JP2022048529A - レーザセンサ、姿勢認識システム、およびミラー制御方法 - Google Patents

レーザセンサ、姿勢認識システム、およびミラー制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 MEMSミラーを同期させることができるレーザセンサ、ミラー制御方法、および姿勢認識システムを提供する。【解決手段】 レーザセンサは、発光装置のレーザ光の反射方向を、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸で走査するMEMSミラーと、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう同期制御部と、を備える。【選択図】 図5

Description

本件は、レーザセンサ、姿勢認識システム、およびミラー制御方法に関する。
発光素子、MEMSミラー、および受光素子を備えた複数のレーザセンサを同期させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。MEMSミラーについては、例えば、特許文献2などで開示されている。
特開2018-63228号公報 特開2004-177957号公報
MEMSミラーは、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸を利用して走査している。共振周波数は、MEMSミラーの個体ごとにバラツキが生じる場合がある。共振周波数の差が大きい複数のMEMSミラーを同期させようとすると、MEMSミラーが破損するおそれがある。
1つの側面では、本件は、MEMSミラーを同期させることができるレーザセンサ、ミラー制御方法、および姿勢認識システムを提供することを目的とする。
1つの態様では、レーザセンサは、発光装置のレーザ光の反射方向を、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸で走査するMEMSミラーと、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう同期制御部と、を備える。
他の態様では、姿勢認識システムは、発光装置のレーザ光の反射方向を共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸に走査するMEMSミラーを備える第1レーザセンサと第2レーザセンサと、前記第1レーザセンサおよび前記第2レーザセンサのセンシング結果を用いて測距対象の姿勢を認識する認識部と、を備え、前記第2レーザセンサは、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、前記第2レーザセンサのMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう。
MEMSミラーを同期させることができる。
実施形態に係る計測システムの全体構成を例示する概略図である。 TOF方式の説明図である。 (a)はスレーブフレームパルスを例示する図であり、(b)はスレーブラインパルスを例示する図であり、(c)はフレームパルスのタイミングに応じて生成される垂直駆動信号を例示する図であり、(d)はラインパルスのタイミングに応じて生成される水平駆動信号を例示する図である。 垂直方向の1往復の間の無効画素領域と有効画素領域との関係を例示する図である。 同期制御回路の詳細を例示するブロック図である。 姿勢認識システムの動作の一例を表すフローチャートである。 ステップS23の同期制御の一例を表すフローチャートである。 図7の同期制御が繰り返される場合のカウンタ値の変動を表す図である。 ステップS32~ステップS35の詳細を例示する図である。 ステップS32→ステップS33→ステップS36→ステップS35の詳細を例示する図である。 ステップS32→ステップS37→ステップS38→ステップS35の詳細を例示する図である。 ステップS32→ステップS37→ステップS39→ステップS35の詳細を例示する図である。 (a)および(b)は基準装置の駆動周期を例示する図である。 (a)~(d)は調整対象装置の駆動周期を例示する図である。 同期制御される場合の水平駆動信号について説明するための図である。 計測システムの適用例を例示する図である。 ハードウェア構成を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る姿勢認識システム300の全体構成を例示する概略図である。図1で例示するように、姿勢認識システム300は、複数のレーザセンサ100a,100b、制御装置200などを備える。複数のレーザセンサ100a,100bおよび制御装置200は、有線または無線によりネットワーク接続されている。
本実施形態においては、レーザセンサ100aがマスタとして機能し、レーザセンサ100bがスレーブとして機能するものとする。すなわち、レーザセンサ100aが同期制御の基準となる装置(以下、基準装置と称する)であり、レーザセンサ100bが同期制御の対象となる装置(以下、調整対象装置と称する)であるものとする。
レーザセンサ100bは、発光装置11、MEMSミラー12、受光レンズ13、受光素子14、メイン制御部20、基準クロック生成部30、同期制御部40、発光信号生成部50、レーザ発光部60、駆動信号生成部70、飛行時間測定部80などを備える。レーザセンサ100aも、レーザセンサ100bと同様の構成を有する。
発光装置11は、レーザ発光部60の指示に従ってレーザ光を出射する装置であり、半導体レーザなどの発光素子を備える。発光装置11は、一例として、所定のサンプリング周期でパルス光を出射する。発光信号生成部50は、レーザ発光部60を制御する。レーザ発光部60が発光装置11にパルス光の出射を指示するタイミングは、発光信号生成部50から飛行時間測定部80に送られる。すなわち、飛行時間測定部80は、パルス光の出射タイミングを取得する。
MEMSミラー12は、Micro Electro Mechanical Systemミラーであって、3次元に出射するレーザ光の角度を変化させるミラーである。MEMSミラー12は、2軸回転式のミラーであって、例えば水平軸の回転角度および垂直軸の回転角度が変化することによって、出射するレーザ光の角度が3次元に変化する。水平軸の回転角度を水平角度Hと称し、垂直軸の回転角度を垂直角度Vと称する。駆動信号生成部70は、MEMSミラー12の水平角度Hおよび垂直角度Vを指示する。発光装置11から出射されたパルス光は、MEMSミラー12の水平角度Hおよび垂直角度Vに応じて偏向される。
MEMSミラー12によって反射されたパルス光は、測距対象に照射され、散乱(反射)され、受光レンズ13に戻る。この戻り光は、受光レンズ13で集光され、受光素子14で受光される。
飛行時間測定部80は、TOF(Time OF Flight)方式を採用することによって、測距対象までの距離を測定する。図2は、TOF方式の説明図である。図2で例示するように、飛行時間測定部80は、発光装置11がレーザパルスを出射して戻り光が測距対象から戻ってくるまでの往復時間(ΔT)を計測し、光速を乗算することによって、測距対象までの距離を算出する。飛行時間測定部80は、発光装置11がパルス光を射出するごとに距離計測を行なうことができるため、サンプリング周期で距離計測を行なうことができる。
制御装置200は、レーザセンサ100aおよびレーザセンサ100bの動作タイミングを規定する基準クロック信号の周波数を、レーザセンサ100aおよびレーザセンサ100bに送信する。制御装置200から送信された周波数は、メイン制御部20が受信する。
レーザセンサ100aは、レーザセンサ100aのフレームパルス(マスタフレームパルス)およびラインパルス(マスタラインパルス)を、レーザセンサ100a内と外部とに送る。フレームパルスおよびラインパルスの詳細については、後述する。
メイン制御部20は、制御装置200から受信した周波数を基準クロック生成部30に送る。基準クロック生成部30は、受け取った周波数の基準クロック信号を生成する。基準クロック生成部30が生成した基準クロック信号は、メイン制御部20および同期制御部40に送られる。また、メイン制御部20は、マスタフレームパルスおよび調整閾値を同期制御部40に送る。また、メイン制御部20は、基準クロック信号を用いてフレームパルス(スレーブフレームパルス)およびラインパルス(スレーブラインパルス)を生成して駆動信号生成部70に送るとともに、スレーブフレームパルスを同期制御部40に送る。
同期制御部40は、受け取ったマスタフレームパルスおよび調整閾値に応じて、受け取ったスレーブフレームパルスを調整し、発光信号生成部50および駆動信号生成部70に送る。発光信号生成部50および駆動信号生成部70の動作タイミングは、メイン制御部20から受け取ったスレーブラインパルスと、調整部42から受け取ったスレーブフレームパルスとに応じて規定される。
MEMSミラー12は、垂直軸および水平軸の2軸で駆動することで、発光装置11からの反射光を走査範囲内で走査する。図3(a)は、メイン制御部20が出力するスレーブフレームパルス(垂直駆動タイミング信号)を例示する図である。フレームパルスは、MEMSミラー12が走査範囲の走査開始タイミングで出力される信号である。したがって、フレームパルスは、MEMSミラー12が走査範囲を1度走査するごとに出力される。
図3(b)は、メイン制御部20が出力するスレーブラインパルス(水平駆動タイミング信号)を例示する図である。ラインパルスは、MEMSミラー12が走査範囲の各ラインの走査開始タイミングで出力される信号である。したがって、ラインパルスは、MEMSミラー12が各ラインを1度走査するごとに出力される。本実施形態においては、走査範囲に1000本のラインが含まれている。したがって、フレームパルスの1周期に、ラインパルスが1000回出力されることになる。
図3(c)は、フレームパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される垂直駆動信号を例示する図である。図3(c)において、横軸は時間を表し、縦軸は垂直方向の相対走査角度を表す。縦軸の「-1」が、垂直方向の最も小さい走査角度を表している。縦軸の「1」が、垂直方向の最も大きい走査角度を表している。この垂直方向の相対走査角度が「-1」と「1」との間を往復することで、垂直方向の走査角度が一往復する。垂直方向の相対走査角度を1000分割した各角度は、各ラインに対応する。
図3(a)で例示するフレームパルスのタイミングから次のフレームパルスのタイミングまでに、垂直方向の走査角度の一往復が完了する。本実施形態においては、一例として、水平方向の往復が880回行われる間に、垂直方向の走査角度が「-1」から「1」まで線形変化する。その後、水平方向の往復が120回行われる間に、垂直方向の走査角度が「1」から「-1」に線形変化する。このように、水平方向の往復が1000回行われる間に、垂直方向の往復が1回行われる。垂直方向の往復が繰り返される周波数は約28Hzであり、水平方向の往復が繰り返される周波数は約28kHzである。
図3(d)は、ラインパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される水平駆動信号を例示する図である。図3(d)において、横軸は時間を表し、縦軸は水平方向の相対走査角度を表す。縦軸の「-1」が、水平方向の最も小さい走査角度を表している。縦軸の「1」が、水平方向の最も大きい走査角度を表している。この水平方向の相対走査角度が「-1」と「1」との間を往復することで、水平方向の走査角度が一往復する。水平駆動信号は、正弦波となる。
図3(b)で例示するラインパルスのタイミングから次のラインパルスのタイミングまでに、水平方向の走査角度の一往復が完了する。本実施形態においては、一例として、「0.95」から「-0.95」までの往路で40点のサンプリング(距離計測)が行われ、次の「-0.95」から「0.95」までの復路で40点のサンプリング(距離計測)が行われる。サンプリング間隔は、一例として、320nsである。
図4は、このような垂直方向の1往復の間の、無効画素領域と有効画素領域との関係を例示する図である。図4の例は、ラスター走査仕様を表している。有効画素領域とは、サンプリングが行われる領域である。無効画素領域とは、サンプリングが行われない領域である。したがって、無効画素領域では、発光装置11が発光していない。図4で例示するように、無効ラインは200ラインとなり、有効ラインは800ラインとなる。また、水平往路の一部が有効画素領域となり、水平復路の一部が有効画素領域となる。
各ラインパルスは、基準クロック信号の各パルスに対応して生成される。したがって、基準クロック信号の周期で、ラインパルスが生成され、水平方向の走査角度が一往復する。基準クロック信号の1000回分のパルス周期で、フレームパルスが生成され、垂直方向の走査角度が一往復する。
MEMSミラー12は、走査速度を大きくしかつ駆動角度を大きくするために、水平軸および垂直軸の2軸のうち少なくとも1軸については、通常共振を利用している。本実施形態においては、一例として、往復回数が多い水平方向に通常共振が利用されている。共振周波数は、製造時のバラツキにより個体差が生じる場合がある。したがって、たとえば、水平共振および垂直非共振でラスタースキャンを行った場合、個体毎に水平方向の走査速度が異なり、フレームレートが異なるおそれがある。水平方向の共振周波数の大きく異なる2つのMEMSミラー12を同期させる場合、水平方向の振り角が十分に得られないばかりか、当該2つのMEMSミラー12の破壊を引き起こすおそれがある。一方で、共振周波数の近いMEMSミラー12を一定数用意することは、製造精度上困難である。
そこで、本実施形態においては、複数のレーザセンサ間でMEMSミラー12の個体差に起因する共振点のズレを補正し、複数のレーザセンサ間でMEMSミラーを同期させる構成を有している。
図5は、同期制御部40の詳細を例示するブロック図である。図5で例示するように、同期制御部40は、カウンタ41および調整部42を備える。カウンタ41は、レーザセンサ100aのマスタフレームパルスおよび基準クロック信号を受け取る。調整部42は、基準クロック信号および調整閾値を受け取る。
カウンタ41は、基準クロック信号のパルスをカウントする。初期設定では、カウント値の最小値は0であり、カウント値の最大値(カウンタ値)は999である。このように、カウンタ41は、基準クロック信号のカウンタ値分のパルスをカウントする。カウント値がカウンタ値に到達すると次はまた0に戻る。したがって、カウント値は、0からカウンタ値までの値をとることになる。カウンタ41は、基準装置であるレーザセンサ100aからマスタフレームパルスを受け取った時点でのカウント値を調整部42に送る。なお、基準装置であるレーザセンサ100aは、基準クロック信号の1000回分のパルスを1周期としてマスタフレームパルスを出力してくる。例えば、レーザセンサ100aでもレーザセンサ100bでも、カウント値が0のタイミングでフレームパルスを出力するものとする。レーザセンサ100aとレーザセンサ100bとが同期していれば、レーザセンサ100aのカウント値が0となるタイミングでレーザセンサ100bのカウント値も0となっている。しかしながら、レーザセンサ100aとレーザセンサ100bとが同期していなければ、レーザセンサ100aのカウント値とレーザセンサ100bのカウント値との間に差異が生じることになる。
調整部42は、カウンタ41から受け取ったカウント値から、レーザセンサ100aとレーザセンサ100bと間の位相進遅量を算出する。例えば、レーザセンサ100aではカウント値が0のタイミングでマスタフレームパルスが出力されるため、調整部42が受け取るカウント値が0以外であれば、位相差が生じていることになる。そこで、調整部42は、算出した位相進遅量に応じて、カウンタ値を調整する。更新されたカウンタ値は、カウンタ41にフィードバックされ、再度次回のマスタフレームパルス(レーザセンサ100aのフレームパルス)との比較に使用される。
調整部42は、調整したカウンタ値と基準クロック信号とを用いて、メイン制御部20から受け取ったフレームパルスを調整する。具体的には、調整後のカウンタ値を用いてカウンタ41がカウントした場合にカウント値が0となるタイミングでフレームパルスが出力されるようにする。
図6は、姿勢認識システム300の動作の一例を表すフローチャートである。図6で例示するように、制御装置200は、周波数をレーザセンサ100aおよびレーザセンサ100bに送信する(ステップS1)。
レーザセンサ100aのメイン制御部20は、制御装置200から受信した周波数の基準クロック信号を用いてマスタラインパルスを生成し(ステップS11)、マスタフレームパルスを生成する(ステップS12)。レーザセンサ100aのメイン制御部20は、マスタフレームパルスをレーザセンサ100bに転送する(ステップS13)。その後、レーザセンサ100aにおいて、レーザ発光部60はサンプリング周期でパルス光を出射し、駆動信号生成部70はマスタフレームパルスおよびマスタラインパルスに応じて駆動信号を生成してMEMSミラー12を制御する。すなわち、レーザセンサ100aでは、同期制御部40による同期制御が行われない。レーザセンサ100aでは、飛行時間測定部80は、サンプルリング周期で距離測定を行なう(ステップS14)。距離測定の結果は、制御装置200に送られる。
レーザセンサ100bのメイン制御部20は、制御装置200から受信した周波数の基準クロック信号を用いてスレーブラインパルスを生成し(ステップS21)、スレーブフレームパルスを生成する(ステップS22)。次に、同期制御部40は、同期処理を行なう(ステップS23)。それにより、スレーブフレームパルスが調整される。
その後、レーザセンサ100bにおいて、レーザ発光部60はサンプリング周期でパルス光を出射し、駆動信号生成部70はスレーブフレームパルスおよびスレーブラインパルスに応じて駆動信号を生成してMEMSミラー12を制御する。飛行時間測定部80は、サンプルリング周期で距離測定を行なう(ステップS24)。距離測定の結果は、制御装置200に送られる。
制御装置200は、ステップS14の距離測定の結果およびステップS24の距離測定の結果を用いて測距対象の3次元の形状を再現することで、当該測距対象の姿勢を認識する(ステップS2)。
図7は、ステップS23の同期制御の一例を表すフローチャートである。図7で例示するように、レーザセンサ100bのカウンタ41は、レーザセンサ100aからのマスタフレームパルスが入力されたタイミングでの、レーザセンサ100bのスレーブフレームパルスのカウント値を取得する(ステップS31)。取得されたカウント値は、現行カウント値として調整部42に送られる。
次に、調整部42は、現行カウント値が最大値(初期値は999)の半分未満であるか否かを判定する(ステップS32)。カウント値が0であれば、レーザセンサ100aとレーザセンサ100bとが同期していることになる。0<カウント値<最大値の半分であれば、レーザセンサ100bのフレームパルスのタイミングがレーザセンサ100aのフレームパルスのタイミングよりも進んでいることになる。
ステップS32で「Yes」と判定された場合、調整部42は、現行カウント値が調整閾値未満であるか否かを判定する(ステップS33)。現行カウント値が調整閾値未満であれば、レーザセンサ100bのフレームパルスがレーザセンサ100aのフレームパルスよりも進んでいる量が少ないことになる。現行カウント値が調整閾値以上であれば、レーザセンサ100bのフレームパルスがレーザセンサ100aのフレームパルスよりも進んでいる量が多いことになる。
ステップS33で「Yes」と判定された場合、調整部42は、旧カウンタ値と現行カウント値との合計を新カウンタ値とする(ステップS34)。旧カウンタ値とは、前回に図7のフローチャートが実行されたときのカウンタ値のことである。図7のフローチャートの初回実行時には、旧カウンタ値は初期カウンタ値のことであり、999に設定されている。カウンタ値を大きくすることでカウンタ41のカウント値が0に戻るタイミングが遅れ、結果的にスレーブフレームパルスが生成されるタイミングが遅れることになる。それにより、レーザセンサ100bのフレームパルスのタイミングとレーザセンサ100aのフレームパルスのタイミングとの差異が小さくなる。
次に、調整部42は、新カウンタ値に基づいてスレーブフレームパルスを生成する(ステップS35)。その後、フローチャートの実行が終了する。
ステップS33で「No」と判定された場合、調整部42は、旧カウンタ値と調整閾値との合計を新カウンタ値とする(ステップS36)。その後、ステップS35が実行される。
ステップS32で「No」と判定された場合、調整部42は、現行カウント値が(初期カウンタ値-調整閾値)未満であるか否かを判定する(ステップS37)。現行カウント値が(初期カウンタ値-調整閾値)未満であれば、レーザセンサ100bのフレームパルスがレーザセンサ100aのフレームパルスよりも遅れている量が少ないことになる。現行カウント値が(初期カウンタ値-調整閾値)未満)以上であれば、レーザセンサ100bのフレームパルスがレーザセンサ100aのフレームパルスよりも遅れている量が多いことになる。
ステップS37で「Yes」と判定された場合、調整部42は、旧カウンタ値から調整閾値を差し引いた値を新カウンタ値とする(ステップS38)。その後、ステップS35が実行される。
ステップS37で「No」と判定された場合、調整部42は、旧カウンタ値から、(初期カウンタ値から現行カウント値を差し引いた値)を差し引いた値を新カウンタ値とする(ステップS39)。その後、ステップS35が実行される。
図8は、図7の同期制御が繰り返される場合のカウンタ値の変動を表す図である。まず、初期カウンタ値は、999に設定されている。図7の同期制御が行われると、カウンタ値が調整される。同期制御が繰り返されるとカウンタ値がその都度調整される。
図9は、ステップS32~ステップS35の詳細を例示する図である。旧カウンタ値を初期カウンタ値(999)とし、調整閾値を30とする。現行カウント値Xが500未満であれば、レーザセンサ100bのスレーブフレームパルスがレーザセンサ100aのマスタフレームパルスに対して進んでいると判断される。現行カウント値Xが調整閾値未満であれば、図9で例示するように、旧カウンタ値と現行カウント値Xとの合計が新カウンタ値とされる。例えば、旧カウンタ値が初期カウンタ値(999)であって現行カウント値が20であるので、新カウンタ値は1019となる。この場合、1019までカウントされるまでスレーブフレームパルスが出力されないことになり、スレーブフレームパルスが出力されるタイミングを遅らせることができる。
図10は、ステップS32→ステップS33→ステップS36→ステップS35の詳細を例示する図である。旧カウンタ値を初期カウンタ値(999)とし、調整閾値を30とする。現行カウント値Xが500未満であれば、レーザセンサ100bのスレーブフレームパルスがレーザセンサ100aのマスタフレームパルスに対して進んでいると判断される。この場合、現行カウント値Xが調整閾値以上であれば、図10で例示するように、旧カウンタ値と調整閾値との合計が新カウンタ値とされる。例えば、旧カウンタ値が初期カウンタ値(999)であって調整閾値が30であるので、新カウンタ値は1029となる。この場合、1029までカウントされるまでスレーブフレームパルスが出力されないことになり、スレーブフレームパルスが出力されるタイミングを遅らせることができる。
図11は、ステップS32→ステップS37→ステップS38→ステップS35の詳細を例示する図である。旧カウンタ値を初期カウンタ値(999)とし、調整閾値を30とする。現行カウント値Xが500以上であれば、レーザセンサ100bのスレーブフレームパルスがレーザセンサ100aのマスタフレームパルスに対して遅れていると判断される。現行カウント値Xが(旧カウンタ値-調整閾値)未満であれば、図11で例示するように、旧カウンタ値から調整閾値が差し引いた値が新カウンタ値とされる。例えば、旧カウンタ値が初期カウンタ値(999)であって現行カウント値が19であるので、新カウンタ値は980となる。この場合、980までカウントされるとスレーブフレームパルスが出力されることになるため、スレーブフレームパルスが出力されるタイミングを早めることができる。
図12は、ステップS32→ステップS37→ステップS39→ステップS35の詳細を例示する図である。旧カウンタ値を初期カウンタ値(999)とし、調整閾値を30とする。現行カウント値Xが500以上であれば、レーザセンサ100bのスレーブフレームパルスがレーザセンサ100aのマスタフレームパルスに対して遅れていると判断される。この場合、現行カウント値Xが(旧カウンタ値-調整閾値)以上であれば、図12で例示するように、旧カウンタ値から、(旧カウンタ値から現行カウント値を差し引いた値)を差し引いた値が新カウンタ値とされる。例えば、旧カウンタ値が初期カウンタ値(999)であって調整閾値が30であるので、新カウンタ値は969となる。この場合、969までカウントされるとスレーブフレームパルスが出力されることになり、スレーブフレームパルスが出力されるタイミングを早めることができる。
図13(a)および図13(b)は、基準装置であるレーザセンサ100aの駆動周期を例示する図である。図13(a)は、ラインパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される水平駆動信号を例示する図である。図13(b)は、フレームパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される垂直駆動信号を例示する図である。図13(a)で例示するように、水平駆動信号は、akHzの周波数を有しているものとする。この場合、図13(b)で例示するように、垂直駆動信号の周波数は、a/1000kHzとなる。
図14(a)および図14(b)は、調整対象装置であるレーザセンサ100bの駆動周期を例示する図である。図14(a)は、ラインパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される水平駆動信号を例示する図である。図14(b)は、フレームパルスのタイミングに応じて駆動信号生成部70で生成される垂直駆動信号を例示する図である。図14(a)で例示するように、水平駆動信号は、bkHzの周波数を有しているものとする。この場合、図14(b)で例示するように、垂直駆動信号の周波数は、b/1000kHzとなる。
本実施例では、a≠bである場合に、レーザセンサ100bのMEMSミラー12の非共振の駆動周期を、レーザセンサ100aのMEMSミラー12の非共振の駆動周期と同期させることになる。同期の際には水平駆動信号の駆動周期のカウント値である現行カウント値Xが用いられる。したがって、図14(d)で例示するように、レーザセンサ100bのMEMSミラー12の垂直駆動信号の周波数が、レーザセンサ100aのMEMSミラー12の垂直駆動信号の周波数と一致するようになる。
図15は、同期制御される場合の水平駆動信号について説明するための図である。図15の上段は、同期制御される前の水平駆動信号を例示する図である。図15の中段は、水平駆動信号の駆動周期に合わせて同期制御された後の水平駆動信号を例示する図である。水平駆動信号の駆動周期に合わせて同期制御すれば、水平駆動信号は安定する。これに対して、図15の下段は、水平駆動信号の駆動周期から外れて同期制御された後の水平駆動信号を例示する図である。水平駆動信号の駆動周期から外れて同期制御すると、水平駆動信号が異常となりやすく、MEMSミラー12が不安定となる。また、MEMSミラー12の動作が安定動作に戻るまでの時間も長くなってしまう。
以上のように、本実施例によれば、レーザセンサ100bのMEMSミラー12の非共振方向の駆動周期を、共振方向の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、レーザセンサ100aのMEMSミラー12の非共振方向の駆動周期と同期させる制御が行われる。この構成によれば、複数のMEMSミラー12間で共振周波数に個体差があっても、MEMSミラー12の破損や不安定動作を抑制しつつ、MEMSミラー12を同期させることができる。
また、本実施例によれば、レーザセンサ100aの無効画素領域のタイミングでレーザセンサ100bの同期制御が行われる。すなわち、レーザセンサ100aで発光していないタイミングでレーザセンサ100bの同期制御が行われる。したがって、レーザセンサ100aとレーザセンサ100bとの間で、光の干渉を抑制することができる。
図16は、姿勢認識システム300の適用例を例示する図である。図16で例示するように、複数のレーザセンサ100a~100dを設置する。これらのレーザセンサ100a~100dは、姿勢認識対象物(図16の例では体操選手)を取り囲むように設置される。選手自身の体の一部や、器具によって、陰ができ、選手の体の3Dデータが取得できない部分が生じるおそれがある。そこで、選手の表裏から挟み込むようにレーザセンサ100a~100dを設置する。それにより、選手の詳細な3Dデータ(姿勢)を測定することができる。このように向かい合うことにより、より干渉が乗りやすくなるので、上記実施形態のような同期技術を用いて干渉を回避することができるようになる。
図17は、メイン制御部20、基準クロック生成部30、同期制御部40、発光信号生成部50、レーザ発光部60、駆動信号生成部70、および飛行時間測定部80のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図17で例示するように、これらの各部は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などによって実現される。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムを実行することによって、メイン制御部20、基準クロック生成部30、同期制御部40、発光信号生成部50、レーザ発光部60、駆動信号生成部70、および飛行時間測定部80が実現される。なお、メイン制御部20、基準クロック生成部30、同期制御部40、発光信号生成部50、レーザ発光部60、駆動信号生成部70、および飛行時間測定部80は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。例えば、同期制御部40、発光信号生成部50および駆動信号生成部70がFPGAによって実現されてもよい。または、メイン制御部20、基準クロック生成部30、同期制御部40、発光信号生成部50、レーザ発光部60、駆動信号生成部70、および飛行時間測定部80は、専用の回路などであってもよい。
上記各例において、MEMSミラー12が、発光装置のレーザ光の反射方向を、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸で走査するMEMSミラーの一例である。同期制御部40が、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう同期制御部の一例である。レーザセンサ100aが第1レーザセンサの一例であり、レーザセンサ100bが第2レーザセンサの一例である。制御装置200が、前記第1レーザセンサおよび前記第2レーザセンサのセンシング結果を用いて測距対象の姿勢を認識する認識部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
11 発光装置
12 MEMSミラー
13 受光レンズ
14 受光素子
20 メイン制御部
30 基準クロック生成部
40 同期制御部
41 カウンタ
42 調整部
50 発光信号生成部
60 レーザ発光部
70 駆動信号生成部
80 飛行時間測定部
100a,100b レーザセンサ
200 制御装置
300 姿勢認識システム

Claims (6)

  1. 発光装置のレーザ光の反射方向を、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸で走査するMEMSミラーと、
    前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう同期制御部と、を備えることを特徴とするレーザセンサ。
  2. 前記第1軸の駆動周期は、クロック信号のパルス周期に応じて決定され、
    前記同期制御部は、前記第2軸の駆動周期を、前記クロック信号のパルス周期単位で調整することを特徴とする請求項1に記載のレーザセンサ。
  3. 前記同期制御部は、前記第2軸の駆動周期の位相と、前記他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの第2軸の駆動周期の位相との差異量に応じて、前記第2軸の駆動周期の調整量を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザセンサ。
  4. 前記同期制御部は、前記他のレーザセンサの発光装置が発光していないときに、前記第2軸の駆動周期を、前記他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザセンサ。
  5. 発光装置のレーザ光の反射方向を、共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸に走査するMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期を、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、他のレーザセンサに搭載されたMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう、ことを特徴とするミラー制御方法。
  6. 発光装置のレーザ光の反射方向を共振方向の第1軸および非共振方向の第2軸に走査するMEMSミラーを備える第1レーザセンサと第2レーザセンサと、
    前記第1レーザセンサおよび前記第2レーザセンサのセンシング結果を用いて測距対象の姿勢を認識する認識部と、を備え、
    前記第2レーザセンサは、前記第1軸の駆動周期に基づいて決定されるタイミングを用いて、前記第2軸の駆動周期を、前記第2レーザセンサのMEMSミラーの前記第2軸の駆動周期と同期させる制御を行なう、ことを特徴とする姿勢認識システム。
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