JP2022070696A - 三次元形状計測方法および三次元形状計測装置 - Google Patents
三次元形状計測方法および三次元形状計測装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】対象物に模様や汚れ等がある場合でも、対象物の三次元形状を高い計測精度で計測可能な三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を提供すること。【解決手段】第1偏光による格子パターン、および、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを、対象物に投影するステップと、前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを、カメラで撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るステップと、前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正するステップと、補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、を有することを特徴とする三次元形状計測方法。【選択図】図6
Description
本発明は、三次元形状計測方法および三次元形状計測装置に関するものである。
物体の三次元表面形状を計測する方法として、光学的手法を用いた格子投影法が知られている。
特許文献1には、物体面の格子像をカメラにより撮影して得られた撮影像により、物体面の位置を計測する計測方法が開示されている。この計測方法は、格子像の格子の1周期がN画素に合わせられた状態で、カメラにより撮影した撮影像を入力する工程と、入力した撮影像の連続する複数画素を抽出する工程と、抽出した複数画素の画像からN画素を1周期とする周波数成分の位相を求める工程と、位相により物体面の位置を求める工程と、を有している。なお、Nは、2より大きい整数である。
この計測方法では、格子像1周期分の画像データから格子像の位相を解析することによって、物体面の三次元表面形状を計測する。格子像1周期分の画像データから位相を解析する方法を、特に「1ピッチ位相解析法(OPPA法)」という。1ピッチ位相解析法によれば、1枚の撮影像から位相分布を高速に解析することができる。
特許文献1に記載の計測方法では、前述したように、格子像1周期分の画像データから位相を解析するため、各画素における輝度値の信頼性が計測結果に影響を及ぼす。しかしながら、計測対象の物体面に模様や汚れ等がある場合、光の反射率が変化し、撮像画像における輝度値も変化する。そうすると、輝度値から求められる位相も変化し、計測結果の精度が低下するという課題が生じる。
本発明の適用例に係る三次元形状計測方法は、
第1偏光による格子パターン、および、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを、対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを、カメラで撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るステップと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正するステップと、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を有することを特徴とする。
第1偏光による格子パターン、および、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを、対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを、カメラで撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るステップと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正するステップと、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を有することを特徴とする。
本発明の適用例に係る三次元形状計測装置は、
第1偏光による格子パターンを射出する第1発光部と、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを射出する第2発光部と、を備え、前記格子パターンおよび前記全面パターンを対象物に投影するプロジェクターと、
前記第1偏光と前記第2偏光とを分離する偏光分離部を備え、前記偏光分離部を介して、前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るカメラと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正する補正処理部と、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行う位相解析処理部と、
前記位相解析の解析結果に基づいて、前記対象物の高さ情報を算出する高さ情報算出部と、
を有することを特徴とする。
第1偏光による格子パターンを射出する第1発光部と、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを射出する第2発光部と、を備え、前記格子パターンおよび前記全面パターンを対象物に投影するプロジェクターと、
前記第1偏光と前記第2偏光とを分離する偏光分離部を備え、前記偏光分離部を介して、前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るカメラと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正する補正処理部と、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行う位相解析処理部と、
前記位相解析の解析結果に基づいて、前記対象物の高さ情報を算出する高さ情報算出部と、
を有することを特徴とする。
以下、本発明の三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る三次元形状計測方法および三次元形状計測装置について説明する。
まず、第1実施形態に係る三次元形状計測方法および三次元形状計測装置について説明する。
1.1.装置構成
図1は、第1実施形態に係る三次元形状計測装置の概略図である。図2は、図1のプロジェクターの内部構造に示す概略図である。図3は、図1のカメラの内部構造を示す概略図である。なお、図1では、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を設定している。各軸は矢印で表され、先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とする。なお、以下の説明では、z軸のマイナス側を特に「上」とし、z軸のプラス側を「下」としている。また、z軸に沿った位置を「高さ」といい、x-y面内における位置を単に「位置」という。
図1は、第1実施形態に係る三次元形状計測装置の概略図である。図2は、図1のプロジェクターの内部構造に示す概略図である。図3は、図1のカメラの内部構造を示す概略図である。なお、図1では、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を設定している。各軸は矢印で表され、先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とする。なお、以下の説明では、z軸のマイナス側を特に「上」とし、z軸のプラス側を「下」としている。また、z軸に沿った位置を「高さ」といい、x-y面内における位置を単に「位置」という。
図1に示す三次元形状計測装置1は、基準面91上に設けられた物体9(対象物)の表面、すなわち物体面92の位置および高さを算出し、三次元形状を計測する装置である。三次元形状の計測には、格子投影法を用いる。格子投影法では、格子パターンを物体9に投影し、その状態を撮像して得られた撮像画像に対して位相解析を行う。位相解析を行うことで、各画素での格子パターンの位相を求めることができる。そして、撮像画像から位置情報を算出するとともに、位相から高さ情報を算出することにより、物体面92の三次元形状が求められる。
図1に示す三次元形状計測装置1は、プロジェクター2と、カメラ3と、制御装置4と、を備えている。また、図1には、上面が基準面91である載置台90と、基準面91上に載置された物体9と、を図示している。
図1に示すプロジェクター2は、任意の波長の光で形成された投影パターンを物体9に向けて投影する機能を有する。このようなプロジェクター2は、図2に示すように、第1発光部21と、第2発光部22と、合成プリズム23と、投影レンズ24と、を備えている。なお、図2に示すプロジェクター2は、プロジェクター2を構成する要素のうち、一部が省略されて図示されている。
第1発光部21は、光源212と、第1偏光板214と、格子マスク216と、を備え、格子パターンである投影パターンを作成する。
光源212は、任意の波長の光、例えば、赤色(R)の光、緑色(G)の光、青色(B)の光、白色(W)の光等を出射する。
第1偏光板214は、光源212から出射した光を直線偏光である第1偏光L1にする光学素子である。
格子マスク216は、第1偏光板214から出射した第1偏光L1を空間変調する。これにより、第1偏光L1により、所望の投影パターン、例えば後述する縞模様等のパターンが作成される。格子マスク216としては、例えば、フォトマスク、メタルマスク、ステンシルマスク等の光学用マスクの他、液晶素子等が挙げられる。
第2発光部22は、光源222と、第2偏光板224と、を備え、全面パターンである投影パターンを作成する。
光源222は、任意の波長の光、例えば、赤色(R)の光、緑色(G)の光、青色(B)の光、白色(W)の光等を出射する。
第2偏光板224は、光源222から出射した光を直線偏光である第2偏光L2にする光学素子である。第2偏光L2の偏光面は、第1偏光L1の偏光面と直交している。つまり、このような偏光面の関係が成り立つように、第1偏光板214および第2偏光板224の配置を調整する。なお、第1偏光L1の偏光面と第2偏光L2の偏光面とが直交しているとは、両者のなす角度が90°±5°の範囲内にある状態をいう。
合成プリズム23は、第1偏光L1および第2偏光L2を合成し、合成光L3として出力する。合成プリズム23としては、例えば、第1偏光L1を透過させ、第2偏光L2を反射する面を備えた偏光ビームスプリッター等が挙げられる。
投影レンズ24は、合成光L3の投影倍率を調整し、物体9に向けて投影する。
投影レンズ24は、合成光L3の投影倍率を調整し、物体9に向けて投影する。
また、プロジェクター2は、制御装置4と電気的に接続されている。これにより、制御装置4は、投影パターンの投影を制御することができる。また、格子マスク216として液晶素子を用いた場合には、格子パターンの色や方向、ピッチ等を制御装置4で制御することができる。
図1に示すカメラ3は、物体9に向けてプロジェクター2から投影された投影パターンを撮像し、輝度値を検出する機能を有する。このようなカメラ3は、図3に示すように、第1撮像素子31と、第2撮像素子32と、分離プリズム33と、撮像レンズ34と、を備えている。なお、図3に示すカメラ3は、カメラ3を構成する要素のうち、一部が省略されて図示されている。
第1撮像素子31および第2撮像素子32は、それぞれ、例えば行列状に配列した複数の画素を有し、各画素で輝度値を検出する。第1撮像素子31および第2撮像素子32としては、例えば、CMOS素子、CCD素子等が挙げられる。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)を指す。また、CCDは、Charge Coupled Device(電荷結合素子)を指す。
分離プリズム33は、プリズム本体330と、第1クリーンアップ偏光板331と、第2クリーンアップ偏光板332と、を備えている。
プリズム本体330は、物体9や基準面91から反射した合成光L3を、偏光の違いに基づいて、第1偏光L1および第2偏光L2に分離する。プリズム本体330としては、例えば、第1偏光L1を透過させ、第2偏光L2を反射する面を備えた偏光ビームスプリッター等が挙げられる。
第1クリーンアップ偏光板331は、プリズム本体330と第1撮像素子31との間に設けられ、第1偏光L1を選択的に透過させる機能を有する。このような第1クリーンアップ偏光板331を用いることにより、プリズム本体330の偏光分離特性が十分ではない場合や物体9や基準面91における反射で第1偏光L1の偏光状態が乱れた場合でも、目的とする偏光状態の第1偏光L1を精度よく選択して取り出すことができる。
第2クリーンアップ偏光板332は、プリズム本体330と第2撮像素子32との間に設けられ、第2偏光L2を選択的に透過させる機能を有する。このような第2クリーンアップ偏光板332を用いることにより、プリズム本体330の偏光分離特性が十分ではない場合や物体9や基準面91における反射で第2偏光L2の偏光状態が乱れた場合でも、目的とする偏光状態の第2偏光L2を精度よく選択して取り出すことができる。
なお、第1クリーンアップ偏光板331および第2クリーンアップ偏光板332は、必要に応じて設けられればよく、例えばプリズム本体330が十分な偏光分離特性を有している場合には省略可能である。
撮像レンズ34は、撮像倍率を調整し、プロジェクター2から投影される投影パターンの撮像画像上でのサイズを調整する。
また、カメラ3は、制御装置4と電気的に接続されている。カメラ3で撮像した撮像画像は、制御装置4に送信され、位相解析処理や補正処理に供される。なお、以下の説明では、第1撮像素子31の画素を「カメラ画素」ともいう。
制御装置4は、制御部41と、演算部42と、記憶部43と、表示部44と、を備えている。
制御部41は、プロジェクター2による投影パターンの投影や、カメラ3による投影パターンの画像の撮像といった作動を、互いに協調させつつ制御する。
演算部42は、撮像画像に対して補正処理を行う補正処理部422と、補正処理が施された撮像画像に対して位相解析処理を行う位相解析処理部424と、高さ情報を算出する高さ情報算出部426と、を有する。このような演算部42は、補正された撮像画像から各カメラ画素での格子パターンの位相を求め、物体面92の高さ情報を算出する。
記憶部43は、カメラ3で撮像した撮像画像、演算部42による演算結果等を記憶する。
表示部44は、必要に応じて設けられ、カメラ3による撮像画像、演算部42による演算結果等を表示する。
制御部41、演算部42および記憶部43の一部または全部は、情報を処理するプロセッサーと、プログラムやデータを記憶するメモリーと、外部インターフェースと、を有するハードウェアで構成される。プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、各機能を実現する。
プロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が挙げられる。メモリーとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置等が挙げられる。外部インターフェースとしては、例えば有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等が挙げられる。
また、制御部41および演算部42の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。
以上のような三次元形状計測装置1では、後に詳述するが、互いに偏光面が直交している第1偏光L1および第2偏光L2を用いて、格子パターンおよび全面パターンを物体9に同時に投影する。次いで、物体9に投影された格子パターンおよび全面パターンを撮像し、全面パターンの撮像画像に基づいて格子パターンの撮像画像に補正処理を行う。次いで、補正後の格子パターンの撮像画像(格子像)に対して位相解析を行う。そして、位相分布から物体面92の高さ情報を算出し、三次元形状を求める。
格子パターンの撮像画像に対する位相解析方法としては、例えば、撮像画像に対して位相解析処理を行い、位相分布を求められる方法であれば、いかなる方法も用いることができる。このような方法としては、例えば、サンプリングモアレ法、位相シフト法、1ピッチ位相解析法等が挙げられる。
本実施形態では、1ピッチ位相解析法を用いる。1ピッチ位相解析法の原理については、国際公開第2016/001985号明細書に記載されている。
1ピッチ位相解析法では、プロジェクター2の光学系(格子マスク216)およびカメラ3の光学系(第1撮像素子31)が、基準面91に対してそれぞれ平行になっている。このような光学系をモアレトポグラフィー光学系ともいう。かかる光学系によれば、物体9に投影された格子パターンをカメラ3で撮像して得られる撮像画像上では、物体面92の高さに関係なく、格子パターンの周期が一定になる。一方、物体面92の高さによって、カメラ画素での格子パターンの位相が変わることになる。したがって、1ピッチ位相解析法により、カメラ画素での格子パターンの位相を解析し、解析結果をカメラ画素の座標に関連付けることで、物体面92の高さ情報を求めることができる。
また、1ピッチ位相解析法のような位相解析方法では、1枚の撮像画像に映っている格子パターンの少なくとも1周期分の輝度値から位相解析を行うことができる。このため、物体9が動いている場合でも、位相分布を求めることができる点で特に有用である。
図4および図5は、図1の三次元形状計測装置1の光学系を模式的に示す側面図である。なお、図4および図5は、装置構成の物理的な配置を厳密に表したものではない。
図4に示すように、三次元形状計測装置1では、プロジェクター2の光源212の中心から広がるように格子パターンを投影する。ここでは、光源212の中心をプロジェクター2の主点O2とする。また、カメラ3の撮像範囲は、撮像レンズ34の中心から広がるような範囲となる。ここでは、撮像レンズ34の中心をカメラ3の主点O1とする。
図4では、プロジェクター2から基準面91に向かう多数の直線によって、プロジェクター2で投影される格子パターンを模式的に表現している。格子パターンを表す直線のうち、実線は、格子パターンの輝度が高い領域を投影している光の光路を示し、破線は、格子パターンの輝度が低い領域を投影している光の光路を示している。
また、図4では、基準面91からカメラ3に向かう実線を図示している。この実線は、格子パターンの輝度が高い領域から出射した光が第1撮像素子31に至るまでの光路を示している。
この図4から分かるように、三次元形状計測装置1の光学系では、基準面91や物体面92がどの高さにあっても、カメラ3の撮像画像には、格子パターンの1周期が同じ大きさで映る。つまり、撮像画像における格子パターンの1周期の大きさは、プロジェクター2やカメラ3の内部のパラメーターによって定まり、基準面91や物体面92までの距離には影響されない。したがって、この光学系によれば、基準面91や物体面92までの距離によらず、撮像画像に基づいて物体9の三次元形状計測を行うことができる。
また、図5に示すように、三次元形状計測装置1では、プロジェクター2の光源222の中心から広がるように全面パターンを投影する。図5では、プロジェクター2から基準面91に向かう一点鎖線によって、プロジェクター2で投影される全面パターンを模式的に表現している。
一方、図5でも、基準面91からカメラ3に向かう実線を図示している。この実線は、全面パターンが投影された領域から出射した光が第2撮像素子32に至るまでの光路を示している。
1.2.計測方法
次に、第1実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図6は、第1実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
次に、第1実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図6は、第1実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
図6に示す三次元形状計測方法は、投影ステップS102と、撮像ステップS104と、補正ステップS106と、形状算出ステップS108と、を有する。
1.2.1.投影ステップ
投影ステップS102では、まず、プロジェクター2から物体9に向けて格子パターンおよび全面パターンを投影する。
投影ステップS102では、まず、プロジェクター2から物体9に向けて格子パターンおよび全面パターンを投影する。
図7は、プロジェクター2で投影された格子パターン51および全面パターン53をカメラ3で撮像し、第1偏光L1の成分を分離して得られた撮像画像である。図8は、プロジェクター2で投影された格子パターン51および全面パターン53をカメラ3で撮像し、第2偏光L2の成分を分離して得られた撮像画像である。図7および図8には、格子パターン51の方向を定義するx軸およびy軸を表す矢印と、カメラ3の画素間を表す破線と、を併せて図示している。破線で囲まれた四角形が、カメラ画素30に対応している。
図7および図8では、カメラ画素30の座標を(i,j)で表す。第1撮像素子31のi軸と格子パターン51の方向を規定しているx軸とが重なり、第1撮像素子31のj軸と格子パターン51の方向を規定しているy軸とが重なるように、プロジェクター2およびカメラ3の光学系が設定されている。
格子パターン51は、y軸に沿って延在する一次元格子である。具体的には、格子パターン51は、第1偏光L1が相対的に低い輝度で照射されているか、または、照射されてない帯状の領域511を複数有している。この帯状の領域511は、y軸と平行に延在し、かつ、x軸に沿って一定の間隔で並んでいる。また、格子パターン51は、領域511同士の間に位置し、第1偏光L1が相対的に高い輝度で照射されている帯状の領域512を複数有している。領域511の幅および領域512の幅は、互いに同じである。
続いて、後述する1ピッチ位相解析法による位相解析において、解析対象となる格子パターン51の1周期分の範囲について説明する。
本実施形態では、カメラ画素30において連続したN画素に、格子パターン51の1周期が映るように、プロジェクター2およびカメラ3で構成される光学系が設定されている。Nは3以上の整数である。
図7の例では、格子パターン51が、x軸に沿って連続したカメラ画素30の8つ分の長さの周期を有している。したがって、図7の例では、カメラ画素30の8つ分と、格子パターン51の1周期と、が一致するように光学系が設定されている。つまり、三次元形状計測装置1では、プロジェクター2で投影される格子パターン51の1周期が、カメラ画素30の整数倍分の長さになるように、光学系が設定されている。
一方、図8に示す全面パターン53は、少なくとも物体9を覆う範囲のカメラ画素30の全部に入射するように、第2偏光L2を照射して生成される。この全面パターン53は、各カメラ画素30での輝度が均一になるように、第2偏光L2を照射して生成されるのが好ましいが、各カメラ画素30での輝度は互いに異なっていてもよい。
第1偏光L1および第2偏光L2は、前述したように、偏光面が互いに直交している直線偏光である。投影ステップS102では、これらを同時に照射することで、格子パターン51および全面パターン53を同時に投影する。
カメラ3は、分離プリズム33を備えているため、第1偏光L1および第2偏光L2を重ねて照射しても分離して撮像することができる。このため、第1偏光L1および第2偏光L2を同時に照射し、第1偏光L1と第2偏光L2とを分離しつつ撮像することにより、高速での計測が可能になる。
このような理由から、プロジェクター2は、第1偏光L1による格子パターン51および第2偏光L2による全面パターン53を同時に投影する機能を有する。
なお、格子マスク216は、透過型液晶素子のような透過型の空間光変調素子、DMDや反射型液晶素子のような反射型の空間光変調素子で代替することもできる。DMDは、Digital Micromirror Deviceを指す。
1.2.2.撮像ステップ
撮像ステップS104では、物体9に投影されている格子パターン51および全面パターン53を、カメラ3で撮像する。撮像によって得られた第1撮像画像および第2撮像画像は、カメラ3から演算部42に伝送する。なお、第1撮像画像および第2撮像画像を、一旦、記憶部43に記憶させた後、演算部42から読み出すようにしてもよい。
撮像ステップS104では、物体9に投影されている格子パターン51および全面パターン53を、カメラ3で撮像する。撮像によって得られた第1撮像画像および第2撮像画像は、カメラ3から演算部42に伝送する。なお、第1撮像画像および第2撮像画像を、一旦、記憶部43に記憶させた後、演算部42から読み出すようにしてもよい。
カメラ3は、前述したように、第1撮像画像および第2撮像画像を個別かつ同時に取得する機能を有する。これにより、後述するステップでは、少ないタイムラグで補正処理および位相解析処理を開始することができる。
なお、本実施形態に係るカメラ3では、前述したように、分離プリズム33を用いることにより、第1撮像素子31の全てのカメラ画素で第1偏光L1の輝度値を取得し、第2撮像素子32の全てのカメラ画素で第2偏光L2の輝度値を取得することができる。ただし、複数のカメラ画素からなる画素群を1つのカメラ画素とみなすことができる場合には、分離プリズム33を省略するとともに撮像素子を1つにすることができる。この場合、画素群ごとに、微小な偏光子を並べた偏光板を用いるようにすればよい。
一方、本実施形態では、前述した投影ステップS102より以前に、物体9を配置していない基準面91に対して、投影ステップS102および撮像ステップS104と同様の工程を行っておく。そして、基準面91についての第1撮像画像および第2撮像画像を演算部42に送るとともに、演算部42による演算結果を記憶部43に記憶させておく。
1.2.3.補正ステップ
補正ステップS106では、補正処理部422が、第2撮像画像に基づいて第1撮像画像の輝度値を補正する。
補正ステップS106では、補正処理部422が、第2撮像画像に基づいて第1撮像画像の輝度値を補正する。
図9は、図6に示す撮像ステップS104で取得した第1撮像画像の一例である。図10は、図6に示す撮像ステップS104で取得した第2撮像画像の一例である。
図9に示す第1撮像画像には、図7と同様の格子パターン51が映っている。また、図9には、それに加えて、物体面92にある模様55が映っている。模様55は、物体面92の他の領域に比べて、反射率が低い領域である。このため、図9では、模様55が、格子パターン51の帯状の領域512に比べてやや暗く映っている。なお、帯状の領域512は、前述したように、帯状の領域511に比べて輝度が高い領域である。
第1撮像画像にこのような模様55が映り込むと、第1撮像画像を後述する位相解析処理に供したとき、模様55が格子パターン51の位相に影響を及ぼすおそれがある。すなわち、模様55が、第1撮像画像に映る格子パターン51の位相を変化させてしまうおそれがある。位相が変化すると、最終的に算出される高さ情報の精度も低下する。
一方、模様55は、第2撮像画像にも映り込む。図10に示す第2撮像画像は、前述したように全面パターン53が映っている。このため、明暗を伴う格子パターン51とは異なり、全体がほぼ同じ輝度で照明されることになる。その結果、第2撮像画像において、模様55と他の領域との間に生じる輝度値の差は、模様55と他の領域との間における反射率の差を忠実に反映したものとなる。
そこで、本実施形態では、この第2撮像画像を用いて、第1撮像画像の輝度値を補正する。具体的には、補正ステップS106では、カメラ画素30ごとに、第1撮像画像の輝度値を第2撮像画像の輝度値で除する補正処理を行う。これにより、第1撮像画像に映り込んだ模様55によって一部のカメラ画素30の輝度値が低下した場合でも、その低下した輝度値を補正することができる。その結果、補正後の第1撮像画像は、格子パターン51による輝度分布をより精度よく反映したものとなる。
図11は、図6に示す補正ステップS106で補正処理を施した後の第1撮像画像の一例である。図11に示す補正後の第1撮像画像では、破線550で示した領域と他の領域との間に生じていた輝度値の差がなくなっている。つまり、模様55による輝度値の低下が補正されている。その結果、図11では、格子パターン51による輝度分布が精度よく映っている。このような補正後の第1撮像画像を用いて、後述する位相解析処理を行うことにより、格子パターン51の位相をより精度よく算出することができる。
特に、1ピッチ位相解析法では、格子パターン51の1周期分の輝度値が高精度に取得される必要がある。その観点からすると、模様55とその他の領域との境界では、特に高さ情報の精度が低下しやすい。このような場合に、第1撮像画像に補正処理を施すと、境界部の位相情報に混入するノイズを減らすことができる。これにより、高さ情報の精度が低下するのを抑制することができる。
なお、補正ステップS106における補正処理の方法は、上記の方法に限定されず、第2撮像画像を用いた補正処理であれば、いかなる方法であってもよい。
1.2.4.形状算出ステップ
形状算出ステップS108は、さらに、位相解析ステップS110と、高さ情報算出ステップS112と、を有する。
形状算出ステップS108は、さらに、位相解析ステップS110と、高さ情報算出ステップS112と、を有する。
1.2.4.1.位相解析ステップ
位相解析ステップS110では、位相解析処理部424が、補正後の第1撮像画像に対して位相解析を行う。本実施形態では、一例として、1ピッチ位相解析(OPPA:One-Pitch Phase Analysis)法により、位相解析を行う。
位相解析ステップS110では、位相解析処理部424が、補正後の第1撮像画像に対して位相解析を行う。本実施形態では、一例として、1ピッチ位相解析(OPPA:One-Pitch Phase Analysis)法により、位相解析を行う。
具体的には、まず、補正後の第1撮像画像から、格子パターン51の1周期分の輝度値を抽出する。
図7では、一例として、x軸、y軸の原点を含み、x軸に沿って連続する8画素について注目している。この8画素を「1ピッチ格子OP1」という。この1ピッチ格子OP1が、格子パターン51の1周期分に相当する。
1ピッチ位相解析法では、1ピッチ格子OP1の各カメラ画素30で得られた輝度値データのセットを、1カメラ画素ずつ、x軸に沿ってシフトさせながら、順次、位相解析を行う。x軸に沿ったシフトが全て終わったら、続いて、1ピッチ格子OP1の各カメラ画素30で得られた輝度値データのセットを、1カメラ画素ずつ、y軸に沿ってシフトさせながら、順次、位相解析を行う。
なお、これらの工程の順序は、上記に限定されず、変更してもよい。このようにして、全てのカメラ画素30で位相情報を取得することができる。
1ピッチ格子OP1の位相解析で得られた位相情報は、1ピッチ格子OP1中の1つの代表カメラ画素の座標に対応させた状態で、制御装置4の記憶部43に記憶させる。
1.2.4.2.高さ情報算出ステップ
高さ情報算出ステップS112では、高さ情報算出部426が、記憶部43に記憶させておいた、物体面92についての位相情報と、基準面91についての位相情報と、を読み出す。そして、高さ情報算出部426は、これらの位相情報を比較して位相差を求める。また、高さ情報算出部426は、この位相差から、基準面91から物体面92までの高さ情報を算出する。これにより、物体面92の三次元形状が得られる。
高さ情報算出ステップS112では、高さ情報算出部426が、記憶部43に記憶させておいた、物体面92についての位相情報と、基準面91についての位相情報と、を読み出す。そして、高さ情報算出部426は、これらの位相情報を比較して位相差を求める。また、高さ情報算出部426は、この位相差から、基準面91から物体面92までの高さ情報を算出する。これにより、物体面92の三次元形状が得られる。
以上のように、本実施形態に係る三次元形状計測方法は、前述したように、投影ステップS102と、撮像ステップS104と、補正ステップS106と、形状算出ステップS108と、を有する。投影ステップS102では、第1偏光L1による格子パターン51、および、第1偏光L1に対して偏光面が直交している第2偏光L2による全面パターン53を、物体9(対象物)に投影する。撮像ステップS104では、物体9に投影されている格子パターン51および全面パターン53を、カメラ3で撮像し、第1偏光L1による第1撮像画像および第2偏光L2による第2撮像画像を得る。補正ステップS106では、第2撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値を補正する。形状算出ステップS108では、補正後の第1撮像画像について、格子パターン51の位相解析を行い、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、物体9の物体面92に模様55や汚れ等がある場合でも、第1撮像画像の輝度値を補正することができ、格子パターン51の位相解析を精度よく行うことができる。これにより、物体9の高さ情報をより正確に取得することができるため、物体9の三次元形状を高精度に計測することができる。
また、格子パターン51および全面パターン53を同時に照射しても、偏光の違いにより、第1偏光L1による第1撮像画像と第2偏光L2による第2撮像画像とを同時に取得することができる。このため、短時間で第1撮像画像の輝度値を補正することができ、物体9の三次元形状を高速に計測することができる。
また、本実施形態では、第2撮像画像に基づいて、第1撮像画像の画素ごとに輝度値を補正する。具体的には、例えば、カメラ画素30ごとに、第1撮像画像の輝度値を第2撮像画像の輝度値で除する補正処理を行う。
これにより、カメラ画素30ごとに、補正した輝度値を求めることができる。その結果、分解能を落とすことなく、補正処理を行うことができ、最終的に精度の高い三次元形状を算出することができる。
また、本実施形態では、プロジェクター2が合成プリズム23を備えている。合成プリズム23は、第1偏光L1および第2偏光L2を合成し、合成光L3として出力する。このため、投影ステップS102では、プロジェクター2が、互いに重なっている光軸で格子パターン51および全面パターン53を物体9(対象物)に投影する。
このように、格子パターン51および全面パターン53を互いに同軸で投影することにより、両者の配光特性の差を小さくすることができる。つまり、格子パターン51の出射点と物体9との位置関係、および、全面パターン53の出射点と物体9との位置関係、の間の差を小さくすることができる。これにより、例えば、模様55等の反射率に入射角依存性がある場合でも、第1撮像画像に映る模様55と第2撮像画像に映る模様55とで、輝度差の差を小さくすることができる。その結果、補正処理の精度を高めることができ、最終的により精度の高い三次元形状を算出することができる。
また、第1偏光L1および第2偏光L2は、互いに同じ波長域を含むことが好ましい。例えば、第1偏光L1が赤色の光である場合、第2偏光L2も赤色の光であることが好ましい。また、第1偏光L1が白色の光である場合、第2偏光L2も白色の光であることが好ましい。
このように互いに同じ波長域を含むことにより、第1偏光L1と第2偏光L2とで、模様55やそれ以外の領域における反射率の差を小さくすることができる。つまり、多くの物体9では、通常、反射率に波長依存性が存在する。このため、第1偏光L1および第2偏光L2が異なる波長域の光である場合、第1撮像画像と第2撮像画像の同一画素であっても、輝度値が大きく異なってしまう可能性がある。
これに対し、第1偏光L1および第2偏光L2が、互いに同じ波長域を含むことで、物体9の反射率に波長依存性があっても、輝度値の差を小さくすることができる。その結果、補正処理の精度を高めることができ、最終的により精度の高い三次元形状を算出することができる。
なお、同じ波長域を含むとは、第1偏光L1のピーク波長と、第2偏光L2のピーク波長と、の差が50nm以下である状態のことをいう。このような状態であれば、同じ波長域を含むといえる。
また、第1偏光L1の波長域および第2偏光L2の波長域は、特に限定されないが、これらの偏光はそれぞれ白色光であることが好ましい。これにより、物体9の色(物体色)によらず、物体面92は、いずれかの波長域において、十分な反射率を有する。このため、RGBの各波長域を含む白色光を用いることにより、物体色がどのような色であっても、十分な輝度の第1撮像画像および第2撮像画像を取得することができる。その結果、物体色によらず、高い精度の補正処理を実現することができる。
なお、白色光とは、例えば、白色発光ダイオードやその他の白色光源から出力された光のことをいう。このうち、白色発光ダイオードの白色化方式としては、例えば、三原色BGR方式、補色方式、蛍光励起方式等が挙げられるが、いずれであってもよい。
また、本実施形態に係る三次元形状計測装置1は、プロジェクター2と、カメラ3と、補正処理部422と、位相解析処理部424と、高さ情報算出部426と、を有する。プロジェクター2は、第1偏光L1による格子パターン51を射出する第1発光部21と、第1偏光L1に対して偏光面が直交している第2偏光L2による全面パターン53を射出する第2発光部22と、を備え、格子パターン51および全面パターン53を物体9(対象物)に投影する。カメラ3は、第1偏光L1と第2偏光L2とを分離する分離プリズム33(偏光分離部)を備え、分離プリズム33を介して、物体9に投影されている格子パターン51および全面パターン53を撮像し、第1偏光L1による第1撮像画像および第2偏光L2による第2撮像画像を得る。補正処理部422は、第2撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値を補正する。位相解析処理部424は、補正後の第1撮像画像について、格子パターン51の位相解析を行う。高さ情報算出部426は、位相解析の解析結果に基づいて、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、物体9の物体面92に模様55や汚れ等がある場合でも、第1撮像画像の輝度値を補正することができ、格子パターン51の位相解析を精度よく行い得る三次元形状計測装置1を実現することができる。このような三次元形状計測装置1は、物体9の高さ情報をより正確に取得することができるため、物体9の三次元形状を高精度に計測することができる。
また、本実施形態では、プロジェクター2が、格子パターン51および全面パターン53を合成して射出する合成プリズム23(偏光合成部)を備える。
このような構成によれば、合成プリズム23が、第1偏光L1および第2偏光L2を合成し、合成光L3として出力する。このため、プロジェクター2は、互いに重なっている光軸で格子パターン51および全面パターン53を物体9(対象物)に投影する。このように、格子パターン51および全面パターン53を互いに同軸で投影することにより、両者の配光特性の差を小さくすることができる。その結果、補正処理の精度を高めることができ、最終的により精度の高い三次元形状を算出することができる。
また、本実施形態では、分離プリズム33(偏光分離部)が、プリズム本体330と、第1クリーンアップ偏光板331と、第2クリーンアップ偏光板332と、を備える。プリズム本体330は、第1偏光L1と第2偏光L2とを分離する。第1クリーンアップ偏光板331は、プリズム本体330に設けられ、第1偏光L1を選択的に透過させる。第2クリーンアップ偏光板332は、プリズム本体330に設けられ、第2偏光L2を選択的に透過させる。
このような構成によれば、プリズム本体330の偏光分離特性が十分ではない場合や、物体9や基準面91における反射で第1偏光L1の偏光状態が乱れた場合でも、分離プリズム33において、目的とする偏光を精度よく選択して取り出すことができる。これにより、第1撮像画像および第2撮像画像においてノイズ成分の混入を抑制することができる。その結果、補正処理の精度を高めることができ、最終的により精度の高い三次元形状を算出することができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る三次元形状計測装置について説明する。
図12は、第2実施形態に係る三次元形状計測装置が備えるプロジェクターの内部構造を示す概略図である。
次に、第2実施形態に係る三次元形状計測装置について説明する。
図12は、第2実施形態に係る三次元形状計測装置が備えるプロジェクターの内部構造を示す概略図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図12において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第2実施形態に係る三次元形状計測装置は、合成プリズム23が省略されていること以外、第1実施形態に係る三次元形状計測装置1と同様である。
図12に示すプロジェクター2では、第1実施形態とは異なり、第1発光部21および第2発光部22が、互いに異なる光軸で第1偏光L1および第2偏光L2を射出する。
図12に示す第1発光部21は、光源212と、第1偏光板214と、格子マスク216と、投影レンズ241と、を備えている。投影レンズ241は、第1偏光板214から射出され、格子マスク216で空間変調された第1偏光L1の投影倍率を調整し、物体9に向けて投影する。
第2発光部22は、第1発光部21と隣り合う位置に設けられている。図12に示す第2発光部22は、光源222と、第2偏光板224と、投影レンズ242と、を備えている。投影レンズ242は、第2偏光板224から射出された第2偏光L2の投影倍率を調整し、物体9に向けて投影する。
このような第2実施形態では、第1偏光L1と第2偏光L2とで光軸が異なるが、第1発光部21と第2発光部22とを隣り合わせて配置することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図13は、第3実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
次に、第3実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図13は、第3実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図13において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図13に示す形状算出ステップS108は、第1実施形態が有する位相解析ステップS110および高さ情報算出ステップS112に加え、第2撮像画像解析ステップS111を有する。
3.1.第2撮像画像解析ステップ
第2撮像画像解析ステップS111では、演算部42が、第2撮像画像に対して物体抽出処理を行う。この物体抽出処理としては、例えば、第2撮像画像に映る物体9の内側と外側との間で生じる輝度値の差を検出し、物体9の輪郭を抽出する処理等が挙げられる。このような解析を行うことにより、第2撮像画像中における物体9の位置情報を取得することができる。この位置情報は、第1撮像素子31の座標系における物体9の座標を示す情報である。
第2撮像画像解析ステップS111では、演算部42が、第2撮像画像に対して物体抽出処理を行う。この物体抽出処理としては、例えば、第2撮像画像に映る物体9の内側と外側との間で生じる輝度値の差を検出し、物体9の輪郭を抽出する処理等が挙げられる。このような解析を行うことにより、第2撮像画像中における物体9の位置情報を取得することができる。この位置情報は、第1撮像素子31の座標系における物体9の座標を示す情報である。
本実施形態では、少なくとも物体9を覆う範囲のカメラ画素30の全部に第2偏光L2が入射するように、全面パターン53を投影しているので、輝度値データが欠落したカメラ画素30がなく、物体9の輪郭を高精度に抽出することができる。
一方、第2撮像画像中に、例えば物体9に遮られて第2偏光L2が当たらない領域(影領域)が含まれていた場合には、極端に低い輝度値として観測される。影領域では、輝度値が正しい値にならない場合がある。したがって、極端に低い輝度値を検出した場合には、それに基づいて、演算部42は、影領域に対応するカメラ画素を特定するのが好ましい。
また、第2撮像画像中に、例えば照射された第2偏光L2をカメラ3に向けて反射する領域(反射領域)が含まれていた場合には、極端に高い輝度値として観測される。このような輝度値は、物体面92中に光沢等を有する領域が含まれている場合等に観測されやすい。そして、反射が発生すると、輝度値が飽和してしまい、正しい輝度値が得られないおそれがある。したがって、極端に高い輝度値を検出した場合には、それに基づいて、演算部42は、反射領域に対応するカメラ画素を特定するのが好ましい。
そこで、第2撮像画像解析ステップS111では、第2撮像画素の輝度値が所定の範囲に入っているか否かを判定する。そして、輝度値が所定の範囲より低い場合、または、所定の範囲より高い場合には、高さ情報算出ステップS112において、そのカメラ画素についての高さ情報を出力しないように、出力要否の情報を記憶部43に記憶する。これにより、極端に高い輝度値や極端に低い輝度値に起因する誤差の大きい高さ情報が出力されてしまうのを避けることができる。なお、誤差が大きい高さ情報が含まれているよりは、あらかじめ除外されていた方が、三次元形状データの利用しやすさが向上するため、有用である。
また、1ピッチ位相解析法では、格子パターン51の1周期分で信頼性の高い輝度値を有していることが求められる。その観点からすると、影領域や反射領域に対応するカメラ画素の周辺では、位相解析の精度が低下する可能性がある。そこで、第2撮像画像解析ステップS111では、影領域や反射領域に対応するカメラ画素に加え、その周辺の少なくとも格子パターン1周期分の範囲のカメラ画素でも、最終的な高さ情報が出力されないように、出力要否の情報を記憶部43に記憶しておくようにしてもよい。これにより、影領域や反射領域の影響を間接的に受ける周辺のカメラ画素でも、高さ情報が出力されるのを防止することができる。
なお、物体抽出処理に先立って、第2撮像画像に画像処理を行うようにしてもよい。画像処理としては、例えば、二値化処理、フィルター処理、ノイズ除去処理等が挙げられる。
また、第2撮像画像解析ステップS111の位置は、図13に示す位置に限定されない。第2撮像画像解析ステップS111の位置は、例えば、補正ステップS106の前であっても、補正ステップS106と位相解析ステップS110との間であってもよい。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明の三次元形状計測方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態に任意の目的の工程が追加されたものであってもよい。また、本発明の三次元形状計測装置は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
1…三次元形状計測装置、2…プロジェクター、3…カメラ、4…制御装置、9…物体、21…第1発光部、22…第2発光部、23…合成プリズム、24…投影レンズ、30…カメラ画素、31…第1撮像素子、32…第2撮像素子、33…分離プリズム、34…撮像レンズ、41…制御部、42…演算部、43…記憶部、44…表示部、51…格子パターン、53…全面パターン、55…模様、90…載置台、91…基準面、92…物体面、212…光源、214…第1偏光板、216…格子マスク、222…光源、224…第2偏光板、241…投影レンズ、242…投影レンズ、330…プリズム本体、331…第1クリーンアップ偏光板、332…第2クリーンアップ偏光板、422…補正処理部、424…位相解析処理部、426…高さ情報算出部、511…領域、512…領域、550…破線、L1…第1偏光、L2…第2偏光、L3…合成光、O1…主点、O2…主点、OP1…1ピッチ格子、S102…投影ステップ、S104…撮像ステップ、S106…補正ステップ、S108…形状算出ステップ、S110…位相解析ステップ、S111…第2撮像画像解析ステップ、S112…高さ情報算出ステップ
Claims (8)
- 第1偏光による格子パターン、および、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを、対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを、カメラで撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るステップと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正するステップと、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を有することを特徴とする三次元形状計測方法。 - 前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の画素ごとに前記輝度値を補正する請求項1に記載の三次元形状計測方法。
- 互いに重なっている光軸で前記格子パターンおよび前記全面パターンを前記対象物に投影する請求項1または2に記載の三次元形状計測方法。
- 前記第1偏光および前記第2偏光は、互いに同じ波長域を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元形状計測方法。
- 前記第1偏光および前記第2偏光は、白色光である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元形状計測方法。
- 第1偏光による格子パターンを射出する第1発光部と、前記第1偏光に対して偏光面が直交している第2偏光による全面パターンを射出する第2発光部と、を備え、前記格子パターンおよび前記全面パターンを対象物に投影するプロジェクターと、
前記第1偏光と前記第2偏光とを分離する偏光分離部を備え、前記偏光分離部を介して、前記対象物に投影されている前記格子パターンおよび前記全面パターンを撮像し、前記第1偏光による第1撮像画像および前記第2偏光による第2撮像画像を得るカメラと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正する補正処理部と、
補正後の前記第1撮像画像について、前記格子パターンの位相解析を行う位相解析処理部と、
前記位相解析の解析結果に基づいて、前記対象物の高さ情報を算出する高さ情報算出部と、
を有することを特徴とする三次元形状計測装置。 - 前記プロジェクターは、前記格子パターンおよび前記全面パターンを合成して射出する偏光合成部を備える請求項6に記載の三次元形状計測装置。
- 前記偏光分離部は、
前記第1偏光と前記第2偏光とを分離するプリズム本体と、
前記プリズム本体に設けられ、前記第1偏光を選択的に透過させる第1クリーンアップ偏光板と、
前記プリズム本体に設けられ、前記第2偏光を選択的に透過させる第2クリーンアップ偏光板と、
を備える請求項6または7に記載の三次元形状計測装置。
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