JP2022044910A - 筒内圧センサの信号処理回路 - Google Patents

筒内圧センサの信号処理回路 Download PDF

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康弘 福田
Yasuhiro Fukuda
雄三 樋口
Yuzo Higuchi
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Abstract

【課題】圧力センサの温度の検出精度を高め、圧力センサの圧力感度の温度特性を精度良く補正し得る筒内圧センサの信号処理回路を実現する。【解決手段】筒内圧センサ1の信号処理回路40は、検出部42と、可変増幅部43とを備える。検出部42は、第1端子T1及び第2端子T2を備えるとともに第1端子T1と第2端子T2との間の電圧、又は第1端子T1と第2端子T2との間の電圧を増幅した電圧を出力する差動回路47と、第1端子T1を抵抗値に応じた電位とし第2端子T2を基準電位Vrefとする第1制御と、第1端子T1と第2端子T2を同電位とする第2制御と、を切り替えて行う制御部48と、を有する。可変増幅部43は、制御部48が第1制御を行っている状態で差動回路47が出力する第1電圧Vbrgと、制御部48が第2制御を行っている状態で差動回路47が出力する第2電圧Vofsと、の差に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、筒内圧センサの信号処理回路に関するものである。
特許文献1には、自動車における燃料パイプ内の圧力を検出する圧力センサが開示されている。この圧力センサは、半導体基板上に、複数のゲージ抵抗がホイートストンブリッジ回路を構成するように形成されている。
特開2015-169597号公報
特許文献1で開示される圧力センサのように、圧力センサに圧力が加わった時にホイートストンブリッジ回路の二つの中点の電位に発生する電圧変化(以下、これを圧力感度とも言う)を圧力信号として取得し、この圧力信号を増幅部によって増幅する構成を採用し得るが、この種の圧力センサでは圧力が加わった時の抵抗変化率が温度に依存するため、圧力感度も温度によって変化する。このため、圧力を高精度に検出するためには、圧力感度の温度依存を補正する必要がある。この温度依存の補正の一例としては、圧力センサ全体の合成抵抗値が温度によって変化することを利用し、圧力センサの合成抵抗に応じた値、詳細には圧力センサへ一定電流を流した時に発生する電圧値を検出し、この電圧値に基づいて増幅率を設定し、この増幅率を用いて圧力信号を増幅する方法が考えられる。
しかし、圧力センサの合成抵抗に応じた電圧値を検出する検出回路に、オペアンプなどの差動回路を使用する場合、検出回路の出力信号は、オフセット電圧と称される誤差電圧が反映されたものとなってしまう。しかも、オフセット電圧は、温度によって変化するため、検出回路から出力される出力信号は、温度によって誤差がばらついてしまい、この点が圧力センサの合成抵抗に応じた電流値の検出精度の低下、即ち、温度の検出精度の低下を招く虞がある。
本発明は、上述した課題の少なくとも一つを解決するために、圧力センサの温度の検出精度を高め、圧力センサの圧力感度の温度特性を精度良く補正し得る筒内圧センサの信号処理回路を実現する。
本発明の一態様の筒内圧センサの信号処理回路は、
複数の抵抗体を有し内燃機関の筒内に配置されるセンサ部を備えるとともに前記センサ部が前記筒内の圧力に応じた圧力信号を出力する筒内圧センサにおいて、前記圧力信号を処理する信号処理回路であって、
前記センサ部へ一定電流を流した時に発生する電圧値を検出する検出部と、
前記検出部で検出した前記電圧値に基づいて増幅率を設定し、前記センサ部が出力する前記圧力信号を前記増幅率で増幅した増幅信号を生成する可変増幅部と、
を備え、
前記検出部は、
第1端子及び第2端子を備えるとともに前記第1端子と前記第2端子との間の電圧、又は前記第1端子と前記第2端子との間の電圧を増幅した電圧を出力する差動回路と、
前記第1端子を前記センサ部の抵抗値に応じた電位とし前記第2端子を基準電位とする第1制御と、前記第1端子と前記第2端子を同電位とする第2制御と、を切り替えて行う制御部と、
を有し、
前記可変増幅部は、前記制御部が前記第1制御を行っている状態で前記差動回路が出力する第1電圧と、前記制御部が前記第2制御を行っている状態で前記差動回路が出力する第2電圧と、の差に基づいて前記増幅率を設定する。
上記の信号処理回路は、センサ部の抵抗値に基づいて増幅率を設定することができるため、センサ部の温度を反映して圧力感度の温度依存を補正することができる。更に、上記の信号処理回路では、制御部の制御に応じて、検出部の差動回路が、オフセット電圧を含んだ温度検出信号である第1電圧と、オフセット電圧に相当する第2電圧と、を出力することができる。そして、可変増幅部は、上記第1電圧と上記第2電圧との差に基づいて増幅率を設定することができる。つまり、可変増幅部は、第1電圧のみに基づいて増幅率を設定するのではなく、第1電圧から当該第1電圧に含まれるオフセット電圧分を除いた電圧、即ち、高精度な温度信号に基づいて増幅率を設定することができる。ゆえに、上記の信号処理回路は、圧力センサの温度の検出精度を高めることができ、圧力感度の温度依存を精度良く補正することができる。
上記一態様の信号処理回路において、制御部は、第1制御を行う毎に第1制御の前又は後に第2制御を行うようにしてもよい。そして、可変増幅部は、制御部が第1制御及び第2制御を行う毎に差動回路から出力される第1電圧と第2電圧との差に基づいて増幅率を設定するようにしてもよい。
この信号処理回路は、第1電圧が得られるタイミングに近いタイミングで得られる第2電圧を用い、第1電圧からオフセット電圧分をキャンセルすることができる。よって、この信号処理回路は、第1電圧が得られるタイミングと同様の温度環境で得られる第2電圧によって、オフセット電圧分をより正確にキャンセルすることができる。
上記一態様の信号処理回路において、上記制御部は、内燃機関において吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程が行われる各周期において第1制御及び第2制御を行うようにしてもよい。可変増幅部は、周期毎の第1制御及び第2制御に応じて差動回路から出力される第1電圧と第2電圧との差に基づいて周期毎に増幅率を設定するようにしてもよい。
この信号処理回路は、第1制御、第2制御及び増幅率の設定を、各周期における一連の動作として行うことができるので、各々の実行契機を個別に設定する構成と比較して、構成又は制御を簡易化することができる。
上記制御部は、内燃機関における吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程のうちの少なくとも吸気行程及び排気行程のいずれかにおいて第1制御を行うようにしてもよい。可変増幅部は、上記4行程のうちの吸気行程及び排気行程のみで行われる第1制御によって差動回路から出力される第1電圧と、第2電圧との差に基づいて増幅率を設定するようにしてもよい。
ホイートストンブリッジ回路のように複数の抵抗体によって圧力センサを構成した場合、センサ部に圧力が加わった時の各抵抗体の抵抗値の変化量にばらつきがあると、圧力の状態によってセンサ部の合成抵抗値も変化してしまう。つまり、圧力が加わった状態の合成抵抗値は温度を示す値としての精度が低下する。しかし、この構成によれば、増幅率の設定に、内燃機関の4行程のうちの吸気行程及び排気行程のみにおいて検出された第1電圧を用いることができる。つまり、可変増幅部は、筒内圧が相対的に低く安定した状態で検出された第1電圧と第2電圧との差に基づいて増幅率を設定することができる。ゆえに、信号処理回路は、圧力感度の温度補正をより高精度に行うことができる。
本発明によれば、圧力センサの温度の検出精度を高めることができ、圧力センサの圧力感度の温度特性を精度良く補正することができる。
図1は、第1実施形態の筒内圧センサを概略的に例示する断面図である。 図2は、第1実施形態の筒内圧センサの電気的に構成を概念的に例示するブロック図である。 図3(A)は、第1実施形態の信号処理回路が第1制御を行っている様子を例示した説明図であり、図3(B)は、第1実施形態の信号処理回路が第2制御を行っている様子を例示した説明図である。 図4は、第1実施形態の信号処理回路における信号処理の流れを例示するフローチャートである。 図5は、第1実施形態の筒内圧センサでの吸気行程又は排気行程の時期の特定方法の一例を概念的に説明する説明図である。 図6は、第2実施形態の筒内圧センサでの吸気行程又は排気行程の時期の特定方法の一例を概念的に説明する説明図である。
1.第1実施形態
1-1.筒内圧センサ1の構成
図1に示される筒内圧センサ1は、図示が省略された内燃機関に取り付けられるセンサである。筒内圧センサ1は、内燃機関の燃焼筒の筒内圧を検知対象とし、筒内圧の値を示す信号を出力し得るセンサである。内燃機関の燃焼筒は、筒内に燃焼室を構成する部位である。筒内圧は、燃焼筒の筒内の圧力であり、燃焼室内の圧力である。
内燃機関は、4ストロークエンジンを備える。4ストロークエンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程を1サイクルとした動作を周期的に繰り返すエンジンである。吸気行程は、燃焼筒の筒内に空気(あるいは気化燃料と空気が混ざった混合気)を取り込む行程である。圧縮行程は、燃焼筒の筒内に取り込んだ気体を圧縮する行程である。燃焼行程は、圧縮した気体を燃焼して膨張させる行程である。排気行程は、燃焼ガスを排気する行程である。
筒内圧センサ1は、図1に示されるように、ハウジング2、コネクタケース3、金属ステム4、接合ガラス5、センサ部6及び複数の端子金具7を備える。
ハウジング2は、ステンレス等の金属材料が切削等により加工された中空形状のケースである。ハウジング2は、内燃機関に取り付けられる部分である。ハウジング2には、ハウジング2の燃焼室側とは反対側にコネクタケース3が連結される。このコネクタケース3により、ハウジング2の内側空間における燃焼室側とは反対側の開口が閉塞される。
金属ステム4は、圧力導入孔10が設けられた中空筒形状の金属製の部材である。金属ステム4は、ハウジング2の内側空間における燃焼室側を閉塞するようにハウジング2の燃焼室側に固定される。金属ステム4は、圧力導入孔10が燃焼室に通じた位置関係で配置される。圧力導入孔10内の空間は、燃焼室内の空間に通じている。金属ステム4は、燃焼室側から圧力導入孔10内に導入された圧力媒体(例えば気体、気液混合気など)の圧力によって歪むダイヤフラム11を有する。
センサ部6は、複数の抵抗体を有し内燃機関の筒内に配置され、筒内の圧力に応じた圧力信号を出力する装置である。センサ部6は、ダイヤフラム11における燃焼室側とは反対側の面に対して接合ガラス5を介して取り付けられる。接合ガラス5は、絶縁体であり、ダイヤフラム11とセンサ部6とを接合する。センサ部6は、シリコン基板を有し、このシリコン基板上には、イオン注入などによって抵抗体としての歪みゲージが形成されている。センサ部6は、ボンディングワイヤ12及び基板13を介して端子金具7に電気的に接続されている。
複数の端子金具7は、いずれも金属製であり、いずれもコネクタケース3を貫通して配置される。端子金具7は、一端がボンディングワイヤ12及び基板13を介してセンサ部6に電気的に接続され、他端が筒内圧センサ1の外側の空間に露出した状態で配置される。センサ部6が出力した圧力信号は、例えば端子金具7を介して筒内圧センサ1の外部に出力される。
図2に示すように、筒内圧センサ1は、更に信号処理回路40を備えている。筒内圧センサ1は、入力端子Tiから供給された電力をセンサ部6に供給し、センサ部6から出力された圧力信号を信号処理回路40で処理した後、出力端子Toから出力する。
センサ部6の一端は、導電路31に電気的に接続されている。導電路31は、駆動回路41から出力電流が供給される導電路である。図2の例では、導電路31と同電位となる部分がセンサ部6の一端とされている。センサ部6の他端は、導電路32を介して基準導電路90に電気的に接続されている。図2の例では、導電路32と同電位となる部分がセンサ部6の他端とされている。
センサ部6は、第1抵抗体21と第2抵抗体22とが直列に接続される第1直列部25と、第3抵抗体23と第4抵抗体24とが直列に接続される第2直列部26と、を具備する。センサ部6は、第1直列部25及び第2直列部26が上記「センサ部6の一端」と上記「センサ部6の他端」との間に並列に接続されたブリッジ回路27を有する。なお、第1直列部25と第2直列部26とは、別々のシリコン基板上に形成されていてもよいし、同一のシリコン基板上に形成されていてもよい。
第1抵抗体21及び第3抵抗体23はいずれも上記「センサ部6の一端」の側に接続され、第1抵抗体21及び第3抵抗体23の一方側の端部は導電路31と同電位とされる。第2抵抗体22及び第4抵抗体24はいずれも上記「センサ部6の他端」の側に接続され、第2抵抗体22及び第4抵抗体24の他方側の端部は導電路32と同電位とされる。第1抵抗体21及び第4抵抗体24は、圧力を受けた場合に素子抵抗値が減少するN型素子(例えばN型ピエゾ抵抗素子)である。従って、圧力導入孔10内の圧力が大きくなるほど、第1抵抗体21及び第4抵抗体24の抵抗値は減少する。第2抵抗体22及び第3抵抗体23は、圧力を受けた場合に素子抵抗値が増加するP型素子(例えばP型ピエゾ抵抗素子)である。従って、圧力導入孔10内の圧力が大きくなるほど、第2抵抗体22及び第3抵抗体23の抵抗値は増加する。第1抵抗体21及び第4抵抗体24は、例えば、ダイヤフラム11が基準形状のときに互いに同じ抵抗値となる。第2抵抗体22及び第3抵抗体23は、例えば、ダイヤフラム11が基準形状のときに互いに同じ抵抗値となる。ダイヤフラム11は、例えば圧力導入孔10内の圧力が標準気圧のときに基準形状となる。
センサ部6は、第1抵抗体21と第2抵抗体22との間の第1電位と、第3抵抗体23と第4抵抗体24との間の第2電位と、の電位差に応じた圧力信号を生成して出力する。圧力信号は、可変増幅部43の非反転入力端子43Aと反転入力端子43Bとに入力される電圧信号であり、非反転入力端子43Aと反転入力端子43Bとの間に印加される電圧が圧力信号の一例に相当する。図2のように、第1抵抗体21と第2抵抗体22との間に介在する導電路の電位が、第1電位として可変増幅部43の非反転入力端子43Aに入力される。更に、第3抵抗体23と第4抵抗体24との間に介在する導電路の電位が、第2電位として可変増幅部43の反転入力端子43Bに入力される。
信号処理回路40は、筒内圧センサ1のセンサ部6と電気的に接続され、センサ部6から出力された圧力信号が入力される回路である。信号処理回路40は、駆動回路41、検出部42、可変増幅部43、フィルタ回路45、及び出力回路46を備える。
駆動回路41は、入力端子Tiとセンサ部6との間に配置されており、入力端子Tiから供給される電力に基づき、センサ部6に対して駆動用の電力を供給する。駆動回路41は、例えば公知の定電流回路によって構成されており、導電路31に対して予め決められた一定値の定電流(以下、一定電流という)を流す。従って、センサ部6の一端から他端には、一定電流が流れる。
また、一定電流は製品出荷検査などの時に導電路31と基準導電路90の電位差が所定温度にしたときに所定電圧になるような電流に調整される。センサ部6に流れる一定電流値は予めEEPROMなどの不揮発性メモリなどに記憶される。
検出部42は、例えばセンサ部6を構成する抵抗体に発生する電圧値に応じた検出信号を生成するセンサ電圧測定回路として構成されている。検出部42は、具体的には、上述した「センサ部6の一端」と「センサ部6の他端」との間の合成抵抗値に応じた検出信号を生成する。合成抵抗値に応じた検出信号は、具体的には、検出部42に入力される電圧値を示す信号であり、より詳しくは、導電路31の電位と基準導電路90の電位との電位差を示す信号である。本実施形態では、駆動回路41が予め定められた一定値の定電流を導電路31に供給する構成であるため、検出部42に入力される電圧値を示す信号が、合成抵抗値に応じた検出信号に相当する。
センサ部6を構成する抵抗体(第1抵抗体21、第2抵抗体22、第3抵抗体23、第4抵抗体24)は、温度依存性があり、第1抵抗体21、第2抵抗体22、第3抵抗体23、第4抵抗体24の各々の抵抗値は温度に応じた値となる。ゆえに、「センサ部6の電圧値」も温度に応じた値となる。
検出部42は、差動回路47と、制御部48と、第1入力線91と、第2入力線92と、接続線93と、第1スイッチS1と、第2スイッチS2とを備える。差動回路47は、増幅回路又は等倍で出力するバッファ回路として構成されており、非反転入力端子としての第1端子T1と、反転入力端子としての第2端子T2とを備える。差動回路47は、第1端子T1と第2端子T2との間の電圧(電位差)、又は第1端子T1と第2端子T2との間の電圧を増幅した電圧を出力する。制御部48は、可変増幅部43とは別個の装置として構成されていてもよく、可変増幅部43の一部であってもよい。
制御部48は、例えばアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、制御回路(例えばロジック回路)とを備えて構成されており、第1制御と第2制御とを切り替えて行い得る。第1制御は、第1端子T1の電位をセンサ部6の抵抗値に応じた電位とし第2端子T2の電位を基準電位Vrefとする制御である。基準電位Vrefは、0V以上であり且つ信号処理回路の電源電圧以下の電位である。以下の説明の例では、基準電位は、基準導電路90の電位(即ち、センサ部6の他端の電位)であり、具体的には0Vである。第2制御は、第1端子T1及び第2端子T2を同電位とする制御である。
第1入力線91は、第1端子T1とセンサ部6の一端(より具体的には、第1端子T1と導電路31との間)に介在する。第1入力線91の一端は第1端子T1に電気的に接続され、第1入力線91の他端は導電路31に電気的に接続されている。第1入力線91は、第1スイッチS1がオン状態のときに導電路31と第1端子T1とを短絡し、これらを同電位にする。
第2入力線92は、第2端子T2に接続されており、基準電位Vrefとされる導電路である。図2の例では、第2入力線92は、第2端子T2及び基準導電路90に電気的に接続されており、第2端子T2と基準導電路90とを短絡し、これらを同電位にする。
接続線93は、一端が第1入力線91に電気的に接続され、他端が第2入力線92に電気的に接続されている。具体的には、接続線93は、一端が第1端子T1に電気的に接続され、他端が第2端子T2に電気的に接続されている。接続線93は、第2スイッチS2がオン状態のときに第1端子T1と第2端子T2とを短絡し、これらを同電位にする。
第1スイッチS1及び第2スイッチS2は、例えばMOSFET等の半導体スイッチング素子として構成されている。第1スイッチS1は、第1入力線91に設けられ、センサ部6の一端と第1端子T1との間(より具体的には、導電路31と第1端子T1との間)に介在する。第1スイッチS1は、制御部48からの制御信号に応じて、オン状態とオフ状態とに切り替わる。第1スイッチS1のオン状態は、導電路31と第1端子T1との間の導通を許容する許容状態である。第1スイッチS1のオフ状態は、導電路31と第1端子T1との間の導通を遮断する遮断状態である。
第2スイッチS2は、接続線93に設けられ、第1入力線91における第1スイッチS1よりも第1端子T1側の導電路と第2入力線92との間に介在する。換言すれば、第2スイッチS2は、第1端子T1と第2端子T2との間に介在する。第2スイッチS2は、制御部48からの制御信号に応じて、オン状態とオフ状態とに切り替わる。第2スイッチS2のオン状態は、第1端子T1と第2端子T2との間の導通を許容する許容状態である。第2スイッチS2のオフ状態は、第1端子T1と第2端子T2との間の導通を遮断する遮断状態である。
図3(A)のように、制御部48は、第1スイッチS1をオン状態とし第2スイッチS2をオフ状態とするように第1制御を行う。制御部48が第1制御を行っている期間は、第1スイッチS1が導通許容状態となり、第2スイッチS2が遮断状態となるため、第1端子T1の電位は、導電路31と同電位、即ち、センサ部6の抵抗値に応じた電位となる。そして、制御部48が第1制御を行っている期間は、第2端子T2の電位は基準電位Vrefとなる。従って、制御部48が第1制御を行っている期間は、差動回路47は、導電路31の電位と基準電位との電位差に応じた第1電圧Vbrgを出力する。図3(A)の例では、差動回路47が出力する第1電圧Vbrgは、制御部48に入力され、制御部48に設けられたADコンバータによってデジタル値に変換される。
図3(B)のように、制御部48は、第1スイッチS1をオフ状態とし第2スイッチS2をオン状態とするように第2制御を行う。制御部48が第2制御を行っている期間は、第1スイッチS1が遮断状態となり、第2スイッチS2が導通許容状態となるため、第1端子T1及び第2端子T2が同電位(具体的には、基準電位Vref)となる。従って、制御部48が第2制御を行っている期間は、差動回路47は、いずれも基準電位とされた第1端子T1及び第2端子T2の電位差に応じた第2電圧Vofsを出力する。図3(B)の例では、差動回路47が出力する第2電圧Vofsは、制御部48に入力され、制御部48に設けられたADコンバータによってデジタル値に変換される。
このように、制御部48は、第1電圧Vbrgのデジタル値と第2電圧Vofsのデジタル値とを取得し得る。なお、制御部48は、第1電圧Vbrgのデジタル値及び第2電圧Vofsのデジタル値をそれぞれ別個に可変増幅部43に与えるように動作してもよい。或いは、制御部48は、第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差(Vbrg-Vofs)を算出し、この差(Vbrg-Vofs)を示す値を可変増幅部43に与えるように動作してもよい。なお、以下では、制御部48が、第1電圧Vbrgのデジタル値及び第2電圧Vofsのデジタル値をそれぞれ別個に可変増幅部43に与えるように動作する例が説明される。
可変増幅部43は、例えば差動増幅回路として構成されている。可変増幅部43の非反転入力端子43Aは、第1抵抗体21と第2抵抗体22との間に電気的に接続されており、第1抵抗体21と第2抵抗体22との間の導電路の電位V1を示す電圧信号が入力される。可変増幅部43の反転入力端子43Bは、第3抵抗体23と第4抵抗体24との間に電気的に接続されており、第3抵抗体23と第4抵抗体24との間の電位V2を示す電圧信号が入力される。つまり、非反転入力端子43Aと反転入力端子43Bとの間の電位差V1-V2が可変増幅部43に入力される入力電圧Vinである。そして、この入力電圧Vinが、センサ部6が出力する圧力信号の一例に相当する。
可変増幅部43は、感度補正回路としても動作する。可変増幅部43は、補正開始条件が成立した場合に、検出部42から与えられる情報に基づいて増幅率を設定する。補正開始条件は、可変増幅部43が検出部42から検出信号を受信したことであってもよく、その他の条件であってもよい。可変増幅部43は、補正開始条件が成立した後、上述の第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsをそれぞれ取得する。そして、可変増幅部43は、第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差(Vbrg-Vofs)に基づいて増幅率を設定する。
可変増幅部43は、検出部42から与えられた第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差(Vbrg-Vofs)を算出し、この差(Vbrg-Vofs)に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を算出する。例えば、可変増幅部43は、上記の差(Vbrg-Vofs)を変数として増幅率G(Vbrg-Vofs)を求めるための演算式が予め不図示の記憶部に記憶されている。そして、可変増幅部43は、第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsが検出部42から与えられた場合、この差(Vbrg-Vofs)を上記演算式に代入することで増幅率G(Vbrg-Vofs)を求める。そして、可変増幅部43は、センサ部6が出力する上記圧力信号(入力電圧Vin)を、増幅率G(Vbrg-Vofs)で増幅した増幅信号G(Vbrg-Vofs)×Vinを生成する。
なお、ここでは、増幅率G(Vbrg-Vofs)を演算式で求める例が説明されたが、この例に限定されない。可変増幅部43は、上記の差(Vbrg-Vofs)の候補となる各値と各係数とを対応付けたテーブルが不図示の記憶部に予め記憶され、上記の差(Vbrg-Vofs)が特定された場合に、この差に対応する増幅率G(Vbrg-Vofs)をテーブルから求めてもよい。
可変増幅部43から出力された増幅信号G(Vbrg-Vofs)×Vinは、フィルタ回路45及び出力回路46を介して出力端子Toに出力される。
フィルタ回路45は、例えばローパスフィルタであり、RC回路等のアナログフィルタであってもよいし、FIR(finite impulse response)等のデジタルフィルタであってもよい。フィルタ回路45は、可変増幅部43から与えられる補正後の増幅信号G(Vbrg-Vofs)×Vinにおいて高周波成分を減衰させ、減衰後の信号を出力する。
出力回路46は、フィルタ回路45を経由した補正後の増幅信号(具体的には、フィルタ回路45によって高周波成分の減衰がなされた補正後の増幅信号)を、安定的に外部に出力するための回路である。なお、本構成では、信号処理回路40の動作中には、補正後の増幅信号がフィルタ回路45及び出力回路46を介して出力端子Toから継続的に出力されるようになっている。
1-2.信号処理
次の説明は信号処理回路40による信号処理に関する。
信号処理回路40は、所定の開始条件が成立した場合に信号処理を行う。信号処理は、センサ部6が検出した圧力信号を増幅して出力する処理であり、且つ、圧力信号の増幅にあたってセンサ部6の温度特性の影響を抑制するように補正する処理である。所定の開始条件の成立は、例えば、「自動車における不図示の始動スイッチ(例えばイグニッションスイッチ)がON状態に切り替わったこと」であってもよく、「特定装置の動作が開始したこと」であってもよく、「その他の条件が成立したこと」であってもよい。信号処理回路40は、上記開始条件が成立した場合、上記信号処理を繰り返し行う。
信号処理回路40では、制御部48及び可変増幅部43が図4で例示されるフローチャートの流れに沿って信号処理を行う。なお、図4で示される信号処理は、ステップS15の後、又はステップS10でNoとなる場合に終了するが、終了後、即座に開始するように繰り返される処理である。
制御部48は、図4の信号処理を開始した後、ステップS10において対象期間となったか否かを判定する。検出部42は、ステップS10の判定を行うにあたり、排気行程の期間を対象期間としてもよく、吸気行程の期間を対象期間としてもよく、吸気行程及び排気行程の期間を対象期間としてもよい。なお、以下で説明される代表例では、「吸気行程及び排気行程の期間」が対象期間とされる。図5では、この代表例の対象期間(吸気行程及び排気行程の期間)がTMとして示される。
図5のように、筒内圧センサ1が適用される内燃機関は、燃焼行程の後に排気行程となり、排気行程の後に吸気行程となり、吸気行程の後に圧縮行程となる。信号処理回路40は、例えば別の制御装置(例えばエンジンの動作を制御するECU(Engine Control Unit))から排気行程又は吸気行程であることを示す信号を受け取り、この信号に基づいて対象期間となったか否かの判定(即ち、排気行程又は吸気行程であるか否かの判定)を行う。この信号は、排気行程又は吸気行程の期間中に継続的に出力される信号であってもよいし、排気行程又は吸気行程の開始時あるいは排気行程又は吸気行程における所定のタイミングで一時的に出力される信号であってもよい。
制御部48は、図4の信号処理を開始した後、ステップS10において上記対象期間TMになったと判定した場合(ステップS10:Yes)、第1制御を開始し(ステップS11)、第1スイッチS1をオン状態とし、第2スイッチS2をオフ状態とする。そして、制御部48は、第1制御を行っている期間に第1電圧Vbrgを検出する(ステップS12)。制御部48は、ステップS12の処理により第1電圧Vbrgのデジタル値を取得する。なお、制御部48は、ステップS11で第1制御を開始した後、ステップS13で第2制御を開始するまで第1制御を行うが、制御部48が第1制御を行う期間は対象期間TMよりも大幅に短い期間である。
制御部48は、ステップS12の後、第2制御を開始し(ステップS13)、第1スイッチS1をオフ状態とし、第2スイッチS2をオン状態とする。そして、制御部48は、第2制御を行っている期間に第2電圧Vofsを検出する(ステップS14)。制御部48は、ステップS14の処理により第2電圧Vofsのデジタル値を取得する。なお、制御部48は、ステップS13で第2制御を開始した後、ステップS15の処理を開始するまで第2制御を行うが、制御部48が第2制御を行う期間は対象期間TMよりも大幅に短い期間である。
制御部48は、ステップS14の後にステップS15の処理を行う。なお、制御部48が可変増幅部43の一部をなす場合、制御部48がステップS15の処理を行い得るが、制御部48と可変増幅部43とが別個の装置として構成される場合、ステップS15の処理は可変増幅部43が行う。いずれにしても、可変増幅部43は、ステップS14の後、ステップS12、S14でそれぞれ算出された第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsの差(Vbrg-Vofs)に基づいて増幅率を設定する(ステップS15)。可変増幅部43が、差(Vbrg-Vofs)に基づいて増幅率を設定する演算方法は、上述の方法が採用される。
代表例では、制御部48及び可変増幅部43は、対象期間TMとなる毎にステップS11~S15の処理を実行する。具体的には、制御部48及び可変増幅部43は、上述の4行程が行われる各周期の各対象期間において、「第1制御」「第1制御中の第1電圧Vbrgの検出」「第1制御と同一周期での第2制御」「第2制御中の第2電圧Vofsの検出」「第1制御及び第2制御と同一周期での増幅率の設定」をいずれも実行する。なお、本明細書では、燃焼行程の開始時点から圧縮行程の終了時点までが1周期である。検出部42及び可変増幅部43は、ステップS10においてYesと判定してからステップS15において増幅率を設定するまでの時間を、上記1周期よりも十分短い時間とし、ステップS11~S15の処理を対象期間TM内に完了させる。
上述した信号処理回路40は、例えば以下のような効果を生じさせる。
信号処理回路40は、センサ部6の抵抗値に基づいて増幅率を設定することができるため、センサ部6の温度を反映して信号処理回路40の感度を温度補正することができる。更に、この信号処理回路40では、制御部48の制御に応じて、差動回路47が、オフセット電圧を含んだ温度検出信号である第1電圧Vbrgと、オフセット電圧に相当する第2電圧Vofsと、を出力することができる。そして、可変増幅部43は、上記第1電圧Vbrgと上記第2電圧Vofsとの差に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定することができる。つまり、可変増幅部43は、第1電圧Vbrgのみに基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定するのではなく、第1電圧Vbrgから当該第1電圧Vbrgに含まれるオフセット電圧分を除いた増幅信号、即ち、高精度な温度信号に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定し得る。ゆえに、この信号処理回路40は、圧力センサの温度の検出精度を高めることができ、圧力センサの感度の温度依存を精度良く補正することができる。
更に、制御部48は、第1制御を行う毎に第1制御の後に第2制御を行う。そして、可変増幅部43は、制御部48が第1制御及び第2制御を行う毎に差動回路47から出力される第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定する。この構成によれば、信号処理回路40は、第1電圧Vbrgが得られるタイミングに近いタイミングで得られる第2電圧Vofsを用い、第1電圧Vbrgからオフセット電圧分をキャンセルすることができる。よって、この信号処理回路40は、第1電圧Vbrgが得られるタイミングと同様の温度環境で得られる第2電圧Vofsによって、オフセット電圧分をより正確にキャンセルすることができる。
更に、制御部48は、内燃機関において吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程が行われる各周期において第1制御及び第2制御を行う。可変増幅部43は、周期毎の第1制御及び第2制御に応じて差動回路47から出力される第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差に基づいて周期毎に増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定する。この構成によれば、第1制御、第2制御及び増幅率の設定を、各周期における一連の動作として行うことができるので、各々の実行契機を個別に設定する構成と比較して、構成又は制御を簡易化することができる。
更に、制御部48は、内燃機関における吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程のうちの少なくとも吸気行程及び排気行程のいずれかにおいて第1制御を行う。可変増幅部43は、上記4行程のうちの吸気行程及び排気行程のみで行われる第1制御によって差動回路47から出力される第1電圧Vbrgと、第2電圧Vofsとの差に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定する。この構成によれば、増幅率G(Vbrg-Vofs)の設定に、内燃機関の4行程のうちの吸気行程及び排気行程のみにおいて検出された第1電圧Vbrgを用いることができる。つまり、可変増幅部43は、筒内圧が相対的に低く安定した状態で検出された第1電圧Vbrgと第2電圧Vofsとの差に基づいて増幅率G(Vbrg-Vofs)を設定することができる。ゆえに、信号処理回路40は、圧力感度の温度補正をより高精度に行うことができる。
2.第2実施形態
次の説明は第2実施形態に関する。
第1実施形態の信号処理回路40は、対象期間であることを特定し得る信号を別の制御装置から受け取り可能に構成され、この信号に基づいて対象期間であるか否かを判定する構成であった。しかし、第2実施形態の信号処理回路40は、自身で対象期間であるか否かを判定する。なお、第2実施形態の信号処理回路40が用いられる筒内圧センサ1は、信号処理回路40以外は第1実施形態の信号処理回路40が用いられる筒内圧センサ1(図1~図3等)と同一である。また、第2実施形態の信号処理回路40は、対象期間となったか否かを判定する方法のみが第1実施形態の信号処理回路40と異なり、その他の点は第1実施形態の信号処理回路40と同一である。例えば、第2実施形態の信号処理回路40は、図2及び図3の構成や図4の処理の流れは第1実施形態の信号処理回路40と同一であり、ステップS10の具体的判定方法のみが第1実施形態と異なる。
第2実施形態の信号処理回路40も、図2及び図3のような構成をなし、検出部42及び可変増幅部43が図4のような流れで信号処理を行う。そして、この信号処理回路40でも、検出部42はステップS10において対象期間(吸気行程及び排気行程の期間)となったか否かを判定する。
可変増幅部43は、図4のステップS10の判定を行うにあたり、各周期において、筒内圧(具体的にはセンサ部6が検出する圧力)がピークとなった後、筒内圧が閾値圧力Pth以下となってから次に閾値圧力Pthを超えるまでの期間TAを算出する。図6には、期間TAが概念的に示される。可変増幅部43は、期間TAを算出した後、この期間TAに係数αを乗じた期間TBを算出する。期間TBは、期間TAを算出した周期(期間TAを算出する対象の周期)の次の周期の対象期間を決定するための値であり、TBは、TB=TA×αである。係数αは、筒内圧が閾値圧力Pth以下となってからTA×αの期間が経過したときに吸気行程又は排気行程となるように設定された係数である。係数αは、例えば2分の1など特定の値に固定してもよいし、エンジンの回転数等に応じて調整されるようにしてもよい。
図6のように、信号処理回路40は、上記期間TAの後、次に筒内圧がピークとなった後に筒内圧が閾値圧力Pth以下となった場合、筒内圧が閾値圧力Pth以下となった時点から期間TBが経過したか否かを判定する。つまり、この例では、筒内圧がピークとなった後に閾値圧力Pth以下となった時点から期間TBが経過したタイミングが対象期間(排気行程及び吸気行程のいずれか)であると確定できるタイミングである。そして、このタイミングから所定期間(例えば、TA×βの期間)の間が対象期間である。第2実施形態の信号処理回路40では、可変増幅部43が、各周期で実行されるステップS10(図4)においてこのような判定(筒内圧がピークとなった後に閾値圧力Pthとなった時点から期間TBが経過したか否かの判定)を行う。そして、検出部42及び可変増幅部43は、検出部42がステップS10において「筒内圧がピークとなった後に閾値圧力Pth以下となった時点から期間TBが経過した」と判定した場合には、ステップS11以降の処理を行う。
なお、第2実施形態の信号処理回路40も、ステップS10において対象期間となったと判定した後は、第1実施形態の信号処理回路40と同様にステップS11~S15の処理を行う。
第2実施形態の信号処理回路40は、別の制御装置から吸気行程又は排気行程であることを示す信号を受け取ることなく、吸気行程又は排気行程であるか否かを判定することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
第1、第2実施形態の信号処理回路は、検出部42が第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsをそれぞれ別個に可変増幅部43に与える構成であったが、この例に限定されない。例えば、検出部42が上記の差(Vbrg-Vofs)を算出し、可変増幅部43に与えてもよい。
第1、第2実施形態の信号処理回路は、検出部42が第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsの各々又は上記の差(Vbrg-Vofs)をデジタル値として可変増幅部43に与える構成であったが、この構成に限定されない。例えば、検出部42は、第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsの各々、又は上記の差(Vbrg-Vofs)をアナログ信号として可変増幅部43に与える構成であってもよい。
第1、第2実施形態の代表例では、「吸気行程及び排気行程の期間」が対象期間であるが、吸気行程の期間のみが対象期間であってもよく、排気行程の期間のみが対象期間であってもよい。
第1、第2実施形態の信号処理回路は、センサ部6がフルブリッジ回路であるが、複数の抵抗体で構成されるものであればフルブリッジ回路でなくてもよい。また、圧力検出用の抵抗体と温度検出用の抵抗体が別々の抵抗体であってもよい。
第1、第2実施形態の信号処理回路は、ブリッジ回路27全体の合成抵抗値に応じた検出信号に基づいて増幅率が設定される構成であるが、センサ部6の温度を示す情報に基づいて増幅率が設定される構成であればよい。例えば、信号処理回路は、センサ部6の一部の抵抗体の抵抗値に応じた電圧信号を差動回路によって増幅又はバッファし、差動回路が出力する電圧に基づいて増幅率が設定される構成であってもよい。この場合でも、制御部が第1制御及び第2制御を行い、差動回路が第1電圧及び第2電圧を出力するようになっていればよい。
第1、第2実施形態の信号処理回路は、可変増幅部43が4行程のうちの吸気行程及び排気行程のときのみに増幅率の設定を行う構成であるが、燃焼行程又は排気行程のときに増幅率の設定を行う構成であってもよい。
第1実施形態及び第2実施形態の信号処理回路は、第1制御、第1電圧Vbrgの検出、第2制御、第2電圧Vofs及び増幅率の設定が周期毎に行われる構成であるが、周期毎に行われなくてもよい。例えば、信号処理回路は、第1制御、第1電圧Vbrgの検出、第2制御、第2電圧Vofsの検出及び増幅率の設定の一部又は全てを複数周期毎に行う構成であってもよい。また、信号処理回路は、第1制御、第1電圧Vbrgの検出、第2制御、第2電圧Vofsの検出を全て同一周期に行ってもよく、これらを異なる周期に行ってもよい。例えば、信号処理回路は、第1制御及び第1電圧Vbrgの検出を行う周期の次の周期に第2制御、第2電圧Vofsの検出、第1電圧Vbrg及び第2電圧Vofsに基づく増幅率の設定を行うようにしてもよい。
筒内圧センサ1が取り付けられる内燃機関は、ディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンであってもよい。
第1実施形態及び第2実施形態の信号処理回路は、センサ部6に供給される電流の値が一定であるが、センサ部6に印加される電圧の値(具体的には、導電路31,32の間の電圧)が一定となる構成であってもよい。この場合、一定とされる電圧値が予めEEPROMなどの不揮発性メモリに記憶されていればよい。この場合、信号処理回路40は、例えばセンサ部6へと流れる電流の値を検出することでセンサ部6の抵抗変化を検出することができる。
第1実施形態及び第2実施形態の信号処理回路は、センサ部6に供給される電流の値が予め記憶される構成であるが、センサ部6に供給される電流の値を電流検出回路によって検出する構成であってもよく、他の方法で取得する構成であってもよい。
第1実施形態及び第2実施形態の信号処理回路は、第1制御を行った後に第2制御を行うようにしたが、第1制御を行う前に第2制御を行うようにしてもよい。
第1実施形態及び第2実施形態の信号処理回路は、第2制御において、第1端子T1と第2端子T2の電位をともに基準電位Vrefとすることで第1端子T1と第2端子T2を同電位としたが、この構成に限定されない。信号処理回路は、第1端子T1と第2端子T2の電位をともにセンサ部6の抵抗値に応じた電位(導電路31の電位)とすることで第1端子T1と第2端子T2を同電位としてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…筒内圧センサ
6…センサ部
21…第1抵抗体
22…第2抵抗体
23…第3抵抗体
24…第4抵抗体
40…信号処理回路
42…検出部
43…可変増幅部
47…差動回路
48…制御部
T1…第1端子
T2…第2端子
Vref…基準電位
Vbrg…第1電圧
Vofs…第2電圧

Claims (4)

  1. 複数の抵抗体を有し内燃機関の筒内に配置されるセンサ部を備えるとともに前記センサ部が前記筒内の圧力に応じた圧力信号を出力する筒内圧センサにおいて、前記圧力信号を処理する信号処理回路であって、
    前記センサ部へ一定電流を流した時に発生する電圧値を検出する検出部と、
    前記検出部で検出した前記電圧値に基づいて増幅率を設定し、前記センサ部が出力する前記圧力信号を前記増幅率で増幅した増幅信号を生成する可変増幅部と、
    を備え、
    前記検出部は、
    第1端子及び第2端子を備えるとともに前記第1端子と前記第2端子との間の電圧、又は前記第1端子と前記第2端子との間の電圧を増幅した電圧を出力する差動回路と、
    前記第1端子を前記センサ部の抵抗値に応じた電位とし前記第2端子を基準電位とする第1制御と、前記第1端子と前記第2端子を同電位とする第2制御と、を切り替えて行う制御部と、
    を有し、
    前記可変増幅部は、前記制御部が前記第1制御を行っている状態で前記差動回路が出力する第1電圧と、前記制御部が前記第2制御を行っている状態で前記差動回路が出力する第2電圧と、の差に基づいて前記増幅率を設定する
    筒内圧センサの信号処理回路。
  2. 前記制御部は、前記第1制御を行う毎に前記第1制御の前又は後に前記第2制御を行い、
    前記可変増幅部は、前記制御部が前記第1制御及び前記第2制御を行う毎に前記差動回路から出力される前記第1電圧と前記第2電圧との差に基づいて前記増幅率を設定する
    請求項1に記載の筒内圧センサの信号処理回路。
  3. 前記制御部は、前記内燃機関において吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程が行われる各周期において前記第1制御及び前記第2制御を行い、
    前記可変増幅部は、前記周期毎の前記第1制御及び前記第2制御に応じて前記差動回路から出力される前記第1電圧と前記第2電圧との差に基づいて前記周期毎に前記増幅率を設定する
    請求項2に記載の筒内圧センサの信号処理回路。
  4. 前記制御部は、前記内燃機関における吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4行程のうちの少なくとも前記吸気行程及び前記排気行程のいずれかにおいて前記第1制御を行い、
    前記可変増幅部は、前記4行程のうちの前記吸気行程及び前記排気行程のみで行われる前記第1制御によって前記差動回路から出力される前記第1電圧と、前記第2電圧との差に基づいて前記増幅率を設定する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の筒内圧センサの信号処理回路。
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