JP2022041767A - ポンプ及びポンプシステム - Google Patents

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【課題】円すい状の負圧領域を形成することで効率よく負圧を発生させ、かつ回転流を発生させることができるポンプ及びポンプシステムを提供する。【解決手段】ポンプ1は、円筒状の移送用流路23を有する本体部30と、前記本体部に設けられる圧縮気体を導入するための吸気ポート41と、吸気ポート41からの圧縮気体を流すため本体部30の中に設けられる第一の流路31と、前記移送用流路23の軸心方向よりも移送用流路23の内側へ傾斜され、第一の流路31よりも幅が狭く構成される第二の流路32と、前記移送用流路23の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路32からの圧縮気体を前記移送用流路23の軸心と平行な角度よりも前記移送用流路23の内側に傾斜させて噴射する噴射口33と、を備え、前記噴射口から噴射する圧縮気体は、前記本体部30の前記円筒状の前記移送用流路の軸よりも、円周方向に傾けて噴射されるための回転翼35を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ワークを移送させるためのポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムに関する。
従来、圧縮空気を利用してワークを移送させるために、内部に圧縮空気を噴射することにより内部に流体の流れを発生させてワークの移送を行うポンプがある。特許文献1に記載のポンプは、ポンプ内部の圧縮気体の噴射口が円環状に構成されており、内部に圧縮気体が噴射されると、負圧領域を円すい状に形成するポンプが開示されている。また、特許文献2においてはポンプ内部に複数の圧縮空気噴射用のノズルが設けられ、その複数のノズルが傾斜をつけて設けられることによって、角度をつけて内部に圧縮空気が噴射され、内部の流体が回転しつつ移送されるものである。これにより、効率よく水を排水できることを目的としている。
特開平8-240200号公報 実開昭60-194200号公報
しかしながら、特許文献2のポンプではその内部に回転する流れを生じさせることはできるが、複数のノズルが独立していることから、ポンプ内部に円すい状の負圧領域を形成することはできない。一方、特許文献1の円環状の噴射口を採用したポンプはその内部に円すい状の負圧領域を形成することによって、負圧を発生して、効率よくワークを移送することを狙ったものであるが、特許文献1のポンプのようにポンプ内部に回転する流れを起こすことはできない、という問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、円すい状の負圧領域を形成することで負圧を発生させつつ、回転流を発生させることができるポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムを提供することを目的とする。
(1)本発明のポンプは、圧縮気体を内部に噴射して、内部で流体の流れを生じさせることにより吸込み力と排出力を発生し、ワークを移送するポンプであって、
円筒状の移送用流路を有する本体部と、
前記本体部に備えられ、前記圧縮気体を導入するための吸気ポートと、
前記吸気ポートからの前記圧縮気体を通過させる前記本体部に設けられる第一の流路と、
前記本体部の前記移送用流路の軸心方向と平行となる角度よりも噴射口側が内側へ傾斜され、前記第一の流路よりも幅が狭く構成される、前記第一の流路からの前記圧縮気体を通過させる、前記本体部に設けられる第二の流路と、
前記本体部の前記移送用流路の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路からの前記圧縮気体を前記移送用流路の軸心と平行となる角度よりも前記移送用流路の内側へ傾斜させて噴射する噴射口と、を備え、
前記噴射口から噴射する前記圧縮気体は、円筒状の前記移送用流路の軸心と並行となる角度よりも、円周方向に傾けて噴射されることを特徴とする。
この構成によれば、本体部の前記移送用流路の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路からの気体を本体部の軸と平行な角度よりも前記本体部の内側に傾斜させて噴射する噴射口によって、圧縮気体が噴射されると、ポンプ内部に円すい状の負圧領域が形成され、効率よく負圧が生じて、ワークの移送を効率よく行うことが可能になる。これに加えて、噴射口から噴射する圧縮気体は、前記円筒状の前記本体部の軸心と平行となる角度よりも、進行方向を円周方向に傾けて噴射される構成としたので、圧縮空気による回転力が発生し、ポンプ内部において流体が回転する方向に流れが生じる。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。する。また、ポンプ内部の流体が回転するため、石などの固形物がワークに含まれる場合に、その固形物が中心に集まりやすくなり、ポンプ及び配管(ホース)の内周に接触することを抑制することができる。従って、配管の磨耗を抑制することができる。また、ホースの内周に固形物が接触して、配管が脈動することを抑制することができる。
(2)本発明のポンプにおいて、前記第一の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第一の流路に対して傾斜した回転翼が設けられることが好ましい。
このように、第一の流路には、流路に対して傾斜した回転翼が設けられるため、圧縮空気が第一の流路で傾斜するため、第二の流路を通過して、噴射口からの圧縮気体は、移送用流路の軸と平行となる角度から円周方向に回転する方向に噴射される。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
(3)本発明のポンプにおいて、前記第一の流路には、複数の経路を形成するために前記第一の流路を仕切る仕切り部が設けられ、前記複数の経路は、前記本体部の円筒状の前記移送用流路の軸心に平行となる角度から円周方向に傾斜していることが好ましい。
このように、第一の流路には、複数の経路を形成するために前記第一の流路を仕切る仕切り部が設けられ、前記複数の経路は、前記本体部の円筒状の移送用流路の軸心と平行となる角度から円周方向に傾斜しているため、圧縮空気が第一の流路で傾斜するため、第二の流路を通過して噴射口で噴射される際にも傾斜して噴射される。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
(4)本発明のポンプにおいて、前記第二の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第二の流路における本来の流路に対して傾斜した傾斜片が設けられ、前記傾斜片の噴射口側端部は、前記噴射口よりも手前に設けられることを特徴とする。
このように、前記第二の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第二の流路における本来の流路に対して傾斜した傾斜片が設けられるため、噴射口からの圧縮気体は、移送用流路の軸から円周方向に回転する方向に噴射される。また、傾斜片の噴射口側端部は、前記噴射口よりも手前に設けられることにより、本来の円すい状の負圧領域が第二の流路の傾斜片によって途切れて、均一な負圧を生じさせることを疎外して、生じる負圧が弱まることを抑制することができる。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
(5)本発明におけるポンプシステムは、これまで記載した発明に係るポンプと、
前記ポンプの吸込み口側に設けられる吸込み側配管と、
前記ポンプの排出側に設けられる排出側配管と、
前記ポンプに前記圧縮気体を供給するコンプレッサーと、
前記吸込み側配管の吸込み口側端部に取り付ける吸込み口装置と、
を備えたことを特徴とする。
このように、コンプレッサーによって圧縮空気を供給してポンプを稼動して、吸い込み口から排出側配管へと、ワークを移送することができる。また、動力源にコンプレッサーを利用するので、ポンプシステムの動力の確保が比較的容易となる。また、上述のポンプによって、排出側配管内に回転流を生じさせることができるので、石などの比重の高いワークが配管の中心側に偏るため、排出側配管内部に接触することを抑制することができる。このため、排出側配管の接触による磨耗や脈動を抑制することができる。
(6)本発明のポンプシステムにおいて、
前記吸込み口装置は、
移送対象に向けるための、吸込み口側に設けられた開口部と、
その開口部よりも内径の大きい筒部と、
その筒部の内周に、円周方向の流れを生じさせるための前記筒部の軸と平行となる角度から円周方向に傾斜した吸込み口用回転翼と、
を設けることが好ましい。
このように、ポンプシステムの吸い込み口装置の内筒に、吸込み口用回転翼を傾斜して設けたため、吸込み側配管の内部に流体を回転させる方向に流れが生じる。このため、吸込み口側は配管内に回転流が生じることで、効率よく流体を移送でき、例えば石などのワークが配管の中心軸に寄るため、配管の内周に接触することを抑制することができる。
本発明によれば、ポンプ内部に円すい状の負圧領域を形成することで効率よく負圧を発生させつつ、回転流を発生させることによって、配管内周にワークが接触することを抑制するポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムが可能となる。
本発明のポンプシステムの一実施の形態の構成を示す図である。 本発明のポンプの第一の実施の形態を示した半断面側面図である。 本発明の第一実施形態のポンプの第二の流路付近の拡大断面図である。 (A)は本実施形態に係るポンプを構成する吸込み側部材の半断面側面図である。(B)は回転翼35が吸込み側部材21に取付けられる構造を示す拡大図である。 (A)は、図4(A)のA-A断面図であり、(B)は、図4(A)のB-B断面図である。 (A)はポンプを構成する排出側部材22の半断面側面図である。(B)は(A)のE矢視図である。 本実施の形態において、ポンプ内部の噴射口から噴射された圧縮空気により形成される負圧領域及び加圧領域を示す図である。 (A)は、吸込み口装置を吸込み側から見た図である。(B)は(A)のA-A断面図である。 図8(B)の吸込み口装置のB矢視図である。 吸込み口装置にストレーナを取付けた例を示す図である。 (A)は図10のストレーナのA矢視図である。(B)は図10のB-B断面図である。 (A)はポンプ取付け用ブラケットの側面図である。(B)はそのブラケットの正面図である。 ブラケットを設置台に固定した状態を示す図である。 従来のポンプと本実施の形態のポンプの配管内の流体及びワークの流れを比較して説明する図である。 本発明に係る第二実施形態のポンプの半断面側面図である。 (A)は第二実施形態のポンプの吸込み側部材と帯状部品を示す半断面側面図である。(B)は吸込み口部材と帯状部品の部分拡大断面図である。 (A)は、図16のA―A断面図である。(B)は図17(A)のB-B断面図である。 帯状部品を吸込み側部材に取付ける前の状態を説明する図である。 本発明のポンプの第三実施形態の半断面側面図である。 第三実施形態の第二の流路及び傾斜片の拡大図である。 第三実施形態の傾斜片を吸込み側部材の傾斜面に取付けた状態の部分側面図である。 (A)は、本発明に用いる傾斜片を吸込み側部材の傾斜面に取付けた状態をポンプにおける排出側から見た図である。(B)は(A)の傾斜片の拡大図である。
<ポンプシステム>
図1は本発明の一実施の形態のポンプを採用したポンプシステムの構成を示す図である。図1において、ポンプシステム10は、ポンプ1と、吸込み側配管2と、排出側配管3と、吸込み口装置4と、コンプレッサー6とを備える。
ポンプ1には、コンプレッサー6からの圧縮気体としての圧縮空気が管路8aと管路8aから分岐した管路8bと、コネクタ16を介して供給される。圧縮空気を供給されたポンプ1は内部において後述の負圧領域と、その負圧領域よりも下流側(排出側)の加圧領域とを形成し、その負圧による吸引力を発生させるとともに、加圧による排出力を発生する。吸込み側配管2の端部に取付けられた吸込み口装置4の吸込み口から、例えば砂利などのワーク(移送対象)13を吸い込む。吸い込まれたワーク13は、吸込み側配管2、ポンプ1及び排出側配管3を通過して、排出側装置としてのトラック5に排出されることで、移送がされる。
管路8a及び管路8bにおいて、11は流量制御弁である。この流量制御弁11を操作することにより、圧縮空気の量を制御してポンプ1への圧縮空気の量をコントロールし、ポンプ1の吸い込み力を制御することが可能である。流量制御弁11には、圧力確認用の圧力計12が設けられる。なお、流量制御弁11に圧力を制御するレギュレータを付加して構成してもよい。開閉バルブ9a、9b及び9cは、組み立てやメンテナンスの際に管路を閉じるためのバルブである。
図1のように、吸込み口装置4には、吸込み口操作棒17を設けてもよい。作業者14が、吸込み口操作棒17を手で持って、吸込み口装置4の向きを操作することが可能になる。固定具18は、ポンプ1と吸込み側配管2を固定するための固定具である。固定具19は、ポンプ1と排出側配管とを固定する円環状の固定具である。
このポンプシステム10は、吸込み口から空気などの気体を吸い込むことができ、水などの液体も吸い込むことが可能である。従って、図1のように空気とともに砂利などを移送することも可能であるが、水中の石などを移送することも可能である。また、藁など水よりも比重の軽いものや、家畜の糞などやわらかいものも移送も可能である。吸込み側配管2及び排出側配管3の配管は樹脂製ホースでもよいし、金属製の配管でもよいし、部分的にこれらを組み合わせた配管としてもよい。
<第一実施形態>
図2は、本発明のポンプの第一の実施形態を示す半断面側面図である。図1の上側半分は、ポンプ1の断面図であり、下半分はポンプ1の側面図である。図2のポンプ1は、本体部30を備え、その本体部30において、吸気ポート41と、第一の流路31と、第二の流路32と、噴射口33とを備える。
また、図2の本体部30は、排出側部材22と、吸込み側部材21と、中間部材24の部材を備える。また、本体部30は、吸込み側部材21の内面21bと、排出側部材22の内面22bを有する円筒状の移送用流路23を備える。この吸込み側部材21の内面21bと排出側部材22内面22bは、ワークが段差や傾斜に接触することを防止するため、同径で同軸に構成することが好ましい。
ポンプ1の吸込み側端部と吸込み側配管2は、接続部分をボルト18aを締め付けることで締まる固定具18で固定され、ポンプ1の排出側端部と排出側配管3の接続部分はボルト19aを締め付けることで締まる固定具19によって固定される。これらの配管は、移送用流路23とほぼ同じ内径の吸込み側配管2及び排出側配管3が用いられる。
ポンプ1の本体部30は、圧縮空気を導入するための吸気ポート41を備える。吸気ポート41には、吸気ポート41のねじ山によって螺合して導入管42が取付けられ、その導入管42にはコネクタ16が取付けられる。管路8bからの圧縮空気は、コネクタ16、導入管42を介して吸気ポート41に供給される。
圧縮空気は、吸気ポート41から本体部30に導入され、円筒状をなす第一の流路31と、テーパー状をなす第二の流路32を通過し、円環状の噴射口33から移送用流路23内に、その軸心に対して平行な角度よりも、進行先を内側へ(軸心へ)傾斜して噴射される。
図3は、第二の流路32付近の拡大断面図である。第二の流路32は、排出側部材22と吸込み側部材21とを対向させて、第一の流路31よりも狭めて形成される。また、第二の流路32は、移送用流路23の軸心方向(以下単に「軸心方向」と呼ぶことがある)よりも、図3の断面図のとおり内側に傾斜して設けられ、全体形状としては吸込み側から排出側にいくに従って狭まるように略テーパー状をなす。噴射口33は、第二の流路32の排出側の端部に設けられる。また、第二の流路と噴射口33によってノズルが構成される。第二の流路32は、移送用流路23の軸心より、すなわち内側に傾斜して設けられているので、噴射口33からの圧縮空気は移送用流路23の軸心に向かって噴射される。
図3のとおり、第一の流路31は、中間部材24の内側面24eに対し、吸込み側部材21の、軸心方向に平行な面21d及び傾斜面21eを対向させて形成する。第一の流路31は、移送用流路23と軸心を同じとする略円筒形をなす。第二の流路32は、吸込み側部材の傾斜面21gと排出側部材22の傾斜面22dを対向させて形成する。吸込み側部材21の軸心方向に平行な面21d及び軸心方向に平行な面21fの間の傾斜面21eは、振動による応力集中を抑制するために設けられ、傾斜面を設けない場合に比べて、この傾斜面21fとその周辺の固有振動周波数が変更され、振動による破損を抑制することができる。
図4(A)は、吸込み側部材21を示す半断面側面図である。図4の上半分は断面図であり、下半分は側面図である。この吸込み側部材21は、内面21bを有する円筒状の部分と、フランジ21aを備える。フランジ21aにはボルト挿通孔21cが備えられる。吸込み側部材21の第二の流路に相当する場所には傾斜面21gが備えられる。吸込み側部材21の第一の流路31に相当する位置に、回転翼35が設けられる。図4(B)の回転翼35の取付け構造を示す拡大図のとおり、回転翼35は、吸込み側部材21に溶接36によって取付けられる。回転翼35は軸心方向と平行な面21dと、外側に向かって傾斜した傾斜面21eと、軸心方向に平行な面21fの一部に取付けられる。なお、軸心方向と平行な面21dより吸込み側に設けられる、傾斜面21hは、振動による応力集中を抑制するために設けられ、この傾斜面21hを設けずに直角に構成する場合に比べて、傾斜面21hとその周辺の固有振動周波数が変更され、振動による破損を抑制し、耐久性を向上させることができる。
図4(A)のとおり、回転翼35は移送用流路23の軸心方向に対して円周方向に傾けた矢印Dの方向に傾いて取り付けられている。図5(A)は、図4(A)のA-A断面図であり、図5(B)は、図5(A)のB-B断面図である。図5(A)のとおり、フランジ21aは円形をなし、ボルト挿通孔21cが複数設けられている。図5(B)のとおり、回転翼35は、円周に沿って複数設けられている。本実施形態においては、回転翼35は等間隔に4個設けられているが、個数はこれに限らず、複数であればよく、必ずしも等間隔に設けずともよい。回転翼35を4つ以上にすることは確実に圧縮空気の方向を変更できるので、好ましく、回転翼35を等間隔におくことは、圧縮空気の傾きを均等に近いものにすることができるため好ましい。
図6(A)は排出側部材22の半断面側面図である。図6(B)は図6(A)のE矢視図である。排出側部材22は、円筒状の内面22bと、フランジ22aと、第二の流路に相当する位置の傾斜面22dを備える。図6(B)のとおり、フランジ22aは円形をなし、ボルト挿通孔22cを複数有する。
排出側部材22と、吸込み側部材21との組み立てについて、説明する。図2のとおり、排出側部材22と、吸込み側部材21は、中間部材24を介して取付けられている。図3に示すとおり、排出側部材22と中間部材24の間の取付けは、排出側部材22のフランジ22aと、中間部材24のフランジ24aを対向させて、ボルト27をフランジ22aのボルト挿通孔22cと、フランジ24aのボルト挿通孔24cと、ブラケット25のボルト挿通孔25bを挿通させて、ナット26と螺合することによって行われる。なお、フランジ22aとフランジ24aの間には気密性を高めるためのパッキン43が設けられる。
吸込み側部材21と中間部材24との結合は、吸込み側部材21のフランジ21aと中間部材24のフランジ24bを対向させ、それらのフランジ21aとフランジ24bのボルト挿通孔(不図示)にボルト29を挿通させて、ナット28と螺合させることによって行われる。
円すい状の負圧領域について説明する。図7は、ポンプ内部の噴射された圧縮空気により形成される負圧領域45を示す図である。圧縮空気は、第一の流路31及び第二の流路32を通過し、移送用流路23の内周に円状に配置される噴射口33から、噴射される。第二の流路32が移送用流路23の軸心方向よりも移送用流路23の軸心へ(本体部30の内側へ)傾斜しているため、圧縮空気も第二の流路32と同様の方向に傾斜して噴射される。そのため、噴射された圧縮空気により負圧が生じるため、円すい状の負圧領域45が形成される。また、その負圧領域45よりも排出側には、圧縮空気により流体が加圧された加圧領域46が形成される。この負圧領域45が形成されることにより、ポンプ内部の移送用流路23内の吸込み側に吸引力が発生するとともに、円すい状の負圧領域45よりも排出側においては、加圧領域46が形成されることにより、排出側方向へ流体が加圧されて排出力が発生して、矢印Fの方向にワークが移送される。
円すい状の負圧領域45を形成する圧縮空気は、前述のとおり、回転翼35が前記円筒状の移送用流路23の中心軸よりも、円周方向に傾けられている(図4(A)の矢印D方向に傾けられている)ことによって、圧縮空気は移送用流路23の円周方向に回転する方向に傾斜している。このため、噴射口33から噴射される圧縮空気も円周方向に回転する方向に傾斜しているため、移送用流路23においても、噴射される圧縮空気が、流体の回転流れを生じさせる。移送用流路23において流体が回転する方向に流れが生じると、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等のワークが配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。
吸込み口装置4について説明する。図8(A)は、吸込み口装置4の吸込み側から見た図であり、図8(B)は図8(A)のA-A断面図である。吸込み口装置4は、図8(A)のとおり、吸込み口装置4の吸込み側には、移送対象(ワーク)を取入れる開口部55と、開口部よりも内径の大きい筒部4cと、円周方向の流れを生じさせるための筒部の軸心から円周方向に傾斜した吸込み口用回転翼60とを供える。
開口部55は、中心に円55bをベースとして、その円55bの外側を切り欠いて拡張された拡張部55aを備える。吸込み口装置4は内部に、吸込み口の円55bより大きな内径をなす内面4b(筒部4cの内周)を有するとともに、円55bから内面4bとの間には傾斜面4aを有する。内面4bによって、円55bよりも径が広くなった拡大領域57が形成されている。その拡大領域57に、吸込み口用回転翼60が筒部4cの軸心方向から円周方向に傾斜をつけて、(矢印Hの方向に傾けて)溶接58によって取付けられている。
吸込み口用回転翼60によって、開口部55から吸込み口装置4に吸い込まれた流体が、矢印Hの方向に流れることにより、流体が回転する。このように、吸込み口用回転翼60より排出側の吸込み口装置4と排出側配管3において流体が回転する方向に流れが生じると、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等のワークが配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。
また、吸込み口用回転翼60は開口部55の円55bよりも吸込み口装置4の口径よりも拡大された拡大領域57に位置するので、石などの固形物のワークが当接しにくい。このため、吸い込まれたワークが吸込み口用回転翼60と接触して磨耗や破損をすることを抑制することができ、長寿命化が図れる。
図9は、図8(B)のB矢視図である。この図9のとおり、吸込み口用回転翼60は等間隔に、4枚設けられる。ただし、吸込み口用回転翼60は複数あればよく、4枚以上でもよい。吸込み口用回転翼60は必ずしも等間隔に設けなくともよいが、等間隔に設けることで、筒部4cの軸心に対する円周の方向において、均等に回転する流れを発生させるため、効率のよい移送が可能となる。
図10は、吸込み口装置4にストレーナを取付けた例を示す側面図である。図11(A)はストレーナ63のA矢視図であり、図11(B)は、図10のB-B断面図である。ストレーナ63は、格子状をなし、第一部材63aと第二部材63bを備える。第一部材63aと第二部材63bとの取付けは、ボルト68を、取付け部64aと取付け部64bのボルト挿通孔(不図示)に挿通し、ナット69と螺合することによって行われる。図10及び図11(A)のとおり、ストレーナ63は格子状になっており、通過できるワークのサイズを制限できる。その通過できるワークの最大サイズは、図10の幅I×幅Jのサイズとなっている。また、ストレーナ63は、意図しない対象を吸い込まないための安全装置としての役割もある。即ち、ストレーナ63によって、例えば、人や家畜などが開口部55に当接して怪我をさせることがない。このストレーナ63は、吸込み口装置4に任意でとりつけられるものであり、常に取り付けられるものではない。例えば、吸込み口近くに人がいる作業に用いる場合や、砂利を移送したいが、ホースに合わせたサイズの砂利以外は移送したくない場合などに、ストレーナ63が用いられる。
ストレーナ63を吸込み口装置4に取付ける構造について説明する。図11(B)のとおり、吸込み口装置4の外側を、ストレーナ63の排出側部70aと排出側部70bにより挟持する形で、取付けられる。第一部材63aの排出側部70aと、第二部材63bの排出側部70bとの取り付けは、ボルト74を排出側部70aの取付け部71aと排出側部70bの取付け部72aのボルト挿通孔に挿通し、ナット73と螺合することによって、取付けられる。
吸込み口操作棒17は、作業者14が吸込み口装置4の位置を操作するためのものである。吸込み口操作棒17は、平板状の取付け部17aを備える。吸込み口操作棒17の吸込み口装置4への取付けは、操作棒取付け用ボルト72を、取付け部17aの不図示のボルト挿通孔に挿通させつつ、吸込み口装置4の外側に設けられるボルト取付け用のナット59螺合することにより行われる。
ポンプ1のブラケット25を用いた取付け構造について説明する。図2において、ブラケット25は、フランジ22aとフランジ24aと一緒に、ボルト27及びナット26によって取付けられている。図3に示すとおり、ボルト27は、フランジ22aのボルト挿通孔22c、フランジ24aのボルト挿通孔24c及びブラケット25のボルト挿通孔25bを挿通して、ナット26に螺合することにより取付けられている。
図12(A)はブラケット25の側面図である。図12(B)はブラケット25の正面図である。図13はブラケット25を設置台56に固定した状態を示す図である。図12(A)のとおり、ブラケット25は、水平部25c及び垂直部25dを備えて略L字型をなし、水平部25cにボルト挿通孔25a、垂直部25dにボルト挿通孔25bを有する。
図12(B)のとおり、ブラケット25のボルト挿通孔25bは、ポンプ1のフランジ24aのボルト挿通孔24cとともにボルト27を挿通させるために複数備えられる。これにより図2及び図3のように、ブラケット25はポンプ1に取付けられる。図13のとおり、ブラケット25を設置台56に設置する際には、ボルト61を、ブラケット25の水平部25cのボルト挿通孔25aと、設置台56のボルト挿通孔56aとに挿通させ、ナット62と螺合されることにより、固定される。このように、ポンプ1は、ブラケット25を介して設置台56に設置される。ブラケット25がL型をなし、フランジ24aと水平な設置台56に固定されるので、容易にポンプ1を水平(設置台56と平行)に配置することができる。
図14は、配管内の流体及びワークの流れについて、回転する流れがないポンプによる場合と、本発明の実施形態のポンプによる回転する流れがある場合の配管内の流体及びワークの流れを比較して説明する図である。この図14において、左側の(A1)、(A2)、(A3)が回転する方向に流れがない場合の配管3xの流れを説明する図であり、右側(B1)(B2)(B3)が本実施形態の排出側配管3の管内に回転する流れがある場合を説明する図である。
管内に回転する流れが生じているときに、流体が効率よく流れることを図14により説明する。左側の(A1)では、配管3x内を回転する流れがない状態の流体(水の場合も空気の場合もある)52xが図面における上から下に向かって流れているときの摩擦を、流れ摩擦線50xが示している。配管3x内では、管内を流れる流体には回転する方向の流れはない。このため、静止した配管3xと流体の間に直接の摩擦抵抗が生じる。一般的に静止している固体と流体の摩擦抵抗は、流体どうしの摩擦抵抗よりも大きい傾向があるので、(A1)のように配管3x内の流れ摩擦線50xは、尖って急峻になる。これは管内の流体の流れる抵抗が比較的大きいことを意味する。
図14の右側の(B1)については、流体の回転により、流体層51が構成される。排出側配管3の内壁と、流体層51よりも内側の流体52との間が、流体層51によって、離れるため、流体52は、流体層51との摩擦抵抗しか受けなくなる。流体どうしの摩擦抵抗は、固体と流体の抵抗よりも小さい。流体層51も流体であり、流体52も流体であることから、摩擦抵抗は少なくなって、流れ摩擦線50は比較的フラットになる。これは、流体52の摩擦抵抗が少なくなり、流体52が比較的流れやすいことを意味する。このため、配管に流体が回転する流れがあれば、抵抗が少なく、効率よくワークを移送することができる。
配管内に回転する流れがあると、配管の内壁にワークが接触しにくいことを説明する。(A3)に示すように流体に回転方向の流れがない場合には、管内の流体よりも比重の小さいものとしての木の葉54等は、浮力で浮いてしまい、配管3xの内面上部に接触する。また、管内の流体よりも質量の大きい例えば石53などのワークは、移送中に管内の内側の下部と接触する傾向がある。(B3)において、矢印Gのように回転する流れが存在する場合、その流れによって、流体52とワークの一例としての石53が回転する。この回転によって 石53の回転の中心が流体の回転の中心へ移動しようとする力(渦の力)が働く。これにより排出側配管3の中心と、石53の回転の中心が一致する。このため、配管に流体が回転する流れがある場合には、石53などのワークが配管に内面に接触することが抑制される。このため、配管が接触によって磨耗して劣化することを抑制することができる。また、配管の内面とワークの接触によって、配管に重み伝わって、配管が脈動することを抑制することができる。このため、配管を支持しやすくなる。
本実施形態のポンプ1は、圧縮気体としての圧縮空気を内部に導入して、吸引力を発生させるため、流体として気体も液体も吸引することが可能である。
ポンプ1の移送用流路23は、吸込み側部材21の内面21bと、排出側部材22の内面22bを有する円筒状をなし、内部にワークが接触するものがない。このため、管路上記気体や流体とともに移送できるものであれば、原則としてどのようなワークでも移送が可能である。即ち、本発明に係るポンプ1は、流動物質に限らず、非流動物質でも、質量の制限もなく移送可能である。例えば、石などの固形物を移送させることができる。また、完全に固まっていない家畜の糞なども移送可能である。
また、ポンプ1の移送用流路23は吸込み側配管2と排出側配管3とほぼ同じ径であるため、ワークが接触することがなく、効率よく移送することが可能である。
ポンプ1の本体部30の移送用流路23の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路32からの気体を移送用流路23の軸心と平行な角度よりも噴射口側を軸心側に傾斜させて噴射する噴射口33によって、圧縮気体が噴射すると、ポンプ内部に円すい状の負圧領域が形成される。この円すい状の負圧領域が生じることで、大きな負圧が生じるため、効率よく負圧が生じて、高効率のワークの移送が可能になる。併せて、円すい状の負圧領域の排出側には、その円すい状の形状に対応した加圧領域が生じるため、圧縮気体によってワークの移送力の移送効率を向上させる。
また、ポンプ1に第一の流路31を流路の方向よりも円周方向に傾けた回転翼35を設けたので、噴射口33から噴射する圧縮気体は、前記円筒状の前記本体部30の軸よりも、円周方向に傾けて噴射される構成である。このため、圧縮空気による回転する流れが発生し、ポンプ内部において流体が回転する方向に流れが生じる。これらにより、共通の噴射口で、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成及び円すい状に対応する加圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。また、ポンプ1の移送用流路23及び排出側配管3の流体が回転するため、例えば石等のワークが管路の軸(管路断面における中心)に集まりやすくなり、ポンプ及びホースの内周に接触することを抑制することができる。従って、ホースの内周に固形物が接触して、ホースが磨耗したり、配管が脈動することを抑制することができる。このため、小さい力で配管を固定することができる。
本実施形態のポンプシステムによれば、コンプレッサー6の圧縮空気によって、流体を移送することが可能である。コンプレッサー6を用いるので、簡易に動力源を確保することができる。また、流体の種類に係らずコンプレッサーを用いるので、水や空気など流体の種類によって動力源を使い分ける手間がかからない。
本実施形態における吸込み口装置4によれば、内部に軸方向から円周方向に傾斜をつけた吸込み口用回転翼60を有するので、吸い込む流体を回転する流れを作ることができる。このため、吸込み側配管2内に回転する流れを生じさせ、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等のワークが配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。また、図1のポンプシステムにおいて、ポンプ1と吸込み口装置4を組み合わせることによって、吸込み側配管2から排出側配管3まで内部に回転する流れを生じさせることができる。
また、ポンプ1の移送用流路23を構成する吸込み側部材21の内面21bと排出側部材22内面22bは、同径で同軸に構成したため、例えば石などのワークが移送用流路23を通過する際に、軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しない。このため、ポンプ1は流動物質に限らず、非流動物質でも制限なくワークとして移送することができる。また、軸心方向において衝突による部品への衝撃も考慮する必要がないため、ワークの質量についても制限がない。すなわちポンプ1は流動性や質量制限がなくワークを移送することができる。更に、移送用流路23に軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しないため、ワークが軸心方向に移送されている際に、ポンプ1にワークと強く衝突する部品等がないから、耐久性が優れる。また、本実施形態におけるポンプシステムにおいては、吸込み口装置4の吸込み口用回転翼60と、噴射口33からの噴射される圧縮空気によって、ポンプ1移送用流路23の流体には回転する流れが生じているので、例えば石などのワークが移送用流路23の内面に接触することが抑制されるので、ポンプの磨耗が防止され、長寿命化が図られる。
<第二実施形態>
図15は本発明のポンプの第二の実施形態を示す半断面側面図である。図15において、図2のポンプ1と機能、形状及び名称が同様のものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。この図15のポンプ1Aは、第一の流路31に、この第一の流路を仕切る仕切り部79bを有する。
図16(A)は、吸込み側部材21と帯状部品79を示す半断面側面図である。図16(B)は、吸込み口部材と帯状部品の取り付け構造を示す部分拡大断面図である。図17(A)は、図16のA―A断面図である。図17(B)は図17(A)のB-B断面図である。図16(A)に示すように、ポンプ1Aの吸込み側部材21は軸心方向に平行な面21d及び面21iを有する。また、その面21dと面21iとの間に、帯状部品79の位置決めのための突出部21jが設けられる。また、傾斜面21eと面21iの間には立上り面21kが設けられる。その立上り面21kと突出部21jとの間であって面21iの外側に帯状部品79が配置されている。なお、図17(B)のとおり、立上り面21kと帯状部品79のベース部79aの高さはほぼ同じであることが、圧縮空気の抵抗を少なくするためには好ましい。
図17(A)に示すように、二つの帯状部品79は、分割線80で分割されており、二つの帯状部品79によって円形を形成する。また、帯状部品79は、半円状のベース部79aとその外側に設けられた仕切り部79bとからなる。ベース部79aの外側の仕切り部79bがない部分は、切り欠き部79cである。図15のとおり、帯状部品79(仕切り部79b及び切り欠き部79c)の外側に、中間部材24の内側面24eが設けられる。これにより、切り欠き部79cの部分に圧縮空気の経路が構成される。
切り欠き部79cは、図16(A)のとおり、本来の第一の流路31の流れる方向から円周方向へ(矢印Mの方向に)傾いている。このため第一の流路31において、複数の切り欠き部79cによって傾いた圧縮空気の経路が複数形成される。即ち、切り欠き部79cと、その外側の中間部材24の内側面24eによって形成される複数の経路によって、第一の流路31の圧縮空気の方向は、矢印Mの方向に傾斜するように変えられ、その後に圧縮空気は、第二の流路32を通り、噴射口33においても、そのまま傾斜した方向で噴射される。このため、移送用流路23において吸込み口から移送される流体が回転する流れが生じる。
図18のように二つの半円状の帯状部品79を吸込み側部材21の軸方向に平行な面21iに配置し、その後、この帯状部品79の外側から図15の中間部材24を取り付けることで、帯状部品79を吸込み側部材21の面21dと中間部材24の内側面24eで挟持して取付ける。
このように、本実施形態のポンプ1Aにおいて、第一の流路31を仕切る仕切り部79bによって移送用流路23の軸心と平行な方向から円周方向に傾いた切り欠き部79cによる経路ができることにより、移送用流路23に回転する流れができる。このため、圧縮空気は、噴射口33から円周方向に傾いた方向に噴射され、流体が回転する流れが生じる。このため、排出側配管3において摩擦抵抗が少なく、排出側配管3に移送され石などのワークが接触することが抑制されることが可能となる。なお、仕切り部79cは、本実施の形態においては、吸込み側部材21とは別体である帯状部品79の一部として構成したが、吸込み側部材21に直接接着あるいは溶着して形成することによって吸込み側部材21に形成してもよい。
<第三実施形態>
図19は本発明のポンプの第三の実施形態を示す半断面側面図である。図19において、図2のポンプ1と機能、形状及び名称が同様のものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。この図19のポンプ1Bは、第二の流路32に、本来の流路に対して傾斜した傾斜片82を備える。本来の流路とは、ポンプ1Bの第二の流路32において、上記傾斜片が存在しなかった圧縮空気の流れる方向のことであり、具体的には第二の流路32において移送用流路23の中心軸と同一面に含まれる方向を意味する。傾斜片の傾斜とは、傾斜面21gの面上において沿って傾くことを意味する。
図20は、第二の流路32及び傾斜片82の拡大図である。図20のとおり、傾斜片82、排出側部材22の傾斜面22dと、吸込み側部材21の傾斜面21gとが対向してテーパー状の第二の流路32が形成されている。その第二の流路32に、その第二の流路32の断面の幅と同程度の高さの傾斜片82が設けられている。なお、圧縮空気を傾けられればよいので、傾斜片82の高さは、第二の流路32の幅よりも若干低くてもよい。傾斜片82の噴射口側端部82cは、噴射口33よりも距離Sだけ噴射口33と反対の方向(手前)に離れて配置されている。
このように、噴射口33から傾斜片82の噴射口側端部82cが離れていると、移送用流路23の内周に円形に構成されている噴射口33からの圧縮空気による円すい状の負圧領域の負圧が、傾斜片82によって均等にならない不具合を防止することができる。即ち、円すい状の負圧領域が効果を発揮するためには、噴射口33から噴射される圧縮空気による圧力は、円周方向に均一である必要があるところ、傾斜片82の噴射口側端部82cが噴射口33まで達していると、それによって、その圧力が均一とならなくなってしまい、円すい形が破れ、崩れてしまって、適切な円すい状の負圧領域と加圧領域が形成されず、効率のよい負圧と加圧が発生せずに、ポンプの効率が悪くなってしまう不具合が生じてしまう。このため、傾斜片82の噴射口側端部を噴射口33から距離Sだけ離すことによって、これを防止することができる。
図21は、傾斜片82を吸込み側部材21の傾斜面21gに取付けた状態の部分側面図である。図21のとおり、傾斜面21gに本来の第二の流路32の圧縮空気が流れる方向(図21の中央の傾斜片82の場合には、図面上横方向)から移送用流路23の軸に対して円周方向に傾けて、矢印Nの方向に、傾斜片82が設置される。
図22(A)は、傾斜片82を吸込み側部材21の傾斜面21gに取付けた状態をポンプ1Bの排出側から見た図である。図22(B)は(A)の傾斜片82の拡大図である。図22(A)のとおり、4個の傾斜片82が傾斜面21gに均等の間隔で配置される。傾斜片82は複数あればよく、4個でなくてもよい。
また、図22(B)のとおり、傾斜片82は溶接83によって傾斜面21gに取付ける。傾斜片82の形成方法について説明する。傾斜片82は、丸棒を傾斜面21gに接するように追従させて曲げてから、傾斜面21gに溶接して取付け、その溶接が完了してから、旋盤でその丸棒の切削を行って、上面82aが構成されるように平らに加工して形成する。この傾斜片82は、初めから矩形の平鋼を曲げて取付けることで形成してもよいが、丸棒を用いて傾斜片82を形成したほうが、傾斜面21gに追従して曲げやすいため、比較的容易に製造することができる。
この移送用流路23の軸に対して円周方向に傾けた傾斜片82を設けたので、第二の流路32において、圧縮空気の方向が移送用流路23の軸に対して円周方向(図21の矢印Nの方向)に傾けられる。このため、圧縮空気は、噴射口33から円周方向に傾いた方向に噴射され、流体が回転する流れが生じる。このため、排出側配管3において摩擦抵抗が少なくなるため、効率よくワークを移送することができる。また、移送される石などのワークが排出側配管3に接触することが抑制されることが可能となるので、排出側配管3の脈動を抑制することができる。
また、噴射口33から傾斜片82が離れていることにより、移送用流路23の内周に円形に構成されている噴射口33からの圧縮空気による円すい状の負圧領域の負圧が、傾斜片82によって均等にならない不具合を防止することができる。このため、ポンプ1Bの内部に円すい状の負圧領域が正しい形に形成され、一つの噴射口33により、円すい状の負圧領域の形成と流体の回転の両立が可能となる。
これらの実施形態に係るポンプ1,1A,1B及びそれらポンプを備えたポンプシステムは、上述のとおり移送対象であるワークについて流動性や質量の制限がなく、入手が容易なコンプレッサーを動力源として用いるため、導入が容易である。このため、豪雨水害によって生じる住宅などの建造物の床上又は床下の残土の撤去や、住宅地の道路脇の側溝に溜まって水の流れを阻害する残土の撤去にも好適に用いることができる。
本発明を実施する場合、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成部材の構造や組み合わせ等について、種々の変更、付加が可能である。
1,1A,1B ポンプ
2 吸込み側配管
3 排出側配管
4 吸込み口装置
4c 筒部
13 ワーク
23 移送用流路
24 中間部材
30 本体部
31 第一の流路
32 第二の流路
33 噴射口
35 回転翼
41 吸気ポート
45 負圧領域
60 吸込み口用回転翼
79b 仕切り部
82 傾斜片
本発明は、移送対象物を移送させるためのポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムに関する。
従来、圧縮空気を利用して移送対象物を移送させるために、内部に圧縮空気を噴射することにより内部に流体の流れを発生させて移送対象物の移送を行うポンプがある。特許文献1に記載のポンプは、ポンプ内部の圧縮気体の噴射口が円環状に構成されており、内部に圧縮気体が噴射されると、負圧領域を円すい状に形成するポンプが開示されている。また、特許文献2においてはポンプ内部に複数の圧縮空気噴射用のノズルが設けられ、その複数のノズルが傾斜をつけて設けられることによって、角度をつけて内部に圧縮空気が噴射され、内部の流体が回転しつつ移送されるものである。これにより、効率よく水を排水できることを目的としている。
特開平8-240200号公報 実開昭60-194200号公報
しかしながら、特許文献2のポンプではその内部に回転する流れを生じさせることはできるが、複数のノズルが独立していることから、ポンプ内部に円すい状の負圧領域を形成することはできない。一方、特許文献1の円環状の噴射口を採用したポンプはその内部に円すい状の負圧領域を形成することによって、負圧を発生して、効率よく移送対象物を移送することを狙ったものであるが、特許文献のポンプのようにポンプ内部に回転する流れを起こすことはできない、という問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、円すい状の負圧領域を形成することで負圧を発生させつつ、回転流を発生させることができるポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムを提供することを目的とする。
(1)本発明のポンプは、圧縮気体を内部に噴射して、内部で流体の流れを生じさせることにより吸込み力と排出力を発生し、移送対象物を移送するポンプであって、
円筒状の移送用流路を有する本体部と、
前記本体部に備えられ、前記圧縮気体を導入するための吸気ポートと、
前記吸気ポートからの前記圧縮気体を通過させるために前記本体部に設けられ、前記本体部の前記移送用流路と軸心方向を同じにするほぼ円筒形の第一の流路と、
前記本体部の前記移送用流路の軸心方向と平行となる角度よりも噴射口側が内側へ傾斜され、前記第一の流路よりも幅が狭く構成され、前記第一の流路からの前記圧縮気体を通過させる、前記本体部に設けられる第二の流路と、
前記本体部の前記移送用流路の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路からの前記圧縮気体を前記移送用流路の軸心と平行となる角度よりも前記移送用流路の内側へ傾斜させて噴射する噴射口と、を備え、
前記第二の流路は、前記第一の流路と前記移送用流路の軸心方向に連続して配置され、
前記噴射口から噴射する前記圧縮気体は、円筒状の前記移送用流路の軸心と平行となる角度よりも、円周方向に傾けて噴射されることを特徴とする。
この構成によれば、本体部の前記移送用流路の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路からの気体を本体部の軸と平行な角度よりも前記本体部の内側に傾斜させて噴射する噴射口によって、圧縮気体が噴射されると、ポンプ内部に円すい状の負圧領域が形成され、効率よく負圧が生じて、移送対象物の移送を効率よく行うことが可能になる。これに加えて、噴射口から噴射する圧縮気体は、前記円筒状の前記本体部の軸心と平行となる角度よりも、進行方向を円周方向に傾けて噴射される構成としたので、圧縮空気による回転力が発生し、ポンプ内部において流体が回転する方向に流れが生じる。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。また、ポンプ内部の流体が回転するため、石などの固形物が移送対象物に含まれる場合に、その固形物が中心に集まりやすくなり、ポンプ及び配管(ホース)の内周に接触することを抑制することができる。従って、配管の磨耗を抑制することができる。また、ホースの内周に固形物が接触して、配管が脈動することを抑制することができる。
(2)本発明のポンプにおいて、前記移送用流路は、その内径が、前記本体部の吸込み側から排出側にわたってほぼ同径に形成され、その内面に前記噴射口が設けられていることが好ましい。
このように、本体部の内面により形成される移送用流路の内径を、吸込み側から排出側にわたってほぼ同径とすれば、移送用流路に、軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しないため、移送対象物が軸心方向に移送されている際に、ポンプに移送対象物と強く衝突する部品等がないから、移送対象物を効率よく移送することが可能である。
)本発明のポンプにおいて、前記第一の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第一の流路に対して傾斜した回転翼が設けられることが好ましい。
このように、第一の流路には、流路に対して傾斜した回転翼が設けられるため、圧縮空気が第一の流路で傾斜するため、第二の流路を通過して、噴射口からの圧縮気体は、移送用流路の軸と平行となる角度から円周方向に回転する方向に噴射される。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
)本発明のポンプにおいて、前記第一の流路には、複数の経路を形成するために前記第一の流路を仕切る仕切り部が設けられ、前記複数の経路は、前記本体部の円筒状の前記移送用流路の軸心に平行となる角度から円周方向に傾斜していることが好ましい。
このように、第一の流路には、複数の経路を形成するために前記第一の流路を仕切る仕切り部が設けられ、前記複数の経路は、前記本体部の円筒状の移送用流路の軸心と平行となる角度から円周方向に傾斜しているため、圧縮空気が第一の流路で傾斜するため、第二の流路を通過して噴射口で噴射される際にも傾斜して噴射される。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
)本発明のポンプにおいて、前記第二の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第二の流路における本来の流路に対して傾斜した傾斜片が設けられ、前記傾斜片の噴射口側端部は、前記噴射口よりも手前に設けられることを特徴とする。
このように、前記第二の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第二の流路における本来の流路に対して傾斜した傾斜片が設けられるため、噴射口からの圧縮気体は、移送用流路の軸から円周方向に回転する方向に噴射される。また、傾斜片の噴射口側端部は、前記噴射口よりも手前に設けられることにより、本来の円すい状の負圧領域が第二の流路の傾斜片によって途切れて、均一な負圧を生じさせることを疎外して、生じる負圧が弱まることを抑制することができる。これらにより、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。
)本発明におけるポンプシステムは、これまで記載した発明に係るポンプと、
前記ポンプの吸込み口側に設けられる吸込み側配管と、
前記ポンプの排出側に設けられる排出側配管と、
前記ポンプに前記圧縮気体を供給するコンプレッサーと、
前記吸込み側配管の吸込み口側端部に取り付ける吸込み口装置と、
を備えたことを特徴とする。
このように、コンプレッサーによって圧縮空気を供給してポンプを稼動して、吸い込み口から排出側配管へと、移送対象物を移送することができる。また、動力源にコンプレッサーを利用するので、ポンプシステムの動力の確保が比較的容易となる。また、上述のポンプによって、排出側配管内に回転流を生じさせることができるので、石などの比重の高い移送対象物が配管の中心側に偏るため、排出側配管内部に接触することを抑制することができる。このため、排出側配管の接触による磨耗や脈動を抑制することができる。
)本発明のポンプシステムにおいて、
前記吸込み口装置は、
移送対象に向けるための、吸込み口側に設けられた開口部と、
その開口部よりも内径の大きい筒部と、
その筒部の内周に、円周方向の流れを生じさせるための前記筒部の軸と平行となる角度から円周方向に傾斜した吸込み口用回転翼と、
を設けることが好ましい。
このように、ポンプシステムの吸い込み口装置の内筒に、吸込み口用回転翼を傾斜して設けたため、吸込み側配管の内部に流体を回転させる方向に流れが生じる。このため、吸込み口側は配管内に回転流が生じることで、効率よく流体を移送でき、例えば石などの移送対象物が配管の中心軸に寄るため、配管の内周に接触することを抑制することができる。
本発明によれば、ポンプ内部に円すい状の負圧領域を形成することで効率よく負圧を発生させつつ、回転流を発生させることによって、配管内周に移送対象物が接触することを抑制するポンプ及びそのポンプを備えたポンプシステムが可能となる。
本発明のポンプシステムの一実施の形態の構成を示す図である。 本発明のポンプの第一の実施の形態を示した半断面側面図である。 本発明の第一実施形態のポンプの第二の流路付近の拡大断面図である。 (A)は本実施形態に係るポンプを構成する吸込み側部材の半断面側面図である。(B)は回転翼35が吸込み側部材21に取付けられる構造を示す拡大図である。 (A)は、図4(A)のA-A断面図であり、(B)は、図4(A)のB-B断面図である。 (A)はポンプを構成する排出側部材22の半断面側面図である。(B)は(A)のE矢視図である。 本実施の形態において、ポンプ内部の噴射口から噴射された圧縮空気により形成される負圧領域及び加圧領域を示す図である。 (A)は、吸込み口装置を吸込み側から見た図である。(B)は(A)のA-A断面図である。 図8(B)の吸込み口装置のB矢視図である。 吸込み口装置にストレーナを取付けた例を示す図である。 (A)は図10のストレーナのA矢視図である。(B)は図10のB-B断面図である。 (A)はポンプ取付け用ブラケットの側面図である。(B)はそのブラケットの正面図である。 ブラケットを設置台に固定した状態を示す図である。 従来のポンプと本実施の形態のポンプの配管内の流体及び移送対象物の流れを比較して説明する図である。 本発明に係る第二実施形態のポンプの半断面側面図である。 (A)は第二実施形態のポンプの吸込み側部材と帯状部品を示す半断面側面図である。(B)は吸込み口部材と帯状部品の部分拡大断面図である。 (A)は、図16のA―A断面図である。(B)は図17(A)のB-B断面図である。 帯状部品を吸込み側部材に取付ける前の状態を説明する図である。 本発明のポンプの第三実施形態の半断面側面図である。 第三実施形態の第二の流路及び傾斜片の拡大図である。 第三実施形態の傾斜片を吸込み側部材の傾斜面に取付けた状態の部分側面図である。 (A)は、本発明に用いる傾斜片を吸込み側部材の傾斜面に取付けた状態をポンプにおける排出側から見た図である。(B)は(A)の傾斜片の拡大図である。
<ポンプシステム>
図1は本発明の一実施の形態のポンプを採用したポンプシステムの構成を示す図である。図1において、ポンプシステム10は、ポンプ1と、吸込み側配管2と、排出側配管3と、吸込み口装置4と、コンプレッサー6とを備える。
ポンプ1には、コンプレッサー6からの圧縮気体としての圧縮空気が管路8aと管路8aから分岐した管路8bと、コネクタ16を介して供給される。圧縮空気を供給されたポンプ1は内部において後述の負圧領域と、その負圧領域よりも下流側(排出側)の加圧領域とを形成し、その負圧による吸引力を発生させるとともに、加圧による排出力を発生する。吸込み側配管2の端部に取付けられた吸込み口装置4の吸込み口から、例えば砂利などの移送対象物(移送対象)13を吸い込む。吸い込まれた移送対象物13は、吸込み側配管2、ポンプ1及び排出側配管3を通過して、排出側装置としてのトラック5に排出されることで、移送がされる。
管路8a及び管路8bにおいて、11は流量制御弁である。この流量制御弁11を操作することにより、圧縮空気の量を制御してポンプ1への圧縮空気の量をコントロールし、ポンプ1の吸い込み力を制御することが可能である。流量制御弁11には、圧力確認用の圧力計12が設けられる。なお、流量制御弁11に圧力を制御するレギュレータを付加して構成してもよい。開閉バルブ9a、9b及び9cは、組み立てやメンテナンスの際に管路を閉じるためのバルブである。
図1のように、吸込み口装置4には、吸込み口操作棒17を設けてもよい。作業者14が、吸込み口操作棒17を手で持って、吸込み口装置4の向きを操作することが可能になる。固定具18は、ポンプ1と吸込み側配管2を固定するための固定具である。固定具19は、ポンプ1と排出側配管とを固定する円環状の固定具である。
このポンプシステム10は、吸込み口から空気などの気体を吸い込むことができ、水などの液体も吸い込むことが可能である。従って、図1のように空気とともに砂利などを移送することも可能であるが、水中の石などを移送することも可能である。また、藁など水よりも比重の軽いものや、家畜の糞などやわらかいものも移送も可能である。吸込み側配管2及び排出側配管3の配管は樹脂製ホースでもよいし、金属製の配管でもよいし、部分的にこれらを組み合わせた配管としてもよい。
<第一実施形態>
図2は、本発明のポンプの第一の実施形態を示す半断面側面図である。図1の上側半分は、ポンプ1の断面図であり、下半分はポンプ1の側面図である。図2のポンプ1は、本体部30を備え、その本体部30において、吸気ポート41と、第一の流路31と、第二の流路32と、噴射口33とを備える。
また、図2の本体部30は、排出側部材22と、吸込み側部材21と、中間部材24の部材を備える。また、本体部30は、吸込み側部材21の内面21bと、排出側部材22の内面22bを有する円筒状の移送用流路23を備える。この吸込み側部材21の内面21bと排出側部材22内面22bは、移送対象物が段差や傾斜に接触することを防止するため、同径で同軸に構成することが好ましい。
ポンプ1の吸込み側端部と吸込み側配管2は、接続部分をボルト18aを締め付けることで締まる固定具18で固定され、ポンプ1の排出側端部と排出側配管3の接続部分はボルト19aを締め付けることで締まる固定具19によって固定される。これらの配管は、移送用流路23とほぼ同じ内径の吸込み側配管2及び排出側配管3が用いられる。
ポンプ1の本体部30は、圧縮空気を導入するための吸気ポート41を備える。吸気ポート41には、吸気ポート41のねじ山によって螺合して導入管42が取付けられ、その導入管42にはコネクタ16が取付けられる。管路8bからの圧縮空気は、コネクタ16、導入管42を介して吸気ポート41に供給される。
圧縮空気は、吸気ポート41から本体部30に導入され、円筒状をなす第一の流路31と、テーパー状をなす第二の流路32を通過し、円環状の噴射口33から移送用流路23内に、その軸心に対して平行な角度よりも、進行先を内側へ(軸心へ)傾斜して噴射される。
図3は、第二の流路32付近の拡大断面図である。第二の流路32は、排出側部材22と吸込み側部材21とを対向させて、第一の流路31よりも狭めて形成される。また、第二の流路32は、移送用流路23の軸心方向(以下単に「軸心方向」と呼ぶことがある)よりも、図3の断面図のとおり内側に傾斜して設けられ、全体形状としては吸込み側から排出側にいくに従って狭まるようにほぼテーパー状をなす。噴射口33は、第二の流路32の排出側の端部に設けられる。また、第二の流路と噴射口33によってノズルが構成される。第二の流路32は、移送用流路23の軸心より、すなわち内側に傾斜して設けられているので、噴射口33からの圧縮空気は移送用流路23の軸心に向かって噴射される。
図3のとおり、第一の流路31は、中間部材24の内側面24eに対し、吸込み側部材21の、軸心方向に平行な面21d及び傾斜面21eを対向させて形成する。第一の流路31は、移送用流路23と軸心を同じとするほぼ円筒形をなす。第二の流路32は、吸込み側部材の傾斜面21gと排出側部材22の傾斜面22dを対向させて形成する。吸込み側部材21の軸心方向に平行な面21d及び軸心方向に平行な面21fの間の傾斜面21eは、振動による応力集中を抑制するために設けられ、傾斜面を設けない場合に比べて、この傾斜面21fとその周辺の固有振動周波数が変更され、振動による破損を抑制することができる。
図4(A)は、吸込み側部材21を示す半断面側面図である。図4の上半分は断面図であり、下半分は側面図である。この吸込み側部材21は、内面21bを有する円筒状の部分と、フランジ21aを備える。フランジ21aにはボルト挿通孔21cが備えられる。吸込み側部材21の第二の流路に相当する場所には傾斜面21gが備えられる。吸込み側部材21の第一の流路31に相当する位置に、回転翼35が設けられる。図4(B)の回転翼35の取付け構造を示す拡大図のとおり、回転翼35は、吸込み側部材21に溶接36によって取付けられる。回転翼35は軸心方向と平行な面21dと、外側に向かって傾斜した傾斜面21eと、軸心方向に平行な面21fの一部に取付けられる。なお、軸心方向と平行な面21dより吸込み側に設けられる、傾斜面21hは、振動による応力集中を抑制するために設けられ、この傾斜面21hを設けずに直角に構成する場合に比べて、傾斜面21hとその周辺の固有振動周波数が変更され、振動による破損を抑制し、耐久性を向上させることができる。
図4(A)のとおり、回転翼35は移送用流路23の軸心方向に対して円周方向に傾けた矢印Dの方向に傾いて取り付けられている。図5(A)は、図4(A)のA-A断面図であり、図5(B)は、図(A)のB-B断面図である。図5(A)のとおり、フランジ21aは円形をなし、ボルト挿通孔21cが複数設けられている。図5(B)のとおり、回転翼35は、円周に沿って複数設けられている。本実施形態においては、回転翼35は等間隔に4個設けられているが、個数はこれに限らず、複数であればよく、必ずしも等間隔に設けずともよい。回転翼35を4つ以上にすることは確実に圧縮空気の方向を変更できるので、好ましく、回転翼35を等間隔におくことは、圧縮空気の傾きを均等に近いものにすることができるため好ましい。
図6(A)は排出側部材22の半断面側面図である。図6(B)は図6(A)のE矢視図である。排出側部材22は、円筒状の内面22bと、フランジ22aと、第二の流路に相当する位置の傾斜面22dを備える。図6(B)のとおり、フランジ22aは円形をなし、ボルト挿通孔22cを複数有する。
排出側部材22と、吸込み側部材21との組み立てについて、説明する。図2のとおり、排出側部材22と、吸込み側部材21は、中間部材24を介して取付けられている。図3に示すとおり、排出側部材22と中間部材24の間の取付けは、排出側部材22のフランジ22aと、中間部材24のフランジ24aを対向させて、ボルト27をフランジ22aのボルト挿通孔22cと、フランジ24aのボルト挿通孔24cと、ブラケット25のボルト挿通孔25bを挿通させて、ナット26と螺合することによって行われる。なお、フランジ22aとフランジ24aの間には気密性を高めるためのパッキン43が設けられる。
吸込み側部材21と中間部材24との結合は、吸込み側部材21のフランジ21aと中間部材24のフランジ24bを対向させ、それらのフランジ21aとフランジ24bのボルト挿通孔(不図示)にボルト29を挿通させて、ナット28と螺合させることによって行われる。
円すい状の負圧領域について説明する。図7は、ポンプ内部の噴射された圧縮空気により形成される負圧領域45を示す図である。圧縮空気は、第一の流路31及び第二の流路32を通過し、移送用流路23の内周に円状に配置される噴射口33から、噴射される。第二の流路32が移送用流路23の軸心方向よりも移送用流路23の軸心へ(本体部30の内側へ)傾斜しているため、圧縮空気も第二の流路32と同様の方向に傾斜して噴射される。そのため、噴射された圧縮空気により負圧が生じるため、円すい状の負圧領域45が形成される。また、その負圧領域45よりも排出側には、圧縮空気により流体が加圧された加圧領域46が形成される。この負圧領域45が形成されることにより、ポンプ内部の移送用流路23内の吸込み側に吸引力が発生するとともに、円すい状の負圧領域45よりも排出側においては、加圧領域46が形成されることにより、排出側方向へ流体が加圧されて排出力が発生して、矢印Fの方向に移送対象物が移送される。
円すい状の負圧領域45を形成する圧縮空気は、前述のとおり、回転翼35が前記円筒状の移送用流路23の中心軸よりも、円周方向に傾けられている(図4(A)の矢印D方向に傾けられている)ことによって、圧縮空気は移送用流路23の円周方向に回転する方向に傾斜している。このため、噴射口33から噴射される圧縮空気も円周方向に回転する方向に傾斜しているため、移送用流路23においても、噴射される圧縮空気が、流体の回転流れを生じさせる。移送用流路23において流体が回転する方向に流れが生じると、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等の移送対象物が配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。
吸込み口装置4について説明する。図8(A)は、吸込み口装置4の吸込み側から見た図であり、図8(B)は図8(A)のA-A断面図である。吸込み口装置4は、図8(A)のとおり、吸込み口装置4の吸込み側には、移送対象を取入れる開口部55と、開口部よりも内径の大きい筒部4cと、円周方向の流れを生じさせるための筒部の軸心から円周方向に傾斜した吸込み口用回転翼60とを供える。
開口部55は、中心に円55bをベースとして、その円55bの外側を切り欠いて拡張された拡張部55aを備える。吸込み口装置4は内部に、吸込み口の円55bより大きな内径をなす内面4b(筒部4cの内周)を有するとともに、円55bから内面4bとの間には傾斜面4aを有する。内面4bによって、円55bよりも径が広くなった拡大領域57が形成されている。その拡大領域57に、吸込み口用回転翼60が筒部4cの軸心方向から円周方向に傾斜をつけて、(矢印Hの方向に傾けて)溶接58によって取付けられている。
吸込み口用回転翼60によって、開口部55から吸込み口装置4に吸い込まれた流体が、矢印Hの方向に流れることにより、流体が回転する。このように、吸込み口用回転翼60より排出側の吸込み口装置4と排出側配管3において流体が回転する方向に流れが生じると、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等の移送対象物が配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。
また、吸込み口用回転翼60は開口部55の円55bよりも吸込み口装置4の口径よりも拡大された拡大領域57に位置するので、石などの固形物の移送対象物が当接しにくい。このため、吸い込まれた移送対象物が吸込み口用回転翼60と接触して磨耗や破損をすることを抑制することができ、長寿命化が図れる。
図9は、図8(B)のB矢視図である。この図9のとおり、吸込み口用回転翼60は等間隔に、4枚設けられる。ただし、吸込み口用回転翼60は複数あればよく、4枚以上でもよい。吸込み口用回転翼60は必ずしも等間隔に設けなくともよいが、等間隔に設けることで、筒部4cの軸心に対する円周の方向において、均等に回転する流れを発生させるため、効率のよい移送が可能となる。
図10は、吸込み口装置4にストレーナを取付けた例を示す側面図である。図11(A)はストレーナ63のA矢視図であり、図11(B)は、図10のB-B断面図である。ストレーナ63は、格子状をなし、第一部材63aと第二部材63bを備える。第一部材63aと第二部材63bとの取付けは、ボルト68を、取付け部64aと取付け部64bのボルト挿通孔(不図示)に挿通し、ナット69と螺合することによって行われる。図10及び図11(A)のとおり、ストレーナ63は格子状になっており、通過できる移送対象物のサイズを制限できる。その通過できる移送対象物の最大サイズは、図10の幅I×幅Jのサイズとなっている。また、ストレーナ63は、意図しない対象を吸い込まないための安全装置としての役割もある。即ち、ストレーナ63によって、例えば、人や家畜などが開口部55に当接して怪我をさせることがない。このストレーナ63は、吸込み口装置4に任意でとりつけられるものであり、常に取り付けられるものではない。例えば、吸込み口近くに人がいる作業に用いる場合や、砂利を移送したいが、ホースに合わせたサイズの砂利以外は移送したくない場合などに、ストレーナ63が用いられる。
ストレーナ63を吸込み口装置4に取付ける構造について説明する。図11(B)のとおり、吸込み口装置4の外側を、ストレーナ63の排出側部70aと排出側部70bにより挟持する形で、取付けられる。第一部材63aの排出側部70aと、第二部材63bの排出側部70bとの取り付けは、ボルト74を排出側部70aの取付け部71aと排出側部70bの取付け部72aのボルト挿通孔に挿通し、ナット73と螺合することによって、取付けられる。
吸込み口操作棒17は、作業者14が吸込み口装置4の位置を操作するためのものである。吸込み口操作棒17は、平板状の取付け部17aを備える。吸込み口操作棒17の吸込み口装置4への取付けは、操作棒取付け用ボルト72を、取付け部17aの不図示のボルト挿通孔に挿通させつつ、吸込み口装置4の外側に設けられるボルト取付け用のナット59螺合することにより行われる。
ポンプ1のブラケット25を用いた取付け構造について説明する。図2において、ブラケット25は、フランジ22aとフランジ24aと一緒に、ボルト27及びナット26によって取付けられている。図3に示すとおり、ボルト27は、フランジ22aのボルト挿通孔22c、フランジ24aのボルト挿通孔24c及びブラケット25のボルト挿通孔25bを挿通して、ナット26に螺合することにより取付けられている。
図12(A)はブラケット25の側面図である。図12(B)はブラケット25の正面図である。図13はブラケット25を設置台56に固定した状態を示す図である。図12(A)のとおり、ブラケット25は、水平部25c及び垂直部25dを備えてほぼL字型をなし、水平部25cにボルト挿通孔25a、垂直部25dにボルト挿通孔25bを有する。
図12(B)のとおり、ブラケット25のボルト挿通孔25bは、ポンプ1のフランジ24aのボルト挿通孔24cとともにボルト27を挿通させるために複数備えられる。これにより図2及び図3のように、ブラケット25はポンプ1に取付けられる。図13のとおり、ブラケット25を設置台56に設置する際には、ボルト61を、ブラケット25の水平部25cのボルト挿通孔25aと、設置台56のボルト挿通孔56aとに挿通させ、ナット62と螺合されることにより、固定される。このように、ポンプ1は、ブラケット25を介して設置台56に設置される。ブラケット25がL型をなし、フランジ24aと水平な設置台56に固定されるので、容易にポンプ1を水平(設置台56と平行)に配置することができる。
図14は、配管内の流体及び移送対象物の流れについて、回転する流れがないポンプによる場合と、本発明の実施形態のポンプによる回転する流れがある場合の配管内の流体及び移送対象物の流れを比較して説明する図である。この図14において、左側の(A1)、(A2)、(A3)が回転する方向に流れがない場合の配管3xの流れを説明する図であり、右側(B1)(B2)(B3)が本実施形態の排出側配管3の管内に回転する流れがある場合を説明する図である。
管内に回転する流れが生じているときに、流体が効率よく流れることを図14により説明する。左側の(A1)では、配管3x内を回転する流れがない状態の流体(水の場合も空気の場合もある)52xが図面における上から下に向かって流れているときの摩擦を、流れ摩擦線50xが示している。配管3x内では、管内を流れる流体には回転する方向の流れはない。このため、静止した配管3xと流体の間に直接の摩擦抵抗が生じる。一般的に静止している固体と流体の摩擦抵抗は、流体どうしの摩擦抵抗よりも大きい傾向があるので、(A1)のように配管3x内の流れ摩擦線50xは、尖って急峻になる。これは管内の流体の流れる抵抗が比較的大きいことを意味する。
図14の右側の(B1)については、流体の回転により、流体層51が構成される。排出側配管3の内壁と、流体層51よりも内側の流体52との間が、流体層51によって、離れるため、流体52は、流体層51との摩擦抵抗しか受けなくなる。流体どうしの摩擦抵抗は、固体と流体の抵抗よりも小さい。流体層51も流体であり、流体52も流体であることから、摩擦抵抗は少なくなって、流れ摩擦線50は比較的フラットになる。これは、流体52の摩擦抵抗が少なくなり、流体52が比較的流れやすいことを意味する。このため、配管に流体が回転する流れがあれば、抵抗が少なく、効率よく移送対象物を移送することができる。
配管内に回転する流れがあると、配管の内壁に移送対象物が接触しにくいことを説明する。(A3)に示すように流体に回転方向の流れがない場合には、管内の流体よりも比重の小さいものとしての木の葉54等は、浮力で浮いてしまい、配管3xの内面上部に接触する。また、管内の流体よりも質量の大きい例えば石53などの移送対象物は、移送中に管内の内側の下部と接触する傾向がある。(B3)において、矢印Gのように回転する流れが存在する場合、その流れによって、流体52と移送対象物の一例としての石53が回転する。この回転によって 石53の回転の中心が流体の回転の中心へ移動しようとする力(渦の力)が働く。これにより排出側配管3の中心と、石53の回転の中心が一致する。このため、配管に流体が回転する流れがある場合には、石53などの移送対象物が配管に内面に接触することが抑制される。このため、配管が接触によって磨耗して劣化することを抑制することができる。また、配管の内面と移送対象物の接触によって、配管に重み伝わって、配管が脈動することを抑制することができる。このため、配管を支持しやすくなる。
本実施形態のポンプ1は、圧縮気体としての圧縮空気を内部に導入して、吸引力を発生させるため、流体として気体も液体も吸引することが可能である。
ポンプ1の移送用流路23は、吸込み側部材21の内面21bと、排出側部材22の内面22bを有する円筒状をなし、内部に移送対象物が接触するものがない。このため、管路上記気体や流体とともに移送できるものであれば、原則としてどのような移送対象物でも移送が可能である。即ち、本発明に係るポンプ1は、流動物質に限らず、非流動物質でも、質量の制限もなく移送可能である。例えば、石などの固形物を移送させることができる。また、完全に固まっていない家畜の糞なども移送可能である。
また、ポンプ1の移送用流路23は吸込み側配管2と排出側配管3とほぼ同じ内径であるため、移送対象物を効率よく移送することが可能である。すなわち、移送用流路23に、軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しないため、移送対象物が軸心方向に移送されている際に、ポンプ1に移送対象物と強く衝突する部品等がないから、移送対象物を効率よく移送することが可能である。
ポンプ1の本体部30の移送用流路23の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路32からの気体を移送用流路23の軸心と平行な角度よりも噴射口側を軸心側に傾斜させて噴射する噴射口33によって、圧縮気体が噴射すると、ポンプ内部に円すい状の負圧領域が形成される。この円すい状の負圧領域が生じることで、大きな負圧が生じるため、効率よく負圧が生じて、高効率の移送対象物の移送が可能になる。併せて、円すい状の負圧領域の排出側には、その円すい状の形状に対応した加圧領域が生じるため、圧縮気体によって移送対象物の移送力の移送効率を向上させる。
また、ポンプ1に第一の流路31を流路の方向よりも円周方向に傾けた回転翼35を設けたので、噴射口33から噴射する圧縮気体は、前記円筒状の前記本体部30の軸よりも、円周方向に傾けて噴射される構成である。このため、圧縮空気による回転する流れが発生し、ポンプ内部において流体が回転する方向に流れが生じる。これらにより、共通の噴射口で、噴射される圧縮気体による円すい状の負圧領域の形成及び円すい状に対応する加圧領域の形成と回転する方向の流れを同時に発生させることができる。また、ポンプ1の移送用流路23及び排出側配管3の流体が回転するため、例えば石等の移送対象物が管路の軸(管路断面における中心)に集まりやすくなり、ポンプ及びホースの内周に接触することを抑制することができる。従って、ホースの内周に固形物が接触して、ホースが磨耗したり、配管が脈動することを抑制することができる。このため、小さい力で配管を固定することができる。
本実施形態のポンプシステムによれば、コンプレッサー6の圧縮空気によって、流体を移送することが可能である。コンプレッサー6を用いるので、簡易に動力源を確保することができる。また、流体の種類に係らずコンプレッサーを用いるので、水や空気など流体の種類によって動力源を使い分ける手間がかからない。
本実施形態における吸込み口装置4によれば、内部に軸方向から円周方向に傾斜をつけた吸込み口用回転翼60を有するので、吸い込む流体を回転する流れを作ることができる。このため、吸込み側配管2内に回転する流れを生じさせ、配管内の流体の抵抗が低減され、効率がよくなるとともに、石等の移送対象物が配管の中心に集まろうとするので、配管の内面と接触することを抑制することができる。また、図1のポンプシステムにおいて、ポンプ1と吸込み口装置4を組み合わせることによって、吸込み側配管2から排出側配管3まで内部に回転する流れを生じさせることができる。
また、ポンプ1の移送用流路23を構成する吸込み側部材21の内面21bと排出側部材22内面22bは、同径で同軸に構成したため、例えば石などの移送対象物が移送用流路23を通過する際に、軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しない。このため、ポンプ1は流動物質に限らず、非流動物質でも制限なく移送対象物として移送することができる。また、軸心方向において衝突による部品への衝撃も考慮する必要がないため、移送対象物の質量についても制限がない。すなわちポンプ1は流動性や質量制限がなく移送対象物を移送することができる。更に、移送用流路23に軸心方向において当接する部品、段差又は傾斜が存在しないため、移送対象物が軸心方向に移送されている際に、ポンプ1に移送対象物と強く衝突する部品等がないから、耐久性が優れる。また、本実施形態におけるポンプシステムにおいては、吸込み口装置4の吸込み口用回転翼60と、噴射口33からの噴射される圧縮空気によって、ポンプ1移送用流路23の流体には回転する流れが生じているので、例えば石などの移送対象物が移送用流路23の内面に接触することが抑制されるので、ポンプの磨耗が防止され、長寿命化が図られる。
<第二実施形態>
図15は本発明のポンプの第二の実施形態を示す半断面側面図である。図15において、図2のポンプ1と機能、形状及び名称が同様のものについては、同じ符号を付し、説明を省ほぼする。この図15のポンプ1Aは、第一の流路31に、この第一の流路を仕切る仕切り部79bを有する。
図16(A)は、吸込み側部材21と帯状部品79を示す半断面側面図である。図16(B)は、吸込み口部材と帯状部品の取り付け構造を示す部分拡大断面図である。図17(A)は、図16のA―A断面図である。図17(B)は図17(A)のB-B断面図である。図16(A)に示すように、ポンプ1Aの吸込み側部材21は軸心方向に平行な面21d及び面21iを有する。また、その面21dと面21iとの間に、帯状部品79の位置決めのための突出部21jが設けられる。また、傾斜面21eと面21iの間には立上り面21kが設けられる。その立上り面21kと突出部21jとの間であって面21iの外側に帯状部品79が配置されている。なお、図17(B)のとおり、立上り面21kと帯状部品79のベース部79aの高さはほぼ同じであることが、圧縮空気の抵抗を少なくするためには好ましい。
図17(A)に示すように、二つの帯状部品79は、分割線80で分割されており、二つの帯状部品79によって円形を形成する。また、帯状部品79は、半円状のベース部79aとその外側に設けられた仕切り部79bとからなる。ベース部79aの外側の仕切り部79bがない部分は、切り欠き部79cである。図15のとおり、帯状部品79(仕切り部79b及び切り欠き部79c)の外側に、中間部材24の内側面24eが設けられる。これにより、切り欠き部79cの部分に圧縮空気の経路が構成される。
切り欠き部79cは、図16(A)のとおり、本来の第一の流路31の流れる方向から円周方向へ(矢印Mの方向に)傾いている。このため第一の流路31において、複数の切り欠き部79cによって傾いた圧縮空気の経路が複数形成される。即ち、切り欠き部79cと、その外側の中間部材24の内側面24eによって形成される複数の経路によって、第一の流路31の圧縮空気の方向は、矢印Mの方向に傾斜するように変えられ、その後に圧縮空気は、第二の流路32を通り、噴射口33においても、そのまま傾斜した方向で噴射される。このため、移送用流路23において吸込み口から移送される流体が回転する流れが生じる。
図18のように二つの半円状の帯状部品79を吸込み側部材21の軸方向に平行な面21iに配置し、その後、この帯状部品79の外側から図15の中間部材24を取り付けることで、帯状部品79を吸込み側部材21の面21dと中間部材24の内側面24eで挟持して取付ける。
このように、本実施形態のポンプ1Aにおいて、第一の流路31を仕切る仕切り部79bによって移送用流路23の軸心と平行な方向から円周方向に傾いた切り欠き部79cによる経路ができることにより、移送用流路23に回転する流れができる。このため、圧縮空気は、噴射口33から円周方向に傾いた方向に噴射され、流体が回転する流れが生じる。このため、排出側配管3において摩擦抵抗が少なく、排出側配管3に移送され石などの移送対象物が接触することが抑制されることが可能となる。なお、仕切り部79cは、本実施の形態においては、吸込み側部材21とは別体である帯状部品79の一部として構成したが、吸込み側部材21に直接接着あるいは溶着して形成することによって吸込み側部材21に形成してもよい。
<第三実施形態>
図19は本発明のポンプの第三の実施形態を示す半断面側面図である。図19において、図2のポンプ1と機能、形状及び名称が同様のものについては、同じ符号を付し、説明を省ほぼする。この図19のポンプ1Bは、第二の流路32に、本来の流路に対して傾斜した傾斜片82を備える。本来の流路とは、ポンプ1Bの第二の流路32において、上記傾斜片が存在しなかった圧縮空気の流れる方向のことであり、具体的には第二の流路32において移送用流路23の中心軸と同一面に含まれる方向を意味する。傾斜片の傾斜とは、傾斜面21gの面上において沿って傾くことを意味する。
図20は、第二の流路32及び傾斜片82の拡大図である。図20のとおり、傾斜片82、排出側部材22の傾斜面22dと、吸込み側部材21の傾斜面21gとが対向してテーパー状の第二の流路32が形成されている。その第二の流路32に、その第二の流路32の断面の幅と同程度の高さの傾斜片82が設けられている。なお、圧縮空気を傾けられればよいので、傾斜片82の高さは、第二の流路32の幅よりも若干低くてもよい。傾斜片82の噴射口側端部82cは、噴射口33よりも距離Sだけ噴射口33と反対の方向(手前)に離れて配置されている。
このように、噴射口33から傾斜片82の噴射口側端部82cが離れていると、移送用流路23の内周に円形に構成されている噴射口33からの圧縮空気による円すい状の負圧領域の負圧が、傾斜片82によって均等にならない不具合を防止することができる。即ち、円すい状の負圧領域が効果を発揮するためには、噴射口33から噴射される圧縮空気による圧力は、円周方向に均一である必要があるところ、傾斜片82の噴射口側端部82cが噴射口33まで達していると、それによって、その圧力が均一とならなくなってしまい、円すい形が破れ、崩れてしまって、適切な円すい状の負圧領域と加圧領域が形成されず、効率のよい負圧と加圧が発生せずに、ポンプの効率が悪くなってしまう不具合が生じてしまう。このため、傾斜片82の噴射口側端部を噴射口33から距離Sだけ離すことによって、これを防止することができる。
図21は、傾斜片82を吸込み側部材21の傾斜面21gに取付けた状態の部分側面図である。図21のとおり、傾斜面21gに本来の第二の流路32の圧縮空気が流れる方向(図21の中央の傾斜片82の場合には、図面上横方向)から移送用流路23の軸に対して円周方向に傾けて、矢印Nの方向に、傾斜片82が設置される。
図22(A)は、傾斜片82を吸込み側部材21の傾斜面21gに取付けた状態をポンプ1Bの排出側から見た図である。図22(B)は(A)の傾斜片82の拡大図である。図22(A)のとおり、4個の傾斜片82が傾斜面21gに均等の間隔で配置される。傾斜片82は複数あればよく、4個でなくてもよい。
また、図22(B)のとおり、傾斜片82は溶接83によって傾斜面21gに取付ける。傾斜片82の形成方法について説明する。傾斜片82は、丸棒を傾斜面21gに接するように追従させて曲げてから、傾斜面21gに溶接して取付け、その溶接が完了してから、旋盤でその丸棒の切削を行って、上面82aが構成されるように平らに加工して形成する。この傾斜片82は、初めから矩形の平鋼を曲げて取付けることで形成してもよいが、丸棒を用いて傾斜片82を形成したほうが、傾斜面21gに追従して曲げやすいため、比較的容易に製造することができる。
この移送用流路23の軸に対して円周方向に傾けた傾斜片82を設けたので、第二の流路32において、圧縮空気の方向が移送用流路23の軸に対して円周方向(図21の矢印Nの方向)に傾けられる。このため、圧縮空気は、噴射口33から円周方向に傾いた方向に噴射され、流体が回転する流れが生じる。このため、排出側配管3において摩擦抵抗が少なくなるため、効率よく移送対象物を移送することができる。また、移送される石などの移送対象物が排出側配管3に接触することが抑制されることが可能となるので、排出側配管3の脈動を抑制することができる。
また、噴射口33から傾斜片82が離れていることにより、移送用流路23の内周に円形に構成されている噴射口33からの圧縮空気による円すい状の負圧領域の負圧が、傾斜片82によって均等にならない不具合を防止することができる。このため、ポンプ1Bの内部に円すい状の負圧領域が正しい形に形成され、一つの噴射口33により、円すい状の負圧領域の形成と流体の回転の両立が可能となる。
これらの実施形態に係るポンプ1,1A,1B及びそれらポンプを備えたポンプシステムは、上述のとおり移送対象である移送対象物について流動性や質量の制限がなく、入手が容易なコンプレッサーを動力源として用いるため、導入が容易である。このため、豪雨水害によって生じる住宅などの建造物の床上又は床下の残土の撤去や、住宅地の道路脇の側溝に溜まって水の流れを阻害する残土の撤去にも好適に用いることができる。
本発明を実施する場合、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成部材の構造や組み合わせ等について、種々の変更、付加が可能である。
1,1A,1B ポンプ
2 吸込み側配管
3 排出側配管
4 吸込み口装置
4c 筒部
13 移送対象物
23 移送用流路
24 中間部材
30 本体部
31 第一の流路
32 第二の流路
33 噴射口
35 回転翼
41 吸気ポート
45 負圧領域
60 吸込み口用回転翼
79b 仕切り部
82 傾斜片

Claims (6)

  1. 圧縮気体を内部に噴射して、内部で流体の流れを生じさせることにより吸込み力と排出力を発生し、ワークを移送するポンプであって、
    円筒状の移送用流路を有する本体部と、
    前記本体部に備えられ、前記圧縮気体を導入するための吸気ポートと、
    前記吸気ポートからの前記圧縮気体を通過させる前記本体部に設けられる第一の流路と、
    前記本体部の前記移送用流路の軸心方向と平行となる角度よりも噴射口側が内側へ傾斜され、前記第一の流路よりも幅が狭く構成される、前記第一の流路からの前記圧縮気体を通過させる、前記本体部に設けられる第二の流路と、
    前記本体部の前記移送用流路の内周に円環状に設けられ、前記第二の流路からの前記圧縮気体を前記移送用流路の軸心と平行となる角度よりも前記移送用流路の内側へ傾斜させて噴射する噴射口と、を備え、
    前記噴射口から噴射する前記圧縮気体は、円筒状の前記移送用流路の軸心と平行となる角度よりも、円周方向に傾けて噴射されることを特徴とするポンプ。
  2. 請求項1に記載のポンプにおいて、前記第一の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第一の流路に対して傾斜した回転翼が設けられることを特徴とするポンプ。
  3. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記第一の流路には、複数の経路を形成するために前記第一の流路を仕切る仕切り部が設けられ、前記複数の経路は、前記本体部の円筒状の前記移送用流路の軸心に平行となる角度から円周方向に傾斜していることを特徴とするポンプ。
  4. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記第二の流路には、前記圧縮気体を円周方向に傾けるための、前記第二の流路における本来の流路に対して傾斜した傾斜片が設けられ、前記傾斜片の噴射口側端部は、前記噴射口よりも手前に設けられることを特徴とするポンプ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載のポンプと、
    前記ポンプの吸込み口側に設けられる吸込み側配管と、
    前記ポンプの排出側に設けられる排出側配管と、
    前記ポンプに前記圧縮気体を供給するコンプレッサーと、
    前記吸込み側配管の吸込み口側端部に取り付ける吸込み口装置と、
    を備えたことを特徴とするポンプシステム。
  6. 請求項5に記載のポンプシステムにおいて、
    前記吸込み口装置は、
    移送対象に向けるための、吸込み口側に設けられた開口部と、
    その開口部よりも内径の大きい筒部と、
    その筒部の内周に、円周方向の流れを生じさせるための筒部の軸心から円周方向に傾斜した吸込み口用回転翼と、
    を設けたことを特徴とするポンプシステム。

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