JP2022074854A - 射出成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形体と金属との接触部において、ガルバニック腐食の発生を抑制することが可能な、射出成形体を提供する。【解決手段】炭素繊維を含む樹脂組成物の射出成形体であり、樹脂組成物が、木材を10~30質量%で含み、実施形態の例としては、炭素繊維の平均繊維長が、0.2~1.0mmであり、木材が木質繊維であり、木質繊維の平均繊維長が0.1~1.2mmである。【選択図】なし

Description

本開示は、射出成形体に関する。
繊維強化プラスチック(FRP、Fiber Reinforced Plastics)の中でも、炭素繊維強化プラスチック(CFRP、Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、強度、剛性に優れ、且つ鉄やアルミ等の金属と比べて軽量な材料として知られている。CFRPは、近年自動車、航空機等の燃費の改善が求められる分野の部品、スポーツ用品部品、レジャー用品部品等の幅広分野での利用が広がっている。
一方で、CFRPと、アルミニウム、アルミ合金等の金属とが接触すると、その接触部でガルバニック腐食(異種金属接触腐食)が起こることが知られていた。一般にガルバニック腐食は、異種金属の接触により起こるが、炭素繊維は電気抵抗値が低いため、結果的にCFRPと、金属とが接触する界面で電池作用が生じ、ガルバニック腐食が起こると考えられている。
ガルバニック腐食を防ぐことが可能な構造体として、例えば、特許文献1にはアルミニウムと、CFRPとの間に、ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含むガラス複合層を設けた積層構造体が開示されている。また、ガルバニック腐食を防ぐことが可能な方法として、例えば、特許文献2にはアルミ合金の表面に酸化被膜を形成させた後、コロイダルシリカ、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラエチレンペンタミン硬化剤を主成分として用いて、アルミ合金の表面を耐食処理する方法が知られている。
特開2018-103617号公報 特開2007-211224号公報
本発明者らが、CFRPについて様々な検討を行った結果、例えば特許文献1に開示されている構造体では、密度の高いガラス繊維を用いてガラス複合層を設けるため、構造体の重量が増加するという問題があった。また、特許文献2に開示されている、耐食処理方法では、製造プロセスが複雑化するという問題、シリカを用いているため重量が増加するという問題があった。
そこで、本開示の目的は、射出成形体と金属との接触部において、ガルバニック腐食の発生を抑制することが可能な、射出成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、炭素繊維および特定量の木材を含む樹脂組成物の射出成形体は、射出成形体と金属との接触部において、ガルバニック腐食の発生が抑制されることを見出し、本開示に至った。
本実施形態の例としては、以下の通りである。
(1) 炭素繊維を含む樹脂組成物の射出成形体であり、樹脂組成物が、木材を10~30質量%で含む、射出成形体。
(2) 木材が、木質繊維である、(1)に記載の射出成形体。
(3) 樹脂組成物が、炭素繊維を7~18質量%で含む、(1)又は(2)に記載の射出成形体。
(4) 炭素繊維の平均繊維長が、0.2~1.0mmである、(1)~(3)のいずれかに記載に記載の射出成形体。
(5) 木材が木質繊維であり、木質繊維の平均繊維長が0.1~1.2mmである、(1)~(4)のいずれかに記載の射出成形体。
(6) 炭素繊維の平均繊維径が、4μm~2mmである(1)~(5)のいずれかに記載に記載の射出成形体。
(7) 木質繊維の平均繊維径が、1μm~30μmである(1)~(6)のいずれかに記載に記載の射出成形体。
(8) 炭素繊維を含み、木材を10~30質量%で含む樹脂組成物を射出成形する、射出成形体の製造方法。
本開示により、射出成形体と金属とが接触する界面において、ガルバニック腐食の発生が抑制される、射出成形体を提供することができる。
本実施形態は、炭素繊維を含む樹脂組成物の射出成形体であり、樹脂組成物が、木材を10~30質量%で含む、射出成形体である。
本実施形態に係る射出成形体では、樹脂組成物が木材を含む。本実施形態に係る射出成形体は、樹脂組成物が木材を含むことにより、射出成形体と金属とが接触する界面において、ガルバニック腐食の発生を抑制することができる。この理由は、本発明者らの検討によると、木材を用いることにより、射出成形体の電気抵抗値が増加したためであると推察された。また、木材は、ガラスやシリカ(二酸化ケイ素)と比べ、一般に軽量であるため、射出成形体そのものの重量や、射出成形体と、金属とを組み合わせて構成される構造体の重量等の大幅な増加が起こらない。このため、本実施形態に係る射出成形体は、燃費の改善が求められる用途、例えば自動車用途、航空機用途等に好適に用いることができる。
以下、本実施形態について、詳細に説明する。
(樹脂組成物)
前記樹脂組成物は、炭素繊維及び木材を含む。また、樹脂組成物は、炭素繊維及び木材のマトリックス(母材)となる樹脂を含む。以下、樹脂組成物を構成する樹脂、炭素繊維、木材について説明する。なお、本開示において、樹脂組成物を構成する各成分の量(質量%)は、特に言及した場合を除き、樹脂組成物全体を100質量%とした際の量である。
樹脂としては、その種類については特に限定されず、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよい。また、樹脂としては一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノキシ樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステルが挙げられる。
スチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリル(ASA)ゴム、アクリロニトリル・エチレン‐プロピレン‐ジエン・スチレン(AES)樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレートが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド、架橋型アクリル樹脂、架橋型ポリスチレン樹脂、ポリアミック酸樹脂が挙げられる。
樹脂としては、容易に射出成形が可能な熱可塑性樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
樹脂としては、極性基を含むことも好ましい。特に樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の低表面エネルギープラスチックを用いる場合には、これらの樹脂を酸変性した、酸変性樹脂を用いることが好ましい態様の一つであり、低表面エネルギープラスチックと、酸変性樹脂とを併用することも好ましい態様の一つである。
樹脂組成物は、樹脂を40~83質量%で含むことが好ましく、51~77質量%で含むことがより好ましく、60~72質量%で含むことが特に好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の強度、弾性率、および、成形性に優れる傾向があるため好ましい。
炭素繊維としては、特に制限されず、公知の炭素繊維を始め、特に制限なく使用することができる。炭素繊維としては例えば、ポリアクリルニトリル系、レーヨン系、ピッチ系、ポリビニルアルコール系、再生セルロース系等の炭素繊維が挙げられる。炭素繊維としては汎用繊維でもよいし、高強度繊維であってもよい。また、炭素繊維としては一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
炭素繊維としては、短繊維であってもよく、長繊維であってもよい。なお、本開示において、短繊維とは1mm以下の繊維長を有する繊維のことであり、長繊維とは、1mmを超えて、5cm以下の繊維長を有する繊維のことである。炭素繊維としては、短繊維であることが、電気抵抗値の観点から好ましい。
炭素繊維の形態としては、単繊維であっても、繊維束であるフィラメントであっても、フィラメントの束であるトウであってもよい。炭素繊維が短繊維である場合には単繊維であることが好ましい。また、炭素繊維としては、製品として通常流通しているトウであることも好ましい。
炭素繊維としては平均繊維長が、0.1~1.0mmであることが好ましく、0.2~1.0mmであることがより好ましい。また、平均繊維長が0.3~1.0mmの炭素繊維も好ましい態様の一つである。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の強度、剛性が特に優れる傾向があるため好ましい。
炭素繊維としては、平均繊維径が、4μm~2mmであることが好ましく、5μm~1mmであることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。なお、平均繊維径は、使用される炭素繊維の形態における繊維径である。すなわち、炭素繊維がトウとして使用される場合にはトウの繊維径であり、フィラメントとして使用される場合にはフィラメントの繊維径である。前記範囲では、射出成形体の強度、剛性が特に優れる傾向があるため好ましい。なお、単繊維の平均繊維径は、通常は4~12μmである。すなわち炭素繊維が短繊維である場合には、平均繊維長が、0.1~1.0mmであり、平均繊維径が、4~12μmであることが好ましい。
樹脂組成物は、炭素繊維を7~18質量%で含むことが好ましく、9~15質量%で含むことがより好ましく、11~13質量%で含むことが特に好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の強度、剛性に特が優れる傾向があるため好ましい。
木材としては、特に制限されず、例えば、木粉、木質繊維を用いることができる。木材としては一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。木材としては、射出成形体の強度、剛性の観点から、木質繊維が好ましい。
木材としては、原木や樹種については特に制限されず、木材工業における工業廃棄物として生じる木質材、又は未利用の木質材から得られる、木質繊維、木粉等を使用することができる。
木質繊維、木粉としては、一種類の樹種から得られる木質繊維、木粉であってもよく、二種以上の樹種からなる木質繊維、木粉であってもよい。なお、本実施形態における、木木材及び木質繊維には、セルロースナノファイバーは含まれないものとする。なお、セルロースナノファイバーとは、木材パルプ等のセルロース源を機械的処理、化学的処理等することにより得られる、セルロースを主成分とする、最小単位の繊維の直径が数nm~数十nmの繊維である。
木質繊維としては、平均繊維長が、0.1~1.2mmであることが好ましく、0.2~1.0mmであることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の強度、剛性に優れる傾向があるため好ましい。
木質繊維としては、平均繊維径が、1μm~30μmであることが好ましく、5μm~20μmであることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の強度、剛性に優れる傾向があるため好ましい。
木材は、空気中の水分を吸収しやすいので、使用前に予め加熱乾燥して木材中の水分を低減させておくことが好ましい。具体的な木材100質量%中の水分量は20質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。木材中の水分濃度を低下させることにより、樹脂、炭素繊維等との混合性(混練性)が良好になる傾向があり、樹脂組成物がより均一になる傾向があるため好ましい。木材を加熱乾燥する場合には、加熱温度は、100~130℃が好ましく、乾燥時間は30分~4時間が好ましい。
樹脂組成物は、木材を10~30質量%で含むことが好ましく、14~26質量%で含むことがより好ましく、17~23質量%で含むことが特に好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、射出成形体の表面電気抵抗値を通常のCFRPと比べて、十分に高くすることができ、ガルバニック腐食を十分に抑制することができるため好ましい。
樹脂組成物は、前述の樹脂、炭素繊維、及び木材以外の成分(他の成分とも記す。)を含んでいてもよい。他の成分としては、射出成形体の用途によっても異なり、特に制限はないが、例えば、充填材、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤、剛性付与剤等の添加剤が挙げられる。
樹脂組成物が、他の成分を含む場合には、その含有量としては特に制限はないが、通常は1.0~40質量%であり、好ましくは1.0~20質量%である。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
樹脂組成物は、射出成形を行う時点で、各成分が均一に分散していることが好ましい。樹脂組成物は、射出成形機中で樹脂組成物を構成する各成分を混合(混練)することにより調製してもよいが、射出成形機に各成分を投入する前に、あらかじめ各成分の一部または全部を混合(混練)することが好ましい。あらかじめ混合するための装置としては、例えば、攪拌機、二軸押出機、一軸押出機等が挙げられる。また、樹脂組成物は、ポリプロピレンと、木質繊維とを含む組成物や、ポリプロピレンと、炭素繊維とを含む組成物を赤ら締め用意し、これらを混合(混練)することにより調製してもよい。また、混練の前に、ドライブレンド等を行ってもよい。
(射出成形体)
本実施形態の射出成形体は、前述の樹脂組成物の射出成形体である。また、本実施形態の射出成形体の製造方法は、前述の樹脂組成物を射出成形する。射出成形とは一般に、樹脂組成物等の材料を加熱し、流動性を有する状態の材料を金型に送り込んだ後、冷やすことで、成形体を得る方法である。なお、樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合には、金型に送り込んだ後、熱硬化する温度で加熱した後、冷やすことで成形体が得られる。前述の樹脂組成物を射出成形する方法は、特に制限されないが、例えば従来公知のCFRP等の樹脂組成物の射出成形条件を参考に決定することができる。射出成形を行う際には、樹脂組成物の組成、使用する射出成形機、射出成形体の形状、品質等に応じて、射出速度、射出圧力、スクリュウ回転数や背圧などの成形条件を設定して成形する事ができる。
本実施形態の射出成形体は、様々な用途に用いることができるが、金属と接触する界面において、ガルバニック腐食の発生が抑制されるため、例えば、金属との接触が想定される部材として用いることが好ましい。射出成形体は、例えば、自動車部品、航空機部品、スポーツ用品部品、レジャー用品部品であることが好ましく、自動車部品であることがより好ましい。自動車部品としては例えば、サイドドアインナー、バックドアインナー等のボディパネル、ラジエータサポートが挙げられる。
射出成形体の形状、大きさは、射出成形体の用途によって異なり、特に制限されない。射出成形体の厚さ(肉厚)としては、射出成形体の用途によっても異なり特に制限はないが、0.5~5.0mmであることが好ましく、1.0~3.0mmであることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、成形性に優れる傾向があるため好ましい。
射出成形体としては、表面電気抵抗値が、0.1×10Ω/cm以上であることが好ましく、1.0×10Ω/cm以上であることがより好ましい。表面電気抵抗値が、前記下限以上であると、射出成形体と金属とが接触する界面において、ガルバニック腐食の発生が抑制されるため好ましい。表面電気抵抗値の上限としては、特に制限はないが、表面電気抵抗値は、10000×10Ω/cm以下であることが好ましく、1000×10Ω/cm以下であることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
射出成形体の密度としては、樹脂の種類によっても異なるが、0.8~1.6g/cmであることが好ましく、1.0~1.2g/cmであることがより好ましい。これらの数値範囲の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。前記範囲では、省燃費が求められる分野でも問題なく使用することができるため好ましい。
以下、実施例を挙げて本実施形態を説明するが、本開示はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例において部は質量部を意味する。
[実施例1]
(原料の調製)
ポリプロピレン(PP)と木質繊維(WD)とを含む下記木質繊維射出材と、ポリプロピレン(PP)と炭素繊維(CF)とを含む下記炭素繊維射出材とを、PP、WD及びCFが表1に記載した割合となるようにドライブレンドし、原料として使用した。
木質繊維射出材:住友林業株式会社製、木材短繊維補強PP(PP-WD50、木質繊維含有率50質量%)、木質繊維の平均繊維長400μm、平均繊維径10μm
炭素繊維射出材:炭素繊維強化PP(PP-CF20、炭素繊維含有率20質量%)、炭素繊維の平均繊維長250μm、平均繊維径7μm
(射出成形体の製造)
前記原料を、射出成形機(東芝機械製全自動射出成形機 EC180SXIII-6Y型)に投入し、成形機内で混ぜ合わせて、原料と同じ組成を有する樹脂組成物を得て、成形温度200℃、金型温度40℃にて射出成形し、射出成形体(多目的試験片 ISO3167(JIS7139))を得た。
(表面電気抵抗値)
前記射出成形体の表面電気抵抗値(Ω/cm)を、デジタルマルチメータ(HIOKI製、DT4282)の端子を1cm幅で射出成形体表面に接触させ、その際の抵抗値を読み取ることにより測定した。
(密度)
前記射出成形体の密度(g/cm)を、水中置換法で測定した。
樹脂組成物の組成、表面電気抵抗値、及び密度を表1に示す。
[実施例2]
ポリプロピレン(PP)、木質繊維(WD)、及び炭素繊維(CF)の量を、表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様に行い、原料を得た。
原料を変更した以外は実施例1と同様に行い、射出成形体を製造し、表面電気抵抗値及び密度の測定を行った。樹脂組成物の組成、表面電気抵抗値、及び密度を表1に示す。
[実施例3]
ポリプロピレン(PP)、木質繊維(WD)、及び炭素繊維(CF)の量を、表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様に行い、原料を得た。
原料を変更した以外は実施例1と同様に行い、射出成形体を製造し、表面電気抵抗値及び密度の測定を行った。樹脂組成物の組成、表面電気抵抗値、及び密度を表1に示す。
[比較例1]
ポリプロピレン(PP)、木質繊維(WD)、及び炭素繊維(CF)の量を、表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様に行い、原料を得た。
原料を変更した以外は実施例1と同様に行い、射出成形体を製造し、表面電気抵抗値及び密度の測定を行った。樹脂組成物の組成、表面電気抵抗値、及び密度を表1に示す。
Figure 2022074854000001
実施例、比較例より、本実施形態に係る射出成形体は明らかに、木材を含まないCFRP(比較例1の射出成形体)と比べて、表面電気抵抗値が高くなることが分かった。また、密度については木材を含まないCFRP(比較例1の射出成形体)と比べて、わずかに大きくなるが、密度上昇はガラスやシリカを用いた場合と比べて、十分に小さいと考えられる。
以上、本実施形態を詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示に含まれるものである。

Claims (1)

  1. 炭素繊維を含む樹脂組成物の射出成形体であり、
    樹脂組成物が、木材を10~30質量%で含む、射出成形体。
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