JP2022053933A - 基礎構造の施工方法および基礎構造 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、風力発電施設を海上(水上)に設置することが検討されている。
水上風力発電施設の基礎構造として、例えば、特許文献1には、水底に打ち込まれた一本の鋼管杭からなるものが開示されている。鋼管杭は、大口径の鋼管であり、鋼管杭の上端部の杭径は、風車を支持するタワーの基部と同程度となっている。
また、特許文献2には、複数の斜杭と、斜杭の頭部を連結する連結部材とを備える基礎構造が開示されている。特許文献2の基礎構造は、複数本の仮設杭と仮設杭の頭部を保持する枠体とを備える仮支承台を形成し、この仮支承台に設けられたテンプレートを利用して斜杭を水底に打ち込むことにより形成する。
また、特許文献2の基礎構造は、仮設の仮支承台の施工や撤去に手間がかかる。また、水深が大きい場合には、仮支承台の規模も大きくなり、コストも高くなる。
前記基礎構造の施工方法により構築される基礎構造は、前記水上施設の直下に鉛直に設けられた直杭と、前記直杭の周囲に前記直杭に対して傾斜するように設けられた複数本の斜杭と、前記直杭の上部および前記斜杭の上部に固定されたテンプレート構造体とを備えている。
前記直杭打設工程において直杭を一本のみ打設した場合には、前記テンプレート設置工程において一本の前記直杭によって前記テンプレート構造体を支持する。
なお、前記ガイド部材が前記斜杭を挿通可能な外挿管である場合には、前記斜杭打設工程において前記ガイド部材に前記斜杭を挿通し、前記斜杭固定工程において前記斜杭の外面と前記テンプレート部材の内面との隙間に固化材を充填すればよい。
また、前記ガイド部材が一対の半割管を組み合わせてなる筒状部材である場合には、前記斜杭打設工程において一方の前記半割管を取り外した状態で他方の前記半割管に沿って前記斜杭を打設し、前記斜杭固定工程において前記半割管同士を組み合わせた状態で前記斜杭の上部と前記ガイド部材とを固定すればよい。
前記水上施設が、風車11と、風車11を支持する支柱12とを有している場合は、前記直杭は前記支柱の中心軸上の延長線と一致するように設ける。
第一実施形態では、洋上風力発電施設(水上施設)1の基礎構造2について説明する。図1は、洋上風力発電施設1の正面図である。図1に示すように、洋上風力発電施設1は、風車11と、風車11を支持する支柱12とを有していて、基礎構造2を介して水面よりも高い位置に設けられている。風車11は、支柱12の上端部に回転可能に設けられている。支柱12は、基礎構造2上に立設されている。
基礎構造2は、水底地盤から立設された複数本の杭(直杭3および斜杭4)と、杭の頭部に固定されたテンプレート構造体5とを備えている。図2に基礎構造2の正面図、図3に基礎構造2の平面図を示す。本実施形態の基礎構造2は、図2および図3に示すように、一本の直杭3と、四本の斜杭4とを備えている。
ガイド部材52は、斜杭4を挿通可能な外挿管からなる。外挿管は、斜杭4の外径よりも大きな内径を有した管材(鋼管など)からなる。テンプレート構造体5は、ガイド部材52に斜杭4の頭部を挿入した状態で、斜杭4に固定されている。
直杭3および斜杭4を構成する鋼管は、基礎構造2の施工個所近傍まで杭打船71により運搬する。
直杭打設工程S1は、図5(a)に示すように、水底地盤Gに直杭3を打設する工程である。直杭3は、洋上風力発電施設1の設置予定箇所の直下において、鉛直になるように打設する。具体的には、杭打船71から延びるガイド72に沿って直杭3を打設する。本実施形態では、油圧ハンマー73により直杭3の頭部を打撃することにより、直杭3を所定の根入れを確保した状態で水底地盤Gに打設する。このとき、直杭3の頭部は、水面WLから突出させる。
具体的には、図6(a)に示すように、斜杭4をクレーンで吊り込みつつ、ガイド部材52に挿通させる。次に、図6(b)に示すように、バイブロハンマー74により斜杭4の角度を調整しながら打撃する。斜杭4の十分な根入れが取れた後、図6(c)に示すように、油圧ハンマー73により斜杭4の頭部を打撃する。
同様に、残りの三本の斜杭4を打設する。
なお、斜杭4とガイド部材52との隙間への固化材6の充填は、直杭3をテンプレート構造体5に仮固定した状態で斜杭4を打設した後に、直杭3と固定部55との隙間への固化材の充填と同時に行っても良い。
直杭3および斜杭4のサイズは、水上施設1や水底地盤Gなどにより異なるが、例えば、10MW級水上施設を設置する場合、直杭3は杭径3000mm、板厚45mmの材質がSKK490の鋼管杭と、斜杭4は直径1800mm、板厚27mmの材質がSKK490の鋼管杭が使用される。
また、一本の直杭3によりテンプレート構造体5を支持するので、仮支承台を必要としない。このため、仮支承台等の大掛かりな仮設構造物の設置および撤去に要する手間や費用を削減できる。
また、テンプレート構造体5のガイド部材52が斜杭4を挿通可能な外挿管であるため、ガイド部材52に斜杭4を挿通することで、斜杭4を所望の角度で打設することができる。また、斜杭4の頭部をテンプレート構造体5に固定する際は、斜杭4の外面とガイド部材52の内面との隙間に固化材を充填すればいいため、作業性に優れている。
また、本実施形態の基礎構造2は、一本の直杭3と複数本(四本)の斜杭4により支持するため、各杭の軽量化が可能となり、材料の輸送の手間および施工の手間の低減化を図ることができる。また、輸送や施工に使用する作業船の小型化を図ることが可能となり、ひいては費用の低減化も可能となる。
また、波や風に起因する水平力を、直杭3に作用する曲げモーメントと複数本の斜杭4の軸力により分散させることで各杭の負担を低減することができる。
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、洋上風力発電施設(水上施設)1の基礎構造2について説明する(図1参照)。
基礎構造2は、水底地盤から立設された複数本の杭(直杭3および斜杭4)と杭の頭部に固定されたテンプレート構造体5とを備えている(図2参照)。図9(a)、(b)に第二実施形態の基礎構造の施工方法を示す。第二実施形態の基礎構造2は、図9(a)および(b)に示すように、ガイド部材52が、一対の半割管により構成されている点で、ガイド部材52が外挿管からなる第一実施形態の基礎構造2と異なっている。その他の基礎構造2の詳細は、第一実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
基礎構造2の施工方法は、直杭打設工程S1,テンプレート設置工程S2,斜杭打設工程S3および斜杭固定工程S4を備えている(図4参照)。直杭打設工程S1およびテンプレート設置工程S2の詳細は、第一実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
この他の第二実施形態の基礎構造の施工方法及び基礎構造2の作用効果は、第一実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
例えば、基礎構造2を使用する水上施設は洋上風力発電施設に限定されるものではなくあらゆる水上施設の基礎構造として使用することができる。
直杭3の本数は一本に限定されるものではなく、複数本であってもよい。
また、斜杭4の本数は限定されるものではなく、例えば三本であってもよいし、五本以上であってもよい。斜杭4の本数が3本の場合は、テンプレート構造体5の本体部51は、三角錐台状となり、斜杭4の本数が5本の場合は、テンプレート構造体5の本体部51は、五角錐台状となる。また、直杭3および斜杭4を構成する材料は鋼管に限定されるものではなく、例えば、PC部材や鋼材であってもよい。
また、前記実施形態では、直杭3の施工に油圧ハンマー、斜杭4の施工にバイブロハンマー74と油圧ハンマー73とを使用する場合について説明したが、各杭の打設に使用する装置は限定されるものではなく、例えば、ドロップハンマーを使用してもよい。また、水底地盤Gの地質等によっては、斜杭4の施工に油圧ハンマー73またはバイブロハンマー74のいずれか一方のみを使用してもよい。
2 基礎構造
3 直杭
4 斜杭
5 テンプレート構造体
56,57 半割管
6 固化材
Claims (6)
- 水上施設を支持する基礎構造の施工方法であって、
前記水上施設の直下の水底地盤に直杭を鉛直に打設する直杭打設工程と、
前記直杭の上部の水面以上の高さ位置にテンプレート構造体を設置するテンプレート設置工程と、
前記直杭に対して傾斜した複数本の斜杭を水底地盤に打設する斜杭打設工程と、
前記斜杭の上部を前記テンプレート構造体に固定する斜杭固定工程と、を備えており、
前記斜杭打設工程では、前記テンプレート構造体に形成されたガイド部材によって前記斜杭の打設方向を規制し、
前記斜杭固定工程では、前記ガイド部材に前記斜杭を固定することを特徴とする、基礎構造の施工方法。 - 前記直杭打設工程では、一本の前記直杭を鉛直に打設し、
前記テンプレート設置工程では、前記直杭によって前記テンプレート構造体を支持する ことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造の施工方法。 - 前記ガイド部材は、前記斜杭を挿通可能な外挿管からなり、
前記斜杭打設工程では、前記ガイド部材に前記斜杭を挿通し、
前記斜杭固定工程では、前記斜杭の外面と前記ガイド部材の内面との隙間に固化材を充填することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の基礎構造の施工方法。 - 前記ガイド部材は、一対の半割管を組み合わせてなる筒状部材であって、
前記斜杭打設工程では、一方の前記半割管を取り外した状態で、他方の前記半割管に沿って前記斜杭を打設し、
前記斜杭固定工程では、前記半割管同士を組み合わせた状態で、前記斜杭の上部と前記テンプレート構造体とを固定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の基礎構造の施工方法。 - 水上施設を支持するための基礎構造であって、
前記水上施設の直下に鉛直に設けられた直杭と、
前記直杭の周囲に前記直杭に対して傾斜するように設けられた複数本の斜杭と、
前記直杭の上部および前記斜杭の上部に固定されたテンプレート構造体と、を備えることを特徴とする、基礎構造。 - 前記水上施設は、風車と、前記風車を支持する支柱とを有しており、
前記直杭は、前記支柱の中心軸上の延長線と一致するように一本設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の基礎構造。
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