JP2022065223A - 局所適用外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い有効性と高い安全性を有する、シロリムスまたはシロリムス誘導体を含有する外用剤を提供することを課題とする。【解決手段】シロリムスおよびシロリムス誘導体からなる群より選択される少なくとも1つとジエチレングリコールエーテルを含有する局所適用外用剤を提供する。本発明の外用剤は、シロリムスまたはシロリムス誘導体を効率的に表皮に浸透させ、真皮内に効率的に貯留させることができ、真皮に長時間高濃度で保持され、血液中へはほとんど移行しない製剤である。よって、皮膚の病変を治療する効果が高く安全性に優れた製剤である。【選択図】図4

Description

本発明は、シロリムス(ラパマイシン)またはシロリムス誘導体を含有する局所適用製剤に関する。
シロリムスおよびシロリムス誘導体はmTOR阻害作用を有し、免疫抑制作用、抗増殖作用等を有する。リンパ脈管筋腫症を適応症とするシロリムス含有経口製剤、並びに、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫や脳の上衣下巨細胞性星細胞腫、およびいくつかの腫瘍を適応症とするエベロリムス含有経口製剤が全身投与薬として現在使用されている。一方シロリムスまたはシロリムス誘導体の内服による長期間の投与では、副作用が問題になっていた。そこで、本発明者は、シロリムスを含む外用剤により結節性硬化症に伴う皮膚病変の治療が可能であることを見出し(特許文献1)、医薬品として開発し販売することに成功した。
本発明者等が開発したシロリムスを含む外用剤は、血中へのシロリムスの移行が少なく病変部におけるシロリムスの濃度を高く保持することができるが、有効性と安全性をより高めるために、病変部にシロリムス濃度がより高濃度に保持され、血中への移行がより少ない製剤が求められる。
国際公開2012/105521号公報
本発明は、より高い有効性と安全性を有するシロリムスまたはシロリムス誘導体を含有する外用剤を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題に鑑み鋭意検討した結果、シロリムスおよびシロリムス誘導体からなる群より選択される少なくとも1つとジエチレングリコールエーテルを含有する製剤が、高い有効性と安全性を有する製剤であることを見出し、本発明を完成するにいたった。
1.シロリムスおよびシロリムス誘導体からなる群より選択される少なくとも1つとジエチレングリコールエーテルを含有する局所適用外用剤。
2.前記シロリムス誘導体が、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムスおよびゾタロリムスからなる群から選択される少なくとも1つである、前項1に記載の外用剤。
3.前記ジエチレングリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルである、前項1または2に記載の外用剤。
4.前記ジエチレングリコールモノアルキルエーテルが、ジエチレングリコールモノエチルエーテルである、前項3に記載の外用剤。
本発明の外用剤は、シロリムスまたはシロリムス誘導体を効率的に表皮に浸透させ、真皮内に効率的に貯留させることができる。本発明の外用剤は、シロリムスまたはシロリムス誘導体が真皮に長時間高濃度で保持されることにより、皮膚の病変を治療する効果が高い。また、本発明の外用剤は、シロリムスまたはシロリムス誘導体が血液中へほとんど移行しないことより安全性に優れている。さらに、本発明の外用剤は、持続製剤の開発、病態による投与形態の最適化等、シロリムスおよびシロリムス誘導体の応用を広げるものである。
図1は、本発明の外用剤の一実施形態である0.4%シロリムス含有クリーム剤(SC)を単回経皮投与した後の各時間の真皮中及び血液中のシロリムス濃度を示すグラフである。(a)は真皮中の濃度(ng/mg)(b)は血液中の濃度(ng/ml)を示す。(b)の挿入グラフはy軸を拡大したグラフである。(N=6、**P<0.01) 図2は、ジエチレングリコールエーテルを含有しない比較製剤である0.8%シロリムス含有ゲル剤(SG)を単回経皮投与した後の各時間の真皮中及び血液中のシロリムス濃度を示すグラフである。(a)は真皮中の濃度(ng/mg)(b)は血液中の濃度(ng/ml)を示す。(N=6-9、**P<0.01) 図3は、ジエチレングリコールエーテルを含有しない比較製剤であるシロリムス含有経口製剤(Oral S)を経口投与した後の各時間の真皮中及び血液中のシロリムス濃度を示すグラフである。(a)は真皮中の濃度(ng/mg)(b)は血液中の濃度(ng/ml)を示す。(a)の挿入グラフはy軸を拡大したグラフである。(N=6-7)、**P<0.01) 図4は、シロリムスを含有するクリーム剤(SC)、ゲル剤(SG)および経口製剤(Oral S)の真皮および血液へのシロリムス送達効率を示すグラフである。各シロリムス製剤の単回投与後の各時間に、シロリムス投与量の何%が真皮中および血液中に存在するか(%用量)を示す。
本発明は以下に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲において種々の変更が可能である。異なる実施形態や実施例に、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る外用剤は、シロリムスおよびシロリムス誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを有効成分として含有する。
前記シロリムス誘導体は、特に限定されないが、例えばエベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムスおよびゾタロリムスを挙げることができる。これらは、シロリムスの基本骨格とほぼ同じ基本骨格を有しており、シロリムスと同等の生理活性を有することが知られている。したがって、これらのシロリムス誘導体も、シロリムスと同様に、本発明の一実施形態に係る有効成分として用いることができる。
シロリムスおよびエベロリムスは、治療薬としてすでに用いられており、臨床における安全性が確認されている。よって、好ましい有効成分としては、シロリムスおよびエベロリムスが挙げられる。シロリムスは、結節性硬化症に伴う皮膚病変の治療のための外用薬としてもすでに用いられており、より好ましい有効成分はシロリムスである。
本発明の外用剤は、経皮または経粘膜投与用製剤であり、剤形は特に限定されない。クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、貼付剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤、および、坐剤などが挙げられる。好ましくは、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤であり、より好ましくは、クリーム剤である。
本発明の外用剤に含有される有効成分であるシロリムスまたはシロリムス誘導体の量は、特に限定されない。有効成分の血液中への移行を抑え、かつ、病変部の有効成分の濃度を治療有効濃度にまで高めることによって、全身性の副作用を抑え、かつ、治療効果を得るという観点から、以下の濃度が好適である。
前記有効成分の濃度の下限は、外用剤の総重量を基準として、0.01重量%以上、0.02重量%以上、0.03重量%以上、0.04重量%以上、0.05重量%以上、0.06重量%以上、0.07重量%以上、0.08重量%以上、0.09重量%以上、0.1重量%以上でありうる。
前記有効成分の濃度の上限は、外用剤の総重量を基準として、2.0重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.25重量%以下、0.2重量%以下でありうる。
前記有効成分の濃度は、例えば、外用剤の総重量を基準として、0.01~2.0重量%が好ましく、0.03~1.0重量%がより好ましく、0.04~0.8重量%がより好ましく0.05~0.4重量%がより好ましい。
生体における単位表面積あたりの、シロリムスまたはシロリムス誘導体の1日あたりの投与量は特に限定されない。
例えば、前記投与量の下限は、1日あたり0.0001mg/cm以上、0.0002mg/cm以上、0.0005mg/cm以上、0.001mg/cm以上、0.002mg/cm以上、0.003mg/cm以上でありうる。
例えば、前記投与量の上限は、1日あたり2mg/cm以下、1mg/cm以下、0.5mg/cm以下、0.1mg/cm以下、0.05mg/cm以下、0.04mg/cm以下、0.03mg/cm以下でありうる。
前記投与量は、例えば、0.0001~2mg/cm、好ましくは0.0002~1mg/cm、より好ましくは0.0005~0.5mg/cm、より好ましくは0.001~0.1mg/cmである。
上述した量のシロリムスまたはシロリムス誘導体を、塗布などにより1日に1回投与、または複数回に分けて投与すればよい。換言すれば、本発明に係る外用剤は、上述した投与量を実現できるものであることが好ましい。
本発明の外用剤は、ジエチレングリコールエーテルを含有する。好ましいジエチレングリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。ジエチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基としては、好ましくはC~Cのアルキル基が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、およびこれらの混合物である。さらに好ましくは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びこれらの混合物であり、最も好ましくは、ジエチレングリコールモノエチルエーテルである。
シロリムスまたはシロリムス誘導体は、ジエチレングリコールエーテルに可溶性である。シロリムスは、ジエチレングリコールモノエチルエーテルに良く溶解し、2.02W/V%まで溶解可能である。
シロリムスまたはシロリムス誘導体は、ジエチレングリコールエーテルに溶解されてから製剤化することができる。ジエチレングリコールエーテルを用いた製剤はシロリムスまたはシロリムス誘導体の皮膚浸透が補助され、皮膚組織内にそれら有効成分を保持することができる。ジエチレングリコールモノエチルエーテルを用いた製剤は、有効成分の皮膚浸透の補助力、皮膚組織内の保持力に特に優れている。
本発明の外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテルの量は、シロリムスまたはシロリムス誘導体を製剤中で溶解できている量であればよい。外用剤の総重量を基準とすると、例えば、1~40重量%が好ましく、2~30重量%がより好ましく、5~25重量%がより好ましく、10~20%がより好ましい。
本発明の外用剤の調製方法として、以下のものが挙げられる。(i)シロリムスまたはシロリムス誘導体を含有しているジエチレングリコールエーテル溶液をO/W型クリーム基剤と混合することによりクリーム剤を調製しうる。(ii)シロリムスまたはシロリムス誘導体を含有しているジエチレングリコールエーテル溶液を軟膏基剤と混合することにより軟膏剤を調製しうる。(iii)シロリムスまたはシロリムス誘導体を含有している溶液をゲル化することにより、ゲル剤を調製しうる。(iv)貼付剤、パップ剤、リニメント剤、およびローション剤は、シロリムスまたはシロリムス誘導体を含有している溶液を用いて周知の方法に従って調製しうる。
本発明の外用剤は好ましくはクリーム剤である。クリーム剤の基剤には、油性成分、水性成分および界面活性剤が含まれる。さらにその他の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の外用剤に含まれる油性成分としては、炭化水素類、脂肪酸エステル類、ロウ類、高級脂肪酸および高級アルコールからなる群から選択される少なくとも1つが含まれる。本発明の外用剤は、好ましくは、炭化水素類および高級アルコールを含む。
本発明の外用剤に含まれる油性成分である炭化水素類としては、例えば、白色ワセリン、流動パラフィンが挙げられる。本発明の外用剤は、好ましくは白色ワセリンを含む。
本発明の外用剤に含まれる油性成分である高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、セタノール、ミリスチルアルコオール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールが挙げられる。本発明の外用剤は、好ましくは、ステアリルアルコールを含む。
本発明の外用剤に含まれる油性成分である脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。
本発明の外用剤に含まれる油性成分であるロウ類としては、例えば、ミツロウ、ラノリンが挙げられる。
本発明の外用剤に含まれる油性成分である高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸が挙げられる。
本発明の外用剤に含まれる油性成分の含量は、外用剤の総重量を基準として例えば、20~60%が好ましく、30~50%がさらに好ましい。
本発明の外用剤に含まれる水性成分としては、水、多価アルコールおよび低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1つを含む。好ましくは、水および多価アルコールを含む。
本発明の外用剤に含まれる水性成分である多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールが挙げられる。本発明の外用剤は、好ましくは、プロピレングリコールを含む。
本発明の外用剤に含まれる水性成分である低級アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノールが挙げられる。
本発明の外用剤に含まれる水を含む水性成分の含量は、外用剤の総重量を基準として例えば、20~60%が好ましく、30~50%がさらに好ましい。
本発明の外用剤に含まれる界面活性剤(乳化剤)は特に限定されるものではなく、当業者に周知の界面活性剤(乳化剤)を用いることができる。好ましい界面活性剤(乳化剤)として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、モノステアリン酸グリセリンを挙げることができる。本発明の外用剤に含まれる界面活性剤の含量は、外用剤の総重量を基準として例えば、1~10%が好ましく、2~8%がさらに好ましい。
その他の添加剤としては、保存剤、抗酸化剤、pH調整剤等を挙げることができる。また、シロリムスまたはシロリムス誘導体とは異なる薬効成分を含有してもよい。
本発明の外用剤の好ましい組成は、外用剤の総重量を基準として例えば以下のような組成が挙げられる。シロリムスまたはシロリムス誘導体0.01~2.0重量%、ジエチレングリコールエーテル1~40重量%、炭化水素類5~40重量%、高級アルコール5~30重量%、多価アルコール1~30重量%、水10~50重量%
本発明の外用剤のより好ましい組成は、外用剤の総重量を基準として例えば以下のような組成が挙げられる。シロリムスまたはシロリムス誘導体0.04~0.8重量%、ジエチレングリコールエーテル2~30重量%、炭化水素類10~30重量%、高級アルコール10~25重量%、多価アルコール3~20重量%、水20~40重量%
本発明の外用剤のさらに好ましい組成は、外用剤の総重量を基準として例えば以下のような組成が挙げられる。シロリムスまたはシロリムス誘導体0.05~0.4重量%、ジエチレングリコールエーテル5~25重量%、炭化水素類15~25重量%、高級アルコール10~20重量%、多価アルコール5~15重量%、水25~35重量%
本発明の外用剤の投与は、例えば、毎日、または、2~3日に1回患部に塗布する。毎日の塗布が好ましく、1日に1~3回の塗布が好ましく、1日に2~3回の塗布がさらに好ましく、1日に2回の塗布が最も好ましい。
また、年齢、投与部位、皮膚の厚さ等により、外用剤中の有効成分の濃度および投与回数を調整することが好ましい。例えば小さい子供の薄い皮膚や腋下等には、0.05~0.2%の濃度の外用剤を1日に1~3回塗布する態様が挙げられる。また、掌、足の裏等には、0.2~0.8%の外用剤を1日に1~2回塗布する態様が挙げられる。
本発明の外用剤は、周知の方法に従って製造しうる。以下に、製造方法の一例を説明する。
例えば、基剤の原料を順にすべて70℃~80℃で溶解混合し、乳化した後、混合しながら冷却したものに有効成分の溶解液を混和することで有効成分を含む良質なクリーム剤を調整することができる。尚、乳化、混合には自転公転ミキサー(株式会社シンキー製)を用いると効率がよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
シロリムスを0.4重量%含有するクリーム剤を次のように調製した。シロリムス粉末は、Fujian Kerui Pharmaceutical Co., Ltdより入手した。シロリムス粉末をジエチレングリコールモノエチルエーテル(TRANSCUTOL(登録商標)P)に添加して溶解した後、予め混合し調製した基剤(水中油型(O/W)乳剤)と混合しクリーム剤を得た。具体的な組成を下記に示す。
シロリムス 0.4g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 20g
白色ワセリン 19.9g
ステアリルアルコール 15.92g
プロピレングリコール 9.55g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 3.18g
モノステアリン酸グリセリン 0.8g
パラ安息香酸メチル 0.08g
パラ安息香酸プロピル 0.08g
精製水 30.09g
(全量100g)
[実施例2]
組成を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、シロリムスを0.2重量%含有するクリーム剤を調製した。具体的な組成を下記に示す。
シロリムス 0.2g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 10g
白色ワセリン 22.45g
ステアリルアルコール 17.96g
プロピレングリコール 10.78g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 3.59g
モノステアリン酸グリセリン 0.9g
パラ安息香酸メチル 0.09g
パラ安息香酸プロピル 0.09g
精製水 33.94g
(全量100g)
[試験例]
1.比較製剤の調製
1-1.シロリムス含有ゲル剤
シロリムスをエタノールに添加して溶解した後、pHを調整したカルボキシビニルポリマーと混合し、シロリムスを0.8%含有するゲル剤(SG)を調整した。具体的組成を以下に示す。
シロリムス 0.8g
エタノール 48g
注射用水 49g
カーボポール(登録商標)934P NF 1.6g
トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.6g
(全量100g)
1-2.シロリムス含有経口製剤
シロリムスをエタノールに添加して溶解して得た1.25%シロリムス溶液を9倍量の0.1% Tween 20を含有する生理食塩液と混合し、1mlに1.25mgのシロリムスを含有する経口製剤を得た。
2.実験動物
7週齢の雄のマウス(Hos:HR-1 ヘアレスマウス)を星野試験動物飼育所より購入し、5日間飼育した後試験を開始した。
3.シロリムス製剤の投与
3-1.経口投与
経口ゾンデ(0.9×50mm、夏目製作所)を用いて上記シロリムス経口製剤0.2mlを上記マウスに1回投与した(N=6または7)。
3-2.局所投与
上記マウスに、麻酔薬(メデトミジン0.3mg/kg、ミダゾラム4.0mg/kgおよびブトルファノール5.0mg/kgの組合せ)を、腹膜内に注射した。また、グルーミングを防止するためのEカラー(夏目製作所)をマウスに装着した。Eカラーは最長でシロリムス投与後24時間まで装着させた。上記実施例1の0.4%シロリムス含有クリーム剤125mgを、マウス背部皮膚(2.5×3.5cm)に1回塗布した(N=6)。また、上記比較製剤の0.8%シロリムス含有ゲル剤(SG)125mgを、マウス背部皮膚(2.5×3.5cm)に1回塗布した(N=6-9)。
4.真皮と血液のサンプリング
シロリムス投与から、1時間後、3時間後、6時間後、12時間後、24時間後にサンプリングした。サンプリングはセボフルラン麻酔下でおこなった。クリーム剤またはゲル剤を数回スコッチテープでストリッピングすることによって取り除いた。採血は、EDTA被覆シリンジを使用して下大静脈、内頚静脈または心臓穿刺からおこなった。保存チューブ内で全血を転倒混和し、測定まで-80℃で保存した。採血後、マウスを屠殺し、局所投薬した背部皮膚を切り取りピンセットで真皮を取得した。真皮の組織サンプルは、液体窒素で急速冷凍し測定まで-80℃で保存した。
5.LC-MS/MSのためのシロリムス抽出物の調製
5-1.真皮サンプルからの調製
上記サンプリングで得た冷凍組織(およそ20~30mg)の組織重量を微量電子天秤で測定後、マルチビーズショッカー(登録商標)(安井器械)を用いて2800rpm/min、15秒の条件下で破砕した。そして、以下の方法でシロリムス抽出をおこなった。冷却メタノール700μlを破砕組織に加え、その混合物をマイクロチューブへ移した。メタノール100μlを加え、シロリムスを抽出するために、1分間ボルテックスにかけた。4℃、13,000g、5分で遠心分離した上清をサンプルとした。1ngのアスコマイシン内部標準を加えた後に、LC-MS/MS分析のために用いた。未処理のHRマウス背部皮膚を同様に破砕調整したメタノール混合物にシロリムス標品100μlを加えた抽出サンプルを較正標準に用いた。
5-2.血液サンプルからの調製
合計1.5ngのアスコマイシン内部標準を、収集された全血100μlに加え、そして、0.2Mの硫酸亜鉛含有70%メタノール300μlを加えた。得られた溶液を5分間ボルテックスにかけた後、6000rpm/minで5分間遠心分離した。得られた上清をろ過し(ポアサイズ0.45μm)、LC―MS/MS分析のために用いた。未処置HRマウスからの血液が、較正標準のために使われた。
6.LC―MS/MSによる真皮中および血液中のシロリムス濃度の評価
Waters社製超高速液体クロマトグラフィー (UPLC) とタンデム四重極型質量分析装置 (TQD) によるLC-MS/MS法によりシロリムス濃度測定を行なった。超高速液体クロマトグラフィーによるシロリムスサンプルの分離にはオクタデシルカラム、移動相Aに0.1%ギ酸、20 mM 酢酸アンモニウムを添加した超純水、移動相Bに0.1%ギ酸、20 mM酢酸アンモニウムを添加したメタノールを用いた。シロリムスサンプルのオクタデシルカラムからの分離・溶出は流速0.25 mL/分、移動相A: 移動相B を以下の濃度勾配で変動させることにより行い、総測定時間は10分間であった。移動相A: 移動相B = 50% : 50%からスタートし最初の2分間で移動相A: 移動相B = 0% : 100%に達するように勾配をかけ、移動相B: 100%の状態を5分継続、0.1分の間に移動相A: 移動相B = 50% : 50%に戻しそのまま残り2.9分間平衡状態にした。分離したシロリムスサンプルはエレクトロスプレーイオン化法(ESI positive mode)により定量した。定量に用いたシロリムスの質量電荷比はm/z 931.7 (プリカーサーイオン)< 864.6 (プロダクトイオン)、内部標品アスコマイシンの質量電荷比はm/z 809.7 (プリカーサーイオン)<756.5 (プロダクトイオン)とし、結果はWaters社のMassLynx4.1ソフトによって計算した。定量に用いた組織重量・血液量をもとに組織および血中シロリムス濃度を算出した。
7.結果
7-1.真皮中および血液中のシロリムスの濃度
実施例1の0.4%シロリムス含有クリーム剤(SC)を外用で単回投与した時の24時間後までの真皮中のシロリムス濃度と血液中のシロリムス濃度を図1に示す。図1(a)が真皮中のシロリムス濃度であり、図1(b)が血液中のシロリムス濃度である。真皮中のシロリムス濃度は、高濃度でほぼ一定であり、真皮中にシロリムスが保持されていた。一方、血液中にはほとんど移行していなかった。
比較製剤の0.8%シロリムスゲル剤(SG)を外用で単回投与した時の24時間後までの真皮中のシロリムス濃度と血液中のシロリムス濃度を図2に示す。図2(a)が真皮中のシロリムス濃度であり、図2(b)が血液中のシロリムス濃度である。
比較製剤の経口製剤((Oral S))を経口で単回投与した時の24時間後までの真皮中のシロリムス濃度と血液中のシロリムス濃度を図3に示す。図3(a)が真皮中のシロリムス濃度であり、図3(b)が血液中のシロリムス濃度である。真皮中にはほとんど移行せず、血液中の濃度は他の製剤に比較して高濃度であった。
7-2.投与したシロリムスの真皮および血液への送達効率
シロリムス投与後の各時点における、真皮へのシロリムスの送達効率(Ds)(シロリムス投与量の何%が真皮中に存在するか)および血液へのシロリムスの送達効率(Bs)(シロリムス投与量の何%が血液中に存在するか)を計算した。計算方法は各試験群のシロリムス濃度の中央値を代表値として使用して下記に示す計算式で概算した。外用薬を塗布した領域(約2.5×3.5cm)の直下にある真皮組織重量を50mg、血液循環量を2mlと見積もった。
Ds=50Cd/10Sd
Ds:真皮へのシロリムスの送達効率
Cd:真皮シロリムス濃度の中央値(ng/mg)
Sd:投薬シロリムス量(μg)
Bs=2Cb/10Sd
Bs:血液へのシロリムスの送達効率
Cb:血液シロリムス濃度の中央値(ng/mL)
Sd:投薬シロリムス量(μg)
結果を図4に示す。本発明の外用剤は、シロリムスの表皮浸透が効率的であり、真皮にシロリムスが効率的に保持されていることが示された。
以上の結果より、本発明の外用剤は、投与局所の真皮に効率よく送達可能な製剤であり、かつ、真皮内で有効成分を効率よく保持し高い治療効果を発揮する製剤であることが明らかになった。さらに、血中への移行がほとんどなく安全な製剤であることが明かになった。
本発明の外用剤は、今後の医療に大いに貢献するものである。

Claims (4)

  1. シロリムスおよびシロリムス誘導体からなる群より選択される少なくとも1つとジエチレングリコールエーテルを含有する局所適用外用剤。
  2. 前記シロリムス誘導体が、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムスおよびゾタロリムスからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の外用剤。
  3. 前記ジエチレングリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルである、請求項1または2に記載の外用剤。
  4. 前記ジエチレングリコールモノアルキルエーテルが、ジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項3に記載の外用剤。
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