JP2022066179A - 光輝性複層塗膜形成方法 - Google Patents

光輝性複層塗膜形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022066179A
JP2022066179A JP2021169364A JP2021169364A JP2022066179A JP 2022066179 A JP2022066179 A JP 2022066179A JP 2021169364 A JP2021169364 A JP 2021169364A JP 2021169364 A JP2021169364 A JP 2021169364A JP 2022066179 A JP2022066179 A JP 2022066179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
brilliant
paint
pigment
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021169364A
Other languages
English (en)
Inventor
忠信 雑賀
Tadanobu Saiga
政明 釼持
Masaaki Kemmochi
将 岡本
Susumu Okamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Publication of JP2022066179A publication Critical patent/JP2022066179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】ムラが少なく光輝感に優れた塗膜を常温乾燥の条件でも形成可能な複層塗膜形成方法を提供する。【解決手段】基材面に、着色顔料及び樹脂成分を含む着色塗料(I)を、着色塗膜の厚さが隠蔽膜厚以上となるように塗装し、乾燥させて着色塗膜を設ける工程(1)、及び工程(1)で得られた着色塗膜上に光輝性顔料及び樹脂成分を含む光輝性塗料(II)を塗装し、乾燥させて、光輝性塗膜を形成する工程(2)を含み、前記着色塗膜が光輝性顔料を含まないか、前記光輝性塗膜よりも光輝性顔料の含有量が少ないものであって、光輝性塗膜が光輝性顔料を0.05~15質量%の範囲内で含み、隠蔽膜厚未満である、光輝性複層塗膜方法。【選択図】なし

Description

本発明は、メタリック感や真珠のような光輝感に優れた外観を形成するのに適する複層塗膜形成方法に関する。
従来、建築物の外観は落ち着いた無難なものが好まれていたが、建築物に用いられる外装材や色彩が多様化してきている。その一例として光沢や反射などの光学的現象を伴うメタリック調の外装材は、派手な色彩を使用することなく景観の調和を保つことができる外装材として人気がある。そして近年は金属パネルなどの外装材を用いたメタリック調の高意匠建造物が増加しており、その改修に使用するためのメタリック塗料のニーズが高まっている。
建築物への塗装が可能なメタリック塗料として特許文献1及び特許文献2には、鱗片状金属顔料及び着色顔料を含み、塗料組成物中に含まれる不揮発分含有量及び顔料体積濃度が特定範囲である塗料組成物が開示されている。
また、特許文献3には、ノンリーフィングタイプのアルミニウム顔料を特定量含み、塗装時の粘度が特定の範囲内である塗料組成物が開示されている。
特許第6121015号 特許第6182686号 特開2017-87144号公報
特許文献1~3に記載の塗料組成物は、ローラー塗装を行っても高輝度なメタリック塗膜が得られる反面、メタリックムラが目立ってしまうことがあるため、塗装を行うのに熟練を要するという問題点がある。
例えば既設の建築物などに対して塗料組成物を用いて塗装する場合、常温乾燥の条件でも十分な塗膜物性を備えた塗膜が得られることが必要である。しかしながら、従来のメタリック塗料組成物を用いて常温乾燥で塗膜を形成させると、溶媒の蒸発速度が遅いためにメタリック顔料の配向が乱れ、ムラが発生しやすい。
本発明の課題は、ムラが少なく光輝感に優れた塗膜を常温乾燥の条件でも形成可能な塗装方法を提供することにある。
本発明者らはメタリック調及び真珠のような光輝性を有する外観を備えた光輝性塗膜を容易に得るための塗装方法について鋭意検討した。その結果、光輝性塗膜を得るための塗装工程を着色塗料塗装工程と光輝性塗料塗装工程に敢えて分けることに行き着いた。
すなわち本発明は、以下の実施形態に関する:
項1. 基材面に、着色顔料及び樹脂成分を含む着色塗料(I)を、着色塗膜の厚さが隠蔽膜厚以上となるように塗装し、乾燥させて着色塗膜を設ける工程(1)、及び
工程(1)で得られた着色塗膜上に光輝性顔料及び樹脂成分を含む光輝性塗料(II)を塗装し、乾燥させて、光輝性塗膜を形成する工程(2)を含み、
前記着色塗膜が光輝性顔料を含まないか、前記光輝性塗膜よりも光輝性顔料の含有量が少ないものであって、
光輝性塗膜が光輝性顔料を0.05~15質量%の範囲内で含み、隠蔽膜厚未満である、光輝性複層塗膜方法。
項2. 基材面が、建築物の基材面である項1記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項3. 着色塗料(I)が、常温乾燥型塗料である、項1または2記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項4. 着色塗料(I)が、明度(L)が40~95の範囲内、かつ彩度(C)が40以下の着色塗膜を形成する塗料である項1~3のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項5. 着色塗料(I)による着色塗膜が、ローラー塗装により形成される、項1~4のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項6. 光輝性塗料(II)が、主剤成分と硬化剤成分とを含む多成分系塗料である、項1~5のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項7. 光輝性顔料が、アルミニウムフレーク顔料及び/又は光干渉性顔料である、項1~6のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項8. 光輝性顔料がアルミニウムフレーク顔料を含み、アルミニウムフレーク顔料が、ノンリーフィングタイプ又はリーフィングタイプである、項7に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項9. 光輝性顔料がアルミニウムフレーク顔料を含み、アルミニウムフレーク顔料の平均粒子径が、5~250μmの範囲内にある、項7または8に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項10. 光輝性顔料が光干渉性顔料を含み、光干渉性顔料の平均粒子径が、5~250μmの範囲内にある、項7~9に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項11. 光輝性顔料が、アルミニウムフレーク顔料及び光干渉性顔料を前者の後者に対する質量比で10/90~90/10の範囲内で併有する、項7~10のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項12. 光輝性塗料(II)が、水酸基含有アクリル樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、ポリイソシアネートを含む硬化剤成分とを含む多成分系塗料である、項6~11のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項13. 光輝性塗料(II)が、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、アミノ基含有アルコキシシラン化合物を含む硬化剤成分とを含む多成分系塗料である、項6~11のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項14. 光輝性塗料(II)が、有機溶剤及び/又は硬化触媒をさらに含む、項13に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項15. 光輝性塗料(II)による光輝性塗膜がローラーにより形成される、項1~14のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項16. 工程(2)で形成された光輝性塗膜の上に、光輝性塗料(II)とは異なるクリヤー塗料(III)を塗り重ねる工程(3)をさらに含む、項1~15のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
項17. クリヤー塗料(III)によるクリヤー塗膜が、ローラーにより形成される、項16に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
本発明の複層塗膜形成方法によれば、着色塗膜上に光輝性顔料及び樹脂成分を含む光輝性塗料を下地が透けるように薄く塗装することで下層の着色塗膜と上層の光輝性塗膜が融合し、常温乾燥の条件でもメタリックや真珠のような光輝感を有し、且つムラが抑制された光輝性塗膜が容易に得られる。
以下、本発明の光輝性複層塗膜形成方法について説明する。
<基材>
本発明において複層塗膜を設けるための基材としては、例えば、鋼板、亜鉛めっき、ステンレス、アルミニウム等の金属系無機基材、コンクリート、モルタル、スレート、サイディング、レンガ、石膏、木材等の非金属系無機基材、プラスチック、ゴム等の有機系基材;これらの組み合わせが挙げられる。被塗物の具体例としては、建築物が挙げられる。建築物の具体例としては例えば、家屋、公共施設、ビル、倉庫、門、塀、オブジェ等を挙げることができる。
本発明では上記基材に後述の着色塗料(I)を直接塗装してもよいし、あらかじめシーラー、プライマー、下地調整材、中塗り塗料、防錆塗料等を塗装して下塗り塗膜を形成してもよい。下塗り塗膜の形状は平らな形状であっても凹凸形状であってもよい。
<工程(1)>
本発明において、工程(1)は前記基材に着色塗料(I)を塗装し、乾燥させて着色塗膜を設ける工程である。
<着色塗料(I)>
工程(1)において使用される着色塗料(I)は、着色顔料及び樹脂成分を含む塗料であれば有機溶剤系、水系、無溶剤系等の従来公知の各種塗料が利用可能である。
前記着色顔料としては、趣向や目的に応じて塗料分野で公知の着色顔料を制限なく使用することができる。着色顔料としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料及びこれら任意の組み合わせが挙げられる。また、顔料としてバリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、シリカ等の体質顔料を含んでいてもよい。
本発明では着色塗料(I)は色味を与える役割であるため、着色塗膜が光輝性顔料を含まないか、光輝性塗膜よりも光輝性顔料の含有量が少ないか、あるいは光輝性顔料の含有量が着色塗膜中に0.5質量%以下であることが好ましい。
前記樹脂成分としては、塗料分野で公知の樹脂及び硬化剤等を制限なく使用することができる。具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン、アミノ基含有アルコキシシラン及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。特に好ましい樹脂成分として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また、前記樹脂成分にはこれら樹脂の複数からなる変性樹脂も包含される。
前記着色塗料(I)は、有機溶剤、水、硬化触媒、反応性希釈剤、付着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防藻剤、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、湿潤剤等の塗料用添加剤等を含むことができる。
本発明では着色塗料(I)としては常温乾燥型塗料が好ましい。常温乾燥型塗料としては、例えばラッカー型塗料、アルキド樹脂系塗料、水酸基含有樹脂及びポリイソシアネートを含む2液型ウレタン樹脂系塗料、エポキシ基含有樹脂及びアミノ基含有樹脂を含む2液型エポキシ系塗料などを例示することができる。
工程(1)では、前記基材面に着色塗料(I)を下地が隠蔽するように、すなわち着色塗膜の厚さが隠蔽膜厚以上となるように塗装し、乾燥させる。本明細書において隠蔽膜厚とは、塗料分野で周知の用語であり、その下地の色を認識し得なくなる最小膜厚である。具体的には、JIS K5600-4-1(1999)に規定された隠蔽率試験紙上に、塗料を膜厚を変えて塗装し、乾燥硬化させた場合に、該隠蔽率試験紙に印刷された白部と黒部が目視によって判別できなくなる最小の乾燥膜厚である。
本発明においては、着色塗料(I)が中明度且つ低彩度の着色塗膜を形成する塗料であることが好ましい。具体的には着色塗膜の明度(L)が40~95の範囲内、かつ彩度(C)が40以下の範囲内にあることが好ましい。着色塗膜の明度及び彩度が上述の範囲内にあることによって、後述の光輝性塗料(II)により形成される光輝性塗膜と融合した複層塗膜の光輝感、発色性がより際立つからである。
詳しくは、外観として金属調の光輝感とするには着色塗膜の明度(L*)が、40~80未満、真珠調の光輝感とするには着色塗膜の明度(L*)が80~95の範囲内となるように調整されることが好ましい。
本明細書において明度(L)及び彩度(C)は、CIE 1976 L表色系(JIS Z8729に準拠)により表すことができる。L表色系では、明度をLで表し、彩度をaおよびbで表す。明度Lは、0~100の数値をとり、数値が大きいほど明るいことになる。すなわち、明度Lは、例えば0に近いほど黒に近く、100に近いほど白に近くなる。aは赤~緑の方向成分を表す。マイナスの数値が大きくなれば緑に近くなり、プラスの数値が大きくなれば赤に近くなる。bは青~黄の方向成分を表す。マイナスの数値が大きくなれば青に近くなり、プラスの数値が大きくなれば黄に近くなる。a、bは、数値(絶対値)が大きくなれば彩度が高くなる。a=0かつb=0は無彩色となる。彩度の指標として、C=(a*2+b*21/2が採用される。
、a、bは、市販の測色計(例えばコニカミノルタ社製の色彩色差計CR-400)を使用して測定することができる。また、明度及び彩度を測定するための着色塗膜の作成条件は、基材としてガラス板を使用し、試料となる着色塗料を、着色塗膜が隠蔽膜厚となるようにスプレー塗装し、23℃1週間で乾燥させたものを使用するものとする。
前記着色塗料(I)の塗装は、公知の塗装方法で行うことができる。具体的には、例えば、刷毛塗り、流し塗り、コテ塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、エアレススプレー塗装、リシンガン、万能ガン等の塗装器具を用いて行うことができる。特に周囲への塗料飛散が少ない塗装手段であるローラーを用いて塗装することが好ましい。塗装後の乾燥は、常温で乾燥することが好ましいが、必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥等を行ってもよい。常温とは、塗装が行なわれる環境の大気温度により異なるが、強制的な加熱又は冷却などの温度操作を行なわない温度を指し、例えば5~40℃である。
<工程(2)>
本発明方法では、上記工程(1)で形成された着色塗膜上に光輝性塗料(II)を塗装し、乾燥させて光輝性塗膜が形成される。前記光輝性塗料(II)は光輝性顔料によるキラキラ感があり、且つ透明性も備えた塗料である。つまり本発明では着色塗膜の上に光輝性塗料を塗装すれば上層にある光輝性塗膜を介して下層の着色塗膜が透けて見える状態となる。
従って本発明において光輝性塗料(II)を下地である着色塗膜が完全に隠蔽される厚膜に塗装することは光輝性複層塗膜の光輝感、発色性が不足するため好ましくない。
本発明において光輝性塗料(II)は下地が透けるように、光輝性塗膜が隠蔽膜厚未満となるように塗装されるものであり、光輝性顔料の含有量及び塗装条件によって塗布量が調整されるが、塗布量としては、光輝性塗料(II)不揮発分の質量で30~85g/m、好ましくは35~60g/mの範囲内にあることが好ましい。
本発明での光輝性塗料(II)は、光輝性顔料及び樹脂成分を含む塗料であれば、有機溶剤系、水系、無溶剤系等の従来公知の各種塗料が利用可能である。中でも常温乾燥型の塗料がよい。常温乾燥型である場合、耐候性などの塗膜物性の点から主剤成分と硬化剤成分とを含む多成分系塗料を使用してもよい。
<光輝性顔料>
本発明において光輝性顔料は、塗膜に金属や真珠のようなキラキラとした光輝感を付与するために用いられるものであり、塗料分野において光輝性顔料として公知の顔料を使用することができる。光輝性顔料の具体例としては、アルミニウムフレーク顔料、光干渉性顔料、蒸着金属フレーク顔料等を挙げることができる。
アルミニウムフレーク顔料は、主に塗膜にメタリックのような光輝感を付与するために使用される。一般にアルミニウムをボールミル又はアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。該アルミニウムフレーク顔料の製造工程における粉砕助剤としてはオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが使用される。上記粉砕媒液としてはミネラルスピリットなどの脂肪族系炭化水素が使用される。
上記アルミニウムフレーク顔料は、粉砕助剤の種類によって、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプに大別することができ、いずれも使用可能である。また、表面を特に処理していないものも使用できるが、表面を樹脂で被覆せしめたもの、シリカ処理を施したもの及びリン酸やモリプデン酸、シランカップリング剤で表面を処理したものも使用することができる。以上の各種表面処理の中から一種の処理をせしめたものを使用することができるが、複数種類の処理をせしめたものを使用してもよい。
また前記アルミニウムフレーク顔料は、アルミニウムフレーク顔料表面に着色顔料を被覆してさらに樹脂被覆せしめたものや、アルミニウムフレーク顔料表面に酸化鉄等の金属酸化物を被覆したものなどの着色アルミニウム顔料を使用してもよい。
前記アルミニウムフレーク顔料は、光輝感及び光沢の観点から、平均粒子径が5~250μm、特に7~200mの範囲内のものを使用することが好ましい。
本明細書において光輝性顔料の平均粒子径は、50%体積平均粒子径D50であり、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300(商品名、日機装株式会社製)を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。
光干渉性顔料は、塗膜に真珠のような光輝感を与えるため、又は塗膜にメタリック感を付与するために上記アルミニウムフレーク顔料と併用して使用される。具体的にはマイカ、人工マイカ、ガラス、酸化鉄、酸化アルミウム、及び各種金属酸化物などの透明乃至半透明な鱗片状基材の表面に、該基材とは屈折率が異なる金属酸化物が被覆された光輝性顔料である。透明な基材とは、具体的には可視光線を少なくとも90%透過する基材であり、半透明な基材とは、可視光線を少なくとも10~90%未満透過する基材である。上記金属酸化物としては、酸化チタン及び酸化鉄などを挙げることができ、該金属酸化物の厚さの違いによって、光干渉性顔料は種々の異なる干渉色を発現することができる。
該光干渉性顔料としては具体的には、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料などを挙げることができる。
金属酸化物被覆マイカ顔料は、天然マイカ又は人工マイカを基材とし、該基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。天然マイカとは、鉱石のマイカ(雲母)を粉砕した鱗片状基材である。人工マイカとは、SiO、MgO、Al、KSiF、NaSiFなどの工業原料を加熱し、約1500℃の高温で熔融し、冷却して結晶化させて合成したものであり、天然のマイカと比較した場合において、不純物が少なく、大きさ及び厚さが均一なものである。人工マイカの基材としては具体的には、フッ素金雲母、カリウム四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、Naテニオライト、LiNaテニオライトなどが知られている。
金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、アルミナフレークを基材とし、基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。アルミナフレークとは、鱗片状(薄片状)酸化アルミニウムを意味し、無色透明なものである。該アルミナフレークは酸化アルミニウム単一成分である必要はなく、他の金属の酸化物を含有するものであってもよい。
金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とは、鱗片状のガラスを基材とし、基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。該金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、基材表面が平滑なため、強い光の反射が生じる。
金属酸化物被覆シリカフレーク顔料は、表面が平滑で且つ厚さが均一な基材である鱗片状シリカを金属酸化物が被覆した顔料である。
上記光干渉性顔料は、光輝感及び光沢の観点から、平均粒子径が5~250μm、特に7~200μmの範囲内のものを使用することが好ましい。上記光干渉性顔料として使用できる市販品としては例えば、「イリオジン」シリーズ(商品名、メルクジャパン社製)、「シラリック」シリーズ(商品名、メルクジャパン社製)、「ツインクルパール」シリーズ(商品名、日本光研工業社製)等を挙げることができる。
前記蒸着金属フレーク顔料は、フィルムなどのべース基材上にアルミニウム、クロムなどの金属膜を蒸着させ、べース基材を剥離した後、蒸着金属膜を粉砕することにより得られる。
本発明において、上記光輝性顔料は、アルミニウムフレーク顔料及び/又は光干渉性顔料を含むことが好ましい。ムラが抑制されつつもキラキラとした光輝感の塗膜を得る観点から両者を併用する場合、アルミニウムフレーク顔料と光干渉性顔料の質量比は、10/90~90/10、好ましくは20/80~80/20の範囲内にあることが好適である。
本発明では光輝性塗膜が光輝性顔料を0.05~15質量%含む。最終的に形成される複層塗膜の光輝感及び光沢の観点からである。光輝性塗膜に含まれる光輝性顔料の好ましい量としては0.5~10質量%の範囲内である。光輝性塗膜中の光輝性顔料が0.05質量%未満であると、複層塗膜の光輝感が小さくなる。光輝性塗膜中の光輝性顔料が15質量%を超えると、複層塗膜にムラが生じたり、及び/又は発色性若しくは光択が不十分な場合がある。
また、光輝性塗料(II)は上記着色顔料を含まないか、含む場合でもその含有量が光輝性塗膜不揮発分100質量部を基準として5質量部以下の範囲内にあることが好ましい。光輝性塗料(II)から形成される光輝性塗膜の顔料組成が上述であることによって、発色性及び光輝感に優れた光輝性塗膜外観が得られるとともに、下地にある着色塗膜の色味を最大限に活かすことができ、着色塗膜の種類を変更することで光輝感と色味の組み合わせによるバリエーションの豊かな外観を幅広いユーザーに提供することが可能となる。
本明細書において「不揮発分」とは水や有機溶剤などの揮発成分を除いた残渣をいい、塗膜を形成することになる成分である。不揮発分質量を測定する際の試料の乾燥条件としては、例えば、試料1グラムを110℃の乾燥機で1時間加熱する方法が挙げられる。
<樹脂成分>
光輝性塗料(II)に含まれる樹脂成分としては、塗料分野で公知の樹脂及び硬化剤等を制限なく使用することができる。具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン、アミノ基含有アルコキシシラン及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、前記樹脂成分にはこれら樹脂の複数からなる変性樹脂も包含される。
アクリル樹脂:
前記樹脂成分としては耐候性の観点からアクリル樹脂が含まれていることが好ましい。特にアクリル樹脂が加水分解性シリル基及び/又は水酸基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
本明細書において、「加水分解性シリル基」は、加水分解によりシラノール基を生成し、当該シラノール基が脱水縮合して、シロキサン結合を形成する基であり、ケイ素原子に直接結合した一価の加水分解性原子(水と反応することでシラノール基を生成する原子)及びケイ素原子に直接結合した一価の加水分解性基(水と反応することでシラノール基を生成する基)の両方又は一方を有するシリル基である限り特に限定されない。
上記加水分解性シリル基の具体例としては、例えば、クロロシリル基、ブロモシリル基等のハロゲン化シリル基、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基、ブトキシシリル基等のアルコキシシリル基等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
加水分解性シリル基及び/又は水酸基を有するアクリル樹脂の例としては、加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物及び/又は水酸基含有重合性不飽和化合物の単量体単位と、(メタ)アクリロイル基含有化合物の単量体単位とを含むものが挙げられる。(メタ)アクリロイル基含有化合物は、(メタ)アクリロイル基を含有する加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物を除く。
アクリル樹脂が加水分解性シリル基を有する場合、アクリル樹脂の全単量体単位を基準として、加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物を1~50質量%、好ましくは2~30質量%含むことができる。一方、アクリル樹脂が水酸基を有する場合、アクリル樹脂の全単量体単位を基準として、水酸基含有重合性不飽和化合物を1~50質量%、好ましくは2~30質量%含むことができる。
また、アクリル樹脂が、加水分解性シリル基及び水酸基を併有する場合、常温硬化性の点で、アクリル樹脂の全単量体単位を基準として、加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物を1~50質量%、好ましくは2~30質量%、水酸基含有重合性不飽和化合物0.1~40質量%、好ましくは1~20質量%含むことが好ましい。
加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン等のビニルクロロシラン;γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルコキシシラン等;並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、又はアクリロキシ基及びメタクリロキシ基の両方を意味する。
水酸基含有重合性不飽和化合物としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにε-カプロラクトン等のラクトンを開環重合した化合物、及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物等の水酸基含有(メタ)アクリレート等;並びにそれらの任意の組み合わせ等が挙げられる。
一方、「(メタ)アクリロイル」基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、又はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を意味し、そして「(メタ)アクリル酸」は、アクリル、メタクリル酸、又はアクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。
(メタ)アクリロイル基含有化合物の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基含有(メタ)アクリレート;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノメトキシ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルコキシ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと酸無水物とのハーフエステル化物等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリレート;アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、リン酸モノ-〔(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリル酸〕エステル等のリン酸基含有(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド等の第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート;及びヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート等;並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
なお、加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂は、加水分解性シリル基含有重合性不飽和化合物の単量体単位として、加水分解性シリル基と、(メタ)アクリロイル基とを有する重合性不飽和化合物、例えば、(メタ)アクリロキシアルコキシシラン、例えば、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等の単量体単位を含むことができる。
前記アクリル樹脂は、塗装作業性の観点から、(メタ)アクリロイル基含有化合物が、単量体単位として(メタ)アクリル酸の、炭素数が約4~18の直鎖状、分岐状又は環状アルキルエステルを含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸の、炭素数が約4~18の直鎖状、分岐状又は環状アルキルエステルの例として、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
上記アクリル樹脂は、その他の重合性不飽和化合物を単量体単位として含むものであってもよい。
その他の重合性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイル基含有化合物以外の化合物であり、具体的にはスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;シクロヘキシルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル;等のカルボン酸ビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン、フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル、パーフルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル等のフルオロビニルエーテル等を挙げることができる。
上記アクリル樹脂は、任意の公知の方法、例えば、アゾ化合物、過酸化物等を開始剤に用いたラジカル重合法等により製造することができ、また、市販されている。
また上記アクリル樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、光沢及び光輝感、常温硬化性の観点から、1,000~100,000の範囲にあり、そして好ましくは2,000~80,000の範囲にある。
本明細書において重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgelG-4000HXL」、「TSKgelG-3000HXL」、「TSKgelG-2500HXL」及び「TSKgelG-2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定した値を使用することができる。
ポリシロキサン樹脂:
上記樹脂成分は耐候性の観点から、ポリシロキサン樹脂を含むことが好ましい。ポリシロキサン樹脂としては樹脂中に、加水分解性シリル基及びポリシロキサン骨格を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサンが好ましい。
加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、次の式(1)
(1):SiX4-n 式(1)
(式中、Xは、同一又は異なって、水酸基又はアルコキシ基を表わし、Yは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表わし、そしてnは、1~4の整数を表わす。)
で表わされる、同一又は異なる2以上のオルガノシランが化学結合することにより生成した樹脂が挙げられる。
加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサンが、式(1)で表されるオルガノシランが直鎖状、又は分岐鎖状に結合されたものである場合、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン樹脂は、ケイ素原子と直接結合する炭化水素基を有することが好ましい。
式(1)で表されるオルガノシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、β-シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、γ-アシノプロピルトリエトキシシラン、4-アシノブチルトリエトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリクロロシラン、(p-クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4-クロロフェニルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサンは、塗装作業性などの観点から、ケイ素原子と直接結合するメチル基及び/又はフェニル基を有していることが好ましい。
エポキシ樹脂:
また、上記樹脂成分は、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。かかるエポキシ樹脂としては、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、グリセリン・エピクロロヒドリン付加物のポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジフェニルスルホンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ジフェニルメタンジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン;アクリル系重合体にグリシジル基含有成分をグラフトした化合物等が挙げられる。
上記樹脂成分が例えば水酸基、加水分解性シリル基、エポキシ基などの架橋反応性基を有する場合、樹脂成分は前記架橋官能基と反応可能な化合物を硬化剤として含むことが好ましい。かかる硬化剤としては例えば、ポリイソシアネート、アミノ基含有アルコキシシラン、ポリアミン等を挙げることができる。
ポリイソシアネート:
これらのうちポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族のポリイソシアネートが含まれ、具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のほか、これらイソシアネート化合物の変性体が挙げられる。変性体の具体例としては、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、アダクト変性体(例えばトリメチロールプロパン付加物)、アロファネート変性体、ウレトジオン変性体、これらの組み合わせ等が挙げられる。特に耐候性の観点からヘキサメチレンジイソシアネートの各種変性体が好ましい。
アミノ基含有アルコキシシラン化合物:
上記アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物であり、その具体例としては、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記化合物はこれら列記した化合物の加水分解縮合物も包含される。
上記光輝性塗料(II)に含まれる樹脂成分としては、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネートを含む組成物であるか、あるいは加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及びアミノ基含有アルコキシシランを含む組成物であることが好ましい。
光輝性塗料(II)に含まれる樹脂成分が水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネートを含む組成物である場合、樹脂成分に含まれる水酸基に対してポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.5~1.5当量となるような割合にあることが好ましい。
一方、光輝性塗料(II)が樹脂成分として加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及びアミノ基含有アルコキシシランを含む組成物である場合、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、及びエポキシ樹脂に含まれる不揮発分の合計中に占める各成分に含まれる不揮発分の割合が、
加水分解性シリル基含有アクリル樹脂が、20~90質量%、好ましくは30~80質量%の範囲内、
ポリシロキサン樹脂が、5~40質量%、好ましくは10~35質量%の範囲内、
エポキシ樹脂が、5~40質量%、好ましくは10~35質量%の範囲内
にあることが好ましい。
アミノ基含有アルコキシシラン化合物の使用量としては、上記樹脂成分に含まれるエポキシ基1当量に対してアミノ基の活性水素の当量が0.1~2.0、好ましくは0.3~1.2の範囲内にあることが好ましい。
<光輝性塗料(II)>
本発明において上記光輝性塗料(II)は上記樹脂成分、光輝性顔料以外に、有機溶剤、水、フィラー、改質用樹脂、硬化触媒、反応性希釈剤、付着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防藻剤、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、湿潤剤、脱水剤等の塗料用添加剤等を含むことができる。
これらのうち有機溶剤としては弱溶剤を挙げることができる。
「弱溶剤」は、当技術分野で周知な用語であり、一般的には溶解力の弱い溶剤を意味する。上記弱溶剤には、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第3種有機溶剤と列挙されるものが含まれる。第3種有機溶剤の具体例を挙げると、ガソリン、コールタールナフサ(別名:ソルベントナフサ)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリツト(別名:ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリツト、ホワイトスピリツト及びミネラルターペン)およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明では、塗装時における環境の点から、光輝性塗料(II)に含まれる全有機溶剤に占める弱溶剤の割合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上であることが好ましい。
弱溶剤以外に使用可能な有機溶剤としては、公知の溶剤、例えば、n-ブタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノーn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノーt一ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、アセト酢酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤;アセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
また、硬化触媒としては、例えば、ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート等の有機錫化合物;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリ-n-ブトキシド、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、テトラノルマルブチルチタネート等の有機チタン化合物;ジルコニウムテトラ(モノメチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、1-メチルピペリジン、1-メチルピロリジン等の脂肪族アミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、4-(1-ピペリジル)ピリジン、N-メチルイミダゾール、N,N-ジメチルアニリン等のアミン触媒;カルボン酸の鉛、スズ、亜鉛、及び鉄錯体;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ(4-クロロフェニル)、ホウ酸トリヘキサフルオロイソプロピル等のホウ酸エステル等のホウ酸化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも光沢の点からアミン触媒が好ましい。
上記光輝性塗料(II)では、樹脂成分の種類に応じて塗料形態を選択することができる。具体的には樹脂成分が水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネートを含む組成物である場合、光輝性塗料(II)は、水酸基含有アクリル樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、ポリイソシアネートを含む硬化剤成分とを含む多成分系塗料であることができる。また、樹脂成分が加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及びアミノ基含有アルコキシシラン化合物を含む組成物である場合、光輝性塗料(II)は、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、アミノ基含有アルコキシシラン化合物を含む硬化剤成分とを含む多成分系塗料であることができる。
このような多成分系の塗料形態であることによって、主剤成分、硬化剤成分それぞれの貯蔵安定性が良好であるとともに、両者を混合して得られた光輝性塗料(II)から光輝感、耐候性に優れ、ムラの少ない塗膜が形成可能である。
上記光輝性塗料(II)が多成分系塗料である場合、塗装業者が塗装直前に主剤成分と硬化剤成分、必要に応じて希釈剤を攪拌混合し、塗装に供するための光輝性塗料(II)が調製される。
主剤成分と硬化剤成分の質量比は、特に制限されるものではないが一般に、主剤成分/硬化剤成分の質量比で99/1~70/30、好ましくは95/5~80/20の範囲内にある。
上記光輝性塗料(II)の塗装は、公知の塗装方法で行うことができる。具体的には、例えば、刷毛塗り、流し塗り、コテ塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、エアレススプレー塗装、リシンガン、万能ガン等の塗装器具を用いて行うことができる。特に周囲への塗料飛散が少ない塗装手段であるローラーを用いて塗装することが好ましい。塗装後の乾燥は、常温で乾燥することができるが、必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥等を行ってもよい。
<工程(3)>
また、本発明では、工程(2)で形成された光輝性塗膜の上に、クリヤー塗料(III)を塗り重ねる工程(3)をさらに含んでいてもよい。クリヤー塗料(III)は光輝性複層塗膜を保護するものであるので、耐久性に優れており且つ透明性のものであれば従来から公知のクリヤー塗料を特に制限なく使用することができる。クリヤー塗料(III)の組成は光輝性塗料(II)と異なるが、クリヤー塗料(III)に含まれる樹脂成分としては光輝性塗料(II)に含まれる樹脂成分の説明で列記した樹脂と同様の樹脂を使用することができる。クリヤー塗料(III)の塗装は、公知の塗装方法で行うことができ、刷毛塗り、流し塗り、コテ塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、エアレススプレー塗装、リシンガン、万能ガン等の塗装器具を用いて行うことができ、特にローラーを用いて塗装することが好ましい。塗装後の乾燥は、常温で乾燥することができるが、必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥等を行ってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
《アクリル樹脂の製造》
製造例1
冷却管、温度計を付帯したフラスコにミネラルスピリット44.7部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら95℃まで昇温した。ここに下記成分を撹拌しながら4時間かけて滴下し、1時間熟成した後、不揮発分濃度が60%となるようにミネラルスピリットで希釈し、アクリルシリコン樹脂溶液(A-1)を製造した。アクリル樹脂の重量平均分子量は25000であった。
スチレン 10.0部
i-ブチルメタクリレート 62.2部
2ヒドロキシエチルアクリレート 2部
2ーエチルヘキシルアクリレート 15.8部
γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10.0部
製造例2
上記製造例1において、滴下するモノマーを下記とする以外は製造例1と同様にしてアクリルポリオール樹脂溶液(A-2)を製造した。重量平均分子量は25000であった。
スチレン 30部
ヒドロキシエチルメタクリレート 10部
イソブチルメタクリレート 30部
2ヒドロキシエチルアクリレート 30部。
《光輝性塗料の製造》
製造例3~25
表1の配合割合となるように主剤成分及び硬化剤成分を製造し、両者を混合して光輝性塗料(II-1)~(II-23)を製造した。なお、表1のアクリル樹脂溶液の配合量の箇所にはアクリル樹脂溶液の不揮発分の質量を記載している。
Figure 2022066179000001
Figure 2022066179000002
《塗装》
実施例1
あらかじめシーラー処理をした大きさが60cm×90cmの亜鉛めっき鋼板に、弱溶剤可溶形変性エポキシ塗料「スーパーザウルス2」(関西ペイント社製商品名)グレー色をローラーで120g/mとなるように塗装し、23℃で1日養生後、表3記載の着色塗料(I-1)をローラーで塗布量が100g/mとなるように2回塗装し、23℃、1日間乾燥させ、下地を隠蔽した。次いでその上に光輝性塗料(II-1)を、光輝性塗料を塗装及び乾燥して得られる光輝性塗膜が隠蔽膜厚未満となるように(塗料不揮発分の塗布量:45g/m)ローラー塗装し、23℃、7日間乾燥させ、試験板を作成した。
実施例2、4~19、24、26、28、30、32、34~39
上記実施例1において、使用する塗料の組み合わせを表4とする以外は実施例1と同様にして試験板を得た。
実施例3
あらかじめシーラー処理をした大きさが60cm×90cmの亜鉛めっき鋼板に、弱溶剤可溶形変性エポキシ塗料「スーパーザウルス2」(関西ペイント社製商品名)グレー色をローラーで塗布量が120g/mとなるように塗装し、23℃で1日養生後、表3記載の着色塗料(I-1)をローラーで塗布量100g/mとなるように2回塗装し、23℃、1日間乾燥させ、下地を隠蔽した。次いでその上に光輝性塗料(II-1)を、光輝性塗料を塗装及び乾燥して得られる光輝性塗膜が隠蔽膜厚未満となるように(塗料不揮発分の塗布量:45g/m)ローラー塗装し、23℃、7日間乾燥させ、その上にトップコートとしてクリヤー塗料(III)(注14)を塗料不揮発分の塗布量が45g/mとなるように塗装して23℃、7日間乾燥させ、試験板を得た。
(注14)クリヤー塗料(III):製造例3の光輝性塗料(II-1)から光輝性顔料を除いた組成のクリヤー塗料。
実施例20~23、25、27、29、31及び33
上記実施例3において、使用する塗料の組み合わせを表4とする以外は実施例3と同様にして試験板を得た。
比較例1~3
上記実施例1において、使用する塗料の組み合わせを表4とする以外は実施例1と同様にして試験板を得た。
比較例4
あらかじめシーラー処理をした大きさが60cm×90cmの亜鉛めっき鋼板に、弱溶剤可溶形変性エポキシ塗料「スーパーザウルス2」(関西ペイント社製商品名)グレー色をローラーで120g/mとなるように塗装し、23℃で1日養生後、その上に光輝性塗料(II-22)を塗料不揮発分の塗布量:45g/mとなるようにローラー塗装し、23℃、7日間乾燥させ、試験板を作成した。
比較例5
上記比較例4の試験板の上に、さらにトップコートとしてクリヤー塗料(III)(注9)を塗料不揮発分の塗布量が45g/mとなるように塗装して23℃、7日間乾燥させ、試験板を得た。
比較例6
上記比較例4において、使用する光輝性塗料(II-22)を光輝性塗料(II-23)に変更する以外は比較例4と同様にして試験板を得た。
Figure 2022066179000003
《評価試験》
上記実施例及び比較例で得られた各試験板を下記基準で評価した。結果を表4に示す。表4中「-」は「なし」(塗装していないため該当する塗膜がない)の意味である。
Figure 2022066179000004
(*)光輝感
各試験板の光輝感を下記基準で目視評価した。
◎:メタリック又は真珠のようなキラキラ感が非常に良好、
〇:メタリック又は真珠のようなキラキラ感が良好、
△:メタリック又は真珠のようなキラキラ感がやや不良、
×:メタリック又は真珠のようなキラキラ感が不良。
(*)ムラ
各試験板の光輝感についてムラの有無を下記基準で目視評価した。
◎:光輝感にムラ全くなし、
〇:光輝感のムラがわずかに認められるが目立たない、
△:光輝感のムラがはっきりと認められる、
×:光輝感のムラがかなり著しい。
(*)発色性
各試験板の発色性を下記基準で目視評価した。
◎:発色性が非常に良好、
〇:発色性が良好、
△:発色性がやや不良、
×:発色性が不足。
(*)光沢
各試験板の光沢を下記基準で目視評価した。
◎:艶が非常に良好、
〇:艶が良好、
△:艶がやや不良、
×:艶が不足。
(*)耐候性
各試験板をJIS K 5600-7-7に準じて促進耐候性試験(キセノンウェザーメーター)に3000時間供した後の外観を目視観察した。
◎:試験前後で全く変化なし、
〇:試験後にツヤビケか変色がやや認められる、
△:試験後にツヤビケか変色が認められる、
×:試験後にツヤビケか変色が顕著に認められる。
《考察》
表4の結果より、本発明の効果について以下に考察する。
・実施例1~39は、本発明で規定した範囲内の複層塗膜である。
比較例1~6は光輝性塗料に含まれる光輝性顔料の量が多い点で本発明から外れる複層塗膜である。
・以上により作成された複層塗膜の仕上がり性試験結果より、以下のことが言える。
着色塗膜の上に光輝性顔料の少ない光輝性塗料を透けるように塗装することで、着色塗膜と光輝性の光輝性塗膜が融合し、光輝感、発色性、光沢を併せ持ち、ムラの抑制された複層塗膜が得られる。(実施例1~39)
・しかしながら光輝性顔料量が本発明で規定する量よりも多い光輝性塗料を塗装した場合、光輝性顔料によって十分な光輝感は発揮されているが、ムラが目立ち、光沢が不十分である。また、下地が透けている状態であるものの発色性に劣る。(比較例1~6)
また、下層に光輝性顔料を多く含む光輝性塗膜がありその上にクリヤー塗膜がある場合、光輝感、光沢、耐候性は良好であるがムラが目立ち、発色性も不十分である。(比較例5)

Claims (17)

  1. 基材面に、着色顔料及び樹脂成分を含む着色塗料(I)を、着色塗膜の厚さが隠蔽膜厚以上となるように塗装し、乾燥させて着色塗膜を設ける工程(1)、及び
    工程(1)で得られた着色塗膜上に光輝性顔料及び樹脂成分を含む光輝性塗料(II)を塗装し、乾燥させて、光輝性塗膜を形成する工程(2)を含み、
    前記着色塗膜が光輝性顔料を含まないか、前記光輝性塗膜よりも光輝性顔料の含有量が少ないものであって、
    光輝性塗膜が光輝性顔料を0.05~15質量%の範囲内で含み、隠蔽膜厚未満である、光輝性複層塗膜方法。
  2. 基材面が、建築物の基材面である請求項1記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  3. 着色塗料(I)が、常温乾燥型塗料である、請求項1または2記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  4. 着色塗料(I)が、明度(L)が40~95の範囲内、かつ彩度(C)が40以下の着色塗膜を形成する塗料である請求項1~3のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  5. 着色塗料(I)による着色塗膜が、ローラーにより形成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  6. 光輝性塗料(II)が、主剤成分と硬化剤成分とを含む多成分系塗料である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  7. 光輝性顔料が、アルミニウムフレーク顔料及び/又は光干渉性顔料である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  8. 光輝性顔料がアルミニウムフレーク顔料を含み、アルミニウムフレーク顔料が、ノンリーフィングタイプ又はリーフィングタイプである、請求項7に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  9. 光輝性顔料がアルミニウムフレーク顔料を含み、アルミニウムフレーク顔料の平均粒子径が、5~250μmの範囲内にある、請求項7または8に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  10. 光輝性顔料が光干渉性顔料を含み、光干渉性顔料の平均粒子径が、5~250μmの範囲内にある、請求項7~9に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  11. 光輝性顔料が、アルミニウムフレーク顔料及び光干渉性顔料を前者の後者に対する質量比で10/90~90/10の範囲内で併有する、請求項7~10のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  12. 光輝性塗料(II)が、水酸基含有アクリル樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、ポリイソシアネートを含む硬化剤成分とを含む多成分系である、請求項6~11のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  13. 光輝性塗料(II)が、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂及び光輝性顔料を含む主剤成分と、アミノ基含有アルコキシシラン化合物を含む硬化剤成分とを含む多成分系塗料である、請求項6~11のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  14. 光輝性塗料(II)が、有機溶剤及び/又は硬化触媒をさらに含む、請求項13に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  15. 光輝性塗料(II)による光輝性塗膜がローラーにより形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  16. 工程(2)で形成された光輝性塗膜の上に、光輝性塗料(II)とは異なるクリヤー塗料(III)を塗り重ねる工程(3)をさらに含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
  17. クリヤー塗料(III)によるクリヤー塗膜が、ローラーにより形成される、請求項16に記載の光輝性複層塗膜形成方法。
JP2021169364A 2020-10-16 2021-10-15 光輝性複層塗膜形成方法 Pending JP2022066179A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020174767 2020-10-16
JP2020174767 2020-10-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022066179A true JP2022066179A (ja) 2022-04-28

Family

ID=81387654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021169364A Pending JP2022066179A (ja) 2020-10-16 2021-10-15 光輝性複層塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022066179A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2821450B1 (en) Coating composition and coating film obtained from coating composition
JP6899702B2 (ja) 常温硬化性の耐候性塗料組成物
JP4034579B2 (ja) 高耐久複層塗膜及びその形成方法並びに外装用建材
JP5165156B2 (ja) 耐候性塗料組成物、及び耐候性塗膜を有する塗装物品の形成方法
CN113652134A (zh) 耐污染性消光水性涂料组合物及耐污染性消光涂膜形成方法
JP6746417B2 (ja) 塗料組成物
CN112262189B (zh) 水性涂料用表面调整剂、水性涂料组合物、涂膜以及多层涂膜
JP2024091678A (ja) 水性塗料組成物および塗装物品の製造方法
CA2708630C (en) Moisture cure alpha-silane modified acrylic coatings
US10533115B2 (en) Layer migration control agent
JP7420711B2 (ja) プラスチック基材用のプライマーコーティング材料系
JP5674601B2 (ja) 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2022066179A (ja) 光輝性複層塗膜形成方法
WO2018003516A1 (ja) 樹脂組成物、塗料、及び該塗料が塗装された物品
WO2005044926A1 (ja) 針状単結晶体無機物粉体含有粉体材料、塗料、粉体分散液、及びそれらの使用方法
JP2022066178A (ja) 光輝性塗料組成物
JP2014058613A (ja) 耐候性塗料組成物、及び耐候性塗膜を有する塗装物品の形成方法
AU2016424720A1 (en) Aqueous polymer composition
JP2021186809A (ja) 被膜形成方法、及び被覆材セット
JP3876591B2 (ja) 硬化性塗料組成物及び硬化塗膜
JP2016059900A (ja) 塗膜形成方法
JP2000159585A (ja) セメント系基材の仕上げ方法
JP7421878B2 (ja) 被膜形成方法
JP7456840B2 (ja) 複層塗膜、複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セット
JP2020175660A (ja) 複層塗膜および複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240903