JP2022069786A - チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着痕を付かせることなく所定の吸着力を得ると共に、部材と擦れ合っても破砕を生じさせない。【解決手段】チャック装置10は、複数の貫通孔12aにより表面と背面が連通する平板状の吸着パッド12と、吸着パッド12の背面を覆って背面との間にエア空間Eを形成するように吸着パッド12を支持するハウジング13とを備え、エア空間Eを負圧又は加圧することにより貫通孔12aを介して吸引又は放出されるエアにより吸着パッド12の表面に部材11を吸着させ又は吸着パッド12の表面から部材を浮遊させるチャック装置において、連続する隙間により貫通孔12aが形成された金属製ポーラス体により吸着パッド12が形成され、貫通孔12aの断面積が0.1nm2~36nm2であり、吸着パッド12の平面度が4μm~15μmである。そして、吸着パッド12の表面の単位面積あたりの貫通孔12aが5~25%である。【選択図】 図1
Description
本発明は、主として密閉された背面側を真空ポンプで減圧し、吸着パッドの背面から表面に連通する複数の貫通孔を介して吸着パッドの表面に載置される部材を吸着するチャック装置に関するものである。
従来、複数の貫通孔により表面と背面が連通する吸着パッドと、その吸着パッドの背面を覆って背面との間にエア空間を形成するように吸着パッドを支持するハウジングとを備えたチャック装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなチャック装置では、そのエア空間を負圧にすることにより吸着パッドの貫通孔を介して吸引されるエアにより吸着パッドの表面に部材を吸着するとしている。
このようなチャック装置では、吸着パッドの表面側の大気圧に対して背面側の背圧を真空に近い圧力に保つ必要があり、被吸着物が吸着面である吸着パッドの表面全体を覆わないと、貫通孔の一部が表面に開口し、貫通孔を通して外気がエア空間に流入し、表面側と背面側との差圧が充分にとれないので、所定の吸着力が得られないという問題があった。
この点を解消する為には、貫通孔を極力小さくして、その貫通孔を通してエア空間に流入する外気を少なくして、吸着パッドの表面側と背面側との差圧を充分にとって、所定の吸着力を得ることが求められる。このため、従来から、このようなチャック装置に用いられる吸着パッドとしては、貫通孔の断面積を比較的小さくすることができるセラミック製のものが用いられる。
このようにセラミック製の吸着パッドでは、表面と背面を連通させる貫通孔の大きさを微細にできる。けれども、セラミック製の吸着パッドでは、その表面に吸着される被吸着物である部材との擦れ合いにより微細な破砕を生じさせ易く、発塵する欠点があった。このため、上記従来のチャック装置では、吸着パッドに別プレート等を装着する対策を施している。
別プレートを用いることなく発塵を防止する為には、吸着パッドを金属性として、部材との擦れに基づく発塵を防止することが考えられる。けれども、金属製の吸着パッドは、ワークを搭載する表面を研磨する際にバリが生じ易い欠点がある。このため、吸着パッドを金属性とする場合、研磨によるバリにでもふさがれないように貫通孔を大きくする必要がある。
けれども、吸着パッドを金属性として、貫通孔が大きい状態で使用すると、表面側と背面側との差圧が充分にとれないので所定の吸着力が得られないという不具合と共に、例えば、図4に示すように、その吸着パッド2に薄いワーク1を被吸着部材として搭載して吸着させると、貫通孔2aから吸引されるエアにより、その吸着パッドに搭載されたワーク1が貫通孔2aに引き込まれて、そのワーク1に吸着痕が付く不具合を生じさせる。
本発明の目的は、吸着痕を付かせることなく所定の吸着力を得ると共に、部材と擦れ合っても破砕を生じさせないチャック装置を提供することにある。
本発明は、複数の貫通孔により表面と背面が連通する平板状の吸着パッドと、吸着パッドの背面を覆って背面との間にエア空間を形成するように吸着パッドを支持するハウジングとを備え、エア空間を負圧にすることにより吸着パッドの貫通孔を介して吸引されるエアにより吸着パッドの表面に部材を吸着するチャック装置の改良である。
その特徴有る構成は、連続する隙間により貫通孔が形成された金属製ポーラス体により吸着パッドが形成され、貫通孔の断面積が0.1nm2~36nm2であり、吸着パッドの平面度が4μm~15μmであるところにある。
ここで、吸着パッドの表面の単位面積あたりの貫通孔は5~25%であることが好ましい。
本発明のチャック装置では、連続する隙間により貫通孔が形成された金属製ポーラス体により吸着パッドを形成することにより、被吸着物との擦れ合っても破砕を生じさせない。そして、貫通孔の断面積を比較的微細な0.1nm2~36nm2とすることにより、ワークに吸着痕が付くようなことを防止することができる。また、単位面積あたりの貫通孔が5~25%であれば、所定の吸着力が減じられるようなことはない。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に本発明のチャック装置10を示す。このチャック装置10は、複数の貫通孔12aを有する吸着パッド12と、吸着パッド12の背面を覆ってその背面との間にエア空間Eを形成するように吸着パッド12を支持するハウジング13とを備える。この実施の形態におけるチャック装置10は、円板状のシリコンウエハ11を吸着するものとし、このウエハ11は吸着パッド12の表面に載置されて吸着されるものとする。
この実施の形態における吸着パッド12は、平板であり、ウエハ11に応じて円盤状となっている。貫通孔12aは、吸着パッド12の表面から背面まで貫通している。貫通孔12aは、吸着パッド12のほぼ全体に均一に分布している。例えば、複数の貫通孔12aが、吸着パッド12の周縁部を除いたほぼ全体に一定間隔で配列されている。吸着パッド12の表面がウエハ11の載置面(搭載面)となる。すなわち、吸着パッド12の表面とウエハ11の下面が接触した状態で、ウエハ11が真空吸着されることになる。
ハウジング13は、このような吸着パッド12を支持するものである。この実施の形態におけるハウジング13は、周縁部13aと段差部13bと底部13cとを有している。周縁部13aは円板状の吸着パッド12を包囲する様な円環状を成して形成され、その周縁部13aの内周に吸着パッド12の周囲の背面を支持する段差部13bが形成される。底部13cは周縁部13aの下端を塞ぐように周縁部13aと一体的に設けられ、このハウジング13は、例えば金属材料などによって形成されている。
周縁部13aは、吸着パッド12を収納するために設けられている。すなわち、周縁部13aの上面から段差部13bまでの距離Lは吸着パッド12の厚さtに略等しいか僅かに小さく形成され、その段差部13bに吸着パッド12の周囲を載置することによりその段差部13bより上側の周縁部13aは吸着パッド12の外周を囲んで、その吸着パッド12を収納する様に構成される。そして、吸着パッド12の外周面が周縁部13aの内周と接触して、シールされる。なお、吸着パッド12と周縁部13aを接着剤などで接合してもよい。
周縁部13aの上面から段差部13bまでの距離Lは吸着パッド12の厚さtに略等しいか僅かに小さく形成されているので、その段差部13bに吸着パッド12の周囲を載置すると、吸着パッド12の表面と周縁部13aの上面は、ほぼ一致するか、或いは、周縁部13aの上面より吸着パッド12の表面が僅かに上方に突出するように形成されている。そして、吸着パッド12の表面が、被吸着部材であるウエハ11を載置する載置面となり、ウエハ11の下面と吸着パッド12の表面が接触することになる。
周縁部13aの下端は底部13cにより塞がれているので、周縁部13aの内周側に段差部13bを形成して、この段差部13bの上に吸着パッド12を載置することで、底部13cと吸着パッド12との間にエア空間Eを設けることになる。即ち、段差部13bよりも下側の底部13cと吸着パッド12との間には、エア空間Eが設けられる。
周縁部13aには、エア空間Eに連通する給排気口14が設けられている。すなわち、給排気口14は、吸着パッド12と周縁部13aと底部13cで囲まれたエア空間Eに接続している。そして、給排気手段であるポンプ30が給排気口14を介して、エア空間Eを排気又は給気するように構成される。
そして、吸着パッド12の上にウエハ11が載置される。換言すると、複数の貫通孔12aがウエハ11で覆われる。ポンプ30によって、吸着パッド12の直下のエア空間Eを排気する。こうすることによって、ウエハ11の直下の空間である貫通孔12aが減圧され、ウエハ11を吸着することができる。
本発明の特徴有る構成は、連続する隙間により貫通孔12aが形成された金属製ポーラス体により吸着パッド12が形成され、その貫通孔12aの断面積が0.1nm2~36nm2であり、吸着パッド12の平面度が4μm~15μmであるところにある。
金属製ポーラス体は、隙間同士がつながっており、金属で有りながら通気性を有するものであり、この金属製ポーラス体は、金属粒体を成型及び焼成することにより、所定の隙間を空けてそれらの金属粒体を結合させることにより作られる。
この金属製ポーラス体の製作過程を具体的に説明すると、連続する隙間により所定の断面積を有する貫通孔12aを形成する必要から、篩により所定の大きさの金属粒体を得た後に、それらを軽量し、更に混合する。そして、加圧成型した後に焼成することにより得られることになる。
このようにして、連続する隙間から成る貫通孔12aが形成された金属製ポーラス体は、その後に所定の大きさになるようにその外周が仕上げられ、少なくともその表面をバリを生じさせずに研磨することにより本発明の吸着パッド12が形成される。
そして、このような金属製ポーラス体を吸着パッド12として使用することにより、従来のセラミックから成る吸着パッドと比較して、その表面に搭載された部材との擦れに基づく発塵を防止することができる。
金属粒体の大きさや量及び成型圧力を調整することにより連続する隙間を制御して、その連続する隙間から成る貫通孔の断面積を比較的微細な0.1nm2~36nm2とすることにより、ワークに吸着痕が付くようなことを防止することができる。そして、単位面積あたりの貫通孔を5~25%とすることにより、所定の吸着力が減じられるようなことを防止することができるのである。
なお、上述した実施の形態では、部材であるウエハ11を吸着パッドの表面に載置して吸着する場合を説明したけれども、ポンプ30によって、吸着パッド12の直下のエア空間Eにエアを供給して加圧し、貫通孔12aを介して表面に吹き出されるエアにより部材であるウエハ11を浮上させるようにしても良い。このように部材を浮上させると小さい力で部材を移動させることができ、汚染リスクを低減させた状態の搬送が可能となる。
また、上述した実施の形態では、円板状の吸着パッド12を用いる場合を説明したけれども、吸着パッド12は円板状のものに限定されるものではない。金属製ポーラス体により吸着パッド12が形成されることから、吸着パッド12を吸引又は浮上させる部材の形状に合わせるようにしても良い。例えば、図3に示すように方形状の吸着パッド12を用いても良く、図示しないがその他の多角形の吸着パッド12を用いるようにしても良い。
更に、上述した実施の形態では、円板状のシリコンウエハ11を吸着する場合を説明したけれども、吸着パッド12の表面に吸着させ又は吸着パッド12の表面から浮遊させる部材11はウエハ11に限定されるものではなく、吸着又は浮遊可能なものであれば、どのようなものであっても良い。
10 チャック装置
11 ウエハ(部材)
12a 貫通孔
12 吸着パッド
13 ハウジング
E エア空間
11 ウエハ(部材)
12a 貫通孔
12 吸着パッド
13 ハウジング
E エア空間
Claims (2)
- 複数の貫通孔(12a)により表面と背面が連通する平板状の吸着パッド(12)と、前記吸着パッド(12)の背面を覆って前記背面との間にエア空間(E)を形成するように前記吸着パッド(12)を支持するハウジング(13)とを備え、
前記エア空間(E)を負圧又は加圧することにより前記貫通孔(12a)を介して吸引又は放出されるエアにより前記吸着パッド(12)の表面に部材(11)を吸着させ又は前記吸着パッド(12)の表面から部材を浮遊させるチャック装置において、
連続する隙間により貫通孔(12a)が形成された金属製ポーラス体により吸着パッド(12)が形成され、
前記貫通孔(12a)の断面積が0.1nm2~36nm2であり、
前記吸着パッド(12)の平面度が4μm~15μmである
ことを特徴とするチャック装置。 - 吸着パッド(12)の表面の単位面積あたりの貫通孔(12a)が5~25%である請求項1記載のチャック装置。
Priority Applications (1)
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JP2020178636A JP2022069786A (ja) | 2020-10-26 | 2020-10-26 | チャック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020178636A JP2022069786A (ja) | 2020-10-26 | 2020-10-26 | チャック装置 |
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JP2022069786A true JP2022069786A (ja) | 2022-05-12 |
JP2022069786A5 JP2022069786A5 (ja) | 2023-10-20 |
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Family Applications (1)
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2020
- 2020-10-26 JP JP2020178636A patent/JP2022069786A/ja active Pending
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