JP2022138862A - 三次元形状計測方法および三次元形状計測装置 - Google Patents

三次元形状計測方法および三次元形状計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の形状によらず、対象物の三次元形状を高い計測精度で計測可能な三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を提供すること。【解決手段】第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、前記第1撮像画像および前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、を含むことを特徴とする三次元形状計測方法。【選択図】図5

Description

本発明は、三次元形状計測方法および三次元形状計測装置に関するものである。
物体の三次元表面形状を計測する方法として、光学的手法を用いた格子投影法が知られている。
特許文献1には、物体面に投影された格子像をカメラで撮影し、得られた撮影像から物体面の位置を計測する計測方法が開示されている。この計測方法は、格子像の格子の1周期にN個のカメラ画素を合わせた状態で、カメラにより撮影した撮影像を入力する工程と、入力した撮影像の連続する複数画素を抽出する工程と、抽出した複数画素の画像からN画素を1周期とする周波数成分の位相を求める工程と、位相により物体面の位置、つまり基準面からの物体面の高さを求める工程と、を有している。なお、Nは、2より大きい整数である。
この計測方法では、格子像1周期分の画像データから格子像の位相を解析することによって、物体面の三次元表面形状を計測する。格子像1周期分の画像データから位相を解析する方法によれば、1枚の撮影像から位相分布を解析することができるので、物体の三次元表面形状を高速に計測することができる。
国際公開第2016/001985号明細書
特許文献1に記載の計測方法では、計測分解能に異方性がある。具体的には、格子の方向と平行な方向では、計測分解能がカメラの1画素相当であるのに対し、格子像の方向と直交する方向では、計測分解能が格子像1周期相当にまで低下する。したがって、物体の形状によっては、十分な計測精度が得られないという課題がある。
本発明の適用例に係る三次元形状計測方法は、
第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
前記第1撮像画像および前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明の適用例に係る三次元形状計測方法は、
第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
前記第1の光により、第1全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第1全面パターンを前記カメラで撮像し、第3撮像画像を得るステップと、
前記第3撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値および前記第2撮像画像の輝度値を補正するステップと、
補正後の前記第1撮像画像および補正後の前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明の適用例に係る三次元形状計測方法は、
第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
前記第1の光により、第1全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第1全面パターンを前記カメラで撮像し、第3撮像画像を得るステップと、
前記第2の光により、第2全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
前記対象物に投影されている前記第2全面パターンを前記カメラで撮像し、第4撮像画像を得るステップと、
前記第3撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正し、前記第4撮像画像に基づいて、前記第2撮像画像の輝度値を補正するステップと、
補正後の前記第1撮像画像および補正後の前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明の適用例に係る三次元形状計測装置は、
第1の光による第1格子パターンおよび第2の光による第2格子パターンを互いに交差させて対象物に順次投影するプロジェクターと、
前記対象物に投影されている前記第1格子パターンおよび前記第2格子パターンを撮像し、第1撮像画像および第2撮像画像を得るカメラと、
前記第1撮像画像および前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出する演算部と、
を備えることを特徴とする。
第1実施形態に係る三次元形状計測装置の概略図である。 図1の三次元形状計測装置の光学系を模式的に示す側面図である。 図1の三次元形状計測装置の光学系を模式的に示す側面図である。 図1の三次元形状計測装置の光学系を模式的に示す上面図である。 第1実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。 プロジェクターで投影された第1格子パターンをカメラで撮像して得られた第1撮像画像である。 プロジェクターで投影された第2格子パターンをカメラで撮像して得られた第2撮像画像である。 平面上に置いた4つの棒状体に、一方向のみの格子パターンを投影したときの撮像画像の例である。 平面上に置いた4つの棒状体に、一方向のみの格子パターンを投影したときの撮像画像の例である。 図8に示す撮像画像から求めた高さ情報の分布を、一部で切り出して作成したグラフである。 図9に示す撮像画像から求めた高さ情報の分布を、一部で切り出して作成したグラフである。 1ピッチ格子の輝度値分布を表す輝度値データセットDSと、位相をずらしながら生成した複数の正弦波(第2参照波)と、の相関性(第2相関性)を求める手順を説明するための図である。 図12の表から算出した、輝度値データセットDSと比較対象Cとの間の相関係数の絶対値と、その中の最大値と、を示す表である。 第2実施形態に係る三次元計測装置の概略図である。 第2実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。 プロジェクターで投影された第1全面パターンをカメラで撮像して得られた第3撮像画像である。 第2撮像ステップで取得した第2撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。 第3撮像ステップで取得した第3撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。 補正ステップで補正処理を施した後の第2撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。 第3実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る三次元形状計測方法および三次元形状計測装置について説明する。
1.1.装置構成
図1は、第1実施形態に係る三次元形状計測装置の概略図である。本願の各図では、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を設定している。各軸は矢印で表され、先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とする。なお、以下の説明では、z軸のマイナス側を特に「上」とし、z軸のプラス側を「下」としている。また、z軸に沿った位置を「高さ」といい、x-y面内における位置を単に「位置」という。さらに、本明細書における「平行」には、一方の面または線と、他方の面または線と、のなす角度が0°±5°の範囲内でずれている状態も含む。同様に、本明細書における「垂直」および「直交」には、一方の線と、他方の線と、のなす角度が90°±5°の範囲内でずれている状態も含む。
図1に示す三次元形状計測装置1は、z軸に直交する基準面91上に設けられた対象物である物体9の表面、すなわち物体面92の位置および高さを算出し、三次元形状を計測する装置である。三次元形状の計測には、格子像の位相解析を伴う格子投影法を用いる。この方法では、格子パターンを物体9に投影し、その状態を撮像して得られた撮像画像に対して格子像の位相解析を行う。格子像の位相解析を行うことで、各画素での格子像の位相を求めることができる。そして、この位相から高さ情報を算出することにより、物体面92の三次元形状が得られる。
図1に示す三次元形状計測装置1は、プロジェクター2と、カメラ3と、制御装置4と、を備えている。また、図1には、上面が基準面91である載置台90と、基準面91上に載置された物体9と、を図示している。
プロジェクター2は、任意の波長の光を射出し、所望のパターンを投影する機能を有する。任意の波長の光とは、例えば可視光であれば、特に限定されないが、例えば、光の三原色である赤色(R)の光、緑色(G)の光および青色(B)の光の他、白色(W)の光等である。なお、以下の説明では、光の三原色を「RGB」ということがある。
図1に示すプロジェクター2は、光源21と、液晶素子やマスクのような光変調素子22と、レンズ23と、を備えている。なお、図1に示すプロジェクター2は、実際の構造を簡素化したものであり、例えば実際の光変調素子22は、複数に分かれていたり、レンズ23との位置が異なったりするという点で図1と相違していてもよい。
プロジェクター2では、光源21から出射した光を、光変調素子22によって空間光変調することにより、格子パターンを形成する。この格子パターンを、レンズ23を介して物体9に投影する。プロジェクター2は、制御装置4と電気的に接続されている。これにより、光変調素子22として液晶素子を用いた場合には、プロジェクター2から投影される格子パターンの色や方向、ピッチ等を制御装置4で制御することができる。なお、以下の説明では、光変調素子22の画素を「プロジェクター画素」ともいう。
プロジェクター2は、第1格子パターンおよび第2格子パターンを互いに直交させて基準面91および物体面92に投影する。
なお、プロジェクター2は、カメラ3による撮像画像またはユーザーによる指定に基づいて、物体9の色に適した波長の光を選択し、射出する機能を有していてもよい。
また、光変調素子22としては、例えば、透過型液晶素子のような透過型の空間光変調素子、DMDや反射型液晶素子のような反射型の空間光変調素子等が挙げられる。なお、DMDは、Digital Micromirror Deviceを指す。このうち、液晶素子やDMDのように、電気信号に基づいて光変調を制御可能な素子であれば、投影パターンの切り替えを速やかに行うことができる。また、異なる光変調素子を設ける必要がないため、同軸の光学系で各投影パターンを投影することができる。
カメラ3は、物体9に投影された格子パターンを撮像し、各画素で輝度値を検出する機能を有する。
図1に示すカメラ3は、撮像素子31と、レンズ32と、を備えている。なお、図1に示すカメラ3は、実際の構造を簡素化したものであり、例えば実際の撮像素子31は、複数に分かれているという点で図1と相違していてもよい。
カメラ3では、物体9に投影されている格子パターンを、レンズ32を介して撮像素子31で撮像する。撮像素子31は、行列状に配列した複数の画素を有する素子であり、例えば、CMOS素子、CCD素子等である。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)を指す。また、CCDは、Charge Coupled Device(電荷結合素子)を指す。
レンズ32は、撮像倍率を調整し、プロジェクター2から投影される格子パターンの撮像画像上でのサイズを調整する。
カメラ3は、制御装置4と電気的に接続されている。カメラ3で撮像した撮像画像は、制御装置4に送信され、格子像の位相解析に供される。なお、以下の説明では、撮像素子31の画素を「カメラ画素」ともいう。
カメラ3は、基準面91および物体面92に投影されている第1格子パターンおよび第2格子パターンを順次撮像し、第1格子パターンの格子像を含む第1撮像画像、および、第2格子パターンの格子像を含む第2撮像画像を得る。
カメラ3は、RGBの波長ごとに輝度値を検出するカラーカメラであってもよいが、波長によらず輝度値のみを検出するモノクロカメラであるのが好ましい。モノクロカメラでは、カラーフィルターを省略することができるので、解像度や感度、ダイナミックレンジ等がカラーカメラよりも良好であることが多い。したがって、カメラ3としてモノクロカメラを用いることにより、物体面92の三次元形状の計測を、高分解能でかつ高精度に行うことができる。
制御装置4は、制御部41と、演算部42と、記憶部43と、表示部44と、を有する。
制御部41は、プロジェクター2による格子パターンの投影、カメラ3による格子像の撮像、といった動作を、互いに協調させつつ制御する。
演算部42は、カメラ3の撮像画像に含まれた輝度値の分布が持つ信頼性を評価する信頼性評価部422と、撮像画像に含まれた格子像に対して位相解析を行う位相解析処理部424と、高さ情報を算出する高さ情報算出部426と、を有する。
記憶部43は、プロジェクター2に投影する格子パターンの投影データ、カメラ3で撮像した撮像画像、演算部42による演算結果等を記憶する。
表示部44は、必要に応じて設けられ、カメラ3の撮像画像、演算部42による演算結果等を表示する。
制御部41、演算部42および記憶部43の一部または全部は、情報を処理するプロセッサーと、プログラムやデータを記憶するメモリーと、外部インターフェースと、を有するハードウェアで構成される。プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、各機能を実現する。
プロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が挙げられる。メモリーとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置等が挙げられる。外部インターフェースとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、RS-232C、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
また、制御部41および演算部42の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されていてもよい。
以上のような三次元形状計測装置1では、互いに交差する2つの格子パターンを物体9に順次投影する。そして、格子パターンを投影するたびに、物体9に投影された格子パターンを撮像する。次に、2つの格子パターンを撮像した撮像画像について、格子像の位相解析を行う。そして、少なくとも一方の撮像画像から得られた解析結果に基づいて、基準面91から物体面92までの高さをカメラ画素ごとに算出し、物体面92の三次元形状を求める。
格子像の位相解析方法としては、撮像画像に含まれる格子像に対して位相解析を行い、位相分布を求められる方法であれば、特に限定されず、例えば、サンプリングモアレ法、1ピッチ位相解析法等が挙げられる。
本実施形態では、1ピッチ位相解析法を用いる。1ピッチ位相解析法の原理については、国際公開第2016/001985号明細書に記載されている。
1ピッチ位相解析法では、プロジェクター2の光学系およびカメラ3の光学系が、基準面91に対してそれぞれ平行になっている。このような光学系をモアレトポグラフィー光学系ともいう。かかる光学系によれば、物体9に投影された格子パターンをカメラ3で撮像して得られる撮像画像上では、物体面92の高さに関係なく、格子パターンの周期は一定になる。一方、物体面92の高さによって、カメラ画素での格子パターンの位相が変わることになる。したがって、1ピッチ位相解析法により、各カメラ画素での格子パターンの位相分布を解析することで、物体面92の三次元形状を求めることができる。
また、1ピッチ位相解析法のような位相解析方法では、1枚の撮像画像における1つの格子ピッチの輝度分布から位相解析を行うことができる。
図2および図3は、それぞれ、図1の三次元形状計測装置1の光学系を模式的に示す側面図である。なお、図2および図3は、装置構成の物理的な配置を厳密に表したものではない。
三次元形状計測装置1では、図2および図3に示すように、プロジェクター2およびカメラ3が、x軸方向とy軸方向の双方で互いに離間している。
プロジェクター2で投影される第1格子パターン51および第2格子パターン52は、図2および図3に示すように、レンズ23の中心から基準面91に向かって広がる範囲に投影される。ここでは、レンズ23の中心をプロジェクター2の主点O2とする。また、カメラ3の撮像範囲も、レンズ32の中心から基準面91に向かって広がる範囲となる。ここでは、レンズ32の中心をカメラ3の主点O1とする。
図2および図3では、プロジェクター2から基準面91に向かう多数の直線によって、プロジェクター2で投影される第1格子パターン51および第2格子パターン52を模式的に表現している。第1格子パターン51および第2格子パターン52を表す直線のうち、実線は、第1格子パターン51および第2格子パターン52の輝度が高い領域を投影している光の光路を示し、破線は、第1格子パターン51および第2格子パターン52の輝度が低い領域を投影している光の光路を示している。
基準面91に投影された第1格子パターン51および第2格子パターン52は、後述するように、延在方向が互いに直交するように投影される。
また、図2および図3では、基準面91からカメラ3に向かう多数の直線によって、基準面91に投影されている第1格子パターン51および第2格子パターン52の輝度が高い領域から出射した光が、撮像素子31のカメラ画素に至る光路を示している。
これらの図2および図3から分かるように、理想的なモアレトポグラフィー光学系では、基準面91から物体面92までの高さによらず、カメラ3の撮像画像に、格子像の1周期が同じ大きさで映る。つまり、撮像画像における格子像の1周期の長さは、プロジェクター2やカメラ3の内部のパラメーターによって定まり、基準面91や物体面92までの距離には原理上影響されない。一方、物体面92の高さによって格子像の位相が変化する。したがって、この光学系では、格子像の位相を解析することにより、物体面92の三次元形状計測を行うことができる。
図4は、図1の三次元形状計測装置1の光学系を模式的に示す上面図である。
図4に示すように、三次元形状計測装置1では、上方から見たとき、プロジェクター2の主点O2およびカメラ3の主点O1が、x軸に沿った主点間距離vxおよびy軸に沿った主点間距離vyを隔てて配置されている。
主点間距離vxおよび主点間距離vyは、互いに等しいことが好ましい。そして、主点O2および主点O1は、それぞれx-y平面上で、x軸およびy軸の双方と45°の角度で交差する基線BL上に位置しているのが好ましい。
このような位置関係を満たすように、プロジェクター2およびカメラ3を配置することで、x軸方向およびy軸方向の双方で、図2および図3に示すモアレトポグラフィー光学系を構成することができる。これにより、2つの格子パターンの格子像を解析することにより、2つの格子像から独立に解析結果を得ることができる。これにより、三次元形状計測を精度よく行うことができる。
1.2.計測方法
次に、第1実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図5は、第1実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
図5に示す三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、演算ステップS110と、を含む。
1.2.1.第1投影ステップ
第1投影ステップS102では、まず、図4に示す基線BL上に主点O1、O2が位置するように、プロジェクター2およびカメラ3を配置する。この基線BLは、第1格子パターン51および第2格子パターン52の双方に対して45°の角度で交差する直線である。本明細書において、「基線BLは、第1格子パターン51および第2格子パターン52の双方に対して45°の角度で交差する」とは、基線BLを基準面91に投影したとき、投影された基線BLが、互いに直交する関係を有する第1格子パターン51の延在方向および第2格子パターン52の延在方向の双方に対して45°±5°の範囲で交差している状態を指す。なお、プロジェクター2およびカメラ3の配置は、これに限定されない。
次に、基準面91上に載置された物体9に向けてプロジェクター2から第1の光を射出し、第1格子パターン51を投影する。
図6は、プロジェクター2で投影された第1格子パターン51をカメラ3で撮像して得られた第1撮像画像である。図6には、第1格子パターン51の延在方向を定義するx軸およびy軸を表す矢印と、カメラ3の画素間を表す破線と、を併せて図示している。破線で囲まれた四角形が、カメラ画素30に対応している。
図6では、カメラ画素30の座標を(i,j)で表す。撮像素子31のi軸と、第1格子パターン51を構成する縞模様が並ぶ方向を規定しているx軸と、が重なり、撮像素子31のj軸と、第1格子パターン51を構成する縞模様の延在方向を規定しているy軸と、が重なるように、プロジェクター2およびカメラ3の光学系が設定されている。
第1格子パターン51は、y軸に沿って延在する一次元格子である。具体的には、第1格子パターン51は、相対的に低い輝度で第1の光が照射されている、または、照射されていない帯状の領域511を複数有している。この帯状の領域511は、y軸と平行に延在し、かつ、x軸に沿って一定の間隔で並んでいる。また、第1格子パターン51は、相対的に高い輝度で第1の光が照射されている帯状の領域512を複数有している。この帯状の領域512は、領域511同士の間に位置している。領域511の幅および領域512の幅は、互いに同じである。
第1格子パターン51の1周期に対応するプロジェクター画素の画素数は、特に限定されない。つまり、領域511、512の幅に対応するプロジェクター画素の画素数は、1であっても、2以上であってもよい。
また、プロジェクター2のプロジェクター画素は、通常、x軸およびy軸に沿って行列状に配列しているが、プロジェクター画素の配列方向は、x軸およびy軸に対して傾いていてもよい。
1.2.2.第1撮像ステップ
第1撮像ステップS104では、物体9に投影されている第1格子パターン51を、カメラ3で撮像する。撮像によって得られた第1撮像画像は、カメラ3から演算部42に伝送される。なお、第1撮像画像を、一旦、記憶部43に格納した後、演算部42から読み出すようにしてもよい。
なお、本実施形態では、j軸に沿って連続したN個のカメラ画素30に第1格子パターン51の1周期が映るように、プロジェクター2およびカメラ3で構成される光学系が設定されている。Nは3以上の整数である。
具体的には、図6に示す第1格子パターン51では、j軸に沿って連続した8つのカメラ画素30の長さが1周期である。したがって、図6の例では、8つのカメラ画素30の長さと、第1格子パターン51の1周期と、が一致するように光学系が設定されている。これにより、8つの画素で1周期となる格子像を含む第1撮像画像が得られる。
1.2.3.第2投影ステップ
第2投影ステップS106では、第1格子パターン51に代えて、基準面91上に載置された物体9に向けてプロジェクター2から第2の光を射出し、第2格子パターン52を投影する。なお、第2格子パターン52は、第1格子パターン51と同軸の光学系で投影されるのが好ましい。これにより、第1格子パターン51と第2格子パターン52とで投影条件を揃えることができる。その結果、物体9の三次元形状の計測精度をより高めることができる。
図7は、プロジェクター2で投影された第2格子パターン52をカメラ3で撮像して得られた第2撮像画像である。図7には、第2格子パターン52の延在方向を定義するx軸およびy軸を表す矢印と、カメラ3の画素間を表す破線と、を併せて図示している。破線で囲まれた四角形が、カメラ画素30に対応している。
図7では、カメラ画素30の座標を(i,j)で表す。撮像素子31のi軸と、第2格子パターン52を構成する縞模様の延在方向を規定しているx軸と、が重なり、撮像素子31のj軸と、第2格子パターン52を構成する縞模様が並ぶ方向を規定しているy軸と、が重なるように、プロジェクター2およびカメラ3の光学系が設定されている。
第2格子パターン52は、x軸に沿って延在する一次元格子である。具体的には、第2格子パターン52は、相対的に低い輝度で第2の光が照射されている、または、照射されていない帯状の領域521を複数有している。この帯状の領域521は、x軸と平行に延在し、かつ、y軸に沿って一定の間隔で並んでいる。また、第2格子パターン52は、相対的に高い輝度で第2の光が照射されている帯状の領域522を複数有している。この帯状の領域522は、領域521同士の間に位置している。領域521の幅および領域522の幅は、互いに同じである。
第1格子パターン51の延在方向および第2格子パターン52の延在方向は、互いに交差している。これにより、物体9の形状によらず、計測分解能を高められる。なお、交差角度は、特に限定されないが、本実施形態では、直角になっている。直角とは、双方の延在方向のなす角度が90°±5°の範囲にある状態をいう。
第1格子パターン51の格子ピッチ、および、第2格子パターン52の格子ピッチは、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであるのが好ましい。これにより、双方のパターンによる計測レンジが同じになるため、計測を行いやすく、計測結果も取り扱いやすいものとなる。
第2格子パターン52の1周期に対応するプロジェクター画素の画素数は、特に限定されない。つまり、領域521、522の幅に対応するプロジェクター画素の画素数は、1であっても、2以上であってもよい。
第1の光および第2の光は、互いに同じ色の光であってもよいし、互いに異なる色の光であってもよい。
第1の光および第2の光が互いに同じ色の光である場合、第1の光と第2の光とで物体9における反射率の差を小さくすることができる。つまり、物体9の反射率には波長依存性があるため、第1の光と第2の光とで色を同じにすれば、反射率の差を実質的になくすことができる。これにより、第1撮像画像と第2撮像画像とで、輝度値の分布が大きく異なってしまうのを防止することができる。具体的には、第1の光と第2の光とで色が異なっている場合、物体9の反射率の波長依存性によっては、第1撮像画像と第2撮像画像とで輝度値の分布が大きく異なってしまうおそれがある。これに対し、第1の光および第2の光が互いに同じ色の光である場合、輝度値の分布が異なる可能性は低くなる。その結果、物体面92の三次元形状の計測精度をより高めることができる。
なお、同じ色の光とは、例えば、単色光の場合には、ピーク波長の差が50nm以下である光をいう。
また、単色光ではない場合には、第1の光を投影して撮像された第1撮像画像と、第2の光を投影して撮像された第2撮像画像とで、階調の順序に逆転が生じないように、波長分布が十分に近い光を指して「同じ色の光」という。
さらに、同じ色の光は、特に、白色光であることが好ましい。これにより、物体9の色によらず、物体面92は、いずれかの波長域において、十分な反射率を有する。このため、白色光を用いることにより、物体9の色がどのような色であっても、十分な輝度の第1撮像画像および第2撮像画像を取得することができる。
なお、白色光とは、例えば、白色発光ダイオードやその他の白色光源から出力された光のことをいう。このうち、白色発光ダイオードの白色化方式としては、例えば、三原色RGB方式、補色方式、蛍光励起方式等が挙げられるが、いずれであってもよい。
1.2.4.第2撮像ステップ
第2撮像ステップS108では、物体9に投影されている第2格子パターン52を、カメラ3で撮像する。撮像によって得られた第2撮像画像は、カメラ3から演算部42に伝送される。なお、第2撮像画像を、一旦、記憶部43に格納した後、演算部42から読み出すようにしてもよい。
なお、本実施形態では、i軸に沿って連続したN個のカメラ画素30に第2格子パターン52の1周期が映るように、プロジェクター2およびカメラ3で構成される光学系が設定されている。Nは3以上の整数である。
具体的には、図7に示す第2格子パターン52では、i軸に沿って連続した8つのカメラ画素30の長さが1周期である。したがって、図7の例では、8つのカメラ画素30の長さと、第2格子パターン52の1周期と、が一致するように光学系が設定されている。これにより、8つの画素で1周期となる格子像を含む第2撮像画像が得られる。
なお、第1撮像ステップS104と第2撮像ステップS108との時間間隔は、特に限定されないが、1/200秒以上1秒以下程度であるのが好ましく、1/100秒以上1/10秒以下程度であるのがより好ましい。時間間隔を前記範囲内に設定することにより、第1格子パターン51から第2格子パターン52への切り替えに必要な時間を確保しつつ、第1撮像画像と第2撮像画像との撮像時間差を少なく抑えることができる。また、良好な第1撮像画像および第2撮像画像の取得に必要な露光時間を確保することができる。これにより、例えば物体9が移動している場合であっても、物体9の三次元形状を精度よく計測することができる。
1.2.5.演算ステップ
演算ステップS110は、位相解析ステップS112と、信頼性評価ステップS114と、信頼性比較ステップS116と、形状算出ステップS118と、を有している。
1.2.5.1.位相解析ステップ
位相解析ステップS112では、まず、演算部42の位相解析処理部424が、撮像画像に含まれる格子像に対して位相解析を行う。本実施形態では、一例として、既知の1ピッチ位相解析法により、位相解析を行う。具体的には、第1格子パターン51を撮像した第1撮像画像、および、第2格子パターン52を撮像した第2撮像画像から、それぞれ、格子像1周期分の輝度値を抽出する。
図6では、一例として、x軸、y軸の原点を含み、x軸に沿って連続する8つのカメラ画素30について注目している。この8つのカメラ画素30を「1ピッチ格子OP1」という。1ピッチ格子OP1のx軸に沿う長さが、第1格子パターン51の1周期に相当する。
図7では、一例として、x軸、y軸の原点を含み、y軸に沿って連続する8つのカメラ画素30について注目している。この8つのカメラ画素30を「1ピッチ格子OP2」という。1ピッチ格子OP2のy軸に沿う長さが、第2格子パターン52の1周期に相当する。
1ピッチ位相解析法では、1ピッチ格子OP1を、1カメラ画素ずつ、x軸に沿ってシフトさせながら、1ピッチ格子OP1の輝度値のデータセットについて、順次、位相解析を行う。x軸に沿ったシフトが全て終わったら、続いて、1ピッチ格子OP1を、1カメラ画素ずつ、y軸に沿ってシフトさせながら、順次、同様に位相解析を行う。
また、これと同様に、1ピッチ格子OP2を、1カメラ画素ずつ、y軸に沿ってシフトさせながら、1ピッチ格子OP2の輝度値のデータセットについて、順次、位相解析を行う。y軸に沿ったシフトが全て終わったら、続いて、1ピッチ格子OP2を、1カメラ画素ずつ、x軸に沿ってシフトさせながら、順次、同様に位相解析を行う。
1ピッチ格子OP1の位相解析で得られた第1位相情報は、1ピッチ格子OP1中の1つの代表カメラ画素の座標に対応させた状態で、制御装置4の記憶部43に格納される。同様に、1ピッチ格子OP2の位相解析で得られた第2位相情報は、1ピッチ格子OP2中の1つの代表カメラ画素の座標に対応させた状態で、制御装置4の記憶部43に格納される。
これらの工程の順序は、上記に限定されず、変更してもよい。このようにして、全てのカメラ画素30で第1位相情報および第2位相情報を取得することができる。
1.2.5.2.信頼性評価ステップ
本実施形態では、第1格子パターン51およびそれに交差する第2格子パターン52の双方を用いて、最終的に物体面92の三次元形状を算出している。以下、その意義について説明する。
図8および図9は、それぞれ、平面上に置いた4つの棒状体に、一方向のみの格子パターンを投影したときの撮像画像の例である。なお、図8と図9とで、棒状体の向きがほぼ90°異なっている。このため、図8では、格子パターンの延在方向と、棒状体の長手方向と、がほぼ平行になっている。これに対し、図9では、格子パターンの延在方向と、棒状体の長手方向と、がほぼ垂直になっている。なお、図8および図9に示すように、4つの棒状体は、幅が1mm、2mm、3mm、4mmのものである。また、格子パターンの格子ピッチは1.7mmである。
図10および図11は、図8および図9に示す撮像画像から求めた高さ情報の分布を、一部で切り出して作成したグラフである。
図10と図11を比較すると、図10では、高さ情報の変化を示す段差の形状が鈍っており、棒状体の面内における位置の計測分解能が低いことがわかる。図10では、理論的には、格子パターンの1周期分の長さが計測分解能になる。
これに対し、図11では、高さ情報の変化を示す段差の形状が明瞭であり、棒状体の面内における位置の計測分解能が十分に高いことがわかる。図11では、理論的には、カメラ画素のピッチが計測分解能になる。
これらを踏まえると、物体9の輪郭形状と、格子パターンの延在方向と、の関係によって、計測分解能が左右されることがわかる。
そこで、本実施形態では、延在方向が互いに異なっている第1格子パターン51および第2格子パターン52を撮像した第1撮像画像および第2撮像画像を取得する。そして、信頼性評価ステップS114では、第1位相情報および第2位相情報のうち、どちらの信頼性が高いのかを評価する。そして、後述するステップにおいて、信頼性が高い方の位相情報を用いて高さ情報を算出する。これにより、物体9の形状によらず、精度の高い三次元形状を計測することができる。
具体的には、信頼性評価ステップS114では、信頼性評価部422が、第1撮像画像が含む輝度値の分布が持つ信頼性、および、第2撮像画像が含む輝度値の分布が持つ信頼性、を評価する。信頼性とは、位相解析の原理に基づいて推定される、輝度値の分布が持つ位相情報の精度のことをいい、信頼性が高ければ、真値に近い位相情報を得られる確率は高くなる。
本実施形態では、第1撮像画像が含む輝度値の分布の信頼性として、輝度値の分布と、第1格子パターン51の格子像を模した第1参照波と、の間の相関性(第1相関性)を採用している。同様に、本実施形態では、第2撮像画像が含む輝度値の分布の信頼性として、輝度値の分布と、第2格子パターン52の格子像を模した第2参照波と、の間の相関性(第2相関性)を採用している。
図12は、1ピッチ格子の輝度値分布を表す輝度値データセットDSと、位相をずらしながら生成した複数の正弦波(第2参照波)と、の相関性(第2相関性)を求める手順を説明するための図である。
信頼性評価部422は、1ピッチ格子OP2の各カメラ画素で得られた図12に示す輝度値データセットDSと、第2格子パターン52の周期で位相をずらしながら計算によって生成した正弦波(第2参照波)と、の相関性(第2相関性)を求める。この相関性は、輝度値データセットDSが、正弦波に対してどの程度近い分布を有しているかを示すものである。
信頼性評価ステップS114では、まず、第1撮像画像における1ピッチ格子OP1の輝度値データセットDSについての相関性(第1相関性)、および、第2撮像画像における1ピッチ格子OP2の輝度値データセットDSについての相関性(第2相関性)、をそれぞれ求める。後述するステップでは、第1相関性と第2相関性とを比較し、比較結果に基づいて、データ選別用マップを作成する。
以下、1ピッチ格子OP2の輝度値データセットDSについての相関性を求める方法について説明する。なお、1ピッチ格子OP1の輝度値データセットについての相関性を求める方法は、以下で説明する方法と同様であるため、説明を省略する。
図12には、一例として、y軸方向に連続する35カメラ画素分の輝度値を示している。このうち、y=0からy=9までの10カメラ画素が1ピッチ格子OP2に相当する。つまり、図12の例では、10カメラ画素分の長さが、第2格子パターン52の1周期に相当する。そして、1ピッチ格子OP2分の輝度値を輝度値データセットDSとする。
また、図12では、10カメラ画素分の長さを1周期とする正弦波を計算により生成し、カメラ画素ごとの振幅値を求め、記載している。この正弦波は、図12に示すように、S(y)=sin{2π/10(y+φ)}で表される。このとき、S(y)が振幅値、φが正弦波の位相である。この位相を、例えば0.5カメラ画素分ずつ振ることにより、位相の異なる複数の正弦波を生成することができる。図12には、一例として、φ=0からφ=9.5まで、0.5カメラ画素ずつ位相を振った複数の正弦波の振幅値S(y)を示している。なお、位相の振り幅は、特に限定されず、1カメラ画素分またはそれ未満であってもよいし、0.5カメラ画素分未満であってもよい。
次に、輝度値データセットDSと、複数の正弦波と、の間で相関性を求め、比較する。図12では、複数の正弦波のうち、輝度値データセットDSと比較する範囲を「比較対象C」とする。相関性を求めるにあたっては、輝度値データセットDSと、比較対象C中の各正弦波と、の相関係数を算出する。なお、本実施形態では、相関係数を算出するときの第1参照波および第2参照波として正弦波を用いているが、周期が同じであれば、正弦波に代えて、その他の波を用いるようにしてもよい。
図13は、図12の表から算出した、輝度値データセットDSと比較対象Cとの間の相関係数の絶対値と、その中の最大値と、を示す表である。
前述した手順で算出した輝度値データセットDSと比較対象Cとの間の相関係数の絶対値およびその最大値は、図13に示す表のうち、y=0の行に示している。
y=0に数値を入れたら、続いて、図12に示す輝度値データセットDSおよび比較対象Cをそれぞれy軸プラス側に1つシフトさせる。そして、再び、相関係数の絶対値およびその最大値を算出し、算出結果を図13に示す表のy=1の行に示す。
この作業を、図13に示すy=25の行まで繰り返すことにより、図13に示す表が作成される。なお、図12に示すφ=5.0~9.5の正弦波は、φ=0~4.5の正弦波を反転させたものであるため、図13では、輝度値データセットDSとφ=5.0~9.5の正弦波との相関関数については省略している。以下の説明では、相関係数の絶対値を、単に相関係数という。
このようにして算出した最大値を、各カメラ画素における相関係数として採用する。
上記と同様にして、1ピッチ格子OP1についても、相関係数およびその最大値を算出する。
以上のような手順を経て、1ピッチ格子OP1から算出した相関係数の最大値、および、1ピッチ格子OP2から算出した相関係数の最大値を、カメラ画素ごとに算出する。
1.2.5.3.信頼性比較ステップ
信頼性比較ステップS116では、信頼性評価部422が、カメラ画素ごとに、1ピッチ格子OP1から算出した相関係数の最大値(第1相関性)と、1ピッチ格子OP2から算出した相関係数の最大値(第2相関性)と、を比較する。そして、高い方を記憶部43に記憶する。これにより、記憶部43には、前述した第1位相情報と第2位相情報のどちらを用いるべきかという「選択情報」が、各カメラ画素の座標と関連付けた状態で格納される。後述する形状算出ステップS118では、この選択情報に基づいて、いずれか一方の位相情報を用い、高さ情報を算出する。
なお、あらかじめしきい値(基準値)を設けておき、1ピッチ格子OP1から算出した相関係数の最大値と1ピッチ格子OP2から算出した相関係数の最大値の双方がしきい値よりも低い場合には、そのカメラ画素について、最終的な高さ情報を出力しないようにしてもよい。この場合、記憶部43には、第1位相情報と第2位相情報のいずれも指定しないという選択情報が格納される。そうなると、そのカメラ画素では、高さ情報が存在しないことになるが、誤差の大きい高さ情報が出力されるより、あらかじめ除外されていた方が、三次元形状データとしての利用しやすさが向上するため、有用である。
例えば、図13では、相関係数の最大値のしきい値を0.95に設定している。相関係数の最大値が0.95未満になっている欄には、図示の便宜のため、ドットを付している。また、特に、相関係数の最大値が0.90未満になっている欄には、相対的に密なドットを付している。図13の例では、これらの欄に該当するカメラ画素について、高さ情報を出力しないという選択情報を設定すればよい。
一方、信頼性評価部422は、1ピッチ格子OP1から算出した相関係数と1ピッチ格子OP2から算出した相関係数の双方がしきい値以上になった場合、第1位相情報と第2位相情報の双方を指定するという選択情報を記憶部43に格納するようにしてもよい。
以上のようにして、信頼性評価部422は、各カメラ画素の座標と、選択情報と、を関連付けた「データ選別用マップ」を作成し、記憶部43に格納する。
なお、前述した第1投影ステップS102の以前に、物体9を配置していない基準面91に対して、第1投影ステップS102、第1撮像ステップS104、第2投影ステップS106および第2撮像ステップS108と同様の工程を行っておいてもよい。これにより、基準面91についての第1撮像画像および第2撮像画像を取得し、第1撮像画像および第2撮像画像についての演算結果が記憶部43に格納される。
なお、信頼性評価部422は、物体面92についてのデータ選別用マップだけでなく、基準面91についてのデータ選別用マップを作成するようにしてもよい。
1.2.5.4.形状算出ステップ
形状算出ステップS118では、演算部42の高さ情報算出部426が、記憶部43に格納しておいた、物体面92についての第1位相情報および第2位相情報の少なくとも一方と、基準面91についての第1位相情報および第2位相情報の少なくとも一方と、を読み出す。
基準面91についての第1位相情報および第2位相情報は、前述した第1投影ステップS102の以前に、あらかじめ取得し、記憶部43に格納しておけばよい。
次いで、高さ情報算出部426は、データ選別用マップに基づいて位相情報の選択を行うとともに、物体面92についての位相情報と、基準面91についての位相情報と、を用いて位相差を求める。そして、高さ情報算出部426は、この位相差から、基準面91から物体面92までの高さ情報を算出する。また、高さ情報の分布から物体面92の位置を算出する。このようにして、物体面92の三次元形状が求められる。すなわち、形状算出ステップS118において、演算部42は、第1撮像画像および第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、物体面92の高さ情報を算出する。
なお、信頼性評価ステップS114および信頼性比較ステップS116の位置は、上記の位置に限定されず、例えば、位相解析ステップS112の前であってもよいし、形状算出ステップS118の後であってもよい。前者の場合、位相解析ステップS112では、データ選別用マップで選択された撮像画像についてのみ位相解析処理を行えばよいので、演算量を減らすことができる。後者の場合、形状算出ステップS118では、第1位相情報から算出した高さ情報または第2位相情報から算出した高さ情報をデータ選別用マップに基づいて選択し、物体面92の三次元形状を算出する。
以上のように、本実施形態に係る三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、演算ステップS110と、を含む。第1投影ステップS102では、第1の光により、第1格子パターン51を物体9(対象物)に投影する。第1撮像ステップS104では、物体9に投影されている第1格子パターン51をカメラ3で撮像し、第1撮像画像を得る。第2投影ステップS106では、第2の光により、第1格子パターン51と交差する第2格子パターン52を物体9に投影する。第2撮像ステップS108では、物体9に投影されている第2格子パターン52をカメラ3で撮像し、第2撮像画像を得る。演算ステップS110では、第1撮像画像および第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、互いに交差する第1格子パターン51および第2格子パターン52を用い、それぞれの格子像の位相解析を行うため、物体9の形状によらず、物体9の三次元形状を精度よく計測することができる。また、第1撮像画像と第2撮像画像の少なくとも2枚の画像から三次元形状を求めることができるので、多数枚の画像が必要な方法に比べて、短時間での計測が可能である。
また、物体9(対象物)の高さ情報を算出する演算ステップS110では、同一画素について、第1撮像画像における輝度値の分布と第1格子パターン51の格子像を模した第1参照波との間の第1相関性、および、第2撮像画像における輝度値の分布と第2格子パターン52の格子像を模した第2参照波との間の第2相関性、を算出し、第1相関性および第2相関性を比較する。そして、第1相関性が第2相関性よりも高い場合には、第1撮像画像に基づいて物体9の高さ情報を算出する。また、第2相関性が第1相関性よりも高い場合には、第2撮像画像に基づいて物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、相関性に基づいて、撮像画像の輝度値の分布が持つ位相情報の信頼性を的確かつ容易に評価することができる。このため、計測分解能が相対的に高い方の撮像画像を選択して解析に供することができるので、より高い精度で三次元形状を求めることができる。
また、本実施形態に係る三次元形状計測装置1は、プロジェクター2と、カメラ3と、演算部42を有する制御装置4と、を備える。プロジェクター2は、第1の光による第1格子パターン51および第2の光による第2格子パターン52を互いに交差させて物体9(対象物)に順次投影する。カメラ3は、物体9に投影されている第1格子パターン51および第2格子パターン52を撮像し、第1撮像画像および第2撮像画像を得る。演算部42は、第1撮像画像および第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、互いに交差する第1格子パターン51および第2格子パターン52を用い、それぞれの格子像の位相解析を行うため、物体9の形状によらず、物体9の三次元形状を精度よく計測し得る三次元形状計測装置1を実現することができる。また、第1撮像画像と第2撮像画像の少なくとも2枚の画像から三次元形状を求めることができるので、多数枚の画像が必要な方法に比べて、短時間での計測が可能である。
また、第1撮像画像および第2撮像画像は、カラー画像であってもよいが、モノクロ画像であるのが好ましい。モノクロ画像は、色相の情報を含まないため、カラー画像に比べて、分解能を高めやすい。したがって、第1撮像画像および第2撮像画像をモノクロ画像とすることにより、より高い精度で三次元形状を求めることができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る三次元形状計測方法および三次元形状計測装置について説明する。
図14は、第2実施形態に係る三次元計測装置の概略図である。図15は、第2実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。図16は、プロジェクター2で投影された第1全面パターン53をカメラ3で撮像して得られた第3撮像画像である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図14ないし図16において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
2.1.装置構成
第2実施形態に係る三次元形状計測装置1Aは、制御装置4の構成が異なる以外、第1実施形態に係る三次元形状計測装置1と同様である。
図14に示す制御装置4の演算部42は、前述した信頼性評価部422、位相解析処理部424および高さ情報算出部426に加え、補正処理部428を有している。補正処理部428は、第3撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値および第2撮像画像の輝度値を補正する。
2.2.計測方法
第2実施形態に係る三次元形状計測方法は、第1全面パターン53を投影し、その撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値または第2撮像画像の輝度値を補正すること以外、第1実施形態と同様である。
図15に示す三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、第3投影ステップS122と、第3撮像ステップS124と、補正ステップS140と、演算ステップS110と、を有する。
2.2.1.第1投影ステップ
第1投影ステップS102では、第1実施形態と同様にして、物体9に向けてプロジェクター2から第1の光を射出し、第1格子パターン51を投影する。
2.2.2.第1撮像ステップ
第1撮像ステップS104では、第1実施形態と同様にして、物体9に投影されている第1格子パターン51を、カメラ3で撮像する。これにより、第1撮像画像を得る。
2.2.3.第2投影ステップ
第2投影ステップS106では、第1実施形態と同様にして、物体9に向けてプロジェクター2から第2の光を射出し、第2格子パターン52を投影する。
2.2.4.第2撮像ステップ
第2撮像ステップS108では、第1実施形態と同様にして、物体9に投影されている第2格子パターン52を、カメラ3で撮像する。これにより、第2撮像画像を得る。
2.2.5.第3投影ステップ
第3投影ステップS122では、物体9に向けてプロジェクター2から第1の光を射出し、第1全面パターン53を投影する。図16に示す第1全面パターン53は、少なくとも物体9を覆う範囲に投影される。この第1全面パターン53は、基準面91に投影され、それをカメラ3で撮像したとき、各カメラ画素30での輝度値が均一になるように生成される。したがって、プロジェクター画素間における輝度の指示値は、互いに等しくてもよいが、プロジェクター2やカメラ3の光学収差、基準面91の反射率等に応じて、互いに異ならせてもよい。
なお、第1全面パターン53は、第1格子パターン51と同軸の光学系で投影されるのが好ましい。これにより、第1格子パターン51と第1全面パターン53とで投影条件を揃えることができる。その結果、物体9の三次元形状の計測精度をより高めることができる。
2.2.6.第3撮像ステップ
第3撮像ステップS124では、物体9に投影されている第1全面パターン53を、カメラ3で撮像する。これにより、第3撮像画像を得る。
なお、第2撮像ステップS108と第3撮像ステップS124との時間間隔は、特に限定されないが、1/200秒以上1秒以下程度であるのが好ましく、1/100秒以上1/10秒以下程度であるのがより好ましい。時間間隔を前記範囲内に設定することにより、第2格子パターン52から第1全面パターン53への切り替えに必要な時間を確保しつつ、第2撮像画像と第3撮像画像との撮像時間差を少なく抑えることができる。また、良好な第2撮像画像および第3撮像画像の取得に必要な露光時間を確保することができる。これにより、例えば物体9が移動している場合であっても、物体9の三次元形状を精度よく計測することができる。
2.2.7.補正ステップ
補正ステップS140では、補正処理部428が、第3撮像画像に基づいて第1撮像画像の輝度値および第2撮像画像の輝度値を補正する。以下の説明では、第2撮像画像の輝度値を補正する例について説明する。
図17は、第2撮像ステップS108で取得した第2撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。図18は、第3撮像ステップS124で取得した第3撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。
図17に示す第2撮像画像には、図7と同様の第2格子パターン52が映っている。また、図17は、第2格子パターン52に加えて、物体面92にある模様55が映っている例である。模様55は、物体面92の他の領域に比べて、反射率が低い領域である。このため、図17では、模様55が、第2格子パターン52の帯状の領域522に比べてやや暗く映っている。なお、帯状の領域522は、前述したように、帯状の領域521に比べて輝度が高い領域である。
第2撮像画像にこのような模様55が映り込むと、第2撮像画像を後述する位相解析処理に供したとき、模様55が第2格子パターン52の格子像の位相に影響を及ぼすおそれがある。位相が意図せず変化すると、最終的に算出される高さ情報の精度も低下する。
一方、模様55は、第3撮像画像にも映り込む。図18に示す第3撮像画像は、前述したように第1全面パターン53が映っている。このため、明暗を伴う第2格子パターン52とは異なり、基準面91上では、全体がほぼ同じ輝度で照明されることになる。その結果、第3撮像画像において、模様55と他の領域との間に生じる輝度値の差は、模様55と他の領域との間における反射率の差を反映したものとなる。
そこで、本実施形態では、この第3撮像画像を用いて、第2撮像画像の輝度値を補正する。具体的には、補正ステップS140では、カメラ画素30ごとに、第2撮像画像の輝度値を第3撮像画像の輝度値で除する補正処理を行う。これにより、第2撮像画像に映り込んだ模様55によって一部のカメラ画素30の輝度値が低下した場合でも、その低下を補正することができる。その結果、補正後の第2撮像画像は、第2格子パターン52による輝度分布をより精度よく反映したものとなる。
図19は、補正ステップS140で補正処理を施した後の第2撮像画像の一部を拡大した拡大図の一例である。図19に示す補正後の第2撮像画像では、破線550で示した領域と他の領域との間に生じていた輝度値の差がなくなっている。つまり、模様55による輝度値の低下が補正されている。その結果、図19では、第2格子パターン52の格子像が本来の輝度分布を伴っている。このような補正後の第2撮像画像を用いて、後述する位相解析処理を行うことにより、第2格子パターン52の位相をより精度よく算出することができる。
なお、補正ステップS140における補正処理の方法は、上記の方法に限定されず、第3撮像画像を用いた補正処理であれば、いかなる処理であってもよい。
例えば、物体面92中に、例えば物体9自身に遮られて第1の光が当たらない領域(影領域)が含まれていた場合には、極端に低い輝度値として観測される。したがって、第3撮像画像において極端に低い輝度値を検出することができれば、それに基づいて、影領域に対応するカメラ画素を特定することができる。
また、物体面92中に、例えば照射された第1の光をカメラ3に向けて極めて高い反射率で反射する領域(反射領域)が含まれていた場合には、極端に高い輝度値として観測される。このような輝度値は、物体面92中に光沢等を有する領域が含まれている場合等に観測されやすい。そして、反射が発生すると、輝度値が飽和してしまい、正しい輝度値が得られないおそれがある。したがって、第3撮像画像において極端に高い輝度値を検出することができれば、それに基づいて、反射領域に対応するカメラ画素を特定することができる。
そこで、補正ステップS140では、第3撮像画素の輝度値が所定の範囲に入っているか否かを判定する処理を行ってもよい。この処理の結果、輝度値が所定の範囲より低い場合、または、所定の範囲より高い場合には、後述する演算ステップS110において、そのカメラ画素では高さ情報を出力しないように、出力要否の情報を記憶部43に格納する。これにより、極端に高い輝度値や極端に低い輝度値に起因する誤差の大きい高さ情報が出力されてしまうのを避けることができる。なお、誤差が大きい高さ情報が含まれているよりは、あらかじめ除外されていた方が、三次元形状データの利用しやすさが向上するため、有用である。
また、1ピッチ位相解析法では、格子パターンの1周期分で信頼性の高い輝度値を有していることが求められる。その観点からすると、影領域や反射領域に対応するカメラ画素の周辺では、位相解析の精度が低下する可能性がある。そこで、補正ステップS140では、影領域や反射領域に対応するカメラ画素に加え、その周辺の、少なくとも格子パターンの1周期分の範囲のカメラ画素でも、高さ情報が出力されないように、出力要否の情報を記憶部43に格納しておいてもよい。これにより、影領域や反射領域の影響を間接的に受ける周辺のカメラ画素でも、高さ情報が出力されるのを防止することができる。
なお、上述した補正処理では、任意の画像処理を行うようにしてもよい。画像処理としては、例えば、二値化処理、フィルター処理、ノイズ除去処理等が挙げられる。
以上、第2撮像画像の輝度値に対する補正処理について説明したが、第1撮像画像の輝度値に対する補正処理についても、上記と同様に行うことができる。特に、本実施形態では、第1の光および第2の光を互いに同じ色の光とすることで、第3撮像画像を用いた補正処理を、第1撮像画像と第2撮像画像の双方に適用することができる。これにより、補正処理における演算負荷を軽減することができる。
2.2.8.演算ステップ
演算ステップS110では、輝度値を補正した第1撮像画像および輝度値を補正した第2撮像画像を用い、第1実施形態と同様にして、物体面92の三次元形状を算出する。
以上のように、本実施形態に係る三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、第3投影ステップS122と、第3撮像ステップS124と、補正ステップS140と、演算ステップS110と、を含む。第1投影ステップS102では、第1の光により、第1格子パターン51を物体9(対象物)に投影する。第1撮像ステップS104では、物体9に投影されている第1格子パターン51をカメラ3で撮像し、第1撮像画像を得る。第2投影ステップS106では、第2の光により、第1格子パターン51と交差する第2格子パターン52を物体9に投影する。第2撮像ステップS108では、物体9に投影されている第2格子パターン52をカメラ3で撮像し、第2撮像画像を得る。第3投影ステップS122では、第1の光により、第1全面パターン53を物体9に投影する。第3撮像ステップS124では、物体9に投影されている第1全面パターン53をカメラ3で撮像し、第3撮像画像を得る。補正ステップS140では、第3撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値および第2撮像画像の輝度値を補正する。そして、演算ステップS110では、補正後の第1撮像画像および補正後の第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、物体面92に模様55や汚れ等がある場合でも、第1撮像画像の輝度値および第2撮像画像の輝度値を補正することにより、模様55や汚れ等の影響を低減することができるので、格子像の位相解析を精度よく行うことができる。これにより、物体9の高さ情報をより正確に取得することができるため、物体9の三次元形状を高精度に計測することができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る三次元形状計測方法について説明する。
図20は、第3実施形態に係る三次元形状計測方法を説明するためのフローチャートである。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図20において、第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
3.1.装置構成
第3実施形態に係る三次元形状計測方法は、前述した第2実施形態に係る三次元形状計測装置1Aを用いて行うことができる。
3.2.計測方法
第3実施形態に係る三次元形状計測方法は、第1の光による第1全面パターン53に加え、第2の光による第2全面パターン54を投影し、それらの撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値または第2撮像画像の輝度値を補正すること以外、第2実施形態と同様である。
図20に示す三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、第3投影ステップS122と、第3撮像ステップS124と、第4投影ステップS132と、第4撮像ステップS134と、補正ステップS140と、演算ステップS110と、を有する。
3.2.1.第1投影ステップ~第2撮像ステップ
第1投影ステップS102から第2撮像ステップS108までは、第2実施形態と同様にして行う。
なお、本実施形態では、第1の光および第2の光は、互いに異なる色の光であってもよい。例えば、物体面92の輪郭のうち、x軸に平行な輪郭とy軸に平行な輪郭とで、色が異なるといった物体9の三次元形状を計測する場合でも、そのような物体9の色に合わせて、第1の光と第2の光の色を異ならせる。これにより、第1撮像画像および第2撮像画像の双方で十分な輝度が得られる。すなわち、本実施形態では、第1の光と第2の光とを同じ色にしてもよいし、異ならせてもよいので、物体9の色に応じて最適な色を選択することができる。なお、互いに異なる色の光とは、前述した同じ色の光ではない光のことをいう。
3.2.2.第3投影ステップ
第3投影ステップS122では、物体9に向けてプロジェクター2から第1の光を射出し、第1全面パターン53を投影する。
3.2.3.第3撮像ステップ
第3撮像ステップS124では、物体9に投影されている第1全面パターン53を、カメラ3で撮像する。これにより、第3撮像画像を得る。
3.2.4.第4投影ステップ
第4投影ステップS132では、物体9に向けてプロジェクター2から第2の光を射出し、第2全面パターン54を投影する。第2全面パターン54も、第1全面パターン53と同様、少なくとも物体9を覆う範囲に投影される。また、第2全面パターン54も、第1全面パターン53と同様、基準面91に投影され、それをカメラ3で撮像したとき、各カメラ画素30での輝度値が均一になるように生成される。したがって、プロジェクター画素間における輝度の指示値は、互いに等しくてもよいが、プロジェクター2やカメラ3の光学収差、基準面91の反射率等に応じて、互いに異ならせてもよい。
なお、第2全面パターン54は、第2格子パターン52と同軸の光学系で投影されるのが好ましい。これにより、第2格子パターン52と第2全面パターン54とで投影条件を揃えることができる。その結果、物体9の三次元形状の計測精度をより高めることができる。
3.2.5.第4撮像ステップ
第4撮像ステップS134では、物体9に投影されている第2全面パターン54を、カメラ3で撮像する。これにより、第4撮像画像を得る。
なお、第3撮像ステップS124と第4撮像ステップS134との時間間隔は、特に限定されないが、1/200秒以上1秒以下程度であるのが好ましく、1/100秒以上1/10秒以下程度であるのがより好ましい。
3.2.6.補正ステップ
補正ステップS140では、補正処理部428が、第3撮像画像に基づいて第1撮像画像の輝度値を補正し、第4撮像画像に基づいて第2撮像画像の輝度値を補正する。これらの補正処理は、第2実施形態と同様である。
本実施形態では、第1の光による第3撮像画像で第1撮像画像の輝度値を補正し、第2の光による第4撮像画像で第2撮像画像の輝度値を補正するため、第1の光と第2の光が異なる色の光であっても、適切な補正処理が可能になる。
3.2.7.演算ステップ
演算ステップS110では、輝度値を補正した第1撮像画像および輝度値を補正した第2撮像画像を用い、第1実施形態と同様にして、物体面92の三次元形状を算出する。
以上のように、本実施形態に係る三次元形状計測方法は、第1投影ステップS102と、第1撮像ステップS104と、第2投影ステップS106と、第2撮像ステップS108と、第3投影ステップS122と、第3撮像ステップS124と、第4投影ステップS132と、第4撮像ステップS134と、補正ステップS140と、演算ステップS110と、を含む。第1投影ステップS102では、第1の光により、第1格子パターン51を物体9(対象物)に投影する。第1撮像ステップS104では、物体9に投影されている第1格子パターン51をカメラ3で撮像し、第1撮像画像を得る。第2投影ステップS106では、第2の光により、第1格子パターン51と交差する第2格子パターン52を物体9に投影する。第2撮像ステップS108では、物体9に投影されている第2格子パターン52をカメラ3で撮像し、第2撮像画像を得る。第3投影ステップS122では、第1の光により、第1全面パターン53を物体9に投影する。第3撮像ステップS124では、物体9に投影されている第1全面パターン53をカメラ3で撮像し、第3撮像画像を得る。第4投影ステップS132では、第2の光により、第2全面パターン54を物体9に投影する。第4撮像ステップS134では、物体9に投影されている第2全面パターン54をカメラ3で撮像し、第4撮像画像を得る。補正ステップS140では、第3撮像画像に基づいて、第1撮像画像の輝度値を補正し、第4撮像画像に基づいて、第2撮像画像の輝度値を補正する。そして、演算ステップS110では、補正後の第1撮像画像および補正後の第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、物体9の高さ情報を算出する。
このような構成によれば、物体面92に模様55や汚れ等がある場合でも、第1撮像画像の輝度値および第2撮像画像の輝度値を補正することにより、模様55や汚れ等の影響を低減することができるので、格子像の位相解析を精度よく行うことができる。これにより、物体9の高さ情報をより正確に取得することができるため、物体9の三次元形状を高精度に計測することができる。
また、第1の光および第2の光が互いに異なる色の光である場合でも、上述した補正処理を行うことができる。これにより、物体9の色に応じて、第1の光および第2の光を最適化することができ、第1撮像画像および第2撮像画像の双方で十分な輝度が得られる。
以上、本発明の三次元形状計測方法および三次元形状計測装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明の三次元形状計測方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態に任意の目的の工程が追加されたものであってもよい。また、本発明の三次元形状計測装置は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
1…三次元形状計測装置、1A…三次元形状計測装置、2…プロジェクター、3…カメラ、4…制御装置、9…物体、21…光源、22…光変調素子、23…レンズ、30…カメラ画素、31…撮像素子、32…レンズ、41…制御部、42…演算部、43…記憶部、44…表示部、51…第1格子パターン、52…第2格子パターン、53…第1全面パターン、54…第2全面パターン、55…模様、90…載置台、91…基準面、92…物体面、422…信頼性評価部、424…位相解析処理部、426…高さ情報算出部、428…補正処理部、511…領域、512…領域、521…領域、522…領域、550…破線、BL…基線、C…比較対象、DS…輝度値データセット、O1…主点、O2…主点、OP1…1ピッチ格子、OP2…1ピッチ格子、S102…第1投影ステップ、S104…第1撮像ステップ、S106…第2投影ステップ、S108…第2撮像ステップ、S110…演算ステップ、S112…位相解析ステップ、S114…信頼性評価ステップ、S116…信頼性比較ステップ、S118…形状算出ステップ、S122…第3投影ステップ、S124…第3撮像ステップ、S132…第4投影ステップ、S134…第4撮像ステップ、S140…補正ステップ、vx…主点間距離、vy…主点間距離

Claims (10)

  1. 第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
    第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
    前記第1撮像画像および前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする三次元形状計測方法。
  2. 前記第1の光および前記第2の光は、互いに同じ色の光である請求項1に記載の三次元形状計測方法。
  3. 前記同じ色の光は、白色光である請求項2に記載の三次元形状計測方法。
  4. 前記第1の光および前記第2の光は、互いに異なる色の光である請求項1に記載の三次元形状計測方法。
  5. 第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
    第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
    前記第1の光により、第1全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第1全面パターンを前記カメラで撮像し、第3撮像画像を得るステップと、
    前記第3撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値および前記第2撮像画像の輝度値を補正するステップと、
    補正後の前記第1撮像画像および補正後の前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする三次元形状計測方法。
  6. 第1の光により、第1格子パターンを対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第1格子パターンをカメラで撮像し、第1撮像画像を得るステップと、
    第2の光により、前記第1格子パターンと交差する第2格子パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第2格子パターンを前記カメラで撮像し、第2撮像画像を得るステップと、
    前記第1の光により、第1全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第1全面パターンを前記カメラで撮像し、第3撮像画像を得るステップと、
    前記第2の光により、第2全面パターンを前記対象物に投影するステップと、
    前記対象物に投影されている前記第2全面パターンを前記カメラで撮像し、第4撮像画像を得るステップと、
    前記第3撮像画像に基づいて、前記第1撮像画像の輝度値を補正し、前記第4撮像画像に基づいて、前記第2撮像画像の輝度値を補正するステップと、
    補正後の前記第1撮像画像および補正後の前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする三次元形状計測方法。
  7. 前記第1撮像画像および前記第2撮像画像は、モノクロ画像である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元形状計測方法。
  8. 前記対象物の高さ情報を算出するステップは、
    同一画素について、前記第1撮像画像における輝度値の分布と前記第1格子パターンの格子像を模した第1参照波との間の第1相関性、および、前記第2撮像画像における輝度値の分布と前記第2格子パターンの格子像を模した第2参照波との間の第2相関性、を算出し、
    前記第1相関性および前記第2相関性を比較し、
    前記第1相関性が前記第2相関性よりも高い場合には、前記第1撮像画像に基づいて高さ情報を算出し、前記第2相関性が前記第1相関性よりも高い場合には、前記第2撮像画像に基づいて高さ情報を算出する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元形状計測方法。
  9. 第1の光による第1格子パターンおよび第2の光による第2格子パターンを互いに交差させて対象物に順次投影するプロジェクターと、
    前記対象物に投影されている前記第1格子パターンおよび前記第2格子パターンを撮像し、第1撮像画像および第2撮像画像を得るカメラと、
    前記第1撮像画像および前記第2撮像画像の少なくとも一方について、格子像の位相解析を行い、前記対象物の高さ情報を算出する演算部と、
    を備えることを特徴とする三次元形状計測装置。
  10. 前記カメラは、モノクロカメラである請求項9に記載の三次元形状計測装置。
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