JP2022055564A - 回転電機のローターの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮成形による磁石とシャフトの一体成形で、コストを抑制しながら、圧縮荷重を上げることで磁力および機械的強度の向上が得られる回転電機のローターの製造方法を提供する。【解決手段】円柱形のシャフトの外周にシャフトの軸方向に平行な複数の溝を形成するように加工するシャフト加工工程と、シャフトの外周に配置された円筒形の磁石が複数の溝に入り込んで固着して一体に成形して磁石アセンブリを製造する磁石成形工程と、磁石成形工程によって製造した磁石アセンブリに、シャフトの軸方向における磁石の一端面側に配置された第一のリング部材と他端面側に配置された第二のリング部材を取り付けてローターを製造するローターアセンブリ組立工程を備えた。【選択図】図2

Description

本開示は、電気掃除機や手乾燥機などに用いられるモーターである回転電機のローターの製造方法に関するものである。
従来,シャフトにプラスチックマグネットを一体成形して構成しているローターでは,シャフト外周面にローレット目が形成され、磁石がローレット目にくい込むことで、磁石とシャフトが互いにずれることのない構造を形成していた。(例えば、特許文献1参照)
特開2018-148694号
特許文献1に記載された従来技術では、射出成形によってローターの磁石を成形している。射出成形によってローターの磁石を成形する場合、磁粉とバインダ材料を混合した磁石材料を加熱昇温して溶融状態にした上で、ゲート等を介して金型内部空間に注入する。金型内部空間は金型内部にあって、磁石の形状を決定する空間を指す。磁石には、安定した形状や配向が求められるため、溶融した磁石材料は高い流動性を備えている必要がある。このため、一般的に射出成形に使用する磁石材料は、バインダ材料の比率が高くなる。そのため、体積当たりの磁粉比率を高くするには限界があり、高磁力化や小形化が困難になるという課題がある。
また、射出成形では複数のゲートから同時に溶融した磁石材料が注入される場合や、単一のゲートであってもリング状に成形する場合など、流れる磁石材料の端部がそれぞれ合流する部分で、ウェルド部を生じる。ウェルド部は、非ウェルド部と比較して機械的強度が低い。ウェルド部と非ウェルド部では機械的特性が異なることから、回転などによる一様分布荷重を受けた場合の応力分布に片寄りが生じて、高い応力集中も発生する。すなわち、ウェルド部を有する磁石は、ウェルド部が有しない磁石と比べて機械的強度が低い。磁力の向上を目的とした大径化や、出力の向上のための高速回転化が求められる場合、ローターには大きな遠心力が作用するため、ウェルド部を有する射出成形磁石では、適用が難しいという課題がある。
一方で、磁粉とバインダ材料を混合させた粉体の磁石材料を金型内に充填し圧縮することによって磁石を成形する圧縮成形によって、回転電機のローターの磁石を成形する方法がある。圧縮成形の場合、磁石材料を溶融し流動させる必要がないため、バインダ材料の比率を低く、磁石量を多くでき、体積当たりのローターの磁力が高くなる。
磁石とシャフトの一体成形では、磁石とシャフトが互いにずれないように、シャフト表面にローレット目のような溝部を形成する。圧縮成形による磁石の製造では、圧縮荷重を上げることにより、磁石密度が向上し、さらにローターの磁力を高めることが期待できる。しかしながら、圧縮される磁石材料に加わる圧縮荷重は、前述の溝部を介してシャフトに伝搬する。このため、磁石密度を大きく向上させるような高い圧縮荷重を加える場合、シャフトが変形してしまうという問題がある。変形を防止するために、機械的強度の高い材料でシャフトを製造することは、素材や加工のコストを増大させるという課題がある。
本開示の目的は、圧縮成形による磁石とシャフトの一体成形において、コストを抑制しながら圧縮荷重を高めることで、磁力および機械的強度の向上が得られる回転電機のローターの製造方法を提供することである。
本開示に係る回転電機のローターの製造方法は、円柱形のシャフトと、前記シャフトの外周に配置された円筒形の磁石と、前記シャフトの軸方向における前記磁石の一端面側に配置された第一のリング部材と、前記シャフトの軸方向における前記磁石の他端面側に配置された第二のリング部材とによって構成され、前記シャフトは、軸方向の一部区間の外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を有し、前記磁石は前記複数の溝に入り込んで固着される、回転電機のローターを製造する方法であって、前記シャフトの外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を形成するように加工するシャフト加工工程と、前記シャフトの外周に前記磁石を一体に成形して磁石アセンブリを製造する磁石成形工程と、前記磁石成形工程によって製造した磁石アセンブリに前記第一のリング部材と第二のリング部材を取り付けてローターを製造するローターアセンブリ組立工程を備えるものである。
本開示に係る回転電機のローターの製造方法によれば、圧縮成形による磁石とシャフトの一体成形で、コストを抑制しながら、圧縮荷重を上げることで磁力および機械的強度の向上が得られる。
実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの中心軸を通る断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトを側面から見た正投影図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝の模式的な断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝において磁粉がシャフトに加える応力を説明する図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、金型にシャフトが挿入される工程を説明する断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、金型に磁粉が供給される工程を説明する断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、磁粉が圧縮される工程を説明する断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、成形体が離型される工程を説明する断面図である。 実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体と第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップを準備する工程を説明する模式図である。 実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップを圧入する工程を説明する模式図である。 実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップが圧入された後、第二のエンドキャップを圧入する工程を説明する模式図である。 実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップが圧入された状態を表す模式図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝部および複数の溝とローターコアを示す断面図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの変形例の溝部および複数の溝とローターコアを示す断面図である。 実施の形態2に係る回転電機におけるシャフトの溝の模式的な断面図である。
実施の形態1.
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの中心軸を通る断面図である。 図2は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトを側面から見た正投影図である。図3は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝の模式的な断面図である。図4は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝において磁粉がシャフトに加える応力を説明する図である。図5は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、金型にシャフトが挿入される工程を説明する断面図である。図6は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、金型に磁粉が供給される工程を説明する断面図である。図7は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、磁粉が圧縮される工程を説明する断面図である。図8は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程において、成形体が離型される工程を説明する断面図である。図9は、実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体と第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップを準備する工程を説明する模式図である。図10は、実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップを圧入する工程を説明する模式図である。図11は、実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップが圧入された後、第二のエンドキャップを圧入する工程を説明する模式図である。図12は、実施の形態1に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程において、成形体のシャフトに第一のエンドキャップおよび第二のエンドキャップが圧入された状態を表す模式図である。図13は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの溝部および複数の溝とローターコアを示す断面図である。図14は、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの変形例の溝部および複数の溝とローターコアを示す断面図である。
各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本発明は、以下の各実施の形態に開示される構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。また、本開示にて説明する形状、材質および製造方法等は、特に明示しない場合であっても、本発明の大要に反しないかぎり適宜選択できるものとする。
本開示で特に明示しない場合、軸方向とは、シャフトの長手方向に平行な方向とする。また、径方向とは、軸方向と直交し、シャフト310の中心軸を通る方向とする。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの中心軸を通る断面図である。
回転電機1は、一例として、ブラシレス型の回転電機とする。回転電機1は、例えば、定格回転数100000[r/min]で回転する。なお、回転電機1は、ブラシレス型に限定されるものではなく、例えば、ブラシ付き電動機でもよい。また、取り得る回転数の範囲が30000~130000[r/min]であってもよい。
回転電機1は、フレーム200を備える。フレーム200は、回転電機1の外殻を形成する部材である。フレーム200の形状は、例えば、第一の円筒部200aと第二の円筒部200bを備える。第一の円筒部200aは第二の円筒部200bよりも直径が小さい。すなわち、フレーム200は段付きの円筒状であり、フレーム200の一端側は、他端側よりも細い。また、第二の円筒部200bには第一の円筒部200aの反対側に開口部200cを備える。フレーム200は例えばアルミ合金製である。
回転電機1は、ローターであるローターアセンブリ300およびステーター400を備える。
ローターアセンブリ300は、シャフト310、磁石であるローターコア320、第一のリング部材である第一のエンドキャップ330、第二のリング部材である第二のエンドキャップ340、一対の軸受350および予圧部360を有する。予圧部360は一対の軸受350の各々へ予圧を付与する。予圧部360は例えば予圧ばね360a、クッションゴム360b、スペーサー360cから成る。なお予圧部360はここで示す構成に限らない。例えば、予圧ばね360aのみの構成としてもよい。
ステーター400は、薄板電磁鋼板を積層したステーターコア410に巻線420が巻回されており、巻線420は端末を端子440にからげられて電気的に接続している。ステーターコア410と巻線420は絶縁部材430により電気的に絶縁されている。巻線420の端末と端子440との接続は、ここで示す他に、はんだによる接続や、ヒュージングによる接続、あるいは食い込み端子による接続等であってもよい。端子440に電流が流れることにより、ステーター400は磁束を発生させ、ローターコア320を回転させる力を当該ローターコア320へ付与する。
図1に示すように、ローターアセンブリ300の一対の軸受350および予圧部360はフレーム200の第一の円筒部200aに収容され、ローターアセンブリ300の一部およびステーター400は、フレーム200の第2の円筒部200bに収容される。ローターアセンブリ300の一対の軸受350の少なくとも一方がフレーム200の第一の円筒部200aの内周面に接着剤等を介して固着されることが望ましい。接着剤には2液反応型や嫌気性接着剤が選択できる。ステーター400は、フレーム200の第二の円筒部200bに締り嵌めによって固着しているとよい。例えば、フレーム200を加熱し熱膨張によってフレーム200の第2の円筒部200bを拡大させ、ステーター400を開口部200cから挿入した後、冷却によって締り嵌めを形成するような、焼嵌めであるとよい。
シャフト310は、回転電機1の回転軸となる円柱形の部材である。シャフト310は、フレーム200の内部空間の中央部に配置される。一対の軸受350は、シャフト310に例えば締り嵌めによって取り付けられる。シャフト310は、一対の軸受350を介し、第一の円筒部200a側に回転可能に支持される。ローターコア320は円筒形状で、後述する永久磁石によって形成され、シャフト310の外周に配置される。シャフト310は、軸方向の一部区間の外周面上である溝部313(溝加工範囲)に、軸方向に平行な複数の溝313aを有し、ローターコア320は複数の溝313aのそれぞれに入り込んで固着される。
第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340は、略円筒状の部材であり、各々の内周面はシャフト310の外周面の一部である円柱表面311aおよび円柱表面311b(リング部材取り付け範囲)に固着される。第一のエンドキャップ330は、磁石であるローターコア320の軸方向の一端面側に配置される。第二のエンドキャップ340は、ローターコア320の軸方向の他端面側に配置される。第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340は、ローターコア320が割れた場合に、ローターコア320の破片が軸方向へ飛散するのを防止する。第一のエンドキャップ304および第二のエンドキャップ305は、非磁性体である。
第二のエンドキャップ340は、ローターコア320と軸受350との間に配置される。第一のエンドキャップ330は、ローターコア320を基準として第一のエンドキャップ330の反対側に配置される。第一のエンドキャップ330とローターコア320、または第二のエンドキャップ340とローターコア320は空隙を挟んで配置されてもよい。
次に、実施の形態1にかかるローターアセンブリ300の製造方法について説明する。ローターアセンブリ300の製造方法は、シャフト加工工程と、磁石成形工程と、第一ローターアセンブリ組立工程と、第二ローターアセンブリ組立工程を有する。シャフト加工工程ではシャフト310の外形および複数の溝313aを加工し、磁石成形工程では、シャフト310の外周に、磁性粉末と樹脂材料を混合させた磁石材料を圧縮成形して成るプラスチックマグネット(磁石)であるローターコア320を成形し、第一ローターアセンブリ組立工程では、シャフト310とローターコア320の成形体に対して、第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340を取り付け、第二ローターアセンブリ組立工程では、ローターアセンブリ300に対して、一対の軸受350と予圧部360を取り付けて、ローターアセンブリ300を製造する。以下、それぞれの工程を詳細に説明する。
図2を参照して、シャフト310の構成について説明する。図2は、シャフト310を側面から見た正投影図である。シャフト310は、第一の円柱部311と第二の円柱部312によって構成される。第二の円柱部312は第一の円柱部311よりも径が小さい。第一の円柱部311は軸方向の中間、つまり、シャフト310の軸方向の一部区間に溝部313を有する。溝部313は、シャフト310の外周面上において、軸方向に平行な複数の溝313aを有する。シャフト310は、第一の円柱部311側の端部に第一端部314、第二の円柱部312側の端部に第二端部315を有する。第一の円柱部311と第二の円柱部312との間には段差部316が形成されている。
次に、シャフト310の製造方法について説明する。シャフト310を製造するには、材料となる線材を準備する工程と、線材をシャフト310の長さに加工する工程と、この線材を、第一の円柱部311の直径を有する円柱に加工する工程と、第二の円柱部312の直径を有する円柱に加工する工程と、第一の円柱部311の直径を有する円柱の一部に溝部313を形成するように加工する工程と、溝部313に溝313aを形成するように加工する工程と、第一の円柱部311および第二の円柱部312の外径を仕上げる研磨工程とを含む。シャフト310の材料として、ステンレス鋼材が使用できる。ステンレス鋼材は、SUS(Stainless Used Steel)303を使用することが出来る。また、同じオーステナイト系ステンレスのSUS304や、SUS440Cのようなマルテンサイト系ステンレスでもよい。
溝部313は、溝部313の直径が第一の円柱部311よりもわずかに小さい直径となるように加工される。溝313aは転造加工または切削加工によって形成される。例えば、転造加工は溝となる部分に工具を押し付けることで素材表面に塑性変形を生じさせ、溝を形成する。そのため、溝ではない部分が盛り上がり、結果、転造加工後の最大外径は元の素材径よりも大きくなる。また、切削加工の場合は、溝となる部分を切削除去することによって溝を形成する。転造加工と比べて、加工後の最大外径が元の素材径よりも大きくなりにくいという違いがあるが、加工の際に生じるバリが元の径よりも外側に突出する場合がある。溝313aが形成される部位をあらかじめ素材径よりも小さい径となるような加工をすることで、転造加工あるいは切削加工による溝加工後に、シャフト310の最大外径が変化することなく溝加工が可能となる。すなわち、溝313aの最大外径は第一の円柱部311の直径よりも小さい。つまり、溝加工範囲である溝部313の外径は、リング部材取り付け範囲である円柱表面311a及び円柱表面311bの外径よりも小さい。
溝313aを含む溝部313によって、第一の円柱部311の表面は円柱表面311aと円柱表面311bに分割される。円柱表面311aと円柱表面311bは、外径が同じで中心軸が一致するため、第一の円柱部311の外径を仕上げる研磨工程では、円柱表面311aと円柱表面311bに対して通し研磨によるセンタレス研磨が採用でき、生産性に優れる。
溝部313に配置される溝313aは、シャフト310の中心軸に平行な溝であり、溝部313の外周面上で、周方向に等間隔に複数形成される。図3は、溝313aの断面図であり、シャフト310の中心軸を含む平面を断面として模式的に描いた図ある。溝313aは、一定の溝深さ313a1を持ち、一定の溝深さ313a1である一定区間313a2と、一定区間313a2からシャフト310の第一端部314側の溝部313の外周に連なる第一端部側遷移区間313a3と、一定区間313a2からシャフト310の第二端部315側の溝部313の外周に連なる第二端部側遷移区間313a4を有する。第一端部側遷移区間313a3と第二端部側遷移区間313a4は、シャフト310の軸方向と平行な一定区間313a2の底面を構成する母線に対し、それぞれθ1、θ2の角度で傾斜している。図3では、θ1とθ2が等しい例を示している。
次に、ローターコア320をシャフト310と一体に成形する磁石成形工程について、図5から図8を使って説明する。図5から図8は磁石成形工程を模式的に描いた図である。装置、金型、シャフト等については工程の理解を妨げない範囲で省略している。
実施の形態1に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程に使用される装置および金型は、固定型510、上パンチ520、第一の下パンチ530、第二の下パンチ540、給粉装置550によって構成されている。固定型510はローターコア320の外径の外周を決定する金型で、円筒状の空間を有している。上パンチ520は、固定型510の内周の内径よりもわずかに小さい外径の円筒状の金型であり、図中上下方向に稼動して磁石を圧縮する。上パンチ520は固定型510と共通の中心軸上を稼動し、中心にはシャフト310の外径よりもわずかに大きい内径の孔521を有する。第一の下パンチ530は固定型510の内側に位置し、シャフト310を装填するための孔531と、孔531と共通の中心軸上にある孔532とを有する。孔531と孔532は連続して連なっていて、孔532の内径は孔531の内径よりも小さい。第二の下パンチ540は中心に突部541を有し、突部541の先端は第一の下パンチ530の孔531または孔531の内側にある。第一の下パンチ530と第二の下パンチ540はそれぞれ独立して稼動する。
本開示に係る回転電機におけるシャフトの磁石成形工程では、シャフトをあらかじめ金型に装填するシャフト供給工程と、磁石材料を金型に充填する磁粉供給工程と、磁石材料を圧縮して磁石アセンブリを製造する磁石圧縮工程とを備える。
まず、図5のように、金型である第一の下パンチ530の孔531にシャフト310をあらかじめ装填するシャフト供給工程を有する。このとき、シャフト310の一方の端面は孔531と孔532の段差部と接していて、さらに第二の下パンチ540の突部541の先端はシャフト310の端面と接している。また、シャフト310の他方の端面は、固定型510の端面と同一面上にある。
次に、図6に示すように、給粉装置550が固定型510の上部の開口を覆うように移動し、固定型510の内筒面と金型である第一の下パンチ530によって作られる空間に、給粉装置550によって磁粉321が充填されて満たされる磁粉供給工程を有する。給粉装置550は図中左右方向に稼動し、磁粉321を供給するとき以外は、上パンチ520の動作を阻害しない十分に離れた位置にある。ここで、磁粉321はネオジム等の磁性体と、バインダとなるエポキシ等の熱硬化性樹脂を混練した粉体である。
次に、図7のように、給粉装置550が磁粉321を供給する前の位置に退避した後、第二の下パンチ540はシャフト310を押し上げる形で上方に稼動し、シャフト310の端面を磁粉321で満たされた空間から突出させる。次に、上パンチ520が下降し、孔521がシャフト310を保持しながら、磁粉321を圧縮する磁石圧縮工程を備える。圧縮後の磁粉321の密度は、5.8g/cm3~6.5g/cm3が望ましい。圧縮された磁粉321がローターコア320を形成し、シャフト310と一体に成形されたローターコア320の成形体を成形体301とする。成形体301が磁石アセンブリである。図8のように、上パンチ520が成形体301から取り外されるとともに、成形体301は第一の下パンチ530と第二の下パンチ540によって固定型510の外へ押し出される。さらに、離型された成形体301を加熱処理し、バインダを硬化させる。
続いて、本開示に係る回転電機における第一ローターアセンブリ組立工程について、図9から図12を使って説明する。第一ローターアセンブリ組立工程は、成形体301に第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340を圧入による締り嵌めにて取り付ける工程である。図9から図12は第一ローターアセンブリ組立工程を模式的に描いた図である。
第一ローターアセンブリ組立工程で使用される装置は、圧入ヘッド610とワーク押え620、受け治具630を備えている。圧入ヘッド610は成形体301のシャフト310の外径よりもわずかに大きい内径の孔611を有し、図中上下方向に指定された距離だけ稼動する。ワーク押え620は成形体301の左右に一対あって、図中それぞれ左右方向に成形体301のローターコア320を狭持するように稼動する。ワーク押え620のローターコア320と接触する押え面621は、ローターコア320の外周の円柱面に合わせて弯曲しているとよい。受け治具630は、シャフト310が第一のエンドキャップ330から突出する量だけの深さがある逃がし部631と、エンドキャップ330の外径よりもわずかに大きい内径の側壁632を備える。シャフト310が第一のエンドキャップ330から突出しない場合は、逃がし部631を省略してもよい。圧入ヘッド610と側壁632の中心軸は同一の軸上にある。
第一ローターアセンブリ組立工程では、図9のように受け治具630にエンドキャップ330を置き、第一のエンドキャップ330の内周に合わせて成形体301のシャフト310の外周を設置する。この時、押え面621とローターコア320は隙間dだけ離れている。さらにシャフト310の段差部316に第二のエンドキャップ340を配置する。
圧入装置(図示せず)を起動すると、ワーク押え620が稼動し、ローターコア320の側面を押える。次に、圧入ヘッド610が下降し第二のエンドキャップ340と接触し圧入が開始する。圧入ヘッド610による荷重は、第一のエンドキャップ330と第二のエンドキャップ340に均等に作用し、それぞれをシャフト310に圧入する。圧入が進むと、図11のように、シャフト310の第一のエンドキャップ330側の端面が、第一のエンドキャップ330から突出し逃がし部631の底面と接触する。この段階で第一のエンドキャップの圧入が完了し、圧入ヘッド610による荷重は第二のエンドキャップ340の圧入に作用する。さらに圧入が進んで、あらかじめ設定された圧入ストロークだけ圧入ヘッドが移動することで、図12のように、第二のエンドキャップ340は規定の位置まで圧入される。圧入が完了すると圧入ヘッド610とワーク押え620は初期位置にもどる。
成形体301に第一のエンドキャップ330と第二のエンドキャップ340が圧入されたローターアセンブリ300(ローター)は、ローターコア320、第一のエンドキャップ330、第二のエンドキャップ340のそれぞれの内外径のズレや真円度,シャフト310の曲がりなどに起因する回転不釣り合いが生じる。回転不釣り合いは、回転電機の運転時に振動や騒音の原因となる。回転不釣り合いは回転軸と重心のズレによって生じるため、例えば、ある部材を適切な位置で一部削るなどして、部分的に質量を減らして重心の位置を移動させることによって、回転不釣り合いを修正することができる。実施の形態1では、ローターアセンブリ300を回転させることによって回転不釣り合いの位置を測定し、第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340の両方を削ることによって回転不釣り合いを改善する。この時、修正可能な最大の回転不釣り合いは、第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340それぞれの削ることができる体積と比重に比例する。したがって、第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340の材料は、例えば黄銅などの銅合金といった比重が高い材質が適している。
続いて、第二ローターアセンブリ組立工程について説明する。第二ローターアセンブリ組立工程では、一対の軸受350と予圧部360をシャフト310に圧入による締り嵌めにて取り付ける。圧入は、第一ローターアセンブリ工程と同様に、規定のストロークだけ稼動する装置にて行われる。一対の軸受350は既定の距離だけ離間し、一対の軸受け350それぞれに狭持された予圧部360は圧縮され、予圧ばね360aが撓んだ分の予圧荷重を発生させる。
上記のように構成され、製造された実施の形態1に係る回転電機におけるローターアセンブリによれば、ローターコア320はシャフト310の軸線、すなわち回転軸と平行に形成された複数の溝313aにくい込んで成形されているので、ローターアセンブリ300とローターコア320とによって発生するトルクを、複数の溝313aが受けることが出来るため、シャフト310とローターコア320とが相対的に周方向にずれることが抑制される。また、ローターアセンブリ300は回転すると、修正しきれない回転不釣り合いなどによって回転軸から微小に離れた位置を振れ回る。この時、ローターコア320が受ける荷重にシャフト310の軸線方向成分が生じるが、ローターコア320の軸線方向両側には第一のエンドキャップ330および第二のエンドキャップ340が備えられているため、ローターコア320が軸方向にずれることが抑制される。
また、磁石成形工程において、上パンチ520による荷重は、磁粉321を圧縮して既定の密度まで高める作用の他、磁粉321を介してシャフト310にも加わる。このとき、シャフト310に加わる荷重によりシャフト310が変形することが問題となる。一般的に、シャフトが軸対称な形状の場合、シャフトの軸方向に加わった荷重により、シャフトが軸と直交する方向、すなわち、曲げ方向に変形することがある。
磁粉321を介してシャフト310に加わる荷重は、主に、シャフト310の表面に対し直交する方向に加わる。表面に溝313aが形成されていない部分のシャフト310は軸対称な円柱形状のため、圧縮された磁粉321がシャフト310の全周に対し円柱表面に直交する方向に加える応力は打消しあう。その結果、シャフト310が軸方向と直交する方向に変形することが抑制される。
また、上パンチ520が磁粉321に加える荷重の一部は、磁粉321間の剪断応力により、シャフト310の表面に対し、軸方向にずらすように作用する。シャフト310の円柱表面が軸方向に沿って凹凸がなければ、シャフト310の表面に対し、軸方向にずらすように作用する応力は小さく、シャフト310が軸と直交する方向に変形することが抑制される。
上パンチ520が磁粉321に加える荷重は、磁粉321を介して複数の溝313aにも加わる。図3に示すように、複数の溝313aは、一定区間313a2の軸方向の両端に、上パンチ521の荷重方向であるシャフト310の軸方向と平行な一定区間313a2の側面の母線に対して傾斜した、第一端部側遷移区間313a3と第二端部側遷移区間313a4を有する。
ここで、溝313aの一定区間313a2については、溝313aの底面がシャフト310の軸線と平行になり、磁粉321が溝313aの一定区間313a2を軸方向にずらずように作用する応力は小さい。したがって、上パンチ520による荷重がシャフト310を変形させるのを抑制できる。
次に、一定区間313a2からシャフト310の第一端部314側の溝部313の外周に連なる第一端部側遷移区間313a3と、一定区間313a2からシャフト310の第二端部315側の溝部313の外周に連なる第二端部側遷移区間313a4は、それぞれの底面がシャフト310の軸線に対して傾斜している。第二端部側遷移区間313a4の場合を例にとり、図4を用いて、圧縮された磁粉321が第二端部側遷移区間313a4に対し加える応力がシャフト310の変形に及ぼす影響について説明する。図4は、溝313aの底面を境界として、シャフト310側と磁粉321側にまたがる断面図を示す。
図4(a)に示すように、上パンチ520が磁粉321を圧縮する圧力をP0とすると、圧力P0は、シャフトの軸方向に沿って下向きの荷重となる。この圧力P0は、溝318の表面に対して垂直に作用し、図4(a)のA部に示すように、第二端部側遷移区間313a4の溝部313aの表面に対しても垂直に作用する。図4(b)は図4(a)のA部の拡大図を示す。圧力P0は、シャフト310の軸と直交する成分の圧力Ph2(=P0×cos(θ2))と、シャフト310の軸と平行な成分の圧力Pv2(=P0×sin(θ2))とに分解できる。ここで、第二端部側遷移区間313a4の溝部313aの表面は、シャフト310の軸の周りに対称な形状である。したがって、シャフト310の軸と直交する成分の圧力Phが第二端部側遷移区間313a4の溝部313aの表面の全周に対し円柱表面に直交する方向に加える応力は打消しあう。その結果、シャフト310が軸方向と直交する方向に変形することが抑制される。
次に、シャフト310の軸と平行な成分の圧力Pvは、第二端部側遷移区間313a4の溝部313aの表面の全周に対し、シャフト310の軸方向(第二端部315側)に応力を加える。角度θ2を小さい角度に設定して第二端部側遷移区間313a4を形成することにより、圧力Pvの大きさを抑制することができ、シャフト310の変形を抑制できる。
圧縮された磁粉321が、第一端部側遷移区間313a3の溝部313aの表面に作用する圧力も同様であり、シャフト310の軸と直交する成分の圧力Ph1(=P0×cos(θ1))と、シャフト310の軸と平行な成分の圧力Pv1(=P0×sin(θ1)、(第一端部314側方向))(図示せず)とがシャフト310の変形に及ぼす影響を抑制できる。
シャフト310の周回りに複数の溝313aがシャフト310の中心軸に平行に形成された場合は、それぞれの溝313aに対して、シャフト310の軸方向に応力を加える箇所が、第一端部側遷移区間313a3と第二端部側遷移区間313a4の2か所となる。したがって、後述するように、従来例である溝がローレット目により形成される場合と比較して、シャフト310の周回りの圧縮された磁粉321が、シャフト310の変形に及ぼす影響を抑制できる。
シャフトの表面に形成される溝が従来のローレット目の場合は、シャフトの軸方向に応力が加わる斜面が全周にわたり複数あるため、溝がシャフトの軸方向に複数形成された場合と比較して、圧縮された磁粉がシャフトの曲げ変形に及ぼす影響が大きくなる。
このように、例えば回転電機のトルクを大きくする目的で磁粉321の密度を大きくする場合に、シャフト310の変形等を抑えながら上パンチ521の圧縮荷重を大きくすることができ、磁力および機械的強度の向上が図れる回転電機のローターを製造することができる。
なお、実施の形態1に係る回転電機におけるシャフト310の溝部313および複数の溝313aは、図13に示すように、ローターコア320の内周と対向する領域の中にあるが、その位置については特定しない。例えば、図14のように、溝部313および複数の溝313aが、ローターコア320の内周と対向する領域のうち、軸方向片側の方に片寄っている場合でもよい。
このように、実施の形態1に係る回転電機のローターの製造方法によれば、円柱形のシャフトと、前記シャフトの外周に配置された円筒形の磁石と、前記シャフトの軸方向における前記磁石の一端面側に配置された第一のリング部材と、前記シャフトの軸方向における前記磁石の他端面側に配置された第二のリング部材とによって構成され、前記シャフトは、軸方向の一部区間の外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を有し、前記磁石は前記複数の溝に入り込んで固着される、回転電機のローターを製造する方法であって、前記シャフトの外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を形成するように加工するシャフト加工工程と、前記シャフトの外周に前記磁石を一体に成形して磁石アセンブリを製造する磁石成形工程と、前記磁石成形工程によって製造した磁石アセンブリに前記第一のリング部材と第二のリング部材を取り付けてローターを製造するローターアセンブリ組立工程を備えるので、圧縮成形による磁石とシャフトの一体成形で、コストを抑制しながら、圧縮荷重を上げることにより、磁力および機械的強度の向上が図れる回転電機のローターを製造することができる。
また、シャフトは、複数の溝を形成するように加工する溝加工範囲と、第一のリング部材または第二のリング部材が取り付けられるリング部材取り付け範囲とを有し、前記溝加工範囲の外径は前記リング部材取り付け範囲の外径より小さいので、溝の加工後の溝部の最大外径がリング部材取り付け範囲の外径よりも超えることがないように構成でき、溝加工後に、シャフトの最大外径が変化することなく溝加工が可能となる。
また、磁石は磁性粉末と樹脂材料を混合させた磁石材料を圧縮成形して成るプラスチッ クマグネットであって、磁石成形工程は、シャフトをあらかじめ金型に装填するシャフト供給工程と、磁石材料を金型に充填する磁粉供給工程と、磁石材料を圧縮して磁石アセンブリを製造する磁石圧縮工程とを備えるので、磁石とシャフトを一体成形できる。
また、ローター組立工程において、第一のリング部材および第二のリング部材はシャフトに対して締り嵌めによって取り付けられるので、第一のリング部材および第二のリング部材をシャフトに固定する接着剤や、接着剤を両者の間に塗布する工程が不要であり、コストや製造工程が簡素化できる。
さらに、ローターの回転不釣り合いの位置を測定する回転不釣り合い測定工程と、第一のリング部材および第二のリング部材の少なくとも一方の一部分を削りとる回転不釣り合い修正工程を備えるので、ローターの回転不釣り合いを改善することができる。
実施の形態2.
次に、本開示の実施の形態2に係る回転電機におけるシャフトについて説明する。実施の形態2は、溝部313に配置される溝313aにおいて、第一端部側遷移区間313a3と、第二端部側遷移区間313a4とが、シャフト310の軸方向と平行な一定区間313a2の底面を構成する母線に対し、それぞれθ1、θ2の角度で傾斜しており、θ1>θ2とした点が異なり、その他の構成、製造方法は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1に対する実施の形態2の相違点を中心に説明する。
図15は、実施の形態2に係る回転電機におけるシャフトの溝の模式的な断面図であり、溝313aをシャフト310の中心軸を含む平面での断面を模式的に描いた図ある。溝313aは、一定の溝深さ313a1を持ち、一定の溝深さ313a1である一定区間313a2と、一定区間313a2からシャフト310の第一端部314側の溝部313の外周に連なる第一端部側遷移区間313a3と、一定区間313a2とからシャフト310の第二端部315側の溝部313の外周に連なる第二端部側遷移区間313a4を有する。第一端部側遷移区間313a3と第二端部側遷移区間313a4は、シャフト310の軸方向と平行な一定区間313a2の底面を構成する母線に対し、それぞれθ1、θ2の角度で傾斜している。ここで、θ1はθ2よりも大きく形成され、その結果、第一端部側遷移区間313a3は第二端部側遷移区間313a4よりも、シャフト310の軸方向に占める範囲が小さい。
上記のように構成された回転電機におけるシャフト310では、θ2が小さくなることにより、磁石成形工程における上パンチ520の圧縮荷重の軸方向分力(図4のPv2に相当)が、実施の形態1における軸方向分力より小さい値となり、シャフト310を変形させる荷重が小さくなる。
このように、回転電機のローターを構成または製造することにより、圧縮成形による磁石とシャフトの一体成形において、コストを抑制しながら、圧縮荷重を上げることで磁力および機械的強度の向上が得られる回転電機のローターの製造方法を提供することができる。
1 回転電機、
200 フレーム、
200a 第一の円筒部、
200b 第二の円筒部、
200c 開口部、
300 ローターアセンブリ(ロ-ター)、
301 成形体(磁石アセンブリ)、
310 シャフト、
311 第一の円柱部、
311a 円柱表面、
311b 円柱表面、
312 第二の円柱部、
313 溝部(溝加工範囲)、
313a 溝、
313a1 溝深さ、
313a2 一定区間、
313a3 第一端部側遷移区間、
313a4 第二端部側遷移区間、
314 第一端部、
315 第二端部、
316 段差部、
320 ローターコア(磁石)、
330 第一のエンドキャップ(第一のリング部材)、
321 磁粉、
340 第二のエンドキャップ(第二のリング部材)、
350 軸受、
360a 予圧ばね、
360b クッションゴム、
360c スペーサー、
400 ステーター、
410 ステーターコア、
420 巻線、
430 絶縁部材、
440 端子、
510 固定型、
520 上パンチ、
521 孔、
530 第一の下パンチ、
531 孔、
532 孔、
540 第二の下パンチ、
541 突部、
550 給粉装置、
610 圧入ヘッド、
611 孔、
620 ワーク押え、
621 押え面、
630 受け治具、
631 逃がし部、
632 側壁、

Claims (5)

  1. 円柱形のシャフトと、
    前記シャフトの外周に配置された円筒形の磁石と、
    前記シャフトの軸方向における前記磁石の一端面側に配置された第一のリング部材と、
    前記シャフトの軸方向における前記磁石の他端面側に配置された第二のリング部材とによって構成され、
    前記シャフトは、軸方向の一部区間の外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を有し、
    前記磁石は前記複数の溝に入り込んで固着される、回転電機のローターを製造する方法であって、
    前記シャフトの外周に前記シャフトの軸方向に平行な複数の溝を形成するように加工するシャフト加工工程と、
    前記シャフトの外周に前記磁石を一体に成形して磁石アセンブリを製造する磁石成形工程と、
    前記磁石成形工程によって製造した磁石アセンブリに前記第一のリング部材と第二のリング部材を取り付けてローターを製造するローターアセンブリ組立工程を備える
    回転電機のローターの製造方法。
  2. 前記シャフトは、前記複数の溝を形成するように加工する溝加工範囲と、前記第一のリング部材または前記第二のリング部材が取り付けられるリング部材取り付け範囲とを有し、前記溝加工範囲の外径は前記リング部材取り付け範囲の外径より小さいことを特徴とする請求項1記載の回転電機のローターの製造方法。
  3. 前記磁石は磁性粉末と樹脂材料を混合させた磁石材料を圧縮成形して成るプラスチックマグネットであって、前記磁石成形工程は、前記シャフトをあらかじめ金型に装填するシャフト供給工程と、前記磁石材料を前記金型に充填する磁粉供給工程と、前記磁石材料を圧縮して前記磁石アセンブリを製造する磁石圧縮工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の回転電機のローターの製造方法。
  4. 前記ローター組立工程において、前記第一のリング部材および前記第二のリング部材は前記シャフトに対して締り嵌めによって取り付けられることを特徴とする請求項1記載の回転電機のローターの製造方法。
  5. 前記ローターの回転不釣り合いの位置を測定する回転不釣り合い測定工程と、前記第一のリング部材および前記第二のリング部材の少なくとも一方の一部分を削りとる回転不釣り合い修正工程を備えることを特徴とする請求項1記載の回転電機のローターの製造方法。
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