JP2022076611A - 応力センサ、その製造方法、及びセンサシート - Google Patents

応力センサ、その製造方法、及びセンサシート Download PDF

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Hongli Zhang
和彦 笹川
Kazuhiko Sasagawa
和弘 藤崎
Kazuhiro Fujisaki
健司 森脇
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Abstract

【課題】圧力及びせん断力が検知可能で、かつ、より微細化、高集積化した高精度な応力センサを提供する。【解決手段】応力センサ100は、複数の検知部として、対向配置された2つの電極間に圧力感知層2Aが介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部2と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層3A、4Aが介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部3、4と、を備える。上記複数の検知部が積層され、隣り合う検知部間に基材を介挿した。【選択図】図1

Description

本発明は、押圧力(以下、単に圧力とも記載する)及びせん断力を共に検知可能な応力センサに関する技術である。なお、応力センサに対し押圧力などの外力を負荷するものには、特に限定はない。
応力センサは、例えば上下2つの電極を対向させ、その2つの電極間に導電膜や絶縁膜からなる感知層を挟み込んだ構造となっている。この応力センサは、入力した応力によって感知層が変形することで、電極間の距離や対向した電極の対向面積の変化を電気信号として検知し、抵抗値変化あるいは容量値変化を押圧力やせん断力としてセンシングする。
こういった応力センサは、生体内のモニタリングなどへの応用が期待されている。生体内のセンシングでは、センサを埋め込んだ被測定対象に掛かる負担を軽減するため、センササイズはより微細化していることが望ましい。また、一定面積あたりの力の測定精度を上げるためには、センシング部分を集積化することが望ましい。したがって、応力センサの更なる微細化、高集積化が要求される。
例えば、特許文献1には、複数の行電極と複数の列電極が交差して対向するように配置された2枚の基材の間に導電膜を挟み込んだ抵抗型の感圧センサ(応力センサ)が記載されている。この感圧センサでは、圧力が入力されると導電膜同士が接触することにより、表面形状が変形し接触面積が変化する。これにより、導電状態が変化し、その対向した電極間の抵抗値の変化量を圧力として検出する。
また、特許文献2には、上下2つの形状の異なる電極が重なるように対向させ、その間に導電膜あるいは絶縁膜からなる感知層を挟み込んだ応力センサが記載されている。この応力センサでは、せん断力が入力されると導電膜の形状が変化することにより、対向した電極の重なった領域の面積が変化する。これにより電極間の抵抗値あるいは容量値が変化し、その変化量をせん断力として検出する。
更に、特許文献3には、変形に異方性を有する絶縁膜が、対向した電極に挟み込まれた容量型応力センサが記載されている、この特許文献3には、圧力及びせん断力のセンシング部分が基材の表面に対し垂直方向に積層され、微細化、高集積化が可能な応力センサが開示されている。
特開2017‐72472号公報 特開2018‐115873号公報 特開2012‐247297号公報
しかし、特許文献1のような抵抗型の応力センサでは、せん断力の検出ができないという問題点があった。
また、特許文献2のようなせん断力の検知が可能な応力センサでは、圧力及びせん断力を平面視で互いに異なる位置に配置されたセンシング部分で検知するため、応力センサ上の押える場所により、センシング精度が下がる可能性があった。また、平面展開されている分、センシング部分の面積が広いため、更なる微細化に限界があった。
更に、特許文献3のような容量型の応力センサでは、絶縁膜にスリットやセル、突起列などの構造を形成し、変形の異方性を付与しているため、構造の形成、あるいは変形の制御が困難で、センシングの精度が低くなるおそれがある。
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、圧力及びせん断力が検知可能で、かつ、より微細化、高集積化した高精度な応力センサを提供することを目的とする。
課題解決のために、本発明の一態様の応力センサは、複数の検知部として、対向配置された2つの電極間に圧力感知層が介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層が介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部と、を備え、上記複数の検知部が積層され、隣り合う検知部間に基材を介挿した、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、複数の検知部として、対向配置された2つの電極間に圧力感知層が介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層が介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部と、を備え、上記複数の検知部が積層され、隣り合う検知部間に基材を介挿した構造の応力センサを作製する応力センサの製造方法であって、一の基材の両面又は片面に電極と感知層とをこの順に積層してなる検知部構成物を複数形成し、複数の上記検知部構成物を、対向した感知層同士を接合するようにして積層し、接合する感知層同士は、上記圧力感知層又は上記せん断力感知層のうちの、同じ種類の感知層同士となるように設定する、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、1の第2の基材の一方の面側に、上記態様の応力センサが複数配置された、センサシートである。
本発明の態様によれば、1つのセンサで圧力及びせん断力が検知可能である。更に、本発明の態様によれば、圧力検知部及びせん断力検知部を個別に平面に配列させる場合に比べ、応力センサを微細化、高集積化し、かつセンシングの精度を向上することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る応力センサを説明する模式図であり、(a)は、透視的に図示した斜視図、(b)は断面図である。 本発明に基づく実施形態に係るセンサシートを説明する模式図であり、(a)は透視的に図示した斜視図、(b)は断面図である。 圧力検知部を説明する模式図であり、(a)は下部圧力感知層の平面図、(b)は上部圧力感知層の平面図、(c)は断面図である。 せん断力検知部を説明する図であり、(a)は下部せん断力感知層の平面図、(b)は上部せん断力感知層の平面図、(c)は断面図である。 直交方向せん断力検知部を説明する図であり、(a)は下部せん断力感知層の平面図、(b)は上部せん断力感知層の平面図、(c)は断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る圧力測定方法のイメージ図である。 本発明に基づく実施形態に係るせん断力測定方法のイメージ図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(構成の概要)
本実施形態の応力センサは、複数の検知部を備える。複数の検知部は、対向配置された2つの電極間に圧力感知層が介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層が介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部と、を備える。その複数の検知部が、厚さ方向(電極の対向方向)に向けて積層すると共に、隣り合う検知部間に基材が介挿されている。
積層させる検知部の順番に特に制限はない。例えば、最下部に圧力検知部を配置しても良いし、圧力検知部とせん断力検知部とが交互に積層されていても良い。
また、積層された複数の検知部における、積層方向の一端部側及び他端部側にそれぞれ第2の基材が設けられている。すなわち、上下で対をなす2つの第2の基材間に、複数の検知部が積層された状態で配置されている。
ここで、検知部間に介挿された基材を、上下両端部に配置された第2の基材と区別する場合には、第1の基材と記載する。第1の基材と第2の基材とは、同じ材料や寸法で構成されていても良いし、違う材料や寸法で構成されていても良い。また、複数の第1の基材が同じ材料や寸法で構成されていなくても良い。上下の第2の基材についても同様である。
また本実施形態では、圧力感知層は、厚さ方向の途中位置を境として、上側の上部圧力感知層と下側の下部圧力感知層とに分かれており、上側の上部圧力感知層と下側の下部圧力感知層との対向面が接合(電気的に接続)して上記圧力感知層が構成される。
同様に、せん断力感知層は、厚さ方向の途中位置を境として、上側の上部せん断力感知層と下側の下部せん断力感知層とに分かれており、上側の上部せん断力感知層と下側の下部せん断力感知層との対向面が接合(電気的に接続)して上記せん断力感知層が構成される。
例えば、各圧力検知部の圧力感知層を、上部圧力感知層と下部圧力感知層を対向して対向面同士を貼り合わせることで構成する。また、各せん断力検知部のせん断力感知層を、上部せん断力感知層と下部せん断力感知層を対向して対向面同士を貼り合わせて構成する。このとき、上部圧力感知層、下部圧力感知層、上部せん断力感知層、下部せん断力感知層の各感知層を、基材の一方の面側に電極を介して積層した部品の状態で、上記貼り合わせの処理を行うと良い。
またこのとき、各々の第1の基材の両面及び第2の基材の片面に対し、それぞれいずれかの感知層を電極を介して積層してなる部品(検知部構成物)として作製し、その検知部構成物を、同じ種類の感知層同士を貼り付けるようにして順番に積層していけば、本実施形態の応力センサが製造できる。例えば、一の第1の基材の両面にそれぞれ、電極と感知層とをこの順に積層してなる検知部構成物を複数形成すると共に、各第2の基材の片面に対し電極と感知層とをこの順に積層してなる検知部構成物を用意し、その複数の上記検知部構成物について、対向させた感知層同士を接合するようにして積層し、接合する感知層同士は、上記圧力感知層又は上記せん断力感知層のうちの、同じ種類の感知層同士となるように設定する、と良い。
基材の厚さ方向からみて、1又は2以上の圧力検知部と1又は2以上のせん断力検知部の位置関係、すなわち、積層された複数の検知の位置関係に特に限定はないが、センシング精度の観点から、各圧力検知部と各せん断力検知部が同軸に配置されることが好ましい。
圧力検知部は、対向配置された上下2つの圧力感知層が貼り合わせられて押圧力(基材の厚さ方向の力)を検知する。圧力検知部は、基材の厚さ方向からみて、2つの電極が重なる領域の面積が、応力センサに入力されるせん断変形の大きさに関係無く、2つの電極のうちの面積が小さい側の電極の面積に等しくなるように、2つの電極の形状及び配置が構成されている。
圧力検知部は、例えば、基材の厚さ方向からみて、2つの電極が重なる領域が、無負荷状態では面積の大きな側の電極の中央部に配置される。更に、基材における面内方向のいずれの方向においても、面積の小さい側の電極の端から面積の大きい側の電極の端までの距離が、設計上のせん断変形の最大値よりも大きくなるように、2つの電極の形状及び配置が構成される。
せん断力検知部は、対向配置された上下2つのせん断力感知層が貼り合わせられてせん断力(基材の面内方向の力)を検知する。各せん断力検知部は、対向配置された2つの電極の形状が異なり、対向配置された2つの電極は、基材の厚さ方向からみて、検知するせん断力検知方向へのせん断変位に応じて、2つの電極の重なる領域の面積が変化すると共に、検知するせん断力検知方向と直交する方向のせん断変位に対し2つの電極の重なる領域は一定に維持されるように構成されている。2以上のせん断力検知部を備える場合には、各せん断力検知部のせん断を検知するせん断力検知方向が直交した2方向に揃うように配置することが好ましい。
せん断力検知部は、例えば、基材の厚さ方向からみて、検知するせん断力検知方向には、一方の電極に対し他方の電極が、設計上のせん断変形の最大値よりも大きくはみ出しており、検知するせん断力検知方向と直交する方向には、上記のはみ出し部分を除き、面積が小さい側の電極は、面積の大きい側の電極の領域の内に位置するように、2つの電極の形状及び配置が構成される。
全ての検知部は、基材の厚さ方向からみて、対向配置した電極が重なる領域の面積が、0.1mm以上1.5mm以下であることが好ましい。また、応力センサを構成する全電極が重なる領域の面積が、0.1mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
また、圧力感知層及びせん断力感知層の厚さが、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
上部圧力感知層と下部圧力感知層の貼り合わせ(接合)、及び上部せん断力感知層と下部せん断力感知層の貼り合わせ(接合)は、例えば、接着剤を用いて行う。接着剤を用いた貼り合わせの方法は、例えば、対向面同士を導電性の接着剤で貼り合わせる、上部圧力感知層と下部圧力感知層との貼り合わせ部の側面部分を接着剤で固定する、感知層周辺の基材上に接着剤を塗布して固定する方式等がある。状況に応じて適宜、公知の貼合わせ方法を選択すれば良い。
また、本実施形態のセンサシートが、1の第2の基材の一方の面側に、上記構成の応力センサが複数配置されて構成される。すなわち、共通の1つの第2の基材上に、複数の応力センサが配置されている。また、上側の第2の基材も、複数の応力センサに共通の1つの基材から構成される。各第1の基材は、複数の応力センサで共通に設けても良いし、各応力センサ毎に独立していても良い。
なお、基材の厚さ方向は、対向配置された2つ電極の対向方向、応力センサの厚さ方向と同義である。
(構成の詳細)
以下、本実施形態の応力センサの具体な構成例を、図面を参照しつつ説明する。
(応力センサ)
この例では、応力センサ100は、図1に示すように、4つの基材1a、1b、1c、1dが用いられ、1つの圧力検知部2と2つのせん断力検知部3、4とが積層された構成となっている。具体的には、積層された検知部2、3、4の最下部及び最上部に基材(第2の基材1a、1d)が設けられると共に、隣り合う検知部2、3、4間に基材(第1の基材1b、1c)が介挿されている。すなわち、本実施形態の応力センサ100は、複数の検知部2、3、4が基材1b、1cを介して順次積層された構造となっている。
圧力検知部2は基材の厚さ方向の押圧力を検知する。2種類のせん断力検知部3、4は、せん断力検知方向が互いに直交した2種類のせん断力を検知する。2つのせん断力検知部3、4を区別する場合には、検出する方向がせん断力検知部3と直交するせん断力検知部を、直交方向せん断力検知部4と記載する。なお、2つのせん断力検知部3、4の互いのせん断力検知方向が、直交している必要は無く、平面視交差する方向であればよい。
本例の応力センサ100は、図1に示すように、基材1aの上に、圧力検知部2、基材1b、せん断力検知部3、基材1c、直交方向せん断力検知部4、及び基材1dの順で積層されて構成されている。ここで、各検知部2、3、4の積層関係は、図1に示す積層の位置関係に限定されず、任意の順番で配置することができる。また、積層される検知部として、2以上の圧力検知部2を有しても良いし、3以上のせん断力検知部3、4を有しても良い。
基材1a、1b、1c、1dは、生体の有する曲面に設けることを考慮すると、可撓性を有することが好ましい。ここで、基材1b、1cが第1の基材を構成し、基材1a、1dが第2の基材を構成する。
圧力検知部2は、基材1aの一方の面側(上面側)に積層された第1下部電極2aと第1下部導電膜2cと、基材1bの一方の面側(下面側)に積層された第1上部電極2bと第1上部導電膜2dとを有し、第1下部導電膜2cと第1上部電極2bとが対向配置され、貼り合わせられて構成される。第1下部導電膜2cは下部圧力感知層を構成し、第1上部導電膜2dは上部圧力感知層を構成する。
せん断力検知部3は、基材1bの反対の面側(上面側)に積層された第2下部電極3aと第2下部導電膜3cと、基材1cの一方の面側(下面側)に積層された第2上部電極3bと第2上部導電膜3dとを有し、第2下部導電膜3cと第2上部導電膜3dが対向配置され、貼り合わせられて構成される。
直交方向せん断力検知部4は、基材1cの反対の面側(上面側)に積層された第3下部電極4aと第3下部導電膜4cと、基材1dの一方の面側(下面側)に積層された第3上部電極4bと第3上部導電膜4dとを有し、第3下部導電膜4cと第3上部電極4bとが対向配置され、貼り合わせられて構成される。
第2下部導電膜3cと第3下部導電膜4cは下部せん断力感知層を構成し、第2上部導電膜3dと第3下部導電膜4cは上部せん断力感知層を構成する。
(センサシート200)
センサシート200は、上記構成の複数の応力センサ100が、共通の基材1aの面に沿って2次元平面状に配置(配列)されて構成されている。
本例のセンサシート200は、図2に示すように、平面配置された複数の応力センサ100を有し、各応力センサ100の第1の基材1b、1c、及び第2の基材1a、1dが共有された構造となっている。すなわち、基材1aと基材1bの間に2つ以上の圧力検知部2が配置され、基材1bと基材1cの間に2つ以上のせん断力検知部3が配置され、基材1cと基材1dの間に2つ以上の直交方向せん断力検知部4が配置されて構成されている。
ここで、圧力検知部2とせん断力検知部3、又は直交方向せん断力感知層4の位置関係は、図2(b)に示す位置関係に限定されず、任意の順番、任意の位置関係で配置することができるが、図2(b)に示すように、各応力センサ100毎に検知部が同軸に配置されることが好ましい。
また、1の対向する基材間(例えば、対向する基材1a-1b間)に平面配置される複数の検知部が同一種類の検知部でなくても良い。また、第1の基材1b、1cは、各応力センサ100毎に個々に設けられていてもよい。
ここで、センサシート200のセンシング精度は、単位面積当たりの平面視での各検知部の数に依存する。単位面積当たりの検知部の数が多ければ多いほど、検出精度(応力分布などの検出精度)が向上する。つまり、平面視における各検知部のサイズを小さくし、検知部の密度を増やせば、検出精度が高くなる。ただし、より正確に押圧力及びせん断力を検知するため、圧力検知部2の合計面積は基材面積の4分の1以上占め、せん断力検知部3、及び直交方向せん断力検知部4の合計面積も4分の1以上占めることが好ましい。また、応用先の需要に応じて各検知部のサイズと密度を調整することで、センサシート200の検出精度を調整することができる。
更に、詳細に説明する。
<圧力検知部2>
本実施形態の圧力検知部2は、図3に示すように、基材1a上に第1下部電極2a、第1下部導電膜2cの順に積層して形成し、基材1b上に第1上部電極2b、第1上部導電膜2dの順に積層して形成して、第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dとの対向面を貼り合わせることで接合され構成される。接合した第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dとで圧力感知層2Aが形成される。この圧力検知部2は、基材表面に対し垂直方向(基材の厚さ方向)の圧力を検知するための層(検知部)である。
なお、図3(c)では、第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dを分離した状態で図示している。図4(c)、図5(c)についても同様である。
応力センサ100及びセンサシート200として安定して動作可能とするため、第1下部導電膜2cは、第1下部電極2aを被覆し、第1下部電極2aが第1上部電極2bより面積が大きいことが好ましい。第1上部電極2bは、第1下部電極2aと完全に重なるように設定されていればよい。図3(a)における符号Lap2は、平面視における、上下で対となる電極2a、2bが重なる領域を示す。なお、第1上部電極2bが第1下部電極2aよりも相対的に面積が大きい構成でもよい。
このとき、応力センサ100及びセンサシート200にせん断力が入力されてせん断変位が生じても、第1下部電極2aと第1上部電極2bが重なった領域Lap2の面積が変化しないように、第1下部電極2aと第1上部電極2bの電極面積が異なり、入力されたせん断力でせん断変位が発生しても、基材の厚さ方向からみて、2つの電極2a、2bが重なる領域Lap2の面積が、2つの電極2a、2bのうちの面積が小さい側の電極2bの面積に等しくなるように配置されている。本構成例の場合、第1上部電極2bは、第1下部電極2aの内部に完全に重なり、重なった領域Lap2の面積は第1上部電極2bの面積に等しく配置されている。
更に、任意の方向のせん断変位に対応可能なように、基材の厚さ方向において、無負荷の状態で、第1下部電極2aと第1上部電極2bの中央が同じ位置に配置されることが望ましい。
ただし、相対的に、面積が小さい電極2bの面積は0.1mm以上1.5mm以下で、面積が大きい電極2aの面積は0.2mm以上3.0mm以下で、第1下部電極2aあるいは第1上部電極2bの面積の半分以上を占めることが好ましい。また、第1下部電極2a及び第1上部電極2bの形状は限定されず、例えば、矩形、円形、三角形などが選択できる。
また、第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dとの接合は、両者2c、2dの対向面間に導電性の接着剤を塗布する代わりに、第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dとの貼り合わせ部の側面部分に塗布したり、第1下部導電膜2cと第1上部導電膜2dの周辺の基材間に接着剤を塗布したりするような、貼合わせ方法を採用しても良い。基材間に接着剤を塗布する方法は、対向する基材間の距離を規制する方法であり、この場合には、硬化後の接着剤が弾性を有することが好ましい。
<せん断力検知部3>
せん断力検知部3は、図4に示すように、基材1b上に第2下部電極3a、第2下部導電膜3cの順に積層して形成し、基材1c上に、第2上部電極3b、第2上部導電膜3dの順に積層して形成して、第2下部導電膜3cと第2上部導電膜3dとの対向面が貼り合わされることで接合され構成される。接合した第2下部導電膜3cと第2上部導電膜3dとでせん断力感知層3Aが構成される。せん断力検知部3は、基材表面に平行な方向(基材の面内方向)のせん断力を検知するための層である。
ここで、安定して動作可能とするため、第2導電膜3cは第2下部電極3aを被覆し、第2下部電極3aが第2上部電極3bより面積が大きいことが好ましい。もっとも、第2導電膜3cは、少なくとも第2下部電極3aと第2上部電極3bとの対向位置(重なる領域Lap3)に存在していればよい。相対的に第2上部電極3bが大きくなる構成でも良い。
更に、せん断力検知部3は、検出するせん断方向に直交した方向の直交せん断力が入力されても、第2下部電極3aと第2上部電極3bが重なった領域Lap3の面積が変化されることなく、且つ、第2下部電極3aと第2上部電極3bは、検出するせん断方向に沿った方向の変位に対し電極間の重なる領域Lap3の大きさが変化する必要がある。本構成例の場合、直交方向において、第2上部電極3bは第2下部電極3aの内部に重なる。ここで、せん断力を感知するため、第2下部電極3a及び第2上部電極3bの中央をずらし、第2上部電極3bは第2下部電極3aの片側にはみ出し、重なった領域の面積30は第2上部電極3bの面積より小さく配置し、部分的に重なることが好ましい。
ただし、第2下部電極3a及び第2上部電極3bの面積が0.2mm以上3.0mm以下であり、2つの電極が重なった領域3Aの面積Lap3が、0.1mm以上1.5mm以下で、第2下部電極3aあるいは第2上部電極3bの面積の半分以上を占めることが好ましい。また、第2下部電極3a及び第2上部電極3bの形状は限定されず、例えば、矩形、円形、三角形などが選択できる。
また、導電膜3cと導電膜3dの上に接着剤を塗布せず、導電膜3cと導電膜3dの周辺の基材上に接着剤を塗布し、貼り合わせる方式を採用している。すなわち、貼り合わせ方法は上述の方法を採用すればよい。
<直交方向せん断力検知部4>
直交方向せん断力検知部4は、図5に示すように、基材1c上に、第3下部電極4a、第3下部導電膜4cの順に積層して形成し、基材1d上に、第3上部電極4b、第3上部導電膜4dの順に積層して形成して、第3下部導電膜4cと第3上部導電膜4dとの対向面が貼り合わされることで接合され構成される。接合した第3下部導電膜4cと第3上部導電膜4dとでせん断力感知層4Aが形成される。直交方向せん断力検知部4は、基材表面に平行し、せん断力検知部3のせん断力検知方向と直交したせん断力を検知するための層である。
Lap4は、上下の電極の重なり領域を示す。
直交方向せん断力検知部4に構成する第3下部電極4a、第3下部導電膜4c、第3上部電極4b、及び第3上部導電膜4dの位置関係はせん断力感知部3の第2下部電極3a、第2導電膜3c、第2上部電極3b、及び第2上部導電膜3dと同じで、直交方向せん断力検知部4は、せん断力検知部3の第2下部電極3aと第2上部電極3bが重なった領域の中央を軸として、90度回転したものである。ここでは、反時計回りに90度回転したが、時計回りに90度回転しても良い。また、回転角度は、90度以外の角度でもよい。
応力センサ100及びセンサシート200において、各感知層の下部電極と上部電極が重なった領域の面積は、0.1mm以上1.5mm以下であることが好ましく、特に0.5mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。
その理由は次の通りである。重なった領域の面積が0.5mm以下0.1mm以上であると、応力センサ100及びセンサシート200として機能するが、せん断力の検出精度が下がる。ただし、重なった領域の面積が0.1mmより小さい値であると、せん断力を検出するのが難しく、応力センサ100及びセンサシート200として機能しなくなるおそれがある。一方、重なった領域の面積が1.5mmより大きい値であると、電極の面積が3.0mmより大きいため、応力センサ100の微細化及びセンサシート200の高集積化を達成することが困難となるおそれがある。ただし、各感知層の下部電極と上部電極が重なった領域の面積は異なっても構わない。また、圧力検知部2、せん断力検知部3、直交方向せん断力検知部4をそれぞれ形成する際、任意の位置合わせマークを用いて、位置合わせをする必要がある。
<基材>
基材1a、1b、1c、1dは、可撓性を有するシート状の部材であることが好ましい。基材1a、1b、1c、1dの材料としては、例えば、ポリエステル、ナイロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、セロファンなどのプラスチックフィルムや、シリコーンゴムのジメチルポリシロキサン、クリーンペーパー、コート紙、カレンダー紙などの加工紙を使用することができる。
ここで、応力センサ100の生体への使用を考慮する場合、基材1a、1b、1c、1dの材料として、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン等のポリエステル及びそれらの共重合体、アクリル樹脂、シリコーン、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、スチレン・ブタジエン系エラストマーなどを用いてもよい。
基材1a、1b、1c、1dの各材料や厚さは同一である必要はない。例えば、第2の基材を第1の基材よりも剛性が高いように設定してもよい。
基材1a、1b、1c、1dは、未延伸基材及び延伸基材のいずれであってもよい。機械的強度及び寸法安定性を考慮した場合には、一軸延伸基材及び二軸延伸基材などの延伸基材、特には二軸延伸基材を使用することが有利である。基材の厚さに制限はないが、基材として十分な強度を達成し得る厚さを有している必要がある。基材の厚さは、例えば6μm以上200μm以下の範囲内とする。
基材1a、1b、1c、1dの形状に制限はない。ただし、量産性を考慮した場合には、基材は長尺物であることが有利である。
<電極>
第1下部電極2a、第2下部電極3a、第3下部電極4a及び第1上部電極2b、第2上部電極3b、第3上部電極4bには、抵抗率が低い導電性材料を用いることができる。各電極は、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の金属、あるいはITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO(酸化スズ)などの導電性金属酸化物の使用が可能である。
第1下部電極2a、第2下部電極3a、第3下部電極4a及び第1上部電極2b、第2上部電極3b、第3上部電極4bの厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
第1下部電極2a、第2下部電極3a、第3下部電極4a及び第1上部電極2b、第2上部電極3b、第3上部電極4bの形成方法は、特に限定されず、一般的な成膜方法を利用することができる。電極の製造は、例えば、印刷法の場合、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、リバースオフセット印刷法を用いることができる。また、気相堆積法の場合、真空蒸着法、スパッタリング法を用いることもできる。
<導電膜>
圧力感知層2A(第1下部導電膜2c、第1上部導電膜2d)やせん断力感知層3A、4A(第2下部導電膜3c、第2上部導電膜3d及び第3下部導電膜4c、第3上部導電膜4d)を構成する導電膜材料は、第1下部電極2a、第2下部電極3a、第3下部電極4a、第1上部電極2b、第2上部電極3b、及び第3上部電極4bより抵抗率が高い材料である必要がある。
各導電膜2c、2d、3c、3d、4c、4dは、入力した応力(圧力やせん断力)により変形することで自身の抵抗値が減少する必要があり、変形することにより抵抗率が変化する材料がより好ましい。そのような材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子や、グラファイトやカーボンナノチューブを用いたカーボンペーストが好適に用いられる。また、想定する応力の大きさに応じて、第1下部導電膜2c、第1上部導電膜2d、第2下部導電膜3c、第2上部導電膜3d及び第3下部導電膜4c、第3上部導電膜4dは抵抗率を選ぶべきである。想定する応力が大きい場合はカーボンなど抵抗率の低い材料を選び、想定する応力が小さい場合は抵抗率の高い導電性高分子を選ぶと良い。
第1下部導電膜2c、第1上部導電膜2d、第2下部導電膜3c、第2上部導電膜3d、及び第3下部導電膜4c、第3上部導電膜4dに使用される材料として、任意の組み合わせが適用できるが、生産性やセンシング精度などの観点から同材料を用いることが望ましい。
第1下部導電膜2c、第1上部導電膜2d、第2下部導電膜3c、第2上部導電膜3d、及び第3下部導電膜4c、第3上部導電膜4dの厚さが、第1下部電極2a、第1上部電極2b、第2下部電極3a、第2上部電極3b、及び第3下部電極4a、第3上部電極4bより厚く、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
第1下部導電膜2c、第1上部導電膜2d、第2下部導電膜3c、第2上部導電膜3d、及び第3下部導電膜4c、第3上部導電膜4dの形成方法として、例えば、印刷法の場合、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法を用いることができる。また、気相堆積法の場合、真空蒸着法、スパッタリング法、熱化学気相堆積法、プラズマ化学気相堆積法を用いることもできる。
<接着剤>
対向する導電膜の対向面に塗布して貼り合わせるための接着剤は、導電性で、かつ抵抗率が導電膜より高い材料が好ましい。対向する導電膜の周辺の基材上に塗布し貼り合わせする場合、接着剤は、抵抗率には特に要求がないが、膜厚は圧力検知部2、せん断力検知部3、4より薄いことが好ましい。
接着剤の形成方法として、例えば、印刷法の場合、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法を用いることができる。
(製造方法の例)
本実施形態の応力センサ100は、例えば、第1の基材1b、1cの両面や第2の基材1a,1dの片面にそれぞれ、電極と導電膜(感知層)とをこの順に積層してなる検知部構成物を同軸となるように複数形成し、複数の上記検知部構成物を、対向した導電膜同士を接合しながら積層して製造する。このとき、接合する感知層同士は、上記圧力感知層2A又は上記せん断力感知層3A、4Aのうちの、同じ種類の感知層同士となるように設定する。
例えば、先ず、第2の基材1a、1dの片面に電極と導電膜を積層した検知部構成物と、第1の基材1b、1cの両面にそれぞれ電極と導電膜を積層した検知部構成物とを作製する。
次に、第2の基材1aを用いた検知部構成物の上に、第1の基材1bを用いた検知部構成部を、各応力センサ100の導電膜2c、2d同士を積層する。次に、第1の基材1bを用いた検知部構成物の上に、第1の基材1cを用いた検知部構成部を、各応力センサ100の導電膜3c、3d同士を積層する。次に、第1の基材1cを用いた検知部構成物の上に、第2の基材1dを用いた検知部構成部を、各応力センサ100の導電膜4c、4d同士を積層する。
このとき、接合する導電膜同士は、圧力感知層2A又はせん断力感知層3A、4Aのうちの、同じ種類の導電膜(感知層)同士となるように設定する。
なお、対応する複数の検知部が厚さ方向に沿って同軸となるように、基材に対する各検知部の位置を設定しておく。
ここで、上記説明では、複数の応力センサ100で共通の第1の基材1b、1c、及び第2の基材1a、1dを用いる場合を例示しているがこれに限定されない。例えば、第1の基材1b、1cを、応力センサ100毎に個別に構成しても良い。この場合には、例えば、第2の基材を有しない複数の応力センサ100を作製し、第2の基材1aの上に、その複数の応力センサ100を配置するようにして製造してもよい。
また、複数の応力センサ100を複数のグループに区分して、各区画毎にそれぞれ第1の基材1b、1cを設けるようにしても良い。また、上側の第2の基材1dも複数に分割されていてもよい。
(動作その他)
図6は、応力センサ100、又はセンサシート200における、圧力検知部2での圧力センシング(測定方法)のイメージ図である。
圧力検知部2では、第1下部電極2a及び第1上部電極2bが下部導電膜2cと上部導電膜2dを介して積層されていると見なせる。図6(a)は第1上部電極2bに接触し、第1上部電極2bを第1下部電極2a側に押圧力F1で押すときを示している。第1上部電極2bに押圧力F1を掛けると、図6(b)のように圧力感知層2Aが変形し、第1下部電極2aと第1上部電極2bとの距離が減少する。圧力検知部2は、例えば、このときの第1下部電極2aと第1上部電極2bとの間の抵抗値の変化を接触圧力として出力する。
図7は、応力センサ100、又はセンサシート200における、せん断力検知部3、あるいは直交方向せん断力検知部4でのせん断力センシング(測定方法)のイメージである。
図7の(a)は、下部電極3a、4a及び上部電極3b、4bがせん断力感知層3A、4Aを介して積層されたせん断力検知部3、4に、上部電極3b、4bに対し紙面左に向かってせん断力F2を与えたときを示す。このとき、せん断力感知層3A、4Aにおける上部電極3b、4bと下部電極3a、4aとに厚さ方向で挟まれた部分を、網掛けで示した重なり部分とする。せん断力F2によって、せん断力感知層3A、4Aの変形を伴って、上部電極3b、4bに対しずれ(変位)が生じ、図7(b)のようになる。このとき、図7(a)の状態と比べて下部電極3a、4aと上部電極3b、4bとの重なり部分のせん断力F2が掛けられた方向における幅(図7の紙面左右方向における幅)が減少することで、変形前と比べて電極間の抵抗値が増加する。せん断力検知部3、あるいは直交方向せん断力検知部4は、これらの値の変化をせん断力値として出力する。そのため、応力の負荷前後で下部電極3a、4aと上部電極3b、4bとの重なり部分の変化量(変形量)が大きいほどせん断力も大きい。
ここで、応力センサ100、又はセンサシート200に対し、せん断力を負荷される際に、一緒に押圧力が負荷される場合もある。この場合、不図示の制御部において、圧力検知部2に基づき検知される圧力検知分を用いて、検知したせん断力を補正することが好ましい。
本実施形態によれば、圧力及びせん断力が検知可能、かつ微細化、高集積化した高精度な応力センサ100及びセンサシート200を提供することができる。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
<実施例1>
実施例1の応力センサ100の構造は、図1に示すような構造とした。
まず、各基材1a、1b、1c、1dとして、厚さ125μmのポリイミドフィルムを使用した。その基材1a、1b、1cの一方の面側(上面側)にそれぞれ、下部電極と、圧力感知層2A又はせん断力感知層3A、4Aを形成する下部導電膜とをこの順に積層した。具体的には、グラビアオフセット印刷法により、各基材の上に下部電極を形成すると共に、スクリーン印刷法により、下部導電膜を形成した。下部電極には銀インキ、下部導電膜にはカーボンの導電性インキを用いた。下部導電膜の膜厚は10μmであった。
続いて、せん断力検知部3A、4Aと同軸となるように基材1bの反対の面側(下面側)に、上部電極及び圧力感知層2Aを形成する上部導電膜をこの順に積層した。同様にして、圧力検知部2Aと同軸となるように基材1c及び基材1dの反対の面側(下面側)に、上部電極及びせん断力感知層3A、4Aを形成する上部導電膜をこの順に積層した。具体的には、基材1b、1c、1dの下面に対し、グラビアオフセット印刷法により、上部電極を形成し、スクリーン印刷法により、上部導電膜を形成した。上部電極は銀インキ、上部導電膜はカーボンの導電性インキを用いた。上部導電膜の膜厚は10μmであった。
最後に、第2の基材1aの印刷面(上面)、第1の基材1bの両面、第1の基材1cの両面、第2の基材1dの印刷面(下面)の任意の場所(導電膜を形成していない領域)に接着剤を塗布することで、下部圧力感知層を構成する下部導電膜2cと上部圧力感知層を構成する上部導電膜2d、下部せん断力感知層を構成する下部導電膜3cと上部せん断力感知層を構成する上部導電膜3d、下部せん断力感知層を構成する下部導電膜4cと上部せん断力感知層を構成する上部導電膜4dがそれぞれ対向になるようにして貼り合わせした。このとき、圧力検知部2については、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を0.1mmにした。第1下部電極2aの電極面積を0.2mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を0.1mmにした。
以上のようにして、実施例1の応力センサ100を作製した。
<実施例2>
実施例2の応力センサ100は、実施例1と同様な方法で作成した。
但し、圧力検知部2については、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を0.5mmにした。第1下部電極2aの電極面積は1.0mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を0.5mmにした。それ以外は、実施例2の応力センサ100は、実施例1と同じ構成である。
<実施例3>
実施例3の応力センサ100は、実施例1と同様な方法で作成した。
但し、圧力検知部2については、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を1.5mmにした。第1下部電極2aの電極面積は3.0mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を1.5mmにした。それ以外は、実施例3の応力センサ100は、実施例1と同じ構成である。
<実施例4>
実施例4のセンサシート200は、実施例1と同様な方法で作成した。
但し、圧力検知部2については、同基材上に複数形成され、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を0.5mmにした。第1下部電極2aの電極面積は1.0mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、同基材上に圧力検知部2と同じ数形成され、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を0.5mmにした。
<実施例5>
実施例5の応力センサ100は、実施例1と同様な方法で作成した。
但し、圧力検知部2については、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を0.08mmにした。第1下部電極2aの電極面積は0.16mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を0.08mmにした。それ以外は、実施例5の応力センサ100は、実施例1と同じ構成である。
<実施例6>
実施例6の応力センサ100は、実施例1と同様な方法で作成した。
但し、圧力検知部2については、対向する2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を2.00mmにした。第1下部電極2aの電極面積は4.0mmにした。また、2つのせん断力検知部3、4については、対向する2つの電極の中央がずれるように配置し、2つの電極の重なった領域の面積を2.00mmにした。それ以外は、実施例6の応力センサ100は、実施例1と同じ構成である。
<比較例1>
まず、厚さ125μmのポリイミドフィルムからなる2つの基材を用いた。一方の基材の一方の面側上に、下部電極、及び下部圧力感知層としての下部導電膜を形成した。具体的には、グラビアオフセット印刷法により、下部電極を形成すると共に、スクリーン印刷法により、下部導電膜を形成した。下部電極は銀インキ、下部導電膜はカーボンの導電性インキを用いた。下部導電膜の膜厚は10μmであった。
続いて、他方の基材の一方の面側上、上部電極、及び上部圧力感知層としての下部導電膜を形成した。具体的には、下部導電膜と同様に、グラビアオフセット印刷法により、上部電極を形成し、スクリーン印刷法により、上部導電膜を形成した。上部電極は銀インキ、上部導電膜はカーボンの導電性インキを用いた。上部導電膜の膜厚は10μmであった。
最後、一方の基材の印刷面、他方の基材の印刷面の基材上に接着剤を塗布し、下部導電膜と上部導電膜が対向になるように貼り合わせした。このとき、2つの電極の中央を同じ位置に配置し、重なった領域の面積を0.5mmにした。第1下部電極2aの電極面積は1.0mmにした。
以上のようにして、比較例1の応力センサ100を作製した。
各応力センサ100の構成を、表1に示す。
Figure 2022076611000002
<評価>
上記作製した実施例1~6、比較例1の各応力センサ及びセンサシートについて評価を実行した。
具体的には、上記の各応力センサに対しLCRメーターにつなぎ、各感知層の下部電極と上部電極間に5Vの交流電圧を掛けた状態で、上から指で押したり、なでたりすることで、抵抗値の変化を測定し、センサ特性の評価を行った。
また、各応力センサの各電極の寸法を測定し、微細化について評価した。なお、応力センサ100の微細化は、電極の寸法に依存するところが大きい。
[圧力検知特性]
圧力検知特性の判断基準は、次の通りである。
○(良好):圧力に対し、検出した電圧値は線型的に単調増加、あるいは単調減少の場合
△(概ね良好):圧力に対し、検出した電圧値は線型的ではないが、単調増加、あるいは単調減少の場合
×(不良):圧力に対し、検出した電圧の変化は単調ではない場合
[せん断力検知特性]
せん断力検知特性の判断基準は次の通りである。
○(良好):せん断力に対し、検出した電圧値は線型的に単調増加、あるいは単調減少の場合
△(概ね良好):せん断力に対し、検出した電圧値は線型的ではないが、単調増加、あるいは単調減少の場合
×(不良):せん断力に対し、検出した電圧の変化は単調ではない場合
[微細]
微細の判断基準は、次の通りである。
○(良好):応力センサ100の電極面積が3.0mm以下の場合
△(概ね良好):応力センサ100の電極面積が3.0mmより広く4.0mm以下の場合
×(不良):応力センサ100の電極面積が4.0mmより広い場合
[総合評価]
応力センサの総合評価の判断基準として、全ての評価項目が良好の場合のみ、良好:○とした。概ね良好の項目があり、不良の項目がない場合は概ね良好:△とした。不良の項目がある場合は不良:×とした。
評価結果を表2に示す。
Figure 2022076611000003
表2から分かるように、比較例1に比べ、実施例1~6のセンサ特性が優れており、かつ微細であることが確認できたため、総合評価が良好であった。
ただし、実施例5は電極が重なった領域の面積が小さいため、他の実施例1~4に比べ、検出精度が若干低下していた。
また、実施例6は電極が重なった領域の面積が大きいため、検出精度が良好であったが、微細化の点で、実施例1~4よりも劣っていた。
比較例1は、せん断力検知部3、4を備えないため、せん断力が検出できないという結果であった。
1 基材
1a、1d 第2の基材
1b、1c 第1の基材
2 圧力検知部
2A 圧力感知層
2a 第1下部電極
2b 第1上部電極
2c 第1下部導電膜(下部圧力感知層)
2d 第1上部導電膜(上部圧力感知層)
3 せん断力検知部
3A せん断力感知層
3a 第2下部電極
3b 第2上部電極
3c 第2下部導電膜(下部せん断力感知層)
3d 第2上部導電膜(上部せん断力感知層)
4 直交方向せん断力検知部(せん断力検知部)
4A せん断力感知層
4a 第3下部電極
4b 第3上部電極
4c 第3下部導電膜(下部せん断力感知層)
4d 第3上部導電膜(上部せん断力感知層)
100 応力センサ
200 センサシート

Claims (10)

  1. 複数の検知部として、対向配置された2つの電極間に圧力感知層が介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層が介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部と、を備え、
    上記複数の検知部が積層され、隣り合う検知部間に基材を介挿した、
    ことを特徴とする応力センサ。
  2. 上記積層した複数の検知部における、積層方向の一端部側及び他端部側にそれぞれ第2の基材が設けられた、請求項1に記載した応力センサ。
  3. 上記圧力感知層は、厚さ方向の途中位置を境として、上側の上部圧力感知層と下側の下部圧力感知層とを有し、上記上側の上部圧力感知層と下側の下部圧力感知層との対向面が接合して上記圧力感知層を構成し、
    上記せん断力感知層は、厚さ方向の途中位置を境として、上側の上部せん断力感知層と下側の下部せん断力感知層とを有し、上記上側の上部せん断力感知層と下側の下部せん断力感知層との対向面が接合して上記せん断力感知層を構成する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した応力センサ。
  4. 2以上の上記せん断力検知部を備え、各せん断力検知部のせん断を検知するせん断力検知方向が互いに異なることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した応力センサ。
  5. 上記圧力検知部は、上記対向配置された上下部の2つの電極の面積が異なり、基材の厚さ方向からみて、2つの電極が重なる領域の面積が、応力センサのせん断変形に関係無く、上記2つの電極のうちの面積が小さい側の電極の面積に等しくなるように、上記2つの電極の形状及び配置が構成されていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した応力センサ。
  6. 上記せん断力検知部は、上記対向配置された上下部の2つの電極の形状が異なり、上記対向配置された2つの電極は、基材の厚さ方向からみて、検知するせん断力検知方向へのせん断変位に応じて、上記2つの電極の重なる領域の面積が変化すると共に、上記検知するせん断力検知方向と直交する方向のせん断変位に対し、上記2つの電極の重なる領域の面積が一定に維持されるように、形状及び配置が構成されていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した応力センサ。
  7. 各検知部は、基材の厚さ方向からみて、対向配置された2つの電極が重なる領域の面積が、0.1mm以上1.5mm以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した応力センサ。
  8. 上記圧力感知層及び上記せん断力感知層の厚さが、1μm以上100μm以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載した応力センサ。
  9. 複数の検知部として、対向配置された2つの電極間に圧力感知層が介装されて押圧力を検知する1又は2以上の圧力検知部と、対向配置された2つの電極間にせん断力感知層が介装されてせん断力を検知する1又は2以上のせん断力検知部と、を備え、上記複数の検知部が積層され、隣り合う検知部間に基材を介挿した構造の応力センサを作製する応力センサの製造方法であって、
    一の基材の両面又は片面に電極と感知層とをこの順に積層してなる検知部構成物を複数形成し、
    複数の上記検知部構成物を、対向した感知層同士を接合するようにして積層し、
    接合する感知層同士は、上記圧力感知層又は上記せん断力感知層のうちの、同じ種類の感知層同士となるように設定する、
    ことを特徴とする応力センサの製造方法。
  10. 1の第2の基材の一方の面側に、請求項1に記載した応力センサが複数配置された、センサシート。
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