JP2022026486A - 軟水化装置 - Google Patents

軟水化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022026486A
JP2022026486A JP2020129985A JP2020129985A JP2022026486A JP 2022026486 A JP2022026486 A JP 2022026486A JP 2020129985 A JP2020129985 A JP 2020129985A JP 2020129985 A JP2020129985 A JP 2020129985A JP 2022026486 A JP2022026486 A JP 2022026486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
flow path
ion concentration
water softening
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020129985A
Other languages
English (en)
Inventor
彩加 永田
Ayaka Nagata
唯 松本
Yui Matsumoto
弘樹 村瀬
Hiroki Murase
港 加藤
Minato KATO
大樹 石川
Daiki Ishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2020129985A priority Critical patent/JP2022026486A/ja
Priority to PCT/JP2021/019143 priority patent/WO2022004180A1/ja
Publication of JP2022026486A publication Critical patent/JP2022026486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

【課題】電気分解で生成した酸性電解水による弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を適切なタイミングで実行することが可能な軟水化装置を提供する。【解決手段】軟水化装置1は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する軟水化槽3と、弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生する再生装置6と、軟水化槽3の下流側に設けられ、軟水化槽3を流通した処理水に含まれるイオン濃度を検出するイオン濃度検出部28と、イオン濃度に基づいて特定される情報を通知する通知部(出力部32c)と、を備える。そして、通知部は、イオン濃度に基づいて特定される情報として、再生装置6による再生処理直後におけるイオン濃度に基づいて、軟水化処理中のイオン濃度を校正した校正イオン濃度に関する情報を通知する。【選択図】図1

Description

本発明は、生活水を得る軟水化装置に関するものである。
従来の弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた軟水化装置では、食塩を使用しない陽イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成した酸性電解水により陽イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。弱酸性陽イオン交換樹脂は、官能基の末端にプロトンを有しており、原水中に含まれるカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンを水素イオンに交換して原水を軟水化しているため、酸性電解水により弱酸性陽イオン交換樹脂の自動再生が可能になる。
特開2011-30973号公報
従来の軟水化装置では、弱酸性陽イオン交換樹脂の自動再生を行うタイミングは装置メーカーが規定している場合が多く、想定される原水の水質における高硬度地域を基準にして再生頻度の設定がされていることが主である。しかしながら、原水の硬度は地域差が大きいため、原水の水質がさらに高い高硬度地域では、実際には再生が間に合わず硬度成分が処理水に漏れ出す場合がある。一方で、原水の水質が比較的低硬度の地域では、樹脂のイオン交換能力があるにも関わらず再生を行う場合もあり、電解水を生成する電極寿命の浪費に繋がる。このため、従来の軟水化装置に対しては、処理水中の硬度を測定して樹脂再生に反映させることが求められているが、硬度成分であるカルシウム及びナトリウムイオンの濃度を選択的に測定する手段が確立されておらず、未だに実現されていない。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電気分解で生成した酸性電解水による弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を適切なタイミングで実行することが可能な軟水化装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る軟水化装置は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する再生装置と、軟水化槽の下流側に設けられ、軟水化槽を流通した処理水に含まれるイオン濃度を検出するイオン濃度検出部と、イオン濃度に基づいて特定される情報を通知する通知部と、を備える。そして、通知部は、イオン濃度に基づいて特定される情報として、再生装置による再生処理直後におけるイオン濃度に基づいて、軟水化処理中のイオン濃度を校正した校正イオン濃度に関する情報を通知することを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、電気分解で生成した酸性電解水による弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を適切なタイミングで実行することが可能な軟水化装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。 図2は、同軟水化装置の循環流路を示す構成図である。 図3は、同軟水化装置の動作時の状態を示す図である。 図4は、同軟水化装置の制御部の構成を示すブロック図である。
本発明に係る軟水化装置は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する再生装置と、軟水化槽の下流側に設けられ、軟水化槽を流通した処理水に含まれるイオン濃度を検出するイオン濃度検出部と、イオン濃度に基づいて特定される情報を通知する通知部と、を備える。そして、通知部は、イオン濃度に基づいて特定される情報として、再生装置による再生処理直後におけるイオン濃度に基づいて、軟水化処理中のイオン濃度を校正した校正イオン濃度に関する情報を通知する。
こうした構成によれば、校正イオン濃度に関する情報として、軟水化槽において除去すべきイオン成分(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)に相当する濃度が通知されるので、その他のイオン成分(ナトリウムイオン、カリウムイオン等)の濃度の影響を受けずに、軟水化装置の硬度除去能力が低下もしくは消失したことを容易に特定することができ、適切なタイミングで再生装置を稼働させて再生処理を実行することが可能となる。つまり、電気分解で生成した酸性電解水による弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を適切なタイミングで実行することが可能な軟水化装置とすることができる。
本発明に係る軟水化装置は、通知部からの校正イオン濃度に関する情報を表示する表示部を備えるようにしてもよい。このようにすることで、表示部に校正イオン濃度に関する情報が表示されるので、軟水化装置の利用者は、軟水化装置の硬度除去能力が低下もしくは消失していることを視覚的に知ることができる。このため、利用者は、適切なタイミングで再生装置を稼働させて再生処理を実行することが可能となる。
本発明に係る軟水化装置では、再生装置の動作を制御する制御部をさらに備え、制御部は、通知部から通知される校正イオン濃度に関する情報に基づいて、校正イオン濃度が基準値を超えた場合に、再生装置を稼働させるようにしてもよい。このようにすることで、軟水化装置の硬度除去能力が低下もしくは消失した場合に、再生装置を稼働させて再生処理を確実に実行することができるため、適切なタイミングでの自動再生が可能となり、使用者の再生に係る手間を省くことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1の構成を示す概念図である。なお、図1では、軟水化装置1の各要素を概念的に示している。
軟水化装置1は、外部から供給される市水(硬度成分を含む原水)を、生活水として使用可能な中性の軟水として生成する装置である。
具体的には、図1に示すように、軟水化装置1は、外部からの原水の流入口2と、軟水化槽3と、中和槽4と、処理後の軟水の取水口5と、再生装置6を備えている。また、再生装置6は、電解槽12と、処理槽14と、送水ポンプ15と、分離槽としてのろ過部34とを含んで構成される。また、軟水化装置1は、複数の開閉弁(開閉弁21~開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36)と、イオン濃度検出部28、表示部31と、制御部32とを含んで構成される。
流入口2は市水に接続されている。軟水化装置1は、市水の圧力で取水口5から軟水化処理後の水を取り出すことができるものである。
流入口2から取水口5までは、流路7、流路8、流路9によって接続されている。流路7は、流入口2から軟水化槽3までを接続した流路である。流路8は、軟水化槽3から中和槽4までを接続した流路である。流路9は、中和槽4から取水口5までを接続した流路である。
言い換えると、流路7は、硬度成分を含む原水を流入口2から軟水化槽3へ導く流路である。また、流路8は、軟水化槽3で軟水化された原水を中和槽4に導く流路である。流路9は、中和槽4により中和された軟水を取水口5へ導く流路である。
つまり、軟水化装置1では、軟水化処理において、外部から供給される市水が、流入口2、流路7、軟水化槽3、流路8、中和槽4、流路9、取水口5の順に流通して、中性の軟水として排出される。
軟水化槽3には弱酸性陽イオン交換樹脂10が充填され、中和槽4には弱塩基性陰イオン交換樹脂11が充填されている。
ここで、弱酸性陽イオン交換樹脂10としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、カルボキシル基(-COOH)を交換基とするものが挙げられる。また、カルボキシル基の対イオンである水素イオン(H+)が、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4+)等の陽イオンとなっているものでもよい。
また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、遊離塩基型となっているものが挙げられる。
軟水化槽3は、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により、硬度成分を含む原水を軟水化する。より詳細には、軟水化槽3は、官能基の末端に水素イオンを有する弱酸性陽イオン交換樹脂10を備えている。軟水化槽3は、流通する水(原水)に含まれる硬度成分である陽イオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を水素イオンと交換するため、原水の硬度が下がり、原水を軟水化することができる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂10の官能基の末端が水素イオンであるため、後述する再生処理において、酸性電解水を用いて弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。
軟水化槽3には、流路7から硬度成分を含む原水が通水され、内部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂10を通過することで、硬度成分を含む原水を軟水として流路8を介して中和槽4へ通水させる。ただし、弱酸性陽イオン交換樹脂10で処理された軟水は、硬度成分と交換されて出てきた水素イオンを多く含む。
中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用により、軟水化槽3から出てきた水素イオンを含む軟水(酸性化した軟水)のpHを中和し、中性水(中性の軟水)に変換するものである。より詳細には、中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を備えており、軟水化槽3からの軟水に含まれる水素イオンをアニオン(陰イオン)とともに吸着するため、軟水のpHが上がり、中性の軟水とすることができる。また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11は、後述する再生処理において、アルカリ性電解水を用いて再生を行うことができる。
中和槽4には、流路8から水素イオンを含む軟水が通水され、内部に充填された弱塩基性陰イオン交換樹脂11を通過することで、軟水化槽3から出てきた酸性化した軟水を中和して中性の軟水として流路9を通して外部へ通水させる。
再生装置6は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生させ、且つ、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生させる機器である。具体的には、再生装置6は、上述した通り、電解槽12と、処理槽14と、送水ポンプ15と、ろ過部34とを含んで構成される。そして、再生装置6は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路17、第一回収流路18、第二供給流路19、及び第二回収流路20がそれぞれ接続されている。そして、各流路は、後述する循環流路16(第一循環流路16a、第二循環流路16b)を構成している。
ここで、第一供給流路17は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路であり、第一回収流路18は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を処理槽14へ回収する流路である。また、第二供給流路19は、電解槽12から中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路であり、第二回収流路20は、中和槽4を通過した水を処理槽14へ回収する流路である。
電解槽12は、内部に設けた電極13を用いて、入水した水(処理槽14から供給される水)を電気分解することによって、酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成して排出する。そして、電解槽12は、酸性電解水を、第一供給流路17を介して軟水化槽3に供給し、アルカリ性電解水を、第二供給流路19を介して中和槽4に供給する。詳細は後述するが、電解槽12によって生成された酸性電解水は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生に使用され、電解槽12によって生成されたアルカリ性電解水は、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用される。なお、電解槽12は、後述する制御部32によって、電極13への通電状態を制御できるように構成されている。
処理槽14は、空気抜き弁37を備えたタンクまたは容器である。処理槽14は、弱酸性陽イオン交換樹脂10及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生するときに循環流路16(図2参照)内を循環させる水を確保し、貯留するものである。また、処理槽14は、軟水化槽3を流通した硬度成分を含む酸性電解水と、中和槽4を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合し、電解槽12に供給するものである。処理槽14では、混合された硬度成分とアルカリ性電解水とが反応することにより反応生成物(原水に含まれる硬度成分に起因した反応生成物)が生成される。
より詳細には、処理槽14には、軟水化槽3内の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生した後における、硬度成分が含まれる酸性電解水が第一回収流路18を介して通水される。また、処理槽14には、中和槽4内の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生した後における、陰イオンが含まれるアルカリ性電解水が第二供給流路19を介して通水される。そして、処理槽14において、硬度成分を含む酸性電解水と、陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合し、硬度成分がアルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンの場合、アルカリ性電解水と混合されることにより、炭酸カルシウムが生じたり、水酸化カルシウムが生じる反応が起こったりする。そして、反応した硬度成分は、反応生成物として分離することが可能となる。
なお、「硬度成分が反応する」とは、硬度成分すべてが反応することのみならず、処理槽14に反応しない成分もしくは溶解度積を超えない成分が含まれている状態も含むものとする。
そして、処理槽14により硬度成分が反応して得られた処理水は、電解槽12に通水され、電解槽12において電気分解され、酸性電解水及びアルカリ性電解水となって軟水化槽3及び中和槽4にそれぞれ供給される。そして、酸性電解水及びアルカリ性電解水は、それぞれ、軟水化槽3及び中和槽4において再利用された後、再び処理槽14へ通水(回収)される。従って、従来であれば廃棄していた、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用した酸性電解水及びアルカリ性電解水を、本実施の形態においては再利用することができる。しかも、硬度成分が反応した水を再利用するため、弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生する際の再生効率の低減を抑えることができる。
送水ポンプ15は、再生装置6による再生処理の際に、循環流路16(図2参照)に水を循環させる機器である。送水ポンプ15は、処理槽14と電解槽12との間を連通接続する送水流路33に設けられている。なお、送水ポンプ15は、電解槽12の上流側、且つ、処理槽14の下流側に配置することが好ましい。このような配置とするのは、一つの送水ポンプ15で、後述する第一循環流路16a及び第二循環流路16bに水を循環させやすくなるからである。また、送水ポンプ15は、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続されている。
ろ過部34は、処理槽14から電解槽12へ繋がる送水流路33の前段に設けられている。そして、ろ過部34は、処理槽14を流通した水に含まれる反応生成物(軟水化槽3を流通した硬度成分を含む酸性電解水と中和槽4を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水とが反応することにより生成する反応生成物)を分離する。
ろ過部34は、処理槽14における硬度成分との反応生成物を分離可能であればその形態は問わない。例えば、粒状ろ材を用いたろ過層、サイクロン型の固液分離機、中空糸膜等を用いる形態が挙げられる。
複数の開閉弁(開閉弁21~開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36)は、各流路にそれぞれ設けられ、各流路において「開放」した状態と、「閉止」した状態とを切り替える。複数の開閉弁のそれぞれは、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続されている。
イオン濃度検出部28は、流路9に設けられ、流路9を流通する軟水(処理水)に含まれる硬度成分(カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)のイオン濃度を検出する。イオン濃度検出部28は、後述する制御部32と無線又は有線により通信可能に接続され、検出したイオン濃度に関する情報は、制御部32の入力信号として用いられる。イオン濃度検出部28としては、汎用的なものを使用することができ、例えば、液体の電気伝導率を測定する検出器あるいは水中に含まれるTDS(Total Dissolved Solid:総溶解固形物)の量を測定する検出器が挙げられる。
水(純水)は、それ自体ほぼ電気を通さない絶縁体であるが、種々の物質が溶解(イオン化)することで通電する。つまり、液体の電気伝導率は、液体中に含まれるイオン化した物質量の指標となる。一般的な市水においては、市水の水源となる河川水あるいは地下水に多く含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの含有量に比例する。
また、TDSは、水中に溶解する無機塩類(主にカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、重炭酸塩、塩化物、硫酸塩)と水に溶解する有機物の濃度の総計を表す。再生処理直後の弱酸性陽イオン交換樹脂10は高いイオン交換能力を有し、原水中の硬度成分の多くを除去するため、この時の処理水中のイオン濃度はナトリウムやカリウム等、軟水化処理に関与しないイオン成分量の測定値となる。同一水系の水において、電気伝導度とTDSは近似的に比例関係にある。
いずれの場合も、イオン濃度検出部28が検出するイオン濃度は、軟水化槽3で除去すべき硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオン以外のイオンの濃度情報も反映される。すなわち、硬度成分が軟水化槽3で除去されていても、イオン濃度は、ナトリウムイオン、カリウムイオンの含有量に応じて上昇するため、軟水化槽3で除去すべき硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンの硬度の情報のみを得ることが難しい。
そこで、本実施の形態では、後述する制御部32によって、再生装置6による軟水化槽3の再生処理直後における軟水のイオン濃度に基づいて、軟水化処理中の軟水のイオン濃度を校正した校正イオン濃度を算出する。具体的には、再生装置6による弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生処理終了後、初めて軟水化処理を行う際に流路9を流通する軟水のイオン濃度を校正基準値とし、この後の軟水化処理中に検出される軟水のイオン濃度から校正基準値を差し引くことで、軟水化槽3で処理されない硬度成分以外のイオン濃度の影響を相殺し、流路9を流通する軟水の硬度を校正イオン濃度として算出している。
ここで、校正基準値として、再生処理終了後に初めて流路9を流通する軟水のイオン濃度を用いるのは、再生処理直後の弱酸性陽イオン交換樹脂10は、高いイオン交換能力を有し、原水中の硬度成分の多くを除去するので、この時の軟水(処理水)中のイオン濃度がナトリウム、カリウム等の軟水化処理に関与しないイオン成分量に相当すると見なせるためである。
表示部31は、校正イオン濃度に関する情報を表示するものである。表示部31は、軟水化装置1の筐体に設置される液晶モニターであってもよいし、利用者が携帯するスマートホンの画面であってもよい。ここで、表示部31に表示される校正イオン濃度に関する情報は、軟水の硬度を数値とした情報あるいは硬度の再生基準値と校正イオン濃度との差を図示した情報であってもよい。これにより、軟水化装置1の利用者は、弱酸性陽イオン交換樹脂10の硬度除去能力が低下もしくは消失していることを視覚的に知ることができ、次回の再生までに使用できる水量をおおよそ把握することができる。
ここで、再生基準値は、校正イオン濃度の情報に基づき、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生が必要となる硬度値であり、校正イオン濃度が再生基準値を超過した場合には、利用者再生処理を開始させることが求められる。なお、再生基準値は、利用者または装置メーカーが定めるものである場合あるいは法令に基づくものである場合がある。例えば、WHOが定める「軟水」の硬度基準は、60ppm以下であり、日本の厚生省が定める水質管理目標設定項目における硬度基準は、100ppm以下となっている。いずれの場合も、再生基準値は、使用者の好みあるいは使用水質、用途により設定できるよう設計することで、あらゆる使用環境に対応可能となり好ましい。なお、再生基準値は、請求項の「基準値」に相当する。
制御部32は、硬度成分を含む原水を軟水化する軟水化処理を制御する。また、制御部32は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10及び中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理を制御する。さらに、制御部32は、軟水化装置1の軟水化処理と再生処理との間の切り替えを制御する。より詳細には、制御部32は、電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36の動作を制御し、軟水化処理と再生処理との間の切り替え、及びそれぞれの処理を実行させる。
制御部32の稼働は、利用者が表示部31の表示に基づいて行う。軟水化装置1には、稼働スイッチ30が設けられている。稼働スイッチ30は、制御部32と無線または有線で接続されている。軟水化装置1は、利用者が稼働スイッチ30を押すことにより、制御部32からの制御信号に基づいて再生装置6が稼働し、軟水化槽3(弱酸性陽イオン交換樹脂10)及び中和槽(弱塩基性陰イオン交換樹脂11)の再生処理を実行する。
稼働スイッチ30(図4参照)には、軟水化装置1に設けられたスイッチが用いられるが、実現可能な構成はこれに限られるものではなく、例えば、スマートホンで利用するアプリ等、ネットワーク上に設けることもでき、これにより再生処理の実行を遠隔で操作することも可能となる。
次に、図2及び図3を参照して、軟水化装置1の循環流路16について説明する。図2は、軟水化装置1の流路を示す図である。図3は、軟水化装置1の動作時の状態を示す図である。
説明が重複するが、図2に示すように、軟水化装置1において、再生装置6を構成する電解槽12及び処理槽14は、送水流路33によって連通接続される。また、電解槽12及び処理槽14は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路17、第一回収流路18、第二供給流路19、及び第二回収流路20によってそれぞれ連通接続されている。そして、再生装置6では、各流路の組み合わせによって循環流路16が構成されている。
第一供給流路17は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路であり、その流路には、開閉弁21が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12から酸性電解水を引き出して軟水化槽3の上流側へ送水可能とする第一供給流路17を備える。
そして、第一回収流路18は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を処理槽14へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁22が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、処理槽14の上流側を軟水化槽3の下流側に接続可能とする第一回収流路18を備える。
第二供給流路19は、電解槽12から中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路であり、その流路には、開閉弁23が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12からアルカリ性電解水を引き出して中和槽4の上流側へ送水可能とする第二供給流路19を備える。
そして、第二回収流路20は、中和槽4を通過した水を処理槽14へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁24が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、処理槽14の上流側を中和槽4の下流側に接続可能とする第二回収流路20を備える。
循環流路16は、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、軟水化槽3を流通する第一循環流路16aと、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、中和槽4を流通する第二循環流路16bとを含む。
第一循環流路16aは、図2(白矢印)に示すように、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、電解槽12と軟水化槽3とを流通して処理槽14に戻って循環する流路である。より詳細には、第一循環流路16aは、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、送水流路33、電解槽12、第一供給流路17、開閉弁21、軟水化槽3、第一回収流路18、開閉弁22、処理槽14の順に流通して循環する流路である。
第二循環流路16bは、図2(黒矢印)に示すように、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、電解槽12と中和槽4とを流通して処理槽14に戻って循環する流路である。より詳細には、第二循環流路16bは、送水ポンプ15によって処理槽14から送出された水が、送水流路33、電解槽12、第二供給流路19、開閉弁23、中和槽4、第二回収流路20、開閉弁24、処理槽14の順に流通して循環する流路である。
ここで、循環流路16において水(処理水)を循環させるために、流路7には、流入口2の下流側に開閉弁25が設置されている。そして、開閉弁25を閉止して、開閉弁21を開放することで、軟水化槽3の上流側に第一供給流路17が連通接続された状態となる。これにより、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に供給できるようになる。
また、流路8には、第一回収流路18の下流側、且つ、第二供給流路19の上流側に開閉弁26が設置されている。そして、開閉弁26を閉止して、開閉弁22を開放することで、軟水化槽3の下流側に第一回収流路18が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、軟水化槽3を流通した水(硬化成分を含む酸性電解水)を処理槽14へ回収することができるようになる。
また、開閉弁26を閉止して、開閉弁23を開放することで、中和槽4の上流側に第二供給流路19が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、電解槽12からのアルカリ性電解水を中和槽4に供給できるようになる。
また、流路9には、中和槽4の下流側に開閉弁27が設置されている。そして、開閉弁27を閉止して、開閉弁24を開放することで、中和槽4の下流側に第二回収流路20が連通接続された状態となる。これにより、第二回収流路20を通過した水(陰イオンを含むアルカリ性電解水)を処理槽14へ回収することができるようになる。
また、流路9には、第二回収流路20の下流側、且つ、開閉弁27の上流側にイオン濃度検出部28が設置されている。これにより、流路9を流通する軟水のイオン濃度(硬度成分濃度)を検出できるようになる。
また、送水流路33には、処理槽14の下流側(処理槽14と送水ポンプ15との間の位置)に開閉弁35が設置されている。そして、開閉弁27を閉止することによって、循環流路16への水の循環を開始することができる一方、開閉弁27を開放することによって、循環流路16への水の循環を停止することができる。
次に、再生処理を起点とした軟水化装置1の軟水化処理及び再生処理について説明する。
軟水化処理及び再生処理では、制御部32は、図3に示すように、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36、電解槽12の電極13、及び送水ポンプ15を切り替えてそれぞれの流通状態となるように制御する。なお、制御部は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているとしたが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
ここで、図3中の「ON」は、該当の開閉弁が「開放」した状態、電極13が通電している状態、送水ポンプ15が動作している状態をそれぞれ示す。空欄は、該当の開閉弁が「閉止」した状態、電極13が通電していない状態、送水ポンプ15が停止している状態をそれぞれ示す。
[再生処理]
まず、軟水化装置1の再生装置6による再生処理時の動作について、図3の「水注入時」、「再生時」、及び「排水時」の欄を参照して順に説明する。
軟水化装置1において、弱酸性陽イオン交換樹脂10を充填した軟水化槽3は、使用を続けると陽イオン交換能力が低下または消失する。すなわち、陽イオン交換樹脂の官能基である水素イオンすべてが、硬度成分であるカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンと交換された後は、イオン交換ができなくなる。このような状態になると、硬度成分が処理水中に含まれるようになる。このため、軟水化装置1では、再生装置6による軟水化槽3及び中和槽4の再生処理を行う必要が生じる。
本実施の形態では、軟水化装置1は、イオン濃度検出部28によって流路9を流通する軟水(処理水)中のイオン濃度を検出し、後述の校正基準値によって校正イオン濃度に換算される。そして、表示部31に校正イオン濃度に関する情報が表示される。利用者は、表示部31を見て必要に応じて利用者が稼働スイッチ30を押すことによって、軟水化装置1の再生処理の実行を開始させる。
そして、軟水化装置1では、利用者からの指示(稼働スイッチ30の「オン」)に基づいて、制御部32が再生装置6の動作を制御する。
まず、図3に示すように、水注入時において、すなわち再生装置6による軟水化槽3及び中和槽4の再生の初期において、開閉弁25及び開閉弁22を開放する。これにより、軟水化装置1は、市水の圧力によって、流入口2から軟水化槽3を通して原水を処理槽14へ導入する。この時、開閉弁21、開閉弁26、開閉弁35、及び開閉弁36は閉止している。処理槽14に所定の量の水を貯留することで、再生装置6は、再生時の水の量を確保することができる。
次に、再生時において、開閉弁25、開閉弁26、及び開閉弁27を閉止して、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、及び開閉弁35を開放すると、図2に示すように、第一循環流路16a及び第二循環流路16bがそれぞれ形成される。
そして、電解槽12の電極13及び送水ポンプ15を動作させると、処理槽14に貯留した水が第一循環流路16a及び第二循環流路16bのそれぞれを循環することとなる。
この際、電解槽12で生成した酸性電解水は、第一供給流路17を通って軟水化槽3内に送水され、内部の弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通させることで、弱酸性陽イオン交換樹脂10に吸着されている陽イオン(硬度成分)が、酸性電解水に含まれる水素イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱酸性陽イオン交換樹脂10が再生される。その後、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した酸性電解水は、陽イオンを含み、第一回収流路18へ流れ込む。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した陽イオンを含む酸性電解水は、第一回収流路18を介して処理槽14内に回収される。
一方、電解槽12で生成したアルカリ性電解水は、第二供給流路19を通って中和槽4内に送水され、内部の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通する。すなわち、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通させることで、弱塩基性陰イオン交換樹脂11に吸着されている陰イオンが、アルカリ性電解水に含まれる水酸化物イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱塩基性陰イオン交換樹脂11が再生される。その後、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通したアルカリ性電解水は、陰イオンを含み、第二回収流路20へ流れ込む。すなわち、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水は、第二回収流路20を介して処理槽14内に回収される。
そして、処理槽14内では、軟水化槽3から回収された陽イオンを含む酸性電解水と、中和槽4から回収された陰イオンを含むアルカリ性電解水とが混合される。このとき、処理槽14内において、酸性電解水中の陽イオンである硬度成分がアルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンである場合、アルカリ性電解水により水酸化カルシウムが生じたり、水中に常在する炭酸イオンと結合して炭酸カルシウムが生じたりする。
その後、処理槽14中で処理された水は、ろ過部34を流通する際に反応生成物が除去され、送水流路33を介して電解槽12に再び通水される。そして、通水された水は、電解槽12において再び電解される。
ここで、電解槽12にて再び電解された電解水(酸性電解水、アルカリ性電解水)は、それぞれ弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生と弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に供される。つまり、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生に使用した酸性電解水が、処理槽14において、硬度成分が反応生成物に変化してろ過された状態から再び電解水として再利用されることとなる。しかも、再利用する電解酸性水は、外部から供給される市水(硬度成分を含む原水)の場合あるいは処理槽14を備えない場合と比較して、水に含まれる硬度成分が減少している。また、電解槽12の中で電解される時に、陽イオンである硬度成分は、アルカリ性電解水側へ移動するため、酸性電解水の硬度は下がり、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生効率の低下を抑えることができる。さらには、電解槽12及び軟水化槽3の内部において、硬度成分に起因する固着物の付着を抑制することができる。
そして、制御部32は、あらかじめ設定した規定時間が経過すると、再生処理を終了させる。つまり、制御部32は、電解槽12の電極13の通電を停止し、送水ポンプ15の動作を停止させる。そして、開閉弁36を開放すると空気抜き弁37の作用により、処理槽14内の水が外部に排水される。その後、開閉弁36を閉止させ、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27を切り替えることで軟水化処理へ移行する。
[軟水化処理]
軟水化装置1は、再生装置6による再生処理が終了すると軟水化処理に移行する。
次に、軟水化装置1による軟水化処理時の動作について、図3の「軟水化時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1では、図3に示すように、軟水化処理(軟水化時)において、開閉弁25と開閉弁26とを開放した状態で、取水口5に設けた開閉弁27を開放する。これにより、軟水化装置1は、外部から市水(硬度成分を含む原水)が軟水化槽3と中和槽4とを流通するので、取水口5から軟水化した水(中性の軟水)を取り出すことができる。このとき、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁35、開閉弁36は、いずれも閉止した状態になっている。また、電解槽12の電極13及び送水ポンプ15の動作も停止した状態である。
具体的には、図2に示すように、軟水化処理では、市水の圧力によって、供給される原水は、流入口2から流路7を通って、軟水化槽3に供給される。そして、軟水化槽3に供給された原水は、軟水化槽3内に備えられた弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。このとき、原水中の硬度成分である陽イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により吸着され、水素イオンが放出される(イオン交換がされる)。そして、原水から陽イオンが除去されることで原水が軟水化される。軟水化された水は、さらに流路8を通って、中和槽4へ進む。中和槽4では、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用によって、軟水化された水に含まれる水素イオンが吸着される。つまり、処理後の軟水から水素イオンが除去されるので、低下したpHが上昇し、生活用水として軟水化した中性水となり、流路9を通過して取水口5から取り出すことができる。
そして、軟水化装置1では、イオン濃度検出部28によって、流路9を流通する軟水(処理水)のイオン濃度を常に検出し、校正された校正イオン濃度に関する情報を表示部31に表示する。そして、軟水化装置1の再生処理が必要なタイミングとなった場合に、利用者が稼働スイッチ30を押して再生処理を実行させる。
以上のようにして、軟水化装置1では、軟水化処理と再生処理とが繰り返して実行される。
次に、図4を参照して、軟水化装置1の制御部32について説明する。図4は、軟水化装置1の制御部32の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、制御部32は、入力部32a、処理部32b、出力部32c、記憶部32d、及び計時部32eを備える。
入力部32aは、稼働スイッチ30からの再生開始指示の有無に関する第一情報と、イオン濃度検出部28からの流路9を流通する軟水(処理水)のイオン濃度に関する第二情報とを受け付ける。入力部32aは、受け付けた第一情報及び第二情報を処理部32bに出力する。
記憶部32dは、校正基準値(再生装置6による再生処理終了後、初めて軟水化処理を行う際に流路9を流通する軟水のイオン濃度)に関する第三情報を記憶する。また、記憶部32dには、再生装置6の各機器(電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36)の切り替え動作に関する情報も第三情報として記憶する。記憶部32dは、記憶した第三情報を処理部32bに出力する。
計時部32eは、現在時刻に関する第四情報を処理部32bに出力する。
処理部32bは、入力部32aからの第一情報及び第二情報と、記憶部32dからの第三情報と、計時部32eからの第四情報とを受け付ける。処理部32bは、受け付けた第一情報~第四情報を用いて、軟水化装置1の軟水化処理及び再生処理に関する制御情報を特定する。処理部32bは、特定した制御情報を出力部32cに出力する。
ここで、処理部32bでは、上述した通り、再生装置6による軟水化槽3の再生処理直後における軟水のイオン濃度(第二情報)と校正基準値(第三情報)とに基づいて、軟水化処理中の軟水のイオン濃度を校正した校正イオン濃度を算出している。
出力部32cは、処理部32bから受け付けた制御情報を再生装置6に出力する。また、出力部32cは、校正イオン濃度に関する情報を表示部31に出力する。なお、出力部32cは、請求項の「通知部」に相当する。
そして、再生装置6は、出力部32cから出力された制御情報に応じて各機器(電極13、送水ポンプ15、開閉弁21、開閉弁22、開閉弁23、開閉弁24、開閉弁25、開閉弁26、開閉弁27、開閉弁35、開閉弁36)の動作を実行する。また、表示部31は、出力部32cから出力された校正イオン濃度に関する情報を表示する。
以上のようにして、制御部32は、軟水化処理及び再生処理の制御を実行させる。
以上、本実施の形態1に係る軟水化装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する軟水化槽3と、弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生する再生装置6と、軟水化槽3の下流側に設けられ、軟水化槽3を流通した処理水に含まれるイオン濃度を検出するイオン濃度検出部28と、イオン濃度に基づいて特定される情報を通知する通知部(出力部32c)と、を備える。そして、通知部は、イオン濃度に基づいて特定される情報として、再生装置6による再生処理直後におけるイオン濃度に基づいて、軟水化処理中のイオン濃度を校正した校正イオン濃度に関する情報を通知するようにした。
このようにすることで、校正イオン濃度に関する情報として、軟水化槽3において除去すべきイオン成分(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)に相当する濃度が通知されるので、その他のイオン成分(ナトリウムイオン、カリウムイオン等)の濃度の影響を受けずに、軟水化装置1の硬度除去能力が低下もしくは消失したことを容易に特定することができ、適切なタイミングで再生装置6を稼働させて再生処理を実行することが可能となる。つまり、電気分解で生成した酸性電解水による弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生及びアルカリ性電解水による弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生を適切なタイミングで実行することが可能な軟水化装置1とすることができる。
(2)軟水化装置1は、通知部(出力部32c)からの校正イオン濃度に関する情報を表示する表示部31を備えるようにした。これにより、表示部31に校正イオン濃度に関する情報が表示されるので、軟水化装置1の利用者は、軟水化装置1の硬度除去能力が低下もしくは消失していることを視覚的に知ることができる。このため、利用者は、適切なタイミングで再生装置6を稼働させて再生処理を実行することが可能となる。
(3)軟水化装置1では、軟水化槽3を流通した軟水(処理水)に含まれるイオン濃度に基づいて、再生処理のタイミングを特定できるようにしている。つまり、硬度成分を除去した軟水(処理水)の水質の検出のみでイオン濃度を検出するので、原水中に多量の硬度成分が含まれている場合でも、イオン濃度検出部28へのスケール析出課題に左右されず実施可能となる。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本実施の形態1に係る軟水化装置1では、通知部(出力部32c)からの校正イオン濃度に関する情報を表示した表示部31を見た使用者が稼働スイッチ30を押して再生処理を実行させるようにしたが、これに限られない。例えば、通知部(出力部32c)からの校正イオン濃度に関する情報に基づいて、制御部32によって再生処理が自動的に行われるようにしてもよい。具体的には、制御部32は、校正イオン濃度が再生基準値未満である場合に、軟水化処理が継続して実行させるように制御し、校正イオン濃度が再生基準値を超えた場合に、再生装置6を稼働させるように制御する。このようにすることで、軟水化装置1の硬度除去能力が低下もしくは消失した場合に、再生装置6を稼働させて再生処理を確実に実行することができるため、適切なタイミングでの自動再生が可能となり、使用者の再生に係る手間を省くことができる。
また、本実施の形態1に係る軟水化装置1では、中和槽4の下流側にイオン濃度検出部28を設けたが、これに限られない。例えば、軟水化槽3の下流側、且つ、中和槽4の上流側にイオン濃度検出部28を設けるようにしてもよい。また、中和槽4を設けず、軟水化槽3の下流側にイオン濃度検出部28を設けるようにしてもよい。このようにしても同様の効果を享受することができる。
本発明に係る軟水化装置は、使用場所設置型浄水装置(POU:Point of Use)あるいは建物入口設置型浄水装置(POE: Point of Entry)に適用することが可能である。
1 軟水化装置
2 流入口
3 軟水化槽
4 中和槽
5 取水口
6 再生装置
7 流路
8 流路
9 流路
10 弱酸性陽イオン交換樹脂
11 弱塩基性陰イオン交換樹脂
12 電解槽
13 電極
14 処理槽
15 送水ポンプ
16 循環流路
16a 第一循環流路
16b 第二循環流路
17 第一供給流路
18 第一回収流路
19 第二供給流路
20 第二回収流路
21 開閉弁
22 開閉弁
23 開閉弁
24 開閉弁
25 開閉弁
26 開閉弁
27 開閉弁
28 イオン濃度検出部
30 稼働スイッチ
31 表示部
32 制御部
32a 入力部
32b 処理部
32c 出力部
32d 記憶部
32e 計時部
33 送水流路
34 ろ過部
35 開閉弁
36 開閉弁
37 空気抜き弁

Claims (3)

  1. 硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、
    前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する再生装置と、
    前記軟水化槽の下流側に設けられ、前記軟水化槽を流通した処理水に含まれるイオン濃度を検出するイオン濃度検出部と、
    前記イオン濃度に基づいて特定される情報を通知する通知部と、
    を備え、
    前記通知部は、前記イオン濃度に基づいて特定される情報として、前記再生装置による再生処理直後における前記イオン濃度に基づいて、軟水化処理中の前記イオン濃度を校正した校正イオン濃度に関する情報を通知することを特徴とする軟水化装置。
  2. 前記通知部からの前記校正イオン濃度に関する情報を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
  3. 前記再生装置の動作を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記通知部から通知される前記校正イオン濃度に関する情報に基づいて、前記校正イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記再生装置を稼働させることを特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
JP2020129985A 2020-06-30 2020-07-31 軟水化装置 Pending JP2022026486A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129985A JP2022026486A (ja) 2020-07-31 2020-07-31 軟水化装置
PCT/JP2021/019143 WO2022004180A1 (ja) 2020-06-30 2021-05-20 軟水化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129985A JP2022026486A (ja) 2020-07-31 2020-07-31 軟水化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022026486A true JP2022026486A (ja) 2022-02-10

Family

ID=80263456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020129985A Pending JP2022026486A (ja) 2020-06-30 2020-07-31 軟水化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022026486A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022004180A1 (ja) 軟水化装置
KR100851776B1 (ko) 연수화 장치 및 그 재생제어방법
JP5345344B2 (ja) スケール防止剤の供給管理方法および供給管理装置
JPH0884986A (ja) 純水又は超純水の製造方法及び製造装置
JP2009112921A (ja) 水処理システム
KR20110084391A (ko) 배수 처리 방법 및 배수 처리 장치
EP4252884A1 (en) Water softening device, recycling method for water softening device, and method for cleaning water softening device
JP2022026486A (ja) 軟水化装置
JP5305243B2 (ja) 水処理システム
JP4377104B2 (ja) 脱塩装置
WO2023032478A1 (ja) 軟水化装置
JP4859504B2 (ja) 水処理システム、及び、この水処理システムの制御方法
JP2778461B2 (ja) 軟水器の再生制御方法及びその装置
JP2022057057A (ja) 軟水化装置
JP4789764B2 (ja) 軟水器再生機能付き電解水生成装置
JP2022072527A (ja) 軟水化装置
JP2023023302A (ja) 軟水化装置
JP2022095010A (ja) 軟水化装置
JP2022034116A (ja) 軟水化装置
JPH1183832A (ja) 溶解性マンガンの検出方法および浄水処理システムにおける運転方法
WO2023145553A1 (ja) 軟水化装置
JP3477333B2 (ja) 酸化還元電位センサの洗浄方法
JP2023110825A (ja) 軟水化装置
JP2007260632A (ja) イオン交換樹脂の再生装置、この再生装置を備える水処理システム、この水処理システムの制御方法
JP3861533B2 (ja) 軟水装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20221021