JP2022054729A - 油分離器および空調装置 - Google Patents

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真司 尾崎
Shinji Ozaki
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【課題】空調装置の熱効率の低下を抑制する技術を提供する。【解決手段】冷媒90が循環する空調システムに、冷媒90を圧縮して吐出する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒90と、圧縮機の潤滑油である冷凍機油91とを分離する油分離器5とを設ける。また、油分離器5に、入力された冷媒90を、より高温な冷媒90と、より低温な冷媒90とに分離する熱分離装置57と、熱分離装置57を収容する容器50とを設ける。そして、熱分離装置57により分離されたより低温な冷媒90と、分離された冷凍機油91との間で熱交換を行わせることにより、冷凍機油91の熱を冷媒90に吸熱させる。【選択図】図2

Description

本発明は、空調装置の熱効率を向上させる技術に関する。
従来より、圧縮機、凝縮器、および、蒸発器などにより冷凍サイクルが形成された冷凍装置が知られている。このような冷凍装置が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された技術では、冷凍サイクルを形成する構成として、圧縮機において潤滑油として働く冷凍機油を冷媒と分離する油分離器が記載されている。
特開2014-196833号公報
ところが、特許文献1に記載されている技術は、油分離器によって冷媒から分離された冷凍機油が高温のまま回収されるため、空調効率(熱効率)が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、空調効率の低下を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、外部の圧縮機から吐出された冷媒と、前記圧縮機の潤滑油である冷凍機油とを分離する油分離器であって、入力された前記冷媒を、より高温な前記冷媒と、より低温な前記冷媒とに分離する熱分離装置と、前記熱分離装置を収容する容器とを備え、前記熱分離装置により分離されたより低温な前記冷媒と、分離された前記冷凍機油との間で熱交換を行わせることにより、前記冷凍機油の熱を前記冷媒に吸熱させる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る油分離器であって、前記熱分離装置は、ボルテックスチューブである。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る油分離器であって、前記ボルテックスチューブのチューブの側面に開口が形成される。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る油分離器であって、前記開口から吐出される前記冷凍機油が前記ボルテックスチューブにより分離されたより低温な前記冷媒の流路となる冷気取出管に当たるように前記開口の向きが決定されている。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る油分離器であって、前記冷媒の気体成分と液体成分とを分離する気液分離部をさらに備え、前記容器は、前記気液分離部を収容する。
また、請求項6の発明は、冷媒が循環する空調装置であって、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機から吐出された前記冷媒と、前記圧縮機の潤滑油である冷凍機油とを分離する油分離器とを備え、前記油分離器は、入力された前記冷媒を、より高温な前記冷媒と、より低温な前記冷媒とに分離する熱分離装置を備えており、当該熱分離装置により分離されたより低温な前記冷媒と、分離された前記冷凍機油との間で熱交換を行わせることにより、前記冷凍機油の熱を冷媒に吸熱させる。
請求項1ないし6に記載の発明は、油分離器が、入力された冷媒を、より高温な冷媒と、より低温な冷媒とに分離する熱分離装置を備えており、当該熱分離装置により分離されたより低温な冷媒と、分離された冷凍機油との間で熱交換を行わせることにより、冷凍機油の熱を冷媒に吸熱させる。これにより、熱効率の低下を抑制することができる。
第1の実施の形態における空調システムのブロック図である。 第1の実施の形態における油分離器を示す図である。 第2の実施の形態における空調システムのブロック図である。 第2の実施の形態における油分離器を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
<1. 第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における空調システム1のブロック図である。空調システム1は、屋内に配置される室内機2、および、屋外に配置される室外機3を備えている。また、室内機2と室外機3とは、第1室内外連通配管80と第2室内外連通配管81とによって接続されている。詳細は後述するが、空調システム1は、冷媒90が循環する冷凍サイクルを構成している。なお、図1では、四方弁8によって、第1室内外連通配管80と配管86とが接続され、配管84と配管85とが接続された状態を示している。
室内機2は、室内熱交換器20およびファン21を備えている。室内熱交換器20には、第1室内外連通配管80と第2室内外連通配管81とが接続されている。
図1に示す四方弁8の状態では、室内熱交換器20には、第2室内外連通配管81から冷媒90が供給され、当該冷媒90は第1室内外連通配管80から吐出される。このとき、室内熱交換器20に流入した冷媒90は、ファン21によって送風される室内空気との間で熱交換を行い、蒸発して低温低圧の気体となって吐出される。すなわち、図1に示す状態では、室内熱交換器20は、蒸発器として機能する。そして、冷媒90との間で熱交換を行った室内空気は、冷媒90に吸熱されて冷却され室内に放出される。したがって、図1に示す四方弁8の状態では、空調システム1は、室内を冷房する冷凍システムとして機能する。
一方で、四方弁8が図1に示す状態から切り替えられると、第1室内外連通配管80と配管84とが接続され、配管85と配管86とが接続された状態となる。この状態では、室内熱交換器20には、第1室内外連通配管80から高温・高圧の冷媒90が供給され、当該冷媒90は第2室内外連通配管81から吐出される。このとき、室内熱交換器20に流入した高温・高圧の冷媒90は、ファン21によって送風される室内空気との間で熱交換を行い、凝縮して高温高圧の液体となって吐出される。すなわち、室内熱交換器20は、凝縮器として機能する。そして、冷媒90との間で熱交換を行った室内空気は、冷媒90に放熱されて加熱され室内に放出される。したがって、このとき、空調システム1は、室内を暖房する暖房システムとして機能する。
室外機3は、室外熱交換器30、ファン31、圧縮機4、油分離器5、気液分離器6、四方弁8、配管82,83,84,85,86、および、返油管87を備えている。室外熱交換器30には、配管85と第2室内外連通配管81とが接続されている。
図1に示す四方弁8の状態では、室外熱交換器30には、配管85から高温・高圧の冷媒90が供給され、当該冷媒90は第2室内外連通配管81から吐出される。このとき、室外熱交換器30に流入した冷媒90は、ファン31によって送風される室外空気との間で熱交換を行い、凝縮して高温高圧の液体となって吐出される。すなわち、空調システム1が冷房システムとして機能するとき、室外熱交換器30は凝縮器として機能する。なお、冷媒90との間で熱交換を行った室外空気は、冷媒90から放熱され室外に放出される。
一方で、四方弁8が図1に示す状態から切り替えられた状態では、室外熱交換器30には、第2室内外連通配管81から冷媒90が供給され、当該冷媒90は配管85から吐出される。このとき、室外熱交換器30に流入した冷媒90は、ファン31によって送風される室外空気との間で熱交換を行い、蒸発して低温低圧の気体となって吐出される。すなわち、空調システム1が暖房システムとして機能するとき、室外熱交換器30は蒸発器として機能する。そして、冷媒90との間で熱交換を行った室外空気は、冷媒90に吸熱されて冷却され室外に放出される。
圧縮機4は、配管82から供給された冷媒90を圧縮して、高温・高圧の状態にして、配管83から吐出させる機能を有している。従来より、圧縮機4として様々な構造・形式のものが提案されており、本発明は、それらのものを適宜採用することができる。すなわち、供給された冷媒90を高温・高圧の状態にして吐出させる機能を有していれば、どのような装置が圧縮機4として採用されてもよい。したがって、圧縮機4についての詳細な説明は省略する。
なお、詳細な説明は省略するが、圧縮機4は、冷媒90を圧縮するための機構として、内部に摺動部(例えば、シリンダやピストンなど)を備えている。そして、当該摺動部を滑らかに摺動させるための潤滑油として、圧縮機4の内部には、図1に示すように、冷凍機油91が貯留(供給)されている。
すでに説明したように、圧縮機4は、冷媒90を高温・高圧の状態にして吐出するが、このとき吐出される冷媒90には、冷凍機油91が混入して圧縮機4から吐出されてしまう。これにより、圧縮機4内の冷凍機油91が不足する。あるいは、吐出された冷凍機油91が、他の構成に悪影響を及ぼすことも想定される。したがって、空調システム1では、圧縮機4から吐出された冷凍機油91を回収して圧縮機4に戻す必要がある。
油分離器5は、配管83から流入する冷媒90から冷凍機油91を分離して、分離した冷凍機油91を、返油管87および配管82を介して圧縮機4に戻す機能を有する。油分離器5の詳細については、後述する。
気液分離器6は、配管86から流入する冷媒90から、冷媒90の液体成分を分離して貯留するとともに、気体成分を配管82に吐出する機能を有している。従来より、気液分離器6として様々な構造・形式のものが提案されており、本発明は、それらのものを適宜採用することができる。したがって、気液分離器6についての詳細な説明は省略する。なお、分離した冷媒90の気体成分は、配管82を介して圧縮機4に戻される。
図2は、第1の実施の形態における油分離器5を示す図である。油分離器5は、容器50と、油分離部入口管54と、油分離部出口管55と、油回収管56と、熱分離装置57とを備えている。
容器50は、円筒(円管)状の側壁部材51と、側壁部材51の上下の両端部に配置される鏡板52,53とを備えている。
油分離部入口管54の一端(図2において左端)は、圧縮機4から吐出された冷媒90を油分離器5へと導く配管83に接続されている。そして、すでに説明したように、圧縮機4から吐出される冷媒90には冷凍機油91が混入している。したがって、油分離部入口管54に流入した冷媒90には、冷凍機油91が含まれている。
一方、油分離部入口管54の他端(図2において右端)は、油分離器5の内部において熱分離装置57に接続されている。したがって、圧縮機4から吐出された冷媒90は、混入した冷凍機油91とともに、油分離部入口管54から熱分離装置57に導かれる。
油分離部出口管55は、油分離器5の外部において配管84に接続されている。したがって、油分離器5によって冷凍機油91が取り除かれた高温・高圧の冷媒90は、油分離部出口管55から吐出されて配管84によって四方弁8に向けて導かれる。油分離器5から吐出された冷媒90は、四方弁8の状態に応じて、室内熱交換器20または室外熱交換器30に導かれる。室内熱交換器20および室外熱交換器30のうち、油分離器5から吐出された冷媒90が導かれた方が、冷凍サイクルにおける凝縮器として機能する。
油回収管56は、油分離器5の外部において返油管87に接続されている。また、油回収管56は、油分離器5の内部において、油分離器5の底部に開口している。したがって、油回収管56には、油分離器5の底部に溜まった冷凍機油91が流入する。図1に示すように、返油管87は、圧縮機4に向かう配管82に接続されている。したがって、油回収管56に入った冷凍機油91は、返油管87および配管82を介して圧縮機4に回収される。
熱分離装置57は、図2に示すように容器50内に収容されており、本体部570、チューブ571、バルブ部572、および、冷気取出管573を備えている。本実施の形態における熱分離装置57は、いわゆるボルテックスチューブを構成している。ボルテックスチューブは、従来技術であるため、以下において詳細な説明は省略し、簡単に説明する。
熱分離装置57の本体部570は、詳細は図示しないが、ボルテックスチューブのスピンチャンバーを構成している。本体部570には、油分離部入口管54から圧縮された冷媒90が供給される(入力される)。本体部570に供給された冷媒90は、旋回流を形成しつつ、チューブ571に向かって流れる。
チューブ571は、本体部570の上部から吐出される冷媒90をバルブ部572に向けて導く円筒管である。一般的なボルテックスチューブと同様に、バルブ部572に向かう冷媒90は、チューブ571の内壁に沿うように外側旋回流を形成する。このとき、外側旋回流を形成する冷媒90に混入している冷凍機油91には、当該旋回流による遠心力が作用する。したがって、冷凍機油91は、チューブ571の内壁に向けて移動する。
図2に示すように、本実施の形態におけるチューブ571の側面には、一般的なボルテックスチューブに採用されるチューブと異なり、3つの開口574,575,576が形成されている。したがって、旋回流の遠心力によってチューブ571の内壁に向けて移動した冷凍機油91は、開口574,575,576からチューブ571の外部に吐出される。言い換えれば、チューブ571の開口574,575,576は、冷凍機油91の吐出口を形成している。なお、チューブ571に形成される開口574,575,576の数は、3つに限定されるものではない。また、開口574,575,576の配置は、図2に示すように、縦列配置に限定されるものではない。
このように、油分離器5は、チューブ571内に形成される冷媒90の旋回流を利用して、冷媒90と冷凍機油91とを分離する。さらに、冷凍機油91と分離された冷媒90は、バルブ部572に供給される。
バルブ部572は、内部にコントロールバルブ(図示せず)を備えている。また、バルブ部572の上部には、暖気取出口577が形成されている。コントロールバルブによって暖気取出口577から吐出される冷媒90の流量を調整すると、冷媒90の一部(暖気取出口577から吐出されなかった冷媒90)は、内側旋回流を形成しつつ、チューブ571内を本体部570に向けて流れる。ただし、ボルテックスチューブは、コントロールバルブを備えるものに限定されるものではない。
ボルテックスチューブの原理の詳細は省略するが、チューブ571内において、内側旋回流を形成している冷媒90から、外側旋回流を形成している冷媒90に向けて、エネルギーが熱の状態で移動する。したがって、外側旋回流を形成している冷媒90は「暖気」となり、内側旋回流を形成している冷媒90は「冷気」となる。暖気取出口577から吐出される冷媒90は、外側旋回流を形成している冷媒90であるため、暖気である。一方、内側旋回流を形成している冷媒90は、チューブ571内を下方(本体部570に向かう方向)に移動し、冷気取出管573から吐出される。
冷気取出管573は、熱分離装置57においてより低温な冷媒90として分離され、本体部570の下部から吐出される低温の冷媒90を導く管である。本実施の形態における冷気取出管573は、図2に示すように、直管部と曲管部とを有しており、略J字状(傘の持ち手)の形状である。そして、2つの開口のうち、下方の開口が本体部570の下部に接続され、上方の開口が冷媒90の吐出口を形成している。これにより、冷気取出管573は、冷媒90を上方に導く機能を有している。
図2において明確ではないが、3つの開口574,575,576は、吐出される冷凍機油91が冷気取出管573に向かうように開口している。したがって、チューブ571から吐出された冷凍機油91は、冷気取出管573を伝って油分離器5の底部に向けて流れ落ちることになる。このとき、熱分離装置57によってより低温な冷媒90として分離された冷気取出管573内の冷媒90と、高温の冷凍機油91との間で熱交換が行われる。
このように、油分離器5は、分離した冷凍機油91の熱を、熱分離装置57がより低温な冷媒90として分離した冷媒90によって回収することができる。すなわち、底部に溜まる冷凍機油91は、低温な冷媒90によって冷却されている。したがって、高温の冷凍機油91を分離してそのまま回収する場合に比べて、空調システム1の熱効率の低下を抑制することができる。
以上により、第1の実施の形態における空調システム1は、圧縮機4から吐出された冷媒90と、圧縮機4の潤滑油である冷凍機油91とを分離する油分離器5を備えている。そして、油分離器5は、入力された冷媒90を、より高温な冷媒90と、より低温な冷媒90とに分離する熱分離装置57と、熱分離装置57を収容する容器50とを備え、熱分離装置57により分離されたより低温な冷媒90と、分離された冷凍機油91との間で熱交換を行わせることにより、冷凍機油91の熱を冷媒90に吸熱させる。これにより、熱効率の低下を抑制することができる。また、冷媒90が冷凍機油91とともに凝縮されることにより、冷媒90と冷凍機油91との分離効率を改善することができる。
また、ボルテックスチューブのチューブ571の側面に開口574,575,576が形成されることにより、ボルテックスチューブにおける旋回流を利用して冷凍機油91を分離することができる。したがって、側壁部材51の内壁に冷媒90の旋回流を当てて冷凍機油91を分離する方式に比べて、サイズ(設計)の自由度が増す。
また、開口574,575,576から吐出される冷凍機油91が、ボルテックスチューブにより分離された低温の冷媒90の流路となる冷気取出管573に当たるように開口574,575,576の向きが決定されている。これにより、冷媒90と冷凍機油91との熱交換の効率が向上する。
<2. 第2の実施の形態>
図3は、第2の実施の形態における空調システム1aのブロック図である。第2の実施の形態における空調システム1aは、室外機3の代わりに室外機3aを備えている点が第1の実施の形態における空調システム1と異なっている。以下の説明では、第2の実施の形態における空調システム1aについて、第1の実施の形態における空調システム1と同様の構成については同符号を付し、適宜説明を省略する場合がある。
室外機3aは、油分離器5の代わりに油分離器5aを備えている点と、気液分離器6および返油管87を備えていない点とが、第1の実施の形態における室外機3と異なっている。詳細は後述するが、第2の実施の形態における油分離器5aは気液分離器6の機能を有している。したがって、空調システム1aは、油分離器5a以外に、別途、気液分離器6を備える必要がない。
油分離器5aは、返油管87ではなく、配管82が接続されている点が、第1の実施の形態における油分離器5と異なっている。
図4は、第2の実施の形態における油分離器5aを示す図である。油分離器5aは、容器50の代わりに容器50aを備えている点と、油回収管56を備えていない点とが第1の実施の形態における油分離器5と異なっている。
容器50aは、側壁部材51の代わりに円筒状の側壁部材51aを備えている点が第1の実施の形態における容器50と異なっている。
容器50aによって形成される内部空間は、後述する断熱部512が備える隔壁513,514によって3つの空間に区切られており、油分離部510、気液分離部511および断熱部512が形成されている。すなわち、容器50aは、油分離部510と気液分離部511とを内部に一体的に収容する。このように、油分離部510と気液分離部511とを一体化することにより、空調システム1aを小型化できる。
油分離部510は、油分離部入口管54から供給される(入力される)冷媒90を、より高温な冷媒90と、より低温な冷媒90とに分離する熱分離装置57を備えている。油分離器5aでは、第1の実施の形態における油分離器5と同様に、冷凍機油91と分離された冷媒90は、油分離部出口管55から吐出される。また、冷媒90と分離された冷凍機油91は、冷気取出管573に沿って落下して、油分離部510の底部に溜まる。
気液分離部511は、気液分離部入口管518および気液分離部出口管519を備えている。
気液分離部入口管518は、配管86を介して、四方弁8と接続されている。配管86には、四方弁8の状態に応じて、室内熱交換器20または室外熱交換器30から冷媒90が導かれる。室内熱交換器20および室外熱交換器30のうち、四方弁8によって配管86に接続される方は、冷凍サイクルにおいて蒸発器として機能している。すなわち、気液分離部511には、気液分離部入口管518によって蒸発器からの冷媒90が供給されることとなる。
蒸発器から気液分離部511に供給される冷媒90は、気体成分と液体成分とが混じった状態である。気液分離部511の内部に導かれた冷媒90の液体成分は、重力により落下して、気液分離部511の底部に溜まる。一方、気液分離部511の内部に導かれた冷媒90の気体成分は、落下せず気液分離部511の底部に溜まることはなく、気液分離部出口管519から外部に吐出される。
このように、気液分離部511は、冷媒90の気体成分と冷媒90の液体成分とを分離する。しかし、気液分離部511が冷媒90の気体成分と液体成分とを分離する原理・手法は、ここに例示されたものに限定されない。例えば、気液分離器6に採用される他の方式を適宜採用してもよい。
断熱部512は、油分離部510と気液分離部511との間に配置され、断熱素材で形成された隔壁513,514を備えている。したがって、断熱部512は、油分離部510と気液分離部511とを断熱する。より詳細には、圧縮機4によって高温にされた冷媒90の熱が、油分離部510から気液分離部511側に漏れることを防止する。これにより、熱効率の低下を抑制することができる。
また、断熱部512は、減圧装置515を備えている。本実施の形態における減圧装置515は、細い管を螺旋状に形成したキャピラリチューブである。減圧装置515の両端部は、入口部516および出口部517となっている。
減圧装置515の入口部516は、隔壁513を貫通して油分離部510に突出している。これにより、油分離部510の底部に溜まった冷凍機油91は、入口部516から減圧装置515に流れ込む。なお、図4では、入口部516の先端が隔壁513の上面より上方に突出している。しかし、例えば、入口部516の先端が隔壁513の上面と同じ高さとなるように形成されていてもよい。すなわち、油分離部510の底部に溜まった冷凍機油91が、入口部516から減圧装置515の内部に流入するのであれば、入口部516の先端の高さ位置は、どのような位置であってもよい。
減圧装置515の出口部517は、隔壁514を貫通して気液分離部511に突出している。したがって、減圧装置515を通過した冷凍機油91は、出口部517から吐出され、気液分離部511に導かれる。このように、空調システム1aは、油分離部510によって分離された冷凍機油91を、容器50aの内部において、減圧装置515を介して気液分離部511に導く。
また、油分離部510によって分離された冷凍機油91は、断熱部512を通過する間に、減圧装置515によって減圧される。したがって、出口部517から吐出される冷凍機油91は、気液分離部511内に突沸することはなく、出口部517から静かに滴下する。
図4に示すように、出口部517の垂下には、気液分離部出口管519が開口している。したがって、気液分離部511に導かれた冷凍機油91は、気液分離部出口管519に直接注入され、冷媒90の気体成分とともに、気液分離部出口管519から外部に吐出される。
気液分離部出口管519には、配管82が接続されている。したがって、気液分離部出口管519から外部に吐出された冷媒90および冷凍機油91は、配管82によって圧縮機4に導かれる。これにより、空調システム1aは、分離された冷凍機油91を回収して圧縮機4に導くための構成(例えば、返油管87)を必要としない。したがって、空調システム1aの構造を簡素化できる。
以上のように、第2の実施の形態における空調システム1aは、第1の実施の形態における空調システム1と同様に、低温の冷媒90に、冷凍機油91の熱を回収させることにより、熱効率の低下を抑制することができる。また、冷媒90が冷凍機油91とともに凝縮されることにより、冷媒90と冷凍機油91との分離効率を改善することができる。
また、油分離器5aは、冷媒90の気体成分と液体成分とを分離する気液分離部511をさらに備え、容器50aは、気液分離部511を収容する。これにより、例えば、鏡板などの数を減らすことができ、空調システム1aを小型化することができる。
また、油分離部510と気液分離部511とを断熱する断熱部512をさらに備えることにより、空調効率の低下を抑制することができる。
また、油分離部510によって分離された冷凍機油91が、容器50aの内部において、気液分離部511に導かれることにより、構造を簡素化できる。
また、油分離部51によって分離された冷凍機油91が減圧装置515を介して気液分離部511に導かれることにより、気液分離部511に移動する冷凍機油91を減圧できる。
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、容器50aの側壁部材51aは、1つの部材として製造されると説明した。しかし、例えば、油分離部510、気液分離部511および断熱部512のそれぞれの側壁部材を製造した後、それらを分離不能な状態で固設してもよい。その場合、断熱部512の側壁部材を、特に断熱効果の高い素材で形成するなどしてもよい。
また、側壁部材51,51aは、円管状の部材と説明した。しかし、油分離器5,5aでは、従来のサイクロン式の油分離器と異なり、側壁部材51,51aの内面に沿うように冷媒90を内部に吐出させる必要はない。したがって、側壁部材51,51aは円筒状でなくてもよい。
また、例えば、暖気取出口577に所定の形状の配管を取り付け、冷媒90を側壁部材51,51aに沿う向きに吐出して、吐出された冷媒90が旋回流を形成するように構成してもよい。これにより、暖気取出口577から吐出された冷媒90からも、さらに冷凍機油91を分離することができる。したがって、油分離部出口管55から吐出される冷媒90に含まれる冷凍機油91の濃度をさらに低下させることができる。
また、各配管の配置は図1または図3に示す配置に限定されるものではない。同様の効果が得られるならば、配管の配置が変更されてもよい。
また、空調システム1,1aは、冷房装置および暖房装置として構成した。しかし、冷房装置、または、暖房装置として構成してもよい。
さらに、上記実施の形態では、減圧装置515をキャピラリチューブで構成する例で説明した。しかし、減圧装置515は、キャピラリチューブに限定されるものではない。入口部516から流入した流体(冷凍機油91)を減圧して、出口部517から吐出させる機構であれば、周知の他の構成が採用されてもよい。
1,1a 空調システム
2 室内機
20 室内熱交換器
21,31 ファン
3,3a 室外機
30 室外熱交換器
4 圧縮機
5,5a 油分離器
50,50a 容器
51,51a 側壁部材
510 油分離部
511 気液分離部
512 断熱部
513,514 隔壁
515 減圧装置
516 入口部
517 出口部
518 気液分離部入口管
519 気液分離部出口管
52,53 鏡板
54 油分離部入口管
55 油分離部出口管
56 油回収管
57 熱分離装置
570 本体部
571 チューブ
572 バルブ部
573 冷気取出管
574,575,576 開口
577 暖気取出口
6 気液分離器
8 四方弁
80 第1室内外連通配管
81 第2室内外連通配管
82,83,84,85,86 配管
87 返油管
90 冷媒
91 冷凍機油

Claims (6)

  1. 外部の圧縮機から吐出された冷媒と、前記圧縮機の潤滑油である冷凍機油とを分離する油分離器であって、
    入力された前記冷媒を、より高温な前記冷媒と、より低温な前記冷媒とに分離する熱分離装置と、
    前記熱分離装置を収容する容器と、
    を備え、
    前記熱分離装置により分離されたより低温な前記冷媒と、分離された前記冷凍機油との間で熱交換を行わせることにより、前記冷凍機油の熱を前記冷媒に吸熱させる油分離器。
  2. 請求項1に記載の油分離器であって、
    前記熱分離装置は、ボルテックスチューブである油分離器。
  3. 請求項2に記載の油分離器であって、
    前記ボルテックスチューブのチューブの側面に開口が形成される油分離器。
  4. 請求項3に記載の油分離器であって、
    前記開口から吐出される前記冷凍機油が前記ボルテックスチューブにより分離されたより低温な前記冷媒の流路となる冷気取出管に当たるように前記開口の向きが決定されている油分離器。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の油分離器であって、
    前記冷媒の気体成分と液体成分とを分離する気液分離部をさらに備え、
    前記容器は、前記気液分離部を収容する油分離器。
  6. 冷媒が循環する空調装置であって、
    前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器によって凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒と、前記圧縮機の潤滑油である冷凍機油とを分離する油分離器と、
    を備え、
    前記油分離器は、
    入力された前記冷媒を、より高温な前記冷媒と、より低温な前記冷媒とに分離する熱分離装置と、
    前記熱分離装置を収容する容器と、
    を備え、
    前記熱分離装置により分離されたより低温な前記冷媒と、分離された前記冷凍機油との間で熱交換を行わせることにより、前記冷凍機油の熱を前記冷媒に吸熱させる空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113790553A (zh) * 2021-09-18 2021-12-14 珠海格力电器股份有限公司 油气液三相分离装置、热泵系统及空调器

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