JP2022064468A - 接続管及び接続構造 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022064468000001
【課題】より汎用的に用いることができる接続管及び接続構造を提供する。
【解決手段】 第1コンクリート管、前記第1コンクリート管とは規格が異なる第2コンクリート管、桝のうちいずれか2つに接続される接続管であって、管軸方向の一端に形成され、第1コンクリート管の第1スピゴット部、又は前記第1スピゴット部よりも外径が小さい第2コンクリート管の第2スピゴット部と接続する接続管ソケット部を備え、前記接続管ソケット部は、前記管軸方向の端側に位置する大径部と、前記大径部の前記管軸方向の内側に位置し、前記大径部よりも内径が小さい小径部と、を含み、前記大径部は、前記第1スピゴット部と嵌合可能な内径を有し、前記小径部は、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する、接続管。
【選択図】図1

Description

本発明は、接続管及び接続構造に関する。
地中に埋設される配管として、鉄筋コンクリート管が知られている。鉄筋コンクリート管には、例えば、ヒューム管(例えば、特許文献1)や台付管(例えば、特許文献2)が含まれる。ヒューム管及び台付管の強度や管形状は、日本工業規格(例えば、JIS A 5372)や日本下水道協会規格(JSWAS A-1、JSWAS A-9)等により規格化されている。
実用新案登録第3137731号 実用新案登録第3054788号
台付管は、底面側に平坦な管厚部を有し、断面形状が円筒状であるヒューム管よりも強度が高いというメリットを有する。一方で、台付管はヒューム管よりもコンクリート量が多い等、製造コストが高いというデメリットを有する。このため、通常はヒューム管を用い、より高い強度が必要とされる場所には台付管を用いる等、施工条件に応じて異なるコンクリート管を使い分ける必要がある。
台付管は、それぞれ管軸方向の一端にソケット部(受口)が形成され、他端にスピゴット部(差口)が形成されている。台付管のソケット部に、他の台付管のスピゴット部を挿入することで、複数の台付管を管軸方向に直列に接続することができる。同様に、ヒューム管にもソケット部及びスピゴット部が形成され、複数のヒューム管を管軸方向に直列に接続することができる。
ここで、ヒューム管のソケット部及びスピゴット部の形状は、台付管のソケット部及びスピゴット部の形状と異なるため、ヒューム管を台付管に直接接続することはできない。また、ヒューム管や台付管の形状は、それぞれ規格化されているため、それぞれのソケット部及びスピゴット部の形状を変更することはできない。
このため、従来、ヒューム管と台付管のようにソケット部及びスピゴット部の形状がそれぞれ異なるコンクリート管を接続する場合、桝(接続ます)を介して接続する方法や、コンクリート管のソケット部及びスピゴット部とを近接させて現場打ちコンクリートで巻くことにより強制的に接続する方法が採られていた。
しかしながら、桝を介して接続する場合、桝を施工する費用が余分に掛かるといった課題がある。また、現場打ちコンクリートで巻いて接続する場合、現場打ちコンクリートを施工する費用が余分に掛かったり、接続の強度や精度が低くなるといった課題がある。
また、台付管は、ヒューム管のように断面形状が円筒状のコンクリート管(真円管)と比べ、桝(例えば、マンホール)への接続が困難であるという課題がある。真円管を桝へ接続する場合、桝に真円状の貫通孔を形成して、当該貫通孔に真円管を挿入することで容易に接続することができる。これに対し、台付管は底部に管厚部を有するため、桝に余分に大きな真円状の貫通孔を形成して台付管を挿入し、現場打ちコンクリート等により隙間を埋める必要がある。このため、台付管を桝に接続するためには、上記のような貫通孔を形成可能なサイズの桝を用意する必要があり、また、台付管と桝との隙間を埋めるための工数も掛かるため、施工コストが増加する。
そこで、本発明は、異なる種類のコンクリート管どうしを接続したり、コンクリート管と桝とを接続したりするために、より汎用的に用いることができる接続管及び接続構造を提供することを目的とする。
(1)本発明の接続管は、第1コンクリート管、前記第1コンクリート管とは規格が異なる第2コンクリート管、桝のうちいずれか2つに接続される接続管であって、管軸方向の一端に形成され、第1コンクリート管の第1スピゴット部、又は前記第1スピゴット部よりも外径が小さい第2コンクリート管の第2スピゴット部と接続する接続管ソケット部を備え、前記接続管ソケット部は、前記管軸方向の端側に位置する大径部と、前記大径部の前記管軸方向の内側に位置し、前記大径部よりも内径が小さい小径部と、を含み、前記大径部は、前記第1スピゴット部と嵌合可能な内径を有し、前記小径部は、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する。
本発明の接続管ソケット部は、大径部と小径部という2段の内径を有するため、第1コンクリート管の第1スピゴット部、又は第2コンクリート管の第2スピゴット部の両方と接続することができる。このため、接続管は、一種類のコンクリート管のみ接続可能なソケット部を有する接続管と比べ、より汎用的に用いることができる。
(2)好ましくは、前記大径部の周方向に沿って設けられている第1ガスケットをさらに備え、前記第2スピゴット部には、外周面の周方向に沿って第2ガスケットが設けられ、前記大径部は、前記第1ガスケットを介して、前記第1スピゴット部と嵌合可能な内径を有し、前記小径部は、前記第2ガスケットを介して、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する。
このように構成することで、第1スピゴット部を接続管に挿入する場合でも、第2スピゴット部を接続管に挿入する場合でも、第1ガスケット又は第2ガスケットにより止水しつつ連結することができる。
(3)前記第1ガスケットは、前記小径部に嵌合される前記第2スピゴット部の外周面及び前記第2ガスケットの少なくとも一方と摺接可能な先端部を有する。先端部は、第2スピゴット部の外周面又は第2ガスケットと摺接することで、第2コンクリート管を径方向の中心に案内する。これにより、第2スピゴット部の径方向のずれを抑制しつつ、より正確に第2スピゴット部を接続管ソケット部に挿入することができる。
(4)好ましくは、前記小径部は、前記第2スピゴット部の外周面、又は当該外周面に塗布された接着剤と接することで、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する。このように構成することで、上記の第2ガスケット等の部材が不要となり、施工に必要な部品点数を減らすことができる。
(5)好ましくは、前記第1コンクリート管は、台付管であり、前記第2コンクリート管は、ヒューム管である。このような場合、第1コンクリート管と第2コンクリート管をそのまま接続することは容易ではないため、接続管を介して接続する必要性が高い。
(6)好ましくは、前記管軸方向と直交する断面形状は、円筒形状である。このように構成することで、接続管と桝とを接続する場合、桝に穿孔する貫通孔の面積をより少なくすることができる。
(7)好ましくは、強度は、前記第2コンクリート管の強度よりも前記第1コンクリート管の強度に近い値である。このように構成することで、接続管を補強することなく第1コンクリート管と同じ深さ位置に設置することができる。
(8)好ましくは、前記小径部の周方向に沿って設けられ、前記大径部に嵌合される前記第1スピゴット部の内周面と前記小径部との間に生じる段差を埋める円筒部をさらに備える。円筒部は、第1スピゴット部の内周面と小径部との間に生じる段差を埋めることで、第1コンクリート管及び接続管を流れる流体(例えば、水)の流れを円滑にすることができる。
(9)好ましくは、前記円筒部は、前記小径部に嵌合される前記第2スピゴット部により押しつぶされるスポンジ材を含む。このように構成することで、第1スピゴット部を挿入する際には小径部との間に生じる段差を埋める機能を有しつつ、第2スピゴット部を挿入する際には小径部に円筒部を嵌めたまま作業を行うことができる。このため、円筒部を取り外す作業分の工数を減らすことができる。
(10)前記円筒部は、流動性を有する状態で前記スポンジ材に含浸され、前記スポンジ材が押しつぶされた後に硬化可能な樹脂材をさらに含む。このように構成することで、第2コンクリート管と接続管とをより強固に連結しつつ、互いの隙間を止水することができる。
(11)前記管軸方向の他端に形成され、前記第1コンクリート管の第1ソケット部、又は前記第1ソケットよりも内径が小さい前記第2コンクリート管の第2ソケット部と接続する接続管スピゴット部をさらに備え、前記接続管スピゴット部は、前記第1ソケット部又は前記第2ソケット部と嵌合可能な外径を有する。
(12)前記接続管スピゴット部は、前記第2ソケット部と嵌合可能な外径を有し、前記接続管スピゴット部の外周面に着脱可能な変換部をさらに備え、前記変換部は、前記接続管スピゴット部と嵌合可能な内径と、前記第1ソケット部と嵌合可能な外径と、を有する。
(13)本開示の接続構造は、上記(11)又は(12)の接続管と、前記接続管ソケット部及び前記接続管スピゴット部の一方に接続される前記第1コンクリート管と、前記接続管ソケット部及び前記接続管スピゴット部の他方に接続される前記第2コンクリート管と、を備える、接続構造である。
(14)本開示の接続構造は、上記(1)から(10)のいずれかの接続管と、前記接続管ソケット部に接続される前記第1コンクリート管、又は前記接続管ソケット部に接続される前記第2コンクリート管と、前記接続管の前記管軸方向の他端に接続される前記桝と、を備える、接続構造である。
本発明によれば、異なる種類のコンクリート管どうしを接続したり、コンクリート管と桝とを接続したりするために、より汎用的に用いることができる接続管及び接続構造を提供することができる。
第1実施形態に係る接続構造の断面図である。 図1の接続管のソケット部の拡大断面図である。 図1の接続管のソケット部が第1コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 図1の接続管のソケット部が第2コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 図1の接続管のスピゴット部が第1コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 図1の接続管のスピゴット部が第2コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 第2実施形態に係る接続管のスピゴット部が第2コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 第2実施形態に係る接続管のスピゴット部が第1コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 第3実施形態に係る接続管のスピゴット部が桝と接続する様子を示す説明図である。 第4実施形態に係る接続構造と、当該接続構造の製造方法とを示す説明図である。 変形例に係る接続管のソケット部が第2コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。 変形例に係る接続管のソケット部が第2コンクリート管と接続する様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
〔接続構造の全体構成〕
図1は、本実施形態に係る接続構造1を概略的に示す断面図である。接続構造1は、第1コンクリート管20と、第1コンクリート管20とは規格が異なる第2コンクリート管30と、第1コンクリート管20及び第2コンクリート管30に接続される接続管10と、を備える。
接続管10は、管軸方向に長尺なコンクリート製の管である。図1は、管軸方向における断面を示している。接続管10は、管本体11と、スピゴット部12(本開示の「接続管スピゴット部」)と、ソケット部13(本開示の「接続管ソケット部」)と、を備える。ソケット部13は、管本体11の管軸方向一端に形成されている受口である。スピゴット部12は、管本体11の管軸方向他端に形成されている差口である。以下、管軸方向のうちソケット部13側を「管軸方向の一方」と適宜称し、スピゴット部12側を「管軸方向の他方」と適宜称する。
第1コンクリート管20は、コンクリート製の管であり、管本体21と、スピゴット部22(本開示の「第1スピゴット部」)と、ソケット部23(本開示の「第1ソケット部」)と、を備える。ソケット部23は、管本体21の管軸方向一端に形成されている受口である。スピゴット部22は、管本体21の管軸方向他端に形成されている差口である。
第1コンクリート管20は、例えば台付管である。台付管としては、BZ台付管や、VP台付管等が挙げられるが、本実施形態ではBZ台付管の「BZ-600」を例に挙げて説明する。第1コンクリート管20は、スピゴット部22よりも管軸方向一方の領域において、底部に管厚部24を有する。このため、管本体21及びソケット部23の外周面21b、23bは、頂部側が円形で、底部側が台形となる断面形状を有する。スピゴット部22の外周面22bは、真円状の断面形状を有する。
管本体21、スピゴット部22及びソケット部23の内周面21a、22a、23aは、それぞれ真円状の断面形状を有する。管本体21の内径D21と、スピゴット部22の内径は等しく、内周面21a及び内周面22aは、段差なく連続している。ソケット部23の内径D23は、管本体21の内径D21よりも大きく、内周面23aと内周面21aとの間には段差がある。
第1コンクリート管20は、ガスケット25をさらに備える。ガスケット25は、内周面23aの周方向に沿って設けられている樹脂製又はゴム製のシール部材である。ガスケット25は、接続管10のソケット部13又は他の第1コンクリート管20のスピゴット部22を、第1コンクリート管20のソケット部23に接続する際に変形することで、止水性を向上させる機能を有する。
第1コンクリート管20の形状寸法は、日本工業規格や、日本下水道協会規格等の標準規格(例えば、日本下水道協会規格JSWAS A-9)により規定されている。例えば、第1コンクリート管20がBZ台付管「BZ-600」である場合、管本体21の内径D21(呼び径D21)は600mmに、スピゴット部22の外径D22は713mmに、ソケット部23の内径D23は727mmに、ガスケット25の内径D24は703mmに、それぞれ規定されている。
当該規格により規定される形状寸法により、第1コンクリート管20は、そのスピゴット部22を他の第1コンクリート管20のソケット部23に嵌合することが可能となっている。このため、複数の第1コンクリート管20を管軸方向に直列に接続することができる。
また、第1コンクリート管20の強度は、規定により規定されている。ここで、強度は、合理的な断面形状を保つことができる荷重の上限値(規格値)である。荷重としては、例えば、ひび割れ荷重と、破壊荷重とを含む。第1コンクリート管20がBZ台付管「BZ-600」である場合、ひび割れ荷重の規格値は73.6kN/mであり、破壊荷重の規格値は95.7kN/mである。
第2コンクリート管30は、コンクリート製の管であり、管本体31と、スピゴット部32(本開示の「第2スピゴット部」)と、ソケット部33(本開示の「第2ソケット部」)と、を備える。ソケット部33は、管本体31の管軸方向一端に形成されている受口である。スピゴット部32は、管本体31の管軸方向他端に形成されている差口である。
第2コンクリート管30は、例えばヒューム管である。ヒューム管としては、B形管や、NC形管等が挙げられるが、本実施形態では呼び径600mmのB形管を例に挙げて説明する。第2コンクリート管30の断面形状は円筒形状であり、管本体31、スピゴット部32及びソケット部33の内周面31a、32a、33a及び外周面31b、32b、33bは、いずれも真円状の断面形状を有する。
管本体31の内径D31と、スピゴット部32の内径は等しく、内周面31a及び内周面32aは、段差なく連続している。ソケット部33の内径D33は、管本体31の内径D31よりも大きく、内周面33aと内周面31aとの間には段差がある。
第2コンクリート管30の形状寸法は、日本工業規格や、日本下水道協会規格、全国ヒューム管協会規格等の標準規格(例えば、JIS A 5372)により規定されている。例えば、第2コンクリート管30が呼び径600mmのB形ヒューム管である場合、管本体31の内径D31(呼び径D31)は600mmに、スピゴット部32の外径D32は690mmに、ソケット部33の内径D33は704mmに、それぞれ規定されている。
当該規格により規定される形状寸法により、第2コンクリート管30は、そのスピゴット部32を他の第2コンクリート管30のソケット部33に嵌合することが可能となっている。このため、複数の第2コンクリート管30を管軸方向に直列に接続することができる。
また、第2コンクリート管30の強度は、規定により規定されている。第2コンクリート管30が呼び径600mmのB形ヒューム管である場合、ひび割れ荷重の規格値は49.1kN/mであり、破壊荷重の規格値は77.5kN/mである。このように、第2コンクリート管30の強度(ひび割れ荷重及び破壊荷重)は、第1コンクリート管20の強度よりも低い。
上記のように、第1コンクリート管20と第2コンクリート管30は、呼び径D21、D31が同じ場合、規格上、スピゴット部22、32の外径D22、D32がそれぞれ異なり、ソケット部23、33の内径D23、D33がそれぞれ異なる。本実施形態の例では、外径D22(713mm)は外径D32(690mm)よりも大きく、内径D23(727mm)は内径D33(704mm)よりも大きい。このため、第1コンクリート管20と第2コンクリート管30とを直接接続することができない。
本実施形態の接続構造1は、接続管10を第1コンクリート管20と第2コンクリート管30の間に介させることで、規格上の形状の相違により、直接接続することができない2種類のコンクリート管20、30を接続させている。
なお、図1では、接続構造1の一例として、接続管10のスピゴット部12側に第1コンクリート管20を接続し、接続管10のソケット部13側に第2コンクリート管30を接続している構造を挙げている。しかしながら、接続構造1はこれに限定されず、接続管10のスピゴット部12側に第2コンクリート管30を接続し、接続管10のソケット部13側に第1コンクリート管20を接続している構造であってもよい。接続管10と、各種のコンクリート管20,30との接続の様子については、後述する。
〔接続管の各部構成〕
以下、接続管10の各部構成について、説明する。
管本体11は、管軸方向に長尺な配管であり、円筒状の断面形状を有する。管本体11の内周面11a及び外周面11bは、それぞれ真円状の断面形状を有する。管本体11の内径D11は、第1コンクリート管20及び第2コンクリート管30の呼び径D21、D31と等しく、本実施形態の内径D11は600mmである。
スピゴット部12は円筒状の断面形状を有し、スピゴット部12の内周面12a及び外周面12bはそれぞれ真円状の断面形状を有する。スピゴット部12の内周面12aは、管本体11の内周面11aと管軸方向に段差なく連続している。スピゴット部12の外径D12は、スピゴット部22の外径D22と等しく、本実施形態では713mmである。
図2は、接続管10のソケット部13の拡大断面図である。
ソケット部13の内周面13aは、大径部14と、小径部15とを含む。大径部14は、管軸方向の端側(管軸方向の一方の端)に位置する領域である。小径部15は、大径部14の管軸方向内側(管軸方向の他方)に隣接する領域である。大径部14及び小径部15は、いずれも真円状の断面形状を有する。
大径部14の内径D13は、第1コンクリート管20のソケット部23の内径D23と等しく、本実施形態では727mmである。小径部15の内径D14は、第2コンクリート管30のソケット部33の内径D33と等しく、本実施形態では704mmである。このため、小径部15の内径D14は、大径部14の内径D13よりも小さく(D14<D13)、管本体11の内径D11よりも大きい(D14>D11)。このため、大径部14と小径部15の間には段差があり、小径部15と内周面11aの間にも段差がある。小径部15と内周面11aの間の段差の幅G1は、内径D14と内径D11の差の半分であり、本実施形態では52mmである。
接続管10は、ガスケット16と、円筒部17と、をさらに備える。図1では、ガスケット16及び円筒部17は図示省略している。ガスケット16は、大径部14の周方向に沿って設けられている。ガスケット16は、樹脂製又はゴム製のシール部材である。ガスケット16は、第1コンクリート管20のスピゴット部22を接続管10のソケット部13に接続する際に変形することで、第1コンクリート管20と接続管10との隙間をシールし、止水性を向上させる機能を有する。
ガスケット16の内径D15は、第1コンクリート管20のガスケット25の内径D24と等しく、本実施形態では703mmである。このため、ガスケット16の内径D15は、小径部15の内径D14よりもわずかに小さく、本実施形態では1mm小さい。このため、ガスケット16は、第2コンクリート管30のスピゴット部32を接続管10のソケット部13に接続する際に、ガスケット16の先端部16aがスピゴット部32の外周面32bと摺接することで、第2コンクリート管30を径方向の中心に案内する機能(センタリング機能)を有する。
円筒部17は、円筒状の断面形状を有し、小径部15の周方向に沿って設けられている。円筒部17は、小径部15に対し所定の締め代をもって圧入されている。円筒部17は、管軸方向一方に引き抜くことで、小径部15から外すことが可能である。なお、円筒部17は、小径部15から着脱不能に設けられていてもよい。例えば、円筒部17の外周面と小径部15との間が、接着剤により接着されていてもよい。
小径部15に装着されている状態で、円筒部17の厚みは、小径部15と内周面11aの間の段差の幅G1と等しいか、幅G1よりもわずかに小さい。円筒部17は、第1コンクリート管20のスピゴット部22を接続管10のソケット部13に接続する際に、スピゴット部22の内周面22aと小径部15との間に生じる段差(ギャップ)を埋める機能を有する。
円筒部17は、スポンジ材17aを含む。スポンジ材17aは、多孔質材であり、例えば発泡成形されたポリウレタン等の合成樹脂である。なお、スポンジ材17aは、ゴムスポンジであってもよい。スポンジ材17aは、後述する第2コンクリート管30を接続管10に接続する際、第2コンクリート管30のスピゴット部32により管軸方向に押しつぶされるように、硬度及び弾性が設計される。
円筒部17は、樹脂材17bをさらに含んでいてもよい。樹脂材17bは、流動性を有する状態でスポンジ材17aに含浸されている樹脂材であり、例えば有機溶剤等の溶媒に溶解しているエポキシ樹脂である。樹脂材17bは、第2コンクリート管30のスピゴット部32を接続管10のソケット部13に接続する直前に、施工現場でスポンジ材17aに供給される。樹脂材17bは、スポンジ材17aがスピゴット部32により押しつぶされた後に硬化可能である。具体的には、スポンジ材17aが押しつぶされた後、溶媒が乾燥して硬化する。これにより、樹脂材17bは、スピゴット部32と小径部15とを連結するとともに、スピゴット部32と小径部15との間の止水性を向上させる機能を有する。
なお、樹脂材17bは、二液性のエポキシ樹脂であってもよい。この場合、樹脂材17bは、それぞれ流動性を有する本剤及び硬化剤を含む。そして、樹脂材17bは施工現場において本剤と硬化剤とを混合した状態でスポンジ材17aに供給された後、スピゴット部32によりスポンジ材17aが押しつぶされることで、樹脂材17bは断熱圧縮等の発熱により硬化する。
接続管10の強度は、第2コンクリート管30の強度よりも第1コンクリート管20の強度に近い値である。例えば、接続管10のひび割れ荷重は、第1コンクリート管20のひび割れ荷重(73.6kN/m)と第2コンクリート管30のひび割れ荷重(49.1kN/m)との平均値(61.35kN/m)よりも高い値であり、より具体的には、第1コンクリート管20のひび割れ荷重(73.6kN/m)と同じ値である。また、接続管10の破壊荷重は、第1コンクリート管20の破壊荷重(95.7kN/m)と第2コンクリート管30の破壊荷重(77.5kN/m)との平均値(86.6kN/m)よりも高い値であり、より具体的には、第1コンクリート管20の破壊荷重(95.7kN/m)と同じ値である。
接続管10の強度を上記の値とすることで、第1コンクリート管20と第2コンクリート管30とに接続管10が接続される際に、接続管10に強度不足が生じることを防止できる。この結果、接続管10を補強することなく接続することができる。
〔接続管の接続方法〕
次に、接続管10の接続方法について説明する。
図3は、第1コンクリート管20のスピゴット部22が接続管10のソケット部13に接続される様子を示す図である。図3(a)は接続前の様子であり、図3(b)は接続後の様子である。接続管10の大径部14の内径D13は、第1コンクリート管20のソケット部23の内径D23と等しい。このため、大径部14は、第1コンクリート管20のスピゴット部22の外周面22bと嵌合することができる。
はじめに、第1コンクリート管20と接続管10とを接続する施工現場において、第1コンクリート20のスピゴット部22の外周面22bに滑材を塗布する。次に、スピゴット部22をソケット部13に挿入する。スピゴット部22は、ガスケット16を変形させながら、図3(b)に示すように大径部14の管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。小径部15の内径D14は、スピゴット部22の外径D22よりも小さいため、スピゴット部22は大径部14と小径部15の間の段差よりも管軸方向他方に挿入されることはない。
ガスケット16は、変形してスピゴット部22の外周面22bと大径部14との隙間を埋めることで、第1コンクリート管20と接続管10との隙間を止水することができる。円筒部17は、スピゴット部22の内周面22aと小径部15との間に生じる段差を埋めることで、第1コンクリート管20及び接続管10を流れる流体(例えば、水)の流れを円滑にすることができる。
図4は、第2コンクリート管30のスピゴット部32が接続管10のソケット部13に接続される様子を示す図である。図4(a)は接続前の様子であり、図4(b)は接続後の様子である。接続管10の小径部15の内径D14は、第2コンクリート管30のソケット部33の内径D33と等しい。このため、小径部15は、第2コンクリート管30のスピゴット部32の外周面32bと嵌合することができる。
はじめに、第2コンクリート管30と接続管10とを接続する施工現場において、外周面32bに滑材を塗布し、スポンジ材17aに樹脂材17bを含浸させる。次に、スピゴット部32をソケット部13に挿入する。スピゴット部32の外周面32bは、ガスケット16の先端部16aと摺接しながら、図4(b)に示すように小径部15の管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。
先端部16aは、外周面32bと摺接することで、第2コンクリート管30を径方向の中心に案内する。これにより、スピゴット部32の径方向のずれを抑制しつつ、より正確にスピゴット部32をソケット部13に挿入することができる。
スピゴット部32が挿入される際、円筒部17に含まれるスポンジ材17aは、スピゴット部32により押しつぶされる。このように、スポンジ材17aがスピゴット部32により押しつぶされる構成とすることで、スピゴット部22を挿入する際には内周面22aと小径部15との間に生じる段差を埋める機能を有しつつ、スピゴット部32を挿入する際には小径部15に円筒部17を嵌めたまま作業を行うことができる。このため、円筒部17を取り外す作業分の工数を減らすことができる。
スポンジ材17aが押しつぶされた後、スポンジ材17aに含浸された樹脂材17bが硬化する。これにより、第2コンクリート管30と接続管10とをより強固に連結しつつ、互いの隙間をより確実に止水することができる。
図5は、接続管10のスピゴット部12が第1コンクリート管20のソケット部23に接続される様子を示す図である。図5(a)は接続前の様子であり、図5(b)は接続後の様子である。接続管10のスピゴット部12の外径D12は、第1コンクリート管20のスピゴット部22の外径D22と等しい。このため、スピゴット部12は、第1コンクリート管20のソケット部23(内径D23)と嵌合することができる。
はじめに、第1コンクリート管20と接続管10とを接続する施工現場において、外周面12bに滑材を塗布する。次に、スピゴット部12をソケット部23に挿入する。スピゴット部12の外周面12bは、ガスケット25を変形させながら、図5(b)に示すように内周面23aの管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。
図6は、接続管10のスピゴット部12が第2コンクリート管30のソケット部33に接続される様子を示す図である。図6(a)は接続前の様子であり、図6(b)は接続後の様子である。接続管10のスピゴット部12の外径D12は、第2コンクリート管30のソケット部33の内径D33よりも大きい。このため、スピゴット部12をそのままソケット部33に挿入することができない。
本実施形態の接続管10は、変換部40をさらに備える。変換部40は、鋼製の管(鋼管カラー)であり、第1嵌合部41と、第2嵌合部42とを有する。第1嵌合部41の外径D41は、スピゴット部12の内径D12aと等しいか、内径D12aよりもわずかに大きく、スピゴット部12の内周面12aに所定の締め代を有して圧入可能である。第2嵌合部42の外径D42は、第2コンクリート管30のスピゴット部32の外径D32と等しく、スピゴット部12の外径D12よりも小さい。このため、第2嵌合部42はソケット部33に嵌合可能である。
はじめに、接続管10と第2コンクリート管30とを接続する施工現場において、変換部40の外周面に滑材を塗布する。次に、スピゴット部12の内周面12aに第1嵌合部41を挿入することで、接続管10に変換部40を装着する。そして、変換部40が装着された接続管10をソケット部33側に引き寄せて、第2嵌合部42をソケット部33に挿入する。このように、変換部40は、第1嵌合部41がスピゴット部12の内周面12aと接続可能であり、第2嵌合部42がソケット部33と接続可能である。このため、スピゴット部12とソケット部33は、間に変換部40を介することで、接続することができる。
〔接続管の作用と効果〕
以上の図3及び図4に説明するように、接続管10のソケット部13は、大径部14と小径部15という2段の内径D13、D14を有するため、第1コンクリート管20のスピゴット部22、又は第2コンクリート管30のスピゴット部32の両方と接続することができる。このため、接続管10は、一種類のコンクリート管のみ接続可能なソケット部を有する接続管と比べ、より汎用的に用いることができる。
また、以上の図5及び図6に説明するように、接続管10のスピゴット部12は、第1コンクリート管20のソケット部23と接続可能であり、変換部40を介することで第2コンクリート管30のソケット部33とも接続することができる。
接続管10によれば、それぞれ異なる規格に基づく形状寸法の第1コンクリート管20と第2コンクリート管30とを、桝を介して接続したり、現場打ちコンクリートで巻いて接続したりせずに、容易に接続することができる。
また、接続管10はいわゆる丸管であり、接続管10の管軸方向と直交する断面形状は円筒形状である。接続管10の断面形状を円筒形状とすることで、後述する桝60との接続の際に、桝60に穿孔する貫通孔61aの面積を小さくすることができたり、ブーツ等の可撓性継手を容易に装着できたりするといったメリットが生じる。
以上、本開示の第1実施形態について説明したが、本開示は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。以下、本開示の他の実施形態(第2実施形態から第4実施形態)について説明する。第2実施形態以降において、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
〔第2実施形態〕
上記の第1実施形態の接続管10のスピゴット部12は、第1コンクリート管20のソケット部23とそのまま接続可能であり、第2コンクリート管30と接続する場合には変換部40を装着する。これに対し、第2実施形態に係る接続管10aのスピゴット部121は、第2コンクリート管30とそのまま接続可能であり、第1コンクリート管20と接続する場合には変換部50を装着する。以下、図7及び図8を参照して、接続管10aの構成を説明する。なお、接続管10aのソケット部13は、第1実施形態と同様であるため、図示及び説明を省略する。
図7は、接続管10aのスピゴット部121が第2コンクリート管30のソケット部33に接続される様子を示す図である。図7(a)は接続前の様子であり、図7(b)は接続後の様子である。接続管10aのスピゴット部121の外径D121は、第2コンクリート管30のスピゴット部32の外径D32と等しい。このため、スピゴット部121は、第2コンクリート管30のソケット部33(内径D33)と嵌合することができる。
はじめに、第2コンクリート管30と接続管10aとを接続する施工現場において、外周面121bに滑材を塗布する。次に、スピゴット部121をソケット部33に挿入する。スピゴット部121の外周面121bは、図7(b)に示すように内周面33aの管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。
図8は、接続管10aのスピゴット部121が第1コンクリート管20のソケット部23に接続される様子を示す図である。図8(a)は接続前の様子であり、図8(b)は接続後の様子である。接続管10aのスピゴット部121の外径D121は、第1コンクリート管20のスピゴット部22の外径D22よりも小さい。このため、スピゴット部121をそのままソケット部23に挿入しても、外周面121bと内周面23aとの間に隙間が生じるため、スピゴット部121はソケット部23に嵌合できない。
本実施形態の接続管10aは、変換部50をさらに備える。変換部50は、円筒形状を有するゴム製のキャップである。変換部50は、外周面121bと内周面23aとの間に生じる隙間を埋める機能を有する。具体的には、変換部50の内周面50aは、スピゴット部121の外周面121bと嵌合可能な内径D51を有する。また、変換部50の外周面50bは、ソケット部23の内周面23aと嵌合可能な外径D52を有する。
接続管10aと第1コンクリート管20とを接続する場合、施工現場において、スピゴット部121の外周面121bに変換部50を嵌める。そして、変換部50が嵌められた状態のスピゴット部121をソケット部23に挿入する。変換部50は外周面121bと内周面23aとの間の隙間を埋めるため、スピゴット部121とソケット部23は、変換部50を介することで、接続される。
以上の図7及び図8に説明するように、接続管10aのスピゴット部121は、第2コンクリート管30のソケット部33と接続可能であり、変換部50を介することで第1コンクリート管20のソケット部23とも接続することができる。このため、接続管10aは、それぞれ異なる規格に基づく形状寸法の第1コンクリート管20と第2コンクリート管30とを容易に接続することができる。
〔第3実施形態〕
上記の第1実施形態及び第2実施形態の接続管10、10aは、第1コンクリート管20と第2コンクリート管30とを接続するために用いられる。これに対し、第3実施形態に係る接続管10bは、管軸方向の一方側(ソケット部13側)で第1コンクリート管20又は第2コンクリート管30と接続し、管軸方向の他方側(スピゴット部122側)で桝60と接続する。以下、図9を参照して、接続管10bの構成を説明する。なお、接続管10bのソケット部13は、第1実施形態と同様であるため、図示及び説明を省略する。
図9は、接続管10bのスピゴット部122が桝60の貫通孔61aに接続される様子を示す図である。図9(a)は接続前の様子であり、図9(b)は接続後の様子である。桝60は、配管の接続・点検等の用途に用いられる縦穴であり、例えばマンホールや、汚水桝である。桝60は、鉛直方向に延びる円筒状又は角筒状の側壁61と、底壁62とを有する。側壁61には、接続管10bを接続するための真円状の貫通孔61aが形成されている。
接続管10bのスピゴット部122の外周面122bは、真円状の断面形状を有する。外周面122bは、管本体11の外周面11bと段差なく連続しており、第1実施形態のスピゴット部12の外周面12bのように窄められていない。すなわち、スピゴット部122は、ストレート形状を有する。スピゴット部122の外径D122は、桝60の貫通孔61aの内径D61よりも小さい。このため、スピゴット部122は、図9(b)に示すように、貫通孔61aに挿入可能である。
接続管10bは、ソケット部13において第1コンクリート管20又は第2コンクリート管30と接続可能である。そして、スピゴット部122において桝60と接続可能である。このため、接続管10bは、それぞれ異なる規格に基づく形状寸法の第1コンクリート管20及び第2コンクリート管30の一方と、桝60とを容易に接続することができる。
〔第4実施形態〕
上記の第3実施形態の接続管10bは、第1実施形態の接続管10を途中で切断することにより製造されてもよい。
図10は、第4実施形態に係る接続構造1a,1bと、接続構造1a,1bの製造方法とを示す説明図である。
図10(a)を参照する。はじめに、接続管10を成形し、切断線C1にて接続管10を管軸方向一方側と他方側とに切断すると、図10(b)に示すように、管軸方向一方側の接続管10bと、管軸方向他方側の接続管10cとに分かれる。接続管10bは、第3実施形態で説明した接続管10bと同じ構造を有する。接続管10cは、管本体11と、スピゴット部123と、スピゴット部12とを有する。すなわち、接続管10cは、両端がスピゴット部(差口)となっている。スピゴット部123の外周面123bは、スピゴット部122と同じ真円状の断面形状と外径D122を有する。このため、スピゴット部123は、桝60の貫通孔61a(内径D61)に挿入可能である。
上記のように、接続管10を成形した後、接続管10を切断して接続管10bと接続管10cとを製造することで、接続管10,10b,10cを製造するために必要なコンクリート成形用の型枠の点数を少なくすることができる。接続管10のための型枠を1点用意すれば、接続管10b,10cの型枠を別途容易しなくて済むため、製造コストを抑えることができる。
図10(c)を参照する。接続構造1aは、接続管10bと、接続管10bのソケット部13にスピゴット部22が接続されている第1コンクリート管20と、接続管10bのスピゴット部122(接続管10bの管軸方向他端)に接続される桝60と、を備える。
また、接続構造1bは、接続管10cと、接続管10cのスピゴット部12にソケット部23が接続されている第1コンクリート管20と、接続管10cのスピゴット部123(接続管10cの管軸方向一端)に接続される桝60と、を備える。
ここで、第1コンクリート管20は、管厚部24を有するため、頂部側が円形で、底部側が台形となる断面形状を有する。このため、第1コンクリート管20をそのまま桝60に接続すると、桝60には第1コンクリート管20の断面形状よりも大きい真円状の貫通孔61aを形成して第1コンクリート管20を挿入し、現場打ちコンクリート等により隙間を埋める必要がある。このため、第1コンクリート管20は、第2コンクリート管30のように断面形状が円筒状のコンクリート管(真円管)と比べ、桝60への接続が困難である。
これに対し、接続構造1aでは、第1コンクリート管20のスピゴット部22側と桝60とが接続管10bを介して接続される。また、接続構造1bでは、第1コンクリート管20のソケット部23側と桝60とが接続管10cを介して接続される。接続管10b,10cのスピゴット部122,123の外周面122b,123bの断面形状は真円状であるため、貫通孔61aの面積をより少なくしつつ、外周面122b,123bと貫通孔61aとの隙間がより少ない状態で、桝60と接続することができる。
ここで、接続管10b,10cのひび割れ荷重は、第2コンクリート管30のひび割れ荷重よりも第1コンクリート管20のひび割れ荷重に近い値とされる。本実施形態は、元々、第1コンクリート管20と桝60とを接続するような場所(例えば、より深度が深い位置)に、接続管10b,10cを介させるものである、このため、当該場所に埋設する配管には、第1コンクリート管20と同等の強度(例えば、ひび割れ荷重)が要求される。例えば、第2コンクリート管30は、第1コンクリート管20よりも強度が低いため、当該場所に埋設すると強度不足が生じ、コンクリート巻立て等の補強が必要となる。
これに対し、本実施形態の接続管10b,10cのひび割れ荷重は、第1コンクリート管20のひび割れ荷重に近い値(例えば、第1コンクリート管20のひび割れ荷重と同じ値)であるため、接続管10b,10cを補強することなく第1コンクリート管20と同じ深さ位置に設置することができる。
〔変形例〕
〔円筒部非装着の接続管〕
図11は、第2コンクリート管30のスピゴット部32が、第1実施形態の変形例に係る接続管10のソケット部13に接続される様子を示す図である。図11(a)は接続前の様子であり、図11(b)は接続後の様子である。
本変形例は、接続管10に円筒部17が設けられていない点と、第2コンクリート管30のスピゴット部32にガスケット34が設けられている点で、第1実施形態と相違し、その他の点は共通する。円筒部17は、はじめから設けられていなくてもよいし、接続管10の工場出荷時には小径部15に円筒部17が設けられ、施工の直前に円筒部17が小径部15から外されるように構成してもよい。
第2コンクリート管30は、ガスケット34をさらに備える。ガスケット34は、スピゴット部32の外周面32bの周方向に沿って設けられているゴム製のシール部材である。ガスケット34は、スピゴット部32を、接続管10のソケット部13又は他の第2コンクリート管30のソケット部33に接続する際に変形することで、止水性を向上させる機能を有する。ガスケット34の外径は、内径D33よりも大きく、例えば713mmである。
はじめに、第2コンクリート管30と接続管10とを接続する施工現場において、外周面32b及びガスケット34に滑材を塗布する。次に、スピゴット部32をソケット部13に挿入する。スピゴット部32の外周面32b及びガスケット34は、ガスケット16の先端部16aと摺接しながら、図11(b)に示すように小径部15の管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。
スピゴット部32が挿入される際、ガスケット34は、外周面32bと小径部15とに挟まれることで変形する。ガスケット34により、小径部15と外周面32bとの隙間を止水することができる。
本変形例において、第1コンクリート管20のスピゴット部22と接続管10との隙間を止水するガスケット16は、接続管10側(大径部14)に設けられ、第2コンクリート管30のスピゴット部32と接続管10との隙間を止水するガスケット34は、第2コンクリート管30側(スピゴット部32の外周面32b)に設けられる。このように構成することで、第1コンクリート管20のスピゴット部22を接続管10に挿入する場合でも、第2コンクリート管30のスピゴット部32を接続管10に挿入する場合でも、ガスケット16又は34により止水しつつ連結することができる。
ここで、仮にガスケット34が接続管10側(例えば、小径部15)に設けられているとすると、第1コンクリート管20のスピゴット部22を接続管10に挿入した際に、ガスケット34がそのまま管路内に露出してしまうという課題が生じる。これに対し、第1実施形態及び本変形例のガスケット34は、第2コンクリート管30側に設けられるため、第1コンクリート管20のスピゴット部22を接続管10に挿入する際に、管路内にガスケット34が露出することを避けることができる。
〔ガスケット非装着の第2コンクリート管〕
図12は、第2コンクリート管30のスピゴット部32が、第1実施形態の変形例に係る接続管10dのソケット部13に接続される様子を示す図である。図12(a)は接続前の様子であり、図12(b)は接続後の様子である。
本変形例は、接続管10dに円筒部17が設けられていない点と、接続管10dの小径部15aの内径D14aが第1実施形態の小径部15の内径D14よりも小さい点が、第1実施形態と相違し、その他の点は共通する。内径D14aは、スピゴット部32の外径D32よりもわずかに大きく、例えば692mmである。
はじめに、第2コンクリート管30と接続管10dとを接続する施工現場において、外周面32bに接着剤を塗布する。次に、スピゴット部32をソケット部13に挿入する。スピゴット部32の外周面32bは、ガスケット16の先端部16aと摺接しながら、図12(b)に示すように小径部15aの管軸方向他方の端まで(又は、当該端よりもわずかに管軸方向一方側の位置まで)挿入される。
スピゴット部32が挿入された後、スピゴット部32の外周面32bに塗布された接着剤が外周面32bと小径部15とを接着している状態で乾燥等により硬化する。これにより、小径部15と外周面32bとの隙間を止水することができる。
本変形例において、小径部15aの内径D14aは、第1実施形態の小径部15の内径14よりも小さい。このため、大径部14の内径D13と小径部15aの内径14aの差(D13-D14a)は、大径部14の内径D13と小径部15の内径14の差(D13-D14)よりも大きくなる。すなわち、大径部14と小径部15aとの間の段差は、より大きい。このように構成することで、ソケット部13における大径部14と小径部15aの2段構造をコンクリート成形しやすくなる。
また、小径部15aはスピゴット部32の外周面32b、又は当該外周面32bに塗布された接着剤と接することで、スピゴット部32と嵌合することができる。このため、ガスケット34が不要となり、施工に必要な部品点数を減らすことができる。
上記の第1実施形態では、接続管10のスピゴット部12が、第1コンクリート管20又は第2コンクリート管30のソケット部23,33と接続する例を挙げて説明した。しかしながら、接続管10のスピゴット部12は、桝60と接続してもよい。スピゴット部12の外周面12bは真円状の断面形状を有するため、第3実施形態の接続管10bと同様に、桝60と容易に接続することができる。
このように、接続管10は、異なる種類のコンクリート管20,30どうしを接続したり、コンクリート管20又は30と桝60とを接続したりするために、より汎用的に用いることができる。
上記の第1実施形態では、接続管10のソケット部13に大径部14と小径部15とが形成されている例を挙げて説明した。すなわち、ソケット部13は2段構造となっている。この構造により、接続管10のソケット部13は、それぞれ外径が異なる2種類のスピゴット部22,32を嵌合することができる。しかしながら、ソケット部13は、3段以上の構造であってもよい。
例えば、ソケット部13に、大径部14と、中径部と、小径部15とが形成されていてもよい。中径部は、大径部14よりも小さく、小径部15よりも大きい内径を有する領域であり、管軸方向において大径部14と小径部15の間に位置する。このように構成することで、ソケット部13は、それぞれ外径が異なる3種類のスピゴット部を嵌合することができ、より汎用性を高くすることができる。
上記の第1実施形態において、第1コンクリート管20は台付管であり、第2コンクリート管30はヒューム管である。しかしながら、本開示の実施に関してはこれに限られず、第1コンクリート管20及び第2コンクリート管30は、規格により、同じ呼び径においてそれぞれ異なる外形寸法を有するコンクリート管であればよい。例えば、第1コンクリート管20は、高強度管であってもよいし、重圧管であってもよい。高強度管は、ヒューム管よりも強度の高いコンクリート管である。重圧管は、台付管と同様に、断面形状の一部に台形形状を含むコンクリート管である。
1:接続構造、1a:接続構造、1b:接続構造、10:接続管、10a:接続管、10b:接続管、10c:接続管、11:管本体、12:スピゴット部、121:スピゴット部、122:スピゴット部、123:スピゴット部、13:ソケット部、14:大径部、15:小径部、15a:小径部、16:ガスケット、16a:先端部、17:円筒部、17a:スポンジ材、17b:樹脂材、20:第1コンクリート管(台付管)、21:管本体、22:スピゴット部、23:ソケット部、24:管厚部、25:ガスケット、30:第2コンクリート管(ヒューム管)、31:管本体、32:スピゴット部、33:ソケット部、34:ガスケット、40:変換部、41:第1嵌合部、42:第2嵌合部、50:変換部、60:桝、61:側壁、61a:貫通孔、61b:貫通孔、62:底壁

Claims (14)

  1. 第1コンクリート管、前記第1コンクリート管とは規格が異なる第2コンクリート管、桝のうちいずれか2つに接続される接続管であって、
    管軸方向の一端に形成され、第1コンクリート管の第1スピゴット部、又は前記第1スピゴット部よりも外径が小さい第2コンクリート管の第2スピゴット部と接続する接続管ソケット部を備え、
    前記接続管ソケット部は、
    前記管軸方向の端側に位置する大径部と、
    前記大径部の前記管軸方向の内側に位置し、前記大径部よりも内径が小さい小径部と、を含み、
    前記大径部は、前記第1スピゴット部と嵌合可能な内径を有し、
    前記小径部は、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する、
    接続管。
  2. 前記大径部の周方向に沿って設けられている第1ガスケットをさらに備え、
    前記第2スピゴット部には、外周面の周方向に沿って第2ガスケットが設けられ、
    前記大径部は、前記第1ガスケットを介して、前記第1スピゴット部と嵌合可能な内径を有し、
    前記小径部は、前記第2ガスケットを介して、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する、
    請求項1に記載の接続管。
  3. 前記第1ガスケットは、前記小径部に嵌合される前記第2スピゴット部の外周面及び前記第2ガスケットの少なくとも一方と摺接可能な先端部を有する、
    請求項2に記載の接続管。
  4. 前記小径部は、前記第2スピゴット部の外周面、又は当該外周面に塗布された接着剤と接することで、前記第2スピゴット部と嵌合可能な内径を有する、
    請求項1に記載の接続管。
  5. 前記第1コンクリート管は、台付管であり、
    前記第2コンクリート管は、ヒューム管である、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の接続管。
  6. 前記管軸方向と直交する断面形状は、円筒形状である、
    請求項5に記載の接続管。
  7. 強度は、前記第2コンクリート管の強度よりも前記第1コンクリート管の強度に近い値である、
    請求項5又は請求項6に記載の接続管。
  8. 前記小径部の周方向に沿って設けられ、前記大径部に嵌合される前記第1スピゴット部の内周面と前記小径部との間に生じる段差を埋める円筒部をさらに備える、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の接続管。
  9. 前記円筒部は、前記小径部に嵌合される前記第2スピゴット部により押しつぶされるスポンジ材を含む、
    請求項8に記載の接続管。
  10. 前記円筒部は、流動性を有する状態で前記スポンジ材に含浸され、前記スポンジ材が押しつぶされた後に硬化可能な樹脂材をさらに含む、
    請求項9に記載の接続管。
  11. 前記管軸方向の他端に形成され、前記第1コンクリート管の第1ソケット部、又は前記第1ソケットよりも内径が小さい前記第2コンクリート管の第2ソケット部と接続する接続管スピゴット部をさらに備え、
    前記接続管スピゴット部は、前記第1ソケット部又は前記第2ソケット部と嵌合可能な外径を有する、
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の接続管。
  12. 前記接続管スピゴット部は、前記第2ソケット部と嵌合可能な外径を有し、
    前記接続管スピゴット部の外周面に着脱可能な変換部をさらに備え、
    前記変換部は、前記接続管スピゴット部と嵌合可能な内径と、前記第1ソケット部と嵌合可能な外径と、を有する、
    請求項11に記載の接続管。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の接続管と、
    前記接続管ソケット部及び前記接続管スピゴット部の一方に接続される前記第1コンクリート管と、
    前記接続管ソケット部及び前記接続管スピゴット部の他方に接続される前記第2コンクリート管と、
    を備える、接続構造。
  14. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の接続管と、
    前記接続管ソケット部に接続される前記第1コンクリート管、又は前記接続管ソケット部に接続される前記第2コンクリート管と、
    前記接続管の前記管軸方向の他端に接続される前記桝と、
    を備える、接続構造。
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