JP2022039573A - 浴室洗い場床及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材層とクッション層との密着性を高めることができる浴室洗い場床及び積層体を提供すること。【解決手段】浴室洗い場床は、基材層と、前記基材層の上に設けられ、前記基材層と接するクッション層と、前記クッション層の上に設けられ、浴室洗い場床の表面を形成する表面層と、を備える。前記基材層は、熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子の集合体であり、前記クッション層は、熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子の集合体である。前記基材層と前記クッション層との界面は凹凸を有する。【選択図】図3

Description

本発明の態様は、一般的に、浴室洗い場床及び積層体に関する。
浴室洗い場床において、基材層の上にクッション層を設けた2層構造を有するものが知られている。例えば、特許文献1では、発泡樹脂製の基材層の上にポリウレタン製のクッション層を設けた浴室洗い場床が提案されている。発泡樹脂製の基材層とポリウレタン製のクッション層をそれぞれ準備し、接着剤などの接合手段により積層される。
特開2016-65391号公報
浴室洗い場床は、特に寒い時期において、室内側(上面側)は温かく、床下側(下面側)は冷たくなり、床の上面側と下面側で温度勾配(温度差)が生じる。その温度勾配や、各層の線膨張係数の差から、複層構造の層間にせん断応力が発生し、極端な場合、層間で剥離を生じることが懸念される。例えば、せん断応力に追従するような伸縮性のある接着剤で層間の密着性を高めるとともに、応力を緩和させるなどの方法も考えられるが、これは手間がかかるため、量産を行うには不向きである。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、基材層とクッション層との密着性を高めることができる浴室洗い場床及び積層体を提供することを目的とする。
第1の発明は、基材層と、前記基材層の上に設けられ、前記基材層と接するクッション層と、前記クッション層の上に設けられ、浴室洗い場床の表面を形成する表面層と、を備え、前記基材層は、熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子の集合体であり、前記クッション層は、熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子の集合体であり、前記基材層と前記クッション層との界面は凹凸を有することを特徴とする浴室洗い場床である。
この浴室洗い場床によれば、基材層とクッション層との接合強度(密着性)を向上させることができ、基材層とクッション層との剥離を抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記基材層における前記界面を構成する位置の前記第1発泡ビーズ粒子が、前記基材層内の他の前記第1発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さは、前記クッション層の前記第2発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さよりも大きく、前記クッション層における前記界面を構成する位置の前記第2発泡ビーズ粒子が、前記クッション層内の他の前記第2発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さは、前記基材層の前記第1発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さよりも大きいことを特徴とする浴室洗い場床である。
この浴室洗い場床によれば、基材層の層内での第1発泡ビーズ粒子同士の密着力、およびクッション層の層内での第2発泡ビーズ粒子同士の密着力を高めつつ、基材層とクッション層との密着力を高めることができる。よって、基材層とクッション層のそれぞれの層自体の強度を高めつつ、基材層とクッション層との剥離を抑制できる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記凹凸の大きさは、前記クッション層の厚みの10%より大きいことを特徴とする浴室洗い場床である。
この浴室洗い場床によれば、基材層とクッション層との接合強度(密着性)を確実に向上させることができる。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つに記載の浴室の洗い場床に用いられる、前記クッション層と前記基材層とが積層されており、前記基材層と前記クッション層との界面が凹凸を有する積層体である。
本発明の態様によれば、基材層とクッション層との密着性を高めることができる浴室洗い場床及び積層体を提供することができる。
実施形態に係る浴室洗い場床を備えた浴室ユニットを模式的に表す斜視図である。 実施形態に係る浴室洗い場床を模式的に表す分解斜視図である。 実施形態に係る浴室洗い場床の一部を模式的に表す断面図である。 実施形態に係る第1発泡ビーズ粒子及び第2発泡ビーズ粒子を模式的に表す断面図である。 実施形態に係る浴室洗い場床の基材層の厚み及びクッション層の厚みの求め方を模式的に表す断面図である。 実施形態に係る浴室洗い場床の基材層とクッション層との界面を含む部分を模式的に表す断面図である。 図7(a)~図7(d)は、実施形態に係る浴室洗い場床の基材層及びクッション層の製造方法を模式的に表す説明図である。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴室洗い場床を備えた浴室ユニットを模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、浴室ユニット2は、浴室洗い場床10と、浴槽60と、壁パネル71a~71fと、を備える。
浴槽60の底部の裏面における四隅近傍には、支持脚61が設けられ、その支持脚61を介して、浴槽60は浴室設置面(例えば、建物の床)100の上に設置される。支持脚61の先端側(下端側)にはボルト部が設けられ、そのボルト部を回転させることで支持脚61の高さが調整可能となっている。
浴槽60の横の空間における底部に、浴室洗い場床10が設置されている。浴室洗い場床10の表面10aは、浴室外部に水を漏出させない防水性を有する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
浴室洗い場床10の裏側(下方側)において、浴槽60との境界部近傍には排水配管62が設けられている。浴室洗い場床10において、例えば浴槽60との境界部近傍には、排水配管62に連通する排水口10hが形成されている。排水口10hは、例えば、着脱自在の蓋で塞がれていてもよい。排水口10hが設けられた部分は下方に窪んでおり、浴室洗い場床10の表面10aには、排水口10hに向けて下向き傾斜した排水勾配が付けられている。また、浴槽60の底部に設けられた図示しない排水口も、排水配管62に接続されている。
図1において2点鎖線で表すように、浴槽60のリムの上には壁パネル71a~71cが設置されている。また、浴室洗い場床10の周縁部の上には、壁パネル71d~71fが設置されている。また、壁パネル71fには図示しないドア取付枠を介してドアが取り付けられる。
浴槽60と浴室洗い場床10との境界には、浴槽60における浴室洗い場床10側の側面を覆い隠すバスエプロン67が設けられている。なお、浴槽60の構造によっては、バスエプロン67を設けなくてよいものもある。
また、バスエプロン67の長手方向の一端側と、壁パネル71dとの間には小パネル65bが設けられている。また、バスエプロン67の長手方向の他端側と、壁パネル71fとの間には小パネル65aが設けられている。小パネル65a、65bは、必要に応じて設けられ、省略可能である。
図2は、実施形態に係る浴室洗い場床を模式的に表す分解斜視図である。
図2に表したように、浴室洗い場床10は、床本体20と、フレーム体30と、を備える。
フレーム体30は、床本体20の下に設けられ、床本体20を下方から支持する。フレーム体30は、外枠31と、格子部32と、支持脚33と、を有する。外枠31、格子部32、及び支持脚33は、それぞれ、金属製である。
外枠31は、フレーム体30の外形(アウトライン)を形成する。格子部32は、外枠31の内側を格子状に仕切る。格子部32は、例えば、床本体20の外枠31よりも内側の部分を支持する。支持脚33は、格子部32の下面に設けられる。支持脚33は、格子部32の下面から下方(設置面側)に向かって延びている。支持脚33は、外枠31の下面に設けられてもよい。この例では、4つの支持脚33が設けられているが、支持脚33の数は、5つ以上であってもよい。
フレーム体30は、各支持脚33を介して設置面100の上に設置される。各支持脚33の先端側(下端側)にはボルト部が設けられ、そのボルト部を回転させることで各支持脚33の高さが調整可能となっている。各支持脚33の高さ調整により、フレーム体30の上に支持される床本体20の設置高さや水平度が調整される。
フレーム体30は、排水口10hに対応する位置に設けられた開口部30hを有する。開口部30hは、格子部32に設けられたプレートに形成され、プレートを上下方向に貫通する。
床本体20は、フレーム体30の上に載置され、フレーム体30により支持される。床本体20は、基材層21とクッション層22とを積層させた積層体と、表面層23と、を有する。各層は、下側から基材層21、クッション層22、表面層23の順で設けられている。
基材層21は、床本体20の最下部に位置し、クッション層22及び表面層23を支持する。基材層21は、周縁部が上側に折り曲げられた浅底の器状(パン状)に形成されている。
基材層21は、排水口10hに対応する位置に設けられた開口部21hを有する。開口部21hは、下方に向かって窪む凹形状に設けられている。また、基材層21の上面には、開口部21h(排水口10h)に向けて下方に傾斜した排水勾配が形成されている。
基材層21を設けることで、浴室洗い場床10(床本体20)の強度を高めることができる。基材層21については、後述する。
クッション層22は、基材層21の上、かつ、表面層23の下に設けられている。つまり、クッション層22は、基材層21と表面層23との間に設けられている。クッション層22は、基材層21の周縁部よりも内側に設けられている。
クッション層22は、排水口10hに対応する位置に設けられた開口部22hを有する。開口部22hは、クッション層22を上下方向に貫通し、基材層21の開口部21hと連通している。また、クッション層22の上面には、基材層21の上面の排水勾配を反映した排水勾配が形成されている。つまり、クッション層22の上面には、開口部22h(排水口10h)に向けて下方に傾斜した排水勾配が形成されている。
クッション層22を設けることで、使用者に床面の柔らかい使用感(踏み心地)を与えることができる。クッション層22の硬さ(柔らかさ)を変えることで、床面の硬さ(柔らかさ)の仕様を変更することができる。クッション層22については、後述する。
表面層23は、クッション層22の上に設けられている。換言すれば、表面層23は、クッション層22を介して基材層21の上に設けられている。表面層23は、基材層21及びクッション層22を覆い、浴室洗い場床10(床本体20)の表面10aを形成する。表面層23は、浴室洗い場床10の表面10aに外観意匠性及び防水性を与える。
表面層23は、排水口10hに対応する位置に設けられた開口部23hを有する。開口部23hは、表面層23を上下方向に貫通し、クッション層22の開口部22h及び基材層21の開口部21hと連通している。また、表面層23の上面には、クッション層22の上面の排水勾配(基材層21の上面の排水勾配)を反映した排水勾配が形成されている。つまり、表面層23の上面には、開口部23h(排水口10h)に向けて下方に傾斜した排水勾配が形成されている。これにより、浴室洗い場床10(床本体20)の表面10aに、排水口10hに向けて下方に傾斜した排水勾配が形成され、表面層23の上面を流れる水を排水口10hから排出することができる。
表面層23には、例えば、防水性及び可撓性を有する軟質樹脂シート材が用いられる。表面層23の上面(表面)には、浴室洗い場床10の表面10aの意匠性や水はけ性を向上させるために、凹凸や柄模様を設ける加工が施されていてもよい。
フレーム体30、基材層21、クッション層22、及び表面層23は、それぞれの開口部30h、21h、22h、23hの位置を合わせて重ねられる。各開口部30h、21h、22h、23hの内側には、排水ピットが設けられる。排水ピットは、樹脂により形成され、非透水性を有する。排水ピットの内側には、排水口10hが設けられる。この排水口10hは、排水配管62と接続される。これにより、浴室洗い場床10(床本体20)の表面10aに流れた水が、排水ピットなどを介して排水配管62に排水される。
図3は、実施形態に係る浴室洗い場床の一部を模式的に表す断面図である。
図3に表したように、クッション層22は、基材層21に接している。つまり、基材層21とクッション層22とは、直接的に接合され積層体を構成している。基材層21の上面21aとクッション層22の下面22bとは、基材層21とクッション層22との界面50を構成している。基材層21とクッション層22とは、断面において非直線状に接合されている。すなわち、基材層21とクッション層22との界面50は凹凸を有する。ここでいう凹凸は、積層方向(上下方向)の変位である。
表面層23は、接着層24を介してクッション層22の上に接着されていることが好ましい。つまり、表面層23は、クッション層22に接していないことが好ましい。換言すれば、表面層23とクッション層22とは、接着層24を介して間接的に接合されていることが好ましい。接着層24は、必要に応じて設けられ、省略可能である。つまり、表面層23とクッション層22とは、接着層24を介さずに直接的に接合されていてもよい。表面層23とクッション層22とを直接的に接合する場合は、熱融着等により、接合することができる。
接着層24は、表面層23とクッション層22とを接着させる層である。表面層23とクッション層22は、接着剤を用いて接着させることが好ましい。接着剤としては、合成樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、エマルション接着剤、水性接着剤、反応形アクリル系接着剤、紫外線硬化形接着剤、ホットメルト形接着剤、両面テープ、フィルム状接着剤、シーリング材を用いることができる。好ましくは、ホットメルト形接着剤または両面テープを用いることが好ましい。
表面層23と接着層24とは、断面において直線状に接合されている。つまり、表面層23と接着層24との界面は、基材層21とクッション層22との界面のような凹凸を有さない。また、接着層24とクッション層22とは、断面において直線状に接合されている。つまり、接着層24とクッション層22との界面は、基材層21とクッション層22との界面のような凹凸を有さない。このように、表面層23と接着層24とが断面において直線状に接合され、接着層24とクッション層22とが断面において直線状に接合されることで、表面層23と接着層24との接合強度(密着性)、及び、接着層24とクッション層22との接合強度(密着性)を、基材層21とクッション層22との接合強度(密着性)よりも小さくすることができる。したがって、表面層23をクッション層22から剥離しやすくなる。
以下、図3及び図4を参照しながら、基材層21及びクッション層22について、さらに詳しく説明する。
図4は、実施形態に係る第1発泡ビーズ粒子及び第2発泡ビーズ粒子を模式的に表す断面図である。
図3に表したように、基材層21は、熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子41の集合体である。つまり、基材層21は、熱可塑性樹脂製のビーズ発泡層であり、複数の熱可塑性樹脂製の原料ビーズを発泡させて得られる発泡ビーズ粒子からなる層である。基材層21において、第1発泡ビーズ粒子41同士は、互いに溶融し合うことで接合されている。複数の第1発泡ビーズ粒子41は互いに溶融し合うことで接合し、集合体を形成している。基材層21を熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子41の集合体とすることで、基材層21の厚みや密度を細かくコントロールすることができる。したがって、基材層21に求められる強度や剛性をもたせることができる。また、基材層21の上面21aに容易に排水勾配をつけることができる。
図4に表したように、第1発泡ビーズ粒子41は、それぞれ、外周を覆う緻密部41aと、緻密部41aの内部に設けられた疎部41bと、有する。緻密部41aは、樹脂の膜(殻)である。疎部41bは、空洞を有する多孔質体である。疎部41bの各孔は、樹脂の内部で泡が発生する(発泡する)ことで形成されたものであり、基本的に孔同士は独立している。つまり、疎部41bの各孔は、連続していない。
疎部41bの密度は、緻密部41aの密度よりも小さい。つまり、第1発泡ビーズ粒子41は、それぞれ、密度の小さい疎部41bの外側に密度の大きい緻密部41aが形成された構造を有する。疎部41bの密度は、同じ材料からなる発泡していない成形品(ソリッド成形品)の密度よりも小さく、例えば、300g/L以下である。基材層21は、このような第1発泡ビーズ粒子41が集まって緻密部41a同士が互いに溶融し合うことで接合されたものである。なお、ここでの密度はJIS K 7222:2005により得られた値である。
基材層21(第1発泡ビーズ粒子41)の原料は、基材層21に求められる性質(強度、断熱性、耐久性など)に応じて選ばれる。第1発泡ビーズ粒子41は、熱可塑性樹脂を含むものである。熱可塑性樹脂としては、発泡ポリオレフィン(発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン)、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリアミド、発泡ポリエステルなどを用いることができる。第1発泡ビーズ粒子41は、これらの熱可塑性樹脂のうち2種類以上を含む発泡ビーズ粒子であってもよい。また、基材層21は、着色剤、抗菌剤、耐侯剤、顔料、充填剤、架橋剤、発泡剤などの添加剤を含んでいてもよい。
基材層21の厚みは、好ましくは5mm以上40mm以下、より好ましくは10mm以上30mm以下である。基材層21の厚みは、基材層21の上下方向の長さである。これにより、基材層21に求められる強度をもたせることができる。基材層21の厚みの求め方については、後述する。
基材層21の密度は、好ましくは90g/L以上300g/L以下、より好ましくは100g/L以上200g/L以下である。これにより、基材層21に求められる強度や剛性をもたせることができる。基材層21の密度は、浴室洗い場床10から基材層21のみを切り出し、JIS K 7222:2005により得られた値とする。
基材層21の圧縮応力(10%ひずみ時)は、好ましくは0.1MPa以上2.0MPa以下、より好ましくは0.2MPa以上1.5MPa以下である。これにより、基材層21に求められる強度をもたせることができる。ここで「圧縮応力(10%ひずみ時)」とは、厚みに対して10%圧縮した際の圧縮応力を指す。基材層21の圧縮応力(10%ひずみ時)は、浴室洗い場床10から基材層21のみを切り出し、JIS K 6767:1999により得られた値とする。
基材層21の曲げ強度は、好ましくは0.5MPa以上5MPa以下、より好ましくは1MPa以上3.5MPa以下である。これにより、基材層21に求められる強度をもたせることができる。基材層21の曲げ強度は、浴室洗い場床10から基材層21のみを切り出し、JIS K 7221-1:2006により得られた値とする。
図3に表したように、クッション層22は、熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子42の集合体である。つまり、クッション層22は、熱可塑性樹脂製のビーズ発泡層であり、複数の熱可塑性樹脂製の原料ビーズを発泡させて得られる発泡ビーズ粒子からなる層である。クッション層22において、第2発泡ビーズ粒子42同士は、互いに溶融し合うことで接合されている。複数の第2発泡ビーズ粒子42は、互いに溶融し合うことで接合し、集合体を形成している。クッション層22を熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子42の集合体とすることで、クッション層22の厚みや密度を細かくコントロールすることができる。したがって、クッション層22に求められるクッション性をもたせることができる。
基材層21とクッション層22とを、いずれも発泡ビーズ粒子の集合体とし、これらが接するように設けられることで、基材層21とクッション層22との密着性を高めることができる。また、一方で、基材層21とクッション層22とを、それぞれ異なる発泡ビーズ粒子の集合体とすることで、基材層21及びクッション層22のそれぞれに異なる特性をもたせることができる。例えば、基材層21には強度や剛性をもたせ、クッション層22にはクッション性をもたせることができる。これにより、浴室の洗い場床は、強度とクッション性とをバランスよく有することができる。
第2発泡ビーズ粒子42の構造は、第1発泡ビーズ粒子41の構造と同様である。つまり、図4に表したように、第2発泡ビーズ粒子42は、それぞれ、密度の小さい疎部42bの外側に密度の大きい緻密部42aが形成された構造を有する。疎部42bの密度は、同じ材料からなる発泡していない成形品(ソリッド成形品)の密度よりも小さく、例えば、300g/L以下である。クッション層22は、このような第2発泡ビーズ粒子42が集まって緻密部42a同士が互いに溶融し合うことで接合されたものである。なお、ここでの密度はJIS K 7222:2005により得られた値である。
基材層21とクッション層22との界面において、第1発泡ビーズ粒子41と第2発泡ビーズ42は隣り合っている。隣り合う第1発泡ビーズ粒子41と第2発泡ビーズ粒子42とは、互いに溶融し合うことで接合されている。より具体的には、隣り合う第1発泡ビーズ粒子41の緻密部41aと第2発泡ビーズ粒子42の緻密部42aとは、互いに溶融し合うことで接合されている。
基材層21とクッション層22は、基材層21に含まれる第1発泡ビーズ粒子41とクッション層22に含まれる第2発泡ビーズ粒子42とが溶融しあうことで接合している。したがって、基材層21とクッション層22との密着性を良好にすることができる。
クッション層22(第2発泡ビーズ粒子42)の原料は、クッション層22に求められる性質(クッション性、耐久性、基材層21との密着性など)に応じて選ばれる。第2発泡ビーズ粒子42は、熱可塑性樹脂を含むものである。熱可塑性樹脂としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリオレフィン(発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン)、発泡熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミドなど)、または発泡(架橋)ポリエチレンなどを用いることができる。第2発泡ビーズ粒子42は、これらの熱可塑性樹脂のうち2種類以上を含む発泡ビーズ粒子であってもよい。また、クッション層22は、着色剤、抗菌剤、耐侯剤、顔料、充填剤、架橋剤、発泡剤などの添加剤を含んでいてもよい。
クッション層22の厚みは、好ましくは2mm以上8mm以下、より好ましくは3mm以上6mm以下である。クッション層22の厚みは、クッション層22の上下方向の長さである。これにより、クッション層22に求められるクッション性をもたせることができる。クッション層22の厚みは、基材層21の厚みよりも小さいことが好ましい。クッション層22の厚みの求め方については、後述する。
クッション層22の密度は、好ましくは90g/L以上300g/L以下、より好ましくは100g/L以上200g/L以下である。これにより、クッション層22に求められるクッション性をもたせることができる。クッション層22の密度は、浴室洗い場床10からクッション層22のみを切り出し、JIS K 7222:2005により得られた値とする。
基材層21の硬度は、クッション層22の硬度よりも高いことが好ましい。硬度の指標としては、圧縮応力(50%ひずみ時)、デュロA硬度、またはデュロCS硬度のいずれかが用いられる。硬度の指標としては、圧縮応力(50%ひずみ時)が用いられることが好ましい。つまり、基材層21の圧縮応力(50%ひずみ時)は、クッション層22の圧縮応力(50%ひずみ時)よりも高いことが好ましい。ここで「圧縮応力(50%ひずみ時)」とは、各層の厚みに対して50%圧縮した際の圧縮応力を指す。
基材層21の圧縮応力(50%ひずみ時)は、好ましくは0.5MPa以上4MPa以下、より好ましくは0.5MPa以上3MPa以下である。クッション層22の圧縮応力(50%ひずみ時)は、好ましくは0.02MPa以上0.45MPa以下、より好ましくは0.1MPa以上0.4MPa以下である。
圧縮応力(50%ひずみ時)は、JIS K 6767:1999に準拠して、圧縮試験を行うことで測定される。より具体的には、まず、浴室洗い場床10から測定対象となる層のみ(つまり、基材層21のみ、クッション層22のみ)を取り出す。この際、帯鋸等を用いて、各層の表面に他の層が付着したり、層内剥離したりしないように気をつけ、表面が平面となるように切り出す。次に、取り出した各層から、大きさが縦50mm、横50mmの試験片を作製する。そして、この試験片について、ダイヤルゲージにて各厚みを測定する。次に、試験速度を厚みの50%の分速(例えば、厚みが10mmの場合は5mm/minの速度)とし、JIS K 6767:1999に準じて圧縮試験を行う。厚みに対して50%圧縮した際の試験力を単位面積当りの応力へ換算し、圧縮応力(50%ひずみ時)を得る。
また、基材層21のデュロA硬度は、クッション層22のデュロA硬度よりも高いことが好ましい。基材層21のデュロA硬度は、好ましくは55以上99以下、より好ましくは60以上99以下である。クッション層22のデュロA硬度は、好ましくは5以上50以下、より好ましくは10以上40以下である。
デュロA硬度は、JIS K 6253-3:2012に準拠して、アスカーゴム硬度計A型(高分子計器株式会社製)等の硬度計を用いて測定される。より具体的には、まず、浴室洗い場床10から測定対象となる層のみ(つまり、基材層21のみ、クッション層22のみ)を取り出す。この際、各層が変形しないように気を付けつつ、前述の方法と同様にして各層を切り出す。次に、取り出した各層から、大きさが縦100mm、横100mmの試験片を作製する。そして、この試験片を平坦で硬固な面に置き、アスカーゴム硬度計A型により硬度を測定する。この際、硬度計の加圧板が試験片の表面に平行に維持され、かつ、押し針が試験片表面に対して直角になるように硬度計を保持し、衝撃を与えないように、加圧板を試験片に接触させる。接触後約3秒後に値を読み取る。1つの試験片に対し5ヶ所で硬度を測定し、その平均値をデュロA硬度とする。
また、基材層21のデュロCS硬度は、クッション層22のデュロCS硬度よりも高いことが好ましい。基材層21のデュロCS硬度は、好ましくは70以上99以下、より好ましくは80以上99以下である。クッション層22のデュロCS硬度は、好ましくは10以上70以下、より好ましくは20以上60以下である。
デュロCS硬度は、アスカーゴム硬度計A型の代わりにアスカーゴム硬度計CS型(高分子計器株式会社製)等を用いる以外は前述の「デュロA硬度」の求め方と同様の方法により、求めることができる。
基材層21の硬度をクッション層22の硬度よりも高くすることで、すなわち、クッション層22の硬度を基材層21の硬度よりも低くすることで、基材層21は、浴室洗い場床10に求められる剛性を発揮することができる。また、クッション層22は、柔軟性や耐久性を発揮することができる。したがって、浴室洗い場床10に求められる強度とクッション性とをバランスよく達成することができるとともに、これらを維持することができる。
このように、基材層21を熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子41の集合体とし、クッション層22を熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子42の集合体とし、基材層21の硬度をクッション層22の硬度よりも高くすることで、浴室洗い場床10に求められる強度と剛性とクッション性とをバランスよく達成することができる。
前述のように、基材層21には、強度や剛性が求められ、クッション層22には、クッション性が求められる。つまり、基材層21に求められる性質は、クッション層22に求められる性質とは異なる。したがって、基材層21を構成する第1発泡ビーズ粒子41に含まれる熱可塑性樹脂は、クッション層22を構成する第2発泡ビーズ粒子42に含まれる熱可塑性樹脂と異なることが好ましい。これにより、基材層21の物性とクッション層22の物性とを異なるものにすることができる。つまり、第1発泡ビーズ粒子41には、基材層21に適した(すなわち、強度に優れた)熱可塑性樹脂を選び、第2発泡ビーズ粒子42には、クッション層22に適した(すなわち、クッション性に優れた)熱可塑性樹脂を選ぶことで、強度と剛性とクッション性とをよりバランスよく達成することができる。
また、第1発泡ビーズ粒子41に含まれる熱可塑性樹脂と第2発泡ビーズ粒子42に含まれる熱可塑性樹脂とは、類似の構造を有するものであることが好ましい。例えば、第1発泡ビーズ粒子41に含まれる熱可塑性樹脂及び第2発泡ビーズ粒子42に含まれる熱可塑性樹脂が、それぞれポリオレフィンであることが好ましい。このように、第1発泡ビーズ粒子41に含まれる熱可塑性樹脂と第2発泡ビーズ粒子42に含まれる熱可塑性樹脂とを類似の構造を有するものとすることで、基材層21とクッション層22との密着性を向上させることができる。
また、クッション層22の色は、基材層21の色と異なることが好ましい。より具体的には、基材層21とクッション層22とは、色相、彩度、及び明度の少なくともいずれかにおいて、異なることが好ましい。基材層21の原料ビーズとクッション層22の原料ビーズとは、目視またはカメラにより識別可能であることが好ましい。これにより、基材層21とクッション層22とを容易に識別することができる。したがって、仮に、製造時に各層の原料ビーズが混在してしまったとしても、容易に識別することができる。
図3を参照して前述したように、基材層21とクッション層22との界面50は凹凸を有する。つまり、基材層21とクッション層22との界面50の凹凸は、第1発泡ビーズ粒子41及び第2発泡ビーズ粒子42の接合面により構成されている。
基材層21とクッション層22とは界面50において互いに食い込むように凹凸を形成して接合される。基材層21とクッション層22とは界面全体にわたって互いに食い込むように凹凸を形成して接合される。基材層21とクッション層22とが断面において直線状に接合される場合と比べて、基材層21とクッション層22との接触面積が大きくなり、基材層21とクッション層22との接合強度(密着性)を向上させることができる。これにより、基材層21とクッション層22との剥離を抑制することができる。
基材層21とクッション層22との界面50の凹凸は以下のようにして特定することができる。
断面が観察できるように浴室洗い場床10を切断し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて浴室洗い場床10の断面画像を得る。このとき、断面画像は、基材層21とクッション層22との界面50を含むように取得される。このようにして得られた断面画像を2値化処理することで界面50を特定し、基材層21に含まれる第1発泡ビーズ粒子41と、クッション層22に含まれる第2発泡ビーズ粒子42によって凹凸が形成されていることを確認できる。
図5は、実施形態に係る浴室洗い場床の基材層の厚み及びクッション層の厚みの求め方を模式的に表す断面図である。
各層の厚みを求める際には、まず、図5に表したように、断面が観察できるように浴室洗い場床10を切断し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて浴室洗い場床10の断面画像を得る。なお、浴室の洗い場床10表面に排水口10hに対し下方に向かう排水勾配を有する場合は、表面層23の稜線23aを跨らないように切断する。このとき、断面画像は、基材層21の下面21b(下端)とクッション層22の上面22a(上端)とを含むように取得される。つまり、断面画像は、上下方向において、基材層21及びクッション層22の全体が含まれるように取得される。なお、図5では、表面層23及び接着層24を省略し、基材層21及びクッション層22の断面のみを表している。
次に、断面画像において、基材層21の下面21bの位置に第1基準線RL1を引き、クッション層22の上面22aの位置に第2基準線RL2を引く。次に、断面画像において、第1基準線RL1上の任意の10点から第2基準線RL2に向かってRL1と直交する線を引き、RL2と交わる点との長さL1~L10を測定する。そして、長さL1~L10の平均値を算出し、これを2層の厚みTaとする。2層の厚みTaは、基材層21の厚みとクッション層22の厚みの合計の平均値である。
次に、断面画像において、基材層21とクッション層22との界面50の凹凸を確認する。ここで、凹部は、クッション層22が基材層21に食い込むことにより基材層21が下に凹んでいる部分とする。凸部は、基材層21がクッション層22に食い込み、基材層21が上に突出している部分とする。次に、無作為に選んだ10箇所の凹部の底部と第2基準線RL2との間の長さL11~L20を測定する。また、無作為に選んだ10箇所の凸部の頂点と第2基準線RL2との間の長さL21~L30を測定する。そして、長さL11~L30の平均値を算出し、これをクッション層22の厚みTbとする。2層の厚みTaからクッション層22の厚みTbを引いた値を基材層21の厚みTcとする(Tc=Ta-Tb)。以上により、クッション層22の厚みTb及び基材層21の厚みTcを求めることができる。
図6は、実施形態に係る浴室洗い場床の基材層21とクッション層22との界面50を含む部分を模式的に表す断面図である。なお、図6において界面50をわかりやすくするために破線で表しているが、実際には断面画像において実線として観察される。
基材層21における界面50を構成する位置の第1発泡ビーズ粒子41が、基材層21内の他の第1発泡ビーズ粒子41と接触する部分の断面における長さは、クッション層22の第2発泡ビーズ粒子42と接触する部分の断面における長さよりも大きい。
図6において例えばある1つの第1発泡ビーズ粒子41cは、基材層21内において他の4つの第1発泡ビーズ粒子41と接触している。第1発泡ビーズ粒子41cがそれら他の4つの第1発泡ビーズ粒子41とそれぞれ接触する部分を図6の断面において51a、51b、51c、51dとする。これら接触部51a、51b、51c、51dの長さの合計値は、第1発泡ビーズ粒子41cがクッション層22の第2発泡ビーズ粒子42と接触する部分50a、50bの長さの合計値よりも大きい。
第2発泡ビーズ粒子42についても同様に、界面50を構成する位置の第2発泡ビーズ粒子42が、クッション層22内の他の第2発泡ビーズ粒子42と接触する部分の断面における長さは、基材層21の第1発泡ビーズ粒子41と接触する部分の断面における長さよりも大きい。
このような構成により、基材層21の層内での第1発泡ビーズ粒子41同士の密着力、およびクッション層22の層内での第2発泡ビーズ粒子42同士の密着力を高めつつ、基材層21とクッション層22との密着力を高めることができる。よって、基材層21とクッション層22のそれぞれの層自体の強度を高めつつ、基材層21とクッション層22との剥離を抑制できる。
上記断面における接触長さの求め方は、前述の断面観察により界面50を特定した後、基材層21とクッション層22のそれぞれの層において界面50を構成する任意の発泡ビーズ粒子を5つ選択し、それぞれの発泡ビーズ粒子における他の発泡ビーズ粒子と接触している部分の長さを求める。そして、5つの発泡ビーズ粒子についての接触長さの平均値を求める。
基材層21とクッション層22との界面は凹凸を有し、この凹凸はクッション層22の厚みの10%より大きいことが望ましい。浴室洗い場床の使用想定温度-5℃~40℃において、線膨張係数が4~12×10-5/Kの範囲にある。温度変化に対する膨張率は、線膨張係数に温度変化をかけることで求められる。したがって、クッション層22を上記の使用想定温度で使用すると、クッション層22は大体1%程度膨張すると考えられる。この膨張の際、クッション層22にせん断応力が発生すると考えられる。このようなクッション層22の膨張に対して、クッション層22の厚みの10%以上の大きさの凹凸を設ければ、基材層21とクッション層22との間に、せん断応力に対する十分な剥離耐性が得られると考えられる。したがって、界面50の凹凸の大きさはクッション層22の厚みの10%より大きいことが望ましい。さらに好ましくは、50%以下である。さらにより好ましくは、15%以上35%以下である。これにより、浴室洗い場床の使用温度が大きく変化した際にクッション層22にせん断応力が発生しても、基材層21とクッション層22との剥離を防止することができる。
クッション層22の厚みは、図5を参照して前述した方法により求めることができる。界面50の凹凸の大きさは、以下のようにして求められる。
断面が観察できるように浴室洗い場床10を切断し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて浴室洗い場床10の断面画像を得る。このとき、断面画像は、基材層21とクッション層22との界面50、およびクッション層22の上面(表面層23が形成される側の面)22aを含むように取得される。
その断面画像において、図6に示すように、クッション層22の上面22aの位置に基準線RL2を引く。基準線RL2に平行な第1方向(図6における左右方向)において等間隔に基材層21に含まれる5つの第1発泡ビーズ粒子41を選択する。選択した各第1発泡ビーズ粒子41を選択第1発泡ビーズ粒子とする。図6において第1発泡ビーズ粒子41cを選択第1発泡ビーズ粒子とする。選択第1発泡ビーズ粒子41cに第1方向の両側(図6において左右方向の両側)において隣接する2つの第1発泡ビーズ粒子41d、41eを隣接第1発泡ビーズ粒子とする。1つの選択第1発泡ビーズ粒子41cおよび2つの隣接第1発泡ビーズ粒子41d、41eからなる3つの第1発泡ビーズ粒子41c、41d、41eと、クッション層22の第2発泡ビーズ粒子42とが形成する凹凸に対して、基準線RL2からの垂線が最短となる位置を凸部、最長となる位置を凹部とする。
基準線RL2から凸部までの長さX(mm)および基準線RL2から凹部までの長さY(mm)をそれぞれ求め、下記式により各位置での凹凸の大きさを求める。
凹凸の大きさ(mm)=Y(mm)-X(mm)。
この凹凸の大きさ(Y-X)を、上記等間隔に基材層21に含まれる5つの第1発泡ビーズ粒子41の位置に対応する5カ所おいて求め、それら5つの凹凸の大きさの平均値を求める。これを本明細書における「凹凸の大きさ」とする。
以下、本発明の浴室洗い場床10の製造方法について説明する。本発明の浴室洗い場床10は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、下記の方法を用いることができる。まず、基材層21及びクッション層22の製造方法について、説明する。
図7(a)~図7(d)は、実施形態に係る浴室洗い場床の基材層及びクッション層の製造方法を模式的に表す説明図である。
図7(a)~図7(d)に表したように、基材層21及びクッション層22は、それぞれ、型M内で熱可塑性樹脂製の原料ビーズを加熱して発泡させ、発泡ビーズ粒子の集合体を形成することで製造される。基材層21及びクッション層22は、それぞれ、いわゆるビーズ発泡により形成される。
より具体的には、まず、図7(a)に表したように、型Mに第1発泡ビーズ粒子41の原料となる第1原料ビーズ46を収容する(第1の収容工程)。第1原料ビーズ46としては、予備発泡させたものを用いることが好ましい。
次に、図7(b)に表したように、型Mを閉じて、第1原料ビーズ46を蒸気により加熱し、型M内に収容した第1原料ビーズ46同士を融着させる(融着工程)。
次に、図7(c)に表したように、型Mを開き、第1原料ビーズ46の上に第2発泡ビーズ粒子42の原料となる第2原料ビーズ47を収容する(第2の収容工程)。第2原料ビーズ47としては、予備発泡させたものを用いることが好ましい。
次に、図7(d)に表したように、型Mを閉じ、型M内の温度を上げることにより、第1原料ビーズ46及び第2原料ビーズ47を発泡させる(発泡工程)。そして、積層体を冷却する(冷却工程)。冷却方法は、空冷などの公知の方法を用いることができる。これにより、第1発泡ビーズ粒子41の集合体からなる基材層21と第2発泡ビーズ粒子42の集合体からなるクッション層22とが融着した積層体28を得ることができる。
上記のように得られた積層体28のクッション層22の表面に表面層23を積層させる。具体的には、クッション層22において、基材層21が積層されていない側の表面に表面層23を配置し、基材層21とクッション層22と表面層23が積層された積層体を得ることができる。表面層23とクッション層22とを接着剤を用いて接合する場合、クッション層22の表面に接着剤を配置する。その後、接着剤の上に表面層23を積層させる。その後、必要に応じて、加熱等行う。以上より、表面層23とクッション層22と基材層21とが積層された浴室洗い場床10を製造することができる。接着剤を用いる場合、接着剤としては、ホットメルト形接着剤または両面テープを用いることが好ましい。
表面層23としては、前述のように、樹脂シートを用いることが好ましい。所望の機能を有する樹脂シートを用いることができる。具体的には、可撓性、防水性、親水性などの機能を有する樹脂シートを用いることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室洗い場床などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
2 浴室ユニット、 10 浴室洗い場床、 10a 表面、 10h 排水口、 20 床本体、 21 基材層、 21h 開口部、 22 クッション層、 22h 開口部、 23 表面層、 23h 開口部、 24 接着層、 28 積層体、 30 フレーム体、 30h 開口部、 31 外枠、 32 格子部、 33 支持脚、 41、42 第1、第2発泡ビーズ粒子、 41a、42a 緻密部、 41b、42b 疎部、 46、47 第1、第2原料ビーズ、 50 界面、 60 浴槽、 61 支持脚、 62 排水配管、 65a、65b 小パネル、 67 バスエプロン、 71a~71f 壁パネル、 100 設置面、 M 型

Claims (4)

  1. 基材層と、
    前記基材層の上に設けられ、前記基材層と接するクッション層と、
    前記クッション層の上に設けられ、浴室洗い場床の表面を形成する表面層と、
    を備え、
    前記基材層は、熱可塑性樹脂製の第1発泡ビーズ粒子の集合体であり、
    前記クッション層は、熱可塑性樹脂製の第2発泡ビーズ粒子の集合体であり、
    前記基材層と前記クッション層との界面は凹凸を有することを特徴とする浴室洗い場床。
  2. 前記基材層における前記界面を構成する位置の前記第1発泡ビーズ粒子が、前記基材層内の他の前記第1発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さは、前記クッション層の前記第2発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さよりも大きく、
    前記クッション層における前記界面を構成する位置の前記第2発泡ビーズ粒子が、前記クッション層内の他の前記第2発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さは、前記基材層の前記第1発泡ビーズ粒子と接触する部分の断面における長さよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の浴室洗い場床。
  3. 前記凹凸の大きさは、前記クッション層の厚みの10%より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の浴室洗い場床。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の浴室の洗い場床に用いられる、
    前記クッション層と前記基材層とが積層されており、前記基材層と前記クッション層との界面が凹凸を有する積層体。
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