JP2022076562A - 空域障害物検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】空域に存在する障害物の正確な位置情報を得ることができる。【解決手段】空域の障害物を検知する空域障害物検知システム100であって、互いに離れて配置され、障害物の位置を検知する複数の検知装置20と、複数の検知装置から得られた障害物の位置に関連する位置関連情報を処理する情報処理装置24と、複数の検知装置と、情報処理装置とを接続する通信ネットワーク22と、を備え、複数の検知装置は、それぞれ、レーダを有し、障害物からのレーダの反射波の受信信号を受信する検知部10a~10fと、受信信号を用いて、位置関連情報を算出する信号処理部12と、算出した位置関連情報を、通信ネットワークを介して情報処理装置へ送信する情報送信部14と、を有し、情報処理装置は、送信された位置関連情報と、予め定められたレーダの空間座標位置を用いて、障害物の空間座標位置を算出する。【選択図】図1
Description
本開示は、空域障害物検知システムに関する。
従来から、所定の監視領域内へ侵入する飛行体を検出するための種々のセンサ装置が知られている。例えば、特許文献1の飛行体検出装置では、センシング方向を上空に向けたミリ波レーダによって、特定の監視領域への小型飛行体の接近を検知している。また、反射波の受信強度レベルの閾値を設定することによって、鳥などのように受信強度レベルの小さい物体と、小型飛行機などのように受信強度レベルの大きい小型飛行体とを区別している。かかる飛行体検出装置によれば、上空を飛行する小型飛行体の接近を、鳥などと誤検知することなく検知することができる。
特許文献1の飛行体検出装置のように特定空域を監視対象とした検知では、特定空域以外に存在する鳥や小型飛行体などの障害物を検知できない。また、監視領域における鳥や小型飛行体などの障害物の有無は検知できるものの、障害物の正確な位置情報は得られない。このため、航空機が広い空域に亘って障害物を避けて安全に飛行できない可能性がある。このような問題は、被検知物が鳥や小型飛行体に限らず、送電線などを含め、空域に存在するあらゆる障害物に対して起こり得る。このため、空域に存在する障害物の正確な位置情報を得られる技術が望まれる。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態として、空域の障害物を検知する空域障害物検知システム(100)が提供される。この空域障害物検知システムは、互いに離れて配置され、前記障害物の位置を検知する複数の検知装置(20)と、前記複数の検知装置から得られた前記障害物の位置に関連する位置関連情報を処理する情報処理装置(24)と、前記複数の検知装置と、前記情報処理装置とを接続する通信ネットワーク(22)と、を備え、前記複数の検知装置は、それぞれ、レーダを有し、前記障害物からの前記レーダの反射波の受信信号を受信する検知部(10a~10f)と、前記受信信号を用いて、前記位置関連情報を算出する信号処理部(12)と、前記算出した位置関連情報を、前記通信ネットワークを介して前記情報処理装置へ送信する情報送信部(14)と、を有し、前記情報処理装置は、前記送信された前記位置関連情報と、予め定められた前記レーダの空間座標位置を用いて、前記障害物の空間座標位置を算出する。
この形態の空域障害物検知システムによれば、互いに離れて配置されている複数の検知装置と、複数の検知装置から得られた障害物の位置に関連する位置関連情報を処理する情報処理装置とを備え、情報処理装置は、複数の検知装置から送信された障害物の位置関連情報と、予め定められたレーダの空間座標位置を用いて障害物の空間座標位置を算出するので、空域に存在する障害物の正確な位置情報を得ることができる。
A.実施形態:
A-1.システム構成:
図1に示す本開示の一実施形態としての空域障害物検知システム100は、レーダを用いて空域の障害物を検知する。「空域の障害物」には、例えば、図1に示す障害物50a、50bのようなドローン機や、飛行機といった人工的な飛行体の他、鳥なども含まれる。本実施形態において、空域障害物検知システム100は、複数の地域毎に、互いに同様な構成を有するサブシステム101を備えている。そして、空域障害物検知システム100では、複数のサブシステム101において得られた情報が、ネットワーク(後述する通信ネットワーク25)を介して中央情報処理装置26に集約される。図1では、或る地域におけるサブシステム101の詳細構成を代表して表し、隣接する他の地域については、サブシステム101の一部のみを表している。また、図1において、検知装置20b、20cの各機能部は省略されているが、検知装置20aの各機能部と同様の構成である。
A-1.システム構成:
図1に示す本開示の一実施形態としての空域障害物検知システム100は、レーダを用いて空域の障害物を検知する。「空域の障害物」には、例えば、図1に示す障害物50a、50bのようなドローン機や、飛行機といった人工的な飛行体の他、鳥なども含まれる。本実施形態において、空域障害物検知システム100は、複数の地域毎に、互いに同様な構成を有するサブシステム101を備えている。そして、空域障害物検知システム100では、複数のサブシステム101において得られた情報が、ネットワーク(後述する通信ネットワーク25)を介して中央情報処理装置26に集約される。図1では、或る地域におけるサブシステム101の詳細構成を代表して表し、隣接する他の地域については、サブシステム101の一部のみを表している。また、図1において、検知装置20b、20cの各機能部は省略されているが、検知装置20aの各機能部と同様の構成である。
サブシステム101は、複数の検知装置20a、20b、20cと、通信ネットワーク22と、情報処理装置24を備える。以後、複数の検知装置20a、20b、20cを区別しない場合には、「検知装置20」と呼ぶ。なお、情報処理装置24は、本実施形態においては、情報処理装置24aと情報処理装置24bを有しているが、これらを区別しない場合には、「情報処理装置24」と呼ぶ。
図2に示すように、サブシステム101は、略正三角形の頂点の位置に配置されている3つの検知装置20a、20b、20cをそれぞれ中心とする3つの半球状の空域を互いに一部が重複して得られる凹凸のある空域(以下、「サブ検知空域Ar101」と呼ぶ)に存在する障害物を検知する。各検知装置20間の距離は本実施形態では、5km(キロメートル)であり、サブ検知空域Ar101は、およそ半径8kmの凹凸のある半球状の空域である。なお、各検知装置20間の距離は、5kmに限らず、任意の距離であってもよい。空域障害物検知システム100では、複数のサブシステム101が、互いのサブ検知空域が重複するように配置されている。図2では、後述する複数の検知部10a~10fをそれぞれ含む3つの検知装置20a、20b、20cを黒丸で表している。また、図2では、検知装置20aにおける検知可能範囲を実線で表している。同様に、検知装置20bにおける検知可能範囲を一点鎖線で表し、検知装置20cにおける検知可能範囲を二点鎖線で表している。
検知装置20a、20b、20cは、互いに同じ構成を有しているので、以下では代表して検知装置20aについて説明する。図2においては、図示の便宜上、検知部10a~10fは省略されているが、検知装置20aには6つの検知部10a~10fが配置されている。かかる6つの検知部10a~10fは、それぞれ互いに異なる方角の同じ大きさの領域を検知領域として障害物の検知(以下、「監視」とも呼ぶ)を行い、全体として半球状の空域を監視する。したがって、このような半球状の空域を監視可能な程度に、6つの検知部10a~10fは、互いに近接した位置に配置されている。
図1に示すように、検知装置20aは、検知部10a~10fと、信号処理部12と、情報送信部14と、時刻提供部16とを有する。検知部10a~10fは、互いに同じ構成を有しているので、以下では代表して検知部10aについて説明する。
検知部10aは、ミリ波レーダを有している。本実施形態におけるミリ波レーダの仕様としては、周波数が10GHzであり、アンテナ利得は44dBであり、アンテナの直径は2mである。また、ミリ波レーダの分解能は300mであり、最小受信信号は-110dBであり、送信電力は100kWである。なお、ミリ波レーダの仕様として、これらの数値に限定されない。本実施形態における空域障害物検知システム100を、有人または無人の飛行体の安全な飛行のために利用できれば、他の仕様として任意の数値であってもよい。
検知部10aは、障害物50aからのミリ波レーダの反射波(ミリ波レーダから出力された電磁波の反射波)の信号を受信する。なお、各機能部間のやりとりについては後述する。
6つの検知部10a~10fの各ミリ波レーダの検知範囲は、それぞれ、図2に示す空域Ar1~Ar6である。かかる空域Ar1~Ar6は、それぞれ同じ大きさである。図2に示す例では、障害物が空域Ar1と空域Ar5の中にそれぞれ存在する。障害物が存在する2つの空域Ar1、Ar5のうち、障害物50aの存在する空域Ar1について説明する。
図3に示すように、検知部10aのミリ波レーダの検知範囲は空域Ar1であり、かかる空域Ar1内に障害物50aが存在している。検知部10aのミリ波レーダが検知可能な方位角Ampは60°であり、仰角Eleは90°であり、半径rは5kmである。検知部10aのミリ波レーダと障害物50aとの距離はa1である。1回のレーダ出力により、検知部10aから空域Ar1全体にミリ波レーダが発信される。障害物50aからのミリ波レーダの反射波の信号が検知部10aへ送られる。検知部10aは、かかる反射波の信号を受信する。図2に示す、障害物の存在する空域Ar5についても、空域Ar1と同様なので説明を省略する。
図1に示すように、信号処理部12は、複数の検知部10a~10fで受信した信号(以下、「受信信号」と呼ぶ)を用いて、障害物50aの位置に関連する位置関連情報を算出する。かかる位置関連情報とは、検知部10aのミリ波レーダから障害物50aまでの距離と、検知部10aのミリ波レーダを基準とした障害物50aの方位および仰角と、障害物50aの2次元移動速度を意味する。ここで、障害物50aの2次元移動速度とは、検知部10aから障害物50aへ向かう方向に沿った移動速度を意味する。かかる方向は、図1で示される検知部10aから発せられるミリ波レーダの方向MRに相当する。信号処理部12は、マイクロコンピュータで構成されている。
情報送信部14は、信号処理部12において算出された位置関連情報を、通信ネットワーク22を介して情報処理装置24aへ送信する。時刻提供部16は、空域障害物検知システム100の外部から得られた時刻情報を信号処理部12に提供する。これにより、検知装置20間で同期が図られる。
通信ネットワーク22は、複数の検知装置20a、20b、20cと、情報処理装置24aを接続する。本実施形態において、通信ネットワーク22は、LAN(Local Area Network)や、通信事業者が提供するWAN(Wide Area Network)を組み合わせたネットワークにより構成されている。
情報処理装置24は、複数の検知装置20a、20b、20cから得られた障害物50aの位置関連情報を処理する。具体的には、情報処理装置24aは、通信ネットワーク22を介して情報送信部14から送信された障害物50aの位置関連情報と、予め定められた検知部10aのレーダの空間座標位置を用いて、障害物50aの空間座標位置を算出する。これらの空間座標位置および空間座標位置の算出方法については後述する。また、情報処理装置24aは、複数の検知装置20a、20b、20cから得られた2次元移動速度を用いて、障害物50aの3次元移動速度を算出する。情報処理装置24aは、通信ネットワーク25を介して、障害物50aの3次元位置と、3次元移動速度を、中央情報処理装置26へ送信する。なお、通信ネットワーク25は、通信ネットワーク22と同様な構成を有する。情報処理装置24は、マイクロコンピュータで構成されている。
中央情報処理装置26は、複数のサブシステム101と、通信ネットワーク25を介して通信可能に構成されている。中央情報処理装置26は、複数のサブシステム101が備える情報処理装置24によりそれぞれ得られる障害物の3次元位置と、3次元移動速度を集約する。これにより、利用者に対して、かかる集約された3次元位置と、3次元移動速度を、全国や地域別等に分けて送信できる。なお。中央情報処理装置26もマイクロコンピュータで構成されている。
A-2.障害物検知処理:
空域障害物検知システム100における検知装置20の電源がオンすると、図4に示す障害物検知処理が実行される。障害物検知処理とは、空域障害物検知システム100によって検知範囲内に障害物が存在する場合にこれらの位置等を出力するための処理である。
空域障害物検知システム100における検知装置20の電源がオンすると、図4に示す障害物検知処理が実行される。障害物検知処理とは、空域障害物検知システム100によって検知範囲内に障害物が存在する場合にこれらの位置等を出力するための処理である。
検知装置20における各検知部10a~10fは、ミリ波レーダの反射波を受信する(ステップS105)。図1、2の例では、障害物50aは、3つの検知装置20a、20b、20cの各サブ検知範囲内に存在する。したがって、これら3つの検知装置20a、20b、20cにおける、それぞれ1つずつの検知部において、障害物50aからの反射波が受信されることとなる。本実施形態では、障害物50aは、検知装置20aの検知部10a(以下、「検知部11a」と呼ぶ)と、検知装置20bの検知部10c(以下、「検知部11c」と呼ぶ)と、検知装置20cの検知部10e(以下、「検知部11e」と呼ぶ)とがそれぞれ障害物50aからの反射波を受信する。反射波を受信した検知部11a、11c、11eは、それぞれ、自身の検知装置20a、20b、20cにおける信号処理部12に受信信号を送信する(ステップS110)。
検知装置20における各信号処理部12は、検知部11a、11c、11eからそれぞれ受信した受信信号を用いて、障害物50aの同時刻における障害物情報を算出する(ステップS115)。障害物情報とは、本実施形態では、障害物50aの位置に関連する情報であって、具体的には、検知部11a、11c、11eの各ミリ波レーダから障害物50aまでの距離と、検知部11a、11c、11eの各ミリ波レーダを基準とした障害物50aの方位および仰角と、障害物50aの2次元移動速度のことである。
信号処理部12は、送信用のデータを生成する(ステップS120)。かかる送信用のデータとは、ステップS115で算出された障害物情報と、検知部11a、11c、11eの識別子と、時刻データを有する検知装置データのことである。
情報送信部14は、ステップS120において変換された送信用のデータ(以下、「検知装置データ」と呼ぶ)を、通信ネットワーク22を介して情報処理装置24aへ送信する(ステップS125)。
情報処理装置24aは、データを受信する(ステップS205)。情報処理装置24aは、3つの地域内の検知装置20a、20b、20cからのデータを用いて、かかる地域内の障害物情報を算出する(ステップS210)。かかる地域内の障害物情報とは、検知装置20の検知範囲内である3つの地域における障害物の空間的な位置に関連する情報であって、具体的には、障害物50aの3次元位置と3次元移動速度を意味する。図5を用いて、障害物50aの3次元位置の算出方法を説明する。
図5に示すように、検知装置20a、20b、20cの検知範囲が重なり合っている。図2と異なって検知範囲が扇形となっているのは、検知装置20a、20b、20cにおける検知部11a、11c、11eの検知範囲のみをそれぞれ示しているからである。図5に示すように、検知部11a、11c、11eの検知範囲の重なった空域に障害物50aが存在する。
検知部11a、11c、11eのそれぞれの3次元位置(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)は、検知装置20a、20b、20cの設置された重心位置であって、予め定められた空間座標位置である。また、検知部11a、11c、11eの各ミリ波レーダから障害物50aまでの距離r1、r2、r3については、ステップS115で算出されている。これらの値を用いて、障害物50aの空間座標位置である3次元位置(x,y,z)は、次の式で求められる。(xi-x)2+(yi-y)2+(zi-z)2=ri
2(i=1,2,3)。ここで、かかる連立非線形方程式は、一般的に求めることが難しいので、ニュートン法などの反復逐次計算法によって解析的に3次元位置(x,y,z)が求められる。なお、検知装置20は同期しているので、同じ時刻のデータを利用できる。
図4に示すように、情報処理装置24aは地方局データを生成する(ステップS215)。かかる地方局データとは、ステップS210で算出された地域内の障害物情報と、検知装置20の位置する地域を示す地方局識別子と、時刻データを有するデータのことである。情報処理装置24aは、かかる地方局データを、通信ネットワーク25を介して中央情報処理装置26へと送信する(ステップS220)。
中央情報処理装置26は、各情報処理装置24a、24bから送信される地方局データを受信する(ステップS305)。中央情報処理装置26は、全国障害物データを生成する(ステップS310)。かかる全国障害物データとは、ステップS305において受信した地方局データを統合したデータのことである。中央情報処理装置26は、提供用データを生成する(ステップS315)。かかる提供用データとは、システムの利用者が望むデータのことである。例えば、全国障害物データを、市町村、県、全国等といった層別に階層化して、時刻ごとの障害物の位置、速度を表したようなデータを意味する。中央情報処理装置26は、提供用データを利用者に送信する(ステップS320)。
以上説明した本実施形態の空域障害物検知システム100によれば、複数の検知装置20a、20b、20cを備えるので、広い空域の障害物を検知することができる。広い空域とは、半径8km程度の半球状の陸地上空の空域を検知可能なサブシステム101が複数集まった空域を意味する。このため、有人または無人の飛行体が広い空域に亘って障害物を避けて安全な飛行に備えることができる。
また、空域障害物検知システム100における信号処理部12は、複数の検知部10a~10fで受信した受信信号を用いて、障害物の位置に関連する位置関連情報を算出する。情報処理装置24は、検知装置20から得られた障害物の位置関連情報を処理する。具体的には、情報処理装置24は、かかる位置関連情報を用いて障害物の空間座標位置を算出する。このため、空域の障害物の正確な位置情報が得られる。
更に、本実施形態の空域障害物検知システム100は、中央情報処理装置26を備える。中央情報処理装置26は、2つの地域の情報処理装置24a、24bにおける障害物50a、50bの3次元位置と、3次元移動速度を集約する。これにより、利用者に対して、かかる集約された3次元位置と、3次元移動速度を、全国や地域別等に分けて送信され得る。
B.他の実施形態:
(B1)本実施形態の空域障害物検知システム100において、各検知装置20a、20b、20cは6つの検知部10a~10fを備えていたが、各検知装置は任意の数の検知部を備えていてもよい。
(B1)本実施形態の空域障害物検知システム100において、各検知装置20a、20b、20cは6つの検知部10a~10fを備えていたが、各検知装置は任意の数の検知部を備えていてもよい。
(B2)本実施形態の空域障害物検知システム100は、検知部10a~10fの有する各ミリ波レーダからそれぞれの検知範囲となる空域に向けて、1回のレーダ出力により、かかる空域全体にミリ波レーダが発信されていたが、本開示はこれに限定されない。ミリ波レーダを基準とした方位角方向または仰角方向に向けて、ミリ波レーダの発信方向が空間走査されてもよい。
(B3)本実施形態の空域障害物検知システム100は、中央情報処理装置26を備えていたが備えていなくてもよい。
(B4)本実施形態の空域障害物検知システム100においては、検知装置20aの検知範囲には、検知装置20a以外に、2つの検知装置20b、20cが設置されていたが、3つ以上の任意の数の検知装置が設置されていてもよい。なお、本実施形態と同様に、複数の検知装置において、検知範囲の大きさは互いに等しい。
(B5)本実施形態の空域障害物検知システム100においては、信号処理部12が、ミリ波レーダを基準とした障害物50aまでの方位、仰角と、障害物50aの2次元移動速度を算出していたが算出しなくてもよい。また、情報処理装置24a、24bは、障害物50aの3次元移動速度を算出していたが算出しなくてもよい。
(B6)本実施形態の空域障害物検知システム100においては、レーダはミリ波レーダであったが、ミリ波帯のレーダでなくてもよい。例えば、気象レーダ等に利用されているマイクロ波帯のレーダであってもよい。
(B7)本実施形態の空域障害物検知システム100においては、図2に示すように、検知装置20a、20b、20cの検知範囲を示す各円周は、それぞれ、他の2つの円周の中心点を通っていたが、かかる中心点を通っていなくてもよい。
(B8)本実施形態においては、検知装置20は、陸地上空の空域に存在する障害物を検知していたが、海上上空の空域に存在する障害物を検知してもよい。
(B9)本実施形態において、中央情報処理装置26は、2つの地域の情報処理装置24a、24bから送信される地方局データを集約していたが、2つに限らず3つ以上の地域の情報処理装置から地方局データを集約してもよい。
(B10)本実施形態において、各検知部10a~10fの検知範囲における仰角Eleは90°であったが、本開示はこれに限られない。検知部10a~10fにおいて、互いに異なる仰角の空域を分担してもよい。
(B11)本実施形態では、複数の検知装置において、検知範囲の大きさは互いに等しかったが、かかる検知範囲の大きさは互いに等しくなくてもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示に記載の検知装置、情報処理装置、中央情報処理装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の検知装置、情報処理装置、中央情報処理装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の検知装置、情報処理装置、中央情報処理装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10a,10b,10c,10d,10e,10f…検知部、12…信号処理部、14…情報送信部、20,20a,20b,20c…検知装置、22…通信ネットワーク、24,24a,24b…情報処理装置、50a…障害物、100…空域障害物検知システム
Claims (5)
- 空域の障害物を検知する空域障害物検知システム(100)であって、
互いに離れて配置され、前記障害物の位置を検知する複数の検知装置(20)と、
前記複数の検知装置から得られた前記障害物の位置に関連する位置関連情報を処理する情報処理装置(24)と、
前記複数の検知装置と、前記情報処理装置とを接続する通信ネットワーク(22)と、
を備え、
前記複数の検知装置は、それぞれ、
レーダを有し、前記障害物からの前記レーダの反射波の受信信号を受信する検知部(10a~10f)と、
前記受信信号を用いて、前記位置関連情報を算出する信号処理部(12)と、
前記算出した位置関連情報を、前記通信ネットワークを介して前記情報処理装置へ送信する情報送信部(14)と、を有し、
前記情報処理装置は、前記送信された前記位置関連情報と、予め定められた前記レーダの空間座標位置を用いて、前記障害物の空間座標位置を算出する、
空域障害物検知システム。 - 請求項1に記載の空域障害物検知システムにおいて、
前記信号処理部は、前記受信信号を用いて、前記位置関連情報として、前記レーダから前記障害物までの距離と、前記レーダを基準とした前記障害物の方位および仰角と、前記障害物の2次元移動速度と、を算出し、
前記情報処理装置は、前記複数の検知装置から得られた前記2次元移動速度を用いて、前記障害物の3次元移動速度を算出する、空域障害物検知システム。 - 請求項2に記載の空域障害物検知システムにおいて、
前記複数の検知装置と、前記情報処理装置とは、予め定められた複数の地域のそれぞれに設置され、
少なくとも2つの地域に設置されている前記情報処理装置における前記障害物の前記空間座標位置と、前記3次元移動速度を集約する中央情報処理装置(26)を更に備える、空域障害物検知システム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の空域障害物検知システムにおいて、
前記レーダはミリ波レーダである、空域障害物検知システム。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の空域障害物検知システムにおいて、
前記複数の検知装置のそれぞれの検知範囲には、該検知装置以外に、少なくとも2つの他の前記検知装置が設置され、
前記複数の検知装置において、前記検知範囲の大きさは互いに等しい、空域障害物検知システム。
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