JP2022039623A - 喫煙用カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本体である加熱式喫煙具内に喫煙用カートリッジを挿入して使用した際に生じる汚れに起因する課題を、極めて簡便な手法で解決すること。【解決手段】喫煙時に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部が配置され、他端に、前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成部が配置されている喫煙用カートリッジであって、前記フィルター部が、フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う紙製シートとからなり、且つ、少なくとも、前記フィルター部材の先端の所望の領域を露出させるための、前記フィルター部材の外周面から前記紙製シートを剥がすための剥離手段が設けられている喫煙用カートリッジ。【選択図】 図1
Description
本発明は、喫煙用カートリッジの改良に関し、詳しくは、喫煙時(使用時)に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも口元側にフィルター部が設けられてなる喫煙用カートリッジのフィルター部を、喫煙後(使用後)に、前記加熱式喫煙具における加熱要素及びその周辺の掃除具として利用できるようにした、利便性の向上及び前記加熱式喫煙具の耐久性に寄与できる喫煙用カートリッジに関する。
近年、タバコによる健康被害の問題を受けて、禁煙の傾向が高まっている。この傾向に呼応して、従来の紙巻タバコに替わって、喫煙の楽しみを与えるものとして、加熱式のタバコの開発及び利用が進んでいる。加熱式のタバコは、従来の紙巻タバコのように、タバコの葉に火をつけて燃やした際に出る煙を吸うのではなく、タバコの葉に、専用の加熱式喫煙具内の加熱要素で熱を加え、発生するエアロゾル(気体)を吸って煙の代替とするものである。本明細書では、内部に加熱要素が設けられている専用の加熱器具のことを加熱式喫煙具と呼び、該加熱式喫煙具内に挿入して使用される、加熱によって気体を発生させる柱状の喫煙具のことを喫煙用カートリッジと呼ぶ。すなわち、加熱式喫煙具は、喫煙用カートリッジを加熱式喫煙具内に挿入することで初めてその機能が発揮されるので、喫煙用カートリッジは、加熱式喫煙具に必須の消耗品である。なお、喫煙用カートリッジは、紙巻タバコと異なり、煙を吸うのではなく、加熱により生じたエアロゾルを吸うものであるが、本明細書では「喫煙」と呼ぶ。
上記したタバコの葉を用いた喫煙用カートリッジ(加熱式のタバコ)は、紙巻タバコに比べて、燃やした時に発生するタールの量を格段に低減できるものの、加熱する温度にもよるが全くタールが出ないわけではなく、また、タバコの葉を用いているため、エアロゾル中に、健康上の問題とされているニコチン成分が全くないともいえない。これに対し、近年、非タバコ植物や、加熱芳香発生物質等を材料に用いたエアロゾル生成部を有する、嗜好性に富んだエアロゾルを生じさせる喫煙用カートリッジが種々提案されている(特許文献1、2参照)。喫煙用カートリッジのエアロゾル生成部の形成に利用できる材料は無限であるので、喫煙用カートリッジの嗜好品としての可能性はますます高まっている。
本発明者は、近年、愛用者が増加している上記した加熱式喫煙具において、その構造や使用方法に起因して生じる、下記の解決すべき課題があることを認識した。そして、この課題は、場合によっては加熱式喫煙具の耐久性の低下に繋がるため、簡便な解決方法の提案が急がれること、また、近時利用が拡大している加熱式喫煙具を使用して、愛用者が、安全に、嗜好性の高い喫煙を安定して楽しむためには重要な問題であると認識した。ここで、加熱式喫煙具では、喫煙用カートリッジのエアロゾル生成部を200℃~350℃程度に加熱してエアロゾルを発生させている。加熱方法としては、加熱式喫煙具内に設けられている加熱要素である、針状或いは刃状(ブレード状)の加熱素子を、喫煙用カートリッジのエアロゾル生成部に差し込んで加熱する方法が一般的である。そして、喫煙用カートリッジのエアロゾル生成部は、タバコ葉や、非タバコ植物や、加熱芳香発生物質や、その他の充填物からなる種々の混合物(以下、エアロゾル発生材料とも呼ぶ)で形成されており、該混合物の形状は、従来の紙巻タバコと同様の粉体の集合体や、棒や短冊の集合体等である。
本発明者は、上記した状況で加熱式喫煙具を使用すると、特に、加熱式喫煙具の内部に配置されている加熱要素及びその周辺に汚れが生じ、さらに、繰り返し使用することで汚れが取れにくくなることから、場合によっては加熱式喫煙具の機能性が損なわれ、耐久性の低下が生じるとの認識をもった。また、愛用者によっては、喫煙した際にエアロゾルの違いを感じる場合があり、このことは、生じた汚れに起因してエアロゾルが微妙に変化したことを意味し、嗜好性や安全面等から早急な対応が望まれるとの認識をもった。これに対し、上記汚れの問題は、加熱式喫煙具を使用するたびに生じ、一方で、加熱式喫煙具の使用の頻度は利用者によって異なるため、理想的には、使用のたびに生じた汚れを除去することが望まれる。そうとすると、上記した加熱式喫煙具の使用のたびに生じる汚れを、掃除用の専用具や煩雑な動作を必要とすることなく、極めて簡便な方法で除去することが望まれる。
したがって、本発明の目的は、本体である加熱式喫煙具内に喫煙用カートリッジを挿入して使用した際に生じる上記した汚れに起因する課題を、極めて簡便な手法で解決することである。理想的には、本発明の目的は、喫煙のための一連の動作の流れにそって、上記した汚れの除去(加熱式喫煙具の掃除)が簡便にできる手段を開発することである。
上記の目的は、下記の構成の本発明の喫煙用カートリッジによって達成される。すなわち、本発明は、喫煙後に、加熱式喫煙具の掃除を極めて簡便に行うことができるツールに容易に改変可能に構成されている、下記の喫煙用カートリッジを提供する。
[1]喫煙時に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部が配置され、他端側に、前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成部が配置されている喫煙用カートリッジであって、
前記フィルター部が、フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う紙製シートとからなり、且つ、少なくとも、前記フィルター部材の先端の所望の領域を露出させるための、前記フィルター部材の外周面から前記紙製シートを剥がすための剥離手段が設けられていることを特徴とする喫煙用カートリッジ。
[1]喫煙時に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部が配置され、他端側に、前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成部が配置されている喫煙用カートリッジであって、
前記フィルター部が、フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う紙製シートとからなり、且つ、少なくとも、前記フィルター部材の先端の所望の領域を露出させるための、前記フィルター部材の外周面から前記紙製シートを剥がすための剥離手段が設けられていることを特徴とする喫煙用カートリッジ。
上記した喫煙用カートリッジの好ましい形態としては、下記の構成が挙げられる。
[2]前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、ミシン目又は切り目又は切り込みの少なくともいずれかである上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[3]前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートが、接着剤層を介して固定されており、前記剥離手段が、前記フィルター部材の先端の所望の領域を固定するための粘着剤層を、再剥離性の接着剤で形成することである上記[1]又は[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
[4]前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートは、該紙製シートの一部領域に設けられた接着剤を介して固定されており、前記剥離手段は、前記接着剤が付されていない領域に設けられている上記[1]又は[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
[5]前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、該紙製シートを細い帯状にして破り取り可能にするための短い線状の切り込み又は凹部である上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[2]前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、ミシン目又は切り目又は切り込みの少なくともいずれかである上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[3]前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートが、接着剤層を介して固定されており、前記剥離手段が、前記フィルター部材の先端の所望の領域を固定するための粘着剤層を、再剥離性の接着剤で形成することである上記[1]又は[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
[4]前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートは、該紙製シートの一部領域に設けられた接着剤を介して固定されており、前記剥離手段は、前記接着剤が付されていない領域に設けられている上記[1]又は[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
[5]前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、該紙製シートを細い帯状にして破り取り可能にするための短い線状の切り込み又は凹部である上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[6]さらに、前記フィルター部材の天面の中央に、交点を有する2以上の短い線状の切り込み又は凹部が設けられている上記[1]~[5]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[7]前記フィルター部材が、酢酸セルロース繊維製である上記[1]~[6]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[8]前記エアロゾル生成部が、エアロゾルフォーマ、非タバコ植物及び/又はタバコ植物、及び、結合剤を少なくとも含んでなる上記[1]~[7]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[7]前記フィルター部材が、酢酸セルロース繊維製である上記[1]~[6]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[8]前記エアロゾル生成部が、エアロゾルフォーマ、非タバコ植物及び/又はタバコ植物、及び、結合剤を少なくとも含んでなる上記[1]~[7]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
本発明によれば、加熱式喫煙具を使用して喫煙した際に、煩雑な動作を必要とすることなく、使用後の喫煙用カートリッジのフィルター部を簡便な方法で、加熱式喫煙具内の加熱要素及びその周辺に生じる汚れの除去に有効利用できる形態に改変することが可能な喫煙用カートリッジが提供される。具体的には、本発明の喫煙用カートリッジには、そのフィルター部を構成しているフィルター部材を簡便に露出させる手段が施されているので、加熱式喫煙具内に挿入して使用した喫煙後の喫煙用カートリッジを、使用した際に生じる加熱式喫煙具内の加熱要素及びその周辺に生じる汚れを除去するための道具として効果的に利用可能なものに改変させることができる。本発明の喫煙用カートリッジは、加熱式喫煙具に必須の消耗品であり、且つ、紙巻タバコと異なり、喫煙後に元の形状をそのまま保持しているので、本発明の喫煙用カートリッジによれば、使用(喫煙)のたびに、専用の掃除用具を必要とすることなく、容易に加熱要素及びその周辺に生じる汚れの除去をすることが実現可能になる。
以下、本発明の喫煙用カートリッジの好ましい実施の形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の喫煙用カートリッジ10は、喫煙時に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端にフィルター部3が配置され、他端に前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成部が配置されてなる喫煙用カートリッジである。そして、本発明の喫煙用カートリッジ10は、図1に示したように、前記フィルター部3が、例えば、円柱状に形成されたフィルター部材4と、該フィルター部材4の外周面を密接した状態で覆う紙製シート2とからなり、且つ、少なくとも前記フィルター部材4の先端の所望の領域を露出させるための、前記フィルター部材4の外周面から前記紙製シート2の所望の領域を剥がすための剥離手段が設けられていること、を特徴とする。なお、図は、喫煙用カートリッジの代表的な形状である円柱状を例にとって記載したが、本発明の喫煙用カートリッジはこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の喫煙用カートリッジは、紙巻タバコの代替品として開発された経緯から、紙巻タバコと同様に、同径の円柱状の製品が一般的であるが、本来の目的を損なわない範囲で、より多様な形状のものにすることができ、より嗜好性の高い製品にすることも可能である。例えば、フィルター部の天面が、いわゆるハート形状になるように形成した本発明の喫煙用カートリッジは、高い意匠性を示すと同時に、喫煙後に掃除具に改変させた場合に、フィルター部材の一部が膨らみを有するので、掃除具としての機能性を高めることも可能になる。
紙製シートを剥がすための剥離手段としては、フィルター部材4の外周面を密接した状態で覆う紙製シート2に、図1の1に示したようなミシン目、図3の5に示したような切り込み或いは切り目を施すことなどの、紙製シート自体への加工が挙げられる。その他の紙製シートに施す剥離手段としては、例えば、紙製シートに短い線状の切り込み又は凹部等を施すことで、紙製シート2を細い帯状にしてフィルター部材4の外周面から順次剥がして破り取ることができるようにした加工、などが挙げられる。いずれにしても、本発明の喫煙用カートリッジのフィルター部は、加熱してエアロゾルを吸う際に口にくわえる部分であるため、上記した剥離手段は、口にくわえた際に違和感を与えないものであることが望まれる。本発明者の検討によれば、紙製シート2に上記した剥離手段を施した場合、いずれの場合にも、口にくわえた際に違和感はない。その理由は、フィルター部が、紙製シートで覆ったフィルター部材が、細い繊維の集合体からなる弾力のあるものであること、加えて、紙製シート2に設けたミシン目や切り込み等は、極細の線状の加工で付与できるためと考えられる。なお、ミシン目や切り込み等は、外気を取り込むことによって味が変化しないように、喫煙者の口に含まれる位置に形成するとよい。
また、本発明が対象としている喫煙用カートリッジを構成するフィルター部3は、一般的に、フィルター部材4と、該フィルター部材4の外周面を密接した状態で覆う紙製シート2が、接着剤層を介して固定されていている。これに対し、本発明の喫煙用カートリッジは、喫煙後に、フィルター部を構成しているフィルター部材を覆う紙製シートの特定の領域を剥がすことができるように構成されていることを要する。このため、紙製シートの剥離手段として、先に挙げた紙製シート自体に、ミシン目や切り込み等を施す構成とする場合には、これらの剥離手段を設ける領域は、フィルター部材4と紙製シート2とが、接着剤層を介して強固に固着されないようにすることが好ましい。このようにする方法としては、例えば、図2(b)に示したように、剥離手段を設けない領域に接着剤層6’を形成して、剥離手段を設ける領域には接着剤層を形成しないようにする、或いは、剥離手段を設ける領域には接着剤を全面に付すのではなく、接着剤を散点状に付して点接着させる(不図示)などの方法が挙げられる。このように構成すれば、ミシン目などの剥離手段によって、所望の領域の紙製シートの剥離をする場合に、剥離操作がより容易にできるようになる。
さらに、接着剤層を形成するための接着剤を工夫することで、紙製シートを剥がすための剥離手段とすることもできる。具体的には、図2(a)に示したように、フィルター部材の先端の所望の領域を固定するための粘着剤層を、再剥離性の接着剤層6で形成することが挙げられる。このようにすれば、剥がしたい所望の領域の紙製シートを容易に剥がすことができ、加えて、剥がした後のフィルター部材4の外周面に粘着剤が残らないので、露出させたフィルター部材4が、加熱式喫煙具内の加熱要素及びその周辺に生じる汚れを除去するための掃除道具として効果的に機能するものになる。上記したいずれの実施形態によっても、本発明の喫煙用カートリッジによれば、加熱式喫煙具内に挿入して使用した喫煙後の喫煙用カートリッジを、簡便な手段で、加熱式喫煙具内の加熱要素及びその周辺に生じる汚れを除去するための効果的な掃除道具に容易に改変させることができる。
上記で用いる再剥離性の接着剤としては、近年、ラベルやテープへの需要も多く、様々の被着体に対し、糊残りなく剥がせる粘着剤(感圧性接着剤)として種々の粘着力のものが市販されているので、これらの中から適宜に選択して使用すればよい。上記で使用する接着剤は、フィルター部は口にくわえる部分であることから、例えば、ある程度の耐水性と、ある程度の強粘性と、安全性を有するものであることが望まれる。
本発明の喫煙用カートリッジによって上記した優れた効果が得られた理由としては、下記のことが挙げられる。まず、先述したように、本発明の喫煙用カートリッジは、加熱してエアロゾルを吸う方式のものであるので、従来のタバコ葉を燃焼させて煙を吸う紙巻タバコと異なり、喫煙後に元の形状がそのまま保持されるため、そのフィルター部材を、喫煙時に生じる加熱式喫煙具内の汚れを除去するための掃除道具に容易に改変できる。さらに、フィルター部を構成するフィルター部材は、例えば、酢酸セルロース繊維等の細い繊維の集合体からなっており、加えて、加熱により生じるエアロゾルを吸う方式の本発明の喫煙用カートリッジでは、燃焼した煙を吸う従来の紙巻タバコと異なり、タールの発生などが殆どないので、使用後におけるフィルター部材の汚れが少なく、これらのことから、本発明の喫煙用カートリッジは、喫煙後に、新たな用途への転用が可能で、簡便な手段で従来にない効果を得ることの実現を可能にしている。
本発明の喫煙用カートリッジ10によれば、例えば、図6に示したように、喫煙後に、フィルター部材の外周面を密接に覆っている紙製シート2の所望の領域を剥がしてフィルター部材の先端部分を露出させ、この状態にしたフィルター部側を、加熱式喫煙具に設けられている喫煙用カートリッジの挿入口に挿入し、上下動させることで、喫煙した際に加熱式喫煙具20内の加熱素子9及びその周辺に生じる汚れを効果的に除去することができる(図6(c)参照)。すなわち、図6に示したように、加熱式喫煙具20内には、本発明の喫煙用カートリッジを構成するエアロゾル生成部を加熱するための、針状或いは刃(ブレード)状の加熱素子9が設けられているので、エアロゾル生成部とは逆側の先端にあるフィルター部を加熱式喫煙具20内に挿入すると、フィルター部材4内に加熱素子9であるブレード等が刺さった状態になる。このようにすることで、喫煙後のフィルター部材4によって、加熱素子9に付いた汚れを除去することができる。さらに、本発明を特徴づける紙製シートを剥離するための剥離手段によって、加熱式喫煙具20内に挿入させるフィルター部を、所望する領域においてフィルター部材4が露出した状態になるようにしたことで、下記に述べるように、加熱素子9の周辺に生じた汚れも同時に除去される。
フィルター部3を構成している紙製シート2の所望の領域を剥がすことで露出させたフィルター部材の外径は、喫煙用カートリッジのエアロゾル生成部の外径とほぼ同じであるので、露出させたフィルター部材4を、喫煙用カートリッジの挿入口から内部に挿入すると、フィルター部材4の天面及び露出させた側面が、加熱式喫煙具20内の加熱素子9が設けられている底面と挿入路の側壁面に接触し、これらの面を擦ることになる。さらに、上記した状態の喫煙用カートリッジを上下動させると、上記した加熱式喫煙具20内の加熱素子9が設けられている底面と挿入路の側壁面は、露出させたフィルター部材4によって繰り返し擦られる。このような露出させたフィルター部材4の動作によって、上記底面及び挿入路の側壁面に付着していた汚れが、細い繊維の集合体からなるフィルター部材4側に移動するので、加熱式喫煙具20内に生じた汚れをきれいに除去することができる。
上記したようにして本発明の喫煙用カートリッジ10で加熱式喫煙具20内の汚れを掃除する場合、フィルター部材4内に加熱素子9のブレード等が刺さった状態になる。このため、本発明の喫煙用カートリッジは、図4に示したように、フィルター部材4の天面の中央に、(a)に示したように、交点を有する2以上の短い線状の切り込み7を設けることや、(b)に示したように、凹部7’を設けることも好ましい実施形態である。このようにすれば、加熱式喫煙具20内の汚れを掃除する際に、喫煙用カートリッジ10の紙製シート2を剥がしてフィルター部材4を露出させたフィルター部3を加熱式喫煙具20内に挿入させると、フィルター部材4の中央に設けた切り込み7や凹部7’によって、フィルター部材4内に加熱素子9のブレード等が、より容易に刺さるようになる。上記したように構成すれば、フィルター部材に刺さる際に懸念される加熱素子9の先端の損傷を効果的に防止できる。
また、本発明の喫煙用カートリッジを構成するフィルター部3のフィルター部材4は、例えば、酢酸セルロース繊維等の材料からなる繊維の集合体で形成されているため、下記のようにすれば、掃除具としての機能性をさらに高めることができる。具体的には、紙製シート2の所望の領域を剥がして、フィルター3のフィルター部材4を露出させた後、集合体を構成する繊維の一部をさばくなどの方法で繊維の集合力を弱め、露出させたフィルター部材4の部分に柔軟性を付与させることが好ましい。このようにすることで、加熱式喫煙具20内の加熱素子9や底面や挿入路の側壁面などに接触させるために露出させたフィルター部材4の表面積を大きくできるので、喫煙(使用)した際に生じる、加熱式喫煙具20の加熱素子9に付着した汚れ或いは加熱素子9の周辺で生じた汚れをより効果的に除去することができるものになる。
汚れをより効果的に除去するための工夫としては、紙製シート自体に、図3(a)の5に示したような、複数の直線状の切り込み或いは複数の切り目を施す場合に、例えば、これらの切り込み或いは切り目が、フィルター部材の表面と、一部フィルター部材の内部に届くまでの深さとすることが挙げられる。すなわち、このようにすれば、図3(b)に示したようにして、5の複数の切り込み或いは切り目に沿って剥がしていくと、剥がれた紙製シート2が細い短冊状になって垂れ下がり、加えて、紙製シートと密接しているフィルター部材が紙製シートと一体になって剥がれる。その結果、図3(c)に示したように、短冊状の紙製シートの垂れ下がって露出した外側の面に、フィルター部材が一体化した状態の、掃除用具の、いわゆる「はたき」や「ほうき」のようになる。このため、この状態のフィルター部材を加熱式喫煙具に挿入すると、加熱式喫煙具内の汚れが、露出したフィルター部材4と、短冊状の紙製シート2のフィルター部材が一体化した表面部分にも良好に付着するので、加熱式喫煙具内の汚れを効果的に除去することができる。
汚れをより効果的に除去するためのその他の工夫としては、図5に示したように、その外周面を密接に覆っていた紙製シート2の先端の所望の領域を剥離することで露出する領域のフィルター部材4の、少なくとも先端部分に、複数の、線状の切り込みを設けておくことが挙げられる。このようにすれば、図5に示したように、紙製シート2を剥離して露出させた領域のフィルター部材4を、複数の直線状の切り込みに沿って割いて、バラバラにして、複数の棒状の部分を有する状態に分割することができる。この場合の、切り込みを設ける領域や、切り込みの形状や、切り込みの数などは特に限定されない。図示したように、直線状でもよいが、下記の目的に叶えば、例えば、斜線状でも波線状でもよい。すなわち、フィルター部材4の先端部分に設けた複数の切り込みによって、フィルター部材4の先端部をバラバラに割くことができ、その状態で加熱式喫煙具内に挿入した場合に、加熱式喫煙具内に生じた汚れが効果的に付着するように、表面積が大きくなり、汚れが表面により付着し易い状態にすることができればよい。
図7は、加熱式喫煙具20における、喫煙用カートリッジ10の挿入部分が取り外し可能な構造をしている場合に、本発明の喫煙用カートリッジを用いて加熱式喫煙具20内に生じた汚れを掃除する様子を模式的に示したものである。図7の8は、加熱式喫煙具20の、喫煙用カートリッジの挿入口及び挿入路を形成する、取り外し可能な挿入用筒を示している。加熱式喫煙具20がこのような形態のものである場合は、図7に示したように、挿入用筒8を取り出し、取り出した挿入用筒8にフィルター部材4を露出させたフィルター部を挿入し、この状態で、喫煙用カートリッジ10を回転させることで、或いは上下動させることで、挿入用筒8内に付着した汚れを極めて容易に除去することができる。この場合は、さらに、挿入用筒8を取り出した状態の加熱式喫煙具20の挿入口から、本発明の喫煙用カートリッジによって得られる、フィルター部材4の先端部分を露出させたフィルター部を挿入させることで、加熱式喫煙具20内のブレード等の加熱素子9や挿入部分の底面に付着した汚れを掃除することが好ましい。
本発明の喫煙用カートリッジを構成するエアロゾル生成部は、いずれの形成材料からなるものでもよい。具体的には、エアロゾル生成部を、タバコ葉を含む充填物で形成したものでも、近年、開発され市販されている、エアロゾルフォーマ、非タバコ植物及び/又はタバコ植物、及び、結合剤を少なくとも含んでなる混合物からなる充填物で形成したものであってもよい。これらの充填物の材料や形状及び加熱温度によって、喫煙後に生じる加熱素子及びその周辺の汚れの程度や汚れの質は異なるが、いずれの場合も、本発明の喫煙用カートリッジを用いれば、加熱素子や加熱式喫煙具内に損傷を生じることなく、加熱式喫煙具内に生じる汚れを簡便に取り除くことができる。
上記したエアロゾル生成部の充填物として非タバコ植物を含むものの具体例は、特許第6371928号公報や特許第6705042号公報等に記載されている。なお、特許第6371928号公報に記載されている形状からなる充填物を使用してなるエアロゾル生成部を有する喫煙用カートリッジであれば、喫煙した際に生じる加熱式喫煙具内の汚れを低減できる効果が得られる。このため、上記した技術のエアロゾル生成部の充填物の形状の工夫に加えて、本発明の構成の喫煙用カートリッジとすることで、喫煙した際に生じる加熱式喫煙具内の汚れの問題の解決を、より容易に実現することが可能になる。
1:剥離手段;ミシン目
2:紙製シート
3:フィルター部
4:フィルター部材
5:剥離手段;切り込み
6:剥離手段;再剥離性の接着剤により形成した接着剤層
6’:剥離手段を設けない領域に形成した接着剤層
7:交点を持つ線状の切り込み
7’:凹部
8:挿入用筒
9:加熱素子
10:喫煙用カートリッジ
20:加熱式喫煙具
2:紙製シート
3:フィルター部
4:フィルター部材
5:剥離手段;切り込み
6:剥離手段;再剥離性の接着剤により形成した接着剤層
6’:剥離手段を設けない領域に形成した接着剤層
7:交点を持つ線状の切り込み
7’:凹部
8:挿入用筒
9:加熱素子
10:喫煙用カートリッジ
20:加熱式喫煙具
Claims (8)
- 喫煙時に、内部に加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部が配置され、他端側に、前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成部が配置されている喫煙用カートリッジであって、
前記フィルター部が、フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う紙製シートとからなり、且つ、少なくとも、前記フィルター部材の先端の所望の領域を露出させるための、前記フィルター部材の外周面から前記紙製シートを剥がすための剥離手段が設けられていることを特徴とする喫煙用カートリッジ。 - 前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、ミシン目又は切り目又は切り込みの少なくともいずれかである請求項1に記載の喫煙用カートリッジ。
- 前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートが、接着剤層を介して固定されており、前記剥離手段が、前記フィルター部材の先端の所望の領域を固定するための粘着剤層を、再剥離性の接着剤で形成することである請求項1又は2に記載の喫煙用カートリッジ。
- 前記フィルター部材と、該フィルター部材の外周面を密接した状態で覆う前記紙製シートは、該紙製シートの一部領域に設けられた接着剤を介して固定されており、前記剥離手段は、前記接着剤が付されていない領域に設けられている請求項1又は2に記載の喫煙用カートリッジ。
- 前記剥離手段が、前記紙製シートに設けられた、該紙製シートを細い帯状にして破り取り可能にするための短い線状の切り込み又は凹部である請求項1に記載の喫煙用カートリッジ。
- さらに、前記フィルター部材の天面の中央に、交点を有する2以上の短い線状の切り込み又は凹部が設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
- 前記フィルター部材が、酢酸セルロース繊維製である請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
- 前記エアロゾル生成部が、エアロゾルフォーマ、非タバコ植物及び/又はタバコ植物、及び、結合剤を少なくとも含んでなる請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020144748A JP2022039623A (ja) | 2020-08-28 | 2020-08-28 | 喫煙用カートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020144748A JP2022039623A (ja) | 2020-08-28 | 2020-08-28 | 喫煙用カートリッジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022039623A true JP2022039623A (ja) | 2022-03-10 |
Family
ID=80499141
Family Applications (1)
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JP2020144748A Pending JP2022039623A (ja) | 2020-08-28 | 2020-08-28 | 喫煙用カートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022039623A (ja) |
-
2020
- 2020-08-28 JP JP2020144748A patent/JP2022039623A/ja active Pending
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