JP2022043368A - 感音難聴治療用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】架橋剤を含まず、より安全性の向上した感音難聴治療用組成物を提供すること。【解決手段】有毛細胞保護効果を有する物質を、生体吸収性高分子からなる多孔質担体に担持させた、感音難聴治療用組成物、及びキット。特に、ゼラチンスポンジにインスリン様成長因子1(IGF-1)を担持させた感音難聴治療用組成物、及びキット。【選択図】なし

Description

本発明は、有毛細胞の保護効果を有する物質を生体内分解性高分子からなる多孔性担体に担持させた、感音難聴治療用組成物に関する。また本発明は、有毛細胞保護効果を有する物質、及び生体吸収性高分子からなる多孔質担体を含む感音難聴治療キットに関する。
難聴は、特に高齢者において、最も頻度の高い身体障害の一つとされている。難聴のうち、中耳炎や鼓膜穿孔などの、いわゆる伝音難聴については、症例に応じ、抗生剤等を用いた薬物療法や、手術治療等の治療法が存在している。また鼓膜穿孔に対しては、近年、塩基性繊維芽細胞増殖因子を担持したゼラチンスポンジを含有した再生剤を用いた新たな治療法が提案されている(特許文献1)。
一方、突発性難聴をはじめとする、いわゆる感音難聴については、ステロイド剤の全身投与による治療が試みられてきたものの、効果を奏さない症例も少なくなく、明確なエビデンスに基づく治療法は存在していなかった。このような中、インスリン様成長因子1(IGF-1)を含有したゼラチンハイドロゲルを患部に局所投与することによって、感音難聴で代表的な突発性難聴を改善させる試みがなされ、成果を上げている(非特許文献1、非特許文献2)。
国際公開2009/157558号
このように、IGF-1を含むゼラチンハイドロゲルを用いることにより、突発性難聴を治療することが行われている。しかし化学的架橋により製造されたゼラチンハイドロゲルはグルタールアルデヒド等の架橋剤を含む。そのため、ゼラチンハイドロゲルが生体内で分解された際に、グルタールアルデヒドが体内に残留する可能性があり、その細胞毒性が懸念されるという安全性上の課題があった。
本発明は、架橋剤を含まず、より安全性の向上した感音難聴治療用組成物を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、IGF-1をはじめとする有毛細胞の保護効果を有する物質(有毛細胞保護物質)を、生体内分解性を有する高分子の多孔性担体に担持させた組成物とすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、有毛細胞保護効果を有する物質を、生体吸収性高分子からなる多孔質担体に担持させた、感音難聴治療用組成物である。
また本発明は、有毛細胞保護効果を有する物質、及び生体吸収性高分子からなる多孔質担体を含む感音難聴治療キットである。
本発明により、細胞毒性を有するグルタールアルデヒドが残留する心配がなく、より安全性の高い感音難聴治療用組成物を提供することができる。
IGF-1担持ゼラチンスポンジ投与時の、モルモットにおける、IGF-1の薬物動態を調べた結果を示す図である。ここで、Controlは、IGF-1担持ゼラチンスポンジ投与前に採取したサンプルを示す。
本発明に係る感音難聴治療用組成物は、生体吸収性高分子の多孔質担体に有毛細胞保護物質を担持させたことを特徴とする。生体吸収性高分子の多孔質担体は化学架橋を介さずに調製することが可能であり、生体内で分解された際に、架橋剤に由来する有害物質が残留する心配がない。従って、生体吸収性高分子の多孔質担体に担持させることにより、安全性が向上するといった効果を得ることができる。
本発明において、有効成分である有毛細胞保護効果を有する物質は、生体内において有毛細胞保護効果を有する種々の物質を用いることができる。具体的には例えば、IGF-1、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン3(NT3)等を用いることができる。これらのうち好ましいものとして、IGF-1を用いることができる。
生体吸収性高分子は、生体吸収性を有し、かつ、多孔性担体を調製可能なものであればよく、特に限定されない。例えば、ゼラチン、ヒアルロン酸、またはキトサン等を用いることができる。これらのうち好ましいものとして、ゼラチンを用いることができる。
多孔性担体は、上述の生体吸収高分子により形成された多孔性体であり、好ましいものとして、ゼラチンスポンジを用いることができる。
以下、IGF-1を担持させたゼラチンスポンジを例にとり、本発明に係る感音難聴治療用組成物における実施形態につき、具体的に説明する。
(本発明に係る感音難聴治療用組成物の調製方法)
ゼラチンスポンジを調製するための材料として、豚、牛等の動物由来のコラーゲンを酸又はアルカリで加水分解あるいは加熱分解して得られたタンパク質を精製するといった、公知の方法により得られたゼラチンを、用いることができる。このようなゼラチンは一般に市販されている。本発明において用いるゼラチンの種類は特に限定されないが、医薬品として用いることから、日本薬局方「ゼラチン」又は日本薬局方「精製ゼラチン」を用いることが望ましい。
ゼラチンスポンジは、公知の方法(例えば、特許文献1記載の方法)を用いて調製することができる。具体的には、(1)ゼラチンを加温した水に溶解させ、45℃以上に保ったまま孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過する、(2)得られたゼラチン水溶液をホモジナイザー等を用いて激しく撹拌して発泡させる、(3)発泡させたゼラチン水溶液を公知の方法(例えば、凍結させた溶液を0.1Torrに減圧するといった条件)にて直ちに凍結乾燥する、(4)得られた凍結乾燥物を所望の厚さ(例えば1cm)のシート状に切断する、といった工程により、得ることができる。また、上記工程に加え、(5)得られたシートを加熱してさらにゼラチンを熱架橋させる(例えば、150℃で6時間程度加熱)、という工程を加えても良い。この工程により、得られたゼラチンスポンジの強度を増強させることができ、そのため安定性の向上した組成物とすることができる。なお、ゼラチン水溶液におけるゼラチン濃度は、所望の物性となるように、適宜調整する。具体的には、吸水試験における吸水量(水で浸潤後の質量を浸潤前の質量で除した値)が、約40~50倍となるように調整すればよく、通常は、5.5~6.5%とすることができる。
ゼラチンスポンジへのIGF-1の担持は、所望の形状(例えば、直径約1.5cm、厚さ約1cmの円柱状)に切り出したゼラチンスポンジにIGF-1の水溶液を滴下、あるいは浸潤させることによって、行うことができる。ゼラチンスポンジの形状及び大きさは、治療する患部の状態によって、適宜調整される。具体的には、各症例における中耳腔容積、正円窓窩形態に応じて、術者が適切な大きさ(中耳正円窓窩から鼓膜に至る空間に留置するのに十分な量)に裁断し、必要量を投与する。
また担持させるIGF-1の量は、患者の病状等に応じて適宜調整される。通常は、1回あたりの投与濃度(10mg/mL)に調整されたIGF-1の生理食塩水溶液を、患部の形状に合わせて切り出したゼラチンスポンジに含浸させて用いればよい。患者の状態により、複数回の患部への投与を実施することもある。
(本発明に係る感音難聴治療用組成物の使用方法)
本発明に係る感音難聴治療用組成物は、中耳腔に直接留置して、用いることができる。具体的にIGF-1担持ゼラチンスポンジの場合を例にとり説明すると、局所麻酔下で鼓膜後下象限に切開を加えた上で、適当な大きさに切断したIGF-1担持ゼラチンスポンジを、専用の器具を用いて正円窓窩に留置する。留置されたIGF-1担持ゼラチンスポンジからIGF-1が徐々に患部に浸透してゆき、感音難聴を効果的に治療することが可能となる。また、IGF-1を担持しているゼラチンスポンジは、化学的架橋を経ずに製造されるため、有害な架橋剤を含まず、安全性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明に係る感音難聴治療用組成物において、担持される有毛細胞保護物質は、有毛細胞の保護効果を奏する物質であればよく、特に限定されない。例えば、IGF-1の他、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン3(NT3)といった物質を、IGF-1を担持させた場合と同様の方法によって担持させてもよい。
また、有毛細胞保護物質を担持させる担体も、生体吸収性を有する多孔性担体であればよく、特に限定されない。ゼラチンスポンジの他、例えばキトサンを用いて調製された多孔性担体を用いることもできる。ここで、キトサンの多孔性担体は、公知の方法にて得られたキトサン溶液又はゲルを、公知の方法によって凍結乾燥することにより、得ることができる。ヒアルロン酸及びキトサンの溶液を凍結乾燥させる場合は、ゼラチンスポンジの場合と同様に、撹拌等の手段により発泡させ、凍結乾燥工程に供することが望ましい。
(本発明に係る感音難聴治療キット)
本発明の感音難聴治療キットは、上述の有毛細胞保護効果を有する物質、及び生体吸収性高分子からなる多孔質担体を、公知の容器にセットして製造することができる。例えば、有毛細胞保護効果を有する物質としてIGF-1、生体吸収性高分子からなる多孔質担体としてゼラチンスポンジを公知の容器にセットする。キットにはさらに、IGF-1が凍結乾燥品である場合は、溶解用の生理食塩水や注射用水、シリンジ、ゼラチンスポンジを適当な大きさにカットするための器具、ゼラチンスポンジにIGF-1を担持させるためのトレイ等を含んでもよい。
(実施例1)IGF-1担持ゼラチンスポンジを用いた薬物動態試験
モルモットを用い、IGF-1担持ゼラチンスポンジの、薬物動態を解析した。
(1)ゼラチンスポンジの調製
日本薬局方ゼラチンを、加温した水に溶解し、濃度60mg/mLの溶液とした。この溶液を40℃に保ったまま、孔径0.2μmのフィルターに通し、ホモジナイザーにて900rpmの条件で激しく撹拌し、発泡させた。発泡させたゼラチン溶液を0.2Torrの条件で凍結乾燥させ、キセロゲルとした。得られたキセロゲルを、厚さ1cmのシート状に切り出し、150℃で6時間加熱して、熱架橋させた。
(2)IGF-1担持ゼラチンスポンジの調製
IGF-1は、株式会社オーファンパシフィックから購入した。IGF-1の生理食塩液溶液(濃度10mg/mL)を0.04mLとり、直径約0.3cm、厚さ約0.2cmの略円柱状に切り出したゼラチンスポンジに含浸させ、IGF-1担持ゼラチンスポンジを得た。
(3)モルモットにおける薬物動態試験
調製したIGF-1担持ゼラチンスポンジを、モルモットの中耳正円窓窩に投与した(IGF-1投与量:0.4g/ear)。投与前、投与1、3、7日後に、蝸牛外リンパ、脳脊髄液、血清を採取し、ELISA法(使用キット:Quantikine human IGF-1 immunoassay kit, R&D Systems)を用いて各試料中におけるIGF-1濃度を測定した。
結果を、図1に示す。この図に示すように、蝸牛外リンパでは、投与前と比較して、投与後の全てのタイミングでIGF-1濃度が有意に高く、投与1日後では、他の群よりも有意に高値のIGF-1濃度が示された。また、投与後1及び3日後では、既往の研究例(Hayashi Y, Yamamoto N, Nakagawa T, Ito J. Insulin-like growth factor 1 inhibits hair-cell apoptosis and promotes the cell cycle of supporting cells by activating different downstream cascades after pharmacological hair cell injury in neonatal mice. Mol Cell Neurosci 56C:29-38, 2013)において外有毛細胞保護効果が認められた蝸牛内IGF-1濃度を上回るIGF-1濃度が示された。これらの結果から、IGF-1担持ゼラチンスポンジが、少なくとも投与後3日間にわたり、治療効果が期待できる濃度のIGF-1を蝸牛内に供給できることが示された。
(実施例2)音響外傷モデルモルモットを用いたIGF-1担持ゼラチンスポンジの薬効試験
音響曝露により作製された音響外傷モデルモルモットに、IGF-1担持ゼラチンスポンジを投与した場合の改善効果を確認する目的で、薬効実験を実施した。
(1)ゼラチンスポンジの調製
日本薬局方ゼラチンを、加温した水に溶解し、濃度60mg/mLの溶液とした。この溶液を40℃に保ったまま、孔径0.2μmのフィルターに通し、ホモジナイザーにて9000rpmの条件で激しく撹拌し、発泡させた。発泡させたゼラチン溶液を0.2Torrの条件で凍結乾燥させ、キセロゲルとした。得られたキセロゲルを、厚さ1cmのシート状に切り出し、150℃で6時間加熱して、熱架橋させた。
(2)IGF-1担持ゼラチンスポンジの調製
IGF-1は、株式会社オーファンパシフィックから購入した。IGF-1の生理食塩液溶液(濃度10mg/mL)を0.04mLとり、直径約0.3cm、厚さ約0.2cmの略円柱状に切り出したゼラチンスポンジに含浸させ、IGF-1担持ゼラチンスポンジを得た。
(3)音響外傷モデルモルモットにおける薬効試験
モルモット10匹を音響曝露後(4kHz、octave band noise at 135 dB SPL、1時間)、IGF-1担持ゼラチンスポンジをモルモット中耳正円窓窩に投与した(IGF-1投与量:0.4g/ear)。対側耳には、生理食塩水含浸ゼラチンスポンジを中耳正円窓窩に投与した。モルモット音響曝露難聴モデルで薬効がみられた濃度10mg/mLを中用量に設定し、公比約3で3及び30mg/mLを低及び高用量に設定し、麻酔下で左あるいは右耳後部を切開後に中耳骨包を開放し,正円窓膜上に投与液を浸透させたゼラチンスポンジを投与した。投与2週間後に聴覚機能検査として、聴覚脳幹反応(ABR:Auditory Brain-stem Response)検査を実施し、検査時期ごとに平均値及び標準誤差を算出した。ABR闘値について、4、8、16kHzでの聴性脳幹反応閾値の音響曝露前からの変化量(上昇量)を評価した。
結果を、表1に示す。この表に示すように、IGF-1担持ゼラチンスポンジを投与した側では、生理食塩水含浸ゼラチンスポンジを投与した側に比べ、全ての群において閾値上昇量の減少が見られた。
(表1)
聴性脳幹反応閾値の上昇量
Figure 2022043368000001
(実施例3)音響外傷モデルモルモットを用いたIGF-1担持ゼラチンスポンジの薬効試験
音響外傷モデルモルモットを用い、種々の担持量におけるIGF-1担持ゼラチンスポンジの改善効果の確認を行った。
音響外傷モデルは、モルモットに4kHz、Octave band noise、135dB SPLを1時間暴露することにより作製した(N=24)。
濃度3、10及び30mg/mLのIGF-1溶液0.04mLを、実施例1記載の方法にて調製したゼラチンスポンジ(直径約0.3cm、厚さ約0.2cmの略円形に切り出したもの)に浸透させ、種々の担持量のIGF-1担持ゼラチンスポンジを調製した(IGF-1投与量:0.12、0.4及び1.2mg/earに相当)。
各担持量のIGF-1担持ゼラチンスポンジを、それぞれ別の音響外傷モデルモルモットの中耳正円窓窩に投与した。一方、対象として、生理食塩液を含浸させたゼラチンスポンジを、反対側の中耳正円窓窩に投与した。投与後14日目に聴覚機能検査として、ABR検査を行った。
結果を、表2に示す。ABR検査では音響暴露により全例でABR閾値が上昇し、生理食塩液含浸ゼラチンスポンジ投与側では、投与後14日目(音響暴露後14日目)のABR閾値は投与前と比較して10~55dB上昇していた。一方、IGF-1担持ゼラチンスポンジ投与側では、生理食塩液含浸ゼラチンスポンジ投与側と比べて、ABR閾値は低値を示した。特に、1.2mg/ear相当のIGF-1担持ゼラチンスポンジを投与した側では8例中4例で15dB以上の低値がみられ、音響暴露による聴覚障害に対する改善がみられた。
(表2)
各担持量におけるABR閾値(各担持量につきN=8)
Figure 2022043368000002
本発明の感音難聴治療用組成物、又はキットにより、細胞毒性を有するグルタールアルデヒドが残留する心配なく、感音難聴を治療することが可能な医薬品を提供することができる。

Claims (5)

  1. 有毛細胞保護効果を有する物質を、生体吸収性高分子からなる多孔質担体に担持させた、感音難聴治療用組成物。
  2. 生体吸収性高分子からなる多孔質担体がゼラチンスポンジである、請求項1に記載の感音難聴治療用組成物。
  3. 有毛細胞保護効果を有する物質がインスリン様成長因子1(IGF-1)である、請求項1又は2に記載の感音難聴治療用組成物。
  4. 有毛細胞保護効果を有する物質、及び生体吸収性高分子からなる多孔質担体を含む、感音難聴治療キット。
  5. 有毛細胞保護効果を有する物質がインスリン様成長因子1(IGF-1)であり、生体吸収性高分子からなる多孔質担体がゼラチンスポンジである、請求項4に記載のキット。
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