JP2022069121A - 保護部材 - Google Patents

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史朗 槇原
Shiro Makihara
竜司 多野
Ryuji Tano
紘仁 金津
Hirohito Kanatsu
みずき 島田
Mizuki Shimada
直樹 児玉
Naoki Kodama
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Abstract

【課題】対象空間の少なくとも一部を覆って保護する保護部材であって、保護部材の形状に成形された部材本体を構成する材料の制約も少なく、その構成も簡略化され、十分な放熱機能及び電磁波シールド機能を確保することが容易な保護部材を提供する。【解決手段】部材本体を備え、部材本体は、対象空間の少なくとも一部を覆う壁部を含み且つ筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバーの形状に成形された基材の壁部の対象空間側の面である内面又は前記壁部の内面と反対側の面である外面の少なくとも一方に、溶射によって溶射皮膜を形成することによって構成され、溶射皮膜には金属材料が含有される。【選択図】図2

Description

この発明は、対象空間の少なくとも一部を覆って保護する保護部材に関する。
対象空間の少なくとも一部を覆って保護する筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバー等の保護部材が従来公知である。対象空間には、例えば、電磁波の影響を受け易く、発熱量も多い電子部品や、それ自体が電磁波を発するモータやバッテリユニット等が対象物として配置される。
このような場合、保護部材は、それを形成する材料自体によって、電磁波を遮断する機能(電磁波シールド機能)や、対象空間と保護部材を挟んだ反対側の空間へ該対象空間側からの熱を逃がす機能(放熱機能)を有することが望ましく、このような要望を満たす代表的な材料としては鉄や銅等の金属材料が考えられるが、金属材料は比重が大きく、保護部材の軽量化が困難になるという問題がある。
この問題を改善するため、筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバーの形状に成形された部材本体を備え、部材本体に金属プレートが埋設されるか、或いは部材本体の表面に金属メッシュを敷設した保護部材が公知になっている(例えば、特許文献1を参照)。
上記文献の保護部材は、部材本体を構成する材料の種類に関係なく、金属プレート又は金属メッシュによって、電磁波シールド機能や放熱機能を付与することが可能になる点で、大きなメリットがある。
しかし、部材本体とは別体で形成された金属プレート又は金属メッシュを位置決めして固定する空間や部材が別途必要になり、その構成が複雑化する。
また、保護部材に十分な放熱性を付与させるためには、金属プレート又は金属メッシュを表面積が広い形状に成形する必要があるが、電子部品等の発熱体の周囲の空間では、このような要件を確保することが困難な場合もある。
一方、金属メッシュを敷設したのみでは、そもそも保護部材に十分な電磁波シール機能を付与できない場合がある他、金属プレートの場合には、一定以上の厚みを確保する必要があり、それに対応して、大きな埋設スペースが必要になるため、場所によっては、この要件を満たすことが困難である。
すなわち、場合によっては、部材本体と別体で形成された金属プレート又は金属メッシュでは、電磁波シールド機能や放熱機能を十分に確保できない場合がある。
特開2009-83599号公報
対象空間の少なくとも一部を覆って保護する保護部材であって、保護部材の形状に成形された部材本体を構成する材料の制約も少なく、その構成も簡略化され、十分な放熱機能及び電磁波シールド機能を確保することが容易な保護部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、対象空間を保護する保護部材であって、部材本体を備え、前記部材本体は、前記対象空間の少なくとも一部を覆う壁部を含み且つ筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバーの形状に成形された基材の前記壁部の前記対象空間側の面である内面又は前記壁部の内面と反対側の面である外面の少なくとも一方に、溶射によって溶射皮膜を形成することによって構成され、前記溶射皮膜には金属材料が含有されたことを特徴とする。
前記溶射皮膜を、前記部材本体における前記内面側から前記外面側に至る範囲に連続して形成することによって、前記対象空間側の熱を外部に放出するように構成したものとしてもよい。
前記溶射皮膜には、導電金属材料が含有されたものとしてもよい。
前記溶射皮膜には、強誘電体、高透磁率材料又は導電損失材料が含有されたものとしてもよい。
前記溶射皮膜には、樹脂材料又はセラミックス材料が含有されたものとしてもよい。
前記部材本体は、複数の分割片を有し、隣接する前記分割片同士を接合することによって、前記基材の少なくとも一部が構成され、前記分割片における他の前記分割片と接合する部分である接合部の少なくとも一部には、前記溶射皮膜が形成されたものとしてもよい。
互いを接合させる2つの接合部の夫々には、互いを面接触させて接合する接合面が形成され、接合させる2つの接合面の少なくとも一方には前記溶射皮膜が形成されたものとしてもよい。
前記接合面がフラットに形成されたものとしてもよい。
前記部材本体には、その内面から外面に至る挿通孔が穿設され、前記挿通孔の内周面には前記溶射皮膜が形成されたものとしてもよい。
部材本体は、その内面又は外面側に溶射皮膜を一体的に有するため、その構成を複雑化することなく、電磁波シールド機能及び放熱機能を確保することが容易になり、また、一般的には、様々な種類の材料に対して溶射が可能であるため、部材本体に採用可能な材料にも制約が少ない。
基材に溶射材を溶射するプラズマ溶射装置の構成を説明する側面図である。 本発明に適用したケースの断面図である。 図2に示すケースの変形例の構成を示す断面図である。 図2に示すケースの変形例の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係るケースの断面図である。 図5のケースの接合部分の拡大図である。 本発明の他の実施形態に係るケースの断面図である。 図7のケースの接合部分の拡大図である。
本発明の適用した保護部材は、対象空間の少なくも一部を覆う筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバーの形状に成形された部材本体によって、その主要部分が構成されている。部材本体は、対象空間の一部又は全部を覆う壁部を有し且つ部材本体の同一形状に形成された基材における該壁部の対象空間側の面(内面)又は該内面と反対側の面(外面)の少なくとも一方に溶射材を溶射して溶射皮膜を形成することにより構成されている。
基材は、溶射可能な材料であれば採用可能であり、比重が軽くて強度の高いものを選択することが望ましい。具体的には、樹脂材料、ガラス材料、セラミックス材料、木材、紙材又はこれらの複合材等の種々の材料の中から選択可能である。樹脂材料は、炭素繊維やガラス繊維等の繊維材料によって、その強度を向上させてもよい。具体的には、樹脂材料としてCFRPやGFRPが想定されるが、これに限定されるものではない。
溶射材(溶射皮膜)は、少なくとも金属材料(好ましくは、導電金属材料,強誘電体又は高透磁率材料)が含まれ、より詳細には、母材と、添加材とを混合させた材料から構成されている。溶射後の溶射皮膜中においては、母材中に添加材が分散して無数に位置した状態になる。すなわち、添加材はフィラー材として機能する。
添加材は粒状に成形されたものを用いる。また、添加材は、保護部材に求められる機能に応じて選定された一又は複数の材料から構成されている。求められる機能は、大まかには、電磁波シールド機能及び放熱機能が挙げられ、その他には、耐熱性(耐火性)、耐候性(具体的には紫外線からの保護)、耐薬品性、抗菌性等が挙げられる。
電磁波シールド機能を実現させるためには、電波を反射させる手段(反射手段)と、電波を吸収させる吸収手段(吸収手段)との少なくとも2つが考えられる。
反射手段では、導電金属によるネットワークを溶射皮膜中に形成することによって電波を反射させる。吸収手段では、添加材として強誘電体、高透磁率材料又は導電損失材料を含ませることにより、熱エネルギー変換(ジュール発熱)によって電波を吸収する。
導電金属としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)又はこれらの複合材料等の導電性を有する種々の金属が考えられる。高透磁率材料としては、例えば、センダスト(Fe-Si-Al合金)、フェライト、アモルファス合金又はこれらの複合材料等が挙げられる。
強誘電体としては、代表的には、チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O)又はこれらの複合材料等が挙げられる。導電損失材料としては、カーボン系材料等が挙げられる。
また、耐熱機能を重視する場合にはアルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)又はこれらの複合材料等を用い、放熱機能を重視する場合には酸化マグネシウム(MgO)、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ、(Al)、窒化アルミニウム(AlN)又はこれらの複合材料等を用い、紫外線吸収による耐候性機能を重視する場合、酸化チタン(TiO)等を用い、赤外線放射機能を重視する場合には砂鉄等を用いる。
母材は、添加材と同様に粒状に成形される。溶射材は、母材及び添加材が所定割合で混合された混合粉末である。この母材の材料としては、添加材の酸化、変質を防止することを目的とし、合成樹脂又はセラミックス等が考えられる。
その他、母材に金属材料を含めることによって溶射皮膜の電磁波シールド機能を促進させてもよく、また、母材に樹脂材料又はセラミックス材料を含めることによって溶射皮膜の誘電吸収損失を促進させてもよい。
溶射方法としては、本例ではプラズマ溶射法を用いるが、特にこれに限定されるものではなく、高速ガス炎溶射法、ガスフレーム溶射法、アーク溶射法等を用いることが可能である。
図1は基材に溶射材を溶射するプラズマ溶射装置の構成を説明する側面図である。プラズマ溶射装置は、その軸心が溶射する対象である基材Wに向けられた溶射ガン(プラズマ溶射トーチ)51を備えている。溶射ガン51は、陰極(アノード)52と、陽極(カソード)53と、生成されるプラズマジェットPJにキャリアガスと共に粒状の溶射材を供給する供給ポート(供給部)54と、2つの前記電極52,53側に作動ガス(プラズマガス)を供給する供給ポート(供給部)56とを有している。
陰極52は軸心S上に位置する直線状の端子であって、その先端が基材1側に向けられている。陽極53は、陰極52よりも基材W寄りに位置し且つ陰極52と同一軸心となる筒状に成形され、少なくともその一部が上記プラズマジェットPJを噴射するノズルを構成している。
供給ポート54は、ノズル53の軸心Oと交差(直交)するように上記ノズル53の先端側(図示する例では、ノズル53よりも基材W寄り部分)に配置され、その先端側の供給口54aが陽極53の陰極52から遠い側の開放端に近接している。供給ポート56は、陰極52の軸心Oと交差(直交)するように該陰極52側に配置され、その先端側の供給口56aが該陰極52側に向けられている。
このプラズマ溶射装置を用いた溶射方法について説明する。まず、図示しない電源によって2つの電極52,53に直流電圧を印加してアークを発生させるとともに、供給ポート56の供給口56aから作動ガスを該アークに供給し、ノズル54からその軸心Oに沿って基材Wに噴出されるプラズマジェットPJを生成する。
この状態で、プラズマジェットPJに供給ポート54からキャリアガスと共に粒状の溶射材を供給すると、該溶射材は溶融及び加速されながら基材Wの表面に衝突し、該表面に溶射皮膜が形成され、これによって保護部材(部材本体)の製造が完了する。
この溶射皮膜2によって保護部材には上述した種々の機能を付与することが可能になり、様々な用途に利用できる。
保護部材が適用可能なものとしては、PCの筐体、電子制御ユニット(PCU,ECU)、スマフォや携帯用のタブレット等の情報通信端末、バッテリ、インバータ、コンバータ、モータ、ワイヤレス給電システム、機電一体システム、カメラ、GPSセンサ又はミリ波レーダその他の衝突防止センサ等の自動車に搭載される各種機器が想定される。
また、X線画像診断装置、超音波診断装置、ワイヤレス可搬型DR、レントゲン機器、
マンモグラフィー、AED、ハイパーサーミア装置、マイクロ波治療器、カテラボ装置、検査室自動化学分析装置、ICUデータ管理システム、医用テレメータ、心電図モニタ、介護ロボット、リハビリ、機能訓練機器又は自動排泄処理装置等の健康・医療・介護関連のものにも、本保護部材を適用可能である。
また、航空機・船舶用ビーコン、航空・航海管制塔無線設備、ステルス・レーダ波対策機器、衛星カメラ、気象用レーダ又は宇宙ステーションの内壁等の航空・船舶・宇宙関連のものにも、本保護部材を適用可能である。
さらに、制御盤キャビネット、各種センサ・レーザ計測機器、地震センサ(地震計)、感震器(地震感知器)又は監視カメラ等の屋外設備関連のものにも本保護部材を適用可能である。
図2は本発明に適用したケースの断面図である。対象物Oが配置された対象空間Sの全体を密閉して覆うケースは、直方体状に成形されたケース本体(部材本体)1から構成されている。ちなみに、ケース本体1は、上述した壁部として、対象空間Sの周囲を囲繞する周壁部と、対象空間Sの真下側をカバーする底部と、対象空間Sの真上側をカバーする天井部とを有している。
このケース本体1の外面又は内面(図示する例では外面)を含む表層部の一部又は全部(図示する例では全部)の範囲は、溶射皮膜2によって構成されている。言い換えると、ケース本体1の内面又は外面には、溶射皮膜2が形成されている。
ケース本体1は複数の分割片3,3から構成されている。隣接する分割片3,3の接合部4,4同士を溶接して固定するか、或いは締着具等によって定着して固定ことにより、分割片3,3を互いに接合させて前記ケースの少なくとも一部(図示する例では全部)を構成している。
本例の分割片3,3は、直方体状のケースを構成する上下一対の半割片である。すなわち、各半割片3は、一方が開放された凹状(具体的には、一面が開放された直方体状)に成形され。該半割片3の開放側の部分は、他の半割片3と接合させる接合部4を構成している。
一対の半割片3,3は、方形環状をなす接合部4,4同士が対向するように、その内面同士を向かい合わせ、該接合部4,4同士を溶接等により固定する。
具体的には、上下の接合部4,4の向かい合う端面4a,4aが、互いを面接触させた状態で接合させる接合面になる。この接合面4aは、底面視又は平面視でケースの外周面に沿う方形環状に形成されたフラット面である。この一対の接合面4a,4aの一方又は両方(図示する例では一方)を含む全範囲又は略全範範囲には、溶射皮膜2が形成されている。
そして、基材1の内部に形成された対象空間Sには電磁波を発生させるモータや電子回路等、或いは電磁によって誤作動を起こす可能性がある電子部品等の対象物Oが配置されている。
以上のように構成されるケースによれば、基材1の材料として比重が小さい樹脂材料を選択して全体を軽量化させた場合でも、溶射材として適切な材料を選択することにより、該ケースに十分な電磁波シールド機能を付与できる。
また、溶射材として、上述した各種の機能を確保する材料を、上述した選択肢の中から適宜選択して必要な機能を付与することも可能である。
なお、図3に示すように、溶射皮膜2に複数の機能を付与してもよい。同図に示す例では、電磁気ノイズが発生するICチップを含む電気回路や電子機器が対象物Oとして対象空間Sに配置されている。ケース本体1の主材料(基材)は合成樹脂によって構成されている。溶射皮膜2は、2層構造を有し、ケース本体1の内面側又は外面側(図示する例では内面側)に形成されている。
溶射皮膜2の内側に位置する層である内側層2aは対象物Oからの電磁気ノイズを吸収する特性を強めている。具体的には、内側層2aは、電磁波吸収系の皮膜である。一方、溶射皮膜2の外側に位置する層である外側層2bは外部からの電磁波を反射する反射層又は吸収する特性を強めている。具体的には、外側層2bは、導電金属系皮膜を用いて反射損失を高めている。
該構成によれば、対象物Oからの電磁波のケース外への漏洩を防止できるとともに、電磁気ノイズによる対象物Oの誤作動も効率的に防止できる。すなわち、電磁波障害を与えること(EMI)を防止する機能と、電磁波障害を受けること(EMS)を防止する機能とを両立できる。
ちなみに、金属製のケースを用いて外部からの電磁波が対象物Oから遮断する場合、外部からの電磁波の反射によって防止できる一方で、対象物O自身から発生した電磁波がケースの内面側で反射されて該対象物O自体に照射され、誤作動の原因になる。しかし、図3に示すような構造によれば、対象物Oからの電磁波は内側層2aによって吸収させることが可能になるため、このような欠点が改善できる。
また、合成樹脂製のケースを用いた場合には、対象物Oへの電磁波の遮断がそもそも困難になる。さらに、このようなケースにおいて、内面側に電磁気シールド機能を有するシート材を貼付した場合、その内面全体に隙間なくシート材を敷設する必要があり、手間が掛かる他、ケースの形状によっては、それがそもそも困難な場合もある。これに対して図3に示すような構造によれば、このような問題も生じない。
さらに、導電金属製のケース状に形成された基材の外面又は外面側に、電磁波を吸収する特性を有する溶射皮膜2を形成することによって、ケース本体1を構成すれば、図3に示すものと同様の機能は付与できるが、この場合、主な材料として導電金属材料を用いているため、ケース自体が重くなる。これに対して、図3に示すような構成によれば、軽量化も容易である。
なお、溶射皮膜2は、複数層に形成することは必須ではなく、単一層で複数の機能を付与することも可能である。
また、ケースは、対象空間Sを密閉することは必ずしも必要ではなく、図4に示すように、一部又は大部分を開放させる開口部1aを形成してもよい。また、図2では、複数の成形体である分割片によって一の部材本体1を構成する例を説明したが、図4に示すように単一の成形部材によって部材本体1を構成してもよい。
また、部材本体1を構成する分割片3の数は2つ限定されるものではなく、3つでも4つでも複数であればよい。さらに同図では、部材本体1の内面に溶射皮膜2が形成されている。
さらに、接合面4a,4aへの溶射皮膜2の形成は必須ではなく、省略してもよい。この場合、複数の分割片3,3を接合面4a,4a同士で接合した後、その外面又は内面に溶射皮膜2を形成すれば、分割片3,3の外面同士の境目又は内面同士の境目に溶射皮膜2によって覆われ、面一な状態になり、接合面4a,4a同士の間に形成された隙間からの電磁波の侵入が防止される。
次に、図5及び図6に基づき本発明の他の実施形態について上述の形態と異なる部分を説明する。
図5は本発明の他の実施形態に係るケースの断面図であり、図6は図5のケースの接合部分の拡大図である。部材本体1は上下一対の分割片3,3によって構成されている。ただし、上述の形態と異なり、一対の分割片3,3は互いに上下対称な形状には成形されておらず、一方の分割片3の開放側部分である接合部6の内周面に、他方の分割片3の開放側部分である接合部7の外周面を嵌合して挿入することにより、両者が接合される。
すなわち、一方の分割片3(具体的には上側の分割片3)の下部に配置された接合部6の内周面にはその全周に亘り接合面6aが形成され、他方の分割片3(具体的には下側の分割片3)の上部に配置された接合部7の内周面にはその全周に亘り接合面7aが形成されている。
本例では、各分割片3,3の周壁が平断面視で方形環状に成形されているため、接合面6a,7a同士を面接触させるためには、フラットな面の組み合わせによって構成すればよいが、ケース1の周壁の一部が平断面視で円弧状に湾曲している場合には、それに対応して、接合面6a,7aも円弧面状等の形状に成形される。そして、部材本体1の接合面6a,7aの全体には溶射皮膜2が形成されている。
また、上下の分割片3,3の周壁において互いを重ね合わせて接合させる夫々の部分である接合部6,7には、締着具であるボルト8をまとめて挿通させる挿通孔6b,7bがそれぞれ穿設されている。挿通孔6b,7bは、個々の分割片3(基材1)の内面から外面に至る範囲に形成されている。
挿通孔6b,7bの内周面の全体には溶射皮膜2が形成されている。該挿通孔6b、7bに挿通させてその先端部が接合部6,7から突出するボルト8と、ボルト8の先端部にネジ係合されるナット9とによって、接合部6,7同士が締着して固定され、これによって分割片3,3同士が接合して固定される。
次に、図7及び図8に基づき本発明の他の実施形態について上述の形態と異なる部分を説明する。
図7は本発明の他の実施形態に係るケースの断面図であり、図8は図7のケースの接合部分の拡大図である。基材1は上下一対の分割片3,3によって構成されている。一対の分割片3,3は互いに上下対称な形状には成形されている。分割片3の開放側端部には、その周囲の全周に亘って外側に一体的に延設された環状のフランジ状の接合部11が形成されている。
上下の接合部11,11の互いの接合させる接合面11a,11aは水平且つフラットに形成される。接合させる一対の接合面11aの一方又は両方(図示する例では両方)の全範囲には溶射皮膜2が形成されている。
上下の分割片3,3同士は、その接合部11,11の接合面11a,11a同士を面接触させて密着させた状態で、締着具であるボルト12によって締着して固定される。ボルト12は、一対の接合部11,11に穿設された挿通孔11b,11bにまとめて挿通され、その先端部が接合部11,11から上下の何れか一方に突出し、この先端部にナット13をネジ係合させ、この状態からボルト12を締め付けることにより、接合部11,11同士が締着して固定され、分割片3,3同士が接合面11a,11aによって接合される。
ちなみに、この接合部11は、部材本体1の前記内面又は前記外面の何れにも位置しない部分であるため、該接合部に穿設された挿通孔11bの内周面に溶射皮膜2を形成する必要性は低い。ただし、これを禁止するものではない。
また、図6に仮想線で示すように、溶射皮膜2を部材本体1の外面から内面又は内面から外面に至る範囲に連続して形成してもよい。この場合、対象物O側で発生させた熱を、溶射皮膜2を介して、ケースの外側に逃がすことが可能になり、放熱機能が向上する。
さらに、図6に仮想線で示すヒートシンク等の放熱体14を該溶射皮膜2に接触するようにしてケースの外面側に設け、対象空間Sをさらに効率的に冷却できるようにしてもよい。ちなみに、対象物Oが発熱する回路や電子部品である場合、この対象物も溶射皮膜2に接触させて設けることが望ましい。
1 部材本体
2 溶射皮膜
3 分割片
4 接合部
4a 接合面(端面)
6 接合部
6a 接合面
6b 挿通孔
7 接合部
7a 接合面
7b 挿通孔
11 接合部
11a 接合面
S 対象空間

Claims (9)

  1. 対象空間を保護する保護部材であって、
    部材本体を備え、
    前記部材本体は、前記対象空間の少なくとも一部を覆う壁部を含み且つ筐体、ケース、ハウジング、パイプ又はカバーの形状に成形された基材の前記壁部の前記対象空間側の面である内面又は前記壁部の内面と反対側の面である外面の少なくとも一方に、溶射によって溶射皮膜を形成することによって構成され、
    前記溶射皮膜には金属材料が含有された
    ことを特徴とする保護部材。
  2. 前記溶射皮膜を、前記部材本体における前記内面側から前記外面側に至る範囲に連続して形成することによって、前記対象空間側の熱を外部に放出するように構成した
    請求項1に記載の保護部材。
  3. 前記溶射皮膜には、導電金属材料が含有された
    請求項1又は2の何れかに記載の保護部材。
  4. 前記溶射皮膜には、強誘電体、高透磁率材料又は導電損失材料が含有された
    請求項1乃至3の何れか記載の保護部材。
  5. 前記溶射皮膜には、樹脂材料又はセラミックス材料が含有された
    請求項1乃至4の何れかに記載の保護部材。
  6. 前記部材本体は、複数の分割片を有し、
    隣接する前記分割片同士を接合することによって、前記基材の少なくとも一部が構成され、
    前記分割片における他の前記分割片と接合する部分である接合部の少なくとも一部には、前記溶射皮膜が形成された
    請求項1乃至5の何れかに記載の保護部材。
  7. 互いを接合させる2つの接合部の夫々には、互いを面接触させて接合する接合面が形成され、
    接合させる2つの接合面の少なくとも一方には前記溶射皮膜が形成された
    請求項6の記載の保護部材。
  8. 前記接合面がフラットに形成された
    請求項7の記載の保護部材。
  9. 前記部材本体には、その内面から外面に至る挿通孔が穿設され、
    前記挿通孔の内周面には前記溶射皮膜が形成された
    請求項1乃至8の何れかに記載の保護部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116406156A (zh) * 2023-06-09 2023-07-07 中国科学院微小卫星创新研究院 电磁屏蔽与散热一体化的星载电子系统及其装配方法

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CN116406156A (zh) * 2023-06-09 2023-07-07 中国科学院微小卫星创新研究院 电磁屏蔽与散热一体化的星载电子系统及其装配方法
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