JP2022062332A - オゾン発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筐体の導入口や放出口からの前記紫外線の漏洩防止と、オゾンの発生効率向上を、簡単且つ低コストの構成で実現するオゾン発生装置を提供する。【解決手段】 導入口32a及び32bを持つ下位空間S1内に、仕切板13の透孔13aを介して空気を上位空間S2に送るファンモーター21を設ける。放出口31aを持つ上位空間S2内に、オゾン発生用紫外線を放射する紫外線ランプ24をファンモーター21と重なる位置に設け、遮光板25を紫外線ランプ24と重なる位置に設ける。仕切板13で、上位空間S2内での紫外線ランプ24からの紫外線を遮光して、導入口32a及び32bからの漏洩を防止する。遮光部材25で、上位空間S2内での前記紫外線の放出口31aからの漏洩を防止し、且つ、紫外線ランプ24の周囲の空気の流れを制御する。仕切板13と遮光板25の間での前記紫外線の照射によりオゾンを集中的に発生させる。【選択図】 図2

Description

本発明は、殺菌、脱臭等に使用されるオゾン発生装置に関し、さらに言えば、筐体内に設置された紫外線ランプを用いて、前記筐体の導入口から前記筐体内に導入された空気中の酸素から所望濃度のオゾンを発生させ、発生したオゾンを空気と共に前記筐体の放出口から外部に吹き出すように構成されたオゾン発生装置に関する。
紫外線ランプは、通電により特定波長の紫外線を放射するランプであり、空気殺菌や脱臭等、種々の目的で以前から使用されている。例えば、波長253.7nmの紫外線は、その照射により細菌やウィルス等の微生物を死滅させる作用(殺菌作用)を持つ。また、波長184.9nmの紫外線は、空気に照射することにより発生するオゾンの働きにより、悪臭成分を破壊する作用(脱臭作用)だけでなく、細菌やウィルス等の微生物を死滅させる作用(殺菌作用)を持つ。
筐体内に設置された紫外線ランプが放射する紫外線を、前記筐体内に導入した空気に照射してオゾンを発生させ、発生したオゾンを前記空気と共に前記筐体から外部に放出するように構成されたオゾン発生装置は、以前から知られている。
例えば、特許文献1に開示されたオゾン脱臭装置は、基体の所定箇所に、オゾンを発生可能な波長の紫外線を放射する紫外線ランプを配置し、前記基体に前記紫外線ランプを包囲するカバーを設置した構成を有している。前記基体と前記カバーは、前記紫外線ランプを収容する筐体を構成する。そして、前記紫外線ランプにより前記筐体内の空気に紫外線を照射することで、前記筐体内にオゾンを発生させるようにしている。前記紫外線ランプの周囲には、空気流発生手段により、前記紫外線ランプの周囲で発生したオゾンを前記紫外線ランプから遠ざける空気流が発生するようになっている。
前記空気流発生手段は、例えば、前記カバーと、前記カバーの上面部と下面部にそれぞれ設けられた通気口とから構成され、前記紫外線ランプの作動時の発熱により、前記カバー内に前記下面部の通気口から前記上面部の通気口に向かって流れる上昇気流が、前記空気流として使用される。前記空気流発生手段は、送風ファンから構成することもでき、この場合は、前記空気流が、前記カバーの相対する一組の面部に設けられた一方の通気口から他方の通気口に向かって流れるように構成される。
以上のような構成を持つ特許文献1のオゾン脱臭装置では、前記空気流発生手段によって、前記紫外線ランプの周囲で発生したオゾンを前記紫外線ランプから遠ざける空気流が発生するため、前記紫外線ランプから放射された紫外線により空気から発生するオゾンの一部が、その紫外線や前記紫外線ランプが発生する熱によって分解してしまうのを抑制しつつ、十分な量のオゾンを大気中に拡散できる、とされている(要約、請求項1~6、図1~図4、段落0006~0043参照)。
また、特許文献2に開示された脱臭殺菌装置では、導入口と放出口を設けた筐体の内部に、オゾンを発生可能な波長の紫外線を放射する紫外線ランプを配置し、前記紫外線ランプから放射される紫外線を前記筐体内に導入した空気に照射することで、前記筐体内にオゾンを発生するように構成している。この点は、上述した特許文献1に記載のオゾン脱臭装置と同様である。前記筐体内には、外部の空気を前記紫外線ランプの周囲に送風して循環させるためのファンが設置されており、前記紫外線ランプの周囲で発生するオゾンが空気と共に流動するようにしている。前記紫外線ランプは、例えば石英製の放電容器の外面に酸化チタン(TiO)、酸化セリウム(CeO)等からなる光学的干渉膜が被覆されていて、オゾンを発生させる波長185nmの紫外線の透過光量が、殺菌作用を持つ波長254nmの紫外線の透過光量に対して、透過光量比が微量(例えば2%)となるように調整されている。
以上のような構成を持つ特許文献2の脱臭殺菌装置では、前記紫外線ランプが、波長185nmの紫外線の透過光量が波長254nmの紫外線の透過光量に対して微量(例えば2%)となるように構成されているため、特別な制御装置を付加することなく、安価且つ簡単な構成で確実に過剰なオゾンの発生を抑止できる、とされている(要約、図1、段落0004~0017参照)。
特開平9-24092号公報 特開2002-102326号公報
ところで、上述した特許文献1に記載のオゾン脱臭装置では、前記紫外線ランプの周囲で発生したオゾンを前記紫外線ランプから遠ざける空気流が存在するから、前記紫外線ランプの周囲で発生したオゾンを迅速に前記紫外線ランプから遠ざけることができ、したがって、前記オゾンが前記紫外線ランプから放射される紫外線と熱を受け取る時間が短縮され、その結果として、前記オゾンの一部の分解が抑制される。また、特許文献2に記載の脱臭殺菌装置では、常時、波長254nmの紫外線の光量に対して、オゾンを発生させる波長185nmの紫外線の光量を相対的に小さくされているため、過剰なオゾンの発生が確実に抑止される。
しかし、特許文献1のオゾン脱臭装置及び特許文献2の脱臭殺菌装置のいずれにおいても、前記筐体に設けられた空気の導入口とオゾン(オゾン含有空気)の放出口からの前記紫外線の漏洩を防止する方策や、前記紫外線照射により発生するオゾン量や前記放出口から放出されるオゾン量を制御する方策については、何ら考慮されていない。
すなわち、前記筐体内において前記紫外線ランプから放射された前記紫外線は、適切な漏洩防止策をとらないと、前記筐体に設けられた前記導入口や前記放出口からその外部に漏洩する恐れがあるが、漏洩した前記紫外線は目や皮膚の炎症等、人体に種々の障害を惹起するから、前記紫外線の漏洩は確実に防止する必要がある。そのための方策としては、前記筐体内に適切な紫外線漏洩防止部材を設置することが考えられるが、それを設置する際には、以下に述べるように、工夫が必要である。
例えば、特許文献1のオゾン脱臭装置のように、直線状の前記紫外線ランプの全周を覆う略筒状のカバーを、紫外線漏洩防止部材として設ければ、前記紫外線ランプの全周から放射される紫外線が前記筐体の外面にある前記導入口や前記放出口に到達するのを容易に防止することができる。この場合、前記紫外線ランプの両端部以外の全周が前記カバーで覆われるため、前記導入口や前記放出口の形成位置にほとんど制限はない。しかし、前記カバーを設けると、前記筐体内で前記紫外線が照射される対象が、前記紫外線ランプと前記カバーとの間の隙間を流動する一部の空気に限定されてしまう。前記カバーの外側にある空気には、前記紫外線は照射されないからである。その結果、前記紫外線の照射により単位時間に発生するオゾン量は、前記カバーを設けていない場合よりも減少する。これに対し、前記紫外線ランプと前記カバーとの間の隙間を流動する空気の流速を減少させて、前記空気への照射紫外線量を増加させることが考えられるが、そうすると紫外線によるオゾンの部分的分解も増加することになるから、好ましくない。
以上述べたところから分かるように、前記紫外線ランプの全周を覆う略筒状の前記カバーを紫外線漏洩防止部材として設けると、それを設けない場合に比べて、所望のオゾン量を発生させるために、前記紫外線ランプから放射される紫外線強度を増加させたり、前記隙間を広げて前記紫外線ランプと前記カバーとの間の隙間を流動する空気量を増加させたりすることが必要となる。このため、これらの要求が生じないように、前記カバーの形状と、前記カバーと前記紫外線ランプと前記送風ファンの間の位関関係を選定する必要がある。つまり、前記導入口や前記放出口からの紫外線の漏洩を防止するためは、紫外線漏洩防止部材の形状と共に、その紫外線漏洩防止部材と前記紫外線ランプと前記送風ファンの間の位関関係をも、発生させたい単位時間当たりオゾン量を考慮して選定することが必要なのである。しかも、それをできる限り簡単且つ低コストの構成で実現することが望まれる。
また、前記筐体の前記放出口から放出される単位時間当たりオゾン量(オゾン流量)は、前記筐体内で発生する単位時間当たりオゾン量(オゾン発生量)でほぼ決定される。前記筐体内でのオゾン発生量は、前記筐体内(主として前記紫外線ランプの近傍)を流動する空気への単位時間当たり紫外線照射量に依存するから、前記紫外線ランプの単位時間当たり放射紫外線量と、前記送風ファンの風量(単位時間当たりに移動する空気量)とを適切に選定することで、所望のオゾン発生量は実現することができる。この場合、オゾンの発生をできるだけ効率よく行える構造とするのが好ましいのは言うまでもないが、その構造はできる限り簡単且つ低コストであることが望ましい。
さらに、上記のようにして実現された前記筐体内でのオゾン発生量は、前記紫外線ランプの近傍が最も高く、前記紫外線ランプから遠ざかるにつれて少しずつ低下する。これは、前記紫外線ランプから遠ざかるにつれて、前記紫外線ランプからの放射紫外線強度が少しずつ低下するからである。前記筐体内でのオゾン発生量は、できるだけ高い値のままで維持して、前記放出口から前記筐体の外部に放出されるようにするのが好ましい。
また、前記筐体に前記放出口が複数個設けられていると、異なる位置から異なる方向に同時にオゾンが放出されることが多くなるが、この場合には、前記放出口の位置やその放出方向によって、放出される単位時間当たりオゾン量が大きく異なることがないようにする必要がある。そのような事態が生じると、同一室内においても、オゾン発生装置との相対位置によって存在するオゾン総量が大きく変動することになり、結果として、場所によってオゾン処理の効果が強く出る箇所やその効果が薄い箇所、さらにはその効果が出ない箇所が生じることになり、問題が生じるからである。よって、複数の前記放出口から放出される単位時間当たりのオゾン量のバラツキは、できるだけ小さく抑えられていることが望ましい。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、筐体内で紫外線を空気に照射することによって前記筐体内で所望の単位時間当たりオゾン量を発生させながら、前記筐体の導入口や放出口を介して前記紫外線が前記筐体の外部に漏洩するのを簡単且つ低コストの構成で確実に防止することが可能なオゾン発生装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、筐体内で紫外線を空気に照射することによって前記筐体内でオゾンを発生させる際に、前記オゾンの発生効率を簡単且つ低コストの構成で高めることができるオゾン発生装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、筐体内での所望の単位時間当たりオゾン量をほぼそのまま維持して、前記筐体の放出口から放出させることができるオゾン発生装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、筐体に複数の放出口が設けられている場合に、簡単且つ低コストの構成で、前記複数の放出口から放出される単位時間当たりオゾン量のバラツキを抑制することができるオゾン発生装置を提供することにある。
ここに明記しない本発明のさらに他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
(1) 本発明のオゾン発生装置は、
紫外線遮光性を有する筐体と、
前記筐体に固定され、且つ、前記筐体の内部空間を第1空間(例えば、下位空間)と第2空間(例えば、上位空間)に分割する、紫外線遮光性を有する仕切部材(例えば仕切板)と、
前記第1空間内において前記仕切部材に固定された、前記仕切部材に形成された1又は複数の透孔を介して前記第1空間内の空気を前記第2空間に流動させる1又は複数のファン(送風機)と、
前記第2空間内において、前記1又は複数のファンと重なる位置で前記仕切部材に沿って延在するようにして前記仕切部材に係止された、オゾンを発生可能な波長の紫外線を放射する1又は複数の紫外線ランプと、
前記第2空間内において、前記1又は複数のファン及び前記1又は複数の紫外線ランプと重なる位置で,前記1又は複数の紫外線ランプの近傍に所定の隙間をあけて固定された、紫外線遮光性を有する遮光部材とを備え、
前記筐体には、外部の空気を前記第1空間内に導入するための、前記第1空間に連通する1又は複数の導入口と、前記第2空間内にあるオゾン含有空気を前記筐体の外部に放出するための、前記第2空間に連通する1又は複数の放出口とが形成されており、
前記仕切部材は、前記第2空間内で前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の導入口を介して前記第1空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能を持ち、
前記遮光部材は、前記第2空間内で前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能と、前記1又は複数の紫外線ランプの周囲における空気の流れ(流動状態)を制御する機能とを持ち、
前記第2空間内において、前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を前記仕切部材と前記遮光部材の間の中間領域を流動する空気に照射することによりオゾンを発生させると共に、前記中間領域の外部にある空気に前記紫外線を照射することによりオゾンを発生させ、
前記第2空間内で発生した前記オゾンを含有する空気を、その流れを前記遮光部材によって制御しながら前記1又は複数の放出口を介して前記筐体の外部に放出するようにしたことを特徴とするものである。
本発明のオゾン発生装置では、上述したように、前記仕切部材に、前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の導入口を介して前記第1空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能を持たせており、また、前記遮光部材に、前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能を持たせている。したがって、前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線が、前記導入口や前記放出口から前記筐体の外部に漏洩するのを確実に防止することができる。また、そのために必要なのは、前記仕切部材と前記遮光部材だけであるから、前記導入口や前記放出口からの紫外線の漏洩防止を、簡単且つ低コストの構成で実現することができる。
また、前記第1空間内において前記仕切部材に固定された前記1又は複数のファンの送風作用により、前記仕切部材に形成された前記1又は複数の透孔を介して前記第1空間内の空気を前記第2空間に流動させるようにしているので、前記第2空間内で前記1又は複数の紫外線ランプにより紫外線を空気に照射することによって前記中間領域内で発生したオゾンは、前記空気の流動に伴って速やかに前記1又は複数の紫外線ランプから遠ざけられる。このため、前記中間領域内で発生した前記オゾンの一部が、前記1又は複数の紫外線ランプから生じる紫外線や熱に起因して分解されるのを、抑制することができる。そこで、前記中間領域内を流動する空気への紫外線照射と前記中間領域外にある空気への紫外線照射によって、所望の単位時間当たりオゾン量が発生するように、前記1又は複数のファンの風量(単位時間当たりに移動する空気量)と前記1又は複数の紫外線ランプの単位時間当たり放射紫外線量を選定しておけば、前記筐体内で所望の単位時間当たりオゾン量を発生させることが容易にできる。しかも、これは、前記仕切部材の前記第1空間側と前記第2空間側に、前記1又は複数のファンと前記1又は複数の紫外線ランプをそれぞれ配置し、且つ、前記第2空間内において前記1又は複数のファン及び前記1又は複数の紫外線ランプと重なる位置で、前記1又は複数の紫外線ランプの近傍に所定の隙間をあけて前記遮光部材を固定する、という簡単且つ低コストの構成で実現される。
さらに、前記1又は複数の紫外線ランプは、紫外線遮光性を有する前記仕切部材と紫外線遮光性を有する前記遮光部材とによって挟まれた形で、前記仕切部材に係止されているので、前記1又は複数のファンの送風作用によって前記第1空間から前記第2空間に送り込まれた空気は、前記仕切部材と前記遮光部材とによって挟まれた前記中間領域を流動してから、前記中間領域の外部に流出する。この時、前記1又は複数の紫外線ランプから放射された紫外線は、主として前記中間領域を流動する前記空気に対して照射されてオゾンを発生すると同時に、前記中間領域の外部にある空気に対しても付随的又は付加的に照射されてオゾンを発生する。このため、前記仕切部材と前記遮光部材によって前記中間領域を形成しない場合(従来技術)よりも、オゾンの発生効率を高めることができる。しかも、これは、前記第2空間内において前記1又は複数のファン及び前記1又は複数の紫外線ランプと重なる位置で、前記1又は複数の紫外線ランプの近傍に所定の隙間をあけて前記遮光部材を固定する、という簡単且つ低コストの構成で実現される。よって、前記筐体内で紫外線を空気に照射することによって前記筐体内でオゾンを発生させる際に、前記オゾンの発生効率を簡単且つ低コストの構成で高めることができる。
さらに、上述したようにして前記第2空間内で発生した前記オゾンを含有する空気を、その流れを前記遮光部材によって制御しながら前記1又は複数の放出口を介して前記筐体の外部に放出するようになっているので、前記筐体内での所望の単位時間当たりオゾン量をほぼそのまま維持して、前記筐体の前記1又は複数の放出口から放出させることができる。
さらに、上述したようにして前記第2空間内で発生した前記オゾンを含有する空気を、その流れを前記遮光部材によって制御しながら前記1又は複数の放出口を介して前記筐体の外部に放出するようになっているので、前記筐体に前記放出口が複数個設けられている場合でも、簡単且つ低コストの構成で、前記複数の放出口から放出される単位時間当たりオゾン量のバラツキを抑制することができる。
(2) 本発明のオゾン発生装置の好ましい例では、前記中間領域が、前記第2空間内において前記遮光部材と前記仕切部材との重なり部分で画定され、且つ、その側面が開放された領域(例えば略箱状領域)とされており、
前記第2空間内において、前記1又は複数のファンの送風作用により前記中間領域を流動する空気は、前記仕切部材と前記遮光部材の間に配置された前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、それと同時に、前記中間領域の外部にある空気も、前記紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、
前記中間領域内の空気から発生した前記オゾンと、前記中間領域の外部にある空気から発生した前記オゾンの双方を含有する空気が、前記1又は複数のファンの送風作用により、前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に放出されるように構成される。
(3) 本発明のオゾン発生装置の他の好ましい例では、前記1又は複数のファンは、前記仕切部材の対応する前記1又は複数の透孔と重なり合っており、
前記仕切部材の前記1又は複数の透孔は、前記1又は複数の紫外線ランプと重なり合っており、
前記1又は複数のファンの送風作用により前記1又は複数の透孔を通って前記第1空間から前記第2空間に到達した空気は、前記1は複数の紫外線ランプの周囲を流動してから前記遮光部材に衝突し、前記遮光部材によって反射してから前記中間領域内を流動するように構成される。
(4) 本発明のオゾン発生装置のさらに他の好ましい例では、前記1又は複数の放出口が、前記筐体の前記遮光部材と重なり合う位置に配置されており、
前記中間領域内で発生した前記オゾンを含有する空気が、前記1又は複数のファンの送風作用により、前記遮光部材の全外縁を通って前記中間領域の外部に流動した後、前記1又は複数の放出口の近傍まで流動してから、前記第2空間から前記1又は複数の放出口から前記筐体の外部に放出されるように構成される。
(5) 本発明のオゾン発生装置のさらに他の好ましい例では、前記遮光部材と前記1又は複数の紫外線ランプと前記仕切部材と前記1又は複数のファンが、それぞれ、前記筐体内においてほぼ水平に配置されており、
前記1又は複数の放出口が、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体の上面に配置されており、
前記筐体内の下位に配置された前記第1空間内の空気が、前記1又は複数のファンの送風作用によって上方に送られて前記筐体内の上位に配置された前記第2空間に到達すると、前記中間領域に入り込んで、前記仕切部材と前記遮光部材の間に配置された前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線の照射を受けて前記中間領域でオゾンを発生し、それと同時に、前記中間領域の外部にある空気も前記紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、
前記中間領域内の空気から発生した前記オゾンと、前記中間領域の外部にある空気から発生した前記オゾンの双方を含有する空気が、前記1又は複数のファンの送風作用により上昇して、前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に放出されるように構成される。
(6) 本発明のオゾン発生装置のさらに他の好ましい例では、前記1又は複数の放出口が、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体に配置されており、
前記オゾンの双方を含有する空気の前記1又は複数の放出口からの吹出方向が、所定の範囲内で変更可能とされる。
(7) 本発明のオゾン発生装置のさらに他の好ましい例では、前記1又は複数の紫外線ランプが直線状の外形を有しており、
前記複数のファンが、前記1又は複数の紫外線ランプの延在方向に隣接して配置されており、
前記遮光部材が、前記1又は複数の紫外線ランプのほぼ全体と重なり合うように前記複数の紫外線ランプに沿って延在する形状とされており、
前記第2空間内において前記仕切部材と前記遮光部材の間に形成された前記中間領域が、主たるオゾン発生領域とされ、前記中間領域を除く前記第2空間が、従たるオゾン発生領域とされる。
(8) 本発明のオゾン発生装置のさらに他の好ましい例では、前記複数の紫外線ランプが、1つの方向に延在する外形(例えば、直線状又はU字状)を有していると共に、前記延在方向に直交する方向に所定の間隔をあけて互いに平行に配置されており、
前記複数のファンが、前記複数の紫外線ランプの前記延在方向に沿って隣接して前記仕切部材上に配置されており、
前記遮光部材が、前記複数の紫外線ランプのほぼ全体と重なり合うように前記複数の紫外線ランプに沿って延在する形状とされており、
前記1又は複数の放出口が、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体の上面に配置される。
本発明のオゾン発生装置では、(a)筐体内で紫外線を空気に照射することによって前記筐体内で所望の単位時間当たりオゾン量を発生させながら、前記筐体の導入口や放出口を介して前記紫外線が前記筐体の外部に漏洩するのを簡単且つ低コストの構成で確実に防止することができる、(b)筐体内で紫外線を空気に照射することによって前記筐体内でオゾンを発生させる際に、前記オゾンの発生効率を簡単且つ低コストの構成で高めることができる、(c)筐体内での所望の単位時間当たりオゾン量をほぼそのまま維持して、前記筐体の放出口から放出させることができる、(d)筐体に複数の放出口が設けられている場合に、簡単且つ低コストの構成で、前記複数の放出口から放出される単位時間当たりオゾン量のバラツキを抑制することができる、という効果が得られる。
図1は本発明の1実施形態に係るオゾン発生装置の外形を示す正面図である。 図1に示したオゾン発生装置の内部構造を示す正面図である。 図1に示したオゾン発生装置の外形を示す背面図である。 図1に示したオゾン発生装置の外形を示す平面図である。 (a)は図1に示したオゾン発生装置の外形を示す左側面図、(b)はその右側面図である。 図1に示したオゾン発生装置のファンモーターと紫外線ランプと遮光板の位置関係を示す底面説明図である。 図1に示したオゾン発生装置の放出口部材と紫外線ランプと遮光板の位置関係を示す平面説明図である。 図1に示したオゾン発生装置の3つの放出口の吹出方向の変化を示す正面説明図で、(a)は正面から見て左側の放出口が斜め左上に、中央の放出口が真上に、右側の放出口が斜め右上に向けられた状態を示し、(b)は正面から見て左側の放出口が斜め右上に、中央の放出口が真上に、右側の放出口が斜め左上に向けられた状態を示している。 図1に示したオゾン発生装置の放出口の吹出方向の変化を示す左側面説明図で、(a)は正面から見て左側の放出口と中央の放出口が斜め左上に、右側の放出口が斜め右上に向けられた状態を示し、(b)は正面から見て左側の放出口が斜め左上に、中央の放出口が斜め右上に、右側の放出口が真上に向けられた状態を示している。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(オゾン発生装置の構成)
本発明の1実施形態に係るオゾン発生装置1は、図1~図5に示すように、略直方体状で金属製の筐体10を備えている。筐体10は、断面がほぼU字状とされた本体部11と断面がほぼ逆U字状とされたカバー12を組み合わせて構成されている。筐体10は、その内部で発生する紫外線とオゾンが外部に漏れないように、また紫外線とオゾンに対して十分な耐久性が得られるように、紫外線遮光性と耐紫外線性と耐オゾン性を持つことが必要である。したがって、筐体10を構成する本体部11とカバー12は、いずれも、紫外線遮光性と耐紫外線性と耐オゾン性を有する剛性材料、例えばステンレス鋼(例えばSUS430)、を用いて作製する必要がある。
本体部11は、矩形状の底面板11aと、底面板11aの相対的に短い2つの端縁の一方に接続された右側面板11bと、底面板11aの前記2つの端縁の他方に接続された左側面板11cとから形成されている。右側面板11bと左側面板11cは、いずれも、底面板11aに対して直交していて、全体形状がほぼU字形をなしている。
カバー12は、矩形状の上面板12aと、上面板12aの相対的に長い2つの端縁の一方に接続された前面板12bと、上面板12aの前記2つの端縁の他方に接続された後面板12cとから形成されている。図5(a)及び(b)に示すように、前面板12bは、上面板12aに対して前方に少し屈曲していて、直角より少し大きい角度をなして上面板12aの前端縁に接続されている。後面板12cは、上面板12aに対して後方に少し屈曲していて、直角より少し大きい角度をなして上面板12aの後端縁に接続されている。
略直方体状の筐体10は、以上のような構成を持つカバー12の開口部を下向きにし、以上のような構成を持つ本体部11の開口部を上向きにして、上面板12aと底面板11aが重なり合うように組み合わせ、カバー12を本体部11にネジ止めして一体化することで、構成されている。したがって、筐体10の内部には、略直方体状の内部空間が形成されている。
筐体10の下面板11aの四隅には、ゴム又はプラスチック製の足部14が固定されている。筐体10の右側面板11bには、図5(b)に示すように、オゾン発生機構である内部ユニット20に繋がる電源コード15と、一対の取っ手16の一方と、内部ユニット20の動作のオン・オフ(駆動・停止)を切り替えるスイッチ17とが装着されている。筐体10の左側面板11cには、図5(a)に示すように、一対の取っ手16の他方が装着されている。筐体10の左右に設けられた一対の取っ手16に指を係合させることで、オゾン発生装置1を所望の場所に運搬して設置することができるようになっている。
筐体10の前面板12bには、図1に示すように、筐体10の内部空間に外部の空気を導入するための2つの円形の導入口32aが形成されている。これらの導入口32aの配置位置は、前面板12bの水平中央線より少し下方である。これは、これらの導入口32aが、後述する筐体10の内部の下位空間S1(図2参照)のみに連通しているからである。したがって、外部の空気は、導入口32aを介して筐体10の下位空間S1にのみ導入されることになる。前面板12bの外表面には、各々の導入口32aの全体を覆うように導入口ガード33aが装着されている。各々の導入口ガード33aは、同心円状に配置された複数の円形の軟鋼線を2本の略V字状の軟鋼線で接合・一体化したものであり、導入口32aを通って筐体10の内部空間(下位空間S1)に異物が入り込んで、内部ユニット20に損害を与えるのを防止している。
筐体10の後面板12cにも、図3に示すように、筐体10の内部空間に外部の空気を導入するための2つの円形の導入口32bが形成されている。これらの導入口32bの配置位置も、後面板12cの水平中央線より少し下方である。これは、これらの導入口32bも、後述する筐体10の内部の下位空間S1(図2参照)にのみ連通しているからである。したがって、外部の空気は、導入口32bを介して筐体10の下位空間S1にのみ導入されることになる。これらの導入口32bは、前面板12bの導入口32aと同じ大きさである。後面板12cの外表面には、各々の導入口32bの全体を覆うように導入口ガード33bが装着されている。各々の導入口ガード33bは、同心円状に配置された複数の円形の軟鋼線を2本の略V字状の軟鋼線で接合・一体化したものであり、導入口32bを通って筐体10の内部空間(下位空間S1)に異物が入り込んで、内部ユニット20に損害を与えるのを防止している。これらの導入口ガード33bは、前面板12bの導入口ガード33aと大きさと構成が同じである。
筐体10の上面板12aには、図1~図4に示すように、3つの略筒状の放出口部材31が装着されている。これらの放出口部材31は、大きさと形状が同一で、上面板12aの長手方向(図1~図4では左右方向)に沿った中央線上に等間隔で一列に配置されている(図4参照)。各々の放出口部材31は、その内部に円筒形の放出口31aが形成されており、その基端には円環形の固定部31bが形成されている(図7参照)。これら3つの放出口31aは、いずれも、後述する筐体10の内部の上位空間S2(図2参照)にのみ連通している。したがって、上位空間S2の内部で発生したオゾン(オゾン含有空気)は、3つの放出口31aを介して筐体10の外部に、上向きに放出されることになる。
3つの放出口31aは、いずれも同じ直径を有している。また、合計4つの導入口32a及び32bは、いずれも同じ直径を有している。3つの放出口31aの開口面積の合計は、合計4つの導入口32a及び32bの開口面積の合計よりも少し小さく設定されている。これは、3つの放出口31aから吹き出される空気の流量が、合計4つの導入口32a及び32bから導入される空気の流量によって制限されることがないようにするためである。
3つの放出口部材31の放出口31aは、いずれも、その中央軸(垂直軸)に対して所定角度(例えば30度以内)の範囲で傾斜(揺動)が可能であり、その傾斜方向は前後左右いずれも可能である。つまり、各々の放出口部材31(したがって各々の放出口31a)の傾斜可能な方向は360度である。各々の放出口31aは、例えば頂角30度の円錐の範囲内で揺動が可能であるから、3つを同じ方向に向けてもよいし異なる方向に向けてもよい(図8及び図9参照)。なお、これらの放出口31aの吹出方向の変更は手動で行う。
3つの放出口部材31も、筐体10と同湯に、紫外線遮光性と耐紫外線性と耐オゾン性を有する剛性材料、例えばアルミニウム、を用いて作製する必要がある。
次に、筐体10の内部構造について説明する。
筐体10の内部には、図2に明瞭に示すように、略中央部に矩形状の仕切板13がほぼ水平に装着されている。仕切板13は、後述する2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線を遮断する性質、つまり、紫外線遮光性を有している。これは、後述するように、紫外線ランプ24から放射される紫外線が、合計4つの導入口32a及び32bを介して筐体10の外部に漏洩しないようにするためである。仕切板13の矩形の大きさは、本体部11の底面板11aより少し小さく、本体部11の右側面板11b及び左側面板11cの間に架け渡された状態で係止されている。仕切板13の設置位置は、筐体10全高の1/2の位置より少し上方である。こうして筐体10の内部にほぼ水平に配置された仕切板13により、略直方体状の内部空間は、略直方体状の下位空間S1と、略直方体状の上位空間S2とに分割されている。
仕切板13は、紫外線遮光性に加えて、耐紫外線性と耐オゾン性を有する剛性材料、例えばステンレス鋼(例えばSUS430)、を用いて作製する必要がある。
仕切板13の中央部には、2つの円形の透孔13aが隣接して形成されており(図2参照)、透孔13aを介して下位空間S1と上位空間S2の間で空気が流動可能となっている。後述するように、仕切板13には内部ユニット20を構成する各種部品が装着されるので、仕切板13はこれらの部品を装着するための部品装着板を兼ねている。
筐体10の内部には、図2に示すように、オゾン発生機構としての内部ユニット20が設置されている。内部ユニット20は、ここでは、2台のファンモーター21と、2つの端子台22と、2組のソケット23と、2本の紫外線ランプ24と、1枚の遮光板25と、2組の吊下げボルト26及びナット27と、2台の電子安定器28とを有している。
2台のファンモーター21は、図2及び図6に示すように、下位空間S1内に配置されており、それぞれが、仕切板13の中央部に形成された2つの透孔13aと重なり合うように、仕切板13の下面の中央部に相互に隣接して固定されている。各々のファンモーター21は、大きさ及び構造が同じで同じ性能(風量)を持っており、円形の開口21bを持つ駆動部(モーター部)21aと、開口21bの内部に回転可能に配置されたプロペラ(羽根)21cを備えている(図6参照)。各々のファン21cは、プロペラ(羽根)21cが対応する駆動部21aにより回転駆動されるものであり、当該ファン21cの回転軸に沿って所定風量で空気を送風する。仕切板13には、上述した2つの透孔13a以外に空気が通過できる部分は存在しないから、2台のファンモーター21の送風動作によって、導入口32a及び32bを介して下位空間S1に導入された空気は、すべて、それらファンモーター21の送風動作によって、2つの透孔13aを通って上位空間S2に流動せしめられる。
各々のファンモーター21としては、所望の風量を供給することができ、且つ、紫外線ランプ24から放射される紫外線に対する耐性を有するものであれば、任意の構成のものを使用可能である。例えば、円筒系のハブの外周にプロペラを設けたものを枠状のケーシング内に回転可能に装着した構成を持つものが好適に使用できる。駆動部は通常、ケーシング内に内蔵されるが、これに限定されるわけではない。また、使用するファンモーター21の総数は、所望の風量に応じて任意に設定可能であり、1台でもよいし、3台あるいはそれ以上でもよい。筐体10内に設置される1又は複数のファンモーター21は、オゾンの影響を避けるために、下位空間S1内に配置されている。上位空間S2内に配置すると、紫外線ランプ24から放射される紫外線により上位空間S2内に発生するオゾンに接触して、ファンモーター21が劣化する恐れが高いからである。
各々のファンモーター21を選定する際には、ファンモーター21により下位空間S1から上位空間S2(中間領域S3)に送風される空気や、放出口31aから筐体10の外部に放出されるオゾン含有空気や、導入口32a及び32bから下位空間S1に導入される空気のいずれについても、乱流が生じないようにする。乱流が発生すると、紫外線ランプ24から放射される紫外線による単位時間当たりオゾン発生量や、放出口31aから外部に放出されるオゾン量が、所望の値から大きくずれてしまうからである。
2つの端子台22は、それぞれ、仕切板13の下面に隣接配置された2台のファンモーター21の左右外側の所定位置において、仕切板13の下面に固定されている(図2参照)。これらの端子台22は、2台のファンモーター21と2本の紫外線ランプ24と2台の電子安定器28とに繋がる配線と、スイッチ17及び電源コード15を介して外部の電源に電気的接続するための配線とを、相互接続するのに使用される。なお、端子台22としては、紫外線に対する耐性を有するものでなくても使用可能である。端子台22は下位空間S1に配置されているからである。
2組のソケット23は、それぞれ、同形式・同サイズの2本の直線状の紫外線ランプ24を係止するためのものである。これらのソケット23は、図6及び図7に示すように、仕切板13の上面に、筐体10の前後方向(図6及び図7では上下方向)に所定間隔をあけて固定されている。各組の左右一対のソケット23は、それぞれ、対応する紫外線ランプ24の対応する端部が着脱可能に係合される構造を有しており、図2に明瞭に示すように、当該一対のソケット23に係合された紫外線ランプ24が、仕切板13の上面に平行にそれから少し浮いた状態で、すなわち、仕切板13の上面から所定距離だけ上方に離隔した水平状態で、保持されるようになっている。
各々のソケット23としては、紫外線ランプ24から放射される紫外線と、その紫外線によって発生するオゾンに対する耐性を有するもの(例えばユリア樹脂製)を使用する必要がある。
2本の紫外線ランプ24は、それぞれ、全体形状が直線状であって、対応する組の一対のソケット23に着脱可能に係止されている。各々の紫外線ランプ24は、通電によりオゾンを発生可能な波長(例えば波長184.9nm)の紫外線を放射するものであれば、また、所望の単位時間当たりオゾン発生量が得られる強度(光量)の紫外線を放射するものであれば、その構成や形状、大きさ等は任意のものを使用可能である。
遮光板25は、仕切板13の上面のソケット23に着脱可能に係止された2本の紫外線ランプ24の、両端部以外の全体を覆う大きさの矩形とされている。遮光板25は、ここでは、2組の吊下げボルト26及びナット27によって、筐体10の上面板12aから吊り下げられた状態で水平に保持されている。遮光板25は、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が、3つの放出口31aを介して筐体10(オゾン発生装置1)の外部に漏洩しないようにするために設けられている。これは、紫外線ランプ24から照射される紫外線が人体に有害だからである。そのために、遮光板25は、紫外線に対する遮光性と耐性(紫外線遮光性と耐紫外線性)を有する剛性材料、例えばステンレス鋼(例えばSUS430)、により形成する必要がある。
遮光板25と2本の紫外線ランプ24の間には、図2に示すように、空気を流動させるための所定の隙間が設けられている。遮光板25の大きさは、下位にある2本の紫外線ランプ24からの紫外線の放射方向を考慮して、それら紫外線ランプ24の両端部以外の全体を覆う大きさに調整されている(図2、図6及び図7参照)。
遮光板25を保持する吊下げボルト26及びナット27も、紫外線とオゾンに対する耐性を有する剛性材料(例えばステンレス鋼)よりなるものを使用する必要があるのは、言うまでもない。
上位空間S2内において仕切板13と遮光板25の間に挟まれた領域は、中間領域S3と称する。中間領域S3の上面は矩形の遮光板25により画定され、その下面は矩形の遮光板25より大きい矩形の仕切板13により画定されているから、中間領域S3の上面と下面は全面的に塞がれているが、その上面と下面を接続する4つの側面には何も存在しないから、中間領域S3の側面全体(全側面)は開放されている。したがって、側面には何も存在しないが、中間領域S3の(仮想の)前後方向の垂直断面と、(仮想の)左右方向の垂直断面を考えると、いずれも台形状である、ということができる。中間領域S3には、2本の紫外線ランプ24が着脱可能に配置されているので、2個のファンモーター21の送風作用により仕切板13の下方の下位空間S1から中間領域S3に送られた空気は、それら紫外線ランプ24から放射される所定波長(例えば波長184.9nm)の紫外線の照射を集中的に受けて、高効率でオゾンが発生する。また、中間領域S3の4つの側面(全側面)が開放されているので、中間領域S3で発生したオゾンとその周囲にある空気は、ファンモーター21の送風作用により中間領域S3の側面(の開放部)を通って中間領域S3の外に流出し、中間領域S3以外の上位空間S2の内部に徐々に拡散していく。その拡散時にも前記空気はさらに前記紫外線の照射を受けるので、それによってもオゾンが付随的又は付加的に発生する。こうして発生したオゾンと空気(つまりオゾン含有空気)の流れは、全体として、遮光板25の4つの側縁(全周縁)を迂回するようにして、ほぼ均等に上方に流動する。遮光板25は、図7に示すように、2本の紫外線ランプ24とぴったり重なり合うように、換言すれば、2本の紫外線ランプ24の両端部以外をすべて覆うように配置されているため、上記オゾン含有空気の流れを制御する作用(整流作用)を発揮する。また、筐体10の上面板12aにある3つの放出口31aは、遮光板25の長手方向の中心軸上に等間隔で並んでいると共に、両側にある2つの放出口31aの外縁が遮光板25の対応する側縁にほぼ合致するように配置されているため、上記オゾン含有空気は、3つの放出口31aを均等な流速で通過して筐体10の外部に放出される。そして、オゾン発生装置1の周囲に拡散していき、内部に含有されているオゾンにより、オゾン発生装置1の周囲において殺菌、脱臭等の所望の処理が行われる。
2台の電子安定器28は、それぞれ、2本の紫外線ランプ24の放電を安定化するために設けられたものであり、仕切板13の下面において、右側面板11bと対応するソケット23との間、及び、左側面板11cと対応するソケット23との間に、それぞれ固定されている。なお、電子安定器28としては、紫外線に対する耐性を有するものでなくても使用可能である。電子安定器28は下位空間S1に配置されているからである。
(ファンモーターと紫外線ランプと遮光板と放出口の位置関係)
次に、2台のファンモーター21と2本の紫外線ランプ24と遮光板25と3つの放出口31aの位置関係について、図6及び図7を参照しながら説明する。
仕切板13の2つの円形透孔13aの直径は、ファンモーター21の円形開口21bのそれより僅かに大きく設定されている。これは、ファンモーター21の開口21bを通過する空気の流量(風量)を制限しないようにするため、換言すれば、ファンモーター21の開口21bを通過可能な最大流量で、下位空間S1の空気が上位空間S2(中間領域S3)に導入されるようにするためである。しかし、円形透孔13aの直径は、これに限定されるものではなく、前記風量に応じて任意に調整可能である。
2本の紫外線ランプ24の配置間隔(ピッチ)は、それら紫外線ランプ24の前後方向(図6及び図7では上下方向)の2つの内側エッジ24bだけでなく、それら紫外線ランプ24の前後方向の2つの外側エッジ24aも、両ファンモーター21の開口21bと重なる(開口21bの内側に位置する)ように調整されている。このため、下位空間S1から2つの開口21bを通過して上位空間S2(中間領域S3)に到達した空気は、これら2本の紫外線ランプ24の外周面のほぼ全面を迂回するように通過して、これら2本の紫外線ランプ24の上方まで流動する。これは、下位空間S1から両開口21bと両透孔13aを通過して上位空間S2(中間領域S3)に到達した空気に対して、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が確実に照射されるようにして、所望量のオゾンが可能な限り効率的に発生するようにするためである。
遮光板25の大きさと位置は、(i)3つの放出口部材31の放出口31aが、可能な範囲でいずれの方向に向けられても、2本の紫外線ランプ24から放射された紫外線が3つの放出口31aを介して筐体10の外部に漏洩しないように、また、(ii)遮光板25の下方から送られて来るオゾン(オゾン含有空気)が、ほぼ均等な流量で、遮光板25の全側縁を通って、すなわち、遮光板25の前側、後側、左側及び右側のエッジ25a、25b、25c及び25dを通って上昇し、筐体10の上面板12aに設けられた3つの放出口31aから、ほぼ均等な流量で流出するように、設定されている(図7参照)。
すなわち、遮光板25の前後方向(図6及び図7では上下方向)の長さは、間隔をあけて配置された2本の紫外線ランプ24の2つの外側エッジ24aの間の距離よりも、少し大きく設定されている。したがって、遮光板25の前側エッジ25aと後側エッジ25bは、2本の紫外線ランプ24の2つの外側エッジ24aから前後方向に、それぞれ少しはみ出ている。また、遮光板25の左右方向(図6及び図7では左右方向)の長さは、各々の紫外線ランプ24の発光領域の長さよりも、少し短く設定されている。したがって、2本の紫外線ランプ24の2つの発光領域の左側端部は、遮光板25の左側エッジ25cよりも左方向に少しはみ出ており、2本の紫外線ランプ24の2つの発光領域の右側端部は、遮光板25の右側エッジ25dよりも右方向に少しはみ出ている。
筐体10の上面板12aに設けられた3つの放出口31aは、図7に示すように、遮光板25とほぼ重なり合っていて、遮光板25の長軸(左右方向に延在する中心軸)に沿って等間隔で配置されている。中央にある放出口31aの中心は、遮光板25の前記長軸の中央に位置し、左側にある放出口31aの中心は、遮光板25の前記長軸の左側端部の近傍に位置し、右側にある放出口31aは、遮光板25の前記長軸の右側端部の近傍に位置している。このように構成することで、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が、筐体10の上面にある3つの放出口31aを介して、筐体10の外部に漏洩するのが、確実に防止される。
上述したように設定された遮光板25の前後方向の長さと左右方向の長さは、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が、筐体10の上面にある3つの放出口31aを介して、筐体10の外部に漏洩しないようにするためであり、遮光板25の下方から送られて来るオゾン(オゾン含有空気)が、ほぼ均等な流量で、遮光板25の全側縁を通って、すなわち、遮光板25の前側、後側、左側及び右側のエッジ25a、25b、25c及び25dを通って上昇し、筐体10の上面板12aに設けられた3つの放出口31aから流出するように、制御するためでもある。したがって、放出口31aの配置位置や大きさ、形状、総数等に応じて、これらの長さは適宜、変更される。
遮光板25の形状は、矩形に限定されるものではなく、矩形以外に変更することが可能である。例えば、4つの角を丸めた略矩形としてもよいし、矩形の前縁及び後縁を湾曲させたものとしてもよい。要は、下位にある1又は複数の紫外線ランプ24の多くの部分を覆って、当該1又は複数の紫外線ランプ24から放射された紫外線が直接的に、又は、紫外線ランプ24から放射された紫外線が筐体10の内面や、遮光板25のいずれかの外面(上面及び/又は下面)や、他のいずれかの箇所に反射して間接的に、3つの放出口31aのいずれからも漏洩しないようにできる形状であればよい。
(オゾン発生装置の動作)
次に、上述した構成を有する本実施形態に係るオゾン発生装置1の動作について説明する。
まず、電源コード15の先端を所定の家庭用電源(AC100V)に接続し、スイッチ17をオン側に切り換えると、2つのファンモーター21が回転を始め、それと同時に、2本の紫外線ランプ24が点灯して所定波長の紫外線の放射を始める。すると、ファンモーター21の送風動作により、オゾン発生装置1の周囲に存在する空気が、筐体10の前面板12bに設けられた導入口32aと後面板12cに設けられた導入口32bを介して、オゾン発生装置1の内部の下位空間S1に導入される。導入口32aと導入口32bは、いずれも、下位空間S1にのみ連通しているから、オゾン発生装置1の周囲に存在する空気は、ファンモーター21の送風動作によって確実に下位空間S1に導入され、上位空間S2に導入されることはない。
こうして下位空間S1に導入された空気は、2つのファンモーター21の送風動作により、仕切板13と遮光板25とによって挟まれた中間領域S3に入り込み、その中間領域S3にある2本の紫外線ランプ24から放射される所定波長(例えば波長184.9nm)の紫外線の照射を、集中的に受ける。すると、当該空気に含まれる酸素がその紫外線と反応し、中間領域S3においてオゾンが集中的に発生する。また、中間領域S3の全側縁は開放されているので、中間領域S3で発生したオゾンとその周囲にある空気は、中間領域S3の全側縁の開口部を通って中間領域S3の外に流出し、中間領域S3以外の上位空間S2に徐々に拡散していく。その際にも、前記空気はさらに前記紫外線の照射を受けるので、中間領域S3の外でオゾンが付随的又は付加的に発生する。
2つのファンモーター21の送風動作により、中間領域S3で発生したオゾンとその周囲にある空気は、中間領域S3以外の上位空間S2に向かって流動を続けるので、中間領域S3で発生したオゾンは、速やかに紫外線ランプ24から遠ざけられる。このため、前記オゾンの一部が、紫外線ランプ24から生じる紫外線や熱に起因して分解される現象は、確実に抑制される。こうして、中間領域S3で発生したオゾンの分解は最低限に抑えられるから、これもオゾン発生効率の向上に寄与する。
ファンモーター21の送風動作により、オゾン発生装置1の周囲に存在する空気が導入口32a及び32bを介して下位空間S1に吸い込まれる量(空気導入量)と、放出口31aから吹き出される量(空気放出量)とを考慮しながら、遮光板25の位置及び大きさ、2本の紫外線ランプ24からの距離等と、導入口32a及び32bと、放出口31aの大きさ及び位置等が調整されているため、また、上位空間S2には2本の紫外線ランプ24の大部分を覆うように遮光板25が設けられているため、オゾン発生装置1の内部で生成された所望濃度のオゾン(オゾン含有空気)は、遮光板25によって制御された状態で、筐体10の上面板12aの近傍まで流動する。
以上のようにして、中間領域S3以外の上位空間S2に発生したオゾンと空気(オゾン含有空気)が、筐体10の上面板12aの近傍まで流動すると、上面板12aにある3つの放出口31aをほぼ均等な流速(流量)に通過して、筐体10の外部に放出される。こうして筐体10の外部に放出されたオゾンは、オゾン発生装置1の周囲の空気中にさらに自然拡散していき、その場に存在する空気や対象物に対して、殺菌、脱臭等の所望の処理が行われる。
図8及び図9は、オゾン発生装置の放出口31aの吹出方向の変化を示している。図8(a)は、正面から見て左側の放出口31aが斜め左上に、中央の放出口31aが真上に、右側の放出口31aが斜め右上に向けられた状態を示している。図8(b)は、正面から見て左側の放出口31aが斜め右上に、中央の放出口31aが真上に、右側の放出口31aが斜め左上に向けられた状態を示している。図9(a)は正面から見て左側の放出口31aと中央の放出口31aが斜め左上に、右側の放出口31aが斜め右上に向けられた状態を示している。図9(b)は、正面から見て左側の放出口31aが斜め左上に、中央の放出口31aが斜め右上に、右側の放出口31aが真上に向けられた状態を示している。このように、3つの放出口31aからのオゾン(オゾン含有空気)の吹き出し方向は、必要に応じて、種々変更が可能であり、しかも、3つの放出口31aから放出されるオゾン濃度がほぼ均等となるように制御されているから、これらの放出口31aから放出される単位時間当たりオゾン量のバラツキは抑制される。
筐体10には3つの放出口31aが設けられているため、異なる位置から異なる方向に同時にオゾンが放出されることが多くなるが、この場合には、放出口31aの位置やその放出方向によって、放出される単位時間当たりオゾン量が大きく異なることがないようにする必要がある。そのような事態が生じると、例えば、同一室内においても、オゾン発生装置1との相対位置によって(つまり、室内の場所によって)存在するオゾン総量(オゾン蓄積量)が大きく変動することになり、結果として、場所によってオゾン処理の効果が強く出る箇所やその効果が薄い箇所、さらにはその効果が出ない箇所が生じることになり、問題が生じるからである。しかし、本実施形態に係るオゾン発生装置1では、3つの放出口31aから放出される単位時間当たりのオゾン量のバラツキは、小さく抑えられているため、このような問題が生じる恐れがない。
なお、筐体10には、公知のタイマー装置(図示せず)が設けられている。このタイマー装置により、予め指定した設定時間が経過すると、自動的にスイッチ17がオフになるため、オゾン発生装置1から過剰なオゾンが発生を確実に抑止することができる。
以上の構成を持つオゾン発生装置1の仕様の具体例を挙げると、次のようになる。例えば、筐体10内でのオゾン発生量は300mg/h、3つの放出口31aから放出されるオゾン含有空気の量(吹出風量)は83m/h、消費電力は56W(50/60Hz)に、それぞれ設定可能であった。また、3つの放出口31aから放出されるオゾン含有空気の風速は、例えば、7.1~7.6m/secの範囲に設定することができ、3つの放出口31aから放出される単位時間当たりのオゾン量のバラツキを抑えることができた。4つの導入口32a及び32bから導入される空気の風速は、例えば、1.3~1.5m/secの範囲に設定できた。
(オゾン発生装置の効果)
以上説明したように、本発明の1実施形態に係るオゾン発生装置1では、仕切板13に、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が4つの導入口32a及び32bを介して下位空間S1から筐体10の外部に漏洩するのを防止する機能を持たせており、また、遮光板25に、2本の紫外線ランプ24から放射される紫外線が3つの放出口31aを介して上位空間S2から筐体10の外部に漏洩するのを防止する機能を持たせている。したがって、導入口32a及び32bや放出口31aから前記紫外線が筐体10の外部に漏洩するのを確実に防止することができる。また、そのために必要なのは、仕切板13と遮光板25だけであるから、導入口32a及び32bや放出口31aからの紫外線の漏洩防止を、簡単且つ低コストの構成で実現することができる。
また、下位空間S1内において仕切板13に固定された2台のファンモーター21により、仕切板13に形成された2つの透孔13aを介して下位空間S1内の空気を中間領域S3に流動させるようにしているので、2本の紫外線ランプ24により中間領域S3内で紫外線を空気に照射することによって中間領域S3内で発生したオゾンは、前記空気の流動に伴って速やかに前記紫外線ランプ24から遠ざけられる。このため、前記オゾンの一部が、前記紫外線ランプ24から生じる紫外線や熱に起因して分解されるのを、抑制することができる。そこで、所望の単位時間当たりオゾン量が発生するように、前記ファンモーター21の風量(単位時間当たりに移動する空気量)と前記紫外線ランプ24の単位時間当たり放射紫外線量を選定しておけば、筐体10内で所望の単位時間当たりオゾン量を発生させることが容易にできる。しかも、これは、仕切板13の下位空間S1側と上位空間S2側に、それぞれ、前記ファンモーター21と前記紫外線ランプ24を配置し、上位空間S2側において前記紫外線ランプ24の近傍に所定の隙間をあけて遮光板25を固定して前記中間領域を形成する、という簡単且つ低コストの構成で実現される。
さらに、2本の紫外線ランプ24は、紫外線遮光性を有する仕切板13と、紫外線遮光性を有する遮光板25とによって挟まれた形で、仕切板13に着脱可能に係止されているので、2台のファンモーター21によって下位空間S1から上位空間S2に送り込まれた空気は、仕切板13と遮光板25の間にある中間領域S3を流動してから、中間領域S3の外部に流出する。そして、2本の紫外線ランプ24から放射された紫外線は、中間領域S3を流動する前記空気に対して集中的に照射されると同時に、中間領域S3の外部にある空気に対しても照射される。このため、中間領域S3を設けない場合よりも、オゾンの発生効率を高くすることができる。よって、筐体10内で紫外線を空気に照射することによって筐体10内でオゾンを発生させる際に、前記オゾンの発生効率を簡単且つ低コストの構成で高めることができる。
さらに、上述したようにして、上位空間S2内(中間領域S3内)で発生したオゾンの一部の分解が確実に抑制されるようになっており、しかも、上位空間S2内で、前記紫外線ランプ24の周囲における空気の流れ(流動状態)を遮光板25によって制御することで、前記オゾンを含有する空気を、その流れを遮光板25によって制御しながら3つの放出口31aを介して筐体10の外部に放出するようになっているので、筐体10内での所望の単位時間当たりオゾン量をほぼそのまま維持して、筐体10の放出口31aから放出させることができる。
さらに、上位空間S2内で、前記紫外線ランプ24の周囲における空気の流れ(流動状態)を遮光板25によって制御することで、前記オゾンを含有する空気を、その流れを遮光板25によって制御しながら放出口31aを介して筐体10の外部に放出するようになっているので、筐体10に放出口31aが複数個設けられている場合でも、簡単且つ低コストの構成で、複数の放出口31aから放出される単位時間当たりオゾン量のバラツキを抑制することができる。
紫外線ランプ24としては、例えば、公知の低圧水銀ランプを使用することができる。低圧水銀ランプは、通電により184.9nmと253.7nmの2つの波長の紫外線を同時に放出するので、筐体10内において波長184.9nmの紫外線を空気に照射することでオゾンを発生させて、筐体10外に拡散させることで、筐体10の周囲で脱臭や殺菌を行うことができるだけでなく、筐体10内において波長253.7nmの紫外線を空気に照射することで、空気中の細菌やウィルス等の微生物を殺菌することもでき、便宜である。
(変形例)
上述した実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態のオゾン発生装置1では、紫外線ランプ24を2本使用しているが、これに限定されない。1本あるいは3本以上の紫外線ランプ24を使用してもよい。筐体10内に設置する紫外線ランプ24の総数は、オゾン発生装置1が使用される殺菌、脱臭等が必要な場所の大きさに応じたオゾン量(必要オゾン量)を考慮して決定すればよい。3本あるいはそれ以上の紫外線ランプ24を使用する場合は、仕切板13の上面にそれに対してほぼ平行に所定間隔をあけて係止させると共に、遮光板25の大きさをそれら紫外線ランプ24の両端部以外の全体を覆うように設定するのが好ましい。紫外線ランプ24としては、オゾンを発生可能な波長の紫外線を放射するものであれば、任意の構成、任意の性能のものを使用することができる。
また、上述した実施形態のオゾン発生装置1では、ファンモーター21を2台使用しているが、これに限定されない。筐体10内に設置するファンモーター21の総数は、1台でもよいし、3台以上でもよく、必要オゾン量と必要な風量を考慮して決定すればよい。また、ファンモーター21以外に、例えばファンとモーターを別体として、前記モーターにより前記ファンを回転駆動するようにしてもよい。この場合は、ファンを外部のモーターで駆動する構成となるが、嵩張るだけでなく、構造も複雑になるので、ファンとモーターを一体化してなるファンモーター21を使用するのが好ましい。
また、上述した実施形態のオゾン発生装置1では、1つの矩形の遮光板25を使用しているが、2以上の遮光板を設けてもよいし、矩形板以外の形状としてもよい。遮光板25のように、単一の部材である必要もなく、複数の部材の組み合わせでもよい。また、遮光板25の設置形態も、上述したような、2組の吊下げボルト26及びナット27によって筐体10の上面板12aから吊り下げる、という方法に限定されないことは言うまでもない。遮光板25は、上述した整流作用を持ち、且つ、上位空間S2内でのオゾン含有空気の流動を妨げなければ、筐体10の内部に固定されていればよいので、複数の適切な剛性の接続部材を用いて、上面板12a以外の筐体10の内面の適切な箇所に固定してもよいし、仕切板13の上位空間S2側の面(上面)に固定してもよい。
本発明のオゾン発生装置は、筐体内で発生させたオゾンを前記筐体の外部に放出することで、所望の空間や対象物に対して、オゾンの持つ作用を利用した種々の処理(例えば脱臭、殺菌等の処理)が必要とされる場合に、広く利用可能である。
1 オゾン発生装置
10 筐体
11 本体部
11a 本体部の底面板
11b 本体部の右側面板
11c 本体部の左側面板
12 カバー
12a カバーの上面板
12b カバーの前面板
12c カバーの後面板
13 仕切板
13a 仕切板の透孔
14 足部
15 電源コード
16 取っ手
17 スイッチ
20 内部ユニット
21 ファンモーター
21a ファンモーターの駆動部(モーター部)
21b ファンモーターの開口
21c ファンモーターの軸流ファン
22 端子台
23 ソケット
24 紫外線ランプ
24a 紫外線ランプの外側エッジ
24b 紫外線ランプの内側エッジ
25 遮光板
25a 遮光板の前側エッジ
25b 遮光板の後側エッジ
25c 遮光板の左側エッジ
25d 遮光板の右側エッジ
26 吊下げボルト
27 ナット
28 電子安定器
31 放出口部材
31a 放出口部の放出口
31b 放出口部の固定部
32a、32b 導入口
33a、33b 導入口ガード
S1 下位空間
S2 上位空間
S3 中間領域

Claims (8)

  1. 紫外線遮光性を有する筐体と、
    前記筐体に固定され、且つ、前記筐体の内部空間を第1空間と第2空間に分割する、紫外線遮光性を有する仕切部材と、
    前記第1空間内において前記仕切部材に固定された、前記仕切部材に形成された1又は複数の透孔を介して前記第1空間内の空気を前記第2空間に流動させる1又は複数のファンと、
    前記第2空間内において、前記1又は複数のファンと重なる位置で前記仕切部材に沿って延在するようにして前記仕切部材に係止された、オゾンを発生可能な波長の紫外線を放射する1又は複数の紫外線ランプと、
    前記第2空間内において、前記1又は複数のファン及び前記1又は複数の紫外線ランプと重なる位置で,前記1又は複数の紫外線ランプの近傍に所定の隙間をあけて固定された、紫外線遮光性を有する遮光部材とを備え、
    前記筐体には、外部の空気を前記第1空間内に導入するための、前記第1空間に連通する1又は複数の導入口と、前記第2空間内にあるオゾン含有空気を前記筐体の外部に放出するための、前記第2空間に連通する1又は複数の放出口とが形成されており、
    前記仕切部材は、前記第2空間内で前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の導入口を介して前記第1空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能を持ち、
    前記遮光部材は、前記第2空間内で前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を遮光して、前記紫外線が前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に漏洩するのを防止する機能と、前記1又は複数の紫外線ランプの周囲における空気の流れを制御する機能とを持ち、
    前記第2空間内において、前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線を前記仕切部材と前記遮光部材の間の中間領域を流動する空気に照射することによりオゾンを発生させると共に、前記中間領域の外部にある空気に前記紫外線を照射することによりオゾンを発生させ、
    前記第2空間内で発生した前記オゾンを含有する空気を、その流れを前記遮光部材によって制御しながら前記1又は複数の放出口を介して前記筐体の外部に放出するようにしたことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 前記中間領域は、前記第2空間内において前記遮光部材と前記仕切部材との重なり部分で画定され、且つ、その側面が開放された領域とされており、
    前記第2空間内において、前記1又は複数のファンの送風作用により前記中間領域を流動する空気は、前記仕切部材と前記遮光部材の間に配置された前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、それと同時に、前記中間領域の外部にある空気も、前記紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、
    前記中間領域内の空気から発生した前記オゾンと、前記中間領域の外部にある空気から発生した前記オゾンの双方を含有する空気が、前記1又は複数のファンの送風作用により、前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に放出されるように構成されている請求項1に記載のオゾン発生装置。
  3. 前記1又は複数のファンは、前記仕切部材の対応する前記1又は複数の透孔と重なり合っており、
    前記仕切部材の前記1又は複数の透孔は、前記1又は複数の紫外線ランプと重なり合っており、
    前記1又は複数のファンの送風作用により前記1又は複数の透孔を通って前記第1空間から前記第2空間に到達した空気は、前記1は複数の紫外線ランプの周囲を流動してから前記遮光部材に衝突し、前記遮光部材によって反射してから前記中間領域内を流動するように構成されている請求項1又は2に記載のオゾン発生装置。
  4. 前記1又は複数の放出口は、前記筐体の前記遮光部材と重なり合う位置に配置されており、
    前記中間領域内で発生した前記オゾンを含有する空気は、前記1又は複数のファンの送風作用により、前記遮光部材の全外縁を通って前記中間領域の外部に流動した後、前記1又は複数の放出口の近傍まで流動してから、前記第2空間から前記1又は複数の放出口から前記筐体の外部に放出されるように構成されている請求項1~3のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  5. 前記遮光部材と前記1又は複数の紫外線ランプと前記仕切部材と前記1又は複数のファンは、それぞれ、前記筐体内においてほぼ水平に配置されており、
    前記1又は複数の放出口は、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体の上面に配置されており、
    前記筐体内の下位に配置された前記第1空間内の空気は、前記1又は複数のファンの送風作用によって上方に送られて前記筐体内の上位に配置された前記第2空間に到達すると、前記中間領域に入り込んで、前記仕切部材と前記遮光部材の間に配置された前記1又は複数の紫外線ランプから放射される紫外線の照射を受けて前記中間領域でオゾンを発生し、それと同時に、前記中間領域の外部にある空気も前記紫外線の照射を受けてオゾンを発生し、
    前記中間領域内の空気から発生した前記オゾンと、前記中間領域の外部にある空気から発生した前記オゾンの双方を含有する空気が、前記1又は複数のファンの送風作用により上昇して、前記1又は複数の放出口を介して前記第2空間から前記筐体の外部に放出されるように構成されている請求項1~4のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  6. 前記1又は複数の放出口は、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体に配置されており、
    前記オゾンの双方を含有する空気の前記1又は複数の放出口からの吹出方向は、所定の範囲内で変更可能とされている請求項1~5のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  7. 前記1又は複数の紫外線ランプは、直線状の外形を有しており、
    前記複数のファンは、前記1又は複数の紫外線ランプの延在方向に隣接して配置されており、
    前記遮光部材は、前記1又は複数の紫外線ランプのほぼ全体と重なり合うように前記複数の紫外線ランプに沿って延在する形状とされており、
    前記第2空間内において前記仕切部材と前記遮光部材の間に形成された前記中間領域は、主たるオゾン発生領域とされ、前記中間領域を除く前記第2空間が、従たるオゾン発生領域とされている請求項1~6のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  8. 前記複数の紫外線ランプは、1つの方向に延在する外形を有していると共に、前記延在方向に直交する方向に所定の間隔をあけて互いに平行に配置されており、
    前記複数のファンは、前記複数の紫外線ランプの前記延在方向に沿って隣接して前記仕切部材上に配置されており、
    前記遮光部材は、前記複数の紫外線ランプのほぼ全体と重なり合うように前記複数の紫外線ランプに沿って延在する形状とされており、
    前記1又は複数の放出口は、前記遮光部材に重なり合うように前記筐体の上面に配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
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