JP2022047870A - メチレンマロン酸エステルの製造方法 - Google Patents

メチレンマロン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応中に、無機酸化物触媒の比表面積の減少を十分に抑制可能なメチレンマロン酸エステルの製造方法の提供。【解決手段】有機スルホン酸及び無機酸化物固体の存在下で、下記式(I)で表される化合物を熱処理して、下記式(II)で表される化合物を得る製造方法であって、無機酸化物固体のハメットの酸度関数が-12.0より大きい製造方法。TIFF2022047870000010.tif22149[式(I)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。]TIFF2022047870000011.tif17149[式(II)中、Rは式(I)のRと同義である。]【選択図】なし

Description

本発明は、メチレンマロン酸エステルの製造方法に関する。
メチレンマロン酸エステルは、コーティング剤や接着剤等の原料としての利用が見込まれている。例えば、特許文献1に記載されているように、メチレンマロン酸エステル(1,1-ジカルボニル置換-1-エチレン)は、マロン酸エステルの1位に2つのヒドロキシメチル基を有するビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステル(1,1-ジカルボニル置換-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-メタン)を熱処理することで得られる。特許文献1では、熱処理の際に固体酸触媒としてゼオライトを用いている。
米国特許第9518001号明細書
上述した熱処理によってメチレンマロン酸エステルを得る方法では、固体酸触媒の表面に反応基質であるビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルが吸着する必要があり、固体酸触媒の比表面積が減少すれば、反応基質が吸着し得る空孔(吸着点)の数も減少するため、反応を維持することが難しくなる。すなわち、熱処理中に固体酸触媒の比表面積が減少すると、長時間連続して熱処理反応を行うことが困難になる。
発明者等による検討の結果、特許文献1に記載の方法のように固体酸触媒としてゼオライトを用いた場合、反応中に比表面積が大きく減少することが分かった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応中に、無機酸化物固体(触媒)の比表面積の減少を十分に抑制することができる、メチレンマロン酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、以下の[1]、[2]及び[3]に示す発明を完成させた。
[1] 有機スルホン酸及び無機酸化物固体の存在下で、下記式(I)で表される化合物を熱処理して、下記式(II)で表される化合物を得る工程を備える、下記式(II)で表される化合物の製造方法であって、上記無機酸化物固体のハメットの酸度関数が-12.0より大きい製造方法。
Figure 2022047870000001

[式(I)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。]
Figure 2022047870000002

[式(II)中、Rは式(I)のRと同義である。]
[2] 上記熱処理前の上記無機酸化物固体の比表面積が2~320m/gである、[1]に記載の製造方法。
[3] 上記熱処理前の上記無機酸化物固体の比表面積に対する上記熱処理後の上記無機酸化物固体の比表面積の比率が50%以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
本発明によれば、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応中に、無機酸化物固体(触媒)の比表面積の減少を十分に抑制することができる、メチレンマロン酸エステルの製造方法が提供される。
実施例で用いた反応装置Xを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下では「無機酸化物固体」を「触媒」とも言う。
本実施形態のメチレンマロン酸エステルの製造方法は、有機スルホン酸及び無機酸化物固体の存在下で、下記式(I)で表される化合物(ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステル)を熱処理して、下記式(II)で表される化合物(メチレンマロン酸エステル)を得る工程を備える。
Figure 2022047870000003

Figure 2022047870000004
式(I)及び式(II)において、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、これらは直鎖状、分岐鎖状又は脂環式であってよい。
直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。直鎖状アルキル基の炭素数は、例えば1~12とすることができる。
分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、イソアミル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、tert-アミル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソオクチル基、1-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、1-エチルヘプチル基等が挙げられる。分岐鎖状アルキル基の炭素数は、例えば3~12とすることができる。
脂環式アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。脂環式アルキル基の炭素数は、例えば5~10とすることができる。
直鎖状アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、クロチル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。直鎖状アルケニル基の炭素数は、例えば2~12とすることができる。
分岐鎖状アルケニル基としては、メタリル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、イソペンテニル基、イソヘキセニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソノネニル基、イソデセニル基、イソドデセニル基、イソオクタデセニル基、イソイコセニル基等が挙げられる。直鎖状アルケニル基の炭素数は、例えば4~12とすることができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、例えば6~12とすることができる。
Rとしては、炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素数5~10の脂環式アルキル基、又は炭素数6~12のアリール基であると好ましく、炭素数2~10の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、又は炭素数5~8の脂環式アルキル基であるとより好ましい。
式(I)で表される化合物としては、例えば、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸メチルプロピル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-ヘキシル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジシクロヘキシル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジイソプロピル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ブチルメチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ヘキシルエチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-ペンチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エチルペンチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸メチルペンチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ブチルエチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-ブチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジエチル(DEM-Diol)、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジメチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-プロピル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エチルヘキシル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-ヘプチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-オクチル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-ノニル、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジ-n-デシル等が挙げられる。
式(I)で表される化合物を得る方法は特に限定されないが、例えば、国際公開第2017/197212号に記載された方法により合成することができる。
式(II)で表される化合物としては、上述の式(I)で表される化合物を原料として得られるメチレンマロン酸エステルがある。例えば、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジエチル(DEM-Diol)を原料とした場合、式(II)で表される化合物として、メチレンマロン酸ジエチル(DEMM)が得られる。
有機スルホン酸としては、アニオン重合禁止剤として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(トシル酸)等の芳香族スルホン酸等が挙げられる。有機スルホン酸の添加量は酸性度に応じて適宜調整すればよいが、貯蔵安定性と反応性のバランスを取る観点から、式(I)で表される化合物の総量に対して0.1~5000質量ppmであることが好ましく、1~3000質量ppmであることがより好ましく、10~2000質量ppmであることが更に好ましい。
本実施形態の製造方法においては、有機スルホン酸に加えてその他のアニオン重合禁止剤を用いてもよい。その他のアニオン重合禁止剤としては、水中での酸解離定数(pKa)が3以下である酸が好ましく、2.5以下である酸がより好ましい。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、リン酸、トルフルオロ酢酸等が挙げられる。
本実施形態の製造方法においては、有機スルホン酸に加えてラジカル重合禁止剤又は酸化防止剤を用いることが好ましい。ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤としては、着色抑制の観点からヒンダードフェノール類、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、具体的には例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT))、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアレート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のヒンダードフェノール類;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。ラジカル重合禁止剤、又は酸化防止剤の添加量は貯蔵安定性と反応性のバランスを取る観点から、式(I)で表される化合物の総量に対して50~5000質量ppmであることが好ましく、100~3000質量ppmであることがより好ましく、200~2100質量ppmであることが更に好ましい。
無機酸化物固体は、単一の無機酸化物であってもよく、複数の無機酸化物の混合物であってもよい。その具体例としては、Al、SiO、TiO、ZrO、CeO、ZnO、SiO/Al、SiO/ZrO、SiO/Y、SiO/La、SiO/Ga、TiO/Al、TiO/SiO、TiO/ZrO、Al/ZrO、ZnO/Al、TiO/B、TiO/SnO、ZnO/SiO、ZnO/ZrO、Al/Bi、SiO/CaO、SiO/SrO等が挙げられ、触媒の性能をより維持しやすい観点から、Al、SiO、TiO、ZrO及びSiO/Alからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
無機酸化物固体のハメットの酸度関数(H)は、-12.0より大きい。また、Hは+1.5以下であってよい。無機酸化物固体のハメットの酸度関数(H)がこの範囲にあると、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応中に、触媒の比表面積の減少を抑制しやすくなり、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応に連続的に用いられても、触媒としての性能をより維持しやすい。
熱処理前の上記無機酸化物固体の比表面積は、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルの熱処理後に無機酸化物固体が十分な比表面積をより保持しやすい観点から、2~320m/gであることが好ましく、5~310m/gであることがより好ましく、10~290m/gであることが更に好ましい。
熱処理前の上記無機酸化物固体の比表面積に対する熱処理後の上記無機酸化物固体の比表面積の比率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましい。上記比率がこの範囲にあると、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステルを熱処理してメチレンマロン酸エステルを得る反応に連続的に用いられても、触媒としての性能をより維持しやすい。
本実施形態の製造方法において、熱処理の方法は、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステル、無機酸化物固体等が反応に必要な温度となるように加熱されれば特に限定されないが、例えば、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸エステル、無機酸化物固体等が入った容器を油浴や電気炉中で加熱してもよい。反応に必要な温度とは、例えば、150~300℃である。
熱処理(クラッキング)の方法としては、例えば、国際公開第2017/197212号に記載された方法を使用することもできる。
触媒の形態は特に限定されるものではないが、例えば、破砕による顆粒状、粒子状や押出成形によるペレット状、ハニカム状、転動造粒などによる球状など各種の形状が使用可能である。触媒の大きさについては特に限定されるものではないが、例えば、粒子状、球状及びペレット状であれば0.1~5mmの粒子径、好ましくは0.5~2mmの粒子径が使用できる。ハニカム状であれば全長が10~1000mm、好ましくは、20~300mm、直径あるいは端面幅が5~50mm、好ましくは、10~30mm、気孔率が50~80%のものが使用できる。本実施形態の製造方法においては、触媒は公知の方法で破砕して分級し、0.1~2mmの粒径を有する顆粒状触媒として用いるのが好ましい。
本実施形態の製造方法における反応圧は常圧から減圧まで採ることができる。反応圧の下限は、1kPaが好ましく、5kPaがより好ましい。下限未満では、生産性が低下するため望ましくない。反応圧の上限は、101.3kPaが好ましく、30kPaがより好ましい。反応圧を上限以下とすることにより、目的物を気化し易くなり無機酸化物固体上の滞留時間を短くすることができるので、副反応を高度に防止することができる。
本実施形態の製造方法において加熱は回分式で行ってもよく、また、連続式で行ってもよい。連続式で行う際には、原料の送液速度は特に限定されないが、例えば、無機酸化物固体1L当たり1~10kg/hとすることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。しかし、この実施例は発明の一態様であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
<反応装置X>
図1に、実施例及び比較例で用いた反応装置Xの概略図を示す。反応装置Xは、原料タンク2と、SUS製反応管(以下、単に「反応管」ともいう。)11と、反応液捕集管12と、原料タンク2から反応管11へ原料を移送するための配管5aと、反応管11から反応液捕集管12に反応液を移送するための配管5bとを備える。
原料タンク2は、原料タンク保温用のバンドヒーター3と、原料タンク中の原料の重量を測定するための天秤4とを有する。バンドヒーター3は温度調節器1aに接続されている。
配管5aは、配管保温用のリボンヒーター6と、反応原料送液用のプランジャーポンプ7と、圧逃し弁8と、圧力計9とを有する。リボンヒーター6は温度調節器1bに接続されている。
反応管11は、温度調節器1cに接続された管状炉(電気炉)10により加熱される。反応管11の内部には、触媒保持用のワイヤーメッシュデミスター16と、石英ウール17aと、顆粒状触媒18と、触媒飛散防止用の石英ウール17bと、原料予熱用のガラスビーズ19と、ガラスビーズ飛散防止用の石英ウール17cとがこの順で積層されている。
反応液捕集管12は、真空ポンプ14に接続されている。真空ポンプ14は、圧力コントローラー13と排気ライン15とを有する。
実施例及び比較例では、種々の触媒(顆粒状触媒18)を用いて、図1の反応装置Xにより評価を行った。
<ハメットの酸度関数(H)の測定>
使用した顆粒状触媒の酸度関数(H)を、以下の方法で測定した。
50cmの三角フラスコに、特級試薬のベンゼンをモレキュラーシーブで乾燥したものを10cm投入する。この中に、100メッシュ以下に粉砕後350℃で3時間乾燥させデシケーター中で保管した顆粒状触媒を0.1g程度投入する。続いて、表1に記載するような指示薬を0.1質量%のベンゼン溶液とし、pKaの小さいものから順に0.1cm程度添加し、最初に酸性色を呈した指示薬のpKaから最高酸強度を決定する。例えば、2,4-ジニトロトルエン指示薬(pKa=-12.0)で酸性の呈色がなく、ジシンナミリデンアセトン指示薬(pKa=-5.6)で酸性の呈色があった場合、その試料の最高酸強度は-12.0<H≦-5.6であるとする。測定結果を表2に示す。
Figure 2022047870000005
また、実施例及び比較例において、比表面積、生成物(DEMM)及び副生成物(DEM及びDEM-Dioxane)の収率、並びに原料(DEM-Diol)の残存率は以下の方法により測定した。
<比表面積>
比表面積は、熱処理前後の顆粒状触媒を、日本ベル製BELSORP-miniIIを用いて液体窒素温度での窒素吸着により求めた。なお、熱処理後の顆粒状触媒の比表面積の測定は反応管から反応液を流出させた触媒層温度が室温に下がった後に反応管から抜き出し、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするソックスレー抽出を行った後に実施した。熱処理前後での比表面積及び熱処理前の比表面積に対する熱処理後の比表面積の比率を表3に示す。
上記ソックスレー抽出の条件は、触媒3~3.5gに対して、重合禁止剤として、メタンスルホン酸(MSA)100ppm、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)1000ppmを含むTHFを110~120mL用いて、バス温95℃で15回循環させるものである。
<生成物及び副生成物の収率、並びに原料の残存率>
実施例及び比較例で得られた反応液から、生成物の収率を以下に示す核磁気共鳴分光(NMR)分析により、副生成物の収率を以下に示すガスクロマトグラフ(GC)分析により、原料の残存率を以下に示す液体クロマトグラフ(LC)分析により、それぞれ測定した。反応液が相分離した場合は、相分離後の各相を分析した。
<NMR分析>
油相(有機相)に内部標準物質としてトリメチル(フェニル)シランを加え、更にクロロホルム-dを用いて希釈した。希釈後の油相成分について、Agilent製VNMRS 600 MHzを用いてH-NMR分析を行った。得られたチャートに基づいてDEMMのモル数を算出し、以下の式に従って生成物(DEMM)の収率を求めた。
DEMMの収率(モル%)=(生成したDEMMのモル数/供給したDEM-Diolのモル数)×100
<GC分析>
油相及び水相のそれぞれに、内部標準物質としてジエチレングリコールジエチルエーテルを加え、更にアセトニトリルを用いて油相及び水相をそれぞれ希釈した。希釈後の油相成分及び水相成分について、FID検出器を備えたSHIMADZU製 Nexis GC-2030を用いて分析した。カラムにはGLサイエンス製InertCap 5を使用した。インジェクション温度を300℃、検出器温度を320℃とし、恒温槽温度を40℃で5分保持した後に、昇温速度10℃/minで恒温槽温度を320℃まで昇温して分析を行った。得られたチャートに基づいて、油相及び水相の全てに含まれるDEM又はDEM-Dioxaneの量を算出し、以下の式に従って副生物(DEM及びDEM-Dioxane)の収率を求めた。
DEMの収率(モル%)=(生成したDEMのモル数/供給したDEM-Diolのモル数)×100
DEM-Dioxaneの収率(モル%)=(生成したDEM-Dioxaneのモル数/供給したDEM-Diolのモル数)×100
<LC分析>
油相及び水相のそれぞれに、内部標準物質としてアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)を加えた。更に、溶媒としてアセトニトリルを用いて油相及び水相をそれぞれ希釈した。希釈後の油相成分及び水相成分について、UV検出器を備えたSHIMADZU Prominenceを用いて分析した。カラムには東ソー製TSKgel-ODS-100Vを使用した。恒温槽温度は50℃として分析を行った。得られたチャートに基づいて、油相及び水相の全てに含まれるDEM-Diolの総量を算出し、以下の式に従って原料(DEM-Diol)の残存率を求めた。
DEM-Diolの残存率=(熱処理後に残ったDEM-Diolのモル数/供給したDEM-Diolのモル数)×100
(実施例1)
住友化学製活性アルミナ(型番KHA-24)を破砕し、破砕物を分級して0.70~1.00mmの粒径を持つ分級品を得た。得られた分級品をメタンスルホン酸0.1wt%含有テトラヒドロフラン溶液に5分間浸漬した。浸漬後、メタンスルホン酸0.1wt%含有テトラヒドロフラン溶液をデカンテーションで除き、分級品をアセトンで3回洗浄した。その後風乾し、顆粒状触媒を得た。
得られた顆粒状触媒5mLを顆粒状触媒18として用い、反応管11内の石英ウール17a上に充填し、更に顆粒状触媒18上部を石英ウール17bで覆った。更に4.5mLの1mmφ相互理化学製ガラスビーズ19を充填し、ガラスビーズ19上部を石英ウール17cで覆った。
顆粒状触媒等を充填した反応管11を管状炉10の内側に設置した。真空ポンプ14を起動して、圧力コントローラー13で反応圧を6.66kPaに調整した後、温度調節器1cで管状炉(電気炉)10を230℃に調整した。反応は、反応管11の圧力及び管状炉10の温度が安定してから開始した。
原料のDEM-Diolを加熱により融解し、1000質量ppmのメタンスルホン酸(MSA)、及び2000質量ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加して、反応原料を得た。得られた反応原料を原料タンク2に充填した。
原料タンク2及び配管5aに存在する反応原料の固化を防ぐため、原料タンク2の温度をバンドヒーター3によって、配管5aの温度をリボンヒーター6によって、いずれも約70℃に保持した。原料タンク2及び配管5aの温度及び圧力が安定したことを確認して、プランジャーポンプ7を使って原料タンク2内の反応原料を0.130g/minの速さで反応管11内に送液した。
送液開始(反応開始)から3時間が経過した時点から1時間、液体窒素温度下で反応液を反応液捕集管12に回収した。回収した反応液を室温まで戻して液化させ、油相と水相とに分離した。上述の方法で評価した結果を表3に示す。
(実施例2)
顆粒状触媒として、1000℃で3時間処理した水澤化学工業製シリカ-アルミナ(型番ネオビードSA)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
(実施例3)
顆粒状触媒として、富士シリシア化学製シリカ(型番キャリアクトQ-50)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
(実施例4)
顆粒状触媒として、富士シリシア化学製シリカ(型番キャリアクトQ-10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
顆粒状触媒として、サンゴバン製チタニア(型番ST31119)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
(実施例6)
顆粒状触媒として、サンゴバン製ジルコニア(型番SZ31163)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
顆粒状触媒として、Tricat industries製ZSM-5(型番TC-79MC)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。結果を表3に示す。
Figure 2022047870000006
Figure 2022047870000007
表3から明らかであるように、実施例1~6では、熱処理後の触媒の比表面積の減少が十分に抑制されている一方、比較例1では、比表面積が大きく低下した。このため、比較例1の触媒(ZSM-5/Al)を用いて長時間反応を行った場合には、反応基質が吸着し得る空孔(吸着点)の数が不足し、反応が維持できなくなることが容易に予測される。
1a,1b,1c…温度調節器、2…原料タンク、3…バンドヒーター、4…天秤、5a,5b…配管、6…リボンヒーター、7…プランジャーポンプ、8…圧逃し弁、9…圧力計、10…管状炉、11…SUS製反応管、12…反応液捕集管、13…圧力コントローラー、14…真空ポンプ、15…排気ライン、16…ワイヤーメッシュデミスター、17a,17b,17c…石英ウール、18…顆粒状触媒、19…ガラスビーズ。

Claims (3)

  1. 有機スルホン酸及び無機酸化物固体の存在下で、下記式(I)で表される化合物を熱処理して、下記式(II)で表される化合物を得る工程を備える、下記式(II)で表される化合物の製造方法であって、
    前記無機酸化物固体のハメットの酸度関数が-12.0より大きい製造方法。
    Figure 2022047870000008

    [式(I)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。]
    Figure 2022047870000009

    [式(II)中、Rは式(I)のRと同義である。]
  2. 前記熱処理前の前記無機酸化物固体の比表面積が2~320m/gである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記熱処理前の前記無機酸化物固体の比表面積に対する前記熱処理後の前記無機酸化物固体の比表面積の比率が50%以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。

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