JP2022074037A - 検査方法 - Google Patents

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俊介 松田
Shunsuke Matsuda
里恵 曽我部
Rie Sogabe
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Abstract

【課題】反射型の検査方法であって、円偏光板の欠陥の有無を容易に判断することができる検査方法を提供すること。【解決手段】偏光フィルム11と位相差膜14とが積層されてなる円偏光板1、及び、円偏光板1の位相差膜14側に積層されポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる剥離フィルム16aを備えるフィルム状の被検査物10の欠陥の有無を判断する検査方法である。光源4と、所定の波長の光を透過させるバンドパスフィルタ2と、第1の偏光部3Aと、被検査物10と、第2の偏光部3Bを配置し、剥離フィルム16aが有する位相差の影響が小さくなるように被検査物10への光の入射角θを変化させる。被検査物10によって反射された光を第2の偏光部3B側から観察して円偏光板1の欠陥の有無を判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、検査方法に関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いられる偏光板は、一般的に偏光子が2枚の保護フィルムに挟まれて構成されている。偏光板を表示装置に貼り付けるため、片方の保護フィルムには粘着剤層が積層され、更に粘着剤層に剥離フィルムが積層される。また、他方の保護フィルムにもその表面を保護する剥離フィルム(表面保護フィルム)が貼合される場合が多い。偏光板はこのように剥離フィルムが積層された状態で流通搬送され、表示装置の製造工程で表示装置に貼合する際に剥離フィルムが剥離される。
ところで、偏光板はその製造段階において、偏光子と保護フィルムとの間に異物が混入したり、気泡が残ったり、あるいは、保護フィルムが位相差フィルムの機能を持つ場合には配向欠陥が内在していることがある(以下、これらの異物、気泡及び配向欠陥をまとめて、「欠陥」ということがある)。欠陥が存在する偏光板を表示装置に貼合した場合、その欠陥の箇所が輝点として視認されたり、欠陥の箇所で画像がゆがんで見えたりすることがある。特に、輝点として視認される欠陥は、当該表示装置の黒表示時に視認されやすい。
そこで、偏光板を表示装置に貼合する前段階(剥離フィルムを備えた状態の偏光板)で、この偏光板の欠陥を検出するための検査が行われる。この欠陥の検査は、一般的には偏光板の偏光軸を利用した光検査である。具体的には、特許文献1に示されているように、被検査物である偏光板と光源との間に偏光フィルタを設けたうえで、この偏光板又は偏光フィルタを平面方向に回転させ、これらのそれぞれの偏光軸方向を特定の関係とする。偏光軸方向同士が互いに直交する場合(すなわちクロスニコルを構成する配置の場合)、偏光フィルタを通過した直線偏光は、偏光板を通過しない。しかしながら、偏光板に欠陥が存在すると、当該箇所では直線偏光が透過してしまうので、その光が検出されることで欠陥の存在が判明する。一方、偏光板と偏光フィルタとの偏光軸方向同士が平行である場合、偏光フィルタを通過した直線偏光は偏光板を透過する。しかしながら、偏光板に欠陥が存在すると、当該箇所では直線偏光が遮断されるので、その光が検出されないことで欠陥の存在が判明する。偏光板を透過してきた光を検査者が目視により検出するか、あるいはCCDカメラと画像処理装置とを組み合わせた画像解析処理値により自動的に検出することで、偏光板の欠陥の有無の検査を行うことができる。
特開平9-229817号公報
偏光板が円偏光板であり、且つ、剥離フィルムがポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET系樹脂)からなる場合は、当該PET系樹脂の波長分散にある程度合わせた位相差フィルタ(上記偏光フィルタに相当)を、当該偏光板の検査に用いる。ここで、円偏光板と位相差フィルタとをクロスニコルを構成するように配置した場合、上記原理によれば欠陥は輝点として視認されることになるが、円偏光板が有する位相差膜の配向欠陥やピンホール等の位相差値が低い領域では輝点欠陥が黒点として視認されてしまうことがあり、その場合、輝点として検出するよりも検出判断が難しかった。特に、円偏光板が重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差膜を含む場合にはその傾向が顕著である。
また、特許文献1に示されている検査方法の原理は、被検査物を透過した光を観察するというものである。この原理では被検査物に変形欠陥(例えば、円偏光板の裁断時に生じた皺)が存在した場合、正常部分と変形欠陥部分とで光路長がほとんど変化しないので、光学的に変形欠陥を検出することが困難である。
また、上述したように偏光板が剥離フィルムを備える場合は、この剥離フィルムが有する複屈折により円偏光板の偏光特性が阻害されるため、従来の検査装置では偏光板に存在する輝点等の欠陥を精度よく検出することができなかった。
そこで本発明は、反射型の検査方法であって、円偏光板の欠陥の有無を容易に判断することができる検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、偏光フィルムと位相差膜とが積層されてなる円偏光板、及び、円偏光板の位相差膜側に積層されポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる剥離フィルムを備えるフィルム状の被検査物の欠陥の有無を判断する検査方法であって、光源と、所定の波長の光を透過させるバンドパスフィルタと、第1の偏光部と、剥離フィルム側を第1の偏光部側へ向けた被検査物と、を光源が発する光の光路上にこの順に並ぶように、かつ、第1の偏光部とクロスニコルを構成する第2の偏光部を被検査物によって反射される光の光路上に配置し、バンドパスフィルタに光源の光を入射し、剥離フィルムが有する位相差の影響が小さくなるように被検査物への光の入射角を変化させ、被検査物によって反射された光を第2の偏光部側から観察して円偏光板の欠陥の有無を判断する、検査方法を提供する。
この検査方法では、第1の偏光部と第2の偏光部とがクロスニコルを構成するように配置されていることから、被検査物の正常部分で反射した光(例えば剥離フィルムの表面で反射した光)が、第2の偏光部で遮断されるので、観察視野を十分に暗くすることができ、欠陥部分があった場合にこれを輝点として観察しやすくなる。被検査物の内部に生じている欠陥部分で反射した光や欠陥部分を通過したあとに反射した光は、その欠陥に起因して位相差が理想よりもずれている(意図しない楕円偏光となっている)ので、そのずれの分だけ第2の偏光部を透過することとなり、被検査物の欠陥部分として検出することができる。ここで、剥離フィルムが有する位相差によって観察視野全体の明るさが増してしまい欠陥検出の障害になることが予想されるが、この検査方法では剥離フィルムが有する位相差の影響が小さくなるように被検査物への光の入射角を変化させるので、すなわち、剥離フィルムによって発現される位相差が入射光の波長の整数倍に近づくように光の入射角を変化させるので、剥離フィルムが位相差を有する場合であっても観察視野を十分に暗くすることができる。また、このような反射型の検査方法は、透過型の検査方法と比べて被検査物中の光路が長くなるので、透過型の検査方法では検出が困難であった変形欠陥も容易に検出することができる。以上のことから、本発明の検査方法では円偏光板の欠陥の有無を容易に判断することができる。
この検査方法では、バンドパスフィルタを用いて検査を行った後に、そのバンドパスフィルタが最も透過させる光の波長とは別の波長の光を最も透過させるバンドパスフィルタを用いて検査を行うことが好ましい。これにより、例えば、位相差値が所定の値より大きい欠陥の場合(欠陥として視認される場合に青く見えることが多いことから、以下青点ムラと称する)と位相差値が所定の値より小さい欠陥の場合(欠陥として視認される場合に赤く見えることが多いことから、以下赤点ムラと称す)のように、二種類の欠陥の有無を検査することができる。
本発明の検査方法では、検査を行う前に、光源と、被検査物が備える円偏光板と同一構成である円偏光板の試験片を2枚用意し、2枚の試験片を位相差膜側が対向するように配置し、かつ、位相差膜の遅相軸同士のなす角度が、光源の光路方向から見た場合に90°以外の角度となるように配置し、試験片の偏光フィルムのいずれか一方側から、光路が試験片上の欠陥のない領域を通過するように、様々な波長の光を入射し、その他方側から偏光フィルムを観察し、透過光量が最小となる波長(以下、「最小波長」という)を求め、その波長よりも5nm~50nm大きい波長及びその波長よりも5nm~50nm小さい波長の少なくとも一つの波長を所定の波長として採用することを決定することが好ましい。このようにして決定した最小波長よりも5nm~50nm大きい波長と、5nm~50nm小さい波長の光との少なくとも一つの波長の光を検査に用いることによって、観察視野全体の明るさを十分に暗く抑えた状態で、青点ムラ又は赤点ムラが強調されて見えるようになる。具体的には、このようにして決定した最小波長よりも5nm~50nm大きい波長の光と、5nm~50nm小さい波長の光の両方を用いて二回にわたる検査をすることによって、それぞれ青点ムラと赤点ムラが強調される状況で検査することができる。なお、ここで所定の波長の光を用いての検査とは、その波長の光を透過させるバンドパスフィルタを用いることを意味している。
本発明の検査方法では、第1の偏光部及び第2の偏光部は、いずれも円偏光板であってもよく、いずれも直線偏光板であってもよい。また、円偏光板である場合は、共通する一枚の円偏光板から構成されていてもよい。
位相差膜は、重合性液晶化合物の硬化物からなるものであってもよい。位相差膜が重合性液晶化合物の硬化物からなる場合、その一般的な薄さから、黒点欠陥が観察される可能性が高まる。従って、本発明を適用する対象として好適である。
本発明によれば、反射型の検査方法であって、円偏光板の欠陥の有無を容易に判断することができる検査方法を提供することができる。
第1の実施形態の検査方法を行うための検査装置の構成図である。 被検査物の断面図である。 透過光測定による波長選定工程における各部材の配置を示す図である。 (A)は、二枚の試験片における遅相軸同士の関係を示す図である。(B)は、(A)を光路側から見た図である。 第1の実施形態の検査方法において、剥離フィルムが有する位相差の影響を説明する図である。 第2の実施形態の検査方法を行うための検査装置の構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<用語および記号の定義>
本明細書における用語および記号の定義は下記のとおりである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差値
面内位相差値(Re(λ))は、23℃、波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の検査方法について説明する。
(検査装置と被検査物)
本実施形態の検査装置は、円偏光板の表面、円偏光板を構成する各層の間、又は内部の欠陥の有無を検査するものである。図1に示されているとおり、検査装置100は、光源4、バンドパスフィルタ2、位相差フィルタ3がこの順に配置されたものである。また、検査装置100は、光源4からみて位相差フィルタ3の反対側に、被検査物10を載置するための検査台20も備えている。検査台20は、その表面に光の反射を抑制する加工がなされている。
図1は検査台20に被検査物10を載置した様子を示している。位相差フィルタ3は、バンドパスフィルタ2よりも幅広である一枚の広帯域の円偏光板であり、バンドパスフィルタ2を透過した光が入射する領域である第1の偏光部3Aと、後述する被検査物10から反射した光が入射する領域である第2の偏光部3Bとの両方の機能を兼ねるものである。すなわち、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bは共通する一枚の円偏光板から構成されており、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bは互いに同一平面上にある。
図2に示されているとおり、被検査物10はフィルム状であり、検査対象の本体である円偏光板1と、円偏光板1に対して粘着剤層15を介して積層された剥離フィルム16aとを備えている。円偏光板1は、偏光フィルム11の両面に保護フィルム12a,12bが貼合されており、更に、剥離フィルム16aを備える側の保護フィルム12a上に粘着剤層13を介して位相差膜14が形成されてなるものである。そして、円偏光板1のうち剥離フィルム16aを備えていない側の面には表面保護フィルム16bが積層されている。円偏光板1は、一般的に表示装置、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置に用いられるものであり、使用時には剥離フィルム16aを剥がして、粘着剤層15を介して表示装置に貼り付けられる。
なお、本明細書において「円偏光板」とは、円偏光板及び楕円偏光板を含むものとする。また、「円偏光」は、円偏光と楕円偏光を含むものとする。
偏光フィルム11は、表面保護フィルム16a側から入射した光を直線偏光に変換する又は吸収するフィルムである。偏光フィルム11としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や二色性色素が吸着・配向されたものや、重合性液晶化合物を配向・重合したものに、二色性色素が吸着・配向したものが挙げられる。
保護フィルム12a,12bは、偏光フィルム11を保護するためのものである。保護フィルム12a,12bとしては、適度な機械的強度を有する偏光板を得る目的で、偏光板の技術分野で汎用されているものが用いられる。典型的には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等のセルロースエステル系フィルム;環状オレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステル系フィルム:ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム等の(メタ)アクリル系フィルム等である。また、偏光板の技術分野で汎用されている添加剤が、保護フィルムに含まれていてもよい。
保護フィルム12a,12bは、円偏光板1の構成要素として偏光フィルム11とともに表示装置に貼合されるものであるので、位相差値の厳密な管理等が要求される。保護フィルム12aとしては,典型的には、位相差値が極めて小さいものが好ましく用いられる。また、保護フィルム12bとしては、例えば、偏光サングラスを介して表示装置を視認したときの見易さのため、λ/4の位相差を有するものや位相差値の小さいものが用いられる。保護フィルム12a,12bは、接着剤を介して偏光フィルム11に貼合される。
位相差膜14は、表面保護フィルム16b側から反射し偏光フィルム11によって直線偏光とされた光を円偏光に変換する膜である。剥離フィルム16a側からみれば、位相差膜14は、剥離フィルム16a側から入射した円偏光を直線偏光に変換する膜である。位相差膜14は、位相差を有する膜であれば特に制限はないが、λ/2膜とλ/4膜とが積層されたものであってもよい。この場合、偏光フィルム11から近いほうからλ/2膜、λ/4膜の順にしてもよい。
また、位相差膜14は、重合性液晶化合物の硬化物からなるものであることが好ましい。重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差膜14は、通常厚さが0.2μm~10μm程度と薄く、異物等を含む場合にその部分で位相差値が変化しやすい。このような部位では、直線偏光が理想どおりの円偏光に変換しきらず、意図しない楕円偏光になる。また、後述するとおり、検査中に本来は輝点欠陥として観察されるべきものであるにも関わらず、黒点となって観察される場合がある。
位相差膜14を形成し得る重合性液晶化合物は、例えば、特開2009-173893号公報、特開2010-31223号公報、WO2012/147904号公報、WO2014/10325号公報及びWO2017-43438号公報に開示されたものを挙げることができる。これらの公報に記載の重合性液晶化合物は、広い波長域において一様の偏光変換が可能な、いわゆる逆波長分散性を有する位相差膜を形成可能である。例えば、当該重合性液晶化合物を含む溶液(重合性液晶化合物溶液)を適当な基材上に塗布して光重合させることで、上述のように極めて薄い位相差膜を形成することができるので、かかる位相差膜を有する円偏光板は、厚みが極めて薄い円偏光板を形成することができる。このように厚みが極めて薄い円偏光板は、近年着目されているフレキシブル表示材料用の円偏光板として有利である。
重合性液晶化合物溶液を塗布する基材としては、上述の公報に記載されたものを挙げることができる。かかる基材には、重合性液晶化合物を配向させるために配向膜が設けられていてもよい。配向膜は偏光照射により光配向させるものや、ラビング処理により機械的に配向させたもののいずれでもよい。なお、かかる配向膜に関しても、上記公報に記載されている。
しかしながら、重合性液晶化合物溶液を塗布する基材に異物等が存在していたり、基材自体に傷等があったりする場合に、重合性液晶化合物溶液を塗布して得られる塗布膜自体に欠陥が生じることがある。また、配向膜をラビング処理した場合には、ラビング布の屑が配向膜上に残り、これが重合性液晶化合物溶液(液晶硬化膜形成用組成物)の塗布膜に欠陥を生じさせることもある。このように、重合性液晶化合物から形成される位相差膜は、厚みが極めて薄い位相差膜を形成可能であるが、欠陥を生じる要因がある。そして、位相差膜の欠陥は後述するとおり、黒点となって観察される欠陥が生じることがある。このような欠陥を有する位相差膜を備えた円偏光板及び剥離フィルムを有する被検査物の欠陥の有無を判定する検出において、本実施形態の検査方法は特に有用である。
位相差膜14は、基材上に配向膜形成用組成物を塗布し、更にその上に重合性液晶化合物を含んだ液晶硬化膜形成用組成物を塗布することによって作製することができる。そうして作成した位相差膜14を、保護フィルム12a上に形成された粘着剤層13に対して基材ごと貼合し、その後、基材を剥がすことで、位相差膜14を保護フィルム12a上に転写することができる。
剥離フィルム16aは、表示装置に貼合するときに円偏光板1から剥がされるものであり、通常は、剥がされた剥離フィルム16aは廃棄される。したがって、保護フィルム12a,12bとは異なり、位相差値の厳密な管理が要求されることはない。そのため、市販されているフィルムを剥離フィルム16aとして採用する場合に、その位相差値を補償しないと、欠陥の検査において誤動作を招きかねない。すなわち、このように位相差値が厳密に管理されていない剥離フィルム16aが貼合された円偏光板1の欠陥検査では、当該剥離フィルム16aの位相差が検査装置100の検査精度を低下させる原因になり得る。
なお、上記背景技術に記したように、円偏光板1において、剥離フィルム16aの反対面には、剥離フィルムの一種である表面保護フィルム16bが設けられることが多い。図2に示されている円偏光板1では保護フィルム12b側に表面保護フィルム16bが貼合されている。この表面保護フィルム16bも通常、表示装置に貼合するときに円偏光板1から剥がされるものであり、保護フィルム12a,12bとは異なり、位相差値の厳密な管理が要求されることはない。なお、図2において、保護フィルム12bと表面保護フィルム16bとは、適当な接着剤層又は粘着剤層を介して貼合されていてもよい(図2においては、この接着剤層又は粘着剤層は、図示はしていない)。
本実施形態において、剥離フィルム16aはPET系樹脂からなるものである。また、表面保護フィルム16bについてもPET系樹脂からなるものを用いる。PET系樹脂からなるフィルム(PET系樹脂フィルム)は、剥離フィルムとして汎用であり、且つ安価であるという利点がある。一方、安価なPET系樹脂フィルムは上記のとおり、位相差値の厳密な管理が要求されることはない。そのため、例えば、製品ロットごとに位相差値にバラツキがあることがある。また、同一のPET樹脂系フィルムであっても、面内に位相差値のバラツキがあることもある。このような安価なPET樹脂系フィルムを剥離フィルムとして貼合した円偏光板であっても、本実施形態の検査方法により、その欠陥の有無を精度よく検出することができる。
本実施形態の剥離フィルム16aの面内方向の位相差値(Re(550))は、例えば1500nm~3000nmである。
ここで、剥離フィルム16aのRe(550)の求め方を示しておく。上記のとおり、これら剥離フィルムはPET系樹脂フィルムであり、このようなフィルムは市場から容易に入手できる。このフィルムから例えば、40mm×40mm程度の大きさの片を分取(長尺フィルムから、適当な切断具を用いて分取する等)する。この片のRe(550)を3回測定し、Re(550)の平均値を求める。片のRe(550)は、位相差測定装置KOBRA-WPR(王子計測機器株式会社製)を用い、測定温度室温(25℃程度)で測定することができる。なお、表面保護フィルム16bのRe(550)を求める場合にも、同様の試験を行えばよい。
光源4は、種々の市販品を用いることができるが、例えばレーザ光等の直線光(直線光に近似するものも含む)であることが有利である。光源4が発する光は無偏光であり、後述する第1の偏光部3Aを通過し円偏光となる。
第1の実施形態において、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bは、ともに広帯域の円偏光板であり、直線偏光に変換する偏光フィルムと直線偏光を円偏光に変換する位相差膜を有する。第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bは、被検査物10を検査する場面では、常にクロスニコルを構成している。円偏光板でクロスニコルを構成するには、光源側から見た時に、第1の偏光部3Aに含まれる位相差膜の遅相軸と第2の偏光部3Bに含まれる位相差膜の遅相軸が略平行となっている場合は、第1の偏光部3Aに含まれる偏光フィルムの吸収軸と第2の偏光部3Bに含まれる偏光フィルムの吸収軸が略平行となっているように配置すればよい(配置α)。また、もう一つの構成として、光源側から見た時に、第1の偏光部3Aに含まれる位相差膜の遅相軸と第2の偏光部3Bに含まれる位相差膜の遅相軸が略直交となっている場合は、第1の偏光部3Aに含まれる偏光フィルムの吸収軸と第2の偏光部3Bに含まれる偏光フィルムの吸収軸が略直交となっているように配置してもよい(配置β)。前者の配置αによりクロスニコルを構成した場合には、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bを1枚の円偏光板を用いて構成できる。この第1の偏光部3A及び第2の偏光部3Bを構成する位相差フィルタ3は、いわゆる無欠陥のものが採用される。
被検査物10から反射した光を観察するために、反射光の光路上、且つ、第2の偏光部3Bの両側のうち光源4がある側の位置に、CCDカメラ等を含む検出手段5を配置してもよい。例えば、CCDカメラと画像処理装置を組み合わせた画像処理解析により自動的に検出し、これによって被検査物の検査を行うことができる。或いは、検出手段5は部材ではなく、人間が第2の偏光部3Bを人が目視観察することであってもよい。また、適宜、光源4とCCDカメラとの間には仕切り版があってもよい。
また、検査装置100は、被検査物10に対する光の入射角θを変化させるように、検査台20を傾けたり回転させたりする機構、又は、光源4、バンドパスフィルタ2、位相差フィルタ3の配置を傾けたり回転させたりする機構を備えていることが好ましい。これらの機構を動かすことで、剥離フィルム16aによって発現される位相差を調整することができ、観察視野の明るさを検査に適するように暗く調整することができる。
(検査方法)
以下、検査装置100を用いた円偏光板の検査方法について説明する。本実施形態の検査方法は、検査で使用する光として二つの波長を選定する工程(波長選定工程)と、その波長の光を用いて検査を行う工程(欠陥検査工程)を有している。
・波長選定工程
円偏光板1を含む被検査物10の検査を開始する前に、検査で使用する光の波長を選定する。検査で使用する光の波長は、以下に説明するとおり、試験片として用意した円偏光板の透過光を用いて選定することができる。
透過光測定による波長選定工程(以下、単に「透過光測定」という)は、分光光度計(例えば、日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて行うことができる。かかる分光光度計では、光源(透過系光源)と、透過光量測定手段と有し、その透過系光源と、透過光量測定手段とを結ぶ光路上にサンプルを載置することで、透過系光源からサンプルに照射され、当該サンプルを透過した光(透過光)の光量を測定することができる。この透過光測定を、図3及び図4を参照して説明する。図3に示されているとおり、透過光測定に用いる測定器500は、透過系光源4A及び透過光量測定手段5Aを有する。透過光測定に用いるサンプルとして、検査対象である被検査物10が備える円偏光板1と同一構成を備える円偏光板の試験片(試験片1A,1B)を2枚用意する。ここで「同一構成」とは、材料、厚さ、積層構成が実質的に同一であることを意味している。試験片1Aは偏光フィルム11Aと位相差膜14Aを備え、試験片1Bは偏光フィルム11Bと位相差膜14Bを備えている。
この試験片2枚を、位相差膜14A,14B側が対向するように、かつ、これらの遅相軸p,qのなす角度が、透過系光源4Aの光路方向から見た場合に90°以外の角度となるように配置する。図4(A)は、試験片1A,1Bの載置の要部を示す模式斜視図である。そして図4(B)は、位相差膜14A,14Bの遅相軸のなす角度を示すため、試験片1A,1Bを光路9方向からみた場合に、遅相軸p,qのなす角度θ1が90°以外であることを模式的に示す図である。この角度θ1は、10°~80°とすることが好ましく、20°~70°とすることがより好ましく、30°~60°とすることがさらに好ましい。このような角度θ1で配置することにより、欠陥検査に有用な波長を見出しやすくなる。
その後、試験片1A,1Bの偏光フィルム11A,11Bのいずれか一方側から、光路9が試験片1A,1B上の欠陥のない領域を通過するように、様々な波長の光を入射し、その他方側から偏光フィルム11A,11Bを観察し、透過光量が最小となる波長を求める。このような市販の分光光度計は、透過系光源の波長を種々変更することができ、種々の波長の光のときの吸収光量を自動的に分析することができるので、最小波長をより簡便に求めることができる。
当該波長の検討は、500~600nmの間で行うことが好ましい。そして最小波長(透過光量が最小となった波長)を求めたら、その波長よりも5nm~50nm大きい波長、及び、5nm~50nm小さい波長の二種類を検査に用いる光の波長として採用する。例えば、最小波長が565nmであった場合、その±30nmとして、535nm及び595nmの二種類を検査に用いる光の波長として採用する。すなわち、検査では波長535nmの光を透過させるバンドパスフィルタと、波長595nmの光を透過させるバンドパスフィルタとの二つのバンドパスフィルタを用いることを決定する。これらのバンドパスフィルタは、透過させる光の波長のスペクトルの半値幅が±10nmであるものが好ましく、±5nmであるものがより好ましい。これらのバンドパスフィルタは、透過させる光のスペクトルが互いに異なっており、最も透過させる光の波長も互いに異なっている。これらのバンドパスフィルタは、最も透過させる波長(ピーク波長)の光の半値幅が±10nmであるものが好ましく、±5nmであるものがより好ましい。
・欠陥検査工程
検査で使用する光の波長を決定したら、次に、被検査物10の欠陥検査を行う。
図1に示されているとおり、検査装置100の内部のうち、検査台20に被検査物10を載置する。このとき、被検査物10中の剥離フィルム16aや位相差膜14を備える側が光源4側を向くとともに、円偏光板1の位相差膜14の遅相軸と位相差フィルタ3が備える位相差膜の遅相軸とのなす角が光源4側から見たときに10°~80°となるように配置する。この角度は、15°~50°とすることが好ましく、20°~40°とすることがより好ましい。なお、本実施形態では第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bとは同一の円偏光板(位相差フィルタ3)から構成されているので、被検査物10から反射される光に関して第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bとはクロスニコルの配置となっている。
波長選定工程で見出した二つのバンドパスフィルタのうちの一方であるバンドパスフィルタ2を用意して検査装置100内に配置する。光源4から、バンドパスフィルタ2へ光を入射する。このとき、被検査物10に対する入射角(被検査物10の表面に対する垂線を基準とする角度)θを例えば3°~30°としてもよく、5°~20°としてもよい。光源4が発する光が指向性が低い光である場合は、被検査物10からの反射角(又は検出手段5による観察角度)が上記の角度範囲となるようにすることが好ましい。
光源4が発した光はバンドパスフィルタ2を透過して、続いて第1の偏光部3Aに入射し、これを透過して円偏光となる(光路9a)。第1の偏光部3Aを透過した光は次に、被検査物10に入射する。そして、被検査物10中の剥離フィルム16aを透過し、理想的には円偏光板1を構成する位相差膜14にて直線偏光に変換され、最終的に偏光フィルム11で吸収される(光路9aの終末)。ここで、第1の偏光部3Aを透過した光の一部は被検査物10中の剥離フィルム16aの表面で反射する(光路9b)。この反射光は、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bとがクロスニコルを構成していることから、第2の偏光部3Bで遮断され(光路9bの終末)、このため検出手段5による第2の偏光部3Bの観察視野は暗くなっている。
他方、被検査物10に入射した光の一部は、被検査物10中に存在する欠陥(例えば位相差膜14と偏光フィルム11との界面に存在する欠陥Dや、位相差膜14中に存在する欠陥D’)の部分で反射が強くなる(光路9c)。この反射光は、その欠陥D,D’に起因して位相差が理想よりもずれている(意図しない楕円偏光となっている)ので、偏光フィルムに吸収されず、その界面での反射光が生じる。この反射光は第2の偏光部3Bでは遮断されずに透過することとなる。これを検出手段5側から観察すると、欠陥部分が輝点として観察される。
ここで、剥離フィルム16aが有する位相差(面内位相差)がこの検査の障害になる場合がある。すなわち、剥離フィルム16aが発現する位相差がバンドパスフィルタ2を透過した光の波長の整数倍になっている場合は剥離フィルム16aに入射した円偏光の偏光状態が乱されないが、多くの場合は整数倍になっていないので円偏光の偏光状態が乱され、図5に示すとおり、位相差膜14によって直線偏光に変換できず、偏光フィルムに吸収されないため、その界面での反射光が生じる(光路9d)。このため、第2の偏光部3Bを透過する透過光量が上がり、観察視野が明るくなる。これにより、本来観察したい欠陥部分の輝点が観察視野全体の明るさに埋もれてしまい、欠陥の判別が困難になる。また、剥離フィルム16aの位相差値の面内ばらつき又はロット毎のばらつきによって、本来輝点として観察されるべき欠陥が黒点として観察されてしまうことが起こりうる。
これを解決するため、本実施形態の検査方法では被検査物10に対する光の入射角θを変化させ、剥離フィルム16aが有する位相差の影響が小さくなるようにする。すなわち、入射角θを変化させれば剥離フィルム16aによって発現される位相差が変化するので、上記「整数倍」になる入射角θを探すことで観察視野を一層暗くすることができる。ここで、入射角θを変化させるためには、被検査物10を様々に傾斜又は回転させてもよく(検査台20ごと動かしてもよい)、光源4、バンドパスフィルタ2、位相差フィルタ3側を様々に傾斜又は回転させてもよい。このように、検査装置100を構成する部材の相対的な位置関係を調整することによって入射角θを様々に変化させながら、剥離フィルム16aが有する位相差の影響が小さくなる角度を探す。被検査物10側を傾斜させる場合は、円偏光板1の遅相軸方向を軸線方向として傾けてもよく、進相軸方向を軸線方向として傾けてもよい。
検査を終えたら、バンドパスフィルタ2を、波長選定工程で見出した二つのバンドパスフィルタのうちの他方のバンドパスフィルタに差し替えて、再度同様の検査を行う。この二度にわたる検査によって、第2の偏光部3Bが透過する光の光量が最小になる波長よりも5nm~50nm大きい波長の光、及び、5nm~50nm小さい波長の光を検査に用いることになるので、一方のバンドパスフィルタでは青点ムラが強調されて見え、他方のバンドパスフィルタでは赤点ムラが強調されて見える。したがって、観察視野全体の明るさを十分に暗く抑えた状況下で、青点ムラ及び赤点ムラの両方の有無を検査することができる。
以上に示した検査方法によれば、円偏光板の欠陥の有無を容易に判断することができる。また、この検査方法は反射型の検査方法であるので、透過型の検査方法と比べて被検査物10中の光路が長くなり、透過型の検査方法では検出が困難であった皺等の変形欠陥も容易に検出することができる。なお、図1では円偏光板1のうち位相差膜14に欠陥がある場合について示したが、偏光フィルム11に欠陥がある場合でも本実施形態の検査方法によって欠陥を検出することができる。
本発明の検査方法は、その検出感度を上げるために、暗室などの外光が遮断されている状態で行うことが好ましい。また、被検査物10を透過した光が検査台20で反射してなる反射光を極力抑える観点から、検査台20の被検査物10の載置面は、低反射処理がなされていることが好ましい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態の検査方法について説明する。第2の実施形態の検査方法が第1の実施形態の検査方法と異なる点は、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bの円偏光板に変えて、直線偏光板を用いる点である。
(検査装置と被検査物)
図6に示されているとおり、検査装置200は、光源4、バンドパスフィルタ2、第1の直線偏光板7Aがこの順に配置され、かつ、第1の直線偏光板7Aの隣に並べられるようにして第2の直線偏光板7Bが配置されてなるものである。第1の直線偏光板(第1の偏光部)7Aと第2の直線偏光板(第2の偏光部)7Bとは面が互いに平行で略同一面上に並んでいる。検査装置200におけるその他の構成は第1の実施形態における検査装置100のものと同様である。
第1の直線偏光板7A、及び、第2の直線偏光板7Bは、被検査物10を検査する場面では、常に互いにクロスニコルを構成するようにその向きが調整される。このとき、第2の直線偏光板7Bに入射する光は被検査物10で反射した反射光であることに留意する。そして、第1の直線偏光板7A及び第2の直線偏光板7Bは、いわゆる無欠陥のものが採用される。
(検査方法)
以下、検査装置200を用いた円偏光板の検査方法について説明する。円偏光板を含む被検査物10の検査を開始する前に、検査で使用する光の波長を選定する。
・波長選定工程
波長選定工程は、第1の実施形態におけるものと同様である。
・欠陥検査工程
検査で使用する光の波長を決定したら、次に、被検査物10の欠陥検査を行う。
検査装置200を用いた検査方法は、以下のとおりである。はじめに、検査装置200の内部のうち、検査台20に被検査物10を載置する。そして、光源4から見て第1の直線偏光板7A及び第2の直線偏光板7Bの向こう側に被検査物10を配置する。このとき、被検査物10中の剥離フィルム16aや位相差膜14を備える側が光源4側を向くとともに偏光フィルム11の吸収軸と第1の直線偏光板7Aの吸収軸とのなす角が光源4側から見たときに45°となるように配置する。この角度は0°以上90°以下の値をとりうるものとし、90°を超える角度は、0°以上90°以下の値で表現するものとする。ここで、第1の直線偏光板7Aは被検査物10に入射する前の光が透過するように、かつ、第2の直線偏光板7Bは被検査物10が反射した光が入射するように、光源4と検出手段5との位置関係を調整する。そして、第1の直線偏光板7Aが第2の直線偏光板7Bとクロスニコルを構成するように調整する。
波長選定工程で見出した二つのバンドパスフィルタのうちの一方であるバンドパスフィルタ2を用意して検査装置200内に配置する。光源4から、バンドパスフィルタ2へ光を入射する。このとき、被検査物10に対する入射角(被検査物10の表面に対する垂線を基準とする角度)θを例えば3°~30°としてもよく、5°~20°としてもよい。光源4が発する光が指向性が低い光である場合は、被検査物10からの反射角(又は検出手段5による観察角度)が上記の角度範囲となるようにすることが好ましい。
光源4が発した光はバンドパスフィルタ2を透過して、続いて第1の直線偏光板7Aに入射し、これを透過して直線偏光となる(光路9a)。次に被検査物10に入射する(光路9a)。そして、被検査物10中の剥離フィルム16aを透過し、円偏光板1を構成する位相差膜14にて円偏光に変換され、その円偏光の吸収軸方向成分が偏光フィルム11で吸収される(光路9aの終末)。ここで、第1の直線偏光板7Aを透過した光の一部は被検査物10中の剥離フィルム16aの表面で反射する(光路9b)。この反射光は、第1の直線偏光板7Aと第2の直線偏光板7Bとがクロスニコルを構成するように配置されていることから、第2の直線偏光板7Bで遮断される(光路9bの終末)。このため検出手段5による第2の直線偏光板7Bの観察視野は欠陥が観察できる程度には暗くなっている。
他方、被検査物10に入射した光の一部は、被検査物10中に存在する欠陥(例えば位相差膜14と偏光フィルム11との界面に存在する欠陥Dや、位相差膜14中に存在する欠陥D’)の部分で反射が強くなる(光路9c)。この反射光は、その欠陥D,D’に起因して位相差が理想よりもずれている(意図しない楕円偏光となっている)ので、そのずれの分だけ偏光フィルム11での光の吸収量や第2の直線偏光板7Bの光の吸収量が正常部と比較し小さくなり、第2の直線偏光板をその光が透過することとなる。これを検出手段5側から観察すると、欠陥部分が輝点として観察される。
本実施形態において剥離フィルム16aが有する位相差の影響を小さくする方法や本実施形態の効果が奏される原理は、第1の実施形態におけるものと同様である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、第1の実施形態では、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bとを一枚の位相差フィルタ3に担わせていたが、第1の偏光部3Aと第2の偏光部3Bをそれぞれ別の位相差フィルタとして用意してもよい。
また、上記実施形態の波長選定工程では透過光を利用して最小波長を求めたが、代わりに反射光を利用して最小波長を求めてもよい。例えば、鏡などの反射板に円偏光板1を配置した積層体を準備し、光源から任意の波長の光を前記積層体に入射させる。前記積層体から反射した光を検出手段で観察し、透過光量を確認する。次に、波長を変えた光を照射し、その透過光量を確認する。このように、波長を様々に変えた光で透過光量を測定し、その透過光量が最小となる波長を求めることができる。
本発明は、円偏光板の品質検査に利用することができる。
1…円偏光板、1A、1B…試験片(円偏光板)、2…バンドパスフィルタ、3…位相差フィルタ、3A…第1の偏光部、3B…第2の偏光部、4…光源、4A…透過系光源、5…検出手段、5A…透過光量測定手段、7A…第1の直線偏光板(第1の偏光部)、7B…第2の直線偏光板(第2の偏光部)、9(9a,9b,9c)…光路、10…被検査物、11(11A、11B)…偏光フィルム、12a,12b…保護フィルム、13…粘着剤層、14(14A、14B)…位相差膜、15…粘着剤層、16a…剥離フィルム、16b…表面保護フィルム、20…検査台、100,200…検査装置、500…測定器、D,D’…欠陥、p,q…位相差膜の遅相軸方向、θ…入射角、θ1…遅相軸同士がなす角度。

Claims (7)

  1. 偏光フィルムと位相差膜とが積層されてなる円偏光板、及び、前記円偏光板の前記位相差膜側に積層されポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる剥離フィルムを備えるフィルム状の被検査物の欠陥の有無を判断する検査方法であって、
    光源と、
    所定の波長の光を透過させるバンドパスフィルタと、
    第1の偏光部と、
    前記剥離フィルム側を前記第1の偏光部側へ向けた前記被検査物と、を前記光源が発する光の光路上にこの順に並ぶように、かつ、
    前記第1の偏光部とクロスニコルを構成する第2の偏光部を前記被検査物によって反射される前記光の光路上に配置し、
    前記バンドパスフィルタに前記光源の光を入射し、
    前記剥離フィルムが有する位相差の影響が小さくなるように前記被検査物への前記光の入射角を変化させ、
    前記被検査物によって反射された前記光を前記第2の偏光部側から観察して前記円偏光板の欠陥の有無を判断する、検査方法。
  2. 前記バンドパスフィルタを用いて検査を行った後に、前記バンドパスフィルタが最も透過させる光の波長とは別の波長の光を最も透過させるバンドパスフィルタを用いて検査を行う、請求項1記載の検査方法。
  3. 前記検査を行う前に、
    光源と、
    前記被検査物が備える前記円偏光板と同一構成である円偏光板の試験片を2枚用意し、
    前記2枚の試験片を位相差膜側が対向するように配置し、かつ、前記位相差膜の遅相軸同士のなす角度が、前記光源の光路方向から見た場合に90°以外の角度となるように配置し、
    前記試験片の偏光フィルムのいずれか一方側から、前記光路が前記試験片上の欠陥のない領域を通過するように、様々な波長の光を入射し、その他方側から偏光フィルムを観察し、透過光量が最小となる波長を求め、その波長よりも5nm~50nm大きい波長及びその波長よりも5nm~50nm小さい波長の少なくとも一つの波長を前記所定の波長として採用することを決定する、請求項1又は2記載の検査方法。
  4. 前記第1の偏光部及び前記第2の偏光部は、いずれも円偏光板である、請求項1~3のいずれか一項記載の検査方法。
  5. 前記第1の偏光部及び前記第2の偏光部は、共通する一枚の円偏光板から構成されている、請求項1~4のいずれか一項記載の検査方法。
  6. 前記第1の偏光部及び前記第2の偏光部は、いずれも直線偏光板である、請求項1~3のいずれか一項記載の検査方法。
  7. 前記位相差膜は、重合性液晶化合物の硬化物からなるものである、請求項1~6のいずれか一項記載の検査方法。

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