JP2022056745A - 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法 - Google Patents

銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022056745A
JP2022056745A JP2020164662A JP2020164662A JP2022056745A JP 2022056745 A JP2022056745 A JP 2022056745A JP 2020164662 A JP2020164662 A JP 2020164662A JP 2020164662 A JP2020164662 A JP 2020164662A JP 2022056745 A JP2022056745 A JP 2022056745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
pouring
wire
image
copper wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020164662A
Other languages
English (en)
Inventor
仁志 木村
Hitoshi Kimura
勝憲 沢畠
Katsunori Sawahata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2020164662A priority Critical patent/JP2022056745A/ja
Publication of JP2022056745A publication Critical patent/JP2022056745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】溶銅の注湯状態を観察することで銅線の品質管理を行うことが可能な銅線の製造方法を実現する。【解決手段】(a)鋳型に注湯ノズル1から溶銅9を注いで鋳造バーを鋳造する工程、(b)鋳造バーを圧延して銅荒引線を形成する工程、(c)銅荒引線を伸線して銅線を形成する工程、を有し、前記(a)工程において、注湯ノズルから鋳型へ溶銅9を注ぎ込む注湯部を撮像することにより、前記注湯部の画像29を取得し、画像29を用いて、注湯ノズル1から鋳型へ注がれる溶銅9の注湯状態を観察することにより、所定時間内における銅粒9aの数の変化率、または所定時間内における画像29の輝度の変化率を算出し、算出された前記変化率を用いて銅線の品質を判定する、銅線の製造方法を用いる。【選択図】図4

Description

本発明は、銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法に関するものである。
銅線の製造方法の1つとして、溶融した銅材(溶銅)を、水平方向を回転軸とする鋳造リングの外周面に設けられた溝とベルトとの間に設けられた空間内に流したあと、溶銅を冷却することによって銅材から成る鋳造バーを鋳造する方法が知られている。その後の工程で鋳造バーを圧延・清浄化処理することで銅荒引線(銅線材)を製造し、さらに銅荒引線を伸線することで、銅線を製造することができる。
特許文献1(特開2001-1112号公報)には、銅線材の製造方法として、溶銅の注湯の際に飛散する銅粒が酸化することを防ぐため、注湯部近傍に不活性ガスを供給することが記載されている。
特開2001-1112号公報
溶銅を鋳造リングの溝内に注湯する箇所である注湯部では、溶銅が撥ねて銅粒が飛散する湯撥ねという現象が生じる。この湯撥ねの発生状態を観察することにより、鋳造後の銅荒引線の伸線工程において、銅荒引線を伸線して得られる銅線の断線を予見するなど、銅線の品質管理を行うことが可能であるとされている。しかし、注湯部近傍は高温かつ非常に明るいため、溶銅の注湯状態(例えば、湯撥ねの発生状態など)を作業者の目視で観察し、銅線の品質管理を行うことは困難である。
本発明の目的は、溶銅の注湯状態を観察することで銅線の品質管理を行うことが可能な銅線の製造方法を実現することにある。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である銅線の製造方法は、(a)鋳型に注湯ノズルから溶銅を注いで鋳造バーを鋳造する工程、(b)前記鋳造バーを圧延して銅荒引線を形成する工程、(c)前記銅荒引線を伸線して銅線を形成する工程、を含み、前記(a)工程において、前記注湯ノズルから前記鋳型へ前記溶銅を注ぎ込む注湯部を撮像することにより、前記注湯部の画像を取得し、前記画像を用いて前記注湯ノズルから前記鋳型へ注がれる前記溶銅の注湯状態を観察することにより、所定時間内における銅粒の数の変化率、または前記所定時間内における前記画像の輝度の変化率を算出し、算出された前記変化率を用いて前記銅線の品質を判定するものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、溶銅の注湯状態を観察することで銅線の品質管理を行うことが可能な銅線の製造方法を実現することができる。
実施の形態で用いる銅荒引線製造装置の概略図である。 図1のタンディッシュ近傍を示す断面図である。 実施の形態で用いる銅荒引線製造装置を示すブロック図である。 図1の注湯ノズルおよび鋳造リングを含む注湯部近傍を撮像した画像例である。 実施の形態である銅線の製造方法の一部を示すフローである。 実施の形態の変形例で用いる銅荒引線製造装置を構成する注湯ノズルおよび鋳造リングを含む注湯部近傍を撮像した画像例である。 実施の形態の変形例で用いる銅荒引線製造装置を構成する注湯ノズルおよび鋳造リングを含む注湯部近傍を撮像した画像例である。 実施の形態の変形例で用いる銅荒引線製造装置を構成する注湯ノズルおよび鋳造リングを含む注湯部近傍を撮像した画像例である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
本実施の形態の銅線製造装置は、鋳造リングに溶銅が注がれる箇所である注湯部をカメラで撮像し、これにより得られた画像を用いての銅線の品質管理および品質向上を実現するものである。以下では、注湯により発生する湯撥ねの数を計測し、その変化量(変化率)のしきい値から注湯条件の変更の要否を判断する、銅線の製造方法について説明する。
<銅線製造装置の構造および銅線の製造方法>
以下に、図1~図5を用いて、本実施の形態の銅線の製造方法において用いる銅荒引線製造装置の構造、および、銅荒引線の製造方法について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る銅荒引線製造装置4は、銅荒引線(銅線材)を連続鋳造圧延して製造するための、所謂連続鋳造圧延装置である。銅荒引線製造装置4は、例えば、溶解炉10と、上樋11と、保持炉13と、金属元素添加装置14と、下樋12と、タンディッシュ2と、注湯ノズル(スパウト)1と、連続鋳造機15と、熱間圧延装置16と、巻取機(コイラー)17とを有している。ここでは、溶銅を鋳造部(連続鋳造機15)まで移送するために用いられる容器(函体)、つまり、上樋11、保持炉13、下樋12およびタンディッシュ2をまとめて流路と呼ぶ。
溶解炉10は、銅原料を加熱して溶融し、溶銅9を生成するものであり、例えば、炉本体と、炉本体の下部に設けられるバーナーとを有している。銅原料が炉本体に投入され、バーナーで加熱されることで、溶銅9が連続的に生成される。銅原料としては、例えば、タフピッチ銅または無酸素銅などの純銅を用いることができる。溶銅9の温度は、銅の融点以上であり、例えば1086℃以上1200℃以下であり、具体的には、例えば1100℃である。
上樋(移送樋)11は、溶解炉10の下流側に設けられ、溶解炉10と保持炉13との間を連結し、溶解炉10で生成された溶銅9を下流側の保持炉13に移送するものである。
保持炉13は、上樋11の下流側に設けられ、上樋11から移送される溶銅9を所定の温度で加熱して一時的に貯留するものである。また、保持炉13は、溶銅9を所定の温度に保持したまま、所定量の溶銅9を下樋(構造体適用樋)12に移送するものである。
下樋12は、保持炉13の下流側に設けられ、保持炉13から移送される溶銅9を下流側のタンディッシュ2に移送するものである。上樋11および下樋12は、溶融金属流路函体とも呼ばれる。
流路である下樋12の途中の接続部(添加物添加箇所)1Aには、金属元素添加装置(添加部)14が接続されている。金属元素添加装置14は、保持炉13から下樋12に移送された溶銅9に、所定の金属元素(活性元素、第1金属元素、添加元素)を連続的に添加するものである。すなわち、接続部1A以降の下流の溶銅9は、添加元素を含む。溶銅9に添加される金属元素としては、例えば、チタン(Ti)またはマグネシウム(Mg)が挙げられる。金属元素添加装置14は、下樋12に接続される態様に限定されず、例えば保持炉13またはタンディッシュ2に接続される態様であってもよい。
タンディッシュ2は、下樋12の下流側に設けられ、下樋12から移送される溶銅9を一時的に貯留し、連続鋳造機(鋳造部)15に対して所定量の溶銅9を連続的に供給するものである。
タンディッシュ2の下流側には、貯留する溶銅9を流出させるための注湯ノズル(スパウト)1が接続されている。タンディッシュ2に貯留する溶銅9は、注湯ノズル1を介して、連続鋳造機15へと供給(注湯)される。すなわち、鋳造部である連続鋳造機15は流路の下流側に位置し、溶銅9はタンディッシュ2内の溶銅9は、注湯ノズル1内を通って連続鋳造機15へ流出する。
連続鋳造機15は、所謂ベルトホイール式の連続鋳造を行う装置であり、例えば、鋳造リング(鋳造輪)3と、ベルト(鋳造ベルト、鋳造バンド)19とを有している。円盤状の鋳造リング3は、外周に溝3aを有している。図1では、溝3aの底面を破線で示している。鋳造リング3は銅線材の製造工程において回転し、その回転軸は水平面に沿っている。鋳造リング3は、図1においては時計回りに回転する。円盤状の鋳造リング3の内側には、鋳造リング3を保持する円柱状の保持部20が配置されている。鋳造リング3は保持部20に固定されており、保持部20と共に回転する。
また、ベルト19は、複数のローラ5によって支持され、鋳造リング3の外周面の一部に接触しながら周回移動するよう構成されている。鋳造リング3の当該溝とベルト19との間の空間に、タンディッシュ2から流出される溶銅9が注入される。言い換えれば、溶銅9は流路から鋳造部に流し込まれる。つまり、タンディッシュ2および注湯ノズル1は、鋳造リング3の溝内に溶銅9を供給する供給部6である。また、鋳造リング3およびベルト19は、例えば冷却水により冷却されている。これにより、溶銅9が冷却・固化(凝固)されて、棒状の鋳造バー(鋳造材)7が連続的に鋳造される。
熱間圧延装置(圧延機)16は、連続鋳造機15の下流側(鋳造バー排出側)に設けられ、連続鋳造機15から移送される鋳造バー7を連続的に圧延するものである。鋳造バー7が熱間圧延装置16によって圧延されて形成された圧延材を、熱間圧延装置16と巻取機17との間において表面清浄化処理することで、銅荒引線(銅線材)8が成形加工される。
巻取機(コイラー)17は、熱間圧延装置16の下流側(圧延材排出側)に設けられ、熱間圧延装置16から表面清浄化処理装置を経て移送される銅荒引線8を巻き取るものである。
その後、図示はしないが、伸線機を用いて、銅荒引線8を伸線し、これにより銅線を形成する。伸線は、例えば伸線ダイスを用い、銅荒引線8を絞ることで、より細く、所望の断面形状を有する銅線を形成する。以上により、銅線を形成することができる。
続いて、図2を用いて、タンディッシュ2の具体的な構造について説明する。図2は、図1のタンディッシュ2を拡大して示す断面図である。
図2に示すように、溶銅9の受け皿であるタンディッシュ2は、底部を構成する金属板と側壁を構成する複数(例えば4枚)の金属板とから成る容器(函体)である。図2ではタンディッシュ2の上部は開放されているが、実際にはタンディッシュ2の上部を覆う蓋が設置される。タンディッシュ2の底面の一部には、例えば筒状の注湯ノズル1が接続されている。注湯ノズル1の直上のタンディッシュ2内には、流量調整ピン18が配置されている。
流量調整ピン18の下端、つまり、注湯ノズル1の上端の開口部と対向する先端部は下方に向かって先細りになっている。流量調整ピン18は、例えばステンレスから成る。流量調整ピン18の下端と注湯ノズル1の当該開口部との距離を調整して、溶銅9が通過できる実質的な開口面積を変化させることで、溶銅9の流量を調整することができる。流量調整ピン18の下端と注湯ノズル1の当該開口部との距離は、鋳造リング3(図1参照)の回転速度と連動して変化する。例えば、鋳造リング3の回転速度が比較的遅い場合、当該距離は縮まり、これにより注湯ノズル1からの溶銅の流量は低下する。反対に、鋳造リング3の回転速度が比較的早い場合、当該距離は広がり、これにより注湯ノズル1からの溶銅の流量は増大する。
銅荒引線製造装置4(図1参照)により銅荒引線を連続的に製造するとき、タンディッシュ2内には溶銅9が流入している。具体的には、下樋12(図1参照)の供給口からタンディッシュ2内に溶銅9が流入し、注湯ノズル1から溶銅9が鋳造リング3(図1参照)側に流出する。このため、銅荒引線製造装置4の動作中、タンディッシュ2内には常に一定量の溶銅9が存在する。
なお、図示していないが、タンディッシュ2の内側の面、つまり、タンディッシュ2内の側面(内壁)および底面の一部または全部は、耐火物から成る構造体(耐火物層)により覆われている。
次に、本実施の形態で用いる銅荒引線製造装置の他の構成について、図3に示すブロック図を用いて説明する。
本実施の形態の銅荒引線製造装置は、カメラ(撮像部)30を有している。カメラ30は、例えば、鋳造リング3の横から注湯部を撮像するか、または鋳造リング3の斜め上から注湯部を撮像することが可能な位置に配置される。カメラ30は、図4に示すように、注湯ノズル1から鋳造リング3の溝3a内へ溶銅9を注ぎ込む箇所である注湯部を撮像する装置である。カメラ30は、制御部31に接続されており、制御部31は記憶部32に接続されている。また、制御部31は、表示部33および操作部34に接続されている。制御部31は、カメラ30および表示部33の制御、並びに、記憶部32の記憶の書き換え、読出しを行う装置である。また、記憶部は、本実施の形態の銅線の製造方法における溶銅の注入状態の判断基準となるしきい値などを記憶する装置である。また、表示部は、例えばカメラ30を用いて撮像された画像、および、溶銅の注入状態を数値化(定量化)した値を表示するディスプレイである。操作部は、例えば、表示部33の表示、カメラ30の動作、記憶部32に記憶された情報の書換えなどを作業者が行うための操作用装置である。
次に、図4を用いて、カメラ30が撮像する箇所について説明する。図4は、注湯ノズル1先端近傍および鋳造リング3を含む注湯部近傍をカメラ30により撮像した画像例である。
図4に示すように、カメラ30(図3参照)により撮像された画像29は、注湯ノズル1、鋳造リング3、ロール5およびベルト19を含み、溝3aとベルト19との間に注がれる溶銅9と、溶銅9の周囲とを撮像したものである。画像29は、例えば鋳造リング3およびロール5の横(鋳造リング3およびロール5のそれぞれの回転軸方向、図1に示すY方向)から注湯部を撮像したものである。ここでは、注湯ノズル1から溝3aとベルト19との間に注がれる溶銅9と、溶銅9の周囲とを含む領域を注湯部と呼ぶ。なお、図4には破線で溝3aの底面を示しているが、実際には溝3aは画像29に映らない。また、溶銅9および注湯ノズル1の先端などが非常に明るい光を放っているため、鋳造リング3、ロール5およびベルト19は画像29において黒い影のように映る。
銅荒引線製造装置4を稼働させて溶銅9の注湯を行った場合、注湯部では溶銅9が撥ねることが考えられる。この場合、図4に示すように、注湯ノズル1から放出された溶銅9の周囲には、湯撥ね(スプラッシュ)である銅粒9aが飛散する。このようにして発生した銅粒9aは、溝3aの表面またはベルト19の表面に付着し、または、直接溶銅9内に戻るなどして、溶銅9の内部に入る。このようにして撥ねた銅粒9aが凝固すると、溶銅9内で酸化銅となる場合がある。酸化銅は銅より硬く、伸び難いため、銅粒9aを多く含む銅荒引線8を伸線しようとすると、伸線して得られた銅線内に空洞が生じ、これにより銅線の断線が起きる虞がある。また、伸線時に断線が生じなくとも、伸線された銅線を捻回した際に銅線に割れが生じ得る。
このように、湯撥ねの発生状態を観察することは、銅線製造において重要な管理項目であるが、注湯部近傍は高温かつ非常に明るいため、注湯部を作業者の目視で観察することは困難である。また、作業者が湯撥ねにより生じる銅粒9aの数を数える場合、銅粒9aの数の多寡の判断は観測者の感覚で判断され、一定の判断基準を保つことが困難である。
これに対し、本実施の形態では、カメラ30を用いることで、これにより注湯部における管理項目である湯撥ねの状態(注湯状態)を観測可能とするものである。以下では、図5を用いて本実施の形態の銅線の製造方法を説明する。図5は、本実施の形態の銅線の製造方法の一部を示すフローである。
図5に示すように、本実施の形態の銅線の製造方法では、まず溶銅9を銅荒引線製造装置4に供給することで、注湯ノズル1から鋳造リング3への注湯を開始する(ステップS1)。
続いて、カメラ30を用いて、注湯部の撮像を行う(ステップS2)。この撮像は、一定時間の間隔を空けて複数回行う静止画像の撮像であってもよく、動画である映像撮影であってもよい。すなわち、本願でいう画像は、静止画像および映像の両方を含む。静止画像を撮像する場合は、例えば、1分に1回撮像を行うことで、複数の静止画像を得る。各静止画像は、ハイスピード撮影(例えば1/10000秒)により取得する。このようにして一定間隔で静止画像を撮像することで、湯撥ねの傾向が定量的になり、容易に記録することができる。
続いて、制御部31は、ステップS2により得られた画像から、銅粒9aの数を計測する(ステップS3)。注湯部は非常に明るいが、上記ようにハイスピード撮影を行い、さらにカメラ30の撮像条件または制御部31における画像処理により画像の輝度を低下させることにより、銅粒9aを確認可能な画像を得ることができる。図4では、例えば一点鎖線で示した範囲1B内の銅粒9aの数を計測する。ただし、銅粒9aの数を計測する範囲はこれに限らず、例えば図4の注湯ノズル1および溶銅9の左側を含む範囲でもよい。また、撮像する角度は、図4に示す角度とは異なる角度であってもよく、カメラ30の台数を増やし、複数の角度から撮像を行い、同時に撮像された複数の画像から銅粒9aの数を計測してもよい。ここでは、銅粒9aの数を計測する場合について説明するが、その他の方法として、例えば制御部31により画像を二値化処理した上で、画像の輝度を測定してもよい。
続いて、制御部31は、所定の時間内における銅粒9aの数の変化率(変化量)を算出する(ステップS4)。すなわち、静止画像を撮像した場合は、複数の静止画像を比較することで、時間当たりの銅粒9aの数の変化率を算出する。また、静止画像ではなく映像から時間当たりの銅粒9aの数の変化率を算出してもよい。ステップS3で画像の輝度を測定した場合は、所定の時間内における画像の輝度の変化率を算出する。
続いて、制御部31は、記憶部32に記憶されているしきい値と比較して、銅粒9aの数の変化率がしきい値以下であるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS3で画像の輝度を測定した場合は、ステップS4で算出した画像の輝度の変化率が、しきい値以下であるか否かを判断する。
ここで、当該変化率がしきい値を超えている場合は、湯撥ねにより生じる銅粒9aが許容範囲より多いため、製造する銅線が伸線時に断線する可能性が高い。したがって、作業者は溶銅を鋳型へ注湯するときの注湯条件を、上述した変化率がしきい値以下となるように変更する(ステップS6)。なお、注湯条件の変更は、作業者に限らず制御部が自動的に行ってもよい。
注湯条件を変更する例としては、注湯ノズル1の位置または角度などを変更し、これにより溶銅9が鋳型内に落ちる箇所を調整して、湯撥ねが起き難いようにする方法がある。注湯ノズル1の位置の調整方法としては、溶銅9の進行方向に近い水平方向である前後(図1のX方向)、左右(図1のY方向)、または、上下(図1のZ方向)において注湯ノズル1を移動させる方法がある。また、注湯条件を変更する例としては、注湯リング3の回転速度を低下させ、これにより流量調整ピン18を注湯ノズル1に近づけさせ、注湯ノズル1から放出される溶銅9の流量を低下させる方法がある。また、注湯条件を変更する例としては、注湯ノズル1の形状を変化させる方法がある。注湯条件を変更する際の優先順序として、例えば最初に、注湯ノズル1の位置または角度などを変更し、これにより溶銅9が鋳型内に落ちる箇所を調整する。次に、注湯リング3の回転速度を低下させる。次に、注湯ノズル1の交換を行う。このような注湯条件の変更により、湯撥ねの状態(注湯状態)が変化し、上述した変化率をしきい値以下とすることができる。
上記のようにして注湯条件を変更した後は、再度ステップS1から銅線の製造を開始する。特に、注湯ノズル1を交換する場合は、鋳造作業を一旦停止させ、注湯開始(ステップS1)から銅線の製造を行う必要がある。
ステップS5において当該変化率がしきい値以下であった場合には、鋳造リング3により溶銅9を冷却して形成された鋳造バーを圧延し、銅荒引線を得る(ステップS7)。
続いて、銅荒引線を、例えば伸線ダイスなどを用いて伸線し、これにより銅線を得る(ステップS8)。ここでは、伸線した銅線を捻回してもよい。
続いて、作業者は伸線による銅線の断線または捻回による銅線の割れが生じているか否かを判断する(ステップS9)。断線または捻回割れが生じた場合には、記憶部32に記憶されているしきい値を変更(書き換え)する(ステップS10)。具体的には、しきい値を下げる変更を行う。しきい値の変更は、制御部31により自動的に行われてもよく、作業者が操作部7を操作して行ってもよい。しきい値を変更した後は、再度ステップS1から銅線の製造を開始する。
ステップS9において銅線の断線が生じていない場合には、製造された銅線は、所望の品質を有するものとして使用することが可能である。以上により、本実施の形態の銅線が完成する。
ステップS9において銅線の断線が生じていない場合には、記憶部32に記憶されているしきい値を高める変更(書き換え)を行ってもよい。このようなしきい値の変更は、制御部31により自動的に行われてもよく、作業者が操作部7を操作して行ってもよい。
ステップS5では、銅線が所望の品質を有するか否かを判断する。すなわち、ステップS5において当該変化率がしきい値を超えていた場合に製造された銅線は、所望の品質を有するものではないと考えられる。したがって、当該所望の品質に比べて低い品質を有する銅線として使用することができる。
<本実施の形態の効果>
上述したように、注湯状態を作業者が直接観察して湯撥ねの多寡を判断することは困難である。これに対し、本実施の形態では、カメラ30を用いて注湯部を撮像することで、注湯状態を定量的に測定し、注湯状態が適切であるか否か容易に判断できる。
また、湯撥ねの管理を行わない場合、銅線が所望の品質を満たしていないことは、注湯後の伸線工程で発覚する。これに対し、本実施の形態では、伸線前の注湯工程時に銅線の品質を検知することができるため、銅線の製造コストを低減でき、製造する銅線の品質を適切に判断できる。また、伸線工程(捻回工程)で断線などが起きない場合であっても、銅線が所望の信頼性を有していないことを知ることができる。
また、本実施の形態の銅線の製造方法を用いることで、所望の品質を有する銅線を製造することができる。また、ステップ5において所望の品質を満たさない銅線を製造していることが判明した場合には、製造した銅線を、他の品質を満たす銅線(例えば下位グレードの銅線)として使用すべきものであると判別できる。
また、図5に示す工程を繰り返し行うことで、ステップS5において注湯状態を判断するしきい値を最適化することができる。すなわち、記憶部32および制御部31は、過去の断線発生などから最適なしきい値を学習し、データの蓄積により注湯条件が最適化される。
なお、ここでは銅線の製造方法について説明したが、伸線による銅線の製造工程を含まない、銅荒引線の製造方法にも本実施の形態を適用可能である。つまり、カメラ30を用いて注湯部を撮像し、これにより注湯状態が適切であるか否かを判断することで、所望の品質を有する銅荒引線を製造することができる。すなわち、湯撥ねの発生を抑え、酸化銅の含有量を抑えた銅荒引線を製造するための品質管理が容易となる。
<変形例>
ここまで、注湯状態を観察する方法として、図1~図5を用いて湯撥ねの発生量を観察することについて説明したが、製造する銅線の品質を管理するためのその他の項目としては、下記のように注湯幅、注湯角度、および、湯表面の凹凸の有無が挙げられる。以下では、上記のように湯撥ねの発生量を観察することに加えて、注湯幅、注湯角度、および、湯表面の凹凸の有無を観察して銅線の品質管理を行う方法を、図6~図8を用いて説明する。
図6に示すように、カメラ30を用いれば、注湯状態の変化率として、注湯幅1Cの変化率を測定することができる。注湯幅1Cは、注湯ノズル1から放出される溶銅9の進行方向(延在方向)に対して直行する方向(短手方向)における溶銅9の幅である。注湯を続けていると、徐々に流量調整ピン18と注湯ノズル1との間に詰まりが生じることが考えられる。このような場合は注湯ノズル1を交換することで、製造される銅線の品質を判断・管理することができる。
また、図7に示すように、カメラ30を用いれば、注湯状態の変化率として、注湯角度θの変化率を測定することができる。注湯角度θは、例えば注湯ノズル1から放出される溶銅9の側面(湯表面)である稜線1Dと、画像29における所定の線(例えば水平な線)とのなす角度である。このような角度θの変化率を検知することで、製造される銅線の品質を判断できる。
また、図8に示すように、カメラ30を用いれば、注湯状態の変化率として、注湯の湯表面の凹凸の有無を測定することができる。湯表面は、画像29において、例えば注湯ノズル1から放出される溶銅9の側面である稜線1Eとして表される。ここでは、稜線1Eからの乖離ピーク部(凹凸)の数または大きさを検知する。図8には、稜線1Eから突出する凸部9bが2つ示されている。このように、湯表面の凹凸の数の変化率を検知することで、製造される銅線の品質を判断できる。
図6~図8を用いて説明した銅線の品質管理の方法のうち、図7を用いて説明した管理方法を用いた場合には、図6および図8を用いて説明した管理方法のそれぞれに比べて、銅線の品質が安定する。また、図6~図8を用いて説明した銅線の品質管理の方法のうち、最も優先して行われる管理方法は、図7を用いて説明した管理方法である。具体的には、上記品質管理の方法は、図7、図6および図8の順に優先して行われる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 注湯ノズル
2 タンディッシュ
3 鋳造リング
3a 溝
4 銅荒引線製造装置
5 ロール
7 鋳造バー
8 銅荒引線
9 溶銅
9a 銅粒
18 流量調整ピン
19 ベルト
30 カメラ
31 制御部
32 記憶部
33 表示部
34 操作部

Claims (9)

  1. (a)鋳型に注湯ノズルから溶銅を注いで鋳造バーを鋳造する工程、
    (b)前記鋳造バーを圧延して銅荒引線を形成する工程、
    (c)前記銅荒引線を伸線して銅線を形成する工程、
    を含み、
    前記(a)工程において、
    前記注湯ノズルから前記鋳型へ前記溶銅を注ぎ込む注湯部を撮像することにより、前記注湯部の画像を取得し、
    前記画像を用いて前記注湯ノズルから前記鋳型へ注がれる前記溶銅の注湯状態を観察することにより、所定時間内における銅粒の数の変化率、または前記所定時間内における前記画像の輝度の変化率を算出し、
    算出された前記変化率を用いて前記銅線の品質を判定する、銅線の製造方法。
  2. 請求項1に記載の銅線の製造方法において、
    前記注湯部を撮像する撮像部は、制御部に接続され、
    前記制御部は、記憶部に接続されており、
    前記(c)工程で伸線した前記銅線が断線した場合に、前記記憶部に記憶されている前記変化率のしきい値をより低く書き換え、前記(c)工程で伸線した前記銅線が断線しない場合に、前記記憶部に記憶されている前記変化率の前記しきい値をより高く書き換える、銅線の製造方法。
  3. 請求項1に記載の銅線の製造方法において、
    前記注湯部を撮像する撮像部は、制御部に接続され、
    前記制御部は、記憶部に接続されており、
    前記制御部は、前記溶銅の注湯状態として、前記画像に映る湯撥ねによる銅粒の数を計測し、前記変化率として前記所定時間内における前記銅粒の数の変化率を算出し、
    前記銅粒の数の変化率が前記記憶部に記憶されているしきい値を超える場合に、作業者または前記制御部は、前記溶銅を前記鋳型へ注湯するときの注湯条件を、前記変化率が前記しきい値以下となるように変更する、銅線の製造方法。
  4. 請求項1に記載の銅線の製造方法において、
    前記変化率がしきい値を超える場合に、前記溶銅を前記鋳型へ注湯するときの注湯条件を、前記変化率が前記しきい値以下となるように変更する、銅線の製造方法。
  5. 請求項1に記載の銅線の製造方法において、
    前記変化率がしきい値を超える場合に、前記注湯ノズルの位置、角度、または、前記注湯ノズルから前記鋳型へ注がれる前記溶銅の時間当たりの量を変更する、銅線の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の銅線の製造方法において、
    前記画像は、前記所定時間内に複数回撮影することで得られた複数の静止画である、銅線の製造方法。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の銅線の製造方法において、
    前記画像は、映像である、銅線の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の銅線の製造方法において、
    前記鋳型は、回転軸を中心に回転する鋳造リングである、銅線の製造方法。
  9. (a)鋳型に注湯ノズルから溶銅を注いで鋳造バーを鋳造する工程、
    (b)前記鋳造バーを圧延して銅荒引線を形成する工程、
    を含み、
    前記(a)工程において、
    前記注湯ノズルから前記鋳型へ前記溶銅を注ぎ込む注湯部を撮像することにより、前記注湯部の画像を取得し、
    前記画像を用いて前記注湯ノズルから前記鋳型へ注がれる前記溶銅の注湯状態を観察することにより、所定時間内における銅粒の数の変化率、または前記所定時間内における前記画像の輝度の変化率を算出する、銅荒引線の製造方法。
JP2020164662A 2020-09-30 2020-09-30 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法 Pending JP2022056745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164662A JP2022056745A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164662A JP2022056745A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022056745A true JP2022056745A (ja) 2022-04-11

Family

ID=81110704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020164662A Pending JP2022056745A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022056745A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930010005B1 (ko) 연속주조용 로봇
JP5065540B1 (ja) 金属鋳塊製造方法、液面制御方法、極細銅合金線
KR101400042B1 (ko) 고품질 주편 제조방법
JP2022056745A (ja) 銅線の製造方法および銅荒引線の製造方法
US6793006B1 (en) Automation of a high-speed continuous casting plant
EP1393838A1 (en) Method and device for continuously casting strip cast piece
US10799944B2 (en) Equipment and method for manufacturing copper alloy material
JP2013043185A (ja) 金属鋳塊製造方法、金属鋳塊製造装置
JPH0976050A (ja) モールドパウダー厚の制御方法および装置
CN112247094B (zh) 连铸铸坯定重切割控制系统及方法
KR101277686B1 (ko) 열연코일의 표면결함 저감 장치 및 그 방법
US20170261265A1 (en) Apparatus and method for manufacturing copper alloy material
KR101368351B1 (ko) 연속주조 시 응고쉘 두께 예측 방법
KR101277701B1 (ko) 몰드 내의 탕면 레벨 제어장치 및 방법
JPH02251346A (ja) 湯面異常状況検出方法および湯面異常防止方法並びにその防止装置
KR101159613B1 (ko) 연속주조 주형의 테이퍼 판별 장치 및 방법
US8509942B2 (en) Method for producing metal ingot, method for controlling liquid surface, and ultrafine copper alloy wire
KR101400041B1 (ko) 용강의 탄소증가량 예측장치 및 그 방법
JP6928572B2 (ja) ノズルの劣化判断装置及び方法
WO2010146621A1 (ja) ストリップ鋳造方法及び双ロール鋳造機
JP5718132B2 (ja) 金属鋳塊製造方法
KR101443588B1 (ko) 슬라브의 핀홀 결함 예측방법
JP2003251443A (ja) ブレークアウト発生時における流路開閉手段の制御方法及び装置
KR101748946B1 (ko) 연속주조방법
KR101670123B1 (ko) 용강의 연속 주조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240301

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240423