JP2022048456A - 車両用表示装置 - Google Patents

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晃一 村田
Koichi Murata
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Erika Hori
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Tomonori Otsubo
慶暁 松葉
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【課題】ドライバーがより違和感を覚えにくい画像を表示できる車両用表示装置を提供する。【解決手段】撮影部2により撮影された画像を投影面に投影して仮想視点VPから見た画像であるビュー画像に変換する画像処理部3と、ビュー画像を表示する表示部4とを設ける。車両を囲む円状の平面投影面P1と当該平面投影面P1の円周から上方に立ち上がる立体投影面P2とで構成される面を投影面Pに設定し、平面投影面P1の円の中心に対応する車室内の点を仮想視点VPに設定する。【選択図】図7

Description

本発明は、車両周辺の画像を表示するために車両に搭載された車両用表示装置に関するものである。
従来、ドライバーに車両の周囲の状況を知らせるための装置として、車両に搭載されたカメラで撮影した画像を車両に搭載された表示部に表示する装置が知られている。
例えば、特許文献1には、被牽引車両を連結可能な牽引車両に設けられた装置であって、牽引車両の周囲を撮影するカメラを有し、当該カメラにより撮影された画像をお椀形状の仮想投影面に投影することで3次元合成画像を生成するとともに、この3次元合成画像を所定の視点から見た画像を生成して、所定の視点から見た3次元合成画像を表示部に表示させるものが開示されている。この装置では、仮想投影面が、牽引車両を中心とする略円形の平坦な底面と、底面の外周縁から上方に立ち上がる側面とで構成されるとともに、視点が牽引車両を中心とする円の円周に沿って移動するように構成されている。
特開2019-97077号公報
前記のように、特許文献1の装置では、仮想投影面の底面の中心が牽引車両に設定されるのに対して、視点は牽引車両を中心とする円周上に設定される。つまり、この装置では、仮想投影面の底面の中心位置と視点の位置とが平面視で異なっており、視点から仮想投影面の底面の外周までの距離が当該底面の周方向について不均一となる。これより、この装置では、表示部に表示される画像の水平方向のゆがみが大きくなりやすく、ドライバーが画像に対して違和感を覚えるおそれがある。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、ドライバーが違和感を覚えにくい画像を表示できる車両用表示装置の提供を目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の車両用表示装置は、車両周辺の画像を表示するために車両に搭載された車両用表示装置において、前記車両の周辺を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像を投影面に投影して仮想視点から見た画像であるビュー画像に変換する画像処理部と、前記ビュー画像を表示する表示部とを備え、前記画像処理部は、前記車両を囲む円状の平面投影面と当該平面投影面の円周から上方に立ち上がる立体投影面とで構成される面を前記投影面に設定し、且つ、前記平面投影面の円の中心に対応する車室内の点を前記仮想視点に設定する、ことを特徴とする。
この装置では、平面投影面が、仮想視点つまり表示部に表示される画像の視点を中心とする円状とされて、立体投影面がこの平面投影面の円周から上方に立ち上がる面とされる。そのため、表示部に表示されるビュー画像の視点から平面投影面と立体投影面との境界ラインまでの距離が前記視点回りについて一定になるとともに、当該視点から立体投影面までの距離が視点回りについてより確実に均等になる。従って、ビュー画像の水平方向の歪みが小さく抑えられて、ドライバーに対して違和感の少ない画像を表示できる。
前記構成において、好ましくは、前記画像処理部は、前記立体投影面の前記平面投影面と平行な面における各断面を、平面視で前記仮想視点を中心とする同心円状に設定する(請求項2)。
この構成によれば、ビュー画像の視点から立体投影面までの距離が視点回りについて均等になることで、立体投影面に投影された画像の水平方向についての歪みがより確実に小さく抑えられる。
前記構成において、好ましくは、前記仮想視点の位置を変更する仮想視点変更部を備え、前記画像処理部は、前記仮想視点変更部により前記仮想視点の位置が変更された場合、前記投影面を、変更後の前記仮想視点の位置を中心とする円状の平面投影面と、当該平面投影面の外周から上方に立ち上がる立体投影面とで構成される面に変更する(請求項3)。
この構成によれば、仮想視点の位置が変更された場合であっても、平面投影面の中心に仮想視点がくるように投影面が変更される。そのため、仮想視点を変更可能としつつドライバーが違和感の覚えにくい画像を表示できる。
前記構成において、好ましくは、前記画像処理部は、前記車両のドライバーが前記車両を前進させる操作をしている時は、前記仮想視点から車両前方を見た時の画像を前記ビュー画像として生成し、前記車両のドライバーが前記車両を後進させる操作をしている時は、前記仮想視点から車両後方を見た時の画像を前記ビュー画像として生成し、前記仮想視点変更部は、前記車両のドライバーが前記車両を後進させる操作をしている時の方が前記車両を前進させる操作をしている時よりも前記仮想視点の位置が車両前側になるように、前記仮想視点の位置を変更する(請求項4)。
この構成によれば、車両の前進操作時に車両の前方の画像が表示部に表示され、車両の後進操作時に車両の後方の画像が表示部に表示される。つまり、車両の進行方向の前側の画像が表示部に表示される。しかも、この構成では、車両の前進操作時は仮想視点の位置がより後側の位置とされ、車両の後進操作時は仮想視点の位置がより前側の位置とされる。これより、車両の前進操作時と車両の後進操作時とで、表示部に表示される画像の画角を同じあるいは近い画角としつつ車両の進行方向の前側のより広範囲にわたる画像を表示部に表示させることができ、ドライバーに対して有用な画像を提供できる。
前記構成において、好ましくは、前記仮想視点の位置の変更前後において、前記平面投影面の半径は同じ値に設定される(請求項5)。
この構成によれば、仮想視点の位置の変更前後で、仮想視点から立体投影面までの水平方向の離間距離が変化しない。そのため、仮想視点の変更前後でドライバーは画像の見方を変更する必要がない。従って、仮想視点の変更後のビュー画像をドライバーにより早期に認識させることができる。
以上のように、本発明によれば、ドライバーがより違和感を覚えにくい画像を表示できる車両用表示装置を提供できる。
本発明の一実施形態にかかる車両用表示装置を備えた車両の平面図である。 車両における車室の前部を後方から見た斜視図である。 車両用表示装置の制御系統を示すブロック図である。 後方ビュー表示条件の成立時の仮想視点の位置等を説明するための図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 前方ビュー表示条件の成立時の仮想視点の位置等を説明するための図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 車室の前部を側方から見た側面図である。 車室内に設定される仮想視点と投影面とを示す斜視図である。 人間の注視安定視野について説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 撮影画像からビュー画像を生成する際の処理を説明するための模式図であり、(a)は投影面よりも仮想視点から遠い撮影対象を撮影する場合を、(b)は投影面よりも仮想視点に近い撮影対象を撮影する場合を、それぞれ示している。 後方ビュー画像の一例を示す図である。 車両の運転中に画像処理部により実行される制御の内容を示すフローチャートである。 本発明の作用効果を説明するための平面図である。 仮想視点と投影面と撮影対象との関係を示した側面図であり、(a)は本実施形態における関係、(b)は比較例における関係を、それぞれ示している。 投影面に投影された画像を示した図であり、(a)は本実施形態の画像、(b)は比較例の画像を、それぞれ示している。
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる車両用表示装置1(以下、表示装置1という)であって車両の周辺を表示するための表示装置1が搭載された車両の平面図であり、図2は、当該車両Vにおける車室の前部を示す斜視図であり、図3は、表示装置1の制御系統を示すブロック図である。本図に示すように、表示装置1は、車両Vの周辺を撮影する車外撮影装置2(図1、図3)と、車外撮影装置2で撮影された画像に種々の画像処理を施す画像処理部3(図3)と、画像処理部3で処理された画像を表示する車内ディスプレイ4(図2、図3)とを備えている。なお、車外撮影装置2は、本発明における「撮影部」の一例に該当し、車内ディスプレイ4は、本発明における「表示部」の一例に該当する。
以下では、適宜、車両Vの前後方向を単に前後方向といい、車両Vの前進時の進行方向を前、反対側を後という。また、この前後方向と平面視で直交する方向を左右方向といい、前を向いた状態での右を右、反対側を左という。また、前後方向および左右方向と直交する方向を上下方向といい、車両Vの接地側を下、反対側を上という。
車外撮影装置2は、車両の前方を撮影する前カメラ2aと、車両の後方を撮影する後カメラ2bと、車両の左方を撮影する左カメラ2cと、車両の右方を撮影する右カメラ2dとを備えている。図1に示すように、前カメラ2aは、車両前端のフロントフェイス部11に取り付けられ、車両前方の角度範囲Ra内の画像を取得し得るように構成されている。後カメラ2bは、車両後部のバックドア12の後面に取り付けられ、車両後方の角度範囲Rb内の画像を取得し得るように構成されている。左カメラ2cは、車両の左側のサイドミラー13に取り付けられ、車両左方の角度範囲Rc内の画像を取得し得るように構成されている。右カメラ2dは、車両の右側のサイドミラー14に取り付けられ、車両右方の角度範囲Rd内の画像を取得し得るように構成されている。これら前後左右の各カメラ2a~2dは、いずれも視野が広い魚眼レンズ付きカメラにより構成されている。
車内ディスプレイ4は、車室前部のインストルメントパネル20の中央部に配置されている。車内ディスプレイ4は、例えばフルカラーの液晶パネルからなり、ドライバー等の車両Vの乗員による操作や車両Vの走行状態に応じて種々の画面を表示することが可能である。具体的に、車内ディスプレイ4は、車外撮影装置2(カメラ2a~2d)で撮影された画像を表示する機能に加えて、例えば車両Vの目的地までの走行経路を案内するナビゲーション画面や、車両Vに備わる各種機器の設定を行うための設定画面等を表示する機能を有している。なお、図示の車両Vは右ハンドル車であり、車内ディスプレイ4の右側にはステアリングホイール21が配置されている。
画像処理部3は、仮想視点VPと投影面Pとを設定し、車外撮影装置2(カメラ2a~2d)で撮影された画像である撮影画像に対して、仮想視点VPから見た画像に変換しつつ投影面Pに投影するという加工を行い、加工後の画像をビュー画像として車内ディスプレイ4に表示させる。本実施形態では、画像処理部3は、仮想視点VPから後方を見たときの画像である後方ビュー画像と、仮想視点VPから前方を見たときの画像である前方ビュー画像とのいずれかを条件に応じて生成し、生成したビュー画像を車内ディスプレイ4に表示させる。画像処理部3の詳細な構成は後述する。
図3に示すように、画像処理部3には、車速センサSN1、シフトポジションセンサSN2、およびビュースイッチSW1が電気的に接続されている。
車速センサSN1は、車両Vの走行速度を検出するセンサである。
シフトポジションセンサSN2は、車両Vに備わる自動変速機(図示略)のシフトポジションを検出するセンサである。自動変速機は、少なくともD(ドライブ)、N(ニュートラル)、R(リバース)、P(パーキング)の4つのシフトポジションを達成可能であり、このうちのいずれのポジションが達成されているかがシフトポジションセンサSN2によって検出される。なお、Dポジションは車両Vの前進時に選択させるシフトポジション(前進レンジ)であり、Rポジションは車両Vの後退時に選択させるシフトポジション(後退レンジ)であり、N、Pの各ポジションは車両Vの非走行時に選択されるシフトポジションである。
ビュースイッチSW1は、シフトポジションがDポジションのとき(つまりドライバーが車両Vを前進させる操作をしているとき)にビュー画像の表示を許可するか否かを決定するためのスイッチである。ビュースイッチSW1は、ドライバーによりONとOFFとで切り替え操作される。なお、ビュースイッチSW1は、例えばステアリングホイール21に設けることが可能である。
(2)画像処理部の詳細
画像処理部3の構成についてより詳しく説明する。画像処理部3は、図3に示すように、ビュー表示条件判定部31と、仮想視点設定部32と、投影面設定部33と、撮影画像抽出部34と、画像変換部35と、アイコン設定部36と、表示制御部37とを機能的に有している。なお、仮想視点設定部32は、本発明における「仮想視点変更部」の一例に該当する。
(ビュー表示条件判定部)
ビュー表示条件判定部31は、車内ディスプレイ4に後方ビュー画像を表示する条件である後方ビュー表示条件が成立している否か、および、車内ディスプレイ4に前方ビュー画像を表示する条件である前方ビュー表示条件が成立しているか否かを判定するモジュールである。
本実施形態では、車速がビュー表示速度以下であり、且つ、シフトポジションがRポジションである(ドライバーが車両Vを後進させる操作をしている)という条件が、後方ビュー表示条件に設定されており、ビュー表示条件判定部31は、車速、シフトポジションの操作状況に基づいて後方ビュー表示条件が成立しているか否かを判定する。ビュー表示条件判定部31によって後方ビュー表示条件が成立していると判定されると、後述するように表示制御部37によって後方ビュー画像が車内ディスプレイ4に表示される。
本実施形態では、車速がビュー表示速度以下であり、シフトポジションがDポジションであり(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)、且つ、ビュースイッチSW1が操作されておりドライバーからの要求がある、という条件が、前方ビュー表示条件に設定されている。つまり、ビュー表示条件判定部31は、シフトポジションとビュースイッチSW1との操作状況および車速に基づいて前方ビュー表示条件が成立しているか否かを判定する。ビュー表示条件判定部31によって前方ビュー表示条件が成立していると判定されると、後述するように表示制御部37によって前方ビュー画像が車内ディスプレイ4に表示される。前記のビュー表示速度は、予め設定されてビュー表示条件判定部31に記憶されている。例えば、ビュー表示速度は時速15km/hに設定される。
このように、本実施形態では、シフトポジションがRポジションである(ドライバーが車両Vを後進させる操作をしている)ときは、仮想視点VPから前方を見たときの画像である前方ビュー画像が表示され、シフトポジションがDポジションである(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)ときは、仮想視点VPから後方を見たときの画像である後方ビュー画像が表示される。
(仮想視点設定部)
仮想視点設定部32は、仮想視点VPを設定するモジュールである。仮想視点設定部32は、後方ビュー表示条件の成立時、予め設定されて仮想視点設定部32に記憶されている後方ビュー用仮想視点VP_Rを仮想視点VPに設定する。仮想視点設定部32は、前方ビュー表示条件の成立時、予め設定されて仮想視点設定部32に記憶されている前方ビュー用仮想視点VP_Fを仮想視点VPに設定する。
図4(a)、図4(b)は、後方ビュー用仮想視点VP_Rの位置等を説明するための模式図であり、車両Vと投影面Pとを平面視および側面視で示している。図5(a)、図5(b)は、前方ビュー用仮想視点VP_Fの位置等を説明するための模式図であり、車両Vと投影面Pとを平面視および側面視で示している。
後方ビュー用仮想視点VP_Rは、図4(a)に示すように、車室内の点で且つ平面視で車両中心軸L1上に位置する点に設定されている。本実施形態では、後方ビュー用仮想視点VP_Rは、図4(b)に示すように、基準点Q1と後側基準点Q10とを結ぶラインL10上で、且つ、基準点Q1から前方に所定の視点変更距離d1だけ離間する点に設定されている。視点変更距離d1は、後方ビュー用仮想視点VP_Rが車室内に収まる距離であり、例えば200mm程度とされる。
図6は、基準点Q1を説明するための図であって車室の前部を側方から見た側面図である。基準点Q1は、図4(a)に示すように平面視で車両中心軸L1に位置する点で、且つ、図6に示すように側面視でドライバーの頭部に対応する位置の点である。つまり、基準点Q1は、左右方向について車両Vの幅中心に位置し、且つ前後方向および上下方向についてドライバーの頭部(その中でも目の位置;つまりアイポイント)と同じ位置にある点である。なお、この場合におけるドライバーは、米国成人男性の50パーセンタイルのダミー人形であるAM50と同じ体格を有するものとし、また、ドライバーが着座する運転席7のシートポジションは、AM50相当のドライバーが適切な運転姿勢をとれるポジションに設定されているものとする。側面視でドライバーの頭部(中でもアイポイント)に一致するように設定された基準点Q1は、図6に示すように、運転席7のシートバック7aの上端とルーフパネル8との間の高さに位置する。
後側基準点Q10は、図4(b)に示すように、車両Vの接地面が水平な路面Rであるとしたときのこの路面R上の点であって、車両Vの後端から後方に所定距離d2だけ離間し、且つ、図4(a)に示すように、平面視で車両中心軸L1上に位置する点である。前記の所定距離d2は、車両Vが徐行しているとき(例えば、5km/程度で走行しているとき)の制動距離(ブレーキ操作がなされてから停車するまでに車両Vが進む距離)とほぼ同じにされており、例えば2mとされる。
前方ビュー用仮想視点VP_Fは、図5(a)に示すように、車室内の点で且つ平面視で車両中心軸L1上に位置する点に設定されている。また、前方ビュー用仮想視点VP_Fは、後方ビュー用仮想視点VP_Rよりも前側の点に設定されている。本実施形態では、前方ビュー用仮想視点VP_Fは、図5(b)に示すように、前記の基準点Q1と前側基準点Q20とを結ぶラインL20上で、且つ、基準点Q1から後方に前記の視点変更距離d1だけ離間する点に設定されている。
前側基準点Q20は、図6(b)に示すように、車両Vの接地面が水平な路面Rであるとしたときのこの路面R上の点であって、車両Vの前端から前方に前記の所定距離d2だけ離間し、且つ、図6(a)に示すように、平面視で車両中心軸L1上に位置する点である。
前記のように、また、図1に示すように、後方ビュー用仮想視点VP_Rは、前方ビュー用仮想視点VP_Fよりも後側の点に設定されている。これより、前方ビュー表示条件の成立時であってシフトポジションがDポジションである(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)時の方が、後方ビュー表示条件の成立時であってシフトポジションがRポジションである(ドライバーが車両Vを後進させる操作をしている)時よりも、仮想視点VPの位置は、前側の位置に設定される。
(投影面設定部)
投影面設定部33は、投影面Pを設定するモジュールである。
投影面Pは、図7に示すようにお椀状を有しており、路面Rの一部を構成する平面投影面P1と、平面投影面P1の外周から立ち上がる立体投影面P2とで構成される。
平面投影面P1は、仮想視点VPを中心として車両Vを囲む円(真円)状の平面である。投影面設定部33は、後方ビュー表示条件の成立時は、後方ビュー用仮想視点VP_Rを中心とする円状の平面を平面投影面P1として設定する。一方、投影面設定部33は、前方ビュー表示条件の成立時は、前方ビュー用仮想視点VP_Fを中心とする円状の平面を平面投影面P1として設定する。
平面投影面P1の半径は、前方ビュー表示条件の成立時と後方ビュー表示条件の成立時の双方において、同じ値とされる。平面投影面P1の半径は、予め設定されて画像変換部35に記憶されている。この半径は、後方ビュー用仮想視点VP_Rと後側基準点Q10の平面視での離間距離および前方ビュー用仮想視点VP_Fと前側基準点Q20との平面視での離間距離と同程度の寸法に設定されている。例えば、平面投影面P1の半径は、4~5m程度に設定される。
立体投影面P2は、平面投影面P1の円周から所定の曲率で拡径しつつ立ち上がっており、上側ほど(平面投影面P1の外周から離れるほど)直径が大きくなるように上拡がり状を呈する面に設定される。立体投影面P2は、立体投影面P2は、平面投影面P1と平行な面における各断面が、平面視で仮想視点VPを中心とする同心円状を呈するように設定される。本実施形態では、図7の鎖線に示すように、立体投影面P2は、平面投影面P1と直交し且つ仮想中心ラインO1に沿うすべての断面が、仮想中心ラインO1上に位置する点O2であって平面投影面P1よりも下方に位置する点O2を頂点とする放物線となる曲面に設定される。
(撮影画像抽出部)
撮影画像抽出部34は、撮影画像からビュー画像に必要な画像を抽出するモジュールである。
撮影画像抽出部34は、カメラ2a~2dで撮影された画像から後方ビュー画像を生成するために必要な最小限の撮影画像を抽出する。本実施形態では、後方ビュー画像は、仮想視点VPからまっすぐ後方をみたときの画像であって、水平方向の画角が90度で垂直方向の画角が45度の画像とされる。つまり、図4(a)、(b)に示すように、カメラ2a~2dが撮影した撮影画像のうち、後方ビュー用仮想視点VP_Rから水平90度、垂直45度の角度で後方に拡がる領域W1であって平面視で車両中心軸L1を境に片側45度ずつの角度をもって拡がる立体扇型状の領域W1を撮影した画像が、後方ビュー画像に加工される。これより、撮影画像抽出部34は、後方ビュー表示条件の成立時、仮想視点VPからこの水平90度、垂直45度の角度で後方に広がる立体扇型状の撮影領域W1の画像を、カメラ2a~2dで撮影された画像から抽出する。以下では、適宜、前記の領域W1であって後方ビュー画像に対応する領域を後方ビュー領域W1という。
本実施形態では、図4(a)に示すように後方ビュー領域W1が平面視で3つの領域W11~W13に分割されており、撮影画像抽出部34は各領域W11~W13の撮影画像を異なるカメラから取得する。領域W11を第1領域、領域W12を第2領域、領域W13を第3領域とすると、撮影画像抽出部34は、第1領域W11の撮影画像を後カメラ2bから取得し、第2領域W12の撮影画像を左カメラ2cから取得し、第3領域W13の撮影画像を右カメラ2dから取得する。なお、第2・第3領域W12、W13のうち車両のすぐ後側にあたる領域は左右のカメラ2c、2dで撮影できない死角領域となるが、この死角領域の画像は所定の補間処理(例えば死角領域に隣接する領域の画像を引き延ばす処理)によって補われる。
撮影画像抽出部34は、カメラ2a~2dで撮影された画像から前方ビュー画像を生成するために必要な最小限の撮影画像を抽出する。本実施形態では、前方ビュー画像は、仮想視点VPからまっすぐ前方をみたときの画像であって、水平方向の画角が90度で垂直方向の画角が45度の画像とされる。つまり、図5(a)、(b)に示すように、カメラ2a~2dが撮影した撮影画像のうち、前方ビュー用仮想視点VP_Fから水平90度、垂直45度の角度で後方に拡がる領域W2であって平面視で車両中心軸L1を境に片側45度ずつの角度をもって拡がる立体扇型状の領域W2を撮影した画像が、前方ビュー画像に加工される。これより、撮影画像抽出部34は、前方ビュー表示条件の成立時、仮想視点VPからこの水平90度、垂直45度の角度で前方に広がる立体扇型状の撮影領域W2の画像を、カメラ2a~2dで撮影された画像から抽出する。以下では、適宜、前記の領域W2であって前方ビュー画像に対応する領域を前方ビュー領域W2という。
本実施形態では、図5(a)に示すように前方ビュー領域W2が平面視で3つの領域W21~W23に分割されており、撮影画像抽出部34は各領域W21~W23の撮影画像を異なるカメラから取得する。領域W21を第1領域、領域W22を第2領域、領域W23を第3領域とすると、撮影画像抽出部34は、第1領域W21の撮影画像を前カメラ2aから取得し、第2領域W22の撮影画像を左カメラ2cから取得し、第3領域W23の撮影画像を右カメラ2dから取得する。なお、第2・第3領域W22、W23のうち車両のすぐ前側にあたる領域は左右のカメラ2c、2dで撮影できない死角領域となるが、後方ビュー画像と同様に、この死角領域の画像は所定の補間処理によって補われる。
後方ビュー画像および前方ビュー画像の前記の画角つまり後方ビュー領域W1および前方ビュー領域W2の角度範囲は、人間の注視安定視野に基づいている。注視安定視野とは、頭部の運動(首振り運動)が眼球運動を助けることで無理なく視認することができる範囲のことである。注視安定視野は、一般に、水平方向において左45度から右45度までの角度範囲を有するとともに、垂直方向において上30度から下40度までの角度範囲を有するとされている。すなわち、図8(a)(b)に示すように、注視安定視野の水平方向の最大角度(水平最大角度)をθ1、垂直方向の最大角度(垂直最大角度)をθ2とすると、水平最大角度θ1は90度、垂直最大角度θ2は70度であるとされている。また、注視安定視野の内側には、水平30度、垂直20度の角度範囲を有する有効視野が存在し、この有効視野内の情報であれば眼球運動だけで正確に判別できると言われている。逆に、有効視野の外側の情報は、見えてはいても十分な精度で判別することが難しく、細かな変化に気づき難い。有効視野の外側の情報を精度よく視認(注視)するには、頭部の運動(首振り)による助けが必要となる。一方で、有効視野の外側であっても注視安定視野の範囲内であれば、無理のないわずかな頭部運動を伴うだけで情報を正確に判別でき、細かな変化にも比較的迅速に対応できると考えられている。そこで、本実施形態では、前記のように、ビュー画像の画角をこの注視安定視野に対応する画角(水平90度、垂直45度)に設定している。すなわち、後方ビュー画像の水平方向の画角は、注視安定視野の水平最大角度θ1と同じ90度に設定されるとともに、後方ビュー画像のすし北方向の画角は、注視安定視野の垂直最大角度θ2(=70度)よりも小さい45度に設定されている。なお、ここでの設定画角は、注視安定視野(水平60~90度、垂直45~70度)の範囲内で条件に応じ変更することも可能であるが、本実施形態では水平90度、垂直45度で一定としている。
(画像変換部)
画像変換部35は、撮影画像抽出部34により抽出された画像を仮想視点VPから見たときの画像に変換しつつ投影面設定部33により設定された投影面Pに投影してビュー画像を生成する。
具体的には、画像変換部35は、後方ビュー表示条件の成立時、撮影画像抽出部34により抽出された後方ビュー領域W1の撮影画像を、後方ビュー用仮想視点VP_Rから見たときの画像に変換しつつ投影面Pのうちの後方ビュー領域W1に対応する部分に投影して、後方ビュー画像を生成する。また、画像変換部35は、前方ビュー表示条件成立時、撮影画像抽出部34により抽出された前方ビュー領域W2の撮影画像を、前方ビュー用仮想視点VP_Fから見たときの画像に変換しつつ投影面Pのうちの前方ビュー領域W2に対応する部分に投影して、前方ビュー画像を生成する。
撮影画像を仮想視点VPから見たときの画像に変換する処理つまり画像の視点を変更する処理、および、所定の画像を投影面Pへ投影する処理としては、従来行われている処理が採用されればよい。
例えば、この処理として、次のような処理が行われる。まず、カメラ2a~2dにより撮影された画像である撮影画像に含まれる各画素に対して、それぞれ座標が定められる。次に、仮想視点VP(後方ビュー表示条件成立時は後方ビュー用仮想視点VP_R、前方ビュー表示条件成立時は前方ビュー用仮想視点VP_F)の位置、後側基準点Q10あるいは前側基準点Q20(後方ビュー表示条件成立時は後側基準点Q10、前方ビュー表示条件成立時は前側基準点Q20)、カメラ2a~2dの位置、投影面Pの位置から定まる演算式等に基づいて撮影画像の各画素の座標が、投影面P上で且つ仮想視点VPから見たときの座標に変換され、これにより、カメラ2a~2dにより撮影された画像が仮想視点VPから見た画像に変換されつつ投影面P上に投影される。
前記の処理により、例えば、図9(a)に示すように、投影面Pよりも車両から離れた撮影対象を撮影して得られた画像がA1であり、この画像A1における特定の画素の座標がa1、a2であったとすると、各画素の投影後の座標は、それぞれ投影面P上の座標a1i、a2iとなる。逆に、図9(b)に示すように、投影面Pよりも車両に近い撮影対象を撮影して得られた画像がB1であり、この画像B1における特定の画素の座標がb1、b2であったとすると、各画素の投影後の座標は、それぞれ投影面P上の座標b1i、b2iとなる。そして、図9(a)のケースでは、撮影対象の画像A1が加工されて画像A1iに変換され、図9(b)のケースでは、撮影対象の画像B1が加工されて画像B1iに変換される。
アイコン設定部36は、前記のビュー画像(後方ビュー画像または前方ビュー画像)に重畳表示される自車両アイコンG(図10)を設定する処理を行うモジュールである。自車両アイコンGは、仮想視点VPから前方または後方を見たときに映る自車両の各種部品(車輪や車室部品)を透過状態で表示するグラフィック画像である。
表示制御部37は、前記のビュー画像に自車両アイコンGが重畳された画像を車内ディスプレイ4に表示させる処理を行うモジュールである。表示制御部37は、画像変換部35により生成されたビュー画像に対し、アイコン設定部36により設定された自車両アイコンGを重畳し、その重畳後の画像を車内ディスプレイ4に表示させる。
(3)制御動作
画像処理部3により実行される前記の制御をまとめると図11のフローチャートのようになる。なお、このフローチャートは車両Vの運転中に実施される。
まず、画像処理部3は、各種の情報を読み込む(ステップS1)。画像処理部3は、少なくとも、各カメラ2a~2dにより撮影された画像である撮影画像、車速センサSN1により検出された車速、シフトポジションセンサSN2により検出されたシフトポジション、ビュースイッチSW1の操作状況を読み込む。
次に、画像処理部3(ビュー表示条件判定部31)は、ステップS1で読み込んだ車速がビュー表示速度以下であるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS1の判定がNOであって車速がビュー表示速度より大きい場合、画像処理部3はそのまま処理を終了する(ステップS1に戻る)。
一方、ステップS1の判定がYESであって車速がビュー表示速度以下である場合、画像処理部3(ビュー表示条件判定部31)は、シフトポジションがRポジションであるか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS2でYESと判定されて、車速がビュー表示速度以下の状態で、且つ、シフトポジションがRポジションである場合、画像処理部3(ビュー表示条件判定部31)は、後方ビュー表示条件が成立したと判定する。そして、画像処理部3(仮想視点設定部32)は、後方ビュー用仮想視点VP_Rを仮想視点VPに設定する(ステップS4)。
次に、画像処理部3(投影面設定部33)は、後方ビュー画像に対応した投影面Pである後方ビュー用投影面Pを設定する。前記のように、後方ビュー表示条件の成立時、画像処理部3は、ステップS4で設定した仮想視点VPつまり後方ビュー用仮想視点VP_Rを中心とする円状の面に平面投影面P1を設定するとともに、立体投影面P2をこの円状の平面投影面P1の円周から上方に立ち上がる面に設定して、これらで構成される投影面Pを後方ビュー用投影面Pに設定する(ステップS5)。
次に、画像処理部3(撮影画像抽出部34)は、各カメラ2a~2dの撮影画像から、後方ビュー領域W1の撮影画像を抽出する(ステップS6)。
次に、画像処理部3(画像変換部35)は、ステップS6で抽出された撮影画像を後方ビュー用仮想視点VP_Rから見た画像に変換しつつ、ステップS5で設定した後方ビュー用投影面Pに投影して後方ビュー画像を生成する(ステップS7)。
次に、画像処理部3(アイコン設定部36)は、後方ビュー画像とともに重畳表示される自車両アイコンG(図10)を設定する(ステップS8)。後方ビュー表示条件成立時に実施されるステップS8において設定される自車両アイコンGは、図10に示すように、仮想視点VP(後方ビュー用仮想視点VP_R)から後方を見たときに映る自車両Vの各種部品を表すアイコンであって、車両Vの後輪や車両Vの後部の外郭部品(リヤフェンダー等)を透過状態で表示するグラフィック画像を含むものとされる。このような自車両アイコンGは、画像処理部3に予め記憶されているグラフィック画像を、仮想視点VP(後方ビュー用仮想視点VP_R)と後方ビュー用投影面Pとの位置関係から定まる縮尺率で縮尺することにより生成することができる。
次に、画像処理部3(表示制御部37)は、ステップS7で生成された後方ビュー画像を、ステップS8で設定された自車両アイコンGを重畳した状態で車内ディスプレイ4に表示させる(ステップS9)。図10は、その表示の一例を模式的に示す図である。この例において、後方ビュー画像には、自車両の後方に位置する駐車車両(他車両)M1、M2の画像と、駐車スペースを確定するために路面に付された白線Tの画像とが含まれている。また、自車両アイコンGには、左右の後輪g1、g1と、サスペンション部品g2と、各後輪g1、g1の周囲に位置するリヤフェンダーg3、g3と、リヤガラスg4と、左右のリヤランプg5とをそれぞれ透過状態で表示するグラフィック画像が含まれている。
ステップS3に戻り、ステップS3でNOと判定されてシフトポジションがRポジションではない場合、画像処理部3(ビュー表示条件判定部31)は、シフトポジションがDポジションであり、且つ、ビュースイッチSW1がON状態にあるという条件が成立しているか否かを判定する(ステップS10)。ビュースイッチSW1の状態は、ビュースイッチSW1からの信号に基づいて判定される。
ステップS10でYESと判定されて、車速がビュー表示速度以下の状態で、且つ、シフトポジションがDポジションであるとともにビュースイッチSW1がON状態である場合、画像処理部3(ビュー表示条件判定部31)は、前方ビュー表示条件が成立したと判定する。そして、画像処理部3(仮想視点設定部32)は、前方ビュー用仮想視点VP_Fを仮想視点VPに設定する(ステップS11)。
次に、画像処理部3(投影面設定部33)は、前方ビュー画像に対応した投影面Pである前方ビュー用投影面Pを設定する。前記のように、前方ビュー表示条件の成立時、画像処理部3は、ステップS11で設定した仮想視点VPつまり前方ビュー用仮想視点VP_Fを中心とする円状の面に平面投影面P1を設定するとともに、立体投影面P2をこの円状の平面投影面P1の円周から上方に立ち上がる面に設定して、これらで構成される投影面Pを前方ビュー用投影面Pに設定する(ステップS12)。
次に、画像処理部3(撮影画像抽出部34)は、各カメラ2a~2dの撮影画像から、前方ビュー領域W2の撮影画像を抽出する(ステップS13)。
次に、画像処理部3(画像変換部35)は、ステップS13で抽出された撮影画像を前方ビュー用仮想視点VP_Fから見た画像に変換しつつ、ステップS12で設定した前方ビュー用投影面Pに投影して前方ビュー画像を生成する(ステップS13)。
次に、画像処理部3(アイコン設定部36)は、前方ビュー画像とともに重畳表示される自車両アイコンGを設定する(ステップS15)。図示は省略するが、前方ビュー表示条件成立時に実施されるステップS15において設定される自車両アイコンGは、前方ビュー用仮想視点VP_Fから前方をみたときに映る自車両Vの各種部品を表すアイコンであって、車両Vの前輪や車両Vの前部の外郭部品(フロントフェンダー等)を透過状態で表示するグラフィック画像を含むものとされる。このような自車両アイコンGは、画像処理部3に予め記憶されているグラフィック画像を、前方ビュー用仮想視点VP_Fと前方ビュー用投影面Pとの位置関係から定まる縮尺率で縮尺することにより生成することができる。
次に、画像処理部3(表示制御部37)は、ステップS14で生成された前方ビュー画像を、ステップS15で設定された自車両アイコンGを重畳した状態で車内ディスプレイ4に表示させる(ステップS16)。
(4)作用等
以上のように、本実施形態に係る車両用表示装置1では、平面投影面P1が、仮想視点VPつまりビュー画像であって車内ディスプレイ4に表示される画像の視点を中心とする円状の平面とされて、立体投影面P2がこの円状の平面投影面P1の円周から上方に立ち上がる面とされる。これより、仮想視点VPであってビュー画像における視点から平面投影面P1と立体投影面P2との境界ラインまでの距離が仮想視点VP回りに均等になる。そして、これに伴って仮想視点VPから立体投影面P2までの距離が仮想視点VP回りについてより確実に均等になる。これより、投影面Pに投影された画像により構成されるビュー画像の水平方向の歪みを小さく抑えることができ、ドライバーに対して違和感の少ない画像を表示できる。
図12~図14を用いて具体的に説明する。図12は、撮影対象C1と、本実施形態に係る投影面Pおよび仮想視点VP(つまり円状の平面投影面P1を有する投影面Pおよび平面投影面P1の中心に配置された仮想視点VP)と、比較例に係る仮想視点VP2であって平面投影面P1の中心からずれた位置に配置された仮想視点VP2とを示した平面図である。図13は、仮想視点VP、VP2と投影面Pと撮影対象C1との関係を示した側面図であり、(a)は本実施形態の関係、(b)は比較例の関係を示している。図14は、投影面Pに投影された画像を示した図であり、(a)は本実施形態の画像、(b)は比較例の画像である。
ここでは、図12の例に示すように、撮影対象C1が投影面P(立体投影面P2)付近に位置し、且つ、投影面Pに沿う立体物である場合を例にあげて説明する。また、撮影対象C1は、その高さ寸法が一定の物体であるとする。
本実施形態では、仮想視点VPが平面視で平面投影面P1を構成する円の中心と同じ位置に設定されており、平面投影面P1と立体投影面P2との境界ラインPwと仮想視点VPとの距離が仮想視点VP回りで均等とされている(すべて平面投影面P1の半径rとされている)。また、これに伴い、仮想視点VPと立体投影面P2との距離も仮想視点VP回りに一定、あるいは、一定に近い状態になる。これより、本実施形態では、図13(a)に示すように立体投影面P2上の異なる2つの点Px1と点Px2とにおいて、撮影対象C1の投影面Pへの投影のされ方は同じ、あるいは、ほぼ同じになる。
これに対して、比較例のように、平面投影面P1を円状に設定した場合であっても、仮想視点VP2の位置が平面投影面P1を構成する円の中心からずれている場合、投影面P上の点Px1と仮想視点VP2の離間距離d10と、投影面P上の点Px2と仮想視点VP2の離間距離d20とが異なる寸法となる。これより、比較例では、点Px1において、撮影対象C1が図13の実線に示すように投影面Pに投影されるのに対して、点Px2においては、撮影対象C1が図13の破線に示すように投影面Pに投影され、投影面Pに投影された撮影対象C1の高さ寸法および平面投影面P1に対する高さ位置がいずれも点Px1と点Px2とで異なることになる。
前記より、図14(b)に示すように、比較例では、撮影対象C1の上下方向の寸法であって高さ方向に対応する寸法が、画像の左右方向であって水平方向に対応する方向について一定とならず、生成された画像が水平方向について歪んだ像になる。これに対して、本実施形態では、図14(a)に示すように、本実施形態では、撮影対象C1の上下方向の寸法であって高さ方向に対応する寸法が、画像の左右方向であって水平方向に対応する方向について一定となり、生成された撮影対象C1の画像が撮影対象C1の実像に近い画像とされる。このように、本実施形態によれば、ドライバーに対してより実像に近い適切な画像を提供できる。
特に、本実施形態では、立体投影面P2の平面投影面P1と平行な面における各断面が、平面視で仮想視点VPを中心とする円状を呈するように、立体投影面P2が設定されている。これより、立体投影面に投影される画像の水平方向の歪みをより確実に小さく抑えて、より確実に適切な画像をドライバーに提供できる。
また、本実施形態では、前方ビュー画像を表示する場合と後方ビュー画像を表示する場合とで仮想視点VPの位置が変更されたときであっても、平面投影面P1が変更後の仮想視点VPの位置を中心とする円状とされ、立体投影面P2がこの変更後の平面投影面P1の外周から上方に立ち上がる面に変更される。これより、仮想視点VPの変更前後の双方においてドライバーが違和感の覚えにくい画像を表示できる。
また、本実施形態では、シフトポジションがDポジションである(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)ときは、前方ビュー画像であって仮想視点VPから前方を見たときの画像である前方ビュー画像が車内ディスプレイ4に表示され、シフトポジションがDポジションであり(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)ときは、後方ビュー画像であって仮想視点VPから後方を見たときの画像である後方ビュー画像が車内ディスプレイ4に表示される。つまり、車両Vの進行方向の前側の画像が車内ディスプレイ4に表示される。これより、ドライバーに対して有用な画像を提供することができる。しかも、シフトポジションがDポジションである(ドライバーが車両Vを前進させる操作をしている)ときの方が、シフトポジションがRポジションである(ドライバーが車両Vを後進させる操作をしている)ときよりも仮想視点VPの位置が前側となるように、仮想視点VPの位置が設定される。これより、前記のように、前方ビュー画像と後方ビュー画像の画角を同じにしつつ、車両Vの進行方向の前側のより広範囲にわたる画像を車内ディスプレイ4に表示させることができる。従って、ドライバーに対してより有用な画像を提供できる。
また、本実施形態では、前方ビュー表示条件の成立時と後方ビュー表示条件の成立時の双方において、つまり、仮想視点VPの位置の変更前後において、平面投影面P1の半径が同じ値に設定されて仮想視点VPから立体投影面P2までの水平方向の離間距離が等しくされる。これより、仮想視点VPの位置の変更に伴うドライバーの負担であって画像の見方を変更するのにかかる負担を小さく抑えることができる。
(5)変形例
前記実施形態では、シフトポジションがDポジションであり、且つ、ビュースイッチSW1がON状態のときに、前方ビュー画像を表示させる場合を説明したが、ビュースイッチSW1を省略して、車速がビュー表示速度以下で且つシフトポジションがDポジションのときに前方ビュー画像を表示させてもよい。
また、前記実施形態では、ビュー画像が前方ビュー画像と後方ビュー画像との間でのみ切り替えられる場合を説明したが、ドライバーの要求等に応じて車両の側方をビュー画像として車内ディスプレイ4に表示させてもよい。
また、前記実施形態では、前方ビュー画像を表示する場合と後方ビュー画像を表示する場合とで仮想視点VPの位置を変更する場合を説明したが、これらいずれの場合において仮想視点VPの位置を同じ位置に設定してもよい。つまり、仮想視点VPの位置は、車室内に設定された位置(例えば、車両Vの中心となる位置)に固定されてもよい。
また、前記実施形態では、前方ビュー画像を表示する場合と後方ビュー画像を表示する場合との双方において平面投影面P1の半径を同じ値に設定する場合を説明したが、前記2つの場合で平面投影面P1の半径をそれぞれ互いに異なる寸法に設定してもよい。
また、前記実施形態では、各ビュー画像に必要な撮影画像のみを仮想視点VPから見たときの画像に変換しつつ投影面Pに投影することで各ビュー画像を生成した場合を説明したが、全カメラ2a~2dの撮影画像を用いて仮想視点VP回りの360度の画像である画像を生成し、生成した360度の画像から前方ビュー画像と後方ビュー画像とを切り出してもよい。
また、前記実施形態では、ビュー画像を表示する装置として、車室前部のインストルメントパネル20に設けられた車内ディスプレイ4が用いられる場合を説明したが、ビュー画像を表示する装置はこれに限らない。例えば、ルームミラーの設置位置に設けられたディスプレイにビュー画像が表示される構成や、フロントウインドウに画像が投影されるいわゆるヘッドアップディスプレイにビュー画像が表示される構成が用いられてもよい。
また、前記実施形態では、立体投影面P2が平面投影面P1の外周から所定の曲率で拡径する上拡がり状とされた場合を説明したが、立体投影面P2は、平面投影面P1の円周からまっすぐ上方に立ち上がる円筒面とされてもよい。
2 車外撮影装置(撮影部)
3 画像処理部
4 車内ディスプレイ(表示部)
32 仮想視点設定部(仮想視点変更部)
O1 仮想中心ライン
P 投影面
P1 平面投影面
P2 立体投影面
V 車両
VP 仮想視点

Claims (5)

  1. 車両周辺の画像を表示するために車両に搭載された車両用表示装置において、
    前記車両の周辺を撮影する撮影部と、
    前記撮影部により撮影された画像を投影面に投影して仮想視点から見た画像であるビュー画像に変換する画像処理部と、
    前記ビュー画像を表示する表示部とを備え、
    前記画像処理部は、前記車両を囲む円状の平面投影面と当該平面投影面の円周から上方に立ち上がる立体投影面とで構成される面を前記投影面に設定し、且つ、前記平面投影面の円の中心に対応する車室内の点を前記仮想視点に設定する、ことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 請求項1に記載の車両用表示装置において、
    前記画像処理部は、前記立体投影面の前記平面投影面と平行な面における各断面を、平面視で前記仮想視点を中心とする同心円状に設定する、ことを特徴とする車両用表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用表示装置において、
    前記仮想視点の位置を変更する仮想視点変更部を備え、
    前記画像処理部は、前記仮想視点変更部により前記仮想視点の位置が変更された場合、前記投影面を、変更後の前記仮想視点の位置を中心とする円状の平面投影面と、当該平面投影面の外周から上方に立ち上がる立体投影面とで構成される面に変更する、ことを特徴とする車両用表示装置。
  4. 請求項3に記載の車両用表示装置において、
    前記画像処理部は、前記車両のドライバーが前記車両を前進させる操作をしている時は、前記仮想視点から車両前方を見た時の画像を前記ビュー画像として生成し、前記車両のドライバーが前記車両を後進させる操作をしている時は、前記仮想視点から車両後方を見た時の画像を前記ビュー画像として生成し、
    前記仮想視点変更部は、前記車両のドライバーが前記車両を後進させる操作をしている時の方が前記車両を前進させる操作をしている時よりも前記仮想視点の位置が車両前側になるように、前記仮想視点の位置を変更する、ことを特徴とする車両用表示装置。
  5. 請求項3または4に記載の車両用表示装置において、
    前記仮想視点の位置の変更前後において、前記平面投影面の半径は同じ値に設定される、ことを特徴とする車両用表示装置。
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