JP2022050267A - プログラム、印刷装置、情報処理装置、および情報処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、プログラム、印刷装置、情報処理装置、および情報処理システムに関する。
昨今、ノートPC(Personal Computer)の小型化、スマートデバイスの急激な普及により、プリンタも小型化および携帯化が大きな要望の1つとして挙げられ、ハンドヘルドプリンタ装置(印刷装置の一例)が開発されている。
ハンドヘルドプリンタ装置は、紙搬送システムを削除した機構で、紙面(媒体の一例)上を人の手で走査して、紙面にインクを塗布して画像を印刷する。例えば、ハンドヘルドプリンタ装置は、通信機能を持つ情報処理装置(例えば、スマートデバイスやPC)から、画像データを受信し、人の手によって印刷媒体(例えば、ノードや定型紙)上を自由に走査して、印刷媒体上に画像を印刷する。
しかしながら、ハンドヘルドプリンタ装置は、未使用の期間が長い場合、印刷媒体に印刷する画像にカスレが発生し、ユーザによるメンテナンスを行わないと、正常に印刷することができない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、媒体に印刷する画像のカスレの発生を防止することができるプログラム、印刷装置、情報処理装置、および情報処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、コンピュータを、液体を吐出する吐出部を備えた記録ヘッドと、前記吐出部による液体の吐出を制御して画像を媒体に印刷する吐出制御部と、を有する印刷装置と通信可能であり、前記画像の画像データを送信する通信部と、前記画像のカスレの検知開始時刻と前記画像のカスレの検知終了時刻とに基づいて、前記画像のカスレの発生を検知する検知部と、前記画像のカスレの発生を検知した場合、カスレ防止アラームを表示部に表示する表示制御部と、して機能させる。
本発明によれば、媒体に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる、という効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、プログラム、印刷装置、情報処理装置、および情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の印刷システムのシステム構成を示す図である。本実施の形態にかかる印刷システム(情報処理システムの一例)は、図1に示すように、携帯端末装置1(情報処理装置の一例)及びハンドヘルドプリンタ装置2(印刷装置の一例)を有している。携帯端末装置1としては、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置、ノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等の無線通信(有線通信でもよい)が可能な電子機器を用いることができる。携帯端末装置1は、記録媒体3に印刷を行う画像の印刷データ(画像データ)をハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。
ハンドヘルドプリンタ装置2は、軽量小型化された印刷装置であり、図1に示すように、ユーザにより片手で把持されて記録媒体3上を操作されることで、携帯端末装置1から受信した印刷データに対応する文字又は画像等を、操作量に応じて記録媒体3上に印刷する。
図2は、本実施の形態にかかる携帯端末装置のハードウェア構成を示す図である。この図2に示すように、携帯端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部411を備えている。
CPU401は、携帯端末装置1全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401又はIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御に従って、携帯端末用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。
また、EEPROM404には、ハンドヘルドプリンタ装置2に対して送信する印刷データを生成するための印刷データ生成プログラムが記憶されている。CPU401は、後述するように、この印刷データ生成プログラムに基づいて印刷データを生成し、ハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体からの撮像光に対応する画像データを形成する。なお、CMOSセンサ以外に、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の、他の撮像手段を用いてもよい。
撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405をバスライン410に接続するためのインタフェースである。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパス、ジャイロコンパス又は加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、例えばフラッシュメモリ等の記録メディア408をバスライン410に接続するためのインタフェースである。記録メディア408には、このメディアI/F409を介して、例えば印刷を行う画像等の印刷データ等の書き込み及び読み出しが行われる。なお、印刷データは、ROM402又はRAM403等の他の記憶部に記憶してもよい。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、携帯端末装置1は、通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイクロホン部415、スピーカ部416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
後述するが、ハンドヘルドプリンタ装置2は、「印字待機モード」および「印字モード」を有する。「印字待機モード」は、所定の印刷前操作が検出された際に移行する、記録媒体3に対する印刷開始位置の位置決めを行うモードである。印字モードは、この印字待機モードで印刷開始位置が位置決めされた後に、ハンドヘルドプリンタ装置2の移動操作に応じてインクジェット記録ヘッド(図5のIJ記録ヘッド33)を制御して、位置決めされた印刷開始位置に印刷を行うモードである。
携帯端末装置1のCPU401は、ハンドヘルドプリンタ装置2と通信を行うことで、印字待機モード及び印字モードのうち、現在のモードを示すモード情報を取得する。そして、CPU401は、取得したモード情報に基づいて、現在のモードをディスプレイ418に表示する。
また、CPU401は、印刷データ生成プログラムに基づいて、所望の印刷データの選択画面、及び、印刷データの編集画面等をディスプレイ418に表示する。ユーザは、この印刷データの選択画面及び印刷データの編集画面に基づいて、所望の印刷データを選択し、また、編集する。これにより、所望の印刷データを容易に生成して、ハンドヘルドプリンタ装置2に送信して印刷することができる。
通信回路412は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と間で通信を行う。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを形成する。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413をバスライン410に接続するインタフェースである。マイクロホン部415は、集音した音声に対応する電気信号である音声信号を形成する。スピーカ部416は、音声信号に対応する音楽又は音声等の音響出力を発音する。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイクロホン部415及びスピーカ部416との間で音声信号の入出力を処理する。
ディスプレイ418は、例えば液晶表示部又は有機EL(Electro Luminescence)表示部等で形成できる。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路420は、NFC又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、ディスプレイ418上に設けられており、ユーザの接触操作を検出する。
また、携帯端末装置1は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図2に示すCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
図3は、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置の外観構成を示す斜視図である。この図3に示すように、ハンドヘルドプリンタ装置2は、ユーザが片手で把持可能な箱型形状の筐体11を有している。筐体11の上面部2aには、電源ボタン12及び印刷開始ボタン13が設けられている。電源ボタン12及び印刷開始ボタン13は、発光ダイオードによる発光型の操作ボタンとなっている。
電源ボタン12の操作が行われてから、再度、操作されるまでの間が、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源投入期間となっている。電源ボタン12は、この電源投入期間中、点灯制御される。
また、印刷開始ボタン13は、携帯端末装置1からデータを受信した際のアンサーバックボタンも兼ねている。すなわち、印刷開始ボタン13は、携帯端末装置1から印刷データを受信した際、例えば5回等の所定回数、点滅制御される。これにより、ユーザに対して、印刷データの受信を通知する。
さらに、印刷開始ボタン13(電源ボタン12でもよい)は、上述の「印字待機モード」及び「印字モード」で、それぞれ異なる表示形態で点灯又は点滅制御される。表示形態としては、モード毎に異なる色で点灯又は点滅制御してもよいし、モード毎に点灯(点滅)輝度又は点滅間隔を変更制御してもよい。
また、ハンドヘルドプリンタ装置2の筐体11に設けられた表示部に、現在のモードを表示してもよいし、ハンドヘルドプリンタ装置2にスピーカ部を設け、現在のモードを示す音声を出力してもよい。
「印字待機モード」で印刷開始位置が決定されると「印字モード」に移行し、印刷開始ボタン13が操作されると、ハンドヘルドプリンタ装置2の操作に応じて印刷が行われる。ハンドヘルドプリンタ装置2の底面部2bには、インクジェット方式の記録ヘッドが設けられている。この記録ヘッドで、ユーザの移動操作に応じた印刷を行う。また、ハンドヘルドプリンタ装置2の操作方向(移動方向の一例)は、通常、図3に矢印で示す方向に固定されている。ユーザにより、この矢印の方向に筐体11が移動操作されると、記録ヘッドを介して印刷が行われる。
また、図3に矢印以外の方向に筐体11が移動操作された場合は、記録ヘッドの駆動が停止され、印刷は、行われない。なお、ユーザの操作方向に従って、全部の操作方向又は一部の操作方向で印刷を可能としてもよい(印刷方向の切り替え)。
また、図3に矢印で示す印刷方向に対応する筐体11の側面部2cに、矢印で示す印刷方向に突出するガイド部14が設けられている。このガイド部14は、長方形の長板形状を有しており、非印刷時には、筐体11の側面部2cに沿って収納部15に収納されている。印刷時に、ガイド部14の上端部にユーザが爪を引っ掛けて半円の矢印方向にガイド部14を倒すと、ガイド部14は、筐体11の側面部2cの底面部2bの近傍から操作方向に向かって突出した状態となる。
このガイド部14の幅は、一度の操作で印刷される幅を示している。また、ガイド部14の中心には、側面部2c側から操作方向に向かって伸びるセンターライン(CL)が設けられている。一例ではあるが、このセンターラインCLは、赤色で細線状のセンターラインCLとなっている。上述のように、ガイド部14の幅は、一度の操作で印刷される幅を示している。このため、センターラインCLは、一度の操作で印刷される幅の中心を示すようになる。従って、ユーザは、印刷を開始する箇所の中心に、このセンターラインCLを合わせてハンドヘルドプリンタ装置2の筐体を操作する。これにより、中心位置を合わせた状態で文字又は画像等の印刷を行うことができる。
また、このようなハンドヘルドプリンタ装置2は、非印刷時に底面部2bを被覆するヘッドキャップ16が設けられている。このヘッドキャップ16で底面部2bを被覆することで、非印刷時における記録ヘッドの極度の乾燥、及び、記録ヘッドに埃又はキズが付く不都合を防止することができる。
図4は、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置のハードウェア構成を示す図である。この図4に示すように、ハンドヘルドプリンタ装置2は、電源31、電源回路32、インクジェット記録ヘッド(IJ記録ヘッド)33、IJ記録ヘッド駆動回路34、制御部35、通信インタフェース(通信IF)36、OPU37、ナビゲーションセンサ38、ジャイロセンサ39、DRAM(ダイナミックRAM)40及びROM41を有している。
電源31は、充電可能な電池(二次電池)となっており、ハンドヘルドプリンタ装置2の駆動電源を発生する。電源回路32は、電源31からの電源を、必要な箇所に供給する。IJ記録ヘッド33(記録ヘッドの一例)は、インク(液体の一例)を吐出するノズル(吐出部の一例)を備え、記録媒体3(媒体の一例)に対して、インクジェット方式で当該ノズルからインク(液体の一例)を吐出する。IJ記録ヘッド駆動回路34(吐出制御部の一例)は、IJ記録ヘッド33が備えるノズルからのインクの吐出を制御して、記録媒体3に対して文字又は画像等を印刷する。制御部35は、ハンドヘルドプリンタ装置2全体の制御を行う。
通信IF36は、例えばブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信で、携帯端末装置1との間の無線通信を行う。OPU(Operation Panel Unit)37は、ハンドヘルドプリンタ装置2の状態を表示するLED、及び、ユーザが印刷開始を指示するためのスイッチ等を備えており、上述の電源ボタン12及び印刷開始ボタン13が含まれる。なお、OPU37は、液晶ディスプレイ又はタッチパネルを備えていてもよい。また、音声入力機能を備えていてもよい。
ナビゲーションセンサ38は、加速度センサを備えている。ナビゲーションセンサ38は、ハンドヘルドプリンタ装置2の操作時の加速度に基づいて、ハンドヘルドプリンタ装置2のX軸方向の移動量及びY軸方向の移動量を検出する。ジャイロセンサ39は、ハンドヘルドプリンタ装置2に加わる角速度を検出する。DRAM40及びROM41は、印刷データ及び印刷時におけるハンドヘルドプリンタ装置2の操作方向を示す操作方向情報等の記憶部となっている。また、ROM41には、印刷処理プログラム(印字処理プログラムの一例)及びIJ記録ヘッド33の駆動波形データが記憶されている。
このようなハンドヘルドプリンタ装置2において、携帯端末装置1から印刷データを受信すると、制御部35は、ナビゲーションセンサ38及びジャイロセンサ39からの入力情報に基づいて、IJ記録ヘッド33の各ノズルの位置を算出する。制御部35は、ハンドヘルドプリンタ装置2がユーザにより操作されている間、各ノズルの位置を継続して算出し、算出した位置に対応する印刷データのみを、DRAM40から取得する。そして、制御部35は、取得した画像の位置と各ノズルの位置とを比較し、両者が合致したと判断した際に、そのノズルの印刷データをIJ記録ヘッド駆動回路34に供給する。
IJ記録ヘッド駆動回路34は、IJ記録ヘッド33に対して、印刷データと共に印刷タイミング情報を供給する。IJ記録ヘッド33は、この印刷タイミング情報に基づいて、印刷データに対応するインクを、記録媒体3に吐出する。これにより、ユーザから指定された印刷データに対応する画像又は文字等が、記録媒体3に記録される。
ヘッドキャップ検出部43は、ハンドヘルドプリンタ装置2に対するヘッドキャップ16の装着及び非装着を検出する。本実施の形態では、ハンドヘルドプリンタ装置2は、タイマを有する。当該タイマは、時刻を計時して計時情報を制御部35に供給する。制御部35は、計時情報及びヘッドキャップ16の装着の有無に基づいてIJ記録ヘッド33の乾燥状態を監視し、所定のタイミング等で警告制御等を行う。
図5は、図4に示したハンドヘルドプリンタ装置の制御部の機能構成を説明するための図である。この図5に示すように、制御部35は、SoC(System on a Chip)部50及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)/FPGA(Field Programmable Gate Array)部70を有している。SoC部50及びASIC/FPGA部70は、互いのバスライン51、71を介して相互に接続されている。
SoC部50は、CPU(中央演算部)52の他、位置算出演算を行う位置算出回路53、例えばDRAM等の外部メモリに対する書き込み及び読み出しを制御するメモリコントローラ(メモリCTL)54、ROM41に対するデータの書き込み及び読み出しを制御するROMコントローラ(ROM CTL)55を有している。
ASIC/FPGA部70は、ナビゲーションセンサI/F72、印字/センサタイミング生成部73、IJ記録ヘッド制御部74、ジャイロセンサI/F75、イメージRAM(Image RAM)76、DMAC(Direct Memory Access Controller)77、回転器78及び割り込み制御部79を有している。
ナビゲーションセンサI/F72は、ハンドヘルドプリンタ装置2のX方向の移動量ΔX、及び、Y方向の移動量ΔYを、内部レジスタに格納する。ジャイロセンサI/F75は、ジャイロセンサ39から受信した角速度情報ωを、内部レジスタに格納する。印字/センサタイミング生成部73は、ナビゲーションセンサI/F部72にナビゲーションセンサ38の情報を読み取るタイミングを通知し、また、IJ記録ヘッド制御部74に、印字駆動タイミングを通知する。
DMAC(CACHE)77及び回転器78は、SoC部50の位置算出回路53で算出された位置情報に基づいて、IJ記録ヘッド33の各ノズル周辺の画像データをメモリ40(又はROM41)から読み出す。そして、DMAC(CACHE)77及び回転器78は、読み出した画像データを、IJ記録ヘッド33の位置及び傾きに応じて回転させ、IJ記録ヘッド制御部74に供給する。
イメージRAM76は、DMAC(CACHE)77により、メモリ40から読み出された印刷データを、一時的に格納する。IJ記録ヘッド制御部74は、IJ記録ヘッド駆動回路34に制御信号及び印刷データを供給する。割り込み制御部79は、ナビゲーションセンサI/F72とナビゲーションセンサ38との通信が完了した際に、SoC部50に対して両者の通信が完了した旨の通知を行う。また、割り込み制御部79は、SoC部50に対してエラー等のステータス通知も行う。
次に、図6を用いて、ハンドヘルドプリンタ装置2の印刷動作の流れを説明する。図6は、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置の印刷動作の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザはハンドヘルドプリンタ装置2の電源ボタン12を操作する(ステップS101)。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源31から各部に電源が供給され、SoC50(CPU52)は、各電子デバイスの初期化を実施し、各デバイスを立ち上げる(ステップS201、ステップS202)。初期化完了後、例えば電源ボタン12(LED:Light Emitting Diode)を点灯制御して、ユーザに対して印刷可能状態であることを通知する(ステップS203)。
ユーザは、例えばパーソナルコンピュータ装置又は携帯端末装置1等の画像入力機器から、上述のように印刷を行うデータの選択及び編集を行う(ステップS102)。携帯端末装置1は、上述の印刷データ生成プログラム(又は、プリンタドライバ)に基づいて、例えばTIFF(Tagged Image File Format)又はJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像データ(=上述の選択されたテキストデータ及びQRコード(登録商標)等)を無線通信する等の印刷ジョブを実行する(ステップS103)。ハンドヘルドプリンタ装置2のSoC50(CPU52)は、画像データを受信すると、例えば印刷開始ボタン13を点滅制御してユーザに通知する(ステップS204)。
ユーザは、印刷を行う記録媒体3上で、ハンドヘルドプリンタ装置2の初期位置を決定し(ステップS104)、印刷開始ボタン13を操作する(ステップS105)。その後、ユーザは、記録媒体3上を移動操作する。これにより、画像データに対応する画像が記録媒体3上に印刷される(ステップS106)。
ハンドヘルドプリンタ装置2のSoC50(CPU52)は、印刷開始ボタン13が操作されると、ナビゲーションセンサ38の位置の算出に必要な情報をリードするよう、ASIC/FPGA(Field-Programmable Gate Array)70内の各センサI/F部に通知する。ナビゲーションセンサ38及びジャイロセンサ39は、位置算出に必要な情報の検知を開始し、内蔵メモリに格納する(ステップS218)。
図7は、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタが有するナビゲーションセンサにおける位置の算出方法を説明するための図である。この図7に示すように、得られる角速度ωは、以下の(1)式に示すように、
であるため、サンプリング周期毎の角度Δθは、以下の(2)式に示すように、
となり、現在(時間t=0~N)の角度θは、以下の(3)式に示すように、
となる。
(2)式より得られたdθ及び(3)式より得られたたθを、以下の(4)式~(7)式に代入し、X1、Y1の原点からの二次元座標を算出する。
ナビゲーションセンサ38の座標を算出できれば、既知の演算に基づいて、予め機器のレイアウトが決まっている、メカニック的(物理的)なナビゲーションセンサ38とノズルの位置関係により、各ノズルの座標を算出することができる。
次に、ナビゲーションセンサI/F部72はナビゲーションセンサ38と通信し、ハンドヘルドプリンタ装置2のX方向の移動量ΔX、及び、Y方向の移動量ΔYをリードする。また、ジャイロセンサI/F部75はジャイロセンサ39と通信し、ハンドヘルドプリンタ装置2の角速度情報ωをリードする(ステップS205)。ナビゲーションセンサI/F部72及びジャイロセンサI/F部75は、リードした情報を初期位置とし、例えばX座標及びY座標を「0,0」とする(ステップS206)。その後、ASIC/FPGA70の内部のタイミング生成回路部で時間が計測される(ステップS207)。設定したセンサへのリードタイミング毎に(ステップS208)、ナビゲーションセンサI/F部72及びジャイロセンサI/F部75は、上述の各情報のリードを繰り返す(ステップS209)。
このとき、ナビゲーションセンサ38で検知する値(X方向とY方向の移動量)と、ジャイロセンサ39で検知する値(角速度ω)は、原点に対する現在の二次元位置座標の算出に必要であり、各情報(値)のリードのタイミングは同時であることが望ましい。
SoC50(CPU52)は、ASIC/FPGA70より情報をリードし、前回算出した位置(X,Y)と、今回リードした移動量(ΔX,ΔY)及び角速度ωから、ハンドヘルドプリンタ装置2の現在の位置を算出し、記憶部に格納する(ステップS210)。
SoC50(CPU52)は、算出したハンドヘルドプリンタ装置2の現在の位置情報をASIC/FPGA70に通知する。ASIC/FPGA70は、予め決まっている、ナビゲーションセンサ38とIJ記録ヘッド33の組み付け位置の関係から、IJ記録ヘッド33上の各ノズルの位置座標を算出する(ステップS211)。
ASIC/FPGA70のDMAC(CACHE)77及び回転器78は、位置情報に基づいて、IJ記録ヘッド33の各ノズル周辺の画像データを記憶部から読み出し、指定されたヘッドの位置及びヘッドの傾きに応じて回転させる(ステップS212)。この後、画像データと、各ノズル位置の座標比較を行い(ステップS213)、設定した吐出条件を満たすと判断した際に(ステップS214)、IJ記録ヘッド制御部74に画像データを供給する(ステップS215)。
このようなステップS208~ステップS215の各処理を繰り返し実行することで、記録媒体3上に画像を印刷制御する。そして、SoC50(CPU52)は、全画像の印刷が完了した際に(ステップS216)、電源ボタン12又は印刷開始ボタン13を点滅制御して、印刷完了をユーザに通知する(ステップS217)。
次に、図8を用いて、本実施の形態にかかる印刷システムの機能構成の一例について説明する。図8は、本実施の形態にかかる印刷システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
まず、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の機能構成の一例ついて説明する。本実施の形態にかかる携帯端末装置1は、CPU401が、ROM402に記憶されるアプリケーション(プログラム)を実行することによって、通信部801、検知部802、および表示制御部803を実現する。
通信部801は、ハンドヘルドプリンタ装置2と通信可能に接続され、ハンドヘルドプリンタ装置2との間で各種情報を送受信する通信部の一例である。具体的には、通信部801は、画像データをハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。また、通信部801は、後述する検知部802によって、記録媒体3に印刷する画像にカスレが発生することが検知された場合に、カスレ発生情報をハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。ここで、カスレ発生情報は、記録媒体3に対して印刷する画像に発生するカスレを検知したことを示す情報である。また、通信部801は、ハンドヘルドプリンタ装置2から、カスレ発生情報等を受信する。
検知部802は、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻とに基づいて、記録媒体3に対して印刷する画像におけるカスレの発生を検知する。具体的には、検知部802は、まず、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分を算出する。ここで、カスレ検知開始時刻は、携帯端末装置1において、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生の検知を開始する検知開始時刻の一例である。また、カスレ検知終了時刻は、携帯端末装置1において、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生の検知を終了する検知終了時刻の一例である。本実施の形態では、検知部802は、携帯端末装置1が有するタイマにより計時される計時情報およびハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマにより計時される計時情報の少なくとも一方を用いて、カスレ検知開始時刻およびカスレ検知終了時刻を取得する。
そして、検知部802は、算出した差分が、カスレ発生閾値を超えたか否かを判断する。ここで、カスレ発生閾値は、予め設定されている時間である。例えば、カスレ発生閾値は、IJ記録ヘッド33の乾燥等によって、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生する、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用の期間である。そして、検知部802は、算出した差分がカスレ発生閾値を超えた場合、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを検知する。一方、検知部802は、算出した差分がカスレ発生閾値以下である場合、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを検知しない。
表示制御部803は、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを検知した場合(すなわち、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分が、カスレ発生閾値を超えた場合)、ディスプレイ418(表示部の一例)に対して、カスレ防止アラームを表示する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用期間を短くすることができるので、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。
ここで、カスレ防止アラームは、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを通知する情報である。本実施の形態では、表示制御部803は、ポップアップ画面をカスレ防止アラームとしてディスプレイ418に表示する。これにより、携帯端末装置1において、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を確認できる。本実施の形態では、表示制御部803は、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生に対する対処方法を示すメッセージ、または当該対処方法のリンクを含むポップアップ画面を、カスレ防止アラームとして、ディスプレイ418に表示する。これにより、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生に対する対処方法をユーザが確認することができる。
また、表示制御部803は、通信部801によって、ハンドヘルドプリンタ装置2から、カスレ発生情報を受信した場合も、同様に、ディスプレイ418に対して、カスレ防止アラームを表示する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用期間を短くすることができるので、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。
本実施の形態では、表示制御部803は、カスレ防止アラームをディスプレイ418に表示することにより、ハンドヘルドプリンタ装置2により印刷される画像にカスレが発生することを通知しているが、これに限定するものではなく、例えば、スピーカ部416から出力する音によって、ハンドヘルドプリンタ装置2により印刷される画像にカスレが発生することを通知しても良い。
次に、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置2の機能構成の一例について説明する。本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置2は、CPU52が、ROM41に記憶されるプログラムを実行することにより、通信部811、検知部812、および表示制御部813を実現する。
通信部811は、携帯端末装置1と通信可能に接続され、携帯端末装置1との間で各種情報を送受信する通信部の一例である。具体的には、通信部811は、携帯端末装置1から、画像データやカスレ発生情報を受信する。また、通信部811は、後述する検知部812によって、記録媒体3に印刷する画像にカスレが発生することが検知された場合に、携帯端末装置1に対して、カスレ発生情報を送信する。
検知部812は、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻とに基づいて、記録媒体3に印刷する画像におけるカスレの発生を検知する。具体的には、検知部812は、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分を算出する。ここで、カスレ検知開始時刻は、ハンドヘルドプリンタ装置2において、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生の検知を開始する検知開始時刻の一例である。また、カスレ検知終了時刻は、ハンドヘルドプリンタ装置2において、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生の検知を終了する検知終了時刻の一例である。本実施の形態では、検知部812は、携帯端末装置1が有するタイマにより計時される計時情報およびハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマにより計時される計時情報の少なくとも一方を用いて、カスレ検知開始時刻およびカスレ検知終了時刻を取得する。
そして、検知部812は、算出した差分がカスレ発生閾値を超えた場合、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを検知する。一方、検知部812は、算出した差分がカスレ発生閾値以下である場合、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生を検知しない。
表示制御部813は、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを検知した場合(すなわち、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分が、カスレ発生閾値を超えた場合)、印刷開始ボタン13(表示部の一例)に対して、カスレ防止アラームを表示する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用期間を短くすることができるので、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。本実施の形態では、表示制御部813は、印刷開始ボタン13の表示形態を変化させることによって、カスレ防止アラームを印刷開始ボタン13に表示する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2のみで、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を確認できる。
本実施の形態では、表示制御部813は、カスレ防止アラームを印刷開始ボタン13に表示することにより、ハンドヘルドプリンタ装置2により印刷される画像にカスレが発生することを通知しているが、これに限定するものではなく、例えば、ハンドヘルドプリンタ装置2がスピーカ部を有する場合には、当該スピーカ部から出力する音によって、ハンドヘルドプリンタ装置2により印刷される画像にカスレが発生することを通知しても良い。
図9は、本実施の形態にかかる携帯端末装置におけるポップアップ画面の表示処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、表示制御部803は、CPU401がROM402に記憶されるアプリケーションを起動した際、図9に示すように、ハンドヘルドプリンタ装置2を操作用のホーム画面G1をディスプレイ418に表示する。そして、検知部802によって、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することが検知された場合、またはハンドヘルドプリンタ装置2からカスレ発生情報を受信した場合、表示制御部803は、図8に示すように、カスレ防止アラームとして、ポップアップ画面G2をディスプレイ418に表示する。
ポップアップ画面G2は、図8に示すように、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することを通知するメッセージ901を含む。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2のユーザがポップアップ画面G2を確認して、記録媒体3に印刷する画像のカスレに対処することで、記録媒体3に印刷される画像にカスレが発生することを防止できる。また、ポップアップ画面G2は、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生した場合の対処方法のリンク902を含んでいても良い。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2のユーザは、リンク902を利用して、画像のカスレの対処方法を見ることができるので、記録媒体3に印刷される画像にカスレが発生した場合でも、記録媒体3に印刷される画像のカスレに対処できる。
図10は、本実施の形態にかかる携帯端末装置におけるポップアップ画面の表示処理の他の例を説明するための図である。図11は、本実施の形態にかかる携帯端末装置から送信する評価データの一例を示す図である。本実施の形態では、記録媒体3に対して印刷する画像にカスレが発生することが検知された場合、表示制御部803は、図10に示すように、空打ち用の画像(以下、空打ち用テストパターンと言う)Pのデータ(空打ち用テストパターンの一例。以下、評価データと言う。)をハンドヘルドプリンタ装置2に送信することを通知するメッセージ1001を含むポップアップ画面G3をディスプレイ418に表示しても良い。
この場合、通信部801は、ハンドヘルドプリンタ装置2により印刷する画像データの送信に先立って、図9に示す空打ち用テストパターンPのデータである評価データを、ハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。そして、通信部801は、ハンドヘルドプリンタ装置2における空打ち用テストパターンPの記録媒体3への印刷終了後、画像データをハンドヘルドプリンタ装置2に送信する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2において画像データの印刷が行われる前に、空打ち用テストパターンPの印刷によって、記録媒体3に対して印刷される画像のカスレに対する対処が行われる。その結果、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。
ハンドヘルドプリンタ装置2の通信部811は、携帯端末装置1から評価データを受信する。そして、IJ記録ヘッド駆動回路34は、検知部812によって、カスレの発生を検知した場合、または携帯端末装置1からカスレ発生情報を受信した場合、画像データの記録媒体3に対する印刷に先立って、通信部811により受信した評価データに従って、空打ち用テストパターンを記録媒体3に印刷する。空打ち用テストパターンの記録媒体3への印刷終了後、IJ記録ヘッド駆動回路34は、画像データに従って、記録媒体3に対して画像を印刷する。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2において画像データの印刷が行われる前に、空打ち用テストパターンPの印刷によって、記録媒体3に対して印刷される画像のカスレに対する対処が行われる。その結果、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。
本実施の形態では、IJ記録ヘッド駆動回路34は、携帯端末装置1から受信する評価データを用いて、空打ち用テストパターンを記録媒体3に印刷しているが、評価データを予めハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶しておいても良い。そして、IJ記録ヘッド駆動回路34は、検知部812によりカスレの発生を検知した場合、または携帯端末装置1からカスレ発生情報を受信した場合、ハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶される評価データを用いて、空打ち用テストパターンを記録媒体3に印刷しても良い。
次に、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の検知部802によるカスレの検知処理の一例について説明する。
1つ目の例として、検知部802は、CPU401により実行されたアプリケーション(プログラムの一例)の前回の終了時刻を、カスレ検知開始時刻とし、かつ、CPU401により実行されたアプリケーションの今回の起動時刻を、カスレ検知終了時刻とすることが可能である。本実施の形態では、検知部802は、携帯端末装置1の端末情報(例えば、携帯端末装置1が有するタイマにより計時される計時情報)を用いて、アプリケーションの前回の終了時刻、アプリケーションの今回の起動時刻を取得する。
CPU401により実行されるアプリケーションとハンドヘルドプリンタ装置2とを通信可能に接続して記録媒体3に対して印刷を行う場合、当該アプリケーションが実行されていない期間が長くなると、ハンドヘルドプリンタ装置2において記録媒体3に印刷する画像にカスレが発生するリスクが高くなる。
そこで、本実施の形態では、検知部802は、アプリケーションの前回の終了時刻と、アプリケーションの今回の起動時刻と、の差分がカスレ発生閾値を超えたか否かにより、記録媒体3に印刷する画像のカスレを検知する。これにより、記録媒体3に印刷する画像のカスレを検知した場合、アプリケーションの起動時に、ポップアップ画面等のカスレ防止アラームを表示することができる。その結果、ハンドヘルドプリンタ装置2のユーザは、画像の印刷を行う前に、カスレの防止の対処を行うことができ、記録媒体3に対する画像の印刷への影響を軽減できる。また、ユーザ、アプリケーションの利用を開始するタイミングで、当該アプリケーションのみで、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を知ることができる。
2つ目の例として、検知部802は、ハンドヘルドプリンタ装置2による前回の印刷の終了時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、CPU401により実行されたアプリケーションの今回の起動時刻をカスレ検知終了時刻とすることが可能である。これにより、アプリケーションの利用を開始する際に、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生の有無を確認することができる。本実施の形態では、検知部802は、携帯端末装置1の端末情報、またはハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマにより計時される計時情報を用いて、ハンドヘルドプリンタ装置2による前回の印刷の終了時刻、およびアプリケーションの今回の起動時刻を取得する。
例えば、検知部802またはハンドヘルドプリンタ装置2は、ハンドヘルドプリンタ装置2による印刷が完了した時点の時刻情報(計時情報)を、携帯端末装置1またはハンドヘルドプリンタ装置2内に保存する。その後、ハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶される時刻情報を用いてカスレを検知する場合、検知部802は、ハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶される時刻情報を取得する。そして、検知部802は、取得した時刻情報が示す時刻(すなわち、前回の印刷の終了時刻)を、カスレ検知開始時刻として取得する。
3つ目の例として、検知部802は、ハンドヘルドプリンタ装置2における前回の印刷終了時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、ハンドヘルドプリンタ装置2における今回の印刷開始時刻をカスレ検知終了時刻とすることも可能である。これにより、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分を、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用期間により近づけることができるので、記録媒体3に印刷する画像のカスレを高精度に検知することができる。また、ユーザは、記録媒体3の印刷を開始する直前に、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生の有無を確認することができる。本実施の形態では、検知部802は、携帯端末装置1の端末情報、またはハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマにより計時される計時情報を用いて、ハンドヘルドプリンタ装置2による前回の印刷の終了時刻、およびハンドヘルドプリンタ装置2による今回の印刷の開始時刻を取得する。
図12は、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置におけるカスレ防止アラームの表示処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、検知部812によって、カスレの発生を検知した場合、または携帯端末装置1からカスレ発生情報を受信した場合、表示制御部813は、図12に示すように、ハンドヘルドプリンタ装置2が有する印刷開始ボタン13の表示形態を変化させる。これにより、ハンドヘルドプリンタ装置2のユーザが印刷開始ボタン13の表示形態の変化を確認して、記録媒体3に印刷する画像のカスレに対処することができるので、記録媒体3に印刷される画像にカスレが発生することを防止できる。
例えば、表示制御部813は、印刷開始ボタン13の表示色を赤等に変化させる。すなわち、表示制御部813は、記録媒体3に印刷する画像のカスレを検知した場合、印刷開始ボタン13の表示形態を、記録媒体3に印刷する画像のカスレが検知されていない場合の表示形態とは異なる表示形態に変化させる。
次に、本実施の形態にかかるハンドヘルドプリンタ装置2の検知部812によるカスレの検知処理の一例について説明する。
1つ目の例として、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源がオフされた時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源がオンされた時刻をカスレ検知終了時刻とすることが可能である。本実施の形態では、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマにより計時される計時情報を用いて、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源がオフおよびオンされた時刻を取得し、当該取得した時刻を、ハンドヘルドプリンタ装置2内に保存する。そして、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶される時刻を用いて、ハンドヘルドプリンタ装置2の電源がオフされた時刻、およびハンドヘルドプリンタ装置2の電源がオンされた時刻を取得する。
2つ目の例として、検知部812は、今回、携帯端末装置1(携帯端末装置1の通信部801)と通信可能に接続された時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、今回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻をカスレ検知終了時刻とすることも可能である。これにより、ユーザは、携帯端末装置1とハンドヘルドプリンタ装置2とが通信可能に接続されたタイミングで、記録媒体3に印刷される画像のカスレの発生の有無を確認できる。本実施の形態では、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマから、携帯端末装置1とハンドヘルドプリンタ装置2とが無線または有線により通信可能な状態に接続された時刻を取得して、記憶しておく。そして、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2内に記憶される時刻を用いて、前回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻、および、今回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻を取得する。
3つ目の例として、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2における前回の印刷終了時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、今回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻をカスレ検知終了時刻とすることも可能である。これにより、ユーザは、携帯端末装置1とハンドヘルドプリンタ装置2とが通信可能に接続されたタイミングで、記録媒体3に印刷される画像のカスレの発生の有無を確認できる。本実施の形態では、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマ、または携帯端末装置1から、ハンドヘルドプリンタ装置2における前回の印刷終了時刻、および、今回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻を取得する。そして、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2における前回の印刷終了時刻と、今回、携帯端末装置1と通信可能に接続された時刻と、を比較する。
4つ目の例として、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2における記録媒体3に対する前回の印刷終了時刻をカスレ検知開始時刻とし、かつ、ハンドヘルドプリンタ装置2における今回の印刷終了時刻をカスレ検知終了時刻とすることも可能である。本実施の形態では、検知部812は、ハンドヘルドプリンタ装置2が有するタイマ、または携帯端末装置1から、ハンドヘルドプリンタ装置2における前回および今回の印刷終了時刻を取得する。
次に、図13を用いて、本実施の形態にかかる印刷システムにおけるカスレ防止アラームの表示処理の流れの一例について説明する。図13は、本実施の形態にかかる印刷システムにおけるカスレ防止アラームの表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
携帯端末装置1のCPU401によってアプリケーションが実行されると、携帯端末装置1の通信部801は、有線または無線によって、ハンドヘルドプリンタ装置2と通信可能な状態に接続する(ステップS1201)。次いで、携帯端末装置1の検知部802は、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分が、カスレ発生閾値を超えたか否かに基づいて、ハンドヘルドプリンタ装置2により記録媒体3に印刷する画像におけるカスレの発生を検知する(ステップS1202)。
カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分がカスレ発生閾値を超え、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生を検知した場合、携帯端末装置1の表示制御部803は、ディスプレイ418に対して、カスレ防止アラームの一例としてポップアップ画面を表示する(ステップS1203)。
その後、携帯端末装置1の通信部801は、カスレ発生情報を、ハンドヘルドプリンタ装置2に送信する(ステップS1204)。ハンドヘルドプリンタ装置2の通信部811によって、カスレ発生情報を受信すると、ハンドヘルドプリンタ装置2の表示制御部813は、印刷開始ボタン13に対して、カスレ防止アラームを表示する(ステップS1205)。
次に、図14を用いて、本実施の形態にかかる印刷システムにおけるカスレ防止アラームの表示処理の流れの他の例について説明する。図14は、本実施の形態にかかる印刷システムにおけるカスレ防止アラームの表示処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。
携帯端末装置1のCPU401によってアプリケーションが実行されると、通信部801は、携帯端末装置1を、有線または無線によって、ハンドヘルドプリンタ装置2と通信可能な状態に接続する(ステップS1301)。
ハンドヘルドプリンタ装置2が、有線または無線によって、携帯端末装置1と通信可能な状態に接続されると、ハンドヘルドプリンタ装置2の検知部812は、カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分が、カスレ発生閾値を超えたか否かに基づいて、ハンドヘルドプリンタ装置2により記録媒体3に印刷する画像におけるカスレの発生を検知する(ステップS1302)。
カスレ検知開始時刻とカスレ検知終了時刻との差分がカスレ発生閾値を超え、記録媒体3に対して印刷する画像のカスレの発生を検知した場合、ハンドヘルドプリンタ装置2の表示制御部813は、印刷開始ボタン13に対して、カスレ防止アラームを表示する(ステップS1303)。
その後、ハンドヘルドプリンタ装置2の通信部811は、カスレ発生情報を、携帯端末装置1に送信する(ステップS1304)。携帯端末装置1の通信部801によって、カスレ発生情報を受信すると、携帯端末装置1の表示制御部803は、ディスプレイ418に対して、カスレ防止アラームの一例としてポップアップ画面を表示する(ステップS1305)。
このように、本実施の形態にかかる印刷システムによれば、ハンドヘルドプリンタ装置2の未使用期間を短くすることができるので、記録媒体3に印刷する画像のカスレの発生を防止することができる。
上記で説明した実施の形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
明細書中の検知部802,812による画像のカスレの発生の判断(検知)結果は、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
なお、本実施の形態の携帯端末装置1およびハンドヘルドプリンタ装置2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の携帯端末装置1およびハンドヘルドプリンタ装置2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の携帯端末装置1およびハンドヘルドプリンタ装置2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の携帯端末装置1およびハンドヘルドプリンタ装置2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態の携帯端末装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部801、検知部802、および表示制御部803)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU401(プロセッサの一例)が上記ROM402からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部801、検知部802、および表示制御部803が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施の形態のハンドヘルドプリンタ装置2で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部811、検知部812、および表示制御部813)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU52(プロセッサの一例)が上記ROM41からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部811、検知部812、および表示制御部813が主記憶装置上に生成されるようになっている。
1 携帯端末装置
2 ハンドヘルドプリンタ装置
3 記録媒体
13 印刷開始ボタン
33 IJ記録ヘッド
34 IJ記録ヘッド駆動回路
35 制御部
401 CPU
402,41 ROM
403 RAM
418 ディスプレイ
801,811 通信部
802,812 検知部
803,813 表示制御部
2 ハンドヘルドプリンタ装置
3 記録媒体
13 印刷開始ボタン
33 IJ記録ヘッド
34 IJ記録ヘッド駆動回路
35 制御部
401 CPU
402,41 ROM
403 RAM
418 ディスプレイ
801,811 通信部
802,812 検知部
803,813 表示制御部
Claims (19)
- コンピュータを、
液体を吐出する吐出部を備えた記録ヘッドと、前記吐出部による液体の吐出を制御して画像を媒体に印刷する吐出制御部と、を有する印刷装置と通信可能であり、前記画像の画像データを送信する通信部と、
前記画像のカスレの検知開始時刻と前記画像のカスレの検知終了時刻とに基づいて、前記画像のカスレの発生を検知する検知部と、
前記画像のカスレの発生を検知した場合、カスレ防止アラームを表示部に表示する表示制御部と、
して機能させるためのプログラム。 - 前記検知部は、前記画像のカスレの検知開始時刻と、前記画像のカスレの検知終了時刻と、の差分が、予め設定されるカスレ発生閾値を超えた場合に、前記画像のカスレの発生を検知する、請求項1に記載のプログラム。
- 前記通信部は、さらに、前記画像のカスレの発生を検知した場合、前記画像の画像データの送信に先立って、空打ち用テストパターンのデータを前記印刷装置に送信し、前記空打ち用テストパターンの前記媒体への印刷終了後、前記画像データを前記印刷装置に送信する、請求項1または2に記載のプログラム。
- 前記検知開始時刻は、前記プログラムの前回の終了時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記プログラムの今回の起動時刻である、請求項1から3のいずれか一に記載のプログラム。 - 前記検知開始時刻は、前記印刷装置における前回の印刷終了時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記プログラムの今回の起動時刻である、請求項1から3のいずれか一に記載のプログラム。 - 前記検知開始時刻は、前記印刷装置における前回の印刷終了時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記印刷装置における今回の印刷開始時刻である、請求項1から3のいずれか一に記載のプログラム。 - 前記カスレ防止アラームは、ポップアップ画面である、請求項1から6のいずれか一に記載のプログラム。
- 前記ポップアップ画面は、前記画像のカスレの発生に対する対処方法を示すメッセージを含む、請求項7に記載のプログラム。
- 表示部と、
液体を吐出する複数の吐出部を備えた記録ヘッドと、
情報処理装置と通信可能であり、前記情報処理装置から、媒体に印刷する画像の画像データを受信する通信部と、
前記画像データに従って、前記吐出部による液体の吐出を制御して前記画像を前記媒体に印刷する吐出制御部と、
前記画像のカスレの検知開始時刻と前記画像のカスレの検知終了時刻とに基づいて、前記画像のカスレの発生を検知する検知部と、
前記画像のカスレの発生を検知した場合、カスレ防止アラームを前記表示部に表示する表示制御部と、
を備える印刷装置。 - 前記検知部は、前記検知開始時刻と前記検知終了時刻との差分が、予め設定されるカスレ発生閾値を超えた場合に、前記画像のカスレの発生を検知する、請求項9に記載の印刷装置。
- 前記吐出制御部は、さらに、前記画像のカスレの発生を検知した場合、前記画像の前記媒体に対する印刷に先立って、空打ち用テストパターンを前記媒体に印刷し、前記空打ち用テストパターンの前記媒体への印刷終了後、前記画像を前記媒体に対して印刷する、請求項9または10に記載の印刷装置。
- 前記検知開始時刻は、前記印刷装置の電源がオフされた時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記印刷装置の電源がオンされた時刻である、請求項9から11のいずれか一に記載の印刷装置。 - 前記検知開始時刻は、前回、前記情報処理装置と通信可能に接続された時刻であり、
前記検知終了時刻は、今回、前記情報処理装置と通信可能に接続された時刻である、請求項9から11のいずれか一に記載の印刷装置。 - 前記検知開始時刻は、前記媒体に対する前記画像の前回の印刷が完了した時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記情報処理装置と通信可能となった時刻である、請求項9から11のいずれか一に記載の印刷装置。 - 前記検知開始時刻は、前記媒体に対する前記画像の前回の印刷が完了した時刻であり、
前記検知終了時刻は、前記媒体に対する前記画像の今回の印刷が完了した時刻である、請求項9から11のいずれか一に記載の印刷装置。 - 前記検知部は、前記情報処理装置が有するタイマにより計時される計時情報および前記印刷装置が有するタイマにより計時される計時情報の少なくとも一方を用いて、前記検知開始時刻および前記検知終了時刻を取得する、請求項9から15のいずれか一に記載の印刷装置。
- 前記表示制御部は、前記表示部の表示形態を変化させることによって、前記カスレ防止アラームを前記表示部に表示する、請求項9から16のいずれか一に記載の印刷装置。
- 請求項1から8のいずれか一に記載のプログラムを実行する情報処理装置。
- 請求項18記載の情報処理装置、および請求項9から17のいずれか一に記載の印刷装置を含む情報処理システム。
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