JP2022077268A - 飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置 - Google Patents

飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置 Download PDF

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尚之 古場
Naoyuki Koba
俊樹 堤
Toshiki Tsutsumi
康治 服部
Koji Hattori
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Togami Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】簡易な構造からなり装着することによる作業性に支障を来すことがなく、ウイルスによる飛沫感染のリスクを低減することができる飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置を提供することを目的とする。【解決手段】飛沫感染防止システム1は、例えば歯科医院の治療室R内に設置して、患者に対する治療に際して使用されるものであり、主に圧縮空気生成装置10、飛沫感染防止装置20、給気ダクト40から構成されている。飛沫感染防止装置20は、患者の治療に際して医療スタッフが装着をするものであり、顔面部エアカーテン生成装置21、及び対面者用エアカーテン生成装置22から構成されている。圧縮空気生成装置10で生成された圧縮空気は給気ダクト40を通じて飛沫感染防止装置20に送られ、層状の流れであるエアカーテンを生成し、患者からの飛沫感染を防止するものとなっている。【選択図】図5

Description

本発明は、飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置に関する。詳しくは、簡易な構造からなり装着することによる作業性に支障を来すことがなく、ウイルスによる飛沫感染のリスクを低減することができる飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置に係るものである。
昨今、新型コロナウイルスによる感染が世界的に拡大している。新型コロナウイルスは、季節性インフルエンザと比べて死亡リスクが高いことが報告されているが、現時点では有効性が確認された特異的な抗ウイルス薬やワクチンは存在せず、治療方法としては対症療法が中心となっている。
一般的に感染症を有するウイルスの感染経路の中心は飛沫感染、及び接触感染であるが、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされている。従って、特に密閉空間、密集場所、密接場面という3密条件が同時に重なる場面では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられており、感染の広がりを予防する方法としては3密条件をできるだけ避けるとともに、ウイルスの移動経路を遮断することが重要となる。
従来より、医療現場においては医療従事者の飛沫感染を防止するためにマスクが用いられている。しかしながら、マスクは鼻や口を保護するのに効果はあるものの、目や耳までを完全には保護することはできないため、飛沫として浮遊するウイルスが目や耳から体内に浸入することで感染をしてしまうことも想定される。
そこで、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、顔面全体を保護するためのフェイスシールドが普及している。一般的に医療従事者が装着するフェイスシールドは、頭部で固定するためのヘッドバンドと、透明なアクリル製の顔面保護面から構成されたサンバイザー型のフェイスシールドが採用されている。そして、係るフェイスシールドは医療従事者だけでなく、対面での長時間の接客をともなう小売業や飲食業の従業員に対してもその着用が推奨されている。
実用新案登録第3228026号公報 特開2019-85669号公報
前記した特許文献1に開示のフェイスシールドにおいては簡易な構成であるため、装着時の違和感がないとともに、製造コストも安く、その都度の使い捨ての利用に適したものとなっている。
しかしながら、特許文献1のようなサンバイザー型のフェイスシールドにおいては、正面視では顔面全体が覆われるものの、顎から下部分は開放された構造である。そのため、例えば歯科医師や歯科技工士が患者の歯を覗き込みながら治療にあたる際には、対面する感染者や疑似症患者から発せられる飛沫がこの開放部からフェイスシールドの内部に浸入し、飛沫感染するリスクが高まることが懸念されている。
また、特許文献2に開示のフェイスシールドにおいては、ヘルメット型であるため、飛沫感染のリスクを大幅に低減することができるが、装置全体が大型化・複雑化するため製造コストが高く、また着用時の息苦しさもあるため、医療従事者が係るフェイスシールドを装着したまま医療行為を行うことは到底できないものとなっていた。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、簡易な構造からなり装着することによる作業性に支障を来すことがなく、ウイルスによる飛沫感染のリスクを低減することができる飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置を提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明の飛沫感染防止システムは、気体を所定に圧縮した圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を給気する給気ダクトを有する圧縮空気生成装置と、装着者の頭部周囲に沿って装着されるとともに、前記給気ダクトが接続され、前記給気ダクトから供給された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成された送気管を含む顔面部エアカーテン生成装置を有する飛沫感染防止装置とを備える。
ここで、気体を所定に圧縮した圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を給気する給気ダクトを有する圧縮空気生成装置を備えることにより、気体を圧縮した圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を給気ダクトから後述する飛沫感染防止装置に対して給気することができる。
また、装着者の頭部周囲に沿って装着されるとともに、給気ダクトが接続され、給気ダクトから供給された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成された略環状の送気管を有する顔面部エアカーテン生成装置を有することにより、圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に噴出することで、装着者の顔面側にエアカーテンを生成することができる。従って、対面する感染者や疑似症患者からの飛沫を、生成されたエアカーテンにより大幅に低減することができるため、装着者の飛沫感染のリスクを低減することができる。
また、装着者の顔面の一部を覆うように装着バンドの長さの一部に亘って取り付けられた顔面保護面を含むフェイスシールドを有する場合には、医療行為や対面サービスにおいて、対面する感染者や疑似症患者から発せられる飛沫の装着者の顔面への付着を防止し、装着者の飛沫感染のリスクを低減することができる。
また、このとき、顔面部エアカーテン生成装置で生成されたエアカーテンにより、フェイスシールド下端の開放端からフェイスシールドの内部へと浸入する飛沫量を大幅に低減することができる。
また、顔面保護面において、装着者の顔面側を裏面とした場合に、フェイスシールドを装着した状態において、送気管が顔面保護面の裏面側に位置する場合には、顔面保護面の裏面側に沿ってエアカーテンを生成することができる。従って、顔面保護面の表面側にエアカーテンを生成する場合よりも、飛沫のフェイスシールド内部への浸入をより確実に阻止することができる。
また、飛沫感染防止装置は、給気ダクトが接続され、圧縮空気を、装着者、及び装着者と対面する対面者との間に形成された所定の空間に向けて噴出するための噴出孔が形成された筐体部を含む対面者用エアカーテン生成装置を有する場合には、顔面部エアカーテン生成装置により生成されるエアカーテンに加えて、装着者、及び装着者と対面する対面者との間に形成された所定の空間にもエアカーテンを生成することができる。従って、医療行為や対面サービスにおいて、対面する感染者や疑似症患者から発せられる飛沫の装着者の顔面への付着をより確実に防止し、装着者の飛沫感染のリスクを低減することができる。
また、給気ダクトは、経路途中で複数に分岐する分岐ダクトを有する場合には、例えば病院内の治療室内に複数の治療台を配置し、治療台ごとに飛沫感染防止装置を設置する場合であっても、一台の圧縮空気生成装置で複数の飛沫感染防止装置に対して圧縮空気を供給することができる。
また、分岐ダクトの下流側に複数の枝分かれしたブランチダクトを有する場合には、ブランチダクトに飛沫感染防止装置を構成する複数のエアカーテン生成装置を接続することができる。従って、一つの診療台において、複数人のスタッフ(例えば医師、看護師、歯科衛生士)が患者に対する治療にあたる場合には、ブランチダクトに人数分のエアカーテン生成装置を接続することができる。
また、複数のブランチダクトのうち一のブランチダクトには顔面部エアカーテン生成装置を接続し、他のブランチダクトには対面者用エアカーテン生成装置を接続することで、複数のエアカーテン生成装置を一人のスタッフが使用することができる。
また、給気ダクトの経路上には、圧縮空気の圧力を所定の一定圧に調整するための圧力調整弁を有する場合には、各エアカーテン生成装置から噴出される空気圧を所定の圧力に維持することができる。従って、各エアカーテン生成装置から常に安定した空気圧の圧縮空気を噴出することができる。
また、給気ダクトは、フィルタ装置が介装されている場合には、圧縮空気を生成する気体として外気を利用するに際して、外気に含まれる有害物質を捕捉して、常に新鮮な空気をエアカーテン生成装置から噴出させることができる。
前記の目的を達成するために、本発明の飛沫感染防止装置は、気体を所定に圧縮して生成された圧縮空気を給気する給気ダクトが接続される接続部を含み、前記給気ダクトから供給された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成された略環状の送気管と、該送気管に取り付けられ、装着者の頭部周囲に沿って装着する装着部とを有する顔面部エアカーテン生成装置を備える。
ここで、気体を所定に圧縮して生成された圧縮空気を給気する給気ダクトが接続される接続部を含む略環状の送気管を備えることにより、給気ダクトを通じて給気される圧縮空気を送気管内に導入することができる。
また、送気管は、装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成されているため、給気ダクトから給気された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出することができる。噴出孔から噴出された圧縮空気は層状の流れであるエアカーテンを生成することができる。
また、送気管に取り付けられ、装着者の頭部周囲に沿って装着する装着部を備えることにより、エアカーテン生成装置を装着者の頭部に装着することができる。従って、装着者はエアカーテン生成装置を頭部に装着した状態で、医療行為や対面サービスを行うことができる。
また、送気管に形成された噴出孔から噴出される圧縮空気を所定の方向に導風するための導風板が、送気管の噴出孔に沿って設置されている場合には、送気管から噴出される圧縮空気の噴出角度を任意に設定することができる。従って、対面する感染者や疑似症患者に向けて圧縮空気が噴出されるように設定したり、圧縮空気が直接装着者の顔面部に当たることを回避するように設定したりすることができる。
また、顔面保護面において、装着者の顔面側を裏面とした場合に、フェイスシールドを装着者に装着をした状態において、顔面部エアカーテン生成装置の噴出孔が顔面保護面の裏面側に位置する場合には、顔面保護面の裏面側に沿ってエアカーテンを生成することができる。従って、顔面保護面の表面側にエアカーテンを生成する場合よりも、飛沫のフェイスシールドの内部への浸入をより確実に阻止することができる。
本発明に係る飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置は、簡易な構造からなり装着することによる作業性に支障を来すことがなく、ウイルスによる飛沫感染のリスクを低減することができる。
本発明の実施形態に係る飛沫感染防止システムを設置した治療室内において治療を行う状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る飛沫感染防止システムを治療室内に設置した状態を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る飛沫感染防止装置として、顔面部エアカーテン生成装置の全体外観図である。 本発明の実施形態に係る飛沫感染防止装置として、対面者用エアカーテン生成装置の全体外観図である。 本発明の実施形態に係る飛沫感染防止装置として、フェイスシールドを装着した状態を示す全体外観図である。
以下、本発明の実施の形態に係る飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において説明の便宜上、装着者が飛沫感染防止装置を装着して着座または起立した状態から上方に向かう方向を上方向、上方向の反対方向を下方向、上方向および下方向により表される軸方向を鉛直方向、鉛直方向と垂直な軸方向を水平方向とそれぞれ定義する。
本発明に係る飛沫感染防止システムについて、図面に基づいて説明する。飛沫感染防止システム1は、例えば図1、及び図2に示すように歯科医院の治療室R内に設置して、患者に対する治療に際して使用されるものであり、主に圧縮空気生成装置10、飛沫感染防止装置20、給気ダクト40から構成されている。このうち、飛沫感染防止装置20は、患者の治療に際して歯科医師や歯科衛生士(以下、まとめて「医療スタッフ」、或いは「装着者」とよぶ。)が装着をするものである。
図2に示すように、圧縮空気として外気を利用する場合には、圧縮空気生成装置10は治療室Rの室外に設置される。圧縮空気生成装置10に接続された給気ダクト40は、治療室Rの壁面に沿って配置され、給気ダクト40から分岐する複数の分岐ダクト41のそれぞれが壁面に形成された貫通孔(図示しない)から治療室R内に取り込まれる。このとき、分岐ダクト41の数は治療室R内に設置される治療装置30の台数に応じて適宜変更される。
歯科用の治療装置30は、患者が着座する診療椅子31、ワークテーブル32、及び無影灯33を支持するアーム34から構成されている。治療装置30の周囲には、圧縮空気生成装置10に接続され圧縮空気を飛沫感染防止装置20に供給するための分岐ダクト41を懸架するためのスタンド型の懸架装置50が設置されている。
ここで、必ずしも、分岐ダクト41の懸架のため懸架装置50を備える必要はない。例えば、治療装置30の無影灯33を支持するアーム34やその他の設備に給気ダクト40を懸架させるようにしてもよい。
一つの分岐ダクト41からは、複数のブランチダクト42が分岐している。従って一人の患者に対して複数の医療スタッフが同時に治療にあたる場合でも、各医療スタッフが装着する飛沫感染防止装置20を各ブランチダクト42に接続して同時に利用することが可能となる。さらに、一人の医療スタッフが複数の飛沫感染防止装置20を同時に利用することも可能である。以下、飛沫感染防止システム1の構成について詳細に説明する。
[圧縮空気生成装置]
圧縮空気生成装置10は、圧縮空気を供給する供給源であり、例えば気体を貯留する貯留タンク(図示しない)を有し、貯留タンクに貯留された気体がエアコンプレッサ(図示しない)により圧縮をされて圧縮空気とされる。圧縮空気は、貯留タンクとは別途設けられたレシーバタンク(図示しない)に貯留され、このレシーバタンクから給気ダクト40を通じて制御弁へ供給される。
ここで、必ずしも、圧縮空気生成装置10は治療室Rの室外に設置する必要はない。例えば、使用する圧縮空気として消炎性を有する窒素、炭酸ガス及び水蒸気の何れかを主成分として用いられた気体を充填して使用する場合や、治療室R内の空気を還流させながら使用する場合には、圧縮空気生成装置10は治療室R内に設置するようにしてもよい。
なお、治療室R内の空気を還流させて使用する場合には、圧縮空気生成装置10に還流させるための還流ダクトを別途設ける。但し、還流ダクトを設ける場合には、治療室R内に浮遊するウイルスを除去するために、還流ダクト内にフィルタ装置を設置することが好ましい。
圧縮空気生成装置10に貯留される気体としては、消炎性を有する窒素、炭酸ガス及び水蒸気の何れかを主成分として用いられた気体、或いは図示しない吸気口を通じて導入される外気を使用することができる。さらに、吸引した室内の空気を清浄したうえで、還流経路を通じて圧縮空気生成装置10に還流させるようにしてもよい。
給気ダクト40の経路上には圧力調整弁43(レギュレータ)が設置されている。圧力調整弁43により、レシーバタンクから送り出された圧縮空気は所定の一定圧となるように減圧される。例えば、本発明の実施形態においては圧力調整弁43では、1次側の圧力である3.5MPaから2次側の圧力である0.8MPaまで減圧する。なお、後述する飛沫感染防止装置20から噴出される空気流れの状態を確認しながら、圧縮空気は圧力調整弁43を介して所定の圧力へと任意に調整される。
ここで、必ずしも、圧力調整弁43は設置されている必要はない。但し、圧力調整弁43を設置することにより、飛沫感染防止装置20から噴出される空気の圧力を所定に減圧することで、一定圧の空気の層状流れであるエアカーテンを安定的に生成することができる。
また、圧縮空気生成装置10と圧力調整弁43の間には、フィルタ装置(図示しない)を介装してもよい。係るフィルタ装置により、例えば貯留タンク内に取り込む空気として外気を利用する場合でも、外気に含まれる粉塵、花粉等の有害物質を捕捉して、清浄された空気を利用することができる。
また、圧縮空気として、室内空気を還流させて利用する場合には、吸引した室内空気に含まれるウイルス等を除去するために、還流経路にもフィルタ装置を設置することが好ましい。
なお、フィルタ装置には、抗ウイルス性金属成分としての酸化銅を含ませるようにしてもよい。フィルタ装置に抗ウイルス性金属成分を含有させることにより、圧縮空気として外気を利用する場合、外気中に含まれる菌やウイルスを不活性化することができる。即ち、銅の酸化物である酸化銅は、光の照射及び加熱が行われない常温常圧下においても、酸化数に応じて不対電子を有する状態(ラジカル)になる。
ラジカルの不対電子は、基本的に不安定であり、当該ラジカルに接触した原子、分子等に対して電子を奪ったり、与えたりすることが知られている。このため、ラジカルは、菌、ウイルス等の汚染物質を構成する分子を変性し、殺菌及びウイルスの不活性化を行うことができるため、より清浄な空気を利用することができる。
[顔面部エアカーテン生成装置]
飛沫感染防止装置20のうち、顔面部エアカーテン生成装置21は、装着者の頭部に装着されるものであり、装着部211、送気管212、及び導風板213から主に構成されている。
装着部211は、平面視で略U字状であり、装着者Mの額面から側頭部にかけて装着することが可能であり、装着者Mが装着した際にも違和感が無いように一定の弾性を有し、装着者Mの頭部の大きさに応じて比較的容易に伸縮できる素材(例えば樹脂)から構成されている。また、装着部211の後方には、装着者Mの頭部の大きさに応じてサイズを適宜変更することができる調整機構(符号を付さない)を接続してもよい。
送気管212は、一端と他端からなる一本の中空状のパイプを、平面視において略U字状に形成されており、接続片214により装着部211と一体化されている。装着者Mの頭部に装着部211を装着した際に、装着者Mの後頭部に略対応する後方部に形成された隙間には、略T字状の三方向に連通可能なジョイント215が介装されている。このジョイント215を介装することで、給気ダクト40と送気管212の一端と他端がそれぞれ接続され、給気ダクト40から送られてきた圧縮空気を送気管212に流入させることができる。
ここで、必ずしも、送気管212と給気ダクト40の接続には三方向に連通可能なジョイント215を介装する必要はない。例えば、送気管212として円環状のものを採用する場合には、送気管212の所定の位置から一方向に突出させ、送気管212の内部と連通する突出片を別途設け、係る突出片に給気ダクト40を接続するようにしてもよい。
顔面部エアカーテン生成装置21を装着者Mの頭部に装着した状態で、送気管212の前方部分(装着者Mの額部分に対応する部分)には、所定の範囲にわたって下方に向けて形成された複数の小径の噴出孔216が等間隔で形成されている。即ち、給気ダクト40から送気管212に流入した圧縮空気は、係る噴出孔216を通じて装着者Mの顔面部分を下方に向けて噴出される。このとき、隣接する噴出孔216からの層状の流れにより、装着者Mの顔面の前方付近で下向きにエアカーテンが生成されることになる。
送気管212の噴出孔216が形成される範囲には、導風板213が設置されている。導風板213は、略方形状のアクリル材が送気管212の所定の位置に嵌装して取り付けられる。導風板213は、顔面部エアカーテン生成装置21を装着者Mが装着した状態において、装着者Mの額部分の一部が覆われる程度の大きさとなっている。
ここで、必ずしも、導風板213を有している必要はない。但し、導風板213を有することにより、装着者Mの顔面部分に向けて圧縮空気が噴出されたりすることを防止し、噴出孔216から噴出される圧縮空気の指向性を高め、目的とする任意の範囲にエアカーテンを生成することができる。
また、必ずしも、導風板213の大きさは前記のように、顔面部エアカーテン生成装置21を装着者Mが装着した状態において、装着者Mの額部分の一部が覆われる程度の大きさである必要はなく、導風板213の大きさは適宜変更することができるものとする。
以上のように、顔面部エアカーテン生成装置21により、装着者Mの額から顎、及び耳を含む顔面の全体を覆うようにエアカーテンが生成されるため、係るエアカーテンにより対面する感染者や疑似症患者から発せられる飛沫が装着者Mの顔面に付着することを防止し、飛沫感染のリスクを低減することができる。なお、装着者Mの顔面部分の防御装置としては、顔面部エアカーテン生成装置21のみを使用してもよいが、後述するフェイスシールド23を装着することで、さらにその防御効果を高めることができる。
[対面者用エアカーテン生成装置]
対面者用エアカーテン生成装置22は、平面視で幅広の筐体部221を有し、筐体部221の後端には給気ダクト40を接続するための接続部222、前端には幅方向に沿って複数の小径の噴出孔223が所定の間隔で形成されている。
給気ダクト40から流入した圧縮空気は、筐体部221の前方の噴出孔223から噴出される。このとき、隣接する噴出孔223からの層状の流れによりエアカーテンが生成される。対面者用エアカーテン生成装置22は、図4に示すように、例えば懸架装置50を用いて、支柱52に固定された把持部51により筐体部221を把持するように固定して使用され、装着者Mと対面する対面者(例えば歯科治療中の患者)との間に形成された所定の空間にエアカーテンを生成することができる。
ここで、必ずしも、飛沫感染防止装置20とし対面者用エアカーテン生成装置22を有している必要はない。但し、対面者用エアカーテン生成装置22を有することにより、空中に浮遊する飛沫が装着者Mの胴部に付着したり、或いは顔面部エアカーテン生成装置21では防御することのできない飛沫による感染を未然に防止することができる。
[フェイスシールド]
図5は、顔面部エアカーテン生成装置21とともにフェイスシールド23を装着した状態を示す図である。フェイスシールド23は、装着バンド231、顔面保護面232から主に構成されている。装着バンド231は装着者Mの頭部の周囲に巻き付けることが可能な程度に長尺に形成され、湾曲が自在なように合成樹脂等の材料から構成されている。
長尺に形成された装着バンド231の一端と他端には、その固定位置を適宜変更することが可能な調整機構を設けることができる。調整機構により、装着者Mの頭の大きさに応じて装着バンド231の湾曲の大きさを変更し、装着者Mの頭のサイズに最適な位置で固定することができる。さらに、装着者Mの頭のサイズに応じた複数のサイズの装着バンド231を製造する必要がないため、製造コストを抑制することができる。
顔面保護面232は、略透明で光を透過する部材から構成され、顔面保護面232の上方両側には装着バンド231が挿通可能なスリット孔233が形成されている。該スリット孔233に、装着バンド231が挿通されることで、装着バンド231と顔面保護面232が一体化される。
顔面保護面232は、少なくとも装着者Mの額から顎、及び耳の全体を覆う大きさであるが、装着者Mから発せられる飛沫が周囲に飛び散ることを防止するとともに、他者から発せられた飛沫を十分に防御することができれば、その大きさは適宜変更することができるものとする。
ここで、必ずしも、顔面保護面232と装着バンド231の固定方法は前記した構造に限定されるものではない。例えば、顔面保護面232と装着バンド231を所定の固定手段(例えば接着剤等)を用いて一体化してもよい。
装着バンド231の顔面保護面232が装着される部分には、装着者Mの額に当接する当接部材234が装着されている。係る当接部材234は、装着バンド231の長さよりも短く構成されており、当接部材234の両端は装着バンド231に周知の固定方法で固定されている。
当接部材234が固定された状態で、装着バンド231を湾曲させると、当接部材234も装着者Mの額の形状に沿うように湾曲し、装着者Mの額に密着させることができる。このように、当接部材234は、滑り止め防止として機能するとともに、装着者Mの額に密着して、装着者Mの額の汗を吸収する機能も有する。そのため、当接部材234は、水分を吸収するスポンジ材等から構成されていることが好ましい。
ここで、必ずしも、当接部材234を有している必要はない。但し、当接部材234を有することで、装着バンド2の装着者Mの頭部への密着性が高まるとともに、装着者Mの汗等も吸収して、医療行為や対面サービス中に装着バンド231が装着者Mの頭部からずれたり、外れたりすることを防止することができる。
以上の構成において、スタッフが飛沫感染防止装置20を装着して患者に対して歯科治療を行う場合には、給気ダクト40から給気される圧縮空気によりスタッフの身体の周囲にエアカーテンを生成することができる。そのため、例え患者がウイルスの感染者、或いは疑似症患者である場合でも、患者から発せされる飛沫はエアカーテンによりガードすることができるため、スタッフの飛沫感染のリスクを大幅に低減することができる。
なお、本発明の実施形態に係る飛沫感染防止システム1の使用例としては、以上の歯科診療に限定されるものではなく、歯科診療以外の医療行為を行う病院、或いは対面サービスを実施するサービス業において広く適用することができるものとする。
以上、本発明に係る飛沫感染防止システム、及び飛沫感染防止装置は、簡易な構造からなり装着することによる作業性に支障を来すことがなく、ウイルスによる飛沫感染のリスクを低減することができるものとなっている。
1 飛沫感染防止システム
10 圧縮空気生成装置
20 飛沫感染防止装置
21 顔面部エアカーテン生成装置
211 装着部
212 送気管
213 導風板
214 接続片
215 ジョイント
216 噴出孔
22 対面者用エアカーテン生成装置
221 筐体部
222 接続部
223 噴出孔
23 フェイスシールド
231 装着バンド
232 顔面保護面
233 スリット孔
234 当接部材
30 治療装置
31 診療椅子
32 ワークテーブル
33 無影灯
34 アーム
40 給気ダクト
41 分岐ダクト
42 ブランチダクト
43 圧力調整弁
50 懸架装置
51 把持部
52 支柱
R 治療室
M 装着者

Claims (9)

  1. 気体を所定に圧縮した圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を給気する給気ダクトを有する圧縮空気生成装置と、
    装着者の頭部周囲に沿って装着されるとともに、前記給気ダクトが接続され、前記給気ダクトから供給された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成された送気管を含む顔面部エアカーテン生成装置を有する飛沫感染防止装置と、を備える
    飛沫感染防止システム。
  2. 前記飛沫感染防止装置は、
    装着者の頭部周囲に装着する装着バンド、該装着バンドを頭部周囲に装着した際に装着者の顔面の一部を覆うように前記装着バンドの長さの一部に亘って取り付けられた透明又は半透明の顔面保護面を有するフェイスシールドを有し、
    前記送気管から噴出される圧縮空気は、前記顔面保護面に沿って鉛直下方に向けて噴出される
    請求項1に記載の飛沫感染防止システム。
  3. 前記顔面保護面において、装着者の顔面側を裏面とした場合に、
    前記フェイスシールドを装着者に装着をした状態において、前記送気管が前記顔面保護面の裏面側に位置する
    請求項2に記載の飛沫感染防止システム。
  4. 前記飛沫感染防止装置は、
    前記給気ダクトが接続され、前記圧縮空気を、装着者、及び装着者と対面する対面者との間に形成された所定の空間に向けて噴出するための噴出孔が形成された筐体部を含む対面者用エアカーテン生成装置を有する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の飛沫感染防止システム。
  5. 前記給気ダクトは、経路途中で複数に分岐する分岐ダクトを有し、
    該分岐ダクトの下流側には複数の枝分かれしたブランチダクトを有する
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の飛沫感染防止システム。
  6. 前記給気ダクトの経路上には、前記圧縮空気の圧力を所定の一定圧に調整するための圧力調整弁を有する
    請求項1から請求項5の何れか一項に記載の飛沫感染防止システム。
  7. 前記給気ダクトには、フィルタ装置が介装されている
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載の飛沫感染防止システム。
  8. 気体を所定に圧縮して生成された圧縮空気を給気する給気ダクトが接続される接続部を含み、前記給気ダクトから供給された圧縮空気を装着者の顔面に沿って鉛直下方に向けて噴出するための噴出孔が形成された送気管と、
    該送気管に取り付けられ、装着者の頭部周囲に沿って装着する装着部と、を有する顔面部エアカーテン生成装置を備える
    飛沫感染防止装置。
  9. 前記送気管に形成された噴出孔から噴出される圧縮空気を所定の方向に導風するための導風板が、前記送気管の噴出孔に沿って設置された
    請求項8に記載の飛沫感染防止装置。
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