JP2022056110A - 車両用ケーブル及び車両用ハーネス - Google Patents

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Yoshikazu Hayakawa
知之 村山
Tomoyuki Murayama
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Abstract

【課題】車両への取り付けがより容易である車両用ハーネスを提供する。【解決手段】少なくとも1つの芯線と芯線を被覆するシースとを備える複数のケーブルと、ケーブルの線方向に沿った予め決められた範囲において、複数のケーブルの少なくとも一部を一括し、束ねて被覆する一括シースと、を備える車両用ケーブルは、複数のケーブルには、車体に取り付けられ、一括シースに被覆され、取付具が取り付けられる取付ケーブルが少なくとも一つ含まれる。取付ケーブルにおけるシースの外周面は、第1の領域と、第2の領域と、を有する。第1の領域は、ケーブルの線方向に沿った予め決められた領域である。第2の領域は、一括シースから露出した範囲におけるケーブルの線方向に沿った予め決められた第1の領域とは異なる領域は、異なる領域内に取付具が取り付けられる位置を含むと共に、第1の領域と比べて外周面の算術平均粗さが小さい。【選択図】図1

Description

本開示は、車両に取り付けられる車両用ハーネス及び車両用ハーネスに備えられる車両用ケーブルに関する。
近年、自動車などの車両において、電動式の制動装置が用いられている。
電動式の制御装置としては、例えば、電気機械式ブレーキ(EMB)や電動パーキングブレーキ(EPB)が挙げられる。ここでいう、EMBは、Electro-Mechanical Brakeの略称であり、EPBは、Electromechanical Parking Brakeの略称である。
近年、車両において、走行中の車輪の回転速度を検出するABSセンサや、タイヤなどの空気圧を検出する空気圧センサ、温度センサなどのセンサ類が車輪などに搭載されることがある。なお、ABSは、Anti-lock Brake Systemの略称である。
そこで、車輪に搭載されたセンサ類から出力される信号を伝達する信号線や電気機械式ブレーキの制御用の信号線と、電気機械式ブレーキや電動パーキングブレーキ用の電気モータに電力を供給する電源線とを共通のシースに収容された複数のケーブルを有する車両用ケーブルを用い、車輪側の機器と車体側の機器とは電気的に接続される。車輪側の機器と車体側の機器との電気的な接続に用いられる車両用ケーブルの端部にコネクタやセンサなどを設けたものは、車両用ハーネスとも呼称される(特許文献1参照。)。
特開2017-131054号公報
この種の車両用ハーネスを構成する複数のケーブルは、それぞれ周面がシースにより被覆される。そして、複数のケーブルのうち、少なくとも1つのケーブルを被覆するシースには、車両側にケーブルを固定する固定位置と対応した取付位置に取付具が取り付けられる。そして、取付位置に取り付けられた取付具が車両の固定位置に固定される。
このため、取付位置から取付具が移動すると、取付具を車体の固定位置に固定させるのが困難となる。
本開示は、車両への取り付けがより容易である車両用ハーネスを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、少なくとも1つの芯線と芯線を被覆するシースとを備える複数のケーブルと、ケーブルの線方向に沿った予め決められた範囲において、複数のケーブルの少なくとも一部を一括して束ねて被覆する一括シースと、を備える車両用ケーブルであって、複数のケーブルには、車体に取り付けられ、一括シースに被覆され、取付具が取り付けられる取付ケーブルが少なくとも一つ含まれる。取付ケーブルにおけるシースの外周面は、第1の領域と、第2の領域と、を有する。第1の領域は、ケーブルの線方向に沿った予め決められた領域である。第2の領域は、一括シースから露出した範囲におけるケーブルの線方向に沿った予め決められた第1の領域とは異なる領域であって、異なる領域内に取付具が取り付けられる位置を含むと共に、第1の領域と比べて外周面の算術平均粗さが小さい。
このような構成によれば、第2の領域は、取付具が取り付けられる位置を含み、第2の領域は、第1の領域よりも算術平均粗さが小さい。このため、仮に第1の領域に取付具を取り付けた場合の取付具と第1の領域との接触面積に比べて、第2の領域に取付具を取り付けた場合の取付具と第1の領域との接触面積の方が広くなる。このため、取付具は、第1の領域に比べて第2の領域の方が、密着性がよくなり、第2の領域に取り付けられる取付具は、仮に第1の領域に取り付けられる場合に比べて、取付位置から移動しにくい。
これにより、車両用ケーブルに取り付けられた取付具を車両に取り付けるのが容易になる。
本実施形態の車両用ハーネス全体の概要図である。 クリップの構造を表した概要図である。 本実施形態の車両用ハーネスにおいてクリップが取り付けられたケーブルの周辺を表した概要図である。 ケーブルの線方向に対して直交する断面を表した図である。 第1の領域の表面画像である。 第2の領域の表面画像である。 第2の領域を含むケーブルと、ケーブルに取り付けられたクリップとを表した図である。 内部線をケーブルシースで被覆すると共に第1の領域を形成するケーブルの製造装置の概要を表した図である。 ケーブルシースが形成される前の内部線のケーブル断面を表した図である。 被覆形成部の口金部分を表した図である。 第2の領域を形成する表面加工を行う治具の例を表した図である。 ケーブルに取り付けた際のクリップの構造を表した図である。 ケーブルに取り付けた際のクリップの構造を表した図である。
[1.構成]
本実施形態の車両用ハーネス1について図1から図7までの図を用いて説明する。
車両用ハーネス1は、自動車などの車両に取り付けられ、車両に搭載された機器の間を信号及び電力を伝送するのに用いられる。なお、以下では、車両用ハーネス1が搭載される車両を車両100とも記載する。
本実施形態では、各構成の配置を互いに直交するx軸、y軸及びz軸を用いて説明する。なお、以下では、xy平面を実空間での水平面とし、z軸を当該xy平面に直交する実空間での高さ方向として説明する。また、x軸正方向に対して右側をy軸正方向として説明する。
図1は、本実施形態の車両用ハーネス全体の概要図である。
車両用ハーネス1は、図1に示すように、センサ10と、ケーブル30と、電源線50と、一括シース70と、クリップ90と、信号コネクタ110を備える。
センサ10は、車両100の状態に応じた信号を出力するために用いられるセンサである。センサ10は、本実施形態では、車両100の車輪に搭載され、走行中の車両100の車輪の回転速度を検出するABSセンサである。ここでいうABSとは、Anti-lock Brake Systemの略である。なお、センサ10は、ABSセンサに限定されず、種々のセンサであってもよい。センサ10は、例えばケーブル30の端部に配置される。
電源線50は、車両100の車輪に搭載されたEPB用の電気モータに駆動電流を供給するケーブルである。ここでいう、EPBとは、Electromechanical Parking Brakeの略称であり、電動パーキングブレーキとも称される。なお、電源線50は、EPB用の電気モータに駆動電流を供給するケーブルに限定されず、種々のケーブルであってもよい。
電源線50は、電源導線51と電源線シース53と2つの電源コネクタ55とを備える。
電源導線51は、電気を導通させる導線である。本実施形態では、電源導線51は、1本の導線である例に適用して説明する。なお、電源導線51は1本の導線に限定されるものではなく、複数の導線により構成されていてもよい。
電源線シース53は、電源導線51の線方向に沿って、電源導線51の周面を被覆する。
なお、電源線シース53は、電源導線51の線方向に直交した断面視において、全周に渡って、電源導線51を被覆した例に適用して説明する。
2つの電源コネクタ55は、それぞれ電源導線51の線方向の両端に配置される。電源コネクタ55は、電力の出入力を行うために用いられる。
一括シース70は、ケーブル30と、電源線50の周面の一部を束ね、ケーブル30のケーブルシース310と電源線50の電源線シース53との外周面を被覆する。ここでいう、ケーブル30のケーブルシース310と電源線50の電源線シース53との外周面とは、ケーブル30のケーブルシース310と電源線50の電源線シース53との外側の周面である。また、ここでいうケーブル30のケーブルシース310と電源線50の電源線シース53との外側とは、ケーブル30と電源線50との間を内側として、内側に対してケーブル30及び電源線50の位置を挟んで反対側である。
一括シース70には、例えば、絶縁材料が用いられる。一括シース70に用いられる絶縁材料は例えば、熱可塑性ポリウレタンであってもよい。
クリップ90は、車両用ハーネス1を車両に取り付ける取付具である。クリップ90には、材料として例えば、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂が用いられてもよい。図2は、クリップ90の構造を表した概要図である。図2では、x軸正方向を奥方向、y軸正方向を右方向、z軸正方向を上方向として、クリップ90を図示する。
図2に示すようにクリップ90は、本体部91と、ベルト部93と、取付部95とを有する。なお、クリップ90が特許請求の範囲における取付具としての構成の一例に相当するが、取付具としての構成はクリップ90に限定されるものではない。
本体部91は、溝部911と、開孔部913とを有する。
本体部91は、上側(z軸正側)にxy平面に沿った平面を有し、当該平面に溝部911が形成される。溝部911は、奥行き方向(x軸方向)に沿って形成される。溝部911の底面は奥行き方向(x軸方向)に直交する断面視において、下方向(z軸負方向)に向かって凸となるようなU字形状の溝を有する。
ベルト部93は、長辺と短辺とを有する帯状形状に形成される。ベルト部93は、帯状形状の短辺が本体部91と接合し、帯状形状の長辺が本体部91から延びるように形成される。本実施形態では、ベルト部93の長辺がy軸負方向を向く例に適用して説明する。また、ベルト部93の短辺の長さをベルト幅Wbとも称する。本実施形態では、ベルト幅Wbは、ベルト部93の長辺方向に沿って一定である例に適用して説明する。また、ベルト幅Wbの長さは例えば、5mm程度であってもよい。なお、ベルト幅Wbの長さは、5mmに限定されるものではなく、種々の長さであってもよい。
開孔部913は、ベルト部93が延出する向きと平行となる向きに貫通する貫通孔を有する。すなわち、貫通孔はy軸方向に沿って貫通するように形成される。開孔部913が有する貫通孔は、ベルト部93が挿通可能な大きさ及び形状に形成される。
ベルト部93は、ベルト先端931と、巻付部933とを有する。
ベルト先端931は、ベルト部93が有する帯状形状の長辺の先端部分、言い換えると、長辺部分の本体部91と接合している部分と反対側の端部である。
巻付部933は、ベルト部93が有する帯状形状が有する面であり、ベルト先端931がy軸正方向に向かって延びた際のベルト部93の上側(z軸正側)を向く面である。巻付部933は平滑に形成される。巻付部933は平滑に形成されることにより平滑な第2の領域33の表面と密着しやすいように形成される。
また、ベルト部93の巻付部933の面とは反対側の面と開孔部913の貫通孔の内面との一方には凹凸が形成され、開孔部913の貫通孔にベルト部93をy軸正方向に向かって通す際には、挿通可能となるように形成され、挿通したベルト部93が開孔部913の貫通孔から抜けないように、例えば、いわゆる返しを有する形状に形成されてもよい。
取付部95は、本体部91の下部(z軸負側の部分)に形成される。取付部95は、本体部91から下方向(z軸負方向)に向かって突出する。当該取付部95が車両100の車体に取り付けられることにより、車両用ハーネス1は車両100の車体に固定される。すなわち、車両100の車体に取り付けられる箇所には、取付部95と対応した形状の部材が配置され、当該配置された部材に取付部95が取り付けられる。なお、車両100の車体に取り付けられる際の取付部95の向きは、特に限定されるものではなく、車両100の車体の取り付けられる対象である部材等の向きによって変更されてもよい。
図3は、本実施形態の車両用ハーネス1においてクリップ90が取り付けられた部分の周辺を表した概要図である。また、図4はケーブルの線方向に対して直交するケーブルの断面を表した図である。図3及び図4を用いて、ケーブル30の詳細について説明する。
ケーブル30は、線状に形成され、センサ10から出力される信号を伝送する。
ケーブル30は、複数の芯線321と、複数のシース323と、ケーブルシース310と、を備える。
本実施形態では、複数の芯線321は、2本である例に適用して説明する。なお、2本の芯線321のそれぞれを区別する場合には、それぞれ芯線321a、芯線321bとも記載する。また、ケーブル30が備える芯線321の本数は2本に限定されるものではなく、2本より多くても少なくてもよい。ケーブル30は複数の芯線321を有する多芯ケーブルであってもよく、1本の芯線321を有する、いわゆる単芯ケーブルであってもよい。
2本の芯線321は、それぞれ導線である。2本の芯線321はそれぞれ線方向がx軸方向に沿って配置される。
図4に示すように、断面視における2本の芯線321a、321bの位置は、それぞれz軸方向に隣接するように配置される。
2本の芯線321にはそれぞれ、周面にシース323が設けられる。シース323は、絶縁体により形成される。2本の芯線321のうち、芯線321aを被覆するシース323をシース323aとも記載し、芯線321bを被覆するシース323をシース323bとも記載する。また、シース323により被覆された芯線321を内部線320と記載し、2つの内部線320のうち、芯線321aを有する内部線320を内部線320aとも記載し、芯線321bを有する内部線320を内部線320bとも記載する。
ケーブルシース310は、2本の内部線320を束ねると共に、シース323の周面の外側を被覆する。ここでいうシース323の周面の外側とは、2本の内部線320の間を内側として、内側に対して2本の内部線320を挟んで反対側の位置をいう。
ケーブルシース310には、絶縁体が用いられる。ケーブルシース310の材料に用いられる絶縁体は、例えば、熱可塑性ポリウレタンであってもよい。
ケーブルシース310は、外周面に第1の領域31と、第2の領域33と、を有する。
第1の領域31及び第2の領域33は、それぞれ、線方向に沿って、言い換えるとx軸方向に沿って、予め決められた範囲に形成される。第1の領域31と第2の領域33とは、それぞれ、領域が重ならないように形成される。
第1の領域31と第2の領域33とは、それぞれ線方向に直交した断面視において、全周に渡って形成される。なお、第1の領域31と第2の領域33とはそれぞれ線方向に直交した断面視において、全周に渡って形成されるものに限定されるものではない。例えば、第1の領域31と第2の領域33とは、それぞれ線方向に直交した断面視において、ケーブルシース310の外周面の一部を構成するものであってもよい。
図5は、第1の領域31の表面画像であり、図6は、第2の領域33の表面画像である。
図5及び図6は、それぞれ、第1の領域31及び第2の領域33の表面を拡大した図である。図5及び図6の各図は拡大倍率を20倍に設定された状態で撮像されたものである。図5及び図6に示すように、第1の領域31の表面に比べ、第2の領域33の表面の方が、凹凸の少ない平滑形状に形成される。
また、第1の領域31の算術平均粗さRa1と第2の領域33の領域の算術平均粗さRa2とを比較すると、第2の領域33の算術平均粗さRa2の方が第1の領域31の算術平均粗さRa1と比べて小さく形成される。なお、第1の領域31の算術平均粗さRa1と第2の領域33の領域の算術平均粗さRa2とはそれぞれ、第1の領域31の領域に含まれる外周面の算術平均粗さ、第2の領域33に含まれる外周面の算術平均粗さを表すものであってもよい。
第1の領域31の表面に比べ、第2の領域33の表面の方がつやを有する。第1の領域31と第2の領域33とのつやの違いは目視により違いが認識される程度であることが好ましい。
具体的には、第1の領域31の表面粗さに対応する算術平均粗さRa1が7.994μmであり、第2の領域33の表面粗さに対応する算術平均粗さRa2が0.451μmであってもよい。
図7は、第2の領域33を含むケーブル30と、ケーブル30に取り付けられたクリップ90とを表した図である。
図7に示すようにケーブルシース310の周面における第2の領域33の線方向に沿った位置及び範囲は、クリップ90を取り付ける位置である取付位置Psを含む。取付位置Psは、一括シース70からケーブルシース310が露出した位置に設定される。すなわち、取付位置Psに対応した第2の領域33が少なくとも一括シース70から露出する。なお、一括シース70から露出する範囲は、取付位置Psに対応した第2の領域33の位置に限定されるものではない。
第2の領域33の線方向の中点の位置は、取付位置Psに位置するように設けられてもよい。なお、第2の領域33の位置は、第2の領域33の領域の線方向の中点と取付位置Psとが一致するものに限定されるものではない。第2の領域33の長さは、例えば11mm程度に設定されてもよい。第2の領域33の線方向の中点と、ベルト部93の幅方向の中点とが一致するように配置されると、ベルト部93の幅方向の両端からそれぞれ等しい露出幅Wcだけ、第2の領域33がベルト部93から露出する。第2の領域33の長さは、例えば、ベルト幅Wbの長さ5mmに対して、第2の領域33の長さが11mm程度、すなわち、露出幅Wcが3mm程度であってもよい。第2の領域33の線方向の長さと、ベルト部93のベルト幅Wbとがこのような比率であれば、第2の領域33の線方向の中点とベルト部93の幅の中点とが合わせやすく、取付位置Psにクリップ90を取り付けやすい。なお、ベルト部93のベルト幅Wbと第2の領域33の長さの比率は一例であり、厳密に限定されるものではない。
第2の領域33の数は、車両用ハーネス1の取り付けられるクリップ90に対応した数が設けられてもよい。本実施形態では、クリップ90aとクリップ90bとの2つのクリップ90がケーブル30に取り付けられる例に適用して説明するが、ケーブル30に取り付けられるクリップ90の数は2つに限定されるものではない。ケーブル30に取り付けられるクリップ90の数は、2つより多くてもよく、1つでもよい。
ケーブルシース310の周面における第1の領域31の線方向に沿った位置及び範囲は、一括シース70により被覆される被覆領域を含むように図3に示すように形成される。なお、第1の領域31は、一括シース70により被覆される被覆領域の全てを含む必要はない。言い換えると第1の領域31と一括シース70の被覆領域とは少なくとも一部が重複していればよい。なお、図3において、第1の領域31をそれぞれ、部分ごとに、第1の領域31a,31b,31cの3箇所を記載しているが、第1の領域31の数は、3箇所に限定されるものではなく、第1の領域31の位置及び範囲も図3に示したものに限定されない。
図1に戻り、信号コネクタ110は、ケーブル30において、センサ10が配置された端部とは反対側の端部に設けられ、センサ10から出力され、ケーブル30を伝送してきた信号を出力するためのコネクタである。
なお、クリップ90が取り付けられるケーブル30が特許請求の範囲における取付ケーブルの一例に相当する。
[2.作用]
<ケーブル30の製造方法>
次に、ケーブル30の製造方法について、図8から図11までの図を用いて説明する。
ケーブル30の製造は、内部線320に対するケーブルシース310の被覆する工程と、ケーブルシース310の表面を加工する工程とを有する。なお、内部線320に対するケーブルシース310の被覆する工程と、ケーブルシース310の表面を加工する工程とは厳密に分かれている必要はなく、工程の一部が重なっていてもよい。
図8は、ケーブル30の2本の内部線320にケーブルシース310を形成すると共に、ケーブルシース310の表面に第1の領域31を設ける製造装置の概要を表したxy平面図である。なお、図8では、x軸正方向を向いて右方向をy軸正方向とし、xy平面に直交する上方向を、z軸正方向とする。
製造装置は、格納部と、被覆形成部とを備える。
格納部は、ケーブルシース310の材料となる熱可塑性ポリウレタンPUが格納され、材料が溶融され、練りが加えられる。ここで、材料の溶融は、例えば230℃に加熱することにより行われる。
格納部は、例えば被覆形成部に対してy軸負側に配置される。格納部から溶融した熱可塑性ポリウレタンPUがy軸正側の被覆形成部に流入される。なお、格納部と被覆形成部との位置関係は特に限定されるものではない。また、図8において熱可塑性ポリウレタンPUが流入する経路を流入経路Aと表す。
2つの内部線320は被覆形成部のx軸負側から被覆形成部の内部をx軸正方向に沿って搬送される。図9は、ケーブルシース310が配置される前、すなわち、被覆形成部に搬入される前の内部線320のケーブル断面を表した図である。
被覆形成部は、搬出側、すなわちx軸正側において、口金治具を有する。
図10は被覆形成部の口金治具のxy平面に沿った断面を表した断面図である。
2本の内部線320は、製造装置に搬送されると、y軸負側に位置する格納部から流入した、溶融した状態の熱可塑性ポリウレタンPUが内部線320の周面に塗装され、被覆を形成する。ここで、2本の内部線320の周面に塗装された熱可塑性ポリウレタンPUは、被覆形成部の口金治具で、所定の膜厚に形成される。ここで、口金治具の出口の温度は220℃程度にとなるように設定される。すなわち、口金治具の出口の温度は、被覆前の溶融した材料の温度230℃に比べ低い温度に設定される。これにより、ケーブルシース310の表面の温度が下がることにより、ケーブルシース310の材料である熱可塑性ポリウレタンPUの流動性が変化し、表面の状態が荒れることとなる。ここで、ケーブルシース310の表面が荒れることにより第1の領域31が形成される。より具体的には、第1の領域31の領域は算術平均粗さRa1になるように形成されてもよい。なお、口金治具の出口の温度及び、被覆前の溶融した材料の温度は、それぞれ厳密に220℃、230℃であることを要するものではない。
さらに、表面の状態が荒れた状態のケーブルシース310は、さらに治具により表面加工がなされる。
図11は、表面加工を行い第2の領域33を形成するための治具の例を表した図である。
表面加工を行う治具は特に限定されないが、例えば、図11に示すように、ケーブルシース310を挟み込むことにより表面加工を行う2つの開閉可能な治具によりなされてもよい。2つの柱形状の治具は、閉状態において、ケーブルシース310を挟み込む。ここで、閉状態において、ケーブルシース310と接触する面が円筒形状に形成され、ケーブルシース310の表面に沿う形状に形成されてもよい。治具を閉状態にし、ケーブルシース310の表面と接触させた状態で所定の温度に設定することにより、ケーブルシース310の表面を平滑化させてもよい。治具の温度は、熱可塑性ポリウレタンPUが流動する温度、例えば熱可塑性ポリウレタンPUの軟化点以上、融点未満の温度に加熱されてもよい。具体的には、140℃以上180℃未満の温度に加熱されてもよい。
これにより加熱された表面が平滑化し、加熱された表面の算術平均粗さが小さくなる。より具体的には、例えば、算術平均粗さRa2を有する第2の領域33がケーブルシース310の表面に形成されてもよい。その結果、ケーブルシース310の表面が平滑化される。その結果、クリップ90などの部材が第2の領域33に接触した際に、当該部材と第2の領域33との接触面積が大きくなり、部材が第2の領域33の表面から移動しにくくなる。
<クリップの取付方法>
ケーブル30へのクリップ90の取付方法を図2、図12及び図13を用いて説明する。図12及び図13は、クリップ90を取り付けたケーブル30の例を表した図である。
まず、ベルト先端931が本体部91に対して左方向(y軸負方向)を向き、ケーブル30が備えるケーブルシース310の第2の領域33に溝部911の底面を当接させる。このときのケーブル30の線方向はx軸方向を向く。
ここで、クリップ90は、第2の領域33と接触する部分であるベルト部93及び本体部91が、第2の領域33の外周面の形状に沿った形状に形成される。すなわち、本体部91の第2の領域33の外周面と接触する部分は、底面が下に凸となるU字形状に形成されている。また、ベルト部93の、第2の領域33と接触する巻付部933は、平滑に形成され、第2の領域33の外周面の形状に沿った形状に形成される。
次に、溝部911に当接したケーブル30にベルト部93を巻き付かせる。具体的には、ベルト部93のベルト先端931が溝部911に当接したケーブル30の上側(z軸正側)を通るようにベルト部93の巻付部933を折り曲げる。
そして、ケーブル30の上側を通ったベルト先端931を折り返し本体部91の開孔部913が有する貫通孔に通す。
貫通孔を貫通したベルト先端931を引っ張ることにより、ケーブルシース310の周面の第2の領域33に巻付部933を密着させる。
なお、貫通孔を挿通した後、ベルト部93のベルト先端931は、ベルト部93が切断されることにより取り除かれてもよい。
[3.効果]
(1)本実施形態の車両用ハーネス1は、複数のケーブルである電源線50及びケーブル30と一括シース70と、を備える。
ケーブル30は、線状に形成され、少なくとも1つの芯線321と芯線321を被覆するシース323とを備える。
一括シース70は、ケーブル30の線方向に沿った予め決められた範囲において、複数のケーブルであるケーブル30及び電源線50の少なくとも一部を束ねて被覆する。
複数のケーブルには、一括シース70に被覆される少なくとも1つの取付ケーブルが含まれる。
取付ケーブルは、取付具であるクリップ90により車両100の車体に取り付けられる。取付ケーブルにおけるケーブルシース310の外周面は、第1の領域31と、第2の領域33と、を有する。
第1の領域31は、ケーブル30の線方向に沿った予め決められた領域である。
第2の領域33は、一括シース70から露出した範囲におけるケーブル30の線方向に沿った予め決められた第1の領域31とは異なる領域であって、異なる領域内に取付具であるクリップ90が取り付けられる取付位置Psを含む。さらに第2の領域33の算術平均粗さRa2は、第1の領域31の算術平均粗さRa1と比べて小さい。
このような構成によれば、第2の領域33に取り付けられるクリップ90の第2の領域33に対する密着性は、仮に第1の領域31にクリップ90が取り付けられた場合におけるクリップ90の第1の領域31に対する密着性よりも高くなる。その結果、第2の領域33に取り付けられたクリップ90は、取付位置Psから移動しにくい。
その結果、第2の領域33に取り付けられた取付具を車両に取り付けるのが容易になる。
また、このような構成によれば、第2の領域33と第1の領域31との算術平均粗さの違いにより、外観につやなどの違いが生じる。この外観の違いにより、第1の領域31と第2の領域33とを視認により区別することができる。これにより、取付位置Psを含む第2の領域33への取付具であるクリップ90の取付を容易にしやすくできる。
(2)本実施形態の車両用ハーネス1では、一括シース70により被覆される被覆領域は、第1の領域31の少なくとも一部と重複している。
このような構成によれば、一括シース70により被覆される被覆領域により被覆される第1の領域31の算術平均粗さRa1は、第2の領域33の算術平均粗さRa2に比べて大きい。このため、電源線シース53と接触し摩擦が生じる部分が第2の領域33であるよりも第1の領域31である方が、電源線シース53とケーブルシース310に加わる摩擦力を小さくすることができ、電源線シース53とケーブルシース310との摩擦により生じる摩耗を抑制することができる。
(3)本実施形態では、第1の領域31及び第2の領域33の外周面は、第2の領域33の算術平均粗さRa2が、第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さくなるように加工される。
このような構成によれば、第2の領域33の算術平均粗さRa2が第1の領域31の算術平均粗さRa1よりも小さいことにより、仮に、第1の領域31にクリップ90が取り付けられる場合に比べて、第2の領域33に取り付けられた取付具であるクリップ90は、第2の領域33の表面との接触面積が大きくなる。このため、接触面積が大きくなることにより摩擦が生じる面積が大きくなり、第2の領域33からクリップ90が移動することを抑制しやすくなる。また、第2の領域33は加工により第2の領域33の算術平均粗さRa2が第1の領域31の算術平均粗さRa1よりも小さく形成されていることから、第2の領域33の算術平均粗さRa2を第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さくするために、別途部品などを設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
(4)本実施形態では、車両用ハーネス1は取付ケーブルの第2の領域33に配置される取付具であるクリップ90を備える。クリップ90は、第2の領域33と接触する部分であるベルト部93及び本体部91が、第2の領域33の外周面の形状に沿った形状に形成される。
このような構成によれば、取付具であるクリップ90が第2の領域33と接触する部分が、第2の領域33の外周面の形状に沿った形状に形成されることにより、当該接触する部分で摩擦が生じやすくなり、クリップ90が第2の領域33において移動することを抑制しやすくなる。
(5)具体的には、本実施形態では、平滑な第2の領域33と巻付部933とが密着することにより、摩擦が大きくなり、クリップ90がケーブルシース310の表面を動くことを抑制することができる。すなわち、平滑な面同士での摩擦を大きくすることによりクリップ90がケーブルシース310の表面を動くことを抑制できる。
また、平滑な面同士での摩擦を大きくすることによりクリップ90がケーブルシース310の表面を動くことを抑制できるため、巻付部933の表面に凹凸を設ける必要がない。
このため、ベルト部93を締めた際に巻付部933の表面の凹凸により、ケーブルシース310に凹凸が付くことや、ケーブルシース310に傷が付くことを抑制しやすくなる。
(6)本実施形態では第2の領域33の線方向の中点と、取付位置Psとが一致するように形成されている。このような構成によれば、クリップ90をケーブル30の第2の領域33に取り付ける作業者は取付位置Psの位置を把握しやすい。
(7)さらに、第2の領域33に取り付けた際にベルト部93の両端から第2の領域33がそれぞれ露出幅Wcの長さだけ露出するため、例えば、クリップ90を第2の領域33に取り付けた後でも、第2の領域33の中点である取付位置Psに対してクリップ90のベルト部93の幅方向の中点がずれていることを視認することができる。
[4.他の実施形態]
(1)上記実施形態の車両用ハーネス1が備えるセンサ10として、ABSセンサを例示した。しかし、車両用ハーネス1が備えるセンサ10は、ABSセンサに限定されるものではなく、速度センサ、加速度センサなどの種々のセンサであってもよい。
(2)上記実施形態の車両用ハーネス1が備えるセンサ10は車両100の車輪に搭載されると記載した。しかしながら、センサ10が車両100において搭載される位置は車輪に限定されるものではない。
また、センサ10が速度センサ又は加速度センサである場合には、速度、加速度を検出するのに適した箇所に搭載されてもよい。
(3)上記実施形態の車両用ハーネス1は、センサ10を備える。しかしながら、車両用ハーネス1はセンサ10そのものを備える構成に限定されるものではなく、例えば、センサ10の代わりに、センサ10と接続されるコネクタを備えるものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、電源線50は両端に電源コネクタ55を備え、ケーブル30は一端にセンサ10を他端に信号コネクタ110を備える。しかしながら、電源線50は両端に電源コネクタ55を備えなくてもよく、ケーブル30は、一端にセンサ10を他端に信号コネクタ110を備えなくてもよい。
(4)また、車両用ハーネス1からコネクタ及びセンサを有しない構成であってもよい。すなわち、いわゆる車両用ケーブルとして用いられる構成であってもよい。
(5)上記実施形態では、第2の領域33の算術平均粗さRa2を第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さくなるよう表面を加工した。
しかしながら、第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて第2の領域33の算術平均粗さRa2を小さくする方法は表面の加工によるものに限定されるものではない。
例えば、取付ケーブルのシースであるケーブルシース310の外周面における第2の領域33に、第1の領域31に比べて算術平均粗さが小さい摩擦層を有してもよい。
このような構成によれば、第2の領域33には外周面に第1の領域31の算術平均粗さRa1と比べて小さい算術平均粗さRa2を有する摩擦層が形成される。当該摩擦層は、算術平均粗さRa2が第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さいため、クリップ90の摩擦層に対する接触面積は、仮にクリップ90を第1の領域31に取り付けた場合の、第1の領域31に対する接触面積に比べて大きくなる。言い換えると、クリップ90は摩擦層に取り付けた際に、摩擦層に密着しやすくなる。その結果、第2の領域33に取り付けられた取付具であるクリップ90の移動が抑制されやすくなる。
(6)また、摩擦層は、摩擦テープにより形成されてもよい。摩擦テープは、接着面と、摩擦面と、を有してもよい。ここで、接着面がケーブルシース310の第2の領域33の外周面に接着され、摩擦面は、接着面と反対側の面であり、第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さい算術平均粗さRa2を有する。
このような構成によれば、摩擦テープの摩擦面を第1の領域の算術平均粗さRa1と比べて小さい算術平均粗さRa2を有する摩擦層として機能させることができる。
(7)また、摩擦層は、第1の領域31の算術平均粗さに比べて小さい算術平均粗さを有する塗装膜により形成されてもよい。すなわち、塗装により第2の領域33の周面の算術平均粗さRa2が、第1の領域31の周面の算術平均粗さRa1よりも小さくなるように形成されてもよい。
このような構成によれば、塗装により設けられた塗装膜を第1の領域31の算術平均粗さRa1と比べて小さい算術平均粗さRa2を有する摩擦層として機能させることができる。
(8)上記実施形態では、第2の領域33の数は、クリップ90の数に対応した数が形成される。しかしながら、第2の領域33の数は、クリップ90の数に対応した数に限定されるものではない。例えば、2つの取付位置Psを含むように、1つの第2の領域33が設定されてもよい。
(9)上記実施形態では、第2の領域33の線方向の中点と取付位置Psとが一致する構成に適用して説明した。
しかしながら、第2の領域33の線方向の中点と、取付位置Psとが一致する構成に限定されるものではない。作業者が取付位置Psの位置を把握しやすくするための構成としては、第2の領域33の線方向の位置と、取付位置Psとがあらかじめ対応した位置となるように配置されていればよい。
(10)上記実施形態では、電源線シース53は、電源導線51の線方向に直交した断面視において、全周に渡って電源導線51を被覆する。しかしながら電源線シース53が電源導線51の線方向に直交した断面視において、全周に渡って電源導線51を被覆するものに限定されるものではなく、他の部材などで被覆がなされてもよい。
(11)上記実施形態では、第2の領域33は、第1の領域31に比べて小さい算術平均粗さRa2を有するように形成される。これにより、第2の領域33に取り付けられたクリップ90は、第1の領域31に取り付けられた場合に比べてケーブルシース310の外周面を移動しにくい。
しかしながら、クリップ90は、第1の領域31の外周面に比べて第2の領域33の外周面の方が移動しにくい構成であれば、第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて第2の領域33の算術平均粗さRa2が小さい構成に限定されるものではない。例えば、クリップ90が取り付けられた状態でケーブルシース310の線方向に向かって移動させるために必要な力である移動抵抗が、第1の領域31に比べて第2の領域33の方が大きいように構成されてもよい。また、第2の領域33の移動抵抗が98N以上で、第1の領域31の移動抵抗が49Nに比べて2倍以上の違いがあってもよい。
(12)上記実施形態では、巻付部933は平滑面で形成される。しかしながら、巻付部933は、凹凸を有していても良い。
(13)上記実施形態では、第1の領域31の表面は、ケーブルシース310の表面を形成する際に口金部分の温度を低くすることにより表面を粗くし、第2の領域33の算術平均粗さRa2に比べて第1の領域31の算術平均粗さRa1が大きくなるように形成されている。
しかしながら、第1の領域31の算術平均粗さRa1を第2の領域33の算術平均粗さRa2に比べて大きくするために第1の領域31に対して行う加工としてはこのような方法に限定されるものではなく、例えば、ケーブルシース310に難燃剤を含ませることにより表面を粗くし、算術平均粗さRa1を大きくすることが考えられる。
なお、ケーブルシース310に難燃剤を含ませた場合において、第2の領域33の形成については、上述した摩擦テープの貼設や塗装膜を形成する塗料を塗ることにより、第2の領域33の表面に摩擦層を形成させることにより、第2の領域33の算術平均粗さRa2を第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さくするように形成されることが好ましい。
(14)上記実施形態では、ケーブル30と電源線50とが複数のケーブルの一例に相当する。しかしながら、複数のケーブルは、ケーブル30と電源線50とに限定されるものではない。例えば、複数のケーブルいずれも電力を伝送する電源線50として用いられるものであってもよく、信号を伝送するケーブル30として用いられるものであってもよい。
(15)上記実施形態において、クリップ90は、第2の領域33に取り付けられる。ここで、図1において、一括シース70に対してセンサ10が取り付けられた端部に近い側の第2の領域33にクリップ90が取り付けられる図を図示しているが、クリップ90が取り付けられる位置は、一括シース70に対してセンサ10が取り付けられた端部により近い側に限定されるものではない。
(16)上記実施形態では、クリップ90が取り付けられるケーブルである取付ケーブルは、ケーブル30である例に適用して説明した。しかしながら、取付ケーブルの数は1つに限定されるものではなく、複数備えられてもよい。このような場合、複数のケーブル30の外周面のそれぞれに第1の領域31及び第2の領域33が形成されてもよい。
(17)上記実施形態では、第1の領域31の表面粗さに対応する算術平均粗さRa1が7.994μmであり、第2の領域33の表面粗さに対応する算術平均粗さRa2が0.451μmであるが、第1の領域31の算術平均粗さRa1及び第2の領域33の算術平均粗さRa2はそれぞれ、このような値に限定されるものではない。例えば、第1の領域31の算術平均粗さRa1は、1μm以上、第2の領域33の算術平均粗さRa2は、0.8μm以下であることが好ましい。このような値であれば、第1の領域31と第2の領域33とが視認により区別しやすくなる。さらに、第2の領域33の算術平均粗さRa2は、0.5μm以下であると、表面のつやの違いがより顕著となる。
(18)上記実施形態では、ケーブルシース310の形成装置において、第1の領域31が形成され、その後、第2の領域33の領域が形成される。しかしながら、第1の領域31と第2の領域33とが形成される順番はこのような順番に限定されるものではなく、順番が反対であってもよい。
また、第2の領域33の算術平均粗さRa2が第1の領域31の算術平均粗さRa1に比べて小さくなるように構成されれば、第1の領域31と第2の領域33との両方の表面が加工される構成に限定されるものではない。
(19)上記実施形態では、x軸、y軸、z軸を用いて、各構成の配置及び向きなどを説明した。しかしながら、x軸、y軸、z軸を基準とした配置及び向きは、厳密にその配置、その向きであるものに限定されるものではない。また、屈曲や移動などによりその配置及び向きの変更が禁止されるものでもない。
(20)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
1…車両用ハーネス、10…センサ、30…ケーブル、31,31a,31b,31c…第1の領域、33…第2の領域、50…電源線、51…電源導線、53…電源線シース、55…電源コネクタ、70…一括シース、90,90a,90b…クリップ、91…本体部、93…ベルト部、95…取付部、100…車両、110…信号コネクタ、310…ケーブルシース、320,320a,320b…内部線、321,321a,321b…芯線、323,323a,323b…シース、911…溝部、913…開孔部、931…ベルト先端、933…巻付部、A…流入経路、PU…熱可塑性ポリウレタン。

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの芯線と前記芯線を被覆するシースとを備える複数のケーブルと、
    前記ケーブルの線方向に沿った予め決められた範囲において、前記複数のケーブルの少なくとも一部を一括し、束ねて被覆する一括シースと、
    を備える車両用ケーブルであって、
    前記複数のケーブルには、車体に取り付けられ、前記一括シースに被覆され、取付具が取り付けられる取付ケーブルが少なくとも一つ含まれ、
    前記取付ケーブルにおける前記シースの外周面は、
    前記ケーブルの線方向に沿った予め決められた領域である第1の領域と、
    前記一括シースから露出した範囲における前記ケーブルの線方向に沿った予め決められた前記第1の領域とは異なる領域であって、前記異なる領域内に前記取付具が取り付けられる位置を含むと共に、前記第1の領域と比べて前記外周面の算術平均粗さが小さい第2の領域と、
    を有する、車両用ケーブル。
  2. 請求項1に記載の車両用ケーブルであって、
    前記一括シースにより被覆される被覆領域は、前記第1の領域の少なくとも一部と重複する、車両用ケーブル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用ケーブルであって、
    前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方に対応する前記外周面は、
    前記第2の領域の算術平均粗さが、前記第1の領域の算術平均粗さに比べて小さくなるように加工された、車両用ケーブル。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ケーブルであって、
    前記取付ケーブルの前記シースの前記外周面における前記第2の領域に、
    前記第1の領域に比べて算術平均粗さが小さい摩擦層を有する、車両用ケーブル。
  5. 請求項4に記載の車両用ケーブルであって、
    前記摩擦層は、摩擦テープにより形成され、
    前記摩擦テープは、
    前記シースの前記外周面に接着する接着面と、
    前記接着面と反対側の面であり、前記第1の領域の算術平均粗さに比べて小さい算術平均粗さを有する摩擦面と、
    を有する、車両用ケーブル。
  6. 請求項4に記載の車両用ケーブルであって、
    前記摩擦層は、前記第1の領域の算術平均粗さに比べて小さい算術平均粗さを有する塗装膜により形成された、車両用ケーブル。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両用ケーブルであって、
    前記取付ケーブルの前記第2の領域に配置される前記取付具を更に備え、
    前記取付具は、前記第2の領域と接触する部分が、前記第2の領域の外周面の形状に沿った形状に形成された、車両用ケーブル。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両用ケーブルと、
    前記車両用ケーブルの前記複数のケーブルのうち、少なくとも1つのケーブルに前記車体に取り付けられるセンサ又は前記センサに接続されるコネクタと、
    を備える、車両用ハーネス。
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