。台座143は、リング形状の凸部に限らず、任意の形状(例えば、円柱形状の凸部)であってもよい。なお、サセプタ14に載置するウェハ10は、オリフラ部11を含むものに限らず、例えば、オリフラ部11がないものやオリフラ部11の代わりにノッチが設けられたものを採用可能である。
上述の実施形態の製造装置1は、反応室120を加熱するヒータとして主ヒータ18および補助ヒータ22を有しているが、これに限らず、主ヒータ18および補助ヒータ22の一方を有していてもよい。
上述の実施形態の製造装置1は、ダウンフロー型のガス供給構造になっているが、これに限らず、例えば、サイドフロー型のガス供給構造になっていてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
10 ウェハ
12 チャンバ(反応室形成部)
120 反応室
14 サセプタ
143 台座
144 凹溝部
146 貫孔
16 回転装置

Claims (4)

  1. 炭化珪素半導体ウェハの製造装置であって、
    反応ガスが導入されるとともに、ウェハ(10)の表面側に半導体層をエピタキシャル成長させる反応室(120)を形成する反応室形成部(12)と、
    前記反応室に配置され、前記ウェハが載置されるサセプタ(14)と、
    前記サセプタを前記ウェハとともに回転させる回転装置(16)と、を備え、
    前記サセプタは、前記ウェハが載置される台座(143)を含むとともに、前記台座の周囲に前記台座に対して窪んだ有底の凹溝部(145)が形成され、
    前記ウェハの中心が前記サセプタの回転中心に一致するように前記ウェハを前記台座に載置した状態を基準載置状態としたとき、
    前記台座は、前記基準載置状態において前記ウェハの外周縁の内側に収まる大きさになっており、
    前記反応ガスは、前記半導体層の原料となる原料ガスを含み、
    前記凹溝部の底部には、前記反応室の外部から前記凹溝部へ前記原料ガス以外の他のガスを導入する貫孔(146)が形成されている、炭化珪素半導体ウェハの製造装置。
  2. 前記ウェハは、前記ウェハの外周縁の一部が直線状にカットされたオリフラ部(11)を有し、
    前記ウェハのうち、前記オリフラ部での最小直径をDwofとし、前記台座の直径をDbとし、前記凹溝部の溝幅をDgとしたとき、Dwof、Db、Dgの関係が、
    Db+Dg<Dwof<Db+2Dg
    である、請求項1に記載の炭化珪素半導体ウェハの製造装置。
  3. 前記台座は、前記サセプタの回転中心を囲む複数のリング形状の凸部(143a、143b)で構成されている、請求項1または2に記載の炭化珪素半導体ウェハの製造装置。
  4. 前記回転装置は、前記サセプタを支持する筒部(161)を有し、
    前記筒部の内側には、前記ウェハを加熱するヒータ(18)が配置されるとともに、前記筒部の内側をパージするためのパージガスが前記他のガスとして供給され、
    前記筒部の内側の前記パージガスは、前記凹溝部に形成された前記貫孔を介して前記凹溝部に供給される、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体ウェハの製造装置。
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