JP2022072527A - 軟水化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生処理時に発生する、塩化物イオンの電気分解に起因して生じる軟水化槽の劣化を抑制することが可能な軟水化装置を提供する。【解決手段】軟水化装置1は、軟水化槽3と、中和槽4と、電解槽12と、制御部32とを備える。軟水化槽3は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する。中和槽4は、軟水化槽3を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂11により中和する。電解槽12は、軟水化槽3を再生する酸性電解水と、中和槽4を再生するアルカリ性電解水を生成する。制御部32は、軟水化槽3及び中和槽4の再生処理を制御する。そして、制御部32は、再生処理の初期において、中和槽4を通過したアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、生活水を得る軟水化装置に関するものである。
従来の弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた軟水化装置では、食塩を使用しない陽イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成した酸性電解水により陽イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。弱酸性陽イオン交換樹脂は、官能基の末端にプロトンを有しており、原水中のカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンを水素イオンに交換して原水を軟水化している。そして、弱酸性陽イオン交換樹脂で軟水化された水中の水素イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂の後段に備えられた弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されることにより中和される。従来の軟水化装置では、弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成したアルカリ性電解水により弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011-30973号公報 特開2010-142674号公報
このような従来の軟水化装置において、軟水化処理時には、原水に含まれる塩化物イオンが弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着し、再生処理時には弱塩基性陰イオン交換樹脂から放出される。放出された塩化物イオンを含む液体の電気分解生成物(例えば、次亜塩素酸)が弱酸性陽イオン交換樹脂に流入すると、弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化が促進され、軟水化装置としての耐久性低下を引き起こす可能性があるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、再生処理時に発生する、塩化物イオンの電気分解に起因して生じる軟水化槽の劣化を抑制することが可能な軟水化装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る軟水化装置は、軟水化槽と、中和槽と、電解槽と、処理槽と、制御部とを備える。軟水化槽は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する。中和槽は、軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する。電解槽は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水との2種の電解水を生成する。処理槽は、軟水化槽を流通した酸性電解水と中和槽を流通したアルカリ性電解水とを混合して電解槽に供給する。制御部は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂及び中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生処理を制御する。そして、制御部は、再生処理の初期において、中和槽を通過したアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、再生処理時に発生する、塩化物イオンの電気分解に起因して生じる軟水化槽の劣化を抑制することが可能な軟水化装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。 図2は、軟水化装置の再生流路を示す構成図である。 図3は、軟水化装置において貯留槽に流通する際の再生流路を示す構成図である。 図4は、軟水化装置の動作時の状態を示す図である。 図5は、軟水化装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態4に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。
本発明に係る軟水化装置は、軟水化槽と、中和槽と、電解槽と、処理槽と、制御部とを備える。軟水化槽は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する。中和槽は、軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する。電解槽は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水との2種の電解水を生成する。処理槽は、軟水化槽を流通した酸性電解水と中和槽を流通したアルカリ性電解水とを混合して電解槽に供給する。制御部は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂及び中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生処理を制御する。そして、制御部は、再生処理の初期において、中和槽を通過したアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御する。
こうした構成によれば、再生処理の初期において、中和槽から放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物(電解槽での電気分解により生じる塩化物イオンの電解生成物)が軟水化槽に流入しなくなる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、電解生成物を含む酸性電解水を貯留可能に構成された貯留槽をさらに備えており、制御部は、電解生成物を含む酸性電解水を貯留槽に送出することにより、酸性電解水に含まれる電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御する構成としてもよい。こうした構成によれば、貯留槽によって酸性電解水が貯留されるため、再生処理時に中和槽から放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽に流入しなくなる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化をより確実に抑制でき、軟水化装置の耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、再生処理の際に、電解槽が電気分解を開始してから一定期間、電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御してもよい。このようにすることで、再生処理の際に、電解槽が電気分解を開始してから一定期間、中和槽から多量に放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンに起因して生じる電解生成物が軟水化槽に流入するのを抑制することができる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化をより確実に抑制でき、軟水化装置の耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、一定期間の経過後に、電解槽からの酸性電解水を軟水化槽に流通させるように制御してもよい。このようにすることで、再生処理開始から一定期間の経過後に、電解槽からの酸性電解水を軟水化槽に流通させるので、酸性電解水による軟水化槽中の弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を行うことができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、中和槽を流通した後の電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御することが好ましい。これにより、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽に流入しないようにするため、塩化物イオンの電解生成物の軟水化槽への流入をより正確に制御できる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、イオン濃度が基準値未満である場合に、電解槽からの酸性電解水を軟水化槽に流通させるように制御することが好ましい。これにより、イオン濃度が基準値未満である場合に、酸性電解水を軟水化槽に流通させるので、電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制しつつ、酸性電解水による軟水化槽中の弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を行うことができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、電解槽を流通した後の酸性電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽に流入しないように制御を行ってもよい。こうした構成によれば、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽に流入しないようにするため、塩化物イオンの電解生成物の軟水化槽への流入をより正確に制御できる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、イオン濃度が基準値未満である場合に、電解槽からの酸性電解水を軟水化槽に流通させるように制御してもよい。こうした構成によれば、イオン濃度が基準値未満である場合に、酸性電解水を軟水化槽に流通させるので、電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制しつつ、酸性電解水による軟水化槽中の弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を行うことができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、制御部は、軟水化槽及び中和槽の再生後に、貯留槽に貯留された酸性電解水を貯留槽から処理槽に送出する制御を行うようにしてもよい。このようにすることで、貯留槽から処理槽に送出される酸性電解水によって、処理槽に蓄積した析出物を溶解させることができ、処理槽のメンテナンス作業負荷の低減に繋がる。また、酸性電解水による除菌消臭等が行える。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1の構成を示す概念図である。なお、図1では、軟水化装置1の各要素を概念的に示している。
(全体構成)
軟水化装置1は、外部から供給される市水(硬度成分及び塩化物イオンを含む原水)を、生活水として使用可能な中性の軟水として生成する装置である。
具体的には、図1に示すように、軟水化装置1は、外部からの原水の流入口2と、軟水化槽3と、中和槽4と、処理後の軟水の取水口5と、再生装置6を備えている。また、再生装置6は、電解槽12と、処理槽14と、送水ポンプ15と、分離槽としてのろ過部34とを含んで構成される。また、軟水化装置1は、複数の開閉弁(開閉弁21~開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、開閉弁43)と、選択弁41と、第一イオン濃度検出部28と、第二イオン濃度検出部29と、制御部32と、貯留槽40とを含んで構成される。
流入口2は市水に接続されている。軟水化装置1は、市水の圧力で取水口5から軟水化処理後の水を取り出すことができるものである。
流入口2から取水口5までは、流路7、流路8、流路9によって接続されている。流路7は、流入口2から軟水化槽3までを接続した流路である。流路8は、軟水化槽3から中和槽4までを接続した流路である。流路9は、中和槽4から取水口5までを接続した流路である。
言い換えると、流路7は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を流入口2から軟水化槽3へ導く流路である。また、流路8は、軟水化槽3で軟水化された原水を中和槽4に導く流路である。流路9は、中和槽4により中和された軟水を取水口5へ導く流路である。
つまり、軟水化装置1では、軟水化処理において、外部から供給される市水が、流入口2、流路7、軟水化槽3、流路8、中和槽4、流路9、取水口5の順に流通して、中性の軟水として排出される。
(軟水化槽及び中和槽)
軟水化槽3には弱酸性陽イオン交換樹脂10が充填され、中和槽4には弱塩基性陰イオン交換樹脂11が充填されている。
ここで、弱酸性陽イオン交換樹脂10としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、カルボキシル基(-COOH)を交換基とするものが挙げられる。また、カルボキシル基の対イオンである水素イオン(H+)が、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4+)等の陽イオンとなっているものでもよい。
また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、遊離塩基型となっているものが挙げられる。
軟水化槽3は、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を軟水化する。より詳細には、軟水化槽3は、官能基の末端に水素イオンを有する弱酸性陽イオン交換樹脂10を備えている。軟水化槽3は、流通する水(原水)に含まれる硬度成分である陽イオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を水素イオンと交換するため、原水の硬度が下がり、原水を軟水化することができる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂10の官能基の末端が水素イオンであるため、後述する再生処理において、酸性電解水を用いて弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。
軟水化槽3には、流路7から硬度成分及び塩化物イオンを含む原水が通水され、内部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂10を通過することで、硬度成分を含む原水を軟水として流路8を介して中和槽4へ通水させる。ただし、弱酸性陽イオン交換樹脂10で処理された軟水は、硬度成分と交換されて出てきた水素イオンを多く含む。また、原水に含まれる塩化物イオンは、軟水化槽3をそのまま流通する。
中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用により、軟水化槽3から出てきた水素イオンを含む軟水(酸性化した軟水)のpHを中和し、中性水(中性の軟水)に変換するものである。より詳細には、中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を備えており、軟水化槽3からの軟水に含まれる水素イオンをアニオン(陰イオン)とともに吸着するため、軟水のpHが上がり、中性の軟水とすることができる。この時、塩化物イオンも同時に弱塩基性陰イオン交換樹脂11に吸着される。また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11は、後述する再生処理において、アルカリ性電解水を用いて再生を行うことができる。
中和槽4には、流路8から水素イオンを含む軟水が通水され、内部に充填された弱塩基性陰イオン交換樹脂11を通過することで、軟水化槽3から出てきた酸性化した軟水を中和して中性の軟水として流路9を通して外部へ通水させる。
(再生装置)
再生装置6は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生させ、且つ、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生させる機器である。具体的には、再生装置6は、上述した通り、電解槽12と、処理槽14と、送水ポンプ15と、ろ過部34とを含んで構成される。そして、再生装置6は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路17、第一回収流路18、第二供給流路19、及び第二回収流路20がそれぞれ接続されている。そして、各流路は、後述する再生流路16(第一再生流路16a、第二再生流路16b)を構成している。
ここで、第一供給流路17は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路であり、第一回収流路18は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を処理槽14へ回収する流路である。また、第二供給流路19は、電解槽12から中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路であり、第二回収流路20は、中和槽4を通過した水を処理槽14へ回収する流路である。
(電解槽)
電解槽12は、内部に設けた電極13を用いて、入水した水(処理槽14から供給される水)を電気分解することによって、酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成して排出する。そして、電解槽12は、酸性電解水を、第一供給流路17を介して軟水化槽3に供給し、アルカリ性電解水を、第二供給流路19を介して中和槽4に供給する。詳細は後述するが、電解槽12によって生成された酸性電解水は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生に使用され、電解槽12によって生成されたアルカリ性電解水は、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用される。なお、電解槽12は、後述する制御部32によって、電極13への通電状態を制御できるように構成されている。
ここで、電解槽12では、再生処理時に、中和槽4を流通するアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンが処理槽14を介して導入されると、電気分解によって塩化物イオンの電解生成物(次亜塩素酸)を生じさせ、電解槽12で生成される酸性電解水には電解生成物が含有される。
(処理槽)
処理槽14は、空気抜き弁37を備えたタンクまたは容器である。処理槽14は、弱酸性陽イオン交換樹脂10及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生するときに再生流路16(図2及び図3参照)内を流通させる水を確保し、貯留するものである。また、処理槽14は、軟水化槽3を流通した硬度成分を含む酸性電解水と、中和槽4を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合し、電解槽12に供給するものである。処理槽14では、混合された硬度成分とアルカリ性電解水とが反応することにより反応生成物(原水に含まれる硬度成分に起因した反応生成物)が生成される。より詳細には、処理槽14には、軟水化槽3内の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生した後における、硬度成分が含まれる酸性電解水が第一回収流路18を介して通水される。また、処理槽14には、中和槽4内の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生した後における、陰イオン(例えば塩化物イオンや水酸化物イオン)を含有するアルカリ性電解水が第二供給流路19を介して通水される。そして、処理槽14において、硬度成分を含む酸性電解水と、陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合し、硬度成分がアルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンの場合、アルカリ性電解水と混合されることにより、炭酸カルシウムが生じたり、水酸化カルシウムが生じる反応が起こったりする。そして、反応した硬度成分は、反応生成物として分離することが可能となり、処理水を得ることができる。この時、アルカリ性電解水中に含まれる塩化物イオンは、処理槽14を流通し、電解槽12に送出される。
なお、「硬度成分が反応する」とは、硬度成分すべてが反応することのみならず、処理槽14に反応しない成分もしくは溶解度積を超えない成分が含まれている状態も含むものとする。
そして、処理槽14により硬度成分が反応して得られた処理水(塩化物イオンを含む)は、電解槽12に通水され、電解槽12において電気分解され、酸性電解水及びアルカリ性電解水となって軟水化槽3及び中和槽4にそれぞれ供給される。そして、酸性電解水及びアルカリ性電解水は、それぞれ、軟水化槽3及び中和槽4において再利用された後、再び処理槽14へ通水(回収)される。従って、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用した酸性電解水及びアルカリ性電解水を再利用することができる。しかも、硬度成分が反応した水を再利用するため、弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生する際の再生効率の低減を抑えることができる。
(送水ポンプ)
送水ポンプ15は、再生装置6による再生処理の際に、再生流路16(図2参照)に水を流通させる機器である。送水ポンプ15は、処理槽14と電解槽12との間を連通接続する送水流路33に設けられている。なお、送水ポンプ15は、電解槽12の上流側、且つ、処理槽14の下流側に配置することが好ましい。このような配置とするのは、一つの送水ポンプ15で、後述する第一再生流路16a及び第二再生流路16bに水を循環させやすくなるからである。また、送水ポンプ15は、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続されている。
(ろ過部)
ろ過部34は、処理槽14から電解槽12へ繋がる送水流路33の前段に設けられている。そして、ろ過部34は、処理槽14を流通した水に含まれる反応生成物(軟水化槽3を流通した硬度成分を含む酸性電解水と中和槽4を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水とが反応することにより生成する反応生成物)を分離する。
ろ過部34は、処理槽14における硬度成分との反応生成物を分離可能であればその形態は問わない。例えば、粒状ろ材を用いたろ過層、サイクロン型の固液分離機、中空糸膜等を用いる形態が挙げられる。
(貯留槽)
貯留槽40は、電解槽12から送出された酸性電解水を貯留する。貯留槽40は、排出流路42を介して第一供給流路17と接続されている。貯留槽40を設けることにより、再生処理時において、塩化物イオンの電解生成物を含む酸性電解水を貯留することが可能となる。そのため、後述する選択弁41の通水方向を制御することにより、酸性電解水の流通先を軟水化槽3とするか、貯留槽40とするかを選択できる。また、貯留槽40の下流側には、開閉弁43がある。開閉弁43を開放することにより、貯留槽40に貯留された酸性電解水(電解生成物を含む酸性電解水)を排水することができる。
(開閉弁及び選択弁)
複数の開閉弁(開閉弁21~開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、開閉弁43)は、各流路にそれぞれ設けられ、各流路において「開放」した状態と、「閉止」した状態とを切り替える。また、選択弁41は、第一供給流路17に設けられ、酸性電解水の流通方向を決定する。具体的には、選択弁41は、電解槽12からの酸性電解水が第一供給流路17を流通して軟水化槽3に至る流通状態と、電解槽12からの酸性電解水が第一供給流路17から排出流路42を流通して貯留槽40に至る流路状態とを切り替える。また、複数の開閉弁及び選択弁41はそれぞれ、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続されている。
(イオン濃度検出部)
軟水化装置1は、イオン濃度検出部として、第一イオン濃度検出部28と第二イオン濃度検出部29とを備える。
第一イオン濃度検出部28は、流路9に設けられ、中和槽4を流通した軟水に含まれる硬度成分(カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)のイオン濃度を検出する。また、第二イオン濃度検出部29は、第一供給流路17に設けられ、電解槽12を流通した酸性電解水のイオン濃度を検出する。
第一イオン濃度検出部28及び第二イオン濃度検出部29は、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続され、第一イオン濃度検出部28及び第二イオン濃度検出部29が検出したイオン濃度及び流量に関する情報は、制御部32の入力信号として用いられる。第一イオン濃度検出部28及び第二イオン濃度検出部29としては、汎用的なものを使用することができ、例えば、液体の電気伝導率を測定する検出器あるいは水中に含まれるTDS(Total Dissolved Solid:総溶解固形物)の量を測定する検出器が挙げられる。
水(純水)は、それ自体ほぼ電気を通さない絶縁体であるが、種々の物質が溶解(イオン化)することで通電する。つまり、液体の電気伝導率は、液体中に含まれるイオン化した物質量の指標となる。一般的な市水においては、市水の水源となる河川水あるいは地下水に多く含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの含有量に比例する。
また、TDSは、水中に溶解する無機塩類(主にカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、重炭酸塩、塩化物、硫酸塩)と水に溶解する有機物の濃度の総計を表す。再生処理終了直後の弱酸性陽イオン交換樹脂10は高いイオン交換能力を有し、原水中の硬度成分の多くを除去するため、この時の処理水中のイオン濃度はナトリウムやカリウム等、軟水化処理に関与しないイオン成分量の測定値となる。同一水系の水において、電気伝導度とTDSは近似的に比例関係にある。
ここで、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11は、一般的な市水に溶解する塩化物イオンを吸着する性質も有しており、軟水化処理時に、軟水化槽3から出てきた水素イオンを含む軟水のpHを中和するとともに、塩化物イオンの吸着も同時に行っている。したがって、軟水化処理時のイオン濃度は、塩化物イオンの多くを除去したイオン成分量の測定値となる。
一方、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理は、アルカリ性電解水を中和槽4に供給することにより行われるが、軟水化処理時に弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着した塩化物イオンの脱離も同時に行われる。そのため、中和槽に供給されたアルカリ性電解水は、排出される際には塩化物イオンを含むアルカリ性電解水となる。弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理が進行するにつれて、塩化物イオンの脱離量は増加してゆき、再生処理の終盤には脱離量が減少していく。
また、塩化物イオンを含むアルカリ性電解水は、処理槽14を流通した後、電解槽12で電気分解され、酸性側では、電解生成物を含む酸性電解水となる。すなわち、第二イオン濃度検出部29が検出するイオン濃度は、再生処理が進行するにつれて上昇してゆき、再生処理の終盤には減少に転じる。つまり、再生処理中の第二イオン濃度検出部29が検出するイオン濃度により、酸性電解水に含まれる塩化物イオンの含有状態を推察することが可能となる。
(制御部)
制御部32は、硬度成分を含む原水を軟水化する軟水化処理を制御する。また、制御部32は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10及び中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理を制御する。さらに、制御部32は、軟水化装置1の軟水化処理と再生処理との間の切り替えを制御する。この際、制御部32は、電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、選択弁41、開閉弁43の動作を制御し、軟水化処理と再生処理との間の切り替え、及びそれぞれの処理を実行させる。
(流路)
次に、図2~図4を参照して、軟水化装置1の再生流路16について説明する。図2は、軟水化装置1の再生流路16を示す構成図である。図3は、軟水化装置1において、貯留槽40に流通する際の再生流路16を示す構成図である。図4は、軟水化装置1の動作時の状態を示す図である。
説明が重複するが、図2に示すように、軟水化装置1において、再生装置6を構成する電解槽12及び処理槽14は、送水流路33によって連通接続される。また、電解槽12及び処理槽14は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路17、第一回収流路18、第二供給流路19、及び第二回収流路20によってそれぞれ連通接続されている。また、図3に示すように、貯留槽40は、第一供給流路17と排出流路42によって、電解槽12と連通接続されている。そして、再生装置6では、各流路の組み合わせによって再生流路16が構成されている。
第一供給流路17は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路であり、その流路には、開閉弁21が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12から酸性電解水を引き出して軟水化槽3の上流側へ送水可能とする第一供給流路17を備える。
そして、第一回収流路18は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を処理槽14へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁22が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、処理槽14の上流側を軟水化槽3の下流側に接続可能とする第一回収流路18を備える。
第二供給流路19は、電解槽12から中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路であり、その流路には、開閉弁23が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12からアルカリ性電解水を引き出して中和槽4の上流側へ送水可能とする第二供給流路19を備える。
そして、第二回収流路20は、中和槽4を通過した水を処理槽14へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁24が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、処理槽14の上流側を中和槽4の下流側に接続可能とする第二回収流路20を備える。
排出流路42は、電解槽12から貯留槽40へ酸性電解水を排出する流路であり、その流路の始点には、選択弁41が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12から貯留槽40へ酸性電解水を引き出して貯留槽40へ送水可能とする排出流路42を備える。
再生流路16は、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、軟水化槽3を流通する第一再生流路16aと、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、中和槽4を流通する第二再生流路16bと、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、貯留槽40に流入する第三再生流路16cとを含む。
第一再生流路16aは、図2(白矢印)に示すように、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された処理水が、電解槽12と軟水化槽3とを流通して処理槽14に戻って循環する流路である。より詳細には、第一再生流路16aは、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された処理水が、送水流路33、電解槽12、第一供給流路17、開閉弁21、軟水化槽3、第一回収流路18、開閉弁22、処理槽14の順に流通して循環する流路である。
第二再生流路16bは、図2(黒矢印)に示すように、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された処理水が、電解槽12と中和槽4とを流通して処理槽14に戻って循環する流路である。より詳細には、第二再生流路16bは、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された処理水が、送水流路33、電解槽12、第二供給流路19、開閉弁23、中和槽4、第二回収流路20、開閉弁24、処理槽14の順に流通して循環する流路である。
第三再生流路16cは、図3(網掛矢印)に示すように、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された処理水が、電解槽12と排出流路42を流通して貯留槽40に流入する流路である。この際、処理槽14には、流入口2からの原水が供給される。より詳細には、第三再生流路16cは、流入口2から流入する原水(送水ポンプ15によって処理槽14から送出される処理水を含む)が、開閉弁25、軟水化槽3、第一回収流路18、処理槽14、送水流路33、電解槽12、第一供給流路17、選択弁41、排出流路42の順に流通し、貯留槽40に流出する流路である。
ここで、再生流路16において水を循環させるために、流路7には、流入口2の下流側に開閉弁25が設置されている。そして、開閉弁25を閉止して、開閉弁21を開放することで、軟水化槽3の上流側に第一供給流路17が連通接続された状態となる。これにより、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に供給できるようになる。
また、流路8には、第一回収流路18の下流側、且つ、第二供給流路19の上流側に開閉弁26が設置されている。そして、開閉弁26を閉止して、開閉弁22を開放することで、軟水化槽3の下流側に第一回収流路18が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、軟水化槽3を流通した水(硬化成分を含む酸性電解水)を処理槽14へ回収することができるようになる。
また、開閉弁26を閉止して、開閉弁23を開放することで、中和槽4の上流側に第二供給流路19が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、電解槽12からのアルカリ性電解水を中和槽4に供給できるようになる。
また、流路9には、中和槽4の下流側に開閉弁27が設置されている。そして、開閉弁27を閉止して、開閉弁24を開放することで、中和槽4の下流側に第二回収流路20が連通接続された状態となる。これにより、第二回収流路20を通過した水(陰イオンを含むアルカリ性電解水)を処理槽14へ回収することができるようになる。
また、流路9には、第二回収流路20の下流側、且つ、開閉弁27の上流側に第一イオン濃度検出部28が設置されている。これにより、軟水化処理時に流路9を流通する軟水のイオン濃度(硬度成分濃度)を検出することができる。
また、送水流路33には、処理槽14の下流側(処理槽14と送水ポンプ15との間の位置)に開閉弁35が設置されている。開閉弁35を閉止することにより、処理槽14に水を貯留することができる一方、開閉弁35を開放することにより、送水流路33へ水を供給することができる。
また、第一供給流路17には、選択弁41が設置されている。選択弁41を切り替えることにより、電解槽12からの酸性電解水が第一供給流路17を流通して軟水化槽3に至る流通状態と、電解槽12からの酸性電解水が第一供給流路17から排出流路42を流通して貯留槽40に至る流路状態とにすることができる。
また、開閉弁27を閉止することによって、再生流路16への水の循環を開始することができる一方、開閉弁27を開放することによって、再生流路16への水の循環を停止することができる。
(軟水化処理及び再生処理)
次に、再生処理を起点とした軟水化装置1の軟水化処理及び再生処理について説明する。
軟水化処理及び再生処理では、制御部32は、図4に示すように、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、選択弁41、開閉弁43、電解槽12の電極13、及び送水ポンプ15を切り替えてそれぞれの流通状態となるように制御する。なお、制御部32は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているとしたが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
ここで、図4中の「ON」は、該当の開閉弁が「開放」した状態、電極13が通電している状態、及び送水ポンプ15が動作している状態をそれぞれ示す。空欄は、該当の開閉弁が「閉止」した状態、電極13が通電していない状態、送水ポンプ15が停止している状態をそれぞれ示す。また、図4中の選択弁41の表記は、数字(符号)と対応する構成要素(軟水化槽3もしくは貯留槽40)へと流路を開放した状態を示す。通常の選択弁41は、軟水化槽3へと流路を開放した状態となっているが、他の処理と関係のない場合には空欄としている。
(再生処理)
まず、軟水化装置1の再生装置6による再生処理時の動作について、図4の「水注入時」、「再生時(第一状態)」、「再生時(第二状態)」、及び「排水時」の欄を参照して順に説明する。なお、再生処理には、酸性電解水を軟水化槽3に流通させる第一状態と、酸性電解水を貯留槽40に送出する第二状態の2段階がある。各段階の判定は制御部32が行っている。第二状態は、再生処理の開始以降、第二イオン濃度検出部29が検出した、電解槽12を流通した後の酸性電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、イオン濃度が基準値以上である場合に行われる処理である。一方、第一状態は、再生処理中の第二状態に該当しない期間に行われる処理である。具体的には、第一状態は、再生処理の開始以降、イオン濃度が基準値未満である場合に行われる処理である。なお、ここでの再生処理の開始時は、電解槽12の動作開始時とする。
軟水化装置1において、弱酸性陽イオン交換樹脂10を充填した軟水化槽3は、使用を続けると陽イオン交換能力が低下または消失する。すなわち、陽イオン交換樹脂の官能基である水素イオンすべてが、硬度成分であるカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンと交換された後は、イオン交換ができなくなる。このような状態になると、硬度成分が処理水中に含まれるようになる。このため、軟水化装置1では、再生装置6による軟水化槽3及び中和槽4の再生処理を行う必要が生じる。
そこで、軟水化装置1では、1日(24時間)に1回、制御部32によって再生処理が可能な時間帯を特定して、再生処理を実行する。
まず、図4に示すように、水注入時において、開閉弁25及び開閉弁22を開放する。これにより、軟水化装置1は、市水の圧力によって、流入口2から軟水化槽3を通して原水を処理槽14へ導入する。この時、開閉弁21、開閉弁26、開閉弁35、開閉弁36、選択弁41及び開閉弁43は閉止している。処理槽14に所定の量の水を貯留することで、再生装置6は、再生時の水量を確保することができる。
次に、再生時(第一状態)において、開閉弁25、開閉弁26、及び開閉弁27を閉止して、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、及び開閉弁35を開放し、選択弁41の通水方向を軟水化槽3方向へと設定すると、図2に示すように、第一再生流路16a及び第二再生流路16bがそれぞれ形成される。
そして、電解槽12の電極13、及び送水ポンプ15を動作させると、処理槽14に貯留した水が第一再生流路16a及び第二再生流路16bのそれぞれを循環することとなる。
この際、電解槽12で生成した酸性電解水は、第一供給流路17を通って軟水化槽3内に送水され、内部の弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通させることで、弱酸性陽イオン交換樹脂10に吸着されている陽イオン(硬度成分)が、酸性電解水に含まれる水素イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱酸性陽イオン交換樹脂10が再生される。その後、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した酸性電解水は、陽イオンを含み、第一回収流路18へ流れ込む。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した陽イオンを含む酸性電解水は、第一回収流路18を介して処理槽14内に回収される。
一方、電解槽12で生成したアルカリ性電解水は、第二供給流路19を通って中和槽4内に送水され、内部の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通する。すなわち、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通させることで、弱塩基性陰イオン交換樹脂11に吸着されている陰イオンが、アルカリ性電解水に含まれる水酸化物イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱塩基性陰イオン交換樹脂11が再生される。その後、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通したアルカリ性電解水は、陰イオンを含み、第二回収流路20へ流れ込む。すなわち、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水は、第二回収流路20を介して処理槽14内に回収される。
そして、処理槽14内では、軟水化槽3から回収された陽イオンを含む酸性電解水と、中和槽4から回収された陰イオンを含むアルカリ性電解水とが混合される。このとき、処理槽14内において、酸性電解水中の陽イオンである硬度成分がアルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンである場合、アルカリ性電解水により水酸化カルシウムが生じたり、水中に常在する炭酸イオンと結合して炭酸カルシウムが生じたりする。
その後、処理槽14中で処理された処理水は、ろ過部34を流通する際に反応生成物が除去され、送水流路33を介して電解槽12に再び通水される。そして、通水された水は、電解槽12において再び電解される。
ここで、電解槽12にて再び電解された電解水(酸性電解水、アルカリ性電解水)は、それぞれ弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生と弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に供される。つまり、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生に使用した酸性電解水が、処理槽14において、硬度成分が反応生成物に変化してろ過された状態から再び電解水として再利用されることとなる。しかも、再利用する電解酸性水は、外部から供給される市水(硬度成分を含む原水)の場合あるいは処理槽14を備えない場合と比較して、水に含まれる硬度成分が減少している。また、電解槽12の中で電解される時に、陽イオンである硬度成分は、アルカリ性電解水側へ移動するため、酸性電解水の硬度は下がり、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生効率の低下を抑えることができる。さらには、電解槽12及び軟水化槽3の内部において、硬度成分に起因する固着物の付着を抑制することができる。
本実施の形態では、再生時(第一状態)において、第二イオン濃度検出部29により、電解槽12から送出された酸性電解水(塩化物イオンの電解生成物を含む)のイオン濃度に関する情報を取得している。このイオン濃度が予め設定された基準値未満である場合は、再生時(第一状態)を継続し、基準値以上である場合には、再生時(第二状態)に移行し、開閉弁25の開放及び選択弁41の通水方向の切り替え(軟水化槽3方向から貯留槽40方向へ)を行う。これにより、第三再生流路16cが連通し、酸性電解水が第三再生流路16cを流通し、貯留槽40へと送水される。
再生時(第二状態)においても、第二イオン濃度検出部29により、電解槽12から送出された酸性電解水(塩化物イオンの電解生成物を含む)のイオン濃度に関する情報を取得している。このイオン濃度が予め設定された基準値以上である場合は、再生時(第二状態)を継続し、基準値未満となった場合には、再生時(第一状態)に再度移行し、開閉弁25の閉止及び選択弁41の通水方向の切り替え(貯留槽40方向から軟水化槽3方向へ)を行う。
ここで、再生時(第二状態)は、中和槽4(弱塩基性陰イオン硬化樹脂11)の再生処理の初期において、中和槽4(弱塩基性陰イオン交換樹脂11)の再生の進行に伴って、中和槽4を流通するアルカリ性電解水に多量に含まれることになる塩化物イオンが電解槽12によって電気分解され、塩化物イオンの電解生成物となって軟水化槽3に流れ込むのを抑制するための処理である。
そして、軟水化装置1では、再生処理が終了すると電解槽12の電極13の通電を停止し、送水ポンプ15の動作を停止させる。そして、開閉弁36を開放すると空気抜き弁37の作用により、処理槽14内の水が外部に排水される。また、開閉弁43を開放すると、貯留槽40内の酸性電解水が外部に排水される。その後、開閉弁36及び開閉弁43を閉止させ、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁35、開閉弁25、開閉弁26、及び開閉弁27を切り替えることで軟水化処理へ移行する。
(軟水化処理)
軟水化装置1は、再生装置6による再生処理が終了すると軟水化処理に移行する。
次に、軟水化装置1による軟水化処理時の動作について、図4の「軟水化時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1では、図4に示すように、軟水化処理(軟水化時)において、開閉弁25と開閉弁26とを開放した状態で、取水口5に設けた開閉弁27を開放する。これにより、軟水化装置1は、外部から市水(硬度成分を含む原水)が軟水化槽3と中和槽4とを流通するので、取水口5から軟水化した水(中性の軟水)を取り出すことができる。このとき、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁35、開閉弁36、及び開閉弁43は、いずれも閉止した状態になっている。また、電解槽12の電極13及び送水ポンプ15の動作も停止した状態である。
具体的には、図1に示すように、軟水化処理では、市水の圧力によって、供給される原水は、流入口2から流路7を通って、軟水化槽3に供給される。そして、軟水化槽3に供給された原水は、軟水化槽3内に備えられた弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。このとき、原水中の硬度成分である陽イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により吸着され、水素イオンが放出される(イオン交換が行われる)。そして、原水から陽イオンが除去されることで原水が軟水化される。軟水化された水は、さらに流路8を通って、中和槽4へ進む。中和槽4では、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用によって、軟水化された水に含まれる水素イオンが吸着される。つまり、処理後の軟水から水素イオンが除去されるので、低下したpHが上昇し、生活用水として軟水化した中性水となり、流路9を通過して取水口5から取り出すことができる。
そして、軟水化装置1では、第一イオン濃度検出部28によって、流路9を流通する軟水(処理水)のイオン濃度を常に検出し、制御部32で特定された時間帯になった場合もしくはイオン濃度が予め設定された基準値を超えた場合に再生処理を実行する。
以上のようにして、軟水化装置1では、軟水化処理と再生処理とが繰り返して実行される。
次に、図5を参照して、軟水化装置1の制御部32について説明する。図5は、軟水化装置1の制御部32の構成を示すブロック図である。
制御部32では、軟水化装置1の再生処理が必要なタイミングとなった場合に、再生処理を実行する。
制御部32は、図5に示すように、入力部32a、処理部32b、出力部32c、記憶部32d、及び計時部32eを備える。
入力部32aは、第一イオン濃度検出部28から、軟水化処理中の、中和槽4を流通した軟水のイオン濃度に関する情報を第一情報として受け付ける。また、入力部32aは、第二イオン濃度検出部29から、再生処理中の電解槽12から送出された酸性電解水のイオン濃度に関する情報を第二情報として受け付ける。入力部32aは、受け付けた第一情報及び第二情報を処理部32bに出力する。
記憶部32dは、入力部32aが受け付けた第一情報及び第二情報を記憶する。また、記憶部32dは、再生装置6の各機器(電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、選択弁41、開閉弁43)の切り替え動作に関する情報を第三情報として記憶する。また、記憶部32dには、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理完了を示すイオン濃度に関する情報を第四情報として予め記憶する。また、記憶部32dには、電解槽12から送出された酸性電解水を貯留槽40側に流通させるイオン濃度に関する情報を第五情報として予め記憶する。
記憶部32dは、記憶した第一情報~第五情報を処理部32bに出力する。
計時部32eは、現在時刻に関する第六情報を処理部32bに出力する。
処理部32bは、記憶部32dからの第一情報~第五情報と、計時部32eからの第六情報とを受け付ける。処理部32bは、前述した通り、再生装置6による中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生状態に関するイオン濃度に関する情報(第一情報)と、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理完了を示すイオン濃度に関する情報(第四情報)とに基づいて、中和槽の再生状態に基づいた制御情報(第一制御情報)を特定する。また、処理部32bは、再生処理中の電解槽12から送出された酸性電解水のイオン濃度に関する情報(第二情報)と、電解槽12から送出された酸性電解水を貯留槽40側に流通させるイオン濃度に関する情報(第五情報)とに基づいて、再生時(第一状態)と再生時(第二状態)とを切り替える制御情報(第二制御情報)を特定する。そして、処理部32bは、特定した制御情報(第一制御情報、第二制御情報)を出力部32cに出力する。
そして、再生装置6は、出力部32cから出力された制御情報に応じて各機器(電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、選択弁41、開閉弁43)の動作を実行する。
以上、本実施の形態1に係る軟水化装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1は、軟水化槽3と、中和槽4と、電解槽12と、処理槽14と、制御部32とを備える。軟水化槽3は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する。中和槽4は、軟水化槽3を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂11により中和する。電解槽12は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生するための酸性電解水と、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生するためのアルカリ性電解水との2種の電解水を生成する。処理槽14は、軟水化槽3を流通した酸性電解水と中和槽4を流通したアルカリ性電解水とを混合して電解槽12に供給する。制御部32は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10及び中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理を制御する。そして、制御部32は、再生処理の初期において、中和槽4を通過したアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御した。
これにより、再生処理の初期において、中和槽4から放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物(電解槽12での電気分解により生じる塩化物イオンの電解生成物)が軟水化槽3に流入しなくなる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂10の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置1の耐久性を向上させることができる。
(2)軟水化装置1は、電解生成物を含む酸性電解水を貯留可能に構成された貯留槽40をさらに備えており、制御部32は、電解生成物を含む酸性電解水を貯留槽40に送出することにより、酸性電解水に含まれる電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御した。これにより、貯留槽40によって酸性電解水が貯留されるため、再生処理時に中和槽4から放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンの電解生成物が軟水化槽3に流入しなくなる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂10の劣化をより確実に抑制でき、軟水化装置3の耐久性をさらに向上させることができる。
(3)軟水化装置1では、制御部32は、電解槽12を流通した後の電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御した。これにより、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽3に流入しないようにするため、塩化物イオンの電解生成物の軟水化槽3への流入をより正確に制御できる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂10の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置1の耐久性を向上させることができる。
(4)軟水化装置1では、制御部32は、イオン濃度(電解槽12を流通した後の電解水のイオン濃度)が基準値未満である場合に、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に流通させるように制御した。これにより、イオン濃度が基準値未満である場合に、酸性電解水を軟水化槽3に流通させるので、電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を抑制しつつ、酸性電解水による軟水化槽3中の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る軟水化装置1aについて説明する。
本発明の実施の形態2に係る軟水化装置1aは、第二イオン濃度検出部29を設けないという点で実施の形態1と異なる。これ以外の軟水化装置1aの構成は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態2に係る軟水化装置1aでは、第一イオン濃度検出部28aが、第一イオン濃度検出部28と第二イオン濃度検出部29の働きを兼ねている。
第一イオン濃度検出部28aは、流路9に設けられている。第一イオン濃度検出部28aは、軟水化処理時に流路9を流通する軟水のイオン濃度(硬度成分、塩化物イオンを含む濃度)を検出する。そして、軟水化装置1aでは、再生処理状態(第一状態、第二状態)の切り替えを、第一イオン濃度検出部28aが検出したイオン濃度に基づいて行う。
具体的には、軟水化装置1aでは、再生処理時において、第一イオン濃度検出部28aが検出したイオン濃度が予め設定された基準値未満である場合は、再生時(第一状態)とし、イオン濃度が基準値以上である場合には、再生時(第二状態)とするように切り替える。
以上、本実施の形態2に係る軟水化装置1aによれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1aでは、制御部32は、中和槽4を流通した後の電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御した。これにより、イオン濃度が基準値以上である場合に、電解生成物が軟水化槽3に流入しないようにするため、塩化物イオンの電解生成物の軟水化槽3への流入をより正確に制御できる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂10の劣化を抑制することが可能となり、軟水化装置1の耐久性を向上させることができる。
(2)軟水化装置1aでは、制御部32は、イオン濃度(中和槽4を流通した後の電解水のイオン濃度)が基準値未満である場合に、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に流通させるように制御した。これにより、イオン濃度が基準値未満である場合に、酸性電解水を軟水化槽3に流通させるので、酸性電解水による軟水化槽3中の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。
(3)軟水化装置1aでは、第一イオン濃度検出部28aが、第一イオン濃度検出部28と第二イオン濃度検出部29の働きを兼ねている。これにより、構成要素数を削減することができ、軟水化装置1aの低コスト化及び低電力化が図れる。
なお、本実施の形態2に係る軟水化装置1aでは、流路9に第一イオン濃度検出部28aを設けたが、第一イオン濃度検出部28aの設置場所はこれに限らない。例えば、装置外にそれぞれのイオン濃度検出部を設けてアルカリ性電解水のイオン濃度を検出するようにしてもよい。このように構成しても同様の効果を享受することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る軟水化装置1bについて説明する。
本発明の実施の形態3に係る軟水化装置1bは、第一イオン濃度検出部28及び第二イオン濃度検出部29を設けていない点で実施の形態1と異なる。これ以外の軟水化装置1bの構成は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
実施の形態1に係る軟水化装置1では、第一イオン濃度検出部28が検出したイオン濃度に基づいて、再生処理時に酸性電解水の通水方向の切り替えを行った。一方、本実施の形態3に係る軟水化装置1bでは、再生処理の際には、再生処理開始(電解槽12による電気分解の開始)から一定期間(例えば、10分)には、電解槽12からの酸性電解水が軟水化槽3に流入しないように制御する。そして、軟水化装置1bは、再生処理開始から一定期間の経過後には、酸性電解水が軟水化槽3に流通するように制御する。
以上、本実施の形態3に係る軟水化装置1bによれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1bでは、制御部32は、再生処理の際に、電解槽12が電気分解を開始してから一定期間、電解生成物が軟水化槽3に流入しないように制御した。これにより、再生処理の際に、電解槽12が電気分解を開始してから一定期間、中和槽4から多量に放出されるアルカリ性電解水に含まれる塩化物イオンに起因して生じる電解生成物が軟水化槽3に流入するのを抑制することができる。そのため、塩化物イオンの電解生成物に起因して生じる弱酸性陽イオン交換樹脂10の劣化をより確実に抑制でき、軟水化装置1の耐久性をさらに向上させることができる。
(2)軟水化装置1bでは、制御部32は、一定期間の経過後に、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に流通させるように制御した。これにより、再生処理開始から一定期間の経過後に、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に流通させるので、酸性電解水による軟水化槽3中の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。
(3)軟水化装置1bは、第一イオン濃度検出部28及び第二イオン濃度検出部29を設けていない。これにより、構成要素数を削減することができ、軟水化装置1bの低コスト化及び低電力化が図れる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る軟水化装置1cについて、図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態4に係る軟水化装置1cの構成を示す概念図である。
本発明の実施の形態4に係る軟水化装置1cは、図6に示すように、第一供給流路17に接続された貯留槽40に替えて、第二回収流路20と接続された貯留槽40aが設けられているという点で実施の形態1と異なる。これ以外の軟水化装置1cの構成は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態4に係る軟水化装置1cは、貯留槽40aは、排出流路42aを介して第二回収流路20に接続されている。
貯留槽40aは、中和槽4から送出された塩化物イオンを含むアルカリ性電解水を貯留する。貯留槽40aは、排出流路42aを介して第二回収流路20と接続されている。貯留槽40aを設けることにより、再生処理時において、塩化物イオンを含むアルカリ性電解水を貯留することが可能となる。そのため、選択弁41aの通水方向を制御することにより、アルカリ性電解水の流通先を処理槽14とするか、貯留槽40aとするかを選択できる。また、貯留槽40aの下流側には、開閉弁43aがある。開閉弁43aを開放することにより、貯留槽40aに貯留されたアルカリ性電解水(塩化物イオンを含むアルカリ性電解水)を排水することができる。
以上、本実施の形態4に係る軟水化装置1cによれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1cでは、第二回収流路20と接続された貯留槽40aが設けられている。これにより、塩化物イオンを含む電解水が電解槽12に流入する前に貯留槽40aに送水されるので、塩化物イオンを含む電解水の電解生成物が軟水化槽3へ流入することを抑制できる。
なお、貯留槽40の接続場所はこの限りではない。例えば、貯留槽40aは、排出流路42aを介して、送水流路33上に接続されてもよい。ここで重要なことは、塩化物イオンを含む電解水の電解生成物を、軟水化槽3へ流通させないことである。そのため、貯留槽40aに関して、塩化物イオンを含む電解水及び塩化物イオンを含む電解水の電解生成物を回収できれば、接続場所は問わない。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る軟水化装置1dについて説明する。
本発明の実施の形態5に係る軟水化装置1dは、貯留槽40が処理槽14と連通接続されているという点で実施の形態1と異なる。これ以外の軟水化装置1dの構成は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態5に係る軟水化装置1dでは、貯留槽40と処理槽14とが送出流路44dにより連通接続される。この時の通水方向は、貯留槽40が上流側、処理槽14が下流側とする。
以上、本実施の形態5に係る軟水化装置1dによれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1dでは、制御部32は、軟水化槽3(弱酸性陽イオン交換樹脂10)及び中和槽4(弱塩基性陰イオン交換樹脂11)の再生後に、貯留槽40に貯留された酸性電解水を貯留槽40から処理槽14に送出する制御を行うことができる。このようにすることで、貯留槽40から処理槽14に送出される酸性電解水によって、処理槽14に蓄積した析出物を溶解させることができ、処理槽14のメンテナンス作業負荷の低減に繋がる。また、酸性電解水による除菌消臭等が行える。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本発明に係る軟水化装置は、使用場所設置型浄水装置(POU:Point of Use)あるいは建物入口設置型浄水装置(POE: Point of Entry)に適用することが可能である。
1 軟水化装置
1a 軟水化装置
1b 軟水化装置
1c 軟水化装置
1d 軟水化装置
2 流入口
3 軟水化槽
4 中和槽
5 取水口
6 再生装置
7 流路
8 流路
9 流路
10 弱酸性陽イオン交換樹脂
11 弱塩基性陰イオン交換樹脂
12 電解槽
13 電極
14 処理槽
15 送水ポンプ
16 再生流路
16a 第一再生流路
16b 第二再生流路
16c 第三再生流路
17 第一供給流路
18 第一回収流路
19 第二供給流路
20 第二回収流路
21 開閉弁
22 開閉弁
23 開閉弁
24 開閉弁
25 開閉弁
26 開閉弁
27 開閉弁
28 第一イオン濃度検出部
28a 第一イオン濃度検出部
29 第二イオン濃度検出部
32 制御部
32a 入力部
32b 処理部
32c 出力部
32d 記憶部
32e 計時部
33 送水流路
34 ろ過部
35 開閉弁
36 開閉弁
37 空気抜き弁
40 貯留槽
40a 貯留槽
41 選択弁
41a 選択弁
42 排出流路
42a 排出流路
43 開閉弁
43a 開閉弁
44d 送出流路

Claims (9)

  1. 硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、
    前記軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する中和槽と、
    前記軟水化槽の前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、前記中和槽の前記弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水との2種の電解水を生成する電解槽と、
    前記軟水化槽を流通した前記酸性電解水と前記中和槽を流通した前記アルカリ性電解水とを混合して前記電解槽に供給する処理槽と、
    前記軟水化槽の前記弱酸性陽イオン交換樹脂及び前記中和槽の前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生処理を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記再生処理の初期において、前記中和槽を通過した前記アルカリ性電解水に含まれる前記塩化物イオンの電解生成物が前記軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とする軟水化装置。
  2. 前記電解生成物を含む前記酸性電解水を貯留可能に構成された貯留槽をさらに備え、
    前記制御部は、前記電解生成物を含む前記酸性電解水を前記貯留槽に送出することにより、前記酸性電解水に含まれる前記電解生成物が前記軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
  3. 前記制御部は、前記再生処理の際に、前記電解槽が電気分解を開始してから一定期間、前記電解生成物が前記軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の軟水化装置。
  4. 前記制御部は、前記一定期間の経過後に、前記電解槽からの前記酸性電解水を前記軟水化槽に流通させるように制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の軟水化装置。
  5. 前記制御部は、前記中和槽を流通した後の前記電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、前記イオン濃度が基準値以上である場合に、前記電解生成物が前記軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の軟水化装置。
  6. 前記制御部は、前記イオン濃度が前記基準値未満である場合に、前記電解槽からの前記酸性電解水を前記軟水化槽に流通させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の軟水化装置。
  7. 前記制御部は、前記電解槽を流通した後の前記電解水のイオン濃度に関する情報に基づいて、前記イオン濃度が基準値以上である場合に、前記電解生成物が前記軟水化槽に流入しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の軟水化装置。
  8. 前記制御部は、前記イオン濃度が前記基準値未満である場合に、前記電解槽からの前記酸性電解水を前記軟水化槽に流通させるように制御することを特徴とする請求項7に記載の軟水化装置。
  9. 前記制御部は、前記軟水化槽及び前記中和槽の再生後に、前記貯留槽に貯留された前記酸性電解水を前記貯留槽から前記処理槽に送出する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の軟水化装置。
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