JP2022062059A5 - - Google Patents
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したがって、本開示の1つの態様は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、70mg/mLを超える濃度で含み、約5.0から5.2未満の範囲のpHを有する水性医薬製剤である。
本開示の別の態様は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分と、アミノ酸凝集阻害剤との混合物を含む水性医薬製剤である。例示的態様において、アミノ酸凝集阻害剤は、電荷を有する側鎖を含むアミノ酸、芳香族アミノ酸、または疎水性アミノ酸を含む。例示的な例では、電荷を有する側鎖を含むアミノ酸は、例えば、アルギニン及びリシンなどの正電荷を有する側鎖を含むアミノ酸である。例示的態様において、芳香族アミノ酸は、フェニルまたはインドールを含む。任意に、芳香族アミノ酸は、アルファ炭素とフェニルまたはインドールとの間にC1-C6アルキル鎖をさらに含む。例えば、フェニルアラニン及びトリプトファンなどのアミノ酸は、例示的なアミノ酸凝集阻害剤である。例示的な例では、アミノ酸凝集阻害剤は、Kyte及びDoolittle疎水性スケールで約2.5を超えるスコアを有する疎水性アミノ酸である。任意に、疎水性アミノ酸はバリン、ロイシンまたはイソロイシンである。さらなるアミノ酸凝集阻害剤は、本明細書に記載されるように企図される。
本開示の別の態様は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む安定な水性医薬製剤の製造方法であって、70mg/mLを超える濃度の抗RANKLモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、アミノ酸凝集阻害剤、緩衝剤、界面活性剤及び任意に張性調節剤と混合することを含む方法を提供する。本開示の態様は、本明細書に記載の安定な水性医薬製剤の製造方法のいずれか1つに従って製造された安定な水性医薬製剤を含む。
本開示の別の態様は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を70mg/mLを超える濃度で含む水性医薬製剤の安定性を改善する方法であって、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分をpHが約5.0から5.2未満の範囲で含む水性医薬製剤を調製するステップを含み、且つこの水性医薬製剤は、約5.0から5.2未満の範囲内のpHでない同等の水性医薬製剤と比較して、約5.0から5.2未満の範囲のpHで改善された安定性を示すものである方法である。
本開示の別の態様は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む水性医薬製剤の安定性を改善する方法であって、アミノ酸凝集阻害剤と混合した、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む水性医薬製剤を調製するステップを含み、且つこの水性医薬製剤は、アミノ酸凝集阻害剤を用いない同等の水性医薬製剤と比較して、アミノ酸凝集阻害剤により改善された安定性を実証する方法である。
製剤に使用するヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、ヒトRANKLタンパク質またはその断片のヒトオステオプロテグリン(OPGL)タンパク質に特異的に結合し、そしてRANKLまたはOPGLタンパク質の活性を阻害または中和し、及び/またはRANK/RANKLシグナル伝達経路を阻害する、抗体またはその抗原結合部分であり、本明細書ではヒト抗RANKLモノクローナル抗体またはその抗原結合部分と称する。例えば、本明細書に記載の製剤は、ヒトRANKL(配列番号12)またはその一部のアミノ酸配列に特異的に結合するヒト抗RANKLモノクローナル抗体を含むことができる。ヒトRANKLタンパク質は、破骨細胞の形成、機能及び生存に必須であることが知られている配列番号11のポリヌクレオチド配列によってコードされる膜貫通タンパク質または可溶性タンパク質である。例えば、ヒト抗RANKL抗体は、RANKLとその受容体RANKとの相互作用を阻害する。
したがって、本開示は、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む安定な水性医薬製剤を作製する方法を提供する。例示的な例では、この方法は、70mg/mLを超える濃度の抗RANKLモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、アミノ酸凝集阻害剤、緩衝剤、界面活性剤及び場合により張性調節剤と混合することを含む。抗体または抗原結合部分は、本明細書に記載されるもののいずれかであり得、抗体またはその抗原結合部分の濃度は、本明細書の教示と一致し得る。アミノ酸凝集阻害剤は、本明細書に記載のもののいずれかであり得る。例えば、アミノ酸凝集阻害剤は、正電荷を有するアミノ酸、芳香族アミノ酸、または疎水性アミノ酸であってもよい。アミノ酸凝集阻害剤は、本明細書に記載の抗体とモル比で存在し得る。凝集阻害剤、界面活性剤、張性調節剤、及び緩衝剤の量及び選択は前述の通りである。本開示はまた、本明細書に記載の製造方法によって製造された製剤を提供する。
以下は、特定の企図された実施形態のリストである:
1.70mg/mLを超える濃度及び約5.0から5.2未満の範囲のpHを有するヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む水性医薬製剤。
1.70mg/mLを超える濃度及び約5.0から5.2未満の範囲のpHを有するヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む水性医薬製剤。
5.ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分とアミノ酸凝集阻害剤の混合物を含む水性医薬製剤。
89.ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を70mg/mLを超える濃度で含む水性医薬製剤の安定性を改善する方法であって、
ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む前記水性医薬製剤を約5.0から5.2未満の範囲のpHで調製することを含み、
前記水性医薬製剤が、約5.0から5.2未満の範囲のpHにない同等の水性医薬製剤と比較して、約5.0から5.2未満の範囲のpHで改善された安定性を示す、前記方法。
ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む前記水性医薬製剤を約5.0から5.2未満の範囲のpHで調製することを含み、
前記水性医薬製剤が、約5.0から5.2未満の範囲のpHにない同等の水性医薬製剤と比較して、約5.0から5.2未満の範囲のpHで改善された安定性を示す、前記方法。
90.ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む水性医薬製剤の安定性を改善する方法であって、
アミノ酸凝集阻害剤と混合した、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む前記水性医薬製剤を調製することを含み、
前記水性医薬製剤は、前記アミノ酸凝集阻害剤を含まない同等の水性医薬製剤と比較して、前記アミノ酸凝集阻害剤による改善された安定性を示す、前記方法。
アミノ酸凝集阻害剤と混合した、ヒト抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を含む前記水性医薬製剤を調製することを含み、
前記水性医薬製剤は、前記アミノ酸凝集阻害剤を含まない同等の水性医薬製剤と比較して、前記アミノ酸凝集阻害剤による改善された安定性を示す、前記方法。
Claims (24)
- (a)配列番号1の軽鎖可変領域及びヒトカッパ軽鎖定常領域、及び配列番号2の重鎖可変領域及びヒトIgG2定常領域を含む、抗ヒト核因子カッパ-B受容体活性化剤リガンド(抗RANKL)抗体、並びに
(b)5mM~300mMの芳香族アミノ酸
を含む、医薬製剤。 - 抗RANKL抗体またはその抗原結合部分が、配列番号13の軽鎖および配列番号14の重鎖を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
- 70mg/mLを超える抗RANKL抗体を含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
- 300mg/mL未満の抗RANKL抗体を含む、請求項3に記載の医薬製剤。
- 75mg/mL~200mg/mLの抗RANKL抗体を含む、請求項4に記載の医薬製剤。
- 100mg/mL~140mg/mLの抗RANKL抗体を含む、請求項5に記載の医薬製剤。
- 120mg/mL±12mg/mLの抗RANKL抗体を含む、請求項5に記載の医薬製剤。
- 芳香族アミノ酸が、フェニルまたはインドールを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 芳香族アミノ酸が、アルファ炭素とフェニルまたはインドールとの間にC1~C6アルキル鎖を含む、請求項8に記載の医薬製剤。
- アルキル鎖がC1~C3アルキル鎖である、請求項9に記載の医薬製剤。
- 芳香族アミノ酸がフェニルアラニンである、請求項10に記載の医薬製剤。
- 芳香族アミノ酸がトリプトファンである、請求項10に記載の医薬製剤。
- 5mM~180mMの芳香族アミノ酸を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 5mM~100mMの芳香族アミノ酸、任意に、30mM~80mMまたは25mM~90mMの芳香族アミノ酸を含む、請求項13に記載の医薬製剤。
- さらに、張性調節剤、任意にソルビトール、マンニトール、スクロース、トレハロース、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される張性調節剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 緩衝剤及び/または界面活性剤をさらに含み、任意に、緩衝剤が酢酸塩またはグルタミン酸塩であり、及び/または界面活性剤がポリソルベート20である、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 5mM~60mMの緩衝液、任意に、16mM~41mMの酢酸緩衝液を含む、請求項16に記載の医薬製剤。
- 溶液、任意に、水溶液である、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 5.0~5.4の範囲のpHを有する、請求項18に記載の医薬製剤。
- 5.2のpHを有する、請求項19に記載の医薬製剤。
- (i)5℃で6cP以下の粘度を有する、(ii)500μS/cm~2000μS/cmの導電率を有する、(iii)200mOsm/kg~500mOsm/kgの範囲のオスモル濃度を有する、及び/または(iv)2℃~8℃で、少なくとも12ヶ月間、24ヶ月間、または36ヶ月間保存した後、SE-UHPLCによって測定して、2%未満の高分子量種(HMWS)及び/または98%超の抗体主ピークを含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
- 請求項1~21のいずれか1項に記載の医薬製剤を含有する容器。
- バイアル、プレフィルドシリンジ(PFS)、またはガラス容器である、請求項22に記載の容器。
- 対象において、骨関連事象(SRE)、骨の巨細胞腫、高カルシウム血症、または骨粗鬆症を治療するため、または、対象において骨量を増加させるための、または
(a)固形腫瘍からの骨転移を有する対象におけるSREの治療、
(b)切除不能であるか、または外科的切除が重度の罹患率を生じる可能性がある、骨の巨細胞腫を有する成人または骨格の成熟した青年である対象におけるSREの治療、
(c)対象におけるビスホスホネート治療に難治性である悪性腫瘍の高カルシウム血症の治療、
(d)多発性骨髄腫、または固形腫瘍由来の骨転移を有する対象におけるSREの治療、
(e)骨折の危険性が高い閉経後女性の骨粗鬆症の治療、
(f)乳癌のアジュバントアロマターゼ阻害剤療法を受けている骨折の危険性が高い女性の骨量を増加させる治療、
(g)非転移性前立腺癌のアンドロゲン除去療法を受けている骨折のリスクが高い男性の骨量を増加させる治療、
(h)骨折の危険性が高い骨粗鬆症を有する男性の骨量を増加させるための治療、及び/または
(i)カルシウムまたはビタミンDによる療法
のための、請求項1~23のいずれか1項に記載の医薬製剤。
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