JP2022069791A - 石積擁壁の補強工法 - Google Patents

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【課題】裏込めグリ石の隙間にウレタン発泡体の硬化層を効果的に形成しつつ、傾斜地山に対する、石積擁壁の連結を強固に行ない得るように構成すると共に、景観に優れた石積擁壁の補強工法を提供する。【解決手段】石積擁壁2となる間知石4の所定箇所に所定深さの頭部収容凹所12を形成し、この頭部収容凹所12の底部から、傾斜地山10に達する所定深さまで穿孔ロックボルト20を穿孔させて、かかる穿孔ロックボルト20の頭部が頭部収容凹所12から外部に突出しないように、穿孔14内に残留せしめ、穿孔14の周囲にウレタン発泡体34の硬化層を形成した後、頭部収容凹所12にコーキング剤を充填して、穿孔ロックボルト20の頭部を、コーキング部44内に埋没させ、頭部収容凹所12の形成されている石積擁壁2に固定せしめるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、石積擁壁の補強工法に係り、特に、傾斜地山と、石材を相互に隣接するように積み上げてなる間知石との間に、裏込めグリ石層を設けてなる構造の石積擁壁の補強工法の改良に関するものである。
従来から、石積擁壁は、傾斜地山の法面の崩落を防止するための構造として、広く採用されてきている。しかし、間知石の背面に裏込めグリ石層を有する石積擁壁は、地震による揺れや雨水等による浸食により、充填されている裏込めグリ石が動いて、空洞が形成されることで、上部の積み石が沈下し、その下部にある積み石が前方に押し出されることにより、壁面がはらみ出す等の変状を生じることがある。そして、その状態が更に悪化するようになると、石積擁壁全体が、強度低下し、崩落といった事態を招く恐れも生じるものであった。
このため、そのような石積擁壁の崩落を防止する補強工法の一つとして、特許第4316940号公報においては、既存の石積擁壁に対して、間知石同士が接する目地部に、削孔を形成して、この削孔を通じて、裏込めグリ石層にグラウト材を注入することにより、裏込めグリ石層に固化部分を設けると共に、更に、その削孔した部位とは別の間知石同士が接する目地部に、短い補強材を打ち込んで、その周囲にグラウト材を充填することで、かかる補強材を裏込めグリ石層に定着させることにより、それら間知石を外方に押しやり、間知石同士を相互に拘束することで、壁面の変形を抑制するようにした石積壁の補強方法が、提案されている。
ところで、上述の如き石積壁の補強方法では、裏込めグリ石層にグラウト材を充填するに際して、かかるグラウト材が裏込めグリ石層の隙間に充分に行き亘るように、注入するグラウト材には、ある程度の高い流動性を持たせておく必要がある。しかしながら、そのような流動性の高いグラウト材では、注入後、裏込めグリ石層に留まることなく、自重により垂れ落ちてしまうことになり、その結果、削孔の周囲の固化部には偏りが生じて、充分な補強効果を望むことが出来ない問題を内在している。一方、グラウト材の垂れ落ちを防止するために、注入するグラウト材の流動性が低下するように構成したとしても、その流動性の低いグラウト材を、削孔周囲の裏込めグリ石層の隙間に充分に侵入させることは難しく、グラウト材による固化部は狭い範囲の限定的なものとなり、擁壁の構造耐力を高める程の強度向上は望むべくもなかったのである。このため、グラウト材を用いた従来の補強方法では、裏込めグリ石層の隙間にグラウト材を適切に充填することが出来ず、当初の想定よりも大きな地震が発生した場合には、土圧に抗して法面を維持することが出来なくなる問題を内在するものであった。
また、上記の特許公報に開示の石積壁の補強方法において、石積壁の目地部に打設される補強材は、その図5や図7に示されるように、石積壁の壁面より、その頭部が突出せしめられて、その突出部位に、幅広プレートを介して、ナットが螺合されることにより、間知石に当接せしめてなる形態において、固設されるようになっている。同様に、特開2007-70980号公報に開示の石積み壁の耐震補強方法においても、その図6や図7等に明らかにされている如く、石積み壁補強材を構成する中空多孔管本体が、石積み壁に設けられたグラウト材注入孔に挿入された後、石積み壁の壁面から突出する頭部に螺合せしめられた打撃用キャップを介して打ち込まれ、その後、打撃用キャップに代えて、頭部キャップを螺合してなる構造が明らかにされているのであるが、そこにおいても、中空多孔管本体の頭部とそれに螺合された頭部キャップは、石積み壁の壁面から所定長さ突出してなる形態とされているのである。しかしながら、そのような石積み壁の壁面から補強材乃至は石積み壁補強材の頭部が突出してなる形態は、それら補強材が、石積み壁に対して所定間隔を隔てて多数配設されるものであるところから、石積み壁の景観を著しく毀損するものであり、また、その突出した補強材の頭部が落石等によって損傷を受ける問題があり、更にはそのような突出頭部によって石積み壁における作業者や通行人等の関係者が負傷する問題も内在するものであった。
そこで、特開2000-178969号公報においては、アンカーとしてのロックボルトの頭部を、地盤の表面に配設されたコンクリート製の支圧板の大径孔部内に位置せしめて、グラウト材にて埋設する構造が、明らかにされているのであるが、そこでは、支圧板の大径孔部を覆蓋するためのキャップが取り付けられており、そのキャップが、地盤表面から突出する構造とされているために、前記した景観の改善等には、充分なものではなかったのである。尤も、その図6には、大径孔部よりも更に孔径の大なる段部を設けて、その段部内にキャップ12が入り込むようにして、支圧板の表面から外部に突出しない構造も提案されているのであるが、かかる大径の段部の形成は、支圧板の表面に露呈するものであるところから、見映えが悪く、依然として、景観上において望ましいものではなかったのである。しかも、そこでは、地盤の表面にコンクリート製の支圧板が施工されて、その表面を覆うものであるところから、地盤の自然の景観を有効に発揮し得るものでもなかったのである。
特許第4316940号公報 特開2007-70980号公報 特開2000-178969号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、裏込めグリ石層の隙間にウレタン発泡体の硬化層を効果的に形成しつつ、傾斜地山に対する、石積擁壁の連結を強固に行ない得るように構成することによって、石積擁壁の強度を有利に向上せしめ得ると共に、景観に優れた石積擁壁を提供し得る石積擁壁の補強工法を提供することにあり、また他の解決課題とするところは、特別なキャップ等を用いることなく、穿孔ロックボルトの頭部が落石等によって破損されないようにすると共に、石積擁壁の表面が、自然の景観を有効に発揮し得るようにした石積擁壁の補強工法を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載や図面から把握される発明思想に基づいて理解されるものであることが、考慮されるべきである。
そこで、本発明は、先ず、前記した課題を解決すべく、傾斜地山の前面に、裏込めグリ石層を介して、間知石を相互に隣接するようにして積み上げてなる石積擁壁の補強工法にして、(a)該石積擁壁に対して、その補強のために選定された所定箇所に位置するように、該石積擁壁から前記傾斜地山に達するように設けられる穿孔の径よりも大径となる頭部収容凹所を、所定深さにおいて形成する工程と、(b)中空の内部から外周面に達して開口する適数個の通孔が形成されてなる中空構造の長手のボルト本体と、その先端に取り付けられた穿孔用ビットとを有する穿孔ロックボルトを用いて、前記頭部収容凹所の底部から前記傾斜地山に達する所定深さの穿孔を形成すると共に、該穿孔ロックボルトの頭部が該頭部収容凹所から外部に突出しない形態において、該穿孔ロックボルトを前記穿孔内に残留せしめる工程と、(c)該穿孔ロックボルトの前記頭部収容凹所側に位置する部位の外周部に、リング状のゴムコーンを外嵌せしめて、該ゴムコーンにて、前記形成された穿孔と該穿孔ロックボルトとの間の隙間を閉塞する工程と、(d)二液型のウレタン発泡原料を、前記穿孔ロックボルトにおける前記ボルト本体の中空部内に注入して、該穿孔ロックボルトにおけるボルト本体の先端開口部や前記通孔から前記穿孔内に吐出せしめ、更に該穿孔の周りの前記石積擁壁の裏込めグリ石層内に侵入させる一方、該ウレタン発泡原料を発泡硬化せしめることにより、該穿孔ロックボルトの周囲にウレタン発泡体の硬化層を形成する工程と、(e)前記頭部収容凹所にコーキング剤を充填して、該頭部収容凹所内にコーキング部を形成せしめることにより、前記穿孔ロックボルトの頭部部位を、かかるコーキング部内に埋没させて、該頭部収容凹所の形成されている石積擁壁に固定せしめ、該石積擁壁と前記傾斜地山との連結を図る工程と、を含むことを特徴とする石積擁壁の補強工法を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う石積擁壁の補強工法の好ましい態様の一つによれば、前記頭部収容凹所内に位置する前記穿孔ロックボルトの頭部に外挿されて、該頭部収容凹所の底面に当接、位置せしめられる座金部材、及び前記穿孔ロックボルトの頭部に螺合せしめられるナット部材を用いて、該座金部材を介して、該ナット部材を前記穿孔ロックボルトの頭部に螺合せしめることによって、かかる穿孔ロックボルトを前記石積擁壁に固定せしめるようにすると共に、それら頭部収容凹所内に位置する穿孔ロックボルトの頭部、座金部材及びナット部材が、前記コーキング部内に埋没せしめられるように、形成されている。
また、そのような本発明に従う石積擁壁の補強工法の更に好ましい態様によれば、前記穿孔が、前記石積擁壁の厚さの少なくとも1倍以上の長さにおいて、前記傾斜地山に入り込むように、形成されている。
さらに、本発明に従う石積擁壁の補強工法の好ましい態様の他の一つによれば、前記穿孔が、前記石積擁壁の厚さの少なくとも1倍以上の長さにおいて、前記傾斜地山に入り込むように構成されている。
更にまた、本発明に従う石積擁壁の補強工法の望ましい態様の一つによれば、前記頭部収容凹所が、20~70mmの深さにおいて形成されている。
そして、本発明に従う石積擁壁の補強工法の好適な様態にあっては、前記コーキング部が、前記石積擁壁と面一の水準まで、前記頭部収容凹所内に充満せしめられて、該石積擁壁の壁面の一部を構成している。
加えて、本発明に従う石積擁壁の補強工法にあっては、有利には、前記頭部収容凹所が前記間知石に対して形成される一方、該頭部収容凹所の開口部に相当する大きさに加工された間知石薄板を、該頭部収容凹所内に形成されたコーキング部上に載置せしめ、かかる間知石薄板の表面が前記間知石と面一の水準となるようにして、固定せしめるように形成されている。
なお、本発明に従う石積擁壁の補強工法の望ましい態様の他の一つによれば、前記頭部収容凹所の形成操作によって前記間知石より取り出された該頭部収容凹所該当間知石部位から、間知石表層部位を分離して、この間知石表層部位を、前記間知石薄板として用いてなるように構成されている。
また、本発明に従う石積擁壁の補強工法の別の好ましい態様の一つによれば、前記頭部収容凹所が、前記石積擁壁における間知石間に形成される目地部に対して設けられるように構成されている。
また、本発明に従う石積擁壁の補強工法の異なる望ましい態様の一つによれば、前記頭部収容凹所が、隣り合う間知石に跨って、形成されている。
さらに、本発明に従う石積擁壁の補強工法の更に望ましい態様の一つによれば、前記頭部収容凹所の形成操作によって切除された前記隣り合う間知石部位に相当する大きさの間知石片が、該頭部収容凹所内に形成される前記コーキング部上に載置されて、該間知石片の表面が該隣り合う間知石と面一の水準となるようにして、固定せしめられている。
加えて、本発明に従う石積擁壁の補強工法にあっては、好ましくは、前記二液型のウレタン発泡原料の注入に先立って、前記穿孔ロックボルトの前記頭部収容凹所側に位置する部位の中空部内に、スタティックミキサを装入、配置せしめ、該穿孔ロックボルトの中空部内に注入される前記二液型のウレタン発泡原料が該スタティックミキサにて混合せしめられるように、構成される。
このように、本発明に従う石積擁壁の補強工法によれば、石積擁壁から傾斜地山の所定深さにまで達する穿孔ロックボルトを打設した後、この穿孔ロックボルトのボルト本体の中空部を通じて、二液型のウレタン発泡原料を注入して、かかる穿孔ロックボルトにて形成された穿孔内に吐出せしめることにより、該穿孔の周りの裏込めグリ石層や地山に侵入させて、その注入されたウレタン発泡原料を所望の速さにて発泡硬化せしめることで、穿孔ロックボルトの周囲に、ウレタン発泡体の硬化層が効果的に形成されることになる。そして、これによって、ウレタン発泡原料が、裏込めグリ石層で垂れ落ちることなく、穿孔ロックボルト周囲にある裏込めグリ石層の隙間にまで侵入して、迅速に硬化することで、穿孔ロックボルトとその周囲の裏込めグリ石層、更には間知石までをも有利に一体化せしめ得て、裏込めグリ石層の沈下を防ぎ、石積擁壁の下部のはらみ出しや崩落を効果的に抑制することが可能となるのであり、以て、安定性のより一層向上された石積擁壁の補強構造が、有利に実現され得ることとなったのである。
また、本発明に係る石積擁壁の補強工法にあっては、穿孔ロックボルトが、間知石と裏込めグリ石層からなる石積擁壁の厚さの少なくとも1倍以上、有利には1.5倍以上、特に2~3倍の長さにおいて、傾斜地山に貫入せしめられるようにすることにより、それら石積擁壁と傾斜地山との連結がより一層強固なものとなるのであって、これにより、ウレタン発泡体にて一体化された石積擁壁の変位を効果的に抑制することが出来、更なる石積擁壁の補強に有利に寄与し得ることとなる特徴を発揮し得るのである。
しかも、本発明に係る石積擁壁の補強工法では、石積擁壁から傾斜地山に達するように設けられる穿孔の径よりも大径となる頭部収容凹所が、かかる石積擁壁に対して、所定深さにおいて形成されて、穿孔ロックボルトの頭部部位を、石積擁壁の表面より沈ませてなる形態において、かかる収容凹所に充填せしめられるコーキング剤にて形成されるコーキング部内に埋没せしめて、固定することにより、穿孔ロックボルトの頭部が、石積擁壁の表面より外部に突出しないようにすることによって、かかる穿孔ロックボルトの頭部が落石等によって損傷するのを回避すると共に、そのような突出した頭部により、擁壁の作業者や歩行者等の関係者が負傷するのを効果的に回避するようにすることに加えて、石積擁壁の自然の見映えを有利に確保しつつ、石積擁壁の景観を効果的に向上せしめ得る補強工法が、提供され得たのである。
本発明に従う補強工法の適用された石積擁壁の一例を示す説明図であって、(a)は、施工完了状態の石積擁壁を示す正面説明図であり、(b)は、(a)におけるA-A断面説明図である。 本発明に従う石積擁壁の補強工法の一例を示す工程説明図であって、(a)は、石積擁壁における間知石間に形成される目地部に対して、頭部収容凹所を形成してなる状態を示す断面説明図であり、(b)は、穿孔ロックボルトを用いて、傾斜地山に達する所定深さの穿孔を形成してなる状態を示し、(c)は、(b)において形成された穿孔に、穿孔ロックボルトを介して、二液型のウレタン発泡原料を注入するための部材を配置する状態を示し、(d)は、(c)の工程の後、穿孔ロックボルトの中空部内にウレタン発泡原料を注入して、穿孔ロックボルトの周囲にウレタン発泡体の硬化層を形成する形態を示し、(e)は、頭部収容凹所に位置する穿孔ロックボルトの頭部部位と間知石との固定を図る形態を示し、(f)は、(e)の工程の後、頭部収容凹所にコーキング剤を充填せしめられてなる状態を示すものである。 図1の(b)に示される石積擁壁の断面説明図における、穿孔ロックボルトによる石積擁壁補強部の部分拡大説明図である。 本発明に従う補強工法において用いられる穿孔ロックボルトの側面説明図である。 図3における間知石と穿孔ロックボルトとの固定構造を示す一部断面拡大説明図である。 間知石間に形成される目地部に対して頭部収容凹所を形成した後、コーキング剤を充填して、コーキング部を形成し、更に、間知石片を載置して、固着せしめる工程を、石積擁壁の表面を拡大して示す部分説明図である。 石積擁壁を構成する間知石に対して頭部収容凹所を設け、更にかかる間知石を貫通するように穿孔ロックボルトにて穿孔を形成してなる形態を示す図3に対応する石積擁壁の断面説明図である。 図7に示される補強構造を形成するために、頭部収容凹所が間知石に形成された後、かかる頭部収容凹所内にコーキング部が形成され、そしてそのコーキング部上に間知石薄板が載置されて、固定せしめられてなる形態を示す石積擁壁表面の部分拡大説明図である。 穿孔ロックボルト内に供給されるウレタン発泡原料を混合するためのミキサの説明図であって、(a)は、かかるミキサの全体説明図であり、(b)は、かかるミキサを穿孔ロックボルト内に収容して、アダプタを取り付けてなる形態を示す断面説明図である。 穿孔内に残留された穿孔ロックボルトの頭部の中空部に対して、スタティックミキサを挿入し、ウレタン発泡原料を供給するためのアダプタを組み付ける形態を示す説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う石積擁壁の補強工法の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1(a)及び(b)には、本発明に従う工法を適用して得られた石積擁壁の補強構造の一例が、それぞれ、正面図及び断面図の形態において、示されている。そこにおいて、石積擁壁2は、傾斜地山10の前面(傾斜面)に、裏込めグリ石6層を介して、間知石4を相互に隣接するように積み上げてなる形態において、構成されている。そして、そのような石積擁壁2の壁面において、間知石4,4間に形成される目地部8には、従来と同様に、必要に応じて、モルタル等が充填されて、間知石4,4間の相互の連結が図られているのであるが、ここでは、そのような目地部8に対して、所定間隔を隔てて互いに離間する複数の位置、例えば図1(a)では、千鳥状に位置する部位において、かかる石積擁壁2を貫通し、傾斜地山10に充分深く入り込むように、穿孔ロックボルト20による穿孔操作により、穿孔ロックボルト20よりもやや大きな径を有する穿孔(削孔)14が形成されると共に、その穿孔14内には、穿孔ロックボルト20が、そのまま挿入、配置されている。また、注入された二液型のウレタン発泡原料の発泡硬化により形成されたウレタン発泡体34が、傾斜地山10内に挿入位置せしめられた穿孔ロックボルト20の周りの穿孔14内や、穿孔ロックボルト20の周りの裏込めグリ石6層の隙間に充填されて、石積擁壁2から傾斜地山10に延びる硬化一体化された柱状の補強部位を形成している。なお、このような構造の石積擁壁2は、図1(b)に示されるように、その下部が、基礎コンクリート16にて支持されるようになっている一方、その上部が、傾斜地山10の上部に至るように、所定厚さの笠コンクリート18にて覆われて、水の侵入が阻止され得るような構造とされているのである。また、かかる穿孔ロックボルト20の頭部部位20aには、後述せるように、ナット部材(42)が、座金部材(40)を介して螺合せしめられて、これにより、穿孔ロックボルト20を、石積擁壁2に固定せしめ、以て石積擁壁2と傾斜地山10との強固な連結が実現されるようになっている。
そして、本発明にあっては、このような石積擁壁2の補強構造を得るべく、図2(a)~(f)に示される如くして、補強作業が実施されることとなるのである。具体的には、先ず、図2(a)に示される如く、石積擁壁2の壁面における間知石4,4間に形成される目地部8に対して、石積擁壁2から傾斜地山10に達するように設けられる穿孔14の径よりも大径となる、例えば直径が90mm程度となる頭部収容凹所12が、所定深さにおいて形成される。なお、そのような頭部収容凹所12の深さ:dとしては、かかる頭部収容凹所12内に、穿孔ロックボルト20の頭部20aが充分に収容され、且つかかる頭部20aに取り付けられる後述する座金部材(40)やナット部材(42)を配置することの出来る程度の深さが、採用されるところであり、一般に、20~150mm程度の深さにおいて、頭部収容凹所12は形成されることとなる。また、そこにおいて、頭部収容凹所12は、図示の如く、隣り合う間知石4,4に跨がるようにして、形成される形態が、有利に採用されることとなる。これによって、頭部収容凹所12に対する座金部材(40)やナット部材(42)の配置によって、穿孔ロックボルト20を隣り合う間知石4,4に対して効果的に連結せしめ得て、強固に一体化させ、間知石4の位置が個々にずれたり、移動したりすることが、有利に抑制され得ることとなる。
次いで、図2(b)に示されるように、穿孔ロックボルト20を用いて、公知の如くして、穿孔作業を実施することにより、傾斜地山10に達する所定深さ(D+L)の穿孔14が、形成される。また、ここで用いられる穿孔ロックボルト20は、例えば、図4及び図5に示されるように、中空の筒状構造で、筒壁部の外面には、連続したネジ構造が形成されており、そしてその中空の内部から外周面に達して開口する適数個の通孔24が、筒壁部に形成されている。更に、この穿孔ロックボルト20の先端部には、かかる穿孔ロックボルト20の外径より若干大きい外径を有する、公知の穿孔用ビット22が、ネジ接続構造にて取り付けられている。そして、かかる穿孔ロックボルト20を用いて、この穿孔ロックボルト20の基端部(頭部20a)をアンカードリルマシン等の削岩機に接続せしめて、従来と同様にして穿孔作業を実施することにより、図2(a)において形成された頭部収容凹所12の底部から、傾斜地山10に充分に達する程の深さの穿孔14が、形成される。
なお、かかる穿孔作業によって形成される、石積擁壁2から傾斜地山10に達する穿孔14の長さとしては、石積擁壁2の厚さ:Dに応じて適宜に選定されるところであるが、傾斜地山10における穿孔14部分の長さ:Lは、通常、少なくともかかる厚さ:Dの1倍以上、有利には1.5倍以上、特に2~3倍の長さにおいて、形成されることとなる。このように、穿孔14が、上記の長さにおいて、傾斜地山10に形成されることにより、穿孔ロックボルト20と傾斜地山10との間の連結が強固となり、ひいては、後述せるように、硬化したウレタン発泡体(34)によって一体化された石積擁壁2と傾斜地山10との穿孔ロックボルト20を介した連結が、より一層強固なものとなるのであり、以て、石積擁壁2のはらみ出しや崩落が有利に抑制せしめられ得ることとなるのである。
ところで、上記した穿孔作業で用いられる穿孔ロックボルト20は、削岩機による回転と打撃により、間知石4の背後に充填されている裏込めグリ石6を削り、また押しのけるようにしながら、裏込めグリ石6の充填領域を貫通して、石積擁壁2の背面に位置する傾斜地山10に打ち込まれることとなる。そして、そこでは、中空構造の穿孔ロックボルト20の中空部20b内に圧搾空気を送りながら、穿孔することで、穿孔ロックボルト20に複数設けられた通孔24や穿孔用ビット22の先端開口から、穿孔14内に空気が送り込まれることとなり、これにより、土砂等にて、穿孔14や穿孔ロックボルト20に設けられた通孔24が詰まることなく、後述する二液型のウレタン発泡原料の充填作業を有利に進行せしめ得るようになっている。
また、本発明において、穿孔ロックボルト20は、図4及び図5に示されるように、中空構造で、発泡硬化せしめられたウレタン発泡体34との付着、結合がよい外面を有するものであれば、公知の各種構造の穿孔ロックボルトが使用可能であるが、特に、中空構造で、外面に連続したネジ山が形成されてなる穿孔ロックボルトを用いるのが、好ましい。また、穿孔ロックボルト20は、一般に、継手20cによって、必要な長さとなるように接続されて、使用されることとなる。
さらに、図2(c)には、穿孔ロックボルト20による穿孔作業が完了した後、二液型のウレタン発泡原料の充填作業の準備状態が示されている。そこにおいて、穿孔ロックボルト20の頭部収容凹所12側に位置する部位に、外周面が円錐台形状を呈するリング状のゴムコーン26を外嵌することによって、かかるゴムコーン26をゴム栓として機能させて、形成された穿孔14とかかる穿孔ロックボルト20との間の隙間を閉塞せしめ、後述するウレタン発泡原料を加圧注入する際の漏れが抑制乃至は阻止され得るようになっている。一方、かかる穿孔ロックボルト20の頭部部位20aには、スタティックミキサ28が装入され、更に、ウレタン発泡原料を加圧注入するための注入アダプタ30が、穿孔ロックボルト20の頭部部位20aに接続されて、第1液と第2液からなる二液型のウレタン発泡原料を注入する準備が完了する。
ここで、穿孔ロックボルト20の中空部20b内に注入されて、発泡硬化せしめられるウレタン発泡原料は、穿孔ロックボルト20と裏込めグリ石6層との結合を強固に行なうために、裏込めグリ石6層内に、そのようなウレタン発泡原料の注入の後、穿孔ロックボルト20周囲の裏込めグリ石6層内の隙間に充分に行き亘るだけではなく、垂れ落ちることなく、直ちに発泡硬化せしめる必要がある。そのため、ここで用いられるウレタン発泡原料としては、混合することによって発泡硬化させられることとなる、反応速度の制御が可能で且つ反応速度の速い、第1液と第2液からなる二液型のウレタン発泡原料が用いられることとなり、更に、その発泡硬化反応の速さから、石積擁壁2に注入する直前に混合するべく、穿孔ロックボルト20の頭部部位20aに、スタティックミキサ28を装入乃至装着して、注入された二つの液を混合して、迅速に発泡硬化反応を進行せしめるようにすることが望ましい。
また、そこで用いられるスタティックミキサ28としては、二液型のウレタン発泡原料を構成する第1液と第2液とを、短時間で混合、吐出することが出来るものであれば、公知の各種のスタティックミキサ(静止ミキサ)が使用可能であり、例えば、円筒部材の内部に複数のねじり羽根状エレメントを位置固定に配設して、その円筒部材の内部を流通せしめられる二液型のウレタン発泡原料(第1液+第2液)を混合するようにしたものが用いられ、ミキサ28内に注入されたそれら二液型のウレタン発泡原料が、効果的に混合せしめられて、穿孔ロックボルト20内に導入されることとなる。
そして、図2(d)に示されるように、二液型のウレタン発泡原料が、穿孔ロックボルト20の中空部20bを通じて、穿孔14内に加圧、注入される。具体的には、先の工程で準備された注入アダプタ30を介して、二液型のウレタン発泡原料を構成する第1液と第2液を別個に供給する注入ホース32,32が接続される。なお、二液型のウレタン発泡原料としては、公知のものが適宜に使用され、例えばポリオール化合物を主体とする第1液とポリイソシアネート化合物を主体とする第2液とが用いられて、前記穿孔ロックボルト20の中空部20b内に、加圧、注入されるのである。そして、それらウレタン発泡原料は、前記スタティックミキサ28にて混合された後に、該穿孔ロックボルト20の中空部20bを通じて、穿孔用ビット22の先端開口部や穿孔ロックボルト20の通孔24から、穿孔14内に吐出されて、穿孔14の周りの裏込めグリ石6層や傾斜地山10に侵入せしめられ、更にそれら二液型のウレタン発泡原料(第1液+第2液)が発泡硬化させられることによって、穿孔ロックボルト20の周囲にウレタン発泡体34の硬化層が一体的に形成されることとなる。かくして、注入された二液型のウレタン発泡原料が、裏込めグリ石6層で垂れ落ちることなく、穿孔ロックボルト20周囲にある裏込めグリ石6層の隙間に拡がり、穿孔ロックボルト20とその周囲の裏込めグリ石6層、更には間知石4までもが、効果的に一体化せしめられ得るのである。
なお、上記の二液型のウレタン発泡原料としては、それらウレタン発泡原料を混合したときの硬化時間(混合から硬化するまでの時間)が、一般に150秒以内、好ましくは120秒以内、より好ましくは100秒以内であるものが、好適に用いられる。例えば、ウレタン発泡原料を注入してから硬化するまでの時間が長くなると、ウレタン発泡原料は裏込めグリ石6層の隙間に留まることが出来ず、垂れ落ちてしまい、穿孔ロックボルト20とその周辺に位置する裏込めグリ石6層とは、ウレタン発泡体34を介しての一体化を充分に行なうことが出来ず、石積擁壁2の有効な補強強度が得られなくなる恐れがあるからである。このため、穿孔ロックボルト20の頭部部位20a付近で二液型のウレタン発泡原料を混合して、直ちに、穿孔14内に吐出し、迅速に反応硬化を行なうことが望ましいのである。
ここで、上記で使用されるウレタン発泡原料を構成する二液のうちの第1液の主成分であるポリオール化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を挙げることが出来る。なお、ポリエーテルポリオールは、少なくとも2個以上の活性水素基を有する多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類等の化合物を開始剤として、これにアルキレンオキサイドを付加反応させて、製造されるものである。また、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリカルボン酸系ポリエステルポリオールや、ラクトン等を開環重合させて得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を、挙げることが出来る。
一方、二液型のウレタン発泡原料を構成する他の一つである第2液の必須成分としてのポリイソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることが出来る。
なお、上記二液型のウレタン発泡原料を構成する第1液及び第2液には、従来と同様な添加成分が必要に応じて含有せしめられることとなる。ここで、そのような添加成分としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応促進のための触媒の他、発泡剤、整泡剤、減粘剤、難燃剤等を挙げることが出来、これら添加成分は、従来の二液型ウレタン発泡原料と同様な基準に従って、第1液及び第2液のうちの何れか一方、或はその両方に添加、含有せしめられることとなる。
そして、上記の如き二液型のウレタン発泡原料が注入されて、その発泡硬化が完了せしめられることにより、図2(e)に示される如く、穿孔ロックボルト20と石積擁壁2との効果的な固定が実現され得ることとなり、更に穿孔ロックボルト20とその周りのウレタン発泡体34の硬化層の一体的な構造によって、石積擁壁2と傾斜地山10との一体的な連結が図られ得ることとなるのである。また、その後、頭部収容凹所12内に位置する穿孔ロックボルト20の頭部20aに座金部材40が外挿された後、ナット部材42が螺合されて、それによる締付けが行なわれることとなる。
具体的には、図3にも明らかにされている如く、頭部収容凹所12内に入り込んで、穿孔ロックボルト20の頭部20aに外挿され、頭部収容凹所12の底面に当接、位置せしめられるように、円環板形状の座金部材40が配置されてなる形態において、ナット部材42が、穿孔ロックボルト20の頭部部位(20a)に螺合せしめられることによって、かかる穿孔ロックボルト20が、石積擁壁2に効果的に固定せしめられるようになっているのである。なお、上述の如くして穿孔ロックボルト20に外挿される座金部材40とゴムコーン26との間に穿孔14の空間が形成される場合において、そのような空間は、好ましくは、コーキング剤の注入により充填された後、座金部材40の外挿が行なわれることとなる。また、ここでは、座金部材40が、頭部収容凹所12の底面の一部を与える隣接する間知石4,4に当接せしめられて、間知石4,4の押さえ機能を果たしており、これによって、ウレタン発泡原料34によって一体化された石積擁壁2と傾斜地山10との連結の安定性が効果的に向上せしめられ得るようになっている。
さらに、穿孔ロックボルト20の頭部20aに対して、座金部材40を介して、ナット部材42が螺合せしめられてなる形態において、頭部収容凹所12の空間内には、モルタル等の公知のコーキング剤が充填されて、そこを埋めるように、コーキング部44が形成されることとなる。そして、これにより、図2(f)に示される如く、かかるコーキング部44内に、穿孔ロックボルト20の頭部部位(20a)が埋没されるようにして、石積擁壁2、具体的には、間知石4,4に固定せしめられることとなり、以て、穿孔ロックボルト20を介して、石積擁壁2と傾斜地山10との更なる連結効果が高められ得るのである。
かくの如くして、頭部収容凹所12内に形成されたコーキング部44内に、穿孔ロックボルト20の頭部20aが(従って、座金部材40やナット部材42も)埋没せしめられて、外部からは視認することが出来ず、また、そのような穿孔ロックボルト20の頭部20aが、石積擁壁2の壁面から外部に突出するようなこともないところから、落石等の直撃により、かかる穿孔ロックボルト20の頭部20aが損傷する問題は、全く惹起されることがなく、更に、石積擁壁2上で作業する作業者やその上を通行する通行人等の関係者が、穿孔ロックボルト20の頭部20aにて負傷するようなことも、全く惹起されることがないことに加えて、コーキング部44を、石積擁壁2を構成する間知石4と面一の水準となるように構成することによって、石積擁壁2の表面に同化せしめて、違和感を生じないようにすることが出来るところから、自然の石積擁壁2の景観をより一層有利に実現することが出来るという特徴が発揮され得ることとなる。
なお、図3に示される実施形態において、頭部収容凹所12内へのコーキング剤の充填によって形成されるコーキング部44は、実質的に間知石4と面一の水準となる表面を有するように設けられているのであるが、石積擁壁2の自然な景観を更に高めるべく、図5に示される如く、頭部収容凹所12の形成によって、間知石4から切除された部分に相当する大きさの間知石片46を、コーキング部44上に載置して、かかる間知石片46の表面が、隣接する間知石4と面一の水準となるようにして固定せしめられるようにした形態も、有利に採用し得るところである。
具体的には、図6に示されるように、石積擁壁2における間知石4,4間に形成される目地部8に対して、所定の頭部収容凹所12が形成されることにより、隣り合う間知石4,4から、頭部収容凹所12内に位置する部位が切除されることとなるのであるが、そのような切除部位に相当する大きさの間知石片46が、頭部収容凹所12内に形成されるコーキング部44上に載置されて、隣り合う間知石4,4が、それぞれ、元の大きさの外観形状を呈する形態とされるのであって、これにより、石積擁壁2の表面外観は、間知石4の自然な石積形態を呈するものとなるのであり、石積擁壁2の景観のより一層の向上を図ることが可能となるのである。なお、ここで、各間知石4の切除部分に載置される間知石片46は、間知石から新たに切り出されたものが用いられる他、頭部収容凹所12の形成に際して、間知石4から切除された部分をそのまま用いたり、或いは、それを部分的に加工したりして用いることが可能である。
また、本発明にあっては、頭部収容凹所12や穿孔14を、上例の如く、目地部8に対して設ける場合の他、図7に示されるように、間知石4に対して設けるようにすることも可能である。即ち、そこでは、頭部収容凹所12が、間知石4に対して、直接に形成されると共に、その底部を通じて、間知石4を貫通するように、穿孔14が穿孔ロックボルト20にて形成されると共に、穿孔14は、傾斜地山10内に所定深さで入り込むように形成されているのである。そして、ここでは、頭部収容凹所12内に形成されたコーキング部44上に、頭部収容凹所12の開口部に実質的に相当する大きさ、望ましくはそのような開口部よりも少し小さな大きさの間知石薄板48が載置されて、かかる間知石薄板48の表面が、間知石4の外表面と実質的に面一の水準となるようにして固定せしめられて、頭部収容凹所12を閉塞するようになっている。
具体的には、図8に示されるように、石積擁壁2を構成する所定の間知石4に対して、先ず、頭部収容凹所12が形成され、更にその底部を貫通して、傾斜地山10に所定深さで入り込む穿孔14が形成されることとなる。そして、穿孔ロックボルト20に対するゴムコーン26の外嵌、ウレタン発泡原料の注入、発泡、硬化によるウレタン発泡体34の硬化層の形成を経て、頭部収容凹所12内に位置する穿孔ロックボルト20の頭部20aが埋没するようにして、コーキング部44が頭部収容凹所12内に形成される。一方、間知石4に対する頭部収容凹所12の形成によって、取り出された頭部収容凹所該当間知石部位4aから、その表層部位を所定厚さで分離することにより、円形の間知石薄板48が形成されることとなる。そして、この間知石薄板48が、頭部収容凹所12内に形成されたコーキング部44上に載置されて、頭部収容凹所12を閉塞するようにして固着せしめることにより、間知石4と間知石薄板48とが実質的に面一の状態において、間知石4表面が構成され、以て、頭部収容凹所12の存在を感じ難くして、間知石外観の向上が図られ得ることとなるのである。なお、ここでは、間知石薄板48は、間知石4に対する頭部収容凹所12の形成操作によって取り出された頭部収容凹所該当間知石部位4aを加工して、形成されているのであるが、これに代えて、間知石4と同様な石材を用いて、それを加工することによって形成された間知石薄板48を用いることも、可能であることは、言うまでもないところである。
さらに、図9には、上記の実施形態において好適に用いられるスタティックミキサの一例や、それに組み合わされる注入アダプタの一例が示されている。そこにおいて、スタティックミキサ28は、図9(a)に示されるように、複数(例えば、2本又は3本)の螺旋状線条体28aを組み合わせて構成され、その端部に、円環板形状の口金28bが溶接等によって固設されていると共に、その口金28bの外面に円環状のゴムパッキン28cが固着せしめられている。そして、このスタティックミキサ28は、図9(b)に示されるように、穿孔ロックボルト20の中空部内に挿入してなる形態において、注入アダプタ30が、穿孔ロックボルト20の端部に螺合せしめられることによって、スタティックミキサ28の口金28b、ゴムパッキン28cが、穿孔ロックボルト20の端面と注入アダプタ30の内面に設けた段付き部との間において挟圧されることにより、取り付けられるようになっている。
なお、それらスタティックミキサ28や注入アダプタ30の取付けの一形態が、図10に示されている。そこにおいて、穿孔14内に残留せしめられた穿孔ロックボルト20の頭部収容凹所12内に存在する頭部20aの開口部内に、スタティックミキサ28が挿入された後、かかる頭部20aの外周部に、注入アダプタ30が螺合せしめられることにより、図9(b)に示される形態において取り付けられることとなるのである。そして、注入アダプタ30に対して、図2(d)に示される如く、二液型のウレタン発泡原料を構成する第1液と第2液を別個に供給する注入ホース32,32が接続されて、それらウレタン発泡原料が供給されることとなるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、前述せる実施形態においては、スタティックミキサ28は、穿孔ロックボルト20の頭部部位20aにスタティックミキサ28を装入し、その後、ウレタン発泡原料を加圧注入するための注入アダプタ30が、穿孔ロックボルト20の頭部部位20aに接続されてなる形態において、取り付けられているが、これに代えて、穿孔ロックボルト20よりも上流側で、二液型のウレタン発泡原料を構成する第1液と第2液の混合点よりも下流の流路上、例えば、穿孔ロックボルト20の頭部部位20aに接続される注入アダプタ(30)の内部に、スタティックミキサ(28)を組み込んでなる構成の注入アダプタ(30)を使用することも、可能である。
また、例示のゴムコーン26の構造にあっても、穿孔14と穿孔ロックボルト20との間の隙間を閉塞出来る形状を呈する形態のものであれば、如何なる構造のものをも採用可能であって、例えば、取扱い性乃至は作業性の向上のために、リング状ゴムコーン26にリング形状を切断する切欠き(スリット)が設けられて、その切欠きを開口させて、穿孔ロックボルト20の筒壁部を嵌め込むようにしてなる構造のものをも、有利に採用されることとなる。
さらに、例示のゴムコーン26の厚肉の壁部を軸方向に貫通するように、エアー抜き用のパイプを取り付けることも有効であり、そのようなエアー抜きパイプを通じて、ウレタン発泡原料の注入時に、穿孔14内の空気を外部に放出せしめるようにすることも、好適に採用されるところである。
加えて、図5においては、座金部材40とゴムコーン26との間に位置する穿孔14部分にもコーキング部44が回り込んで存在する状態が示されているが、それは、そのような穿孔14部位を満たすようにコーキング剤を注入した後、座金部材40を穿孔ロックボルト20の頭部20aに外嵌し、更に、ナット部材42を螺合せしめることにより、穿孔ロックボルト20と間知石4、ひいては石積擁壁2との連結を図った後、頭部収容凹所12内にコーキング剤を注入して、目的とするコーキング部44が形成されるようになっている。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
2 石積擁壁 4 間知石
4a 間知石部位 6 裏込めグリ石
8 目地部 10 傾斜地山 12 頭部収容凹所 14 穿孔 16 基礎コンクリート 18 笠コンクリート 20 穿孔ロックボルト 20a 頭部 20b 中空部 22 穿孔用ビット 24 通孔 26 ゴムコーン 28 スタティック 28a ミキサ螺旋状線条体 28b 口金 28c ゴムパッキン 30 注入アダプタ 32 注入ホース 34 ウレタン発泡体 40 座金部材 42 ナット部材 44 コーキング部 46 間知石片 48 間知石薄板

Claims (11)

  1. 傾斜地山の前面に、裏込めグリ石層を介して、間知石を相互に隣接するようにして積み上げてなる石積擁壁の補強工法にして、
    該石積擁壁に対して、その補強のために選定された所定箇所に位置するように、該石積擁壁から前記傾斜地山に達するように設けられる穿孔の径よりも大径となる頭部収容凹所を、所定深さにおいて形成する工程と、
    中空の内部から外周面に達して開口する適数個の通孔が形成されてなる中空構造の長手のボルト本体と、その先端に取り付けられた穿孔用ビットとを有する穿孔ロックボルトを用いて、前記頭部収容凹所の底部から前記傾斜地山に達する所定深さの穿孔を形成すると共に、該穿孔ロックボルトの頭部が該頭部収容凹所から外部に突出しない形態において、該穿孔ロックボルトを前記穿孔内に残留せしめる工程と、
    該穿孔ロックボルトの前記頭部収容凹所側に位置する部位の外周部に、リング状のゴムコーンを外嵌せしめて、該ゴムコーンにて、前記形成された穿孔と該穿孔ロックボルトとの間の隙間を閉塞する工程と、
    二液型のウレタン発泡原料を、前記穿孔ロックボルトにおける前記ボルト本体の中空部内に注入して、該穿孔ロックボルトにおけるボルト本体の先端開口部や前記通孔から前記穿孔内に吐出せしめ、更に該穿孔の周りの前記石積擁壁の裏込めグリ石層内に侵入させる一方、該ウレタン発泡原料を発泡硬化せしめることにより、該穿孔ロックボルトの周囲にウレタン発泡体の硬化層を形成する工程と、
    前記頭部収容凹所にコーキング剤を充填して、該頭部収容凹所内にコーキング部を形成せしめることにより、前記穿孔ロックボルトの頭部部位を、かかるコーキング部内に埋没させて、該頭部収容凹所の形成されている石積擁壁に固定せしめ、該石積擁壁と前記傾斜地山との連結を図る工程と、
    を含むことを特徴とする石積擁壁の補強工法。
  2. 前記頭部収容凹所内に位置する前記穿孔ロックボルトの頭部に外挿されて、該頭部収容凹所の底面に当接、位置せしめられる座金部材、及び前記穿孔ロックボルトの頭部に螺合せしめられるナット部材を用いて、該座金部材を介して、該ナット部材を前記穿孔ロックボルトの頭部に螺合せしめることによって、かかる穿孔ロックボルトを前記石積擁壁に固定せしめるようにすると共に、それら頭部収容凹所内に位置する穿孔ロックボルトの頭部、座金部材及びナット部材が、前記コーキング部内に埋没せしめられるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の石積擁壁の補強工法。
  3. 前記穿孔が、前記石積擁壁の厚さの少なくとも1倍以上の長さにおいて、前記傾斜地山に入り込むように、形成されている請求項1又は請求項2に記載の石積擁壁の補強工法。
  4. 前記頭部収容凹所が、20~150mmの深さにおいて形成されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の石積擁壁の補強工法。
  5. 前記コーキング部が、前記石積擁壁と面一の水準まで、前記頭部収容凹所内に充満せしめられて、該石積擁壁の壁面の一部を構成している請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の石積擁壁の補強工法。
  6. 前記頭部収容凹所が前記間知石に対して形成される一方、該頭部収容凹所の開口部に相当する大きさに加工された間知石薄板を、該頭部収容凹所内に形成されたコーキング部上に載置せしめ、かかる間知石薄板の表面が前記間知石と面一の水準となるようにして、固定してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の石積擁壁の補強工法。
  7. 前記頭部収容凹所の形成操作によって前記間知石より取り出された該頭部収容凹所該当間知石部位から、間知石表層部位を分離して、この間知石表層部位を、前記間知石薄板として用いてなることを特徴とする請求項6に記載の石積擁壁の補強工法。
  8. 前記頭部収容凹所が、前記石積擁壁における間知石間に形成される目地部に対して設けられる請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の石積擁壁の補強工法。
  9. 前記頭部収容凹所が、隣り合う間知石に跨って、形成されている請求項8に記載の石積擁壁の補強工法。
  10. 前記頭部収容凹所の形成操作によって切除された前記隣り合う間知石部位に相当する大きさの間知石片が、該頭部収容凹所内に形成される前記コーキング部上に載置されて、該間知石片の表面が該隣り合う間知石と面一の水準となるようにして、固定せしめられることを特徴とする請求項9に記載の石積擁壁の補強工法。
  11. 前記二液型のウレタン発泡原料の注入に先立って、前記穿孔ロックボルトの前記頭部収容凹所側に位置する部位の中空部内に、スタティックミキサを装入、配置せしめ、該穿孔ロックボルトの中空部内に注入される前記二液型のウレタン発泡原料が該スタティックミキサにて混合せしめられるようにした請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の石積擁壁の補強工法。
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