JP2022064209A - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】(メタ)アクリル重合体とオキシアルキレン重合体との相容性に優れ、相分離が起り難く、破断伸びに優れる硬化物を形成することができる硬化性組成物を提供すること。【解決手段】(メタ)アクリル重合体(A)と、オキシアルキレン重合体(B)と、硬化触媒(C)とを含む硬化性組成物であって、前記(メタ)アクリル重合体(A)および前記オキシアルキレン重合体(B)はそれぞれ独立に、トリ置換シリル基を有し、前記トリ置換シリル基中の置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、前記(メタ)アクリル重合体(A)が、前記硬化触媒(C)に配位可能な基を有する、硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物および硬化物に関する。
大気中または被着体などに存在する水分により硬化する組成物として、アルコキシシリル基等の反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物が従来から知られており、該硬化性組成物は建築・建材関連用途、自動車関連用途等における接着剤、シーリング材、塗料等として広く用いられている。
このような反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を主成分とする硬化性組成物より得られる硬化物は、破断伸びや破断強度などの機械特性に優れているが、耐候性に問題があった。
前記のような耐候性の問題を改善するために、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体と、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体とを含む硬化性組成物を用いることが知られている(例えば、特許文献1および2)。
特開2019-143010号公報 特開2006-037076号公報
前記特許文献1および2等に記載の従来の、オキシアルキレン重合体と、(メタ)アクリル重合体とを混合した硬化性組成物から得られる硬化物は、耐候性の問題を改善できる一方で、オキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル重合体との硬化速度差に起因すると考えられる相分離が起こることが分かった。また、このような相分離が起こることで均一な硬化物が得られず、延伸性等の諸物性に不具合が生じ得ることが分かった。
本発明は、以上のことを鑑みてなされたものであり、(メタ)アクリル重合体とオキシアルキレン重合体との相容性に優れ、相分離が起り難く、破断伸びに優れる硬化物を形成することができる硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、下記構成例によれば前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の構成例は以下の通りである。
[1] (メタ)アクリル重合体(A)と、オキシアルキレン重合体(B)と、硬化触媒(C)とを含む硬化性組成物であって、
前記(メタ)アクリル重合体(A)および前記オキシアルキレン重合体(B)はそれぞれ独立に、トリ置換シリル基を有し、
前記トリ置換シリル基中の置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、
前記(メタ)アクリル重合体(A)が、前記硬化触媒(C)に配位可能な基を有する、
硬化性組成物。
[2] 前記(メタ)アクリル重合体(A)が有する前記硬化触媒(C)に配位可能な基が、ジアルキルアミノ基、アセトアセトキシ基およびピロリドン基から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記(メタ)アクリル重合体(A)が、さらに炭素数10~18のアルキル基を有する、[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 前記(メタ)アクリル重合体(A)が、さらに、ヒドロキシアルキル基およびアルコキシアルキル基[これらの基において、アルキル基の炭素数はそれぞれ独立に1~3であり、アルコキシ基の炭素数は1~20である。]から選択される少なくとも1種を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] 前記(メタ)アクリル重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)が5,000を超えて50,000以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6] 前記硬化触媒(C)が、可逆的に脱離可能な有機配位子を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 前記硬化触媒(C)が、下記式(3)で示される有機錫触媒(C1)である、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
式(3):R3 3-m-Sn-Xm+1
[式(3)中、R3は独立に、炭素数1~20のアルキル基または炭素数1~20のアルコキシ基であり、Xは独立に、有機配位子であり、mは0~3の整数である。なお、式(3)が複数のR3を有する場合、該複数のR3は互いに結合して環を形成していてもよく、式(3)が複数のXを有する場合、該複数のXは互いに結合して環を形成していてもよい。]
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物から得られた硬化物。
本発明によれば、(メタ)アクリル重合体とオキシアルキレン重合体との相容性に優れ、相分離が起り難く、破断伸びに優れる硬化物を形成することができる。
特に、本発明によれば、均一性に優れる硬化性組成物を提供することができ、(メタ)アクリル系重合体とオキシアルキレン重合体との硬化速度差を低減できると考えられるため、(メタ)アクリル系重合体のみからなる硬化体部分やオキシアルキレン重合体のみからなる硬化体部分の生成を抑制でき、相分離が起り難い均一性に優れる硬化物を提供することができると考えられる。
さらに、本発明によれば、靭性、耐候性および延伸性に優れる硬化物を容易に形成することができる。
実施例2で得られた硬化物のSEM像である。 比較例1で得られた硬化物のSEM像である。
≪硬化性組成物≫
本発明に係る硬化性組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、(メタ)アクリル重合体(A)と、オキシアルキレン重合体(B)と、硬化触媒(C)とを含み、
前記(メタ)アクリル重合体(A)および前記オキシアルキレン重合体(B)はそれぞれ独立に、トリ置換シリル基を有し、
前記トリ置換シリル基中の置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、
前記(メタ)アクリル重合体(A)が、前記硬化触媒(C)に配位可能な基を有する。
本明細書において(メタ)アクリルは、アクリルおよびメタクリルの総称で用い、アクリルでもメタクリルでもよい。また、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの総称で用い、アクリレートでもメタクリレートでもよい。さらに、(メタ)アクリロイルは、アクリロイルおよびメタクリロイルの総称で用い、アクリロイルでもメタクリロイルでもよい。
なお、「前記(メタ)アクリル重合体(A)および前記オキシアルキレン重合体(B)はそれぞれ独立に、トリ置換シリル基を有する」とは、重合体(A)および重合体(B)には、トリ置換シリル基が含まれるが、重合体(A)に含まれるトリ置換シリル基と、重合体(B)に含まれるトリ置換シリル基とは、同一でも異なっていてもよいことを意味する。同様の表現は同様の意味である。
<(メタ)アクリル重合体(A)>
(メタ)アクリル重合体(A)(以下「重合体(A)」ともいう。)は、トリ置換シリル基を有し、該置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、さらに、硬化触媒(C)に配位可能な基を有する重合体である。
本組成物に含まれる重合体(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
[トリ置換シリル基]
重合体(A)が、トリ置換シリル基を有することで、機械特性に優れる硬化物を容易に形成することができる。
重合体(A)に含まれるトリ置換シリル基は、1種でもよく、2種以上でもよい。
トリ置換シリル基は、具体的には、下記式(1)で示される。
式(1):*-SiR1 3
[式(1)中、R1はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つのR1のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、*は他の原子との結合手を表す。]
炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、n-ノニル基、2,2-ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチル-4-ヘプチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、1-メチルデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、1-ヘキシルヘプチル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-エイコシル基等の直鎖、分岐アルキル基が挙げられ、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
炭素数1~20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、4-メチル-2-ペンチルオキシ基、3,3-ジメチルブチルオキシ基、2-エチルブチルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、1-メチルヘプチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、2-プロピルペンチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、2,2-ジメチルヘプチルオキシ基、2,6-ジメチル-4-ヘプチルオキシ基、3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、1-メチルデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、1-ヘキシルヘプチルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-エイコシルオキシ基等の直鎖、分岐アルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~3のアルコキシ基である。
トリ置換シリル基の好適例としては、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメチルイソプロポキシシリル基、メチルジイソプロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基が挙げられる。
トリ置換シリル基を有する重合体(A)は、例えば、トリ置換シリル基を有するモノマー(a1)を含むモノマー成分を重合することで合成することができる。
モノマー(a1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a1)としては、例えば、
(メタ)アクリロイルオキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類;
メルカプトメチルジメチルメトキシシラン、メルカプトメチルジメチルエトキシシラン、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、4-メルカプトブチルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;
が挙げられる。
これらの中でも、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、重合体(A)は、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類由来の構成単位、および、メルカプト基含有シラン類由来の構成単位を有することが、硬化性、機械特性に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から好ましい。
重合体(A)中の、モノマー(a1)由来の構成単位の含有量は、硬化性、機械特性に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から、好ましくは0.8~8.0質量%、より好ましくは1.0~4.0質量%である。
該含有量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分中のモノマー(a1)の含有量から算出することができる。
重合体(A)中のトリ置換シリル基の含有量は、硬化性、機械特性に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から、重合体(A)中のケイ素元素の含有量が、好ましくは1,500ppm以上、より好ましくは1,600~20,000ppm、さらに好ましくは1,700~10,000ppmとなるような量である。なお、「ppm」とは、wtppmを意味する。
重合体(A)は、該重合体の分子鎖末端にトリ置換シリル基を有することが好ましい。なお、重合体(A)におけるケイ素元素含有量は、例えば、前記モノマー(a1)の仕込み量から算出できるが、ICP発光分光分析により測定することができる。
[硬化触媒(C)に配位可能な基]
重合体(A)が、硬化触媒(C)に配位可能な基を有することで、組成物中の硬化触媒が重合体(A)中の配位可能な基によって捕捉され、重合体(B)と重合体(A)との架橋速度差を小さくできると考えられる。その結果、相分離が起り難い硬化物を容易に形成することができると考えられる。
重合体(A)に含まれる硬化触媒(C)に配位可能な基は、1種でもよく、2種以上でもよい。
硬化触媒(C)に配位可能な基としては、ジアルキルアミノ基、アセトアセトキシ基およびピロリドン基から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ジアルキルアミノ基のアルキル基の炭素数は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3である。
硬化触媒(C)に配位可能な基を有する重合体(A)は、例えば、硬化触媒(C)に配位可能な基を有するモノマー(a2)を含むモノマー成分を重合することで合成することができる。
モノマー(a2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a2)としては、例えば、
2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(ジイソプロピルアミノ)エチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート;
ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド;
2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチルクロトネート、3-アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-アセトアセトキシプロピルクロトネート、N-(2-アセトアセトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ビニル等のアセトアセトキシ基含有モノマー;
N-ビニルピロリドン等のピロリドン基含有モノマー;
が挙げられる。
これらの中でも、取り扱いやすさ等の点で、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドンが好ましい。
重合体(A)中の硬化触媒(C)に配位可能な基の含有量は特に制限されないが、例えば、重合体(A)中の、モノマー(a2)由来の構成単位の含有量として算出する場合、該構成単位の含有量は、相分離が起り難い硬化物を容易に形成することができる等の点から、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~10質量%である。
該含有量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分中のモノマー(a2)の含有量から算出することができる。
[炭素数10~18のアルキル基]
重合体(B)との相容性に優れ、機械特性および耐候性に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から、重合体(A)は、さらに炭素数10~18のアルキル基を有することが好ましい。
重合体(A)に含まれる炭素数10~18のアルキル基は、1種でもよく、2種以上でもよい。
重合体(A)が炭素数10~18のアルキル基を有することで、該基の乳化作用により、重合体(A)は、微小なエマルジョンとして重合体(B)に分散することができると考えられ、重合体(A)と重合体(B)との相容性が向上すると考えられる。
炭素数10~18のアルキル基を有する重合体(A)は、例えば、炭素数10~18のアルキル基を有するモノマー(a3)を含むモノマー成分を重合することで合成することができる。
モノマー(a3)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a3)としては、例えば、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n-ペンタデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、n-セチル(メタ)アクリレート、イソセチル(メタ)アクリレート、n-ヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合体(A)中の炭素数10~18のアルキル基の含有量は特に制限されないが、例えば、重合体(A)中の、モノマー(a3)由来の構成単位の含有量として算出する場合、該構成単位の含有量は、重合体(B)との相容性に優れ、機械特性および耐候性に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から、好ましくは1~50質量%、より好ましくは2~25質量%である。
該含有量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分中のモノマー(a3)の含有量から算出することができる。
[ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基]
重合体(B)との相容性に優れ、相分離が起り難い均一性に優れる硬化性組成物を容易に得ることができる等の点から、重合体(A)は、さらにヒドロキシアルキル基およびアルコキシアルキル基[これらの基において、アルキル基の炭素数はそれぞれ独立に1~3であり、アルコキシ基の炭素数は1~20である。]から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
すなわち、重合体(A)は、下記式(2)で示される基を有することが好ましい。
式(2):*-(Cn2nO)-R2
[式(2)中、R2は、炭素数1~20のアルキル基または水素原子であり、nは1~3の整数であり、*は他の原子との結合手を表す。]
重合体(A)が式(2)で示される基を有することで、該基が、重合体(B)の有するオキシアルキレン部分と類似組成であることから、重合体(A)と重合体(B)との相容性が向上すると考えられる。
2における炭素数1~20のアルキル基としては、前記R1において例示した炭素数1~20のアルキル基と同様の基等が挙げられ、好ましい基も同様である。
nは、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。
重合体(A)が、前記式(2)で示される基を有する場合、重合体(A)は、下記式(2')で示される基を有することが好ましい。
式(2'):*-(Cn2nO)k-R2
[式(2')中、R2、nおよび*は、式(2)中のR2、nおよび*と同義であり、kは2~90の数である。]
前記式(2)で示される基を有する重合体(A)は、例えば、前記式(2)で示される基、好ましくは前記式(2')で示される基を有するモノマー(a4)を含むモノマー成分を重合することで合成することができる。
モノマー(a4)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a4)としては、例えば、
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
重合体(A)中の前記式(2)で示される基の含有量は特に制限されないが、例えば、重合体(A)中の、モノマー(a4)由来の構成単位の含有量として算出する場合、該構成単位の含有量は、重合体(B)との相容性に優れ、相分離が起り難い均一性に優れる硬化性組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.1~20質量%、より好ましくは1~10質量%である。
該含有量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分中のモノマー(a4)の含有量から算出することができる。
[その他の基]
重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述した基以外のその他の基をさらに有していてもよい。このような基を有する重合体(A)は、例えば、モノマー(a1)~(a4)以外のその他のモノマー(a5)を含むモノマー成分を重合することで合成することができる。
モノマー(a5)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a5)としては、例えば、
炭素数1~9のアルキル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基含有(メタ)アクリレート;
4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、4-エトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸;
(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸5-カルボキシペンチル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシ基含有(メタ)アクリレート;
無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物基含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド;等のアミド基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
N-ビニルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等の窒素系複素環含有モノマー;
スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-クロロメチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン、インデン等のスチレン誘導体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル化合物;
が挙げられる。
モノマー(a5)としては、炭素数1~9のアルキル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましく、該アルキル基の炭素数は、好ましくは2~7、より好ましくは3~7である。
炭素数1~9のアルキル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートが挙げられ、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
重合体(A)中の前記その他の基の含有量は特に制限されないが、例えば、重合体(A)中の、モノマー(a5)由来の構成単位の含有量として算出する場合、該構成単位の含有量は、粘度、硬化物の機械特性、耐候性等の点から、好ましくは2~97.6質量%、より好ましくは50~95質量%である。
該含有量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分中のモノマー(a5)の含有量から算出することができる。
[重合体(A)の製造方法]
重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、モノマー成分として、前記モノマー(a1)、(a2)および(a5)を用いることが好ましい。また、乳化剤作用により重合体(B)との相容性の向上が見込まれることから、モノマー成分として、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)および(a5)を用いることが好ましく、極性をより重合体(B)に近づけることで重合体(B)との相容性の向上が見込まれることから、モノマー成分として、前記モノマー(a1)、(a2)、(a4)および(a5)を用いることが好ましく、これらの効果を併有できる等の点から、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)、(a4)および(a5)を用いることも好ましい。
重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、溶液重合法が挙げられる。具体的には、反応容器内に重合溶媒およびモノマー成分を仕込み、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で重合開始剤を添加し、反応開始温度を通常40~100℃に設定し、通常50~90℃の温度に反応系を維持して、4~20時間反応させる方法等が挙げられる。
また、前記重合反応中に、重合開始剤、連鎖移動剤、重合性単量体、重合溶媒を適宜追加添加してもよい。
重合体(A)を製造する際には、工程上の点や、環境上の点から、無溶媒とすることも好ましい。
重合体(A)は、例えば、前述したモノマーを含むモノマー成分を共重合して製造することができるが、重合体(A)が共重合体である場合、該共重合体は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でもよい。これらの中では、ランダム共重合体が好ましい。
溶液重合に用いる重合溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類等が挙げられる。
重合溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
溶液重合に用いる重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤が挙げられる。
前記重合開始剤は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、重合中に、重合開始剤を複数回添加してもよい。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2'-アゾビス〔2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド〕、2,2'-アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、2,2'-アゾビス(2-シアノプロパノール)、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、カプロイルパーオキサイド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
重合開始剤の使用量は、重合体(A)を合成する際に用いるモノマー成分100質量部に対して、通常0.01~5質量部、好ましくは0.1~3質量部である。
[重合体(A)の物性]
重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)は、粘度および硬化物の延伸性等の点から、好ましくは5,000超、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上であり、好ましくは50,000以下、より好ましくは40,000以下、さらに好ましくは30,000以下である。
GPCの測定条件の詳細は、後述する実施例欄に記載する。
重合体(A)のGPCにより測定される重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上であり、好ましくは80,000以下、より好ましくは60,000以下である。
[重合体(A)の含有量]
本組成物中の重合体(A)の含有量は、相分離が起り難い硬化物を容易に形成することができる等の点から、好ましくは1~99質量%、より好ましくは5~95質量%である。
<オキシアルキレン重合体(B)>
本組成物は、オキシアルキレン重合体(B)(以下「重合体(B)」ともいう。)を含む。重合体(B)は、トリ置換シリル基を有し、該置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基を有する重合体であり、重合体(A)以外の重合体である。
本組成物に含まれる重合体(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
重合体(B)に含まれるトリ置換シリル基としては、前記重合体(A)の欄で挙げたトリ置換シリル基と同様の基が挙げられ、好ましい基も同様である。
なお、重合体(A)におけるトリ置換シリル基と、重合体(B)におけるトリ置換シリル基とは、同一であっても異なっていてもよい。
オキシアルキレンにおけるアルキレンの炭素数は、好ましくは1~6、より好ましくは2~4、特に好ましくは2または3である。
重合体(B)は主鎖骨格としてポリオキシアルキレン骨格を有する。該ポリオキシアルキレン骨格としては、例えば、ポリオキシエチレン骨格、ポリオキシプロピレン骨格、ポリオキシブチレン骨格、ポリオキシテトラメチレン骨格、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン骨格、ポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン骨格が挙げられ、ポリオキシプロピレン骨格が好ましい。ポリオキシアルキレン骨格は、1種のみの繰返し単位からなっていてもよいし、2種以上の繰返し単位からなっていてもよい。
重合体(B)の数平均分子量(Mn)は、例えば、2,000~100,000であり、好ましくは5,000~60,000である。数平均分子量がこのような条件を満たすと、重合体(A)との相容性や硬化性組成物のハンドリング性、機械特性に優れる点から好ましい。数平均分子量(Mn)は、GPC法により測定される。
重合体(B)は従来公知の方法で合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
該市販品としては、例えば、カネカMSポリマーS203、カネカMSポリマーS303、カネカMSポリマーS810、カネカMSポリマーS202、サイリルSAX220、サイリルSAT350(いずれもカネカ製)、エクセスターS2410、エクセスターS3430(いずれもAGC製)が挙げられる。
本組成物中の重合体(B)の含有量は、相分離が起り難い硬化物を容易に形成することができる等の点から、好ましくは0.1~95質量%、より好ましくは1~90質量%である。
<硬化触媒(C)>
本組成物は、硬化触媒(C)を含む。該硬化触媒(C)としては、重合体(A)および/または重合体(B)に対し、硬化触媒としての作用を示すものであれば特に限定されないが、例えば、有機金属化合物が挙げられ、特にシラノール縮合触媒を用いることが好ましい。
本組成物に含まれる硬化触媒(C)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
硬化触媒(C)としては、例えば、
スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の有機錫化合物;
テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;
オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機酸鉛;
オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等の有機酸ビスマス;
シラノール縮合触媒として公知のその他の、酸性触媒、塩基性触媒;
が挙げられる。
硬化触媒(C)は、可逆的に脱離可能な有機配位子を有することが好ましい。硬化触媒(C)が、可逆的に脱離可能な有機配位子を有することにより、該硬化触媒(C)は、重合体(A)と配位子交換をすることができると考えられ、硬化触媒(C)が重合体(A)に捕捉されやすくなり、硬化性組成物中の重合体(A)と重合体(B)との架橋速度差をより小さくすることができると考えられる。
可逆的に脱離可能な有機配位子としては、例えば、オクトエート基、ラウレート(ラウロイルオキシ)基、ステアレート基、マレエート基、アセテート基、アセチルアセトナート基、トリエトキシシリケート基、バーサテート基が挙げられる。
硬化触媒(C)は、下記式(3)で示される有機錫触媒(C1)であることが好ましい。
式(3):R3 3-m-Sn-Xm+1
[式(3)中、R3は独立に、炭素数1~20のアルキル基または炭素数1~20のアルコキシ基であり、Xは独立に、有機配位子であり、mは0~3の整数である。なお、式(3)が複数のR3を有する場合、該複数のR3は互いに結合して環を形成していてもよく、式(3)が複数のXを有する場合、該複数のXは互いに結合して環を形成していてもよい。]
3は独立に、炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
Xは、可逆的に脱離可能な有機配位子が好ましく、その例示は前述の通りである。
mは好ましくは1である。
有機錫触媒(C1)としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテートが挙げられる。
本組成物中の硬化触媒(C)の含有量は、硬度や延伸性等に優れる硬化物を容易に形成することができる等の点から、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.05~3質量部である。
<他の成分>
本組成物は、重合体(A)、重合体(B)および硬化触媒(C)の他に、必要に応じて、可塑剤、充填剤、シリカ、顔料、老化防止剤、脱水剤、アミノシランカップリング剤、粘性付与剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、密着性付与剤、チクソ剤などの他の成分を1種または2種以上含有していてもよい。
[可塑剤]
本組成物は、可塑剤をさらに含有していてもよい。可塑剤を用いることにより、本組成物から形成された硬化物の柔軟性および伸び性を向上させることができる。
可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5-エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の炭化水素;ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリプロピレングリコールやその誘導体、例えばポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールの水酸基をアルキルエーテルで封止したポリエーテル類、ポリ-α-メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類、重合体(A)以外の(メタ)アクリル重合体などの高分子可塑剤が挙げられる。
本組成物が可塑剤を含有する場合、該可塑剤の含有量は、硬化性組成物の塗工性、硬化物の耐候性等の点から、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10~200質量部、より好ましくは50~150質量部である。
[充填剤]
本組成物は、充填剤をさらに含有していてもよい。なお、充填剤は、シリカ以外の成分である。
充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、半膠質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、およびこれらの炭酸カルシウムの表面を脂肪酸や樹脂酸系有機物で表面処理したもの等の炭酸カルシウム;カーボンブラック;炭酸マグネシウム;ケイソウ土;焼成クレー;クレー;タルク;酸化チタン;ベントナイト;酸化第二鉄;酸化亜鉛;活性亜鉛華;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等の無機質の中空体;フェノール樹脂バルーン、エポキシ樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン-(メタ)アクリル樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン等の有機樹脂中空体;樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウムが好ましい。
本組成物が充填剤を含有する場合、該充填剤の含有量は、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10~800質量部、より好ましくは50~400質量部である。
本組成物は、このような量で充填剤を含有しても、充填剤の分散性に優れる。
[シリカ]
本組成物は、シリカをさらに含有していてもよい。シリカを用いることによって、本組成物の塗工性が向上し、優れた耐候性および伸び性を有する硬化物を容易に形成することができる。
シリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
シリカとしては、例えば、フュームドシリカが挙げられる。また、シリカとしては、疎水性シリカおよび親水性シリカが挙げられ、疎水性シリカが好ましい。
本組成物がシリカを含有する場合、該シリカの含有量は、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、より好ましくは3~50質量部である。
[顔料]
本組成物は、調色および耐候性の向上等の点から、顔料をさらに含有していてもよい。該顔料は、前記充填剤およびシリカ以外の成分である。
顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン、アルミン酸コバルト等の無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。
本組成物が顔料を含有する場合、該顔料の含有量は、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは1~400質量部、より好ましくは3~200質量部である。
[老化防止剤]
本組成物は、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤などの老化防止剤をさらに含有していてもよい。
老化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル-3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールとの反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾールが挙げられる。
光安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定化剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本組成物が老化防止剤を含有する場合、該老化防止剤の含有量は、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.05~20質量部、より好ましくは0.1~10質量部である。
[脱水剤]
本組成物は、貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲で、脱水剤を含有していてもよい。
脱水剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
脱水剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等の加水分解性有機ケイ素化合物;オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸アルキル;オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル;イソシアン酸p-トルエンスルホニル等のイソシアネート化合物が挙げられる。
本組成物が脱水剤を含有する場合、該脱水剤の含有量は、貯蔵安定性および硬化性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは1~10質量部である。
[アミノシランカップリング剤]
本組成物は、アミノシランカップリング剤をさらに含有していてもよい。
アミノシランカップリング剤は、一分子中に、アルコキシ基が結合した珪素原子と、アミノ基を含有する官能基とを有する化合物を意味する。アミノシランカップリング剤は、湿気硬化を促進させる助触媒として機能し、さらに得られる硬化物の接着力を向上させることができる。
アミノシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
アミノシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-アミノメチルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-アミノメチルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’-ビス-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’-ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’-ビス-[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’-ビス-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
本組成物がアミノシランカップリング剤を含有する場合、該アミノシランカップリング剤の含有量は、接着性、貯蔵安定性およびハンドリング性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、重合体(A)および重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは1~10質量部である。
[硬化性組成物の用途]
本組成物は、重合体(A)と重合体(B)との相容性に優れることから均一性に優れ、硬化性にも優れる。
本組成物は、例えば、建築・建材用途、自動車用途などにおける、シーリング材、接着剤、または塗料等として好適に用いられる。その他、無機材料(例:セメントやモルタル、金属、ガラス)表面を被覆するコーティング剤、シート形成用組成物(シートの例:通気性シート、保護シート、遮水シート、制振シート、転写シート、調光シート、帯電防止シート、導電シート、養生シート、遮音シート、遮光シート、化粧シート、マーキングシート、難燃シート)、フィルム形成用組成物(フィルムの例:マーキングフィルム、保護フィルム、インキ定着フィルム、ラミネートフィルム)、発泡体形成用組成物(発泡体の例:硬質発泡体、軟質発泡体、半硬質発泡体、難燃発泡体)、制振材、遮音材、防音材、吸音材、人工皮革、人工皮膚、合成皮革、各種工業用部品、日用品、トイレタリー用等の成形体の形成用組成物、塗料用ビヒクル、プライマー用樹脂組成物、各種バインダー(例:インキ用バインダー、磁気記録媒体用バインダー、鋳造用バインダー、焼成体用バインダー、グラスファイバーサイジング材用バインダー)が挙げられる。
本組成物は、良好な架橋性を有することから、シーリング材形成用組成物として特に好適に用いられる。また、シーリング材形成用組成物には、作業効率を上げるために、良好なポットライフを有し、粘度が低く、硬化後には、外気温変化により伸縮する目地に追随する柔軟性および伸び物性が求められるところ、本組成物はこのような特性を有することができる。また、本組成物から得られるシーリング材は、機械強度にも優れる。
≪硬化物≫
本発明に係る硬化物は、本組成物から得られる。該硬化物は、具体的には、本組成物を硬化することで、得ることができる。
本組成物の硬化条件は特に限定されないが、例えば、本組成物を支持体上に塗布し、例えば10~80℃、20~90%RHの環境下に、好ましくは20~70℃、30~80%RHの環境下で所定時間硬化させる条件が挙げられる。
本発明に係る硬化物の形状、大きさ、厚み等は特に制限されず、用いる用途に応じて適宜選択すればよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
<数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)>
各重合体の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分析を行い、下記条件でポリスチレン換算により算出した。
・装置:GPC-8220(東ソー製)
・カラム:TSKgel G7000HXL/7.8mmID×1本+TSKgel GMHXL/7.8mmID×2本+TSKgel G2500HXL/7.8mmID×1本(いずれも東ソー製)
・媒体:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
・濃度:1.5mg/mL
・注入量:300μL
・カラム温度:40℃
[製造例1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン50部、n-ブチルアクリレート74.3部、ラウリルアクリレート14.8部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10部、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-502:信越化学工業製)0.91部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を60℃まで昇温した。次いで、フラスコ内の内容物を60℃に維持しながら、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-802:信越化学工業製)0.7部を添加し、30分攪拌後、初期開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.05部を添加し、重合を開始した。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.5部を30分毎に計4回添加した。初期開始剤の添加から360分経過後に、室温まで冷却し、共重合体溶液を得た。この共重合体溶液からロータリーエバポレーターで溶媒を除去することで、(メタ)アクリル重合体(A-1)を得た。重合体(A-1)のMnは2万、Mwは4万であった。
[製造例2~11]
使用した原料の種類および使用量を、表1に示した通りに変更したこと以外は製造例1と同様に行い、(メタ)アクリル重合体(A-2)~(A-11)を得た。
なお、表1中の原料の欄の数値は質量部を示す。
Figure 2022064209000001
表1中の各成分の記号の意味は以下の通りである。
・BA:n-ブチルアクリレート
・LA:ラウリルアクリレート
・2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
・ISA:イソステアリルアクリレート
・DM:2-ジメチルアミノエチルメタクリレート
・N-VP:N-ビニルピロリドン
・AAEM:2-アセトアセトキシエチルメタクリレート
・ブレンマーPME-100:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、n≒2(日油製)
・ブレンマーPME-200:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、n≒4(日油製)
・ブレンマーPME-400:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、n≒9(日油製)
・ライトアクリレートDPM-A:メトキシジプロピレングリコールアクリレート(共栄社化学製)
・KBM-502:3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業製)
・KBM-802:3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業製)
[実施例1]
(メタ)アクリル重合体(A-1)50部、エクセスターS2410(AGC製)25部、エクセスターS3430(AGC製)25部、触媒としてジブチル錫ジアセチルアセトナート(ネオスタンU-220H:日東化成製)0.66部、および、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Silquest A-171:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)1.32部をガラス瓶に量り取り、スパチュラで予備混合した後、自転・公転ミキサー(ARE-310、シンキー製)を用い、2000rpmで5分間混合し、硬化性組成物を得た。
<相容性>
2000rpmで5分間混合した直後の硬化性組成物を目視にて観察し、白濁の有無を確認した。透明であり、白濁がなかった場合を○とし、白濁していた場合を×として評価した。結果を表2に示す。
<島部の平均径>
得られた硬化性組成物を、硬化前の厚さが0.5mmになるように、テフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHで7日間硬化させることで硬化物を形成し、該硬化物をテフロン(登録商標)のシートから剥離することで試験片を作製した。
SEM(日立ハイテク製、S-4800)を用い、得られた試験片の断面のSEM像を撮影し、海島構造の有無を確認した。3分間の電子ビームの照射後でも海島構造が観察されなかった場合を「なし」と表記し、海島構造が観察された場合、その島部の平均径を測定した。結果を表2に示す。SEMの測定条件は、加速電圧20.0kV、ワーキングディスタンス8.0mm、倍率1000~3000倍とした。
なお、SEM像中の任意の10個の島部の径を測定し、その算術平均を島部の平均径とした。島部が真円でない場合は、長径を島部の径とした。
[実施例2~11、比較例1~4]
配合組成を表2に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物および試験片を作製し、各種評価を行った。
実施例2で得られた試験片のSEM像を図1に示し、比較例1で得られた試験片のSEM像を図2に示す。
Figure 2022064209000002
<硬化物の機械特性の評価>
・物性評価用混合液の作製
表3に示す、重合体(A)50部、重合体(B)50部、可塑剤としてアクリル共重合物(アルフォンUP-1110、東亞合成製)55部、充填剤として炭酸カルシウム(白艶華CCR、白石カルシウム製)140部、チクソ剤として脂肪酸ポリアマイドワックス(ディスパロン6500、楠本化成製)2部、触媒としてジブチル錫ジアセチルアセトナート(ネオスタンU-220H、日東化成製)2部、助触媒としてγ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest A-1122、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)2部、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Silquest A-171、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)3部をポリプロピレン製カップに量り取り、スパチュラで予備混合した後、自転・公転ミキサー(ARE-310、シンキー製)を用い、2000rpmで5分間混合することで、混合液(I)を作成した。
・破断伸び
得られた混合液(I)を硬化後の厚さが2mmになるように、テフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHで14日間硬化させることで硬化物を形成し、該硬化物をテフロン(登録商標)のシートから剥離することで試験片を得た。
得られた試験片を3号ダンベル型に打ち抜いた後、オートグラフ(AG-X、島津製作所製)を用い、引張速度100mm/minで試験片が破断するまで引き伸ばし、破断するまでの長さを求め、試料長さから伸び率をパーセンテージで表した。結果を表3に示す。
なお、破断伸びは靭性の指標であり、高い方が良好である。
Figure 2022064209000003

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル重合体(A)と、オキシアルキレン重合体(B)と、硬化触媒(C)とを含む硬化性組成物であって、
    前記(メタ)アクリル重合体(A)および前記オキシアルキレン重合体(B)はそれぞれ独立に、トリ置換シリル基を有し、
    前記トリ置換シリル基中の置換基はそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、3つの置換基のうち少なくとも1つは、炭素数1~20のアルコキシ基または水酸基であり、
    前記(メタ)アクリル重合体(A)が、前記硬化触媒(C)に配位可能な基を有する、
    硬化性組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル重合体(A)が有する前記硬化触媒(C)に配位可能な基が、ジアルキルアミノ基、アセトアセトキシ基およびピロリドン基から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル重合体(A)が、さらに炭素数10~18のアルキル基を有する、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル重合体(A)が、さらに、ヒドロキシアルキル基およびアルコキシアルキル基[これらの基において、アルキル基の炭素数はそれぞれ独立に1~3であり、アルコキシ基の炭素数は1~20である。]から選択される少なくとも1種を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)が5,000を超えて50,000以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記硬化触媒(C)が、可逆的に脱離可能な有機配位子を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記硬化触媒(C)が、下記式(3)で示される有機錫触媒(C1)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    式(3):R3 3-m-Sn-Xm+1
    [式(3)中、R3は独立に、炭素数1~20のアルキル基または炭素数1~20のアルコキシ基であり、Xは独立に、有機配位子であり、mは0~3の整数である。なお、式(3)が複数のR3を有する場合、該複数のR3は互いに結合して環を形成していてもよく、式(3)が複数のXを有する場合、該複数のXは互いに結合して環を形成していてもよい。]
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性組成物から得られた硬化物。
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