JP2022054954A - 2相組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合されているときに単相組成物に変換することができ、該単相組成物が、不快感なしで、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができ、且つ2相組成物に戻ることができる、2相組成物を提供すること。【解決手段】(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相とを含む2相組成物であって、組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物を提供する。本発明による組成物は、混合されていないときに、目視により分離している2つの相を有する。しかしながら、本発明による組成物は、混合されているときに単相組成物に変換されうる。エマルション等の単相組成物は、不快感なしで、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができる。【選択図】なし
Description
本発明は、目視により分離している2つの相を有し、単相組成物に変換することが可能であり、2相又は二相組成物に再び変換することができる、2相又は二相組成物に関する。
静置において互いに乳化されていない、目視により分離している2つの相、特に水性相と油性相とを有する組成物は、一般に「2相」(又は二相)組成物と称される。それらは、静置において2つの相が分離しており、エマルション中に存在する連続相と不連続相のそれぞれとの間に多数の界面を形成する代わりにその2つの相の間に単一の界面を形成するという事実により、エマルションとは異なる。
このような2相組成物は、例えば、特に目の周りからのメイクアップの除去についてEP-A-370856及びEP-A-603080に既に記載されている。
使用するとき、2相組成物は、単相組成物、例えば「一時的」エマルションを形成するために、混合、例えば振とうを要し、これは次いで、皮膚等のケラチン繊維上に塗布される。この単相組成物は、良好なメイクアップ除去性等の標的とする美容効果を提供する必要がある。単相組成物が、べとつき等の不快感を提供せずに美容効果を提供できると好ましい。
そのため、混合されているときに単相組成物に変換することができ、該単相組成物が、不快感のない、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができ、且つその最初の状態、即ち2相又は二相組成物に戻ることができる、目視により分離している2つの相を有する2相又は二相組成物への必要性が存在する。
ASTM規格D-445
本発明の目的は、混合されているときに単相組成物に変換することができ、該単相組成物が、不快感なしで、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができ、且つ2相組成物に戻ることができる、2相組成物を提供することである。
上記の目的は、
(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と
を含む2相組成物であって、
組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物によって達成することができる。
(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と
を含む2相組成物であって、
組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物によって達成することができる。
本発明による組成物は、単相組成物に変換することができる。該単相組成物は、2相組成物に変換することができる。
(a)炭化水素油は、揮発性炭化水素油、好ましくは 揮発性分枝状C8~C16炭化水素油であってもよく、より好ましくはイソヘキサデカン、イソデカン、イソドデカン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明による組成物中の(a)炭化水素油の量は、組成物の総質量に対して、6質量%~50質量%、好ましくは7質量%~45質量%、より好ましくは8質量%~40質量%であってもよい。
(b)クエン酸のエステルは、化学式(I):
[式中、
R1、R2及びR3は、独立に、水素原子、飽和若しくは不飽和の、直鎖状又は分枝状C1~C30炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C30アルキル炭化水素を表し、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは、水素原子ではなく、
R4は、水素原子、又はR'4-CO-基(式中、R'4は、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C8炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C8炭化水素基を表す)を表す]
によって表すことができる。
R1、R2及びR3は、独立に、水素原子、飽和若しくは不飽和の、直鎖状又は分枝状C1~C30炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C30アルキル炭化水素を表し、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは、水素原子ではなく、
R4は、水素原子、又はR'4-CO-基(式中、R'4は、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C8炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C8炭化水素基を表す)を表す]
によって表すことができる。
(b)クエン酸のエステルは、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリオクチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2-エチルヘキシル)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(b)クエン酸のエステルの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~5質量%、より好ましくは1質量%~3質量%であってもよい。
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%であってもよい。
本発明による組成物は、(a)炭化水素油ではない少なくとも1種の不揮発性油、好ましくは少なくとも1種の不揮発性非極性油、より好ましくは不揮発性エーテル油を更に含んでもよい。
本発明による組成物は、エステル油等の極性油を、組成物の総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%の量で更に含んでもよい。
本発明による組成物中の油相の量は、組成物の総質量に対して、7質量%~70質量%、好ましくは15質量%~65質量%であってもよい。
本発明による組成物中の水性相の量は、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%であってもよい。
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはクレンジング化粧用組成物、より好ましくは皮膚及び睫毛用のクレンジング化粧用組成物であってもよい。
本発明はまた、
ケラチン物質のための美容方法であって、
本発明による組成物を混合して単相組成物を形成する工程と、
該単相組成物をケラチン物質上に塗布する工程と
を含む、美容方法に関する。
ケラチン物質のための美容方法であって、
本発明による組成物を混合して単相組成物を形成する工程と、
該単相組成物をケラチン物質上に塗布する工程と
を含む、美容方法に関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、混合されているときに単相組成物に変換することができ、該単相組成物が、不快感なしで、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができ、且つ2相組成物に戻ることができる、2相組成物を提供することが可能であることを発見した。
そのため、本発明の態様の1つは、
(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と
を含む2相組成物であって、
組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物に関する。
(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と
を含む2相組成物であって、
組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物に関する。
本発明による組成物は、混合されていないときに、目視により分離している2つの相を有する。しかしながら、本発明による組成物は、使用されているときに混合することによって単相組成物に変換されうる。単相組成物、例えばエマルションは、べたつき等の不快感のない、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができる。単相組成物は、使用されていないときに2相組成物に戻ることができる。
本発明による組成物は、それが、混合されていないときに油相と水性相とを別々に維持できるように安定である。したがって、本発明による組成物の2相又は二相の態様は、本発明による組成物の貯蔵等の間に維持されうる。
詳細には、本発明による組成物は、組成物の外観及び/又は臭いが、多様な温度及び貯蔵条件下で長期にわたって変わらないままでありうるように安定でありうる。例えば、本発明による組成物は、振とうありで又はなしで、低温にて安定でありうる。したがって、本発明による組成物は、具体的には、振動等を引き起こしうる自動車による輸送中でさえ、低温にて良好に貯蔵されうる。
使用されているとき、本発明による組成物は混合される。本発明による組成物中の2つの相は、少なくとも1種の油を含む油相と、水を含む水性相とである。したがって、本発明による組成物を混合するとき、2相のうちの1つは他の相中に分散され得て、目視により均一である、又は単相を形成するO/W又はW/O 組成物、例えばO/W又はW/Oエマルションを形成する。
本発明による組成物の混合は、容易に実施することができる。例えば、本発明による組成物の混合は、手で振とうすることによって実施することができる。本発明による組成物を混合した後、該組成物は単相を形成することができ、且つ再び混合することなく、一定期間の間、単相を維持することができる。
本発明によれば、2相組成物によって形成された単相組成物は、良好なメイクアップ除去性等の良好な美容効果を提供することができる。したがって、本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはクレンジング化粧用組成物、より好ましくは皮膚及び睫毛用のクレンジング化粧用組成物として使用することができる。
更に、本発明による2相組成物によって形成された単相組成物は、滑らかな触感等の良好なテクスチャを提供することができる。加えて、それは、皮膚鱗屑の低減をもたらすことができる。皮膚鱗屑は、皮膚の表皮の外層のかなり大きい低減を反映し、且つ皮膚の表面を粗くしうる。したがって、本発明による組成物は、皮膚の滑らかな仕上げをもたらすことができる。
更に、本発明による2相組成物によって形成された単相組成物は、より快適であり得、例えばそれは、より低刺激性でありうる。したがって、本発明による組成物は、例えば皮膚に対して、具体的には目の周りの皮膚等の敏感肌に対してマイルドでありうる。
混合される前の本発明による2相組成物が透明である場合、2相組成物を混合することによって形成された単相組成物もまた透明であることができる。
本発明による2相組成物によって形成された単相組成物は、一定期間の後に、相分離を引き起こすことによって、再び急速に2相組成物に戻って、再び、目視により分離している2つの相を再形成することができる。本発明によれば、再形成された2つの相の間の界面は、界面に沈殿物が全く存在しないように清浄でありうる。
本発明による組成物は、具体的にはメイクアップ除去剤、好ましくはケラチン繊維用のメイクアップ除去剤、より好ましくは睫毛用のメイクアップ除去剤、即ちマスカラとして有用である。
これ以降、本発明による組成物が詳細に説明される。
[組成物]
(炭化水素油)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む。2種以上の炭化水素油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(炭化水素油)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の炭化水素油を含む。2種以上の炭化水素油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(a)炭化水素油は、本発明による組成物の油相を形成することができる。
用語「炭化水素」は、本明細書では、炭素及び水素原子によって形成されて、酸素及び窒素原子等のヘテロ原子を一切含まない化合物を意味する。
本明細書では、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で、液体又はペースト(非固体)の形態にある脂肪化合物又は物質を意味する。
(a)炭化水素油は、脂肪族炭化水素油、脂環式炭化水素油及び芳香族炭化水素油、好ましくは脂肪族炭化水素油、より好ましくは脂肪族で飽和の炭化水素油から選択することができる。
(a)炭化水素油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。(a)炭化水素油が揮発性であることが好ましい。換言すれば、(a)炭化水素油が揮発性炭化水素油であることが好ましい。
本発明の目的では、用語「揮発性」油は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)にて、ケラチン材料と接触すると1時間未満で蒸発可能である油を意味する。揮発性油は、室温で液体であり、特に室温及び大気圧で蒸気圧が非ゼロであり、特定すると0.13Pa~40000Pa(10-3~300mmHg)の範囲、好ましくは1.3Pa~13000Pa(0.01~100mmHg)の範囲、優先的には1.3Pa~1300Pa(0.1~10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性の化粧用油であってもよい。
好ましい一実施形態によれば、揮発性炭化水素油は、65℃超、なおもより良好には80℃超の引火点を有する。
(a)炭化水素油は、8~16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素油、好ましくは揮発性分枝状C8~C16炭化水素油、より好ましくは揮発性分枝状C8~C16アルカン(イソパラフィンとしても知られる)から選ぶことができる。(a)炭化水素油が、イソヘキサデカン、イソデカン、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが更により好ましい場合がある。
その一方で、(a)炭化水素油はまた、7~17個の炭素原子、特定すると9~15個の炭素原子、より特定すると11~13個の炭素原子を含有する直鎖状揮発性アルカンであってもよい。特に挙げることができるのは、n-ノナデカン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカン及びn-ヘキサデカン、並びにこれらの混合物である。
特定すると、(a)炭化水素油は、イソヘキサデカン、イソデカン、イソドデカン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(a)炭化水素油の量は、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。
本発明による組成物中の(a)炭化水素油の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下であってもよく、但し(a)炭化水素油の量は0でない。
本発明による組成物中の(a)炭化水素油の量は、組成物の総質量に対して、6質量%~50質量%、好ましくは7質量%~45質量%、より好ましくは8質量%~40質量%であってもよい。
(クエン酸のエステル)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のクエン酸のエステルを含む。2種以上のクエン酸のエステルが使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のクエン酸のエステルを含む。2種以上のクエン酸のエステルが使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
(b)クエン酸のエステルは、化学式(I):
[式中、
R1、R2及びR3は、独立に、水素原子、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C30炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C30炭化水素基を表し、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、
R4は、水素原子又はR'4-CO-基(式中、R'4は飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C8炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C8炭化水素基を表す)を表す]
によって表すことができる。
R1、R2及びR3は、独立に、水素原子、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C30炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C30炭化水素基を表し、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、
R4は、水素原子又はR'4-CO-基(式中、R'4は飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C8炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C8炭化水素基を表す)を表す]
によって表すことができる。
R1、R2及びR3のうちの全てが、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C30炭化水素基、又は飽和若しくは不飽和の環状C3~C30炭化水素基、より好ましくは 飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C30炭化水素基、更により好ましくは直鎖状若しくは分枝状C1~C30アルキル基であることが好ましい。
R4が、水素原子又はR'4-CO-基(式中、R'4は、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状C1~C8炭化水素基、より好ましくは水素原子又はR'4-CO-基(式中、R'4は、直鎖状若しくは分枝状C1~C8アルキル基、更により好ましくは水素原子又はR'4-CO-基(式中、R'4はメチル基を表す)であることが好ましい。
(b)クエン酸のエステルが、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリオクチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2-エチルヘキシル)、及びこれらの混合物からなる群から、より好ましくはクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、及びこれらの混合物からなる群から、更により好ましくはクエン酸エチルから選択されることが好ましい場合がある。
本発明による組成物中の(b)クエン酸のエステルの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(b)クエン酸のエステルの量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であってもよく、但し(b)クエン酸のエステルの量はゼロでない。
本発明による組成物中の(b)クエン酸のエステルの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~5質量%、より好ましくは1質量%~3質量%であってもよい。
(水)
本発明による組成物は、(c)水を含む。
本発明による組成物は、(c)水を含む。
(c)水は、本発明による組成物の水性相を形成することができる。
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは35質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、93質量%以下、好ましくは85質量%以下であってもよく、但し(c)水の量は0でない。
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%であってもよい。
(不揮発性油)
本発明による組成物は、(a)炭化水素油ではない少なくとも1種の不揮発性油を含んでもよい。2種以上の不揮発性油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物は、(a)炭化水素油ではない少なくとも1種の不揮発性油を含んでもよい。2種以上の不揮発性油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
不揮発性油は、シリコーン油、非シリコーン油、及びこれらの混合物から選択することができる。
不揮発性シリコーン油:
本発明において使用されうる不揮発性シリコーン油は、8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)以上で800000cSt未満、好ましくは10から600000cStの間、好ましくは100から500000cStの間の25℃での粘度を有するシリコーン油から選ぶことができる。このシリコーンの粘度は、ASTM規格D-445に従って測定することができる。
本発明において使用されうる不揮発性シリコーン油は、8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)以上で800000cSt未満、好ましくは10から600000cStの間、好ましくは100から500000cStの間の25℃での粘度を有するシリコーン油から選ぶことができる。このシリコーンの粘度は、ASTM規格D-445に従って測定することができる。
これらのシリコーン油の中でも、それらがフェニルを含有するか否かに応じて、2タイプの油に区別することができる。そのため、不揮発性シリコーン油は、非フェニル化シリコーン油及びフェニル化シリコーン油から選択することができる。
挙げることができるこれらの不揮発性非フェニル化シリコーン油の代表例には、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、アルキルジメチコン、ビニルメチルメチコン、及びまた任意選択でフッ素化された脂肪族基で修飾された、又はヒドロキシル、チオール及び/若しくはアミンの各基等の官能基で修飾されたシリコーンがある。
そのため、挙げることができる不揮発性非フェニル化シリコーン油には、以下がある:
- ペンダントであり且つ/又はシリコーン鎖の末端にある、それぞれが2~24個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルコキシ基を含むPDMS、
- 脂肪族基、又はヒドロキシル、チオール及び/若しくはアミンの各基等の官能基を含むPDMS、
- フッ素化基で任意選択で置換されているポリアルキルメチルシロキサン、例えばポリメチルトリフルオロプロピルジメチルシロキサン、
- ヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基等の官能基で置換されているポリアルキルメチルシロキサン、例えばジヒドロキシジメチルシロキサン(ジメチコノール)、
- 脂肪酸、脂肪アルコール又はポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、並びに
- これらの混合物。
- ペンダントであり且つ/又はシリコーン鎖の末端にある、それぞれが2~24個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルコキシ基を含むPDMS、
- 脂肪族基、又はヒドロキシル、チオール及び/若しくはアミンの各基等の官能基を含むPDMS、
- フッ素化基で任意選択で置換されているポリアルキルメチルシロキサン、例えばポリメチルトリフルオロプロピルジメチルシロキサン、
- ヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基等の官能基で置換されているポリアルキルメチルシロキサン、例えばジヒドロキシジメチルシロキサン(ジメチコノール)、
- 脂肪酸、脂肪アルコール又はポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、並びに
- これらの混合物。
一実施形態によれば、不揮発性シリコーン油は、不揮発性非フェニル化直鎖状シリコーン油から選択される。
不揮発性非フェニル化直鎖状シリコーン油は、特に、式:
[式中、
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含むアルキル基、ビニル基、アミン基又はヒドロキシル基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はアミン基であり、
n及びpは、流体化合物を有するように選ばれる整数である]
のシリコーンから選ぶことができる。
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含むアルキル基、ビニル基、アミン基又はヒドロキシル基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はアミン基であり、
n及びpは、流体化合物を有するように選ばれる整数である]
のシリコーンから選ぶことができる。
本発明に従って使用されうる不揮発性シリコーン油として挙げることができるのは、以下である:
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が500000cStであるような数のもの、例えばGeneral Electric社により名称SE30で販売されている製品、Wacker社により名称AK 500000で販売されている製品、Bluestar社により名称Mirasil DM 500 000で販売されている製品、及びDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 500 000 cStで販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が300000cStあるような数のもの、例えばWacker社により名称Wacker Belsil DM 300 000で販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が60000cStであるような数のもの、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 60000 CSで販売されている製品、及びWacker社により名称Wacker Belsil DM 60 000で販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が350cStであるような数のもの、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 350 CSで販売されている製品、並びに
- R1~R6置換基がメチル基を表し、X基がヒドロキシル基を表し、n及びpが、粘度が700cStであるような数のもの、例えばMomentive社により名称Baysilone Fluid T0.7で販売されている製品。
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が500000cStであるような数のもの、例えばGeneral Electric社により名称SE30で販売されている製品、Wacker社により名称AK 500000で販売されている製品、Bluestar社により名称Mirasil DM 500 000で販売されている製品、及びDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 500 000 cStで販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が300000cStあるような数のもの、例えばWacker社により名称Wacker Belsil DM 300 000で販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が60000cStであるような数のもの、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 60000 CSで販売されている製品、及びWacker社により名称Wacker Belsil DM 60 000で販売されている製品、
- R1~R6置換基及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が350cStであるような数のもの、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 350 CSで販売されている製品、並びに
- R1~R6置換基がメチル基を表し、X基がヒドロキシル基を表し、n及びpが、粘度が700cStであるような数のもの、例えばMomentive社により名称Baysilone Fluid T0.7で販売されている製品。
別の実施形態によれば、不揮発性シリコーン油は、不揮発性フェニル化シリコーン油から選択される。
挙げることができるこれらの不揮発性フェニル化シリコーン油の代表的な例には、以下がある:
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
[式(I)中、R基は、互いに独立に、メチル又はフェニルを表し、但し少なくとも1つのR基はフェニルを表す]。
好ましくは、この式中、フェニルシリコーン油は、少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つのフェニル基を含む。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
好ましくは、この式中、フェニルシリコーン油は、少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つのフェニル基を含む。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
[式(II)中、R基は、互いに独立に、メチル又はフェニルを表し、但し少なくとも1つのR基はフェニルを表す]。
好ましくは、この式中、前記オルガノポリシロキサンは、少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ又は少なくとも5つのフェニル基を含む。先に記載したフェニルオルガノポリシロキサンの混合物を使用することができる。挙げることができる例には、トリフェニル、テトラフェニル又はペンタフェニルオルガノポリシロキサンの混合物がある。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
好ましくは、この式中、前記オルガノポリシロキサンは、少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ又は少なくとも5つのフェニル基を含む。先に記載したフェニルオルガノポリシロキサンの混合物を使用することができる。挙げることができる例には、トリフェニル、テトラフェニル又はペンタフェニルオルガノポリシロキサンの混合物がある。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
[式(III)中、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表す]。
こうしたフェニルシリコーンは、特にDow Corning社により参照名PH-1555HRI若しくはDow Corning 555 Cosmetic Fluid(化学物質名:1,3,5-トリメチル-1,1,3,5,5-ペンタフェニルトリシロキサン; INCI名: トリメチルペンタフェニルトリシロキサン)で製造されている。参照名Dow Corning 554 Cosmetic Fluidもまた使用することができる。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
こうしたフェニルシリコーンは、特にDow Corning社により参照名PH-1555HRI若しくはDow Corning 555 Cosmetic Fluid(化学物質名:1,3,5-トリメチル-1,1,3,5,5-ペンタフェニルトリシロキサン; INCI名: トリメチルペンタフェニルトリシロキサン)で製造されている。参照名Dow Corning 554 Cosmetic Fluidもまた使用することができる。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油:
[式(IV)中、Meはメチルを表し、yは1から1000の間であり、Xは-CH2-CH(CH3)(Ph)を表す]。
- 次式(V)に相当するフェニルシリコーン油:
- 次式(V)に相当するフェニルシリコーン油:
[式(V)中、化合物(V)が不揮発性油であるように、Meはメチルであり、Phはフェニルであり、OR'は-OSiMe3基を表し、yは、0、又は1から1000の間を範囲とし、zは、1から1000の間を範囲とする]。
第1の実施形態によれば、yは、1から1000の間の範囲である。使用できるのは、例えば、特にWacker社により参照名Belsil PDM 1000で販売されているトリメチルシロキシフェニルジメチコンである。第2の実施形態によれば、yは0に等しい。使用できるのは、例えばフェニルトリメチルシロキシトリシロキサンであり、特に参照名Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidで販売されている。
- 次式(VI)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
第1の実施形態によれば、yは、1から1000の間の範囲である。使用できるのは、例えば、特にWacker社により参照名Belsil PDM 1000で販売されているトリメチルシロキシフェニルジメチコンである。第2の実施形態によれば、yは0に等しい。使用できるのは、例えばフェニルトリメチルシロキシトリシロキサンであり、特に参照名Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidで販売されている。
- 次式(VI)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
[式(VI)中、
- R1~R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状C1~C30炭化水素系基であり、
- m、n、p及びqは、互いに独立に、0から900の間の整数であり、但し和m+n+qは0以外であり、好ましくは、和m+n+qは、1から100の間である]。
好ましくは、和m+n+p+qは、1から900の間であり、なおもより良好には1から800の間である。好ましくは、qは0に等しい。
- 次式(VII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
- R1~R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状C1~C30炭化水素系基であり、
- m、n、p及びqは、互いに独立に、0から900の間の整数であり、但し和m+n+qは0以外であり、好ましくは、和m+n+qは、1から100の間である]。
好ましくは、和m+n+p+qは、1から900の間であり、なおもより良好には1から800の間である。好ましくは、qは0に等しい。
- 次式(VII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
[式(VII)中、
- R1~R6は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状C1~C30炭化水素系基であり、
- m、n及びpは、互いに独立に、0から100の間の整数であり、但し和n+mは1から100の間であり;好ましくは、R1~R6は、互いに独立に、飽和の、直鎖状又は分枝状C1~C30、特にC1~C12炭化水素系基、具体的にはメチル、エチル、プロピル又はブチルの各基を表し; R1~R6は、特に同一であってもよく、加えてメチル基であってもよい]。好ましくは、式(VII)中、m=1若しくは2若しくは3、及び/又はn=0、及び/又はp=0若しくは1が当てはまりうる。
- 式(VIII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
- R1~R6は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状C1~C30炭化水素系基であり、
- m、n及びpは、互いに独立に、0から100の間の整数であり、但し和n+mは1から100の間であり;好ましくは、R1~R6は、互いに独立に、飽和の、直鎖状又は分枝状C1~C30、特にC1~C12炭化水素系基、具体的にはメチル、エチル、プロピル又はブチルの各基を表し; R1~R6は、特に同一であってもよく、加えてメチル基であってもよい]。好ましくは、式(VII)中、m=1若しくは2若しくは3、及び/又はn=0、及び/又はp=0若しくは1が当てはまりうる。
- 式(VIII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
[式(VII)中、
- Rは、C1~C30アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
- nは、0~100を範囲とする整数であり、
- mは、0~100を範囲とする整数であり、但し和n+mは、1~100を範囲である]。
具体的には、式(VIII)のR基、及び先に定義したR1~R10は、それぞれ、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基、特にC2~C20、特定するとC3~C16、より特定するとC4~C10アルキル基を表し、又は単環式若しくは多環式C6~C14、特にC10~C13アリール基を表し、又はそのアリール及びアルキル残基が先に定義したものであるアラルキル基を表すことができる。好ましくは、式(VIII)のR及びR1~R10は、それぞれが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ドデシル又はオクタデシルの各基、又は代わりにフェニル、トリル、ベンジル又はフェネチルの各基を表すことができる。一実施形態によれば、25℃での粘度が5から1500mm2/sの間(即ち5~1500cSt)、好ましくは粘度が5から1000mm2/sの間(即ち5~1000cSt)である、式(VIII)のフェニルシリコーン油を使用することができる。式(VIII)のフェニルシリコーン油として、Dow Corning社からのDC556(22.5cSt)、Rhone-Poulenc社からの油Silbione 70663V30(28cSt)等のフェニルトリメチコン、又はWacker社からのBelsil油、特にBelsil PDM 1000(1000cSt)、Belsil PDM 200(200cSt)及びBelsil PDM 20(20cSt)等のジフェニルジメチコンを使用することが特に可能である。括弧内の値は、25℃での粘度を表す。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
- Rは、C1~C30アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
- nは、0~100を範囲とする整数であり、
- mは、0~100を範囲とする整数であり、但し和n+mは、1~100を範囲である]。
具体的には、式(VIII)のR基、及び先に定義したR1~R10は、それぞれ、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基、特にC2~C20、特定するとC3~C16、より特定するとC4~C10アルキル基を表し、又は単環式若しくは多環式C6~C14、特にC10~C13アリール基を表し、又はそのアリール及びアルキル残基が先に定義したものであるアラルキル基を表すことができる。好ましくは、式(VIII)のR及びR1~R10は、それぞれが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ドデシル又はオクタデシルの各基、又は代わりにフェニル、トリル、ベンジル又はフェネチルの各基を表すことができる。一実施形態によれば、25℃での粘度が5から1500mm2/sの間(即ち5~1500cSt)、好ましくは粘度が5から1000mm2/sの間(即ち5~1000cSt)である、式(VIII)のフェニルシリコーン油を使用することができる。式(VIII)のフェニルシリコーン油として、Dow Corning社からのDC556(22.5cSt)、Rhone-Poulenc社からの油Silbione 70663V30(28cSt)等のフェニルトリメチコン、又はWacker社からのBelsil油、特にBelsil PDM 1000(1000cSt)、Belsil PDM 200(200cSt)及びBelsil PDM 20(20cSt)等のジフェニルジメチコンを使用することが特に可能である。括弧内の値は、25℃での粘度を表す。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
[式(IX)中、
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、又はアリール基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はビニル基であり、
n及びpは、油に、200000g/mol未満、好ましくは150000g/mol未満、より好ましくは100000g/mol未満の質量平均分子量を付与するように選ばれる]。
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、又はアリール基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はビニル基であり、
n及びpは、油に、200000g/mol未満、好ましくは150000g/mol未満、より好ましくは100000g/mol未満の質量平均分子量を付与するように選ばれる]。
本発明における使用に最も特に好適なフェニルシリコーンは、本明細書において上記の式(II)に、特に式(III)、(V)及び(VIII)に相当するものでありうる。
より具体的には、フェニルシリコーンは、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニル-トリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
好ましくは、本発明に従って使用される不揮発性フェニルシリコーン油の質量平均分子量は、500~10000g/molの範囲であってもよい。
不揮発性非シリコーン油:
不揮発性非シリコーン油として、以下を挙げることができる:
- 植物油、例えばフィトステアリルエステル、例えばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル及びグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリル、特にその脂肪酸がC18~C36を範囲とする鎖長を有しうるグリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリドであって、これらの油はおそらくは直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であり;これらの油は、特にヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター油、アロエ油、スウィートアーモンド油、モモ核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、カメリナ油、ニンジン油、ベニバナ油、麻油、ナタネ油、綿実油、ヤシ油、髄種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイオイル、ヘーゼルナッツ油、アプリコット核油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、クロフサスグリ種油、キーウィ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、パンプキン油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ひまわり油、ヒマシ油及びスイカ油、並びにこれらの混合物、又は代わりにカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、若しくはDynamit Nobel社により名称Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているもの、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例としては式R1COOR2(式中、R1は、1~40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は、1~40個の炭素原子を含有する、特に分枝状である炭化水素系の鎖を表し、条件としてR1+R2≧10である)の油。エステルは、特にアルコールの脂肪酸エステルから選ぶことができ、例としてはオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルチミン酸エチル、パルチミン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピルであり、ヘプタン酸エステルから選ぶことができ、特にヘプタン酸イソステアリルであり、オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸アルコール又はポリアルコールから選ぶことができ、例としてはジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタノン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、特にC12~C15安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール、及びこれらの混合物であり、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステルから選ぶことができ、例としてはネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシルであり、イソノナン酸エステルから選ぶことができ、例としてはイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル及びマレイン酸ジイソステアリルであり、
- ポリオールエステル及びペンタエリトリトールエステル、例としてはテトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリトリチル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのエステル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのコポリマー、及びそれらのエステル、例えばジリノレイルジオール二量体/ジリノール二量体コポリマー、及びそれらのエステル、
- ポリオールと二酸二量体のコポリマー、及びそれらのエステル、
- 室温で液状であり、12~26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する脂肪アルコール、例としては2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12~C22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物、
- 2つのアルキル鎖がおそらくは同一であり又は異なる炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジカプリリル、並びに
- モル質量が、約400g/molから約10000g/molの間、特に約650g/molから約10000g/molの間、特定すると約750g/molから約7500g/molの間、より特定すると約1000g/mol~約5000g/molの間である油; 特に挙げることができるのは、単独で又は混合物として、(i)親油性ポリマー、例えばポリブチレン、ポリイソブチレン、例えば水素化された、ポリデセン及び水素化ポリデセン、ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、及びポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、例えばC2~C30アルケンの、例えばC3~C22アルケンのコポリマー、並びにこれらの組合せ; (ii)総炭素数が35~70を範囲とする直鎖状脂肪酸エステル、例としてはテトラペラルゴン酸ペンタエリトリチル; (iii)ヒドロキシル化エステル、例えば2-トリイソステアリン酸ポリグリセリル; (iv)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル; (v)脂肪アルコールの又は分枝状C24~C28脂肪酸のエステル、例えばUS6491927に記載のもの、及びペンタエリトリトールエステル、並びに特にクエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリトリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、2-トリデシルテトラデカン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル、テトライソステアリン酸ポリ(2-グリセリル)又は2-テトラデシルテトラデカン酸ペンタエリトリチル; (vi)ジオール二量体エステル及びポリエステル、例えばジオール二量体と脂肪酸とのエステル、及びジオール二量体と二酸とのエステル。
不揮発性非シリコーン油として、以下を挙げることができる:
- 植物油、例えばフィトステアリルエステル、例えばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル及びグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリル、特にその脂肪酸がC18~C36を範囲とする鎖長を有しうるグリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリドであって、これらの油はおそらくは直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であり;これらの油は、特にヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター油、アロエ油、スウィートアーモンド油、モモ核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、カメリナ油、ニンジン油、ベニバナ油、麻油、ナタネ油、綿実油、ヤシ油、髄種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイオイル、ヘーゼルナッツ油、アプリコット核油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、クロフサスグリ種油、キーウィ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、パンプキン油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ひまわり油、ヒマシ油及びスイカ油、並びにこれらの混合物、又は代わりにカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、若しくはDynamit Nobel社により名称Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているもの、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例としては式R1COOR2(式中、R1は、1~40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は、1~40個の炭素原子を含有する、特に分枝状である炭化水素系の鎖を表し、条件としてR1+R2≧10である)の油。エステルは、特にアルコールの脂肪酸エステルから選ぶことができ、例としてはオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルチミン酸エチル、パルチミン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピルであり、ヘプタン酸エステルから選ぶことができ、特にヘプタン酸イソステアリルであり、オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸アルコール又はポリアルコールから選ぶことができ、例としてはジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタノン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、特にC12~C15安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール、及びこれらの混合物であり、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステルから選ぶことができ、例としてはネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシルであり、イソノナン酸エステルから選ぶことができ、例としてはイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル及びマレイン酸ジイソステアリルであり、
- ポリオールエステル及びペンタエリトリトールエステル、例としてはテトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリトリチル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのエステル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのコポリマー、及びそれらのエステル、例えばジリノレイルジオール二量体/ジリノール二量体コポリマー、及びそれらのエステル、
- ポリオールと二酸二量体のコポリマー、及びそれらのエステル、
- 室温で液状であり、12~26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する脂肪アルコール、例としては2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12~C22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物、
- 2つのアルキル鎖がおそらくは同一であり又は異なる炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジカプリリル、並びに
- モル質量が、約400g/molから約10000g/molの間、特に約650g/molから約10000g/molの間、特定すると約750g/molから約7500g/molの間、より特定すると約1000g/mol~約5000g/molの間である油; 特に挙げることができるのは、単独で又は混合物として、(i)親油性ポリマー、例えばポリブチレン、ポリイソブチレン、例えば水素化された、ポリデセン及び水素化ポリデセン、ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、及びポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、例えばC2~C30アルケンの、例えばC3~C22アルケンのコポリマー、並びにこれらの組合せ; (ii)総炭素数が35~70を範囲とする直鎖状脂肪酸エステル、例としてはテトラペラルゴン酸ペンタエリトリチル; (iii)ヒドロキシル化エステル、例えば2-トリイソステアリン酸ポリグリセリル; (iv)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル; (v)脂肪アルコールの又は分枝状C24~C28脂肪酸のエステル、例えばUS6491927に記載のもの、及びペンタエリトリトールエステル、並びに特にクエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリトリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、2-トリデシルテトラデカン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル、テトライソステアリン酸ポリ(2-グリセリル)又は2-テトラデシルテトラデカン酸ペンタエリトリチル; (vi)ジオール二量体エステル及びポリエステル、例えばジオール二量体と脂肪酸とのエステル、及びジオール二量体と二酸とのエステル。
一実施形態では、不揮発性非シリコーン油は、非極性油、好ましくはエーテル油、より好ましくは次式:
R1-O-R2
(式中、
R1及びR2のそれぞれは、独立に、直鎖状、分枝状又は環状C4~24アルキル基、好ましくはC6~18アルキル基、より好ましくはC8~12アルキル基を示す。R1とR2とが同一であることが好ましい場合がある)
によって表されるジアルキルエーテルから選択することができる。
R1-O-R2
(式中、
R1及びR2のそれぞれは、独立に、直鎖状、分枝状又は環状C4~24アルキル基、好ましくはC6~18アルキル基、より好ましくはC8~12アルキル基を示す。R1とR2とが同一であることが好ましい場合がある)
によって表されるジアルキルエーテルから選択することができる。
直鎖状アルキル基として挙げることができるのは、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基、ドコシル基、トリコシル基及びテトラコシル基である。
分枝状アルキル基として挙げることができるのは、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、t-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、3-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、1-ブチルペンチル基、5-メチルオクチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、1-ブチルペンチル基、5-メチルオクチル基、2-ブチルオクチル基、イソトリデシル基、2-ペンチルノニル基、2-ヘキシルデシル基、イソステアリル基、2-ヘプチルウンデシル基、2-オクチルドデシル基、1,3-ジメチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルプロピル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、1-(2-メチルプロピル)-3-メチルブチル基、3,7-ジメチルオクチル基及び2-(1,3,3-トリメチルブチル)-5,7,7-トリメチルオクチル基である。
環状アルキル基として挙げることができるのは、シクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシル基である。
エーテル油が、ジカプリリルエーテル、ジカプリルエーテル、ジラウリルエーテル、ジイソステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ノニルフェニルエーテル、ドデシルジメチルブチルエーテル、セチルジメチルブチルエーテル、セチルイソブチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
エーテル油が、ジカプリリルエーテル、ジカプリルエーテル、ジラウリルエーテル、ジイソステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい場合がある。
そのため、本発明による組成物、詳細にはそれらの油相は、(a)炭化水素油ではない少なくとも1種の不揮発性油、好ましくは少なくとも1種の不揮発性非極性油、より好ましくは不揮発性エーテル油を更に含んでもよい。
本発明による組成物中の不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、12質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下であってもよく、但し不揮発性油の量は0でない。
本発明による組成物中の不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、1質量%~12質量%、好ましくは3質量%~10質量%、より好ましくは5質量%~8質量%であってもよい。
一実施形態では、本発明による組成物中の不揮発性油は、極性油、例えばエステル油、例えば上に説明した合成エステルから選択することができる。例えば、本発明による組成物は、エステル油等の極性油を、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは10質量%以下の量で含んでもよい。その一方で、エステル油等の極性油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であってもよい。そのため、エステル油等の極性油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%であってもよい。
別の実施形態では、本発明による組成物、詳細にはその油相が、極性油を含まないことが好ましい場合がある。そのため、本発明による組成物は、エステル油等の極性油を含まない場合がある。
(芳香族ケトン化合物)
本発明による組成物、詳細にはそれらの水性相は、少なくとも1種の芳香族ケトン化合物を含んでもよい。2種以上の芳香族ケトン化合物が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物、詳細にはそれらの水性相は、少なくとも1種の芳香族ケトン化合物を含んでもよい。2種以上の芳香族ケトン化合物が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
芳香族ケトン化合物は、化学式(I):
(式中、
R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、C1~C6アルキル基、又はC1~C6アルコキシ基を表し、但しR5、R6及びR7のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、
Rは、C1~C6アルキル基又はアリール基を表す)
によって表される。
R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、C1~C6アルキル基、又はC1~C6アルコキシ基を表し、但しR5、R6及びR7のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、
Rは、C1~C6アルキル基又はアリール基を表す)
によって表される。
C1~C6アルキル基として挙げることができるのは、例えばメチル基、エチル基及びプロピル基である。メチル基が好ましい。
C1~C6アルコキシ基として挙げることができるのは、例えばメトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基である。メトキシ基が好ましい。
アリール基として挙げることができるのは、例えばフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基及び置換ナフチル基である。置換基として挙げることができるのは、ヒドロキシル基及びC1~C6アルキル基、例えばメチル基である。フェニル基が好ましい。
上記の化学式(I)中のRが、メチル基、エチル基又はフェニル基、好ましくはメチル基又はフェニル基、より好ましくはメチル基を表すことが好ましい。
芳香族ケトン化合物として、例えば、
2-ヒドロキシアセトフェノン、
3-ヒドロキシアセトフェノン、
4-ヒドロキシアセトフェノン、
2,5-ジヒドロキシアセトフェノン、
2,6-ジヒドロキシアセトフェノン、
4-ヒドロキシ-3-メトキシアセトフェノン、
3,4,5-トリヒドロキシアセトフェノン、
2',2'-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、及び
3,4,2',4',6'-ペンタヒドロキシベンゾフェノン
を挙げることができる。
2-ヒドロキシアセトフェノン、
3-ヒドロキシアセトフェノン、
4-ヒドロキシアセトフェノン、
2,5-ジヒドロキシアセトフェノン、
2,6-ジヒドロキシアセトフェノン、
4-ヒドロキシ-3-メトキシアセトフェノン、
3,4,5-トリヒドロキシアセトフェノン、
2',2'-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、及び
3,4,2',4',6'-ペンタヒドロキシベンゾフェノン
を挙げることができる。
芳香族ケトン化合物が、ヒドロキシアセトフェノン、より好ましくはモノヒドロキシアセトフェノン、更により好ましくは4-ヒドロキシアセトフェノンであることが好ましい。
本発明による組成物中の芳香族ケトン化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の芳香族ケトン化合物の量は、組成物の総質量に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってもよく、但し芳香族ケトン化合物の量は0でない。
本発明による組成物中の芳香族ケトン化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~5質量%、好ましくは0.05質量%~3質量%、より好ましくは0.1質量%~1質量%であってもよい。
(ポリグリセリル脂肪酸エステル)
本発明による組成物、特にその水性相は、少なくとも1種のポリグリセリル脂肪酸エステルを含んでもよい。2種以上のポリグリセリル脂肪酸エステルが使用される場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物、特にその水性相は、少なくとも1種のポリグリセリル脂肪酸エステルを含んでもよい。2種以上のポリグリセリル脂肪酸エステルが使用される場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、2~28個の炭素原子、好ましくは4~20個の炭素原子、より好ましくは6~12個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の脂肪酸、好ましくは飽和の脂肪酸の、モノ、ジ及びトリエステル、例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、カプリン酸、カプリル酸及びミリスチン酸から選ぶことができる。
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、2~6個のグリセロール、より好ましくは4~6個のグリセロール、更により好ましくは5個又は6個のグリセロールから誘導されたポリグリセロール部分を有することが好ましい。換言すれば、ポリグリセリル脂肪酸エステルが、2~6個のポリグリセリル単位、より好ましくは4~6個のポリグリセリル単位、更により好ましくは5個又は6個のポリグリセリル単位を含むことが好ましい。
本発明による組成物中、ポリグリセリル脂肪酸エステルは水性相中に存在しうる。したがって、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、比較的、親水性でありうる。
そのため、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、8.0以上、好ましくは9.0以上、より好ましくは10.0以上のHLB(親水性親油性バランス)値を有しうる。2種以上のポリグリセリル脂肪酸エステルが使用される場合、HLB値は、全てのポリグリセリル脂肪酸エステルのHLB値の質量平均により決定される。
用語HLB(「親水性-親油性バランス」)は当業者には周知であり、分子中の親水性部分と親油性部分との間の比を反映する。HLB値は、式HLB=20*(1-S/A)[式中、Sは、エステルのけん化価であり、Aは脂肪酸の中和価である]を用いて算出することができる。
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、ポリグリセリル脂肪酸モノエステルから選ぶことができる。
ポリグリセリル脂肪酸モノエステルは、8.0~17.0、好ましくは9.0~16.0、より好ましくは10.0~15.0のHLB値を有してもよい。2種以上のポリグリセリル脂肪酸モノエステルが使用される場合、HLB値は、全てのポリグリセリル脂肪酸モノエステルのHLB値の質量平均により決定される。
ポリグリセリル脂肪酸モノエステルは、オレイン酸PG4(HLB:8.8)、ラウリン酸PG4(HLB:10.3)、イソステアリン酸PG4(HLB:8.2)、ラウリン酸PG5(HLB:10.5)、イソステアリン酸PG6(HLB:10.8)、カプリル酸PG4(HLB:14)、カプリン酸PG4(HLB:約15)、ミリスチン酸PG5(HLB:15.4)、ステアリン酸PG5(HLB:15)、オレイン酸PG5(HLB:12.2)、カプリル酸PG6(HLB:14.6)、カプリン酸PG6(HLB:13.1)、ラウリン酸PG6(HLB:14.1)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、ポリグリセリル脂肪酸ジエステルから選択されることが好ましい。
ポリグリセリル脂肪酸ジエステルは、8.0~13.0、好ましくは9.0~12.0、より好ましくは10.0~11.0のHLB値を有してもよい。2種以上のポリグリセリル脂肪酸ジエステルが使用される場合、HLB値は、全てのポリグリセリル脂肪酸ジエステルのHLB値の質量平均により決定される。
ポリグリセリル脂肪酸ジエステルは、ジステアリン酸PG-6(HLB:8)、ジオレイン酸PG-6(HLB:9.8)、ジカプリン酸PG-6(HLB:10.2)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
ジカプリン酸PG6として、例えば太陽化学株式会社により市販されているSunsoft Q-102H-Cを使用することができる。ジオレイン酸PG6として、太陽化学株式会社により市販されているSunsoft Q-172H-Cを使用することができる。ジステアリン酸PG6として、日本エマルジョン株式会社により市販されているEmalex DSG-6を使用することができる。
本発明による組成物中のポリグリセリル脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中のポリグリセリル脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であってもよく、但しポリグリセリル脂肪酸エステルの量は0以外である。
本発明による組成物中のポリグリセリル脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~1質量%、好ましくは0.005質量%~0.5質量%、より好ましくは0.01質量%~0.1質量%であってもよい。
(界面活性剤)
本発明による組成物は、ポリグリセリル脂肪酸エステルとは異なる少なくとも1種の追加の界面活性剤を更に含んでもよい。2種以上の追加の界面活性剤が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本発明による組成物は、ポリグリセリル脂肪酸エステルとは異なる少なくとも1種の追加の界面活性剤を更に含んでもよい。2種以上の追加の界面活性剤が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
しかしながら、追加の界面活性剤の量が少ないことが好ましい場合がある。
追加の界面活性剤の量は、本発明による組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下であってもよい。本発明による組成物が追加の界面活性剤を含まないことが特に好ましい。
(他の成分)
本発明の組成物はまた、少なくとも1種の任意選択の又は追加の成分も含んでもよい。
本発明の組成物はまた、少なくとも1種の任意選択の又は追加の成分も含んでもよい。
任意選択の又は追加の成分の量は限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~10質量%であってもよい。
任意選択の又は追加の成分は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー、有機又は無機UV遮蔽剤、ペプチド及びその誘導体、タンパク質加水分解物、膨潤剤、浸透剤、増粘剤、懸濁剤、金属イオン封鎖剤、乳白剤、染料、ビタミン又はプロビタミン、香料、保存剤、共保存剤、安定剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物は、1種又はいくつかの化粧品として許容される有機溶媒を含んでもよく、これは、アルコール、特に一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール; ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール; 他のポリオール、例えばグリセロール、糖及び糖アルコール; 並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルであってもよい。
このとき、有機溶媒は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の濃度で存在してもよい。
本発明による組成物のpHは、制御されうる。pHは、例えば、3~11、好ましくは3.5~9、より好ましくは4~7であってもよい。pHは、少なくとも1種の酸性化剤及び/又は少なくとも1種の塩基性化剤を使用して所望の値に調整することができる。
酸性化剤は、例えば、無機又は有機酸、例としては塩酸、オルトリン酸、カルボン酸、例としては酒石酸、クエン酸、乳酸又はスルホン酸であることができる。
塩基性化剤は、例えば、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、モノ-、ジ-、及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、及びまたそれらの誘導体、好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、並びに次式:
(式中、
Rは、ヒドロキシル又はC1~C4アルキル基で任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、R1、R2、R3及びR4は、独立に、水素原子、アルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を示し、これは1,3-プロパンジアミン及びその誘導体によって例示されうる)
の化合物であることができる。アルギニン、尿素及びモノエタノールアミンが好ましい場合がある。
Rは、ヒドロキシル又はC1~C4アルキル基で任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、R1、R2、R3及びR4は、独立に、水素原子、アルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を示し、これは1,3-プロパンジアミン及びその誘導体によって例示されうる)
の化合物であることができる。アルギニン、尿素及びモノエタノールアミンが好ましい場合がある。
酸性化剤又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して、5質量%未満、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下の範囲の量で存在してもよい。
(形態)
本発明による組成物は、目視により分離した2つの相を有することができる。2つの相のうちの1つは油相であり、他は水性相である。
本発明による組成物は、目視により分離した2つの相を有することができる。2つの相のうちの1つは油相であり、他は水性相である。
本発明による組成物中の油相の量は、組成物の総質量に対して、7質量%以上、好ましくは15質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の油相の量は、組成物の総質量に対して、70質量%以下、好ましくは65質量%以下であってもよく、但し油相の量は0でない。
本発明による組成物中の油相の量は、組成物の総質量に対して、7質量%~70質量%、好ましくは15質量%~65質量%あってもよい。
本発明による組成物中の油相は、(a)炭化水素油に加えて任意の疎水性成分、並びに任意選択の不揮発性油を更に含んでもよい。
例えば、本発明による組成物の油相は、少なくとも1種の親油性又は脂溶性の化粧用有効成分を含んでもよい。単一のタイプのこのような化粧用有効成分を使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプのこのような化粧用有効成分を組み合わせて使用することもできる。
本発明による組成物中の水性相の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは35質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の水性相の量は、組成物の総質量に対して、93質量%以下、好ましくは85質量%以下であってもよく、但し水性相の量は0でない。
本発明による組成物中の水性相の量は、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%であってもよい。
本発明による組成物中の水性相は、(b)クエン酸のエステル及び(c)水に加えて、任意の親水性成分を更に含んでもよい。
例えば、本発明による組成物の水性相は、少なくとも1種の親水性又は水溶性の化粧用有効成分を含んでもよい。単一のタイプのこのような化粧用有効成分を使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプのこのような化粧用有効成分を組み合わせて使用することもできる。
加えて、水性相は、酸及び/又は塩基等の少なくとも1種のpH調整剤、及び/又はジオール等の少なくとも1種の有機溶媒を含んでもよい。
本発明による組成物は、混合されているときに、単相組成物に変換されうる。混合した後の本発明による組成物は、O/W型又はW/O型のものであり、好ましくはO/W又はW/O液状組成物の形態にあり、より好ましくはO/W又はW/Oエマルションの形態にあることができる。
油相/水性相の質量比は、50/50~5/95、好ましくは50/50~10/90、より好ましくは50/50~15/85であってもよい。
油相の特定の重さが水性相の重さよりも小さい場合、本発明による組成物中、油相は水性相上に存在する。典型的には、静置において油相は水性相上に存在し、その理由は、油の特定の比重が、水の特定の比重よりも小さい傾向があるためである。
[調製]
本発明による組成物は、油相のために、(a)炭化水素油を付与することによって、又は(a)炭化水素油を含む成分を混合することによって油相を形成し、水性相のために、(b)クエン酸のエステル及び(c)水を含む材料を混合することによって水性相を形成し、油相と水性相とを合わせて調製することができる。
本発明による組成物は、油相のために、(a)炭化水素油を付与することによって、又は(a)炭化水素油を含む成分を混合することによって油相を形成し、水性相のために、(b)クエン酸のエステル及び(c)水を含む材料を混合することによって水性相を形成し、油相と水性相とを合わせて調製することができる。
例えば、本発明による組成物は、
(i)(a)少なくとも1種の炭化水素油に少なくとも1種の任意選択の成分を供給する又は(a)少なくとも1種の炭化水素油を少なくとも1種の任意選択の成分と混合して油相を形成する工程と、
(ii)(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を少なくとも1種の任意選択の成分と混合して水性相を形成する工程と、
(iii)油相と水性相とを合わせる工程と
を含む方法によって調製することができる。
(i)(a)少なくとも1種の炭化水素油に少なくとも1種の任意選択の成分を供給する又は(a)少なくとも1種の炭化水素油を少なくとも1種の任意選択の成分と混合して油相を形成する工程と、
(ii)(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を少なくとも1種の任意選択の成分と混合して水性相を形成する工程と、
(iii)油相と水性相とを合わせる工程と
を含む方法によって調製することができる。
混合する工程は、任意の従来の手段によって実施することができる。
油相と水性相とを合わせる工程が、油相と水性相とが容器等の入れ物にゆっくりと注入されるように、穏やかに実施されることが好ましい。
[使用及び方法]
本発明による組成物を使用するとき、それは、例えば、手で振とうすること(ハンドシェイキング)によって混合されることになる。本発明による組成物を混合した後、該組成物は単相組成物を形成することができる。標的とする美容効果を実施するために、単相組成物がケラチン物質上に塗布されうる。
本発明による組成物を使用するとき、それは、例えば、手で振とうすること(ハンドシェイキング)によって混合されることになる。本発明による組成物を混合した後、該組成物は単相組成物を形成することができる。標的とする美容効果を実施するために、単相組成物がケラチン物質上に塗布されうる。
ケラチン物質は、皮膚、爪、唇等の粘膜、又は眉毛及び睫毛等のケラチン繊維であってもよい。
本発明による組成物は、好ましくは、化粧用組成物として、より好ましくはクレンジング化粧用組成物として、更により好ましくは皮膚及び睫毛用のクレンジング化粧用組成物として使用することができる。
本発明による組成物は、メイクアップ除去性等の美容効果を提供することができる。
本発明による組成物はまた、滑らかな感触等の良好なテクスチャを提供することができ、したがって、それは皮膚の滑らかな仕上がりをもたらすことができる。
本発明による組成物は快適であり、その理由は、該組成物がより低刺激性であり、該組成物が皮膚に対して、特に目の周りの皮膚等の敏感肌に対してマイルドであるからである。
皮膚は、本明細書では、顔面の皮膚、首の皮膚及び頭皮を包含する。本発明による組成物は、唇等の粘膜用にも使用されうる。
本発明による組成物は、そのままで(局所用製品として)使用することができ、又は綿等のセルロース繊維から好ましくは作製された不織布等の多孔質基材中に浸漬されることによって使用することができる。
詳細には、本発明による組成物は、皮膚、唇、眉毛及び睫毛等のケラチン物質上への塗布が意図されてもよい。そのため、本発明による組成物は、皮膚、唇、眉毛又は睫毛、好ましくは皮膚及び睫毛等のケラチン物質のための美容方法のために使用することができる。
本発明による組成物は、メイクアップのためではなく、ケラチン物質をケアする又はクレンジングするために使用することができる。本発明による組成物が、ファンデーション等の皮膚メイクアップ製品のためではなく、ローション等のスキンケア製品、又はメイクアップ除去剤等のクレンジング製品のために使用されることが好ましい。好ましくは、本発明による組成物は、酸化鉄を含まず、又は酸化鉄を、本発明による組成物の総質量に対して、0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以下の量で含む。
本発明によるケラチン物質のための美容方法は、少なくとも
本発明による組成物を混合して単相組成物を形成する工程と、
該単相組成物をケラチン物質上へ塗布する工程と
を含むことができる。
本発明による組成物を混合して単相組成物を形成する工程と、
該単相組成物をケラチン物質上へ塗布する工程と
を含むことができる。
単相組成物は、目視により分離している2つの相を有していない。代わりに、単相組成物は、典型的にエマルション相である単相を有する。エマルション相は透明でない場合があるが、それは半透明又は不透明でありうる。
本発明は、(b)クエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と、(a)炭化水素油を含む油相とを含む2相組成物中での、
(a)少なくとも1種の炭化水素油と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステルとの、
メイクアップ除去性及び/又は組成物の滑らかさを増強するための、使用であって、組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、使用に関しうる。
(a)少なくとも1種の炭化水素油と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステルとの、
メイクアップ除去性及び/又は組成物の滑らかさを増強するための、使用であって、組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、使用に関しうる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきではない。以下の実施例は、本発明の分野における非限定的な例示として提示する。
(実施例1及び2並びに比較例1~3)
表1に示す実施例1及び2並びに比較例1~3による以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって以下の通り調製した。
(1)油相[表1中のOP]の成分を約25℃にて混合して油相成分の均一な混合物を形成する、
(2)水性相[表1中のAP]の成分を約60℃にて混合して水性相成分の均一な混合物を形成する、及び
(3)上記を、水性相成分、次いで油相成分の順序でパッケージ中へ注入する。
表1に示す実施例1及び2並びに比較例1~3による以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって以下の通り調製した。
(1)油相[表1中のOP]の成分を約25℃にて混合して油相成分の均一な混合物を形成する、
(2)水性相[表1中のAP]の成分を約60℃にて混合して水性相成分の均一な混合物を形成する、及び
(3)上記を、水性相成分、次いで油相成分の順序でパッケージ中へ注入する。
「ヒドロキシアセトフェノン」が4-ヒドロキシアセトフェノンを意味することが特記されるべきである。
表1に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
[評価]
実施例1及び2並びに比較例1~3による組成物を次のように評価した。
実施例1及び2並びに比較例1~3による組成物を次のように評価した。
(滑らかさ)
実施例1及び2並びに比較例1~3による組成物のそれぞれを振とうして、エマルションを形成した。該エマルション1mLを綿シート上に塗布し、その綿シートで3人のパネリストの前腕を10回拭った。前腕を拭った後、パネリストが、皮膚上の滑らかさを1(きわめて滑らかでない=べとつく)~5(非常に滑らか)のグレードで評価し、グレードのスコアを平均した。
実施例1及び2並びに比較例1~3による組成物のそれぞれを振とうして、エマルションを形成した。該エマルション1mLを綿シート上に塗布し、その綿シートで3人のパネリストの前腕を10回拭った。前腕を拭った後、パネリストが、皮膚上の滑らかさを1(きわめて滑らかでない=べとつく)~5(非常に滑らか)のグレードで評価し、グレードのスコアを平均した。
結果を表1に示す。
(メイクアップ除去性)
マスカラ製品(MAYBELLINE Volum'Express Hypercurl Waterproof N 01 Black)を3人のパネリストの前腕上に塗布した。このマスカラ製品を30分間乾燥させて前腕上にマスカラフィルムを形成した。
マスカラ製品(MAYBELLINE Volum'Express Hypercurl Waterproof N 01 Black)を3人のパネリストの前腕上に塗布した。このマスカラ製品を30分間乾燥させて前腕上にマスカラフィルムを形成した。
実施例1及び2並びに比較例1~3による組成物のそれぞれを振とうして、エマルションを形成した。エマルション1mLを綿シート上に塗布し、その綿シートを前腕上のマスカラフィルム上に10秒間置いた。次いで、マスカラフィルムを1回拭った。パネリストが、メイクアップ除去性を1(非常に不良)~5(優良)のグレードで評価し、グレードのスコアを平均した。
結果を表1に示す。
(概要)
実施例1は、実施例1による組成物の総質量に対して6質量%以上の量でのクエン酸トリエチルとイソヘキサデカンとの組合せの使用が、べとつき等の不快感なしで、良好なメイクアップ除去効力を提供できることを示している。実施例1による2相組成物は、使用されているときに単相組成物に変換され得、使用されていないときに2相組成物に戻ることができた。
実施例1は、実施例1による組成物の総質量に対して6質量%以上の量でのクエン酸トリエチルとイソヘキサデカンとの組合せの使用が、べとつき等の不快感なしで、良好なメイクアップ除去効力を提供できることを示している。実施例1による2相組成物は、使用されているときに単相組成物に変換され得、使用されていないときに2相組成物に戻ることができた。
実施例2は、より多量でのクエン酸トリエチルとイソヘキサデカンとの組合せの使用がまた、べとつき等の不快感なしで、良好なメイクアップ除去効力も提供できることを示している。実施例2による2相組成物は、使用されているときに単相組成物に変換され得、使用されていないときに2相組成物に戻ることができた。
比較例1は、イソヘキサデカンの量が、比較例1による組成物の総質量に対して6質量%未満であるとき、メイクアップ除去効力が悪化し、べとつきが引き起こされたことを示している。
比較例2は、イソヘキサデカンを使用しないとき、メイクアップ除去効力がより悪化し、べとつきが引き起こされたことを示している。
比較例3は、クエン酸トリエチルを使用しないとき、メイクアップ除去効力がより悪化し、べとつきが引き起こされたことを示している。
Claims (15)
- (a)少なくとも1種の炭化水素油を含む油相と、
(b)少なくとも1種のクエン酸のエステル及び(c)水を含む水性相と
を含む2相組成物であって、
組成物中の(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%以上、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、2相組成物。 - 単相組成物に変換することが可能である、請求項1に記載の組成物。
- 前記単相組成物が、2相組成物に変換することが可能である、請求項2に記載の組成物。
- 前記(a)炭化水素油が、揮発性炭化水素油、好ましくは揮発性分枝状C8~C16炭化水素油であり、より好ましくはイソヘキサデカン、イソデカン、イソドデカン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の前記(a)炭化水素油の量が、組成物の総質量に対して、6質量%~50質量%、好ましくは7質量%~45質量%、より好ましくは8質量%~40質量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記(b)クエン酸のエステルが、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリオクチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2-エチルヘキシル)、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の前記(b)クエン酸のエステルの量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~5質量%、より好ましくは1質量%~3質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の前記(c)水の量が、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
- (a)炭化水素油ではない少なくとも1種の不揮発性油、好ましくは少なくとも1種の不揮発性非極性油、より好ましくは不揮発性エーテル油を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
- エステル油等の極性油を、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%の量で更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の前記油相の量が、組成物の総質量に対して、7質量%~70質量%、好ましくは15質量%~65質量%である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物中の前記水性相の量が、組成物の総質量に対して、30質量%~93質量%、好ましくは35質量%~85質量%である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
- 化粧用組成物、好ましくはクレンジング化粧用組成物、より好ましくは皮膚及び睫毛用のクレンジング化粧用組成物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
- ケラチン物質のための美容方法であって、
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を混合して単相組成物を形成する工程と、
前記単相組成物をケラチン物質上へ塗布する工程と
を含む、美容方法。
Priority Applications (6)
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JP2020162248A JP2022054954A (ja) | 2020-09-28 | 2020-09-28 | 2相組成物 |
US18/246,033 US20230355483A1 (en) | 2020-09-28 | 2021-09-17 | Two-phase composition comprising at least one hydrocarbon oil and at least one ester of citric acid, wherein the composition is preferably a cleansing composition |
CN202180078365.4A CN116456955A (zh) | 2020-09-28 | 2021-09-17 | 包含至少一种烃油和至少一种柠檬酸酯的两相组合物,其中所述组合物优选为清洁组合物 |
PCT/JP2021/035219 WO2022065461A1 (en) | 2020-09-28 | 2021-09-17 | Two-phase composition comprising at least one hydrocarbon oil and at least one ester of citric acid, wherein the composition is preferably a cleansing composition. |
EP21786606.0A EP4216904A1 (en) | 2020-09-28 | 2021-09-17 | Two-phase composition comprising at least one hydrocarbon oil and at least one ester of citric acid, wherein the composition is preferably a cleansing composition |
KR1020237011387A KR20230058168A (ko) | 2020-09-28 | 2021-09-17 | 1종 이상의 탄화수소 오일 및 1종 이상의 구연산의 에스테르를 포함하는, 바람직하게는 클렌징 조성물인 2상 조성물 |
Applications Claiming Priority (1)
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2020
- 2020-09-28 JP JP2020162248A patent/JP2022054954A/ja active Pending
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2021
- 2021-09-17 CN CN202180078365.4A patent/CN116456955A/zh active Pending
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