JP2022072392A - 衣類仕上げ装置 - Google Patents

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成典 波戸
Shigenori Namito
直樹 北山
Naoki Kitayama
一志 森
Kazushi Mori
達司 島田
Tatsuji Shimada
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Abstract

【課題】衣類仕上げ装置のシワ取り性能を向上させる。【解決手段】衣類仕上げ装置1は、衣類がハンガー30に掛けた状態で収納される筐体2と、筐体2内を加湿する加湿ユニット70と、筐体2に収容された衣類に向けて送風する下側送風ユニット50および上側送風ユニット60と、加湿ユニット70、下側送風ユニット50および上側送風ユニット60の動作を、筐体2内を加湿した後に衣類に送風するように制御する制御部と、衣類の下端部分に対し、衣類の幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着され、ハンガー30に掛けられた衣類に対して筐体2内で自重により引っ張り荷重を均等に作用させる荷重付加器具10とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、衣類仕上げ装置に関する。
従来から、シャツなどの衣類のシワ取りが行える衣類仕上げ装置が知られている。例えば、特許文献1には、人体形状の一部を形どった人体型の袋を用いる衣類仕上げ装置が開示されている。この衣類仕上げ装置では、洗濯後の濡れた衣類またはミストやスチームで吸湿した衣類を人体型の袋に被着させ、衣類を被着した袋に温風を吹き入れて、袋を膨らませつつ、袋の内側から外側に温風を吹き出させることでシワ取りを行う。当該衣類仕上げ装置ではさらに、錘の付いたクリップが衣類の下側端末に取り付けられる。
特開2002-346296号公報
特許文献1に開示されるような衣類仕上げ装置では、人体型の袋を用いるため、対象にできる衣類のサイズやデザインが制限される。すなわち、人体型の袋が衣類のサイズやデザインと合っていないと、袋を膨らましたときに衣類が突っ張り、却ってシワを発生させてしまうおそれがある。さらに、錘の付いたクリップを衣類の下側端末に取り付けるため、衣類に対して局所的に引っ張り荷重が作用し、対象とする衣類において引っ張り荷重が作用する部分と引っ張り荷重が作用しない部分とで、シワの取れ具合に差が生じる。
本開示の技術の目的は、衣類仕上げ装置のシワ取り性能を向上させることにある。
上記の目的を達成するために、本開示の技術では、衣類に対して均等な引っ張り荷重をかけつつ、衣類を湿らせてからその内部に送風するようにした。
具体的には、本開示の第1の態様は、衣類仕上げ装置を対象とする。第1の態様の衣類仕上げ装置は、衣類がハンガーに掛けた状態で収容される筐体と、前記筐体内を加湿する加湿ユニットと、前記筐体に収容された前記衣類に向けて送風する送風ユニットと、前記加湿ユニットおよび前記送風ユニットの動作を、前記筐体内を加湿した後に前記衣類に送風するように制御する制御部と、前記筐体に収容された前記衣類の下端部分に対し、該衣類の幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着され、当該衣類に対して自重により引っ張り荷重を均等に作用させる荷重付加器具とを備える。
この第1の態様によると、荷重付加器具が、筐体に収容された衣類の下端部分のうち衣類の幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着される。そうすることで、荷重付加器具の自重により衣類に対して均等な引っ張り荷重が作用する。引っ張り荷重がかけられた衣類は、筐体内が加湿ユニットにより加湿されると、湿った状態となる。その後、湿った衣類に向けて送風ユニットにより送風することで、衣類を膨らませたり、衣類をはためかせたりできる。このように、衣類に対して均等な引っ張り荷重をかけつつ、衣類を湿らせてからその衣類に送風することで、衣類のシワ取りが効果的にできる。
本開示の第2の態様は、第1の態様の衣類仕上げ装置において、前記荷重付加器具が、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片と、該第1挟込片および該第2挟込片を前記衣類を挟み込んだ状態にロックするロック機構とを有する、衣類仕上げ装置である。そして、前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片は、前記衣類を挟み込む面を構成するプレート部材と、該プレート部材を他方の挟込片側に付勢する弾性部材とを有する。
この第2の態様によると、一方の挟込片の衣類を挟み込む面が弾性部材により他方の挟込片側に付勢されたプレート部材で構成されるので、一対の挟込片の間に挟み込んだ衣類を弾性部材の弾性力で抑え込むことができる。それにより、荷重付加器具を衣類に装着するだけで保持させることができる。このことは、荷重付加器具の取り扱い性を良くするのに有利である。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様の衣類仕上げ装置において、前記荷重付加器具が、前記衣類を弾性力により挟み込むピンチ部と、該ピンチ部の両側に設けられ、前記ピンチ部よりも広い幅に亘って前記衣類を挟み込む一対の挟込部とを有する、衣類仕上げ装置である。
この第3の態様によると、荷重付加器具が衣類を弾性力で挟み込むピンチ部およびその両側に位置する一対の挟込部を有するので、ピンチ部を衣類の下端部分のうち幅方向における中央部分に挟み込ませて取り付けることで、荷重付加器具を衣類に位置決めできる。そうして荷重付加器具を位置決めした状態で、一対の挟込部をそれぞれ衣類の下縁部分に挟み込ませて取り付けられる。このようにすると、荷重付加器具を衣類に容易に装着できる。
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つの衣類仕上げ装置において、前記荷重付加器具が、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片を有する、衣類仕上げ装置である。そして、前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片には、前記第1挟込片と前記第2挟込片との間に挟み込んだ前記衣類を視認可能にする窓部が設けられる。
この第4の態様によると、一方の挟込片に窓部が設けられているので、窓部を通じて第1挟込片と第2挟込片との間に挟み込まれた衣類の状態を確認できる。それによって、荷重付加器具を衣類の下端部分に正常に装着できる。
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つの衣類仕上げ装置において、前記荷重付加器具が、互いの間に前記衣類を抜き差し可能な開き状態と互いの間に差し入れられた前記衣類を挟み込む閉じ状態とに相対的に変位可能な第1挟込片および第2挟込片からなる挟込部と、前記挟込部を前記閉じ状態で解除可能にロックするロック機構と、前記挟込部が前記閉じ状態にあるときに、前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片を、他方の挟込片から離間させて前記挟込部が開き状態となる方向に付勢する付勢部材とを有する、衣類仕上げ装置である。
この第5の態様によると、挟込部が閉じ状態にあるときに、少なくとも一方の挟込片が、他方の挟込片から離間させて挟込部が開き状態となる方向に付勢されるので、ロック機構によるロックが解除されると、挟込部が自ずと開き状態となる。これによれば、衣類仕上げ装置で衣類のシワ取りをした後に、荷重付加器具を衣類から取り外すことが容易になる。
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つの衣類仕上げ装置において、前記荷重付加器具が、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片を有する、衣類仕上げ装置である。そして、前記第1挟込片および前記第2挟込片のうち、一方の挟込片には磁石が設けられ、他方の挟込片には前記磁石に吸着される磁性体が設けられる。
この第6の態様によると、一方の挟込片に設けられた磁石が他方の挟込片に設けられた磁性体を吸着するので、一対の挟込片の間に挟み込んだ衣類を磁石の吸着力で抑え込むことができる。それにより、荷重付加器具を衣類に装着するだけで保持させることができる。このことは、荷重付加器具の取り扱い性を良くするのに有利である。
本開示の技術によれば、衣類仕上げ装置のシワ取り性能を向上させることができる。
図1は、衣類仕上げ装置の一例を示す概略図である。右図は、衣類仕上げ装置の正面図(扉は省略)である。左図は、右図の矢印X-X線における断面図である。 図2は、衣類仕上げ装置の下部スペースの内部および下側送風ユニットを左側から見た概略図である。 図3は、衣類仕上げ装置の下部スペースの内部および下側送風ユニットを右側から見た概略図である。 図4は、衣類仕上げ装置の制御部と主な関連機器を示すブロック図である。 図5は、衣類仕上げ装置のフィルタの一例を示す概略斜視図である。 図6は、衣類仕上げ装置のハンガーの一例を示す概略斜視図である。 図7は、衣類仕上げ装置の天面に取り付けられた状態でのハンガーの概略断面図である。 図8は、衣類仕上げ装置に用いられる荷重付加器具の一例を示す概略斜視図である。 図9は、荷重付加器具の一例を示す平面図である。 図10は、図9の矢視Y-Y線における荷重付加器具の開き状態での断面図である。 図11は、図9のY-Y線における荷重付加器具の閉じ状態での断面図である。 図12は、図9のZ-Z線における荷重付加器具の閉じ状態での断面図である。 図13は、図9のZ-Z線における荷重付加器具のロック解除状態での断面図である。 図14は、図9のZ-Z線における荷重付加器具の開き状態での断面図である。 図15は、衣類仕上げ装置が行うシワ取りの制御例を示す、主な機器のタイムチャートである。 図16は、衣類仕上げ装置においてハンガーに掛けられた衣類の内部に上方から送風したときの様子を示す概略図である。 図17は、衣類仕上げ装置においてハンガーに掛けられた衣類の内部に上方および下方から送風したときの様子を示す概略図である。 図18は、第1変形例の荷重付加器具を示す側面図である。 図19は、第2変形例の荷重付加器具を示す概略斜視図である。 図20は、第2変形例の荷重付加器具の閉じ状態での断面図である。 図21は、第2変形例の荷重付加器具の開き動作を示す断面図である。 図22は、第3変形例の荷重付加器具を示す概略構成図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1~図3に、本開示の技術を適用した衣類仕上げ装置1を例示する。衣類仕上げ装置1は、所定のハンガー30に掛けた状態で、主に、ジャケットやシャツなどの衣類Cのシワ取りを自動的に行う装置である。衣類仕上げ装置1は、例えば更衣室や化粧室、クローゼットなどに設置して利用される。
衣類仕上げ装置1はさらに、衣類Cに付着した異物や臭気の除去処理、または衣類Cに殺菌処理を行う場合もある。衣類仕上げ装置1は、シワ取りや異物除去など、衣類Cをクリーニングに出したような仕上がりに、衣類Cの種類や素材に応じて、ボタン操作などにより指示するだけで自動的に仕上げる機能を有する。
-衣類仕上げ装置の構成-
衣類仕上げ装置1は、扉3付きの筐体2と、荷重付加器具10と、ハンガー30と、送風ユニットとしての下側送風ユニット50および上側送風ユニット60と、加湿ユニット70と、空調ユニット80と、制御部90とを備える。
筐体2は、前面が開口した縦長な箱形状に形成される。筐体2には、前面を揺動して開閉する扉3が設けられる。筐体2の内部には、衣類Cを収容する収容スペース4が形成される。扉3の前面には、タッチモニターやボタンスイッチなどで構成された操作部8が設置される。
筐体2の下部には、下部スペース21が設けられる。筐体2の上部には、上部スペース22が設けられる。上部スペース22には、上側送風ユニット60が設置される。下部スペース21には、加湿ユニット70と空調ユニット80とが設置される。下部スペース21にはさらに、下側送風ユニット50も設置される。なお、本例の下側送風ユニット50は、空調ユニット80から独立して設置される。
収容スペース4は、下部スペース21と上部スペース22との間に区画される。収容スペース4の天面には、ハンガー30が取り付けられる。本例の衣類仕上げ装置1は、3つのハンガー30が着脱可能に装着できるように構成される。
収容スペース4の床面には、スチーム吹出口5、エア吹出口6および吸込口7が形成される。例えば、スチーム吹出口5およびエア吹出口6は、前方に向かって下り傾斜した床面の後部に前後に並んだ状態で形成される。吸込口7は、略水平な床面の前部に形成される。
〈加湿ユニット、空調ユニット〉
図2および図3に示すように、加湿ユニット70は、収容スペース4を加湿する。加湿ユニット70は、給水タンク71およびスチーム発生装置72などで構成される。空調ユニット80は、収容スペース4の空気を調整する。空調ユニット80は、送風ユニットの一例である。空調ユニット80は、排水タンク81、循環ファン82、循環ダクト83および熱交換器84などで構成される。
給水タンク71および排水タンク81は、下部スペース21の前方に配置される。給水タンク71および排水タンク81は、筐体2に対して着脱可能である。給水タンク71に貯めた水は、給水ポンプ73でスチーム発生装置72に送られる。スチーム発生装置72は、ヒータで水を加熱して高温(例えば100℃)のスチームを発生させる。
スチーム発生装置72で発生したスチームは、図2および図3に破線矢印で示すように、スチーム吹出口5を通じて収容スペース4に供給される。収容スペース4に供給されたスチームは、空調ユニット80の循環ファン82が発生させる風により、収容スペース4の中で拡散される。
循環ファン82は、収納スペース4の空気を循環させる風力を発生させる。図2および図3に実線矢印で示すように、循環ファン82は、吸込口7から収容スペース4の空気を吸い込んで循環ダクト83に導入する。循環ダクト83は、下部スペース21において、収容スペース4の空気が流れる風路を構成する。循環ダクト83は、循環する空気を誘導する。循環ダクト83に導入された空気は、エア吹出口6から収納スペース4に吹き出される。エア吹出口6から吹き出された空気は、収容スペース4を横切るように上方へ向かう。そして、収容スペース4の上部の前側に至った後に、下降して吸込口7に吸い込まれる。
熱交換器84は、循環ダクト83における循環ファン82の下流側の部位に配置される。熱交換器84は、コンプレッサ841、コンデンサ842およびエバポレータ843などで構成される。熱交換器84は、循環ファン82によって下部スペース21に導入された空気の温度および湿度を調整する。熱交換器84は、主に、空気を除湿して乾燥させる。熱交換器84はさらに、空気を加熱して温風を発生させる。したがって、循環ファン82および熱交換器84が作動することで、収納スペース4には乾燥した温風が吹き出される。空調ユニット80で排出されるドレンは、排水ポンプ85によって排水タンク81に送られる。
〈下側送風ユニット〉
図2および図3に示すように、下側送風ユニット50は、ハンガー30に掛けられた衣類Cの内部に、下方から送風する下側送風ファン51を有する。下側送風ユニット50は、送風ユニットの一例である。下側送風ファン51は、ハンガー30と対向するように収納スペース4の床面に設置される。下側送風ファン51は、ファンケース511、ファン512およびルーバー513などで構成される。ルーバー513は、風向き調整手段の一例である。
ファン512は、例えば、クロスフローファンやシロッコファンなどであり、ファンケース511に収容される。ファンケース511の上面には、送風口5111が形成される。ファンケース511の側面には、空気取入口5112が形成される。図1の右図に実線矢印で示すように、下側送風ファン51は、ファン512が回転することで、収容スペース4の空気を、空気取入口5112からファンケース511の内部に取り入れて送風口5111から上方に向けて吹き出す。
ルーバー513は、ファンケース511の送風口5111に設けられる。ルーバー513は、送風方向の変更が可能な複数の羽板で構成される。下側送風ユニット50により送風される風向きは、ルーバー513の向きを調整することで、ハンガー30に掛けられた衣類Cに合わせて設定できる。
〈上側送風ユニット〉
図1に示すように、上側送風ユニット60は、フィルタ61、送風ファン62、送風ダクト63および送風口64などで構成される。上側送風ユニット60は、送風ユニットの一例である。送風ダクト63は、収容スペース4の天面の上部スペース22側に設けられた下流側ダクト631と、収容スペース4の後面の裏側に設けられた上流側ダクト632とを有する。
送風ファン62は、下流側ダクト631と上流側ダクト632との間に設置される。送風ダクト63には、送風ファン62が作動することにより、図1の左図に実線矢印で示すように、上流側ダクト632から下流側ダクト631に向かう空気の流れ(風)が形成される。
上流側ダクト632の上流側には、収容スペース4に連通する通風口633が形成される。通風口633は、収容スペース4の後面の上部に位置する。通風口633は、収容スペース4と略同一の横幅を有する比較的大きな矩形に形成される。収容スペース4の後面には、矩形板状のフィルタ61が通風口633を覆うように設置される。
図5に示すように、フィルタ61は、異物を除去する濾材611と、濾材611を覆うフィルタカバー612とで構成される。
フィルタカバー612は、複数の羽板でスリットが格子状に形成された前面吸込部6121と、複数のリブで複数のスリットが形成された側面吸込部6122とを有する。前面吸込部6121の形状は、格子状に限らず、空気が流入できる他の形状でもよい。前面吸込部6121は前方に面し、側面吸込部6122は上下および左右の方向に面する。したがって、収容スペース4の空気は、フィルタ61の前面および側面からフィルタ61の内部に吸引される。
フィルタ61に吸引された空気は、濾材611を通過してダストなどの異物が除去される。そうして浄化された空気は、通風口633を通じて上流側ダクト632に入り込み、下流側ダクト631に送られる。下流側ダクト631の下流側には、収容スペース4に連通する複数(本例では3つ)の送風口64が形成される。これら複数の送風口64は、収容スペース4の天面の横方向(左右方向)に間隔を隔てて横並びに配置される。
図7に示すように、複数の送風口64はそれぞれ、収容スペース4の天面に開口する開口部641と、開口部641と一体に設けられた接続部642とを有する。開口部641および接続部642は、前後方向に長い略長方形状をしている。これら複数の送風口64にはそれぞれ、接続部642を介して所定のハンガー30が着脱可能に装着される。ハンガー30には衣類Cが掛けられる。それにより、図16に示すように、下流側ダクト631に送られた空気は、送風口64に装着されたハンガー30を通じて、上方から、その衣類Cの内部に送風される。
なお、上側送風ユニット60の送風量W1に対する下側送風ユニット50の送風量W2の比(W2/W1)は、0.7以上且つ2.0以下の範囲に設定するのが好ましい、下側送風ユニット50の送風量W2が弱すぎると、衣類Cを適度に膨らませられない。下側送風ユニット60の送風量W2が強すぎると、上下の送風バランスが崩れて、衣類Cの裾部が煽られてしまい、衣類Cを適度に膨らませられない、上側送風ユニット60の送風量W1に対する下側送風ユニット50の送風量W2の比を、0.7以上且つ2.0以下の範囲に設定すれば、衣類Cを比較的安定して膨らませることができる。
制御部90は、下部スペース21の後部に設置される。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどで構成される。制御部90は、制御プログラムを有し、操作部8の操作に基づいて、衣類仕上げ装置1が備える各機器の運転を制御する。図4に、制御部90と、制御部90に信号を入出力する主な機器を示す。
制御部90は、操作部8、下側送風ユニット50、上側送風ユニット60、加湿ユニット70および空調ユニット80と電気的に接続される。制御部90は、操作部8からの入力信号に基づいて、所定の運転プログラムを選択して実行する。制御部90は、選択した制御プログラムに従って、下側送風ユニット50、上側送風ユニット60、加湿ユニット70および空調ユニット80に電気信号を出力し、これらの動作を制御する。
〈ハンガー〉
図6および図7に、ハンガー30を例示する。ハンガー30は、樹脂成形品からなる。ハンガー30は、略逆Y形状の外観を有し、中空に形成される。具体的には、ハンガー30は、接続部642に装着したときに、収容スペース4の天面から下方に延びて、縦幅(左右方向の幅)よりも大きな横幅(前後方向の幅)を有する支持部31と、支持部31の下部から僅かに下り傾斜した状態で、互いに横幅方向を逆向きに延びる一対の肩掛け部32とを有する。
支持部31は、筒状に形成される。支持部31の内部には、横断面が長円状の風導入スペース41が形成される。支持部31の上部には、薄板状のコネクタ33が設けられる。コネクタ33は、横幅方向に長い長方形状をしている。コネクタ33は、接続部642と略同形同寸法に形成される。なお、図示しないが、支持部31は、凹凸嵌合によって接続部に着脱可能642に装着される。
支持部31の上部における長手方向の各端部には、上方に向かうほど大きく凹む凹部34が形成される。図6に示すように、各凹部34は、下方に向かうほど傾斜が緩やかになる曲面を有する。コネクタ33には、これら各凹部34と上下方向に対向する一対の貫通孔331が形成される。各貫通孔331の面積は、風導入スペース41の上端の開口面積よりも小さい(1/4から1/5程度)。
接続部642にコネクタ33を装着し、ハンガー30を収容スペース4に配置させることで、送風口64を通じて上側送風ユニット60から送られる風は、ハンガー30に送られる。その風の多くは、風導入スペース41に受け入れられる。そして、その風の一部は、各貫通孔331を通じて各凹部34に受け入れられる。これら各貫通孔331および各凹部34は、異物除去部を構成する。
各肩掛け部32は、横断面が略逆U字状に形成される。各肩掛け部32の内部には、風導入スペース41に連なる風導出スペース42が形成される。そして、風導出スペース42には、一対の区画壁35が設けられる。これら一対の区画壁35で区画されることにより、衣類Cの胴部に向けて風を送り出す胴部側の風路43と、衣類Cの袖部の各々に向けて風を送り出す一対の袖部側の風路44とが形成される。
各区画壁35は、各肩掛け部32の下部に沿って延びるように形成される。各区画壁35は、各肩掛け部32の端部から基部に向かって僅かに上がり傾斜した袖誘導壁351と、袖誘導壁351に連なって上方に向かって伸びる胴誘導壁352とを有する。両胴誘導壁352の端部は、支持部31から両肩掛け部32が分岐する部分に位置し、一定の間隔を隔てて互いに対向する。
各袖部側の風路44の入口441と、胴部側の風路の入口431とは、横一列に並んだ状態で、風導入スペース41と風導出スペース42との境界部分で分岐する。胴部側の風路43は、両袖部側の風路44の間に位置する。胴部側の風路43の横幅方向の中心は、ハンガー30の横幅方向の中心と略一致する。両袖部側の風路44は、その中心線に対して線対称状に配置される。
これら胴部側の風路43および袖部側の各風路44それぞれの入口431,441は、風導入スペース41を通じて、送風口64(開口部641)と上下方向において対向する。したがって、送風口64から導入された風は、風導入スペース41で整流され、風力を保ったままの状態で各風路に導入される。さらに、ハンガー30では、各風路に送られる風力が失速しないように、各風路の構造が工夫される。
具体的には、袖部側の風路44の間に位置する胴部側の風路43の出口部分には、下流側に向かうほど次第に風路が広がる拡大風路部45が設けられる。拡大風路部45は、胴誘導壁352の下部と、胴誘導壁352の下部に連なる各袖誘導壁351の上部からなる各部分とによって構成される。拡大風路部45は、袖誘導壁351の間の横幅が次第に広がる形状(ディフューザー形状)に形成される。
このような拡大風路部45が設けられることで、胴部側の風路43の入口部分にある空気が出口部へ勢いよく吸い出されて、いわゆるベンチュリ効果により入口部分の空気の流れが加速され、胴部側の風路43に効率よく多くの空気(風)を導入できる。それに伴い、両袖部側の風路44の入口441を大きくできるので、これら風路にも風を効率よく導入できる。
図6および図7に示すように、各袖部側の風路44の出口442は、入口441の下方に位置する肩掛け部32の各端部に設けられる。当該出口442は、袖誘導壁351の末端部分に連なる肩掛け部32の端部の下側で袖吹出口442を構成する。各袖部側の風路44に導入された風は、袖誘導壁351に沿って流れるように誘導された後、袖吹出口442から吹き出される。したがって、各袖部側の風路44を流れる風は、ほとんど抵抗を受けることがないので、円滑に流れて風速を維持できる。
さらに、胴部側の風路43の入口部分には、上流側に向かうほど次第に風路が広がる吸気導入部46が設けられる。吸気導入部46は、両胴誘導壁352の上部によって構成される。吸気導入部46は、胴誘導壁352の間の横幅が次第に広がる形状に形成される。ただし、吸気導入部46の広がり程度は、拡大風路部45よりも小さく、僅かである。このような吸気導入部46が設けられることで、拡大風路部45との相乗効果により、よりいっそうベンチュリ効果を向上できる。したがって、胴部側の風路43に、よりいっそう効率よく風を導入できる。
また、拡大風路部45には、風路に沿って延びる複数(本例では2つ)のリブ36が設けられる。これら複数のリブ36が設けられることで、ディフューザ部分での流れの剥離を抑え、空気が出口部へいっそう勢いよく吸い出される。また、袖部側の風路44の各出口442は、入口441よりも小さく形成される。したがって、各袖部側の風路44に導入された風は、その出口442から勢いよく吹き出される。
〈荷重付加器具〉
図8~図14に、荷重付加器具10を例示する。荷重付加器具10は、衣類Cの下端部分である前後両側の裾それぞれに対し、その衣類Cの幅方向における少なくとも中央位置から両端寄りの位置に亘って装着される(図16および図17参照)。ここで、衣類Cの「両端寄りの位置」とは、衣類Cの幅方向における中央位置と両端との間の中間位置よりも端側の位置であればよい。荷重負荷器具10の横幅寸法は、例えば300mm以上且つ500mm以下程度とされる。
以下の説明では、荷重付加器具10について、ピンチ部10aおよび各挟込部10bの開口が向けられる側を「前」、ピンチ部10aおよび各挟込部10bの開口が向けられる側とは反対側を「後」と称する。また、荷重負荷器具10について、ピンチ部10aおよび各挟込部10bの可動側を「上」、ピンチ部10aおよび各挟込部10bの固定側を「下」と称し、前側に向いたときの左右方向における左側を「左」、右側を「右」と称する。
荷重付加器具10は、ハンガー30に掛けられた衣類Cの下端部分に装着されることで、その衣類Cに対して筐体2内で自重により引っ張り荷重を均等に作用させる。荷重付加器具10は、平面視で幅広な平板バー形状の外観を有する。荷重付加器具10は、衣類Cを挟み込んで保持するように構成される。荷重付加器具10は、衣類Cを保持する3つの保持部分を有する。3つの保持部分は、ピンチ部10aと、ピンチ部10aの左右両側に設けられた一対の挟込部10bとである。
図8および図9に示すように、ピンチ部10aは、衣類Cを弾性力により挟み込むように構成される。本例のピンチ部10aは、クリップピンチ11で構成される。クリップピンチ11は、固定クリップ部材111および可動クリップ部材112を有する。固定クリップ部材111および可動クリップ部材112は、支軸体113を介して互いに回動可能に連結される。支軸体113には、固定クリップ部材111に対して可動クリップ部材112を閉じ側に付勢するトーションばね(不図示)が取り付けられる。
可動クリップ部材112の支軸体113を基準とした一方側の部分は、固定クリップ部材111との間に衣類Cを挟み込む挟込片1121を構成する。可動クリップ部材112の支軸体113を基準とした他方側の部分は、ユーザによって押圧される押圧部1122を構成する。可動クリップ部材112は、トーションばねにより、挟込片1121が固定クリップ部材111に接近する閉じ方向に付勢される。クリップピンチ11は、押圧部1122を固定クリップ部材111に接近する方向へ押圧することで、挟込片1121が固定クリップ部材111から離間して、開き状態にできる。
荷重付加器具10は、クリップピンチ11の他、ベース部品12と、一対の可動部品14と、ロック機構15とを備える。一対の挟込部10bはそれぞれ、互いの間に衣類Cを挟み込む固定挟込片101bおよび可動挟込片102bで構成される。荷重付加器具10は、それら固定挟込片101bおよび可動挟込片102bが、互いの間に衣類Cを抜き差し可能な開き状態と、互いの間に差し入れられた衣類Cを挟み込む閉じ状態とに、相対的に変位可能に構成される。
固定挟込片101bは、第1挟込片の一例である。固定挟込片101bは、ベース部品12で構成される。ベース部品12は、基体部材121と、一対のプレート部材123と、複数のキャップ部材125と、複数のコイルばね127,129を有する。
基体部材121は、樹脂成形品である。基体部材121は、横長の概略板状に形成される。基体部材121の左右方向における中央部分の前後中程から後側部分には、クリップピンチ11を収容するピンチ収容部1211が設けられる。ピンチ収容部1211は、基体部材121の他の部分よりも後方に延出する。ピンチ収容部1211には、固定クリップ部材111が固定される。クリップピンチ11の押圧部1122は、荷重付加器具10の後部に突出するように配置されるので、ピンチ部10aを開き状態に操作しやすい。
図10に示すように、基体部材121の前側部分において、ピンチ収容部1211の左右両側にはそれぞれ、横長矩形状の嵌込凹部1212が形成される。各嵌込凹部1212の左右両端寄りの箇所にはそれぞれ、上方に突出した受入ボス1213が設けられる。各受入ボス1213の周囲には、環状の窪み1214が形成される。嵌込凹部1212の内周側面には、複数の係止孔が周方向において互いに間隔をあけて形成される。各係止孔は、嵌込凹部1212の底面にも開口する。
嵌込凹部1212には、プレート部材123が取り付けられる。プレート部材123は、樹脂成形品である。プレート部材123は、平面視で嵌込凹部1212に対応する横長矩形状に形成される。プレート部材123は、上板部1231と、上板部1231の周縁から下方に延びる周壁部1232とを有する。プレート部材123は、周壁部1232を嵌込凹部1212の内周側面に沿わせて、嵌込凹部1212に対し、上下方向においてスライド可能に嵌め込まれる。
プレート部材123の上板部1231は、衣類Cを挟み込む挟込面1233を有する。この上板部1231の裏側(下側)には、一対の嵌入ボス1234が左右両側に分けて設けられる。これら一対の嵌入ボス1234はそれぞれ、嵌込凹部1212内の受入ボス1213に対し、上下方向においてスライド可能に嵌め入れられる。各受入ボス1213とそれに嵌め入れられた嵌入ボス1234とは、柱状部124を構成する。各柱状部124は、コイルばね127に挿通される。
コイルばね127は、弾性部材の一例である。コイルばね127は、受入ボス1213の周囲の窪み1214に嵌め入れられて、柱状部124の周囲に配置される。コイルばね127の位置ずれは、柱状部126と窪み1214によって規制される。コイルばね127は、嵌込凹部1212の底面とプレート部材123との間に圧縮された状態で介在する。そのことで、プレート部材123は、コイルばね127により上方に向けて常時付勢される。
プレート部材123の周壁部1232の下縁には、複数の係止爪がプレート部材123の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。複数の係止爪はそれぞれ、基体部材121の嵌込凹部1212に設けられた上記係止孔に挿入される。各係止爪は、プレート部材123の上下方向におけるスライドに応じて係止孔内を変位し、上板部1231が押圧されないフリーな状態で係止孔の上縁に掛け止められる。それにより、プレート部材123は、嵌込凹部1212から抜け止めされる。
図12に示すように、基体部材121の後側部分において、ピンチ収容部1211の左右両側にはそれぞれ、ロック機構15の一部を構成するロック部1215が設けられる。各ロック部1215には、挟込部10bの閉じ状態でラッチ部材153が収容される。各ロック部1215には、ラッチ部材153が掛け止められる一対のストライカ片1216が設けられる。一対のストライカ片1216は、ロック部1215の左右両側に分けて設けられる。
各ストライカ片1216は、上方に突出し、縦断面L字状のボックス形に形成される。ストライカ片1216の左右方向における一方側には、内部を開放する掛止め口1217が形成される。本例では、掛止め口1217は、基体部材121の左右方向における内側に向けて形成される。一対のストライカ片1216はそれぞれ、ラッチ部材153と共にロック機構15を構成する。
基体部材121において、各ロック部1215の両側にはそれぞれ、上方に突出したリアボス1218が設けられる。各リアボス1218は、上方に開口したばね収容部1219を有する。ばね収容部1219には、コイルばね129が収容される。このコイルばね129は、付勢部材の一例である。各リアボス1218には、キャップ部材125が上下方向においてスライド可能に被せられる。キャップ部材125は、コイルばね129により上方に向けて常時付勢される。
キャップ部材125には、裏側に突出した位置決め凸部1251が設けられる。位置決め凸部1251は、リアボス1218のばね収容部1219に収容されたコイルばね129の上端部分に挿入される。それにより、キャップ部材125に対するコイルばね129の当接箇所が位置決めされる。各リアボス1218の周囲には、キャップ部材125をスライド可能に収容するキャップ収容部1220が設けられる。キャップ収容部1220の上側壁には、キャップ部材125が出没する挿通孔1221が形成される。上側壁における挿通孔1221の周縁部分は、キャップ部材125を抜け止めする抜止め片1222を構成する。
図9に示すように、基体部材121の後端部分においてピンチ収容部1211の左右両側にはそれぞれ、一対の支軸部1223,1224が設けられる。一対の支軸部1223,1224は、左右方向において互いに間隔をあけて配置される。一対の支軸部1223,1224は、基体部材121の幅方向における内側に位置する内側支軸部1223と、外側に位置する外側支軸部1224とである。内側支軸部1223は、ピンチ収容部1211に隣り合って設けられる。すなわち、内側支軸部1223は、ピンチ収容部1211の左右両側に設けられる。クリップピンチ11の支軸体113は、内側支軸部1223に支持される。内側支軸部1223のピンチ収容部1211とは反対側の面と、外側支軸部1224の左右両側の面には、外方に突出した円柱状の凸軸部1225が設けられる。
可動挟込片102bは、第2挟込片の一例である。可動挟込片102bは、可動部品14で構成される。各可動部品14は、挟込カバー部材141によって構成される。挟込カバー部材141は、樹脂成形品である。挟込カバー部材141は、横長の概略板状に形成される。挟込カバー部材141の後端部分には、後方に延びる一対のアーム部1411が設けられる。一対のアーム部1411は、左右方向において互いに間隔をあけて配置される。各アーム部1411には、基体部材121の凸軸部1225を回動可能に受け入れる軸受け部1412が設けられる。
クリップピンチ11寄りに位置する一方のアーム部1411には、軸受け部1412が他方のアーム部1411側のみに設けられる。他方のアーム部1411には、軸受け部1412が左右両側に一対に設けられる。これら一対の軸受け部1412は、外側支軸部1224を挟み込むように配置される。挟込カバー部材141は、凸軸部1225を軸受け部1412に嵌め込むことで、ベース部品12に対して回動可能に取り付けられる。
図10に示すように、挟込カバー部材141において各アーム部1411の前方部分の裏側には、基体部材121のキャップ収容部1220が挿入されるキャップ受け部1413が設けられる。キャップ受け部1413は、基体部材121の各リアボス1218と対向する位置にそれぞれ設けられる。図12に示すように、挟込カバー部材141において一対のキャップ受け部1413の間には、ラッチ部材153を収容するラッチ収容部1414が設けられる。キャップ収容部1413とラッチ収容部1414とを仕切る仕切り壁1415には、取付孔1416が形成される。
図10に示すように、挟込カバー部材141の前側部分は、衣類Cを挟み込む挟込面1417を有する。挟込カバー部材141は、リアボス1218のばね収容部1219に収容されたコイルばね129により、挟込面1417がベース部品12から離間する開き方向へキャップ部材125を介して常時付勢される。図11に示すように、各挟込部10bは、挟込カバー部材141をコイルばね129の付勢力に抗して挟込面1417がベース部品12に接近する方向へ押圧することで、閉じ状態にできる。
図9に示すように、挟込カバー部材141において挟込面1417を構成する部分の後側には、横長矩形状の開口からなる窓部1418が設けられる。窓部1418は、ベース部品12と可動部品14との間に挟み込んだ衣類Cを視認可能にするものである。挟込カバー部材141の後側部分には、操作用開口1419が形成される。操作用開口1419には、ロック機構15によるロック状態と非ロック状態を切り換えるための操作スイッチ1533が設けられる。
ロック機構15は、挟込部10bごとに設けられる。ロック機構15は、挟込部10bを固定挟込片101bと可動挟込片102bとが衣類Cを挟み込んだ閉じ状態にロックするための機構である。図12に示すように、ロック機構15は、基体部材121のうち一対のストライカ片1216が設けられたロック部1215と、取付部材151と、ラッチ部材153とを有する。
取付部材151は、平面視で横長矩形状に形成される。取付部材151は、左右方向に延びる取付板部1511と、取付板部1511の両端部に設けられたブロック部1512とを有する。
取付板部1511の各ブロック部1512寄りの部分には、ストライカ片1216に対応する位置に開口する挿通孔1513が形成される。取付板部151の一方の挿通孔1513寄りの部分には、貫通孔1514に囲まれた舌片1515が設けられる。舌片1515は、可撓性を有し、取付板部151の厚さ方向に撓むことが可能である。舌片1515には、ラッチ部材153に設けられた突起1535を受ける一対の凹所1516が左右方向に間隔をあけて設けられる。
各ブロック部1512は、取付板部1511よりも上方に突出し、上下一方側に開口した中空状に形成される。各ブロック部1512には、仕切り壁1415の取付孔1416に挿入される突片1517が設けられる。取付部材151は、各突片1517を取付孔1416に挿入することで、挟込カバー部材141に対して仕切り壁1415の間に取り付けられる。
ラッチ部材153は、取付部材151を用い、挟込カバー部材141に対して左右方向にスライド可能に取り付けられる。ラッチ部材153は、取付部材151の取付板部151と挟込カバー部材141との間に配置される。ラッチ部材153は、操作スイッチ1533が左右方向の一方側に位置するロック位置(図12参照)と、操作スイッチ1533が左右方向の他方側に位置する非ロック位置(図13参照)とにスライド移動により変位される。ラッチ部材153は、平面視で取付部材151の取付板部1511よりも短いラッチ板部1531と、ラッチ板部1531の両端部に設けられた一対の掛止め片1532と、ラッチ板部1531の中程に設けられた操作スイッチ1533とを有する。
各掛止め片1532は、左右一方側に突出した爪部1534を有する爪形状に形成される。各掛止め片1532は、取付部材151の挿通孔1513に挿通され、ラッチ部材153のスライドに伴って左右方向に変位する。
図13に示すように、各掛止め片1532は、ラッチ部材153が非ロック位置にあるときには、ストライカ片1216に掛け止められない。したがって、図14に示すように、挟込部10bは、コイルばね129の付勢力に従い、開き状態となる。図12に示すように、各掛止め片1532は、挟込部10bが閉じ状態とされ、ラッチ部材1531が非ロック位置からロック位置にスライドされると、ストライカ片1216の掛止め口1217に爪部1534が挿入され、ストライカ片1216に掛け止められる。それにより、挟込部10bは、閉じ状態でロックされる。
操作スイッチ1533は、操作用開口1419から挟込カバー部材141の外側に突出する。操作スイッチ1533は、ユーザによってラッチ部材153を左右方向にスライドさせる操作を受け付ける。ラッチ板部1532において操作スイッチ1533と一方の掛止め片1532との間の部分には、下方に突出した突起1535が設けられる。
この突起1535は、取付部材151の舌片1515に当接する。突起1535は、ラッチ部材1531が非ロック位置にあるときに一方の凹所1516に受け入れられ、ラッチ部材1531がロック位置にあるときに他方の凹所1516に受け入れられる。それにより、ユーザの操作なしにラッチ部材1531が、非ロック位置からロック位置へ、ロック位置から非ロック位置へとスライドするのを抑止できる。
上記構成の荷重付加器具10は、衣類Cの下端部分の幅方向における中央部位にピンチ部10aを挟み込ませることで、衣類Cに仮止めできる。そして、荷重付加器具1は、衣類Cの下端部分である裾の幅方向における両側部分を一対の挟込部10bに挟み込ませ、各挟込部10bをロック機構15で閉じ状態にロックすることで、衣類Cに装着される。このように、荷重負荷器具10をピンチ部10aで仮止めすると、ユーザは両手がフリーになるので、荷重負荷器具1の各挟込部10bに衣類Cを整えながら挟み込ませる作業を行い易い。
-衣類仕上げ装置の動作-
図15に、衣類仕上げ装置1が行うシワ取りの制御例を示す。ユーザは、衣類仕上げ装置1の運転に先立って、給水タンク71に水を給水し、排水タンク81の水を廃棄する。そして、筐体2の収容スペース4に設置されたハンガー30に衣類Cを掛け、衣類Cの下端部分である前後両側の裾それぞれに荷重付加器具10を装着して、扉3を閉める。しかる後、操作部8を操作し、その衣類Cに応じたモードを選択し、開始指示を行うと、衣類仕上げ装置1は運転を開始する。
衣類仕上げ装置1が運転を開始すると、制御部90は、加湿工程および乾燥工程からなる仕上げ処理を実行する。仕上げ処理において、加湿工程および乾燥工程はこの順に実行される。具体的には、加湿工程が開始すると、制御部90は、加湿ユニット70を動作させる。それにより、給水タンク71に貯めた水が、給水ポンプ73でスチーム発生装置72に送られる。スチーム発生装置72は、水を加熱して高温のスチームを発生させる。スチーム発生装置72で発生したスチームは、スチーム吹出口5から収容スペース4の中に供給される。
加湿工程において、制御部90は、収容スペース4へのスチームの供給と同時または少し遅れて、空調ユニット80の循環ファン82を動作させる。なお、循環ファン82を動作させるタイミングは、スチームの供給から少し遅れた方が好ましい。循環ファン82を収容スペース4へのスチーム供給から少し遅れて動作させると、結露を抑制して、衣類Cを効率よく加湿できる。
循環ファン82の回転数は、自在に制御可能である。本例での循環ファン82の回転数は、低回転と高回転に制御される。加湿工程において、制御部90は、循環ファン82を低回転で動作させる。低回転の循環ファン82が発生させる風により、スチームは、収容スペース4の中で拡散される。そうして、加湿工程が開始してから所定時間が経過すると、衣類Cが適度に湿った状態となるので、制御部90は、加湿工程から乾燥工程に移行する。
乾燥工程が開始されると、制御部90は、加湿ユニット70の動作を停止させる。そして、制御部90は、循環ファン82の回転数を高めて高回転とし、熱交換器84を動作させる。それにより、熱交換器84を通過する空気は、除湿されて乾燥される。さらに当該空気が加熱されることで温風が発生し、収容スペース4に乾燥した温風が吹き出される。その結果、収容スペース4の空気は入れ替えられて、次第に乾燥されていく。
制御部90はまた、乾燥工程が開始されると、上側送風ユニット60を動作させる。上側送風ユニット60の送風ファン62の回転数は、自在に制御可能である。送風ファン62の回転数は、衣類Cの素材や各種工程の進行状況に応じて最適回転数に制御される。本例では、送風ファン62の回転数を一定の回転数として説明する。上側送風ユニット60が動作すると、フィルタ61を通じた収容スペース4の空気が、ハンガー30を通じて衣類Cの内部に送風される。それにより、衣類Cははためいた状態になる。乾燥工程中において、上側送風ユニット60は常時動作する。したがって、衣類Cの内部には、上方から連続的に送風される。
制御部90はさらに、乾燥工程が開始されると、下側送風ユニット50(下側送風ファン51)も動作させる。本例では、下側送風ファン51は、断続的に動作される。それにより、衣類Cの内部には、下方から間欠的に送風される。このようにして、衣類Cの内部に対し、上方から連続的に送風されつつ、下方から間欠的に送風されることで、衣類Cが膨らんだり縮んでははためいたりする。そうして、衣類Cは次第に乾燥されていく。衣類Cには、乾燥される過程で、荷重付加器具10による均等な引っ張り荷重がかけられながら、膨らんだりはためいたりすることにより異なる作用が加えられる。その結果、衣類Cに付いたシワが除去される。
乾燥工程が開始してから所定時間が経過すると、衣類Cは乾燥した状態となるので、制御部90は、下側送風ユニット50、上側送風ユニット60および空調ユニット80の動作を停止させる。そして、制御部90は、ブザーを鳴らすなどして、仕上げ処理が完了したことをユーザに報知し、衣類仕上げ装置1の運転を終了する。
〈上方からの送風による作用〉
図16に、ハンガー30に掛けた衣類Cの内部に、上方から送風したときの様子を例示する。乾燥工程において、上側送風ユニット60が動作することで胴部側の風路43に導入された風は、矢印A1で示すように、勢いよく衣類Cの胴部に流入し、裾部に向かって流れる。それにより、衣類Cの胴部内で局所的な風の流れが形成され、胴部が荷重付加器具10により均等な引っ張り荷重をかけられた状態でバタバタとはためく。その結果、胴部に付いたシワが効果的に伸ばされる。
また、上側送風ユニット60が動作することで各袖部側の風路44に導入された風は、矢印A2で示すように、勢いよく衣類Cの袖部に流入し、袖口に向かって流れる。それにより、袖部もバタバタとはためく。その結果、袖部に付いたシワも効果的に伸ばされる。
さらに、ハンガー30の支持部31には、異物除去部を構成する貫通孔331および凹部34が設けられる。これにより、図16に矢印A3で示すように、ハンガー30に送られる風の一部は、各貫通孔331を通じて各凹部34に受け入れられることで、肩掛け部32の上部、好ましくは肩先に向けて送り出される。その結果、衣類Cの肩部に付着した異物(例えば、髪の毛やフケなど)が吹き飛ばされる。
また、図16に示すように、ハンガー30に掛けた衣類がはためくと、フィルタ61の前面に接触する場合がある。そうした場合、衣類Cがフィルタカバー612の前面吸込部6121に吸着されるおそれがある。そうなると、フィルタカバー612の前面吸込部6121が塞がれ、上側送風ユニット60で送風される風力が低下する。また、衣類Cにフィルタカバー612の模様が付いて、衣類Cに好適な仕上げ処理が行えない。
これに対し、この衣類仕上げ装置1では、フィルタカバー612に側面吸込部6122が設けられることで、衣類Cがはためいたときに前面吸込部6121に接触しても、衣類Cは吸着されない。したがって、上側送風ユニット60で安定した風力が出力される。また、フィルタカバー612の模様が衣類Cに付くのを防止できる。
〈下方からの送風による作用〉
図17に、ハンガー30に掛けた衣類Cの内部に、下方からも送風したときの様子を例示する。乾燥工程において、衣類Cの内部には、ハンガー30を通じて上方から送風されるのに加え、下側送風ユニット50が動作することで下方からも送風される。それにより、衣類Cの内部で上下両側から風が入り込んで衝突し、衣類Cの内部に空気が充満するので、衣類Cは膨らんだ状態となる。
このように衣類Cを風力だけで膨らませると、衣類Cに過度な力が作用することはない。したがって、衣類Cを変形したり傷つけたりするおそれがない。また、衣類Cの大きさや形状が異なる場合でも、衣類Cを適度に膨らませることができるので、多種多様な衣類Cのサイズやデザインにも対応可能である。そして、衣類Cは、荷重付加器具10によって均等な引っ張り荷重がかけられた状態で膨らむので、衣類Cに付いたシワを効果的に除去できる。
-実施形態の特徴-
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、荷重付加器具10が、筐体2に収容された衣類Cの下端部分のうち衣類Cの幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着される。そうすることで、荷重付加器具10の自重により衣類Cに対して均等な引っ張り荷重が作用する。均等な引っ張り荷重がかけられた衣類Cは、筐体2内が加湿ユニット70により加湿されると、湿った状態となる。その後、湿った衣類Cに向けて下側送風ユニット50および上側送風ユニット60により送風することで、衣類Cを膨らませたり、衣類Cをはためかせたりできる。このように、衣類Cに対して均等な引っ張り荷重をかけつつ、衣類Cを湿らせてからその衣類Cに送風することで、衣類Cのシワ取りが効果的にできる。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、固定挟込片101bの衣類Cを挟み込む挟込面1233がコイルばね127によって可動挟込片102b側に付勢されたプレート部材123によって構成されるので、固定挟込片101bと可動挟込片102bとの間に挟み込んだ衣類Cをコイルばね127の弾性力で抑え込むことができる。それにより、荷重付加器具10を衣類Cに装着するだけで保持させることができる。このことは、荷重付加器具10の取り扱い性を良くするのに有利である。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、荷重付加器具10が衣類Cを弾性力で挟み込むピンチ部10aおよびその両側に位置する一対の挟込部10bを有するので、ピンチ部10aを衣類Cの下端部分のうち幅方向における中央部位に挟み込ませて取り付けることで、荷重付加器具10を衣類Cに仮止めできる。そうして荷重付加器具10を仮止めした状態で、一対の挟込部10bをそれぞれ衣類Cの下縁部分に挟み込ませて取り付けられる。このようにすると、荷重付加器具10を衣類Cに容易に装着できる。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、各可動挟込片102bに窓部1418が設けられているので、窓部1418を通じて固定挟込片101bと各可動挟込片102bとの間に挟み込まれた衣類Cの状態を確認できる。それによって、荷重付加器具10を衣類Cの下端部分に正常に装着できる。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、挟込部10bが閉じ状態にあるときに、可動挟込片102bが、固定挟込片101bから離間させて挟込部10bが開き状態となる方向に付勢されるので、ロック機構15によるロックが解除されると、挟込部10bが自ずと開き状態となる。これによれば、衣類仕上げ装置1で衣類Cのシワ取りをした後に、荷重付加器具10を衣類Cから取り外すことが容易になる。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、衣類Cの内部への送風がハンガー30に設けられた風路を通じて行われるので、衣類Cの内部に積極的な送風を行うことができる。このことは、衣類Cの内部への送風による作用(衣類Cを膨らませたり衣類Cをはためかせたりする影響)を好適に及ぼし、衣類Cのシワ取り性能を向上させるのに有利である。
この実施形態の衣類仕上げ装置1によると、下側送風ユニット50および上側送風ユニット60により衣類Cの内部に上下両側から送風を行える。衣類Cの内部に上下両側から同時に送風することで、衣類Cの内部で風が衝突し、衣類Cの内部に空気が充満するので、衣類Cは膨らんだ状態となる。また、下側からの送風を停止し、上側からの衣類Cの内部への送風のみを行うことで、衣類Cをはためかせることができる。これら2つを組み合わせることにより異なる作用が衣類Cに加わり、衣類Cのシワ取りが効果的にできる。
-第1変形例-
図18に、この変形例の荷重付加器具10を例示する。この変形例の荷重付加器具10において、ベース部品12(固定挟込片101b)の衣類Cを挟み込む各部分であるプレート部材123の上面には、横長の矩形板状の磁石16が設けられる。磁石16は、固定挟込片101bの衣類Cを挟み込む挟込面161を有する。各可動部品14(可動挟込片102b)の衣類Cを挟み込む部分には、磁石16に対応する形状の磁性体17が設けられる。磁性体17は、可動挟込片102bの挟込面171を有する。
磁性体17は、鉄やニッケル、コバルトなどの金属材料からなる強磁性体である。磁性体17は、磁石であってもよい。磁性体17は、磁石16に吸着される。それにより、固定挟込片101bの挟込面161と可動挟込片102bの挟込面171とは、互いに磁力により引き寄せられ、閉じ状態に保持される。なお、磁石16が各可動挟込片102bの衣類Cを挟み込む部分に設けられ、磁性体17が固定挟込片101bの衣類Cを挟み込む各部分に設けられてもよい。
この変形例において、ベース部品12は、嵌込凹部1212内にコイルばね127が設けられておらず、各プレート部材123は、嵌込凹部1212にスライド不能に固定されてもよい。また、この変形例において、荷重負荷器具10は、ロック機構15を備えなくてもよい。
-第1変形例の特徴-
この第1変形例の荷重付加器具10によると、固定挟込片101bに設けられた磁石17が可動挟込片102bに設けられた磁性体17を吸着するので、固定挟込片101bと可動挟込片102bの間に挟み込んだ衣類Cを磁石17の吸着力で抑え込むことができる。それにより、固定挟込片101bおよび可動挟込片102bの両挟込面161,171が衣類に略均一に密着する。したがって、衣類Cに対して均等な引っ張り荷重を好適に作用させることができる。また、荷重付加器具10を衣類Cに装着するだけで保持させることができる。このことは、荷重付加器具10の取り扱い性を良くするのに有利である。
-第2変形例-
図19~図21に、この変形例の荷重付加器具10を例示する。この変形例の荷重付加器具10も、衣類Cの下端部分に対し、その衣類Cの幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着される。荷重付加器具10は、固定挟込片201および可動挟込片202からなる1つの挟込部20を有する。荷重付加器具10は、固定挟込片201および可動挟込片202が、互いの間に衣類Cを抜き差し可能な開き状態と、互いの間に差し入れられた衣類Cを挟み込む閉じ状態とに、相対的に変位可能に構成される。
荷重付加器具10は、固定挟込片201を構成するベース部品21と、可動挟込片202を構成する可動部品23と、ロック機構25とを備える。
ベース部品21は、基体部材211と、シール部材213とを有する。基体部材211は、樹脂成形品である。基体部材211は、平面視で後方に向かって横幅が次第に狭くなる横長の台形状に形成された前側部分2111と、前側部分の左右方向における中央部位から後方に延びる平面視で略矩形状の後側部分2112とを有する。
基体部材211の前側部分2111には、嵌込凹部2113が幅方向における略全体に亘って形成される。嵌込凹部2113は、平面視で横長矩形状とされる。嵌込凹部2113には、シール部材213が嵌め込まれて固定される。シール部材213は、平面視で嵌込凹部2113に対応する平板形状に形成される。シール部材213は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を主成分とする発泡ゴムからなる。シール部材213は、衣類Cを挟み込む挟込面2131を有する。
基体部材211の後側部分2112には、ロック機構25の一部を構成する凹形状のロック部2114が設けられる。ロック部2114には、ラッチ部材251が収容される。ロック部2114の底壁2115には、ラッチ部材251が掛け止められる掛止め孔2116が形成される。掛止め孔2116は、ロック部2114の左右方向における中央箇所に位置する。ロック部2114は、ラッチ部材251と共にロック機構25を構成する。
ロック部2114のラッチ部材251を収容する箇所の左右両側には、一対の支持壁2117が設けられる。一対の支持壁2117にはそれぞれ、軸孔2118が形成される。基体部材211の後端部分には、一対の軸受け部2119が設けられる。一対の軸受け部2119は、左右方向において互いに間隔をあけて配置される。一対の軸受け部2119には、互いに対向する側に軸孔2120がそれぞれ形成される。
可動部品23は、可動カバー部材231と、押圧部材233と、シール部材235と、コイルばね237とを有する。
可動カバー部材231は、樹脂成形品である。可動カバー部材231は、基体部材211の前側部分2111に対応する形状の前側部分2311と、基体部材211の後側部分2112に対応する外形の後側部分2312とを有する。平面視で可動カバー部材231の後端部分2312には、一対の支軸部2313が設けられる。一対の支軸部2313は、左右方向において互いに間隔をあけて配置される。各支軸部2313には、軸受け部253の軸孔2531に回動可能に嵌め入れられる凸軸部2314が設けられる。可動カバー部材231は、凸軸部2314を軸受け部253に嵌め入れることで、ベース部品21に対して回動可能に取り付けられる。
可動カバー部材231の前側部分には、横長矩形状の嵌込凹部2315が形成される。嵌込凹部2315の左右両端寄りの各箇所と中央箇所にはそれぞれ、上方に突出した嵌入ボス2316が設けられる。嵌入ボス2316の周囲には、環状の窪み2317が形成される。嵌込凹部2316には、押圧部材233が取り付けられる。
押圧部材233は、樹脂成形品である。押圧部材233は、平面視で嵌込凹部2315に対応する横長矩形状に形成される。押圧部材233は、嵌込凹部2315に対し、上下方向においてスライド可能に嵌め込まれる。押圧部材233の裏側(下側)には、受入ボス2332が嵌入ボス2316ごとに設けられる。受入ボス2332は、押圧部材233の左右両端寄りの各箇所と中央箇所とに、嵌入ボス2316に対応するように位置する
各受入ボス2332とそれに嵌め入れられた嵌入ボス2316とは、柱状部234を構成する。各柱状部234は、コイルばね237に挿通される。コイルばね237は、弾性部材の一例である。コイルばね237は、受入ボス2332の周囲の窪み2317に嵌め入れられて、柱状部234の周囲に配置される。コイルばね237の位置ずれは、柱状部234と窪み2317によって規制される。コイルばね237は、嵌込凹部2315の底面と押圧部材233との間に圧縮された状態で介在する。そのことで、押圧部材233は、コイルばね237により下方に向けて常時付勢される。
嵌入ボス2316には、受入ボス2332の内部に挿入されたワッシャ238を介してボルト239が止められる。ワッシャ238は、嵌入ボス2316の外周側に突出する。それにより、押圧部材233が押圧されないフリーな状態では、ワッシャ238が受入ボス2332に干渉し、押圧部材233が抜け止めされる。
押圧部材233の表側には、嵌入凹部2333が略全体に亘って設けられる。嵌込凹部2333には、シール部材235が嵌め込まれて固定される。シール部材235は、平面視で嵌込凹部2333に対応する平板形状に形成される。シール部材235は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を主成分とする発泡ゴムからなる。シール部材235は、衣類Cを挟み込む挟込面2351を有する。
可動カバー部材231の後側部分には、ラッチ部材251を収容するラッチ収容部2318が設けられる。可動カバー部材231におけるラッチ収容部2318の前側には、ユーザの手を差し入れることが可能な大きさの調整用開口2319が形成される。ユーザは、調整用開口2319を通じて、固定挟込片201と可動挟込片202との間に挟み込まれた衣類Cの状態を調整できる。
ラッチ収容部2318を後側で仕切る後壁2320には、コイルばね252の片側が嵌め入れられる凹状のばね設置部2321が前方に向けて開口するように設けられる。また、ラッチ収容部2318を前側で仕切る前壁2322には、操作用開口2323が形成される。操作用開口2323には、ロック機構25によるロック状態と非ロック状態を切り換えるための操作ボタン2511が設けられる。ロック機構25は、掛止め孔2116が形成されたロック部2114と、ラッチ部材251と、コイルばね252とを有する。
ラッチ部材251は、レバー形状に形成される。ラッチ部材251は、一対の支持壁2117の間に配置される。ラッチ部材251は、操作ボタン2511と、操作ボタン2511から下側に延びる掛止め片2512と、掛止め片2512の基部の左右両側に設けられた一対の支軸部2513とを有する。操作ボタン2511は、操作用開口2323から可動カバー部材231の外側に突出する。操作ボタン2511は、ユーザによってラッチ部材251を後方に押圧する操作を受け付ける。
操作ボタン2511の裏側(後側)には、コイルばね252の片側が嵌め入れられる凹状のばね設置部2514が後方に向けて開口するように設けられる。ラッチ部材251のばね設置部2514とラッチ収容部2318のばね設置部2321との間には、コイルばね252が圧縮された状態で介在する。ラッチ部材251は、コイルばね252により前方に向けて常時付勢される。それによって、操作ボタン2511は、非操作時において、操作用開口2323から外部に突き出た状態とされる。
一対の支軸部2513には、互いに離反する側に突出した凸軸部2515が設けられる。ラッチ部材251は、各凸軸部2515を支持壁2117に形成された軸孔2118に嵌め入れることで、基体部材211に対して回動可能に取り付けられる。ラッチ部材251は、操作ボタン2511が操作用開口2323から外部に突き出る非操作位置(図20参照)と、操作ボタン2511が操作用開口2323内に押し込まれた操作位置(図21参照)とに回動により変位される。
掛止め片2512は、後方に向けて突出した爪部2516を有する爪形状に形成される。図20に示すように、掛止め片2512は、挟込部20が閉状態にされると、ロック部2114の掛止め孔2116に挿通され、爪部2516が掛止め孔2116の周縁部に掛け止められる。それにより、挟込部20は、閉じ状態でロックされる。図21に示すように、操作ボタン2511が押圧操作されると、ラッチ部材251の回動に伴い、掛止め片2512の爪部2516の掛止め孔2116の周縁部への引っ掛かりが解除される。したがって、可動部品23をベース部品21から離れる方向に回動させて、挟込部20を開き状態にできる。
-第2変形例の特徴-
この第2変形例の荷重付加器具10によると、挟込部20が1つであるので、固定挟込片201と可動挟込片202との間に衣類Cの下縁部分を挟み込むだけのワンアクションで荷重付加器具10を衣類Cに装着できる。よって、荷重付加器具10を衣類Cに装着する際のユーザの操作が少なくて済む。また、荷重付加器具10の部品点数を削減できる。
-第3変形例-
図22に、この変形例の荷重付加器具10を例示する。この変形例の荷重付加器具10も、衣類Cの下端部分に対し、その衣類Cの幅方向における少なくとも中央位置から両端寄りの位置に亘って装着される。荷重付加器具10は、クリップピンチ26と、クリップピンチ26の両側にリング部材27を介して連結された一対の第1挟込バー部品28Aと、各第1挟込バー部品28との間に衣類Cを挟み込む一対の第2挟込バー部品28Bとを備える。クリップピンチ26は、一般的な洗濯ばさみと同様な構成を有し、衣類Cを挟み込むことが可能である。
一対の第1挟込バー部品28Aはそれぞれ、可撓性を有する樹脂製のチューブ281と、チューブ281内に収容された複数の磁石282および複数の金属ボール283と、チューブ281の両端部分を閉塞する一対の閉塞部材284とを有する。磁石282は円柱状をしている。磁石282と金属ボール283とは、チューブ281内に長手方向に沿って交互に配置される。各第1挟込バー部品28Aは、湾曲させて形状を変えることができる。
一対の第2挟込バー部品28Bはそれぞれ、クリップピンチ26に連結されるかどうかを除けば、第1挟込バー部品28Aと同じ構成を有する。各第2挟込バー部品28Bの磁石282は、対応する第1挟込バー部品28Aの磁石282に吸着し合うように、第1挟込バー部品28Aの磁石282とは極性を反対に向けて配置される。各第2挟込バー部品28Bも、湾曲させて形状を変えることができる。
上記構成の荷重付加器具10は、衣類Cの下端部分の幅方向における中央部位にクリップピンチ26を挟み込ませることで、衣類Cに仮止めできる。そして、荷重付加器具10は、衣類Cの下端部分の幅方向における両側部分をそれぞれ、第1挟込バー部品28Aと第2挟込バー部品28Bとの間に磁石282同士の吸着力によって挟み込ませることで、衣類Cに装着される。このように、荷重負荷器具1をクリップピンチ26で仮止めすると、ユーザは両手がフリーになるので、第1挟込バー部品28Aと第2挟込バー部品28Bとの間に衣類Cを整えながら挟み込ませる作業を行い易い。
-第3変形例の特徴-
この第3変形例の荷重付加器具10によると、第1挟込バー部品28Aおよび第2挟込バー部品28Bがいずれも湾曲させて形状を変えられるので、荷重付加器具10を衣類Cの下端部分に対し、その下端部分の形状に沿わせて装着できる。このことは、荷重付加器具10を多種多様なデザインの衣類Cに適用可能にするのに有利である。
以上のように、本開示の技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示の技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須でない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちにそれらの必須でない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施形態では、固定挟込片102aに設けられた弾性部材がコイルばね127であるとしたが、これに限らない。コイルばね127は弾性部材の一例に過ぎず、プレート部材123を付勢する可動挟込片102b側に付勢できるものであれば、板ばねやゴム製の弾性体など、任意の部材を弾性部材として採用できる。このことは、第2変形例のコイルばね237についても同じである。
また、上記実施形態では、固定挟込片102aに設けられた付勢部材がコイルばね129であるとしたが、これに限らない。コイルばね239は付勢部材の一例に過ぎず、可動挟込片102bを、固定挟込片102aから離間させて挟込部10bが開き状態となる方向に付勢できるものであれば、板ばねやゴム製の弾性体など、任意の部材を付勢部材として採用できる。このことは、第2変形例のコイルばね252についても同じである。
また、上記実施形態では、衣類仕上げ装置1の乾燥工程において、下側送風ファン51を断続的に動作させるとしたが、これに限らない。乾燥工程では、下側送風ファン51を連続的に動作させることにより、衣類Cの内部に下方から絶え間なく送風してもよい。
また、上記実施形態では、衣類仕上げ装置1として、空調ユニット80により収容スペース4に温風を吹き出しつつ、下側送風ユニット50により衣類Cの内部に下側から送風し、上側送風ユニット60により衣類Cの内部に上側から送風する構成を例示したが、これに限らない。衣類仕上げ装置1は、衣類Cの内部に上側からのみまたは下側からのみ送風してもよく、衣類Cの内部への送風に加えてまたは衣類Cの内部への送風に代えて衣類Cの外部に送風してもよい。また、衣類仕上げ装置1は、下側送風ユニット50および上側送風ユニット60を備えず、空調ユニット80により衣類Cに向けて温風を吹き送るだけの構成であってもよい。要は、衣類仕上げ装置1は、筐体2に収容された衣類Cに向けて送風する送風ユニットを備えていればよい。
以上説明したように、本開示の技術は、シャツなどの衣類のシワ取りが自動的に行える衣類仕上げ装置について有用である。
C 衣類
2 筐体
1 衣類仕上げ装置
10 荷重付加器具
10a ピンチ部
10b 挟込部
101b 固定挟込片(挟込片)
102b 可動挟込片(挟込片)
123 プレート部材
127 コイルばね(弾性部材)
129 コイルばね(付勢部材)
15 ロック機構
16 磁石
17 磁性体
20 挟込部
201 固定挟込片(挟込片)
202 可動挟込片(挟込片)
237 コイルばね(弾性部材)
25 ロック機構
30 ハンガー
50 下側送風ユニット(送風ユニット)
60 上側送風ユニット(送風ユニット)
70 加湿ユニット
80 空調ユニット(送風ユニット)
90 制御部
1418 窓部

Claims (6)

  1. 衣類がハンガーに掛けた状態で収容される筐体と、
    前記筐体内を加湿する加湿ユニットと、
    前記筐体に収容された前記衣類に向けて送風する送風ユニットと、
    前記加湿ユニットおよび前記送風ユニットの動作を、前記筐体内を加湿した後に前記衣類に送風するように制御する制御部と、
    前記衣類の下端部分に対し、該衣類の幅方向における中央位置から両端寄りの位置に亘って装着され、前記ハンガーに掛けられた前記衣類に対して前記筐体内で自重により引っ張り荷重を均等に作用させる荷重付加器具と、を備える
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
  2. 請求項1に記載された衣類仕上げ装置において、
    前記荷重付加器具は、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片と、該第1挟込片および該第2挟込片を前記衣類を挟み込んだ状態にロックするロック機構とを有し、
    前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片は、前記衣類を挟み込む面を構成するプレート部材と、該プレート部材を他方の挟込片側に付勢する弾性部材と、を有する
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
  3. 請求項1または2に記載された衣類仕上げ装置において、
    前記荷重付加器具は、前記衣類を弾性力により挟み込むピンチ部と、該ピンチ部の両側に設けられ、前記ピンチ部よりも広い幅に亘って前記衣類を挟み込む一対の挟込部と、を有する
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載された衣類仕上げ装置において、
    前記荷重付加器具は、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片を有し、
    前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片には、前記第1挟込片と前記第2挟込片との間に挟み込んだ前記衣類を視認可能にする窓部が設けられる
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載された衣類仕上げ装置において、
    前記荷重付加器具は、
    互いの間に前記衣類を抜き差し可能な開き状態と互いの間に差し入れられた前記衣類を挟み込む閉じ状態とに相対的に変位可能な第1挟込片および第2挟込片からなる挟込部と、
    前記挟込部を前記閉じ状態でロックするロック機構と、
    前記挟込部が前記閉じ状態にあるときに、前記第1挟込片および前記第2挟込片の少なくとも一方の挟込片を、他方の挟込片から離間させて前記挟込部が開き状態となる方向に付勢する付勢部材と、を有する
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載された衣類仕上げ装置において、
    前記荷重付加器具は、互いの間に前記衣類を挟み込む第1挟込片および第2挟込片を有し、
    前記第1挟込片および前記第2挟込片のうち、一方の挟込片には磁石が設けられ、他方の挟込片には前記磁石に吸着される磁性体が設けられる
    ことを特徴とする衣類仕上げ装置。
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