JP2022063424A - 車両用ウィンドモールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シングルアクションプレス装置による略V字状のウィンドモールの加工工程を合理化して大幅な工数削減を図るウィンドモールの製造方法を提供する【解決手段】油圧ダイクッション機構10を備えたプレス装置Aを用い、プレス装置Aの下型21に配置された油圧ダイクッション機構10の油圧力と、プレス装置Aの下降する上型22のプレス加工圧力とによってウィンドモール全体形状に打ち抜かれたワークWを上型22の下死点手前で挟持してフォーム加工しつつ、上型22の下死点に至る更なる下降時に挟持されたワークWの略V字状に延びる一対の辺のほぼ全長にわたるフランジ部の加工と最大90度までのベンド加工を行う第一のステップと、カム駆動もしくは油圧駆動による押圧式ベント型具を用いて前記フランジ部の少なくとも一部を90度以上に曲げてアンダーカット部を形成するベント加工を一工程で行う第二のステップから構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に取り付けられるリアクォータウィンドなどのウィンドガラスの周囲を装飾するウィンドモールの製造方法に関し、より具体的にはウィンドモール製造方法の改善に関する。
図4(a)は、車両の後部座席に当たる部分に取り付けられたリアクォータウィンドのウィンドガラスGと、当該ウィンドガラスGの周りを装飾する本発明の対象とするウィンドモールMを示している。ウィンドガラスGは周囲のボデーラインに沿って流れるような一体感のあるデザインが付与され、一般にはウィンドガラスGを保持するための合成樹脂材とウィンドモールMその他のガラス周辺部品を一体成形したモジュールウィンドとしてボデーに取り付けられる。取り付けは合成樹脂材に固定されたクリップをボデー側に設けられた孔に押し込んだり、あるいは接着などにより行われる。図示のようにウィンドガラスGの形状は各車ともおおまかには略三角形状であり、その三辺の内のドアボデーDにつらなるウィンドガラスGの一片にはモールはなく、残りの二片を囲うようにウィンドモールMが配置される。
図4(b)は図4(a)に例示したリアクォータウィンドガラスGに取り付けられたウィンドモールMを示しており、一般にステンレス材をプレス加工により成形している。ウィンドガラスGの形状にもよるが、ウィンドモールMは上述した略三角形状の内の二辺を囲うようにモール材の略中央部分が曲げられて一対の自由端同士が対向して延在する形状となり、外観的には略V字状、略U字状、あるいは略「つ」の字状の形状を呈するものとなる。この特殊な形状を表すのに絵文字を使って表現した先行文献も見られるが(例えば特許文献1参照。)、本明細書ではこれらの形状を総称して「略V字状」と呼ぶものとする。ただし、ここでいう「V」の二辺は必ずしも直線ではなく曲線である場合を含み、また折り返し部分もエッジ状に拘らず曲線状に二辺が結ばれる場合を含む。加えて、当該V字状の二辺の長さは必ずしも等しいことに限定されないものとなる。
図4(b)にはウィンドモールMの幾つかの断面における断面形状を示している。これらは単なる例示であるが、ウィンドモールMはウィンドガラスと共に射出成形機金型内にインサートとしてセットされた状態で塩化ビニール樹脂などの合成樹脂材で射出成形されて固定される。このためウィンドモールMの断面形状は合成樹脂材から分離しないような形状とする必要があり、具体的には少なくともウィンドモールMの一部の断面でアンダーカット部、すなわち断面で見たときに両脇の少なくともいずれか一方が絞られた状態の部位を含む形状とし、ウィンドモールMが合成樹脂材に喰い込んで抜けない状態とすることが望ましい。同図に示す例では、A-A断面とC-C断面にアンダーカット部が見られる。後述するように、このことがウィンドモールの板金加工を複雑なものとしている。
なお、以上ならびに以降の説明ではリアクォータウィンドのウィンドモールを例にして述べるが、車両の中にはフロントドアの前方でフロントウィンドシールドガラスとの間にも同様に略三角形状のウィンドガラスが配置されることがあり、あるいはリアクォータガラスGに相当する部分がドアボデー側に組み込まれる例もある。これらのウィンドガラスも同様に周囲のボデー曲線に沿って一体感を醸成するような曲面でデザインされ、ウィンドモールと共に樹脂材で一体成形されるケースがある。本明細書でウィンドモールという場合にはリアクォータウィンドガラス用に限定されず、フロントウィンドガラスほかその他のウィンドガラスに適用される同様形状のモールをも包含するものとする。
図5は、図4(b)に示すようなウィンドモールMの典型的なプレス成形による加工工程を示している。図は上から工程順に示しており、その各加工概要を白抜き矢印で右側に図示している。上から順番に第一工程はブランク工程で、ここではシート材あるいはコイル材から製品の全体形状となる略V字状のワークWを平板に打ち抜いている。次の第二工程はフォーム工程で、打ち抜かれた平板をウィンドガラスの形状に沿うようキャラクタラインを整え、外部に露出するフェイス面を成形する。ウィンドモールは長手方向に均一な幅、断面ではなく、特にV字状に折り曲がる部分では幅広となってボデーラインに沿うデザインが付与されることが普通であり、その全体形状を当該第二工程でプレス成形する。第三工程はフランジ工程で、三次元形状ではあるが略平板状であったモール材の長手方向に延びる両縁を必要に応じて図の黒矢印で示すように最大90度まで曲げ、長手方向のほぼ全長にわたってフランジ部を形成する。
次の第四工程はベンド(1)工程で、長手方向に延びる前記フランジ部の少なくとも一部を90度からさらに深く曲げ、曲げ部分が鋭角になるように成形する。これによってウィンドモールMにアンダーカットが形成されることになり、合成樹脂材に対するモールの喰い付き力が確保される。この加工をモールの長手方向全長にわたって必要個所に同時に行うと略V字状に曲がっているため型抜きができなくなることから、この第四工程では上側の黒矢印で示す略V字状の一方の辺のみを加工する。続いて第五工程としてベンド(2)工程を設け、先の辺に対向して延在する下側の黒矢印で示す略V字状の他方の辺に同様に曲げ加工することで型抜きを可能にしている。そして最後に第六工程してリストライク工程を設けている。これは上述した手順では多工程にわたる加工によることもあって位置決めズレ、形状フィットが困難となり、製品精度安定性が必ずしも良好でない場合があるため型押しのリストライクによる矯正を施すことによって精度出しを行うものである。加工性の劣るステンレスモールの場合には、製品精度を確保するために当該リストライク工程が重要となる。従来技術では以上の手順によりワークWを加工することによりウィンドモールMを完成させている。
特開平4-333336号公報 特開2007-118017号公報
車両用のモールは各種あるが、一定の断面を有する連続的なモール(例えばベルトラインモール)などではロール成形などの他の成形手段も可能であるが、これとは異なって断面形状が複雑に変化するリアクォータウィンド用などのウィンドモールにはこれがそのまま適用できず、もっぱらプレス成形によるものとしている。しかもその場合には形状複雑な故に上述したようなプレス装置によるいくつもの工程を経ての成形となる。このため、従来技術によるこの多くの工程数を大幅に削減することが可能なシンプルな改善されたウィンドモールの製造方法が求められていた。
上述した従来技術における課題に対し、本発明は油圧クッション装置を備えたシングルアクションプレス装置の使用と、押圧式ベント型具の利用を組み合わせることによって加工工程を削減してこの課題を解消するもので、具体的には以下の内容を含む。
すなわち、本発明に係る一つの態様は、車両に取り付けるウィンドガラスの外周の一部を装飾する略V字状のウィンドモールを製造するウィンドモールの製造方法であって、油圧ダイクッション機構を備えたシングルアクションプレス装置を用い、下型に配置された前記油圧ダイクッション機構の油圧に下支えされたワークホルダに載置された略V字のワークを、下降する上型の下死点手前で上型と前記ワークホルダとの間で挟持してフォーム成形しつつ、上型の下死点に至るさらなる下降の間に前記略V字状のワークの周囲を最大90度まで曲げてフランジ部を形成するステップと、押圧式ベント型具を用いて前記略V字状の周囲に形成された前記フランジ部の少なくとも一部を90度以上に曲げてアンダーカット部を形成するベント加工を一工程で行うステップと、から構成されることを特徴とするウィンドモールの製造方法に関する。
本発明に係る他の態様は、車両に取り付けるウィンドガラスの外周の一部を装飾する略V字状のウィンドモールを製造するウィンドモールの製造方法であって、製品形状のワークを型抜きする第一工程と、前記ワークへのキャラクタライン及びフェイス面の成形と、略V字状に対向して長手方向に延びる該ワークの一対の辺のほぼ全長にわたってフランジ部を設ける最大90度までの曲げを行う第二工程と、前記フランジ部の少なくとも一部を90度以上に曲げてアンダーカット部を形成する第三工程との各ステップからなり、前記第二工程は、油圧ダイクッション機構を備えたシングルアクションプレス装置により、上型の下死点到達前から前記油圧ダイクッション機構の油圧を利用してキャラクタライン及びフェイス面の成形をしつつ、前記下死点に至る間に前記フランジ部を形成し、前記第三工程は、プレス装置により押圧式ベント型具を用いて前記フランジ部の両側からカム駆動による加工圧力を加えることにより、もしくは油圧動作する押圧式ベント型具を用いて前記フランジ部の両側から油圧による加工圧力を加えることにより、前記アンダーカット部を形成することを特徴とするウィンドモールの製造方法に関する。
上述した第二工程におけるキャラクタライン及びフェイス面の成形は、プレス装置の動作によって下降する上型に設けられた成形部位と、プレス装置の下型に配置された油圧ダイクッション機構に設けられたワークホルダとの間の加圧力により行うことができる。また、当該第二工程におけるキャラクタライン及びフェイス面の成形時の加圧力は少なくとも略80トンとすることが好ましい。
上述した第三工程におけるアンダーカット部の形成には押圧式ベント型具が用いられ、当該押圧式ベント型具は、略V字状に長手方向に延びるウィンドモールの2辺をそれぞれ挟んで外側と内側から加圧するよう構成された一対のアウタ型具と一対のインナ型具とを含み、当該4つの型具がカム駆動されることにより、もしくは油圧駆動されることによりアンダーカット部を形成することができる。押圧式ベント型具を構成する前記計4つの型具の内、いずれか1つが固定され、残りの他の3つの型具が駆動されるよう構成してもよい。
本発明の実施により、従来では6工程のプレス加工を必要としたものを3工程のプレス加工に大幅に工程削減することができ、加工工数の低減、設備稼働率の向上、要員削減、コスト削減などに貢献できるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施の形態で使用する油圧ダイクッション機構を備えたシングルアクションプレス装置の概要を示す正面断面図である。 本発明の実施の形態に係るウィンドモールの加工フロー並びに加工概要を示す説明図である。 本発明の実施の形態で使用するカム駆動による押圧式ベント型具を示す平面図である。 車両のリアクォータウィンドガラス(a)と同ウィンドモール(b)の概要を示す説明図である。 図4(b)に示すウィンドモールの従来技術による加工フロー並びに加工概要を示す説明図である。 従来技術におけるクッション棒を使用したシングルアクションプレス装置による絞り加工の概要を示す正面断面図である。
本発明の実施の形態に係るウィンドモールの製造方法について図面を参照して説明する。上述したようにここではリアクォータウィンド用のウィンドモールを例にして説明するが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。但しウィンドモールの形状として、おおまかに三角形形状のウィンドガラスの内の1辺を除く他の2辺の外周を略V字状に囲んで装飾するモールであり、かつモールの長手方向に延びる全長の少なくとも一部にアンダーカットを含んだウィンドモールを対象としている。本実施の形態に係る製造方法では、油圧式のクッションダイを備えたシングルアクションプレス装置を使用すること、ならびにカム駆動もしくは油圧駆動される押圧式ベント型具を使用することを特徴としている。
図6は、従来技術で知られるクッション棒を備えたシングルアクションプレス装置による加工の概要を示している(例えば、特許文献2参照。)。当該プレス装置B2は、下型(凸金型)121、上型(凹金型)122、スライダ123 、ワークホルダ(ブランクホルダ)125、クッション棒126、およびベッド128から構成されている。このシングルアクションプレス装置B2 は、スライダ123によって上型122が下降し、ワークホルダ125に保持されたワーク(ブランク材)Wを、ベッド128上に固定された下型121に押し付けて絞り加工を行う形式のプレス装置である。下降するスライダ123によって上型122が下死点の手前でまずワークホルダ125に載置されたワークWに接してこれを両者の間に挟持し、スライダ123のさらなる下降によって当該挟持されたワークWがスムーズに下方向へ降下できるようクッション棒126には適度な弾性が付与されて収縮可能であるとされている。その間にワークWは下型121と上型122の間のプレス加圧力によって絞り加工がされる。上型122とワークホルダ125の間に挟まれたワークWの部分は、上・下型121、122の絞りによる皺の発生を抑えるため保持された状態が維持されつつも、絞りの押し込みに対応してワークWの割れを防ぎ、材料の伸び代を提供するため上型122とワークホルダ125の間を僅かに滑って型内部方向に移動する。クッション棒126は、この滑りを許容するよう適切な抑え力となる弾性を及ぼす。このような構成とすることで、シングルアクションプレス装置でありながらダブルアクションプレス装置に類似した作用効果を及ぼすものとしている。
しかしながら上記の構成では、クッション棒126が弾性材により形成されているとはいえ、クッション作用は安定性に欠け、またクッション棒126が及ぼす弾性力にも限界がある。そこで本実施の形態では、このクッション作用をクッション棒126に代えて油圧ダイクッション機構を利用して行うものとしており、その具体的な構造を図1に示す。図1において、本実施の形態で使用するシングルアクションプレス装置A(以下、単に「プレス装置A」という。)は、下型21、上型22、スライダ23 、ベッド28から構成され、さらに加えて従来技術のクッション棒126(図6参照)に代え、下型21に配置される油圧ダイクッション機構10を備えている。当該油圧ダイクッション機構10は、下型21内に設けられる油圧シリンダ11、ワークホルダ(ピストン)12と、油圧を発生させるオイルポンプ13、サーボモータ14、油圧配管15とから構成されている。
以上のように構成されたシングルアクションプレス装置Aの動作は、まず上・下型21、22が開いた状態でワークWがワークホルダ12の上に載置される。続いてスライダ23が下降を始め、下支点の約50mm手前で上型22から突出した部分である成形部位22aがワークWに接し、ワークWを成形部位22aとワークホルダ12の間に挟持する。ワークホルダ12のワークWが載置される面には、成形部位22aに対応する成型面が設けられている。図1はその時のワークWが挟持された状態を示す。その後、スライダ23がそのまま下降を続けると、ワークホルダ12には図の下方から油圧が作用していることで挟持されたワークWに加圧力が作用する。スライダ23がさらに下降して下死点に向かうと、ワークWは挟持されたまま上型22と同時に下降し、この際にワークWは下型21の成形部位21aに接してワークWの周囲が最大90度まで曲げられ、フランジが形成される。その間、成形部位22aとワークホルダ12の間に挟持されたワークWの部分は上型22の成形部位22aによって押し下げられるもののワークホルダ12の背後に油圧ダイクッション機構10が動作して油圧が下支えしているため、当該挟持されたワークWの部分を加工するに十分な成形加圧力が加わる。
本実施の形態ではこのように動作する油圧ダイクッション機構10による加圧力を利用するプレス装置AによりワークWの加工を行うものとしている。図6に示す従来技術のプレス装置B2では、ワークホルダ125によって挟持される部分は、絞り時のワークWの伸び代を提供する滑りを許容するようその加圧力は高々30トンほどで十分であった。したがって市場で入手できるプレス装置B2におけるクッション棒126に要求される弾性抗力、あるいは、ウィンドモールなどの小物部品を加工するプレス装置が装備する油圧ダイクッション機構においても、加圧力はその程度が限界となっていた。この際の油圧ダイクッション機構10によって生ずる加圧力は、サーボモータ14の作動によってオイルポンプ13が生み出す油圧圧力となるが、実際には上型が下降するために押し下げられるワークホルダ12によってシリンダ11内の圧力が高まり、オイルが逆流する際のオイルポンプ13とサーボモータ14の抵抗力によってその油圧力が維持されるものとなる。
本実施の形態において使用される図1に示すプレス装置Aの油圧ダイクッション機構10では、この加圧力を80トン程度にまで高め、これによって成形部位22aとワークホルダ12との間で挟持されたワークWの部位に実質的にプレス加工の成形加圧力に匹敵する加圧力を付与するものとしている。この加圧力増強手段としては、例えば配管15のいずれかの位置にオイルの流量調節可能な逆止弁を設けたり、あるいはオイルポンプ13に逆回転制動ブレーキを設置したりするなどの方策が考えられる。その際、所定以上の油圧が作用した場合の安全対策として、油圧配管15のいずれかの位置にアキュムレータを配置したり、コンピュータ制御装置を備えたりするのは自由である。そして、当該加圧力を利用して、前工程で打抜かれたモール素材であるワークWをワークホルダ12と成形部位22aにより加圧加工しつつ、下型21と上型22は挟持されたワークWの周囲に約90度まで折り曲げるフランジ加工を施すものとしている。
図2は、本実施の形態におけるモール加工工程のフロー(左側)とワークWの加工概要(右側)を示している。左側に示すワークフローの上から順番に、第一工程は「ブランク工程」で、ここではシート材あるいはコイル材から製品形状を打ち抜くもので、図5に示す従来技術による第一工程と同様である。次に第二工程の「フォーム&フランジ工程」では、上述した加圧力を高めた油圧ダイクッション機構10を利用して、図5の従来技術におけるキャラクタラインを整え、外部に露出するフェイス面を成形する従来の第二工程と、ワークをワークホルダ12で保持したままの状態で上型、下型21、22によりワークの長手方向の両脇を必要に応じて最大90度まで曲げ、略V字形状に沿った長手方向のほぼ全長にわたってフランジ部を形成する従来の第三工程とを同時に行うものとしている。すなわち、図2に示す第二工程では図5に示す従来技術による加工方法に対して一工程を削減することを可能にしている。
図2に示す次の第三工程の「カムベンド工程」では、図5に示す従来技術の第四工程「ベンド(1)加工」と第五工程「ベンド(2)加工」を同時に行うものとしている。両ベンド加工は、黒塗り矢印で示すように前の工程で形成された長手方向に延びるフランジ部の少なくとも一部を90度からさらに深く曲げ、曲げ部分が鋭角になるように成形するものであるが、これによって略V字状となったモールの少なくとも一部にアンダーカットが形成される。従来技術では離型が可能となるよう、図5に示すように第四、第五の2工程に分けてこれを行っていたが、本実施の形態ではプレス装置を用いながら特殊な「カムベンド加工」を行うことでこれを1工程で済ませるものとしている。
図3は当該第三工程で使用されるカムベント加工を行う押圧式ベント型具(下型)21を真上から(上型22の方から)見た状態で示している。下型はワークW(図では細い代表断面で示す)を挟むようにして略V字状の外周側に一対のアウタ型具24a、24b、内周側に一対のインナ型具25a、25bが配置される。アウタ型具24a、24bとインナ型具25bは白抜矢印で示すようにワークWに対して水平方向に前進・後退のスライド移動が可能である。このスライドには、図示しない上型22に設けられ、上型22と共に下降する楔状の傾斜面を備えたカムドライバと、当該カムドライバに接触するよう下型21の型具24a、24b、25bにそれぞれ設けられた、同じく傾斜面からなるカムフォロア31からなるカム駆動機構が利用されている。当該カム駆動により、アウタ型具24a、24bとインナ型具25a、25bによってワークWを両側から押し込み、加圧力を加えることによってワークWのフランジの曲げを90度からさらに追い込む加工を施す。本実施の形態ではこの時にカムドライバの垂直方向の傾斜角を35度としているが、この角度は必要に応じて適宜変更可能である。
以上のように構成されたカムベント加工用の押圧式ベント型具21の動作は、当該型具21にワークWがセットされた後、上型22が下降し、上型22に設けられた各カムドライバが対応する各型具24a、24b、25bのカムフォロア31に向けてそれぞれ下降、接触してこれを駆動する。各型具24a、24b、25bにはこのため破線で示すスライド溝32が設けられ、各スライド溝32は図示しないレールにはまっている。カムフォロア31を備えたアウタ型具24a、24bとインナ型具25bは白抜き矢印で示すようにワークWに向かって水平方向に前進し、ワークWを両面から加圧することでフランジ部にさらなる曲げを追加し、アンダーカット部を形成する。加工後には上型22の上昇によってカムドライバが上方に後退して各カムフォロア31が解放され、前進した各型具24a、24b、25bがバネ力によって白抜き矢印の逆方向に後退することでワークWの取り出しが可能となる。以上が第三工程における加工動作となり、図5に示す従来技術の第四、第五の工程をまとめて一工程で実施するものとなる。
なお、本実施の形態ではインナ型具25aのみはスライドせず固定式としているが、これはその他のスライド移動する型具24a、24b、25bが加工後にワークWから後退してワークWの離型が可能になるため、わざわざ型具25bをスライドさせるまでもないだけであって、必要に応じてインナ型具25aも他の型具と同様にスライドさせることも可能である。あるいは固定する型具をインナ型具25aではなく、ワークWの離型が可能である限り他のいずれかの型具を固定することでもよい。インナ、アウタの各型具の内のいずれか1つを固定式とすることでワークW加工時にワークWを押圧式ベント型具21に位置決めする際に利用できて便利である。
図2に戻って、本実施の形態ではこの第三工程によってウィンドモールMの加工の全てが完了している。図5に示す従来技術では第六工程として最後にリストライク工程を加え、製品形状の矯正を行っているが、本実施の形態によれば、加工工程が少なく、加えて第二工程におけるフォーム加工が油圧ダイクッション機構10による油圧に下支えされて高い加圧力によって行われているため、この間に矯正と同等の加圧効果を生じさせていることから、改めてのリストライク工程を不要としている。すなわち、本実施の形態における第二工程は、図6に示す従来技術の第二、第三に加えて第六の三つの工程をまとめて実施しているものとなり、これによって二工程が削減されている。
以上をまとめるに、本実施の形態に係るモール加工方法によれば、油圧ダイクッション機構10を備えたシングルアクションプレス装置Aを用いることで、従来ブランク工程、フォーム工程、フランジ工程、リストライク工程の4工程を必要としていたものをブランク工程とフォーム工程の2工程で済ますことができる。加えて、下型としてカムベント加工用の押圧式ベント型具21を用いることで2工程必要であったベント工程を1工程で済ますことができる。これによって全体では計6工程あった従来の加工方法を半分となる3工程に大幅削減する改善効果を生み、これに伴う工数削減、設備稼働率の改善、コスト低減に寄与する効果を奏するものとなる。
以上述べた本実施の形態に係るウィンドモールMの製造方法には変形の態様が考えられる。油圧ダイクッション機構10を備えたプレス加工によってフランジ部まで設けられたワークWを上記態様では第三工程でプレス装置を用いることでカムベント加工用の押圧式ベント型具21を駆動し、アンダーカット部を形成するものとしている。当該加工はプレス装置を用いることなく、油圧動作する小型の押圧装置を用いることによっても可能である。すなわち、図3に示すカムベント加工用と同様な油圧駆動による押圧式ベント型具を用い、同図のスライド移動する型具24a、24b、25bのカムフォロア―31が表示された箇所に水平方向に動作する油圧シリンダを配置する。加工時にはまずワークWを所定位置にセットし、その後油圧シリンダを動作させることで各型具24a、24b、25bを先の態様と全く同様にワークWに向けて前進させ、ワークWを両側から挟んでアンダーカット部を形成することができる。また加工後には油圧を解除することで各型具24a、24b、25bは後退し、ワークWの取り出しが可能となる。固定する型具をインナ型具25a以外のものとすることも自由である。
以上述べたような油圧駆動式の押圧式ベント型具を用いることのメリットとしては、装置が小型化できることのほか、カムベント加工式ではカムの傾斜角によって上型の下降による垂直方向の押圧力が水平方向の分力となって減退するのに対して、直接水平方向に動作する油圧シリンダであればロスが少なく、駆動抵抗も軽減されるため加工圧力が少なくて済む。アンダーカット部はワークWの全周ではなく一部に形成されることから、加工圧力そのものもプレス装置を必ずしも必要としていない。当該押圧式ベント型具とした場合には、図3に示すカムフォロア―31は全て不要となり、また上型に配置されるカムドライバも不要となる。これらによって上下型間の調整は不要となり、故障の低減、耐久性の向上にもつながり得る。上記油圧シリンダは必ずしもカムフォロア―31の各箇所に配置する必要はなく、アンダーカット部に対応する適切な位置に配置することでよい。
なお、これまでの説明においてはステンレス製のウィンドモールを例としていたが、本実施の形態ではステンレス製に限定されることなく、例えばアルミニウム製のモールや、加工前または加工後にメッキ、塗装、印刷などの表面処理を施すスチール製のモールなどに対しても同様に適用することが可能である。
本発明に係るウィンドモール製造方法は、ウィンドモールを生産する産業分野、ウィンドモールを備えた車両を生産し、販売する産業分野において広く利用することができる。
10:油圧ダイクッション機構、 11:油圧シリンダ、 12:ワークホルダ、 13:オイルポンプ、 14:サーボモータ、 15:油圧配管、 21:下型、押圧式ベント型具、 21a:成形部位、 22:上型、 22a:成形部位、 23:スライダ、
24a、24b:アウタ型具、 25a、25b:インナ型具、 28:ベッド、 31:カムフォロア、 32:スライド溝、 A:シングルアクションプレス装置、 D:ドア、 M:ウィンドモール、 W:ワーク

Claims (6)

  1. 車両に取り付けるウィンドガラスの外周の一部を装飾する略V字状のウィンドモールを製造するウィンドモールの製造方法において、
    油圧ダイクッション機構を備えたシングルアクションプレス装置を用い、下型に配置された前記油圧ダイクッション機構の油圧に下支えされたワークホルダに載置された略V字のワークを、下降する上型の下死点手前で上型と前記ワークホルダとの間で挟持してフォーム成形しつつ、上型の下死点に至るさらなる下降の間に前記略V字状のワークの周囲を最大90度まで曲げてフランジ部を形成するステップと、
    押圧式ベント型具を用いて前記略V字状の周囲に形成された前記フランジ部の少なくとも一部を90度以上に曲げてアンダーカット部を形成するベント加工を一工程で行うステップと、
    から構成されることを特徴とするウィンドモールの製造方法。
  2. 車両に取り付けるウィンドガラスの外周の一部を装飾する略V字状のウィンドモールを製造するウィンドモールの製造方法において、
    製品形状のワークを型抜きする第一工程と、
    前記ワークへのキャラクタライン及びフェイス面の成形と、略V字状に対向して長手方向に延びる該ワークの一対の辺のほぼ全長にわたってフランジ部を設ける最大90度までの曲げを行う第二工程と、
    前記フランジ部の少なくとも一部を90度以上に曲げてアンダーカット部を形成する第三工程と、
    の各ステップからなり、
    前記第二工程は、油圧ダイクッション機構を備えたシングルアクションプレス装置により、上型の下死点到達前から前記油圧ダイクッション機構の油圧を利用してキャラクタライン及びフェイス面の成形をしつつ、上型の下死点に至るまでに前記フランジ部を形成し、
    前記第三工程は、プレス装置によりカム駆動による押圧式ベント型具を用いて前記フランジ部の両側から加工圧力を加えることにより、もしくは油圧動作する押圧式ベント型具を用いて前記フランジ部の両側から油圧による加工圧力を加えることにより、前記アンダーカット部を形成することを特徴とするウィンドモールの製造方法。
  3. 前記第二工程におけるキャラクタライン及びフェイス面の成形が、前記プレス装置の動作によって下降する上型に設けられた成形部位と、当該プレス装置の下型に配置された前記油圧ダイクッション機構に設けられたワークホルダとの間の加圧力により行われる、請求項2に記載のウィンドモールの製造方法。
  4. 前記第二工程におけるキャラクタライン及びフェイス面の成形時の加圧力が少なくとも約80トンである、請求項3に記載のウィンドモールの製造方法。
  5. 前記第三工程における押圧式ベント型具は、略V字状に長手方向に延びるウィンドモールの2辺をそれぞれ挟んで外側と内側から加圧するよう構成された一対のアウタ型具と一対のインナ型具とを含み、当該4つの型具がカム駆動もしくは油圧駆動されることによりアンダーカット部を形成する、請求項2に記載のウィンドモールの製造方法。
  6. 前記押圧式ベント型具を構成する前記計4つの型具の内、いずれか1つが固定され、残りの他の3つの型具が駆動される、請求項5に記載のウィンドモールの製造方法。
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