JP2022070535A - 農作物収穫装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の農作物を短時間で効率良く収穫する。【解決手段】農作物収穫装置(10)は、水平に対して傾斜して配置されて相互に対向して並行に設けられた2つで1組の分離部材(41、61)を有し、2つの分離部材の間を分離部材の下端側から上端側へ分離部材の長手方向に沿って主茎が通過可能に構成され、主茎が2つの分離部材の間を通過する際に分離部材が果柄又は実に力を作用させて主茎から実を分離させる機能を有する分離機構(40、60)と、分離機構の下方に設けられ少なくとも主茎が分離機構を通過するまでの期間において主茎の根元部分を保持する機能を有する保持機構(30)と、分離機構及び保持機構に対して農作物を移動させて、又は農作物に対して分離機構及び保持機構を移動させて、分離部材の間に主茎を通過させる機能を有する搬送機構(20、80)と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、農作物を収穫するための農作物収穫装置に関する。
近年、農作業の自動化を実現するため、農作物を自動で収穫するための収穫装置が提案されている。例えば果実などを収穫するための収穫装置としては、例えばロボットアームの先端にハサミ形状の刃を有する収穫ツールを装着したものが考えられる。このような収穫装置は、例えば田畑や果樹園等の圃場内を自動で走行可能な移動装置に搭載されて、収穫対象となる個体へ移動する。そして、収穫装置は、ハサミ形状の収穫ツールによって果柄や枝を切断することで、主茎や枝から収穫対象を分離し収穫することができる。
しかしながら、例えば上述した収穫ツールを用いて農作物を収穫する場合、実を個別に又はひと房ごとにしか収穫することができないため、効率が悪く多数の農作物を短時間で収穫することができない。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、多数の農作物を短時間で効率良く収穫することができる農作物収穫装置を提供することにある。
実施形態の農作物収穫装置(10)は、収穫対象である農作物(90)の実(904)を果柄(902、903)から分離して又は前記実を前記果柄ごと主茎(901)から分離して収穫する農作物収穫装置(10)である。農作物収穫装置は、水平に対して傾斜して配置されて相互に対向して並行に設けられた2つで1組の分離部材(41、61)を有し、2つの前記分離部材の間を前記分離部材の下端側から上端側へ前記分離部材の長手方向に沿って前記主茎が通過可能に構成され、前記主茎が2つの前記分離部材の間を通過する際に前記分離部材が前記果柄又は前記実に力を作用させて前記主茎から前記実を分離させる機能を有する分離機構(40、60)と、前記分離機構の下方に設けられ少なくとも前記主茎が前記分離機構を通過するまでの期間において前記主茎の根元部分を保持する機能を有する保持機構(30)と、前記分離機構及び前記保持機構に対して前記農作物を移動させて、又は前記農作物に対して前記分離機構及び前記保持機構を移動させて、前記分離部材の間に前記主茎を通過させる機能を有する搬送機構(20、80)と、を備える。
これによれば、搬送機構を用いて農作物の主茎を分離機構に通過させることで実を収穫することができる。このため、農作物の主茎を連続的に分離機構に通過させることで、各主茎に実っている実を次々に収穫することができる。その結果、多数の農作物の実を短時間で効率良く収穫することができる。
また、農作物を自動又は半自動で収穫する方法としては、例えばハサミ形状のエンドエフェクタを有するロボットや装置が、そのエンドエフェクタで果柄や小果柄を切断することで実を収穫する構成が考えられる。しかしながら、この構成の場合、ロボットや装置は、果柄や小果柄の位置や形状等を認識する必要がある。そして、果柄や小果柄の位置や形状等の認識は、例えば画像認識等を用いるが、比較的細い果柄や小果柄の位置や形状等を画像処理によって認識するためには、複雑で膨大な処理が必要となり、その結果、コンピュータの処理負荷が大きくなりまた時間もかかり易くなる。そのため、エンドエフェクタで果柄や小果柄を切断することで実を収穫する構成は、各実を丁寧に収穫する場合には適しているが、多数の実を短時間で収穫する場合には不向きである。
これに対し、本実施形態によれば、農作物の主茎を連続的に分離機構に通過させることで、各主茎に実っている実を次々に収穫することができる。そして、この場合、果柄や小果柄を認識する必要はないため、簡単で少ない処理で良く、その結果、コンピュータの処理負荷も小さくまた時間も比較的短時間で済む。このように、本構成によれば、画像認識等のような複雑でデータ量の多い処理が不要であるため、多数の農作物の実を更に短時間で効率良く収穫することができる。
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図12を参照して説明する。
図1等に示す農作物収穫装置10は、例えば田畑や果樹園、ビニールハウス、若しくはいわゆる植物工場のような圃場において、圃場内で育成されている農作物90を収穫するための装置である。本実施形態の場合、農作物収穫装置10は、自動又は半自動で農作物90を収穫することができる。
以下、第1実施形態について図1から図12を参照して説明する。
図1等に示す農作物収穫装置10は、例えば田畑や果樹園、ビニールハウス、若しくはいわゆる植物工場のような圃場において、圃場内で育成されている農作物90を収穫するための装置である。本実施形態の場合、農作物収穫装置10は、自動又は半自動で農作物90を収穫することができる。
なお、本実施形態において、自動とは、農作物収穫装置10を用いた農作物90の収穫作業に関して圃場内において人の手による作業が発生しないこと意味する。また、本実施形態において、半自動とは、農作物収穫装置10を用いた農作物90の収穫作業に関して圃場内において部分的に人の手による作業が発生するものの、その作業は物品の運搬や配置等といった補助的なもののみであることを意味する。本実施形態では、圃場として例えばビニールハウスや植物工場を想定し、また農作物90としては例えばミニトマト等を想定している。なお、圃場は上述したものに限られず屋外の畑などであっても良いし、農作物90もミニトマト以外であっても当然良い。
農作物90は、図2に示すように、例えば1株ずつポット91に植えられて栽培されている。農作物90の一例であるミニトマトについて説明する。この場合、農作物90は、1本の主茎901と、複数の果柄902と小果柄903と実904とを有している。なお、本実施形態では、小果柄903を果柄902の概念に含むものとして取り扱う場合がある。ポット91内には例えば図示しない培養土が充填されている。主茎901はポット91の培養土から生えている。各果柄902は、それぞれ主茎901から分岐して延びている。各小果柄903は、各果柄902から更に分岐して延びている。そして、各実904は、各小果柄903の先端に結実している。なお、農作物収穫装置10の対象となる農作物90はミニトマトに限られない。
ポット91は、ガター92と称する容器に配置されている。ガター92は、全体として長尺状の板状に構成され、複数のポット91を一列に収容可能に構成されている。ガター92は、例えば樹脂等で形成されているため比較的軽量であり、ポット91を配置した状態で移動可能に構成されている。農作物90は、例えばガター92ごとに管理されている。すなわち、ガター92は、農作物90を管理する際の最小単位となる。同一のガター92に収容された各ポット91で栽培される農作物90は、それぞれ栽培期間や栽培条件が同一であるため、収穫時期も同一となる。
本実施形態の場合、農作物収穫装置10は、例えば圃場内の特定の場所に設定されて使用される。収穫時期となった農作物90が栽培されているポット91は、ガター92ごと農作物収穫装置10まで運ばれて、図1及び図3に示すように、農作物収穫装置10にガター92ごと通される。そして、農作物収穫装置10は、農作物収穫装置10を通過するポット91で栽培されている各農作物90を連続して収穫する機能を有する。
農作物収穫装置10は、図3及び図4等に示すように、ベース部材11、取付け部材12、搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40を備えている。ベース部材11は、例えば板材やアルミフレーム等で構成されており、保持機構30及び分離機構40の土台となる。保持機構30及び分離機構40は、ベース部材11に固定されて1つのユニットとして構成されている。取付け部材12は、保持機構30及び分離機構40とで構成されたユニットを搬送機構20に取り付けるためのものである。取付け部材12は、例えば金属の板を折り曲げて形成されたもので、いわゆるL字のステー等である。
搬送機構20は、ポット91と保持機構30及び分離機構40とを相対的に移動させて、農作物90が栽培されているポット91を保持機構30及び分離機構40に通過させる機能を有する。すなわち、搬送機構20は、保持機構30及び分離機構40に対して農作物90を移動させて、又は農作物90に対して保持機構30及び分離機構40を移動させて、主茎901を分離機構40の間を通過させる機能を有する。
本実施形態の場合、搬送機構20は、保持機構30及び分離機構40に対して農作物90を移動させて、主茎901を分離機構40の間を通過させる。この場合、本実施形態の場合、保持機構30及び分離機構40は一定位置に設けられている。そして、搬送機構20は、ガター92とともにポット91を移動させることで、保持機構30及び分離機構40に対してポット91で栽培されている農作物90の主茎901を相対的に移動させることができる。
また、本実施形態の場合、搬送機構20は、例えば電気駆動式のベルトコンベアやローラコンベア等で構成されており、ガター92を載せて一方向へ搬送する機能を有する。このため、搬送機構20の搬送面の幅寸法は、ガター92の幅寸法よりも大きく設定されている。なお、以下の説明においては、搬送機構20によるガター92の搬送方向を進行方向とする。また、水平方向でかつ進行方向に対して直角方向を幅方向とする。そして、重力方向を上下方向とする。
搬送機構20がベルトコンベアやローラコンベア等で構成されている場合、保持機構30及び分離機構40は、図1及び図3に示すように、搬送機構20の途中部分に設けられている。本実施形態の場合、保持機構30及び分離機構40は、図3及び図4に示すように、取付け部材12を介して搬送機構20に取り付けられている。
保持機構30及び分離機構40は、搬送機構20の上面すなわちガター92が載置され
る搬送面から離した状態で搬送機構20に取り付けられている。そして、搬送機構20の搬送面と保持機構30及び分離機構40との間の空間が、ガター92に収容された状態のポット91が通過可能な通過空間Sとされている。この場合、図5に示すように、通過空間Sの高さ寸法H1、つまり搬送機構20の搬送面から保持機構30及び分離機構40の底部この場合保持機構30の底部までの高さ寸法H1は、ガター92に収容された状態のポット91の高さ寸法H2よりも高く設定されている。これにより、ポット91を載置したガター92は、搬送機構20に搬送されて保持機構30及び分離機構40の下方を通過することができる。
る搬送面から離した状態で搬送機構20に取り付けられている。そして、搬送機構20の搬送面と保持機構30及び分離機構40との間の空間が、ガター92に収容された状態のポット91が通過可能な通過空間Sとされている。この場合、図5に示すように、通過空間Sの高さ寸法H1、つまり搬送機構20の搬送面から保持機構30及び分離機構40の底部この場合保持機構30の底部までの高さ寸法H1は、ガター92に収容された状態のポット91の高さ寸法H2よりも高く設定されている。これにより、ポット91を載置したガター92は、搬送機構20に搬送されて保持機構30及び分離機構40の下方を通過することができる。
また、通過空間Sの高さ寸法H1は、搬送機構20の搬送面から農作物90の上端までの平均的な高さよりも十分に小さく、かつ農作物90の主茎901から分岐する果柄902のうち最も下に位置するものよりも下方となるように設定されている。そのため、ポット91と共に農作物90が通過空間Sを通過する際、各果柄902は通過空間Sの上方を通過する。この場合、主茎901から分岐した果柄902のうち最も下に位置する果柄902における搬送面からの高さ寸法H3は、農作物90の栽培過程において高さ寸法H1よりも低い位置にある果柄を間引くこと等によって調整される。
ガター92に収容されたポット91が搬送機構20に搬送されて通過空間Sを通過する際、ポット91に植えられている農作物90のうち通過空間Sよりも上側部分すなわち主茎901は、保持機構30及び分離機構40を通過することができる。
保持機構30は、分離機構40の下方に設けられている。そして、保持機構30は、ポット91に植えられた農作物90がガター92と共に通過空間Sを通過する際に、その農作物90の主茎901が分離機構を通過するまでの期間において主茎901の根元部分を保持する機能を有する。この場合、保持機構30における主茎901の保持位置は、ポット91の進行方向へ向かって、搬送機構20によるポット91の移動速度と等しい速度で移動する。これにより、搬送機構20により移動されるポット91の位置と保持機構30による主茎901の保持位置との位置関係が維持された状態で、ポット91は進行方向へ向かって移動して行く。
ここで、保持機構30の進行方向及び幅方向は、搬送機構20の進行方向及び幅方向と同一とする。保持機構30は、図4及び図6等に示すように、幅方向の中心に対して対称に構成されている。ここで、以下の説明では、保持機構30のうち図4に示すように、保持機構30を進行方向へ向かって見た場合における右側の構成を右側保持機構30Rと称し、左側の構成を左側保持機構30Lと称することがある。すなわち、保持機構30は、右側保持機構30Rと左側保持機構30Lとを含んで構成されている。そして、右側保持機構30R及び左側保持機構30Lの主要な構成は共通している。
右側保持機構30R及び左側保持機構30Lは、保持部材31、保持機構用駆動部材32、保持機構用駆動装置33、及び複数の保持機構用従動部材341、342、343をそれぞれ有している。保持部材31は、長尺で屈曲可能な環状の部材、例えばチェーンやベルトで構成されている。本実施形態の場合、保持部材31は、例えば柔軟性を有するゴム又はスポンジ状の部材で構成されている。本実施形態において、保持部材31は、主茎901の根元部分に接触して、対向する保持部材31で挟み込んで保持する機能を有する。なお、本実施形態において、保持機構30による主茎901の保持位置とは、2つの保持部材31が相互に対向する部分のうち主茎901に接触している部分とる。
右側保持機構30R及び左側保持機構30Lの保持部材31は、保持機構30の幅方向の中心において相互に接触していても良いし、離れていても良い。2つの保持部材31が保持機構30の幅方向の中心において相互に接触している場合、保持部材31は、収穫対象となる農作物90の主茎901よりも柔らかい素材であることが好ましい。これにより、2つの保持部材31が主茎901を保持する際に主茎901が損傷することを極力抑制することができる。また、2つの保持部材31が保持機構30の幅方向の中心において相互に離れている場合、その間の距離は主茎901の太さ寸法よりも小さいことが好ましい。この場合、保持部材31は、上述した主茎901よりも柔らかい素材だけでなく、硬質樹脂や硬質ゴム、又は金属等剛性を有する部材で構成することもできる。
保持機構用駆動部材32は、ベース部材11に回転可能に設けられている。保持機構用駆動部材32は、保持部材31の平面形状を規定するとともに、保持機構用駆動装置33の駆動を保持部材31に伝達して保持部材31を駆動させる機能を有する。保持部材31がチェーンやベルトで構成される場合、保持機構用駆動部材32は、チェーンに噛み合うギヤやベルトを回転させるプーリー等で構成される。保持機構用駆動部材32は、保持機構用駆動装置33に直接又はギヤボックス等の変速機を介して接続されている。
保持機構用駆動装置33は、ベース部材11に設けられている。保持機構用駆動装置33は、保持機構用駆動部材32に動力を与えて保持機構用駆動部材32を介して保持部材31を回転させる機能を有する。本実施形態の場合、保持機構用駆動装置33は、保持機構用駆動部材32を回転させるための例えば電気モータを含んで構成されている。保持機構用駆動装置33は、回転速度及び回転方向を調整可能に構成されている。保持機構用駆動装置33は、例えば外部からの指示を受けて、回転の開始、停止、その回転方向、及び回転速度を変更する。これにより、保持部材31の回転の開始や停止、その回転方向、及び回転速度が変更される。
保持機構用従動部材341、342、343は、それぞれベース部材11に回転可能に設けられている。保持機構用従動部材341、342、343は、チェーンやベルトで構成された保持部材31の平面形状を規定するとともに、保持部材31に対し、保持機構用駆動部材32の回転を受けて保持部材31が回転するために必要な張力を与える機能を有する。本実施形態の場合、3つの保持機構用従動部材341、342、343のうち2つの保持機構用従動部材341、342は、保持機構30の幅方向の中央側に進行方向に沿って並べて配置されている。
以下の説明では、搬送機構20によるポット91の搬送方向すなわち、保持機構30に対する主茎901の進行方向を下流側と称し、下流側とは反対側すなわち進行方向とは逆側を上流側と称することがある。つまり、本実施形態において保持機構30の上流側とは、保持機構30の両端側のうち主茎901が侵入する側を言う。また、本実施形態において保持機構30の下流側とは、保持機構30から主茎901が出る側を言う。
また、主茎901の進行方向に並べて配置された2つの保持機構用従動部材341、342のうち、上流側に位置する方を第1保持機構用従動部材341と称し、下流側に位置する方を第2保持機構用従動部材342と称することがある。そして、3つの保持機構用従動部材341、342、343のうち残りの1つを第3保持機構用従動部材343と称することがある。
第3保持機構用従動部材343は、保持機構30の進行方向に沿って配置された2つの保持機構用従動部材341、342のうち上流側に配置された第1保持機構用従動部材341に対して、進行方向とは反対方向すなわち上流側の外側でかつ幅方向の外側に位置している。このため、右側保持機構30R及び左側保持機構30Lの各保持部材31は、上流側すなわち主茎901が保持機構30に侵入してくる側において進行方向へ進むほど幅方向の内側へ閉じるように傾斜している。これにより、保持機構30に接近してきた主茎901は、保持機構30の幅方向の中心側すなわち2つの保持部材31の間に向かって案内される。
また、この場合、保持機構用駆動部材32は、保持機構30の進行方向に沿って配置された2つの保持機構用従動部材341、342のうち保持機構30の下流側に配置された保持機構用従動部材342に対して、進行方向側すなわち下流側の外側でかつ幅方向の外側に位置している。このため、右側保持機構30R及び左側保持機構30Lの各保持部材31は、進行方向の下流側すなわち主茎901が保持機構30から出ていく側において進行方向の下流側へ進むほど外側へ開くように傾斜している。これにより、保持機構30から出た主茎901は、保持部材31に接触して保持部材31の回転に巻き込まれてしまうことが抑制される。
この場合、保持機構用駆動部材32は、保持部材31の下流側の端部に位置している。また、第3保持機構用従動部材343は、保持部材31の上流側の端部に位置している。そして、保持機構用駆動部材32は、第3保持機構用従動部材343に対して、幅方向の外側に位置している。したがって、図6に示すように、2つの保持部材31のうち上流側部分すなわち第1保持機構用従動部材341と第3保持機構用従動部材343とで張られた部分の傾斜角度α1は、2つの保持部材31のうち下流側部分すなわち第2保持機構用従動部材342と保持機構用駆動部材32とで張られた部分の傾斜角度α2よりも小さく設定されている。
保持機構30は、搬送機構20によって搬送される農作物90の主茎901を、2つの保持部材31で挟み込んで保持する。これにより、2つの保持部材31で挟まれた主茎901は、保持部材31による保持位置から外れる方向への移動が規制される。そして、保持機構30は、保持部材31で主茎901を保持した状態で、搬送機構20によって保持機構30に対して相対的に移動する主茎901の進行方向へ向かって主茎901の移動速度に合わせた速度で主茎901の保持位置を移動可能に構成されている。
この場合、保持機構30の速度とは、保持部材31による主茎901の保持の絶対位置がポット91の進行方向へ向かって随時変化していく場合の移動速度を意味する。本実施形態の場合、保持機構30の速度とは、保持部材31の周速を意味する。また、主茎901の移動速度に合わせた速度とは、保持機構30において主茎901を保持する区間すなわち第1保持機構用従動部材341と第2保持機構用従動部材342との間の区間において、主茎901の保持位置の移動速度が搬送機構20によるポット91の移動速度と略等しいことを意味する。
そして、本実施形態において、主茎901の保持位置の移動速度が搬送機構20によるポット91の移動速度と略等しいとは、両者の移動速度が完全に等しい場合だけでなく、両者の速度差により主茎901がポット91から引き抜かれたり主茎901が損傷したりすることが無い程度に両者の速度が近い場合も含まれる。すなわち、主茎901の保持位置の移動速度と搬送機構20によるポット91の移動速度とに速度差があったとしても、その速度差により主茎901がポット91から引き抜かれたり主茎901が損傷したりしない程度であれば、両者の速度差は許容される。
これにより、保持機構30は、保持の絶対位置を随時変化させながら保持することができる。すなわち、これによれば、搬送機構20によりポット91が移動しても、保持機構30は、保持部材31が主茎901を保持する際の相対位置を変化させないようにできる。このため、搬送機構20により移動するポット91に植えられた農作物90の主茎901を保持した場合において、農作物90がポット91から引き抜かれたり主茎901が損傷してしまうことを抑制でき、その結果、安全に主茎901を保持することができる。
分離機構40は、搬送機構20及び保持機構30の上方に設けられている。分離機構40は、図3等に示すように、幅方向の中央部が主茎901を通過可能に構成されている。農作物90の主茎901は、搬送機構20によってポット91が進行方向へ移動された際に分離機構40の幅方向の中央部を通過する。そして、分離機構40は、主茎901が分離機構40を通過する際に果柄902や小果柄903又は実904に力を作用させて実904を果柄902又は小果柄903から分離し、若しくは実904を果柄902又は小果柄903ごと主茎901から分離させる機能を有する。
分離機構40は、図4及び図7に示すように、幅方向の中心に対して対称に構成されている。また、分離機構40は、水平に対して主茎901の進行方向の上流側から下流側へ向かって高くなるように傾斜している。本実施形態では、図3に示すように、水平に対する分離機構40の傾斜角度を角度θとする。本実施形態において、分離機構40の傾斜角度θは45°以下であり、例えば角度θ=25°に設定されている。
ここで、分離機構40のうち図4に示すように、分離機構40を進行方向へ向かって見た場合における右側の構成を右側分離機構40Rと称し、左側の構成を左側分離機構40Lと称することがある。すなわち、分離機構40は、右側分離機構40Rと左側分離機構40Lとが組み合わされて構成されている。そして、右側分離機構40R及び左側分離機構40Lの主要な構成は共通している。
右側分離機構40R及び左側分離機構40Lは、分離部材41、分離機構用駆動部材42、分離機構用駆動装置43、及び複数の分離機構用従動部材441、442、443をそれぞれ有している。右側分離機構40R及び左側分離機構40Lの各分離部材41は、右側分離機構40R及び左側分離機構40Lの長手方向つまり分離機構40の長手方向に仮想的に延びる中心線を挟んで相互に対向しており、2つで1組を構成している。
分離部材41は、水平に対して主茎901の進行方向の上流側から下流側へ向かって高くなるように傾斜している。右側分離機構40R及び左側分離機構40Lの各分離部材41は、主茎901の進行方向に沿って相互に並行に配置されており、この2つの分離部材41の間を主茎901が通過可能に構成されている。
分離部材41は、屈曲可能な環状の部材、例えばチェーンやベルトを含んで構成されており、全体として主茎901の進行方向に対して長い長尺状に形成されている。分離部材41は、2つの分離部材41の間すなわち右側分離機構40Rと左側分離機構40Lとの間を主茎901が通過する際に、果柄902や小果柄903、及び実904に接触して力を作用させる。これにより、主茎901から実904を収穫可能な状態で分離させる。この場合、主茎901から実904を収穫可能な状態で分離させるとは、主茎901から果柄902及び小果柄903ごと実904を分離させること、果柄902から小果柄903ごと実904を分離せること、及び小果柄903から実904のみを分離させること、の全てを含む概念である。
本実施形態の場合、分離部材41は、ローラーチェーンを主体に構成されている。すなわち、分離部材41は、図8及び図9に示すように、1つのローラーチェーン411と、1つの支持部材412と、1つの回転部材413とを組み合わせたものを1単位とし、複数単位を環状に接続して構成されている。ローラーチェーン411は、既知の構成であるため詳細は説明しないが、隣接するローラーチェーン411に対して回動可能に構成されている。支持部材412は、ローラーチェーン411の環状の内側に設けられており、回転部材413の両端部を回転可能に支持する。支持部材412は、例えば金属製の板を曲げて形成されている。
回転部材413は、円柱又は円筒状の部材で構成されており、支持部材412に回転可能に取り付けられている。図8に示すように、右側分離機構40Rの回転部材413と左側分離機構40Lの回転部材413とは部分的に対向している。そして、回転部材413の回転軸Jは、分離機構40を上方から見た平面視において、2つの回転部材413が対向する部分において搬送機構20の進行方向へ延びている。この場合、回転軸Jは、図8に示すように、分離機構40の長手方向に沿って延びているため、水平方向に対して傾斜している。なお、回転軸Jは、搬送機構20の進行方向でかつ水平方向へ延びる軸であっても良い。回転部材413は、例えば金属や剛性を有する樹脂で構成することもできる。また、回転部材413は、例えば金属や剛性を有する樹脂を芯にしてその芯の周囲をゴムやスポンジ等柔軟性を有する部材で覆って構成しても良い。
そして、回転部材413は、上下方向の移動を許容した状態で対向する回転部材413の間に主茎901を配置可能に構成されている。すなわち、回転部材413は、図10に示すように、対向する2つの回転部材413で主茎901を挟み込むことによって、主茎901に関して水平方向の移動を規制している。また、回転部材413は、主茎901を挟み込む回転部材413がそれぞれ回転することによって、主茎901に関して上下方向の移動を許容している。
分離機構用駆動部材42は、ベース部材11に回転可能に設けられている。分離機構用駆動部材42は、分離部材41の平面形状を規定するとともに、分離機構用駆動装置43の駆動を分離部材41に伝達して分離部材41を駆動させる機能を有する。分離部材41がチェーンやベルトで構成される場合、分離機構用駆動部材42は、チェーンに噛み合うギヤやベルトを回転させるプーリー等で構成される。本実施形態の場合、分離機構用駆動部材42は多数のローラーチェーン411を含んで構成されている。このため、分離機構用駆動部材42は、ローラーチェーン411に噛み合うことが可能なギヤで構成されている。そして、分離機構用駆動部材42は、分離機構用駆動装置43に直接又はギヤボックス等の変速機を介して接続されている。
分離機構用従動部材441、442、443は、それぞれベース部材11に回転可能に設けされている。分離機構用従動部材441、442、443は、チェーンやベルトで構成された分離部材41の平面形状を規定するとともに、分離部材41に対し、分離機構用駆動部材42の回転を受けて分離部材41が回転するために必要な張力を与える機能を有する。本実施形態の場合、3つの分離機構用従動部材441、442、443のうち2つの分離機構用従動部材441、442は、保持機構30の幅方向の中央側に進行方向に沿ってかつ水平に対して傾斜した状態で並べて配置されている。
なお、以下の説明においては、主茎901の進行方向に並べて配置された2つの分離機構用従動部材441、442のうち、上流側に位置する方を第1分離機構用従動部材441と称し、下流側に位置する方を第2分離機構用従動部材442と称することがある。そして、3つの分離機構用従動部材441、442、443のうち残りの1つを第3分離機構用従動部材443と称することがある。
第3分離機構用従動部材443は、主茎901の進行方向に沿って配置された2つの分離機構用従動部材441、442のうち上流側に配置された第1分離機構用従動部材441に対して、進行方向とは反対方向すなわち上流側の外側でかつ幅方向の外側に位置している。このため、右側分離機構40R及び左側分離機構40Lの各分離部材41は、上流側すなわち主茎901が分離機構40に侵入してくる側において進行方向へ進むほど幅方向の内側へ閉じるように傾斜している。これにより、分離機構40に接近してきた主茎901は、分離機構40の幅方向の中心側すなわち2つの分離部材41の間に向かって案内される。
この場合、分離機構用駆動部材42は、分離部材41の下流側の端部に位置している。また、第3分離機構用従動部材443は、分離部材41の上流側の端部に位置している。そして、分離機構用駆動部材42は、第3分離機構用従動部材443に対して、幅方向の外側に位置している。したがって、図7に示すように、2つの分離部材41のうち上流側部分すなわち第1分離機構用従動部材441と第3分離機構用従動部材443とで張られた部分の傾斜角度β1は、2つの分離部材41のうち下流側部分すなわち第2分離機構用従動部材442と分離機構用駆動部材42とで張られた部分の傾斜角度β2よりも大きく設定されている。
農作物収穫装置10は、図11に示すように、制御装置50及び通信部51を備えている。搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40は、それぞれ制御装置50に電気的に接続されている。制御装置50は、例えばCPU501や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域502を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御装置50は、例えば汎用のパーソナルコンピュータで構成することもできるし、農作物収穫装置10に専用のマイコンやプログラマブルコントローラ等で構成することもできる。
通信部51は、農作物収穫装置10の上位の装置である上位装置100と有線又は無線によって通信可能に接続されている。そして、記憶領域502は、農作物収穫プログラムを記憶している。制御装置50は、CPU501において農作物収穫プログラムを実行することにより、例えば自律的に、又は上位装置100からの指示を受けて、搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40の駆動を制御する。
上位装置100は、例えば圃場に設置された各種装置等を制御するためのサーバー等で構成することができる。また、制御装置50は、1つの制御装置50で搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40を制御する構成でも良いし、例えば搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40のそれぞれに制御装置50に相当する構成を別体で設けも良い。
農作物収穫装置10の駆動の開始及び停止は、様々な態様が考えられる。農作物収穫装置10の駆動の開始及び停止の態様に関する一例としては、例えば農作物収穫装置10にスタートボタン101及びストップボタン102を設けることが考えられる。この場合、ユーザがスタートボタン101を操作することで農作物収穫装置10の駆動を開始させる。すなわち、制御装置50は、スタートボタン101の操作を検出すると、各機構20、30、40を動作させる。また、ユーザがストップボタン102を操作することで農作物収穫装置10の駆動を停止させる。すなわち、制御装置50は、ストップボタン102の操作を検出すると各機構20、30、40を停止させる。
また、農作物収穫装置10の駆動の開始及び停止の態様に関して他の態様の例としては、例えば詳細は図示しないが、搬送機構20上にあるガター92の存在を検出可能なセンサを設けることが考えられる。この場合、制御装置50は、例えば搬送機構20にガター92が載せられたことを検知すると、各機構20、30、40を動作させる。また、制御装置50は、例えば搬送機構20上を搬送されるガター92が保持機構30及び分離機構40の通過が完了したことを検出すると、各機構20、30、40を停止させる。
農作物収穫装置10の駆動が開始されると、制御装置50は、図12に示すように、各機構20、30、40を駆動させる。この場合、搬送機構20、保持機構30、及び分離機構40における水平方向の移動速度の平均値はほぼ等しく設定されている。本実施形態において搬送機構20の移動速度とは、搬送機構20によるポット91の搬送速度を意味する。また、保持機構30の移動速度とは、保持部材31の回転速度、換言すれば保持部材31で保持されている主茎901の移動速度を意味する。そして、分離機構40の移動速度とは、分離部材41の回転速度、換言すれば対向する2つの分離部材41間に配置されている主茎901の移動速度を意味する。また、移動速度の平均値とは、例えば主茎901が保持機構30及び分離機構40を通過する期間における各機構20、30、40の移動速度の平均値である。このため、ポット91とそのポット91で栽培されている農作物90とはほぼ同時に保持機構30及び分離機構40を通過する。
本実施形態の場合、制御装置50は、主茎901が分離機構40を通過する際に対向する2つの分離部材41のうち少なくとも一方を主茎901の進行方向とは逆方向へ間欠的に回転させる動作を実行可能である。すなわち、制御装置50は、対向する2つの分離部材41の少なくとも一方を前進方向及び逆方向へ動かすことで、2つの分離部材41の間に主茎901が詰まってしまい、分離部材41の動きを阻害することを抑制できる。
制御装置50は、図12に示すように、T0からT2の期間を1サイクルとし、このサイクルを繰り返す。T0からT2の期間は、主茎901が保持機構30及び分離機構40を通過する間に少なくとも複数回のサイクルを実行できる程度の期間に設定されている。制御装置50は、T0からT1の期間において、搬送機構20及び保持機構30を動作させるとともに、左側分離機構40L及び右側分離機構40Rを進行方向に動作させる。次に、制御装置50は、T1からT2の期間において、搬送機構20、保持機構30、及び左右の分離機構40L、40Rのうちいずれか一方を停止させるとともに、左右の分離機構40L、40Rのうち他方を進行方向とは逆方向へ動作させる。本実施形態の場合、制御装置50は、左側分離機構40Lを停止させるとともに、右側分離機構40Rを逆行させる。
この場合、T0からT2の期間における左側分離機構40L及び右側分離機構40Rの進行方向への移動量はほぼ等しく設定されている。すなわち、例えばT0からT1の期間における左側分離機構40Lの進行方向への移動量を2単位量とする。この場合、T0からT1の期間における右側分離機構40Rの進行方向への移動量は3単位量に設定されており、また、T1からT2の期間における右側分離機構40Rの逆行方向への移動量は1単量に設定されている。このように、左右の分離機構40L、40Rにおける進行方向への移動量の平均はほぼ等しくなるように設定されている。これにより、左右の分離機構40L、40Rに挟まれた主茎901が進行方向及び逆行方向へ揺らされながら、ポット91とともにそのポット91に植えられている農作物90は全体としてほぼ等しい速度で進行方向へ進んでいく。
そして、分離部材41は、図3に示すように、全体として進行方向へ向かうほど上側へ位置するように傾斜している。このため、ポット91及びそのポット91に植えられている農作物90が分離機構40に対して進行方向へ進んで行くと、図10の(A)から(B)にかけて示すように、分離部材41の特に回転部材413は、主茎901に対して上側へ移動する。
ここで、例えば搬送機構20の搬送面からある果柄902と主茎901との接続部分までの高さ寸法をHxとする。主茎901の根元は保持機構30によって上下方向の移動が規制された状態で保持されているため、分離機構40の上方への移動によってもこの高さ寸法Hxは概ね変化しない。そして、ポット91及び農作物90の進行方向への移動に伴い分離部材41の特に回転部材413の高さ位置が高さHxに到達し、その後、更に回転部材413が高さ寸法Hxを超えて上方向へ移動すると、回転部材413が果柄902に対して主茎901との接続部分に対して上方への力を作用させる。
これにより、果柄902と主茎901との接続部分が分断されて、実904ごと果柄902が主茎901から分離される。また、小果柄903と果柄902との間、及び実904と小果柄903との間でも同様の作用が生じる。このようにして、農作物収穫装置10は、主茎901が分離機構40を通過する際に果柄902や小果柄903又は実904に力を作用させて、実904を果柄902又は小果柄903から分離させ、若しくは実904を果柄902又は小果柄903ごと主茎901から分離させて、収穫対象物である実904を収穫する。
以上説明した実施形態によれば、農作物収穫装置10は、収穫対象である実904を果柄902、903から分離して又は実904を果柄902、903ごと主茎901から分離して収穫するためのものである。農作物収穫装置10は、分離機構40と、保持機構30と、搬送機構20と、を備える。
分離機構40は、水平に対して傾斜して配置されて相互に対向して並行に設けられた2つで1組の分離部材41を有している。分離機構40は、2つの分離部材41の間を分離部材41の下端側から上端側へ分離部材41の長手方向に沿って主茎901が通過可能に構成されている。分離機構40は、主茎901が2つの分離部材41の間を通過する際に分離部材41が果柄902、903又は実904に力を作用させて主茎901から実904を分離させる機能を有する。
保持機構30は、分離機構40の下方に設けられ、主茎901が分離機構40を通過するまでの期間において主茎901の根元部分を保持する機能を有する。搬送機構20は、分離機構40に対して主茎901を相対的に移動させて主茎901を分離部材41の間を通過させる機能を有する。そして、搬送機構20は、分離機構40及び保持機構30に対して農作物90を移動させて、又は農作物90に対して分離機構40及び保持機構30を移動させて、分離部材41の間に主茎901を通過させる機能を有する。本実施形態の場合、搬送機構20は、分離機構40及び保持機構30に対して農作物90を移動させることで、主茎901を分離部材41の間を通過させる。
これによれば、搬送機構20を用いて農作物90の主茎901を分離機構40に通過させることで実904を収穫することができる。このため、農作物90の主茎901を連続的に分離機構40に通過させることで、各主茎901に実っている実904を次々に収穫することができる。その結果、本実施形態によれば、多数の農作物90の実904を短時間で効率良く収穫することができる。
また、農作物90を自動又は半自動で収穫する方法としては、例えばハサミ形状のエンドエフェクタを有するロボットや装置が、そのエンドエフェクタで果柄902や小果柄903を切断することで実904を収穫する構成が考えられる。しかしながら、この構成の場合、ロボットや装置は、果柄902や小果柄903の位置や形状等を認識する必要がある。そして、果柄902や小果柄903の位置や形状等の認識は、例えば画像認識等を用いるが、比較的細い果柄902や小果柄903の位置や形状等を画像処理によって認識するためには、複雑で膨大な処理が必要となり、その結果、コンピュータの処理負荷が大きくなりまた時間もかかり易くなる。そのため、エンドエフェクタで果柄902や小果柄903を切断することで実904を収穫する構成は、各904を丁寧に収穫する場合には適しているが、多数の実を短時間で収穫する場合には不向きである。
これに対し、本実施形態によれば、農作物90の主茎901を連続的に分離機構40に通過させることで、各主茎901に実っている実904を次々に収穫することができる。そして、この場合、果柄902や小果柄903を認識する必要はないため、簡単で少ない処理で良く、その結果、コンピュータの処理負荷も小さくまた時間も比較的短時間で済む。このように、本実施形態によれば、画像認識等のような複雑でデータ量の多い処理が不要であるため、多数の農作物90の実904を更に短時間で効率良く収穫することができる。
保持機構30は、環状に構成された2つの保持部材31を更に有し、この2つの保持部材31の間に主茎901を挟んで保持可能に構成されている。ここで、保持機構30による農作物90全体の移動速度すなわちポット91の移動速度と、保持機構30による主茎901との移動速度とが大きく異ると、搬送機構20及び保持機構30の移動に伴って、保持機構30上に乗せられたポット91の位置と保持機構30により主茎901を保持している位置とが大きくずれていってしまう。すると、主茎901の保持位置とポット91とが離れる方向へ移動していき、その結果、ポット91から農作物90が引き抜かれてしまったり傷ついてしまったりする可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、保持機構30は、主茎901を保持した状態で搬送機構20によって保持機構30に対して相対的に移動する主茎901の進行方向へ向かって主茎901の移動速度に合わせた速度で主茎901の保持位置を移動可能に構成されている。これによれば、搬送機構20及び保持機構30の移動に伴って、保持機構30上に乗せられたポット91の位置と保持機構30により主茎901を保持している位置とが大きくずれてしまうことを抑制できる。すなわち、これによれば、主茎901の保持位置とポット91とが離れる方向へ移動していくことを抑制でき、その結果、ポット91から農作物90が引き抜かれてしまったり傷ついてしまったりすることを回避して安全に収穫することができる。
また、分離部材41は、環状に構成されてかつ回転可能に構成されている。これによれば、2つの分離部材41が相互に対向する部分、具体的には図7に示すように第1分離機構用従動部材441と第2分離機構用従動部材442との間の部分であればどの部分でも主茎901を挟んで保持することできる。このため、分離機構40を通過しようとする主茎901を連続的に保持することができるため、作業効率の向上を図ることができる。
ここで、搬送機構20によりポット91とともに農作物90が進行方向へ移動すると、2つの分離部材41と主茎901とが重なる位置すなわち2つの分離部材41が主茎901を挟んでいる位置が上側へ移動していく。このとき、分離部材41が主茎901の上下方向の移動を規制していると、主茎901が持ち上げられてしまい、主茎901から果柄902を分離できないばかりか、主茎901が根ごとポット91等から引き抜かれてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態において、分離部材41は、主茎901の進行方向に延びる軸を中心に回転可能な複数の回転部材413を更に有している。そして、回転部材413は、対向する回転部材413の間に主茎901を配置可能に構成されている。これによれば、農作物90の進行方向への移動に伴い2つの分離部材41が主茎901を挟んでいる位置が上側へ移動した場合に、回転部材413が回転することで主茎901に対する上下方向の位置が規制されない。このため、回転部材413は、主茎901を引っ張ることなく主茎901に対して上側へ移動することができる。これにより、回転部材413が果柄902等に上側へ力を与えて主茎901から果柄902を分離させることができ、また、主茎901が持ち上げられてしまうことを抑制して主茎901が根ごとポット91等から引き抜かれてしまうことを防ぐことができる。
ここで、分離部材41を動かしている際に例えば2つの分離部材41の間等に主茎901が詰まってしまうと、分離部材41が動かなくなってしまい、その結果、収穫作業が止まってしまうおそれがある。そこで、本実施形態において、農作物収穫装置10は、主茎901が分離機構40を通過する際に対向する2つの分離部材41のうち少なくとも一方を主茎901の進行方向とは逆方向へ間欠的に移動させることで、主茎901が詰まっている場合にはその詰まりを解消することができ、その結果、効率良く円滑な収穫作業を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、図13から図17も参照して第2実施形態について説明する。本実施形態の農作物収穫装置10は、上記第1実施形態の分離機構40に換えて、図13及び図14に示す分離機構60を備えている点で上記第1実施形態と異なる。この場合、分離機構60の間に主茎901を通過させることで主茎901から果柄902等を分離させる点では上記第1実施形態の分離機構40と共通している。
次に、図13から図17も参照して第2実施形態について説明する。本実施形態の農作物収穫装置10は、上記第1実施形態の分離機構40に換えて、図13及び図14に示す分離機構60を備えている点で上記第1実施形態と異なる。この場合、分離機構60の間に主茎901を通過させることで主茎901から果柄902等を分離させる点では上記第1実施形態の分離機構40と共通している。
すなわち、本実施形態の分離機構60も、水平に対して傾斜して配置されて相互に対向して並行に設けられた2つで1組の分離部材61を有している。この場合、図13に示すように、水平に対する分離機構60の傾斜角度を角度θとすると、分離機構60の傾斜角度θは、上記第1実施形態の分離機構40と同様に45°以下であり、例えば角度θ=30°に設定されている。
本実施形態の場合、農作物収穫装置10は、主茎901の進行方向へ沿って並べられた3組の分離部材61を備えている。分離機構60は、2つの分離部材61の間を分離部材61の下端側から上端側へ分離部材61の長手方向に沿って主茎901が通過可能に構成されている。そして、分離機構60は、主茎901が2つの分離部材61の間を通過する際に分離部材61が果柄902、903又は実904に力を作用させて主茎901から実904を分離させる機能を有する。
一方で、本実施形態の分離機構60と、上記第1実施形態の分離機構40とでは、果柄902、903又は実904に対する力の加え方が異なる。すなわち、本実施形態の分離機構60は、振動を発生させて2つの分離部材61の間に配置された主茎901又は果柄902、903に振動を加える機能を有する。
ここで、図15及び図16に示すように、分離機構60のうち分離機構40を進行方向へ向かって見た場合における右側の構成を右側分離機構60Rと称し、左側の構成を左側分離機構60Lと称することがある。すなわち、分離機構60は、右側分離機構60Rと左側分離機構60Lとが組み合わされて構成されている。そして、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lの主要な構成は共通している。
右側分離機構60R及び左側分離機構60Lは、分離部材61、櫛歯部材62、及び振動発生装置63をそれぞれ備えている。右側分離機構60R及び左側分離機構60Lの各分離部材61は、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lの長手方向つまり分離機構60の長手方向に仮想的に延びる中心線を挟んで相互に対向しており、対向する2つで1組を構成している。
分離部材61は、水平に対して主茎901の進行方向の上流側から下流側へ向かって高くなるように傾斜している。右側分離機構60R及び左側分離機構60Lの各分離部材61は、主茎901の進行方向に沿って相互に並行に配置されており、この対向する2つの分離部材61の間を主茎901が通過可能に構成されている。
分離部材61は、図15及び図16に示すように、例えば全体として主茎901の進行方向へ長い長方形状の薄い板部材で構成されている。分離部材61は、例えば薄い金属板を折り曲げて形成されている。この場合、分離部材61は、振動するため振動板とも称することができる。分離部材61は、図16に示すように、全体として分離機構60の幅方向の外側から中心側へ向かって下降するように傾斜している。対向する2つの分離部材61の間つまり右側分離機構60Rの分離部材61と左側分離機構60Lの分離部材61との間は、主茎901が通過するために十分な隙間が形成されている。
また、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lは、主茎901の進行方向に沿って複数の分離部材61を並べて構成されている。本実施形態の場合、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lは、それぞれ3つの分離部材61を有している。この場合、主茎901の進行方向に沿って配置された複数の分離部材61は、進行方向に隣接する2つの分離部材61のうち下流側の分離部材61の一部が上流側の他方の分離部材61の下方に潜り込むように配置されている。そして、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lが有する各分離部材61は、図13に示すように、それぞれステー13を介してベース部材11に取り付けられている。
櫛歯部材62は、各分離部材61に複数個ずつ設けられている。櫛歯部材62は、図15に示すように、平面視において分離部材61の幅方向の中央側から突出するように設けられているとともに、分離部材61から遠ざかるほどつまり分離機構60の幅方向の中央側へ向かうほど主茎901の進行方向へ向かって傾斜している。本実施形態の場合、櫛歯部材62は、分離部材61とは別部材つまり別の種類の材質で構成されている。櫛歯部材62は、例えば角柱又は円柱等の棒状であって、例えば樹脂やゴム等のように柔軟性及び弾性を有する部材で構成されている。なお、櫛歯部材62は、分離部材61と一体に形成すなわち同じ材質で構成されていても良い。また、櫛歯部材62は、金属等の剛性を有する部材で構成されていても良い。そして、本実施形態の場合、櫛歯部材62は、分離部材61の裏面つまり下側の面に取り付けられている。
振動発生装置63は、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lのそれぞれに対応して設けられている。すなわち、右側分離機構60R及び左側分離機構60Lは、それぞれ振動発生装置63を有している。振動発生装置63は、例えば偏心モータ等であって、例えばベース部材11に取り付けられている。振動発生装置63で発生した振動は、ベース部材11及びステー13を介してそのベース部材11に設けられた各分離部材61に伝わり、これにより右側分離機構60R及び左側分離機構60Lがそれぞれ全体的に振動する。
本実施形態において、農作物収穫装置10の駆動が開始されると、制御装置50は、図17に示すように、各機構20、30、60を駆動させる。この場合、制御装置50は、少なくとも主茎901が分離機構60を通過する期間は、各機構20、30、60を駆動させ続ける。これにより、農作物90は、保持機構30によって主茎901の根元が保持された状態で搬送機構20によってポット91及びガター92とともに進行方向へ移動する。そして、主茎901が分離機構60を通過する際に、振動する分離部材61や櫛歯部材62が果柄902や小果柄903、及び実904に接触し、これにより果柄902や小果柄903、及び実904に力が加えられる。これにより、農作物収穫装置10は、実904を果柄902又は小果柄903から分離させ、若しくは実904を果柄902又は小果柄903ごと主茎901から分離させて、収穫対象物である実904を収穫する。
このように、本実施形態において、分離機構60は、振動を発生させて2つの分離部材61の間に配置された主茎901又は果柄902、903に振動を加える機能を有している。これによっても、上記第1実施形態と同様に、例えば多数の農作物90の実904を更に短時間で効率良く収穫することができる等の作用効果が得られる。
また、分離部材61は、主茎901の進行方向へ向かって複数配置されている。これによれば、上流側の分離部材61で分離できなかった果柄902等を下流側の分離部材61で分離させることができるため、更に効率良く収穫作業を行うことができる。
また、分離機構60は、複数の櫛歯部材62を更に有している。櫛歯部材62は、分離部材61に設けられている。櫛歯部材62は、平面視において分離部材61の幅方向の中央側から突出するとともに分離部材61から遠ざかるほど主茎901の進行方向へ向かって傾斜している。
これによれば、対向する2つの分離部材61の間を主茎901が通過する際に、分離部材61から突出した複数の櫛歯部材62が主茎901に接触することで、分離部材60で発生した振動を、櫛歯部材62を介して効率良く農作物90に伝えることができる。更に、櫛歯部材62は、分離部材61から遠ざかるほど主茎901の進行方向へ向かって傾斜している。これにより、進行方向へ移動する主茎901は、櫛歯部材62の傾斜に案内されて分離機構60の幅方向の中央側すなわち対向する2つの分離部材61の間の隙間部分に案内され易くなる。その結果、櫛歯部材62が主茎901の移動を阻害することを抑制でき、農作物90を円滑に移動させることができる。これらにより、本実施形態によれば、分離機構60に対して農作物90を円滑に移動させつつ分離機構60で発生した振動を効率良く農作物90に伝えることができる。その結果、収穫効率の向上を図ることができて多数の農作物90をより効率良く収穫することができる。
櫛歯部材62は、柔軟性を有する部材で構成されている。これによれば、櫛歯部材62が農作物90の主茎901や果柄902、小果柄903及び実904等に接触した場合に、これら主茎901や果柄902、小果柄903及び実904等が傷つくことを抑制できる。その結果、収穫した実904の商品価値を高く保つことができる等の効果が得られる。
(第3実施形態)
本実施形態の農作物収穫装置10は、上記各実施形態における搬送機構20に換えて搬送機構80を備えている点で異なる。すなわち、上記各実施形態において、保持機構30及び分離機構40、60は、一定の場所に設定して使用することを前提にしている。一方、本実施形態における保持機構30及び分離機構40、60は、搬送機構80によって農作物90に対して自ら接近して収穫することが可能となっている。すなわち、上記各実施形態の搬送機構20は、保持機構30及び分離機構40、60に対して農作物90を搬送する機能を有する。一方、本実施形態の搬送機構80は、農作物90に対して保持機構30及び分離機構40、60を搬送する機能を有する。
本実施形態の農作物収穫装置10は、上記各実施形態における搬送機構20に換えて搬送機構80を備えている点で異なる。すなわち、上記各実施形態において、保持機構30及び分離機構40、60は、一定の場所に設定して使用することを前提にしている。一方、本実施形態における保持機構30及び分離機構40、60は、搬送機構80によって農作物90に対して自ら接近して収穫することが可能となっている。すなわち、上記各実施形態の搬送機構20は、保持機構30及び分離機構40、60に対して農作物90を搬送する機能を有する。一方、本実施形態の搬送機構80は、農作物90に対して保持機構30及び分離機構40、60を搬送する機能を有する。
図19及び図20の例において、搬送機構80は、保持機構30及び上記第1実施形態で説明した分離機構40を搭載している。また、図21及び図22の例において、搬送機構80は、保持機構30及び上記第2実施形態で説明した分離機構60を搭載している。搬送機構80は、無軌道又はレール等の軌道上を走行可能な構成である。
搬送機構80は、制御装置50からの指示により自律的に、又は制御装置50に通信可能に接続された上位装置100からの指示により、圃場内を走行することができる。そして、搬送機構80は、収穫対象となる農作物90まで移動し、保持機構30及び分離機構40、60内に主茎901を通過させることで収穫を行う。
本実施形態の場合、搬送機構80は、例えば左側台車部81L及び右側台車部81Rを有している。左側台車部81L及び右側台車部81Rは、それぞれ分離した構成であって、車輪811や、この車輪811を駆動するための図示しないモータ等を有している。左側保持機構30L及び左側分離機構40L、60Lは、左側台車部81Lに搭載されている。また、右側保持機構30R及び右側分離機構40R、60Rは、右側台車部81Rに搭載されている。
この場合、搬送機構80は、フレーム82を有している。フレーム82は、左側台車部81L及び右側台車部81Rを一体的に接続するための構成である。この場合、フレーム82は、例えば角柱状のアルミフレームを組み合わせて構成することができる。そして、フレーム82は、農作物90の高さ寸法よりも高い位置で保持機構30及び分離機構40、60の上方を跨ぐようにして左側台車部81L及び右側台車部81Rを繋いでいる。この場合、台車部81L、81Rに、ポット91が通過可能な通過空間Sを形成しても良い。
このような実施形態によっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
このような実施形態によっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
10…農作物収穫装置、20…搬送機構、30…保持機構、31…保持部材、40…分離機構、41…分離部材、413…回転部材、60…分離機構、61…分離部材、62…櫛歯部材、90…農作物、901…主茎、902…果柄、903…小果柄(果柄)、904…実
Claims (9)
- 収穫対象である農作物(90)の実(904)を果柄(902、903)から分離して又は前記実を前記果柄ごと主茎(901)から分離して収穫する農作物収穫装置(10)であって、
水平に対して傾斜して配置されて相互に対向して並行に設けられた2つで1組の分離部材(41、61)を有し、2つの前記分離部材の間を前記分離部材の下端側から上端側へ前記分離部材の長手方向に沿って前記主茎が通過可能に構成され、前記主茎が2つの前記分離部材の間を通過する際に前記分離部材が前記果柄又は前記実に力を作用させて前記主茎から前記実を分離させる機能を有する分離機構(40、60)と、
前記分離機構の下方に設けられ少なくとも前記主茎が前記分離機構を通過するまでの期間において前記主茎の根元部分を保持する機能を有する保持機構(30)と、
前記分離機構及び前記保持機構に対して前記農作物を移動させて、又は前記農作物に対して前記分離機構及び前記保持機構を移動させて、前記分離部材の間に前記主茎を通過させる機能を有する搬送機構(20、80)と、
を備える農作物収穫装置。 - 前記保持機構は、環状に構成された2つの保持部材(31)を更に有し、2つの前記保持部材の間に前記主茎を挟んで保持可能に構成され、前記主茎を保持した状態で前記搬送機構によって前記保持機構に対して相対的に移動する前記主茎の進行方向へ向かって前記主茎の移動速度に合わせた速度で前記主茎の保持位置を移動可能に構成されている、
請求項1に記載の農作物収穫装置。 - 前記分離部材は、環状に構成されてかつ回転可能に構成されている、
請求項1又は2に記載の農作物収穫装置。 - 前記分離部材は、平面視において前記主茎の進行方向に延びる回転軸を中心に回転可能な複数の回転部材(413)を更に有し、
前記回転部材は、対向する前記回転部材の間に前記主茎を配置可能に構成されている、
請求項3に記載の農作物収穫装置。 - 前記主茎が前記分離機構を通過する際に対向する2つの前記分離部材のうち少なくとも一方を前記主茎の進行方向とは逆方向へ間欠的に移動させる動作を実行可能である、
請求項3又は4に記載の農作物収穫装置。 - 前記分離機構は、振動を発生させて2つの前記分離部材の間に配置された前記主茎又は前記果柄に振動を加える機能を有している、
請求項1又は2に記載の農作物収穫装置。 - 前記分離部材は、前記主茎の進行方向へ向かって複数配置されている、
請求項6に記載の農作物収穫装置。 - 前記分離機構は、前記分離部材に設けられて、平面視において前記分離部材の幅方向の中央側から突出するとともに前記分離部材から遠ざかるほど前記主茎の進行方向へ向かって傾斜した複数の櫛歯部材(62)を更に備えている、
請求項6又は7に記載の農作物収穫装置。 - 前記櫛歯部材は、柔軟性を有する部材で構成されている、
請求項8に記載の農作物収穫装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020179643A JP2022070535A (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 農作物収穫装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020179643A JP2022070535A (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 農作物収穫装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022070535A true JP2022070535A (ja) | 2022-05-13 |
Family
ID=81534805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020179643A Pending JP2022070535A (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 農作物収穫装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022070535A (ja) |
-
2020
- 2020-10-27 JP JP2020179643A patent/JP2022070535A/ja active Pending
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