JP2022057158A - インクセット - Google Patents

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雄介 水瀧
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Abstract

【課題】光源間色差及び粒状性を低減することのできるインクセットを提供すること。
【解決手段】プロセスカラーインクとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及び、ブラックインクを含むプロセスカラーインクセットと、プロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクと同系色のライトインクと、を含む、インクセットであって、イエローインクは、最大吸収波長を350nm以上480nm以下に有し、マゼンタインクは、最大吸収波長を510nm以上560nm以下に有し、シアンインクは、最大吸収波長を580nm以上700nm以下に有し、イエローインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、マゼンタインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、シアンインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下であり、ライトインクは、可視光波長域における最大吸光度が、対応するプロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下である、インクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセットに関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、記録装置や用いるインク等、幅広く検討が為されている。例えば、特許文献1には、特定の色材をそれぞれ含む、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクを備えたインクセットが開示されている。同文献には、かかるインクセットは、耐オゾン性、耐光性及び耐湿性に加えて、耐ブリード性、初期充填性、連続印刷性に優れる旨の記載がある。
特開2016-029148号公報
インクジェット記録により形成される画像は、人間が見た場合に、画像を照らす光源に依存して、色が異なって見える現象(光源間色差、条件等色、メタメリズムともいう。)がある。また、記録媒体上でインクのドットが目立つ現象(粒状性)は、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを用いて無彩色画像を形成する場合に現れやすい。
特許文献1に記載のインクセットでは、画像の光源間色差や粒状性を考慮しておらず、同文献に開示された多様な色材のすべてが、光源間色差や粒状性を十分に抑制できるとは限らなかった。したがって、光源間色差及び粒状性を低減することのできるインクセットが望まれる。
本発明に係るインクセットの一態様は、
プロセスカラーインクとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及び、ブラックインクを含むプロセスカラーインクセットと、
前記プロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクと同系色のライトインクと、を含む、インクセットであって、
前記イエローインクは、最大吸収波長のピークの極大値を350nm以上480nm以下に有し、
前記マゼンタインクは、最大吸収波長のピークの極大値を510nm以上560nm以下に有し、
前記シアンインクは、最大吸収波長のピークの極大値を580nm以上700nm以下に有し、
前記イエローインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
前記マゼンタインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
前記シアンインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下であり、
前記ライトインクは、可視光波長域における最大吸光度が、対応する前記プロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下である。
記録装置の実施形態の概略構成を透視状態で模式的に示す斜視図。 記録装置の筐体内に備えられたインク供給ユニットを示す斜視図。 同じくインク供給ユニットの平面図。 図3における4-4線矢視の一部破断面図。 図3における5-5線矢視の一部破断面図。 キャップが取り外された状態にあるインク収容体の斜視図。 インク収容体の側面図。 インク収容体の正面図。 インク収容体の平面図。 図9における10-10線矢視断面図。 図9における11-11線矢視断面図。 インクタンクに対するインク補給作業直前の状態を示す一部破断正面図。 インクタンクに対するインク補給作業直前の状態を示す一部破断側面図。 インクタンクに対するインク補給作業中の状態を示す一部破断正面図。 インクタンクに対するインク補給作業中の状態を示す一部破断側面図。 インク補給時にインク収容体の位置決め部がインクタンク側の受け面に当接した状態を示す一部破断正面図。 インク補給時にインク収容体の位置決め部がインクタンク側の受け面に当接した状態を示す一部破断側面図。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.インクセット
本実施形態に係るインクセットは、プロセスカラーインクセットと、ライトインクと、を含む。インクセットに含まれるインクの数は、5以上であれば限定されない。
1.1.プロセスカラーインクセット
本実施形態のインクセットは、プロセスカラーインクセットを含む。プロセスカラーインクセットは、プロセスカラーインクとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及び、ブラックインクを含む。
1.1.1.イエローインク
プロセスカラーインクセットは、イエローインクを含む。イエローインクは、最大吸収波長を350nm以上480nm以下に有する。また、イエローインクは、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下である。最大吸収波長が属するピークの半値幅が、85nm以上であることにより、得られる画像の光源間色差を低減でき、100nm以下であることにより、得られる画像の粒状性を抑制することができる。特に、インクセットを用いた、無彩色の画像の粒状性を抑制することができる。
ここで、最大吸収波長とは、インクの可視光領域の吸収スペクトル(縦軸:吸光度、横軸:波長)において、最大の吸光度を示す波長を指す。また、可視光領域としては、400~700nmとすることができる。
インクの吸収スペクトルは、例えば、分光光度計(V-770 日本分光株式会社製)を用いて、スペクトル測定プログラムで測定し、付属のソフトウェア(スペクトルマネージャー)により取得することができる。
また、最大吸収波長が属するピークの半値幅とは、インクの可視光領域の吸収スペクトルにおいて、最大の吸光度を示すピークの半分の吸光度における幅を指す。
イエローインクは、最大吸収波長を350nm以上450nm以下に有してもよい。また、イエローインクは、最大吸収波長が属するピークの半値幅が88nm以上98nm以下であってもよい。
イエローインクの最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅は、イエローインクに含有する色材を選択することにより調節することができる。
イエローインクは、最大吸収波長が350nm以上480nm以下、かつ、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下となる限り、複数種の色材を含んでもよい。
イエローインクが含有し得る色材としては、限定されず、例えば、以下に示す染料を挙げることができる。
イエローインクは、下記式(Y-1)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000001
・・・(Y-1)
[式(Y-1)中、Qはそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、R11及びR12はそれぞれ独立にイオン性親水性基で置換されたアルキル基を示す。Aは下記式(A1-1)で表される基、C1-C3アルコキシ置換アルキルアミノ基、モノC1-C6アルキル置換アミノ基、水酸基を2つ以上有するモノC2-C6アルキル置換アミノ基、又は環状アミン基を示す。]
Figure 2022057158000002
・・・(A1-1)
[式(A1-1)中、RA11は分岐鎖状のアルキレン基を示し、はトリアジン環との結合位置を示す。]
また、上記式(Y-1)で表される化合物又はその塩の中では、下記式(Y-1-1)で表される化合物又はその塩を含むことが好ましい。
Figure 2022057158000003
・・・(Y-1-1)
イエローインクは、下記式(Y-2)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000004
・・・(Y-2)
イエローインクは、下記式(Y-3)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000005
・・・(Y-3)
イエローインクは、下記式(Y-4)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000006
・・・(Y-4)
イエローインクは、上記例示した中でも、式(Y-1-1)で表される化合物又はその塩を含むことが、最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲にしやすい点でより好ましい。また、イエローインクが、式(Y-1-1)で表される化合物又はその塩を含む場合には、インクセットによって形成される画像の光源間色差をさらに低減しやすい。また、イエローインクは、上記例示した色材以外の色材を含んでもよいが、その場合には最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲となるように、イエローインク総量に対して例えば、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とすることが好ましい。
1.1.2.マゼンタインク
プロセスカラーインクセットは、マゼンタインクを含む。マゼンタインクは、最大吸収波長のピークの極大値を510nm以上560nm以下に有する。また、マゼンタインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅は85nm以上100nm以下である。最大吸収波長が属するピークの半値幅が、85nm以上であることにより、得られる画像の光源間色差を低減でき、100nm以下であることにより、得られる画像の粒状性を抑制することができる。特に、インクセットを用いた、無彩色の画像の粒状性を抑制することができる。
マゼンタインクは、最大吸収波長を520nm以上550nm以下に有してもよい。また、マゼンタインクは、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上98nm以下であってもよい。
マゼンタインクの最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅は、マゼンタインクに含有する色材を選択することにより調節することができる。
マゼンタインクは、最大吸収波長が510nm以上560nm以下、かつ、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下となる限り、複数種の色材を含んでもよい。
マゼンタインクが含有し得る色材としては、限定されず、例えば、以下に示す染料を挙げることができる。
マゼンタインクは、下記式(M-1)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000007
・・・(M-1)
マゼンタインクは、下記式(M-2)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000008
・・・(M-2)
マゼンタインクは、下記式(M-3)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000009
・・・(M-3)
マゼンタインクは、上記例示した中でも、式(M-1)で表される化合物又はその塩及び式(M-2)で表される化合物又はその塩の少なくとも一つを含むことが、最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲にしやすい点でより好ましい。また、マゼンタインクが、式(M-1)で表される化合物又はその塩及び式(M-2)で表される化合物又はその塩の少なくとも一つを含む場合には、インクセットによって形成される画像の光源間色差をさらに低減しやすい。また、式(M-1)で表される化合物又はその塩及び式(M-2)で表される化合物又はその塩の両方を含有することがより好ましく、式(M-3)で表される化合物又はその塩をさらに含有することが、さらに好ましい。また、マゼンタインクは、上記例示した色材以外の色材を含んでもよいが、その場合には最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲となるように、マゼンタインク総量に対して例えば、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とすることが好ましい。
1.1.3.シアンインク
プロセスカラーインクセットは、シアンインクを含む。シアンインクは、最大吸収波長のピークの極大値を580nm以上700nm以下に有する。また、シアンインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅は118nm以上165nm以下である。最大吸収波長が属するピークの半値幅が、118nm以上であることにより、得られる画像の光源間色差を低減でき、165nm以下であることにより、得られる画像の粒状性を抑制することができる。特に、インクセットを用いた、無彩色の画像の粒状性を抑制することができる。
シアンインクは、最大吸収波長を600nm以上550nm以下に有してもよい。また、シアンインクは、最大吸収波長が属するピークの半値幅が130nm以上155nm以下であってもよい。
シアンインクの最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅は、シアンインクに含有する色材を選択することにより調節することができる。
シアンインクは、最大吸収波長が580nm以上700nm以下、かつ、最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下となる限り、複数種の色材を含んでもよい。
シアンインクが含有し得る色材としては、限定されないが、銅フタロシアニン骨格を含む化合物又はその塩を含有することが好ましい。このようにすれば、インクセットによって形成される画像の光源間色差をさらに低減することができる。
銅フタロシアニン骨格を含む化合物又はその塩の例としては、以下に示す染料を挙げることができる。
シアンインクは、下記式(C-1)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000010
・・・(C-1)
シアンインクは、下記式(C-2)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000011
・・・(C-2)
シアンインクは、上記例示した中でも、式(C-1)で表される化合物又はその塩及び式(C-2)で表される化合物又はその塩の少なくとも一つを含むことが、最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲にしやすい点でさらに好ましい。また、シアンインクが、式(C-1)で表される化合物又はその塩及び式(C-2)で表される化合物又はその塩の少なくとも一つを含む場合には、インクセットによって形成される画像の光源間色差をさらに低減しやすい。また式(C-1)で表される化合物又はその塩及び式(C-2)で表される化合物又はその塩の両方を含有することがより好ましい。また、シアンインクは、上記例示した色材以外の色材を含んでもよいが、その場合には最大吸収波長及び最大吸収波長が属するピークの半値幅を上記範囲となるように、シアンインク総量に対して例えば、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とすることが好ましい。
1.1.4.ブラックインク
プロセスカラーインクセットは、ブラックインクを含む。ブラックインクは、例えば、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクにより表現されるコンポジットブラックの発色を補う役割を有する。ブラックインクが含有し得る色材としては、限定されず、例えば、以下に示す染料を挙げることができる。
ブラックインクは、下記式(B-1)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000012
・・・(B-1)
ブラックインクは、下記式(B-2)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000013
・・・(B-2)
ブラックインクは、上記例示した中でも、式(B-1)で表される化合物又はその塩を含むことが、ブラックインクの耐オゾン堅牢性が高まるので好ましい。また、ライトインクに対応するプロセスカラーインクをブラックインクとする場合、両者が式(B-1)で表される化合物又はその塩を含むことで、形成される画像の耐オゾン堅牢性を高めることができる点で好ましい。また、ブラックインクは、上記例示した色材以外の色材を含んでもよいが、その場合にはブラックインク総量に対して例えば、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とすることが好ましい。
1.1.5.その他のプロセスカラーインク
プロセスカラーインクセットは、上述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクを含むが、プロセスカラーインクとして、グリーンインク、オレンジインク、パープルインク等を含んでもよい。
1.2.ライトインク
本実施形態のインクセットは、上記プロセスカラーインクセットの他に、ライトインクを含む。ライトインクは、上述したプロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクと同系色のインクであるが、色材の含有量が小さいインクである。
ライトインクは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクの少なくとも1つに対応する色を有している。インクセットは、複数のライトインクを含んでもよい。
ライトインクは、可視光波長域における最大吸光度が、対応するプロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下である。1つのライトインクが含む色材の合計の含有量を、対応するプロセスカラーインクの色材の含有量よりも低くすることで、プロセスカラーインクの最大吸光度の70%以下の最大吸光度としやすい。
また、ライトインクに含まれる色材は、対応するプロセスカラーインクに含まれる色材と同じであっても異なってもよい。しかし、ライトインクに含まれる色材を、対応するプロセスカラーインクに含まれる色材と同じとすることにより、上述したプロセスカラーインクに含まれる色材の利点を追加的に得ることができる。
ライトインクは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクのいずれに対応する色であってもよいが、特に、ブラックインクに対応することが好ましい。これにより、インクセットにより形成される画像の粒状性をさらに低減することができる。これは明度が低いことに由来してインクドットの輪郭のコントラストが先鋭化しやすいブラックインクに対してライトブラックインクとしてその輪郭のコントラストを鈍化する作用があるからである。
ライトインクがブラックインクに対応するライトブラックインクである場合、上述のブラックインクと同様に、含有される色材は限定されないが、好ましい染料の例として、上述した式(B-1)で表される化合物又はその塩及び式(B-2)で表される化合物又はその塩の少なくとも一つを含有することができる。なお、ブラックインクが式(B-1)で表される化合物又はその塩を含む場合には、ライトブラックインクも式(B-1)で表される化合物又はその塩を含むことが上記理由で好ましい。
プロセスカラーインクの最大吸光度の70%以下の最大吸光度とするにはライトインクにおける色材の含有量は、対応するプロセスカラーインクの色材の含有量よりも少なくすることが好ましく、例えば、プロセスカラーインクにおける色材の含有量の60%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下の含有量とすることが好ましい。
ライトブラックインクにおける色材の含有量の下限としては、例えば、ライトインクが、ライトブラックインクである場合であって、ライトブラックインクが式(B-1)で表される化合物又はその塩を含有する場合、ライトブラックインクの総量に対し、0.3質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上である。
1.3.化合物の塩
本明細書において、化学式で表される化合物の塩は、当該化学式の複数の酸基のHの少なくとも1つが、それぞれ独立にLi、Na、K、NHとなった化合物に相当する。すなわち、本明細書の化学式で表される化合物の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、及び、それらが混合した塩が挙げられる。また、本明細書の化学式で表される化合物の塩は、水溶液中で電離した場合に、水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びアンモニウムイオンの少なくとも1種が当該水溶液中に放出されるものと言える。
1.4.各インクの色材以外の組成
イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク及びライトインクについて、色材以外の組成について述べる。各インクにおける色材以外の組成は、同様であるので、本項では、各インクを単にインクと称して説明する。
インクは、界面活性剤、有機溶剤、水、その他の成分を含有してもよい。
(1)界面活性剤
インクには、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、インクの表面張力を低下させて、記録媒体に対する浸透性を高める機能を有している。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種が採用可能である。
インクに界面活性剤を添加する場合の含有量は、インクの全質量に対し、0.01質量%以上、3.00質量%以下である。好ましくは、0.05質量%以上、2.00質量%以下であり、より好ましくは0.10質量%以上、1.00質量%以下であり、さらにより好ましくは、0.20質量%以上、0.50質量%以下である。界面活性剤の含有量を上記範囲とすることによって、起泡を抑えて印刷時の吐出安定性を確保すると共に、記録媒体に付着した際のインクの濡れ広がり(濡れ性)を向上させることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などを用いることができる。これらの界面活性剤を用いることにより、比較的に少量の含有量で、記録媒体に対する濡れ性を向上させることができる。
ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ニューコール2300番系(2303、2327、2399-Sなど)、ニューコールNT系(3、5、7、9など)、ニューコール1000番系(1004、1006、1008、1203、1305、1525など)(以上商品名、日本乳化剤社)、エマルゲン102KG、103、104P、105、106、108、120、147、150、220、350、404、420、430、705、707、709、1108、4085、2025G(以上商品名、花王社)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヘキシルエーテル(C13-EO-PO-OH)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキシド付加物、2,4-ジメチル-5-デシン-4-オール、2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキシド付加物、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3オール、2,4-ジメチル-5-ヘキシン-3-オールなどのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
このようなアセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を用いてもよい。例えば、サーフィノール(登録商標)104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG-50、104S、420、440、465、485、SE、SE-F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上商品名、Air Products and Chemicals, Inc.社)、オルフィン(登録商標)B、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD-001、PD-002W、PD-003、PD-004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF-103、AF-104、AK-02、SK-14、AE-3(以上商品名、日信化学工業社)、アセチレノール(登録商標)E00、E00P、E40、E100(以上商品名、川研ファインケミカル社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、市販品が採用可能であり、例えば、メガファック(登録商標)F-479(商品名、DIC社)、BYK-340(商品名、BYK社)などが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が採用可能である。ポリシロキサン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK-302、306、307、333、341、345、346、347、348(以上商品名、BYK社)、KF-351A、352A、353、354L、355A、615A、945、640、642、643、6020、6011、6012、6015、6017、X-22-4515(以上商品名、信越化学工業社)などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、石けん、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテルリン酸エステル塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩化合物、N-メチルビスヒドロキシエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩などのアミン塩化合物が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキルアミノ脂肪酸塩などのアミノ酸化合物が挙げられる。
上述した界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(2)有機溶剤
インクには、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤を添加することにより、粘度、表面張力などの物性や、記録媒体に付着させた際の乾燥、浸透などの挙動を制御することができる。有機溶剤としては、例えば、2-ピロリドン類、1,2-アルカンジオール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を用いることが可能である。
2-ピロリドン類とは、2―ピロリドン骨格を有する化合物のことをいう。2-ピロリドン類としては、例えば、置換基を有していない2-ピロリドンの他に、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドンなどの置換基を有する化合物が用いられる。2―ピロリドン骨格における置換基は、炭素数が1以上、5以下の、飽和又は不飽和の炭化水素基などの有機基が好ましい。これらの中でも、インクの保存安定性及び凝集物の発生を抑制する効果に優れている、2-ピロリドンを用いることがより好ましい。
2-ピロリドン類を添加する場合の含有量は、インクの全質量に対して、0.9質量%以上、8.1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、1.0質量%以上、8.0質量%以下である。2-ピロリドン類の含有量を上記の範囲内とすることにより、インクの粘度の増加を抑えて、インクの吐出安定性を向上させることができる。
1,2-アルカンジオール類としては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールなどが挙げられる。1,2-アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて、均一に濡らす作用に優れている。そのため、滲みを抑えた印刷物を作製することができる。1,2-アルカンジオール類を添加する場合の含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、グリセリンなどが挙げられる。多価アルコール類をインクに添加することよって、インクジェットヘッドの吐出ノズル内におけるインクの乾燥固化を抑制して、吐出ノズルの目詰まりや吐出不良などを低減することができる。多価アルコール類を添加する場合の含有量は、インクの全質量に対して、2質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。なお、20℃では固体の多価アルコール類も、有機溶剤の多価アルコール類と同様な作用を有しており、同様に用いてもよい。20℃で固体の多価アルコール類としては、例えば、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
また、多価アルコール類のうち、沸点が270℃以上の多価アルコールを用いると、保湿剤としての機能が強くなる。これにより、各インクにおける水分の蒸発が抑えられる。そのため、例えば、インクを保存する際や、インクを記録ヘッドに入れた状態で放置する際などに、インクの濃化が抑制され、ノズルの目詰まりの低減、目詰まりした場合の回復性、吐出安定性などがより良好となる。また、インクの濃化が抑制されることで、形成される画像における粒状性をさらに抑制することができる。
沸点が270℃以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリンを例示できる。沸点が270℃以上の多価アルコールを用いる場合には、インクの総量に対して8.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは12.0質量%以上である。
グリコールエーテル類としては、例えば、アルキレングリコールモノエーテルやアルキレングリコールジエーテルなどが挙げられる。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
グリコールエーテル類をインクに添加することよって、記録媒体に対する濡れ性や浸透速度を調整できるため、画像や模様などを鮮明に形成することができる。グリコールエーテル類を添加する場合の含有量は、インクの全質量に対して、0.05質量%以上、6質量%以下であることが好ましい。
上述した有機溶剤は、複数種を混合して用いてもよい。その場合、インクにおける有機溶剤の合計の含有量は、インクの全質量に対し、0.2質量%以上、30.0質量%以下であり、好ましくは、0.4質量%以上、20.0質量%以下であり、より好ましくは、0.5質量%以上、15.0質量%以下である。有機溶剤の合計の含有量を上記の範囲とすることにより、インクの粘度の増大の抑制、記録媒体に付着させた際の挙動(浸透及び濡れ広がり)の調節、印刷時の吐出安定性の向上などが可能となる。
(3)水
インクは、水を含有してもよい。インクは水系であることが好ましい。水系とは主要な溶媒成分の1つとして水を含有する組成物である。水は主となる溶媒成分として含んでもよく、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を抑制できるので好適である。水の含有量はインクの総量に対して好ましくは75.0質量%以上であり、より好ましくは80.0質量%以上98質量%以下であり、さらに好ましくは85.0質量%以上95.0質量%以下である。
(4)その他
インクには、その他の成分として、pH調整剤、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、キレート剤、定着剤(樹脂微粒子)などの種々の添加剤を添加してもよい。
pH調整剤としては、例えば、尿素類、アミン類、モルホリン類、ピペラジン類、2種以上である等のアミノアルコール類、を例示できる。尿素類としては、尿素、エチレン尿素、テトラメチル尿素、チオ尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等、及び、ベタイン類(トリメチルグリシン、トリエチルグリシン、トリプロピルグリシン、トリイソプロピルグリシン、N,N,N-トリメチルアラニン、N,N,N-トリエチルアラニン、N,N,N-トリイソプロピルアラニン、N,N,N-トリメチルメチルアラニン、カルニチン、アセチルカルニチン等)等が挙げられる。アミン類としては、ジエタノールアミン、2種以上である、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。pH調整剤を含有することにより、例えば、インク流路を形成する部材からの不純物の溶出を抑制したり、促進したりすることができ、インクの洗浄性を調節することができる。
防かび剤・防腐剤としては、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL-2、プロキセルIB、又はプロキセルTNなどを挙げることができる。防かび剤・防腐剤を含有することにより、カビや細菌の増殖を抑制することができ、インクの保存性がより良好となる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)や、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、又はメタリン酸塩等が挙げられる。
1.5.インクの物性、調製等
インクの25℃における表面張力は、10mN/m以上、40mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN/m以上、40mN/m以下であり、さらに好ましくは、20mN/m以上、35mN/m以下である。25℃における表面張力を、上記の範囲とすることにより、印刷を行う際に、吐出ノズルからのインクの吐出安定性が向上する。なお、インクの表面張力は、例えば、自動表面張力計CBVP-Z(協和界面科学社)を用いて、25℃の環境下にて、白金プレートの一部をインクに浸漬させて測定することが可能である。
インクは、紙、フィルム、布帛等の記録媒体にインクジェット法により付着される。そのため、インクの20℃における粘度は、2mPa・s(ミリパスカル秒)以上、15mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは、2mPa・s以上、10mPa・s以下であり、さらに好ましくは、3mPa・s以上、6mPa・s以下である。なお、インクの粘度は、例えば、粘弾性試験機MCR-300(Pysica社)を用いて測定することが可能である。具体的には、インクの温度を20℃に調整し、Shear Rateを10から1000に上げ、Shear Rateが200のときの粘度を読み取ることにより測定される。
本実施形態のインクは、上述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを実施して不純物や異物などを除去することで調製することができる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネットスターラーなどの撹拌装置を備えた容器に、材料を順序添加して撹拌、混合する方法が用いられる。濾過の方法としては、遠心濾過、フィルター濾過などがある。
1.6.作用効果
本実施形態のインクセットは、プロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が特定の範囲であるので、光源の光のスペクトルが変化しても、得られる画像の光源間色差を小さく抑えることができる。また、本実施形態のインクセットによれば、ライトインクにより、記録媒体上で形成されるドットの輪郭のコントラストを鈍化することができるので、粒状性の抑制された画像を形成することができる。
1.7.インクセットの用途等
本実施形態のインクセットは、開閉可能な注入口と、液体を収容する液体収容部と、液体を吐出する記録ヘッドと、を備える記録装置であって、液体が記録装置とは別体の収容体に収容され、収容体から液体が、液体注入口を介して液体収容部に充填され、収容体が液体の充填時のみ記録装置に接続される、記録装置に用いられてもよい。この場合、液体がプロセスカラーインク、又は、ライトインクとすることができる。開閉可能な注入口を備える記録装置においては、特に液体注入口からの水分蒸発を生じやすく、インクが濃化する場合があり、形成される画像における粒状性の抑制がより求められるところ、本実施形態のインクセットによれば、開閉可能な注入口を備える記録装置を用いる場合においても、粒状性の抑制された画像を形成することができる。
以下に本実施形態のインクセットを使用するのに好適な記録装置の例を説明する。なお、以下で説明する記録装置のインク収容体は、媒体に対してインクを吐出することによって、媒体に画像等の記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンター(記録装置)のインクタンクに対して、インク組成物を補給するためのボトルとなっている。当該ボトルが、記録装置とは別体の収容体に相当する。
また、インク入口53が開閉可能な注入口に相当し、インクタンク41~45が液体を収容する液体収容部に相当し、記録ヘッド25が液体を吐出する記録ヘッドに相当する。
図1に示すように、記録装置21は、左右方向を長手方向とする直方体形状の筐体22を備えている。なお、図1は、記録装置21における筐体22内を透視した状態で簡略的に図示している。筐体22内における後方寄りの下部には、左右方向を長手方向とする支持台23が、その上面を略水平方向に沿わせるようにして設けられている。媒体の一例である用紙Pは、この支持台23の上面に支持されつつ、搬送方向となる前方に向けて搬送される。また、筐体22内における支持台23の上方位置には、左右方向に沿って延びるガイド軸24が架設され、そのガイド軸24にはインクを吐出する記録ヘッド25を下面側に備えたキャリッジ26が支持されている。すなわち、キャリッジ26は、左右方向に貫通する支持孔27にガイド軸24が挿通された状態で、そのガイド軸24に対して左右方向への往復移動自在に支持されている。
また、筐体22内においてガイド軸24の両端の近傍にあたる位置には、駆動プーリー28と従動プーリー29とがそれぞれ回転自在に支持されている。駆動プーリー28にはキャリッジモーター30の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー28と従動プーリー29との間には一部がキャリッジ26に連結された無端状のタイミングベルト31が巻き掛けられている。そして、キャリッジモーター30の駆動によりキャリッジ26がタイミングベルト31を介してガイド軸24にガイドされつつ用紙Pに対する走査方向となる左右方向に沿って往復移動するときに、支持台23上を前方に搬送される用紙Pに対してキャリッジ26の下面側の記録ヘッド25から用紙Pに対してインクが吐出される。
また、図1に示すように、筐体22の前面側において支持台23の前方側となる位置には、筐体22内で支持台23上を搬送されるときに記録ヘッド25からのインクの吐出により記録を行われた用紙Pを前方側に排出する矩形の排出口32が開口している。排出口32には、筐体22内から排出される用紙Pを支持可能な矩形板状の排出トレイ33が、排出方向である前方への出没自在に設けられている。また、排出口32内において、排出トレイ33の下側には記録に用いる複数枚の用紙Pを積層状態で収容可能な給紙カセット34が前後方向への挿抜自在に装着されている。
また、図1に示すように、筐体22における前面であって排出口32よりも左右方向の端部側(図1では、右端部側)となる位置には、前面と上面が矩形状で右側面が直角三角形状をなす開閉扉35が、その下端に設けられた左右方向に沿う回転軸36を回転中心として前後方向への開閉動作自在に設けられている。この開閉扉35の前面には、矩形状の透明部材からなる窓部37が形成されており、ユーザーは開閉扉35を閉じた状態で筐体22の内部(特に、開閉扉35の前面の裏側)を視認できるようになっている。
記録装置21の筐体22内において、開閉扉35の裏側となる位置、すなわち前面寄りで且つ端部寄り(この場合は右端部寄り)となる位置には、記録ヘッド25に対してインクを供給するインク供給ユニット40が収容されている。インク供給ユニット40は、複数(本実施形態では5つ)のインクタンク41~45を含んで一体的に取り扱い可能とされた構造体であり、後で述べるように、各インクタンク41~45にはインクが補給可能とされている。
図2及び図3に示すように、インク供給ユニット40は、前後方向に長い変形箱形状の5つのインクタンク41~45と、各インクタンク41~45の後面側から引き出された5つのインク供給チューブ46と、それらのインクタンク41~45を一括にした状態で組み付けられる直方体形状のインク補給用アダプター47を含んで構成されている。このインク補給用アダプター47は、全てのインクタンク41~45が厚さ方向を左右方向にして横並びに配置された状態において、全てのインクタンク41~45の上部前半部分に切欠形成された段差部48に組み付けられることで、インクタンク41~45と一体化されている。なお、図1に示すように、インクタンク41~45から引き出されたインク供給チューブ46は、キャリッジ26内に形成されたインク流路(図示略)に接続され、そのインク流路を介して記録ヘッド25に接続されている。尚、インク補給用アダプター47は、インクタンク41~45を覆う筐体22の一部を構成するものであってもよく、インクタンク41~45と一体的に形成されていてもよい。
図4及び図5に示すように、インクタンク41~45は、その内部にインク組成物IKを貯留可能なインク貯留室49を有している。本実施形態の場合、その横並び方向で右端に位置するインクタンク41のインク貯留室49には例えばブラックインクが貯留される。そして、横並び方向で右端のインクタンク41よりも左側に並ぶ他の各インクタンク42~45のインク貯留室49にはブラック以外のカラー(シアン、マゼンタ、イエロー、ライトなど)インクが貯留される。また、インクタンク41~45において筐体22の前面の窓部37を介して視認可能とされる前壁部には、インク貯留室49内のインク組成物IKの液面を視認可能とする透明樹脂で形成された視認部50が設けられている。そして、その視認部50には、インク貯留室49内に貯留されるインク組成物IKの液面の上限の目安(インクをインク入口53から溢れさせずに注入可能なインク量の目安の例)を示す上限マーク51と下限の目安(例えば、インクの補給を促す目安)を示す下限マーク52が記されている。
図4に示すように、インクタンク41~45において段差部48の水平部分の上側には外部からインク貯留室49内へのインクの流入を可能とするインク入口53が設けられている。インク入口53は、インク貯留室49の内部と外部とを連通する流路54,55を有して鉛直上方に向けて延びる針56を含んで構成されている。針56の流路54,55は、各々の先端開口が針56を中心とする放射方向に並んで配置された2つの流路54,55からなり、それら2つの流路54,55のうち一方(図4では右側)の流路54は、他方(図4では左側)の流路55よりも、その先端開口の高さが低く且つその流路の断面積が大きく形成されている。なお、インク貯留室49内の後方寄り下部には、インク貯留室49内のインク組成物IKの残量を検出するための残量センサー57が設けられている。尚、残量センサー57は設けられていなくてもよい。
図2~図5に示すように、インク補給用アダプター47は、その上面58が針56の延びる方向と直交(交差)する方向に沿う水平な面とされ、その上面58には下面59まで上下方向に貫通する貫通孔60がインク入口形成部として形成されている。この貫通孔60は、針56が中央に配置される円孔形状のインク入口53と、インク入口53の前後に連なる前後一対の矩形孔部からなり、その下側の開口はインクタンク41~45において針56を上方に向けて突設した段差部48の水平部分により塞がれている。
そのため、貫通孔60において、インク入口53を中心とする放射方向でインク入口53の外側となる領域には、下側の開口を塞がれた前後一対の矩形孔部により、針56の延びる方向である上側に開口する前後一対の凹部61が、インク入口53を中心として点対称となるように鉛直下方を深さ方向として窪み形成される。すなわち、インクタンク41~45に一体化されたインク補給用アダプター47において針56を含むインク入口53の外側となる領域には、インク入口53を中心として点対称をなす複数(この場合は前後で対をなす2つ)の凹部61が形成されることになる。なお、この場合において、円孔形状のインク入口53の中心に配置される針56の先端は、インク入口53と凹部61とが含まれる貫通孔60の開口縁となるインク補給用アダプター47の上面58よりも、インク貯留室49側に位置している。すなわち、インク補給用アダプター47の上面58は、針56の延びる方向において該針56の先端よりも外側の位置で該針56が延びる方向と交差する方向に延びている。その一方、インク補給用アダプター47の下面59は、左右方向へ横並びにした複数のインクタンク41~45に対してそれらを一括にして上側から係合するタンク係合部として機能する。
また、インク補給用アダプター47の上面58のうち、各貫通孔60の上側の開口縁の周辺部分は、特定の色に着色されている。すなわち、その貫通孔60のインク入口53を介してインクが流入されるインクタンク41~45のインク貯留室49に貯留されているインクの色と同色に着色されている。
また、凹部61の内面(具体的には上下方向に沿う内側面)において、その凹部61の上側の開口縁よりも底面側(すなわち、段差部48の水平部分側)となる位置には、水平方向に特徴的な凹凸形状を呈する第1凹凸部(第1キー構造部)62が、凹部61の深さ方向(換言すると、インク入口53の中心軸の方向)に沿って延びるように設けられている。図2及び図3に示すように、第1凹凸部62は、複数(本実施形態では5つ)あるインクタンク41~45のインク入口53ごとに設けられる。そのため、インク補給用アダプター47において、各インクタンク41~45と上下方向で各々対応する位置に形成された各貫通孔60における矩形の凹部61には、それぞれ貫通孔60ごとに他の貫通孔60の凹部61の内面に設けられた第1凹凸部62とは異なる第1凹凸部62が形成されている。すなわち、これらの第1凹凸部62は、その第1凹凸部62が形成された貫通孔60内のインク入口53に接続されるインク出口65(図6等参照)を有するインク収容体63(図6等参照)を識別可能とする識別部として機能するものである。なお、「凹部61の上側の開口縁よりも底面側となる位置」とは、開口縁よりも若干でも底面側に後退した位置であればよいことを意味する。
そこで次に、インクタンク41~45と共にインク補給システムを構成し、インク残量が少なくなったインクタンク41~45にインクを補給するインク補給容器として、インク収容体63について説明する。インク収容体63には、上述のインク組成物が収容されている。
図6~図8に示すように、インク収容体63は、その主体となる円筒状の容器本体部64と、容器本体部64の先端部に設けられ、インク収容体63内からのインクの流出を可能とするインク出口65が先端に開口形成されたインク出口形成部66と、インク出口形成部66にインク出口65を囲むように付加される容器付加部67とを備えている。インク出口形成部66のインク出口65は、その周りの容器付加部67も含めて有底筒状のキャップ68により覆われることで、インク収容体63の保管時には、外部から隠蔽される。すなわち、容器付加部67の円筒状をなす下端部の外周面には雄ねじ部69が形成される一方、キャップ68の内周面には図示しない雌ねじ部が形成されており、容器付加部67の雄ねじ部69にキャップ68の雌ねじ部を螺合させることにより、キャップ68はインク収容体63の先端部に対してインク出口65を覆うように取着される。
なお、容器付加部67は、その外面全体が特定の色に着色されている。すなわち、その容器付加部67が付加される容器本体部64内に収容されているインクの色と同色に着色されている。
また、図6~図8に示すように、容器付加部67の外周面に雄ねじ部69が形成された円筒状の下端部よりも上方部分には、インク出口65を中心とする放射方向でインク出口65の外側となる領域に、インク出口65の中心軸の方向でインク出口65よりも容器本体部64とは反対方向となる上方に向けて突出する凸部71が形成されている。この凸部71は、インク出口65内にインク入口53側の針56の先端を挿入させるときに、インク補給用アダプター47の上面58の凹部61を第1嵌合部として嵌合可能な第2嵌合部として機能するものであり、インク入口53を前後から挟む一対の凹部61と同様にインク出口65を前後から挟んで対をなすように設けられている。なお、図6及び図7に示すように、凸部71は、インク収容体63においてインク出口65を中心とする放射方向で容器本体部64の外周面よりも内側に形成されている。
図6及び図9に示すように、各凸部71の外面(図6及び図9では左右両側面)には、インク補給用アダプター47の凹部61の内面に形成された第1凹凸部(第1キー構造部)62と係合可能な第2凹凸部(第2キー構造部)72が形成されている。この第2凹凸部72は、凸部71の突出方向(換言すると、インク出口65の中心軸の方向)に沿って延びるように設けられており、凸部71を凹部61に嵌合させると共に、第2凹凸部72を第1凹凸部62に係合させたときに、インク収容体63のインク出口65をインクタンク41~45側のインク入口53に接続させる。
また、容器付加部67の雄ねじ部69が形成された円筒状の下端部と第2凹凸部72が形成された凸部71との間には、インク出口65の中心軸と直交(交差)する平面形状の位置決め部73が、インク出口65をその中心軸の方向に見たときインク出口65の放射方向外側に位置するように設けられている。すなわち、この位置決め部73は、インク収容体63の外面の一部である容器付加部67の外面の一部を構成し、インク出口65の中心軸の方向において凸部71の先端よりも容器本体部64側となる位置に設けられている。そして、この位置決め部73は、インク収容体63においてインク出口形成部66に付加される容器付加部67に設けられていることから、インク出口形成部66とは別部材の構成であり、且つインク出口形成部66の外側に備えられる構成であるといえる。
また、図9に示すように、インク出口形成部66に形成されたインク出口65内には、そのインク出口65を開閉可能に封止する例えばシリコン膜等の弾性部材からなる弁74が設けられている。なお、弁74は、インク出口65の中心軸の方向において、位置決め部73の方が容器本体部64側となる位置に設けられている(例えば図14参照)。そして、この弁74には、その中心を交点として等角度間隔(一例として120度間隔)で交わる複数(本実施形態では3つ)のスリット75が設けられており、それらのスリット75がインク出口65の外側から内側に押し広げられることで開弁するように構成されている。すなわち、常閉弁である弁74は、インク出口65内にインク入口53側の針56の先端が挿入されたときに、その針56の先端で内側に押し広げられて開弁する。
そして、その際には、インク出口65の放射方向の外側で位置決め部73がインク入口53及び凹部61を含む貫通孔60が形成されたインク補給用アダプター47の上面58に当接し、インク出口65の中心軸方向において弁74をインクタンク41~45に対して位置決めする。この点で、インク補給用アダプター47の上面58は、インクタンク41~45へのインク補給のためにインク収容体63のインク出口65の弁74が開弁されるときにインク収容体63の位置決め部73が当接するインクタンク41~45側の一部であって、平面形状の位置決め部73を受け止める受け面として機能する。
図10及び図11に示すように、インク収容体63における容器本体部64は、その内部にインク組成物IKを収容可能なインク収容室76を有するボトル形状をなす部材であり、その上端部の頸部77の外周面には雄ねじ部78が形成されている。一方、容器本体部64の上端部に設けられるインク出口形成部66は、容器本体部64の頸部77の外周側に位置する大径部79と、容器本体部64から最も離れた位置でインク出口65を形成する小径部80と、その大径部79と小径部80の間を連結する中間部81とを有している。そして、大径部79の内周面に形成された雌ねじ部82を、容器本体部64の頸部77の外周面に形成された雄ねじ部78に螺合させることにより、インク出口形成部66は容器本体部64の上端部に取着されている。
また、インク収容体63におけるインク出口形成部66にインク出口65を囲むように付加される容器付加部67は、その外周面に雄ねじ部69が形成された円筒状の下端部が、その下端面をインク出口形成部66の大径部79の上端面に接合される接合部83を構成している。この接合部83は、その内周面の前後方向で対向する面領域がインク出口形成部66の中間部81の前側の外面及び後側の外面と面接触状態となってインク出口形成部66の大径部79に接合される。
次に、上記のように構成されたインク補給システムの作用について、インク収容体63を用いてインク供給ユニット40のインクタンク41~45にインクを補給する際の作用に着目して以下説明する。
なお、前提として、図2に示すように、複数の横並びに配置されたインクタンク41~45のうち一番右側に位置するインクタンク41をブラックインクのインクタンクとし、インクタンク41内のインクの液面高さが視認部50の下部に記された下限マーク52の高さまで低下しているため、以下においては、このインクタンク41にインク補給する場合について説明するものとする。また、インク補給に用いるインク収容体63にはブラックインクが十分に収容されているものとし、そのインク収容体63からは、前もってキャップ68が取り外されているものとする。さらに、そのインク収容体63の凸部71の外面に形成されている第2凹凸部72の形状はインクタンク41へのインク入口53の前後に位置する凹部61の内面に形成されている第1凹凸部62の形状と一致し、凹部61に対する凸部71の挿入に伴い係合可能であるものとする。
さて、インクタンク41へのインク補給を行う際、まずユーザーは、筐体22の開閉扉35を図1に示す閉鎖状態から回転軸36を中心に前方へ回動させて開放状態とする。すると、インク供給ユニット40は、インクタンク41~45内へのインク入口53が形成されたインク補給用アダプター47の上面58が筐体22の外部に露出し、ユーザーは、所望のインク入口53に対して上方からインク収容体63のインク出口65を接続することが可能となる。
そこで、図12及び図13に示すように、ユーザーは、インク補給に用いるインク組成物を収容したインク収容体63を上下逆さまにして、インク出口65がインク補給用アダプター47における一番右側の貫通孔60の上方に位置するように保持する。すなわち、そのインク収容体63のインク出口65の中心軸線をインク補給対象のインクタンク41のインク入口53の中心軸線と位置合わせする。このとき、ユーザーは、手に保持しているインク収容体63の容器付加部67に着色されている色(第2部分)と、そのときのインク補給対象であるインクタンク41のインク入口53が設けられた貫通孔60の上側の開口縁周辺に着色されている色(第1部分)とを見比べる。そして、それぞれの色が同じ(この場合は、ブラック同士)であれば、今回のインク補給に適合したインク収容体63を手に保持していると確認し、インク補給における後続作業に移行する。
そして、図12及び図13に示す状態からインク収容体63を下降させ、そのインク収容体63の凸部71をインクタンク41と一体的なインク補給用アダプター47の凹部61に挿入する。すると、その凹部61に対する凸部71の挿入状態の実現により、インク入口53の中心軸線に対するインク出口65の中心軸線の一致状態が確保される。なお、この場合において凹部61はインク入口53の中心である針56に対して点対称の位置状態にあるため、凸部71は何れの凹部61に対しても挿入可能とされる。そのため、インク収容体63をインク出口65の中心軸線を中心にして何度も回転させて凹部61と凸部71との適合した位置関係を確かめる必要もなく、ユーザーは、凹部61に対する凸部71の挿入作業を容易に行い得る。
但し、この時点では、凹部61に凸部71が僅かに挿入されただけで、インク入口53の中心に位置する針56の先端も、その凸部71の先端より少し突出したインク出口65の開口内には挿入されているものの、インク出口65の内奥に位置する弁74にまでは至っていない。その理由は、図13に示すように、凹部61の開口縁が位置するインク補給用アダプター47の上面58と凹部61内の第1凹凸部62の上端との距離L1よりも凸部71の先端とインク出口65内の弁74との距離L2の方が長いからである。そこで、その状態から凸部71を凹部61の深さ方向である下方に向けて更に挿入させると、凸部71の外面の第2凹凸部72が凹部61の内面の第1凹凸部62に係合する。そして、その係合状態を維持しつつ、更に凸部71を凹部61の深さ方向で底面側に向けて挿入すると、インク入口53の針56の先端がインク出口65の弁74の位置にまで至り、その弁74を開弁させる。
すなわち、図14及び図15に示すように、針56の先端が弁74に対して、スリット75を下方から上方に(つまり、インク出口65の外側から内側に)押し広げることで、弁74を開弁状態とする。その結果、インク収容体63のインク出口65とインクタンク41のインク入口53の針56とが接続され、インク収容体63内からインクタンク41内へのインク組成物の補給が行われる。このとき、インク入口53の針56は2つある流路54,55のうち、弁74を開弁させてインク出口65から流出させたインクに対して先に先端開口が触れる一方の流路がインクを流通させるインク流路として機能し、他方の流路が空気を流通させる空気流路として機能する。例えば、ユーザーがインク収容体63を傾けた状態でインク入口53にインク出口65を接続しようとした場合には、その傾ける方向の違いにより、2つの流路54,55のうちインク流路となる流路も変更になる。
なお、凹部61内に凸部71を挿入させた後において第2凹凸部72が第1凹凸部62に係合しない場合、その時点で、ユーザーはブラック以外の他の色のインク収容体63を間違って挿入しようとしていると認識できる。この場合、もし仮に第1凹凸部62の上端が凹部61の開口縁と同じ高さに位置している構成であると、その第1凹凸部62に対する第2凹凸部72の係合が拒否されるだけでなく、凹部61に対する凸部71の挿入も拒否されるため、ユーザーは、凹部61への凸部71の挿入を何度も試みて、いたずらに無駄な作業時間を費やしてしまうこともある。この点、本実施形態では、第1凹凸部62の高さが凹部61の開口縁よりも低いため、凸部71は凹部61に挿入されるときに凹部61の深さ方向で底面側に誘導され易くなり、作業時間が無駄に長くなることも抑制される。
さらに、図14、図16及び図17に示すように、インク収容体63のインク出口65内の弁74をインクタンク41側のインク入口53の針56が開弁させるとき、インク収容体63は位置決め部73がインクタンク41側の一部であるインク補給用アダプター47の上面58に当接する。すなわち、インク収容体63は、この位置決め部73とインク補給用アダプター47の上面58との当接により、弁74がインクタンク41側の針56に対してインク出口65の中心軸の方向において位置決めされた状態で開弁される。
また、その際において、位置決め部73はインク出口65の放射方向外側に位置するため、インク収容体63はインク入口53にインク出口65を接続させた姿勢が安定的に保持される。また、図14及び図15に示すように、インク補給用アダプター47の上面58にインク収容体63の位置決め部73が当接したとき、インク入口53における針56の基端が位置するインク入口53の底面とインク収容体63のインク出口65の先端との間には隙間が存在する。そのため、インク入口53の針56の基端が位置する底面にはインクが溜まり易いが、そのように溜まっているインクがインク出口65の先端に付着してインク収容体63を汚すことも回避される。
そして、図14及び図16に示すように、インクタンク41に対するインク収容体63からのインク補給が終了したとき、インクタンク41内のインクの液面高さが視認部50の上限マーク51よりも未だ低い場合には、更に同じブラックのインク収容体63を用いて上限マーク51まで更に継ぎ足すインク補給を行ってもよい。なお、以上のようなインク補給作業は、ブラックインクを収容するとして説明したインクタンク41以外の他の色のインクタンク42~45に対する場合も同様に行われる。
本実施形態のインクセットを例えば上述の記録装置に用いる場合には、インク収容体に各インクが収容されて保存されたり、インクタンクにインクが収容された状態で放置されたりする。このような場合であっても、本実施形態のインクセットは、保存安定性、及び、記録ヘッドからの吐出安定性を良好に維持することができる。
2.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、「部」「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。なお以降の評価は、特に断りが無い場合は、温度25℃、相対湿度40%の環境下で行った。
2.1.インクの調製
実施例及び比較例に用いるインクの組成を表1及び表2に示す。インクは、表1及び表2に記載の成分を任意の順序で混合し、30分以上混合し、必要に応じて濾過などを実施して不純物や異物などを除去することで調製した。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラーを備えた容器に、材料を順次添加して撹拌、混合した。その後フィルター濾過をして6種のシアンインク、6種のマゼンタインク、6種のイエローインク、ブラックインク、3種のライトブラックインク、ライトシアンインク、及び、ライトマゼンタインクを得た。なお、表1~表3における数値の単位は、「質量%」である。
Figure 2022057158000014
Figure 2022057158000015
表1及び表2中、色材記号で示した色材は以下の通りである。
C-1:上記式(C-1)で表される化合物のナトリウム塩及び上記式(C-2)で表される化合物のリチウム塩の混合物
C-2:上記式(C-2)で表される化合物のリチウム塩
C-3:上記式(C-2)で表される化合物のリチウム塩
C-4:C.I.ダイレクトブルー199
M-1:上記式(M-1)で表される化合物のナトリウム塩
M-2:上記式(M-2)で表される化合物のナトリウム又はアンモニウム塩
M-3:上記式(M-3)で表される化合物のリチウム塩
M-4:C.I.リアクティブレッド141
Y-1:上記式(Y-1-1)で表される化合物のナトリウム塩
Y-2:上記式(Y-2)で表される化合物のカリウム塩及び上記式(Y-3)で表される化合物のカリウム塩の混合物
Y-3:下記式で表される化合物のリチウム塩
Figure 2022057158000016
Y-4:下記式で表される化合物
Figure 2022057158000017
Y-5:上記式(Y-4)で表される化合物のナトリウム塩
B-1:上記式(B-1)で表される化合物のリチウム塩
B-2:上記式(B-2)で表される化合物のナトリウム塩
また、表1及び表2中、TEGはトリエチレングリコールであり、TEGmBEは、トリエチレングリコールモノブチルエーテルである。さらにニューコール1006-ALは、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン系界面活性剤であり、オルフィンE1010は、日信化学工業社製、アセチレングリコール系界面活性剤である。
表1には、各インクの吸収スペクトルから読み取った最大吸光度(Abs.)、最大吸収波長(nm)及び最大吸収波長が属するピークの半値幅(nm)を記載した。また、表2には、各インクの吸収スペクトルから読み取った最大吸光度(Abs.)を記載した。
インクの吸収スペクトルは、分光光度計(V-770 日本分光株式会社製)を用いて、スペクトル測定プログラムで測定し、付属のソフトウェア(スペクトルマネージャー)により取得した。前処理としては各色のインクを以下の割合で希釈を行っている。シアン(ライトシアン):0.5g/1000mL、マゼンタ(ライトマゼンタ):1.0g/1000mL、イエロー(ライトイエロー):1.0g/1000mL、ブラック(ライトブラック):0.5g/1000mL。
2.2.評価方法
下記条件にて印刷、評価を行い下記の判断基準に従い判定し、結果を表3に記載した。
Figure 2022057158000018
2.2.1.光源間色差
EP-10A(セイコーエプソン社製、インクジェットプリンター)にてコンポジットブラックパターン(Duty100%から5%刻みにて10%までシアンインク、マゼンタインク、イエローインクを同量打ち込み)の印刷を行い、D50光源下及びF11光源下にて測色を行い、ΔEの値を以下の基準で判定した。なおΔEは、色差である。
A:ΔE≦3%
B:3%<ΔE≦5%
C:5%<ΔE
2.2.2.粒状性
EP-10A(セイコーエプソン社製、インクジェットプリンター)にてコンポジットブラックパターン(OD値が1.5から0.1まで0.2刻み狙いでシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトインクを打ち込む)の印刷を行い、粒状性を以下の基準で判定した。
A:目視判断にてOD値0.5以下のパッチにて粒状性を感じない
B:目視判断にてOD値0.5以下のパッチにて粒状性を感じるがOD値0.5より大きいパッチにて粒状性を感じない
C:目視判断にてOD値0.5より大きいパッチにて粒状性を感じる
2.2.3.水分蒸発量
オフキャリッジタイプのインクタンクを有するプリンター(例えばEW-M770T(セイコーエプソン社製、インクジェットプリンター))を想定して、容量60mLのインクタンクと、長さ100cm、内径1mmのエラストマ製チューブにインク組成物をそれぞれ満たし、温度40℃、湿度20%の環境にて、10日放置した際の水分蒸発量を、インクタンク部及びチューブの重量変化で測定し、以下の基準で判定した。なお、水分蒸発量は各実施例で用いている全てのインクについて測定し、それらの平均値で評価を行った。なお、CISSタンク無しの実施例においては、インクカートリッジYTH(セイコーエプソン社製インクジェットプリンターEP-10A用インクカートリッジ)にインク組成物を注入し、温度40℃、湿度20%の環境にて、10日放置した際の水分蒸発量を、カートリッジの重量変化により算出した。
A:水分蒸発量<0.5g
B:0.5g≦水分蒸発量<1.0g
C:1.0g≦水分蒸発量
2.2.4.堅牢性(耐オゾン)
下記条件で印字・放置したサンプルのOD値の変化率について下記の通り判定した。
機体:EP-10A(セイコーエプソン株式会社製)、EPSON光沢写真用紙
条件:オゾン濃度5ppm×80時間
S:OD残存率 85%以上
A:OD残存率 70%以上85%未満
B:OD残存率 70%未満
2.3.評価結果
最大吸収波長のピークの極大値を350nm以上480nm以下に有し、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であるイエローインクと、最大吸収波長のピークの極大値を510nm以上560nm以下に有し、最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であるマゼンタインクと、最大吸収波長のピークの極大値を580nm以上700nm以下に有し、最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下であるシアンインクと、可視光波長域における最大吸光度が、対応するプロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下であるライトインクを備えた、各実施例のインクセットは、光源間色差、粒状性についていずれも良好な評価となった。これに対して上記の条件を満足しない比較例では、光源間色差、粒状性の両立ができなかった。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
インクセットは、
プロセスカラーインクとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及び、ブラックインクを含むプロセスカラーインクセットと、
前記プロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクと同系色のライトインクと、を含む、インクセットであって、
前記イエローインクは、最大吸収波長のピークの極大値を350nm以上480nm以下に有し、
前記マゼンタインクは、最大吸収波長のピークの極大値を510nm以上560nm以下に有し、
前記シアンインクは、最大吸収波長のピークの極大値を580nm以上700nm以下に有し、
前記イエローインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
前記マゼンタインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
前記シアンインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下であり、
前記ライトインクは、可視光波長域における最大吸光度が、対応する前記プロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下である、インクセット。
このインクセットによれば、光源間色差が低減され、かつ、粒状性が抑制された画像を形成することができる。すなわち、プロセスカラーインクセットの各インクの最大吸収波長のピークの極大値の範囲が適切でありかつ十分に大きい半値幅を有するので、光源間色差を低減することができる。また、ライトインクにより、記録媒体上で形成されるドットの輪郭を鈍化することができるので、粒状性の抑制された画像を形成することができる。
上記インクセットにおいて、
開閉可能な注入口と、液体を収容する液体収容部と、前記液体を吐出する記録ヘッドと、を備える記録装置であって、前記液体が前記記録装置とは別体の収容体に収容され、前記収容体から前記液体が、前記液体注入口を介して前記液体収容部に充填され、前記収容体が前記液体の充填時のみ前記記録装置に接続される、記録装置に用いられ、
前記液体が前記プロセスカラーインク、又は、前記ライトインクであってもよい。
このインクセットによれば、収容体に収容された場合の保存安定性、液体収容部に収容された場合の保存安定性、及び、記録ヘッドからの吐出安定性をより良好とすることができる。
上記いずれかのインクセットにおいて、
前記インクセットに含まれる前記プロセスカラーインク、及び、前記ライトインクは、それぞれ、沸点270℃以上の多価アルコールをインクの総量に対して8.0質量%以上含有してもよい。
このインクセットによれば、各インクにおける水分の蒸発が抑えられる。これによりインクの濃化が抑制され、形成される画像における粒状性をさらに抑制することができる。
上記いずれかのインクセットにおいて、
前記ライトインクが、下記式(B-1)で表される化合物又はその塩を、インクの総量に対し、0.5質量%以上含有するライトブラックインクであってもよい。
Figure 2022057158000019
・・・式(B-1)
このインクセットによれば、さらに耐オゾン堅牢性の良好な画像を形成できる。
上記いずれかのインクセットにおいて、
前記イエローインクが、下記式(Y-1)で表される化合物又はその塩を含有してもよい。
Figure 2022057158000020
・・・(Y-1)
[式(Y-1)中、Qはそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、R11及びR12はそれぞれ独立にイオン性親水性基で置換されたアルキル基を示す。Aは下記式(A1-1)で表される基、C1-C3アルコキシ置換アルキルアミノ基、モノC1-C6アルキル置換アミノ基、水酸基を2つ以上有するモノC2-C6アルキル置換アミノ基、又は環状アミン基を示す。]
Figure 2022057158000021
・・・(A1-1)
[式(A1-1)中、RA11は分岐鎖状のアルキレン基を示し、はトリアジン環との結合位置を示す。]
このインクセットによれば、画像の光源間色差をさらに低減することができる。
上記いずれかのインクセットにおいて、
前記シアンインクが、銅フタロシアニン骨格を含む化合物又はその塩を含有してもよい。
このインクセットによれば、画像の光源間色差をさらに低減することができる。
21…記録装置、22…筐体、23…支持台、24…ガイド軸、25…記録ヘッド、26…キャリッジ、27…支持孔、28…駆動プーリー、29…従動プーリー、30…キャリッジモーター、31…タイミングベルト、32…排出口、33…排出トレイ、34…給紙カセット、35…開閉扉、36…回転軸、37…窓部、40…インク供給ユニット、41~45…インクタンク、46…インク供給チューブ、47…インク補給用アダプター、48…段差部、49…インク貯留室、50…視認部、51…上限マーク、52…下限マーク、53…インク入口、54,55…流路、56…針(インク入口流路部)、57…残量センサー、58…上面(受け面)、59…下面(タンク係合部)、60…貫通孔、61…凹部(第1嵌合部)、62…第1凹凸部(識別部)、63…インク収容体、64…容器本体部、65…インク出口、66…インク出口形成部、67…容器付加部、68…キャップ、69…雄ねじ部、70…突起、71…凸部(第2嵌合部)、72…第2凹凸部、73…位置決め部、74…弁、75…スリット、76…インク収容室、77…頸部、78…雄ねじ部、79…大径部、80…小径部、81…中間部、82…雌ねじ部、83…接合部、L1…距離、L2…距離、P…用紙、IK…インク組成物

Claims (6)

  1. プロセスカラーインクとして、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及び、ブラックインクを含むプロセスカラーインクセットと、
    前記プロセスカラーインクセットのプロセスカラーインクと同系色のライトインクと、を含む、インクセットであって、
    前記イエローインクは、最大吸収波長を350nm以上480nm以下に有し、
    前記マゼンタインクは、最大吸収波長を510nm以上560nm以下に有し、
    前記シアンインクは、最大吸収波長を580nm以上700nm以下に有し、
    前記イエローインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
    前記マゼンタインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が85nm以上100nm以下であり、
    前記シアンインクの最大吸収波長が属するピークの半値幅が118nm以上165nm以下であり、
    前記ライトインクは、可視光波長域における最大吸光度が、対応する前記プロセスカラーインクの可視光波長域における最大吸光度の70%以下である、インクセット。
  2. 請求項1において、
    開閉可能な注入口と、液体を収容する液体収容部と、前記液体を吐出する記録ヘッドと、を備える記録装置であって、前記液体が前記記録装置とは別体の収容体に収容され、前記収容体から前記液体が、前記液体注入口を介して前記液体収容部に充填され、前記収容体が前記液体の充填時のみ前記記録装置に接続される、記録装置に用いられ、
    前記液体が前記プロセスカラーインク、又は、前記ライトインクである、インクセット。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記インクセットに含まれる前記プロセスカラーインク、及び、前記ライトインクは、それぞれ、沸点270℃以上の多価アルコールをインクの総量に対して8.0質量%以上含有する、インクセット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記ライトインクが、下記式(B-1)で表される化合物又はその塩を、インクの総量に対し、0.5質量%以上含有するライトブラックインクである、インクセット。
    Figure 2022057158000022

    ・・・式(B-1)
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記イエローインクが、下記式(Y-1)で表される化合物又はその塩を含有する、インクセット。
    Figure 2022057158000023
    ・・・(Y-1)
    [式(Y-1)中、Qはそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、R11及びR12はそれぞれ独立にイオン性親水性基で置換されたアルキル基を示す。Aは下記式(A1-1)で表される基、C1-C3アルコキシ置換アルキルアミノ基、モノC1-C6アルキル置換アミノ基、水酸基を2つ以上有するモノC2-C6アルキル置換アミノ基、又は環状アミン基を示す。]
    Figure 2022057158000024
    ・・・(A1-1)
    [式(A1-1)中、RA11は分岐鎖状のアルキレン基を示し、はトリアジン環との結合位置を示す。]
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記シアンインクが、銅フタロシアニン骨格を含む化合物又はその塩を含有する、インクセット。
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