JP2022037420A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】他車両から受ける可能性のある事故等を回避できる運転支援装置を提供する。【解決手段】自車両Mの周辺状況を認識し周辺状況情報を取得する周辺状況情報取得装置21,22と、周辺状況情報取得装置により取得された周辺状況情報に基づいて周辺他車両の自車両に対する相対的な車速若しくは挙動を判定する他車両状況判定装置26と、他車両状況判定装置の判定結果に基づいて自車両の走行制御を決定し実行する走行制御装置26とを具備し、少なくとも所定の時間が経過する間又は所定の距離だけ移動する間、自車両及び周辺他車両よりも相対的に低車速又は高車速での走行を継続し若しくは異常な挙動を伴う走行を継続している少なくとも2台の他車両を含む車両群が認識された場合には、走行制御装置は、車両群から自車両を離間させる走行制御を実行する。【選択図】図1

Description

この発明は、走行中の車両がカメラ等のセンシングデバイスを用いて取得した周囲状況情報等に基づいて走行制御を実行することにより、当該車両の運転者による運転操作を支援する運転支援装置に関するものである。
近年、自動車等の車両においては、運転者の運転操作を必要とせずに車両を自動的に走行させる自動運転制御技術の開発が進められている。また、この種の自動運転制御技術を利用して運転者の運転操作を支援するための運転支援装置については、近年、種々の提案がなされており、一般に実用化されつつある。
例えば、従来の運転支援装置を搭載した自車両が他車両に追従して走行するとき、当該運転支援装置は、自車両と他車両との車間距離を調整する機能等を作用させることによって、自車両が他車両に対して後方から衝突する追突事故等を回避する走行制御を実現している。具体的な例を示すと、例えば、従来の運転支援装置において、自車両の前方に低速走行する他車両を認識した場合には、自車両を追い越し車線へと車線変更させて、当該先行する低速他車両を追い越す等により、当該他車両を回避する走行制御が実現している。
このような従来の運転支援装置においては、先行する他車両や後続の他車両等を含む周囲状況を考慮しつつ自車両の安全な走行制御を確保するための制御技術が、例えば、特開2017-105250号公報,特開2018-171959号公報等によって開示されている。
上記特開2017-105250号公報によって開示されている運転支援装置は、先行車両に追従して走行する際に、先行車両の走行軌跡のふらつきを認識した場合に、自車両が追従してふらついて走行してしまうことを抑制する走行制御を実現している。
また、上記特開2018-171959号公報によって開示されている運転支援装置は、先行車両の走行軌跡のふらつきが、横風等の外乱や脇見運転等に起因するものか、障害物を回避する行動によるものであるかを早期に判断すると同時に、先行車の障害物回避行動を検出した場合には、後続する自車両も余裕を持って安全に、同障害物の回避行動を行うことができる走行制御を実現している。
一方、運転者が自身の判断により各種の運転操作を手動で行う従来通りの手動運転車両は従来より広く普及している。このことから、現状においては、従来の手動運転車両と、運転支援装置を搭載した車両等が、同一の道路上において混在して走行している。
また、今後将来的には、自動運転車両が実用化されて道路上を走行するようになることが予想される。その場合には、手動運転車両と自動運転車両,運転支援装置搭載車両等が同じ道路上において共存して走行するという状況が、当分の間、継続されるものと考えられる。
このように、手動運転車両と自動運転車両,運転支援装置搭載車両等が同一道路上に混在して走行するような状況になった場合でも、自動運転車両や運転支援装置搭載車両は、他車両に対する衝突等を確実に回避することができ、常に安全な走行を確保することができる走行制御の実現が所望されている。
特開2017-105250号公報 特開2018-171959号公報
ところが、従来においては、自車両が自動運転車両や運転支援装置搭載車両である場合、手動運転車両である他車両が自車両の後方から高速度で急接近してきたり、自車両の前方を走行中の他車両(手動運転車両)が急制動を行った場合等、この種の想定外の急な挙動を伴う他車両(手動運転車両)を、自車両(自動運転車両や運転支援装置搭載車両)が回避することは困難であるという問題点があった。
また、従来の自動運転制御技術を利用した運転支援装置においては、特に、他車両による煽り運転等を含む危険運転等に起因して発生する可能性のある事故等を、常に確実に回避することは容易ではないという問題点がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、手動運転車両と自動運転車両,運転支援装置搭載車両とが同一の道路上に混在して走行するような状況下においても、手動運転車両である他車両による煽り運転等を含む危険運転等に起因して発生する可能性のある事故等を、回避することができる運転支援装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の運転支援装置は、自車両の周辺状況を認識し周辺状況情報を取得する周辺状況情報取得装置と、前記周辺状況情報取得装置により取得された前記周辺状況情報に基づいて周辺他車両の自車両に対する相対的な車速若しくは挙動を判定する他車両状況判定装置と、前記他車両状況判定装置の判定結果に基づいて前記自車両の走行制御を決定し実行する走行制御装置と、を具備し、少なくとも所定の時間が経過する間又は所定の距離だけ移動する間、前記自車両及び前記周辺他車両よりも相対的に低車速又は高車速での走行を継続し若しくは異常な挙動を伴う走行を継続している少なくとも2台の他車両を含む車両群が認識された場合には、前記走行制御装置は、前記車両群から前記自車両を離間させる走行制御を実行する。
本発明によれば、手動運転車両と自動運転車両,運転支援装置搭載車両とが同一の道路上に混在して走行するような状況下においても、手動運転車両である他車両による煽り運転等を含む危険運転等に起因して発生する可能性のある事故等を、回避することができる運転支援装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の運転支援装置の概略構成を示すブロック構成図。 図1の運転支援装置の作用を説明するための図であって、具体的な第1事例を示す概念図。 図1の運転支援装置の作用を説明するための図であって、具体的な第2事例を示す概念図。 図1の運転支援装置の作用を説明するための図であって、具体的な第3事例を示す概念図。 図1の運転支援装置の作用を説明するための図であって、具体的な第4事例を示す概念図。 本発明の一実施形態の運転支援装置において行われる運転支援制御処理のうちの他車両回避制御の処理シーケンスを示すフローチャート。 図6の他車両回避制御処理のうち回避対象他車両が「群」である場合の他車両「群」回避走行制御の処理シーケンスを示すフローチャート(前半部)。 図7のフローチャートの後半部。 図7のステップS40の処理シーケンス(回避対象他車両「群」が自車両Mの前方に認識された場合の他車両「群」回避制御処理)のサブルーチンを示すフローチャート(前半部)。 図9のフローチャートの後半部。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態の運転支援装置は、自動車等の車両に搭載され、当該車両の運転者による運転操作を支援するための走行制御を行なう装置である。
本実施形態の運転支援装置は、例えば、車載カメラユニットやレーダー装置等のセンサ装置(センシングデバイス)を用いて車両の前方状況及び周囲状況に関する情報(例えば、前方及び周囲を走行する他車両(外観情報等を含む各種情報等)や自転車、歩行者、障害物等を含む車両の周囲状況に関する情報等;以下、単に周囲状況情報等という)を、取得する。また、取得された周囲状況情報データのほか、通信を行って外部機器である高精度道路地図データベース等から取得される道路地図情報等に基づいて、先行車両や後続車両及び各種障害物等に関する道路状況等を認識する。そして、本実施形態の運転支援装置は、これら各種の情報(周囲状況情報,地図情報,認識情報等)を、運転者の運転操作を支援するための走行制御を実行する際の情報として利用する。
まず、本発明の一実施形態の運転支援装置の概略構成について、図1のブロック構成図を用いて、以下に説明する。
なお、本実施形態の運転支援装置1の構成は、従来の形態の運転支援装置の構成と基本的には略同様である。したがって、本実施形態の運転支援装置1の構成を説明するのに際しては、当該装置の主要構成のみについて簡単に説明するものとし、細部の構成については従来の運転支援装置と同様であるものとして、その詳細説明は省略する。また、図1においては、本実施形態の運転支援装置1の主要構成のみを図示するに留め、本発明に直接関連しない細部構成については図示を省略している。
本実施形態の運転支援装置1は、自動運転や運転者の運転操作を支援するための走行制御を行う制御装置である。この運転支援装置1は車両に搭載されている。この運転支援装置1は、図1に示すように、ロケータユニット11と、カメラユニット21と、周辺監視ユニット22と、走行制御ユニット26等を、主な構成ユニットとして具備している。
ロケータユニット11は、道路地図上の自車両の位置(自車位置)を推定すると共に、この自車位置の主に前方の道路地図情報を取得する情報取得装置である。このロケータユニット11は、地図ロケータ演算部12と、地図情報記憶部としての高精度道路地図データベース17とを有している。
地図ロケータ演算部12は、自車位置を推定する自車位置推定部としての自車位置推定演算部12aと、推定された自車位置から経由地を含む目的地までの走行ルートを設定する走行ルート及び目標進行路設定演算部12b等を備えている。
地図ロケータ演算部12は、自車位置推定演算部12aにより推定された自車位置を道路地図上にマップマッチングして自車両の現在地を特定し、その周辺の状況に関する情報を含む道路地図情報を取得する。また、走行ルート及び目標進行路設定演算部12bにより自車両の目標とする進行路(目標進行路)を設定する機能を備える。
詳しくは、自車位置推定演算部12aは、後述するGNSS受信機14で受信した測位信号に基づき自車両の現在の位置座標(緯度、経度)を取得し、取得した当該位置座標を地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置(現在位置)を推定する。また、自車走行車線を特定し、地図情報に記憶されている走行車線や合流車線等の道路形状を取得し、逐次記憶させる。
走行ルート及び目標進行路設定演算部12bは、自車位置推定演算部12aで推定した自車位置の位置情報(緯度、経度)と、運転者により入力された目的地(及び経由地)の位置情報(緯度、経度)とに基づき、高精度道路地図データベース17に格納されているローカルダイナミックマップを参照する。そして、走行ルート及び目標進行路設定演算部12bは、ローカルダイナミックマップ(高精度道路地図情報)上で、自車位置と目的地(経由地が設定されている場合は、経由地を経由した目的地)とを結ぶ走行ルートを、予め設定されているルート条件(推奨ルート、最速ルート等)に従って構築する。
なお、地図ロケータ演算部12と、後述する前方状況認識部21dと、走行制御ユニット26等は、例えば、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)や不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ及びその周辺機器で構成されている。そして、ROMにはCPUが実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。
高精度道路地図データベース17は、HDD(Hard Disk Drive),SSD(Solid State Drive)等の大容量記憶媒体等によって主に構成されている。この高精度道路地図データベース17には、周知の高精度な道路地図情報(ローカルダイナミックマップ)が記憶されている。ここで高精度道路地図情報は、例えばクラウドサーバ等に備えられているグローバルダイナミックマップと同じ層構造を有しており、基盤とする最下層の静的情報階層において、自動走行をサポートするために必要な付加的地図情報等が重畳された階層構造をなしている。
ここで、付加的地図情報としては、道路の種別(一般道路、高速道路等)、道路形状、左右区画線(車線境界線)、高速道路やバイパス道路等の出口、ジャンクションやサービスエリア,パーキングエリア等に繋がる分岐車線や合流車線の出入口長さ(開始位置と終了位置)等の静的な位置情報のほか、渋滞情報や事故或いは工事による通行規制等の動的な位置情報が含まれている。
そして、この付加的地図情報は、走行ルートが設定された際には、設定された走行ルートに沿って自車両を自律走行させるために必要とする周辺情報であって、グローバルダイナミックマップから継続的に取得されかつ順次更新される。
地図ロケータ演算部12の入力側には、道路情報送受信機13と、自車位置取得部としてのGNSS(Global Navigation Satellite System;全球測位衛星システム)受信機14と、運転状態取得部としての自律走行センサ15と、ルート情報入力装置16等が接続されている。
道路情報送受信機13は、不図示の基地局若しくはインターネットを介して接続されるクラウドサーバ(不図示)に蓄積された各種情報、例えば自動運転に必要な情報や地図情報等を取得する受信装置である。この道路情報送受信機13は、取得した各種情報を、ロケータユニット11の地図ロケータ演算部12へと出力する。当該地図ロケータ演算部12は、道路情報送受信機13が受信した地図情報等に基づいて自車位置を地図上にマップマッチングしたり、入力された目的地と自車位置とを結ぶ走行ルートを構築する。さらに、地図ロケータ演算部12は、構築された走行ルート上に、自動運転を実行させるための目標進行路を自車両の前方数キロメートル先まで設定する。ここで、目標進行路として設定する項目は、自車両を走行させる車線(例えば、車線が3車線の場合に何れの車線を走行させるか)、先行車を追い越すため車線変更及び車線変更を開始するタイミング等である。
GNSS受信機14は、複数の測位衛星から発信される測位信号を受信する受信装置である。このGNSS受信機14は、取得した測位信号を、ロケータユニット11の地図ロケータ演算部12へと出力する。当該地図ロケータ演算部12は、GNSS受信機14が受信した複数の測位衛星からの測位信号に基づいて自車位置(緯度、経度)を推定する。
自律走行センサ15は、トンネル内走行等においてGNSS衛星からの受信感度が低下して測位信号を有効に受信することのできない状況下となったとき、自律走行を可能にするために設けられ、例えば、車速センサ、ヨーレートセンサ及び前後加速度センサ等を有して構成されている。
例えば、車両がトンネル内走行等の状況になったとき、地図ロケータ演算部12は自律航法に切り換える。このとき自律走行センサ15は、車速センサが車速を検出し、ヨーレートセンサがヨーレート(ヨー角速度)を検出し、前後加速度センサが前後加速度等を検出する。自律走行センサ15によって検出された車速,ヨーレート(ヨー角速度),前後加速度等の情報は、地図ロケータ演算部12へと出力される。そして、地図ロケータ演算部12は、自車位置推定演算部12aにおいて、入力された情報(車速,ヨーレート,前後加速度等)に基づいて移動距離と方位とを求め、得られた移動距離,方向に基づきローカライゼーションを行う。
ルート情報入力装置16は、例えば運転者又は搭乗者が、車両に搭乗している人員が操作する端末装置である。このルート情報入力装置16は、目的地や経由地(高速道路のサービスエリア等)の設定等、地図ロケータ演算部12において走行ルートを設定する際に必要とする一連の情報を集約して入力することができる。
ルート情報入力装置16は、具体的には、カーナビゲーションシステムの入力部(例えば、モニタのタッチパネル等)、スマートフォン等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等であり、地図ロケータ演算部12に対して有線或いは無線で接続されている。
運転者又は搭乗者がルート情報入力装置16を操作して、目的地や経由地の情報(施設名、住所、電話番号等)の入力を行うと、この入力情報が地図ロケータ演算部12に読込まれる。そして、地図ロケータ演算部12は、入力された目的地や経由地について、その位置座標(緯度、経度)を設定する。
カメラユニット21は、自車両の主に進行方向(前方)の状況を認識し情報として取得する周辺状況情報取得装置の一部を成す。また、カメラユニット21は、自車両の走行車線の左右を区画する区画線(車線境界線)の中央の道路曲率を求めると共に、この左右区画線の中央を基準とする自車両の車幅方向の横位置偏差を検出する。
カメラユニット21は、具体的には、例えば、自車両の前方又は側方を走行する他車両(先行車両や併走車両等)や、併走する自転車、自動二輪車等の移動体(以下、単に動体等という)を含む立体物、信号現示(点灯色,点滅状態,矢印方向等)、道路標識、停止線、車線境界線等の道路標示等のほか、各種の道路周辺状況等を認識する。
カメラユニット21は、自車両の車室内前部の上部中央等に固定されており、車幅方向中央を挟んで左右対称な位置に配設されているメインカメラ21a及びサブカメラ21bからなる車載カメラ(ステレオカメラ)と、画像処理ユニット(IPU;Image Processing Unit)21cと、前方状況認識部21d等を有して構成されている。このカメラユニット21は、メインカメラ21aで基準画像データを撮像し、サブカメラ21bで比較画像データを撮像する。
二つのカメラ21a,21bによって取得された2つの画像データは、IPU21cにて所定の画像処理が施される。前方状況認識部21dは、IPU21cで画像処理された基準画像データと比較画像データとを読込んで、両画像間の視差に基づいて両画像中の同一対象物を認識すると共に、その距離データ(自車両から対象物までの距離情報)を、三角測量の原理を利用して算出して、前方状況情報として認識する。
この前方状況情報には、自車両が走行する進行路(合流車線や走行車線等)の道路形状(左右を区画する区画線であり車線を示す車線境界線、区画線間中央の道路曲率[1/m] 及び左右区画線間の幅(車線幅))、高速道路やバイパス道路等の出入口、ジャンクションに繋がる合流車線や分岐車線側の区画線間の車線幅、交差点、横断歩道、信号機、道路標識、及び路側障害物(電柱、電信柱、駐車車両等)等のほか、自車両の前方や周囲を走行する他車両の挙動を表す画像情報等の各種情報等が含まれる。なお、各カメラ21a,21bは、画像情報と同時に音情報を取得する機能を備えていてもよい。この場合、画像情報と同時に取得された音情報は、自車両の前方状況に関連する音情報として、前方状況情報に含まれる。
周辺監視ユニット22は、自車両の周辺の状況を認識し情報として取得する周辺状況情報取得装置の一部を成す。この周辺監視ユニット22は、周辺状況認識センサ22aと、周辺状況認識部22b等を有して構成されている。
周辺状況認識センサ22aは、例えば、超音波センサ,ミリ波レーダ,ライダー(LIDER;Light Detection and Ranging),カメラ等のセンシングデバイスと、これらを組み合せてなる検出手段としての自律センサである。
周辺状況認識部22bは、周辺状況認識センサ22aからの出力信号に基づいて自車両の周辺の移動体(例えば、併走車,後続車,隣接車線を走行する後続車等)に関する情報である周辺状況情報を取得する。この周辺状況認識部22bには、例えば、自車両の周辺移動体が発する音情報等の各種情報等を取得するセンサ等が含まれる。なお、周辺状況認識部22bに含まれ、音声情報を取得するセンサとしては、音声を取得するために設けられる単体の音声取得センサ(マイクロフォン等)であってもよいし、カメラ等に一体的に構成される付属機器としての音声取得センサであってもよい。いずれの形態の場合にも、取得された音情報は、周辺状況情報に含まれる。
なお、上記カメラユニット21及び上記周辺監視ユニット22(周辺状況情報取得装置)によって取得される音情報としては、例えば、周辺他車両の発するホーン装置の吹鳴音,周辺他車両の発するエンジン排気音,周辺他車両が搭載する音楽再生装置の(スピーカからの)再生音等のほか、周辺を走行する緊急車両等の発するサイレン音等がある。
周辺監視ユニット22とカメラユニット21とによって、本実施形態の運転支援装置1における周辺状況情報取得装置が構成されている。ここで、カメラユニット21の前方状況認識部21dと、周辺監視ユニット22の周辺状況認識部22bとは、走行制御ユニット26の入力側に接続されている。
走行制御ユニット26は、カメラユニット21及び周辺監視ユニット22を含む周辺状況情報取得装置や各種センシングデバイス等によって取得された前方及び周辺状況に関する情報(周辺状況情報という)に基づいて、自車両の走行制御を決定し実行する走行制御装置である。
また、走行制御ユニット26は、地図ロケータ演算部12との間において、車内通信回線(例えば、CAN;Controller Area Network等;不図示)等を通じて双方向通信自在に接続されている。
走行制御ユニット26の出力側には、自車両を走行ルートに沿って走行させ進行方向を制御する操舵制御部31と、強制的なブレーキにより自車両を減速させるブレーキ制御部32と、自車両の車速を制御する加減速制御部33と、モニタやスピーカ等の報知装置34等が接続されている。
走行制御ユニット26は、走行ルート及び目標進行路設定演算部12bで設定した走行ルートに、自動運転制御が許可された自動運転区間が設定されている場合、当該自動運転区間に自動運転を行うための目標進行路を設定する。そして、自動運転区間においては、操舵制御部31、ブレーキ制御部32、加減速制御部33を適宜制御して、GNSS受信機14で受信した自車位置を示す測位信号に基づき、自車両を目標進行路に沿って自動走行させる機能を有する。
その際、走行制御ユニット26は、前方状況認識部21dで認識した前方状況情報に基づき、周知の追従車間距離制御(ACC(Adaptive Cruise Control)制御)及び車線維持(ALK;Active Lane Keep)制御等により、先行車が検出された場合は先行車に追従し、先行車が検出されない場合は制限速度内のセット車速で自車両を走行させる。
また、走行制御ユニット26は、前方状況認識部21dで認識した前方状況情報や、周辺監視ユニット22で認識した先行他車両又は後続他車両等の周辺状況情報等に基づいて、自車両の先行車若しくは後続車が複数台数の「群」であって、それら複数の他車両「群」の挙動が異常であるか否かの判定や、複数の他車両「群」の車速の判定等を行う他車両状況判定装置として機能する(詳細後述)。
さらに、走行制御ユニット26は、それら複数の他車両「群」の挙動が異常であると判定した場合には、適宜、認識した情報に応じて操舵制御部31,ブレーキ制御部32,加減速制御部33を作動させて自車両の走行制御を行う。また、このとき、同時に、走行制御ユニット26は、報知装置34を作動させて、運転者に対して所定の警告を報知すべく、所定の表示デバイスを用いた所定の警告表示を適宜行う。
ここで、報知装置34は、走行制御ユニット26が前方状況認識部21dや周辺状況認識部22b等によって認識した前方状況情報,周辺状況情報等に基づいて、認識された状況に応じた警報(例えば警報音,計器パネルへの警報表示等)を、運転者に対して通知する通知部であり通知装置である。
また、報知装置34は、場合によっては、運転者に対して行うべき操作を示唆する表示(具体的には、例えば「ブレーキペダルを踏み込んでください」、「ステアリングの修正操作を行ってください」等の示唆報知等)を、聴覚的に若しくは視覚的に運転者に知覚させる各種の表示を行う。
上述のように走行制御ユニット26は、前方状況認識部21dや周辺状況認識部22b等のほか、道路情報送受信機13,GNSS受信機14,自律走行センサ15,ルート情報入力装置16等からの出力情報に基づいて、操舵制御部31,ブレーキ制御部32,加減速制御部33,報知装置34等を制御するための各種の判断を行う判断部として機能する。本実施形態の運転支援装置1の概略構成は、以上である。
このように構成された本発明の一実施形態の運転支援装置の作用を以下に説明する。
本発明の一実施形態の運転支援装置1は、上述したように自車両に搭載されているものとする。この自車両が道路上を通常走行しているときには、当該自車両の前方若しくは周辺状況情報等の各種情報を継続的に取得しつつ、取得した各種情報についての確認を行っている。そして、本実施形態の運転支援装置1は、カメラユニット21及び周辺監視ユニット22を含む周辺状況情報取得装置や各種センシングデバイス等によって取得された周辺状況情報等に基づいて、自車両の前方又は周辺を走行中の他車両を認識する。
さらに、運転支援装置1は、上述のようにして認識された他車両について、自車両が接近や併走を回避したい他車両(以下、回避対象他車両という)であるか否かの認識をする。さらに続けて、運転支援装置1は、当該回避対象他車両が複数存在しているか否かを認識する。これらと同時に、運転支援装置1は、認識された複数の回避対象他車両が「群」として認識された場合に、当該回避対象他車両「群」を回避するための対象他車両回避制御を実行する。
なお、ここで、回避対象他車両とは、自車両が接近したり併走した場合に、自車両に対して何らかの危害を及ぼすことが予想される他車両をいうものとする。また、自車両に対して及ぼされる何らかの危害とは、例えば、後方からの追突事故であったり、自車両に対する走行妨害等を想定している。
本実施形態の運転支援装置1は、自車両に対して何らかの危害を及ぼすことが予想される他車両を回避対象他車両として認識し、自車両の走行進路を、当該回避対象他車両の走行進路から退避させるような走行制御を行う。
図2~図5は、本実施形態の運転支援装置の作用を説明するための図であって、具体的な各種の事例を示す概念図である。なお、図2~図5で示す各事例は、車両が左側通行である場合を例として図示している。
まず、図2に示す第1事例では、本実施形態の運転支援装置1を搭載した自車両Mが道路上を通常走行している状況にあるときに、後方から複数の他車両Cn(n=1,2,……;回避対象他車両「群」)が極端な高速度で急接近してきた場合の状況を想定している。
具体的には、図2に示すように、例えば片側二車線の高速道路上において、自車両Mが追い越し車線側を走行しているとき、当該自車両Mの後方から、複数の他車両C1,C2が極端な高速度で、自車両Mに対して急接近してくる状況を概念的に示している。
ここで、図2において、自車両Mは矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。また、図2において、自車両Mの後方を走行中の複数の他車両C1,C2は、それぞれが矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。具体的には、複数の他車両C1,C2のうちの一台である他車両C1は、自車両Mと同一車線(追い越し車線)上を、自車両Mと同一方向(矢印P方向)に走行している。これと同時に、複数の他車両C1,C2のうちの他の一台である他車両C2は、自車両Mとは別の車線(走行車線)上を、自車両Mと同一方向(矢印P方向)に走行しているものとする。
なお、図2~図5において、符号Dは、自車両Mと複数の他車両Cn(回避対象他車両「群」)との間の距離を示し、以下の説明において、この距離Dを、回避対象他車両「群」との車間距離というものとする。
ここで、図2に示す第1事例では、複数の他車両C1,C2が、いわゆる違法競争型危険走行を行っている場合を想定している。つまり、複数の他車両C1,C2は、互いに極端な高速度で競り合うといった危険な走行をしているものと想定する。
このような状況下において、自車両Mの車速に対して、複数の他車両C1,C2の車速が充分に大きい(速い)場合に、当該他車両C1,C2の車速が所定の時間継続するか、若しくは所定の距離だけ移動する間、継続していると、自車両Mは、やがて当該複数の他車両C1,C2に追い付かれてしまう。その場合、自車両Mは、複数の他車両C1,C2の走行路を塞いでしまうことになる。その結果、自車両Mは、後方から複数の他車両C1,C2に追突される等の危害を受ける可能性が考えられる。
そこで、自車両Mの運転支援装置1は、このような周辺状況を認識した場合には、図2の矢印Paに沿うような車線変更を行って、自車両Mを走行車線側へと退避させて、複数の他車両C1,C2に車線を譲る走行制御(車線変更制御)を行う。
この場合において、追い越し車線側を走行中の他車両C1は、そのまま直進走行を継続することで、自車両Mに衝突することなく自車両Mの前方へと遠ざかる。一方、自車両Mが走行車線側へと図2の矢印Paの如く車線変更を行うと、走行車線側を走行中の他車両C2の前方走行路上に、自車両Mが入り込むことになる。しかしながら、高速道路上において追い越しを行う際には追い越し車線を利用しなければならないという一般ルールがある。そこで、他車両C2は、高速道路上における一般ルールに基づいて、追い越し走行操作を行う。つまり、他車両C2は、走行車線側から追い越し車線側へと車線変更を行った上で、自車両Mを追い越す。これによって、他車両C2も、自車両Mに衝突することなく、自車両Mの追い越しを行って当該自車両Mの前方へと遠ざかる。こうして自車両Mは、後方から急接近する複数の他車両C1,C2から離間する走行制御(車線変更制御)を行うことで、これら複数の他車両C1,C2から受ける可能性のある危険を回避することができる。
次に、図3に示す第2事例は、例えば、上下二車線の一般道路上において自車両Mが走行しているとき、当該自車両Mの後方から、複数の他車両C3,C4(回避対象他車両「群」)が接近してくる状況を概念的に示している。
ここで、図3において、自車両Mは矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。また、図3において、自車両Mの後方を走行中の複数の他車両C3,C4は、それぞれが矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。即ち、自車両Mと他車両C1,C2とは、いずれも同一車線上を同一方向(矢印P方向)に走行しているものとする。
ここで、図3に示す例では、複数の他車両C3,C4は、例えば緊急車両が緊急走行している場合を想定している。そのために、図3において符号Sで示すマークは、緊急車両の発するサイレン音を表すものとする。
このような状況下においては、自車両Mは、緊急走行している緊急車両である複数の他車両C3,C4の前方の走行路を空ける義務がある。
そこで、自車両Mの運転支援装置1は、このような周辺状況を認識した場合には、まず、徐行走行を行いつつ、操舵制御を行って図3の矢印P1に沿うように自車両Mを路肩側へと退避させ、その場で停止させて、複数の他車両C3,C4(緊急走行中の緊急車両)に対して走行路を譲る走行制御を行う。
このとき、複数の他車両C3,C4は、例えば自車両Mを回避する走行軌跡(矢印P2参照)をそれぞれ取りつつ、自車両Mに衝突することなく自車両Mの前方に遠ざかることができる。したがって、これにより、自車両Mは、後方から接近する複数の他車両C3,C4から受ける可能性のある危険を回避することができる。
なお、運転支援装置1は、緊急走行中の緊急車両を回避対象他車両として認識した場合には、認識された回避対象他車両が、複数であっても、単独であっても、台数に関わらず、上述したような一般的な緊急車両回避制御を行う。
図4に示す第3事例は、例えば、片側三車線の高速道路上における中央車線を、自車両Mが通常走行しているとき、当該自車両Mの後方から、複数の他車両C5,C6,C7(回避対象車両「群」)が接近してくる状況を概念的に示している。
ここで、図4において、自車両Mは矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。また、図4において、自車両Mの後方を走行中の複数の他車両C5,C6,C7は、それぞれが矢印P5,P6,P7で示す走行軌跡のように蛇行走行等の異常な挙動や騒音を伴う走行を継続して行ういわゆる共同型危険行為を伴う走行を行っているものと想定している。
この場合、例えば、図4に示す例では、蛇行走行等の異常な挙動を伴う走行を行っている複数の他車両C5,C6,C7のうちの何台かは(図示の例では他車両C5,C7)は、例えば非純正の大音響ホーン機器を吹鳴させたり若しくは非純正の排気管等による大排気音等のほか車両外部に設置したスピーカから大音量での音楽再生等、いわゆる騒音を発しているものとしている。そのために、図4においては、それらの騒音等を符号Sによって表している。
ここで、図4に示す例では、複数の他車両として符号C5,C6,C7の3台を図示しているが、図4において想定している状況としては、他車両が2台以上であることを想定している。したがって、他車両の数は、図示の例(3台)のほか、2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
また、一般に、蛇行走行等の異常な挙動を伴いながら走行し、加えて騒音を発しながら走行するいわゆる共同型危険行為を伴う複数の車両群は、比較的低速度での走行を行う傾向があることは周知である。さらに、そのような蛇行走行及び低速走行を行っている場合であっても、急加速や急減速を繰り返す等の異常な挙動が見られることも知られている。
このような状況下において、自車両Mの車速と、これら複数の他車両C5,C6,C7の車速との相対的な車速が比較的低い場合には、自車両Mは、周辺を併走する一般他車両の流れに乗る程度の速度まで加速制御することで、これら複数の他車両C5,C6,C7から前方に向けて遠ざかることができることがある。
そこで、自車両Mの運転支援装置1は、このような周辺状況を認識し、かつ、これら複数の他車両C5,C6,C7の異常な挙動や騒音が、所定の時間、若しくは所定の距離だけ移動する間、継続していることを認識した場合には、まず、周辺を併走する一般他車両の流れに乗る程度の速度まで加速制御を行って、これら複数の他車両C5,C6,C7との車間距離Dが拡がるような走行制御を行う。これにより、自車両Mは、後方から接近する複数の他車両C5,C6,C7から離間する走行制御を行うことで、自車両Mは、これら後方からの複数の他車両C5,C6,C7から受ける可能性のある危険を回避することができる。
この場合において、自車両Mが加速制御を行っても、これら複数の他車両C5,C6,C7との間の車間距離Dを拡げることができずに、これら複数の他車両C5,C6,C7に追い付かれてしまった場合には、自車両Mは、これら複数の他車両C5,C6,C7の走行路を塞いでしまうことになる。その結果、自車両Mは、後方から複数の他車両C5,C6,C7からの追突事故を受ける可能性がある。さらに、追い付かれた自車両Mは、これら複数の他車両C5,C6,C7に囲まれた状態とされて、低速走行を強いられる等の走行妨害等の危害を受ける可能性が考えられる。
そこで、このような場合、即ち自車両Mが複数の他車両C5,C6,C7との間の車間距離Dを拡げることができずに追い付かれてしまう可能性があることを認識した場合には、自車両Mは、図4の矢印P3に沿うように自車両Mを左寄りの走行車線側へと車線変更を行って、複数の他車両C5,C6,C7の走行路上から自車両Mを退避させ、車線を譲る走行制御(車線変更制御)を行う。これにより、複数の他車両C5,C6,C7は、自車両Mを気にすることなく自車両Mを追い越して前方に向けて遠ざかる。こうして自車両Mは、後方から接近する複数の他車両C5,C6,C7から離間する走行制御を行うことで、自車両Mは、これら後方からの複数の他車両C5,C6,C7から受ける可能性のある危険を回避することができる。
また、図4に例示するように、走行車線側に車線変更した自車両Mの前方に、例えばサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の退避スペース(不図示)が存在していることが確認できた場合には、当該自車両Mの運転支援装置1は、自車両Mを当該退避スペースへの導入路へと誘導するように操舵制御を行って、つまり、自車両Mを図4の矢印P3aに沿うように走行させて、自車両Mを不図示の退避スペース等へと退避させる走行制御を行ってもよい。
この場合には、自車両Mは、当該複数の他車両C5,C6,C7に追い付かれる前に、退避スペースに退避することができる。このような走行制御を行えば、自車両Mは、複数の他車両C5,C6,C7との併走や接近走行を回避することができる。そして、自車両Mは、当該退避スペースにて、しばらくの間、休憩をとる等によって、当該複数の他車両C5,C6,C7をやり過ごすことができる。こうして自車両Mは、後方から接近する複数の他車両C5,C6,C7から離間する走行制御を行うことで、自車両Mは、これら後方から接近する複数の他車両C5,C6,C7から受ける可能性のある危険を回避することができる。
次に、図5に示す第4事例は、例えば、片側三車線の高速道路上における中央車線を、自車両Mが走行しているとき、当該自車両Mの前方を、複数の他車両C8,C9,C10(回避対象車両「群」)が、例えば極端な低速度で蛇行走行等を伴ういわゆる共同型危険行為を伴う走行をしている状況を概念的に示している。
ここで、図5において、自車両Mは矢印Pに沿う方向に走行しているものとする。また、図5において、自車両Mの前方を走行する複数の他車両C8,C9,C10は、それぞれが矢印P8,P9,P10で示す走行軌跡のように蛇行走行等の異常な挙動や騒音を伴う走行を継続して行ういわゆる共同型危険行為を伴う走行を行っているものと想定している。
この場合、例えば、図5に示す例では、蛇行走行等の異常な挙動を伴う走行を行っている複数の他車両C8,C9,C10のうちの何台かは(図示の例では他車両C8,C10)は、図4の例示と同様に、いわゆる騒音Sを発しているものとしている。さらに、これら複数の他車両C8,C9,C10は、制限速度を下回る極端な低速度で走行しているものとする(高速道路上における法定最低速度違反)。
ここで、図5に示す例では、図4の例示と同様に、複数の他車両として符号C8,C9,C10の3台を図示しているが、図5において想定している状況としては、他車両が2台以上であることを想定している。したがって、他車両の数は、図示の例(3台)のほか、2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
このような状況下において、自車両Mが通常の走行速度(高速道路上における法定速度程度)にて走行しているとき、自車両Mの前方で極端な低速度走行をしている複数の他車両C8,C9,C10に追い付いてしまった場合には、これら複数の他車両C8,C9,C10は、自車両Mの走行路を塞いでしまうことになる。その結果、自車両Mを含む一般車両(不図示)による渋滞が、当該複数の他車両C8,C9,C10の後方に発生する可能性がある。すると、その渋滞車両群の中では、例えば追突事故等が発生する可能性が高まる。さらに、これら複数の他車両C8,C9,C10に追い付いた自車両Mを含む一般車両が、これら複数の他車両C8,C9,C10によって囲まれたり、自車両Mを含む一般車両の走行妨害をする等、自車両M(及び不図示の一般車両)が、これら複数の他車両C8,C9,C10から危害を受ける可能性が考えられる。
そこで、自車両Mの運転支援装置1は、このような周辺状況を認識し、かつこれら複数の他車両C8,C9,C10の異常な挙動や騒音が、所定の時間、若しくは所定の距離だけ移動する間、継続していることを認識した場合には、自車両Mの走行速度の減速制御を行って、自車両Mと前方の複数の他車両C8,C9,C10との車間距離Dを拡げると同時に、例えば、図5の矢印P4に沿うように自車両Mを左寄りの走行車線側へと車線変更を行って、前方の複数の他車両C8,C9,C10の走行路上から自車両Mを退避させる走行制御を行う。これにより、複数の他車両C8,C9,C10は、自車両Mに気付くことなく自車両Mから前方に向けて遠ざかる。こうして自車両Mは、前方を走行中の複数の他車両C8,C9,C10から離間する走行制御を行うことで、これら前方を異常な挙動や騒音を伴いながら極端な低速走行中の複数の他車両C8,C9,C10から受ける可能性のある危険を回避することができる。
さらに、この場合においても、図4の状況と同様に、走行中の自車両Mの前方に、例えばサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の退避スペース(不図示)が存在していることが確認できた場合には、運転支援装置1は、自車両Mを当該退避スペースへの導入路へと誘導するように操舵制御を行って、自車両Mを図5の矢印P4aに沿うように走行させて、自車両Mを不図示の退避スペース等へと退避させる走行制御を行ってもよい。
この場合には、自車両Mは、当該複数の他車両C8,C9,C10に追い付く前に、退避スペースに退避することができ、よって、複数の他車両C8,C9,C10との併走や接近走行を回避することができる。そして、自車両Mは、当該退避スペースにて、しばらくの間、休憩をとる等によって、当該複数の他車両C8,C9,C10をやり過ごすことができる。こうして自車両Mは、前方を異常な挙動や騒音を伴いながら極端な低速走行中の複数の他車両C8,C9,C10から受ける可能性のある危険を回避することができる。
なお、図5に示す状況のように、自車両Mの前方に異常な挙動や騒音を伴いながら極端な低速走行を行う複数の他車両C8,C9,C10に遭遇した場合、自車両Mは、例えば加速制御を行って、これら複数の他車両C8,C9,C10を追い抜いて前方に向けて遠ざかるといった危険回避制御を行うことも考えられる。
しかしながら、この種の異常な挙動や騒音を伴いながら極端な低速走行を行うような車両群は、後方から追い抜きをかけてきたり接近してくる一般車両に対しては、意図的に走路妨害等を行う傾向が多いことが知られている。したがって、このようなことを考慮すると、この種の車両群を安全に追い抜くことは困難であり、また、極めて危険であるとも考えられる。そこで、本実施形態の運転支援装置1においては、この種の車両群に対しては、追い抜き走行による危険回避制御を避けて、後方にて徐行及び車線変更を行って車間距離Dを拡げるか、若しくは退避スペース等へと退避させる走行制御を実行することにしている。
ところで、図2,図4,図5の例示では、高速道路を走行している状況を想定した図示及び説明としているが、同様の状況は、一般道路上でも想定することができる。その場合にも、本実施形態の運転支援装置1は、各事例において説明した同様の走行制御を行うことによって、複数の他車両からの危険を回避することができる。
また、一般道路上の場合において、自車両Mが退避する退避スペース等の具体例としては、例えば、大規模ショッピングセンターの駐車場や路肩に設けられる一時停止エリアや登坂車線等のほか、自車両Mが走行している走行道路から別方向へと分岐する他の道路等への退避等を含めて考慮すればよい。
なお、図2~図5においては、自車両Mと、当該自車両Mに対して危害を及ぼすことが予想される複数の他車両Cn(n=1,2,……;回避対象他車両「群」)のみを図示しているが、自車両Mの周辺には、当該自車両Mに併走する(回避対象他車両以外の)他の車両が走行している状況も考えられる。また、図2の例では、対向車線を走行する他車両が存在する場合もあり得る。しかしながら、図面の煩雑化を避けるために、これらの併走他車両や対向他車両については図示を省略し、簡略化して説明している。
次に、本実施形態の運転支援装置1の作用について、図6~図10のフローチャートを用いて、以下に説明する。
図6は、本発明の一実施形態の運転支援装置において行われる運転支援制御処理のうちの他車両回避制御の処理シーケンスを示すフローチャートである。図7,図8は、図6の他車両回避制御処理のうち回避対象他車両が「群」である場合の他車両「群」回避走行制御の処理シーケンスを示すフローチャートである。図9,図10は、回避対象他車両「群」が自車両Mの前方に認識された場合の他車両「群」回避制御処理(図7のステップS40)の処理シーケンスを示すフローチャートである。
まず、自車両Mは、運転支援装置1による通常の運転支援制御処理を実行しながら、通常の走行をしているものとする。このとき、運転支援装置1は、図6のステップS11において、自車両Mの前方及び周辺状況情報を含む各種の情報の取得を継続的に行うと同時に、取得した各種情報についての確認を行っている。この情報取得処理及び取得情報の確認処理は、当該ステップS11の処理以降、当該運転支援装置1を搭載した自車両Mの走行中、継続して行われる。
ここで、運転支援装置1によって取得される情報は、カメラユニット21及び周辺監視ユニット22からなる周辺状況情報取得装置や、道路情報送受信機13,GNSS受信機14,自律走行センサ15,ルート情報入力装置16等を用いて取得される各種の情報である。これら各種の情報は、自車両Mに設けられる各種のセンシングデバイスを用いて取得される情報のほか、他車両との相互通信を行ったり、遠隔地に固設されているサーバー等との間で通信を行うことによって取得される各種の情報が含まれる。
当該情報は、自車両Mに関する各種情報に加えて、当該自車両Mの後方及び前方,側方を走行中の他車両に関する各種情報等のほか、走行中の道路の情報や、当該道路の周辺の状況情報等が含まれる。
具体的には、例えば、現在の自車両の車速、自車両の周辺(後方若しくは前方,側方等)を走行中の他車両の車速、これら周辺他車両の平均車速等や、走行中の道路の法定制限速度等の道路情報、周辺他車両が発する音に関する情報(大音響ホーン装置の吹鳴音,エンジン排気音,音楽再生装置の外部スピーカーによる再生音,サイレン音等;以下、単に音情報という)や、周辺他車両の挙動情報(ふらつき走行、蛇行走行等)、周辺他車両の固有情報(車種,ボディタイプ,価格帯,初心運転者標識や高齢運転者標識等の表示有無,事故履歴,年式(極端な旧型車両),改造の有無,故障車両,運転者の保険の等級や運転免許の色情報等)等の情報が含まれる。
続いて、図6のステップS12において、運転支援装置1は、ステップS11の処理にて取得された情報に基づいて、自車両Mの周辺(前方又は後方)に回避対象他車両が認識されたか否かの確認を行う。ここで、回避対象他車両が認識された場合には、次のステップS13の処理に進む。また、回避対象他車両が認識されない場合には、上述のステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS13において、運転支援装置1は、上述のステップS12の処理にて認識された回避対象他車両について、所定のラベリング処理を行う。その後、ステップS14の処理に進む。
ここで、このようなラベリング処理を行うことによって、例えばカメラユニット21にて取得される画像上に、当該ラベリング済み(認識済み)の回避対象他車両の像が含まれる場合には、その回避対象他車両の画像上での移動を追尾することができる。この場合、当該回避対象他車両の像が、当該画面内から一旦外れたとしても、再度、当該画面内に入った場合には、再び、当該回避対象他車両の像を追尾するような制御がなされる。
続いて、ステップS14において、運転支援装置1は、上述のステップS12の処理にて認識され、上述のステップS13の処理にてラベリングされた回避対象他車両が、緊急走行中の緊急車両であるか否かの確認を行う。ここで、緊急走行中の緊急車両であるか否かの判断は、例えばカメラユニット21によって取得される画像情報から赤色回転灯を認識したり、サイレン音等の音情報等のほか、車車間通信によって得られる当該他車両等からの情報等に基づいて行われる。
このステップS14において、認識済みの回避対象他車両が緊急走行中の緊急車両であることが確認された場合には、ステップS17の処理(緊急車両回避走行制御)に進む。なお、当該ステップS17の処理、即ち緊急車両回避走行制御は、従来の運転支援装置において一般的に運用されている制御処理と同様の制御が行われるものとして、その詳細な説明は省略する(なお、図3を用いて行った説明を参照)。そして、このステップS17の処理を終了したら、上述のステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、上述のステップS14の処理にて、認識済みの回避対象他車両が緊急走行中の緊急車両ではないことを確認した場合には、次のステップS15の処理に進む。
ステップS15において、運転支援装置1は、上述のステップS12の処理にて認識され、上述のステップS13の処理にてラベリングされた回避対象他車両が、少なくとも2台若しくはそれ以上の複数の他車両「群」として認識されたか否かの確認を行う。
ここで、「複数の他車両「群」」とは、例えば、少なくとも2台(又はそれ以上)の他車両が略同等の車速にて移動している場合や、少なくとも2台(又はそれ以上)の他車両が略同様の異常な挙動を伴って走行を継続している場合等、複数の車両が一つの車両群として認識できる場合を想定している。この場合において、複数の車両が「群」として認識されるためには、次のような条件を満たせばよい。
例えば、回避対象他車両として認識された複数の他車両のそれぞれについて、個々の車両同士は、所定の間隔(距離)をおいて走行していたとしても、所定の時間が経過する間に、若しくは所定の距離を移動する間に、それら複数の他車両の各車速やそれぞれの異常な挙動が略同様であったり連動しているような場合、即ち、少なくとも2台の他車両が、いわゆる「つかず離れず」に走行している状態が維持されていると認識された場合には、これら複数の他車両は、回避対象他車両「群」であるものとして判定する。
そして、このような形態の他車両、即ち少なくとも2台(又はそれ以上)の回避対象他車両からなる「群」は、本実施形態の運転支援装置1においては、例えば自車両Mに対して危害を及ぼすことが予想される他車両群と規定する。
本実施形態の運転支援装置1は、上述のようにしてラベリング済みの回避対象他車両「群」に着目して、以降の自車両Mの走行制御を行う。
ここで、「自車両Mに対して危害を及ぼすことが予想される他車両群」とは、例えば、自車両Mに向けて後方から高速度で接近してくるような他車両群であったり、又は、複数の車両が互いに同等の速度で蛇行走行等を繰り返しているような他車両群を指す。
自車両Mに及ぼされる危害の具体例としては、例えば、車間距離不保持,急制動,危険な車線変更,割り込み運転,幅寄せ,蛇行運転,不要なクラクション(警音器使用制限違反)やパッシング(減光等義務違反),追い越し車線での低速走行(法定最低速度違反),対向車線からの接近,違法な駐停車(高速道路の車線上での駐停車違反),逆走(車線はみ出し)や路側帯又は歩道の通行等の通行区分違反,左側追越し等の追越し違反,進路変更禁止違反(前方で進路変更を繰り返す走路妨害)等のほか、いわゆる安全運転義務違反を伴う妨害走行等の危険行為等である。
このような回避対象他車両「群」が、自車両Mに接近した場合に予想されることは、例えば、複数で自車両Mを囲んだり、自車両Mの前方に出た上で、極端な低速度走行を行う等の走行妨害を行う等がある。
そこで、本実施形態の運転支援装置1は、このような回避対象他車両複数「群」を認識したときには、自車両Mは、この種の回避対象他車両との接近や併走を避けて退避する走行制御を行うようにしている。
即ち、図6のステップS15において、運転支援装置1は、少なくとも2台若しくはそれ以上の回避対象他車両「群」が認識された場合は、ステップS16の処理、即ち回避対象他車両が「群」の場合の他車両「群」回避走行制御を実行し、その後、ステップS11の処理に戻る。
また、ステップS15において、回避対象他車両「群」を認識しなかった場合には、ステップS18の処理(回避対象他車両が単独の場合の他車両回避走行制御)を実行し、その後、ステップS11の処理に戻る。
なお、本実施形態の運転支援装置1は、自車両Mの後方若しくは前方に複数の他車両を「群」として認識した場合に、これらの他車両を回避するための運転支援制御を、主要な制御として主に説明する。したがって、自車両Mの後方若しくは前方に、自車両Mに対して危害を及ぼすことが予想される他車両が単独で認識された場合(図6のステップS18の処理)の場合には、略同様の運転支援制御を行うものとして、その詳細な説明は省略する。
次に、上述の図6のステップS16の処理、即ち回避対象他車両「群」の場合の他車両「群」回避制御処理のフローチャートを、図7,図8を用いて以下に説明する。
図7のステップS21において、運転支援装置1は、図6のステップS15の処理にて認識された回避対象他車両「群」が自車両Mの後方にあるか前方にあるか、いずれであるかの確認を行う。ここで、認識済みの回避対象他車両「群」は自車両Mの後方にあると判断された場合には、次のステップS22の処理に進む。また、認識済みの回避対象他車両「群」は自車両Mの前方にあると判断された場合は、ステップS40の処理に進む(詳細は後述;図9,図10参照)。
ステップS22において、運転支援装置1は、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値以上であるか否かの確認を行う。この場合において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値以上である場合としては、
自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が高い(高速度)場合と、
自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が低い(低速度)場合と、
の2つの場合が考えられる。
なお、ここで、「所定の閾値」としては、両者の車速差の絶対値が極端に大きい数値、例えば閾値=時速100キロ毎時(km/h)等の数値であるものとする。
当該ステップS22の処理が行われている時点においては、上述したように、回避対象他車両「群」は自車両Mの後方において認識されている。この場合、自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が高い(高速度)ときには、自車両Mは、やがて回避対象他車両「群」に追い付かれることになる。この場合、回避対象他車両「群」に追い付かれた自車両Mは、当該回避対象他車両「群」の走行路を塞いでしまうことになる。その結果、例えば、高速走行中の当該回避対象他車両「群」は、自己の前方を自己よりも低速で走行中の車両(この場合は自車両M)に対して、後方から追突する等の危害を及ぼす可能性がある。
一方、自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が低い(低速度の)ときには、自車両Mは回避対象他車両「群」に追い付かれることはなく、両者の車間距離Dは離れるばかりとなる。したがって、この場合は、自車両Mと回避対象他車両「群」とが近接し併走し接触する可能性はなく、全く問題は生じないものと考えられる。
そこで、本実施形態の運転支援装置1においては、ステップS22において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値を超えていることが確認された場合には、ステップS23の処理に進む。そして、ステップS23において、当該運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速と回避対象他車両「群」の車速とを比較する。これにより、回避対象他車両「群」が自車両Mに向かって接近しているか、若しくは離れているのかの確認を行う。ここで、回避対象他車両「群」の車速>自車両Mの現在の車速であることが確認されて、回避対象他車両「群」が自車両Mに向かって接近していることが確認された場合には、ステップS29の処理に進む。
この場合には、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が極端に大きく、かつ回避対象他車両「群」が自車両Mに急接近しているものと考えられる。そこで、このような場合には、即座に、ステップS29の処理へと進むようにしている。
一方、ステップS23において、回避対象他車両「群」の車速>自車両Mの現在の車速ではないことが確認された場合は、
回避対象他車両「群」の車速と自車両Mの現在の車速とは略等しい(回避対象他車両「群」の車速≒自車両Mの現在の車速)場合か、若しくは
回避対象他車両「群」の車速が自車両Mの現在の車速よりも低い(回避対象他車両「群」の車速<自車両Mの現在の車速)場合である。
したがって、この場合は、回避対象他車両「群」は自車両Mに向けて接近しているわけではないので、このような場合には、ステップS24の処理に進む。
他方、上述のステップS22において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値を超えていないことが確認された場合には、ステップS23の処理は飛ばして、ステップS24の処理に進む。
この場合は、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速は然程大きくはなく、かつ回避対象他車両「群」が自車両Mに接近しつつあったとしても、回避対象他車両「群」が自車両Mに追い付くまでには、若干の時間的な余裕があるものと考えられる。そこで、このような場合には、ステップS23の処理は飛ばして、ステップS24の処理へと進むようにしている。
ステップS24において、運転支援装置1は、自車両Mが現在の車速を維持して走行したとき、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できるか否かの確認を行う。この場合において、車間距離Dが維持できるか否かの判断としては、車間距離Dが一定の距離で維持される場合のほか、車間距離Dが次第に拡がる場合を含めてもよい。即ち、当該ステップS24における判断は、車間距離Dが詰まる方向に変位しない場合を判断する。
ここで、車間距離Dが維持できることが確認された場合は、ステップS30の処理に進む。また、車間距離Dが維持できないことが確認された場合は、ステップS25の処理に進む。
ステップS25において、運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速と周辺他車両(不図示)の平均車速とを比較して、自車両Mの現在の車速が周辺他車両(不図示)の平均車速未満であるか否かの確認を行う。
ここで、周辺他車両の平均車速>自車両Mの現在の車速であることが確認された場合には、自車両Mは、周辺他車両から取り残されてしまう可能性がある。また、同時に、自車両Mは、やがて回避対象他車両「群」に追い付かれる可能性も考えられる。そこで、この場合には、ステップS26の処理に進む。
次のステップS26において、運転支援装置1は、所定の加速制御を実行する。これにより、自車両Mは、車速を増加させて、周辺他車両との併走を行うことができると共に、回避対象他車両「群」の車速に対しては上回る車速で走行させることができる。したがって、これにより、自車両Mは、回避対象他車両「群」に追い付かれることなく、当該回避対象他車両「群」からは遠ざかる方向の走行制御ができる。続いて、ステップS27の処理に進む。
一方、上述のステップS25において、周辺他車両の平均車速>自車両Mの現在の車速ではない(自車両Mの現在の車速≧周辺他車両の平均車速である)ことが確認された場合は、
周辺他車両の平均車速と自車両Mの現在の車速とは略等しい(周辺他車両の平均車速≒自車両Mの現在の車速)場合か、若しくは
周辺他車両の平均車速よりも自車両Mの現在の車速が上回っている(自車両Mの現在の車速>周辺他車両の平均車速)場合である。
したがって、この場合は、自車両Mは周辺他車両と併走中であるか、又は周辺他車両からも回避対象他車両「群」からも、いずれからも遠ざかる方向に走行している状況であると考えられる。そこで、このような場合には、ステップS27の処理に進む。
ステップS27において、運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速が周辺他車両の平均車速以上であるか否かの確認を行う。ここで、自車両Mの現在の車速≧周辺他車両の平均車速であることが確認された場合には、ステップS28の処理に進む。また、自車両Mの現在の車速≧周辺他車両の平均車速ではない、即ち自車両Mの現在の車速が周辺他車両の平均車速に到達していないことが確認された場合には、ステップS26の加速制御による車速増加が足りないものとされて、上述のステップS26の処理に戻る。
ステップS28において、運転支援装置1は、自車両Mが現在の車速を維持して走行したとき、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できるか否かの確認を再度行う。この確認処理は、上述のステップS24の処理と同様に、車間距離Dが一定の距離で維持される場合のほか、車間距離Dが次第に拡がる場合を含めてもよい。
ここで、現在の自車両Mの車速で、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できることが確認された場合には、ステップS30の処理に進む。また、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できないことが確認された場合には、ステップS29の処理に進む。
上述のステップS24及び上述のステップS28の各処理にて、自車両Mの現在の車速で、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できることが確認されて、ステップS30に進むと、このステップS30において、運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速を維持する走行制御を続行する。その後、ステップS31の処理に進み、このステップS31において、運転支援装置1は、後方の回避対象他車両「群」が認識できるか否かの確認を行う。ここで、後方の回避対象他車両「群」が認識できる場合は、上述のステップS24の処理に戻る。また、後方の回避対象他車両「群」が認識できなくなっている場合には、自車両Mは、後方の回避対象他車両「群」から充分に離れたか、若しくは後方の回避対象他車両「群」に追い付かれる可能性がなくなったものと判断されて、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。
一方、上述のステップS23及びステップS28の各処理からステップS29に進んだ場合には、このステップS29において、運転支援装置1は、警告表示制御を実行する。この警告表示は、運転者に対して、例えば、後方から回避対象他車両「群」が接近しつつある旨等の警告情報等を報知するための所定の警告表示である。この警告表示は、報知装置34を作動させ所定の表示デバイスを用いて行われる従来一般的な制御が適用される。その後、図8のステップS32の処理に進む。
図8のステップS32において、運転支援装置1は、運転者による操作入力がなされたか否かの確認を行う。ここで、操作入力が確認された場合には、ステップS37の処理に進む。また、操作入力が確認されなかった場合には、ステップS33の処理に進む。
ステップS37において、本実施形態の運転支援装置1は、操作入力に応じた走行制御を実行する。その後、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。なお、上記ステップS37の処理は、従来の車両等における一般的な走行制御が適用されるものとし、その詳細説明は省略する。
一方、ステップS33において、運転支援装置1は、回避対象他車両「群」の発する音情報が所定の閾値以上であるか否かの確認を行う。ここで、所定の閾値以上の音情報とは、例えば極端に大きな音量の警笛音,排気音,音楽再生音等の、いわゆる騒音と呼ばれるものを想定している。そして、このような音情報について、所定の閾値以上が確認される場合とは、それらの音を発している他車両、即ち回避対象他車両「群」が自車両Mに所定の距離以上接近していることを意味する。
このステップS33において、所定の閾値以上の音情報が確認された場合は、ステップS34の処理に進む。また、所定の閾値以上の音情報が確認されない場合は、ステップS38の処理に進む。
ステップS38において、運転支援装置1は、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが所定の閾値以下であるか否かの確認を行う。この確認は、後方からの回避対象他車両「群」が自車両Mに対し所定の距離以上接近しているか否かの確認である。ここで、車間距離Dが所定の閾値以下である場合には、ステップS34の処理に進む。また、車間距離Dが所定の閾値を超えていない場合には、ステップS33の処理に戻る。
ステップS34において、運転支援装置1は、実際に回避対象他車両「群」から退避すべく、所定の回避走行制御を実行する。この場合の回避走行制御は、図2,図4を用いて説明したように、図2の矢印Pa又は図4の矢印P3に沿うような車線変更を行って、自車両Mを左寄りの走行車線側へと退避させる走行制御(車線変更制御)である。
さらに、この回避走行制御では、図4を用いて説明したように、自車両Mの前方に、所定の退避スペース等(不図示)が存在していることが確認できた場合には、自車両Mを当該退避スペース等の導入路へと誘導する操舵制御を含む走行制御を行って、自車両Mを図4の矢印P3aに沿うように走行させ、当該自車両Mを所定の退避スペース等の中へと退避させる走行制御を行ってもよい。
この場合において、上記退避スペース等としては、例えば、高速道路の走行中である場合には、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等があり、一般道路の走行中である場合には、大規模ショッピングセンターの駐車場や路肩に設けられる一時停止エリアや登坂車線等のほか、自車両Mが走行している走行道路から別方向へと分岐する他の道路等であってもよい。
なお、ここで行う車線変更制御や退避スペース等への操舵制御及び走行制御は、従来の運転支援装置1において行われる一般的な制御を適用するものとする。したがって、その車線変更制御及び退避スペース等への操舵制御及び走行制御等の具体的な詳細説明は省略する。
その後、ステップS35の処理に進む。
ステップS35において、運転支援装置1は、後方の回避対象他車両「群」が、未だ認識できるか否かの再度の確認を行う。ここで、後方の回避対象他車両「群」が、未だ認識できる場合は、ステップS36の処理に進む。また、後方の回避対象他車両「群」が認識できなくなっている場合には、自車両Mは、後方の回避対象他車両「群」から充分に離れているものと判断されて、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。
ステップS36において、運転支援装置1は、現状の走行制御(左寄り車線の走行)を継続し、上述のステップS35の処理に戻る。つまり、後方の回避対象他車両「群」が認識できなくなるまで、現状の走行制御(左寄り車線の走行)を継続する。
なお、上述のようにして、退避スペース等への退避走行制御を行って退避スペース等へ退避した場合でも、自車両Mの周辺にラベリング済みの回避対象他車両「群」が認識される状況が考えられる。また、退避スペース等への退避が完了する前に、追い付かれて囲まれたり、停車させられるような状況も考えられる。
このような場合には、例えば、退避スペース等において自車両Mが停車中に、若しくは、道路上において停車を余儀なくされた場合等には、自車両Mについて、ドアロックを施したり、ガラス窓を閉状態にする等の制御を行って、当該回避対象他車両「群」が認識されなくなるまで、その場に留まるようにしてもよい。これに加えて、通報を促すアドバイス表示等を行うような制御を行ってもよい。さらに、カメラユニット21や、その他のカメラデバイス等を用いて、自車両Mの周囲状況の録画を行うようにしてもよい。
次に、上述の図7のステップS40の処理、即ち認識済みの回避対象他車両「群」が自車両Mの前方にあると判断された場合の前方回避対象他車両「群」の回避走行制御について、図9,図10のフローチャートを用いて、以下に説明する。
上述したように、図7のステップS21の処理にて、認識済みの回避対象他車両「群」が自車両Mの前方にあると判断されて、図7のステップS40の処理に進むと、図9,図10の処理シーケンスが実行される。
図9のステップS41において、運転支援装置1は、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値以上であるか否かの確認を行う。この処理は、図7のステップS22の処理と略同様である。
この場合において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値以上である場合としては、
自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が低い(低速度)場合と、
自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が高い(高速度)場合と、
の2つの場合が考えられる。
なお、ここで、「所定の閾値」としては、両者の車速差の絶対値が極端に大きい数値、例えば閾値=時速100キロ毎時(km/h)等の数値であるものとする。
当該ステップS41の処理が行われている時点においては、上述したように、回避対象他車両「群」は自車両Mの前方において認識されている。この場合、自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が低い(低速度の)ときには、自車両Mは回避対象他車両「群」に、やがて追い付くことになる。この場合、自車両Mが回避対象他車両「群」に追い付いてしまうと、当該回避対象他車両「群」は、自車両Mの走行路を塞ぐ妨害走行が継続されることになり、自車両M及び一般他車両にとっては迷惑を被ることになる。
一方、自車両Mの現在の車速に対して回避対象他車両「群」の車速が高い(高速度の)ときには、自車両Mは回避対象他車両「群」に追い付くことはなく、両者の車間距離Dは離れるばかりである。したがって、この場合は、自車両Mと回避対象他車両「群」とが近接し併走し接触する可能性はなく、全く問題は生じないものと考えられる。
そこで、本実施形態の運転支援装置1においては、ステップS41において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値を超えていることが確認された場合には、ステップS42の処理に進むと、このステップS42において、当該運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速と回避対象他車両「群」の車速とを比較する。これにより、自車両Mが回避対象他車両「群」に向けて接近しているか否か、若しくは離れているのかの確認を行う。ここで、自車両Mの現在の車速>回避対象他車両「群」の車速であることが確認されて、自車両Mが回避対象他車両「群」に向けて接近していることが確認された場合には、ステップS48の処理に進む。
この場合には、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が極端に大きく、かつ自車両Mが回避対象他車両「群」に急接近しているものと考えられる。そこで、このような場合には、即座に、ステップS48の処理へと進むようにしている。
一方、ステップS42において、自車両Mの現在の車速>回避対象他車両「群」の車速ではないことが確認された場合は、
自車両Mの現在の車速と回避対象他車両「群」の車速とは略等しい(自車両Mの現在の車速≒回避対象他車両「群」の車速)場合か、若しくは
自車両Mの現在の車速が回避対象他車両「群」の車速よりも低い(自車両Mの現在の車速>回避対象他車両「群」の車速)場合である。
したがって、この場合は、自車両Mは回避対象他車両「群」に向けて接近しているわけではない。このような場合には、ステップS43の処理に進む。
他方、上述のステップS41において、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速が所定の閾値を超えていないことが確認された場合には、ステップS42の処理は飛ばして、ステップS43の処理に進む。
この場合は、自車両Mと回避対象他車両「群」との相対的な車速は然程大きくはなく、かつ自車両Mが回避対象他車両「群」に接近しつつあったとしても、自車両Mが回避対象他車両「群」に追い付くまでには、若干の時間的な余裕があるものと考えられる。そこで、このような場合には、ステップS42の処理は飛ばして、ステップS43の処理へと進むようにしている。
ステップS43において、運転支援装置1は、自車両Mが現在の車速を維持して走行したとき、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できるか否かの確認を行う。この処理は、図7のステップS22の処理と略同様である。したがって、この場合においても、車間距離Dが維持できるか否かの判断としては、車間距離Dが一定の距離で維持される場合のほか、車間距離Dが次第に拡がる場合を含めてもよい。即ち、当該ステップS43における判断は、車間距離Dが詰まる方向に変位しない場合を判断する。
ここで、車間距離Dが維持できることが確認された場合は、ステップS50の処理に進む。また、車間距離Dが維持できないことが確認された場合は、ステップS44の処理に進む。
ステップS44において、運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速と周辺他車両(不図示)の平均車速とを比較して、自車両Mの現在の車速が周辺他車両(不図示)の平均車速を超えているか否かの確認を行う。
ここで、自車両Mの現在の車速>周辺他車両の平均車速であることが確認された場合には、自車両Mは、周辺他車両から抜きん出て、自車両Mのみが回避対象他車両「群」に追い付いてしまう可能性が考えられる。そこで、この場合には、ステップS45の処理に進む。
次のステップS45において、運転支援装置1は、所定の減速制御を実行する。これにより、自車両Mは、車速を減少させて、周辺他車両との併走を行うことができると共に、回避対象他車両「群」の車速に対しては下回る車速で走行させることができる。したがって、これにより、自車両Mは、回避対象他車両「群」に追い付いくことなく、当該回避対象他車両「群」からは遠ざかる方向の走行制御ができる。続いて、ステップS46の処理に進む。
一方、上述のステップS44において、自車両Mの現在の車速>周辺他車両の平均車速ではない(周辺他車両の平均車速≧自車両Mの現在の車速である)ことが確認された場合は、
自車両Mの現在の車速と周辺他車両の平均車速とは略等しい(自車両Mの現在の車速≒周辺他車両の平均車速)場合か、若しくは
自車両Mの現在の車速よりも周辺他車両の平均車速が上回っている(周辺他車両の平均車速>自車両Mの現在の車速)場合である。
したがって、この場合は、自車両Mは周辺他車両と併走中であるか、又は周辺他車両からも、回避対象他車両「群」からも、いずれからも遠ざかる方向に走行している状況である。このような場合には、ステップS46の処理に進む。
ステップS46において、運転支援装置1は、周辺他車両の平均車速が自車両Mの現在の車速以上であるか否かの確認を行う。ここで、周辺他車両の平均車速≧自車両Mの現在の車速であることが確認された場合には、ステップS47の処理に進む。また、周辺他車両の平均車速≧自車両Mの現在の車速ではない、即ち自車両Mの現在の車速が周辺他車両の平均車速にまで下がっていないことが確認された場合には、ステップS45の減速制御による車速減少が足りないものとされて、上述のステップS45の処理に戻る。
ステップS47において、運転支援装置1は、自車両Mが現在の車速を維持して走行したとき、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できるか否かの確認を行う。この確認処理は、上述のステップS43の処理と同様に、車間距離Dが一定の距離で維持される場合のほか、車間距離Dが拡がる場合も含めてもよい。
ここで、現在の自車両Mの車速で、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できることが確認された場合には、ステップS50の処理に進む。また、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できないことが確認された場合には、ステップS48の処理に進む。
上述のステップS43及び上述のステップS48の各処理にて、自車両Mの現在の車速で、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが維持できることが確認されて、ステップS50に進むと、このステップS50において、運転支援装置1は、自車両Mの現在の車速を維持する走行制御を続行する。その後、ステップS51の処理に進み、このステップS51において、運転支援装置1は、前方の回避対象他車両「群」が認識できるか否かの確認を行う。ここで、前方の回避対象他車両「群」が認識できる場合は、上述のステップS43の処理に戻る。また、前方の回避対象他車両「群」が認識できなくなっている場合には、自車両Mは、前方の回避対象他車両「群」から充分に離れたか、若しくは前方の回避対象他車両「群」に追い付く可能性がなくなったものと判断されて、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。
一方、上述のステップS42及びステップS47の各処理からステップS48に進んだ場合には、このステップS48において、運転支援装置1は、警告表示制御を実行する。この警告表示は、上述の図7のステップS29の処理と同様に、運転者に対して、例えば、前方の回避対象他車両「群」に接近しつつある旨等の警告情報等であったり、車線変更等の回避操作を行うことを示唆する旨等の警告情報等を報知するための所定の警告表示等である。この警告表示は、報知装置34を作動させ所定の表示デバイスを用いて行われる従来一般的な制御が適用される。その後、図10のステップS52の処理に進む。
図10のステップS52において、運転支援装置1は、運転者による操作入力がなされたか否かの確認を行う。この処理は、図8のステップS32の処理と略同様である。ここで、操作入力が確認された場合には、ステップS57の処理に進む。また、操作入力が確認されなかった場合には、ステップS53の処理に進む。
ステップS57において、本実施形態の運転支援装置1は、操作入力に応じた走行制御を実行する。その後、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。この処理は、図8のステップS37の処理と略同様である。
一方、ステップS53において、運転支援装置1は、回避対象他車両「群」の発する音情報が所定の閾値以上であるか否かの確認を行う。この処理は、図8のステップS33の処理と略同様である。ここで、所定の閾値以上の音情報が確認された場合は、ステップS54の処理に進む。また、所定の閾値以上の音情報が確認されない場合は、ステップS58の処理に進む。
ステップS58において、運転支援装置1は、自車両Mと回避対象他車両「群」との車間距離Dが所定の閾値以下であるか否かの確認を行う。この確認は、前方の回避対象他車両「群」に自車両Mに接近しているか否かの確認である。この処理は、図8のステップS38の処理と略同様である。ここで、車間距離Dが所定の閾値以下である場合には、ステップS54の処理に進む。また、車間距離Dが所定の閾値を超えていない場合には、ステップS53の処理に戻る。
ステップS54において、運転支援装置1は、実際に回避対象他車両「群」から退避すべく、所定の回避走行制御を実行する。この処理は、図8のステップS34の処理と略同様である。この場合の回避走行制御は、図5を用いて説明したように、走行速度の減速を行うと同時に、図5の矢印P4に沿うような通常の車線変更を行って、自車両Mと前方の回避対象他車両「群」との車間距離Dを拡げると共に、当該前方の回避対象他車両「群」の走行路上から自車両Mを退避させる走行制御(車線変更制御)である。
さらに、この場合においても、図4の状況と同様に、退避スペース等(不図示)の存在が確認できた場合には、自車両Mを当該退避スペース等へと退避させる通常の走行制御を行ってもよい。
その後、ステップS55の処理に進む。
ステップS55において、運転支援装置1は、前方の回避対象他車両「群」が、未だ認識できるか否かの再度の確認を行う。ここで、前方の回避対象他車両「群」が、未だ認識できる場合は、ステップS56の処理に進む。また、前方の回避対象他車両「群」が認識できなくなっている場合には、自車両Mは、前方の回避対象他車両「群」から充分に離れているものと判断されて、一連の処理シーケンスを終了し、元の図6の処理に戻る(リターン)。
ステップS56において、運転支援装置1は、現状の走行制御(左寄り車線の走行)を継続し、上述のステップS55の処理に戻る。つまり、前方の回避対象他車両「群」が認識できなくなるまで、現状の走行制御(左寄り車線の走行)を継続する。その他の制御は、上述の図8のステップS36の処理と同様である。
なお、上述のようにして、退避スペース等への退避走行制御を行って退避スペース等へ退避した場合でも、自車両Mの周辺にラベリング済みの回避対象他車両「群」が認識される状況が考えられる。また、退避スペース等への退避が完了する前に、追い付かれて囲まれたり、停車させられるような状況も考えられる。
このような場合には、例えば、退避スペース等において自車両Mが停車中に、若しくは、道路上において停車を余儀なくされた場合等には、自車両Mについて、ドアロックを施したり、ガラス窓を閉状態にする等の制御を行って、当該回避対象他車両「群」が認識されなくなるまで、その場に留まるようにしてもよい。これに加えて、通報を促すアドバイス表示等を行うような制御を行ってもよい。さらに、カメラユニット21や、その他のカメラデバイス等を用いて、自車両Mの周囲状況の録画を行うようにしてもよい。
以上説明したように上記一実施形態によれば、
手動運転車両と自動運転車両,運転支援装置搭載車両とが同一の道路上に混在して走行するような状況下において、運転支援装置を搭載した自車両が道路上で通常走行をしている場合に、自車両が接近や併走を回避したい他車両(即ち、回避対象他車両)を少なくとも2台の車両群として認識した場合には、自車両は、当該他車両群に接近する前に、当該他車両群から離間させるための走行制御を実行する。これによって、自車両は、当該他車両群に接近し併走する状況を回避することが容易にできる。したがって、これにより、これらの回避対象他車両群から受ける可能性のある危険等を容易にかつ簡単に回避することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
1…運転支援装置
11…ロケータユニット
12…地図ロケータ演算部
12a…自車位置推定演算部
12b…目標進行路設定演算部
13…道路情報送受信機
14…GNSS受信機
15…自律走行センサ
16…ルート情報入力装置
17…高精度道路地図データベース
21…カメラユニット
21a…メインカメラ
21b…サブカメラ
21d…前方状況認識部
22…周辺監視ユニット
22a…周辺状況認識センサ
22b…周辺状況認識部
26…走行制御ユニット
31…操舵制御部
32…ブレーキ制御部
33…加減速制御部
34…報知装置

Claims (5)

  1. 自車両の周辺状況を認識し周辺状況情報を取得する周辺状況情報取得装置と、
    前記周辺状況情報取得装置により取得された前記周辺状況情報に基づいて周辺他車両の自車両に対する相対的な車速若しくは挙動を判定する他車両状況判定装置と、
    前記他車両状況判定装置の判定結果に基づいて前記自車両の走行制御を決定し実行する走行制御装置と、
    を具備し、
    少なくとも所定の時間が経過する間又は所定の距離だけ移動する間、前記自車両及び前記周辺他車両よりも相対的に低車速又は高車速での走行を継続し若しくは異常な挙動を伴う走行を継続している少なくとも2台の他車両を含む車両群が認識された場合には、
    前記走行制御装置は、前記車両群から前記自車両を離間させる走行制御を実行することを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記走行制御装置は、前記車両群から前記自車両を離間させるために、少なくとも加速制御若しくは減速制御及び車線変更制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記走行制御装置は、さらに、前記自車両を所定の退避スペースへ誘導する走行制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 前記自車両の外部に設けられる外部機器との間で通信を行って、前記外部機器から前記周辺状況情報取得装置により認識された前記周辺他車両に関する情報を取得する通信部を、さらに具備し、
    前記他車両状況判定装置は、前記通信部を通じて取得された前記情報を加味して、前記周辺他車両の前記自車両に対する相対的な車速若しくは挙動を判定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  5. 前記車両は、運転者による操作指示を必要としないことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
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