JP2022052306A - テラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置 - Google Patents

テラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することを可能とするテラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置を提供する。【解決手段】テラヘルツ波全反射減衰分光方法は、測定期間中に体積が変化する測定対象物Sを反射面30cに配置する第1工程と、測定期間中に、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出することで、測定期間中において互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の検出結果を含むデータを取得する第2工程と、を備える。第2工程においては、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を測定期間中において維持する。【選択図】図4

Description

本発明は、テラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置に関する。
テラヘルツ波全反射減衰装置として、特許文献1には、プリズムの反射面に測定対象物が配置された状態で、測定対象物とは反対側からプリズムの反射面にテラヘルツ波を入射させ、プリズムの反射面で反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波測定装置が記載されている。特許文献1に記載のテラヘルツ波測定装置では、プリズムの反射面に測定対象物を押し付けることで、効率の良い測定を実現している。
特開2008-224451号公報
ところで、測定対象物の経時的な変化を測定する場合に、測定期間中に測定対象物の体積が変化すると、測定対象物に関する情報を再現性良く取得できないおそれがある。
本発明は、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することを可能とするテラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置を提供することを目的とする。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法は、測定期間中に体積が変化する測定対象物を反射面に配置する第1工程と、測定期間中に、測定対象物とは反対側から反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出することで、測定期間中において互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の検出結果を含むデータを取得する第2工程と、を備え、第2工程においては、反射面に配置された測定対象物に実質的に一定の圧力を付与した状態を測定期間中において維持する。
このテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、測定期間中に、反射面に配置された測定対象物に実質的に一定の圧力を付与した状態を維持し、その状態で、測定対象物とは反対側から反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出する。これにより、測定期間中に測定対象物の体積が変化することに起因して測定対象物に生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物の体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、このテラヘルツ波全反射減衰分光方法によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法は、第2工程において取得された複数の検出結果に基づいて、測定対象物に関する情報を取得する第3工程を更に備えてもよい。これにより、測定対象物に関する情報を再現性良く且つ容易に取得することができる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、第2工程においては、反射面に配置された測定対象物に対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出してもよい。これにより、測定対象物に関する情報をより再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、測定対象物においては、測定期間中に無水物が水和物に転移してもよい。これにより、無水物の水和転移に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、無水物は、粉体であってもよい。これにより、粉体の水和転移に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、測定対象物は、測定期間中に体積が減少するものであってもよい。これにより、測定期間中に体積が減少する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光方法では、第2工程においては、測定対象物の温度を調整してもよい。これにより、測定期間中、温度条件が所定条件に維持される。そのため、測定対象物に関する情報をより再現性良く取得することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波全反射減衰分光装置は、テラヘルツ波を出力するテラヘルツ波出力部と、測定対象物が配置される反射面を有し、テラヘルツ波出力部から出力されたテラヘルツ波を測定対象物とは反対側から反射面に入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を出力するプリズムと、プリズムから出力されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、反射面に配置された測定対象物に圧力を付与する圧力付与部と、を備え、圧力付与部は、圧力の大きさを調整可能に構成されている。
このテラヘルツ波全反射減衰分光装置では、圧力付与部は、反射面に配置された測定対象物に付与する圧力の大きさを調整可能に構成されている。これにより、例えば、反射面に配置された測定対象物に付与される圧力が実質的に一定となるように圧力の大きさを調整することで、測定期間中に、測定対象物に実質的に一定の圧力を付与した状態を維持することができ、その状態で、測定対象物とは反対側から反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出することができる。これにより、測定期間中に測定対象物の体積が変化することに起因して測定対象物に生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物の体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、このテラヘルツ波全反射減衰分光装置によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
このテラヘルツ波全反射減衰分光装置では、圧力付与部は、測定期間中に、反射面に配置された測定対象物に実質的に一定の圧力を付与してもよい。これにより、上述したように、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
このテラヘルツ波全反射減衰分光装置は、反射面に配置され、内側に測定対象物が配置される枠体を更に備え、圧力付与部は、枠体の内側において、測定対象物における反射面とは反対側の表面に荷重を付与する重りを有してもよい。これにより、簡単な構成によって、反射面に配置された測定対象物に所望の圧力を付与することができる。
このテラヘルツ波全反射減衰分光装置は、テラヘルツ波検出部と電気的に接続された処理部を更に備え、処理部は、テラヘルツ波検出部によって取得された互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の検出結果に基づいて、測定対象物に関する情報を取得してもよい。これにより、測定対象物に関する情報を再現性良く且つ容易に取得することができる。
本発明の圧力付与装置は、反射面に配置された枠体の内側に測定対象物が配置された状態で、測定対象物とは反対側から反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波全反射減衰分光装置に用いられる圧力付与装置であって、反射面及び枠体に対して取り付けられる支持部と、測定対象物における反射面とは反対側の表面に垂直な方向に沿って移動可能となるように支持部によって支持され、枠体の内側において測定対象物の表面に接触する接触部と、測定対象物の表面に垂直な方向に沿って接触部を反射面側に付勢する付勢部と、を備える。
この圧力付与装置をテラヘルツ波全反射減衰分光装置に用いることで、例えば、測定期間中に、測定対象物に実質的に一定の圧力を付与した状態を維持することができ、その状態で、測定対象物とは反対側から反射面にテラヘルツ波を入射させ、反射面で反射されたテラヘルツ波を検出することができる。これにより、測定期間中に測定対象物の体積が変化することに起因して測定対象物に生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物の体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、この圧力付与装置によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
本発明の圧力付与装置では、付勢部は、重りを有してもよい。これにより、簡単な構成によって、反射面に配置された測定対象物に実質的に一定の圧力を付与することができる。
本発明の圧力付与装置では、測定対象物の表面に垂直な方向は、鉛直方向であり、接触部には、重りが配置される空間が形成されていてもよい。これにより、接触部によって重りを安定的に支持することができる。そのため、反射面に配置された測定対象物に安定的に圧力を付与することができる。
本発明の圧力付与装置では、支持部は、測定対象物の表面に垂直な方向に沿って延在する筒体を含み、接触部は、筒体の内側に配置されていてもよい。これにより、簡単な構成によって、反射面に配置された測定対象物に安定的に圧力を付与することができる。
本発明の圧力付与装置では、支持部は、支持部が枠体に接触した状態で、反射面に対して固定されてもよい。これにより、支持部を枠体に近づけることで、枠体と近い位置で接触部を支持することができる。そのため、反射面に配置された測定対象物に安定的に圧力を付与することができる。
本発明によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物に関する情報を再現性良く取得することを可能とするテラヘルツ波全反射減衰分光方法、テラヘルツ波全反射減衰分光装置及び圧力付与装置を提供することができる。
一実施形態のテラヘルツ波全反射減衰分光装置の構成図である。 一実施形態の圧力付与装置の分解斜視図である。 図2に示されるプリズム及びその周辺構造の分解斜視図である。 図2に示されるIV-IV線に沿っての断面図である。 一実施形態のテラヘルツ波全反射減衰分光方法のフローチャートである。 比較例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 比較例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 第1実施例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 第1実施例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 第2実施例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 第2実施例のテラヘルツ波全反射減衰分光方法の測定結果を示す図である。 測定対象物に関する情報を再現性良く取得することが可能となる原理を説明するための図である。 変形例の圧力付与装置の構成図である。 変形例の圧力付与装置の構成図である。 変形例のテラヘルツ波全反射減衰分光装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[テラヘルツ波全反射減衰分光装置]
図1に示されるように、テラヘルツ波全反射減衰分光装置1は、出力部(テラヘルツ波出力部)20と、プリズム30と、光路長差調整部40と、偏光子50と、合波部60と、検出部(テラヘルツ波検出部)70と、処理部80と、を備えている。テラヘルツ波全反射減衰分光装置1は、テラヘルツ波を用いた全反射減衰分光(ATR:Attenuated Total Reflection Spectroscopy)方法を実施するための装置である。以下、「テラヘルツ波全反射減衰分光装置1」を「ATR装置1」という。
出力部20は、テラヘルツ波Tを出力する。具体的には、出力部20は、光源21と、分岐部22と、チョッパ23と、複数のミラーM1~M3と、テラヘルツ波発生素子24と、を有している。光源21は、パルス発振によって光を出力する。光源21は、例えば、パルス幅がフェムト秒程度であるパルスレーザ光を出力するフェムト秒パルスレーザ光源である。分岐部22は、例えばビームスプリッタ等である。分岐部22は、光源21から出力された光をポンプ光P1及びプローブ光P2に分岐する。チョッパ23は、分岐部22から出力されたポンプ光P1の通過及び遮断を一定の周期で交互に繰り返す。
各ミラーM1~M3は、チョッパ23を通過したポンプ光P1を順次に反射する。チョッパ23を通過したポンプ光P1は、各ミラーM1~M3で順次に反射された後、テラヘルツ波発生素子24に入射する。なお、以下では、分岐部22からテラヘルツ波発生素子24に到るポンプ光P1の光学系を「ポンプ光学系」という。
テラヘルツ波発生素子24は、ミラーM3で反射されたポンプ光P1が入射されることでテラヘルツ波Tを出力する。テラヘルツ波発生素子24は、例えば、非線形光学結晶(例えばZnTe)、光導電アンテナ素子(例えばGaAsを用いた光スイッチ)、半導体(例えばInAs)又は超伝導体を含んでいる。テラヘルツ波発生素子24が非線形光学結晶を含む場合、テラヘルツ波発生素子24は、ポンプ光P1の入射に伴って発生する非線形光学現象によってテラヘルツ波Tを発生させる。
テラヘルツ波Tは、光波と電波との中間領域に相当する0.01THz~100THz程度の周波数を有する電磁波であり、光波と電波との間の中間的な性質を有している。テラヘルツ波Tは、一定の繰返し周期で発生し、数ピコ秒程度のパルス幅を有する。つまり、テラヘルツ波発生素子24は、所定の時間間隔(パルス間隔)で並んだ複数のテラヘルツ波Tを含むパルス光列を発生させる。なお、以下では、テラヘルツ波発生素子24から合波部60に到るテラヘルツ波Tの光学系を「テラヘルツ波光学系」という。
プリズム30は、例えば、いわゆる無収差プリズム等である。プリズム30は、入射面30a、出射面30b、反射面30c、第1副反射面30d及び第2副反射面30eを有している。入射面30aと出射面30bとは、互いに平行である。反射面30cは、入射面30a及び出射面30bに対して垂直である。反射面30cには、測定対象物Sが配置される。第1副反射面30d及び第2副反射面30eは、プリズム30における反射面30cとは反対側の面であり、凹部を形成している。第1副反射面30d及び第2副反射面30eによって構成された面は、反射面30cに向かって凹んでいる。
プリズム30は、テラヘルツ波発生素子24から出力されたテラヘルツ波Tに対して透明である。プリズム30の屈折率は、測定対象物Sの屈折率よりも高い。プリズム30の材料は、例えばシリコン等である。
プリズム30の入射面30aに入射したテラヘルツ波Tは、第1副反射面30d、反射面30c及び第2副反射面30eで順次に反射された後、出射面30bから外部へ出力される。これにより、反射面30cにおいてテラヘルツ波Tが全反射する際に染み出したエバネッセント波の減衰反射率を検出することで、測定対象物Sに関するテラヘルツ波帯の情報を取得することが可能となる。
測定対象物Sは、例えば、無水物(例えばテオフィリン無水物)、水及び分散剤の混合物等である。測定対象物Sの無水物は、例えば粉体等である。測定対象物Sにおいては、無水物が水和物に転移する。つまり、測定対象物Sは、水和転移反応を伴うものである。測定対象物Sは、測定期間中に体積が減少するものである。本実施形態では、測定対象物Sに関する情報は、測定対象物Sの水和転移反応の進行具合を示す情報である。
光路長差調整部40は、複数のミラーM4~M8を有している。分岐部22から出力されたプローブ光P2は、各ミラーM4~M8で順次に反射された後、偏光子50を通過し、合波部60に入射する。なお、以下では、分岐部22から合波部60に到るプローブ光P2の光学系を「プローブ光学系」という。光路長差調整部40では、ミラーM5,M6が移動することで、ミラーM4とミラーM5との間の光路長、及びミラーM6とミラーM7との間の光路長が調整され、プローブ光学系の光路長が調整される。これにより、光路長差調整部40は、「分岐部22から合波部60に到るポンプ光学系及びテラヘルツ波光学系の光路」と「分岐部22から合波部60に到るプローブ光学系の光路」との差を調整する。
プリズム30の出射面30bから出力されたテラヘルツ波T、及び偏光子50を通過したプローブ光P2が合波部60に入射すると、合波部60は、これらのテラヘルツ波T及びプローブ光P2を合波し、同軸において検出部70に出力する。合波部60は、例えば、堅固な支持枠に接着され薄く引き伸ばされたフィルム状のミラー等である。合波部60は、例えばペリクル等である。
検出部70は、プリズム30から出力されたテラヘルツ波Tを検出する。具体的には、検出部70は、テラヘルツ波検出素子71と、1/4波長板72と、偏光分離素子73と、光検出器74aと、光検出器74bと、差動増幅器75と、ロックイン増幅器76と、を有している。合波部60から出力されたテラヘルツ波T及びプローブ光P2がテラヘルツ波検出素子71に入射すると、テラヘルツ波検出素子71は、テラヘルツ波Tとプローブ光P2との間の相関を検出する。
具体的には、テラヘルツ波検出素子71は、電気光学結晶を含む。テラヘルツ波T及びプローブ光P2がテラヘルツ波検出素子71に入射すると、テラヘルツ波検出素子71では、テラヘルツ波Tの伝搬に伴いポッケルス効果によって複屈折が誘起される。プローブ光P2は、当該複屈折によって偏光状態が変化し、テラヘルツ波検出素子71から出力される。このときの複屈折量は、テラヘルツ波Tの電場強度に依存する。そのため、テラヘルツ波検出素子71におけるプローブ光P2の偏光状態の変化量は、テラヘルツ波Tの電場強度に依存する。
テラヘルツ波検出素子71から出力されたプローブ光P2は、1/4波長板72を通過し、偏光分離素子73に入射する。偏光分離素子73は、例えばウォラストンプリズム等である。偏光分離素子73は、入射したプローブ光P2を互いに直交する2つの偏光成分に分離して出力する。
光検出器74a及び光検出器74bのそれぞれは、例えばフォトダイオードを含む。光検出器74a及び光検出器74bは、プローブ光P2の2つの偏光成分のパワーを検出し、検出したパワーに応じた値の電気信号を差動増幅器75に出力する。
差動増幅器75は、光検出器74a及び光検出器74bのそれぞれから出力された電気信号を入力させ、それぞれの電気信号の値の差に応じた値を有する電気信号をロックイン増幅器76に出力する。ロックイン増幅器76は、チョッパ23におけるポンプ光P1の通過及び遮断の繰返し周波数で、差動増幅器75から出力される電気信号を同期検出する。ロックイン増幅器76から出力される信号は、テラヘルツ波Tの電場強度に依存する値を有する。このように、検出部70は、テラヘルツ波Tとプローブ光P2との間の相関を検出し、テラヘルツ波Tの電場振幅を検出する。
光路長差調整部40において、ミラーM4とミラーM5との間の光路長、及びミラーM6とミラーM7との間の光路長が調整されることで、プローブ光学系の光路長が調整されると、テラヘルツ波検出素子71に入力されるテラヘルツ波Tおよびプローブ光P2のそれぞれのタイミングの差が調整される。上述したように、一般に、テラヘルツ波Tのパルス幅はピコ秒程度であるのに対して、プローブ光P2のパルス幅はフェムト秒程度である。つまり、テラヘルツ波Tに比べてプローブ光P2のパルス幅は数桁狭い。このことから、光路長差調整部40によりテラヘルツ波検出素子71へのプローブ光P2の入射タイミングが掃引されることで、テラヘルツ波Tの電場振幅の時間波形(以下、「電場波形」という)が得られる。プローブ光P2の入射タイミングが一回掃引されると、所定の時間に対応する一つのテラヘルツ波Tの電場波形が得られる。本実施形態では、光路長差調整部40によりテラヘルツ波検出素子71へのプローブ光P2の入射タイミングが複数回掃引される。これにより、複数のテラヘルツ波Tの電場波形が得られる。つまり、検出部70は、互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数のテラヘルツ波Tの電場波形(検出結果)を含むデータを取得する。
処理部80は、検出部70によって取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得する。具体的には、処理部80は、検出部70と電気的に接続されている。処理部80は、ロックイン増幅器76と電気的に接続されている。処理部80は、検出部70によって取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形のそれぞれに対応する複数のスペクトルを求める。処理部80は、当該複数のスペクトルに基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得する。これにより、ATR装置1は、測定対象物Sの経時的な変化を測定する。処理部80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。
[プリズムの周辺構造]
ATR装置1は、プリズム30の周辺構造として、図2及び図3に示されるように、基板31と、枠体32と、シート33と、一対の支持体34と、圧力付与装置(圧力付与部)10と、を更に備えている。なお、図1においては、それらの図示が省略されている。以下、互いに直交する第1水平方向及び第2水平方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向といい、鉛直方向をZ軸方向という。
基板31は、反射面30cがZ軸方向と直交し、且つ入射面30a及び出射面30bがX軸方向と直交するように、プリズム30を保持している。反射面30cは、基板31の表面31aから僅かに突出している。反射面30cは、表面31aに略平行となっている。入射面30aへのテラヘルツ波Tの入射、及び出射面30bからのテラヘルツ波Tの出射は、基板31の裏面31b側において可能となっている。
枠体32は、シート33を介してプリズム30の反射面30cに配置されている。プリズム30及びシート33のそれぞれは、Z軸方向から見た場合に、例えばX軸方向を長手方向とする長方形状を呈している。Z軸方向から見た場合に、プリズム30の外縁とシート33の外縁とは、略一致している。シート33の材料は、例えばシリコンゴム等である。枠体32は、例えばX軸方向を長手方向とする長方形板状を呈している。枠体32及びシート33には、それぞれ貫通孔32d及び貫通孔33aが形成されている。貫通孔32d及び貫通孔33aのそれぞれは、Z軸方向から見た場合に、例えば円形状を呈している。
一対の支持体34は、基板31の表面31aに固定されている。一対の支持体34のそれぞれは、X軸方向から見た場合に、Y軸方向においてプリズム30及び枠体32に対して両側に配置されている。支持体34は、Z軸方向から見た場合に、例えばX軸方向を長手方向とする長方形状を呈している。支持体34の高さは、枠体32の表面32aと基板31の表面31aとの距離よりも大きい。支持体34における基板31とは反対側の面34aには、穴34bが形成されている。
圧力付与装置10は、支持部11と、接触部12と、付勢部13と、を有している。支持部11は、板体111と、筒体112と、一対の固定部113と、を含んでいる。板体111は、例えばY軸方向を長手方法とする長方形板状を呈している。板体111の厚さ方向は、Z軸方向と平行である。筒体112は、Z軸方向に沿って延在している。筒体112は、板体111を貫通している。筒体112の両端のそれぞれは、板体111の表面及び裏面のそれぞれから突出している。板体111と筒体112とは、互いに固定されている。
一対の固定部113は、Y軸方向における板体111の両端部に設けられている。一対の固定部113は、Y軸方向において筒体112に対して両側に配置されている。一対の固定部113のそれぞれは、板体111を貫通している。一対の固定部113のそれぞれは、一対の支持体34のそれぞれの穴34bに挿入されて固定される。支持部11は、板体111が固定部113によって支持体34に固定されることで、反射面30c及び枠体32に対して取り付けられる。つまり、支持部11は、プリズム30及び枠体32とは別体で形成されている。
接触部12は、本体部121と、突出部122と、を含んでいる。本体部121は、底部を有する筒状を呈している。本体部121は、Z軸方向に沿って延在している。突出部122は、本体部121の底部から突出している。突出部122は、円柱状を呈している。付勢部13は、円柱状を呈している。シート33の貫通孔33a、枠体32の貫通孔32d、支持部11の筒体112、接触部12の本体部121、接触部12の突出部122及び付勢部13のそれぞれの軸線は、略一致している。
ATR装置1では、反射面30cに配置された枠体32の貫通孔32dに測定対象物Sが配置された状態で、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出している。具体的には、図4に示されるように、枠体32の表面32aとは反対側の裏面32bには、凹部32cが形成されている。
枠体32は、プリズム30の反射面30cが裏面32bに対向し且つZ軸方向から見た場合にプリズム30及びシート33が凹部32cに含まれるように、反射面30cに配置されている。つまり、プリズム30における反射面30cを含む一部及びシート33は、凹部32c内に配置されている。枠体32の貫通孔32dは、裏面32bに開口する筒部、及び筒部に接続され表面32aに開口するテーパー部を含んでいる。テーパー部は、反射面30cから離れるに従って広がる円錐台形状を呈している。貫通孔32dの筒部の直径は、シート33の貫通孔33aの直径と略同じである。
測定対象物Sは、枠体32の内側(貫通孔32dの筒部及び貫通孔33aの内側)において、反射面30cに配置されている。これにより、反射面30cに平行な方向に沿った測定対象物Sの広がりが規制される。また、測定対象物Sにおける反射面30cとは反対側の表面Saは、反射面30cに垂直な方向(Z軸方向)に沿って移動可能となる。例えば、測定対象物Sの体積が増加した場合には、表面Saが反射面30cから離れるように移動し、測定対象物Sの体積が減少した場合には、表面Saが反射面30cに近づくように移動する。なお、表面Saと反射面30cとは、互いに平行である。
支持部11の筒体112の内径は、貫通孔32dにおける表面32a側の直径(テーパー部の大径)よりも大きい。支持部11は、筒体112の端面11bが枠体32の表面32aに接触した状態で、反射面30cに対して固定されている。接触部12は、Z軸方向に沿って移動可能となるように支持部11によって支持されている。具体的には、接触部12の本体部121は、筒体112の内側に配置されている。本体部121の外径は、筒体112の内径と略同じである。本体部121は、筒体112の内面11aに対して摺動可能となるように筒体112に挿入されている。Z軸方向に垂直な方向における本体部121の移動は、筒体112によって規制され、Z軸方向における本体部121の移動は、筒体112によってガイドされる。
接触部12の突出部122は、貫通孔32dにおいて測定対象物Sの表面Saに接触する。具体的には、突出部122の外径は、貫通孔32dの筒部の内径と略同じである。本体部121が筒体112によってガイドされて、反射面30cに向かって移動すると、突出部122は、突出部122の側面12bが貫通孔32dの筒部の内面に接触した状態で貫通孔32dに入り込む。そして、突出部122の先端面12cは、測定対象物Sの表面Saに接触する。
付勢部13は、接触部12を介して、貫通孔32dにおいて測定対象物Sの表面Saに荷重を付与する。具体的には、付勢部13は、本体部121に形成された内部空間に配置されている。付勢部13の外径は、本体部121の内径と略同じである。付勢部13は、本体部121に挿入されている。付勢部13は、例えば、一定の重量を有する重りである。付勢部13は、Z軸方向に沿って接触部12を反射面30c側に付勢する。付勢部13は、Z軸方向に沿って接触部12に付勢部13の重量に相当する荷重を付与する。当該荷重は、突出部122を介して、測定対象物Sの表面Saに伝わる。
圧力付与装置10は、測定期間中に、測定対象物Sに付与する圧力の大きさを調整可能に構成されている。圧力付与装置10では、例えば、付勢部13の重量を変更することが可能である。圧力付与装置10では、例えば、付勢部13として、重量が異なる重りに変更することが可能である。本実施形態では、圧力付与装置10は、測定期間中に、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与する。具体的には、上述したように、反射面30cに平行な方向に沿った測定対象物Sの広がりは、枠体32によって規制されている。そのため、付勢部13による荷重が接触部12を介して測定対象物Sに伝わると、測定対象物Sは、枠体32の内側において押圧されることになる。これにより、測定対象物Sには、圧力が付与される。ここで、付勢部13が一定の重量を有する重りであるため、測定対象物Sには一定の荷重が伝わる。したがって、測定対象物Sには一定の圧力が付与される。なお、「実質的に一定の圧力を付与する」とは、基準値に対して±5%の範囲内の圧力を付与することを意味する。
測定期間中に、測定対象物Sの体積が変化する場合においても、同じである。すなわち、測定期間中に、測定対象物Sの体積が変化する場合には、接触部12は、先端面12cが測定対象物Sの表面Saに接触した状態で、測定対象物Sの体積の変化に従ってZ軸方向に沿って移動する。つまり、接触部12は、表面Saに追従して移動する。測定対象物Sの体積が変化する期間においても、付勢部13の重量が一定であるため、測定対象物Sに付与される圧力も一定である。
[ATR装置及び圧力付与装置の作用及び効果]
ATR装置1では、圧力付与装置10は、反射面30cに配置された測定対象物Sに付与する圧力の大きさを調整可能に構成されている。これにより、例えば、反射面30cに配置された測定対象物Sに付与される圧力が実質的に一定となるように圧力の大きさを調整することで、測定期間中に、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を維持することができ、その状態で、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出することができる。これにより、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化することに起因して測定対象物Sに生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、ATR装置1によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物についても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
圧力付与装置として例えばトルクレンチを用いて測定対象物Sに圧力を付与しつつ、測定対象物Sの経時的な変化を測定した場合には、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができないおそれがあった。そこで、本発明者らは、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化することにその原因があることを見出した。すなわち、トルクレンチを用いて測定対象物Sに圧力を付与する場合には、トルクレンチにおける測定対象物Sに接触する部分の位置が反射面30cに対して固定される。このような場合に、測定対象物Sの体積が変化すると、測定対象物Sに付与される圧力も変化してしまう。これにより、測定期間中に測定の条件が変化し、その結果、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができなかった。これは、測定対象物Sの経時的な変化を測定したからこそ起きた問題である。これに対して、ATR装置1によれば、上述したように、測定期間中に、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を維持することができるため、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。測定対象物Sのような水和転移反応等を伴うものの経時的な変化を測定する場合には、測定対象物Sに付与される圧力が変化すると、水和転移の反応の進行割合又は反応速度等が変化することがある。そのため、測定期間中に、水和転移反応を伴う測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与することは、特に重要である。
また、ATR装置1では、圧力付与装置10が、測定期間中に、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与している。これにより、上述したように、測定期間中に体積が変化する測定対象物Sについても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR装置1は、反射面30cに配置され且つ内側に測定対象物Sが配置される枠体32を備えている。圧力付与装置10は、枠体32の内側において、測定対象物Sの表面Saに荷重を付与する重りを有している。これにより、簡単な構成によって、反射面30cに配置された測定対象物Sに所望の圧力を付与することができる。
また、ATR装置1は、検出部70と電気的に接続された処理部80を備えている。処理部80は、検出部70によって取得された互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得している。これにより、測定対象物Sに関する情報を再現性良く且つ容易に取得することができる。
また、ATR装置1では、反射面30cに配置された測定対象物Sに圧力が付与されるため、測定対象物Sを反射面30cに均一に密着させることができる。これにより、測定対象物Sに関する情報を効率よく取得することが可能となる。
また、Z軸方向から見た場合に、枠体32の貫通孔32dが円形状を呈している。これにより、例えば、Z軸方向から見た場合に、貫通孔32dが多角形状を呈している場合に比べて、測定対象物Sに付与される圧力を均一にすることができる。
また、貫通孔32dが反射面30cから離れるに従って広がるテーパー部を含んでいる。これにより、枠体32の表面32a側から枠体32の内側に測定対象物Sを容易に配置することができる。
また、圧力付与装置10をATR装置1に用いることで、例えば、測定期間中に、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を維持することができ、その状態で、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出することができる。これにより、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化することに起因して測定対象物Sに生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、圧力付与装置10によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物Sについても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、圧力付与装置10では、付勢部13が重りであってもよい。これにより、簡単な構成によって、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与することができる。また、重りを代えることで、付勢部13の重量を容易に変更することができ、測定対象物Sに付与される圧力の大きさを容易に調整することができる。
また、圧力付与装置10では、測定対象物Sの表面Saに垂直な方向(Z軸方向)は、鉛直方向である。接触部12には、付勢部13が配置される空間が形成されている。これにより、接触部12によって付勢部13を安定的に支持することができる。そのため、反射面30cに配置された測定対象物Sに安定的に圧力を付与することができる。
また、圧力付与装置10では、支持部11が、Z軸方向に沿って延在する筒体112を含んでいる。接触部12は、筒体112の内側に配置されている。これにより、簡単な構成によって、反射面30cに配置された測定対象物Sに安定的に圧力を付与することができる。すなわち、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化したとしても、接触部12の軸ズレ等を抑制することで、接触部12を安定的に支持することができ、測定対象物Sに安定的に均一な圧力を付与することができる。
また、圧力付与装置10では、支持部11が、筒体112が枠体32に接触した状態で、反射面30cに対して固定されている。これにより、筒体112を枠体32に近づけることで、枠体32と近い位置で接触部12を支持することができる。そのため、反射面30cに配置された測定対象物Sに安定的に圧力を付与することができる。
[テラヘルツ波全反射減衰分光方法]
次に、ATR装置1において実施されるテラヘルツ波全反射減衰分光方法(以下、「ATR方法」という)について、説明する。図5に示されるように、まず、測定期間中に体積が変化する測定対象物Sを反射面30cに配置する(ステップS1)。具体的には、ステップS1では、反射面30cに配置された枠体32の貫通孔32dに測定対象物Sを配置する。ステップS1が第1工程に相当する。
続いて、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与する(ステップS2)。具体的には、まず、一対の支持体34に支持部11を固定する。続いて、支持部11の筒体112の内側に接触部12を配置する。続いて、接触部12の本体部121の内側に付勢部13を配置する。
続いて、所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3でNOの場合、ステップS2に戻る。すなわち、ステップS2においては、所定期間が経過するまで、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与し続ける。所定期間は、例えば0.1秒~3分程度である。なお、所定期間については、測定対象物Sの種類又は測定対象物Sに付与される圧力の大きさ等に基づいて、最適化することができる。ステップS3でYESの場合、測定期間中に、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出する(ステップS4)。具体的には、出力部20によってプリズム30の入射面30aにテラヘルツ波Tを入射させ、検出部70によって合波部60から出力されたテラヘルツ波Tとプローブ光P2との間の相関を検出し、テラヘルツ波Tの電場振幅を検出する。
ステップS4では、測定期間中に、反射面30cにテラヘルツ波Tを連続的に入射させ続け、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを連続的に検出し続ける。ステップS4では、測定期間中において互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数のテラヘルツ波Tの電場波形を含むデータを取得する。具体的には、ステップS4では、測定期間中に、光路長差調整部40によりテラヘルツ波検出素子71へのプローブ光P2の入射タイミングを複数回掃引することで、複数のテラヘルツ波Tの電場波形を取得する。
ステップS4で取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形のそれぞれが時間的に離れているため、これにより、測定対象物Sの経時的な変化を測定することが可能となる。ステップS4では、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を測定期間中において維持する。
続いて、所定数のテラヘルツ波Tの電場波形が取得されたか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5でNOの場合、ステップS4に戻る。すなわち、測定期間中に、所定数のテラヘルツ波Tの電場波形が取得されるまで、テラヘルツ波Tの電場波形を取得し続ける。ステップS5でYESの場合、ステップS4で取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得する(ステップS6)。具体的には、ステップS6では、検出部70によって検出された複数のテラヘルツ波Tの電場波形のそれぞれに対応する複数のスペクトルを求める。続いて、当該複数のスペクトルに基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得する。これにより、測定対象物Sの経時的な変化を測定する。ステップS2~ステップS5が第2工程に相当する。ステップS6が第3工程に相当する。
以上のように、第2工程においては、反射面30cに配置された測定対象物Sに対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出する。すなわち、第2工程は、所定期間、及び所定期間が経過した後の測定期間を含む。第2工程においては、所定期間及び測定期間中に、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を維持する。第2工程においては、測定期間中に、反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出する。
[ATR方法の作用及び効果]
ATR方法では、測定期間中に、反射面30cに配置された測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を維持し、その状態で、測定対象物Sとは反対側から反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出する。これにより、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化することに起因して測定対象物Sに生じる圧力が変化することが防止される。そのため、測定期間中に測定対象物Sの体積が変化したとしても、測定期間中、圧力条件が所定条件に維持される。よって、このATR方法によれば、測定期間中に体積が変化する測定対象物Sについても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR方法は、ステップS4で取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得するステップS6を備えている。これにより、測定対象物Sに関する情報を再現性良く且つ容易に取得することができる。
また、ATR方法では、第2工程においては、反射面30cに配置された測定対象物Sに対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、反射面30cにテラヘルツ波Tを入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを検出している。これにより、測定対象物Sに関する情報をより再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR方法では、測定対象物Sにおいては、測定期間中に無水物が水和物に転移する。これにより、無水物の水和転移に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR方法では、無水物が、粉体である。これにより、粉体の水和転移に関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR方法では、測定対象物Sが、測定期間中に体積が減少するものである。これにより、測定期間中に体積が減少する測定対象物についても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
図6及び図7は、比較例のATR方法の測定結果を示す図である。比較例では、圧力付与装置10に代えてトルクレンチを用いて測定対象物Sに圧力を付与した状態で、測定対象物Sに関する情報を取得した。比較例では、測定対象物Sに圧力を付与した直後から、測定対象物Sに関する情報を取得し始めた。比較例では、このようなATR方法を2セット実施した。
図6の(a)は、比較例の第1セットで求めた吸収スペクトルを示す図であり、図6の(b)は、比較例の第2セットで求めた吸収スペクトルを示す図である。図6の(a)及び(b)において、実線は、測定期間における測定開始時の結果(第1の結果)を示しており、点線は、測定期間における測定終了時の結果(最終の結果)を示しており、一点鎖線は、測定期間における測定途中の結果(第1の結果と最終の結果との間の結果)を示している。図6の(a)及び(b)に示されるように、比較例では、第1セットの第1の結果(ベースライン)と第2セットの第1の結果(ベースライン)とは、一致していない。つまり、比較例では、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができなかった。
図7の(a)は、比較例の第1セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図7の(b)は、比較例の第2セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図7の(a)及び(b)に示されるように、比較例では、いずれのセットにおいても、測定時間が30分程度経っても、測定対象物S中に無水物が残留していた。つまり、比較例では、測定対象物Sの完全な水和転移反応が起きなかった。また、比較例では、第1セット及び第2セットのそれぞれにおいて、無水物の割合がばらついていた。
図8及び図9は、第1実施例のATR方法の測定結果を示す図である。第1実施例では、圧力付与装置10を用いて測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を測定期間中に維持しつつ、測定対象物Sに関する情報を取得した。第1実施例では、測定対象物Sに対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、測定対象物Sに関する情報を取得し始めた。第1実施例では、このようなATR方法を2セット実施した。
図8の(a)は、第1実施例の第1セットで求めた吸収スペクトルを示す図であり、図8の(b)は、第1実施例の第2セットで求めた吸収スペクトルを示す図である。図8の(a)及び(b)において、実線は、測定期間における測定開始時の結果(第1の結果)を示しており、点線は、測定期間における測定終了時の結果(最終の結果)を示しており、一点鎖線は、測定期間における測定途中の結果(第1の結果と最終の結果との間の結果)を示している。図8の(a)及び(b)に示されるように、第1実施例では、第1セットの第1の結果(ベースライン)と第2セットの第1の結果(ベースライン)とは、比較例に比べて一致している。つまり、第1実施例では、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができた。
図9の(a)は、第1実施例の第1セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図9の(b)は、第1実施例の第2セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図9の(a)及び(b)に示されるように、第1実施例では、いずれのセットにおいても、測定対象物S中に無水物が消失した。つまり、第1実施例では、測定対象物Sの完全な水和転移反応が起こった。
図10及び図11は、第2実施例のATR方法の測定結果を示す図である。第2実施例では、第1実施例と同様に、圧力付与装置10を用いて測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与した状態を測定期間中に維持しつつ、測定対象物Sに関する情報を取得した。第2実施例では、第1実施例と同様に、測定対象物Sに対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、測定対象物Sに関する情報を取得し始めた。第2実施例では、このようなATR方法を2セット実施した。第2実施例の第1セットにおいては、測定対象物Sとして、25μlの水及び分散剤に25mgのテオフィリンが混合された混合物を用いた。第2実施例の第2セットにおいては、測定対象物Sとして、100μlの水及び分散剤に25mgのテオフィリンが混合された混合物を用いた。
図10の(a)は、第2実施例の第1セットで求めた吸収スペクトルを示す図であり、図10の(b)は、第2実施例の第2セットで求めた吸収スペクトルを示す図である。図10の(a)及び(b)において、実線は、測定期間における測定開始時の結果(第1の結果)を示しており、点線は、測定期間における測定終了時の結果(最終の結果)を示しており、一点鎖線は、測定期間における測定途中の結果(第1の結果と最終の結果との間の結果)を示している。図10の(a)及び(b)に示されるように、第2実施例では、第1セットの第1の結果(ベースライン)と第2セットの第1の結果(ベースライン)とは、比較例に比べて一致している。つまり、第2実施例では、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができた。
図11の(a)は、第2実施例の第1セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図11の(b)は、第2実施例の第2セットにおいて、測定対象物S中の無水物の割合の経時的な変化を示す図である。図11の(a)及び(b)に示されるように、第2実施例では、いずれのセットにおいても、測定対象物S中に無水物が消失した。つまり、第2実施例では、測定対象物Sの完全な水和転移反応が起こった。このように、第2実施例では、第1セット及び第2セットのそれぞれにおいて、測定対象物Sの量(水及び分散剤の量)が異なっている場合においても、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができた。
本発明者らは、比較例に比べて第1実施例及び第2実施例において測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することができた理由について、以下のような仮説を立てた。
すなわち、測定対象物Sに圧力が付与されると、圧力が付与された直後の測定対象物Sの表面Saには、微細な凹凸や傾斜が生じる場合があると考えられる。図12の(a)は、比較例において、トルクレンチを用いて接触部200に荷重を付与することで、測定対象物Sに圧力を付与した直後における測定対象物Sの表面Saを示す仮想図である。図12の(a)に示されるように、表面Saには凹凸や傾斜が生じていると考えられる。これにより、接触部200の先端面200cと測定対象物Sとの界面には、表面Saの凹凸や傾斜に応じた加圧ムラ(局所的な圧力集中)が生じ、当該加圧ムラが測定対象物Sを介して反射面30cに伝わり、その結果、反射面30cへの測定対象物Sの押し付け具合も場所によって変わってしまうと考えられる。ATR方法を複数セット実施した場合に、測定対象物Sの表面Saに生じる微細な凹凸や傾斜の状況は、複数のセット毎に異なる(ばらつく)と考えられる。したがって、比較例では、ATR方法を複数セット実施した場合に、それぞれのセットにおける第1の結果が一致せず、ばらついてしまうと考えられる。
図12の(b)は、第1実施例及び第2実施例において、圧力付与装置10を用いて、測定対象物Sに圧力を付与した直後における測定対象物Sの表面Saを示す仮想図である。第1実施例及び第2実施例においては、測定対象物Sに対する実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、測定対象物Sに関する情報を取得し始めた。図12の(b)に示されるように、第1実施例及び第2実施例においては、測定期間における測定開始時には、測定対象物Sの表面Saの微細な凹凸や傾斜が接触部12の先端面12cによって均されており、表面Saには場所による加圧ムラが生じ難くなっていると考えられる。その結果、反射面30cへの測定対象物Sの押し付け具合が均一になっていると考えられる。したがって、第1実施例及び第2実施例では、ATR方法を複数セット実施した場合に、それぞれのセットにおける第1の結果が一致している(差が少ない)と考えられる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。図13に示されるように、ATR装置1は、圧力付与装置10に代えて圧力付与装置10Aを備えていてもよい。圧力付与装置10Aは、接触部12に代えて接触部12Aを有する点、付勢部13に代えて付勢部13Aを有する点、及び、固定部材114を更に有する点で、圧力付与装置10と主に相違している。圧力付与装置10Aのその他の構成については、圧力付与装置10と同じであるため、詳細な説明を省略する。
接触部12Aは、例えば円盤状を呈している。接触部12Aは、支持部11の筒体112の内側に配置されている。接触部12Aの外径は、筒体112の内径と略同じである。接触部12Aは、筒体112の内面11aに対して摺動可能となるように筒体112に挿入されている。Z軸方向に垂直な方向における接触部12Aの移動は、筒体112によって規制され、Z軸方向における接触部12Aの移動は、筒体112によってガイドされる。圧力付与装置10Aでは、筒体112の内径が枠体32の貫通孔32dの直径と略同じである。接触部12Aは、接触部12Aの側面12dが貫通孔32dの内面に接触した状態で貫通孔32dに入り込む。そして、接触部12Aの先端面12eは、測定対象物Sの表面Saに接触する。
固定部材114は、例えば円盤状を呈している。固定部材114は、筒体112の内面11aに固定されている。固定部材114は、筒体112における枠体32とは反対側の開口を塞いでいる。付勢部13Aは、例えばバネ等の弾性体である。付勢部13Aは、筒体112の内側に収容されている。付勢部13Aは、圧縮された状態で、接触部12における先端面12eとは反対側の裏面12fと固定部材114との間に配置されている。付勢部13Aは、接触部12Aに一定の荷重を付与する。付勢部13Aは、接触部12Aを介して、貫通孔32dにおいて測定対象物Sの表面Saに一定の荷重を付与する。
また、図14に示されるように、ATR装置1は、圧力付与装置10に代えて圧力付与装置10Bを備えていてもよい。圧力付与装置10Bは、付勢部13Aに代えて付勢部13Bを有する点、及び、固定部材114に代えて固定部材115を有する点で、圧力付与装置10Aと主に相違している。圧力付与装置10Bのその他の構成については、圧力付与装置10Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
固定部材115は、貫通孔115aが形成されている点で固定部材114と主に相違している。固定部材115のその他の構成は、固定部材114と同様である。付勢部13Bは、ボンベ131と、ホース132と、圧力計133と、を有している。ボンベ131には、例えば高圧空気が貯留されている。ホース132の一端は、ボンベ131に接続されている。ホース132の他端は、固定部材115の貫通孔115aに接続されている。圧力計133は、ホース132に接続されている。付勢部13Bは、固定部材115の貫通孔115aを介して、筒体112の内側に高圧空気を充填する。これにより、付勢部13Bは、接触部12Aに荷重を付与する。付勢部13Bは、接触部12Aを介して、貫通孔32dにおいて測定対象物Sの表面Saに荷重を付与する。付勢部13Bは、筒体112の内側に供給される高圧空気の圧力を調整することで、接触部12に付与する荷重を調整することができる。これにより、付勢部13Bは、測定対象物Sに付与される圧力の大きさを調整することができる。
また、測定対象物Sにおいては、測定期間中に無水物が水和物に転移する例を示したが、測定対象物Sにおいては、例えば、測定期間中に水和物(例えば、テオフィリン水和物)が無水物(例えば、テオフィリン無水物)に転移してもよい。つまり、測定対象物Sは、水和物の脱水和反応を伴うものであってもよい。また、測定対象物Sにおいては、例えば、測定期間中に複数の分子(例えば、フェナジン及びメサコン酸)が水素結合によって結晶化してもよい。つまり、測定対象物Sは、共結晶化を伴うものであってもよい。また、測定対象物Sにおいては、例えば、測定期間中に結晶構造中に溶媒が取り込まれてもよい。つまり、測定対象物Sは、溶媒和(例えば、エタノールによる酢酸コルチゾンの溶媒和等)を伴うものであってもよい。また、測定対象物Sにおいては、例えば、カルバマゼピンIII型がカルバマゼピンI型に転移してもよい。つまり、測定対象物Sは、結晶多形(同一分子でありながら結晶中での分子の配列の仕方が異なるもの)であってもよい。また、測定対象物Sにおいては、例えば、多孔質材料(例えば、活性炭)へ水が吸着してもよい。
また、測定対象物Sが測定期間中に体積が減少するものである例を示したが、測定対象物Sは、測定期間中に体積が増加するものであってもよい。
また、ATR装置1は、測定対象物Sの温度を調整する温度調整部を更に備えてもよい。ATR方法の第2工程においては、測定期間中に、測定対象物Sの温度を調整してもよい。これにより、測定期間中に、測定対象物Sの温度を一定にすることができる。そのため、所定の条件下において、測定対象物Sの経時的な変化を測定することができる。したがって、測定対象物Sに関する情報を再現性良く取得することが可能となる。
また、ATR装置1は、チョッパ23を備えていなくてもよい。この場合、テラヘルツ波発生素子24として、例えば、印加される電圧が変調される光導電アンテナが用いられる。また、ATR装置1は、チョッパ23及びロックイン増幅器76のいずれも備えていなくてもよい。また、測定期間中に、反射面30cにテラヘルツ波Tを連続的に入射させ続け、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを連続的に検出し続ける例を示したが、測定期間中に、反射面30cにテラヘルツ波Tを断続的に入射させ、反射面30cで反射されたテラヘルツ波Tを断続的に検出してもよい。
また、ATR装置1において、測定期間中に、測定対象物Sに実質的に一定の圧力を付与する例を示したが、測定期間中に、測定対象物Sに付与する圧力の大きさを増加または減少させてもよい。具体的には、例えば、測定期間中に、圧力付与装置10の付勢部13の重量を増加又は減少させてもよい。又は、測定期間中に、圧力付与装置10Bの付勢部13Bによって、筒体112の内側に供給される高圧空気の圧力を増加又は減少させてもよい。
また、処理部80が、検出部70によって取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得する例を示したが、処理部80は、測定対象物Sに関する情報を取得しなくてもよい。同様に、ATR方法が、ステップS4で取得された複数のテラヘルツ波Tの電場波形に基づいて、測定対象物Sに関する情報を取得するステップS6を備えている例を示したが、ATR方法は、ステップS6を備えていなくてもよい。
また、プリズム30が、入射面30a、出射面30b、反射面30c、第1副反射面30d及び第2副反射面30eを有する例を示したが、プリズム30は、断面が三角形状を呈していてもよい。すなわち、プリズム30は、入射面30a、出射面30b及び反射面30cを有し、第1副反射面30d及び第2副反射面30eを有していなくてもよい。この場合、プリズム30においては、入射面30aが入射面及び第1副反射面として機能し、出射面30bが出射面及び第2副反射面として機能する。
また、光源21がパルス発振によって光を出力する例を示したが、光源21は、光を連続的に出力してもよい。つまり、光源21は、連続波(CW)光源であってもよい。
また、図15に示されるように、ATR装置1Aは、出力部20に代えて出力部20Aを備え、検出部70に代えて検出部70Aを備えてもよい。ATR装置1Aは、光路長差調整部40、偏光子50及び合波部60を備えていなくてもよい。出力部20Aは、テラヘルツ波光源25と、チョッパ23と、を有している。テラヘルツ波光源25は、単一波長又は複数波長のテラヘルツ波Tを同時発振する光源であり、例えば、後進波管又は量子カスケードレーザ等である。チョッパ23は、テラヘルツ波光源25から出力されたテラヘルツ波Tの通過及び遮断を一定の周期で交互に繰り返す。出力部20Aから出力されたテラヘルツ波Tは、プリズム30の入射面30aに入射され、第1副反射面30d、反射面30c及び第2副反射面30eで順次に反射された後、出射面30bから外部へ出力され、検出部70Aに入射される。
検出部70Aは、テラヘルツ波検出器77と、ロックイン増幅器76と、を有している。テラヘルツ波検出器77は、例えばボロメータ又はゴーレイセル等の赤外線検出器である。テラヘルツ波検出器77から出力された電気信号は、ロックイン増幅器76に入力される。ロックイン増幅器76は、チョッパ23におけるテラヘルツ波Tの通過及び遮断の繰返し周波数で、テラヘルツ波検出器77から出力される電気信号を同期検出する。なお、テラヘルツ波検出器77としてボロメータを用いる場合には、ATR装置1Aは、チョッパ23及びロックイン増幅器76を備えていなくてもよい。
ATR装置1Aによれば、反射面3cに測定対象物Sが配置される前後のテラヘルツ波Tの出力を取得することで、測定対象物Sの情報を取得することができる。具体的には、テラヘルツ波光源25として単一波長のテラヘルツ波Tを発振する光源を用いた場合、水和転移反応の進行にしたがって、測定対象物Sの吸収係数が変化する吸収波長(周波数)を予め把握する。続いて、反射面3cに測定対象物Sが配置されていない状態において、反射面3cに上記の吸収波長のテラヘルツ波Tを入射させ、検出部70Aによってテラヘルツ波Tの出力を取得する(リファレンス測定)。続いて、反射面3cに測定対象物Sが配置された状態において、反射面3cに上記の吸収波長のテラヘルツ波Tを入射させ、検出部70Aによってテラヘルツ波Tの出力を取得する(サンプル測定)。このサンプル測定では、互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数のテラヘルツ波Tの出力を取得する。続いて、リファレンス測定で取得されたテラヘルツ波Tの出力とサンプル測定で取得された複数のテラヘルツ波Tの出力のそれぞれとの比に基づいて、互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応するそれぞれの吸光度を算出し、測定対象物Sに関する情報を取得する。これにより、測定対象物Sの経時的な変化を測定する。
また、検出部70,70Aの光学系として光干渉方式を用いてもよい。この場合、検出部70,70Aによって複数のテラヘルツ波Tの電場波形を取得することなく、複数のテラヘルツ波Tのスペクトル(分光データ)を直接取得することができる。そして、当該複数のスペクトルに基づいて、測定対象物Sの情報を取得することができる。このように、検出部70,70Aによって(ステップS4において)取得される複数の検出結果は、複数のテラヘルツ波Tの電場波形、複数のテラヘルツ波Tの出力又は複数のスペクトル等である。複数の検出結果は、互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する測定対象物Sの所定の情報を示すものであればよい。
1…ATR装置(テラヘルツ波全反射減衰分光装置)、10…圧力付与装置(圧力付与部)、11…支持部、12,12A…接触部、13,13A,13B…付勢部、20…出力部(テラヘルツ波出力部)、30…プリズム、30c…反射面、32…枠体、70…検出部(テラヘルツ波検出部)、80…処理部、112…筒体、S…測定対象物、T…テラヘルツ波。

Claims (16)

  1. 測定期間中に体積が変化する測定対象物を反射面に配置する第1工程と、
    前記測定期間中に、前記測定対象物とは反対側から前記反射面にテラヘルツ波を入射させ、前記反射面で反射された前記テラヘルツ波を検出することで、前記測定期間中において互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の検出結果を含むデータを取得する第2工程と、を備え、
    前記第2工程においては、前記反射面に配置された前記測定対象物に実質的に一定の圧力を付与した状態を前記測定期間中において維持する、テラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  2. 前記第2工程において取得された前記複数の検出結果に基づいて、前記測定対象物に関する情報を取得する第3工程を更に備える、請求項1に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  3. 前記第2工程においては、前記反射面に配置された前記測定対象物に対する前記実質的に一定の圧力の付与を開始してから所定期間が経過した後に、前記反射面に前記テラヘルツ波を入射させ、前記反射面で反射された前記テラヘルツ波を検出する、請求項1又は2に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  4. 前記測定対象物においては、前記測定期間中に無水物が水和物に転移する、請求項1~3のいずれか一項に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  5. 前記無水物は、粉体である、請求項4に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  6. 前記測定対象物は、前記測定期間中に体積が減少するものである、請求項1~5のいずれか一項に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  7. 前記第2工程においては、前記測定対象物の温度を調整する、請求項1~6のいずれか一項に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光方法。
  8. テラヘルツ波を出力するテラヘルツ波出力部と、
    測定対象物が配置される反射面を有し、前記テラヘルツ波出力部から出力された前記テラヘルツ波を前記測定対象物とは反対側から前記反射面に入射させ、前記反射面で反射された前記テラヘルツ波を出力するプリズムと、
    前記プリズムから出力された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記反射面に配置された前記測定対象物に圧力を付与する圧力付与部と、を備え、
    前記圧力付与部は、前記圧力の大きさを調整可能に構成されている、テラヘルツ波全反射減衰分光装置。
  9. 前記圧力付与部は、測定期間中に、前記反射面に配置された前記測定対象物に実質的に一定の圧力を付与する、請求項8に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光装置。
  10. 前記反射面に配置され、内側に前記測定対象物が配置される枠体を更に備え、
    前記圧力付与部は、前記枠体の内側において、前記測定対象物における前記反射面とは反対側の表面に荷重を付与する重りを有する、請求項9に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光装置。
  11. 前記テラヘルツ波検出部と電気的に接続された処理部を更に備え、
    前記処理部は、前記テラヘルツ波検出部によって取得された互いに離れた複数の時間のそれぞれに対応する複数の検出結果に基づいて、前記測定対象物に関する情報を取得する、請求項8~10のいずれか一項に記載のテラヘルツ波全反射減衰分光装置。
  12. 反射面に配置された枠体の内側に測定対象物が配置された状態で、前記測定対象物とは反対側から前記反射面にテラヘルツ波を入射させ、前記反射面で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波全反射減衰分光装置に用いられる圧力付与装置であって、
    前記反射面及び前記枠体に対して取り付けられる支持部と、
    前記測定対象物における前記反射面とは反対側の表面に垂直な方向に沿って移動可能となるように前記支持部によって支持され、前記枠体の内側において前記測定対象物の前記表面に接触する接触部と、
    前記測定対象物の前記表面に垂直な前記方向に沿って前記接触部を前記反射面側に付勢する付勢部と、を備える、圧力付与装置。
  13. 前記付勢部は、重りを有する、請求項12に記載の圧力付与装置。
  14. 前記測定対象物の前記表面に垂直な前記方向は、鉛直方向であり、
    前記接触部には、前記重りが配置される空間が形成されている、請求項13に記載の圧力付与装置。
  15. 前記支持部は、前記測定対象物の前記表面に垂直な前記方向に沿って延在する筒体を含み、
    前記接触部は、前記筒体の内側に配置されている、請求項12~14のいずれか一項に記載の圧力付与装置。
  16. 前記支持部は、前記支持部が前記枠体に接触した状態で、前記反射面に対して固定される、請求項12~15のいずれか一項に記載の圧力付与装置。
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