JP2022077811A - 車両用スライドレール装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022077811000001
【課題】一例として、隣り合うカバーの間に隙間が生じることを抑制可能な車両用スライドレール装置を得る。
【解決手段】実施形態に係る車両用スライドレール装置は、第1の方向に延びる開口が設けられた、レールと、少なくとも部分的に前記開口に位置し、前記第1の方向に移動可能に前記レールに取り付けられる、スライダと、前記開口を覆う閉塞位置と、前記開口から離間した開放位置と、にそれぞれが移動可能であり、前記第1の方向に並んだ複数のカバーと、を備え、前記複数のカバーは、第1のカバーと、第2のカバーと、を含み、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの一部は、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う一部を覆う。
【選択図】図17

Description

本発明の実施形態は、車両用スライドレール装置に関する。
従来、車両のフロアに固定されるロアレールと、シートに固定されるアッパレールと、を備える車両用スライドレール装置が知られる。アッパレールは、ロアレールに取り付けられ、ロアレールに沿ってシートと共に移動することができる。
ロアレールに、アッパレールの移動方向に延びる開口が設けられる。アッパレールは、当該開口を通ってロアレールの内部と外部とに亘って配置される。車両用スライドレール装置は、例えば、開口を覆うことができる一対のカバーを備える。
一対のカバーは、ロアレールに取り付けられ、開口に沿って延びる。一対のカバーはそれぞれ軟質部分を有する。開口の上で二つの軟質部分が接触又は近接することで、軟質部分が開口を塞ぐ。アッパレールは、二つの軟質部分の間の隙間を拡げるように軟質部分を弾性変形させながら、開口に沿って移動する(特許文献1)。
特開2007-069854号公報
しかしながら、従来の構成では、カバーが長手方向において分割される場合がある。この場合、長手方向に隣り合う二つのカバーの間に隙間が生じる虞がある。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、隣り合うカバーの間に隙間が生じることを抑制可能な車両用スライドレール装置を提供する。
本発明の実施形態に係る車両用スライドレール装置は、一例として、第1の方向に延びる開口が設けられた、レールと、少なくとも部分的に前記開口に位置し、前記第1の方向に移動可能に前記レールに取り付けられる、スライダと、前記開口を覆う閉塞位置と、前記開口から離間した開放位置と、にそれぞれが移動可能であり、前記第1の方向に並んだ複数のカバーと、を備え、前記複数のカバーは、第1のカバーと、第2のカバーと、を含み、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの一部は、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う一部を覆う。よって、一例としては、複数のカバーは、第1のカバーと第2のカバーとの間に開口を露出させる隙間が生じることを抑制できる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記複数のカバーはそれぞれ、前記レールに取り付けられる取付部と、前記取付部に接続されるとともに前記閉塞位置において前記開口を覆うとともに前記開放位置において前記開口から離間する覆部と、を有し、前記第1のカバー及び前記第2のカバーのうち一方は、当該一方の前記取付部から前記第1のカバー及び前記第2のカバーのうち他方の前記取付部に向かって突出する突出部を有する。よって、一例としては、第1のカバーの覆部のうち第2のカバーに覆われないよう設計された部分が、第2のカバーの覆部から第1の方向に離間する。従って、第2のカバーが、第1のカバーの望まれない部分を覆ってしまうことを抑制できる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記第1のカバーが、前記突出部を有し、前記第1のカバーの前記覆部は、前記閉塞位置において前記開口を覆う第1の部分と、前記第1の部分から前記第2のカバーの前記覆部に向かって突出した第2の部分と、を有し、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の部分は、前記開口を覆うとともに、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記一部に覆われる。よって、一例としては、第2のカバーが、第1のカバーの第1の部分を覆ってしまうことを抑制できる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記第1のカバーは、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向く第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面と、前記第2の面よりも前記第1の面に近い第3の面と、を有し、前記第2のカバーは、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向く第4の面と、前記第4の面の反対側の第5の面と、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向くとともに前記第4の面よりも前記第5の面に近い第6の面と、を有し、前記第3の面と第6の面とは、前記第1のカバー及び前記第2のカバーが前記閉塞位置に位置するときに向かい合う。よって、一例としては、第1のカバー及び第2のカバーが閉塞位置に位置するときに、第1の面と第4の面とが略平坦となることができるとともに、第2の面と第5の面とが略平坦となることができる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記レールは、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第1の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第4の面と、を支持する。よって、一例としては、覆部が踏まれたとしても、カバーが破損することが抑制される。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第5の面と、は前記第2の面が向く第2の方向において同一位置に位置する。よって、一例としては、閉塞位置に位置する第1のカバー及び第2のカバーは、略平坦な面を形成でき、車両の搭乗者が凹凸につまずくことを抑制できる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記第2の面と前記第3の面とは、前記第1の方向に隣接し、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の面及び前記第3の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第5の面とは、前記第2の方向に向き、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバー及び前記第2のカバーは、前記第2の面と前記第5の面との間に、前記第3の面を除いて前記第2の方向に向く部分を有さない。よって、一例としては、閉塞位置に位置する第1のカバー及び第2のカバーは、略平坦な面を形成でき、車両の搭乗者が凹凸につまずくことを抑制できる。
上記車両用スライドレール装置では、一例として、前記複数のカバーは、前記第1の方向に並ぶ二つの前記第2のカバーを含み、前記第1のカバーは、二つの前記第2のカバーの間に位置し、二つの前記第2のカバーのうち一方の一部は、当該一方が前記閉塞位置に位置するとき、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う一部を覆い、二つの前記第2のカバーのうち他方の一部は、当該他方が前記閉塞位置に位置するとき、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う他の一部を覆う。よって、一例としては、複数のカバーは、交互に配置される第1のカバーと第2のカバーとの間に開口を露出させる隙間が生じることを抑制できる。
図1は、第1の実施形態のシート装置を概略的に示す側面図である。 図2は、第1の実施形態のスライドレール装置の一部を示す断面図である。 図3は、第1の実施形態のロアレール及びアッパレールを示す断面図である。 図4は、第1の実施形態のスライダを分解して示す斜視図である。 図5は、第1の実施形態のスライドレール装置の一部を示す斜視図である。 図6は、第1の実施形態のロアレールとカバーとの一部を示す断面図である。 図7は、第2の実施形態のスライドレール装置の一部を示す断面図である。 図8は、第3の実施形態のスライドレール装置の一部を示す断面図である。 図9は、第3の実施形態の、覆部が開放位置に位置するスライドレール装置の一部を示す断面図である。 図10は、第4の実施形態に係るスライドレール装置を示す斜視図である。 図11は、第4の実施形態のスライドレール装置の一部を示す平面図である。 図12は、第4の実施形態のスライドレール装置の一部を示す側面図である。 図13は、第4の実施形態のスライドレール装置を図12のF13-F13線に沿って示す断面図である。 図14は、第4の実施形態のスライドレール装置を図12のF14-F14線に沿って示す断面図である。 図15は、第4の実施形態のスライドレール装置を図12のF15-F15線に沿って示す断面図である。 図16は、第4の実施形態の複数のカバーを示す平面図である。 図17は、第4の実施形態の複数のカバーを示す側面図である。 図18は、第4の実施形態の第1のカバーを示す斜視図である。 図19は、第4の実施形態の第2のカバーを示す斜視図である。 図20は、第4の実施形態のスライドレール装置の一部を示す斜視図である。 図21は、第4の実施形態のスライドレール装置を図12のF21-F21線に沿って示す断面図である。 図22は、第4の実施形態の取付部に外力が作用したスライドレール装置11を示す断面図である。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、第1の実施形態のシート装置10を概略的に示す側面図である。シート装置10は、四輪自動車のような車両1のフロア2に搭載され、スライドレール装置11と、シート12とを有する。シート12は、シートクッション12aと、当該シートクッション12aに回動可能に取り付けられたシートバック12bとを有する。
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、車両1の左右方向に沿って設けられる。Y軸は、車両1の前後方向に沿って設けられる。Z軸は、車両1の上下方向に沿って設けられる。
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向(左方向)と、X軸の矢印の反対方向である-X方向(右方向)とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向(前方向)と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向(後方向)とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向(上方向)と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向(下方向)とを含む。
図2は、第1の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す断面図である。図2に示されるスライドレール装置11は、二つのレール21と、二つのスライダ22と、駆動装置23とを有する。図1及び図2は、一つのレール21と、一つのスライダ22とを示す。
二つのレール21はそれぞれ、ロアレール25を有する。ロアレール25は、Y方向に延びるように車両1のフロア2に取り付けられる。Y方向は、第1の方向とも称され得る。なお、+Y方向又は-Y方向が第1の方向と称されても良い。
フロア2は、略+Z方向に向く床面2aを有する。なお、床面2aは、他の方向に向く部分を有しても良い。床面2aに、二つの溝2bが設けられる。図2は、一つの溝2bを示す。溝2bは、床面2aから略-Z方向に窪むとともに、Y方向に延びている。
溝2bは、図2に示すようなY方向と直交する断面において、例えば、略矩形状の断面を有する。この場合、フロア2は、一つの溝2bを形成する底面2ba及び二つの内側面2bbを有する。
底面2baは、床面2aから略-Z方向に離間するとともに、略+Z方向に向く。二つの内側面2bbは、X方向における底面2baの両端と床面2aとの間で略Z方向に延びている。二つの内側面2bbは、X方向に互いに離間し、互いに向かい合うように略X方向に向く。
底面2baは、例えば、フロアパネル2cにより形成される。床面2a及び内側面2bbは、例えば、カーペット2dにより形成される。なお、フロア2はこの例に限られない。例えば、フロアパネル2cが底面2ba及び内側面2bbを形成しても良い。
二つの溝2bは、X方向に互いに離間して配置される。二つの溝2bのそれぞれに、対応するレール21のロアレール25が収容される。これにより、二つのロアレール25は、X方向に互いに離間して配置される。ロアレール25は、例えば、溝2bの底面2baにボルトによって取り付けられる。なお、ロアレール25は、他の手段によりフロア2に取り付けられても良い。
スライダ22はそれぞれ、アッパレール26と、ガイド部材27とを有する。アッパレール26は、Y方向に延びるとともに、Y方向にスライド移動可能に、ロアレール25に取り付けられる。
Y方向は、ロアレール25の長手方向であるとともに、アッパレール26の長手方向である。また、X方向は、ロアレール25の幅方向であるとともに、アッパレール26の幅方向である。
左右一対のスライダ22が、一つのシート12を支持する。一対のスライダ22は、例えば、シート12により互いに連結される。このため、一対のスライダ22は、シート12とともに、Y方向に一体的にスライド移動する。なお、他の部材が一対のスライダ22を連結しても良い。
以下の説明において、X方向に並ぶ二つのロアレール25のうち一方と、X方向に並ぶ左右一対のスライダ22のうち一方と、について代表的に説明する。X方向に並ぶ二つのロアレール25のうち他方と、X方向に並ぶ左右一対のスライダ22のうち他方とは、例えば、説明されるロアレール25及びスライダ22に対し、X方向に鏡面対称に形成される。
X方向に並ぶ二つのロアレール25のうち説明される一方は、他方から-X方向に離間している。また、X方向に並ぶ一対のスライダ22のうち説明される一方は、他方から-X方向に離間している。このため、以下の説明において、+X方向を幅方向内側、-X方向を幅方向外側と称することがある。すなわち、幅方向内側は、X方向のうち他方のロアレール25及びスライダ22に向かう方向である。幅方向外側は、X方向のうち他方のロアレール25及びスライダ22に向かう方向の反対方向である。
図3は、第1の実施形態のロアレール25及びアッパレール26を示す断面図である。図3に示すように、ロアレール25は、例えば、曲げ加工された一つの板金により作られ、略C字状の断面を有する。なお、ロアレール25はこの例に限られない。
ロアレール25は、底壁31と、二つの外壁32,33と、二つの上壁34,35と、二つの内壁36,37とを有する。上壁34は、第1の壁又は壁とも称され得る。上壁35は、第2の壁とも称され得る。なお、上壁34が第2の壁と称され、上壁35が第1の壁と称されても良い。
底壁31は、おおよそX‐Y平面上に広がるとともにY方向に延びる略矩形の板状の壁である。底壁31は、図2及び図3に示すようなY方向と直交する断面において、略X方向に延びている。底壁31は、例えば、凹凸及び曲げられた部分を有しても良い。
外壁32は、幅方向外側(-X方向)における底壁31の端に接続され、略Z方向に延びている。図3に示すように、底壁31と外壁32との間に、斜めに延びる角部分が設けられても良い。外壁32は、ロアレール25の外部に向く外面32aを有する。外面32aは、略-X方向に向く。外面32aは、フロア2の幅方向外側の内側面2bbに向く。
外壁33は、幅方向内側(+X方向)における底壁31の端に接続され、略Z方向に延びている。図3に示すように、底壁31と外壁33との間に、斜めに延びる角部分が設けられても良い。外壁33は、ロアレール25の外部に向く外面33aを有する。外面33aは、略+X方向に向く。外面33aは、フロア2の幅方向内側の内側面2bbに向く。
上壁34は、X-Y平面上に広がるとともに、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。上壁34は、+Z方向における外壁32の端に接続され、外壁32から略+X方向に延びている。上壁34は、ロアレール25の外部に向く外面34aを有する。外面34aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。
上壁35は、X-Y平面上に広がるとともに、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。上壁35は、+Z方向における外壁33の端に接続され、外壁32から略-X方向に延びている。すなわち、上壁34と上壁35とは、互いに近づくように延びている。上壁35は、ロアレール25の外部に向く外面35aを有する。外面35aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。
上壁35は、上壁34から径方向内側(+X方向)に離間している。径方向内側(+X方向)は、Y方向と直交しており、第2の方向とも称され得る。Z方向において、上壁34と上壁35とは、略同一位置に設けられる。このため、上壁34の外面34aと、上壁35の外面35aとは、略同一平面上に配置される。図2に示すように、上壁34の外面34aと、上壁35の外面35aとは、フロア2の床面2aから-Z方向に離間している。なお、外面34a,35aが、床面2aと略同一平面上に配置されても良い。
図3に示すように、内壁36は、Y-Z平面上に広がるとともに、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。内壁36は、上壁34の+X方向の端から、略-Z方向に延びている。内壁36の-Z方向における端は、底壁31から離間している。
内壁37は、Y-Z平面上に広がるとともに、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。内壁37は、上壁35の-X方向の端から、-Z方向に延びている。内壁37の-Z方向における端は、底壁31から離間している。
上述のように、上壁35の幅方向外側(-X方向)の端から、内壁37が-Z方向に延びている。さらに、上壁35の幅方向内側(+X方向)の端から、外壁33が-Z方向に延びている。幅方向外側(-X方向)は、+X方向の反対方向であり、第3の方向とも称され得る。-Z方向は、Y方向と直交するとともに、+X方向と交差し、第4の方向とも称され得る。外壁33及び内壁37は、第3の壁とも称され得る。
内壁36,37は、二つの外壁32,33の間に位置する。内壁36,37は、外壁32,33からX方向に離間している。さらに、内壁37は、内壁36から+X方向に離間している。
ロアレール25に、内部空間38と、開口39とが設けられる。開口39は、溝とも称され得る。内部空間38は、ロアレール25の内部に設けられる。例えば、内部空間38は、底壁31、外壁32,33、及び上壁34,35に囲まれ、Y方向に延びている。
開口39は、例えば二つの内壁36,37により、当該二つの内壁36,37の間に形成(規定)される。このため、開口39は、上壁34と上壁35との間に設けられるとともに、Y方向に延びている。開口39は、内部空間38と、ロアレール25の外部とを連通する。
アッパレール26は、例えば、曲げ加工された一つの板金により作られる。なお、アッパレール26はこの例に限られない。アッパレール26は、上壁41と、二つの側壁42と、二つの曲壁43とを有する。
上壁41は、X‐Y平面上に広がるとともにY方向に延びる略矩形の板状の壁である。上壁41は、Y方向と直交する断面において、X方向に延びている。上壁41は、ロアレール25の外部に位置する。
二つの側壁42は、X方向における上壁41の両端から、略-Z方向に延びている。二つの側壁42は、略平行に延びており、互いに離間している。側壁42は、ロアレール25の開口39を通って延びている。このため、アッパレール26は、少なくとも部分的に開口39の内部に位置している。
Y方向と直交する断面において、二つの曲壁43は、ロアレール25の内部空間38に位置する。幅方向外側の曲壁43は、幅方向外側の側壁42から外壁32と内壁36との間の空間に向かって延びる。幅方向内側の曲壁43は、幅方向内側の側壁42から外壁33と内壁37との間に向かって延びる。
曲壁43は、返し(barb)状に形成される。なお、曲壁43の形状は、この例に限られない。例えば車両1に衝撃が作用した場合、シート12及びアッパレール26が略+Z方向に動くことがある。この場合、曲壁43がロアレール25に受け止められる。これにより、アッパレール26がロアレール25から勝手に外れることが抑制される。
側壁42に、複数のローラ45,46が取り付けられる。複数のローラ45は、ロアレール25の底壁31の上をY方向に転動することができる。これにより、スライダ22は、Y方向に滑らかに移動することができる。複数のローラ46は、ロアレール25の内壁36又は内壁37に当接し、アッパレール26がロアレール25に対してZ方向に移動することを制限する。
例えば、Y方向において、アッパレール26のうちローラ45,46が取り付けられる部分には、曲壁43が設けられない。アッパレール26は、この例に限られず、例えば曲壁43にローラ45,46が通る孔又は切欠きが設けられても良い。
図4は、第1の実施形態のスライダ22を分解して示す斜視図である。図4に示されるガイド部材27は、例えば合成樹脂によって作られた、アッパレール26と別の部材である。なお、ガイド部材27は、他の材料によって作られても良い。ガイド部材27は、取付壁51と、ガイド側壁52と、二つのガイド端壁53とを有する。
取付壁51は、X‐Y平面上に広がるとともにY方向に延びる略矩形の板状の壁である。取付壁51は、アッパレール26の上壁41の上に配置される。取付壁51は、上壁41に、例えばボルトによって取り付けられる。なお、ガイド部材27は、他の位置でアッパレール26に取り付けられても良い。
ガイド側壁52は、アッパレール26から遠ざかるように取付壁51から突出する。例えば、ガイド側壁52は、取付壁51の幅方向外側の端51aから、幅方向外側に突出する。ガイド側壁52は、アッパレール26の幅方向外側の側壁42から、幅方向外側に張り出している。なお、ガイド側壁52は、取付壁51から、+Z方向のような他の方向に突出しても良い。
ガイド側壁52は、例えば、第1の支持縁52aと、二つの第2の支持縁52bとを有する。第1の支持縁52a及び第2の支持縁52bは、ガイド側壁52の幅方向外側の縁である。
第1の支持縁52aは、Y方向に略直線状に延びる。二つの第2の支持縁52bは、Y方向における第1の支持縁52aの両端と、二つのガイド端壁53との間で延びている。X方向における第2の支持縁52bと取付壁51との間の距離は、第1の支持縁52aから遠ざかるに従って短くなる。
二つのガイド端壁53は、Y方向における取付壁51の両端から突出する。ガイド端壁53の少なくとも一部は、X方向において、アッパレール26の二つの側壁42の間に位置する。
二つのガイド端壁53はそれぞれ、支持面53aを有する。Z方向における支持面53aとロアレール25の底壁31との間の距離は、取付壁51から遠ざかるに従って短くなる。言い換えると、支持面53aは、取付壁51から、斜め下方に延びている。
図2に示す駆動装置23は、スライダ22をロアレール25に対してY方向に移動させる。駆動装置23は、スクリューロッド61と、モータ62と、変換機構63とを有する。図2は、モータ62を模式的に示す。
スクリューロッド61は、例えば、ロアレール25に固定され、Y方向に延びている。スクリューロッド61は、内部空間38又は開口39に位置し、且つアッパレール26の内部に位置する。スクリューロッド61の外面に、雄ネジが形成される。
モータ62は、例えばスライダ22から幅方向内側に離間した位置で、種々の部材を介してスライダ22に取り付けられる。モータ62は、例えば、サーボモータであり、車両1のECU(Electronic Control Unit)の制御に応じて駆動させられる。本実施形態では、一つのスライダ22に一つのモータ62が取り付けられる。しかし、左右一対のスライダ22のために、共通の一つのモータ62が設けられても良い。
変換機構63は、スライダ22に取り付けられる。変換機構63は、例えば、スクリューロッド61に取り付けられたナットと、当該ナットとモータ62との間で回転を伝達するシャフト、ギヤ、ウォーム、及びウォームホイールのような種々の部品と、を有する。
モータ62により、変換機構63のナットが回転駆動されると、スライダ22がロアレール25に対してY方向に相対的に移動する。このように、変換機構63は、モータ62により生じる回転を、スライダ22の直動に変換する。
上述のように、本実施形態のシート装置10は、モータ62により駆動されるパワーシートである。しかし、シート装置10は、ユーザにより手動でスライダ22をY方向に移動させることが可能であっても良い。
二つのレール21はそれぞれ、取付具70をさらに有する。取付具70は、例えば、曲げ加工された一つの板金により作られる。なお、取付具70は、他の材料によって作られても良い。
取付具70は、ロアレール25の外部に位置し、ロアレール25に取り付けられる。本実施形態では、複数の取付具70が、Y方向に間隔を介して並べられ、ロアレール25に取り付けられる。なお、一つの取付具70がロアレール25に取り付けられても良い。取付具70は、下壁71と、立壁72と、保持爪73とを有する。
下壁71は、ロアレール25の底壁31に、例えば、溶接により、又はボルトにより取り付けられる。下壁71は、底壁31と、フロア2の溝2bの底面2baとの間に位置する。下壁71は、底壁31から幅方向外側に延び、ロアレール25の外壁32から幅方向外側に張り出している。
立壁72は、幅方向外側における下壁71の端から、略+Z方向に延びている。立壁72は、外壁32に沿って延びている。立壁72は、外壁32の外面32aと、フロア2の溝2bの幅方向外側の内側面2bbとの間に位置する。しかし、本実施形態の取付具70は、外壁33の外面33aと、フロア2の溝2bの幅方向内側の内側面2bbとの間には設けられない。なお、取付具70の一部が外面33aと幅方向内側の内側面2bbとの間に設けられても良い。
立壁72は、外壁32に接触しても良いし、外壁32から離間していても良い。立壁72は、下壁71及び立壁72の接続部分又はその近傍を支点として、外壁32から離間するように弾性変形することができる。
保持爪73は、+Z方向における立壁72の端に設けられる。保持爪73は、幅方向外側に向かって窪むように曲げられている。言い換えると、保持爪73は、外壁32から離間する方向に窪むように曲げられている。このため、保持爪73と外壁32との間に、保持空間75が設けられる。+Z方向における保持爪73の端は、Z方向において、上壁34の外面34aと略同一位置にあるか、外面34aから-Z方向に離間している。
スライドレール装置11は、二つのレール21に対応する二つのカバー80をさらに有する。図2は、一つのカバー80を示す。なお、スライドレール装置11は、三つ以上のカバー80を有しても良い。
カバー80は、フロア2の溝2bの底面2baから+Z方向(上方向)に離間して配置される。カバー80は、対応するレール21と、当該レール21が収容された溝2bとを覆うことができる。カバー80はそれぞれ、取付部81と、複数の覆部82と、複数の可撓部83と、複数の保持部84とを有する。保持部84は、第1の部分とも称され得る。
取付部81、覆部82、及び保持部84は、例えば、ポリアセタール(POM)のような合成樹脂により作られる。なお、取付部81、覆部82、及び保持部84は、他の材料により作られても良いし、それぞれが別々の材料により作られても良い。例えば、取付部81及び覆部82がポリアセタール(POM)により作られ、保持部84が合成ゴムにより作られても良い。
可撓部83は、例えば、合成ゴムにより作られる。すなわち、可撓部83は、取付部81、覆部82、及び保持部84のいずれよりも剛性が低い。なお、可撓部83は、他の材料により作られても良い。
可撓部83の材料は、取付部81、覆部82、及び保持部84のいずれの材料とも異なる。しかし、本実施形態において、取付部81、覆部82、及び保持部84と、可撓部83とは、例えば、二色成形により一体的に形成される。すなわち、取付部81、覆部82、可撓部83、及び保持部84は、互いに連続するか、接着剤を介さずに互いに固着しており、全体で単一の部品となっている。取付部81、覆部82、可撓部83、及び保持部84は、例えば、破壊又は固着された境界の破断なしには互いに分離されない。
可撓部83の材料は、取付部81、覆部82、及び保持部84の材料と同一であっても良い。取付部81、覆部82、可撓部83、及び保持部84は、別々に成形されて組み立てられても良い。
取付部81は、レール21の外部においてレール21及びフロア2のうち少なくとも一つに取り付けられる。本実施形態では、取付部81は、ロアレール25の上壁35から幅方向外側に離間した位置で、レール21に取り付けられる。幅方向外側は、第3の方向とも称され得る。取付部81は、基部91と突起92とを有する。突起92は、例えば、爪とも称され得る。
図5は、第1の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す斜視図である。図5に示すように、基部91は、X-Y平面上に広がるとともに、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。Y方向において、基部91の長さは、ロアレール25の長さと略等しい。なお、基部91の長さは、ロアレール25の長さと異なっても良い。
図2に示すように、基部91は、取付具70の保持爪73の上方に位置する。基部91は、外壁32と、幅方向外側の内側面2bbと、の間の空間を覆う。基部91は、上壁34を覆っても良いし、上壁34から離間していても良い。基部91は、上壁34を覆う場合、上壁34の外面34aに支持される。
図6は、第1の実施形態のロアレール25とカバー80との一部を示す断面図である。図6は、例えば図2よりも詳細にカバー80を示す。図6に示すように、基部91は、下面91aと、上面91bと、端面91cを有する。端面91cは、外面又は縁とも称され得る。
下面91aは、略-Z方向に向く。図2に示すように、下面91aは、フロア2の床面2a、又は床面2aから略-Z方向に若干窪んだ凹面2eに支持される。凹面2eは、溝2bに隣接し、溝2bに沿ってY方向に延びている。
上面91bは、下面91aの反対側に位置し、略+Z方向に向く。上面91bは、フロア2の床面2aとおおよそ同一平面上に位置する。図6に示すように、端面91cは、基部91の幅方向内側の端に設けられ、幅方向内側に向く。端面91cは、略Y方向に延びている。
突起92は、突出部92aと、係合部92bとを有する。突出部92aは、基部91の下面91aから略-Z方向に突出する。突出部92aは、例えば、Y-Z平面上に広がるとともにY方向に延びる略矩形の板状の壁である。係合部92bは、基部91から-Z方向に離間した位置で、突出部92aに設けられる。
X方向において、係合部92bの幅は、突出部92aの幅よりも大きい。例えば、係合部92bは、突出部92aから幅方向外側に張り出す部分を有する。すなわち、突起92は、基部91に近い突出部92aにおいて細く、基部91から離れた係合部92bにおいて太い。
図2に示すように、突起92は、ロアレール25の外壁32の外面32aと、取付具70の保持爪73と、の間に配置される。例えば、突起92は、取付具70の立壁72を弾性変形させて、外面32aと保持爪73との間の隙間に挿入される。なお、突起92が弾性変形して、外面32aと保持爪73との間の隙間に挿入されても良い。
突起92の係合部92bが保持空間75に収容されることで、取付部81がレール21に取り付けられる。例えば、保持爪73は、係合部92bに当接し、係合部92bが保持空間75から+Z方向に外れることを制限する。なお、取付部81は、例えば、接着剤、ネジ、又は他の手段によりレール21に取り付けられても良い。
なお、本実施形態では、取付部81がレール21に取り付けられているが、取付部81はこの例に限られない。例えば、取付部81は、フロア2に接着剤、ネジ、又は他の手段により取り付けられても良い。
また、例えば、レール21から取付具70が省略され、突起92がロアレール25の外壁32の外面32aとフロア2の幅方向外側の溝2bの内側面2bbとの間に挟持(保持)されても良い。この場合、取付部81がフロア2及びレール21に取り付けられる。
図5に示すように、複数の覆部82はそれぞれ、Y軸と交差する方向に延びる略矩形の板状の壁である。複数の覆部82はそれぞれ、対応する可撓部83により、閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動可能に取付部81に連結されている。
閉塞位置Pcの覆部82は、X-Y平面上に広がり、X方向に延びる。閉塞位置Pcの覆部82において、Y方向の長さはX方向の長さよりも短い。なお、覆部82の寸法はこれに限らず、Y方向の長さは、X方向の長さと同じかより長くても良い。Y方向において、覆部82は、取付部81よりも短い。
閉塞位置Pcにおいて、覆部82は、可撓部83から幅方向内側に延び、ロアレール25の開口39を少なくとも部分的に覆う。本実施形態においては、以下のように、閉塞位置Pcの覆部82は、X方向における開口39の全域を覆うとともに、Y方向における開口39の一部を覆う。閉塞位置Pcの覆部82は、例えばロアレール25の内部に位置するスクリューロッド61を覆い隠す。
X方向において、閉塞位置Pcの覆部82の長さは、開口39の幅よりも長い。閉塞位置Pcの覆部82は、X方向における開口39の全域を覆い塞ぐ。言い換えると、閉塞位置Pcの覆部82は、開口39の-X方向の端から+X方向の端までを覆う。さらに、本実施形態では、閉塞位置Pcの覆部82は、X方向における上壁34の少なくとも一部と、X方向における上壁35の全域と、を覆う。閉塞位置Pcの覆部82は、X方向における開口39の全域を覆えば、上壁35を露出させても良い。
Y方向において、覆部82の長さは、開口39、上壁34、及び上壁35のいずれの長さよりも短い。このため、Y方向においては、一つの覆部82は、開口39の一部と、上壁34の一部と、上壁35の一部とを覆う。
一方、開放位置Poにおいて、覆部82は、ロアレール25の開口39から離間している。開放位置Poの覆部82は、取付部81及び可撓部83から遠ざかるに従って開口39から遠ざかるように延びている。言い換えると、覆部82は、可撓部83から斜め上方に延びている。このため、開放位置Poの覆部82は、開口39を覆わずに露出させる。
複数の覆部82は、Y方向に並んで配置される。これにより、閉塞位置Pcに位置する複数の覆部82が開口39を覆う。隣り合う二つの覆部82の間に、隙間が設けられても良い。当該隙間は、Y方向における覆部82の長さ(幅)よりも短い。当該隙間の幅は、例えば、人間の指、ペン、ライター、及びハイヒールが通過することを防ぐことが可能なように設定される。なお、当該隙間は、この例に限られない。また、隣り合う二つの覆部82が隙間無く密接しても良い。
図6に示すように、複数の覆部82はそれぞれ、第1の面82aと、第2の面82bと、端面82cとを有する。端面82cは、外面又は縁とも称され得る。第1の面82aは、略平坦に形成される。第2の面82bは、第1の面82aの反対側に位置する。第2の面82bは、略平坦に形成され、第1の面82aが向く方向の反対方向に向く。
第2の面82bに凹凸が設けられても良い。例えば、第2の面82bは、複数の窪みが設けられてハニカム形状に形成されても良い。これにより、カバー80に射出成型することによるヒケ(sink marks)が生じることが抑制される。
閉塞位置Pcにおいて、第1の面82aは、略+Z方向に向く。図2に示すように、閉塞位置Pcの第1の面82aは、取付部81の基部91の上面91b及びフロア2の床面2aと、おおよそ同一平面上に位置する。
閉塞位置Pcにおいて、第2の面82bは、略-Z方向に向く。図2に示すように、閉塞位置Pcの第2の面82bは、上壁34の外面34a、上壁35の外面35a、及び凹面2eに支持される。このため、本実施形態のカバー80は、X方向における溝2bの全域を覆い塞ぐことができる。
閉塞位置Pcの覆部82と、溝2bの幅方向内側の内側面2bbとは、隙間を介してX方向に並んでも良い。また、取付部81の基部91と、溝2bの幅方向外側の内側面2bbとは、隙間を介してX方向に並んでも良い。この場合、カバー80と内側面2bbとの間の距離は、例えば、人間の指、ペン、ライター、及びハイヒールが通過することを防ぐことが可能なように設定される。
図6に示すように、端面82cは、覆部82が延びる方向における一方の端部に設けられる。覆部82が閉塞位置Pcに位置する場合、端面82cは、覆部82の幅方向外側の端に位置し、幅方向外側に向く。閉塞位置Pcにおける端面82cは、間隔を介して基部91の端面91cと向かい合う。
可撓部83は、取付部81と覆部82とを連結する。本実施形態では、可撓部83は、取付部81の基部91の端面91cと、覆部82の端面82cとを連結する。なお、可撓部83は、取付部81及び覆部82の他の部分を互いに連結しても良い。
取付部81の基部91に、収容溝91dと、係合溝91eとが設けられる。収容溝91dは、第1の凹部とも称され得る。係合溝91eは、第2の凹部とも称され得る。収容溝91dは、基部91の端面91cから、幅方向外側に窪む略矩形状の溝である。径方向外側は、第3の方向とも称され得る。係合溝91eは、端面91cから離間した位置で、収容溝91dの内面から例えば-Z方向に窪む略矩形状の溝である。-Z方向は、幅方向外側と交差する方向であり、第4の方向とも称され得る。収容溝91d及び係合溝91eは、Y方向に延びている。
覆部82の端面82cに、収容溝82dと、係合溝82eとが設けられる。収容溝82dは、第1の凹部とも称され得る。係合溝82eは、第2の凹部とも称され得る。収容溝82dは、覆部82の端面82cから、幅方向内側に窪む略矩形状の溝である。径方向内側は、第3の方向とも称され得る。係合溝82eは、端面82cから離間した位置で、収容溝82dの内面から例えば-Z方向に窪む略矩形状の溝である。-Z方向は、幅方向内側と交差する方向であり、第4の方向とも称され得る。
可撓部83は、第1の端部83aと、第2の端部83bと、中間部83cとを有する。第1の端部83aは可撓部83の一部であって、基部91の収容溝91d及び係合溝91eに収容される。第2の端部83bは、可撓部83の一部であって、覆部82の収容溝82d及び係合溝82eに収容される。中間部83cは、第1の端部83aと第2の端部83bとの間に設けられる。
第1の端部83aは、収容溝91dの内面及び係合溝91eの内面に固着している。さらに、第1の端部83aが係合溝91eに入り込んでいるため、係合溝91eの内面は、可撓部83が収容溝91d及び係合溝91eから抜けることを制限する。
第2の端部83bは、収容溝82dの内面及び係合溝82eの内面に固着している。さらに、第2の端部83bが係合溝82eに入り込んでいるため、係合溝82eの内面は、可撓部83が収容溝82d及び係合溝82eから抜けることを制限する。
中間部83cは、X方向における上壁34の一部を覆う。覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、中間部83cは、上壁34の外面34aに支持される。なお、覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、中間部83cが上壁34から離間していても良い。
可撓部83は、取付部81、覆部82、及び保持部84のいずれよりも変形しやすい。このため、覆部82は、可撓部83の変形を伴って閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する。言い換えると、覆部82は、可撓部83を折り曲げながら閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する。覆部82の移動時、可撓部83は、例えば弾性変形する。また、覆部82が閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する際に、覆部82が変形しても良い。
本実施形態では、複数の可撓部83が、対応する覆部82と取付部81とを連結する。しかし、一つの可撓部83が、複数の覆部82と取付部81とを連結しても良い。例えば、一つの可撓部83において、一つの第1の端部83aに、複数の中間部83cが接続されていても良い。
図2に示すように、本実施形態の保持部84は、覆部82に設けられた爪状の突起である。なお、保持部84はこの例に限られず、カバー80と異なる部分に設けられても良い。保持部84は、突出部84aと、係合部84bとを有する。
突出部84aは、覆部82の第2の面82bから突出する。突出部84aは、例えば、Y方向に延びる略矩形の板状の壁である。係合部84bは、覆部82から離間した位置で、突出部84aに設けられる。覆部82が閉塞位置Pcに位置する場合、X方向において、係合部84bの幅は、突出部84aの幅よりも大きい。例えば、係合部84bは、突出部84aから幅方向外側に張り出す部分を有する。すなわち、保持部84は、覆部82に近い突出部84aにおいて細く、覆部82から離れた係合部84bにおいて太い。
覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに、保持部84は、ロアレール25の外壁33の外面33aと、溝2bの幅方向内側の内側面2bbと、の間に配置される。保持部84は、突出部84aを弾性変形させながら、係合部84bで外壁33の外面33aに当接する。これにより、保持部84は、弾性変形の復元力により外壁33の外面33aを押す。
保持部84が外壁33の外面33aを弾性的に押圧するため、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poに移動するとき、保持部84と外壁33との間に静止摩擦力が生じる。これにより、保持部84は、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに、レール21の外壁33に保持されることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。言い換えると、保持部84は、弾性変形を伴って外壁33に引っかかることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。外壁33は、第2の部分とも称され得る。以上のように、保持部84は、当該保持部84の弾性変形を利用したスナップフィットにより、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
保持部84による保持方法は、上述の例に限られない。例えば、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに、外壁33の外面33aに開口する孔又は凹部に係合部84bが嵌められても良い。この場合、保持部84は、孔又は凹部の縁に係合部84bが当接することで、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動することを制限し、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
また、保持部84がカーペット2dの幅方向内側の内側面2bbに当接し、保持部84及びカーペット2dのうち少なくとも一方が弾性変形しても良い。この場合、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poに移動するとき、保持部84と内側面2bbとの間に静止摩擦力が生じる。これにより、保持部84は、フロア2に保持されることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。言い換えると、保持部84は、弾性変形を伴ってフロア2に引っかかることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。フロア2は、第2の部分とも称され得る。
また、保持部84がロアレール25の外壁33の外面33aとフロア2の溝2bの幅方向内側の内側面2bbとの間に挟持(保持)されても良い。この場合、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poに移動するとき、保持部84と外壁33との間、そして保持部84と内側面2bbとの間に、静止摩擦力が生じる。これにより、保持部84は、レール21及びフロア2に保持されることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
以上のように、保持部84は、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに、上壁34から幅方向内側に離間した位置で、レール21及びフロア2のうち少なくとも一つに保持される。このため、レール21に対して幅方向外側で、取付部81がレール21及びフロア2のうち少なくとも一つに取り付けられ、レール21に対して幅方向内側で、保持部84がレール21及びフロア2のうち少なくとも一つに保持される。
以上説明されたカバー80は、例えば、二色成形により一つの板状に形成された後、覆部82、可撓部83、及び保持部84を切削により複数に分割することで製造されても良い。当該製造方法によれば、一つの取付部81、複数の覆部82、複数の可撓部83、及び複数の保持部84を有するカバー80を容易に製造することができる。
本実施形態において、カバー80は、一つの取付部81と、複数の覆部82と、複数の可撓部83と、複数の保持部84とを有する。しかし、スライドレール装置11は、それぞれが一つの取付部81、一つの覆部82、一つの可撓部83、及び一つの保持部84を有する複数のカバー80を有しても良い。この場合、複数のカバー80がY方向に並べられる。
本実施形態では、例えば、Y方向においてスライダ22が位置する範囲内にある覆部82は、開放位置Poに位置する。ガイド部材27のガイド側壁52及びガイド端壁53は、Y方向においてスライダ22が位置する範囲内にある覆部82を、開放位置Poに支持する。言い換えると、ガイド側壁52及びガイド端壁53は、スライダ22とX方向で対向する(隣接する、並ぶ)覆部82を、開放位置Poに支持する。これにより、ガイド側壁52及びガイド端壁53は、覆部82が自重により開放位置Poから閉塞位置Pcへ戻ることを抑制する。
開放位置Poにおいて、覆部82は、開口39から離間するとともに、ガイド部材27に支持される。また、開放位置Poにおいて、覆部82は、シート12や変換機構63のような、ガイド部材27と異なる部材から離間している。言い換えると、開放位置Poは、覆部82がガイド部材27と異なる部材に干渉しない位置に設定される。なお、開放位置Poは、この例に限られない。
Y方向において覆部82が開放位置Poに位置する範囲では、開口39が露出されるため、アッパレール26が少なくとも部分的に開口39に位置することができる。別の表現によれば、覆部82は、開放位置Poに位置することで、開口39に位置するアッパレール26を避けている。
スライダ22がY方向に移動することにより、ガイド部材27のガイド端壁53が、複数の覆部82のうち少なくとも一つを閉塞位置Pcから開放位置Poに移動させる。以下、一つの覆部82に注目して、覆部82の閉塞位置Pcから開放位置Poへの移動について説明する。
まず、図5に示すように、覆部82に近付くようにスライダ22がY方向に移動することで、当該覆部82に、ガイド端壁53の支持面53aが接触する。上述のように、支持面53aは、取付壁51から斜め下方へ延びている。このため、スライダ22がY方向へさらに移動すると、覆部82は支持面53aによって上方へ押される。
覆部82は、支持面53aに押されることで、可撓部83を変形させながら閉塞位置Pcから開放位置Poへ向かって移動する。言い換えると、覆部82は、可撓部83が折れ曲がることで、閉塞位置Pcから開放位置Poへ向かって回動する。覆部82の回動の中心軸は、可撓部83の内部を通り、又は可撓部83の近傍に位置し、略Y方向に延びている。
覆部82は、支持面53aに沿ってガイド端壁53上を摺動し、ガイド側壁52に到達する。少なくとも覆部82がガイド側壁52に接触した時点で、覆部82は、開放位置Poに到達し、開口39から離間している。
スライダ22がY方向へさらに移動すると、覆部82は、第2の支持縁52b及び第1の支持縁52aに沿ってガイド側壁52上を摺動する。上壁34,35に対する覆部82の傾斜角は、覆部82がガイド端壁53に支持されるとき、覆部82が第2の支持縁52bに支持されるとき、及び覆部82が第1の支持縁52aに支持されるとき、に順に増大する。
以上のように、ガイド端壁53は、スライダ22が覆部82に近付くように移動することで、当該覆部82を閉塞位置Pcから開放位置Poへ押し上げる。ガイド側壁52は、覆部82が開放位置Poに保たれるように、当該覆部82を支持する。
一方、スライダ22がY方向に移動することにより、複数の覆部82のうち少なくとも他の一つが開放位置Poから閉塞位置Pcに移動させられる。以下、一つの覆部82に注目して、覆部82の開放位置Poから閉塞位置Pcへの移動について説明する。
まず、開放位置Poに位置する覆部82から遠ざかるようにスライダ22がY方向に移動する。これにより、当該覆部82は、第1の支持縁52aから、第2の支持縁52bを通り、ガイド端壁53の支持面53aに到達する。覆部82は、第1の支持縁52a、第2の支持縁52b、及び支持面53aに順に支持されながら、自重及び可撓部83の復元力により開放位置Poから閉塞位置Pcに近付く。
覆部82が開放位置Poから閉塞位置Pcに近づくと、保持部84が、例えばロアレール25の外壁33と上壁35との角部分に当接する。例えば、当該角部分に支持された覆部82を押し下げる部材が、スライダ22に設けられる。当該部材により、保持部84の弾性変形を伴って、覆部82が閉塞位置Pcに移動させられる。保持部84は、弾性変形しながら、外面33aと幅方向内側の内側面2bbとの間の隙間に挿入される。
覆部82が閉塞位置Pcに到達すると、スライダ22は覆部82から離間する。このように、スライダ22が覆部82から遠ざかるように移動することで、覆部82が開放位置Poから閉塞位置Pcへ移動する。
以上説明された第1の実施形態に係るスライドレール装置11において、覆部82は、閉塞位置PcにおいてX方向における開口39の全域を覆い、開放位置Poにおいて開口39から離間する。一つの覆部82によりX方向における開口39の全域が覆われるため、開口39からレール21の内部に異物が入り込むことが抑制されるとともに、スライドレール装置11の部品点数が低減され得る。さらに、覆部82は、可撓部83により取付部81に連結され、可撓部83の変形を伴って閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する。これにより、覆部82が閉塞位置Pcと開放位置Poとの間でスムーズに移動することができ、ひいてはスライダ22がスムーズに移動することができる。
可撓部83は、上壁34の一部を覆う。このため、例えば可撓部83が車両1の搭乗者に踏まれた場合、可撓部83は、上壁34に支持されるため、変形することが抑制される。従って、カバー80の耐久性が向上し得る。
可撓部83は、取付部81及び覆部82のいずれよりも剛性が低い。可撓部83の材料は、取付部81の材料及び覆部82の材料のいずれとも異なる。取付部81と、覆部82と、可撓部83とは、一体的に形成される。これにより、可撓部83が変形しやすくなりながら、取付部81、覆部82、及び可撓部83を含むカバー80が一体的な部品として扱われ得る。従って、スライドレール装置11の組み立てが容易になるとともに、スライドレール装置11の部品点数が低減され得る。
取付部81は、端面91cを有し、端面91cから幅方向外側に窪む収容溝91dと、収容溝91dの内面から-Z方向に窪む係合溝91eと、が設けられる。収容溝91dと係合溝91eとに、可撓部83の一部である第1の端部83aが収容される。さらに、覆部82は、端面82cを有し、端面82cから幅方向内側に窪む収容溝82dと、収容溝82dの内面から-Z方向に窪む係合溝82eと、が設けられる。収容溝82dと係合溝82eとに、可撓部83の一部である第2の端部83bが収容される。これにより、可撓部83が取付部81及び覆部82から外れようとする場合、可撓部83が係合溝82e,91eの内面に引っかかり、可撓部83が収容溝82d,91d及び係合溝82e,91eから外れることが抑制される。
覆部82は、閉塞位置PcにおいてX方向(+X方向)における開口39の全域を覆い、開放位置Poにおいて開口39から離間する。保持部84は、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。一つの覆部82がX方向における開口39の全域を覆い、当該覆部82が保持部84により閉塞位置Pcに保持されるため、開口39からレール21の内部に異物が入り込むことが抑制される。例えば、覆部82が勝手に又は搭乗者の悪戯により開放位置Poに移動させられ、露出された開口39からレール21の内部に異物が入り込むこと、が抑制される。また、勝手に又は搭乗者の悪戯により開放位置Poに移動させられた覆部82に、移動するスライダ22及びシート12が干渉することが抑制される。
取付部81は、上壁35から+X方向の反対の-X方向に離間した位置でレール21及びフロア2の少なくとも一方に取り付けられる。保持部84は、覆部82に設けられ、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに上壁34から+X方向に離間した位置でレール21及びフロア2のうち少なくとも一つに保持される。これにより、取付部81が取り付けられる部分と、保持部84が保持される部分と、の配置が互いに干渉しにくくなるため、スライドレール装置11の設計自由度が向上する。
レール21は、上壁35の+X方向における端又は-X方向における端から、Y方向と直交するとともに+X方向と交差する-Z方向に延びる外壁33及び内壁37を有する。保持部84は、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに外壁33に保持される。このため、保持部84を保持するための構造を上壁35に設ける必要が無くなり、X方向における上壁35の幅を短くすることができ、ひいてはX方向におけるレール21の幅を短くすることができる。
覆部82に設けられた保持部84と、レール21に設けられた外壁33と、のうち一方が弾性変形を伴って他方に引っかかることで、覆部82が閉塞位置Pcに保持される。すなわち、保持部84は、スナップフィットにより覆部82を閉塞位置Pcに保持する。これにより、保持部84の構造を簡素化することが可能となり、スライドレール装置11のコストが増大することが抑制される。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図7は、第2の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す断面図である。図7に示すように、第2の実施形態の保持部84は、二つのフック101,102を有する。フック101,102は、第1の部分とも称され得る。二つのフック101は、覆部82に設けられ、X方向に互いに離間した位置で、覆部82の第2の面82bから突出する爪状の突起である。
覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、フック101は、第1の実施形態の保持部84と同じく、ロアレール25の外壁33に保持される。すなわち、フック101は、外壁33の外面33aを弾性的に押圧することで、静止摩擦力により外壁33に保持される。言い換えると、フック101は、弾性変形を伴って外壁33に引っかかることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。フック101は、外壁33の外面33aに開口する孔又は凹部に嵌められても良い。
フック102は、フック101から幅方向外側に離間している。覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、フック102は、ロアレール25の内壁37に保持される。第2の実施形態において、外壁33及び内壁37は、第3の壁とも称され得る。
フック102は、弾性変形しながら、内壁37に当接する。これにより、フック102は、弾性変形の復元力により内壁37を押す。フック102が内壁37を弾性的に押圧するため、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poに移動するとき、フック102と内壁37との間に静止摩擦力が生じる。これにより、フック102は、覆部82が閉塞位置Pcに位置するときに、内壁37に保持されることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。言い換えると、フック102は、弾性変形を伴って内壁37に引っかかることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
第2の実施形態のフック101,102は、当該フック101,102の弾性を利用したスナップフィットにより、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。また、ロアレール25の外壁33、上壁35、及び内壁37は、二つのフック101,102の間に挟持(保持)される。
スライダ22が覆部82に接近するようにY方向に移動するとき、ガイド部材27のガイド端壁53は、覆部82又はフック102に当接する。ガイド端壁53が覆部82に当接する場合、ガイド端壁53は、スライダ22の移動に伴って、覆部82を+Z方向に押す。覆部82が+Z方向に押し上げられることで、フック102が覆部82に引き上げられ、内壁37から外れる。一方、ガイド端壁53がフック102に当接する場合、ガイド端壁53は、スライダ22の移動に伴って、フック102を幅方向外側に押す。これにより、フック102は、内壁37から離間するように弾性変形する。すなわち、ガイド部材27は、スライダ22の移動に伴って保持部84による覆部82の保持を解除する。ガイド部材27は、解除部とも称され得る。
閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動する覆部82が回動するとき、フック101は、当該フック101の先端が外壁33から離間するように傾く。このため、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するとき、フック101が外壁33を押す力は若干増加するか、維持されるか、又は減少する。
一方、閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動する覆部82が回動するとき、フック102は、当該フック102の先端が内壁37に近づくように傾く。このため、覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するとき、フック102が内壁37を押す力は大きく増加する。しかし、第2の実施形態のうち、ガイド端壁53が直接フック102に当接する場合には、ガイド端壁53がフック102を予め内壁37から離間させるため、フック102が覆部82の所望の移動を妨げることが抑制される。
第2の実施形態では、可撓部83が第1の実施形態よりも長く設けられる。具体的には、覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、X方向において、可撓部83の長さは、フロア2の溝2bの幅方向外側の内側面2bbと外壁32との間の距離よりも長い。これにより、覆部82が閉塞位置Pcと開放位置Poとの間でスムーズに移動することができ、ひいてはスライダ22がスムーズに移動することができる。
覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、可撓部83は、取付部81の基部91に支持される。これにより、例えば可撓部83が踏まれた場合、可撓部83は、取付部81に支持されるため、変形することが抑制される。従って、カバー80の耐久性が向上し得る。
以上説明された第2の実施形態のスライドレール装置11において、保持部84は、閉塞位置Pcにおいて、外壁33に当接するフック101と、内壁37に当接するフック102を有する。これにより、第1の実施形態に比べて、より覆部82が勝手に又は搭乗者の悪戯により開放位置Poに移動させられ、露出された開口39からレール21の内部に異物が入り込むことをより抑制できる。
スライダ22は、スライダ22の移動に伴って保持部84による覆部82の保持を解除するガイド部材27を有する。これにより、スライダ22の移動に伴って覆部82が閉塞位置Pcから開放位置Poに移動可能となるため、スライダ22及び覆部82の移動がスムーズになる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第3の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す断面図である。図9は、第3の実施形態の、覆部82が開放位置Poに位置するスライドレール装置11の一部を示す断面図である。
第3の実施形態において、取付部81と、複数の覆部82と、複数の可撓部83と、複数の保持部84とは、例えば、ポリアセタール(POM)のような合成樹脂により作られる。言い換えると、取付部81、覆部82、可撓部83、及び保持部84は、一つの材料により、一体的に形成される。なお、取付部81、覆部82、可撓部83、及び保持部84は、複数の材料又は傾斜機能材料により形成されても良い。
可撓部83は、薄肉部121を有する。薄肉部121は、一体的に形成されたカバー80のうち、他の部分より薄い部分である。例えば、薄肉部121は、覆部82よりも薄く、且つ取付部81の基部91よりも薄い。このため、薄肉部121は、取付部81及び覆部82のいずれよりも剛性が低い。
薄肉部121は、覆部82と、取付部81の基部91と、を連結する。薄肉部121は、略Y方向に延びている。例えば、厚さが略一定である板状の壁に略Y方向に延びる溝を設けることで、当該溝により当該壁が、取付部81の基部91と、覆部82とに分割される。さらに、当該溝が設けられた部分が可撓部83の薄肉部121となる。
図8及び図9に示すように、覆部82は、薄肉部121の変形を伴って閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する。言い換えると、覆部82は、薄肉部121を折り曲げながら閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動する。
薄肉部121は、上壁34から離間している。これにより、覆部82が閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で移動するときに、取付部81と覆部82とが干渉することが抑制される。さらに、覆部82の第1の面82aと、取付部81の基部91の上面91bとが、可撓部83を介して滑らかに連続する。これにより、カバー80の外観が良くなる。
保持部84は、第1のスナップボタン125と、第2のスナップボタン126とを有する。第1のスナップボタン125は、第2の部分とも称され得る。第2のスナップボタン126は、第1の部分とも称され得る。第1のスナップボタン125は、ロアレール25の上壁35に設けられる。第2のスナップボタン126は、覆部82の第2の面82bに設けられる。
第1のスナップボタン125は、オスのスナップボタンであり、上壁35の外面35aから突出する。第1のスナップボタン125は、上壁35に取り付けられても良いし、例えばプレス加工によって上壁35に一体的に設けられても良い。また、第1のスナップボタン125は、メスのスナップボタンであっても良い。
第2のスナップボタン126は、メスのスナップボタンであり、覆部82の第2の面82bから窪んだ凹部を含む。第2のスナップボタン126は、例えば射出成型により覆部82に設けられても良いし、覆部82に取り付けられても良い。また、第2のスナップボタン126は、オスのスナップボタンであっても良い。
覆部82が閉塞位置Pcに位置するとき、第1のスナップボタン125と第2のスナップボタン126とは、互いに嵌り合う。これにより、保持部84は、スナップフィットにより覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
第1のスナップボタン125は、例えば、外周面に窪みが設けられた略円柱状の突起を含む。第2のスナップボタン126は、例えば、上記突起を収容可能な略円形の凹部が設けられ、当該凹部の内周面から突出する爪を有する。突起は、爪を弾性変形させながら凹部に嵌められる。爪が突起の窪みに嵌まることで、突起が凹部から外れることが抑制される。言い換えると、第2のスナップボタン126は、弾性変形を伴って第1のスナップボタン125に引っかかることで、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。このように、第1のスナップボタン125及び第2のスナップボタン126は、爪の弾性変形を利用したスナップフィットにより、覆部82を閉塞位置Pcに保持する。
以上説明された第3の実施形態のスライドレール装置11において、取付部81と、覆部82と、可撓部83とは、一体的に形成される。可撓部83は、覆部82よりも薄い。可撓部83が覆部82より薄く形成されることで、可撓部83が取付部81及び覆部82のいずれよりも剛性を低くされ得る。このため、覆部82が可撓部83の変形を伴って移動することができる。従って、例えば、取付部81、覆部82、及び可撓部83を同一の材料により形成しながら可撓部を変形しやすくすることができ、スライドレール装置11のコストが低減され得る。
以上説明されたように、保持部84は、第1及び第2の実施形態の爪状の突起であっても良いし、第3の実施形態のスナップボタンであっても良い。さらに、保持部84は、以上の例に限られず、以下の例を含んでも良い。
例えば、保持部84は、覆部82及びフロア2のうち一方に設けられた磁石と、他方に設けられた金属と、を有しても良い。磁石が磁力により金属を引き付けることで、保持部84は、覆部82を閉塞位置Pcに保持することができる。さらに、磁石として電磁石が適用されても良い。この場合、例えば、ECUが電磁石による磁力の発生を停止させることで、保持部84による覆部82の保持を解除する。
例えば、保持部84は、覆部82及びフロア2に設けられた一対の面ファスナーを有しても良い。覆部82に設けられた面ファスナーと、フロア2に設けられた面ファスナーとがくっつくことで、保持部84は、覆部82を閉塞位置Pcに保持することができる。
例えば、保持部84は、覆部82及びフロア2のうち一方に設けられた吸引装置を有しても良い。吸引装置が覆部82及びフロア2のうち他方に吸着することで、保持部84は、覆部82を閉塞位置Pcに保持することができる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図10乃至図22を参照して説明する。図10は、第4の実施形態に係るスライドレール装置11を示す斜視図である。図11は、第4の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す平面図である。図12は、第4の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す側面図である。図13は、第4の実施形態のスライドレール装置11を図12のF13-F13線に沿って示す断面図である。図14は、第4の実施形態のスライドレール装置11を図12のF14-F14線に沿って示す断面図である。図15は、第4の実施形態のスライドレール装置11を図12のF15-F15線に沿って示す断面図である。
図11に示すように、第4の実施形態のレール21は、取付具70の代わりに、複数の取付具200を有する。複数の取付具200は、Y方向に並べられ、対応するロアレール25に取り付けられる。図13に示すように、取付具200は、底部201と、第1の側部202と、第2の側部203と、フック部材204と、取付軸205とを有する。フック部材204は、第2の部分とも称され得る。取付軸205は、第2の取付部、軸、又は被取付部とも称され得る。
底部201は、対応するロアレール25の底壁31と、フロア2の溝2bの底面2baとの間に位置する。底部201は、例えばロアレール25をフロア2に取り付けるボルトにより、底壁31及び底面2baに取り付けられる。なお、底部201は、例えば溶接により底壁31に取り付けられても良い。
第1の側部202は、ロアレール25の外壁33と、フロア2の溝2bの幅方向内側(+X方向)の内側面2bbとの間に位置する。第1の側部202は、支持部211と、複数の保持部212とを有する。
支持部211は、幅方向内側(+X方向)における底部201の端部から+Z方向に突出している。支持部211は、ロアレール25の外壁33に沿って、Y方向に延びている。支持部211は、外壁33の外面33aに対して接触し、又は僅かに離間している。
複数の保持部212はそれぞれ、+Z方向における支持部211の端部211aから、+Z方向に突出している。+Z方向における保持部212の端は、Z方向において、上壁35の外面35aから-Z方向に離間している。
複数の保持部212は、Y方向に互いに間隔を介して並べられている。すなわち、複数の保持部212の間において、+Z方向における支持部211の端部211aは露出している。
保持部212は、内側面212aと、凹面212bとを有する。内側面212aは、ロアレール25の外壁33から離間するとともに、外壁33の外面33aに向く。凹面212bは、+Z方向における内側面212aの端から-Z方向に離間した位置で、内側面212aから窪んでいる。このため、内側面212a及び凹面212bと、外面33aとの間に、保持空間213が設けられる。
第2の側部203は、ロアレール25の外壁32と、フロア2の溝2bの幅方向外側(-X方向)の内側面2bbとの間に位置する。このため、ロアレール25は、X方向において、第1の側部202と第2の側部203との間に位置する。第2の側部203は、複数の軸支持部215と、受け部216とを有する。
軸支持部215は、幅方向外側(-X方向)における底部201の端部から+Z方向に突出している。複数の軸支持部215は、Y方向に互いに間隔を介して並べられている。Z方向において、+Z方向における軸支持部215の端は、ロアレール25の上壁34の外面34aから+Z方向に離間している。なお、軸支持部215は、この例に限られない。
受け部216は、隣り合う軸支持部215の間に位置し、幅方向外側(-X方向)における底部201の端部から+Z方向に突出している。受け部216は、ロアレール25の外壁32に沿って、Y方向に延びている。
軸支持部215及び受け部216は、外壁32の外面32aに対して接触し、又は僅かに離間している。例えば、軸支持部215は、外壁32に向かって突出するとともに外面32aに接触するリブを有しても良い。当該リブが設けられることにより、軸支持部215は、ロアレール25の撓みによる影響を吸収できる。X方向における軸支持部215及び受け部216のそれぞれの長さ(幅)は、取付軸205の直径よりも長い。
受け部216は、受け面216aを有する。受け面216aは、例えば、+Z方向に向く略平坦な面である。なお、受け面216aは、他の方向に向いても良い。Z方向において、受け面216aは、ロアレール25の上壁34の外面34aから-Z方向に離間している。
受け部216に凹部217が設けられる。凹部217は、受け面216aから-Z方向に窪んでいる。受け面216aの少なくとも一部は、凹部217とロアレール25との間に位置する。
底部201、第1の側部202、及び第2の側部203は、例えば、金属により一体に作られる。なお、底部201、第1の側部202、及び第2の側部203は、他の材料により作られても良いし、別々な複数の部品を含んでも良い。例えば、第2の側部203において、受け部216と軸支持部215とが別々の部品であっても良い。
底部201、第1の側部202、及び第2の側部203は、フロア2と一体に作られても良い。例えば、車両1のボデーに、底部201、第1の側部202、及び第2の側部203が設けられても良い。
フック部材204は、例えば、合成ゴムのようなエラストマーにより作られる。フック部材204は、Y方向に延びている。フック部材204は、係合部204aと、延部204bと、爪204cとを有する。
係合部204aは、保持部212の凹面212bと、外壁33の外面33aとの間に位置するとともに、支持部211に支持されている。延部204bは、係合部204aから略+Z方向に延びている。係合部204aと延部204bの一部とは、保持空間213に収容される。これにより、フック部材204は、外壁33と保持部212とによって保持されている。爪204cは、延部204bの先端から、幅方向外側(-X方向)に突出している。Z方向において、爪204cは、上壁35の外面35aから+Z方向に離間している。
取付軸205は、例えば金属によって作られた略円柱状の棒である。取付軸205は、ロアレール25から幅方向外側(-X方向)に離間した位置でY方向に延びるように軸支持部215に支持される。例えば、軸支持部215に設けられた孔に、取付軸205が挿通している。X方向において、第2の側部203の受け面216aは、取付軸205よりもロアレール25の外壁32に近い。
第4の実施形態のスライドレール装置11は、カバー80の代わりに、複数のカバー220を有する。複数のカバー220はそれぞれ、例えば、ナイロンのような合成樹脂によって作られる。なお、カバー220は、他の材料によって作られても良い。
図10に示すように、複数のカバー220は、複数の第1のカバー221と、複数の第2のカバー222とを含む。例えば、複数のカバー220のうち約半数が第1のカバー221であり、残りが第2のカバー222である。なお、カバー220はこの例に限られない。
複数の第1のカバー221と複数の第2のカバー222とは、Y方向に交互に並べられる。言い換えると、一つの第1のカバー221は、Y方向に並ぶ二つの第2のカバー222の間に位置する。また、一つの第2のカバー222は、Y方向に並ぶ二つの第1のカバー221の間に位置する。
図13に示すように、複数のカバー220は、取付部225と覆部226とを有する。すなわち、複数の第1のカバー221と複数の第2のカバー222とはそれぞれ、取付部225と覆部226とを有する。取付部225は、第1の取付部とも称され得る。取付部225と覆部226とは、一体に形成される。
取付部225は、Y方向に延びる略半円筒状に形成される。取付部225は、取付軸205の軸心まわりに回転可能に当該取付軸205に取り付けられる。すなわち、取付部225は、レール21の外部においてレール21の取付軸205に取り付けられる。
覆部226は、取付部225から、Y方向と交差する方向に延びている。言い換えると、覆部226は、取付部225に連結(接続)されている。本実施形態では、覆部226は、Y方向における取付部225の略全域から延び、略矩形(四角形)の板状に形成される。なお、覆部226は、この例に限られない。
取付部225が取付軸205まわりに回転することで、覆部226も取付部225と一体的に取付軸205まわりに回転する。覆部226は、図13に示す閉塞位置Pcと、図14及び図15に示す開放位置Poと、の間で回転可能である。言い換えると、取付部225は、覆部226が閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で回動可能なように取付軸205に取り付けられる。
閉塞位置Pcにおいて、覆部226は、X-Y平面上に広がり、X方向に延びる。閉塞位置Pcの覆部226において、Y方向の長さはX方向の長さよりも短い。なお、覆部226の寸法はこれに限らず、Y方向の長さは、X方向の長さと同じかより長くても良い。
閉塞位置Pcにおいて、覆部226は、ロアレール25の開口39を少なくとも部分的に覆う。本実施形態においては、以下のように、閉塞位置Pcの覆部226は、X方向における開口39の全域を覆うとともに、Y方向における開口39の一部を覆う。閉塞位置Pcの覆部226は、例えばロアレール25の内部に位置するスクリューロッド61を覆い隠す。
X方向において、閉塞位置Pcの覆部226の長さは、開口39の幅よりも長い。閉塞位置Pcの覆部226は、X方向における開口39の全域を覆い塞ぐ。言い換えると、閉塞位置Pcの覆部226は、開口39の-X方向の端から+X方向の端までを覆う。さらに、本実施形態では、閉塞位置Pcの覆部226は、X方向における上壁34の全域と、X方向における上壁35の全域と、を覆う。閉塞位置Pcの覆部226は、X方向における開口39の全域を覆えば、上壁34,35を露出させても良い。
Y方向において、覆部226の長さは、開口39、上壁34、及び上壁35のいずれの長さよりも短い。このため、Y方向においては、一つの覆部226は、開口39の一部と、上壁34の一部と、上壁35の一部とを覆う。
図15に示すように、開放位置Poにおいて、覆部226は、ロアレール25の開口39から離間している。開放位置Poの覆部226は、取付部225から遠ざかるに従って開口39から遠ざかるように延びている。言い換えると、覆部226は、取付部225から上方又は斜め上方に延びている。このため、開放位置Poの覆部226は、開口39を覆わずに露出させる。
図13に示すように、取付部225は、当接面225aを有する。当接面225aは、閉塞位置Pcにおいて、略-Z方向に向く。当接面225aは、Z方向に間隔Daを介して受け部216の受け面216aに向く。
通常、受け面216aを含む受け部216は、取付部225から離間している。受け部216は、凹部217が設けられることで、閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で回転する取付部225を避け、取付部225に干渉することを抑制できる。
取付部225に、挿通孔227が設けられる。挿通孔227は、挿通開口とも称され得る。挿通孔227は、取付部225をY方向に貫通する略長円形の孔である。本実施形態において、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、Z方向(-Z方向)における挿通孔227の長さは、X方向(+X方向)における挿通孔227の長さよりも長い。
挿通孔227に取付軸205が通されることで、取付部225は、取付軸205まわりに回転可能に当該取付軸205に取り付けられる。このように、取付部225は、レール21の取付具200の取付軸205に取り付けられる。
挿通孔227は、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向に開放されるように、取付部225に設けられる。例えば、挿通孔227は、取付部225の当接面225aに開口する溝である。このため、挿通孔227の内面は、略U字状に形成される。なお、挿通孔227は、この例に限られず、例えば、Y方向にのみ開放された孔であっても良い。
覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、-Z方向における挿通孔227の端部227aが、取付部225の当接面225aに開口する。言い換えると、挿通孔227の端部227aは、取付部225の外部に開放されている。覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、X方向における端部227aの長さ(幅)は、取付軸205の直径よりも短い。このため、取付軸205は、挿通孔227の内部に保持される。
取付部225は、取付軸205にスナップフィットによって取り外し可能に取り付けられる。例えば、端部227aが広がるように取付部225が弾性変形し、端部227aを通って取付軸205が挿通孔227に着脱される。これにより、取付部225は、複数のカバー220のそれぞれの位置から取り外し可能なように、レール21に取り付けられる。
取付部225は、挿通孔227の底面227bを有する。底面227bは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときの+Z方向における挿通孔227の端部に設けられる。底面227bは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、-Z方向に向く。
取付軸205のうち+Z方向に向く上部205aは、間隔Dbを介して挿通孔227の底面227bに向く。Z方向において、間隔Dbの長さは、間隔Daの長さよりも長い。+Z方向は、第4の方向とも称され得る。一方、挿通孔227を通る取付軸205は、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに、挿通孔227の内面にX方向に支持される。このため、取付軸205は、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに取付部225がX方向に移動することを制限する。
覆部226は、下面226aと、上面226bと、側面226cとを有する。第1のカバー221の下面226aは、第1の面とも称され得る。第1のカバー221の上面226bは、第2の面とも称され得る。第2のカバー222の下面226aは、第4の面とも称され得る。第2のカバー222の上面226bは、第5の面とも称され得る。
下面226aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときにレール21に向く。例えば、下面226aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、-Z方向に向くことで、ロアレール25の上壁34,35の外面34a,35aに向く。
下面226aに、ハニカム構造を形成する複数の略六角形の窪み及びリブが設けられる。ハニカム構造は、例えばカバー220を射出成型することによるヒケ(sink marks)が生じることを抑制できるとともに、カバー220を軽量化できる。
上面226bは、下面226aの反対側に位置する略平坦な面である。このため、上面226bは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、+Z方向に向く。+Z方向は、第2の方向とも称され得る。上面226bは、略円柱状の取付部225の外周面に連続し、当該外周面の接線方向に延びる。なお、上面226bは、この例に限られない。
覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、X方向における上面226bの長さは、X方向における下面226aの長さよりも長い。なお、下面226a及び上面226bの長さは、この例に限られない。
側面226cは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときの+X方向における下面226aの端から略+Z方向に延びている。側面226cは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、+X方向に向く。
側面226cに、係合溝226dが設けられる。係合溝226dは、第1の部分とも称され得る。係合溝226dは、側面226cから窪むとともに、Y方向に延びている。係合溝226dに、フック部材204の爪204cが挿入可能である。
図16は、第4の実施形態の複数のカバー220を示す平面図である。図17は、第4の実施形態の複数のカバー220を示す側面図である。図18は、第4の実施形態の第1のカバー221を示す斜視図である。図19は、第4の実施形態の第2のカバー222を示す斜視図である。
図18に示すように、第1のカバー221の覆部226は、二つの支持面226eをさらに有する。支持面226eは、第3の面とも称され得る。支持面226eは、第1のカバー221の上面226bと同じく、下面226aの反対側に位置する略平坦な面である。支持面226eは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、+Z方向に向く。すなわち、支持面226eは、上面226bと略平行な面である。なお、支持面226eが向く方向と、上面226bが向く方向とが、互いに異なっても良い。
上面226bと支持面226eとは、Y方向に隣接している。すなわち、Y方向において、上面226bと支持面226eとの間には、例えば面取りの曲面を除いて、上面226b及び支持面226eと略同一方向に向く面が設けられない。なお、この例に限られず、上面226bと支持面226eとの間に他の面が設けられても良い。
支持面226eは、上面226bよりも下面226aに近い。すなわち、支持面226eは、上面226bから窪んでいる。Y方向において、二つの支持面226eの間に、上面226bが位置する。Y方向において、下面226aの長さは、上面226b及び支持面226eのそれぞれの長さよりも長い。
第1のカバー221の覆部226は、主部221aと、二つの支持部221bとを有する。主部221aは、第1の部分とも称され得る。支持部221bは、第2の部分とも称され得る。支持部221bは、ヒレ部とも称され得る。主部221aは、略矩形(四角形)の板状に形成され、下面226aの一部と、上面226bとを有する。すなわち、主部221aは、第1のカバー221のうち、下面226aと上面226bとの間の部分である。
支持部221bは、主部221aよりも薄い略矩形(四角形)の板状に形成される。支持部221bは、下面226aの一部と、支持面226eとを有する。すなわち、支持部221bは、第1のカバー221のうち、下面226aと支持面226eとの間の部分である。二つの支持部221bは、Y方向における主部221aの両端から突出している。支持部221bは、主部221aから、隣接する第2のカバー222の覆部226に向かって突出している。
第1のカバー221の覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、主部221aと二つの支持部221bとのいずれも、ロアレール25の上壁34,35及び開口39を覆っている。なお、主部221a及び支持部221bは、この例に限られない。例えば、支持部221bは、開口39を覆う一方で上壁34,35を覆わずに露出させても良い。
図19に示すように、第2のカバー222の覆部226は、二つの凹面226fをさらに有する。凹面226fは、第6の面とも称され得る。凹面226fは、第2のカバー222の下面226aと同じく、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときにレール21に向く。例えば、凹面226fは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、-Z方向に向くことで、ロアレール25の上壁34,35の外面34a,35aに向く。凹面226fは、下面226aと略平行な面である。なお、凹面226fが向く方向と、下面226aが向く方向とが、互いに異なっても良い。
凹面226fは、下面226aよりも上面226bに近い。すなわち、凹面226fは、下面226aから窪んでいる。Y方向において、二つの凹面226fの間に、下面226aが位置する。Y方向において、上面226bの長さは、下面226a及び凹面226fのそれぞれの長さよりも長い。
第2のカバー222の覆部226は、主部222aと、二つの延部222bとを有する。主部222aは、略矩形(四角形)の板状に形成され、下面226aと、上面226bの一部とを有する。すなわち、主部222aは、第2のカバー222のうち、下面226aと上面226bとの間の部分である。
延部222bは、主部222aよりも薄い略矩形(四角形)の板状に形成される。延部222bは、上面226bの一部と、凹面226fとを有する。すなわち、延部222bは、第2のカバー222のうち、上面226bと凹面226fとの間の部分である。二つの延部222bは、Y方向における主部222aの両端から突出している。
第2のカバー222の覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、主部222aと二つの延部222bとのいずれも、ロアレール25の上壁34,35及び開口39を覆っている。なお、主部222a及び延部222bは、この例に限られない。例えば、延部222bは、開口39を覆う一方で上壁34,35を覆わずに露出させても良い。
図17に示すように、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の延部222bは、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の支持部221bを覆う。言い換えると、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の延部222bは、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221のうち開口39を覆う支持部221bを覆う。
第1のカバー221の支持面226eと、第2のカバー222の凹面226fとは、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するときに向かい合う。本実施形態では、支持面226eは、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するときに、凹面226fに接触して支持する。なお、支持面226eは、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するときに、凹面226fから離間していても良い。
第1のカバー221に隣接する二つの第2のカバー222のうち一方の延部222bは、当該一方が閉塞位置Pcに位置するとき、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の一方の支持部221bを覆う。また、二つの第2のカバー222のうち他方の延部222bは、当該他方が閉塞位置Pcに位置するとき、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の他方の支持部221bを覆う。
第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するとき、第1のカバー221の主部221aと、第2のカバー222の延部222bとの間に、隙間が存在することがある。当該隙間は、第1のカバー221の支持部221bにより塞がれる。このため、第1のカバー221の主部221aと第2のカバー222の延部222bとの間で開口39が露出することが抑制される。
第1のカバー221の主部221aの厚さは、第2のカバー222の主部222aの厚さに略等しい。主部221aの厚さは、第1のカバー221の下面226aと上面226bとの間の長さである。主部222aの厚さは、第2のカバー222の下面226aと上面226bとの間の長さである。
また、主部221a,222aのそれぞれの厚さは、第1のカバー221の支持部221bの厚さと第2のカバー222の延部222bの厚さとの合計に略等しい。支持部221bの厚さは、下面226aと支持面226eとの間の長さである。延部222bの厚さは、上面226bと凹面226fとの間の長さである。このため、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するとき、第1のカバー221及び第2のカバー222の上面226bが略平坦に並べられる。
本実施形態において、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221及び第2のカバー222の上面226bは、略平坦な面を形成する。具体的には、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の上面226bと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の上面226bと、は+Z方向において略同一位置に位置する。また、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の上面226b及び支持面226eと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の上面226bとは、+Z方向に向く略平坦な面である。閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221及び第2のカバー222は、第1のカバー221の上面226bと、第2のカバー222の上面226bと、の間に、支持面226eを除いて、+Z方向に向く部分を有さない。言い換えると、第1のカバー221の上面226bと、第2のカバー222の上面226bと、の間には、凹面や凸面が設けられない。このため、第1のカバー221の上面226bと、第2のカバー222の上面226bとは、第1のカバー221と第2のカバー222との間の隙間を除けば、略平坦な一続きの面を形成する。なお、第1のカバー221の上面226bと、第2のカバー222の上面226bと、の間に、凹面や凸面が設けられても良い。
第1のカバー221が閉塞位置Pcに位置するとき、隣接する第2のカバー222は開放位置Poに位置し得る。この場合、開放位置Poに位置する第2のカバー222の延部222bは、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の支持部221bを覆わずに露出させる。
図18に示すように、第1のカバー221はそれぞれ、二つの突出部228をさらに有する。なお、第2のカバー222が突出部228を有しても良い。突出部228は、当該第1のカバー221の取付部225から、隣接する第2のカバー222の取付部225に向かって突出している。
本実施形態では、突出部228は、主部221aを越えて取付部225をY方向に延長させることで形成される。別の表現によれば、Y方向において、突出部228を含む取付部225の長さは、主部221aの長さよりも長く設定される。なお、突出部228は、この例に限られず、取付部225と異なる形状を有しても良い。
Y方向において、支持部221bの長さは、突出部228の長さよりも長い。このため、支持部221bは、突出部228を越えてY方向に突出している。また、Y方向において、第1のカバー221の取付部225及び突出部228の長さの合計は、第2のカバー222の取付部225の長さよりも短い。
突出部228は、隣接する第2のカバー222の取付部225に当接することで、第1のカバー221の覆部226と隣接する第2のカバー222の覆部226とが互いに近付くことを制限する。例えば、第1のカバー221又は第2のカバー222が、下面226aと直交する軸まわりに若干傾いたとしても、第2のカバー222の主部222aが第1のカバー221の支持部221bに乗り上げることが抑制される。
図13に示すように、ロアレール25の上壁34,35の外面34a,35aに、弾性部材229が取り付けられる。弾性部材229は、例えば、合成ゴムのようなエラストマーにより作られる。
閉塞位置Pcに位置する覆部226の下面226aは、弾性部材229に接触する。これにより、弾性部材229は、ロアレール25の上壁34,35から+Z方向に離間した位置に、閉塞位置Pcの覆部226を支持する。言い換えると、レール21は、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の下面226aと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の下面226aとを、弾性部材229を介して支持する。なお、覆部226は、上壁34,35に直接的に支持されても良い。
第4の実施形態のシート装置10は、フック部材204と係合溝226dとを含む保持部230を有する。上述のように、フック部材204はレール21に設けられ、係合溝226dは覆部226に設けられる。
カバー220が開放位置Poから閉塞位置Pcに回転する間、フック部材204の弾性変形を伴って爪204cが係合溝226dに引っかかる。これにより、保持部230は、カバー220の覆部226を閉塞位置Pcに保持する。
フック部材204は、図13に実線で示す通常状態Srと、図13に二点鎖線で示す変形状態Sdとの間で弾性変形可能である。通常状態Srは、第1の状態とも称され得る。変形状態Sdは、第2の状態とも称され得る。
フック部材204は、例えば外力を受けていない場合、通常状態Srになっている。通常状態Srのフック部材204は、カバー220の覆部226が閉塞位置Pcに位置する場合に係合溝226dに引っかかることが可能である。言い換えると、爪204cが係合溝226dに引っかかっている状態と、フック部材204が当該状態と略同一形状となっている状態と、が通常状態Srとして定義される。
変形状態Sdのフック部材204は、図13及び図14に示すように、爪204cが係合溝226dから少なくとも部分的に外れるように弾性変形している。すなわち、変形状態Sdのフック部材204は、覆部226が閉塞位置Pcに位置する場合に通常状態Srよりも係合溝226dから離間している。
覆部226が開放位置Poから閉塞位置Pcに回転する間、フック部材204は、通常状態Srから変形状態Sdへ弾性変形する。これにより、フック部材204の爪204cが、覆部226の開放位置Poから閉塞位置Pcへの移動を妨げることが抑制される。覆部226が閉塞位置Pcへ移動すると、フック部材204が変形状態Sdから通常状態Srへ戻り、爪204cが係合溝226dに引っかかる。これにより、保持部230が覆部226を閉塞位置Pcに保持する。
覆部226が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動する間も、フック部材204は、通常状態Srから変形状態Sdへ弾性変形する。これにより、フック部材204の爪204cが、覆部226の閉塞位置Pcから開放位置Poへの移動を妨げることが抑制される。
図10に示すように、第4の実施形態のスライダ22は、シールド240をさらに有する。シールド240は、側壁241と、連結部242と、二つの端壁243と、ガイド244と、二つの第1の押圧部245とを有する。図10は、二つの第1の押圧部245のうち一つを示す。
側壁241、連結部242、及び端壁243は、例えば、合成樹脂によって一体に作られる。なお、側壁241、連結部242、及び端壁243は、他の材料によって作られても良い。
側壁241は、アッパレール26から幅方向外側(-X方向)に離間している。側壁241は、例えば、Y-Z平面上に広がるとともにY方向に延びる板状に形成される。側壁241は、幅方向にアッパレール26を覆う。
連結部242は、側壁241をアッパレール26に接続する。これにより、シールド240は、ロアレール25に対してアッパレール26と一体にY方向に移動することができる。
端壁243は、Y方向における側壁241の両端に接続される。二つの端壁243はそれぞれ、Y方向におけるガイド部材27のガイド端壁53からY方向に離間している。言い換えると、Y方向において、二つの端壁243の間に、ガイド部材27の二つのガイド端壁53が位置する。端壁243は、Y方向にアッパレール26及びガイド部材27を覆う。
ガイド244は、側壁241から幅方向内側(+X方向)に突出している。ガイド244は、X方向において、側壁241とアッパレール26及びガイド部材27との間に位置する。ガイド244は、図15に示す摺動部246と、図10に示す二つの戻し部247とを有する。図10は、二つの戻し部247のうち一方を示す。
幅方向内側における摺動部246の端部246aは、Y方向に略直線状に延びている。二つの戻し部247は、Y方向における摺動部246の両端に接続される。言い換えると、二つの戻し部247の間に、摺動部246が位置する。
幅方向内側における戻し部247の端部247aは、摺動部246の端部246aから連続している。戻し部247の端部247aは、摺動部246から遠ざかるに従って側壁241から遠ざかるように、Y方向に対して斜めに延びている。
摺動部246の端部246a及び戻し部247の端部247aは、例えば、ウレタンスポンジのようなクッション材により作られる。なお、端部246a,247aは、他の材料によって作られても良い。
図12に示すように、第1の押圧部245は、-Z方向における端壁243の端部243aに設けられている。なお、第1の押圧部245は、他の部分に設けられても良い。Y方向において、二つの第1の押圧部245の間に、ガイド244が位置する。Y方向において、二つの第1の押圧部245は、ガイド244から離間している。また、Y方向において、第1の押圧部245は、ガイド部材27のガイド端壁53から離間している。
第1の押圧部245は、閉塞位置Pcに位置する覆部226の上面226bに接触し、又は上面226bから僅かに離間している。第1の押圧部245は、例えば、ウレタンスポンジのようなクッション材により作られる。なお、第1の押圧部245は、他の材料によって作られても良い。
図11に示すように、第4の実施形態のスライダ22は、第2の押圧部250をさらに有する。本実施形態において、第2の押圧部250は、ガイド部材27に設けられる。なお、第2の押圧部250は、この例に限られず、例えばアッパレール26に設けられても良い。
第2の押圧部250は、幅方向内側(+X方向)における取付壁51の端部に接続される。このため、取付壁51は、幅方向において、ガイド側壁52と第2の押圧部250との間に位置する。
第2の押圧部250は、第1の縁部251と、二つの第2の縁部252とを有する。第1の縁部251及び第2の縁部252は、幅方向内側における第2の押圧部250の端部である。
Y方向において、第1の縁部251は、二つの第2の縁部252の間に位置する。第1の縁部251は、第2の縁部252に連続している。図14に示すように、Z方向において、第1の縁部251及び第2の縁部252は、通常状態Sr及び変形状態Sdのフック部材204の爪204cと略同一位置に配置される。
第1の縁部251は、Y方向に略直線状に延びている。なお、第1の縁部251は、曲線状に延びても良い。X方向において、第1の縁部251は、通常状態Srのフック部材204の爪204cから幅方向内側に離間している。
図11に示すように、第2の縁部252は、Y方向に対して斜めに延びている。第2の縁部252は、直線状に延びても良いし、曲線状に延びても良い。第2の縁部252は、第1の縁部251から遠ざかるにしたがって取付軸205に近づくように延びている。
第2の押圧部250の第1の縁部251及び第2の縁部252は、フック部材204の爪204cに当接する。フック部材204は、爪204cが第2の押圧部250に当接することで、変形状態Sdに弾性変形させられる。
第2の押圧部250は、フック部材204のうち、第1の縁部251及び第2の縁部252に当接する部分のみならず、所定の範囲内の部分を変形状態Sdに弾性変形させる。Y方向において、フック部材204のうち第2の押圧部250により変形状態Sdに弾性変形させられた部分の長さは、二つの第1の押圧部245の間の距離よりも長い。
Y方向におけるガイド端壁53が設けられた位置(座標)において、フック部材204は、第2の押圧部250によって通常状態Srから変形状態Sdに弾性変形させられている。また、Y方向における第1の押圧部245が設けられた位置(座標)において、フック部材204は、第2の押圧部250によって通常状態Srから変形状態Sdに弾性変形させられている。
Y方向において、複数のフック部材204が並べられ、隣接する二つのフック部材204が互いに接続されていないことがある。この場合、変形状態Sdのフック部材204に隣接する他のフック部材204は、通常状態Srとなる。
幅方向外側(-X方向)における第2の縁部252の端252aは、通常状態Srのフック部材204の爪204cに対して略同一位置に位置するか幅方向外側に離間している。このため、第2の押圧部250が通常状態Srのフック部材204に近づくように移動する間、第2の縁部252は、通常状態Srのフック部材204に引っかかることなく、フック部材204の爪204cを通常状態Srから変形状態Sdに弾性変形させることができる。
図10に示すように、本実施形態では、例えば、Y方向においてスライダ22が位置する範囲内にある覆部226は、開放位置Poに位置する。ガイド部材27のガイド端壁53と、シールド240のガイド244とは、Y方向においてスライダ22が位置する範囲内にある覆部226を、開放位置Poに支持する。言い換えると、ガイド端壁53及びガイド244は、スライダ22とX方向で対向する(隣接する、並ぶ)覆部226を、開放位置Poに支持する。これにより、ガイド端壁53及びガイド244は、覆部226が自重により開放位置Poから閉塞位置Pcへ戻ることを抑制する。
例えば、ガイド端壁53は、閉塞位置Pcから90°より小さく回転した覆部226を支持する。ガイド244の摺動部246の端部246aは、閉塞位置Pcから90°より大きく回転した覆部226を支持する。
開放位置Poにおいて、覆部226は、開口39から離間するとともに、ガイド端壁53又はガイド244に支持される。また、開放位置Poにおいて、覆部226は、シート12や変換機構63のような、ガイド部材27及びシールド240と異なる部材から離間している。言い換えると、開放位置Poは、覆部226がガイド部材27及びシールド240と異なる部材に干渉しない位置に設定される。なお、開放位置Poは、この例に限られない。
Y方向において覆部226が開放位置Poに位置する範囲では、開口39が露出されるため、アッパレール26が少なくとも部分的に開口39に位置することができる。別の表現によれば、覆部226は、開放位置Poに位置することで、開口39に位置するアッパレール26を避けている。
スライダ22がY方向に移動することにより、ガイド部材27のガイド端壁53が、複数の覆部226のうち少なくとも一つを閉塞位置Pcから開放位置Poに移動させる。以下、一つの覆部226に注目して、覆部226の閉塞位置Pcから開放位置Poへの移動について説明する。
図20は、第4の実施形態のスライドレール装置11の一部を示す斜視図である。図20に示すように、第1のカバー221の覆部226に近付くようにスライダ22がY方向に移動することで、当該覆部226に、ガイド端壁53の支持面53aが接触する。支持面53aは、取付壁51から斜め下方へ延びている。このため、スライダ22がY方向へさらに移動すると、覆部226は支持面53aによって上方へ押される。
第2の押圧部250は、スライダ22の移動に伴って、Y方向におけるガイド端壁53の支持面53aが覆部226を押す位置においてフック部材204が変形状態Sdとなるように、通常状態Srのフック部材204を変形状態Sdに弾性変形させる。このため、支持面53aが覆部226を押すとき、フック部材204の爪204cが当該覆部226の係合溝226dから外れている。
上記のように、第2の押圧部250により、保持部230による覆部226の保持が解除されている。このため、覆部226が支持面53aに押されることで、覆部226を含む第1のカバー221が、取付軸205まわりに閉塞位置Pcから開放位置Poへ向かって回転する。
第1のカバー221が回転することで、第1のカバー221の支持部221bが、隣接する第2のカバー222の延部222bを上方へ押す。延部222bが支持部221bに押されることで、延部222bを含む第2のカバー222が、取付軸205まわりに閉塞位置Pcから開放位置Poへ向かって回転する。このように、第1のカバー221は、隣接する第2のカバー222とともに閉塞位置Pcから開放位置Poへ向かって回転する。
閉塞位置Pcから開放位置Poへ回転する間、第2のカバー222は、支持面53aから離間している第1のカバー221から離間する。すなわち、支持面53aから離間している第1のカバー221は、第2のカバー222によって回転させられず、閉塞位置Pcに留まる。
第1のカバー221の覆部226は、支持面53aに沿ってガイド端壁53上を摺動し、ガイド側壁52に到達する。少なくとも覆部226がガイド側壁52に接触した時点で、覆部226は、開放位置Poに到達し、開口39から離間している。
スライダ22がY方向へさらに移動すると、覆部226は、第2の支持縁52bに沿って、第1の支持縁52aに向かってガイド側壁52上を摺動する。上壁34,35に対する覆部226の傾斜角は、覆部226がガイド端壁53に支持されるとき、覆部226が第2の支持縁52bに支持されるとき、及び覆部226が第1の支持縁52aに到達したとき、に順に増大する。
図15に示すように、第4の実施形態の第1の支持縁52aは、幅方向において、取付軸205から幅方向外側(-X方向)に離間している。このため、第1の支持縁52aに到達した覆部226は、閉塞位置Pcから90°よりも大きく回転している。
覆部226は、自重及び慣性によって第1の支持縁52aから離間するように回動する。ガイド244の摺動部246の端部246aは、覆部226の上面226bに当接し、覆部226を支持する。これにより、端部246aは、覆部226がさらに回転することを制限する。
摺動部246の端部246aは、例えば、閉塞位置Pcから約105°回転した覆部226を支持する。これにより、開放位置Poに位置する覆部226が、シート12や変換機構63のような部材から十分に離間することができる。
以上のように、ガイド端壁53は、スライダ22が覆部226に近付くように移動することで、当該覆部226を閉塞位置Pcから開放位置Poへ押し上げる。摺動部246の端部246aは、覆部226が開放位置Poに保たれるように、当該覆部226を支持する。
一方、スライダ22がY方向に移動することにより、複数の覆部226のうち少なくとも他の一つが開放位置Poから閉塞位置Pcに移動させられる。以下、一つの覆部226に注目して、覆部226の開放位置Poから閉塞位置Pcへの移動について説明する。
まず、開放位置Poに位置する覆部226から遠ざかるようにスライダ22がY方向に移動する。これにより、当該覆部226は、ガイド244の摺動部246の端部246a上を摺動し、戻し部247に到達する。
スライダ22がさらに移動することで、戻し部247の端部247aは、覆部226を閉塞位置Pcへ向かって回転させる。言い換えると、戻し部247の端部247aは、閉塞位置Pcからの覆部226の回転角度を減少させる。閉塞位置Pcからの覆部226の回転角度は、上壁34,35の外面34a,35aに対する覆部226の傾斜角である。
戻し部247は、閉塞位置Pcからの回転角度が90°より小さくなるように、覆部226を回転させる。例えば、戻し部247は、閉塞位置Pcからの回転角度が70°になるまで覆部226を回転させる。
覆部226は、自重により回転し、ガイド部材27のガイド側壁52又はガイド端壁53に支持される。覆部226は、ガイド側壁52の第2の支持縁52b、及びガイド端壁53の支持面53aに順に支持されながら、自重により開放位置Poから閉塞位置Pcに近付く。
図21は、第4の実施形態のスライドレール装置11を図12のF21-F21線に沿って示す断面図である。図21に示すように、Y方向における第1の押圧部245が設けられた位置(座標)において、覆部226が開口39から離間していることがある。第1の押圧部245は、スライダ22の移動に伴って、開口39から離間した覆部226を閉塞位置Pcへ押す。
第2の押圧部250は、スライダ22の移動に伴って、Y方向における第1の押圧部245が覆部226を押す位置(座標)においてフック部材204が変形状態Sdとなるように、通常状態Srのフック部材204を変形状態Sdに弾性変形させる。このため、第1の押圧部245が覆部226を押すとき、覆部226は、変形状態Sdに弾性変形したフック部材204に当接する。
フック部材204が予め変形状態Sdに弾性変形しているため、覆部226は、フック部材204を少し弾性変形させれば、フック部材204の爪204cを乗り越えることができる。第1の押圧部245に押された覆部226は、爪204cを乗り越えることで、閉塞位置Pcへ到達する。
覆部226が閉塞位置Pcへ到達すると、フック部材204が復元し、爪204cが覆部226の係合溝226dに引っかかる。これにより、保持部230は、覆部226を閉塞位置Pcへ保持する。
以上のように、第1の押圧部245は、スライダ22の移動に伴って、フック部材204が弾性変形を伴って係合溝226dに引っかかるように、開口39から離間した覆部226を閉塞位置Pcへ押す。言い換えると、覆部226は、第1の押圧部245から押されることで、フック部材204を弾性変形させ、フック部材204の爪204cを乗り越える。
第2の押圧部250により弾性変形させられたフック部材204の爪204cが、第1の押圧部245に押される覆部226から離間していても良い。この場合、覆部226は、爪204cを避けていて滑らかに閉塞位置Pcへ移動することができる。
上述のように、第2の押圧部250は、予めフック部材204を変形状態Sdに弾性変形させるため、フック部材204の急激な弾性変形による騒音の発生を抑制できる。なお、第2の押圧部250が省略され、覆部226がフック部材204を通常状態Srと変形状態Sdとの間で弾性変形するように押しても良い。
覆部226が閉塞位置Pcに到達すると、スライダ22は覆部226から離間する。このように、スライダ22が覆部226から遠ざかるように移動することで、覆部226が開放位置Poから閉塞位置Pcへ移動する。
上述のように、摺動部246の端部246a、戻し部247の端部247a、及び第1の押圧部245は、クッション材により作られる。このため、端部246a,247a及び第1の押圧部245は、覆部226に当接したときに騒音が生じることを抑制できる。
図22は、第4の実施形態の取付部225に外力Fが作用したスライドレール装置11を示す断面図である。図22に示すように、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに、例えば取付部225が車両1の搭乗者に踏まれることで、-Z方向の外力Fが取付部225に作用することがある。-Z方向は、第3の方向とも称される。また、-Z方向は、閉塞位置Pcに位置する覆部226からロアレール25の上壁34,35に向かう方向である。
外力Fが取付部225に作用すると、覆部226と上壁34,35との間の弾性部材229が圧縮される。これにより、覆部226が、上壁34,35に近づくように、-Z方向に変位する。さらに、取付部225の当接面225aが、受け部216の受け面216aに近づくように、-Z方向に変位する。
外力Fによって取付部225が-Z方向に変位し、当接面225aが受け面216aに当接したときに、受け部216は、取付部225を支持する。受け部216は、取付部225が-Z方向にさらに変位することを制限する。
取付軸205の上部205aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向に外力Fが作用した取付部225から離間している。例えば、受け部216が取付部225を支持するとき、上部205aと取付部225の挿通孔227の底面227bとの間に、間隔Dcが設けられる。言い換えると、上部205aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向に外力が作用した取付部225の挿通孔227の底面227bから、-Z方向に離間している。
外力Fが作用した取付部225は、受け部216を-Z方向に押す。一方、外力Fが作用した取付部225の底面227bは、取付軸205から離間しており、取付軸205を-Z方向に押さない。これにより、取付軸205が変形することが抑制される。なお、取付軸205に接触する取付部225の内面が、例えば摩擦力により、取付軸205を-Z方向に押しても良い。
取付軸205が-Z方向に撓むように変形した場合、取付部225も-Z方向に変位する。この場合、覆部226が上壁34に押され、覆部226が上壁35から浮く虞がある。しかし、本実施形態では、取付軸205の変形が抑制されるため、覆部226が上壁35から浮くことが抑制される。
例えば、強い外力Fによりカバー220が変形することで、取付軸205の上部205aが挿通孔227の底面227bに接触しても良い。しかし、取付部225の当接面225aは、上部205aが底面227bに接触するよりも先に、受け部216の受け面216aに当接する。
受け部216は、他の方向の力が作用した取付部225を支持しても良い。例えば、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに、取付部225が車両1の搭乗者に蹴られることで、X方向の外力が取付部225に作用することがある。受け部216は、当該外力が作用した取付部225を支持しても良い。
以上説明された第4の実施形態のスライドレール装置11において、スライダ22は、開口39から離間した覆部226を閉塞位置Pcへ押す第1の押圧部245を有する。これにより、保持部84が設けられたとしても、開放位置Poと閉塞位置Pcとの間で移動可能な覆部226が、確実に閉塞位置Pcへ移動し、開口39を覆うことができる。
スライダ22は、当該スライダ22の移動に伴って、フック部材204及び係合溝226dのうち一方が弾性変形を伴って他方に引っかかるように、開口39から離間した覆部226を閉塞位置Pcへ押す、第1の押圧部245を有する。これにより、開放位置Poから閉塞位置Pcへの移動にフック部材204又は係合溝226dの弾性変形を伴う覆部226が、確実に閉塞位置Pcへ移動することができる。さらに、第1の押圧部245がスライダ22の移動を利用して覆部226を押すため、スライドレール装置11は、覆部226を閉塞位置Pcへ移動させるための複雑な構成が不要となる。
フック部材204は、通常状態Srと変形状態Sdとの間で弾性変形可能である。通常状態Srのフック部材204は、覆部226が閉塞位置Pcに位置する場合に、係合溝226dに引っかかることが可能である。変形状態Sdのフック部材204は、覆部226が閉塞位置Pcに位置する場合に、通常状態Srよりも係合溝226dから離間する。スライダ22は、第2の押圧部250を有する。第2の押圧部250は、スライダ22の移動に伴って、Y方向における第1の押圧部245が覆部226を押す位置においてフック部材204が変形状態Sdとなるように、通常状態Srのフック部材204を変形状態Sdに弾性変形させる。すなわち、第2の押圧部250は、第1の押圧部245に押された覆部226を避けるように、フック部材204を弾性変形させる。これにより、覆部226がフック部材204を大きく弾性変形させる必要が無くなり、フック部材204は、弾性変形に伴って騒音が生じることを抑制できる。
レール21は、取付部225が取り付けられる取付軸205と、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに所定の方向(-Z方向)の外力Fが作用した取付部225を支持する受け部216と、を有する。受け部216が取付部225を支持することで、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向の外力Fが取付部225に作用した場合に、取付部225から取付軸205に作用する力が軽減される。従って、取付部225からの外力Fの伝達により取付軸205が変形及び変位することが抑制され、ひいては取付軸205の変形及び変位により覆部226が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するようなカバー220の変形及び変位が抑制される。
取付軸205は、Y方向に延びる軸である。取付部225は、覆部226が取付軸205まわりに閉塞位置Pcと開放位置Poとの間で回動可能なように取付軸205に取り付けられる。-Z方向は、閉塞位置Pcに位置する覆部226から上壁34,35に向かう方向である。例えば、取付部225が踏まれた場合、取付部225に-Z方向の外力Fが作用する。この場合、受け部216が取付部225を支持するため、取付部225からの外力Fの伝達により取付軸205が変形することが抑制され、ひいては取付軸205の変形により覆部226が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するようなカバー220の回転が抑制される。
受け部216は、取付部225から離間した位置に配置される。しかし、外力Fによって取付部225が-Z方向に変位した時、受け部216は、取付部225を支持する。これにより、受け部216が、-Z方向の外力Fを受けていない取付部225に干渉することが抑制される。従って、例えば、受け部216は、取付部225の移動又は回転を伴う閉塞位置Pcと開放位置Poとの間の覆部226の移動を妨げることを抑制できる。
取付軸205における+Z方向に向く上部205aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向に外力Fが作用した取付部225から離間している。このため、取付軸205は、取付部225から-Z方向に外力Fの伝達を受けることを抑制できる。従って、取付部225からの外力Fの伝達により取付軸205が変形及び変位することが抑制され、ひいては取付軸205の変形及び変位により覆部226が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するようなカバー220の変形及び変位が抑制される。
取付軸205における+Z方向に向く上部205aは、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに-Z方向に外力Fが作用した取付部225から離間している。このため、取付軸205は、取付部225から-Z方向に外力Fの伝達を受けることを抑制できる。従って、取付部225からの外力Fの伝達により取付軸205が変形することが抑制され、ひいては取付軸205の変形により覆部226が閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動するようなカバー220の回転が抑制される。また、取付部225に、取付軸205が通る挿通孔227が設けられる。覆部226が閉塞位置Pcに位置するとき、-Z方向における挿通孔227の長さは、+X方向における挿通孔227の長さよりも長い。これにより、受け部216が取付部225から-Z方向に離間していたとしても、-Z方向に外力Fが作用した取付部225が、受け部216に支持されるまで-Z方向に変位する間に、取付軸205に当接することが抑制される。
覆部226が閉塞位置Pcに位置するときの-Z方向における挿通孔227の端部227aは、取付部225の外部に開放される。覆部226が閉塞位置Pcに位置するときの挿通孔227の端部227aのX方向における長さは、取付軸205の直径よりも短い。また、挿通孔227を通る取付軸205は、覆部226が閉塞位置Pcに位置するときに取付部225がX方向に移動することを制限する。これにより、取付軸205は、挿通孔227の端部227aを通って、スナップフィットにより挿通孔227に着脱されることができる。
複数のカバー220は、開口39を覆う閉塞位置Pcと、開口39から離間した開放位置Poと、にそれぞれが移動可能であり、Y方向に並ぶ。複数のカバー220は、第1のカバー221と、第2のカバー222とを含む。閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222は、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221のうち開口39を覆う支持部221bを覆う。これにより、複数のカバー220は、第1のカバー221と第2のカバー222との間に開口39を露出させる隙間が生じることを抑制でき、ひいては第1のカバー221と第2のカバー222との間の隙間から開口39に異物が侵入することを抑制できる。
第1のカバー221及び第2のカバー222のうち一方は、当該一方の取付部225から第1のカバー221及び第2のカバー222のうち他方の取付部225に向かって突出する突出部228を有する。これにより、第1のカバー221の覆部226のうち第2のカバー222に覆われないよう設計された主部221aが、第2のカバー222の覆部226からY方向に離間する。従って、第2のカバー222が、第1のカバー221の望まれない部分を覆ってしまうことを抑制できる。また、突出部228が設けられても、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221のうち開口39を覆う支持部221bを覆うため、第1のカバー221と第2のカバー222との間に開口39を露出させる隙間が生じることが抑制される。
第1のカバー221が、突出部228を有する。第1のカバー221の覆部226は、閉塞位置Pcにおいて開口39を覆う主部221aと、主部221aから第2のカバー222の覆部226に向かって突出した支持部221bと、を有する。閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の支持部221bは、開口39を覆うとともに、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の延部222bに覆われる。すなわち、第1のカバー221から、第2のカバー222に向かう略同一の方向に、突出部228と支持部221bとが突出する。これにより、第1のカバー221の覆部226のうち主部221aが、第2のカバー222の覆部226からY方向に離間する。従って、第2のカバー222が、第1のカバー221の主部221aを覆ってしまうことを抑制できる。また、突出部228が設けられても、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の支持部221bを覆うため、第1のカバー221と第2のカバー222との間に開口39を露出させる隙間が生じることが抑制される。
第1のカバー221は、閉塞位置Pcに位置するときにレール21に向く下面226aと、下面226aの反対側の上面226bと、上面226bよりも下面226aに近い支持面226eと、を有する。第2のカバー222は、閉塞位置Pcに位置するときにレール21に向く下面226aと、下面226aの反対側の上面226bと、閉塞位置Pcに位置するときにレール21に向くとともに下面226aよりも上面226bに近い凹面226fと、を有する。支持面226eと凹面226fとは、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するときに向かい合う。すなわち、閉塞位置Pcにおいて、第1のカバー221のうち上面226bから窪んだ支持面226eと、第2のカバー222のうち下面226aから窪んだ凹面226fと、が向かい合う。これにより、例えば、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するときに、第1のカバー221及び第2のカバー222の下面226aが略平坦となることができるとともに、第1のカバー221及び第2のカバー222の上面226bが略平坦となることができる。
支持面226eは、第1のカバー221及び第2のカバー222が閉塞位置Pcに位置するとき、凹面226fを支持する。これにより、複数のカバー220は、第1のカバー221と第2のカバー222との間に隙間が生じることを抑制でき、ひいては第1のカバー221と第2のカバー222との間の隙間から開口39に異物が侵入することを抑制できる。
レール21は、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の下面226aと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の下面226aと、を支持する。すなわち、レール21は、第1のカバー221及び第2のカバー222のうち、比較的厚く形成される部分を支持する。これにより、例えば覆部226が踏まれたとしても、カバー220が破損することが抑制される。
閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の上面226bと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の上面226bと、は、上面226bが向く+Z方向において同一位置に位置する。これにより、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221及び第2のカバー222は、略平坦な面を形成でき、車両1の搭乗者が凹凸につまずくことを抑制できる。
上面226bと支持面226eとは、Y方向に隣接する。閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221の上面226b及び支持面226eと、閉塞位置Pcに位置する第2のカバー222の上面226bとは、+Z方向に向く。閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221及び第2のカバー222は、第1のカバー221の上面226bと第2のカバー222の上面226bとの間に、支持面226eを除いて+Z方向に向く部分を有さない。すなわち、上面226bが形成する略平面に、第1のカバー221と第2のカバー222との間の隙間を除いて凹凸が形成されない。これにより、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221及び第2のカバー222は、略平坦な面を形成でき、車両1の搭乗者が凹凸につまずくことを抑制できる。
第1のカバー221は、二つの第2のカバー222の間に位置する。二つの第2のカバー222のうち一方の延部222bは、当該一方が閉塞位置Pcに位置するとき、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221のうち開口39を覆う支持部221bを覆う。二つの第2のカバー222のうち他方の延部222bは、当該他方が閉塞位置Pcに位置するとき、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221のうち開口39を覆う他の支持部221bを覆う。すなわち、閉塞位置Pcに位置する第1のカバー221は、Y方向の両側で、二つの第2のカバー222により部分的に覆われる。これにより、複数のカバー220は、交互に配置される第1のカバー221と第2のカバー222との間に開口39を露出させる隙間が生じることを抑制でき、ひいては第1のカバー221と第2のカバー222との間の隙間から開口39に異物が侵入することを抑制できる。また、閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動する第1のカバー221が、当該第1のカバー221を部分的に覆う二つの第2のカバー222のうち少なくとも一方を押し上げる。このため、第1のカバー221と第2のカバー222とが一時に閉塞位置Pcから開放位置Poへ移動することができ、複数のカバー220の移動がスムーズになる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
2…フロア、11…スライドレール装置、21…レール、22…スライダ、27…ガイド部材、34,35…上壁、39…開口、80…カバー、81…取付部、82…覆部、82c…端面、82d…収容溝、82e…係合溝、83…可撓部、83a…第1の端部、83b…第2の端部、84…保持部、91c…端面、91d…収容溝、91e…係合溝、204…フック部材、205…取付軸、205a…上部、216…受け部、220…カバー、221…第1のカバー、221b…支持部、222…第2のカバー、222b…延部、225…取付部、226…覆部、226a…下面、226b…上面、226d…係合溝、226e…支持面、226f…凹面、227…挿通孔、228…突出部、230…保持部、245…第1の押圧部、250…第2の押圧部、Pc…閉塞位置、Po…開放位置、Sr…通常状態、Sd…変形状態、F…外力。

Claims (8)

  1. 第1の方向に延びる開口が設けられた、レールと、
    少なくとも部分的に前記開口に位置し、前記第1の方向に移動可能に前記レールに取り付けられる、スライダと、
    前記開口を覆う閉塞位置と、前記開口から離間した開放位置と、にそれぞれが移動可能であり、前記第1の方向に並んだ複数のカバーと、
    を具備し、
    前記複数のカバーは、第1のカバーと、第2のカバーと、を含み、
    前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの一部は、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う一部を覆う、
    車両用スライドレール装置。
  2. 前記複数のカバーはそれぞれ、前記レールに取り付けられる取付部と、前記取付部に接続されるとともに前記閉塞位置において前記開口を覆うとともに前記開放位置において前記開口から離間する覆部と、を有し、
    前記第1のカバー及び前記第2のカバーのうち一方は、当該一方の前記取付部から前記第1のカバー及び前記第2のカバーのうち他方の前記取付部に向かって突出する突出部を有する、
    請求項1の車両用スライドレール装置。
  3. 前記第1のカバーが、前記突出部を有し、
    前記第1のカバーの前記覆部は、前記閉塞位置において前記開口を覆う第1の部分と、前記第1の部分から前記第2のカバーの前記覆部に向かって突出した第2の部分と、を有し、
    前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の部分は、前記開口を覆うとともに、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記一部に覆われる、
    請求項2の車両用スライドレール装置。
  4. 前記第1のカバーは、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向く第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面と、前記第2の面よりも前記第1の面に近い第3の面と、を有し、
    前記第2のカバーは、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向く第4の面と、前記第4の面の反対側の第5の面と、前記閉塞位置に位置するときに前記レールに向くとともに前記第4の面よりも前記第5の面に近い第6の面と、を有し、
    前記第3の面と前記第6の面とは、前記第1のカバー及び前記第2のカバーが前記閉塞位置に位置するときに向かい合う、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一つの車両用スライドレール装置。
  5. 前記レールは、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第1の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第4の面と、を支持する、請求項4の車両用スライドレール装置。
  6. 前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第5の面と、は前記第2の面が向く第2の方向において同一位置に位置する、請求項4又は請求項5の車両用スライドレール装置。
  7. 前記第2の面と前記第3の面とは、前記第1の方向に隣接し、
    前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーの前記第2の面及び前記第3の面と、前記閉塞位置に位置する前記第2のカバーの前記第5の面とは、前記第2の方向に向き、
    前記閉塞位置に位置する前記第1のカバー及び前記第2のカバーは、前記第2の面と前記第5の面との間に、前記第3の面を除いて前記第2の方向に向く部分を有さない、
    請求項6の車両用スライドレール装置。
  8. 前記複数のカバーは、前記第1の方向に並ぶ二つの前記第2のカバーを含み、
    前記第1のカバーは、二つの前記第2のカバーの間に位置し、
    二つの前記第2のカバーのうち一方の一部は、当該一方が前記閉塞位置に位置するとき、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う一部を覆い、
    二つの前記第2のカバーのうち他方の一部は、当該他方が前記閉塞位置に位置するとき、前記閉塞位置に位置する前記第1のカバーのうち前記開口を覆う他の一部を覆う、
    請求項1乃至請求項7のいずれか一つの車両用スライドレール装置。
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