JP2022067314A - 処理液、処理液とインクのセット、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

処理液、処理液とインクのセット、画像形成方法、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ビーディングの発生を防止でき、耐擦過性及び光沢性に優れる画像を形成できる画像形成方法を提供する。【解決手段】記録媒体5上に樹脂、多価金属塩及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、処理液が付与された記録媒体5上に水、色材、重合開始剤及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、処理液、処理液とインクのセット、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
従来、インクジェット記録方法の印刷対象としては普通紙等の吸収性の記録媒体が一般的に用いられていたが、近年では印刷対象が多様化しており、例えば、インク吸収性の低いコート紙や、食品包装材料等のインク非吸収性のプラスチックフィルムに対しても従来の記録媒体と同等以上の画像品質、印刷速度の高速化が要求されている。
しかし、インク低吸収性又はインク非吸収性の記録媒体は、着弾したインクの液滴が浸透せずに表面に長時間残るため、画像のベタ部分で液滴が寄り集まって、まだら状の濃度むら(ビーディング)が極めて発生しやすく、記録媒体とインク塗膜界面の密着性が不十分なため、画像面の摩擦によって剥離してしまうという問題がある。
そこで、前記問題点を解決するため、例えば、着色剤、水、光開始剤、UV硬化性ポリウレタン分散物、及び疎水性の放射線硬化性モノマーを含み、ラジカル反応させることにより、耐擦過性の高い画像が得られる光硬化性インク組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、ビーディングの発生を防止でき、耐擦過性及び光沢性に優れる画像を形成できる画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の画像形成方法は、記録媒体上に、樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、を含む。
本発明によると、ビーディングの発生を防止でき、耐擦過性及び光沢性に優れる画像を形成できる画像形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例を示す概略図である。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に、樹脂、多価金属塩及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の画像形成装置は、記録媒体上に、樹脂、多価金属塩及び水を含有する処理液を付与する処理液付与手段と、前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与手段と、前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥手段と、を有し、更にその他の手段を有する。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、処理液付与工程は処理液付与手段により行うことができ、インク付与工程はインク付与手段により行うことができ、活性エネルギー線照射工程は活性エネルギー線照射手段により行うことができ、乾燥工程は乾燥手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
従来技術では、インク吸収性の低いコート紙や食品包装材料等のインク非吸収性のプラスチックフィルムにおいて、記録媒体とインク塗膜の密着性が弱くなり、十分な耐擦過性が得られないという問題がある。
したがって、本発明においては、記録媒体上に樹脂、多価金属塩及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、前記処理液が付与された記録媒体上に水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、を含むことによって、ビーディングの発生を防止でき、耐擦過性及び光沢性に優れる画像を形成することができる。このことは、高速印字時においてより顕著となる。
以下、本発明の画像形成方法及び画像形成装置に用いられる処理液、インク、処理液とインクのセットについて説明する。
(処理液)
本発明の処理液は、ノニオン性樹脂、多価金属塩、及び水を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。なお、前記処理液は、「前処理液」、「先塗り液」、「アンダーコート液」と称することもある。
<ノニオン性樹脂>
本発明の処理液に用いられるノニオン性樹脂は、樹脂の分子の側鎖にノニオン系親水性部位を有する樹脂が分散安定性の観点から好ましい。ノニオン性樹脂としてはノニオン性樹脂からなるノニオン性樹脂粒子を用いることが好ましい。ノニオン性樹脂粒子を、水等を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合して処理液を得ることが可能である。
前記ノニオン性樹脂粒子は、重合性を有する主に単官能のモノマー、乳化剤、重合開始剤、架橋剤などを含む材料を用いて、乳化重合などの方法によって得られる微細な樹脂の粒子である。
前記ノニオン性樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位を含むことが、分散安定性及び耐擦過性が向上する点から好ましい。
Figure 2022067314000002
ただし、前記一般式(1)中、Rは-COO-を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。
及びRにおける炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。Rがメチル基であると、保存安定性が向上するため好ましい。Rは水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記一般式(1)で示される構造単位において、nは5以上100以下の整数が好ましく、10以上50以下の整数がより好ましい。nが5未満であると、上記一般式(1)で示される構造による立体反発が不足し、処理液中に混在する塩によって凝集しやすくなるため、保存安定性が悪化することがある。nが100を超えると、親水性が増加し、処理液が塗膜を形成した際に耐水性が低下することがある。
本発明におけるノニオン性樹脂において、上記一般式(1)で示される構造以外の構造について特に限定はなく、上記一般式(1)で示される構造単位と共重合可能な樹脂であれば公知のものから適宜選択することができる。
このような樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル-スチレン樹脂、アクリル-シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種が、ガラス転移温度の制御が比較的容易であり、分散安定性及び耐擦過性に優れるため好適である。
前記ノニオン性樹脂は、モノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位とを含み、モノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位との合計を100質量部としたとき、上記一般式(1)で示される構造単位を1質量部以上20質量部以下含むことが好ましく、2質量部以上15質量部以下含むことがより好ましく、4質量部以上10質量部以下含むことが更に好ましい。上記一般式(1)で示される構造単位の含有量が、1質量部以上であると、上記一般式(1)で示される構造単位による立体反発によって保存安定性が向上する。また、上記一般式(1)で示される構造単位の含有量が、20質量部以下であると耐擦過性が向上する。
上記一般式(1)で示される構造単位の含有量は、前記一般式(1)において、繰り返し単位数がn=5~10のとき8質量%以上20質量%以下が好ましい。前記一般式(1)において、繰り返し単位数がn=11~40のとき4質量%以上10質量%以下が好ましい。前記一般式(1)において、繰り返し単位数がn=41~100のとき1質量%以上8質量%以下が、保存安定性の効果と塗膜の耐擦過性の両立が可能となるため好ましい。
前記ノニオン性樹脂は架橋構造を有していてもよい。例えば、樹脂粒子を製造する際に架橋剤を添加することにより、架橋構造を有する樹脂粒子が得られる。架橋剤としては、エチレン性不飽和化合物を併用することができる。エチレン性不飽和化合物の具体例としては、加水分解性アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和化合物(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等)、多官能ビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性樹脂粒子を製造する際に乳化剤を用いてもよい。用いる乳化剤としては特に制限はなく、公知のものから目的に応じて適宜使用することができる。これらの市販品としては、例えば、SE-10N、NE-10、NE-20、NE-30、アデカリアソープSR-10、アデカリアソープSR-20、アデカリアソープER-20(いずれも、株式会社ADEKA製);アクアロンRN-10、アクアロンRN-20、アクアロンRN-50、アクアロンHS-10、アクアロンKH-05、アクアロンKH-10(第一工業製薬株式会社製);エレミノールJS-2(三洋化成工業株式会社製)、ラテムルS-180(花王株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性樹脂粒子を製造する際に重合開始剤を用いてもよい。前記重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸素水素、tert-ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物、又はこれらの過酸化物と金属イオン、アスコルビン酸等の還元剤との組合せからなるレドックス開始剤、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)で示される構造単位を有する樹脂を含む樹脂粒子の製造方法としては、例えば、上記一般式(1)で示される構造単位となるモノマー、他の構造単位となるモノマー、架橋剤、乳化剤等を撹拌した乳化液を、重合開始剤を含む水相に投下して乳化重合を行うことで樹脂粒子を得ることができる。なお、前記重合反応は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
上記一般式(1)で示される構造単位となるモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール(n=5~100)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=5~100)モノメタクリレート、エトキシポリエチレングリコール(n=5~100)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(n=5~100)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=5~100)モノアクリレートなどが挙げられる。
上記一般式(1)で示される構造単位となるモノマーとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、ブレンマーAME-400、ブレンマーPME-100、ブレンマーPME-200、ブレンマーPME-400、ブレンマーPME-1000、ブレンマーPME-4000(いずれも、日油株式会社製)などが挙げられる。
なお、上記一般式(1)で示される構造単位となるモノマーの配合量により、樹脂粒子における上記一般式(1)で示される構造単位の含有量を求めることができる。
前記樹脂粒子の含有量は、処理液の全量に対して、固形分で、0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.5質量%以上であると、塗膜が充分に基材を被覆するため塗膜の均一性が向上し、30質量%以下であると、処理液の塗布性が向上する。
前記ノニオン性樹脂が上記一般式(1)で示される構造単位を有する樹脂を含むこと、及び樹脂粒子に対する一般式(1)で示される構造単位の含有量は、13C-NMR、H-NMR、熱分解GC又はMSから構造の解析を行うことにより求めることができる。
また、製造工程に用いた材料、及びその含有量が分かれば、その含有量により前記一般式(1)で示される構造単位の含有量を求めることができる。
前記ノニオン性樹脂のガラス転移温度は、塗膜状態でのガラス転移温度は-40℃以上0℃以下が好ましい。前記ガラス転移温度が-40℃以上であると、印刷後に処理液の塗膜部分がベタつき(タック)が抑制されるため耐擦過性が向上し、ガラス転移温度が0℃以下では処理液の樹脂粒子の軟化によってメディアへの密着性が向上する。
前記ノニオン性樹脂粒子は、分散状態での累積50%体積粒子径(メジアン粒子径)D50は40nm以上300nm以下が好ましく、60nm以上200nm以下がより好ましく、80nm以上150nm以下が更に好ましい。前記樹脂粒子の累積50%体積粒子径が40nm以上であると、処理液の過度な増粘を抑制しやすく、累積50%体積粒子径が300nm以下であると、塗膜の透明性が向上する。
<多価金属塩>
前記多価金属塩はインク中の成分を着滴後に速やかに凝集させ、ビーディングを抑制する機能を有する。
前記多価金属塩の種類としては、凝集させるインク中の成分によって適宜選択することできるが、多価金属塩における多価金属がカルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムから選択される1種以上であると、凝集力に優れるためビーディング抑制の点で好ましい。
前記多価金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価金属塩の含有量は、処理液の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.1質量%以上であると、インクによる画像形成の際に、インク成分の凝集によるビーディング抑制効果が発揮される。一方、前記含有量が20質量%以下であると、乾燥塗膜の強度、密着性及び透明性が向上する。
<水>
水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、処理液の乾燥性の点から、処理液の全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、例えば、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
-有機溶剤-
本発明に使用する有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。
炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤の処理液中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が10質量%以上であると記録媒体への濡れ性が向上し、60質量%以下であると印字画像の先鋭性及び乾燥性が向上する。
-界面活性剤-
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2022067314000003
(但し、前記一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社製)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社製)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2022067314000004
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
[一般式(F-2)]
2n+-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1であり、mは1~6の整数、又はCH2CH(OH)CH-C2m+1であり、mは4~6の整数、又はC2P+1であり、pは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記フッ素系界面活性剤としては、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N、及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性及び画像品質が向上する点から、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
-消泡剤-
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
-防腐防黴剤-
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
-防錆剤-
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、1,2,3-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
-pH調整剤-
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<インク>
本発明で用いられるインクは、水、色材、及び重合性化合物を含有し、重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。前記インクは重合性化合物を含有することによって、活性エネルギー線照射による凝集又は硬化反応により、インク塗膜の耐擦過性が大きく向上する。
<<重合性化合物>>
重合性化合物としては、重合性基を有するディスパージョン及び重合性モノマーの少なくともいずれかを含み、必要に応じてその他の材料を含有していてもよい。
-重合性基を有するディスパージョン(反応性ディスパージョン)-
重合性基を有するディスパージョンは、紫外線や熱等の刺激によって他の粒子と重合反応することが可能な反応性を有する粒子である。重合性基を有するディスパージョンを硬化型組成物に含有させることにより、インクを硬化した硬化膜を平滑性(光沢性)、柔軟性、及び耐擦過性が優れたものとすることができる。
重合性基を有するディスパージョンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散性の重合性基を有するディスパージョンなどが挙げられる。水分散性の重合性基を有するディスパージョンとしては、例えば、反応性ポリウレタン粒子などが挙げられる。反応性ポリウレタン粒子としては、例えば、(メタ)アクリル化ポリウレタン粒子などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル化ポリウレタン粒子としては、例えば、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、Ucecoat(登録商標)6558(ダイセル・オルネクス社製)、Ucecoat(登録商標)6559(ダイセル・オルネクス社製)、Ebecryl(登録商標)2002(ダイセル・オルネクス社製)、Ebecryl(登録商標)2003(ダイセル・オルネクス社製)、Ucecoat(登録商標)7710(ダイセル・オルネクス社製)、Ucecoat(登録商標)7655(ダイセル・オルネクス社製)、NeoradR(登録商標)440(Avecia社製)、NeoradR(登録商標)441(Avecia社製)、NeoradR(登録商標)447(Avecia社製)、NeoradR(登録商標)448(Avecia社製)、Bayhydrol(登録商標)UV2317(COVESTRO社製)、Bayhydrol(登録商標)UV VP LS2348(COVESTRO社製)、Lux(登録商標)430(ALBERDING BOLEY社製)、Lux(登録商標)399(ALBERDING BOLEY社製)、Lux(登録商標)484(ALBERDING BOLEY社製)、Laromer(登録商標)LR8949(BASF社製)、Laromer(登録商標)LR8983(BASF社製)、Laromer(登録商標)PE22WN(BASF社製)、Laromer(登録商標)PE55WN(BASF社製)、Laromer(登録商標)UA9060(BASF社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐擦過性を向上させることができる点から、Laromer(登録商標)LR8949(BASF社製)、Laromer(登録商標)LR8983(BASF社製)が好ましい。
重合性基を有するディスパージョンの含有量は、インクの全量に対して、固形分として2質量%以上12質量%以下が好ましく、6質量%以上12質量%がより好ましい。重合性基を有するディスパージョンの含有量が2質量%以上12質量%以下であると、インク膜の耐擦過性を向上させることができる。
-重合性モノマー-
重合性モノマーとしては、重合反応可能な反応性置換基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテルなどを併用することもできる。より具体的には、例えば、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、γ-ブチロラクトンアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH(n≒4)〕、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH(n≒9)〕、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH(n≒14)〕、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート〔CH=C(CH)-CO-(OC-OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分散媒である水に対する溶解度、組成物粘度、基材上の硬化膜(塗膜)の厚みなどを考慮して選択して添加してもよい。
重合性モノマーの含有量は、インクの全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%がより好ましい。重合性モノマーの含有量が1質量%以上20質量%以下であると、インク膜の耐擦過性を向上させることができる。
<重合開始剤>
前記インクは、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、インクの全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
特に好ましくは、水溶性の重合開始剤が良く、分子中に水酸基を有する光重合開始剤が好ましく、光重合開始剤骨格は、アルキルフェノン系や、モノアシルフォスフィンオキサイド系の重合開始剤が好ましい。
<色材>
色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35などが挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性及び吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散性顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂株式会社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
顔料の粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。これらは、本発明の処理液における水、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤と同様なものを用いることができる。
前記インクは、前記各成分を、例えば、溶媒としての水に分散又は溶解させ、更に必要に応じて、撹拌して混合することにより、調製することができる。
前記撹拌、混合としては、例えば、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
(処理液とインクのセット)
本発明の処理液とインクのセットは、本発明の前記処理液と、水、色材、重合開始剤、及び重合性化合物を含有するインクと、を有する。
前記処理液が前記インクの重合開始剤に相当する化合物を含まないことで、インク付与後の活性エネルギーの照射による反応効率向上、重合開始剤の残存量低減により耐擦過性が向上する点から好ましい。
<処理液付与工程及び処理液付与手段>
処理液付与工程は、記録媒体上に、樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する工程であり、処理液付与手段により実施される。
前記処理液における樹脂としては、ノニオン性樹脂が好ましく、上記一般式(1)で表される構造単位を含むことがより好ましい。
本発明における処理液は、インク付与工程よりも前に記録媒体の記録面に塗布される。処理液付与工程において処理液が付与されるのは、少なくとも記録媒体上に形成される画像の一部もしくは全体など、目的に応じて適宜選択できる。
付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコータ、フレキソコータ、ロッドコータ、ブレード、ワイヤーバー、エアーナイフ、カーテンコータ、スライドコータ、ドクターナイフ、スクリーンコータ、グラビアコータ(例えば、オフセットグラビアコータ等)、スロットコータ、押出しコータ等のフィルムコーティング装置が挙げられる。このような装置は、例えば、正転及び逆転ロールコーティング、オフセットグラビア、カーテンコーティング、リソグラフコーティング、スクリーンコーティング、グラビアコーティングなどの周知の方式で使用できる。また、スプレー噴霧やインクジェット方式などの記録媒体へ非接触の方式でも塗布が可能である。
-記録媒体-
本発明に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。更に、一般的なインクジェット用記録媒体として用いられるものに限られず、段ボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革、などを適宜選択して使用することができる。
<インク付与工程及びインク付与手段>
インク付与工程は、前記処理液が付与された記録媒体上に水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成する工程であり、インク付与手段により行われる。
前記インクとしては、重合開始剤を含有することが好ましい。
インク付与手段としては、種々の方法を用いることができるが、インクジェット方式が好ましい。インクジェット方式としては、ラインヘッド方式及びシリアルヘッド方式が知られている。ラインヘッド方式は、主走査方向を記録媒体の移動で対応し、副走査方向はヘッドをライン状に配置し、記録媒体を連続的に移動させ一定の位置に保持された記録ヘッドから記録媒体上にインクを吐出して画像を形成する。シリアルヘッド方式は、ノズルの並設方向である主走査方向に記録ヘッドを往復移動させ、記録媒体を移動させることで副走査方向への走査に対応する。いずれの方式も、記録ヘッドが記録媒体上を相対的に走査して液体を吐出する。本発明においては、前記4つの工程を連続的に行うことを特徴とするため、ラインヘッド方式が好ましい。
その他のインクジェットヘッドの方式については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、連続噴射型、オンデマンド型などが挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられるが、吐出信頼性の観点からピエゾ方式であることが好ましい。
前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、1pL以上30pL以下とすることが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5m/s以上20m/s以下とするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。更に、前記記録ヘッドは、多数のノズルを有してなり、インクセットにおけるインクをエネルギーの作用によりインク滴化し、吐出するヘッド部及び記録ユニットのいずれかを有することが好ましい。
前記記録ヘッドは、液室部と、流体抵抗部と、振動板と、ノズル部材とを有してなり、かつ前記記録ヘッドの少なくとも一部がシリコーン及びニッケルのいずれかを含有する材料から形成されていることが好ましい。
前記記録ヘッドのノズル径は30μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましい。
<活性エネルギー線照射工程及び活性エネルギー線照射手段>
活性エネルギー線照射工程は、前記画像に活性エネルギー線を照射する工程であり、活性エネルギー線照射手段により実施される。
本発明で用いられるインクを硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等のインク中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されないが、硬化性の観点から、紫外線を用いることが好ましい。
紫外線光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LED等が適用可能であるが、波長領域が広いため処理液を硬化させる光源として有効であるため、メタルハライドランプを用いることが好ましい。メタルハライドとしてはPb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、光開始剤の吸収スペクトルに合わせて適宜選択できる。
硬化に有効なランプであれば、特に制限なく使用することができる。UV照射ランプの場合は熱が発生し、記録媒体が変形してしまう可能性があるため、冷却機構、例えば、コールドミラー、コールドフィルター、ワーク冷却等が具備されていることが好ましい。
前記メタルハライドランプの照度は、硬化性の観点から、0.1W/cm以上150W/cm以下であることが好ましい。また、インク硬化時に使用する場合には、UV-Aの積算光量が17mJ/cm以上2000mJ/cm以下になるように照射することが好ましく、200mJ/cm以上2000mJ/cm以下になるように照射することがより好ましい。UV-Aの積算光量が17mJ/cm以上になるように照射することで、インク膜が十分硬化し、処理液付与時の滲みを防止することができる。また、UV-Aの積算光量が2000mJ/cm以下になるように照射することで、記録媒体の焦げ付き等の記録媒体に対する悪影響を抑制することができる。
<乾燥工程及び乾燥手段>
乾燥工程は、照射後の画像を加熱し乾燥させる工程であり、乾燥手段により実施される。
乾燥工程では、熱源を使用した加熱乾燥が有用である。加熱手段としては、記録面を均一に加熱可能なものが好ましい。例えば、温風(熱風)を印字面に吹き付けることによる温風乾燥ヒーター、記録媒体に接するドラムローラーを暖めることによるドラム乾燥、その他にもニクロム線ヒーター、ハロゲンヒーター、セラミックヒーター、カーボンヒーターなどを目的に応じて1種又は2種以上を組み合わせて適宜選択することができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、温風乾燥ヒーターは風量や温度で乾燥強度の調節が容易なほか、記録媒体に直接触れることなく印字面を素早く均一に加熱することが可能であり、生産性及び画質の向上の点から好ましい。
温風乾燥ヒーターで加熱する場合、温風が当たる記録媒体の表面温度は50℃以上150℃以下が好ましく、そのときの風速が5m/s以上20m/s以下であることが好ましい。表面温度が50℃以上であると、処理液に含まれる樹脂の合着が進むため耐擦過性が向上することがあり、表面温度が150℃以下であると、乾燥速度が穏やかになるため光沢度が向上する。更に、風速が5m/s以上では生産性が向上し、20m/s以下では光沢度が向上するため好ましい。
<画像形成物>
画像形成物は、記録媒体上に、本発明で用いられるインクを用いて形成された画像を有してなる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法により画像形成することによって画像形成物とすることができる。
<画像形成装置及び画像形成方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、画像形成装置及び画像形成方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この画像形成装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
画像形成装置及び画像形成方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、画像形成装置及び画像形成方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この画像形成装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の画像形成装置や、例えば、ロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
ここで、図1は、本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置の一例を示すが、装置の構成を限定するものではない。
本発明の画像形成方法は、処理液付与工程、インク付与工程、活性エネルギー線照射工程、及び乾燥工程の4工程を含み、これら4工程を前記の順番で行う。
まず、記録媒体5を給紙部(図示せず)から処理液付与工程へ搬送ベルト6によって処理液付与工程に搬送し、処理液付与手段としての塗布ローラ1によりノニオン性樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を記録媒体5の一部又は全体に付与する。
次いで、インク付与工程に搬送した記録媒体5に画像パターンに応じて、インク付与手段としてのインクジェットヘッド2によりインクを吐出し画像を形成する。
次いで、活性エネルギー線照射手段としての活性エネルギー線照射装置3により活性エネルギー線を画像に照射しインクを硬化させる。処理液付与に加えてインク付与の直後に活性エネルギー線照射を行うことで高速印字時においてもビーディングを防止して高い耐擦過性を有した画像を形成できる。
次いで、活性エネルギー線照射工程の後に乾燥工程を行う。乾燥手段としての温風ヒーター4によりインク及び処理液に含まれる液体成分を乾燥させる。乾燥工程においてインク及び処理液を乾燥させることによって、インク及び処理液が密着した状態で膜が形成され、耐擦過性の優れた画像を提供することができる。
本発明に用いられるインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(樹脂粒子分散液の調製例1)
-樹脂粒子分散液1の調製-
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び還流管を備えた1Lのフラスコ(A)内に、イオン交換水89.0質量部を仕込み、窒素を導入しつつ70℃に昇温した。次いで、フラスコ(A)に、10質量%アクアロンHS-10水溶液(第一工業製薬株式会社製)3.0質量部、及び5質量%過硫酸アンモニウム水溶液2.6質量部を加え、撹拌した。
前記とは別のフラスコ(B)内にて、メタクリル酸メチル38.9質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル49.6質量部、上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=23、ブレンマーPME-1000、日油株式会社製)4.0質量部、ビニルトリエトキシシラン7.5質量部、アクアロンHS-10(第一工業製薬株式会社製)1.5質量部、及びイオン交換水42.9質量部をホモミキサーで撹拌混合し、乳化液を得た。
フラスコ(A)にフラスコ(B)の乳化液を少量ずつ2.5時間かけて連続的に滴下した。また、滴下開始から3時間経過するまでの間1時間毎に5質量%過硫酸アンモニウム水溶液1.6質量部を投入した。滴下終了後70℃で2時間熟成した後、25℃になるまで冷却し、28質量%アンモニア水でpHを7~8となるように調節し、樹脂粒子分散液1を得た。
樹脂粒子のガラス転移温度はDSC(Q-2000、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。具体的な測定方法としては、樹脂粒子分散液を70℃のオーブンで12時間以上加熱乾燥させ、固形分5mgをアルミニウム製の試料容器に入れて装置にセットし、窒素気流下、-70℃まで冷却後5分間保持し、10℃/minで160℃まで昇温し、-70℃まで冷却後5分間保持し、10℃/minで160℃まで昇温し、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、中点法にてガラス転移温度を求めた。
得られた樹脂粒子のガラス転移温度を測定したところ、-16℃であった。結果を表1-1に示した。
(樹脂粒子分散液の調製例2~12)
-樹脂粒子分散液2~12の調製-
樹脂粒子分散液の調製例1において、フラスコ(A)及びフラスコ(B)の組成を表1-1及び表1-2に記載の種類と含有量に変更した以外は、樹脂粒子分散液の調製例1と同様にして、樹脂粒子分散液2~12を得た。
次に、得られた樹脂粒子2~12のガラス転移温度を上記調製例1の樹脂粒子と同様にして測定した。結果を表1-1及び表1-2に示した。
Figure 2022067314000005
Figure 2022067314000006
表1-1及び表1-2中の各成分の詳細については、以下のとおりである。
-上記一般式(1)で表される構造単位を有する化合物-
*上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=2、ブレンマー(登録商標)PME-100、日油株式会社製)
*上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=9、ブレンマー(登録商標)PME-400、日油株式会社製)
*上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=23、ブレンマー(登録商標)PME-1000、日油株式会社製)
*上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=90、ブレンマー(登録商標)PME-4000、日油株式会社製)
*上記一般式(1)で表される構造単位を有するメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=200、合成品)
*ポリプロピレングリコール-モノメタクリレート(n=13相当、ブレンマー(登録商標)PP-800、日油株式会社製)
-重合性モノマー-
*メタクリル酸メチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
*アクリル酸2-エチルへキシル(東亞合成株式会社製)
*スチレン(富士フイルム和光純薬株式会社製)
*ビニルトリエトキシシラン(信越シリコーン株式会社製)
(処理液の製造例1)
-処理液1の製造-
プロピレングリコール15質量部、3-メトキシ-3-メチル-1―ブタノール5質量部、TEGO(登録商標) Wet270(Evonik Industries社製)1質量部、プロキセルLV(アビシア社製)0.05質量部、1,2,3-ベンゾトリアゾール0.05質量部、酢酸マグネシウム5質量部、樹脂粒子分散液1 10質量部(固形分として)、及び合計量が100質量部となるように純水を残量混合し、1時間撹拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、処理液1を作製した。
(処理液の製造例2~21)
-処理液2~21の製造-
処理液の製造例1において、表2-1及び表2-3に示す組成及び含有量に変更した以外は、処理液1の製造例1と同様にして、処理液2~21を得た。
Figure 2022067314000007
Figure 2022067314000008
Figure 2022067314000009
(顔料分散液の製造例1)
-シアン顔料分散液の製造-
機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2質量部、アクリル酸2.8質量部、ラウリルメタクリレート12.0質量部、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0質量部、スチレンマクロマー4.0質量部、及びメルカプトエタノール0.4質量部を混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8質量部、アクリル酸25.2質量部、ラウリルメタクリレート108.0質量部、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0質量部、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0質量部、スチレンマクロマー36.0質量部、メルカプトエタノール3.6質量部、アゾビスメチルバレロニトリル2.4質量部、及びメチルエチルケトン18質量部を混合した混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8質量部、及びメチルエチルケトン18質量部の混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8質量部を添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364質量部を添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800質量部得た。
次に、得られたポリマー溶液Aを28質量部と、フタロシアニン顔料(大日精化工業株式会社製、クロモファインブルーA-220JC)26質量部、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6質量部、メチルエチルケトン20質量部、及びイオン交換水13.6質量部を十分に撹拌した後、ロールミルを用いて混練しペーストを得た。得られたペーストを純水200質量部に投入し、充分に撹拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%の顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
得られた顔料分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を測定した。なお、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA-EX150)で測定した平均粒子径(D50)は56.0nmであった。
(インクの製造例1)
-インク1の製造-
プロパン-1,2-ジオール2.0質量部、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール1.7質量部、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド5.0質量部、TEGO(登録商標) Wet270(EVONIK INDUSTRIES社製)1.2質量部、プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量部、1,2,3-ベンゾトリアゾール0.1質量部、及びイオン交換水68.8質量部を混合し、1時間撹拌して均一にした。
次に、得られた混合液体に、4-ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成株式会社製)、6.0質量部を添加して1時間撹拌し、前記シアン顔料分散体3.4質量部(固形分として)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン1.0質量部、反応性ウレタンディスパージョン(Laromer LR8983、BASF社製)8.0質量部(固形分として)を添加し、更に1時間撹拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インク1を作製した。
(インクの製造例2)
-インク2の製造-
プロパン-1,2-ジオール4.5質量部、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール6.2質量部、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド5.0質量部、TEGO(登録商標) Wet270(EVONIK INDUSTRIES社製)1.2質量部、プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量部、1,2,3-ベンゾトリアゾール0.1質量部、及びイオン交換水64.5質量部を混合し、1時間撹拌して均一にした。前記混合液体に、前記シアン顔料分散体3.4質量部(固形分として)、ウレタンエマルションとしてUX3945(三洋化成工業株式会社製)8.0質量部(固形分として)を添加し、更に1時間撹拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インク2を作製した。
(実施例1)
<画像形成>
図1に示すような処理液付与工程、インク付与工程、活性エネルギー線照射工程、及び乾燥工程を全てインラインで行えるようにしたシングルパス印刷装置を作製した。
処理液付与工程では、ローラーコーターを使用して塗布厚み50μmとなるように前記処理液1を付与した。
インク付与工程では、記録ヘッドとしてピエゾ方式のオンデマンド型ヘッドを搭載し、印刷用のインクには前記インク1を用いた。
印刷条件は、ヘッドギャップ2mm、1滴あたりの吐出量4pL、1200dpi、付着量1.0μL/cmの条件で印刷した。
インク付与工程に次いで、印刷装置に搭載したIntegration technology社製の紫外線照射装置Subzero085(Dバルブ使用)を用いてインク硬化させた。前記紫外線照射装置は3.7W/cmの照度で2灯使用し、UV-Aの積算光量が352mJ/cmになるように照射した。
更に、印刷装置に搭載した温風加熱ヒーターを用いて、温風の温度が70℃、風速が10m/sになるように画像を温風乾燥した。以上により、実施例1の画像を得た。
なお、印刷は23℃±0.5℃、50%RH±5%RHに調整された環境条件下で実施し、記録媒体としてはコートボール紙OKボール(王子製紙株式会社製)を用いた。
(実施例2~19及び比較例5~6)
実施例1において、処理液1を処理液2~21に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~19及び比較例5~6の画像を得た。
(実施例20~23)
実施例1において、UV-Aの積算光量を表4に示す値になるように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例20~23の画像を得た。なお、UV-Aの積算光量は前記紫外線照射装置のランプ出力と前記紫外線照射装置の下を記録媒体が通過する速度を変えることで調整した。
(比較例1)
実施例1において、処理液1を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の画像を得た。
(比較例2~4)
実施例1において、処理液付与工程、インク付与工程、活性エネルギー線照射工程、及び乾燥工程を表3に示す順序に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2~4の画像を得た。
(比較例7)
実施例1において、「インク1」を「インク2」に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の画像を得た。
次に、得られた各画像について、以下のようにして、「ビーディング」、「耐擦過性」、及び「光沢性」を評価した。結果を表4に示した。
<ビーディング(濃度ムラ)の評価>
上記のシングルパス印刷装置を用いて、5cm×20cmのベタ画像を作製し、目視によりドットの寄り集まりの濃度むら(ビーディング)の程度を評価した。なお、ビーディングの評価はAが最もよく、許容範囲はC以上である。
[評価基準]
A:濃度むらは見られない
B:僅かに濃度むらが見られるが問題無い
C:多少の濃度むらが見られる
D:激しい濃度むらが見られる
<耐擦過性の評価>
上記のシングルパス印刷装置を用いて、5cm×20cmのベタ画像を作製し、次に、摩擦堅牢度試験機RT-300(株式会社大栄科学精器製作所製)(染色堅牢度試験方法(JIS L-0849)に規定されている摩擦試験機II形(学振形)に準拠した装置)に、作製した硬化物とJIS L 0803準拠試験用添付白布 綿(カナキン3号)と取り付け、加重分銅500gを取り付けて、硬化物を100回、往復摩擦させた。試験後の綿布の濃度を、eXact Scan(X-Rite社製)で測定し、試験していない綿布との濃度差を評価した。測定結果を以下の評価基準に基づいて評価した。なお、子評価はAが最もよく、許容範囲はC以上である。
[評価基準]
A:0.02以下
B:0.02超0.1以下
C:0.1超0.2以下
D:0.2超
<光沢性の評価>
上記のシングルパス印刷装置を用いて、5cm×20cmのベタ画像を作製した。前記画像の光沢性は、目視にて以下の評価基準に基づいて評価した。なお、評価はAが最もよく、許容範囲はC以上である。
[評価基準]
A:非常に高い光沢感がある
B:高い光沢感がある(記録媒体の地肌部よりもやや光沢が高いレベル)
C:やや光沢感がある(記録媒体の地肌部と同程度の光沢レベル)
D:光沢感がない(記録媒体の地肌部よりも光沢が低いレベル)
Figure 2022067314000010
Figure 2022067314000011
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 記録媒体上に樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、
前記処理液が付与された記録媒体上に水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、
前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、
照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<2> 前記樹脂がノニオン性樹脂であり、かつ下記一般式(1)で表される構造単位を含む、前記<1>に記載の画像形成方法である。
Figure 2022067314000012
ただし、前記一般式(1)中、Rは-COO-を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、nは5以上100以下の整数である。
<3> 前記一般式(1)において、nが10以上50以下の整数である、前記<2>に記載の画像形成方法である。
<4> 前記樹脂は、モノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位とを含み、前記樹脂における前記モノマー由来のモノマー単位と前記架橋剤由来の架橋単位との合計を100質量部としたとき、前記一般式(1)で示される構造単位を1質量部以上20質量部以下含む、前記<2>から<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<5> 前記樹脂のガラス転移温度が-40℃以上0℃以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<6> 前記多価金属塩の含有量が0.1質量%以上20質量%以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<7> 前記多価金属塩における多価金属が、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムから選択される少なくとも1種である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<8> 前記インクが重合開始剤を含有する、前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<9> 前記処理液が前記インクの重合開始剤に相当する化合物を含まない、前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 前記インク付与工程で用いる記録ヘッドがラインヘッド方式であり、前記記録媒体が前記記録ヘッドの下部を通過し、その通過時に前記記録ヘッドから前記インクが付与される、前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<11> 前記活性エネルギー線照射工程における記録媒体表面のUV-Aの積算光量が17mJ/cm以上2,000mJ/cm以下である、前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<12> 前記乾燥工程における加熱が温風乾燥ヒーターを用いて行われる、前記<1>から<11>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<13> 記録媒体上に、樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する処理液付与手段と、
前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与手段と、
前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置である。
<14> ノニオン性樹脂、多価金属塩、及び水を含有することを特徴とする処理液である。
<15> 前記ノニオン性樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を含む、前記<14>に記載の処理液である。
Figure 2022067314000013
ただし、前記一般式(1)中、Rは-COO-を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、nは5以上100以下の整数である。
<16> 前記一般式(1)において、nが10以上50以下の整数である、前記<15>に記載の処理液である。
<17> 前記ノニオン性樹脂はモノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位とを含み、前記ノニオン性樹脂における前記モノマー由来のモノマー単位と前記架橋剤由来の架橋単位との合計を100質量部としたとき、前記一般式(1)で示される構造単位を1質量部以上20質量部以下含む、前記<14>から<16>のいずれかに記載の処理液である。
<18> 前記ノニオン性樹脂のガラス転移温度が-40℃以上0℃以下である、前記<14>から<17>のいずれかに記載の処理液である。
<19> 前記多価金属塩の含有量が0.1質量%以上20質量%以下である、前記<14>から<18>のいずれかに記載の処理液である。
<20> 前記多価金属塩における多価金属が、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムから選択される少なくとも1種である、前記<14>から<19>のいずれかに記載の処理液である。
<21> 前記<14>から<20>のいずれかに記載の処理液と、
水、色材、重合開始剤、及び重合性化合物を含有するインクと、
を有することを特徴とする処理液とインクのセットである。
<22> 前記処理液が前記インクの重合開始剤に相当する化合物を含まない、前記<21>に記載の処理液とインクのセットである。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法、前記<13>に記載の画像形成装置、前記<14>から<20>のいずれかに記載の処理液、及び前記<21>から<22>のいずれかに記載の処理液とインクのセットによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 処理液付与手段
2 インク付与手段
3 活性エネルギー線照射手段
4 乾燥手段
5 記録媒体
6 搬送ベルト
特許第6019236号公報

Claims (22)

  1. 記録媒体上に、樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、
    前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与工程と、
    前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、
    照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記樹脂がノニオン性樹脂であり、かつ下記一般式(1)で表される構造単位を含む、請求項1に記載の画像形成方法。
    Figure 2022067314000014
    ただし、前記一般式(1)中、Rは-COO-を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、nは5以上100以下の整数である。
  3. 前記一般式(1)において、nが10以上50以下の整数である、請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記樹脂は、モノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位とを含み、前記樹脂における前記モノマー由来のモノマー単位と前記架橋剤由来の架橋単位との合計を100質量部としたとき、前記一般式(1)で示される構造単位を1質量部以上20質量部以下含む、請求項2から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記樹脂のガラス転移温度が-40℃以上0℃以下である、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記多価金属塩の含有量が0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記多価金属塩における多価金属が、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムから選択される少なくとも1種である、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 前記インクが重合開始剤を含有する、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 前記処理液が前記インクの重合開始剤に相当する化合物を含まない、請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記インク付与工程で用いる記録ヘッドがラインヘッド方式であり、前記記録媒体が前記記録ヘッドの下部を通過し、その通過時に前記記録ヘッドから前記インクが付与される、請求項1から9のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 前記活性エネルギー線照射工程における記録媒体表面のUV-Aの積算光量が17mJ/cm以上2,000mJ/cm以下である、請求項1から10のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 前記乾燥工程における加熱が温風乾燥ヒーターを用いて行われる、請求項1から11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 記録媒体上に、樹脂、多価金属塩、及び水を含有する処理液を付与する処理液付与手段と、
    前記処理液が付与された記録媒体上に、水、色材、及び重合性化合物を含有するインクを付与し、画像を形成するインク付与手段と、
    前記画像に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射手段と、
    照射後の画像を加熱し乾燥させる乾燥手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  14. ノニオン性樹脂、多価金属塩、及び水を含有することを特徴とする処理液。
  15. 前記ノニオン性樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を含む、請求項14に記載の処理液。
    Figure 2022067314000015
    ただし、前記一般式(1)中、Rは-COO-を表し、R及びRは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、nは5以上100以下の整数である。
  16. 前記一般式(1)において、nが10以上50以下の整数である、請求項15に記載の処理液。
  17. 前記ノニオン性樹脂はモノマー由来のモノマー単位と架橋剤由来の架橋単位とを含み、前記ノニオン性樹脂における前記モノマー由来のモノマー単位と前記架橋剤由来の架橋単位との合計を100質量部としたとき、前記一般式(1)で示される構造単位を1質量部以上20質量部以下含む、請求項14から16のいずれかに記載の処理液。
  18. 前記ノニオン性樹脂のガラス転移温度が-40℃以上0℃以下である、請求項14から17のいずれかに記載の処理液。
  19. 前記多価金属塩の含有量が0.1質量%以上20質量%以下である、請求項14から18のいずれかに記載の処理液。
  20. 前記多価金属塩における多価金属が、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムから選択される少なくとも1種である、請求項14から19のいずれかに記載の処理液。
  21. 請求項14から20のいずれかに記載の処理液と、
    水、色材、重合開始剤、及び重合性化合物を含有するインクと、
    を有することを特徴とする処理液とインクのセット。
  22. 前記処理液が前記インクの重合開始剤に相当する化合物を含まない、請求項21に記載の処理液とインクのセット。

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