JP2022068930A - サッシ - Google Patents

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Abstract

【課題】被取付部材の形状にとらわれずに取付可能な多孔質弾性部材を有し、建物の内部結露を抑制できる、サッシを提供すること。【解決手段】建物の開口部に装着される金属枠と、前記金属枠の室内側の面に当接し外部から視認不能に配置される多孔質弾性部材と、を有し、多孔質弾性部材は、厚み1mm以上のシート状の形状を有し、JIS K 6767:1999に準拠して測定される25%圧縮硬さが、3.9kPa以上62kPa以下である、サッシ。多孔質弾性部材の少なくとも一面には、接着剤層が形成されることが好ましい。【選択図】図2

Description

本開示は、サッシに関する。
建物の開口部に装着される建具として、アルミ枠体等の金属枠を有するサッシが知られている。上記サッシの断熱性を高めるため、アルミ枠体と建物内部に配置される部材とが接する箇所に、別途樹脂部材を配置する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-308171号公報
特許文献1に開示された技術は、室内側に設けられる障子開閉部材を、樹脂材料の支持部材を介して、室外側のアルミニウム形材と連結する。上記によって、断熱性を高め、結露の発生を抑制できる。しかし、上記支持部材は、接続される部材の形状に応じ押出成型して形成される、硬質の合成樹脂である。このため、接続される部材の形状に応じた複数の支持部材を保持する必要があり、仕様変更の度に新しい形状を検討する必要もあった。上記以外に、アルミ枠体と、木材等によって構成される建物躯体とが、外部から視認不能な箇所で接することで、内部結露が生じ、建物の腐食の原因になる課題もあった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、被取付部材の形状にとらわれずに取付可能な多孔質弾性部材を有し、建物の内部結露を抑制できる、サッシを提供することを目的とする。
建物の開口部に装着される金属枠と、前記金属枠の室内側の面に当接し外部から視認不能に配置される多孔質弾性部材と、を有し、前記多孔質弾性部材は、厚み1mm以上のシート状の形状を有し、前記多孔質弾性部材は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される25%圧縮硬さが、3.9kPa以上62kPa以下である、サッシ。
一実施形態に係るサッシの正面図である。 図1におけるA-A線断面図である。 一実施形態に係る多孔質弾性部材の構成を示す斜視図である。
本実施形態に係るサッシは、建物の開口部に装着される建具の一部を構成する枠体である。上記サッシは、金属枠と、金属枠の室内側の面に当接し外部から視認不能に配置される多孔質弾性部材と、を有する。
<建具>
図1は、建具100を、建築物の屋内側から見た正面図である。図1に示すように、建具100は、下枠10aと、上枠10bと、左右の縦枠10c及び10dを矩形に枠組みして構成されるサッシ10と、一対の内障子21及び外障子22と、を有する。本明細書において、「見付方向」とは、内障子21及び外障子22の面方向を意味し、「見込方向」とは、内障子21及び外障子22の厚み方向を意味する。
サッシ10は、建築物の開口部に装着される。サッシ10は、縦枠10c及び10dに対して上枠10b及び下枠10aの端部を突き当ててビス等の固定具で固定されている。サッシ10は、アルミ等の金属で構成される金属枠110を有する。サッシ10の詳細な構成は、下枠10aを例に挙げて後段で詳述する。
サッシ10は、内障子21及び外障子22を枠内に保持する。内障子21及び外障子22は、サッシ10に対して見付方向左右にスライド可能に設けられる、2枚建ての引き違い窓である。屋内側に位置する障子を内障子21といい、屋外側に位置する障子を外障子22という。内障子21及び外障子22は、クレセント錠31によって施錠可能である。本実施形態において、外障子22の屋外側には、任意に網23aを有する網戸23が設けられる。網戸23は、見付方向左右にスライド可能にサッシ10内に保持される。
内障子21及び外障子22の構成を、図2を参照して以下に説明する。図2は、図1のA-A断面図における、下枠10a付近を拡大して示す図である。内障子21は、図1及び図2に示すように、下框21aと、上框、縦框及び召合せ框30によって矩形に枠組みされた框体に収容される複層ガラス21cを有する。外障子22は、内障子21と同様に、下框22aを含む矩形に枠組みされた框体に収容される複層ガラス22cを有する。内障子21と外障子22とは、召合せ框30の見付面に形成される煙返し部32によって係合する。
内障子21及び外障子22の下端部には、戸車21b及び22bがそれぞれ設けられる。戸車21b及び22bは、例えば樹脂製の戸車である。戸車21b及び22bは、内障子21及び外障子22に対し回転可能に取り付けられる。戸車21b及び22bは、下枠10aに形成される、後述する内レール部112及び外レール部113上をそれぞれ走行可能である。
(サッシ)
サッシ10は、例えば、金属枠110と、樹脂部材111と、を有するアルミ樹脂複合のサッシである。サッシ10としてアルミ樹脂複合のサッシを用いることで、建具100の断熱性及び防露性能を向上できる。サッシ10としては、上記アルミ樹脂複合のサッシ10に限定されず、建具100の用途に応じて、金属枠110のみを有するサッシであってもよい。
サッシ10の構成の詳細を、下枠10aを例に挙げて以下に説明する。図2に示すように、下枠10aの上部には、戸車21b及び22bが走行可能な内レール部112及び外レール部113が、下枠10aの長尺方向に沿って設けられる。内レール部112及び外レール部113は、例えば金属枠110の一部を下枠10aの長尺方向に沿って上部に突出させることで形成される。
金属枠110は、例えばアルミニウム材を押出成形することで形成される。金属枠110は、例えば複数の係合部を有し、樹脂部材111と係合して配置される。金属枠110の一部には、建築物の躯体3と当接する当接部110aが形成される。
当接部110aは、下枠10aの室内側に、見付方向に沿って形成される面である。当接部110aは、建築物の開口部を構成する、躯体3の縁部に対向して配置される。従って、当接部110aは、外部から視認不能に配置される。当接部110aは、金属枠110の一部として構成され、金属枠110の一部は室外に配置される。このため、当接部110aを介して外気温度が躯体3に伝達されることで、室内外の温度差によっては、躯体3の内部に水蒸気を含有する空気が移動する。その後、移動した空気の温度が低下することによって、躯体3の内部で内部結露が発生する場合がある。内部結露が発生すると、建築物の腐食の原因になる。本実施形態では、当接部110aの室内側の面である、躯体3と当接する側の面には、外部から視認不能に多孔質弾性部材1が配置される。これにより、当接部110aを介した外気温度の躯体3への伝達が抑制される。従って、内部結露の発生が抑制される。多孔質弾性部材1の構成については後段で詳述する。
樹脂部材111は、例えば合成樹脂によって形成される。樹脂部材111は、図2に示すように、内部に複数の中空構造を有して構成される。樹脂部材111が中空構造を有することで、室外の温度が、より室内に伝達され難くなり、建具100の断熱性を向上させることができる。
樹脂部材111は、図2に示すように、下枠10aの室内側に向けて、躯体3の上面に沿うように延出するアングル部111aを有する。アングル部111aは、図示しないビス等の固定具によって、躯体3に対して固定される。上記固定具は、下枠10aの長手方向の所定間隔毎に設けられる。アングル部111aの端部は、コーナーキャップ11によって被覆される。アルミニウム等の金属と比較して熱伝導率の低い樹脂をアングル部111aとして用いることによって、アングル部111a上の結露の発生が抑制される。
[多孔質弾性部材]
多孔質弾性部材1は、金属枠110の室内側の面に配置される。多孔質弾性部材1は、当接部110aの室内側の面に当接して配置される。多孔質弾性部材1は、当接部110aの室内側の面に当接して配置されていればよく、躯体3に当接している必要はない。多孔質弾性部材1は、厚み1mm以上のシート状の形状を有する部材である。多孔質弾性部材1は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される25%圧縮硬さが、3.9kPa以上62kPa以下である。多孔質弾性部材1の上記構成によって、躯体3の内部結露を防止でき、かつ、当接部110aの形状にとらわれずに、多孔質弾性部材1を任意に変形させて当接部110aに当接して配置できる。
内部結露を防止する目的で当接部110aに当接する部材としては、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって形成される樹脂部材を用いることも考えられる。上記樹脂部材は、例えば当接部110aの形状に応じ、当接部110aと篏合する形状に成形されて用いられる。上記樹脂部材を用いる場合、事前に指定寸法への切断が必要であり、設定長さに応じた複数の樹脂部材を仕掛品として所持しておく必要がある。上記に加えて、篏合形状のため樹脂部材も当接部110aも複雑な形状にすることが必要であるため、コストの上昇を招く。更に、当接部110aの形状が変更となった場合、樹脂部材も変更された形状に応じて形状を変更する必要がある。本実施形態に係る多孔質弾性部材1は、上記PVC等の樹脂部材を用いる場合と比較して、様々な利点を有する。
多孔質弾性部材1は、スポンジ状の微細な空孔を有して構成される。多孔質弾性部材1が、微細な空孔を有する多孔質状であることで、好ましい断熱性が得られる。このような多孔質弾性部材1は、例えば、発泡樹脂によって形成される。発泡樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、並びに塩化ビニル等の合成樹脂の発泡体が挙げられる。これらの発泡樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。多孔質弾性部材1としての発泡樹脂は、例えば熱伝導率が約0.03W/m・K以下である。これは、従来断熱用として用いられていた、例えばポリ塩化ビニルの熱伝導質である約0.17W/m・Kと比較してかなり低い値である。このため、発泡樹脂によって形成される多孔質弾性部材1は、好ましい断熱性を有し、当接部110aを介して室外の温度が躯体3に伝達されることを好ましく抑制できる。
多孔質弾性部材1は、図3に示すような巻物状の形状から、金属枠110に当接して配置される際のシート状の形状へと変形可能であることが好ましい。これにより、現場に巻物形状の多孔質弾性部材1を持参し、適切な長さに切断することで容易に多孔質弾性部材1を施工することができる。また、事前の定寸切断等の段取りが不要となる。
多孔質弾性部材1は、図3に示すように、少なくとも一面である面1aに、接着剤層が形成されてなることが好ましい。これにより、多孔質弾性部材1の上記接着剤層を有する面1aを当接部110aに当接させることで、容易に多孔質弾性部材1を当接部110aに貼り付けて施工することができる。上記接着剤層を形成する接着剤としては、特に限定されず、接着テープ用の接着剤として公知の接着剤を使用できる。例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴム系粘着剤、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体及びこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等が挙げられる。これらの接着剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
多孔質弾性部材1の接着剤層は、他の面である、例えば図3における面1bにも設けられていてもよい。上記少なくとも一面に形成される接着剤層は、例えば離型材で被覆される。これにより、多孔質弾性部材1を巻物状の形状とし、かつ容易に引き剥がしてシート状の形状に変形できる。上記離型材としては特に限定されず、適度な柔軟性及び追従性を有する公知の離型材を使用できる。
多孔質弾性部材1は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される25%圧縮硬さが、3.9kPa以上62kPa以下である。多孔質弾性部材1の25%圧縮硬さを上記範囲内のものにすることで、多孔質弾性部材1を当接部110aの形状に応じて任意に変形することができる。これにより、当接部110aの形状にとらわれずに多孔質弾性部材1を配置できる。上記以外に、当接部110aに篏合形状等の特殊形状を設ける必要がなく、例えば平面状の形状にすることが可能となるため、建具100の製造コストを低減できる。
多孔質弾性部材1の上記25%圧縮硬さが3.9kPa未満である場合、多孔質弾性部材1の好ましい断熱性を得ることができない。上記以外に、多孔質弾性部材1を直線状に貼り付けることが困難であり、施工性が低下する。上記25%圧縮硬さが62kPaを超える場合、多孔質弾性部材1を巻物状に変形させることが困難である。
[25%圧縮硬さ]
多孔質弾性部材1の25%圧縮硬さは、例えば以下のように測定される。まず、試験片を長さ50mm×幅50mm×厚さ25mmの直方体に形成する。試験片の数は3個とする。試験片の各辺より大きい2枚の平行板を、面に垂直な方向にモーター又は手動によって滑らかに移動でき、かつ、変位量と荷重の測定ができる試験装置を測定に用いる。試験時の最大荷重は、測定可能な荷重の15~85%の範囲内とする。上記試験装置を用い、試験片を平行板の間に置き、10mm/minの速さで、初期厚みの25%だけ圧縮して停止し、20秒後の荷重を測定する。測定した荷重(P)を用い、以下の式(1)によって、25%圧縮硬さを算出する。3個の試験片によって測定した平均値を25%圧縮硬さの値として用いる。
H(圧縮硬さ)=P(荷重)/W(試験片の幅:mm)×l(試験片長さ:mm)
・・・(1)
多孔質弾性部材1の厚みは1mm以上である。これにより、下枠10aの内部結露を防止する効果が好ましく得られる。上記に加え、多孔質弾性部材1の適度な剛性が得られ、施工性が向上する。
多孔質弾性部材1としては、市販品を用いることができる。例えば、ソフトロンIF35(積水化学工業社製)、ソフトロンFR-ND #3002(積水化学工業社製)、ソフトロン(IF)SX15(積水化学工業社製)、エプトシーラー(日東電工社製)、カネライトフォーム(株式会社カネカ製)等を挙げることができる。
<サッシの施工方法>
本実施形態に係るサッシ10の施工方法は、多孔質弾性部材1を、図3に示す巻物状の形状から、シート状の形状へと変形する工程と、シート状の形状へと変形された多孔質弾性部材1を、所定の長さに切断する工程と、多孔質弾性部材1を、金属枠110の当接部110aに当接させて貼り付ける工程と、を含む。
多孔質弾性部材1を、巻物状の形状から、シート状の形状へと変形する工程は、単独で行われてもよい。上記以外に、多孔質弾性部材1を、巻物状の形状から、一部をシート状の形状へと変形させながら、多孔質弾性部材1の接着剤層が形成された面を、金属枠110に当接させて貼り付けてもよい。
シート状の形状へと変形された多孔質弾性部材1を、所定の長さに切断する工程は、多孔質弾性部材1が当接する当接部110aのサイズに合わせて、多孔質弾性部材1を切断する工程である。本工程は、当接部110aのサイズを予め測定しておき、該測定長さに合わせて多孔質弾性部材1を所定の長さで切断してもよい。上記以外に、一部が当接部110aに貼り付けられた多孔質弾性部材1の端部を、当接部110aのサイズに合わせて所定の長さで切断してもよい。
多孔質弾性部材1を、金属枠110に当接させて貼り付ける工程は、金属枠110の当接部110aの室内側の面に対し、上記多孔質弾性部材1を当接させて貼り付ける工程である。本工程は、上述の通り、多孔質弾性部材1を、巻物状の形状から、シート状の形状へと変形する工程と同時に行われてもよい。上記以外に、当接部110aのサイズに合わせて切断された多孔質弾性部材1を、当接部110aの室内側の面に当接させて貼り付けてもよい。
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。上記実施形態では、建具100を、内障子21及び外障子22を有する引き違い窓として説明した。上記に限定されない。本開示の多孔質弾性部材は、嵌め殺し窓等、引き違い窓以外の窓や戸に対しても適用できる。
上記実施形態では、多孔質弾性部材1を、下枠10aにおける金属枠110と躯体3との間に配置されるものとして説明した。上記に限定されない。多孔質弾性部材は、上枠10bや縦枠10c及び10dにおける、金属枠の室内側の面に当接して配置されてもよい。
上記実施形態では、多孔質弾性部材1を、少なくとも一面に接着剤層が形成されてなるものとして説明した。上記に限定されない。多孔質弾性部材1を当接部110aに当接させて配置する方法は接着剤層によるものに限定されない。例えば、別途接着剤を多孔質弾性部材1に塗布して接着してもよいし、固定具等によって当接部110aに固定してもよい。
1 多孔質弾性部材、10 サッシ、110 金属枠

Claims (5)

  1. 建物の開口部に装着される金属枠と、前記金属枠の室内側の面に当接し外部から視認不能に配置される多孔質弾性部材と、を有し、
    前記多孔質弾性部材は、厚み1mm以上のシート状の形状を有し、
    前記多孔質弾性部材は、JIS K 6767:1999に準拠して測定される25%圧縮硬さが、3.9kPa以上62kPa以下である、サッシ。
  2. 前記多孔質弾性部材の前記金属枠と当接する面には、接着剤層が形成される、請求項1に記載のサッシ。
  3. 前記多孔質弾性部材は、発泡樹脂により形成される、請求項1又は2に記載のサッシ。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のサッシに用いられる、多孔質弾性部材。
  5. 前記多孔質弾性部材を、巻物状の形状から、前記シート状の形状へと変形する工程と、
    前記多孔質弾性部材を、所定の長さに切断する工程と、
    前記多孔質弾性部材を、前記金属枠に当接させて貼り付ける工程と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載のサッシの施工方法。
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