JP2022070025A - セットアップ支援装置及びセットアップ支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線治療時における患者のセットアップを簡単かつ精度よく行なうこと。【解決手段】実施形態の情報処理方法は、取得部と、算出部と、出力部とを備える。取得部は、計画時の患者の体勢を表す体勢情報を取得する。算出部は、計画時に前記患者が配置される第1の配置部材と、治療時に前記患者が配置される第2の配置部材との差異に基づいて、前記体勢情報により表される計画時の患者の体勢を治療時に再現する患者のセットアップ情報を求める。出力部は、前記セットアップ情報の出力を行なう。【選択図】図15

Description

本明細書等に開示の実施形態は、セットアップ支援装置及びセットアップ支援方法に関する。
がんに対する種々の治療法が知られている。中でも放射線治療は、外科的な切開を必要とせず侵襲性が低い点、必ずしも入院を必要とせず趣味や仕事等との両立が可能である点などで有利な治療法である。一般に放射線治療は1人の患者に1回ではなく複数回行なうことから、毎回の放射線治療において行なわれる患者のセットアップは重要である。
特表2017-536860号公報 特開2011-72457号公報 特開2019-162379号公報 特表2020-505675号公報
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、放射線治療時における患者のセットアップを簡単かつ精度よく行なうことである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本明細書等に開示の実施形態が解決する他の課題として位置付けることもできる。
実施形態の情報処理方法は、取得部と、算出部と、出力部とを備える。取得部は、計画時の患者の体勢を表す体勢情報を取得する。算出部は、計画時に前記患者が配置される第1の配置部材と、治療時に前記患者が配置される第2の配置部材との差異に基づいて、前記体勢情報により表される計画時の患者の体勢を治療時に再現する患者のセットアップ情報を求める。出力部は、前記セットアップ情報の出力を行なう。
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る放射線治療装置を示す概略図である。 図4は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。 図5は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係る放射線治療の一連の流れを示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態に係るプラン作成について説明するための図である。 図8は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。 図9は、第1の実施形態に係る患者の体勢の再現方法について説明するための図である。 図10Aは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。 図10Bは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。 図11Aは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。 図11Bは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。 図12は、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。 図13は、第1の実施形態に係る体勢情報の取得方法について説明するための図である。 図14は、第1の実施形態に係る体勢情報の取得方法について説明するための図である。 図15は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。 図16は、第2の実施形態に係るセットアップ支援方法の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、セットアップ支援装置及びセットアップ支援方法の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
セットアップ支援装置10を含んだ医用情報処理システム1を一例として説明する。例えば、医用情報処理システム1は、図1に示すように、セットアップ支援装置10、X線CT(Computed Tomography)装置20、放射線治療装置30及び画像保管装置40を有する。図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。セットアップ支援装置10、X線CT装置20、放射線治療装置30及び画像保管装置40は、ネットワークNWを介して相互に接続される。
ネットワークNWを介して接続可能であれば、医用情報処理システム1に含まれる各装置が設置される場所は任意である。例えば、画像保管装置40は、X線CT装置20と異なる施設に設置された画像サーバであってもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークであってもよい。
セットアップ支援装置10は、放射線治療装置30における患者Pのセットアップを行なうセットアップ情報の出力を行なう装置である。X線CT装置20は、放射線治療装置30による患者Pの放射線治療に先立って、放射線治療の計画を立てるために用いられるX線CT画像を収集する治療計画用X線CT装置である。放射線治療装置30は、患者Pの放射線治療を実行する装置である。画像保管装置40は、X線CT装置20等によって収集された各種の医用画像を保管する装置である。例えば、画像保管装置40は、PACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバである。
まず、セットアップ支援装置10の構成について説明する。図1に示すように、セットアップ支援装置10は、メモリ11、ディスプレイ12、入力インターフェース13及び処理回路14を備える。例えばセットアップ支援装置10は、医師等のユーザが頭部に装着することのできるウェアラブルデバイスとして実現される。
メモリ11は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子によって実現される。例えば、メモリ11は、セットアップ支援装置10に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
ディスプレイ12は、セットアップ支援装置10を装着したユーザの眼前に配置される表示装置である。例えば、ディスプレイ12は半透明であり、ディスプレイ12を透過した光に基づいて視認することのできる映像と、ディスプレイ12上の表示とを同時に視認することができるように構成される。一例を挙げると、ディスプレイ12は、ホログラフィック光学素子を用いた、レンズ状の表示装置である。
入力インターフェース13は、セットアップ支援装置10の外部から各種情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力インターフェース13は、光学カメラにより実現され、放射線治療のセットアップ時における治療室内の映像を取得し、メモリ11に記憶させる。ここで、入力インターフェース13は、取得した映像を解析して、ユーザからの入力操作を受け付けることもできる。また、入力インターフェース13は、ネットワークNWを介した各種装置との送受信を制御する。
処理回路14は、制御機能14a、取得機能14b、算出機能14c及び出力機能14dを実行することで、セットアップ支援装置10全体の動作を制御する。取得機能14bは、取得部の一例である。算出機能14cは、算出部の一例である。出力機能14dは、出力部の一例である。
例えば、処理回路14は、制御機能14aに対応するプログラムをメモリ11から読み出して実行することにより、取得機能14b、算出機能14c及び出力機能14dといった各種の機能を制御する。取得機能14bは、計画時の患者Pの体勢を表す体勢情報を取得する。算出機能14cは、体勢情報により表される計画時の患者Pの体勢を治療時に再現する患者Pのセットアップ情報を求める。出力機能14dは、セットアップ情報の出力を行なう。なお、取得機能14b、算出機能14c及び出力機能14dによる処理の詳細は後述する。
図1に示すセットアップ支援装置10においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ11へ記憶されている。処理回路14は、メモリ11からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路14は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図1においては単一の処理回路14にて、制御機能14a、取得機能14b、算出機能14c及び出力機能14dが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路14を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路14が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、処理回路14は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路14は、メモリ11から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、セットアップ支援装置10とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
次に、図2を用いて、X線CT装置20の構成例について説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置20の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、X線CT装置20は、架台装置210と、寝台装置230と、コンソール装置240とを有する。
図2においては、非チルト状態での回転フレーム213の回転軸又は寝台装置230の天板233の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図2は、説明のために架台装置210を複数方向から描画したものであり、X線CT装置20が架台装置210を1つ有する場合を示す。
架台装置210は、X線管211と、X線検出器212と、回転フレーム213と、X線高電圧装置214と、制御装置215と、ウェッジ216と、コリメータ217と、DAS218とを有する。
X線管211は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管211は、X線高電圧装置214からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、患者Pに対し照射するX線を発生する。
X線検出器212は、X線管211から照射されて患者Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS218へと出力する。X線検出器212は、例えば、X線管211の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャンネル方向(チャネル方向)に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器212は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
例えば、X線検出器212は、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器212は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム213は、X線管211とX線検出器212とを対向支持し、制御装置215によってX線管211とX線検出器212とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム213は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム213は、X線管211及びX線検出器212に加えて、X線高電圧装置214やウェッジ216、コリメータ217、DAS218等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム213は、図2において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置210において、回転フレーム213、及び、回転フレーム213と共に回転移動する部分を、回転部とも記載する。
X線高電圧装置214は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管211に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管211が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行なうX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置214は、回転フレーム213に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置215は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置215は、入力インターフェース243からの入力信号を受けて、架台装置210及び寝台装置230の動作制御を行なう。例えば、制御装置215は、回転フレーム213の回転や架台装置210のチルト、寝台装置230の動作等について制御を行なう。一例を挙げると、制御装置215は、架台装置210をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム213を回転させる。なお、制御装置215は架台装置210に設けられてもよいし、コンソール装置240に設けられてもよい。
ウェッジ216は、X線管211から照射されたX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ216は、X線管211から患者Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるように、X線管211から照射されたX線を減衰させるX線フィルタである。例えば、ウェッジ216は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工して作製される。
コリメータ217は、ウェッジ216を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ217は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図2においては、X線管211とコリメータ217との間にウェッジ216が配置される場合を示すが、X線管211とウェッジ216との間にコリメータ217が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ216は、X線管211から照射され、コリメータ217により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
DAS218は、X線検出器212が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS218は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行なう増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS218は、例えば、プロセッサにより実現される。
DAS218が生成したデータは、回転フレーム213に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置210の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図2での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置240へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム213を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム213から架台装置210の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
寝台装置230は、治療対象の患者Pを配置、移動させる装置であり、基台231と、寝台駆動装置232と、天板233と、支持フレーム234とを有する。基台231は、支持フレーム234を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置232は、患者Pが配置された天板233を、天板233の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム234の上面に設けられた天板233は、患者Pが配置される板である。なお、天板233は、計画時に患者Pが配置される第1の配置部材の一例である。寝台駆動装置232は、天板233に加え、支持フレーム234を天板233の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置240は、メモリ241と、ディスプレイ242と、入力インターフェース243と、処理回路244とを有する。なお、コンソール装置240は架台装置210とは別体として説明するが、架台装置210にコンソール装置240又はコンソール装置240の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ241は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ241は、X線CT装置20において患者Pをスキャンすることにより収集された投影データや、投影データに基づいて再構成されたX線CT画像等を記憶する。また、メモリ241は、X線CT装置20に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
ディスプレイ242は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ242は、入力インターフェース243を介してユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。例えば、ディスプレイ242は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ242は、デスクトップ型でもよいし、X線CT装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
なお、図2においてはX線CT装置20がディスプレイ242を備えるものとして説明するが、X線CT装置20は、ディスプレイ242に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路244による制御の下、スクリーンや壁、床、患者Pの体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
入力インターフェース243は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路244に出力する。例えば、入力インターフェース243は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース243は、X線CT装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース243は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インターフェース243は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インターフェース243は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、X線CT装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路244へ出力する電気信号の処理回路も、入力インターフェース243の例に含まれる。
処理回路244は、制御機能244a、収集機能244b及び出力機能244cを実行することで、X線CT装置20全体の動作を制御する。例えば、処理回路244は、制御機能244aに対応するプログラムをメモリ241から読み出して実行することにより、入力インターフェース243を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、収集機能244b、出力機能244cいった各種の機能を制御する。
また、処理回路244は、収集機能244bに対応するプログラムをメモリ241から読み出して実行することにより、CTスキャンを実行して患者Pから投影データを収集する。例えば、収集機能244bは、X線高電圧装置214を制御することにより、X線管211に高電圧を供給する。これにより、X線管211は、患者Pに対し照射するX線を発生する。また、収集機能244bは、寝台駆動装置232を制御することにより、患者Pを架台装置210の撮影口内へ移動させる。また、収集機能244bは、ウェッジ216の位置、及び、コリメータ217の開口度及び位置を調整することで、患者Pに照射されるX線の分布を制御する。また、収集機能244bは、制御装置215を制御することにより回転部を回転させる。また、収集機能244bによってスキャンが実行される間、DAS218は、X線検出器212における各検出素子からX線の信号を収集し、検出データを生成する。また、収集機能244bは、DAS218から出力された検出データに対して、前処理を施す。例えば、収集機能244bは、DAS218から出力された検出データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャンネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、前処理を施した後のデータについては生データとも記載する。また、前処理を施す前の検出データ及び前処理を施した後の生データを総称して、投影データとも記載する。
また、収集機能244bは、投影データに対する再構成処理を行なって、X線CT画像を生成する。例えば、収集機能244bは、投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法、逐次近似応用再構成法等を用いた再構成処理を行なうことにより、X線CT画像(ボリュームデータ)を生成する。また、収集機能244bは、AI(Artificial Intelligence)による再構成処理を行なって、X線CT画像を生成することもできる。例えば、収集機能244bは、DLR(Deep Learning Reconstruction)法により、X線CT画像を生成する。
また、処理回路244は、出力機能244cに対応するプログラムをメモリ241から読み出して実行することにより、ディスプレイ242における表示の制御を行なう。例えば、出力機能244cには、X線CT画像に基づいて表示用画像を生成し、ディスプレイ242に表示させる。また、出力機能244cは、ネットワークNWを介したデータの送信を制御する。例えば、出力機能244cは、患者Pから収集されたX線CT画像を、ネットワークNWを介して画像保管装置40に送信する。
図2に示すX線CT装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ241へ記憶されている。処理回路244は、メモリ241からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路244は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図2においては単一の処理回路244にて、制御機能244a、収集機能244b及び出力機能244cが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路244を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路244が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路244は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路244は、メモリ241から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、クラウドを計算資源として利用することにより、図2に示す各機能を実現する。
次に、図3を用いて、放射線治療装置30について説明する。図3は、第1の実施形態に係る放射線治療装置30を示す概略図である。
放射線治療装置30は、放射線発生器322と放射線絞り器323とを備え、患者Pに対する放射線治療を実行する。即ち、放射線発生器322は、治療用の放射線を照射し、放射線絞り器323は、治療用の放射線を治療対象部位に絞り込んで照射させる。なお、天板341は、治療時に患者Pが配置される第2の配置部材の一例である。ディスプレイ351は、各種のGUIや医用画像等の表示を行なう。ディスプレイ351については、例えば上述したディスプレイ242と同様にして構成することができる。放射線治療の詳細については後述する。
以上、セットアップ支援装置10、X線CT装置20、放射線治療装置30及び画像保管装置40を含んだ医用情報処理システム1の全体構成について説明した。かかる構成の下で、患者Pに対して実行される放射線治療についての説明を行なう。
なお、患者Pにおける放射線治療の対象部位については特に限定されるものではないが、対象部位の例としては、例えば、頭頸部がん、喉頭がん、肺がん、前立腺がん、転移性脳腫瘍、乳がん、子宮・子宮頸がんなどが挙げられる。また、以下では放射線治療についての説明を行なうが、放射線治療を他の治療法と組み合わせて実行する場合であってもよい。例えば、外科(手術)療法や、化学療法(抗がん剤)、免疫療法等と放射線治療とを組み合わせた集学的治療を行なってもよい。
また、放射線治療には、例えば、根治治療や症状緩和(姑息)治療、予防治療といった複数通りの目的があるが、この点で実施形態は限定されるものではない。即ち、いずれの目的で放射線治療を行なう場合であっても、以下の実施形態は適用可能である。なお、根治治療は、放射線治療によるがんの完全な治癒と長期生存を目的とする治療である。また、症状緩和治療は、がんの進行を遅らせ、苦痛などの症状緩和と延命を目的とする治療である。症状緩和治療は、転移性骨腫瘍や転移性脳腫瘍などで多く実施される。また、予防治療は、他の治療法でがんを治療した後に、将来的にがんの転移が予測される部分に前もって放射線の照射を行なう治療である。
放射線治療では、がん組織に対して一定量の致死線量を照射させることで、がん組織を死滅させる。但し、がん組織が患者Pの体内に分布している場合等、がん組織のみに放射線を照射することは難しく、一般には、がん組織に放射線を照射すると同時に、正常組織にも放射線が照射されてしまう。そこで、正常組織の耐容線量を超えないように放射線治療を実行することが重要である。
正常組織を保存するため、放射線治療は、複数回に分けて実行される場合が多い。以下、この点について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。図4の横軸は放射線の照射回数を示し、縦軸は細胞生存率を示す。図4に示すように、一定量の放射線を一回照射させれば、正常組織もがん組織も同程度に死滅する。但し、がん組織と比較して、正常組織の回復速度は速い。そして、正常組織の回復を待ちつつ放射線の照射を繰り返すことで、がん組織を選択的に死滅させることが可能となる。
また、放射線治療における放射線照射方向を工夫することで、正常組織を保存することもできる。以下、この点について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。即ち、がん組織が分布する対象部位Rへの放射線の照射を行なう場合において、1方向からのみ照射させることも可能であるが、複数の方向から照射させることで、対象部位Rに限局した線量分布が得られる。なお、放射線をある一定の方向へ照射する時、その照射方向は「門」とも呼ばれる。
図5の左上に示す1門照射は、1方向からのみの照射である。1門照射では、広い領域に高線量が付与され、入射面に近いほど線量が高くなる。図5の右上に示す対向2門照射は、180°反対方向からの照射である。対向2門照射では、放射線の通り道に沿って均一に高い線量が付与される。図5の左下に示す4門照射は、角度の異なる4方向からの照射である。4門照射は、放射線を分散させるため、ある一方向のみ極端な被ばく量になることはないという利点を有する。図5の右下に示す回転原体照射は、回転架台331を回転しながらの照射である。回転中に対象部位Rの形状に合わせた形状の絞りを作って回転照射すれば、対象部位Rに線量を集中させることができる。
図4及び図5で説明した通り、正常組織への放射線の照射量が少なくなるように照射方向を工夫しつつ、複数回に分けて照射を行なうことで、患者Pの負担を軽減した放射線治療を実現することができる。次に、治療計画を立ててから治療を実行するまでの一連の流れについて、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係る放射線治療の一連の流れを示すフローチャートである。
まず、治療方針決定、及び、説明と同意が行なわれる。即ち、がん治療には、放射線治療の他にも、外科療法や化学療法、免疫療法等といった治療法が存在する。これらの治療法の中で、患者Pについてはどの治療法が適切かの判断が行なわれる。また、放射線治療が治療方法のひとつとして考えられる場合には、患者Pは、放射線治療医より診察や放射線治療についての説明を受ける。そして、照射方法や、1回の線量、分割回数、治療のスケジュールといった具体的な治療方針が決定される。また、治療中、治療後に起こり得る副作用やその他の注意点についての説明が行われ、患者Pが同意した場合には、放射線治療の準備が進められる。
放射線治療に患者Pが同意した後、シェル等の固定具が作成される。固定具とは、治療時において患者Pの体勢を保持する保持部材である。即ち、図4にて説明した通り、放射線治療は一般に複数回実行される。また、毎回の放射線治療において同じ場所に正確に放射線を照射させるためには、固定具で患者ポジションの再現性を担保しつつ治療中の動きを抑制し、精度を担保する必要がある。固定具は、複数の患者で共用することのできる既製品もあるが、対象部位Rの位置や体格が患者ごとに異なることから、患者ごとに作成される場合もある。固定具の具体例については後述する。
次に、X線CT装置20において、計画CT画像撮影が行われる。具体的には、患者Pは、X線CT装置20における天板233の上に配置される。この際、天板233には、先に作成された固定具も配置され、患者Pの体勢が保持される。即ち、計画時と治療時とで患者Pの体勢が同じになるように、X線CT装置20での撮影時と放射線治療装置30での治療時との双方において、固定具によって患者Pの体勢が保持される。そして、対象部位Rを含む範囲についてCTスキャンが実行され、収集された投影データに基づいてX線CT画像が再構成される。再構成されたX線CT画像は、X線CT装置20から画像保管装置40に送信され、保管される。
次に、放射線治療のプラン(治療計画)の作成が行なわれる。ここで、プラン作成について、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態に係るプラン作成について説明するための図である。なお、図7においては、咽頭がんの放射線治療のプランを作成する場合について説明する。
プラン作成は、例えば、図示しない治療計画装置において行なわれる。例えば、治療計画装置は、ネットワークNWを介して、図1のセットアップ支援装置10、X線CT装置20、放射線治療装置30及び画像保管装置40と接続される。例えば、治療計画装置は、X線CT装置20によって患者Pから収集されて画像保管装置40において保管されているX線CT装置を、図7に示す治療計画CT画像として取得する。
次に、治療計画装置は、治療計画CT画像上に、腫瘍部(がん組織)と正常組織とをそれぞれ設定する。即ち、治療計画装置は、治療計画CT画像において、放射線治療で放射線を照射したい部位と照射したくない部位とをそれぞれ設定する。治療計画装置は、治療計画CT画像を画像処理して腫瘍部及び正常組織を自動設定してもよいし、ユーザからの入力操作に基づいて腫瘍部及び正常組織を設定してもよい。次に、治療計画装置は、放射線の入射方向、照射野形状、投与線量及びその他のパラメータを含む各種照射条件を設定する。治療計画装置は、設定された腫瘍部及び正常組織に応じて照射条件を自動設定してもよいし、ユーザからの入力操作に基づいて照射条件を設定してもよい。
次に、治療計画装置は、設定した照射条件に基づいて体内線量分布の計算を行ない、体内線量分布図を作成して、ユーザに提供する。ここで、ユーザは、体内線量分布が問題ないか、腫瘍への線量は十分か、正常組織への線量は許容できるか、といった種々の事情を考慮して、設定した照射条件で放射線治療を実行してよいか否か判断する。ここで、設定した照射条件が適当でないと判断した場合(No)、ユーザは、照射条件の再設定や調整を行なうことができる。即ち、治療計画装置は、治療計画CT画像を用いて、治療用の放射線を照射した際の患者Pの体内の線量分布をシミュレーションしつつ、実際にどのような条件で治療(照射)するかのプランを立てることができる。
そして、作成されたプランに基づいて、毎日の治療が実行される。ここで、毎日の治療について、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係る放射線治療について説明するための図である。
まずは、上述した通り診断及び治療計画CT画像の収集が行われ、治療計画が作成される。その後、作成された治療計画に従って、放射線治療が実行される。即ち、放射線治療装置30は、治療計画に従って、治療用の放射線を患者Pに照射する。ここで、治療計画CT画像の収集や治療計画の作成は通常1回行われるのに対して、放射線治療は、複数回(例えばN回)行なわれる。
毎回の放射線治療においては、セットアップ及び放射線の照射がセットで行われる。セットアップにおいては、治療計画時における患者Pの体勢を再現することが重要である。即ち、治療計画CT画像に基づいて治療計画が作成されるのであるから、治療計画に従った効率的な放射線治療を行なうためには、治療計画CT画像の収集時と同じ体勢で、放射線治療が実行されることが好ましい。
計画時の体勢を治療時に再現する方法として、例えば図9に示すように、患者Pの体表面にマーキングをする方法が知られている。具体的には、治療計画CT画像を収集するため天板233に患者Pが配置された際、患者Pの体表面のマーキングの位置が記録される。その後、放射線治療のため天板341に患者Pが配置された際、記録されていたマーキングの位置に対して、可視光がレーザ照射される。そして、患者Pの体表面のマーキングと、患者Pの体表面に投影された可視光とが一致するように、患者Pの体勢を調整することで、計画時の体勢を治療時に再現することが可能となる。なお、図9は、第1の実施形態に係る患者Pの体勢の再現方法について説明するための図である。
なお、X線CT装置20における座標系と放射線治療装置30における座標系とは、例えば、X線CT装置20において回転フレーム213と共に回転するX線管211の回転中心と、放射線治療装置30において回転架台331と共に回転する放射線発生器322の回転中心(アイソセンター)とを基準として、対応付けることができる。これにより、放射線治療装置30の座標系において、X線CT装置20の座標系で記録されたマーキングの位置に対して可視光をレーザ照射することが可能となる。以下、X線CT装置20における座標系を第1の座標系、放射線治療装置30における座標系を第2の座標系とも記載する。
また、計画時の体勢を治療時に再現するため、各種の固定具が使用される。即ち、計画時と治療時とで患者Pの体勢が同じになるように、X線CT装置20での撮影時と放射線治療装置30での治療時との双方において、固定具によって患者Pの体勢が保持される。
固定具の例としては、図10A及び図10Bの固定具F11、及び、図10Bの固定具F12が挙げられる。固定具F11は、放射線治療の対象部位が乳房である場合において、患者Pの上半身の体勢を保持するために用いられる。また、固定具F12は、患者Pの下半身の体勢を保持するために用いられる。なお、図10Bは固定具F11及び固定具F12が共に使用される場合を示すが、固定具F11及び固定具F12のそれぞれを単独で使用することも可能である。図10A及び図10Bは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。
固定具の別の例としては、図11Aの固定具F21、及び、図11Bの固定具F22が挙げられる。固定具F21及び固定具F22は、患者Pの頭部の体勢を保持するために用いられる頭頸部用シェルである。図11A及び図11Bは、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。
固定具の別の例としては、図12の固定具F3が挙げられる。固定具F3は、患者Pの腰回りの体勢を保持するために用いられる前立腺用シェル固定具である。図12は、第1の実施形態に係る固定具の一例を示す図である。その他にも、多種多様な固定具が知られている。例えば、患者Pの身体に沿った窪みを形成する吸引式固定バッグが、固定具として使用される場合もある。
上述した通り、患者Pの体表面へのマーキングや固定具の使用によって、計画時の患者Pの体勢を再現するように、毎回の治療におけるセットアップが行なわれる。なお、図8に示す通り、N回の放射線治療を終えてからは経過観察に移行する。
ここで、過去の体勢を再現するという作業は難しく、上述した治療当日のセットアップは時間を要する場合が多い。放射線治療の精度を向上させるためには、放射線治療の対象部位の近傍のみならず、全身の体勢を再現することが好ましい。例えば、対象部位が腹部である場合においても、腹部の位置のみならず、腕や膝の角度、顔の位置なども再現することが好ましい。
更に、セットアップに時間を要する要因として、計画と治療とが別の装置において行なわれている点が挙げられる。例えば、計画時にX線CT装置20の天板233上に固定具を配置していた場合に、治療時において、放射線治療装置30の天板341におけるどの位置に固定具を配置するべきなのか、判断が難しい場合がある。また、X線CT装置20の天板233は中央が窪んだR型の板である場合が多いのに対して、放射線治療装置30の天板341はフラットな場合が多い。このように、計画時と治療時とで天板の形状が違う場合には、体勢を再現することが特に難しい。更に、体表面にマーキングされることを好まない患者もおり、この場合にはセットアップがより難しくなる。
そこで、セットアップ支援装置10は、セットアップ情報をユーザに提供して、毎回の放射線治療におけるセットアップを支援する。具体的には、まず、取得機能14bは、計画時の患者Pの体勢を表す体勢情報を取得する。即ち、取得機能14bは、治療計画CT画像を収集するために天板233の上に配置された患者Pの体勢を表す体勢情報を取得する。
一例を挙げると、体勢情報は、図13の3Dカメラ51を用いて撮影された、計画時の患者Pの3次元画像である。具体的には、ユーザは、天板233の上に患者Pを配置した後、3Dカメラ51を用いて患者Pを撮影する。取得機能14bは、例えばネットワークNWを介して、患者Pの3次元画像を3Dカメラ51から取得することができる。なお、図13は、第1の実施形態に係る体勢情報の取得方法について説明するための図である。
別の例を挙げると、体勢情報は、図14のレーザスキャナ52を用いて撮影された、計画時の患者Pの3次元画像である。具体的には、天板233の上に患者Pが配置された後、レーザスキャナ52は、患者Pを撮影する。例えば、レーザスキャナ52は、X線CT装置20が設けられた検査室の壁や天井などに設置される。例えば、レーザスキャナ52は、天板233及び患者Pを架台装置の210の開口内に挿入する動作が開始されたことをトリガとして、自動的に患者Pを撮影する。また、取得機能14bは、例えばネットワークNWを介して、患者Pの3次元画像をレーザスキャナ52から取得することができる。なお、図14は、第1の実施形態に係る体勢情報の取得方法について説明するための図である。
なお、3Dカメラ51やレーザスキャナ52によって撮影される3次元画像は、色彩及び形状を示すものであってもよいし、形状のみを示すものであってもよい。例えば、3次元画像は、固定具によって体勢が保持された状態の患者Pの体表面の形状、及び、固定具の形状を示す形状データであってもよい。
次に、算出機能14cは、計画時の患者Pの体勢を治療時に再現するように、天板341における固定具の配置位置を求める。例えば、算出機能14cは、まず、3Dカメラ51やレーザスキャナ52によって撮影された3次元画像を解析して、X線管211の回転中心を基準位置とした第1の座標系における、各固定具の位置や角度を算出する。
一例を挙げると、3Dカメラ51は、第1の座標系における3Dカメラ51の位置や角度を検出可能なセンサを備える。算出機能14cは、このセンサによって撮影時の3Dカメラ51の位置及び角度を第1の座標系に対応付け、3次元画像を第1の座標系に対応付けることにより、3次元画像に現れた各固定具の第1の座標系における位置や角度を算出することができる。
別の例を挙げると、レーザスキャナ52は、X線CT装置20が設置された検査室内の所定の位置に固定される。即ち、レーザスキャナ52は、第1の座標系における位置及び角度が固定される。この場合、レーザスキャナ52による3次元画像と第1の座標系との対応関係は既知であるので、算出機能14cは、3次元画像に現れた各固定具の第1の座標系における位置や角度を算出することができる。
次に、算出機能14cは、第1の座標系において求めた各固定具の位置及び角度を、放射線治療装置30における第2の座標系に対応付ける。例えば、算出機能14cは、X線CT装置20におけるX線管211の回転中心と、放射線治療装置30におけるアイソセンターとを基準として、第1の座標系と第2の座標系とを対応付ける。これにより、算出機能14cは、固定具の位置や角度を、第2の座標系において求めることができる。即ち、算出機能14cは、治療時における固定具の配置位置として、アイソセンターからの距離や高さを求めることができる。
なお、天板233と天板341とで形状に差異がある場合、算出機能14cは、この差異を考慮して、固定具の配置位置を求めてもよい。例えば、天板233がR型であり、天板341がフラットである場合、天板233の窪みによる高さ方向のずれを固定具の配置位置に反映させてもよい。
次に、出力機能14dは、算出機能14cによって求められた固定具の配置位置に基づいて、天板341の上で患者Pのセットアップを行なうセットアップ情報を出力する。即ち、出力機能14dは、固定具の配置位置に基づいて、治療時のセットアップを支援するためのセットアップ情報を出力する。
例えば、出力機能14dは、セットアップ情報として、計画時の患者の体勢を示す画像をディスプレイ12に表示させる。例えば、出力機能14dは、図15に示すように、3Dカメラ51やレーザスキャナ52によって撮影される3次元画像に基づいて、計画時の患者の体勢をAR(Augmented Reality)画像として表示させる。なお、図15は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
具体的には、治療当日のセットアップ時において、セットアップ支援装置10は、図15に示すように、ユーザの頭部に装着される。ここで、ディスプレイ12は、例えばゴーグルのレンズのように、ユーザの眼前に配置される。ディスプレイ12は半透明であり、ユーザは、ディスプレイ12を透過した光に基づいて、放射線治療装置30が設置された治療室内を視認することができる。即ち、ユーザは、セットアップ支援装置10を頭部に装着していても、裸眼の場合と同様に現実の映像を視認することができる。
更に、出力機能14dは、ディスプレイ12にセットアップ情報を表示させる。具体的には、出力機能14dは、3Dカメラ51やレーザスキャナ52によって撮影された患者Pの3次元画像を、ディスプレイ12に表示させる。かかる3次元画像は、ディスプレイ12を透過してユーザが視認する現実の映像と重ね合わせるように表示されることとなる。
ここで、出力機能14dは、算出機能14cによって求められた固定具の配置位置に基づいて、AR表示を制御する。例えば、出力機能14dは、センサによって、セットアップ支援装置10の位置や角度をリアルタイムに取得する。例えば、出力機能14dは、放射線治療装置30のアイソセンターを基準とした第2の座標系において、セットアップ支援装置10の位置や角度をリアルタイムに取得する。また、出力機能14dは、ユーザの目をスキャンして、視点(立脚点)の位置を特定する。これにより、出力機能14dは、ディスプレイ12を透過してユーザが視認する現実の映像が第2の座標系におけるどの位置に相当するものであるのか、計算することができる。即ち、出力機能14dは、ディスプレイ12を透過してユーザが視認する現実の映像において、算出機能14cによって求められた固定具の配置位置に相当する位置を求め、これを基準として3次元画像のAR表示を行なうことができる。
セットアップ時に図15に示すような表示を行なった場合、ユーザは、セットアップ中の実物の患者Pを視認しつつ、計画時の患者Pの体勢や計画時に患者Pを保持していた固定具等も視認することができる。そして、実物の患者Pと、AR表示されている患者Pとで体勢にずれがあれば、ずれを修正するように患者Pに指示することができる。また、実物の固定具と、AR表示されている固定具とで位置がずれていれば、固定具の位置を修正することができる。このように、セットアップ支援装置10によれば、放射線治療時における患者Pのセットアップを簡単かつ精度よく行なうことができる。
また、AR表示されている固定具と、実物の患者Pの体勢を保持している固定具とで不一致があれば、ユーザはすぐに気付くことができる。即ち、図15に示す表示によれば、固定具の忘れや間違いを防止して、放射線治療時における患者のセットアップをより精度よく行なうことができる。
なお、固定具の不一致があった場合、出力機能14dは、その旨をユーザに通知することとしてもよい。具体的には、出力機能14dは、光学カメラを用いて、セットアップ中の患者Pの映像をリアルタイムに取得する。かかる光学カメラは、セットアップ支援装置10に設けられてもよいし、例えば治療室内の壁や天井等、セットアップ支援装置10とは別個に設けられてもよい。次に、出力機能14dは、セットアップ中の患者Pを保持している固定具と、AR表示させている固定具とで不一致がないか判定する。
具体的には、AR表示に含まれている固定具であってセットアップ中の患者Pを保持していない固定具がある場合、出力機能14dは、忘れられている固定具があると判定することができる。換言すると、計画時において患者Pの体勢を保持していた固定具であって治療時において患者Pの体勢を保持していない固定具がある場合、出力機能14dは、忘れられている固定具があると判定する。このように、忘れられている固定具については、第1部材とも記載する。
また、セットアップ中の患者Pを保持している固定具であってAR表示に含まれない固定具がある場合、出力機能14dは、誤った固定具があると判定することができる。換言すると、計画時において患者Pの体勢を保持していなかった固定具であって治療時において患者Pの体勢を保持している固定具がある場合、出力機能14dは、誤った固定具があると判定する。このように、誤った固定具については、第2部材とも記載する。
固定具の不一致があった場合、出力機能14dは、第1部材又は第2部材の存在をユーザに通知する。例えば、出力機能14dは、第1部材又は第2部材の存在をディスプレイ12に表示させてもよいし、音声等でユーザに通知してもよい。これにより、出力機能14dは、固定具の忘れや間違いをより確実に防止して、放射線治療時における患者のセットアップをより精度よく行なうことができる。
固定具の忘れや間違いを判定するに際して、セットアップ支援装置10は、各固定具を番号で管理し、その固定具を使用する患者Pと紐付けておいてもよい。これにより、算出機能14cは、各固定具をデータとして識別して、忘れや間違いがないかをより確実に判定することができる。
これまで、計画時の患者Pを撮影したそのままの3次元画像をAR画像として表示させる場合について説明した。ここで、出力機能14dは、患者Pを撮影した3次元画像に基づく加工画像を、AR画像として表示させてもよい。例えば、出力機能14dは、患者Pを撮影した3次元画像において特徴部分を強調する処理を行なった画像を、AR画像として表示させてもよい。一例を挙げると、出力機能14dは、3次元画像において、放射線治療の対象部位や、患者Pの乳首やへそ等を強調する。これにより、AR表示されている3次元画像に対して患者Pの体勢を合せるようにセットアップする際、目印が増えて、より簡単にセットアップを行なうことができるようになる。
また、出力機能14dは、更に、計画時の患者Pの体勢と治療時の患者Pの体勢との差異を示すパラメータを出力してもよい。例えば、算出機能14cは、セットアップ中の患者Pからリアルタイムに収集された映像を解析し、AR表示されている3次元画像との差異を示すパラメータを算出する。一例を挙げると、算出機能14cは、リアルタイムに収集された映像に基づいて、現在の患者Pの体表面における各位置の位置座標を第2の座標系において算出する。また、算出機能14cは、AR表示されている3次元画像に基づいて、計画時の患者Pの体表面における各位置の位置座標を第2の座標系において算出する。また、算出機能14cは、現在の患者Pの体表面における各位置の位置座標と、計画時の患者Pの体表面における各位置の位置座標との類似度を、計画時の患者Pの体勢と治療時の患者Pの体勢との差異を示すパラメータとして算出する。かかる類似度の例としては、例えば、KLダイバージェンスが挙げられる。そして、出力機能14dは、算出機能14cによって算出されたパラメータを出力する。
出力機能14dは、算出されたパラメータをディスプレイ12に表示させてもよいし、音声等でユーザに通知してもよい。また、出力機能14dは、パラメータを数値として出力してもよいし、例えば「高、中、低」のようなランクとして出力してもよいし、色や図形などの形態で出力してもよい。そして、ユーザは、パラメータの増減を参考に、計画時の患者Pの体勢と治療時の患者Pの体勢との差が小さくなるよう、セットアップをより効率的に行なうことができる。
なお、計画時の患者Pの体勢と治療時の患者Pの体勢との差異を示すパラメータを算出するに当たっては、部位ごとに重み付けをしてもよい。例えば、算出機能14cは、放射線治療の対象部位の近傍に大きな重みを付して、上記のパラメータを算出する。これにより、対象部位の近傍が優先的に位置合わせされ、放射線治療をより正確に実行することができる。換言すると、セットアップ支援装置10によれば、患者Pの全体が一致していないとしても重要な部分が計画時と一致するように、セットアップを行なうことができる。
また、これまで、固定具の配置位置に基づいてAR表示を行なう場合について説明した。しかしながら、放射線治療においては、患者Pの体勢を保持するための固定具の他、種々のアクセサリが患者Pに装着される場合がある。例えば、放射線治療の対象部位が胸部である場合、心電同期で放射線の照射を実行するため、患者Pに心電計が装着される場合がある。かかる心電計は、補助部材の一例である。この場合、算出機能14cは、固定具の配置位置に加えて、治療時における補助部材の配置位置を求める。また、出力機能14dは、固定具及び補助部材の配置位置に基づいてセットアップ情報の出力を行なう。
例えば、計画時においては、3Dカメラ51やレーザスキャナ52によって、固定具やその他のアクセサリが装着された状態の患者Pの3次元画像が撮影される。また、治療時において、出力機能14dは、撮影された3次元画像をディスプレイ12においてAR表示させる。これにより、固定具に限らず各種のアクセサリについて忘れや間違いを防止し、放射線治療時における患者のセットアップをより精度よく行なうことができる。なお、計画時と治療時とでアクセサリの不一致があった場合、出力機能14dは、その旨をユーザに通知することとしてもよい。
また、これまで、セットアップ情報を出力する処理の一例として、AR表示について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、出力機能14dは、セットアップ情報を投影することにより、ユーザに提供してもよい。この場合、セットアップ支援装置10は、図示しないプロジェクタを備える。プロジェクタは、セットアップ支援装置10と一体的に設けられてもよいし、例えば治療室内の壁や天井等、セットアップ支援装置10とは別個に設けられてもよい。そして、出力機能14dは、治療時において、プロジェクタから患者Pや天板341に対して、セットアップ情報を投影させる。例えば、出力機能14dは、プロジェクションマッピングによって、計画時の患者Pを撮影した3次元画像を患者Pの体表面や天板341に投影する。
セットアップ支援装置10は、計画時の患者Pの体勢を治療時に再現する作業を支援するのみならず、その他種々の支援を行なうこともできる。例えば、天板341の上で計画時の体勢を再現する前には、患者Pが天板341の上に乗りやすいように天板341の位置を下げたり、患者Pが天板341の上に乗ったり、患者Pを乗せた天板341の位置を上昇させたりといった種々の動作手順が存在する。また、放射線治療装置30においては装置間の干渉が生じる場合があり、例えば天板341を移動させる前には回転架台331を退避させるといった動作手順が必要になる場合もある。セットアップ支援装置10は、このような動作手順を記憶し、ユーザに提供することもできる。
例えば、メモリ11は、過去の治療時に患者Pが天板341に配置されるまでの間における、放射線治療装置30が備える可動部及び患者Pの動作手順を記憶する。なお、可動部とは、放射線治療装置30において移動や回転の動作が可能な部位である。例えば、可動部には、回転架台331が含まれる。また、移動可能に構成される場合には、ディスプレイ351も可動部に含まれる。メモリ11が記憶する動作手順は、患者Pに対する初回の放射線治療時における動作手順であってもよいし、2回目以降の放射線治療時における動作手順であってもよい。また、メモリ11が記憶する動作手順は、放射線治療装置30における制御情報から自動取得されてもよいし、ユーザがマニュアルで登録してもよい。
例えば、メモリ11は、「架台を退避させる」、「天板を下降させる」、「固定具を配置する」、「患者を配置する」、「天板を上昇させる」、「架台を元の位置に戻す」といった動作手順を、患者Pの患者IDに対応付けて記憶する。そして、患者Pに対する放射線治療のセットアップが開始された時、出力機能14dは、メモリ11から読み出した動作手順に基づいて、次に行なう可動部又は患者Pの動作をユーザに順次通知する。出力機能14dは、次に行なう動作をディスプレイ12に表示させてもよいし、音声等でユーザに通知してもよい。
また、セットアップ支援装置10は、一連の動作手順全体をユーザに通知してもよいし、必要に応じて通知を行なうこととしてもよい。例えば、患者Pにアクセサリを装着する作業に時間がかかっている場合、出力機能14dは、ユーザが患者Pへのアクセスに手間取っていると判定する。この場合、出力機能14dは、「架台を逃がす(回転する)と患者にアクセスしやすい」旨をユーザに通知する。また、例えば、架台アーム位置が適切な状態となっていない場合、出力機能14dは、治療計画データから適切な架台アーム位置を取得し、ユーザに指示する。即ち、出力機能14dは、ユーザへのコーチングを行なう。このような通知やコーチングは、ディスプレイ12の表示により行なってもよいし、音声等で行なってもよい。
また、出力機能14dは、上記の通知やコーチングを、医師等のユーザでなく、患者Pに対して行なってもよい。例えば、出力機能14dは、患者Pに対して、「横を向いて」、「手を上げて」といった指示を音声で行なってもよい。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、放射線治療時のセットアップを簡単かつ精度よく行なうため、セットアップ情報の出力を行なう場合について説明した。これに対して、第2の実施形態では、複数の患者を治療する順序を求めることにより、セットアップを簡単かつ精度よく行なうことを可能とする場合について説明する。第2の実施形態に係る医用情報処理システム1は、図1に示した医用情報処理システム1と同様の構成を有する。以下、第1の実施形態において説明した点については、図1~図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
例えば、メモリ11は、複数の患者のそれぞれに対して、各患者の放射線治療時に使用される固定具を対応付けた対応情報を記憶する。一例を挙げると、対応情報は、第1の患者に対して「固定具F4、固定具F5及び固定具F6」が対応付けられ、第2の患者に対して「固定具F4及び固定具F6」が対応付けられ、第3の患者に対して「固定具F4」が対応付けられ、第4の患者に対して「固定具F7」が対応付けられ、第5の患者に対して「固定具F6及び固定具F7」が対応付けられ、第6の患者に対して「無し」が対応付けられた情報である。このような対応情報は、治療計画データ等に基づいて自動生成されてもよいし、ユーザがマニュアルで作成してもよい。
或いは、対応情報は、計画時又は治療時の患者を撮影した画像に基づいて生成されてもよい。例えば、図15に示したAR表示を行なう場合、セットアップ支援装置10は、計画時の患者Pを撮影した3次元画像をメモリ11において保持している。セットアップ支援装置10は、この3次元画像に基づいて患者Pに対応付けられた固定具を特定し、対応情報に登録することができる。
次に、算出機能14cは、対応情報に基づいて、複数の患者を治療する順序を求める。例えば、算出機能14cは、その日一日に治療が予定されている複数の患者についての対応情報をメモリ11から取り込み、固定具が共通する患者が連続して治療されるように、治療の順序を求める。
例えば、第1の患者、第2の患者、第3の患者の順に治療を行なう場合、第1の患者の治療前には「固定具F4の準備」、「固定具F5の準備」、「固定具F6の準備」の作業が生じる。また、第2の患者の治療前には「固定具F5の片付け」の作業が生じる。また、第3の患者の治療前には「固定具F6の片付け」の作業が生じる。
一方、第1の患者、第3の患者、第2の患者の順に治療を行なう場合、第1の患者の治療前には「固定具F4の準備」、「固定具F5の準備」、「固定具F6の準備」の作業が生じる。また、第3の患者の治療前には「固定具F5の片付け」、「固定具F6の片付け」の作業が生じる。また、第2の患者の治療前には「固定具F6の準備」の作業が生じる。
このように、第1の患者、第2の患者、第3の患者の順に治療を行なう場合と比較して、第1の患者、第3の患者、第2の患者の順に治療を行なう場合には、セットアップのための作業量が増加する。これに対して、算出機能14cは、固定具が共通する患者が連続して治療されるように治療の順序を求める。例えば、算出機能14cは、図16に示すように、6人の患者に対する治療の順番を決定する。これにより、算出機能14cは、セットアップのための作業量を最小限にした、その一日における最も効率の良い治療計画(治療順序)を立てることができる。なお、図16は、第2の実施形態に係るセットアップ支援方法の一例を示す図である。
算出機能14cが求めた順序で治療を行なうことにより、ユーザの作業量が削減され、放射線治療時における患者のセットアップを簡単に行なうことができる。また、固定具を準備したり片付けたりする回数が減ることで、固定具を忘れたり間違えたりするリスクが低減され、セットアップを精度良く行なうことができるようになる。
なお、図16においては、固定具が共通する患者が連続して治療されるように順序を求めるものとして説明したが、固定具に加えて各種アクセサリを考慮して、順序を求めてもよい。即ち、算出機能14cは、固定具や心電計等のアクセサリが共通する患者が連続して治療されるように、その一日における治療順序を求める。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、図1においては、単一のメモリ11が処理回路14の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。また、図2においては、単一のメモリ241が処理回路244の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ11を分散して配置し、処理回路14は、個別のメモリ11から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。同様に、複数のメモリ241を分散して配置し、処理回路244は、個別のメモリ241から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ11又はメモリ241にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明したセットアップ支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、放射線治療時における患者のセットアップを簡単かつ精度よく行なうことができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 医用情報処理システム
10 セットアップ支援装置
11 メモリ
12 ディスプレイ
13 入力インターフェース
14 処理回路
14a 制御機能
14b 取得機能
14c 算出機能
14d 出力機能
20 X線CT装置
233 天板
241 メモリ
242 ディスプレイ
243 入力インターフェース
244 処理回路
244a 制御機能
244b 収集機能
244c 出力機能
30 放射線治療装置
322 放射線発生器
323 放射線絞り器
331 回転架台
341 天板
351 ディスプレイ
40 画像保管装置

Claims (16)

  1. 計画時の患者の体勢を表す体勢情報を取得する取得部と、
    計画時に前記患者が配置される第1の配置部材と、治療時に前記患者が配置される第2の配置部材との差異に基づいて、前記体勢情報により表される計画時の患者の体勢を治療時に再現する患者のセットアップ情報を求める算出部と、
    前記セットアップ情報の出力を行なう出力部と
    を備える、セットアップ支援装置。
  2. 前記算出部は、計画時の前記患者の体勢を治療時に再現するよう、治療時において前記患者の体勢を保持する保持部材の配置位置を求め、
    前記出力部は、求められた前記配置位置に基づいて、前記第2の配置部材上で前記患者のセットアップを行なう前記セットアップ情報の出力を行なう、請求項1に記載のセットアップ支援装置。
  3. 前記算出部は、治療時において前記患者の体勢を保持する保持部材の配置位置である第1の配置位置と、治療時において前記患者に装着される補助部材の配置位置である第2の配置位置とを求め、
    前記出力部は、前記第1の配置位置及び前記第2の配置位置に基づいて、前記セットアップ情報の出力を行なう、請求項1又は2に記載のセットアップ支援装置。
  4. 前記第1の配置部材は、治療計画用X線CT装置における天板であり、
    前記第2の配置部材は、放射線治療装置における天板である、請求項1~3のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  5. ユーザの頭部に装着することのできるウェアラブルデバイスであって、
    ユーザの眼前に配置される表示部を更に備え、
    前記出力部は、前記表示部に前記セットアップ情報を表示させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  6. 前記出力部は、前記表示部を透過して前記ユーザが視認する映像と関連付けて、前記表示部に前記セットアップ情報を表示させる、請求項5に記載のセットアップ支援装置。
  7. 可視光の投影を行なうことのできるプロジェクタを更に備え、
    前記出力部は、治療時において、前記プロジェクタから前記患者又は前記第2の配置部材に対して、前記セットアップ情報を投影させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  8. 前記出力部は、更に、計画時において前記患者の体勢を保持していた部材であって治療時において前記患者の体勢を保持していない第1部材、又は、計画時において前記患者の体勢を保持していなかった部材であって治療時において前記患者の体勢を保持している第2部材がある場合、前記第1部材又は前記第2部材の存在をユーザに通知する、請求項1~7のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  9. 過去の治療時に前記患者が前記第2の配置部材に配置されるまでの間における、前記患者の治療に用いられる放射線治療装置が備える可動部及び前記患者の動作手順を記憶するメモリを更に備え、
    前記出力部は、更に、前記動作手順に基づいて、新たな治療時に前記患者を前記第2の配置部材に配置するために次に行なう前記可動部又は前記患者の動作をユーザに通知する、請求項1~8のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  10. 前記算出部は、更に、計画時の前記患者の体勢と治療時の前記患者の体勢との差異を示すパラメータを算出し、
    前記出力部は、更に、前記パラメータを出力する、請求項1~9のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  11. 前記算出部は、前記患者の部位ごとに重み付けをして、前記パラメータを算出する、請求項10に記載のセットアップ支援装置。
  12. 前記出力部は、前記セットアップ情報として、計画時の前記患者の体勢を示す3次元画像を出力する、請求項1~11のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  13. 前記3次元画像は、計画時の前記患者を3次元撮影した画像であって、特徴部分を強調した画像である、請求項12に記載のセットアップ支援装置。
  14. 複数の患者のそれぞれに対して、治療時に各患者の体勢を保持するために使用される保持部材を対応付けた対応情報を記憶するメモリを更に備え、
    前記算出部は、更に、前記対応情報に基づいて、前記複数の患者を治療する順序を求める、請求項1~13のいずれか一項に記載のセットアップ支援装置。
  15. 前記算出部は、前記対応情報に基づいて、前記保持部材が共通する患者が連続して治療されるように、前記順序を求める、請求項14に記載のセットアップ支援装置。
  16. 計画時の患者の体勢を表す体勢情報を取得し、
    計画時に前記患者が配置される第1の配置部材と、治療時に前記患者が配置される第2の配置部材との差異に基づいて、計画時の前記患者の体勢を治療時に再現するよう、治療時において前記患者の体勢を保持する保持部材の配置位置を求め、
    求められた前記配置位置に基づいて、前記第2の配置部材上で前記患者のセットアップを行なうセットアップ情報の出力を行なう
    ことを含む、セットアップ支援方法。
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