JP2022067211A - 外観検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な立体形状を有する被検査体に対し、高額なカラー画像や複数の撮像機器を使用することのない低コストで、かつ高精度に欠陥を検出できる外観検査装置を提供する。【解決手段】表面に複数の凹形状の溝が、中心から半径方向へ放射状に存在し、前記溝の両側が斜面である被検査体の外観を検査する装置であって、照明と、撮像装置と、画像処理を行うコンピュータと、前記被検査体を回転させる回転機構を備える外観検査装置。【選択図】図1
Description
本発明は、金属製品の検査対象物の表面の傷や異物付着といった外観不良を検査する外観検査装置に関する。
表面に複数の凹形状の溝が存在する被検査体として、自動車のエンジン部品が挙げられる。このようなエンジン部品の製造方法の一例として、粉末冶金法が挙げられる。粉末冶金法は、鉄などの金属粉末を金型に入れて圧縮成形して圧粉体とし、圧粉体を高温で焼結して部品を製造する方法である。圧粉体は、粉末同士の結びつきが弱く脆いため、外部からの力に弱く、圧粉体を焼結工程へ移送させる際などに欠けやクラックが生じやすい。欠けやクラックが生じた圧粉体を焼結すると、欠けやクラックが残った焼結体となってしまう。また、圧粉体の表面に異物が付着した状態で焼結してしまうと、その異物が焼結時に焼けてしまって、焼結体の表面欠陥の原因になる場合がある。
焼結体に欠け、クラックや表面欠陥等があると、部品の強度や磁気特性などに悪影響を及ぼすため、外観検査を行って良品を選別することが行われる。
焼結体に欠け、クラックや表面欠陥等があると、部品の強度や磁気特性などに悪影響を及ぼすため、外観検査を行って良品を選別することが行われる。
前述の外観検査を目視にて行う方法では、個人差によって、検査の合否判定基準が異なり得るという問題がある。
また、この検査を実施するには、外観不良を目視で判断できるようになるための充分な経験が必要とされ、外観不良を検査できる人が制限されるといった問題がある。
また、この検査を実施するには、外観不良を目視で判断できるようになるための充分な経験が必要とされ、外観不良を検査できる人が制限されるといった問題がある。
外観検査を自動で高精度に行う例を示す。特許文献1に開示されている外観検査装置は、立体形状の被検査物が設置された回転テーブルを断続的に回転させ、1台のカメラにて異なる2種類の波長を光源とし撮像を行うものである。分光により得られた2つの画像に基づいて、一方のカラー画像により検査領域を検出し、他方のカラー画像により輝度や欠陥の有無の検出を高精度に行う。
上記の特許文献1ではカラーカメラと複数の異なる波長を有する照明を使用している。しかし、一般的にカラーカメラはモノクロカメラに対し高額であり、照明装置を複数設けることは検査装置のコスト増加、装置サイズの増大につながる。
また、立体形状を有する被検査体の欠陥材質や大きさによっては、有効な波長が一定とは限らない場合がある。さらに特許文献1では、立体形状の被検査物の表面に凹凸形状や溝等の複雑な形状を有する被検査体に対し、被検査体と照明の位置関係次第で、影が生じ、検査精度が悪化する可能性がある。
また、立体形状を有する被検査体の欠陥材質や大きさによっては、有効な波長が一定とは限らない場合がある。さらに特許文献1では、立体形状の被検査物の表面に凹凸形状や溝等の複雑な形状を有する被検査体に対し、被検査体と照明の位置関係次第で、影が生じ、検査精度が悪化する可能性がある。
本発明は、複雑な立体形状を有する被検査体に対し、高額なカラー画像や複数の撮像機器を使用することのない低コストで、かつ高精度に欠陥を検出できる外観検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]表面に複数の凹形状の溝が、中心から半径方向へ放射状に存在し、前記溝の両側が斜面である被検査体の外観を検査する装置であって、照明と、撮像装置と、画像処理を行うコンピュータと、前記被検査体を回転させる回転機構を備える外観検査装置。
[2]前記被検査体の外観検査を行う前に被検査体を撮像し、画像処理手段による幾何学的形状探索により、事前に基準位置として定めた被検査体の位置と、撮像した前記被検査体画像の幾何学的形状を比較し、基準位置からのズレ量を算出する手段を有することを特徴とする[1]に記載の外観検査装置。
[3]被検査体の溝部検査面が照明装置から入射する光の反射光を撮像装置が最適に受光可能な状態を基準位置として定めることを特徴とする[2]に記載の外観検査装置。
[4]前記幾何学的形状探索により算出した被検査体の状態と前記基準位置の状態の差をフィードバックし補正することができる回転機構を持つことを特徴とする[3]に記載の外観検査装置。
[5]前記被検査体の形状に応じて定めた回数に至るまで回転と撮像を繰り返すことで、複数の検査用画像を取得することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の外観検査装置。
[6]前記複数の検査用撮像画像に対して、検査領域内の欠陥の反射光の濃淡を強調し、それ以外をノイズとして除去する画像処理を行い、一定のコントラストを有する明もしくは暗の塊の特徴量を計測し、予め設定した閾値と比較することで前記被検査体の溝部の欠陥の有無を判定する機能を有することを特徴とする[5]に記載の外観検査装置。
[1]表面に複数の凹形状の溝が、中心から半径方向へ放射状に存在し、前記溝の両側が斜面である被検査体の外観を検査する装置であって、照明と、撮像装置と、画像処理を行うコンピュータと、前記被検査体を回転させる回転機構を備える外観検査装置。
[2]前記被検査体の外観検査を行う前に被検査体を撮像し、画像処理手段による幾何学的形状探索により、事前に基準位置として定めた被検査体の位置と、撮像した前記被検査体画像の幾何学的形状を比較し、基準位置からのズレ量を算出する手段を有することを特徴とする[1]に記載の外観検査装置。
[3]被検査体の溝部検査面が照明装置から入射する光の反射光を撮像装置が最適に受光可能な状態を基準位置として定めることを特徴とする[2]に記載の外観検査装置。
[4]前記幾何学的形状探索により算出した被検査体の状態と前記基準位置の状態の差をフィードバックし補正することができる回転機構を持つことを特徴とする[3]に記載の外観検査装置。
[5]前記被検査体の形状に応じて定めた回数に至るまで回転と撮像を繰り返すことで、複数の検査用画像を取得することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の外観検査装置。
[6]前記複数の検査用撮像画像に対して、検査領域内の欠陥の反射光の濃淡を強調し、それ以外をノイズとして除去する画像処理を行い、一定のコントラストを有する明もしくは暗の塊の特徴量を計測し、予め設定した閾値と比較することで前記被検査体の溝部の欠陥の有無を判定する機能を有することを特徴とする[5]に記載の外観検査装置。
本発明に係る外観検査装置によれば、低コストでかつ表面が複雑な立体形状の被検査体の欠陥検出が可能になる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
図1は、本発明の外観検査装置の全体構成を示す模式図である。この外観検査装置は、被検査体として例えば自動車に用いられる電磁弁の部品を対象とし、本発明を実行する。
外観検査装置は、被検査体に光を照射し画像を撮像する光学装置Aと、被検査体を移動させるための機械装置B及び、撮像装置から送られた画像を処理し、判定結果を出力する画像処理装置Cを備えている。
ここで、光学装置には撮像装置1及び照明装置2を備え、被検査体3に照明から光を照射し撮像装置によって画像を撮像する。
撮像装置としては、エリアセンサ方式カメラ、ラインセンサ方式カメラ等が挙げられるが、二次元的に画像の撮影ができ、複雑な撮影システムが不要である観点からエリアセンサ方式カメラを用いることが好ましい。
前記照明色は、青色、赤色などでも欠陥検出はできるが、前記照明は欠陥種、欠陥サイズに依らず、コントラストを明確にする観点から白色照明を用いることが望ましい。
前記照明の形状は、バー照明やリング照明、スポット照明等が挙げられ、被検査体の検査面に応じて選択するため、照明形状に依らず検査が可能である。中でも一方向から強烈な光が得られるバー照明を適用することが好ましい。
前記照明が検査ステージに対して垂直方向で被検査体から15~25mm離れた位置に配置されることが好ましい。このように設置することにより、正常部と欠陥部のコントラストが明確となる。
図2は被検査体の例、図3は位置補正なしの撮像、図4は本発明の位置補正ありの撮像を示す。例で示した被検査体は、円盤状の端面の円中心部から片側の方向に円柱が伸びているものとする。円柱が存在しない側の端面では、中心から半径方向へ放射状に90°毎に溝a、b、c、dを有し、この溝側面が斜面となっており、この溝側面を被検査面とする。図3では、照明光が均一に凹部の側面に照射できないため、欠陥が画像上に顕在化しない可能性がある。図4のように検査面に照明が均一に照射される検査領域において、被検査体溝部が最適な光学条件となる基準位置5になるように被検査体を回転させることで、検査面の欠陥が顕在化し、高精度な検査が可能になる。なお、基準位置は事前検証により予め定めるものとする。
図5は、回転と撮像の繰り返し動作の概要を示す。凹溝に欠陥6をもつ被検査体について、検査領域7を均一に照射可能な照明装置が1つの場合の撮像に関して説明する。まず初期状態(I)の状態で撮像を行い、画像処理による幾何学的形状探索(例えばパターンマッチング)により初期状態の被検査体の位置と基準位置とのズレ量を算出して回転機構にフィードバックすることで、基準位置に合わせた(II)になるように被検査体を回転し、検査用の撮像を行う。以後(III)~(V)では、(II)から被検査体を90°回転、撮像の動作を繰り返すことで、全ての溝側面を最適な撮像条件で捉えた外観検査が可能となり、(V)のときに欠陥6を検査領域7で検査することができる。図5では、基準位置に被検査体を回転後の(II)にした後に4回の検査用の撮像が必要になる。
図6は外観検査アルゴリズムのフローチャートである。
この外観検査アルゴリズムを実行する前に、被検査体と照明の位置関係において、照明が均一に照射される被検査体の範囲を検査領域と設定しておき、被検査体の形状からすべての検査対象部をこの検査領域で検査を行うために必要になる基準位置移動後の撮像回数X1、及び被検査体の溝と溝の位相間隔から回転角度X2を算出しておく。
この外観検査アルゴリズムを実行する前に、被検査体と照明の位置関係において、照明が均一に照射される被検査体の範囲を検査領域と設定しておき、被検査体の形状からすべての検査対象部をこの検査領域で検査を行うために必要になる基準位置移動後の撮像回数X1、及び被検査体の溝と溝の位相間隔から回転角度X2を算出しておく。
ステップS1では、撮像して被検査体の画像を得る。
ステップS2ではパターンマッチングを行う。特定のパターンを認識させて、被検査体の幾何学的特徴が登録されている情報との相関値等を計測する。
ステップS3ではステップS2の結果を利用し、予め定めた基準位置とのズレ(角度)を算出し、機械的回転で補正する量を決定する。
ステップS4では前記ズレ量を機械装置の回転により補正する。
ステップS5では、撮像して被検査体の検査に使用する画像を得る。
ステップS6では、ステップS5にて撮像した検査用画像をシェーディング補正やコントラスト変換等によるノイズ除去や欠陥鮮映化の前処理を通して欠陥顕在化を行う。
その後、顕在化された検出値(欠陥部の輝度変化の大きさや欠陥部の面積)を計測する。
その後、顕在化された検出値(欠陥部の輝度変化の大きさや欠陥部の面積)を計測する。
ステップS7では、被検査体が基準位置到達後の撮像回数nと事前に算出した撮像回数X1を比較する。
ステップS7の条件が満たされていない場合、次の対象検査面に均一に照明が当たるようにステップS8で被検査体を角度X2だけ回転させ、ステップS7の条件が満たされるまでステップS5~S6を繰り返す。
ステップS9では検出値が閾値の範囲内にあるかを判断し、結果を出力する。
本発明の詳細を以下の実施例で説明する。但し、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
図1に示す外観検査システムを用いて、良品と不良品サンプルの検査を行った。検査員が目視検査で不良と判定したサンプルに対して欠陥検出能力を確認した。
被検査体は、図2と類似の形状であり、円盤部分の端面の表面に幅8mm、深さ3mm、半径方向に長さ3mmの溝を45°刻みで8つ有し、その溝が被検査体中心に対し点対称に形成された立体形状のものを用いる。
不良品サンプルとして、被検査体の溝底にひび割れが発生したものを用い、撮像装置として、500万画素のエリアセンサ方式カメラを被検査体の上方120mmに設置し、照明装置として、バー照明を用い、被検査体の放射方向に20mm離れ、さらにその上方20mmの位置に照明を設置した。このとき、被検査体の形状と照明位置から基準位置にした状態からの回転角度は45°であり、撮像回数は、8回となる。
機械装置は、被検査体の溝が存在する端面と反対方向の軸を固定することで、任意の角度に回転することが可能な回転機構を有するものを用いた。
被検査面をひび割れが発生する溝底の角部とし、照明を照射した際に暗部となる部分を欠陥として前処理で緩やかな輝度変化を除去し、急峻な輝度変化の生じる暗部を強調する画像処理を用いた。
前述したバー照明を用い、検査面を8つの溝底の角部と設定したため、検査に必要な検査画像は8枚必要となり、この8枚の撮像画像で画像処理後の輝度値の変化量を計測し、この8枚の検出値が設定した判定閾値以下であれば良品と判定とし、一方、8枚のうちのいずれかの検出値が判定閾値よりも大きい場合は不良品と判定する設定とした。
判定閾値は、同一の不良品限度見本サンプルを30回撮像し、不良品限度見本サンプルの計測値の標準偏差の3倍の幅を持たせた値を設定した。
前述の検査アルゴリズムで検査した結果を表1に示す。表1に示したとおり、用意した溝底にひび割れの存在する不良品5個の欠陥部を正しく検出し、良品100個に対しても目視検査の判定と一致する正確な合否判定を得ることができた。
A・・・・・・・・・光学装置
B・・・・・・・・・機械装置
C・・・・・・・・・画像処理装置
S1~9・・・・・・処理内容
a,b,c,d・・・溝
1・・・・・・・・・撮像装置
2・・・・・・・・・照明装置
3・・・・・・・・・被検査体
4・・・・・・・・・回転機構
5・・・・・・・・・基準位置
6・・・・・・・・・欠陥例
7・・・・・・・・・検査領域
B・・・・・・・・・機械装置
C・・・・・・・・・画像処理装置
S1~9・・・・・・処理内容
a,b,c,d・・・溝
1・・・・・・・・・撮像装置
2・・・・・・・・・照明装置
3・・・・・・・・・被検査体
4・・・・・・・・・回転機構
5・・・・・・・・・基準位置
6・・・・・・・・・欠陥例
7・・・・・・・・・検査領域
Claims (6)
- 表面に複数の凹形状の溝が、中心から半径方向へ放射状に存在し、前記溝の両側が斜面である被検査体の外観を検査する装置であって、照明と、撮像装置と、画像処理を行うコンピュータと、前記被検査体を回転させる回転機構を備える外観検査装置。
- 前記被検査体の外観検査を行う前に被検査体を撮像し、画像処理手段による幾何学的形状探索により、事前に基準位置として定めた被検査体の位置と、撮像した前記被検査体画像の幾何学的形状を比較し、基準位置からのズレ量を算出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
- 被検査体の溝部検査面が照明装置から入射する光の反射光を撮像装置が最適に受光可能な状態を基準位置として定めることを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
- 前記幾何学的形状探索により算出した被検査体の状態と前記基準位置の状態の差をフィードバックし補正することができる回転機構を持つことを特徴とする請求項3に記載の外観検査装置。
- 前記被検査体の形状に応じて定めた回数に至るまで回転と撮像を繰り返すことで、複数の検査用画像を取得することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記複数の検査用画像に対して、検査領域内の欠陥の反射光の濃淡を強調し、それ以外をノイズとして除去する画像処理を行い、一定のコントラストを有する明もしくは暗の塊の特徴量を計測し、予め設定した閾値と比較することで前記被検査体の溝部の欠陥の有無を判定する機能を有することを特徴とする請求項5に記載の外観検査装置。
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