JP2022038129A - 半導体装置、電子装置及び電子装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、電子装置及び電子装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲート電極に供給される所定の入力電圧に対して所定の出力電流が得られるようにゲート電圧を調整可能なFETを備える装置を実現する。【解決手段】半導体装置1は、基板2の面2aに設けられるゲート電極3を有するFET1aと、基板2の内部に設けられ、ゲート電極3と接続されるゲート電圧調整電極8とを含む。ゲート電圧調整電極8は、平面視でゲート電極3の端部3baと重複する接続部8bと、平面視でゲート電極3の外側に位置し、面2aから露出するパッド部8aとを有する。半導体装置1では、FET1aの設定出力電流Idが得られる時の閾値Vgyが、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0とは異なる場合、ゲート電圧調整電極8に、それらの差分を補償する調整ゲート電圧Vgxが印加される。これにより、ゲート電極3のゲート電圧が、閾値Vgyに調整される。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置、電子装置及び電子装置の製造方法に関する。
複数の電界効果トランジスタを並列接続して大きな出力を得る技術が知られている。このような技術を採用するものとして、増幅器、電力増幅器が知られている。
例えば、並列接続された複数の基本セルを含む電界効果トランジスタにゲートバイアス回路を用いてゲートバイアスを給電する技術が知られている。このほか、並列接続された同じゲート幅の複数の電界効果トランジスタの各々に対して個別にゲート電圧を設定する技術、並列接続された異なるゲート幅の複数の電界効果トランジスタの各々に対してゲート幅に適したゲートバイアスを印加する技術が知られている。また、並列接続された複数の増幅器の増幅素子に対し、各々に流れる電流量が同一となり、非線形歪の測定値が予め定められた範囲に収まるように、各々に印加するバイアスを調整する技術が知られている。
国際公開第2011/111130号パンフレット 特開平10-79629号公報 特開2011-182043号公報 特開2011-199357号公報
電界効果トランジスタを備える半導体装置において、電界効果トランジスタには、製造ばらつき等の個体差により、所定の出力電流が得られる時のゲート電圧にばらつきが生じる場合がある。本明細書では、このような所定の出力電流が得られる時のゲート電圧を「閾値」とも言う。
ここで、所定の出力電流が得られる時のゲート電圧、即ち閾値にばらつきのある複数の電界効果トランジスタが並列接続され、それらのゲート電極に共通の入力電圧が供給される回路を考える。このような回路では、閾値が、入力電圧が供給されるゲート電極の電圧と等しい電界効果トランジスタであれば、当該電界効果トランジスタからは、所定の出力電流が得られる。これに対し、閾値が、入力電圧が供給されるゲート電極の電圧とは異なる電界効果トランジスタでは、閾値と当該電圧との差分に応じ、所定の出力電流よりも大きい又は小さい出力電流が得られてしまう。このように閾値にばらつきのある電界効果トランジスタ群に共通の入力電圧が供給される回路では、例えば、一部の電界効果トランジスタに他よりも大きな負荷がかかり、性能低下や破壊が生じ易くなる恐れがある。一部の電界効果トランジスタの性能低下や破壊は、回路全体、更にはその回路を含む装置の性能低下や故障を引き起こす恐れがある。
1つの側面では、本発明は、ゲート電極に供給される所定の入力電圧に対して所定の出力電流が得られるようにゲート電圧を調整可能な電界効果トランジスタを備える装置を実現することを目的とする。
1つの態様では、第1基板と、前記第1基板の第1面に設けられるゲート電極を有する電界効果トランジスタと、前記第1基板の内部に設けられ、前記ゲート電極と接続されるゲート電圧調整電極とを含み、前記ゲート電圧調整電極は、平面視で前記ゲート電極の一部と重複する第1部位と、平面視で前記ゲート電極の外側に位置し、前記第1面から露出する第2部位とを有する半導体装置が提供される。
また、別の態様では、上記のような半導体装置を含む電子装置、上記のような半導体装置を含む電子装置の製造方法が提供される。
1つの側面では、ゲート電極に供給される所定の入力電圧に対して所定の出力電流が得られるようにゲート電圧を調整可能な電界効果トランジスタを備える装置を実現することができる。
電界効果トランジスタを含む回路の一例について説明する図である。 電界効果トランジスタの入出力特性の一例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る電子装置の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る電子装置の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図(その3)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る電子装置の形成方法の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る電子装置の形成方法の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る電子装置の形成方法の一例について説明する図(その3)である。 第3の実施の形態に係る電子機器の一例について説明する図である。
はじめに、電界効果トランジスタの特性について述べる。
図1は電界効果トランジスタを含む回路の一例について説明する図である。
図1に示す回路600は、増幅器に適用される回路の一例である。回路600は、複数の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)、ここでは一例として、半導体装置700に設けられたFET710、及び半導体装置800に設けられたFET810の、2つFETを含む。図1には、FET710が設けられた半導体装置700、及びFET810が設けられた半導体装置800について、それらの要部平面図を模式的に示している。
尚、回路600に含まれるFETの数は、例示のFET710及びFET810の2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
半導体装置700は、基板720、並びにその一方の面720aに設けられたゲート電極730、ソース電極740及びドレイン電極750を有する。基板720には、半導体材料、化合物半導体材料が用いられる。ゲート電極730、ソース電極740及びドレイン電極750には、導体材料、例えば、金属材料が用いられる。ゲート電極730、ソース電極740及びドレイン電極750は、平面櫛歯状の部位を有する。例えば、ソース電極740の複数本(一例として3本)のソースフィンガー部741の、隣接するもの同士の間にそれぞれ、ドレイン電極750の複数本(一例として2本)のドレインフィンガー部751のうちの1本が位置する。一対のソースフィンガー部741とドレインフィンガー部751との間にそれぞれ、ゲート電極730の複数本(一例として4本)のゲートフィンガー部731のうちの1本が位置する。ゲートフィンガー部731、ソースフィンガー部741及びドレインフィンガー部751は、各々少なくとも一部が平面視で素子間分離領域760によって画定される活性領域770に位置する。半導体装置700では、ゲートフィンガー部731に所定の電圧が印加され、ソースフィンガー部741とドレインフィンガー部751との間の活性領域770内にキャリア(電子又は正孔)が伝導されるチャネルが形成され、FET710のトランジスタ機能が実現される。
半導体装置800は、半導体装置700と同様の構成を有する。半導体装置800は、基板820、並びにその一方の面820aに設けられたゲート電極830、ソース電極840及びドレイン電極850を有する。基板820には、半導体材料、化合物半導体材料が用いられる。ゲート電極830、ソース電極840及びドレイン電極850には、導体材料、例えば、金属材料が用いられる。ゲート電極830、ソース電極840及びドレイン電極850は、平面櫛歯状の部位を有する。例えば、ソース電極840の複数本(一例として3本)のソースフィンガー部841の、隣接するもの同士の間にそれぞれ、ドレイン電極850の複数本(一例として2本)のドレインフィンガー部851のうちの1本が位置する。一対のソースフィンガー部841とドレインフィンガー部851との間にそれぞれ、ゲート電極830の複数本(一例として4本)のゲートフィンガー部831のうちの1本が位置する。ゲートフィンガー部831、ソースフィンガー部841及びドレインフィンガー部851は、各々少なくとも一部が平面視で素子間分離領域860によって画定される活性領域870に位置する。半導体装置800では、ゲートフィンガー部831に所定の電圧が印加され、ソースフィンガー部841とドレインフィンガー部851との間の活性領域870内にキャリア(電子又は正孔)が伝導されるチャネルが形成され、FET810のトランジスタ機能が実現される。
尚、図1には、基板720に設けられたFET710と、基板820に設けられたFET810とを例示したが、FET710とFET810とは、共通の1枚の基板上に集積されてもよい。即ち、FET710とFET810とは、異なる2つの半導体装置700及び半導体装置800にそれぞれ設けられたものであってもよいし、1つの半導体装置内に設けられたものであってもよい。
回路600において、FET710及びFET810は、並列接続される。回路600では、FET710のゲート電極730及びFET810のゲート電極830に、共通の所定の入力電圧Vgが供給される。FET710のソース電極740及びFET810のソース電極840は、いずれも接地される。FET710のドレイン電極750及びFET810のドレイン電極850から、それぞれ出力電流Ida及び出力電流Idbが出力される。
回路600では、FET710及びFET810に同じ性能を有するものが用いられる場合、FET710のドレイン電極750から出力される出力電流Idaと、FET810のドレイン電極850から出力される出力電流Idbとは同じ値となる。ところが、回路600のFET710及びFET810には、製造ばらつき等による個体差のために、所定の出力電流が得られる時のゲート電圧、即ち閾値にばらつきが生じ、全く同じ性能を有するものが用いられない場合がある。この場合、FET710及びFET810の一方からは比較的大きな出力電流が得られ、他方からは比較的小さな出力電流が得られるといったことが起こり得る。この点について、図1及び次の図2を参照して更に説明する。
図2は電界効果トランジスタの入出力特性の一例について説明する図である。図2には一例として、nチャネル型FETの入出力特性の一例を模式的に示している。図2において、横軸はゲート電圧を表し、縦軸は出力電流を表す。
例えば、上記回路600にnチャネル型のFET710及びFET810が用いられ、それらの製造ばらつき等の個体差により、所定の出力電流(設定出力電流)が得られる時のゲート電圧、即ち閾値にばらつきが生じている場合を考える。上記図1の例では、FET710の設定出力電流Idが得られる時の閾値をVgaとし、FET810の設定出力電流Idが得られる時の閾値をVgb(Vgb>Vga)としている。図2では、このようなFET710の入出力特性の一例を線Pで示し、FET810の入出力特性の一例を線Qで示している。
図2に示すように、FET710及びFET810は、オン電圧(スレッショルド電圧)を上回るゲート電圧で出力電流が流れ、ゲート電圧の増大に伴って出力電流が増大していく入出力特性を有する。設定出力電流Idが得られる時の閾値Vgaが比較的マイナス側に大きい(或いは閾値が深い)FET710では、閾値Vgbが比較的プラス側に大きい(或いは閾値が浅い)FET810よりも、大きな出力電流(或いは最大出力電流)が得られる。
回路600では、FET710及びFET810の、双方のゲート電極730及びゲート電極830に、共通の所定の入力電圧Vgが供給される(図1)。
ここで、例えば、入力電圧Vgが供給されるゲート電極730及びゲート電極830の電圧がいずれもVg0であって、FET710及びFET810の入出力特性が、いずれも図2の線Rで示されるようなものであるとする。この場合、FET710及びFET810の設定出力電流Idが得られる時の閾値が、入力電圧Vgが供給されるゲート電極730及びゲート電極830の電圧Vg0と同じであることから、FET710及びFET810の出力電流はいずれもIdとなる。
これに対し、FET710及びFET810の入出力特性が、それぞれ図2の線P及び線Qで示されるようなものである場合には、FET710及びFET810から、異なる出力電流Ida及び出力電流Idbが得られるようになる。即ち、線Pに示されるように、設定出力電流Idが得られる時の閾値Vgaが、入力電圧Vgが供給されるゲート電極730の電圧Vg0に対してマイナス側に大きいFET710からは、電圧Vg0では設定出力電流Idよりも大きな出力電流Idaが得られるようになる。線Qに示されるように、設定出力電流Idが得られる時の閾値Vgbが、入力電圧Vgが供給されるゲート電極830の電圧Vg0に対してプラス側に大きいFET810からは、電圧Vg0では設定出力電流Idよりも小さな出力電流Idbが得られるようになる。
回路600のFET710及びFET810から異なる出力電流Ida及び出力電流Idbが得られると、出力合成時の合成損失が大きくなり、回路600が適用される増幅器の効率が低下することが起こり得る。また、回路600に、FET810のように出力電流Idbが設定出力電流Idよりも小さくなるものが含まれると、回路600及びそれが適用される増幅器の性能低下を招く可能性がある。更にまた、回路600に、FET710のように出力電流Idaが設定出力電流Idよりも大きくなるものが含まれると、そのようなFET710にかかる負荷が他のFET810等に比べて大きくなる。その結果、ドレイン側への電界集中によるFET710の性能低下や耐圧低下による破壊が生じる可能性がある。FET710の性能低下や破壊は、回路600及びそれが適用される増幅器の性能低下や故障を招き得る。
このように回路600では、FET710及びFET810の設定出力電流Idが得られる時の閾値Vga及び閾値Vgbのばらつきに起因して、出力電流Ida及び出力電流Idbにばらつきが生じる場合がある。出力電流Ida及び出力電流Idbのばらつきは、回路600及びそれが適用される増幅器の性能低下や故障を招く恐れがある。
尚、ここでは回路600にnチャネル型のFET710及びFET810を用いた場合を例にして説明したが、pチャネル型のFET710及びFET810を用いた場合にも、同様のことが起こり得る。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような手法を用い、ゲート電極に供給される所定の入力電圧に対して所定の出力電流を得ることのできるFETを備える装置を実現する。
[第1の実施の形態]
図3は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。
図3に示す半導体装置1は、FET1aを備える。図3には、FET1aを備える半導体装置1について、その要部平面図を模式的に示している。
半導体装置1は、基板2、並びにその一方の面2a側に設けられたゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5を有する。半導体装置1は更に、基板2内に設けられ、ゲート電極3と接続されるゲート電圧調整電極8を有する。
基板2には、半導体材料、化合物半導体材料を用いることができる。基板2に用いられる半導体材料としては、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等が挙げられる。基板2に用いられる化合物半導体材料としては、例えば、ガリウムナイトライド(GaN)、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)、アルミニウムナイトライド(AlN)、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)等が挙げられる。基板2には、これらの半導体材料及び化合物半導体材料のうちの1種又は2種以上の材料が用いられてよい。基板2には、1種の材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の材料の積層構造が用いられてもよい。半導体材料、化合物半導体材料が用いられる基板2には、その一部にサファイヤ、ダイヤモンド、酸化シリコン、窒化シリコン等の材料が更に用いられてもよい。
ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5は、基板2の面2a上に設けられる。ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5には、各種導体材料を用いることができる。例えば、ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5には、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)等の金属材料が用いられる。ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5には、2種以上の金属材料を含有する合金、金属間化合物が用いられてもよい。また、ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5には、シリサイド、ポリシリコン等が用いられてもよい。ゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5にはそれぞれ、1種の材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の材料の積層構造が用いられてもよい。ゲート電極3と基板2との間には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等の絶縁膜、即ちゲート絶縁膜が介在されてもよい。或いは、ゲート電極3と基板2とは、ショットキー接続されてもよい。ソース電極4及びドレイン電極5と、基板2(キャリアのソース及びドレインとして機能する部分)とは、例えば、オーミック接続される。
基板2の面2a上に設けられるゲート電極3、ソース電極4及びドレイン電極5は、平面櫛歯状の部位を有する。例えば、ソース電極4の複数本(一例として3本)のソースフィンガー部4aの、隣接するもの同士の間にそれぞれ、ドレイン電極5の複数本(一例として2本)のドレインフィンガー部5aのうちの1本が位置する。一対のソースフィンガー部4aとドレインフィンガー部5aとの間にそれぞれ、ゲート電極3の複数本(一例として4本)のゲートフィンガー部3aのうちの1本が位置する。ゲートフィンガー部3a、ソースフィンガー部4a及びドレインフィンガー部5aは、各々少なくとも一部が平面視で素子間分離領域6によって画定される活性領域(「真性領域」とも言う)7に位置する。
半導体装置1のFET1aには、nチャネル型のFETが用いられてもよいし、pチャネル型のFETが用いられてもよい。半導体装置1の動作時には、ソース電極4(そのソースフィンガー部4a)とドレイン電極5(そのドレインフィンガー部5a)との間に所定の電圧が供給され、ゲート電極3に所定の入力電圧が供給される。ソースフィンガー部4aとドレインフィンガー部5aとの間の活性領域7内にキャリア(電子又は正孔)が伝導されるチャネルが形成され、FET1aのトランジスタ機能が実現される。
ゲート電圧調整電極8は、基板2内に設けられ、ゲート電極3と接続される。ゲート電圧調整電極8は、例えば、基板2の面2a側に設けられる有底の凹部内に埋め込まれる。ゲート電極3は、基板2の素子間分離領域6の面2a上に設けられる電極部3b、及び電極部3bと接続され少なくとも一部が基板2の活性領域7の面2a上に設けられる電極部であるゲートフィンガー部3aを有する。ゲート電圧調整電極8は、ゲート電極3と、その電極部3bの端部3baで接続される。ゲート電圧調整電極8は、平面視でゲート電極3の電極部3bの端部3baと重複する接続部8b(図3に点線で示した部位)と、平面視でゲート電極3の外側に位置するパッド部8a(図3に実線で示した部位)とを有する。接続部8bは、ゲート電圧調整電極8とゲート電極3とを接続する部位である。パッド部8aは、基板2の素子間分離領域6の面2aから露出し、半導体装置1の製造時、試験時又は実使用時に端子の1つとして用いられる部位である。
ゲート電圧調整電極8には、比較的高い電気伝導率又は比較的低い抵抗率を有する導体材料を用いることができる。例えば、ゲート電圧調整電極8には、ゲート電極3に用いられる導体材料よりも高い電気伝導率又は低い抵抗率を有する導体材料が用いられる。ゲート電圧調整電極8及びゲート電極3は、電気伝導率又は抵抗率がこのような関係の組み合わせとなるように、互いの導体材料が選択される。ゲート電圧調整電極8には、例えば、Cu、Au等の金属材料を用いることができる。ゲート電圧調整電極8には、2種以上の金属材料を含有する合金、金属間化合物が用いられてもよく、また、シリサイド等が用いられてもよい。ゲート電圧調整電極8は、その接続部8b及びパッド部8aに同種の導体材料が用いられてもよいし、異種の導体材料が用いられてもよい。ゲート電圧調整電極8には、1種の材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の材料の積層構造が用いられてもよい。また、接続部8b及びパッド部8aにそれぞれ、1種の材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の材料の積層構造が用いられてもよい。ゲート電圧調整電極8のサイズ(幅、長さ及び深さのいずれか又は全て)は限定されるものではない。接続部8b及びパッド部8aの互いのサイズは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
尚、半導体装置1には、ゲート電圧調整電極8を含むFET1aが複数設けられてもよい。また、半導体装置1には、ゲート電圧調整電極8を含むFET1aのほか、基板2に設けられる他の電子素子(FET、抵抗、キャパシタ、インダクタ、配線等)が含まれてもよい。
上記構成を有する半導体装置1では、FET1aのゲート電極3に所定の入力電圧Vgが供給される。ここで、FET1aの閾値Vgy、即ち所定の出力電流(設定出力電流)Idが得られる時のゲート電圧が、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0とは異なり、当該電圧Vg0よりも低い又は高い場合には、ドレイン電極5から設定出力電流Idとは異なる値の出力電流が出力される。尚、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0は、入力電圧Vgと一致する場合(Vg0=Vg)のほか、配線経路での電圧降下や半導体装置1が組み込まれる回路全体の構成等により、必ずしも入力電圧Vgとは一致しない場合(Vg0≠Vg)がある。半導体装置1では、FET1aの閾値Vgyが、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0とは異なるような場合、ゲート電圧調整電極8に、閾値Vgyと、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0との差分を補償する調整ゲート電圧Vgxが印加される。調整ゲート電圧Vgxがゲート電圧調整電極8に印加されることで、パッド部8aから接続部8bを通じてゲート電極3に調整ゲート電圧Vgxが印加され、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3のゲート電圧が、設定出力電流Idが得られる時の閾値Vgyに調整される。これにより、FET1aのドレイン電極5から設定出力電流Idが出力される。
このように半導体装置1では、FET1aの設定出力電流Idが得られる時のゲート電圧である閾値Vgyが、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0とは異なる場合でも、ゲート電圧調整電極8から調整ゲート電圧Vgxが印加され、設定出力電流Idが得られる。製造ばらつき等によって個々のFET1aの閾値Vgyにばらつきが生じる場合でも、各FET1aについて、その閾値Vgyと、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0との差分を補償する調整ゲート電圧Vgxがゲート電圧調整電極8から印加され、ゲート電圧が調整される。
尚、FET1aの閾値Vgyと、入力電圧Vgが供給されるゲート電極3の電圧Vg0とが等しい場合には、ゲート電圧調整電極8からゲート電極3への調整ゲート電圧Vgxの印加は行われず、ゲート電圧調整電極8のパッド部8aは開放状態とされる。
半導体装置1では、ゲート電極3に調整ゲート電圧Vgxを印加するゲート電圧調整電極8が、素子間分離領域6のゲート電極3の端部3baと重複する接続部8bと、ゲート電極3の外側にはみ出して位置するパッド部8aとを有する。ゲート電圧調整電極8には、例えば、ゲート電極3の導体材料よりも高い電気伝導率又は低い抵抗率を有する導体材料が用いられる。これにより、半導体装置1では、ゲート電圧調整電極8とゲート電極3とが短距離且つ低抵抗の配線経路で接続され、長距離配線を用いてゲート電極3に調整ゲート電圧Vgxを印加する場合に比べて、抵抗によるゲート電極3の信号減衰が効果的に抑えられる。そのため、ゲート電圧調整電極8を設けることによる半導体装置1の動作性能の低下が抑えられる。また、ゲート電圧調整電極8の深さを深くして体積を大きくすると、ゲート電圧調整電極8の抵抗が下がり、ゲート電圧調整電極8を通じてゲート電極3に適正な調整ゲート電圧Vgxを印加し易くなる。尚、ゲート電圧調整電極8の平面サイズを大きくし過ぎると、ゲート電極3までの配線経路が延びることによる配線抵抗の増大を招くことに留意する。
以上説明したように、半導体装置1によれば、ゲート電圧調整電極8によるゲート電圧の調整により、ゲート電極3に供給される入力電圧Vgに対し、設定出力電流Idよりも大きい又は小さい電流が出力されることが抑えられる。ゲート電極3に供給される入力電圧Vgに対して設定出力電流Idを得ることのできるFET1aを備える半導体装置1が実現される。
尚、半導体装置1では、FET1aのゲート電極3に供給される入力電圧Vgに対し、FET1aの動作温度や環境温度によって設定出力電流Idよりも大きい又は小さい電流が出力されるような場合も起こり得る。半導体装置1では、このような場合にも、ゲート電圧調整電極8によるゲート電圧の調整を行い、各FET1aから設定出力電流Idが得られるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
図4及び図5は第2の実施の形態に係る電子装置の一例について説明する図である。図4は電子装置の回路構成例について説明する図である。図5は図4のX部の電圧印加例について説明する図である。
図4に示す電子装置10は、増幅器の一例である。電子装置10は、入力整合回路20及び出力整合回路30、並びにそれらの間に設けられる増幅部40を含む。増幅部40は、並列接続される複数のFET40a、ここでは一例として4つのFET40aを備える。この場合、増幅部40は、4つのFET40aを1つずつ備える4つの半導体装置を含んだものであってもよいし、4つのFET40aのうちの2つずつ又は1つと3つを備える2つの半導体装置を含んだものであってもよいし、4つのFET40aを全て備える1つの半導体装置を含んだものであってもよい。尚、増幅部40が備えるFET40aの数、FET40aを備える半導体装置の数は、限定されるものではない。増幅部40のFET40a群には、同種のものが用いられる。但し、増幅部40のFET40a群には、後述のように、製造ばらつき等の個体差により、設定出力電流が得られる時のゲート電圧(閾値)にばらつきが含まれ得る。
入力整合回路20は、増幅部40の入力側に接続される。入力整合回路20は、入力端子21、及び入力端子21からトーナメント式に複数段(一例として2段)分岐されて増幅部40のFET40a群の各々の入力となるゲート電極に接続される伝送線路22群を含む。入力整合回路20には、FET40aのゲート電極に接続される、FET40aの動作用の電源50が接続される。
出力整合回路30は、増幅部40の出力側に接続される。出力整合回路30は、増幅部40のFET40a群の各々の出力となるドレイン電極から出力端子31へとトーナメント式に収束するように複数段(一例として2段)接続される伝送線路32群を含む。出力整合回路30には、FET40aのドレイン電極に接続される、FET40aの出力用の電源60が接続される。尚、FET40aのソース電極は、ドレイン電極に対して所定の電位(例えば接地電位)となるように設定される。
例えば、FET40aを備える増幅部40の半導体装置、入力整合回路20及び出力整合回路30は、それぞれ別個の基板上に形成される。或いは、入力整合回路20及び出力整合回路30が同一の基板上に形成され、入力整合回路20及び出力整合回路30と、FET40aを備える増幅部40の半導体装置とが、別個の基板上に形成される。増幅部40の半導体装置のFET40aと入力整合回路20(その出力端子)との間、増幅部40の半導体装置のFET40aと出力整合回路30(その入力端子)との間は、ワイヤ等を用いて接続される。
入力整合回路20の入力端子21から入力される信号は、分岐されて複数段の伝送線路22群を伝送され、所定のインピーダンスに整合されて、各FET40aのゲート電極に入力される。各FET40aでは、ゲート電極に入力される信号及び接続される電源50による入力電圧と、ドレイン電極に接続される電源60による電圧とに基づいて、増幅信号が生成される。各FET40aで生成される増幅信号は、ドレイン電極から出力され、出力整合回路30の複数段の伝送線路32群を合成されて伝送され、所定のインピーダンスに整合されて、出力端子31から出力される。
上記構成を有する電子装置10において、その増幅部40のFET40a群には、製造ばらつき等の個体差により、設定出力電流が得られる時のゲート電圧、即ち閾値にばらつきが生じる場合がある。例えば、図4のX部及び図5に示すような、共通の電源50に接続される2つのFET40aについて、両FET40aの閾値が、電源50による入力電圧Vgが供給されるゲート電極の電圧と等しければ、両FET40aから共に設定出力電流Idが得られる。
しかし、両FET40aの少なくとも一方の閾値にばらつきが生じ、その少なくとも一方の閾値が、入力電圧Vgが供給されるゲート電極の電圧とは異なっていると、その異なる閾値のFET40aからは設定出力電流Idとは異なる出力電流が得られるようになる。このような場合には、出力電流の合成損失が大きくなり、増幅部40が適用される電子装置10の効率が低下することが起こり得る。また、出力電流が設定出力電流Idよりも小さくなるFET40aが含まれると、増幅部40及びそれが適用される電子装置10の性能低下を招く可能性がある。更にまた、出力電流が設定出力電流Idよりも大きくなるFET40aが含まれると、そのようなFET40aにかかる負荷が比較的大きくなり、ドレイン側への電界集中によるFET40aの性能低下や耐圧低下による破壊が生じる可能性がある。FET40aの性能低下や破壊は、増幅部40及びそれが適用される電子装置10の性能低下や故障を招き得る。
そこで、電子装置10では、図5に示すように、増幅部40の各FET40aの、入力電圧Vgが供給されるゲート電極に対し、ゲート電圧を調整するための調整ゲート電圧Vgxを印加することができるようになっている。図5には、2つのFET40aに対し、調整ゲート電圧Vgxとしてそれぞれ調整ゲート電圧Vg1及び調整ゲート電圧Vg2が印加される例を示している。電子装置10によれば、例えば、図5に示す両FET40aの設定出力電流Idが得られる時の閾値が、入力電圧Vgが供給されるゲート電極の電圧と異なる場合でも、調整ゲート電圧Vg1及び調整ゲート電圧Vg2の印加により、設定出力電流Idが得られる。製造ばらつき等によって両FET40aの閾値にばらつきが生じる場合でも、各々の閾値と、入力電圧Vgが供給されるゲート電極の電圧との差分を補償する調整ゲート電圧Vg1及び調整ゲート電圧Vg2が印加され、ゲート電圧が調整される。
図5には、両FET40aに調整ゲート電圧Vgx(調整ゲート電圧Vg1,Vg2)を印加する例を示したが、FET40aの閾値と、入力電圧Vgが供給されるゲート電極の電圧とが等しい場合には、調整ゲート電圧Vgxの印加は行われない。
続いて、増幅部40に用いられる半導体装置であって、設定出力電流Idが得られる時のゲート電圧(閾値)及び入力電圧Vgに基づいて調整ゲート電圧Vgxが印加可能なFET40aを備える半導体装置の例を説明する。
図6~図8は第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図6には半導体装置の一例の要部平面図を模式的に示している。図7及び図8には半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。図7は図6のVII-VII矢視断面図であり、図8は図6のVIII-VIII矢視断面図である。
図6~図8に示す半導体装置100は、FET40aとして高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;HEMT)を備える半導体装置の一例である。半導体装置100は、図6に示すように、基板120、並びにその一方の面120a側に設けられたゲート電極130、ソース電極140及びドレイン電極150を有する。半導体装置100は更に、図6及び図8に示すように、基板120内に設けられ、ゲート電極130と接続されるゲート電圧調整電極180を有する。
基板120は、図7及び図8に示すように、下地基板121、及びその上に設けられる半導体層122を含む。
下地基板121には、例えば、Si、SiC等の材料が用いられる。このほか、下地基板121には、GaN、InP、GaAs、AlN等の材料が用いられてもよい。更に、下地基板121には、サファイヤ、ダイヤモンド等の材料が用いられてもよい。下地基板121には、1種の材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の材料の積層構造が用いられてもよい。
半導体層122は、例えば、図7及び図8に示すように、チャネル層122a、バリア層122b及びキャップ層122cを含む。
チャネル層122aは、下地基板121上に設けられる。チャネル層122aには、窒化物半導体、例えば、GaNが用いられる。チャネル層122aには、このほか、AlGaN、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)、インジウムアルミニウムガリウムナイトライド(InAlGaN)等の窒化物半導体が用いられてもよい。チャネル層122aは、1種の窒化物半導体の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造であってもよい。チャネル層122aには、例えば、アンドープの窒化物半導体が用いられる。チャネル層122aは、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD、若しくはMetal Organic Vaper Phase Epitaxy;MOVPE)法、又は分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法を用いて、下地基板121上に形成される。チャネル層122aの厚さは、例えば、100nm~1000nm程度の範囲に設定される。チャネル層122aは、電子走行層とも称される。
バリア層122bは、チャネル層122a上に設けられる。バリア層122bには、窒化物半導体、例えば、AlGaNが用いられる。一例として、Al組成xが0.2程度のAlGa1-xN(0<x<1)が、バリア層122bに用いられる。このほか、バリア層122bには、インジウムアルミニウムナイトライド(InAlN)、InAlGaN、AlN等の窒化物半導体が用いられてもよい。バリア層122bは、1種の窒化物半導体の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造であってもよい。バリア層122bには、例えば、n型窒化物半導体が用いられる。バリア層122bは、MOVPE法又はMBE法を用いて、チャネル層122a上に形成される。バリア層122bの厚さは、例えば、5nm~30nm程度の範囲に設定される。バリア層122bは、電子供給層とも称される。
ここで、チャネル層122a及びバリア層122bには、バンドギャップの異なる窒化物半導体が用いられる。チャネル層122a上にそれよりもバンドギャップの大きい窒化物半導体を用いたバリア層122bが設けられることで、バンド不連続を有するヘテロ接合構造が形成される。フェルミ準位がチャネル層122aとバリア層122bとの接合界面の伝導帯よりも上(高エネルギー側)となるようにすることで、接合界面近傍のチャネル層122aに、2次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas;2DEG)200が生成される。チャネル層122a上にそれよりも格子定数の大きい窒化物半導体を用いたバリア層122bが設けられることで、チャネル層122aにピエゾ分極が発生する。バリア層122bに用いられる窒化物半導体の自発分極、及びその格子定数に起因して発生するピエゾ分極により、接合界面近傍のチャネル層122aに高濃度の2DEG200が生成される。チャネル層122a及びバリア層122bには、それらの接合界面近傍に、このような2DEG200が生成されるような組み合わせの窒化物半導体が用いられる。
キャップ層122cは、バリア層122b上に設けられる。キャップ層122cは、バリア層122bを保護する機能を有する。キャップ層122cには、窒化物半導体、例えば、n型GaNが用いられる。キャップ層122cの厚さは、例えば、2nm~10nm程度の範囲に設定される。
尚、ここでは図示を省略するが、下地基板121とチャネル層122aとの間には、初期層としてAlN等の層が設けられてもよく、また、バッファ層としてAlGaN等の層が設けられてもよい。チャネル層122aとバリア層122bとの間には、スペーサ層としてアンドープのAlGaN(i型AlGaN)等の層が設けられてもよい。半導体層122には、このような初期層、バッファ層及びスペーサ層のうちの1種又は2種以上が含まれ得る。
ソース電極140及びドレイン電極150は、図6及び図7に示すように、基板120の一方の面120a側に設けられる。ソース電極140及びドレイン電極150には、金属材料を用いることができる。例えば、ソース電極140及びドレイン電極150として、Tiとその上に設けられたAlとを有する金属電極が設けられる。ソース電極140及びドレイン電極150は、蒸着法等を用いて形成される。ソース電極140及びドレイン電極150と、基板120(キャリアのソース及びドレインとして機能する部分)とは、例えば、オーミック接続される。ソース電極140及びドレイン電極150は、例えば、基板120のキャップ層122cを貫通してバリア層122bと接続されるように、設けられる。ソース電極140及びドレイン電極150は、オーミック電極として機能すれば、バリア層122bに接続されてもよいし、バリア層122bを貫通してチャネル層122aに接続されてもよい。基板120のソース電極140及びドレイン電極150が接続される部位にはそれぞれ、n型GaNやn型AlGaN等の窒化物半導体を用いたコンタクト層(再成長層)が設けられてもよい。
ゲート電極130は、図6~図8に示すように、基板120の一方の面120a側に設けられる。ゲート電極130は、例えば、キャップ層122c上に設けられる。ゲート電極130には、金属材料を用いることができる。例えば、ゲート電極130として、Niとその上に設けられたAuとを有する金属電極が設けられる。ゲート電極130は、蒸着法等を用いて形成される。ゲート電極130とキャップ層122cとの間には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等が用いられたゲート絶縁膜が介在されてもよい。或いは、ゲート電極130は、基板120とショットキー接続されてもよい。
図6に示すように、ソース電極140及びドレイン電極150並びにゲート電極130は、平面櫛歯状の部位を有する。例えば、ソース電極140の複数本(一例として3本)のソースフィンガー部141の、隣接するもの同士の間にそれぞれ、ドレイン電極150の複数本(一例として2本)のドレインフィンガー部151のうちの1本が位置する。一対のソースフィンガー部141とドレインフィンガー部151との間にそれぞれ、ゲート電極130の複数本(一例として4本)のゲートフィンガー部131のうちの1本が位置する。ゲートフィンガー部131、ソースフィンガー部141及びドレインフィンガー部151は、各々少なくとも一部が平面視で素子間分離領域160によって画定される活性領域170に位置する。
半導体装置100の動作時には、ソース電極140(そのソースフィンガー部141)とドレイン電極150(そのドレインフィンガー部151)との間に所定の電圧が供給され、ゲート電極130に所定の入力電圧が供給される。ソースフィンガー部141とドレインフィンガー部151との間の活性領域170内に生成される2DEG200の電子が伝導され、FET40aのトランジスタ機能が実現される。
基板120の、FET40aが設けられる面120a側とは反対側の面120bには、図7及び図8に示すような裏面電極190が設けられてもよい。この場合、裏面電極190は、例えば、基板120を貫通する電極(図示せず)を通じて、面120a側に設けられるソース電極140と接続される。
ゲート電圧調整電極180は、基板120内に設けられ、ゲート電極130と接続される。ゲート電圧調整電極180は、例えば、基板120の面120a側に設けられる有底の凹部内、例えば、図8に示すような、半導体層122を貫通して下地基板121に達する凹部120c内に埋め込まれる。凹部120cの内面(底面及び側面)には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等の絶縁膜123が設けられ、その絶縁膜123の内側に、ゲート電圧調整電極180が設けられる。ゲート電極130は、図6~図8に示すように、基板120の素子間分離領域160の面120a上に設けられる電極部132、及び電極部132と接続され少なくとも一部が基板120の活性領域170の面120a上に設けられる電極部であるゲートフィンガー部131を有する。ゲート電圧調整電極180は、図6及び図8に示すように、ゲート電極130と、その電極部132の端部132aで接続される。ゲート電圧調整電極180は、図6及び図8に示すように、平面視及び断面視でゲート電極130の電極部132の端部132aと重複する接続部182と、平面視及び断面視でゲート電極130の外側にはみ出して位置するパッド部181とを有する。接続部182は、ゲート電圧調整電極180とゲート電極130とを接続する部位である。パッド部181は、基板120の素子間分離領域160の面120aから露出し、半導体装置100の製造時、試験時又は実使用時に端子の1つとして用いられる部位である。
ゲート電圧調整電極180には、例えば、ゲート電極130に用いられる金属材料よりも高い電気伝導率又は低い抵抗率を有する金属材料が用いられる。ゲート電圧調整電極180及びゲート電極130は、電気伝導率又は抵抗率がこのような関係の組み合わせとなるように、互いの金属材料が選択される。例えば、ゲート電極130にNiを主体とする金属材料が用いられる場合、ゲート電圧調整電極180には、Cu、Au等の金属材料が用いられる。ゲート電圧調整電極180には、2種以上の金属材料が含有されてもよく、1種の金属材料の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の金属材料の積層構造が用いられてもよい。また、ゲート電圧調整電極180のサイズ(幅、長さ及び深さのいずれか又は全て)は限定されるものではない。接続部182及びパッド部181の互いのサイズは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
尚、半導体装置100には、ゲート電圧調整電極180を含むFET40aが複数設けられてもよい。また、半導体装置100には、ゲート電圧調整電極180を含むFET40aのほか、基板120に設けられる他の電子素子(FET、抵抗、キャパシタ、インダクタ、配線等)が含まれてもよい。
図9は第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。図9(A)~図9(D)にはそれぞれ半導体装置形成の一例の各工程の要部断面図を模式的に示している。
半導体装置100の形成では、例えば、図9(A)に示すような基板120が準備される。例えば、SiC基板等の下地基板121上に、MOVPE法等を用いて、チャネル層122a、バリア層122b及びキャップ層122cを含む半導体層122が結晶成長される。尚、チャネル層122aの結晶成長前には、下地基板121上に、AlN等の初期層、AlGaN等のバッファ層が結晶成長されてもよい。また、バリア層122bの結晶成長前には、チャネル層122a上に、i型AlGaN等のスペーサ層が設けられてもよい。
半導体層122の結晶成長後、例えば、所定の領域に対してアルゴン(Ar)のイオン注入が行われ、素子間分離領域160が形成される。素子間分離領域160で画定される活性領域170には、2DEG200(図7)が生成される。
半導体層122の結晶成長後、例えば、図9(B)に示すような有底の凹部120cが形成される。凹部120cは、基板120の素子間分離領域160の一部に形成される。その際、凹部120cは、後述のように基板120上に形成されるゲート電極130の、素子間分離領域160に形成される電極部132の、その端部132aと一部が重複するようになる領域に、形成される。凹部120cの形成には、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が用いられる。基板120上に、凹部120cを形成する領域に開口部を有するレジストパターン(図示せず)が形成され、そのレジストパターンをマスクとしたエッチングが行われ、基板120に凹部120cが形成される。凹部120cの形成には、エッチングのほか、レーザー加工技術、サンドブラスト加工技術、イオンミリング技術、ドリル加工技術等を用いることもできる。
尚、素子間分離領域160に形成されるゲート電極130の電極部132の端部132aに一部が重複するものであれば、凹部120cの平面サイズ及び平面形状は限定されるものではない。また、図9(B)には一例として、基板120の半導体層122を貫通して下地基板121の上面に達する凹部120cを示したが、下地基板121を貫通しない範囲であれば、凹部120cの深さは限定されるものではない。例えば、下地基板121の上面から更に内部まで延びる凹部120cを設けたり、チャネル層122aを貫通しない凹部120cやバリア層122bを貫通しない凹部120cを設けたりすることもできる。
凹部120cの形成後、例えば、図9(C)に示すように、凹部120c内に絶縁膜123及びゲート電圧調整電極180が形成される。まず、凹部120cの内面を覆うように、絶縁膜123が形成される。絶縁膜123には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等の絶縁材料が用いられる。絶縁膜123の形成には、例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition;CVD)法等の堆積技術が用いられる。絶縁膜123の形成後、その内側の空間を埋めるように、ゲート電圧調整電極180が形成される。ゲート電圧調整電極180には、Cu、Au等の金属材料が用いられる。ゲート電圧調整電極180の形成には、無電解めっき技術若しくは電解めっき技術又はそれらの両方、或いは、CVD法、スパッタ法、原子層堆積(Atomic layer Deposition;ALD)法等の堆積技術が用いられる。絶縁膜123の絶縁材料及びゲート電圧調整電極180の金属材料の堆積により、凹部120c外に堆積される不要な絶縁材料及び金属材料の部分が生じる場合には、その不要な部分が、エッチング技術、CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術等を用いて除去される。
絶縁膜123及びゲート電圧調整電極180の形成後、例えば、図9(D)に示すように、基板120上にゲート電圧調整電極180と一部が重複するように、ゲート電極130が形成される。例えば、Ni/Auの積層構造を有し、ゲートフィンガー部131及びこれに繋がる電極部132を有するゲート電極130が、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、基板120上に形成される。ゲート電極130は、ゲートフィンガー部131の少なくとも一部が、素子間分離領域160で画定される活性領域170上に位置し、ゲートフィンガー部131と繋がる電極部132が、素子間分離領域160上に位置するように、形成される。ゲート電極130は、その電極部132の端部132aが、ゲート電圧調整電極180の一部と重複するように形成される。ゲート電圧調整電極180の、ゲート電極130の電極部132の端部132aと重複する部位が、接続部182となり、この接続部182によってゲート電圧調整電極180とゲート電極130とが接続される。ゲート電圧調整電極180の、ゲート電極130と重複せずにその外側にはみ出して基板120から露出する部位が、パッド部181となる。ゲート電極130の形成後には、例えば、窒素雰囲気での熱処理が行われてもよい。
尚、ゲート電極130の形成前には、基板120上にゲート絶縁膜(図示せず)が形成されてもよい。この場合は、基板120上に形成されたゲート絶縁膜の上に、上記のようなゲート電極130の形成が行われる。
半導体装置100の形成では、ゲート電極130の形成後或いは形成前に、ドレイン電極150及びソース電極140が形成される。例えば、Ti/Alの積層構造を有するドレイン電極150が、素子間分離領域160で画定される活性領域170上にドレインフィンガー部151が位置するように、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて基板120上に形成される。例えば、Ti/Alの積層構造を有するソース電極140が、素子間分離領域160で画定される活性領域170上にソースフィンガー部141が位置するように、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて基板120上に形成される。ドレイン電極150及びソース電極140の形成後には、例えば、窒素雰囲気での熱処理が行われ、ドレイン電極150及びソース電極140のオーミック接続が確立される。
尚、ドレイン電極150及びソース電極140の形成前には、それらの直下となる基板120の領域に、n型GaNやn型AlGaN等を用いたコンタクト層(図示せず)が形成されてもよい。このようなコンタクト層は、例えば、ドレイン電極150及びソース電極140の直下となる基板120の領域に凹部を形成し、その凹部にMOVPE法等を用いてn型GaNやn型AlGaN等を再成長することで、形成される。
また、基板120の、ゲート電極130、ソース電極140及びドレイン電極150が形成される側とは反対側には、裏面電極190が形成されてもよい。この場合は、例えば、基板120を貫通してソース電極140に接続される電極(図示せず)を形成し、当該電極と接続されるように裏面電極190が形成される。
以上のような工程により、チャネル層122a、バリア層122b、ゲート電極130、ソース電極140及びドレイン電極150を含むFET40a、並びにそのゲート電極130に接続されたゲート電圧調整電極180を備える半導体装置100が形成される。1枚の基板120(ウェハ)上に複数の半導体装置100が形成される場合には、ダイシング等によって個々の半導体装置100に切り分けられる。
上記構成を有する半導体装置100は、前述のように、電子装置10の増幅部40に用いられ、半導体装置100が備えるFET40aが、入力整合回路20及び出力整合回路30と接続される(図4)。電子装置10に組み込まれる半導体装置100の、そのFET40aのゲート電極130に、所定の入力電圧Vg(図5のVg)が供給される。
ここで、FET40aの閾値、即ち設定出力電流Id(図5のId)が得られる時のゲート電圧が、入力電圧Vgが供給されるゲート電極130の電圧とは異なる場合には、ドレイン電極150から設定出力電流Idとは異なる値の出力電流が出力される。半導体装置100では、このようなFET40aのゲート電圧調整電極180に、設定出力電流Idが得られる時のゲート電圧である閾値と、入力電圧Vgが供給されるゲート電極130の電圧との差分を補償する調整ゲート電圧Vgx(図5のVg1又はVg2)が印加される。調整ゲート電圧Vgxがゲート電圧調整電極180に印加されることで、パッド部181から接続部182を通じてゲート電極130に調整ゲート電圧Vgxが印加され、ゲート電極130のゲート電圧が、設定出力電流Idが得られる時の閾値に調整される。これにより、FET40aのドレイン電極150から設定出力電流Idが出力される。
FET40aの閾値と、入力電圧Vgが供給されるゲート電極130の電圧とが等しい場合には、ゲート電圧調整電極180からゲート電極130への調整ゲート電圧Vgxの印加は行われず、パッド部181は開放状態とされる。
このように半導体装置100では、FET40aのゲート電極130に調整ゲート電圧Vgxを印加するゲート電圧調整電極180が設けられる。ゲート電圧調整電極180は、素子間分離領域160のゲート電極130の端部132aと重複する接続部182と、ゲート電極130の外側にはみ出して位置するパッド部181とを有する。ゲート電圧調整電極180には、例えば、ゲート電極130の金属材料よりも高い電気伝導率又は低い抵抗率を有する金属材料が用いられる。これにより、半導体装置100では、ゲート電圧調整電極180とゲート電極130とが短距離且つ低抵抗の配線経路で接続され、抵抗によるゲート電極130の信号減衰が効果的に抑えられる。そのため、ゲート電圧調整電極180を設けることによる半導体装置100の動作性能の低下が抑えられる。
半導体装置100によれば、ゲート電圧調整電極180によるゲート電圧の調整により、FET40aのゲート電極130に供給される入力電圧Vgに対し、設定出力電流Idよりも大きい又は小さい電流が出力されることが抑えられる。ゲート電極130に供給される入力電圧Vgに対して設定出力電流Idを得ることのできるFET40aを備える半導体装置100が実現される。
続いて、FET40aを備える半導体装置100を用いた電子装置10の形成例及び構成例について説明する。
図10~図12は第2の実施の形態に係る電子装置の形成方法の一例について説明する図である。以下、図10~図12を参照して順に説明する。
図10は半導体装置の入出力特性の計測例について説明する図である。
電子装置10の形成では、まず、FET40aを備える半導体装置100の入出力特性が、図10に示すような計測装置300を用いて計測される。計測装置300は、ケーブル311を介して接続されたマニピュレータ型のプローブ310、及びケーブル321を介して接続されたマニピュレータ型のプローブ320を有する。計測装置300のプローブ310及びプローブ320はそれぞれ、半導体装置100のゲート電圧調整電極180のパッド部181及びドレイン電極150に接続される。計測装置300は、プローブ310からゲート電圧調整電極180に所定の電圧を印加し、その時にドレイン電極150から出力される電流をプローブ320で検出する。計測装置300が用いられ、ドレイン電極150に接続されたプローブ320から設定出力電流Idが得られる時にゲート電極130に印加される電圧が計測される。これにより、半導体装置100が備えるFET40aについて、設定出力電流Idが得られる時のゲート電圧、即ち閾値Vgyが計測される。このような計測装置300を用いた計測が、電子装置10に用いられる複数の半導体装置100の各々について行われ、各々のFET40aの閾値Vgy(後述の閾値Vga,Vgb等)が計測される。
図11は半導体装置の入出力整合回路との接続例及びゲート電極の電圧計測例について説明する図である。
電子装置10に用いられる複数の半導体装置100の各FET40aは、入力整合回路20及び出力整合回路30と接続される。入力整合回路20は、例えば、半導体装置100の基板120とは異なる基板23上に形成される。出力整合回路30は、例えば、半導体装置100の基板120とは異なる基板33上に形成される。また、入力整合回路20及び出力整合回路30は、共通の基板上であって半導体装置100の基板120とは異なる基板上に形成されてもよい。入力整合回路20の出力端子と、半導体装置100のFET40aのゲート電極130とは、例えば、ワイヤを用いて接続される。半導体装置100のFET40aのドレイン電極150と、出力整合回路30の入力端子とは、例えば、ワイヤを用いて接続される。これにより、入力整合回路20及び出力整合回路30と、FET40aを備える半導体装置100群とを組み合わせた、ハイブリット型回路の電子装置10が形成される。
電子装置10の形成後、電子装置10に組み込まれた半導体装置100群の各FET40aのゲート電極130に実際に印加される電圧が、図11に示すような計測装置400を用いて計測される。計測装置400は、ケーブル411を介して接続されたマニピュレータ型のプローブ410を複数有し、各々のプローブ410が、電子装置10に組み込まれた半導体装置100群の各FET40aのゲート電圧調整電極180のパッド部181に接続される。計測装置400は、電子装置10を動作させた際の半導体装置100群の、各FET40aのゲート電極130の電圧を、それに接続されるゲート電圧調整電極180を通じてプローブ410で検出する。図11には、2つの半導体装置100のうちの、一方の半導体装置100のFET40a(閾値Vga)のゲート電極130の電圧としてVg0aが検出され、他方の半導体装置100のFET40a(閾値Vgb)のゲート電極130の電圧としてVg0bが検出される例を示している。
図12は電子装置のゲート電圧調整例及びゲート電圧調整が可能な電子装置の構成例について説明する図である。
電子装置10に組み込まれた半導体装置100群の各FET40aのゲート電極130の電圧(前述の電圧Vg0a,Vg0b等)の計測後、計測されたそれらの電圧と、先に計測された当該半導体装置100群の各FET40aの閾値Vgy(前述の閾値Vga,Vgb)との比較が行われる。この比較に基づき、各半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180に印加する調整ゲート電圧が設定される。例えば、閾値Vgyの計測値がVgaである半導体装置100のFET40aの、電子装置10に組み込まれた時のゲート電極130の電圧の計測値がVg0aであり、これらの計測値の比較からVgaとVg0aとが異なる場合には、その差分を補償する調整ゲート電圧Vg1が設定される。具体的には、Vga-Vg0a=Vg1の関係から、調整ゲート電圧Vg1が設定される。また、閾値Vgyの計測値がVgbである半導体装置100のFET40aの、電子装置10に組み込まれた時のゲート電極130の電圧の計測値がVg0bであり、これらの計測値の比較からVgbとVg0bとが異なる場合には、その差分を補償する調整ゲート電圧Vg2が設定される。具体的には、Vgb-Vg0b=Vg2の関係から、調整ゲート電圧Vg2が設定される。
電子装置10に組み込まれた各半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180には、調整ゲート電圧を印加するための電源が接続される。例えば、図12に示すような電源装置90が、各半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180に接続される。図12には、電源装置90に接続されたケーブル91に、更にコネクタ92を介して接続されたケーブル93が、各半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180のパッド部181に、半田94を用いて接続された例を示している。ケーブル93は、例えば、ゲート電圧調整電極180のパッド部181の、200μm角程度の領域に、半田94を用いて接続することができる。
例えば、半導体装置100のFET40aの閾値Vgyの計測値と、その半導体装置100が電子装置10に組み込まれた時のFET40aのゲート電極130の電圧の計測値との比較から、これらの計測値が等しい場合にも、電源装置90は接続される。この場合は、半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180のパッド部181に電源装置90(そのケーブル91、コネクタ92、ケーブル93及び半田94)が接続され、接続された電源装置90からの電圧の印加は行われない。即ち、このような計測値の等しい半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180のパッド部181は、開放状態とされる。尚、このような計測値の等しい半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180のパッド部181には、電源装置90を接続しないようにすることもできる。
上記のように電源装置90が接続されることで、半導体装置100群の各FET40aが入力整合回路20及び出力整合回路30に接続され、更に当該半導体装置100群の所定のFET40aのゲート電圧調整電極180に電源装置90が接続された構成を有する電子装置10が形成される。
半導体装置100群の所定のFET40aのゲート電圧調整電極180に電源装置90が接続された電子装置10の動作時には、電源装置90から、それが接続された半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180に対し、設定された調整ゲート電圧が印加される。例えば、閾値Vgaの半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180に対し、調整ゲート電圧Vg1(=Vga-Vg0a)が印加される。これにより、電子装置10の動作時には、当該半導体装置100のFET40aのゲート電極130にその閾値Vgaに相当するゲート電圧が印加されるようになり、そのドレイン電極150から設定出力電流Idが出力されるようになる。また、閾値Vgbの半導体装置100のFET40aのゲート電圧調整電極180に対し、調整ゲート電圧Vg2(=Vgb-Vg0b)が印加される。これにより、電子装置10の動作時には、当該半導体装置100のFET40aのゲート電極130にその閾値Vgbに相当するゲート電圧が印加されるようになり、そのドレイン電極150から設定出力電流Idが出力されるようになる。
半導体装置100群の所定のFET40aのゲート電圧調整電極180に電源装置90が接続された電子装置10によれば、それらの半導体装置100群のFET40aのいずれからも設定出力電流Idが得られる。即ち、半導体装置100群のFET40aの設定出力電流Idが得られる時の閾値が、ゲート電圧調整電極180による調整前の電子装置10の動作時におけるゲート電極130の電圧とは異なる場合でも、ゲート電圧調整電極180によってゲート電圧が閾値に調整される。これにより、電子装置10に含まれる半導体装置100群のFET40aのいずれからも設定出力電流Idが得られるようになる。
このように電子装置10では、それに含まれる半導体装置100群のFET40aのいずれからも設定出力電流Idが得られるようになるため、出力電流の合成損失の増大、増幅器として機能する電子装置10の効率低下を抑えることができる。また、半導体装置100群のFET40aの中に出力電流の小さいFET40aが含まれることによる電子装置10の性能低下を抑えることができる。更にまた、半導体装置100群のFET40aの中に出力電流の大きいFET40aが含まれることによる一部のFET40aの負荷の増大、ドレイン側への電界集中による性能低下や破壊、それによる電子装置10の性能低下や故障を抑えることができる。長期に渡って安定的に高出力増幅動作が可能な、高信頼性及び高性能の電子装置10が実現される。
尚、電子装置10では、半導体装置100群のFET40aのゲート電極3に供給される入力電圧Vgに対し、各FET40aからその動作温度や環境温度によって設定出力電流Idよりも大きい又は小さい電流が出力されるような場合も起こり得る。電子装置10では、このような場合にも、ゲート電圧調整電極180によるゲート電圧の調整を行い、各FET40aから設定出力電流Idが得られるようにしてもよい。
[第3の実施の形態]
上記第1及び第2の実施の形態で述べた半導体装置1,100及び電子装置10等は、各種電子機器に搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、計測装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器(電子装置とも称する)に搭載することができる。
図13は第3の実施の形態に係る電子機器の一例について説明する図である。図13には、電子機器を模式的に示している。
図13に示すように、例えば、上記第2の実施の形態において増幅器の一例として述べた電子装置10(図12)が、各種電子機器500の筐体500aの内部に搭載(内蔵)される。尚、電子装置10は、電子機器500が備えるラックやスロットに収容されてもよい。
電子装置10は、FET40aを備える半導体装置100群、入力整合回路20、出力整合回路30及び電源装置90を含む。電子装置10では、半導体装置100群の各FET40aにゲート電圧調整電極180が設けられる。各ゲート電圧調整電極180は、接続部182及びパッド部181を有し、接続部182にゲート電極130が接続され、パッド部181に電源装置90が接続可能になっている。半導体装置100のFET40aの閾値が、ゲート電圧調整前の電子装置10の動作時におけるゲート電極130の電圧と異なる場合、ゲート電圧調整電極180に電源装置90が接続される。そして、閾値との差分を補償する調整ゲート電圧が、電源装置90からゲート電圧調整電極180を介してゲート電極130に印加される。これにより、電子装置10の動作時における半導体装置100群の各FET40aのゲート電極130の電圧を閾値に揃え、各FET40aのドレイン電極150から設定出力電流が得られるようにすることができる。長期に渡って安定的に高出力増幅動作が可能な、高信頼性及び高性能の電子装置10が実現される。このような電子装置10が搭載され、高性能の電子機器500が実現される。
図13では電子装置10を例にしたが、半導体装置1,100等も同様に、各種電子機器に搭載することができる。
1,100,700,800 半導体装置
1a,40a,710,810 FET
2,23,33,120,720,820 基板
2a,120a,120b,720a,820a 面
3,130,730,830 ゲート電極
3a,131,731,831 ゲートフィンガー部
3b,132 電極部
3ba,132a 端部
4,140,740,840 ソース電極
4a,141,741,841 ソースフィンガー部
5,150,750,850 ドレイン電極
5a,151,751,851 ドレインフィンガー部
6,160,760,860 素子間分離領域
7,170,770,870 活性領域
8,180 ゲート電圧調整電極
8a,181 パッド部
8b,182 接続部
10 電子装置
20 入力整合回路
21 入力端子
22,32 伝送線路
30 出力整合回路
31 出力端子
40 増幅部
50,60 電源
90 電源装置
91,93,311,321,411 ケーブル
92 コネクタ
94 半田
120c 凹部
121 下地基板
122 半導体層
122a チャネル層
122b バリア層
122c キャップ層
123 絶縁膜
190 裏面電極
200 2DEG
300,400 計測装置
310,320,410 プローブ
500 電子機器
500a 筐体
600 回路

Claims (8)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の第1面に設けられるゲート電極を有する電界効果トランジスタと、
    前記第1基板の内部に設けられ、前記ゲート電極と接続されるゲート電圧調整電極と
    を含み、
    前記ゲート電圧調整電極は、
    平面視で前記ゲート電極の一部と重複する第1部位と、
    平面視で前記ゲート電極の外側に位置し、前記第1面から露出する第2部位と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ゲート電圧調整電極は、前記ゲート電極よりも高い電気伝導率を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲート電圧調整電極は、前記第1基板の前記第1面側に形成される有底の凹部内に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1基板は、
    前記第1面側に設けられ、第1化合物半導体を含むバリア層と、
    前記バリア層の、前記第1面側とは反対の側に設けられ、2次元キャリアガスが生成される第2化合物半導体を含むチャネル層と
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記第1基板は、
    前記電界効果トランジスタのキャリアが伝導する活性領域と、
    平面視で前記活性領域の外側に設けられる素子間分離領域と
    を有し、
    前記ゲート電極は、
    前記第1基板の前記素子間分離領域の前記第1面に設けられる第1電極部と、
    前記第1電極部と接続され、前記第1基板の前記活性領域の前記第1面に設けられる第2電極部と
    を有し、
    前記ゲート電圧調整電極は、
    前記第1部位が、平面視で前記素子間分離領域の前記第1電極部の端部と重複し、
    前記第2部位が、前記素子間分離領域の前記第1面から露出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 第1基板と、
    前記第1基板の第1面に設けられるゲート電極を有する電界効果トランジスタと、
    前記第1基板の内部に設けられ、前記ゲート電極と接続されるゲート電圧調整電極と
    を含み、
    前記ゲート電圧調整電極は、
    平面視で前記ゲート電極の一部と重複する第1部位と、
    平面視で前記ゲート電極の外側に位置し、前記第1面から露出する第2部位と
    を有する半導体装置と、
    第2基板に設けられ、前記電界効果トランジスタと接続される整合回路と
    を含むことを特徴とする電子装置。
  7. 前記ゲート電極と接続される第1電源と、
    前記ゲート電圧調整電極と接続される第2電源と
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
  8. 第1基板と、
    前記第1基板の第1面に設けられるゲート電極を有する電界効果トランジスタと、
    前記第1基板の内部に設けられ、前記ゲート電極と接続されるゲート電圧調整電極と、
    を含み、
    前記ゲート電圧調整電極は、
    平面視で前記ゲート電極の一部と重複する第1部位と、
    平面視で前記ゲート電極の外側に位置し、前記第1面から露出する第2部位と
    を有する半導体装置について、前記電界効果トランジスタで第1電流が出力される時に前記ゲート電極に印加される第1ゲート電圧を計測する工程と、
    前記電界効果トランジスタに整合回路を接続し、前記ゲート電極に印加される第2ゲート電圧を計測する工程と、
    前記第1ゲート電圧と前記第2ゲート電圧とを比較し、前記第1ゲート電圧と前記第2ゲート電圧とが異なる場合には、電源から前記ゲート電圧調整電極の前記第2部位に、前記第1ゲート電圧と前記第2ゲート電圧との差分のゲート電圧を供給し、前記第1ゲート電圧と前記第2ゲート電圧とが同じ場合には、前記ゲート電圧調整電極の前記第2部位を開放状態にする工程と
    を含む電子装置の製造方法。
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