JP2022069377A - 血管性浮腫の処置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラジキニン媒介性血管性浮腫の処置を提供すること。【解決手段】特に、本発明は、血漿カリクレインインヒビターを、それを必要とする患者に、錠剤を飲み込むことが困難であり得る患者に特に適した経口用剤形としてオンデマンドで経口投与することにより、ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置を提供する。【選択図】なし

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫の処置に関する。特に、本発明は、血漿カリクレインインヒビターを、それを必要とする患者に、錠剤を飲み込むことが困難であり得る患者に特に適した経口用剤形としてオンデマンドで経口投与することにより、ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置を提供する。
血漿カリクレインのインヒビターは、いくつかの治療用途、特にブラジキニン媒介性血管性浮腫、例えば、遺伝性血管性浮腫及び非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)の処置においていくつかの治療用途を有する。
血漿カリクレインは、キニンをキニノーゲンから遊離させることができるトリプシン様セリンプロテアーゼである(K.D.Bhoolaら、「Kallikrein-Kinin Cascade」、Encyclopedia of Respiratory Medicine、483~493頁;J.W.Bryantら、「Human plasma kallikrein-kinin system:physiological and biochemical parameters」Cardiovascular and haematological agents in medicinal chemistry、7巻、234~250頁、2009年;K.D.Bhoolaら、Pharmacological Rev.、1992年、44巻、1号;及びD.J.Campbell、「Towards understanding the kallikrein-kinin system: insights from the measurement of kinin peptides」、Brazilian Journal of Medical and Biological Research 2000年、33巻、665~677頁を参照されたい)。血漿カリクレインは内因性止血カスケードの主要メンバーである、ただし、このカスケードにおけるその役割は、ブラジキニンの放出又は酵素的切断を含まない。血漿プレカリクレインは単一遺伝子によってコードされ、肝臓並びに他の組織内で合成され得る。血漿プレカリクレインは、高分子量キニノーゲン(HK)に結合したヘテロ二量体複合体として血漿中に循環している不活性血漿プレカリクレインとして肝細胞により分泌され、この不活性血漿プレカリクレインが活性化して活性血漿カリクレインをもたらす。この接触活性化系(又は接触系)は、ある特定のプロテアーゼ、例えば、プラスミンによりファクターXII(FXII)をファクターXIIa(FXIIa)へと活性化する負荷電表面で活性化することができ(Hofmanら、Clin Rev Allergy Immunol、2016年)、陰性表面、又はミスフォールドタンパク質を必要とし得ない(Maasら、J Clinical Invest、2008年)。FXIIaは、血漿プレカリクレインの血漿カリクレインへの変換及びその後の高分子量キニノーゲン(HK)の切断を媒介して、強力な炎症性ホルモンであるブラジキニンを産生する。キニンは、Gタンパク質共役受容体を介して作用する炎症の強力な伝達物質であり、キニンのアンタゴニスト(例えば、ブラジキニン受容体アンタゴニスト)は、いくつかの障害の処置に対する潜在的治療剤として以前から調査されている(F.Marceau及びD.Regoli、Nature Rev.、Drug Discovery、2004年、3巻、845~852頁)。
血漿カリクレインは、炎症性障害においていくつかの役割を果たすと考えられている。例えば、血漿カリクレイン-キニン系は進行した糖尿病性黄斑浮腫を有する患者に異常に豊富に存在する。血漿カリクレインは、糖尿病ラットにおいてレチナール血管系機能障害の原因となることが報告されている(A.Clermontら、「Plasma kallikrein mediates retinal vascular dysfunction and induces retinal thickening in diabetic rats」Diabetes、2011年、60巻、1590~98頁)。さらに、血漿カリクレインインヒビターASP-440の投与は、糖尿病ラットにおいて、レチナール血管透過性とレチナール血流異常の両方を回復させた。したがって、血漿カリクレインインヒビターは、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫に伴うレチナール血管透過性を減少させる処置としての有用性を有するはずである。
他の糖尿病合併症、例えば、脳出血、腎症、心筋症及びニューロパシーは、これら全てが血漿カリクレインと関連しており、血漿カリクレインインヒビターに対する標的と考えてもよい。
血漿カリクレインの主要なインヒビターはセルピンC1エステラーゼインヒビターである。C1エステラーゼインヒビターの遺伝的欠損症の症状を示す患者は、遺伝性血管性浮腫(HAE)に悩まされ、このHAEは、顔、手、喉、胃腸管及び生殖器の断続的腫脹を結果として生じる。急性エピソードの間に形成される水疱は、高レベルの血漿カリクレインを含有し、この血漿カリクレインが高分子量のキニノーゲン(HK)を切断し、ブラジキニンを放出して、血管透過性の増加をもたらす。よって、「遺伝性血管性浮腫」は、遺伝性機能障害/欠陥/変異により引き起こされるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えば激しい腫脹)の再発エピソードを特徴とする任意の障害と定義することができる。現在3つの公知のHAEのカテゴリーが存在する:(i)HAE1型、(ii)HAE2型、及び(iii)正常C1インヒビターHAE(正常C1-Inh HAE)。しかし、HAE分野は急速に発展しており、将来HAEのさらなる型が定義され得る。
理論に制約されることを望むことなく、HAE1型は、血液中のC1インヒビターレベルの減少をもたらすセルピンG1遺伝子の変異により引き起こされると考えられている。理論に制約されることを望むことなく、HAE2型は、血液中のC1インヒビターの機能障害をもたらすセルピンG1遺伝子の変異により引き起こされると考えられている。理論に制約されることを望むことなく、正常C1-Inh HAEの原因は十分に定義されておらず、根底にある遺伝的機能障害/欠陥/変異は時には未知のままであり得る。公知であるのは、正常C1-Inh HAEの原因は、C1インヒビターのレベルの減少又は機能障害に関係していないことである(HAE1及び2型とは対照的である)。正常C1-InhHAEは、家族歴を見直し、血管性浮腫が前世代からの遺伝である(よって、それは遺伝性血管性浮腫である)ことに注目することで診断することができる。正常C1-Inh HAEはまた、C1インヒビターに関係している遺伝子以外の遺伝子に機能障害/欠陥/変異が存在することを判定することにより診断することもできる。例えば、プラスミノゲンにおける機能障害/欠陥/変異が正常C1-Inh HAEを引き起こし得ることが報告されている(例えば、Veronezら、Front Med(Lausanne).2019年2月21日;6:28.doi:10.3389/fmed.2019.00028;又はReckeら、Clin Transl Allergy.2019年2月14日;9:9.doi:10.1186/s13601-019-0247-x.を参照されたい)。ファクターXIIにおける機能障害/欠陥/変異が、正常C1-Inh HAEを引き起こし得ることも報告されている(例えば、Mansiら、The Association for the Publication of the Journal of Internal Medicine Journal of Internal Medicine、2015年、277巻;585~593頁;又はMaatら、JThrombHaemost.2019年1月;17巻(1号):183~194頁.doi:10.1111/jth.14325を参照されたい)。
急性HAE発作は、臨床的に明確な3つの主なステージを介して通常進行する:最初の前駆ステージ(通常12時間まで持続し得る)、これに続く腫脹ステージ、次いで吸収ステージ。HAE発作の大部分は、前駆的症状で予告される。前駆症状の3分の2はHAE発作の6時間未満前までに現れ、HAE発作の24時間よりも前に前駆症状は生じない(Magerlら、Clinical and Experimental Dermatology 2014年、39巻、298~303頁)。例えば、以下の前駆的症状を観察し始めることができる:わずかな腫脹(特に顔及び頸部に影響)、典型的なタイプの腹痛、「多型紅斑」と呼ばれる皮膚の典型的発赤。発作は、これが最大腫脹及び疼痛の最大発現(例えば腹部の発作)、不快感(例えば末梢発作)又は生命の危険(例えば喉頭部の発作)に到達した時点で完全に発症する。発作がそのピークに到達すると、その後の正常化の期間は、腫脹が消滅し、組織に浸透した液体が再吸収されるのに費やされる時間により決定される。
しかし、血管性浮腫は必ずしも遺伝性ではない。実際に、別のクラスの血管性浮腫は、非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)であり、このBK-AEnHは遺伝性遺伝的機能障害/欠陥/変異に起因するものではない。多くの場合、BK-AEnHの根本原因は未知であり、及び/又は定義されていない。しかし、BK-AEnHの兆し及び症状は、HAEの兆し及び症状と類似しており、理論に拘束されることなく、HAEとBK-AEnHとの間で共有されているブラジキニン媒介性経路によるものと考えられる。具体的には、BK-AEnHは、体液が血管の外側に蓄積し、正常な血液又はリンパ液の流れを遮断し、例えば、手、足、四肢、顔、腸管、気道又は生殖器などの組織の急速な腫脹を引き起こす反復性急性発作を特徴とする。
特定の型のBK-AEnHは以下を含む:正常C1インヒビター(AE-nC1 Inh)を伴う非遺伝性血管性浮腫、この非遺伝性血管性浮腫は、環境、ホルモン、又は薬物誘発性であることができる;後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)。しかし、これらの要因及び条件が何故比較的低い割合の個体のみに血管性浮腫を引き起こすのかは未知である。
AE-nC1 Inhを誘発することができる環境因子として、空気汚染(Kedarisettyら、Otolaryngol Head Neck Surg.2019年4月30日:194599819846446.doi:10.1177/0194599819846446)及び銀ナノ粒子、例えば、ヘルスケア製品、バイオメディカル製品及び消費者製品において抗菌剤成分として使用されているものが挙げられる(Longら、Nanotoxicology.2016年;10巻(4号):501~11頁.doi:10.3109/17435390.2015.1088589)。
様々な刊行物は、ブラジキニン及び接触系経路とBK-AEnHとの間のリンク、さらに処置の潜在的有効性を示唆している。例えば:Basら(N Engl J Med 2015年);Leibfried及びKovary.(J Pharm Pract 2017年);van den Elzenら(Clinic Rev Allerg Immunol2018年);Hanら(JCI 2002年)を参照されたい。
tPA誘発性血管性浮腫は、様々な刊行物の中で、急性脳卒中の患者において、血栓溶解療法に続いて生じる潜在的に命にかかわる合併症として論じられている(例えば、Simaoら、Blood.2017年4月20日;129巻(16号):2280~2290頁.doi:10.1182/blood-2016-09-740670;Frohlichら、Stroke.2019年6月11日:STROKEAHA119025260.doi:10.1161/STROKEAHA.119.025260;Rathbun、Oxf Med Case Reports.2019年1月24日;2019年(1巻):omy112.doi:10.1093/omcr/omy112;Lekoubouら、Neurol Res.2014年7月;36巻(7号):687~94頁.doi:10.1179/1743132813Y.0000000302;Hillら、Neurology.2003年5月13日;60巻(9号):1525~7頁を参照されたい)。
Stoneら(Immunol Allergy Clin North Am.2017年8月;37巻(3号):483~495頁)は、ある特定の薬物が血管性浮腫を引き起こす可能性があることを報告している。
Scottら(Curr Diabetes Rev.2018年;14巻(4号):327~333頁.doi:10.2174/1573399813666170214113856)は、ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫の症例を報告している。
Hermanrudら(BMJ Case Rep.2017年1月10日;2017年.pii:bcr2016217802)は、ジペプチジルペプチダーゼIVの薬理学的阻害に伴う反復性血管性浮腫について報告し、アンジオテンシン変換酵素インヒビター(ACEI-AAE)に関係した後天性血管性浮腫についても論じている。Kimら、(Basic Clin Pharmacol Toxicol.2019年1月;124巻(1号):115~122頁.doi:10.1111/bcpt.13097)は、アンジオテンシンII受容体遮断剤(ARB)に関連する血管性浮腫について報告している。Reichmanら、(Pharmacoepidemiol Drug Saf.2017年10月;26巻(10号):1190~1196頁.doi:10.1002/pds.4260)は、ACEインヒビター、ARBインヒビター及びβ遮断剤を服用する患者に対する血管性浮腫の危険性についても報告している。Diestroら(J Stroke Cerebrovasc Dis.2019年5月;28巻(5号):e44~e45.doi:10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2019.01.030)は、ある特定の血管性浮腫とARBとの間の可能な結び付きについても報告している。
Giardら(Dermatology.2012年;225巻(1号):62~9頁.doi:10.1159/000340029)は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫がエストロゲン避妊により誘発され得ると報告している。
Cinryze(登録商標)及びHaegarda(登録商標)は、C1エステラーゼインヒビターを含有し、急性HAE発作の予防に対して認可されている(すなわち予防的処置)。Cinryze(登録商標)による処置は、粉末からの溶液の調製を必要とし、次いでこの溶液を3又は4日ごとに注射する。同様に、Haegarda(登録商標)による処置は粉末からの溶液の調製を必要とし、次いでこの溶液を週2回注射する。患者がこれらの処置を自己投与することが常に可能であるとは限らず、さらに自己投与が不可能な場合、患者は処置のために病院を訪問しなければならない。よって、これらの予防的処置は両方とも重い負担を患者に強いてしまう。さらに、Haegarda(登録商標)に対するFDAパケット添付文書には、「急性HAE発作を処置するために使用するべきではない」と述べられており、したがって患者はHAE発作が発症した場合追加の治療が必要となり得る。
Berinert(登録商標)及びRuconest(登録商標)はC1エステラーゼインヒビターを含有し、急性HAE発作の処置に対して認可されている。これら両方の処置もまた、注射溶液の調製、これに続く注射を含む。この工程は、特に患者が急性HAE発作を患っている場合、患者に重い負担となり得る。投薬量の自己投与も常に可能ではなく、投薬量の自己投与が可能でない場合、薬物の投与は実質的に遅延し、よって患者に対して急性HAE発作の重症度を増加させる可能性がある。
血漿カリクレイン関連障害、例えば、HAE及びBK-AEnHに対して承認された処置は不足している。特に、任意の血漿カリクレイン関連の障害(例えば、HAE、BK-AEnH)に対して承認された経口処置が不足している。Berotralstat(BCX7353)は、HAE発作の予防のための1日1回の経口処置として調査されている血漿カリクレインインヒビターである。Hwangら(Immunotherapy (2019年)11巻(17号)、1439~1444頁)は、より高用量のベロトラルスタットはより多くの消化管有害効果を伴い、より高レベルの毒性の増加を示したと述べている。
合成による、小分子血漿カリクレインインヒビターは以前から、例えば、Garrettら(「Peptide aldehyde….」J.Peptide Res.52巻、62~71頁(1998年))、T.Griesbacherら、(「Involvement of tissue kallikrein but not plasma kallikrein in the development of symptoms mediated by endogenous kinins in acute pancreatitis in rats」British Journal of Pharmacology 137号、692~700頁(2002年))、Evans(「Selective dipeptide inhibitors of kallikrein」WO03/076458)、Szelkeら(「Kininogenase inhibitors」WO92/04371)、D.M.Evansら、(Immunolpharmacology、32巻、p115~116頁(1996年))、Szelkeら(「Kininogen inhibitors」WO95/07921)、Antonssonら(「New peptides derivatives」WO94/29335)、J.Corteら(「Six membered heterocycles useful as serine protease inhibitors」WO2005/123680)、J.Sturzbecherら(Brazilian J.Med.Biol.Res、27巻、1929~34頁(1994年))、Kettnerら(US5,187,157)、N.Tenoら(Chem.Pharm.Bull.41巻、1079~1090頁(1993年))、W.B.Youngら(「Small molecule inhibitors of plasma kallikrein」Bioorg.Med.Chem.Letts.16巻、2034~2036頁(2006年))、Okadaら(「Development of potent and selective plasmin and plasma kallikrein inhibitors and studies on the structure-activity relationship」Chem.Pharm.Bull.48巻、1964~72頁(2000年))、Steinmetzerら(「Trypsin-like serine protease inhibitors and their preparation and use」WO08/049595)、Zhangら(「Discovery of highly potent small molecule kallikrein inhibitors」Medicinal Chemistry 2巻、545~553頁(2006年))、Sinhaら(「Inhibitors of plasma kallikrein」WO08/016883)、Shigenagaら(「Plasma Kallikrein Inhibitors」WO2011/118672)、及びKolteら(「Biochemical characterization of a novel high-affinity and specific kallikrein inhibitor」、British Journal of Pharmacology(2011年)、162巻(7号)、1639~1649頁)により記載されてきた。また、Steinmetzerら(「Serine protease inhibitors」WO2012/004678)は、ヒトプラスミン及び血漿カリクレインのインヒビターである、環化ペプチドアナログについて記載している。
今日までに、医学的使用に対して承認されている小分子合成血漿カリクレインインヒビターはない。公知の技術に記載されている分子は、例えば、関連酵素、例えば、KLK1、トロンビン及び他のセリンプロテアーゼよりも選択性が弱く、経口利用率が低いなどの制限に悩まされている。大きなタンパク質血漿カリクレインインヒビターを用いた処置は、血管透過性の増加を引き起こすブラジキニンの放出を妨げることによりHAEを効果的に処置することが示されている。(A.Lehmann「Ecallantide (DX-88),a plasma kallikrein inhibitor for the treatment of hereditary angioedema and the prevention of blood loss in on-pump cardiothoracic surgery」Expert Opin.Biol.Ther.8巻、1187~99頁)。しかし、Ecallantideに対しては、アナフィラキシー反応の危険性が報告されている。
さらに、公知の技術における多くの分子は極めて極性の及びイオン化グアニジン又はアミジン官能基を特徴とする。このような官能基は腸透過性に対して限定的であり得、したがって経口利用率に対して限定的であり得ることが周知である。例えば、TamieJ.Chilcote及びSukanto Sinha(「ASP-634:An Oral Drug Candidate for Diabetic MacularEdema」、ARVO 2012年5月6日~2012年5月9日、Fort Lauderdale、Florida、Presentation 2240)により、ASP-440、ベンズアミジンは、経口利用率が低いことが報告されている。吸収は、ASP-634などのプロドラッグを作り出すことにより改善され得ることがさらに報告されている。しかし、プロドラッグは、いくつかの弱点、例えば、不活性担体又は予期せぬ代謝産物による低い化学的安定性及び潜在的毒性を有し得ることが周知である。別の報告では、弱い又は不十分なADME-tox及び物理化学的特性を保有する薬物に伴う問題を克服し得る化合物としてインドールアミドが特許請求されている。ただし、血漿カリクレインに対する阻害は提示されても、特許請求されてもいない(Griffioenら、「Indole amide derivatives and related compounds for use in the treatment of neurodegenerative diseases」、WO2010142801)。
当技術分野で公知の他の血漿カリクレインインヒビターは一般的に小分子であり、これら血漿カリクレインインヒビターの一部は、極めて極性の及びイオン化官能基、例えば、グアニジン又はアミジンを含む。最近、グアニジン又はアミジン官能基を特徴としない血漿カリクレインインヒビターが報告されている。例えば、Brandlら(「N-((6-amino-pyridin-3-yl)methyl)-heteroaryl-carboxamides as inhibitors of plasma kallikrein」WO2012/017020)、Evansら(「Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein」WO2013/005045)、Allanら(「Benzylamine derivatives」WO2014/108679)、Davieら(「Heterocyclic derivates」WO2014/188211)、Davieら(「N-((het)arylmethyl)-heteroaryl-carboxamides compounds as plasma kallikrein inhibitors」WO2016/083820)。
出願人は、血漿カリクレインのインヒビターである新規の一連の化合物を開発し、これらの化合物はWO2016/083820(PCT/GB2015/053615)において開示されている。これらの化合物は血漿カリクレインに対する良好な選択性を実証している。1つのこのような化合物は、N-[(3-フルオロ-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-3-(メトキシメチル)-1-({4-[(2-オキソピリジン-1-イル)メチル]フェニル}メチル)ピラゾール-4-カルボキサミドである。この化合物を含むある特定の剤形がCollettら、WO2019/106361で開示されている。名称N-[(3-フルオロ-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-3-(メトキシメチル)-1-({4-[(2-オキソピリジン-1-イル)メチル]フェニル}メチル)ピラゾール-4-カルボキサミドは、式Aに示されている構造を表す。
Figure 2022069377000001
国際公開第2003/076458号 国際公開第92/04371号 国際公開第95/07921号 国際公開第94/29335号 国際公開第2005/123680号 米国特許第5,187,157号明細書 国際公開第2008/049595号 国際公開第2008/016883号 国際公開第2011/118672号 国際公開第2012/004678号 国際公開第2010/142801号 国際公開第2012/017020号 国際公開第2013/005045号 国際公開第2014/108679号 国際公開第2014/188211号 国際公開第2016/083820号 国際公開第2019/106361号
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したがって、患者の負担を軽くして患者コンプライアンスを改善するブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばHAE又はBK-AEnH)の処置に対する必要性が存在する。特に、経口投与できるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばHAE又はBK-AEnH)の処置に対する必要性が存在する。必要時に、例えば、急性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばHAE又はBK-AEnH)発作の症状が認識された際の、急性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばHAE又はBK-AEnH)発作の経口処置に対する必要性もまた存在する。特に、若年患者(例えば、2才~18才未満の間の年齢)における有効な経口処置に対する必要性が存在する。既存の注射処置は、注射部位に疼痛を引き起こす可能性があり、注射それ自体が子供にストレスを引き起こす可能性がある。さらに、錠剤を飲み込むことが困難であり得る患者(例えば、喉頭部の発作を患っている小児、高齢者、及び患者)により適した特定の経口用剤形に対する必要性が存在する。
上述のように、ブラジキニン媒介性血管性浮腫障害、例えば、HAE及びBK-AEnHに対して承認された経口処置が不足している。今日まで認可されたHAEのオンデマンド経口処置はなく、認可された処置の全ては注射によるものである。HAE発作は、早期処置後、より速く消滅し、より短い(Maurer Mら、PLoS ONE2013年;8巻(2号):e53773.doi:10.1371/journal.pone.0053773)、よって発作が予想される、又は進行中の場合、早期治療介入は、疾患に望ましく対処するために必要不可欠である。患者は剤形を調製するか、又は処置のために病院まで赴く必要さえあり得るため、注射処置は投薬遅延という問題がある。したがって、HAE処置は多くの場合、患者への大きな負担により生じる投薬遅延により効果が損ねられる。実際に、Maurer Mらは、60%を超える患者が、発作開始から1時間よりも後に患者らの注射用HAEを投与していると説明している。理論に制約されることを望むことなく、HAEの注射処置は、不都合さ(例えば、小児において自己投与は常に可能とは限らない)、疼痛(注射中と注射後の両方)、及び希望(処置よりむしろ、患者は激しい発作が少なくなることを希望する場合が多い)などの理由により投薬遅延の問題があると考えられている。HAE薬物は、多くの場合、いくつかの型のBK-AEnHを処置するためにFDA認可外で使用されており、よって、HAE処置に伴う問題は、BK-AEnHの処置にも同様に当てはまる。
本発明は、この問題を解決すること、特に、経口的に投与することが容易な剤形を必要とする患者に特に適したブラジキニン媒介性血管性浮腫障害、例えば、HAE及びBK-AEnHの処置を提供することを目的とする。このような患者には、若年患者(例えば、2才~18才未満の間の年齢、特に2才~12才未満の間の年齢の者)、高齢患者(例えば、70才以上の年齢の者)、多くの場合、喉頭部の発作であるブラジキニン媒介性発作を患う患者、又は経口用剤形の飲込みを助ける液体(例えば水)が通常容易に利用可能でない患者が含まれる。
定義
本明細書で使用される場合、及び他に明示的に特定されない限り、「化合物」又は「式Aの化合物」という用語は、「式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)」に対する省略表現である。式Aの化合物は、以下に示されており、以下の名称である:N-[(3-フルオロ-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-3-(メトキシメチル)-1-({4-[(2-オキソピリジン-1-イル)メチル]フェニル}メチル)ピラゾール-4-カルボキサミド。
Figure 2022069377000002
「その薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物」は、「その薬学的に許容される塩」、「その薬学的に許容される溶媒和物」、及び「その塩の薬学的に許容される溶媒和物」を意味することを理解されたい。式Aの化合物の好ましい形態は遊離塩基形態であり、具体的には無水遊離塩基形態である(遊離塩基を無水に保つことが可能な場合)。
「薬学的に許容される塩」という用語は、生理学的又は毒物学的に許容される塩を意味し、この塩は、例えば、薬学的に許容される酸付加塩であることができる。例えば、式Aの化合物が、塩基性基、例えば、塩基性窒素を含有する場合、形成することができる薬学的に許容される酸付加塩として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸、酒石酸塩、メシル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、エシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレン二スルホン酸塩、マレイン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、馬尿酸塩、カンファー酸塩、キシナホ酸塩、アセトアミド安息香酸塩(pacetamidobenzoates)、ジヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、重硫酸塩などが挙げられる。化合物の好ましい薬学的に許容される塩は塩酸塩である。
酸のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩も形成することができる。
適切な塩の概説については、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection and Use」、Stahl及びWermuth(Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002年)を参照されたい。
「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えば、エタノール又は水を含む分子複合体を記述するために本明細書で使用されている。「水和物」という用語は、溶媒が水である場合に利用され、あらゆる疑念を回避するため、「水和物」という用語は「溶媒和物」という用語に包含される。
式Aの化合物は、1個以上の同位体濃縮された原子の存在のみが異なる化合物を含むことができる。例えば、水素が重水素若しくはトリチウムで置き換えられている化合物、又は炭素が13C若しくは14Cで置き換えられている化合物は本発明の範囲内である。
「ブラジキニン媒介性血管性浮腫の急性発作」、「急性ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作」、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作」、又は「ブラジキニン媒介性血管性浮腫の発作」という用語は本明細書で交換可能なように使用される。「ブラジキニン媒介性血管性浮腫」はHAE又はBK-AEnHであってもよい。好ましくは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫はHAEであり、このブラジキニン媒介性血管性浮腫がHAEである場合、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫の急性発作」は「HAEの急性発作」であり、これらは「急性HAE発作」、「HAE発作」、又は「HAEの発作」と交換可能なように使用することができる。
「遺伝性血管性浮腫」(HAEに短縮)という用語は、遺伝性遺伝的機能障害、欠陥、又は変異により引き起こされる任意のブラジキニン媒介性血管性浮腫を意味する。その結果、「HAE」という用語は、少なくともHAE1型、HAE2型、及び正常C1インヒビターHAE(正常C1-Inh HAE)を含む。
「非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫」又は「BK-AEnH」という用語は、遺伝性の遺伝的機能障害/欠陥/変異に起因するものではないブラジキニン媒介性血管性浮腫であり、すなわちこれは遺伝性血管性浮腫(HAE)ではない。BK-AEnHの根本原因は未知であり、及び/又は未定義であり得るが、BK-AEnHの兆し及び症状はHAEの兆し及び症状と類似しており、理論に拘束されることなく、HAEとBK-AEnHとの間で共有されているブラジキニン媒介性経路によるものであると考えられる。本発明に従い処置することができる特定のBK-AEnHは以下から選択される:正常C1インヒビター(AE-nC1 Inh)を伴う非遺伝性血管性浮腫、この非遺伝性血管性浮腫は環境、ホルモン、又は薬物誘発性であることができる;後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE又はace)インヒビター誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)。
当業者であれば、「オンデマンド」処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH又は好ましくはHAE)との関連で、ある特定のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)と関係した治療の必要時に式Aの化合物が投与されることを意味することを理解している。本明細書に記載されているように、このある特定のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)は、進行中であっても(例えば、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識された際に処置が開始される)又は生じる可能性が高い場合でもよい(例えば、患者が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が誘発され得る又は引き起こされ得ることを予期した時点)。複数の投薬量の式Aの化合物がオンデマンド処置の一部として投与されてもよいが、これら複数の用量は同じ単一のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)と関係して投与される。言い換えると、「オンデマンド」では、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)の事例に関係なく、連続的に、定期的な間隔をおいて(例えば、週1回、週2回など)式Aの化合物を投与する必要はない。本発明の処置において、式Aの化合物は、患者が即効性の治療効果を必要とする場合に摂取される。本発明の特定の「オンデマンド」処置は以下を含む:(i)ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に化合物Aが投与される場合、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)をオンデマンドで処置する、及び(ii)例えば、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)が誘発され得る(又は引き起こされ得る)と予測される場合、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)の可能性をオンデマンドで予防的に減少させる。これらは以下により詳細に論じられている。
本明細書に記載されている本発明の処置のいずれにおいても、患者は好ましくはヒトである。ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH又は好ましくはHAE)は、全ての年齢の患者に影響を与えることができる。したがって、ヒト患者は子供(年齢0才~18才未満)又は成人(18才以上)であることができる。本明細書に記載されている処置のいずれにおいても、患者は血管性浮腫に対する素因を有することができる。具体的には、患者は12才以上の年齢であることができる。患者はまた2才以上であることもできる。
ヒト患者は、2才~18才未満の間の年齢であることができる。ヒト患者は2才~12才未満の間の年齢であることができる。ヒト患者は12才~18才未満の間の年齢であることができる。患者は少なくとも70才であることができる。
実施例で実証されたように、式Aの化合物は血漿カリクレインの強力なインヒビターである。既に説明されたように、血漿カリクレインの阻害は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(BK-AEnH発作又は好ましくはHAE発作)の原因となる高分子量のキニノーゲンの切断を阻害する。さらに、及び実施例4で実証されているように、式Aの化合物はまた、血漿プレカリクレインの切断及び接触系の活性化に続くファクターXIIa(FXIIa)の産生を減少させることも可能である。これらの有利な追加の作用は、本発明の処置が極めて効果的であることを支持し、式Aの化合物の濃度が血漿の少なくとも500ng/mLである場合、特に実証される。少なくとも500ng/mLの血漿中濃度は、式Aの化合物の少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70又は約80mg)の投薬量の投与後に観察することができる。
したがって、本明細書で開示されている本発明の処置のいずれかにおいて、特に式Aの化合物の少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば、約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg、又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の投薬量の後、血漿カリクレインを阻害することに加えて、処置はまた、投与後、血漿カリクレインを産生する血漿プレカリクレインの切断を減少させ、及び/又はファクターXIIa(FXIIa)の産生を減少させることができる。よって、一部の実施形態では、特に式Aの化合物の少なくとも約60mg(より多く具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば、約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg、又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の投薬量の後、処置は、血漿カリクレインを産生する血漿プレカリクレインの切断を遮断し、及び/又はFXIIaを産生するFXIIの切断を遮断することができる。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK AEnH発作、好ましくはHAE発作)発作のオンデマンド処置
上述のように、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫」は、HAE及びBK-AEnHから選択されることができる。ブラジキニン媒介性血管性浮腫は、BK-AEnHであり得る。好ましくは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫はHAEである。
本発明は、現在利用可能な任意のブラジキニン媒介性血管性浮腫処置と比較して改善された、ブラジキニン媒介性血管性浮腫の処置を提供する。本発明は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作のオンデマンド処置として及び/又はブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を減少させるためのオンデマンド処置として特に有用な、HAEの経口処置を提供する。具体的には、本明細書において記載されているように、本発明による処置は、(i)急速な作用の開始を有し、(ii)強力であり、(iii)良好な安全性プロファイルを有し、(iv)持続的な薬力学的効果を有する。
よって、本発明により、ブラジキニン媒介性血管性浮腫をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置における使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が提供される。
本発明の一態様により、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識された際に、式Aの化合物がオンデマンドで経口投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
よって、本発明の一態様は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫の急性発作のオンデマンド処置における使用のための式Aの化合物であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識された際に、オンデマンドで経口投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、式Aの化合物を提供する。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫がHAEであるとき、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作」は「HAE発作」である。ブラジキニン媒介性血管性浮腫がBK-AEnHであるとき、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作」は「BK-AEnH発作」である。上述のように、ブラジキニン媒介性血管性浮腫は、好ましくはHAEである。
各ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)は、重症度並びに罹患領域、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を患う患者、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の知識を有する医療従事者及びブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の介護者に関して異なることがあるが、患者はブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状の特定に鋭敏である。これらの症状には、限定されるものではないが、組織、例えば手、足、肢、顔、腸管及び/若しくは気道の腫脹;疲労;頭痛;筋肉痛;皮膚のうずき;腹痛;悪心;嘔吐;下痢;嚥下困難;嗄声;息切れ;並びに/又は情緒の変化が挙げられる。よって、一部の実施形態では、式Aの化合物の投与は、上記の症状の少なくとも1つの認識の際に行うことができる。
本発明の処置は、喉頭部の発作を患う患者を処置することができる。
当業者は、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、投与される」は、投与が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された後に実行可能な限り速やかに行われることを意味することも理解するであろう。例えば、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、処置を確実に行うことができるように、いつでも容易かつすぐに利用可能である式Aの化合物(薬学的に許容される組成物の形態である可能性が高い)を有すると予測される。換言すると、処置はオンデマンドで行う。例えば、一部の実施形態では、式Aの化合物は、認識されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状の1時間以内、好ましくは認識されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状の30分以内、20分以内、10分以内又は5分以内に投与されることができる。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が前駆期に認識される場合、本発明の一実施形態は、式Aの化合物が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の前駆期に投与されることができることである。これらの状況において、認識される症状は、わずかな腫脹、特に顔及び首を冒すわずかな腫脹であり得る。加えて又は代わりに、症状は、腹痛であり得、特に、腹痛は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の特徴であると考えられる。加えて又は代わりに、症状は、皮膚の赤らみ、例えば多型紅斑であり得る。
本発明による処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が増大するのを予防することができる。一部の状況において、処置は、発作の持続期間を短縮することができ、時には発作全体を停止させることさえできる。例えば、処置は、末梢ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)又は腹部ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の進行を停止させることができる。一部の実施形態では、本発明による処置は、その後の腫脹の開始を、時には完全に、特に処置が前駆期に開始されたときに、抑制することができる。特に一部の実施形態では、処置が前駆期に開始されるとき、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)は腫脹ステージへの進行を妨げられることができる。
式Aの化合物は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を、単独で、すなわち患者が式Aの化合物以外のいかなる医薬品有効成分も投与されることなく、処置するのに十分であり得る。よって、本発明の一部の実施形態では、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために、式Aの化合物以外の医薬品有効成分は患者に投与されない。特に、一部の実施形態では、本発明の処置は、式Aの化合物以外のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するためのいかなる医薬品有効成分の投与も必要としない(例えば、救急薬、例えばpdC1INH、rhC1INH又はイカチバントは必要とされない)。より具体的には、一部の実施形態では、式Aの化合物以外のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するための医薬品有効成分は、患者に投与されない(例えば、救急薬、例えばpdC1INH、rhC1INH又はイカチバントは必要とされない)。
代わりに、一部の実施形態では、本発明の処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の他の処置と組み合わせて使用されることができる。例えば、一部の実施形態では、本明細書において記載されているオンデマンド救急治療は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の別の処置の「補充」として使用されることができる。一部の実施形態では、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の予防処置を受けていてもよく、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の他の予防処置により予防されなかったブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために、本明細書において記載されているオンデマンド処置を使用するであろう。
例えば、一部の実施形態では、C1インヒビター(例えばCinryze(登録商標)、Haegarda(登録商標)、Berinert(登録商標))を予防のために既に服用している患者におけるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を処置するための方法であって、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、患者に式Aの化合物をオンデマンドで経口投与することを含む、方法が提供される。別の実施形態では、ラナデルマブを予防のために既に服用している患者におけるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を処置するための方法であって、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、患者に式Aの化合物をオンデマンドで経口投与することを含む、方法が提供される。別の実施形態では、ベロトラルスタットを予防のために既に服用している患者におけるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を処置するための方法であって、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、患者に式Aの化合物をオンデマンドで経口投与することを含む、方法が提供される。
上記の処置のいずれかにおいて、症状は、患者により認識されることができる。上記の処置のいずれかにおいて、症状は、医療従事者、例えばブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の知識を有する医療従事者により認識されることができる。上記の処置のいずれかにおいて、症状は、患者の介護者により認識されることができる。
本発明による処置は、5ポイントのリッカート尺度(5LS)で1レベル以上進行するブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の割合を減少させることができる。本発明による処置は、化合物の投与の12時間以内に5LSで1レベル以上進行するブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の割合を減少させることができる。本発明による処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の回復時間を、5LSの「なし」へと改善することができる。5LSは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度を報告するために使用されることができ、例えば発作を「なし」、「軽度」、「中等度」、「重度」又は「非常に重度」として報告するために使用されることができる、当該技術分野において公知の尺度である(例えばAllergy Asthma Proc.2018年1月1日;39巻(1号):74~80頁 doi:10.2500/aap.2018.39.4095を参照されたい)。
本発明による処置は、7ポイントの移行質問(7TQ)で「悪化」又は「非常に悪化」と等級付けされたブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の割合を減少させることができる。本発明による処置は、「好転」又は「非常に好転」と等級付けされたブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の割合を増大させることができる。7TQは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の進行をスコア付けするため、及び発作を「非常に好転」、「好転」、「わずかに好転」、「変化なし」、「わずかに悪化」、「悪化」又は「非常に悪化」として報告するために使用されることができる、当該技術分野において公知の指標である。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために、単一投薬量の式Aの化合物を投与されることができる。本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の他の実施形態では、患者は、急性ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために、複数回投薬量の式Aの化合物を投与されることができる。例えば、オンデマンド処置は、2回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。代わりに、オンデマンド処置は、3回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。代わりに、オンデマンド処置は、4回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。複数回投薬量が服用されるとき、投薬量は、各投薬量の間におよそ等しい期間が存在するように、等間隔であることができ、例えばその後の投薬量を、第1の投薬量に続けて8時間、16時間及び24時間に服用することができる。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができる。これらの2つの投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。一部の実施形態では、2つの投薬量は、1日内の任意の時間に投与されることができ、2つの投薬量の間の間隔は患者及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度に特異的である。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約2時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約1~2時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約1~約4時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約1~3時間、約2~3時間又は3時間~約4時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間に又は約6時間で)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約2~約6時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約3~約6時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約8時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約12時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約8~約12時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約16時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約12~約16時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約20時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約16~約20時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約24時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約20~約24時間に)投与されることができる。これらの実施形態では、2つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかでは、患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に投与されることができる。患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約5~約7時間後に投与されることができる。より具体的には、患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約6時間後に投与されることができる。これらの実施形態では、2つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。これらの600mgの投薬量の各々は、300mgの式Aの化合物を含む2つの錠剤であることができる。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができる。これらの3つの投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。一部の実施形態では、3つの投薬量は、1日内の任意の時間に投与されることができ、3つの投薬量の間の間隔は、患者及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度に特異的である。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約4時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約1~3時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約3~約4時間に投与されることができる。第2の投薬量は、第1の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間又は約6時間で)投与されることができ、第3の投薬量は、第2の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第2の投薬量に続けて約4~約8時間又は約6時間で)投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約2時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約4時間で投与されることができる。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約8時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量の約3~5時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約7~約8時間に投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約4時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約8時間で投与されることができる。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約16時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量の約7~9時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約15~約16時間に投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約8時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約16時間で投与されることができる。これらの実施形態では、3つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかでは、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2及び第3の投薬量は、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に投与されることができる。患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約5~約7時間後に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量の約11~約13時間後に投与されることができる。より具体的には、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約6時間後に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量の約12時間後に投与されることができる。これらの実施形態では、3つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。これらの600mgの投薬量の各々は、300mgの式Aの化合物を含む2つの錠剤であることができる。
複数回投薬量は、例えばブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第1の投薬量の投与後に持続する場合に、投与されることができる。この文脈で使用されるとき、「持続する」は、例えば、第1の投薬量がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が増大するのを予防しないこと、又は第1の投薬量がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)全体を停止させないこと、又は第1の投薬量がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度を減少させないことを意味することができる。したがって、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、第1の投薬量を投与すること、及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第1の投薬量の投与後に持続する場合、次に第2の投薬量を投与することを含むことができる。本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、第1の投薬量を投与すること、及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第1の投薬量の投与後に持続する場合、次に第2の投薬量を投与すること、及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第2の投薬量の投与後に持続する場合、次に第3の投薬量を投与することを含むこともできる。各事例では、その後の各投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。各事例では、その後の各投薬量は、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。各事例では、各投薬量は、例えば300mgを含む2つの錠剤として投与される、600mgの化合物を含むことができる。
具体的には、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第1の投薬量を投与すること、及びブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第1の投薬量の投与後に持続する場合、次に600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第2の投薬量を投与することを含むことができる。第2の投薬量は、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が第2の投薬量の後に持続する場合、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第3の投薬量を投与することを含むことができる。第3の投薬量は、第2の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。
複数回投薬量は、第1の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が減少した(又はさらにその全体が停止した)ように見える場合にさえ、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が再び増大するのを予防するために投与されることができる。例えば、複数回投薬量は、患者の安心のために、例えば患者の不安をやわらげるために、使用されることができる。したがって、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、第1の投薬量を投与すること、及び第1の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が減少した(又はさらにその全体が停止した)ように見える場合にさえ、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が再び増大するのを予防するために、次に第2の投薬量を投与することを含むことができる。第1及び/又は第2の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が減少した(又はさらにその全体が停止した)ように見える場合にさえ、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が再び増大するのを予防するために、第3の投薬量を投与することを含むこともできる。各事例では、その後の各投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。各事例では、その後の各投薬量は、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。各事例では、各投薬量は、例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として投与される、600mgの化合物を含むことができる。
具体的には、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第1の投薬量を投与すること、及び第1の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が減少した(又はさらにその全体が停止した)ように見える場合にさえ、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が再び増大するのを予防するために、次に600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第2の投薬量を投与することを含むことができる。第2の投薬量は、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。第1及び/又は第2の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が減少した(又はさらにその全体が停止した)ように見える場合にさえ、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度が再び増大するのを予防するために、600mgの化合物を(例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第3の投薬量を投与することを含むことができる。第3の投薬量は、第2の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、24時間の期間内に3つを超える投薬量(例えば、600mgの化合物を、任意選択的に各々が300mgの化合物を含む6つの錠剤として含む、3つの投薬量)を投与しないことを含むことができる。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置
本発明の一態様により、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させるために式Aの化合物がオンデマンドで経口投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
よって、本発明の一態様は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の処置における使用のための式Aの化合物であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させるためにオンデマンドで経口投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、式Aの化合物を提供する。
一部の実施形態では、式Aの化合物は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を予防するために投与されることができる。上述のように、好ましくは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫はHAEである。
上記で議論されたように、本発明による処置は、予防的治療を提供するために式Aの化合物の定期的な間隔での投与を必要としない。実際、一部の実施形態では、式Aの化合物は、オンデマンドで投与されることができる。例えば、式Aの化合物は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が誘発(又は誘起)されると予測されるとき、すなわち患者がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を患うと予測されるときに、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を減少させるため、例えばブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を予防するために、オンデマンドで投与されることができる。一部の実施形態では、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が誘発(又は誘起)されると予測することができる。一部の実施形態では、医療従事者、例えばブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の知識を有する医療従事者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が誘発(又は誘起)されると予測することができる。一部の実施形態では、患者の介護者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が誘発(又は誘起)されると予測することができる。例えば、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)は、様々な刺激、例えば身体的外傷(例えば、内科、歯科又は外科の処置)及び/又はストレス(例えば高いストレス状況、例えば一部の事例では試験を受けることに伴い得る精神的ストレス、又は内科、歯科若しくは外科の処置に伴う精神的ストレス)により誘発(又は誘起)されることがある。例えば、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)は、患者がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を有すると予測するであろうときに、患者のストレス/不安レベルの上昇により誘発(又は誘起)されることがある。加えて、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)事例の頻度は、同じ患者において時間の経過とともに変動することがある。患者は、多くの場合、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の事例の頻度が通常よりも大きい期間患うことがある。そのため、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)は、患者が通常と比較してより頻度の高いブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の事例を患う期間中に予測されることがある。ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)に精通している者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)がこのようにして誘発(又は誘起)されることがあることを認識する。患者、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の知識を有する医療従事者及び患者の介護者も、そのような誘因の予測に鋭敏であることができる。よって、本発明によると、処置は、患者がこれらの刺激又は状況の1つ以上を受けると予測されるときに、オンデマンドで投与されることができる。
上記で議論されたように、患者は、式Aの化合物をブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置の一部として投与されることができる。上記で議論されたように、この処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を減少させる。しかし、一部の状況では、患者はブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)をなお患うことがある。よって、本発明の一実施形態は、上記で議論されたように、患者は、式Aの化合物をブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置の一部として投与されることができるということであり、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が起こった場合に処置するために、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、式Aの化合物のオンデマンドの投薬量を服用することをさらに含む。これらのブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、上記で議論されている。
よって、一部の実施形態では、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させるために式Aの化合物がオンデマンドで経口投与され、急性HAE発作の症状が認識された際に、式Aの化合物をオンデマンドで経口投与することをさらに含み、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために単一投薬量の式Aの化合物を投与されることができる。本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置のいずれかの一部の他の実施形態では、患者は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を処置するために複数回投薬量の式Aの化合物を投与されることができる。例えば、オンデマンド処置は、2回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。代わりに、オンデマンド処置は、3回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。代わりに、オンデマンド処置は、4回の投薬量の式Aの化合物を、第1の投薬量の服用の時間から開始する24時間の期間内に投与することを含むことができる。複数回投薬量が服用されるとき、投薬量は、各投薬量の間におよそ等しい期間が存在するように、等間隔であることができ、例えばその後の投薬量を、最初の投薬量に続けて8時間、16時間及び24時間に服用することができる。
本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、1日当たり2つの投薬量を投与されることができる。これらの2つの投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。一部の実施形態では、2つの投薬量は、1日内の任意の時間に投与されることができ、2つの投薬量の間の間隔は患者特異的である。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約2時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約1~2時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約1~約4時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約1~3時間、約2~3時間又は3時間~約4時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間に又は約6時間で)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約2~約6時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約3~約6時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約8時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約12時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約8~約12時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約16時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約12~約16時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約20時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約16~約20時間に)投与されることができる。一部の実施形態では、第2の投薬量は、第1の投薬量の約24時間以内に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約20~約24時間に)投与されることができる。これらの実施形態では、2つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。
本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置のいずれかでは、患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に投与されることができる。患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約5~約7時間後に投与されることができる。より具体的には、患者は、1日投薬量を1日当たり2つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約6時間後に投与されることができる。これらの実施形態では、2つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。これらの600mgの投薬量の各々は、300mgの式Aの化合物を含む2つの錠剤であることができる。
本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置のいずれかの一部の実施形態では、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができる。これらの3つの投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。一部の実施形態では、3つの投薬量は、1日内の任意の時間に投与されることができ、3つの投薬量の間の間隔は患者特異的である。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約4時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約1~3時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約3~約4時間に投与されることができる。第2の投薬量は、第1の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第1の投薬量に続けて約4~約8時間に又は約6時間で)投与されることができ、第3の投薬量は、第2の投薬量の約4~約12時間に(より具体的には、第2の投薬量に続けて約4~約8時間に又は約6時間で)投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約2時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約4時間で投与されることができる。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約8時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量の約3~5時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約7~約8時間に投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約4時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約8時間で投与されることができる。一部の実施形態では、第2及び第3の投薬量は、両方とも、第1の投薬量の約16時間以内に投与されることができる。より具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量の約7~9時間に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約15~約16時間に投与されることができる。なおより具体的には、第2の投薬量は、第1の投薬量に続けて約8時間で投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量に続けて約16時間で投与されることができる。これらの実施形態では、3つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。
本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置のいずれかでは、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2及び第3の投薬量は、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に投与されることができる。患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約5~約7時間後に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量の約11~約13時間後に投与されることができる。より具体的には、患者は、1日投薬量を1日当たり3つの投薬量で投与されることができ、第2の投薬量は、第1の投薬量の約6時間後に投与されることができ、第3の投薬量は、第1の投薬量の約12時間後に投与されることができる。これらの実施形態では、3つの投薬量の各々は、600mgの式Aの化合物であることができる。これらの600mgの投薬量の各々は、300mgの式Aの化合物を含む2つの錠剤であることができる。
複数回投薬量は、上記で議論されたように、例えば、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、例えば患者がブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が誘発されるであろうと予測し続ける場合、投与されることができる。したがって、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、第1の投薬量を投与すること、及び第1の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、次に第2の投薬量を投与することを含むことができる。本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、第1の投薬量を投与すること、及び第1の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、次に第2の投薬量を投与すること、及び第2の投薬量の投与後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、次に第3の投薬量を投与することを含むこともできる。各事例では、その後の各投薬量は、同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。各事例では、その後の各投薬量は、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。各事例では、各投薬量は、例えば300mgの化合物を含む2つの錠剤として投与される、600mgの化合物を含むことができる。
具体的には、本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置は、600mgの化合物を(例えば各々が300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第1の投薬量を投与すること、及び第1の投薬量の投与後に急性HAE発作の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、次に600mgの化合物を(例えば各々が300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第2の投薬量を投与することを含むことができる。第2の投薬量は、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。第2の投薬量後にブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させる継続的な必要性が存在する場合、本発明のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、600mgの化合物を(例えば各々が300mgの化合物を含む2つの錠剤として)含む第3の投薬量を投与することを含むことができる。第3の投薬量は、第2の投薬量の少なくとも約6時間後に(例えば約6時間で)投与されることができる。
本明細書において記載されているブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド予防処置は、24時間の期間内に3つを超える投薬量(例えば、600mgの化合物を、任意選択的に各々が300mgの化合物を含む6つの錠剤として含む、3つの投薬量)を投与しないことを含むことができる。
ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK AEnH、好ましくはHAE)の継続的かつ定期的な予防処置
本発明の一態様により、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させるために式Aの化合物が経口投与され、式Aの化合物が定期的に患者に投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
よって、本発明の一態様は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の処置における使用のための式Aの化合物であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を減少させるために経口投与され、定期的に患者に投与され、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、式Aの化合物を提供する。
「定期的に投与される」という用語は、有効な処置を提供するために、式Aの化合物を、継続的に定期的な間隔(例えば、週1回、週2回等)で投与することを意味すると意図される。医療専門家は、定期的な(又は継続的な)投与が意味すると意図されるものを容易に理解するであろう。
一部の実施形態では、式Aの化合物は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を予防するために投与されることができる。
一部の実施形態では、式Aの化合物は、1日1回経口投与されることができる。別の実施形態では、式Aの化合物は、1日2回投与されることができる。別の実施形態では、式Aの化合物は、1日3回投与されることができる。別の実施形態では、式Aの化合物は、隔日投与されることができる。
上記で議論されたように、患者は、式Aの化合物を、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の継続的かつ定期的な予防処置の一部として投与されることができる。上記で議論されたように、この処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を減少させる。しかし、一部の状況では、患者はブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)をなお患うことがある。よって、本発明の一実施形態は、上記で議論されたように、患者は、式Aの化合物を、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の継続的かつ定期的な予防処置の一部として投与されることができるということであり、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が起こった場合に処置するために、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、式Aの化合物のオンデマンドの投薬量を服用することをさらに含む。これらのブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)のオンデマンド処置は、上記で議論されている。
よって、一部の実施形態では、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物を経口投与することを含み、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の可能性を予防的に減少させるために式Aの化合物が経口投与され、式Aの化合物が定期的に患者に投与され、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の症状が認識された際に、式Aの化合物をオンデマンドで経口投与することをさらに含み、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与される、方法が提供される。
BK-AEnH
上述のように、ブラジキニン媒介性血管性浮腫は、BK-AEnHであり得る。
BK-AEnHがジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫である場合、BK-AEnHは、ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビターの抗糖尿病薬としての使用により誘発されることがある。BK-AEnHは、シタグリプチン、メトホルミン、サキサグリプチン、リナグリプチン、エンパグリフロジン、アログリプチン又はピオグリタゾンによるジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性であり得る。
BK-AEnHがaceインヒビター誘発性血管性浮腫である場合、BK-AEnHは、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル又はトランドラプリルによるaceインヒビター誘発性であり得る。
BK-AEnHがtPA誘発性血管性浮腫である場合、BK-AEnHは、組織プラスミノゲン活性因子を使用する血栓溶解療法により誘発されることがある。患者は、例えば、急性脳卒中、例えば虚血性脳卒中を処置するために、組織プラスミノゲン活性因子を使用する血栓溶解療法を受けていることがある。
BK-AEnHが正常なC1インヒビターを伴う非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh)であり、薬物誘発性(すなわち、薬物誘発性AE-nC1 Inh)である場合、BK-AEnHは、非ステロイド性抗炎症剤、β-ラクタム系抗生物質及び非β-ラクタム系抗生物質の少なくとも1つによる薬物誘発性であり得る。非ステロイド性抗炎症剤は、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサレート、スリンダク及びトルメチンの少なくとも1つであることができる。
BK-AEnHが正常なC1インヒビターを伴う非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh)であり、薬物誘発性(すなわち、薬物誘発性AE-nC1 Inh)である場合、BK-AEnHは、アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)により誘発されることがある。例えば、BK-AEnHは、アジルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタン又はバルサルタンにより誘発されることがある。
BK-AEnHが薬物誘発性AE-nC1 Inhである場合、BK-AEnHは、ベータ遮断薬による薬物誘発性であり得る。
BK-AEnHが正常なC1インヒビターを伴う非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh)であり、ホルモン誘発性である場合、AE-nC1 Inhは、ホルモン避妊薬によるホルモン誘発性であり得る。一部の実施形態では、AE-nC1 Inhは、エストロゲンによるホルモン誘発性であり得る。例えば、患者は女性であり、例えば避妊薬としてエストロゲンを服用していることがある。
投与
本明細書において記載されている本発明の処置のいずれかでは、式Aの化合物は治療有効量で経口投与される。
一部の実施形態では、式Aの化合物は、1日当たり約5mg~約2000mgの間の1日投薬量で投与されることができる。「1日投薬量」は、1日に投与される総量を意味する。より具体的には、式Aの化合物は、1日当たり、約100mg~約1500mg、約300mg~約1800mg、約100mg~約1400mg、約200mg~約1200mg、約300mg~約1200mg、約600mg~約1200mg、約450mg~約900mg、約500mg~約1000mg、約450mg~約600mg、約500mg~約700mg(より具体的には600mg)、約800mg~約1000mg、約900mg~約1400mg(より具体的には1200mg)又は約900mg~約1200mgの間の1日投薬量で投与されることができる。特定の一実施形態では、1日投薬量は300mgである。別の特定の実施形態では、1日投薬量は600mgである。別の特定の実施形態では、1日投薬量は900mgである。別の特定の実施形態では、1日投薬量は1200mgである。別の特定の実施形態では、1日投薬量は1800mgである。
1日投薬量は、1つの単一投薬量として投与されることができ、又は1日の間の周期的な投与のための複数回投薬量に細分されることができる。同様に、各投薬量は、単一剤形として投与されることができ、又は複数の剤形に細分されることができる。例えば、1200mgの1日投薬量は、2つに細分された600mgの投薬量として投与されることができ、これらの細分された投薬量の各々は、2つの細分された300mgの剤形として投与されることができる。複数回投薬量及び複数の剤形が使用される場合、これらは同時に、別々に又は逐次的に投与されることができる。
一部の実施形態では、式Aの化合物を含む各単一の単位剤形は、約5mg~約1000mg、約50mg~約800mg、約100mg~約700mg、約200mg~約700mg、約300mg~約700mg又は約500mg~約700mgの間の式Aの化合物を含む。一部の実施形態では、式Aの化合物を含む各単一の単位剤形は、約5mg、約10mg、約20mg、約25mg、約40mg、約80mg、約160mg、約200mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg又は約600mgを含む。
患者に投与される各投薬量は、300mgの化合物を含む2つの錠剤に細分され得る600mgの化合物を含むことができる。
代わりに、各投薬量は、300mgの化合物を含む1つの錠剤であり得る300mgの化合物を含むことができる。
特定の一実施形態では、患者は、1つの投薬量として投与される600mgの1日投薬量を投与される。
別の特定の実施形態では、患者は、特に第2の投薬量が第1の投薬量の2~6時間、好ましくは第1の投薬量の約3~6時間に投与されるときに、2つの投薬量として投与される1200mgの1日投薬量を投与される。
別の特定の実施形態では、患者は、特に第2の投薬量が第1の投薬量の2~8時間(例えば、約2時間、約4時間、約6時間又は約8時間)に投与され、第3の投薬量が第1の投薬量の約4~16時間(例えば約4時間、約6時間、約8時間、約12時間又は約16時間)に投与されるときに、3つの投薬量として投与される1800mgの1日投薬量を投与される。
本発明の処置は、経口投与を伴う。本発明の処置のいずれかでは、式Aの化合物は、式Aの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む経口用剤形として投与されることができる。経口用剤形は、錠剤又はカプセル剤の形態であることができる。一実施形態では、経口用剤形は錠剤である。別の実施形態では、経口用剤形はカプセル剤である。
本発明の処置は、24時間の期間内に3つを超える投薬量を投与しないことを含むことができる。具体的には、各投薬量が600mgの化合物を含む場合、このことは、本発明の処置が、24時間の期間内に1800mgを超える化合物を投与しないことを含むことができることを意味する。600mgの化合物を含む各投薬量が300mgの化合物を含む2つの投薬量(例えば錠剤)に細分される場合、本発明の処置は、24時間の期間内に各々が300mgの化合物を含む6つ以下の投薬量を投与することを含むことができ、各投薬量は錠剤であることができる。
上記のように、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、咀嚼錠若しくは軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤及び口内分散性錠剤又は口内分散性フィルムから選択される経口用剤形として投与される。
本発明の処置において使用される経口用剤形は、口内分散性錠剤、口内分散性フィルム、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、液剤及び咀嚼錠又は軟質ゲルから選択されることができ、これらは投与が飲料(例えば水)のない場合に行われると予測されるときに有用であり得る。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、分散性錠剤又は口内分散性錠剤として投与されることができ、これは特に2才~18才未満の間、より具体的には2才~12才未満の間の患者に好適である。
分散性錠剤は、投与前に、水(又は別の飲料)中に均一に分散又は溶解されることが意図される。本発明の処置では、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、分散性錠剤(例えば分散小型錠剤)として投与されることができ、患者は2才~18才未満の間である。より具体的には、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、分散性錠剤として投与されることができ、患者は2才~12才未満の間である。
口内分散性錠剤(例えば口内分散性小型錠剤)は、口腔中に直接置かれることを意図され、これらは唾液中で急速に崩壊する。口内分散性錠剤は、したがって、患者又は彼らの保護者/介護者が、飲込みを助ける又は剤形を飲用に再構成するいずれかのための一杯の水を見つける必要なしに、処置を投与することを可能とすることができる。口内分散性錠剤(例えば口内分散性小型錠剤)は、特に患者が通常の錠剤を飲み込むことが困難であり得るとき、例えばブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)が喉頭部の発作である場合;患者が錠剤を飲み込むことが困難である高齢患者(例えば70才を超える患者)である場合、又は患者が2才~18才未満の間、より具体的には2才~12才未満の間の若年患者である場合に、本発明の処置において特に好ましい。口内分散性錠剤(及び実際は口内分散性フィルム)は、投与が飲料(例えば水)のない場合に行われると予測されるときに有用である。
よって、本発明の処置では、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤(例えば口内分散性小型錠剤)として投与されることができる。より具体的には、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤(例えば口内分散性小型錠剤)として投与されることができ、患者は2才~18才未満の間、より具体的には、2才~12才未満の間である。代わりに又は加えて、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤(例えば口内分散性小型錠剤)として投与されることができ、患者は喉頭部の発作を患っている。
代わりに、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤として投与されることができ、患者は錠剤を飲み込むことが困難である高齢患者(例えば70才を超える患者)である。代わりに又は加えて、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤として投与されることができ、患者は喉頭部の発作を患っている。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤又は分散性錠剤(好ましくは口内分散性錠剤)として投与されるとき、崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができる。ここで使用される場合、崩壊の仕様は、USP<701>及びPh Eur 2.9.1中の標準手順(脱イオン水中で測定)に従って得られる。より具体的には、崩壊の仕様は、約5分未満で80%超であることができる。より具体的には、崩壊の仕様は、約2分未満で80%超であることができる。より具体的には及び好ましくは、崩壊の仕様は、約1分未満で80%超であることができる。
加えて又は代わりに、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤又は分散性錠剤(好ましくは口内分散性錠剤)として投与されるとき、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。本明細書で使用される場合、溶出の仕様は、以下に概説する方法により決定されることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。
具体的には、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤又は分散性錠剤(好ましくは口内分散性錠剤)として投与されるとき、崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約5分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約5分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約2分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約2分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。崩壊の仕様は、約1分未満で80%超であることができ、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。
咀嚼錠又は軟質ゲルは、飲み込まれる前に咀嚼されることが意図される。式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、咀嚼錠又は軟質ゲルとして投与されることができる。式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、咀嚼錠として投与されることができる。式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、咀嚼軟質ゲルとして投与されることができる。咀嚼錠又は軟質ゲルとして投与されるとき、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。溶出の仕様は、以下に概説される方法により決定されることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、小型錠剤として投与されることができる。小型錠剤は、2~3mmの範囲の直径を有することができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、散剤として投与されることができる。散剤として投与されるとき、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。溶出の仕様は、以下に概説される方法により決定されることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。加えて又は代わりに、崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができる。より具体的には、崩壊の仕様は、約5分未満で80%超であることができる。より具体的には、崩壊の仕様は、約2分未満で80%超であることができる。より具体的には及び好ましくは、崩壊の仕様は、約1分未満で80%超であることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、粒剤として投与されることができる。粒剤として投与されるとき、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。溶出の仕様は、以下に概説される方法により決定されることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。加えて又は代わりに、崩壊の仕様は、約10分未満で80%超であることができる。より具体的には、崩壊の仕様は、約5分未満で80%超であることができる。より具体的には、崩壊の仕様は、約2分未満で80%超であることができる。より具体的には及び好ましくは、崩壊の仕様は、約1分未満で80%超であることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、液剤として投与されることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、乳剤として投与されることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、懸濁剤として投与されることができる。懸濁剤として投与されるとき、溶出の仕様は、約45分未満で80%以上であることができる。溶出の仕様は、以下に概説される方法により決定されることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約30分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約20分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約10分未満で80%以上であることができる。より具体的には、溶出の仕様は、約5分未満で80%以上であることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、シロップ剤として投与されることができる。
経口用剤形は、希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤のうちの1つ以上を含むことができる。特に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、口内分散性錠剤、分散性錠剤又は咀嚼錠若しくは軟質ゲルとして投与されることができ、希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤のうちの1つ以上を含むことができる。
式Aの化合物は、総剤形の約10~約70wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約20~約60wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約30~約70wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約20~約50wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約20~約40wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約30~約40wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約40~約70wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約50~約70wt%の間で剤形中に存在することができる。式Aの化合物は、総剤形の約50~約60wt%の間で剤形中に存在することができる。
希釈剤は、ラクトース(例えばラクトース一水和物、噴霧乾燥されたラクトース、無水ラクトース)、ソルビトール、マンニトール、スクロース、デンプン及びアルファ化デンプン、セルロース(例えば粉末状セルロース、微結晶性セルロース、例えばAvicel PH101、Avicel PH102)、リン酸カルシウム(例えば無水第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム)、クエン酸三カルシウム並びにそれらの混合物から選択されることができる。
希釈剤は、総剤形の約20~約80wt%の間で存在することができる。希釈剤は、総剤形の約30~約80wt%の間で存在することができる。希釈剤は、総剤形の約40~約80wt%の間で存在することができる。希釈剤は、総剤形の約40~約70wt%の間で存在することができる。希釈剤は、総剤形の約50~約70wt%の間で存在することができる。希釈剤は、総剤形の約60~約80wt%の間で存在することができる。
崩壊剤は、多糖類(例えばデンプン、デンプン1500、アルギン酸及び塩、グアーガム、大豆多糖類)、様々なグレードの微結晶性セルロース(例えばAvicel PH101、Avicel PH102)、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、架橋セルロース(例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標))、合成ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン(例えばクロスポビドン、Crosspovidon M(登録商標)、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、無機化合物(例えばケイ酸カルシウム)、デンプングリコール酸ナトリウム並びにそれらの混合物から選択される。より具体的には、崩壊剤は、デンプンUSP、デンプン1500、微結晶性セルロース(又はその様々なグレード、例えばAvicel PH101、Avicel PH102)、セルロース誘導体(例えば.メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、グアーガム、アルギン酸及び塩、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch gylcolate)、架橋セルロース(例えばクロスカルメロースナトリウム、例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標)の名の下で売買されているもの)、架橋ポリビニルピロリドン(例えばクロスポビドン、Crosspovidon M(登録商標)、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、大豆多糖類、ケイ酸カルシウム、pearlitol Flash(共処理されたマンニトール/トウモロコシデンプン)並びにそれらの混合物であることができる。
崩壊剤は、総剤形の約1~約50wt%の間で存在することができる。崩壊剤は、総剤形の約2~約45wt%の間で存在することができる。崩壊剤は、総剤形の約3~約30wt%の間で存在することができる。崩壊剤は、総剤形の約3~約20wt%の間で存在することができる。崩壊剤は、総剤形の約3~約15wt%の間で存在することができる。崩壊剤は、総剤形の約5~約15wt%の間で存在することができる。
結合剤は、糖類(例えばグルコース、スクロース、フルクトース、デキストロース、ラクトース)、糖アルコール(例えばマンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール)、多糖類(例えば結晶セルロース、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、トウモロコシデンプン(corn starch)、デンプン1500、アカシア、他の天然ポリマー(例えばゼラチン)、合成ポリマー(例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン))、ポリエチレングリコール(polyethylene gylcol)、架橋アクリル酸及びアクリル酸コポリマー(例えばCarbopol(登録商標))、無機化合物(例えば炭酸カルシウム)並びにそれらの混合物から選択されることができる。より具体的には、結合剤は、グルコース、ラクトース、トウモロコシデンプン(corn starch)、デンプン1500、ゼラチン、アカシア、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン並びにそれらの混合物から選択されることができる。
結合剤は、総剤形の約20~約50wt%の間で存在することができる。結合剤は、総剤形の約30~約50wt%の間で存在することができる。結合剤は、総剤形の約35~約50wt%の間で存在することができる。
滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水添植物油、鉱物油、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ラウリル硫酸、タルク、パラフィン、ステアリルフマル酸ナトリウム及びそれらの混合物から選択されることができる。
滑沢剤は、総剤形の約0.1~15wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約0.1~10wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約0.5~10wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約1~10wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約2~8wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約3~8wt%の間で存在することができる。滑沢剤は、総剤形の約4~6wt%の間で存在することができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、希釈剤としての微結晶性セルロース;結合剤としてのマンニトール;ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸から選択される滑沢剤;並びにポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム及び架橋セルロース(例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標)、特にCrosscarmellose(登録商標))から選択される崩壊剤のうちの1つ以上を含むことができる。
より具体的には、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、希釈剤としての微結晶性セルロース;結合剤としてのマンニトール;ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸から選択される滑沢剤;並びにポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム及び架橋セルロース(例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標)、特にCrosscarmellose(登録商標))から選択される崩壊剤の2つ以上を含むことができる。
より具体的には、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、希釈剤としての微結晶性セルロース;結合剤としてのマンニトール;ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸から選択される滑沢剤;並びにポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム及び架橋セルロース(例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標)、特にCrosscarmellose(登録商標))から選択される崩壊剤の3つ以上を含むことができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、希釈剤としての微結晶性セルロース;結合剤としてのマンニトール;ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸から選択される滑沢剤;並びにポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム及び架橋セルロース(例えばCrosscarmellose(登録商標)、Ac-Di-Sol(登録商標)、Nymce ZSX(登録商標)、Primellose(登録商標)、Solutab(登録商標)、Vivasol(登録商標)、特にCrosscarmellose(登録商標))から選択される崩壊剤を含むことができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カンファー、サッカリンナトリウム及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含むことができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与されるとき、口内分散性錠剤は、pearlitol Flash(共処理されたマンニトール/トウモロコシデンプン)、スクラロース及びステアリルフマル酸ナトリウムのうちの1つ以上を含むことができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が咀嚼錠として投与されるとき、咀嚼錠は、マンニトール、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、イチゴ香味料、スクラロース及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含むことができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が小型錠剤として投与されるとき、小型錠剤は、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含むことができる。小型錠剤は、PVA/酸化チタン、PEG、タルクベースコーティングでコーティングされることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)がコーティングされた粒剤として投与されるとき、コーティングされた粒剤は、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含むことができる。粒剤は、PVA/酸化チタン、PEG、タルクベースコーティングでコーティングされることができる。
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が経口懸濁剤として投与されるとき、経口懸濁剤は、ソルビトール溶剤(70%)、グリセロール、分散性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、メチルヒドロキシベンゾエート、安息香酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、エタノール及びバニラ香味料のうちの1つ以上を含むことができる。
本明細書において記載されている経口用剤形のいずれかは、甘味料、例えばスクラロース、キシリトール、フルクトース、スクロース及びサッカリンナトリウム(並びにそれらの混合物)から選択される甘味料も含むことができる。
本明細書において記載されている経口用剤形のいずれかは、香味料、例えばイチゴ香味料、ラズベリー香味料、サクランボ香味料及びバニラ香味料(並びにそれらの混合物)から選択される香味料も含むことができる。
本明細書において記載されている経口用剤形のいずれかは、コーティングされることができる(そうすることが適切であるとき)。コーティングは、PVA、酸化チタン、PEG又はタルクベースコーティングのうちの1つ以上を含むことができる。
溶出試験
溶出試験は、以下のプロトコール、USP <711>及びPh Eur 2.9.3に従って実行されることができる。
設備:HPLC-UVを伴う溶出槽
試薬の調製:
試薬:
・水、分析グレード
・アセトニトリル、HPLCグレード
・ギ酸、HPLCグレード
・濃(37%)塩酸(ARグレード)
溶出媒体(10L):
0.1M HCl緩衝液
86mLの濃(37%)塩酸(ARグレード)を移し、9.89Lの分析グレード水に添加し、溶解するまで混合する
試料溶媒
0.1M HCl緩衝液
移動相A(2L)
分析グレード水中の0.05%ギ酸
2Lを調製するために、1mLのギ酸を2Lの分析グレード水に添加し、十分に混合する。10分間超音波処理し、脱気する
移動相B(2L)
アセトニトリル、HPLCグレード中の0.05%ギ酸
2Lを調製するために、1mLのギ酸を2Lのアセトニトリル、HPLCグレードに添加し、十分に混合する。10分間超音波処理し、脱気する
ニードル洗浄(1L)
分析グレード水中の90%アセトニトリル、HPLCグレード
1Lを調製するために、900mLのアセトニトリル、HPLCグレードを、100mLの分析グレード水に添加し、十分に混合する。10分間超音波処理し、脱気する
分析溶液の調製
標準(100μg/mL)の調製
標準は、アンバーガラス中に2連で調製されることができ、5日間、2~8℃で、アンバーガラス中で安定である。
標準(100μg/mL)の調製
・およそ20mg±1mgの式Aの化合物(遊離塩基)を、200mLのメスフラスコ中へと正確に秤量する。
・およそ100mLの試料溶媒を添加し、超音波処理/旋回し、溶解する。
・試料溶媒を用いて、体積まで希釈する。
これが作業標準溶液(100μg/mL)である。
試料(100μg/mL)の調製-表Aに溶出パラメーターを示す。
Figure 2022069377000003
手順
・容器の各々に、1000mLの脱気した溶出媒体を入れ、37℃±0.5℃に平衡化する。
・槽を用意し、カニューレフィルターを取り付ける。
・試験の開始前及び終了時に、各容器の温度を記録する。
・適切な数の剤形を秤量及び記録し、それらを適切な容器中にパドルを避けて落とし入れる。
・特定のパラメーターを使用して溶出試験を開始する。
・特定のサンプリング点で、手動で、各カニューレ及びシリンジを、試料を取り出す直前に2回プライムする。
・0.2μm PVDF又は0.22μm PTFE膜フィルターを通して、容器のフィルターから5mLの試料を取り出し、濾液の最初の1mLを捨てる。
分析
クロマトグラフの詳細-カラム Waters CSH C18、2.1×75mm、1.7μm 0.2μm直列カラムフィルター、詳細は表Bを参照されたい。
Figure 2022069377000004
Figure 2022069377000005
単一のバイアルから複数回の注射、例えば標準Aを取得されることができる。12回以下の試料の注射が、標準の注射の間で実行される。分析を援助するため、シーケンスを一連のより小さな試料のセットとして実行されることができる。この手法がシステムに適用されるとき、適性基準は、全ての試料のセットにわたり適用されなければならない。連続する試料のセットは、器具条件が変更された場合にのみ実行されることができ、例えば新鮮な移動相の導入は、システム適性シーケンスの反復を必要とする。
本発明の処置のさらなる詳細
本明細書において示すように、式Aの化合物は、急速な作用の開始を有する。具体的には、式Aの化合物は、血漿カリクレイン活性の強力なインヒビターであり、接触活性化系の血漿カリクレイン、プレカリクレイン、ファクターXII(FXII)及びファクターXIIa(FXIIa)の間の正のフィードバックループの阻止に非常に有効である。本明細書において提供される薬物動態学的及び薬力学的データは、これらの効果が式Aの化合物の経口投与の後、速やかに示されることを実証する。したがって、本発明の処置は速効性であり、よって、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)をオンデマンドで処置するのに特に好適である。
上記で議論されたように、本発明の処置は、式Aの化合物の濃度が血漿中で少なくとも500ng/mLであるときに、特に有利である。少なくとも500ng/mLの血漿濃度は、少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg)の式Aの化合物の投薬量の投与に続けて観察されることができる。
本発明による処置は、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の機会を予防的に減少させるのに、及び/又は進行中のブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の重症度を下げる(若しくはさらに停止させる)のに特に好適である、HK(高分子量キニノーゲン)切断からの急速な保護を提供する。本明細書において記載されているように、本発明による処置は、持続的な薬力学的効果も有する。ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の処置に関連する式Aの化合物の薬力学的効果には、上記で議論されたように、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)を引き起こすことのあるHK切断からの保護の提供が挙げられる。例えば、式Aの化合物は、少なくとも(i)血漿カリクレインの阻害、(ii)血漿プレカリクレインの切断の減少及び/又は(iii)ファクターXIIからのファクターXIIaの生成の減少による、HK切断からの保護を提供することができる。
一部の実施形態では、本発明による処置は、投薬量後1時間以内に、特に式Aの化合物の投薬量が少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)であるとき、HK(高分子量キニノーゲン)切断からの保護を提供することができる。一部の実施形態では、本発明による処置は、投薬量後45分以内に又は投薬量後30分以内に、HK(高分子量キニノーゲン)切断からの保護を提供することができる。これらの実施形態では、HK(高分子量キニノーゲン)切断からの保護は、未処置の血漿中のHKレベルと、処置された血漿、すなわち式Aの化合物の投薬量を投与され、次にデキストラン硫酸を用いて血漿を活性化しHK切断を誘導する接触系を活性化した、対象からの血漿中のHKレベルとを比較することにより、決定される。処置された血漿中のHKレベルが未処置の血漿中のHKレベルを上回る場合、HKは、活性化した血漿中でHK切断から保護されている。
本発明の一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)であるとき、投薬量後30分以内に血漿カリクレイン活性の少なくとも80%を阻害することができる。本発明の一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)であるとき、投薬量後30分以内に血漿カリクレイン活性の少なくとも90%を阻害することができる。本発明の一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の投薬量が少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)であるとき、投薬量後30分以内に血漿カリクレイン活性の少なくとも95%を阻害することができる。血漿カリクレイン活性の阻害が言及される実施形態では、血漿カリクレイン活性の阻害は、当該技術分野において公知の手順による蛍光発生基質(例えばH-D-Pro-Phe-Arg-AFC;Peptide Protein Research)の時間依存性の加水分解により決定される。これらの実施形態では、血漿カリクレイン活性の阻害は、式Aの化合物の投薬量を服用した対象から得られ、その後HAE状況を模倣するためにデキストラン硫酸を用いて活性化された血漿中で決定される。
本発明の一部の実施形態では、式Aの化合物の治療有効濃度は、投薬量後20分以内に達成されることができる。
本発明の一部の実施形態では、式Aの化合物のTmaxは、投薬量後30分~3時間、好ましくは投薬量後30分~2時間であることができる。
本発明の一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が100mg~200mgの間(好ましくは160mg)であるときに、少なくとも90%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも45分~2時間の期間、阻害することができる。一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が100mg~200mgの間(好ましくは160mg)であるときに、少なくとも90%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも20分~4時間の期間、阻害することができる。一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が300mg~800mgの間(好ましくは600mg)であるときに、少なくとも90%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも30分~10時間の期間、阻害することができる。一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が300mg~800mgの間(好ましくは600mg)であるときに、少なくとも95%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも20分~6時間の期間、阻害することができる。一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が300mg~800mgの間(好ましくは600mg)であるときに、少なくとも99%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも20分~6時間の期間、阻害することができる。再び、これらの実施形態では、血漿カリクレイン活性の阻害は、式Aの化合物の投薬量を服用した対象から得られ、その後HAE状況を模倣するためにデキストラン硫酸を用いて活性化された血漿中で決定される。
一部の実施形態では、特に式Aの化合物の投薬量が300mg~800mgの間(好ましくは600mg)であるときに、ブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えばBK-AEnH、好ましくはHAE)の処置に関連する式Aの化合物の薬力学的効果は、投薬量後少なくとも12時間維持されることができる。一部の実施形態では、処置は、特に式Aの化合物の投薬量が100mg~200mgの間(好ましくは160mg)であるときに、少なくとも50%の血漿カリクレイン活性を、投薬量後少なくとも10時間阻害することができる。これらの実施形態では、薬力学的効果は、少なくとも(i)血漿カリクレインの阻害、(ii)HK切断からの保護/HK切断の減少、(iii)ファクターXIIaを生成するためのファクターXII切断からの保護(若しくは減少)及び/又は(iv)血漿カリクレインを生成するための血漿プレカリクレイン切断からの保護(若しくは減少)を意味する。本発明による処置は、したがって、速効性かつ十分に長い期間にわたり強力(例えば阻害性)であるため、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作(例えばBK-AEnH発作、好ましくはHAE発作)の有利に有効な処置の好適な候補である。
上記で議論されたように、本発明の処置のいずれかでは、式Aの化合物は血漿カリクレインを阻害することができる。
本発明の処置のいずれかでは、特に少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の式Aの化合物の投薬量に続けて、式Aの化合物は、ファクターXIIaを生成するためのファクターXII切断を阻害することができる。本発明の処置のいずれかでは、特に少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の式Aの化合物の投薬量に続けて、式Aの化合物は、血漿カリクレインへの血漿プレカリクレイン切断を阻害することができる。本発明の処置のいずれかでは、特に少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の式Aの化合物の投薬量に続けて、式Aの化合物は、投薬量後最大6時間、接触系活性化の阻害(例えば遮断)をもたらすことができる。一部の実施形態では、少なくとも約60mg(より具体的には、少なくとも約70mg又は約80mg、例えば約80mg~約900mg、約100mg~約800mg、約200mg~約700mg、約300mg~約600mg又は約400mg~約600mg、具体的には600mg)の投薬量が投与される場合、接触系活性化は、投薬量後少なくとも6時間、例えば6時間~12又は18時間、阻害(遮断)されることができる。
図面中、「化合物」という用語は式Aの化合物を意味する。
実施例1で生成される場合の、式Aの化合物の粉末X線回折パターンを示す図である。 デキストラン硫酸(DXS)で活性化された希釈血漿中の、式Aの化合物及びC1インヒビターC1-INHの血漿カリクレイン阻害活性を示すアッセイの結果の図である。 DXSで活性化された非希釈血漿中の、式Aの化合物及びC1インヒビター(C1-INH)の血漿カリクレイン阻害活性を示すアッセイの結果の図である。 DXSで活性化された希釈血漿中の、式Aの化合物及びC1-INHの血漿カリクレイン阻害活性を比較するアッセイの結果の図である。 活性化前の非希釈ヒト血漿への添加に続けた、式Aの化合物及びC1-INHの阻害活性を比較するアッセイの結果の図である。データは、n=3の実験の経時的な全蛍光(蛍光ユニット)平均±SEMとして表される。 8回の単一漸増用量コホートからの絶食した対象における、投与後0~24時間の式Aの化合物の血漿濃度を示すアッセイ(生物分析)の結果の図である。 図4Aに示すアッセイ(生物分析)の結果から決定されたCmax値の表である。 コホート6~8(160mg、300mg及び600mg)についての、DXSで活性化された非希釈血漿中の血漿カリクレイン活性を示すアッセイの結果の図である。 コホート8(600mgの用量)からの対象における非希釈血漿中の平均血漿カリクレイン活性及び式Aの化合物の平均血漿濃度を示すアッセイの結果の図である。 600mgの用量の式Aの化合物を投与された対象のDXSで活性化された非希釈血漿中の、接触系活性化中の触媒活性における遅延時間を示す、平均蛍光動力学測定値を示すアッセイの結果の図である。 触媒活性化に続けた0~5分の間の、図6Aの拡大図である。 コホート6~8(160mg、300mg及び600mg)についての、DXSで活性化された非希釈血漿中の、投薬後の選択された際のHK保護の平均パーセントを示すアッセイの結果及び代表的な免疫ブロットデータのWESゲル画像の図である。 コホート8(600mg)における投薬後の選択された際の、DXSで活性化されたHK切断に対する式Aの化合物の効果を示すアッセイの結果及び代表的な免疫ブロットデータのWESゲル画像の図である。 コホート8(600mg)における投薬後の選択された際の、DXSで活性化された血漿プレカリクレイン(PPK)切断に対する式Aの化合物の効果を示すアッセイの結果及び代表的な免疫ブロットデータのWESゲル画像の図である。 コホート8(600mg)における投薬後の選択された際の、FXIIaのDXSで活性化された生成に対する式Aの化合物の効果を示すアッセイの結果及び代表的な免疫ブロットデータのWESゲル画像の図である。 コホート8(600mg)における、HK、FXIIa、PPK分析について選択された際の、投与後の様々な段階での式Aの化合物の血漿濃度の効果を示すアッセイ(生物分析)の結果の図である。 DXSで活性化された非希釈血漿中の式Aの化合物の血漿カリクレイン阻害活性に対する有意な食物作用がないことを示す、アッセイの結果の図である。 ウエスタンブロッティングを使用して決定された、HAE全非希釈血漿中のデキストラン硫酸で活性化されたHKの切断の時間経過を示すアッセイの結果及び代表的なブロット画像の図である。 ウエスタンブロッティングを使用して決定された、HAE全非希釈血漿中のデキストラン硫酸で活性化されたHKの切断の時間経過を示すアッセイの結果及び代表的なブロット画像の図である。 デキストラン硫酸で活性化された健康な対照血漿及びHAE血漿中の、全長HKレベルに対する式Aの化合物の用量反応を示すアッセイの結果及び代表的なWESシステムゲル画像の図である。 デキストラン硫酸で活性化された健康な対照血漿及びHAE血漿中の、全長HKレベルに対する式Aの化合物の用量反応を示すアッセイの結果及び代表的なWESシステムゲル画像の図である。 第2相試験からの予備的な薬物動態学的データを示す図である。 健康な志願者からのPKデータの上に重ねた、第2相試験の第1部からのHAE患者のPKプロファイルを示す図である。 化合物を投与された12時間以内に救急薬を使用した患者の累積%を示すグラフである。 化合物を投与された12時間以内に症状が緩和した(7TQ法を使用して評価した場合)患者の累積%を示すグラフである。 化合物についての症状が緩和するまでの時間のデータと、承認された注射可能な製品であるRuconest(登録商標)についての公知の臨床データの比較を示すグラフである。 化合物を投与された12時間以内に症状が緩和した(複合VASスコアを使用して評価された場合)患者の累積%を示すグラフである。 化合物を投与された12時間以内の平均複合VASスコアを示すグラフである。 化合物を用いて処置された患者についての平均複合VASスコアと、承認された注射可能な製品であるFirazyr(登録商標)(有効成分、イカチバント)についての公知の臨床データの比較を示すグラフである。 化合物を投与された12時間以内に悪化しなかった(5LS法を使用して評価された場合)HAE発作の%を示すグラフである。 第1相複数回用量試験における4つのコホートの、経時的な平均血漿濃度を示す図である。 第1相複数回用量試験における4つのコホートの、経時的な平均血漿濃度(片対数目盛)を示す図である。
本明細書において提供されている実施形態は、以下の実施例を参照することによって、より十分に理解されることができる。これらの実施例は、本明細書において提供されている処置の例示であることが意味されるが、決して限定的なものではない。実際、本発明の範囲は、特許請求の範囲により定義される。
ある特定の実施形態の実施例が本明細書において提供されるが、様々な変更及び修正が行われることができることが、当業者に明らかとなる。そのような修正は、添付の特許請求の範囲に属することも意図されている。
全般的な実験の詳細
以下の実施例では、以下の略語及び定義が使用される:
Figure 2022069377000006
特に指定がない限り、全ての反応は窒素雰囲気下で実施された。
H NMRスペクトルは、重水素溶媒に関して及び室温で、Bruker(400MHz)又はJEOL(400MHz)分光計上で記録された。
Chromolith Speedrod RP-18eカラム、50×4.6mmを使用し、13分にわたる0.1% HCOH/MeCNの0.1% HCOH/HOへの10%~90%の直線勾配、流速1.5mL/分で実施した、又は4分にわたるAgilent、X-Select、酸性、5~95% MeCN/水を使用して実施した、LCMSを使用して分子イオンを得た。データを、Thermofinnigan Surveyor LCシステムと合わせてエレクトロスプレーイオン化を伴うThermofinnigan Surveyor MSQ質量分析計を使用して収集した。
代わりに、Agilent Poroshell 120 EC-C18(2.7μm、3.0×50mm)カラムを使用し、水中0.1%v/vギ酸[溶離液A];MeCN[溶離液B];流速0.8mL/分及び試料間の平衡化時間1.5分、下記の勾配で実施したLCMSを使用して、分子イオンを得た。質量検出を、API 2000質量分析計(エレクトロスプレー)を用いて得た。
勾配:
Figure 2022069377000007
生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した場合、「シリカ」は、クロマトグラフィー用の0.035~0.070mm(220~440メッシュ)のシリカゲル(例えばMerckシリカゲル60)を表し、最大10p.s.iの窒素圧を適用し、カラム溶離を加速させた。逆相分取HPLC精製を、Waters 2525バイナリ勾配ポンプシステムを典型的に20mL/分の流速で使用し、Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器を使用して、実施した。
全ての溶媒及び市販の試薬を、そのまま使用した。
化学名を、自動のソフトウェア、例えばMDL Information SystemsからのISIS Drawパッケージの一部として提供されるAutonomソフトウェア又はMarvinSketchの構成要素として若しくはIDBS E-WorkBookの構成要素として提供されるChemaxonソフトウェアを使用して、生成した。
粉末X線回折パターンを、Philips X-Pert MPD回折計上で収集し、特に指定がない限り、以下の実験条件(方法A)を使用して分析した:
管アノード:Cu
発生装置電圧:40kV
管電流:40mA
波長アルファ1:1.5406Å
波長アルファ2:1.5444Å
開始角度[2θ]:4
終了角度[2θ]:40
連続走査
分析中のおよそ2mgの試料を、XRPDゼロバックグラウンドの単一の斜めに切断したシリカ試料ホルダーで穏やかに圧縮した。試料を、次に分析のために回折計中へと装填した。
実施例1-式Aの化合物の調製
A.1-(4-ヒドロキシメチル-ベンジル)-1H-ピリジン-2-オン
4-(クロロメチル)ベンジルアルコール(5.0g、31.93mmol)を、アセトン(150mL)中に溶解した。2-ヒドロキシピリジン(3.64g、38.3mmol)及び炭酸カリウム(13.24g、95.78mmol)を添加し、反応混合物を50℃で3時間撹拌し、その後溶媒を真空下で除去し、残渣をクロロホルム中(100mL)に溶解した。この溶液を、水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、真空中で蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ)、溶離液3% MeOH/97% CHClにより精製し、1-(4-ヒドロキシメチル-ベンジル)-1H-ピリジン-2-オンとして特定された白色の固体を得た(5.30g、24.62mmol、収率77%)。
[M+Na]=238
B.1-(4-クロロメチル-ベンジル)-1H-ピリジン-2-オン
1-(4-ヒドロキシメチル-ベンジル)-1H-ピリジン-2-オン(8.45g、39.3mmol)、乾燥DCM(80mL)及びトリエチルアミン(7.66ml、55.0mmol)を、氷浴中で冷却した。メタンスルホニルクロリド(3.95ml、51.0mmol)を添加し、氷浴中で15分撹拌した。氷浴を除去し、撹拌を室温で終夜続けた。反応混合物を、DCM(100mL)と飽和NHCl水溶液(100mL)との間に分配した。水性層を、さらなるDCM(2×50mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮し、1-(4-クロロメチル-ベンジル)-1H-ピリジン-2-オンを淡黄色の固体として得た(8.65g、36.6mmol、収率93%)。
[MH]=234.1
C.メチル3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート
炭酸カリウム(519mg、3.76mmol)を、メチル3-(メトキシメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(320mg、1.88mmol;CAS番号318496-66-1(WO2012/009009に記載されている方法に従って合成した))及び1-(4-(クロロメチル)ベンジル)ピリジン-2(1H)-オン(527mg、2.26mmol)のDMF(5mL)中溶液に添加し、終夜60℃で加熱した。反応混合物を、EtOAc(50mL)で希釈し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空下で還元させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(40gカラム、イソヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、2種の位置異性体を得た。カラムから離れた第2の異性体を収集し、メチル3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートを、無色のガムとして得た(378mg、1.01mmol、収率53.7%)。
[MH]=368.2
D.3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
THF(5mL)及びMeOH(5mL)中のメチル3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(3.77g、10.26mmol)に、2M NaOH溶液(15.39mL、30.8mmol)を添加し、室温で終夜撹拌した。1M HCl(50mL)を添加し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空下で還元させ、3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸を白色の粉末として得た(1.22g、3.45mmol、収率33.6%)。
[MH]=354.2
E.3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニトリル
大きなマイクロ波バイアルで、シアン化銅(I)(1.304g、14.56mmol)を、2-ブロモ-3-フルオロ-4-メトキシピリジン(1g、4.85mmol)のDMF(5mL)中溶液に添加した。反応バイアルを密封し、16時間100℃に加熱した。反応混合物を、水(20mL)及びEtOAc(20mL)で希釈した。濃厚懸濁液を超音波処理し、沈殿した固体を崩壊させるために、追加の水(40mL)及びEtOAc(2×50mL)を超音波処理に伴い必要とした。合わせた層を、セライトのプラグを通して濾過し、有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、所望の化合物である3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニトリルと特定される薄緑色の固体を得た(100mg、0.578mmol、収率12%)。
F.(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニトリル(100mg、0.578mmol)を無水メタノール(10mL、247mmol)中に溶解し、塩化ニッケル六水和物(14mg、0.058mmol)を添加し、続けて二炭酸ジ-tert-ブチル(255mg、1.157mmol)を添加した。結果として生じた薄緑色の溶液を、氷塩浴中で-5℃に冷却し、次に水素化ホウ素ナトリウム(153mg、4.05mmol)を、反応温度を約0℃に維持しながら少しずつ添加した。黒茶色の溶液を0℃で撹拌放置し、ゆっくりと室温に加温し、次に室温で3時間撹拌放置した。反応混合物を40℃で蒸発乾固し、黒色の残渣を得て、それをDCM(10mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(10mL)で洗浄した。エマルションが形成されたため、有機物を、相分離カートリッジを介して分離し、濃縮した。粗製の液体を、EtOAc/イソヘキサンで溶離するクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物である(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルを、透明な黄色の油状物として得た(108mg、収率62%)。
[MH]=257
G.C-(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メチルアミン塩酸塩
(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(108mg、0.358mmol)をイソプロピルアルコール(1mL)中に溶解し、次に、HCl(イソプロピルアルコール中、6N)(1mL、0.578mmol)を室温で添加し、40℃で2時間撹拌放置した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次にエーテルで粉砕し、超音波処理し、次にデカンテーションし、C-(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メチルアミン塩酸塩として特定される黄味がかった固体を得た(75mg、収率55%)。
[MH]=157
実施例1a-N-[(3-フルオロ-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-3-(メトキシメチル)-1-({4-[(2-オキソピリジン-1-イル)メチル]フェニル}メチル)ピラゾール-4-カルボキサミド(式Aの化合物)
3-(メトキシメチル)-1-(4-((2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(825mg、2.34mmol)及びC-(3-フルオロ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メチルアミン塩酸塩(450mg、2.34mmol)を、0℃に冷却しながらDCM中に溶解した。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(627.0mg、3.27mmol)、HOBt(378.8mg、2.80mmol)及びトリエチルアミン(1.63mL、1182mmol)を、撹拌しながら添加し、混合物を室温に加温し、20時間撹拌を続けた。クロロホルム(50mL)を添加し、混合物を飽和NaHCO(aq)で洗浄し、真空下で還元させた。粗製物を、メタノール/DCMで溶離するクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を真空中で除去し、結果として生じた固体をジエチルエーテルで粉砕した。結果として生じた固体を濾取し、式Aの化合物を得た。
[MH]=492.0
NMR (CD3OD) δ: 3.41 (3H, s), 4.03 (3H, s), 4.65 (2H, s), 4.72 (2H, d, J=2.3Hz), 5.24 (2H, s), 5.37 (2H, s), 6.44 (1H, td, J = 1.4, 6.8Hz), 6.62 (1H, d, J = 9.0Hz), 7.18-7.22 (1H, m), 7.31-7.38 (4H, m), 7.56-7.60 (1H, m), 7.75 (1H, dd, J = 1.9, 7.1Hz), 8.18 (1H, s), 8.27 (1H, d, J = 5.6Hz) ppm.
上記の手順から生じた式Aの化合物のXRPDディフラクトグラムを、図1に示す。
ピーク位置表:
Figure 2022069377000008
実施例2-式Aの化合物を含む剤形の調製
調合及びローラー圧縮
設備:Freund Vector TFC Labマイクロローラー圧縮機及び造粒機(ローラー圧縮機及び造粒機は別々の存在である)。設備のパラメーターは、以下のとおりである:
Figure 2022069377000009
方法
2つの錠剤製剤(錠剤A及びB)を、以下の方法に従って、30gのブレンドスケールで調製し、以下に示す量の構成成分を有する錠剤を製造した。
Figure 2022069377000010
錠剤の各々について、ブレンドを、ガラス容器中、ローラー圧縮機の範囲についての好適なスケールで、Turbulaブレンダーを34rpmで使用して、顆粒内構成成分を355μmの篩いを通過させることにより調製した。ブレンドを、次に、上記のパラメーターを使用して、ローラー圧縮機にかけた。製造されたリボンを、好適なサイズの容器中に収集した。収集したリボンを、次に、1mmのスクリーンを取り付けた造粒機に供し、結果として生じた顆粒を、さらなる下流処理のために収集した。
打錠
設備:RIVA Miniシングルステーション打錠機。設備のパラメーターを以下に示す:
Figure 2022069377000011
顆粒を、その後、これらの顆粒外の賦形剤とそれぞれブレンドした。顆粒外の賦形剤を、ガラス容器中、Turbulaブレンダーを34rpmで使用して、355μmの篩いを通して篩い分けることにより調製した。標的の錠剤重量を、次に分配し、手動で錠剤へと圧縮成形した。錠剤Aを、7.2~8.8kNの圧縮力で圧縮した。錠剤Bを、6.9~7.7kNの圧縮力で圧縮した。
錠剤は、ロバストであることが判明した。錠剤A及びBを、その後、長期の安定性試験に提出した。
上記の方法による錠剤の製造は、およそ60分のローラー圧縮時間を伴う180gに調整した。
実施例3-式Aの化合物とC1インヒビター(C1-INH)との比較
目的:式Aの化合物の、血漿中のカリクレインキニン系の調節におけるその最適な有効性に寄与する生化学的及び生物物理学的特性を特定すること。これらの特性は、次に、HAEの治療の基準としてのC1-INHと比較される。
方法:
インビトロの血漿カリクレイン阻害活性を、標準的な公開されている方法(例えばJohansenら、Int. J. Tiss. Reac.1986年、8巻、185頁;Shoriら、Biochem. Pharmacol.、1992年、43巻、1209頁;Sturzebecherら、Biol. Chem. Hoppe-Seyler、1992年、373巻、1025頁を参照されたい)を使用して、決定した。ヒト血漿カリクレイン(プロトゲン)を、25℃で、蛍光発生基質H-DPro-Phe-Arg-AFC及び様々な濃度の試験化合物とともにインキュベートした。残存酵素活性(最初の反応速度)を、410nmでの吸光度の変化を測定することにより決定し、試験化合物のIC50値を決定した。
酵素-インヒビター複合体(Kon)の形成速度を、蛍光発生基質及び濃度範囲のインヒビターを含有する溶液と急速に混合された精製PKaを使用して決定した。阻害の時間依存性の確立を、次に、各濃度のインヒビターについての酵素-インヒビター複合体の形成速度を計算するために使用した。Konを、阻害速度をインヒビター濃度に対してプロッティングすることにより計算した。表1のデータを、μM-1-1単位で示す。
デキストラン硫酸(DXS、Sigma;10μg/ml)で活性化された血漿(1:4希釈又は非希釈、VisuCon-F対照血漿、Affinity Biologicals Inc)中のPKaの触媒活性を、蛍光発生基質の時間依存性の加水分解により決定した。IC50及び有効性の決定のために、式Aの化合物又はC1-INH(Sigmaカタログ#E0518)を、DXSの血漿中への添加の前(図2A及び2B)又は後(図3A)のいずれかに添加した。
非希釈血漿中のDXSで活性化されたHKの切断を、300nMのPKaインヒビターの不在下又は存在下で実施し、7.5%のCriterion TGXプレキャストゲル(Biorad)を使用したSDS-PAGEゲル電気泳動により定量化した。Immunobilon-FL PVDF膜上へと移動を行った。画像分析を、LICORイメージングシステムを使用して行った。マウスモノクローナル抗HK抗体(MAB15692、R&D systems)を、慣習的な免疫ブロット法のために使用した。データを、非活性化血漿中のHKレベルと比較した、DXSを伴う20分のインキュベーション後に残存したHKの%として示す(表1)。
血漿遊離画分を、「迅速平衡透析」システム(Thermo Scientific)を使用して決定し、試験化合物を5μMでヒト血漿原液中に調製し、リン酸緩衝剤に対して5時間、37℃で透析した。透析デバイスの2つのチャンバーに分配された化合物の定量化を、LCMS/MSを介して実施した。血漿タンバク質に未結合の化合物の画分を、全体の%として示した。
化合物の予備活性化血漿の酵素活性を阻害する能力を、DXS刺激後の化合物の添加により評価した。血漿のアリコート(20μL)を、1,300mmの蛍光発生基質(H-DPro-Phe-Arg-AFC)を含有する2.5μLの溶液及び血漿カリクレイン-キニン経路の活性因子として作用するデキストラン硫酸(DXS;100μg/mL)の2.5μLの溶液と混合した。酵素活性を、16分の基質の切断により基質から遊離した蛍光の蓄積をモニタリングすることにより、直後に測定した。DXS添加の3.5分後、5μlのインヒビター又は水対照を、各ウェル中へと添加した。化合物を、300、1000及び3000nMの濃度で試験した。3000nMの濃度でのC1-INH及びビヒクル対照も含んだ。データを、図3Bに示す。
結果:
図2に示すように、蛍光発生基質を使用したアッセイにおいて、式Aの化合物は、希釈血漿(図2A)中及び非希釈血漿(図2B)中で、それぞれ、外因的に添加されたC1-INHに対して17倍及び20倍の効力を有する、非常に強力なPKaのインヒビターであるようである。
表1は、この実施例において試験された治療法の生化学的プロファイルを示す。
Figure 2022069377000012
図3Aは、2つのインヒビター:式Aの化合物及びC1-INHの、DXSで活性化された血漿(1:4希釈)中の血漿カリクレイン活性に対する効果の比較を示す。両方のインヒビターを、これらのIC50の10倍の濃度で、血漿に、DXSの添加後およそ100秒添加した。
図3Bは、血漿の活性化後の式Aの化合物の添加が、C1-INHのより遅い作用と比較して、酵素活性の急速かつ用量依存的な阻害を引き起こすことを示す。
表2は、上記のインビトロの血漿カリクレインアッセイに関する文献の方法を使用した、式Aの化合物のヒト単離酵素に対する生化学的効力及び選択性を示す。
Figure 2022069377000013
実施例4-健康な男性における第I相単一漸増用量試験及び化合物の食物作用
目的:健康な成人男性における第1相単一漸増用量試験からの試料中の、エクスビボの全血漿アッセイを使用して経口投与されたときの、血漿カリクレイン触媒活性及びHK切断についての式Aの化合物の薬力学的(PD)効果を評価すること。また、目的は、経口投与されたときの式Aの化合物の安全性、忍容性及び薬物動態(PK)効果を調査することであった。
方法:
この試験は、食物作用及びカプセル製剤/錠剤製剤についての、無作為化二重盲検プラセボ対照単一漸増用量(SAD)クロスオーバー試験であった。
64例の健康な男性の参加者(コホート毎にn=6例の実薬、2例のプラセボ、8つのSADコホート)に、単一漸増用量の式Aの化合物:カプセル剤中、5、10、20、40、80、160、300又は600mgを投与した。
カプセル製剤及び錠剤製剤のクロスオーバー試験において、8例の参加者に、100mgの式Aの化合物を投与した。
食物作用のクロスオーバー試験において、12例の参加者に、600mgの式Aの化合物を投与した。
薬物動態学(PK)及びPD評価のための試料を、48時間にわたる反復間隔で得た。
PK評価のために使用される血漿試料を、有効な液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC MS/MS)法を使用して分析した。
PD測定を、デキストラン硫酸(DXS)で刺激された非希釈血漿中、蛍光発生酵素アッセイ及びキャピラリーベースのHK切断イムノアッセイを使用して、決定した。
式Aの化合物の第1相試験からのDXSで刺激された(Sigma;10μg/mL)血漿試料中のPKaの触媒活性を、試験の全ての部分からの全ての試料中の蛍光発生基質の時間依存性の加水分解により決定した。
DXSで刺激された血漿中の検出可能なアミド分解性酵素活性の出現までの時間(遅延時間)を、触媒活性アッセイから計算した。Spark(Tecan)蛍光光度計の使用に基づく血漿中の触媒活性の速度の検出感度は、1ΔF単位/秒に達するまでの蛍光の増大である。
非希釈血漿中のDXSで刺激されたHKの切断を、Wesシステム(ProteinSimple)で、モノクローナル抗HK抗体及び化学発光法ベースの検出を使用して、キャピラリーベースイムノアッセイにより定量化した。非希釈クエン酸化ヒト血漿中の血漿カリクレイン媒介性HK切断を、SAD相からの選択された試料において、DXS(6.25μg/ml)を用いた4℃での接触系活性化により誘導した。
DXSで刺激された血漿プレカリクレイン及びファクターXII(FXII)の切断を、同様に、Wesシステム(ProteinSimple)上で、キャピラリーベースイムノアッセイにより定量化した。
結果:
図4Aは、投与後0~24時間の、式Aの化合物の血漿濃度を示す。示されているように、経口投与されたとき、式Aの化合物は、5mg~600mgで試験された用量の範囲にわたり、急速かつ用量依存的な血漿曝露を達成する。図4Aは、濃度曲線を示し、図4Bは、各SADコホートについてのCmaxを示す。式Aの化合物を、カプセル製剤として投与し、対象を絶食状態にした。
図5Aは、コホート6、7及び8からの試料に対して実施された、活性化された非希釈血漿における酵素アッセイを示す。160mg以上の用量は、コホート6については45分~2時間で、コホート7については20分~4時間で、90%超の平均の血漿カリクレイン触媒活性の阻害を実証した。600mgの用量(コホート8)は、投与後30分~6時間で90%超の血漿カリクレイン触媒活性の阻害、及び10時間にわたる50%超の阻害をもたらした(図5B)。
非希釈血漿酵素アッセイからの動力学的蛍光測定は、アッセイ進行曲線としてプロットすることができる(図6A及び6B)。これらの曲線は、式Aの化合物が、酵素活性に対する阻害効果を有するだけでなく、接触系活性化中の触媒活性の出現までの時間(遅延時間)を増大させることも強調する。用量投与後の早期の時点では、血漿試料は、強力な活性因子であるDXSを用いた持続的活性化後でさえも、検出可能な触媒活性を示さなかった。この試験では、対象に、錠剤製剤中の600mgの用量を投与した。
図7は、DXSで活性化された非希釈血漿(SADコホート6(160mg)、7(300mg)及び8(600mg))における、HK保護の平均パーセントを示す。示されているように、式Aの化合物の全ての3つの用量は、血漿カリクレイン触媒活性を、一定期間90%を超えて阻害することが可能であった。これらのPD効果の持続期間は、用量に比例した。式Aの化合物は、非希釈血漿中、単一の600mgの用量に続けて少なくとも10時間、DXSで活性化された切断からHKを保護することが示されている。
図7では、代表的なWESシステムゲル画像を、600mgの式Aの化合物を投与されたコホート8中の単一の対象からの2連の非希釈血漿試料±DXS活性化において、投与前(P-D)と比較して、生成した。
図7では、HK切断を、非希釈血漿試料のDXS活性化に続けて、コホート6~8からの選択された時点で評価した。データを、平均±SEM、n=6として表した。
式Aの化合物が血漿カリクレイン及びファクターXIIaの生成も減少させるか否かを評価するために、イムノアッセイを使用して、DXSで活性化された血漿中、投与前及びカプセル剤で経口投与された600mgの投与後最大12時間での、接触系タンバク質のレベルを定量化した。これらのアッセイからの結果は、図8~11に示され、式Aの化合物が、HK切断を減少させるだけでなく、PPK切断も減少させ、FXIIaの生成も減少させることを示す。これらの結果は、式Aの化合物が、PKaで刺激されたFXIIの活性化により媒介される正のフィードバックループの阻止を介する接触活性化系を阻害することを示唆する。
図12は、食事供給状態及び絶食状態において提供された600mgの錠剤の薬力学的(PD)プロファイルに対して、有意な食物作用が観察されなかったことを示す。示されているように、PD効果は、食事供給状態及び絶食状態において急速に観察され、90%超の血漿カリクレイン阻害が、両方の状態において30分までに達成された。
重篤な有害事象は、第I相試験において報告されなかった。忍容性シグナルも存在しなかった。試験を中止した対象もいなかった。
これらのデータは、式Aの化合物が、ブラジキニン及び接触活性化系に対する阻害効果を有することを実証する。上記で議論されたように、これらの薬力学的効果は、障害、例えばHAEに関係する。これらのデータは、式Aの化合物が、経口投与に好適である薬物動態プロファイルを有することも示す。
実施例5-HAE及び対照血漿中の、高分子量キニノーゲン(HK)のPKa媒介性切断からの保護における式Aの化合物を調査するイムノアッセイ
方法:
非希釈クエン酸化ヒト血漿中の高分子量キニノーゲン(HK)切断を、湿った氷上でデキストラン硫酸(DXS、Sigma #31395-10G;6.25μg/ml)を用いた接触系活性化により誘導した。プールされた正常(対照)ヒト血漿(VisuCon-F凍結正常対照血漿)を、Affinity Biologicals Inc.から購入した。10mMの式Aの化合物(「化合物」)のDMSO中の作業ストックを調製し、1×PBS中、記載されているそれぞれの最終濃度まで希釈した。HAE血漿を、HAE対象(n=6)から得て、C1インヒビターの欠損をウエスタンブロッティングにより確認した。DXSで刺激された全非希釈血漿中の、PKa媒介性切断からのHKの保護を、次に、慣習的なウエスタンブロッティング及び半自動化キャピラリーベースイムノアッセイの2つの方法により決定した。
ウエスタンブロッティング:SDS-PAGEゲル電気泳動を、7.5% Criterion TGXプレキャストゲル(Bio-rad)を使用して行った。Immobilon-FL PVDF膜上へと移動を行った。画像分析を、LICORイメージングシステムを使用して実施した。マウスモノクローナル抗ヒトHK抗体(MAB15692、R&D systems)を、慣習的な免疫ブロット法のために使用した。
WESシステム(ProteinSimple)上の、キャピラリーベースイムノアッセイ:
試料の調製:1部の5×蛍光マスターミックスを、4部の1:200血漿試料と合わせる。ボルテックスして混合する。試料+蛍光マスターミックス及びビオチン化ラダーを95℃で5分加熱し、ボルテックスし、WESプレート上に載せる。モノクローナル抗ヒトHK抗体を、Wesシステム(ProteinSimple)を使用して、この化学発光ベースの検出方法のために使用した。
分析:Compassソフトウェア(cbzファイル)において得られた、DXS誘導性活性化を伴うそれぞれの時点の試料の全長HK分子量のピーク面積測定を収集する。ピーク面積を、HKについてのスペクトルピークプロファイルについて計算された面積として定義する。化合物による血漿カリクレイン阻害を測定するために、検出された全長HKのパーセントを計算した。
結果:
図13A及び13Bは、ウエスタンブロッティングを使用して決定された、HAE全非希釈血漿中のデキストラン硫酸で活性化されたHKの切断の時間経過及び代表的なブロットを示す。
図14A及び14Bは、代表的なWESシステムゲル画像を示し、式Aの化合物が、HAE及びデキストラン硫酸で刺激された健康な対照血漿の両方において、WESシステムを使用したキャピラリーベースイムノアッセイにより決定された、HK切断に対する用量依存的な保護を提供することを示す。
実施例6-式Aの化合物の第2相試験
目的:遺伝性血管性浮腫I型又はII型を有する成人対象における血管性浮腫発作のオンデマンド処置における、式Aの化合物の有効性及び安全性を評価すること。
方法:
試験は、遺伝性血管性浮腫I型又はII型を有する成人対象における血管性浮腫発作のオンデマンド処置における、経口血漿カリクレインインヒビターである式Aの化合物(「化合物」)の有効性及び安全性を評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照第2相クロスオーバー臨床試験であった(EudraCT番号:2018-004489-32)。
目的:
主目的:
・遺伝性血管性浮腫(HAE)の末梢発作又は腹部の発作の進行の停止における、プラセボと比較した化合物の有効性を調査すること。
副次的目的:
・化合物の安全性及び忍容性を調査すること。
・HAE発作の間の発作間期間中に得られたときの化合物の薬物動態(PK)プロファイルを調査すること。
・HAE発作間の発作間期間中の、残存する切断された高分子量キニノーゲン(HK)の濃度の減少における化合物の薬力学的(PD)プロファイルを調査すること。
・HAE発作間の発作間期間中の、活性化した血漿酵素活性の減少における、化合物のPDプロファイルを調査すること。
準備:
これは、第2相、2部、2順序、2期(2×2)クロスオーバー臨床試験であった。HAEI型又はII型を有する対象を、欧州及び米国中のHAE処置施設を通して募集した。
第1部では、対象に単一経口用量の600mgの化合物を投与し、HAE発作間の発作間期間中の、化合物の安全性、PK及びPDを調査した。
適格な18才以上の成人対象に、試験組み入れのためのスクリーニング評価を行い、試験薬を投与し、続けて4時間、診療所内で、安全性及びPK/PD評価を行った。
第2部では、対象を、1:1で2つの処置順序へと無作為化した。試験のこの部は、診療所又は病院外で実行した。順序1(試験群1)の対象に、単一用量の600mgの化合物を投与し、最初の適格なHAE発作を処置した。この発作の回復に続けて、対象に単一用量のプラセボを投与し、第2の適格なHAE発作を処置した。
順序2(試験群2)の対象に、単一用量のプラセボを投与し、最初の適格なHAE発作を処置した。この発作の回復に続けて、対象に単一用量の600mgの化合物を投与し、第2の適格なHAE発作を処置した。
試験薬の各用量間に、最短で48時間の休薬期間を必要とした。
喉頭部の発作又は顔面発作は、処置に適格としなかった。HAE発作は、開始の1時間以内、かつ包括的発作重症度尺度上で重症に達する前に処置しなければならなかった。対象はまた、HAE発作の開始を特定することが可能でなければならなかった。適格なHAE発作が開始した時点で、対象は従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人に、HAE発作を説明して通知した。従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人は、HAE発作の適格性を確認し、試験薬を投与することに同意した。HAE発作は、対象の日誌上に、発作の位置、発作の症状、開始時間、発作の重症度及び投薬前の最後の充分な食事の時間の記録を必要とした。対象に、試験薬を指示通りに服用させ、以下の表3に記述するように、対象のHAE発作症状の48時間の期間にわたる定期的評価を完了した。従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人は、適格なHAE発作の24時間以内に対象と連絡をとり、対象の安全性及び健康状態を確認した。対象に、何らかの安全性の懸念がある場合には、従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人に連絡するように指示した。過敏症反応の事例では、対象は従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人に連絡をとった、又は最も近い救急サービスに連絡をとった。従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人は、1日24時間週7日、対象の通話を受けることが可能であった。
Figure 2022069377000014
対象は、第1のHAE発作に続けて、第2のHAE発作の前に診療所へと戻り、有害事象(AE)の報告、バイタルサインの記録及び対象の日誌の検討を含め、安全性の確認を受けた。
2回のHAE発作が第2部において処置されると、対象は診療所へと戻り、AEの報告、バイタルサインの記録及び実験室での安全性測定のための採血を含め、最終の安全性の確認を受けた。
HAE発作症状が、対象の通常の処置レジメン通りの処置を必要とするのに十分なほど重度であると対象により判断されること、又は試験薬の処置に不適格であるとみなされること、又は喉頭部の症状若しくは顔面症状を伴うことを条件として、従来の発作処置を、試験薬の服用に続けて4時間後、又は是認された場合より早く許可した。従来の発作処置の使用の前に、対象は、プロトコール及び対象の症状の重症度の報告に従って従来の処置が適切かを確認する従事する試験担当医師又は資格を有する被指名人に通知した。対象に、彼らのHAE発作を、彼らの従来の発作処置(pdC1INH若しくはrhC1INHの静注[iv]又はイカチバント)を用いて処置することを許可した。
調査される医薬品:
式Aの化合物-100mgのフィルムコーティング錠。これらは、以下の賦形剤:微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウムを含有し、審美的コーティングは、ヒプロメロース、ラクトース一水和物、二酸化チタン及びトリアセチンを含有する。
100mgの化合物をフィルムコーティング錠に対するプラセボ。これらは、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、デンプングリコール酸ナトリウム及びステアリルフマル酸ナトリウムを含有し、フィルムコーティングされ、審美的コーティングは、ヒプロメロース、ラクトース一水和物、二酸化チタン及びトリアセチンを含有する。
この試験において、試験薬の用量修正は許可されなかった。
対象数:
50例の対象が試験を確実に完了するために、68例の対象を試験に登録した。53例の対象が、第2部を完了した。
集団:
試験集団には、18才以上で、HAEI型又はII型を有する、男女の対象を含めた。
組み入れ基準:
1.18才以上の男女の成人の対象。
2.病歴中の任意の時点での、HAEI型又はII型の確定診断:
a.HAEと一致する臨床歴の記録(蕁麻疹を伴わない、皮下又は粘膜の非掻痒性の腫脹エピソード)、かつ
b.正常のレベルの<40%である、C1-エステラーゼインヒビター(C1-INH)抗原レベル又は機能レベル。正常のレベルの40~50%である抗原又は機能性C1-INHレベルを有する対象を、彼らが正常範囲を下回るC4レベルも有し、HAEI型又はII型に一致する家族歴も有する場合、登録した。
3.病歴により裏付けられるような、過去93日における少なくとも3回のHAE発作の記録。
4.HAEの発作に対する従来の発作処置の使用へのアクセス及び能力。
5.以下に定義されるような十分な臓器機能:
a.正常範囲内のヘモグロビン;
b.国際標準化比(INR)<1.2;
c.活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)≦正常値上限(ULN);
d.クレアチニン<1×ULN;
e.クレアチニンクリアランス(CrCl)≧60mL/分;
f.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦2×ULN;
g.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)≦2×ULN;
h.総ビリルビン≦1.5×ULN;
i.白血球≦1.5×ULN;
j.血小板≦1.5×ULN。
6.妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング来院から試験追跡調査手順の終了まで、非常に有効な避妊を使用することに同意しなければならなかった。
避妊の非常に有効な方法には、以下が挙げられる:
a.排卵阻害を伴うプロゲストーゲンのみのホルモン避妊薬:経口/注射/埋込型。
(エストロゲンを含有するホルモン避妊薬は、除外基準3により除外した)。
b.子宮内避妊器具(IUD)。
c.子宮内ホルモン放出システム(IUS)。
d.両側性卵管閉塞。
e.精管切除術を受けたパートナー(パートナーが、妊娠の可能性がある女性対象の唯一の性的パートナーであること、及び精管切除術を受けたパートナーが手術成功の医学的評価を受けていることを条件とする)。
f.禁欲(この方法は、スイスでは承認されていない)。
注釈:禁欲が異性間性交を控えることとして定義される場合、禁欲のみが、非常に有効な方法として考えられた。禁欲の信頼性は、臨床試験の期間に関連して、並びに対象の好ましい及び通常の生活習慣に関連して、評価する必要があった。
7.外科的に不妊である(子宮摘出術、両側卵巣摘出術又は両側卵管結紮術後の状態)又は閉経後少なくとも12ヶ月として定義される妊娠の可能性のない女性は、試験中の避妊を必要としなかった。
8.妊娠の可能性のある女性のパートナーがいる男性は、スクリーニング来院から試験追跡調査手順の終了まで、禁欲又は他には、組み入れ基準6において定義されるような非常に有効な避妊の方法の使用に同意しなければならなかった。
9.署名されたインフォームド・コンセントの提供並びに試験の要件及び手順を遵守する意思及び能力がある。
除外基準:
1.別の型の慢性血管性浮腫、例えば後天性C1インヒビター欠損症、正常なC1-INHを有するHAE(HAEIII型としても公知)、特発性血管性浮腫又は蕁麻疹を伴う血管性浮腫の何らかの同時の診断。
2.HAE予防のための、C1INH、アンドロゲン、ラナデルマブ又はトラネキサム酸の現行の使用。
3.最初の試験処置前の93日以内の、アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター又は全身性吸収を伴う何らかのエストロゲン含有薬物(例えば経口避妊薬若しくはホルモン代替療法)の使用。
4.最初の試験処置前の30日以内の、アンドロゲン(例えば、スタノゾロール、ダナゾール、オキサンドロロン、メチルテストステロン、テストステロン)又は抗線維素溶解薬の使用。
5.最初の試験処置前の10週以内の、ラナデルマブの使用。
6.試験への参加中の、強力なCYP3A4/CYP2C9インヒビター及び誘導物質の使用。
注釈:これらの薬物には、限定されるものではないが、以下:コビシスタット、コニバプタン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、リトナビル、ボセプレビル、テラプレビル、トロレアンドマイシン、クラリスロマイシン、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、フェノバルビタール、フルコナゾール、イソニアジド、メトロニダゾール、パロキセチン、スルファメトキサゾール、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ、ジルチアゼム、イデラリシブ、ネファゾドン及びネルフィナビルが挙げられる。
7.来院1での及び来院2での投与前での、臨床的に有意な異常な心電図(ECG)。これには、限定されるものではないが、QTcF470ミリ超秒(女性について)又は450ミリ超秒(男性について)、PR220ミリ超秒、又は一時的よりも高頻度な及び/若しくはグループにおいて2連発以上として発生する心室期外収縮及び/若しくは心房期外収縮が挙げられる。
8.扁桃炎、心筋梗塞、意識消失、臨床的に有意な心不整脈、左室肥大、心筋症又は何らかの他の心血管系の異常の、何らかの有意な臨床歴。
9.治験責任医師の意見において、試験に参加することにより対象の安全性を危険にさらすであろう、何らかの他の全身性の不全(例えば、胃腸、腎臓、呼吸器、心血管系)又は有意な疾患若しくは障害。
10.治験責任医師により決定されるような、試験の完了を妨げるであろう物質乱用歴又は依存歴。
11.既知のラクトースアレルギー又は不耐性。
12.化合物若しくはプラセボ又は賦形剤のいずれかに対する既知の過敏症反応。
13.最初の試験処置前の93日以内又は最後の治験薬投薬の5半減期以内(どちらか長い方)の、介入探索的臨床試験への参加。
14.何らかの妊娠又は授乳中の対象。
評価:
第1部:PK及びPD測定のための血液試料を、以下の時点で収集した:投与前(0時間)、投与後15分、30分、45分、1時間、1.5時間、2時間、3時間及び4時間。バイタルサイン(収縮期血圧[SBP]、拡張期血圧[DBP]、脈拍数[PR]、呼吸数[RR]及び体温)を、投与前(0時間)、投与後1時間及び4時間で測定した。処置後の安全性の実験室での評価のための試料を、4時間のPK/PD試料とともに得た。
第2部:上記の表3に記述するように、試験薬摂取に続けて、全体のHAE発作の重症度及びHAE発作の重症度における変化の対象の評価を、48時間の期間行った。
有効性の項目:
従来の発作処置の使用までの時間を評価した。対象の日誌から、従来の発作処置の使用までの時間及びHAE発作の重症度を含む有効性エンドポイントを入手した。
全体のHAE発作の重症度を、5ポイントのリッカート尺度(5LS)上で評価し、なし、軽度、中等度、重度及び非常に重度としてスコア付けした。
HAE発作の重症度における変化を、7ポイントの移行質問(7TQ)を使用して評価し、非常に好転/好転/わずかに好転/変化なし/わずかに悪化/悪化/非常に悪化としてスコア付けした。
HAE発作の症状の種類(腹痛、皮膚疼痛及び皮膚腫脹)を、各々、0(なし)及び100(非常に重度)で固定した100mmのビジュアルアナログスケール(VAS)で評価した。
安全性の項目:
・重篤な有害事象(SAE)を含むAE。
・実験室での試験結果(臨床化学、血液学、凝析及び尿分析)。
・バイタルサイン(SBP、DBP、PR、RR、体温)。
・理学的検査の所見。
・ECGの結果。
・妊娠検査(妊娠の可能性のある女性の対象)。
有効性の評価の基準
主要有効性エンドポイント:
・従来の発作処置の使用までの時間
副次的有効性エンドポイント:
・5LSで1レベル以上進行するHAE発作又は試験薬の12時間以内に従来の発作処置を必要とする、HAE発作の割合。
・処置と、(1)5LSで1レベル以上の包括的発作重症度の進行又は(2)従来の発作処置の使用のいずれか12時間以内に先に起こった方との間の時間。
探索的エンドポイント:
・600mgの化合物対プラセボについての曲線下面積(AUC)として表される、試験薬に続けた5LSでの累積的な包括的発作重症度。
・従来の発作処置を必要とする、HAE発作の割合。
・7TQで「悪化」又は「非常に悪化」と等級付けされる、HAE発作の割合。
・7TQで「好転」又は「非常に好転」と等級付けされる、HAE発作の割合。
・包括的発作重症度尺度(5LS)上での、試験薬投与からHAE発作回復の完了(なしと等級付けする)までの時間。
・HAE発作が7TQで悪化又は非常に悪化と等級付けされるまでの時間。
・HAE発作が7TQで好転又は非常に好転と等級付けされるまでの時間。
全般的な統計学的方法及び分析の種類
分析セット:
・安全性セット(SAF):少なくとも1つの用量の試験薬(第1部における試験薬用量を含む)を服用した対象。
・完全分析セット(有効性について)(FAS):第2部において両方の用量の試験薬を投与された、全ての無作為化された対象。
・パープロトコールセット(有効性について)(PPS):第2部において両方の用量の試験薬(化合物)を投与され、主要なプロトコールの逸脱を有しない、第2部において無作為化された対象。
・PK/PD分析セット:第1部においてPK/PD試料を得た全ての対象
サンプルサイズ:
50例の対象(1順序当たり25例)のサンプルサイズを、従来の発作処置の使用までの時間の主要エンドポイントについて、5%アルファレベル(両側)での試験のために90%のパワーを提供するように提案した。このサンプルサイズは、対照群では対象の40%が従来の発作処置を使用し、一方で実験群では10%が従来の発作処置を使用するという仮定、及び対象内でデータが最小の相関を有するという仮定に基づき、導き出した。最小の相関の仮定は、サンプルサイズに対する控えめな仮定であるべきである。50例の対象が試験を確実に完了するために、68例の対象を登録した。53例の対象が第2部を完了した。
20%(10例の対象)のオーバーサンプリングを、希発の若しくは不適格なHAE発作により両方の処置期間を完了し得ない対象又はいかなる理由であれ試験を早期に中止する対象を考慮して、提案した。よって、試験の登録は、50例の対象が両方の処置期間を完了した後の主要な有効性仮説に対応するのに十分と考えられた。さらなる探索が必要とされず、不要と考えられ得るため、両方の期間を完了していない進行中の対象に、試験施設に戻り来院4(早期中止時来院)を完了するように求めた。全ての対象からの、完了及び未完了のデータを、安全性セットにおいて分析した。
全般的な考察:
個々の対象データを、対象データ一覧表に提示した。適切な記述統計を、連続データ及びカテゴリーデータについて計算し、表形式で要約した。
試料分析:
AEを、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)辞書(v21.0以上)を使用してコード化し、基本語及び器官別大分類(SOC)により分類した。処置下で発現した有害事象(TEAE)、重篤なTEAE及び早期の中止を引き起こすTEAEの一覧を、系列群により提供し、TEAEの重症度及び試験薬との関係によりさらに分類した。
有効性分析:
主要エンドポイント
主要エンドポイントである、従来の発作処置の使用までの時間を、各対象に対する反復測定を反映するために、Feingold及びGillespie(1996年)(Crossover trials with censored data. Statistics in Medicine 1996年;15巻(10号):953~967頁)により提唱されたGehanの検定の概念を使用して分析した。試験薬の12時間以内に悪化が発生しない場合、対象を打ち切り扱いとした。
副次的エンドポイント
5LSで1レベル以上悪化したHAE発作又は試験薬の12時間以内に従来の発作処置を必要とする、HAE発作の割合を、処置群と比較するために、Prescottの検定(1981年)(The comparison of success rates in cross-over trials in the presence of an order effect. Applied Statistics 1981年;30巻:9~15頁)を使用して分析した。
主要エンドポイントのために使用されたものと類似の手法を、試験薬と、5LSで1レベル以上のHAE発作の悪化又は従来の発作処置の使用のいずれか12時間以内に先に起こった方との間の時間の分析のために続けた。上記の試験に加えて、記述統計を、主要、副次的及び探索的エンドポイントについて示し、各事例で、化合物とプラセボを、例えば以下のように比較した:
・600mgの化合物対プラセボについてのAUCとして表される、試験薬に続けた5LSでの累積的な包括的発作重症度。
・従来の発作処置を必要とした、HAE発作の割合。
・7TQで「悪化」又は「非常に悪化」と等級付けされた、HAE発作の割合。
・7TQで「好転」又は「非常に好転」と等級付けされた、HAE発作の割合。
・包括的発作重症度尺度(5LS)上での、試験薬投与からHAE発作回復の完了(なしと等級付けする)までの時間。
・HAE発作が7TQで悪化又は非常に悪化と等級付けされるまでの時間。
・HAE発作が7TQで好転又は非常に好転と等級付けされるまでの時間。
PK分析:
非コンパートメントPKパラメーターには、血漿中最大濃度(Cmax)、血漿中のCmaxに達するまでの時間(tmax)及び時間0~最後の試料までの曲線下面積(AUC0-t)を含めた。コンパートメントPKモデリングは、化合物のPKを説明し、根底にあるCmax、tmax、AUC、見かけのクリアランス(CL/F)、見かけの分布体積(Vd/F)及び推定される終末相消失半減期(t1/2)を生成する。
化合物のPKパラメーターを、Phoenix WinNonlinを使用して、個々の濃度対時間データから決定した。理論的な時間からの逸脱の事例では、血液試料の実際の時間を、導き出されたPKパラメーターの計算において使用した。化合物の血漿中の個々の濃度及び導き出されたPKパラメーターを、各処置について列挙し、要約した。個々の及び幾何平均濃度-時間データを、線形及び片対数目盛上にプロットした。
PD分析:
化合物の血漿カリクレイン(PKa)活性に対する効果を、血漿中のPKa酵素活性の2つの探索的測定を使用して分析した:
・化合物を投与する前及び後に得られた血漿試料からの、外因的に活性化した血漿カリクレイン酵素活性の阻害を決定するためのアッセイ
・血漿カリクレイン酵素活性からの高分子量キニノーゲン(HK)基質(全血漿中に含有されている)の切断の保護のレベルを測定するためのアッセイ
各処置について、PDを要約した。個々の及び平均データを、最終臨床試験総括報告書の補遺に位置する追加報告として示した。
試験の第1部からの予備的PKデータ:
27例のHAE患者からの予備的PKデータを収集し、分析し、表4及び図15aに示す。
Figure 2022069377000015
よって、これらの予備的結果は、式Aの化合物が、HAE患者におけるオンデマンド経口投与に好適である薬物動態プロファイルを表すことを示す。
図15bは、健康な志願者からのPKデータの上に重ねた、第1部からのHAE患者の完全なPKプロファイルを示す。
試験の第2部からの有効性の結果
主要エンドポイント
化合物を用いて処置された発作は、救助の使用が有意に減少し(p=0.0010)、12時間で、プラセボでの30.2%と比較して、化合物で処置された発作の15.1%が救助されていた。化合物のこの有効性の利益は、24時間維持された(p=0.0005)。24時間の時点で、救急薬の使用(p=0.0005)は、化合物では20.8%であり、対してプラセボでは39.6%であった。
図15cは、化合物を投与された12時間以内に救急薬を使用した患者の累積%を示す。
副次的エンドポイント
化合物は、Patient Global Impression of Changeスケール(PGI-C)(7TQとしても公知)上で、プラセボを用いて処置した発作について9時間であったのに対して、1.6時間の中位時間で、症状の緩和の開始までの時間を有意に減少させた(p=<0.0001)。これは、化合物を用いた処置が、プラセボよりも速やかに症状の緩和を達成することを実証する。
図15dは、化合物を投与された12時間以内に症状が緩和した(7TQ法を使用して評価した場合)患者の累積%を示す。図15eは、化合物についての症状が緩和するまでの時間のデータと、承認された注射可能な製品であるRuconest(登録商標)についての公知の臨床データ(Charles M. Maplethorpe, MD, PhD. Clinical Reviewer. Summary Basis of Approval, Recombinant C1 Esterase Inhibitor、STN:125495/0を参照されたい)を比較する。
化合物を用いて処置された発作は、複合ビジュアルアナログスケール(VAS)スコア(腹痛、皮膚疼痛及び皮膚腫脹)を使用して評価したとき、プラセボで処置された発作よりも速やかに症状の緩和を達成し(p<0.0001)、症状の緩和までの中位時間は、プラセボで12時間超であったのに対して、6時間であった。再び、これは、化合物を用いた処置が、プラセボよりも速やかに症状の緩和を達成することを実証した。
図15fは、化合物を投与された12時間以内に症状が緩和した(複合VASスコアを使用して評価した場合)患者の累積%を示す。
化合物を用いて処置された発作は、12時間にわたり(p=0.0008)及び24時間にわたり(p=0.0005)、HAE発作の重症度が減少した(複合VASスコアを使用して評価した場合)。試験薬の12時間以内に、プラセボを用いて処置された発作の54.7%と比較して、化合物を用いて処置された発作の79.2%は悪化しない。
図15gは、化合物を投与された12時間以内の平均複合VASスコアを示す。図15gは、時間及びベースラインで調整したAUCであり、救急薬後の評価を除外している。図15hは、化合物を用いて処置された患者についての平均複合VASスコアと、承認された注射可能な製品であるFirazyr(登録商標)(有効成分、イカチバント)についての公知の臨床データ(Lumryら、Ann Allergy Asthma Immunol.2011年;107巻:529~537頁を参照されたい)を比較する。
Patient Global Impression of Severityスケール(PGI-S)(5LSとしても公知)又は救助の使用により評価したとき、経口投与の12時間以内に、化合物は、安定化された又は改善された発作の数を有意に増大させた(p<0.0001)。
図15iは、化合物を投与された12時間以内に悪化しなかった(5LS法を使用して評価した場合)HAE発作の%を示す。
安全性
試験中に重篤な有害事象は報告されず、有害事象のために中止した患者も存在しなかった。非盲検相(第1部)では、8件の処置中の薬物に関連した処置下で発現した有害事象(TEAE)を5例の患者が経験した。試験のクロスオーバー相(第2部)では、化合物の投与に続けて、3件の処置中の薬物に関連したTEAEを3例の患者(5.2%)が経験し、プラセボの投与に続けて、2件の処置中の薬物に関連したTEAEを2例の患者(3.6%)が経験した。これらのデータを以下に示す。
Figure 2022069377000016
実施例7-健康な成人対象における第1相複数回用量試験
目的:健康な成人対象における、安全性、忍容性、薬物動態及び100mgのフィルムコーティング錠として製剤化された化合物の投与に続けたQTcのベースラインからの変化を評価すること。
主目的:
・複数回用量の化合物の安全性及び忍容性を調査すること。
副次的目的:
・複数回用量の化合物の薬物動態(PK)を調査すること。
・健康な成人対象への100mgフィルムコーティング錠の化合物(KalVista Pharmaceuticals)の投与に続けた、化合物の、濃度-QTc関係を含むECGパラメーターに対する効果を評価すること。
探索的目的:
・複数回用量の化合物の薬力学(PD)を調査すること。
方法:
これは、健康な成人男女の対象における、化合物の安全性及び忍容性並びに100mgフィルムコーティング錠として製剤化された化合物のECG効果を評価するための、第1相二重盲検プラセボ対照複数回用量多コホート試験である。
評価について、4つのコホートを計画する。コホート1、2及び3は、各々8例の対象を含む。コホート4は、18例の対象を含む。各コホート中に等しい数の男女の対象を含めるために、あらゆる努力を行う。
試験中、フィルムコーティング錠(6つの100mgの錠剤)としての600mgの経口用量の化合物又は6つの対応するプラセボ錠剤を、8時間毎に1回(コホート1)、4時間毎に1回(コホート2)又は2時間毎に1回(コホート3及び4)、健康な成人男女の対象に、最大1800mgの総用量で投与する。コホート1、2及び3では、1コホート当たり合計8例の対象について、6例の対象に化合物を100mgのフィルムコーティング錠として投与し、2例の対象にプラセボを投与する。コホート4では、合計18例の対象について、12例の対象に化合物を100mgのフィルムコーティング錠として投与し、6例の対象にプラセボを投与する。
コホート1からコホート2及びコホート2からコホート3への進行を、コホート1及びコホート2の実行中に入手した安全性データ(実験室、バイタルサイン、安全性ECG及び有害事象)の検討後に行う。コホート4への進行を、コホート3からの安全性データ及び薬物動態データの検討後に行う。第3の用量のCmaxを、QTc間隔のベースラインからの変化の評価を支援するのに確実に十分高くするために、コホート3からの薬物動態データを検討する。
ECGを継続的に記録するために、ホルターモニターを各対象に取り付ける。モニターを、第1の用量の1時間前に取り付け、最終の血液試料の収集後まで取り付けたままとする。ホルターモニターの電極を、それらが確実に取り付けられるように、診療所スタッフのメンバーにより適切な間隔で確認する。
血液試料を、各コホートにおいて、投与前、第1の用量の後の間隔及び最終の(第3の)用量後24時間にわたる間隔(コホート1では最初の用量から40時間、コホート2では最初の用量から32時間、コホート3及び4では最初の用量から28時間)に収集する。各試験コホートにおいて、対象を、少なくとも投薬の10時間前から最終の血液試料収集後まで臨床施設に拘束し、最終用量の5~7日後に、安全性評価のために診療所へと戻した。
化合物の薬物動態を、十分に有効な分析手順により測定し、血漿カリクレイン阻害酵素活性に対する薬物動態効果を、探索的な薬力学的評価により評価する。
試験製剤の血漿薬物濃度とECG効果のベースラインからの変化との間の関係を評価するために、統計分析を実施する。
処置投与
コホート1
対象に、試験処置又はプラセボ処置を、2処置無作為化スケジュールに従って、直接観察下で、16時間の期間にわたり8時間毎に投与する(0、8及び16時間での、100mgのフィルムコーティング錠としての6×100mgの化合物用量投与又はプラセボ用量投与の3回の投与、1800mgの総用量の化合物又はプラセボ)。各用量を、240mLの室温の水とともに投与する。対象に、錠剤を、咀嚼することも噛むこともせずにそのまま飲み込むように指示する。錠剤を噛む又は咀嚼するいかなる対象も、試験から脱落させる。投薬の直後に、口腔の確認を実施する。
コホート2
対象に、試験処置又はプラセボ処置を、2処置無作為化スケジュールに従って、直接観察下で、8時間の期間にわたり4時間毎に投与する(0、4及び8時間での、100mgのフィルムコーティング錠としての6×100mgの化合物用量投与又はプラセボ用量投与の3回の投与、1800mgの総用量の化合物又はプラセボ)。各用量を、240mLの室温の水とともに投与する。対象に、錠剤を、咀嚼することも噛むこともせずにそのまま飲み込むように指示する。錠剤を噛む又は咀嚼するいかなる対象も、試験から脱落させる。錠剤が噛まれる又は咀嚼されることもなく確実にそのまま飲み込まれるように、投薬の直後に、口腔の確認を実施する。
コホート3及び4
対象に、試験処置又はプラセボ処置を、2処置無作為化スケジュールに従って、直接観察下で、4時間の期間にわたり2時間毎に投与する(0、2及び4時間での、100mgのフィルムコーティング錠としての6×100mgの化合物用量投与又はプラセボ用量投与の3回の投与、1800mgの総用量の化合物又はプラセボ)。各用量を、240mLの室温の水とともに投与する。対象に、錠剤を、咀嚼することも噛むこともせずにそのまま飲み込むように指示する。錠剤を噛む又は咀嚼するいかなる対象も、試験から脱落させる。錠剤が噛まれる又は咀嚼されることもなく確実にそのまま飲み込まれるように、投薬の直後に、口腔の確認を実施する。
全ての対象を、第1の投薬の少なくとも8時間前に、絶食させる(水を除く)。最初の投薬後、対象に、第1の用量の少なくとも6時間後まで、絶食を継続させる。
対象の処置群への割り付けの方法:
コホート1、2及び3
対象を、6例の対象に試験製品を投与し2例の対象にプラセボを投与するように、無作為化する。安全性の測定として、センチネル投薬スキームを各コホートに組み入れ、1例の対象に試験製品を投与し、1例の対象にプラセボ製品を投与し、コホートの残りを続ける。
コホート4
対象を、12例の対象に試験製品を投与し6例の対象にプラセボを投与するように、無作為化する。
無作為化スケジュールを、第1の投薬コホート前に、SAS(登録商標)、バージョン9.4以上を使用して生成する。
結果:
試験中に重篤な有害事象は報告されず、AEのために中止した患者も存在しなかった。全ての報告された有害事象は、重症度において「軽度」と考えられ、試験の終了時に「回復/消散」の転帰を有した。
試験されたECGパラメーターに対する臨床的に関連する効果は特定されなかった。
図16Aは、各コホートについて最初の用量後の、式Aの化合物の平均血漿濃度を示す。
図16Bは、各コホートについての、式Aの化合物の平均血漿濃度(片対数目盛)を示す。
これらのデータは、式Aの化合物が、複数回投薬量で投与されるとき、経口投与に好適である薬物動態プロファイルを有することを実証する。結果は、式Aの化合物を安全に定期的な間隔で投与することができることを、さらに示唆する。
[実施例8] 経口用剤形の調製
口内分散性錠剤
40,000×25mgの口内分散性錠剤(4kg)のための組成物
Figure 2022069377000017
ステアリルフマル酸ナトリウム以外の成分を、最初に850μmメッシュに強制的に通過させ、その後、配合により緊密に混合する。次に、ステアリルフマル酸ナトリウム(同じメッシュを通して事前に篩い分ける)を添加し、短時間でタンブリングして粉末混合物とする。ブレンドを、次に、錠剤へと直接圧縮成形する。
咀嚼錠
12,000×100mgの咀嚼錠(4kg)のための組成物
Figure 2022069377000018
ステアリン酸マグネシウム以外の成分を、最初に850μmメッシュに強制的に通過させ、その後、配合により緊密に混合する。次に、ステアリン酸マグネシウムを添加し、短時間でタンブリングして粉末混合物とする。ブレンドを、次に、錠剤へと直接圧縮成形する。
小型錠剤製剤
223,600×10mgの小型錠剤(4kgの錠剤コア)のための組成物
Figure 2022069377000019
ステアリン酸マグネシウム(及びコーティング)以外の成分を、最初に850μmメッシュに強制的に通過させ、その後、配合により緊密に混合する。次に、ステアリン酸マグネシウムの半量を添加し、短時間でタンブリングして粉末混合物とする。ブレンドを、次にローラー圧縮により顆粒化し、続けて摩砕し、その後ステアリン酸マグネシウムの残りをさらなる配合により添加する。滑沢された顆粒を、次に小型錠剤へと圧縮成形し、その後、さらなる4%の重量増加を達成するまでPVAベースのコーティング製剤でフィルムコーティングする。
コーティングされた顆粒
コーティング前の4kgの顆粒のための組成物
Figure 2022069377000020
ステアリン酸マグネシウム以外の成分を、最初に850μmメッシュに強制的に通過させ、その後、配合により緊密に混合する。次に、ステアリン酸マグネシウムを添加し、短時間でタンブリングして粉末混合物とする。ブレンドを、次にローラー圧縮により顆粒化し、続けて摩砕する。顆粒を、次に、流体ベッドプロセッサー中で、さらなる4%の重量増加を達成するまでPVAベースのコーティング製剤でフィルムコーティングする。
代替的な口内分散性錠剤
40,000×25mgの口内分散性錠剤(乾燥前に4kg)のための組成物
Figure 2022069377000021
ステアリン酸マグネシウム以外の成分を、最初に850μmメッシュに強制的に通過させ、その後、配合により緊密に混合する。次に、ステアリン酸マグネシウムを添加し、短時間でタンブリングして粉末混合物とする。このブレンドを、次に、錠剤へと直接圧縮成形し、その後、真空乾燥機中、60℃で12時間保持する。これは、カンファーを昇華させ、錠剤中に多孔質構造を残す。
経口懸濁剤
2,000×200mgの用量の経口懸濁剤(10kg)のための組成物
Figure 2022069377000022
分散性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びポリソルベートを、およそ800mLの精製水に溶解し、その後、ソルビトール液、グリセロール、エタノール、保存剤、甘味料及び香味料を、一定の撹拌下で添加する。100μmメッシュで事前に篩い分けられた有効成分を、一定の撹拌下で添加する。均質となったら、標的重量を達成するまで、懸濁剤を精製水で希釈する。懸濁剤を、次に、ビン詰めし、キャッピングする。
番号付き実施形態
1.ブラジキニン媒介性血管性浮腫をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
Figure 2022069377000023
である、方法。
2.ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置における使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)であって、それを必要とする患者に、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、
Figure 2022069377000024
である、化合物。
3.ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置のための医薬の製造における式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
Figure 2022069377000025
である、使用。
4.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫(HAE)である、又は前記ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK AEnH)である、番号付けされた実施形態1に記載の方法、番号付けされた実施形態2に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3に記載の使用。
5.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫(HAE)である、番号付けされた実施形態4に記載の方法、番号付けされた実施形態4に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態4に記載の使用。
6.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)である、番号付けされた実施形態4に記載の方法、番号付けされた実施形態4に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態4に記載の使用。
7.非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)が、遺伝性遺伝的機能障害、欠陥、又は変異に起因するものではない、番号付けされた実施形態6に記載の方法、番号付けされた実施形態6に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態6に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
8.BK-AEnHが、環境、ホルモン、又は薬物誘発性であることができる、正常C1インヒビター(AE-nC1 Inh)を伴う非遺伝性血管性浮腫;後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)から選択される、番号付けされた実施形態7に記載の方法、番号付けされた実施形態7に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態7に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
9.AE-nC1 Inhが空気汚染及び/又は銀ナノ粒子により環境的に誘発される、番号付けされた実施形態7に記載の方法、番号付けされた実施形態7に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態7に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
10.患者が2才~18才未満の間の年齢である、番号付けされた実施形態1若しくは4~9のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2若しくは4~9のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3若しくは4~9のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
11.患者が2才~12才未満の間の年齢である、番号付けされた実施形態10に記載の方法、番号付けされた実施形態10に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態10に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
12.患者が70才以上の年齢である、番号付けされた実施形態1若しくは4~9のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2若しくは4~9のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3若しくは4~9のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
13.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫の発作のオンデマンド処置における使用のためのものであり、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識された際に、オンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態1若しくは4~12のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2若しくは4~12のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3若しくは4~12のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
14.患者が喉頭部の発作を患っている、番号付けされた実施形態13に記載の方法、番号付けされた実施形態13に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態13に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
15.認識された急性HAE発作の症状が、組織の腫脹;疲労;頭痛;筋肉痛;皮膚のうずき;腹痛;悪心;嘔吐;下痢;嚥下困難;嗄声;息切れ;及び/又は情緒の変化のうちの少なくとも1つである、番号付けされた実施形態13若しくは14のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態13若しくは14のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態13若しくは14のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
16.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識されてから1時間以内にオンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態13~15のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態13~15のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態13~15のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
17.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識されてから30分以内、20分以内、10分以内、又は5分以内にオンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態13~16のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態13~16のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態13~16のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
18.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の前駆期にオンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態13~17のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態13~17のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態13~17のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
19.認識された症状が、わずかな腫脹、腹痛又は皮膚の発赤のうちの少なくとも1つである、番号付けされた実施形態18に記載の方法、番号付けされた実施形態18に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態18に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
20.認識された症状が多型紅斑である、番号付けされた実施形態19に記載の方法、番号付けされた実施形態19に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態19に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
21.処置が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の持続期間を短縮する、番号付けされた実施形態1及び4~20のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2及び4~20のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3~20のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
22.処置が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の腫脹ステージへの進行を妨げる、番号付けされた実施形態18に記載の方法、番号付けされた実施形態18に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態18に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
23.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を予防的に減少させるためにオンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態1若しくは4~12のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2若しくは4~12のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3若しくは4~12のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
24.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が誘発されると予測される場合、オンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態23に記載の方法、番号付けされた実施形態23に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態23に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
25.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作を予防するためにオンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態23若しくは24のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態23若しくは24のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態23若しくは24のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
26.BK-AEnHがtPA誘発性血管性浮腫であり、
患者が組織プラスミノゲン活性因子の投与も受けており、
式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、前記患者への前記組織プラスミノゲン活性因子の投与前、投与中、又は投与後に投与される、番号付けされた実施形態23~25のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態23~25のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態23~25のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
27.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が物理的外傷及び/又はストレスにより誘発されると予測される場合、オンデマンドで経口投与される、番号付けされた実施形態24若しくは25のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態24若しくは25のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態24若しくは25のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
28.ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が、歯の手術の物理的外傷及び/又は歯の手術に伴う精神的ストレスにより誘発されると予測される、番号付けされた実施形態27に記載の方法、番号付けされた実施形態27に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態27に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
29.ブラジキニン媒介性血管性浮腫を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を減少させるために予防的に経口投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が前記患者に定期的に投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
Figure 2022069377000026
である、方法。
30.ブラジキニン媒介性血管性浮腫の処置における使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)であって、それを必要とする患者に、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を減少させるために予防的に経口投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が前記患者に定期的に投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
Figure 2022069377000027
である、化合物。
31.ブラジキニン媒介性血管性浮腫の処置のための医薬の製造における式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用であって、それを必要とする患者に、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を減少させるために予防的に経口投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が前記患者に定期的に投与され、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が
Figure 2022069377000028
である、使用。
32.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫(HAE)である、又は前記ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK AEnH)である、番号付けされた実施形態29に記載の方法、番号付けされた実施形態30に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態31に記載の使用。
33.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫(HAE)である、番号付けされた実施形態32に記載の方法、番号付けされた実施形態32に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態32に記載の使用。
34.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)である、番号付けされた実施形態32に記載の方法、番号付けされた実施形態32に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態32に記載の使用。
35.非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)が、遺伝性遺伝的機能障害、欠陥、又は変異に起因するものではない、番号付けされた実施形態34に記載の方法、番号付けされた実施形態34に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態34に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
36.BK-AEnHが、環境、ホルモン、又は薬物誘発性であることができる、正常C1インヒビターを伴う非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh);後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビター誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)から選択される、番号付けされた実施形態34に記載の方法、番号付けされた実施形態34に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態34に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
37.AE-nC1 Inhが空気汚染及び/又は銀ナノ粒子により環境的に誘発される、番号付けされた実施形態34に記載の方法、番号付けされた実施形態34に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態34に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
38.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作を予防するために投与される、番号付けされた実施形態29若しくは32~37のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態30若しくは32~37のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態31若しくは32~37のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
39.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が1日1回経口投与される、番号付けされた実施形態29若しくは32~38のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態30若しくは32~38のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態31~38のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
40.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が1日2回経口投与される、番号付けされた実施形態29若しくは32~38のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態30若しくは32~38のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態31~38のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
41.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が1日3回経口投与される、番号付けされた実施形態29若しくは32~38のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態30若しくは32~38のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態31~38のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
42.化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、(i)血漿カリクレインを阻害する、(ii)血漿プレカリクレインの切断を減少させる、及び/又は(iii)ファクターXIIからのファクターXIIaの産生を減少させる、いずれかの番号付けされた実施形態1~41に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~41に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~41に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
43.患者が、患者の血漿の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の濃度が少なくとも500ng/mLとなるような用量の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の投与を受ける、番号付けされた実施形態42に記載の方法、番号付けされた実施形態42に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態42に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
44.患者が、少なくとも60mgの式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の投与を受ける、番号付けされた実施形態43に記載の方法、番号付けされた実施形態43に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態43に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
45.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、6時間まで接触系の活性化を遮断する、いずれかの番号付けされた実施形態1~44に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~44に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~44に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
46.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、5mg~2000mgの間の1日投与量で投与される、いずれかの番号付けされた実施形態1~45に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~45に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~45に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
47.式Aの化合物が、1日当たり100mg~1500mgの間、300mg~1800mgの間、100mg~1400mgの間、200mg~1200mgの間、300mg~1200mgの間、600mg~1200mgの間、450mg~900mgの間、500mg~1000mgの間、450mg~600mgの間、500mg~700mgの間、800mg~1000mgの間、900mg~1400mgの間、又は900mg~1200mgの間の1日投与量で投与されるいずれかの番号付けされた実施形態1~46に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~46に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~46に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
48.患者が、第1の投薬量の摂取時から24時間以内に1日投与量の投与を、2つの投薬量で受ける、いずれかの番号付けされた実施形態1~47に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~47に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~47に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
49.2つの投薬量が同時に、別々に又は逐次的に投与される、番号付けされた実施形態48に記載の方法、番号付けされた実施形態48に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態48に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
50.第2の投薬量が、第1の投薬量の2~6時間の間、好ましくは前記第1の投薬量の約3~6時間の間に投与される、番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
51.第2の投薬量が、第1の投薬量の少なくとも約6時間後に投与され得る、番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態48若しくは49のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
52.患者が、1日当たり3つの投薬量として式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の投与を受ける、番号付けされた実施形態1、4~29、若しくは32~47のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態2、4~29、30、若しくは32~47のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態3~29、若しくは31~47のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
53.3つの投薬量が、同時に、別々に又は逐次的に投与される、番号付けされた実施形態52に記載の方法、番号付けされた実施形態52に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態52に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
54.第2の及び第3の投薬量が、先行する投薬量の少なくとも約6時間後に投与され得る、番号付けされた実施形態52若しくは53のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態52若しくは53のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態52若しくは53のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
55.各投薬量が、約600mgの式Aの化合物を含む、番号付けされた実施形態45~54のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態45~54のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態45~54のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
56.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が分散性錠剤又は口内分散性錠剤として投与される、いずれかの番号付けされた実施形態1~55に記載の方法、いずれかの番号付けされた実施形態1~55に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又はいずれかの番号付けされた実施形態1~55に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
57.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が分散性錠剤として投与される、番号付けされた実施形態56に記載の方法、番号付けされた実施形態56に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態56に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
58.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性錠剤として投与される、番号付けされた実施形態56に記載の方法、番号付けされた実施形態56に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態56に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
59.口内分散性剤形が、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カンファー、サッカリンナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む、番号付けされた実施形態58に記載の方法、番号付けされた実施形態58に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態58に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
60.口内分散性剤形が、pearlitol Flash(共処理されたマンニトール/トウモロコシデンプン)、スクラロース、及びステアリルフマル酸ナトリウムのうちの1つ以上を含む、番号付けされた実施形態58に記載の方法、番号付けされた実施形態58に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態58に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
61.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が小型錠剤として投与される、番号付けされた実施形態1~61のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~61のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~61のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
62.小型錠剤が、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む、番号付けされた実施形態61に記載の方法、番号付けされた実施形態61に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態61に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
63.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が口内分散性フィルムとして投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
64.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が散剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
65.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が粒剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
66.粒剤が、PVA/酸化チタン、PEG、又はタルクベースコーティングのうちの1つ以上で任意選択的にコーティングされた微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む、番号付けされた実施形態65に記載の方法、番号付けされた実施形態65に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態65に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
67.崩壊の仕様が、約10分間未満で80%超であることができる、番号付けされた実施形態56~66のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態56~66のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態56~66のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
68.崩壊の仕様が、約1分間未満で80%超であることができる、番号付けされた実施形態67に記載の方法、番号付けされた実施形態67に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態67に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
69.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が懸濁剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
70.経口用剤形が、ソルビトール液剤(70%)、グリセロール、分散性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、メチルヒドロキシベンゾエート、安息香酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、エタノール、及びバニラ香味料のうちの1つ以上を含む、番号付けされた実施形態69に記載の方法、番号付けされた実施形態69に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態69に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
71.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が咀嚼錠又は軟質ゲルとして投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
72.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、マンニトール、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、イチゴ香味料、スクラロース、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む咀嚼錠として投与される、番号付けされた実施形態71に記載の方法、番号付けされた実施形態71に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態71のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
73.溶解の仕様が、約45分間未満で80%以上であることができる、番号付けされた実施形態56~72のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態56~72のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態56~72のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
74.溶解の仕様が、約5分間未満で80%超であることができる、番号付けされた実施形態73に記載の方法、番号付けされた実施形態73に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態73に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
75.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が液剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
76.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が乳剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
77.式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)がシロップ剤として投与される、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の方法、番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は番号付けされた実施形態1~55のいずれかに記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。

Claims (40)

  1. ブラジキニン媒介性血管性浮腫をオンデマンドで処置するための方法であって、それを必要とする患者に、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され,前記式Aの化合物が、
    Figure 2022069377000029
    である、方法。
  2. ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置における使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)であって、それを必要とする患者に、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
    Figure 2022069377000030
    である、化合物。
  3. ブラジキニン媒介性血管性浮腫のオンデマンド処置のための医薬の製造における式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用であって、それを必要とする患者に、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)をオンデマンドで経口投与することを含み、前記式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、咀嚼錠又は軟質ゲル、小型錠剤、散剤、粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、分散性錠剤、及び口内分散性錠剤から選択される経口用剤形として投与され、前記式Aの化合物が、
    Figure 2022069377000031
    である、使用。
  4. ブラジキニン媒介性血管性浮腫が、遺伝性血管性浮腫(HAE)であるか、又はブラジキニン媒介性血管性浮腫が、非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK AEnH)である、請求項1に記載の方法、請求項2に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3に記載の使用。
  5. ブラジキニン媒介性血管性浮腫が、遺伝性血管性浮腫(HAE)である、請求項4に記載の方法、請求項4に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項4に記載の使用。
  6. ブラジキニン媒介性血管性浮腫が、非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)である、請求項4に記載の方法、請求項4に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項4に記載の使用。
  7. 非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)が、遺伝性遺伝的機能障害、欠陥、又は変異に起因するものではない、請求項6に記載の方法、請求項6に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項6に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  8. BK-AEnHが、環境誘発性、ホルモン誘発性、又は薬物誘発性であることができる正常C1インヒビターを伴う伴う非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh);後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビターインヒビター誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4インヒビターインヒビター誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)から選択される、請求項7に記載の方法、請求項7に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項7に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  9. AE-nC1 Inhが、空気汚染及び/又は銀ナノ粒子により環境的に誘発される、請求項7に記載の方法、請求項7に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項7に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  10. 患者が、2才~18才未満の年齢である、請求項1若しくは4~9のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~9のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3若しくは4~9のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  11. 患者が、2才~12才未満の年齢である、請求項10に記載の方法、請求項10に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項10に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  12. 患者が、70才以上の年齢である、請求項1若しくは4~9のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~9のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3若しくは4~9のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  13. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫の発作のオンデマンド処置における使用のためのものであり、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識された際にオンデマンドで経口投与される、請求項1若しくは4~12のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~12のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3若しくは4~12のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  14. 患者が、喉頭部の発作を患っている、請求項13に記載の方法、請求項13に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項13に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  15. 認識された急性HAE発作の症状が、組織の腫脹、疲労、頭痛、筋肉痛、皮膚のうずき、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、嚥下困難、嗄声、息切れ、及び/又は情緒の変化のうちの少なくとも1つである、請求項13若しくは14のいずれか一項に記載の方法、請求項13若しくは14のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項13若しくは14のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  16. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識されてから1時間以内にオンデマンドで経口投与される、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法、請求項13~15のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項13~15のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  17. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の症状が認識されてから30分以内、20分以内、10分以内、又は5分以内にオンデマンドで経口投与される、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法、請求項13~16のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項13~16のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  18. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の前駆期にオンデマンドで経口投与される、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法、請求項13~17のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項13~17のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  19. 認識された症状が、わずかな腫脹、腹痛又は皮膚の発赤のうちの少なくとも1つである、請求項18に記載の方法、請求項18に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項18に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  20. 認識された症状が、多型紅斑である、請求項19に記載の方法、請求項19に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項19に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  21. 処置が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の持続期間を短縮する、請求項1及び4~20のいずれか一項に記載の方法、請求項2及び4~20のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3~20のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  22. 処置が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の腫脹ステージへの進行を妨げる、請求項18に記載の方法、請求項18に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項18に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  23. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作の可能性を予防的に減少させるためにオンデマンドで経口投与される、請求項1若しくは4~12のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~12のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3若しくは4~12のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  24. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が誘発されると予測される場合、オンデマンドで経口投与される、請求項23に記載の方法、請求項23に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項23に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  25. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作を予防するためにオンデマンドで経口投与される、請求項23若しくは24のいずれか一項に記載の方法、請求項23若しくは24のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項23若しくは24のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  26. BK-AEnHが、tPA誘発性血管性浮腫であり、患者が、組織プラスミノゲン活性因子の投与も受けており、式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、前記患者への前記組織プラスミノゲン活性因子の投与前、投与中、又は投与後に投与される、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項23~25のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  27. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が物理的外傷及び/又はストレスにより誘発されると予測される場合、オンデマンドで経口投与される、請求項24若しくは25のいずれか一項に記載の方法、請求項24若しくは25のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項24若しくは25のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  28. ブラジキニン媒介性血管性浮腫発作が、歯の手術の物理的外傷及び/又は歯の手術に伴う精神的ストレスにより誘発されると予測される、請求項27に記載の方法、請求項27に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項27に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  29. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、分散性錠剤又は口内分散性錠剤として投与される、請求項1若しくは4~28のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~28のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3~28のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  30. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、分散性錠剤として投与される、請求項29に記載の方法、請求項29に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項29に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  31. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、口内分散性錠剤として投与される、請求項30に記載の方法、請求項30に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項30に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  32. 口内分散性剤形が、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カンファー、サッカリンナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む、請求項31に記載の方法、請求項31に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項31に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  33. 口内分散性剤形が、pearlitol Flash(共処理されたマンニトール/トウモロコシデンプン)、スクラロース、及びステアリルフマル酸ナトリウムのうちの1つ以上を含む、請求項31に記載の方法、請求項31に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項31に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  34. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、小型錠剤として投与される、請求項1若しくは4~33のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~33のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3~33のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  35. 小型錠剤が、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、及びステアリン酸マグネシウムのうちの1つ以上を含む、請求項34に記載の方法、請求項34に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項34に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  36. 式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が、口内分散性フィルムとして投与される、請求項1若しくは4~28のいずれか一項に記載の方法、請求項2若しくは4~28のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項3~28のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  37. 崩壊の仕様が、約10分間未満で80%超超であることができる、請求項29~36のいずれか一項に記載の方法、請求項29~36のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項29~36のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  38. 崩壊の仕様が、約1分間未満で80%超超であることができる、請求項37に記載の方法、請求項37に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項37に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  39. 溶解の仕様が、約45分間未満で80%以上以上であることができる、請求項29~38のいずれか一項に記載の方法、請求項29~38のいずれか一項に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項29~38のいずれか一項に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
  40. 溶解の仕様が、約5分間未満で80%超超であることができる、請求項39に記載の方法、請求項39に記載の使用のための式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)、又は請求項39に記載の式Aの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)の使用。
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