JP2022037281A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Kazuyuki Meguro
雄大 井ノ口
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Abstract

【課題】熱源の温度を直接検出できなくても、熱源のより正確な温度を推定できる制御装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、電流源2と、前記電流源から電力変換して駆動部へ電力を供給する電力変換部30とを制御する制御装置1を有する。前記制御装置は、前記電力変換部30を制御する制御部10と、前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の近傍の温度を検出する温度検出部11と、前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを記憶する記憶部20と、を備える。前記制御部は、前記駆動部に流れる電流の電流値及び周波数、前記熱源の現在の飽和温度から算出された制御用推定温度に基づいて前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
電動車両は、車輪を駆動するためのモータと、モータ等を制御するための制御部を有する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このような電動車両において、モータを駆動させるときに発熱する部品の熱源の温度をサーミスタによって検出し、当該部品が破損する温度以上にならないように、制御部により熱源の温度に基づいて温度保護機構を実行させる必要がある。
しかし、この電動車両において、例えば、勾配での登板発進時には、モータが低角速度の状態で高電流が流れるような場合、サーミスタによって検出された温度が熱源の実際の温度と乖離することがあり、図10に示すようにサーミスタによる熱源の実際の温度への追従性が悪くなることがある。具体的には、モータに流れる電流の周波数が低く、高電流が流れるサーミスタ非追従領域101と、それ以外のサーミスタ追従領域102が存在する。その結果、熱源の実際の温度は温度保護機能を実行して温度上昇を抑える必要があるにも拘わらず、サーミスタによって検出された温度が熱源の実際の温度より低いため、制御部による温度保護機能が実行されないことがある。
そこで、熱伝導や周囲温度の影響を考慮して、トランジスタ等の熱源が破損に至る物理モデルに沿った温度推定をして、熱源を有する部品が破損する温度以上にならないように温度保護機能をより正確に実行させることが必要となる。
特開2009-113676号公報 特開2014-168341号公報
本発明の種々の態様は、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を直接検出できなくても、熱伝導や周囲温度の影響を考慮し、熱源のより正確な温度を推定できる制御装置、及び、制御方法を提供することを目的とする。
以下に本発明の種々の態様について説明する。
[1]電流源と、前記電流源から電力変換して駆動部へ電力を供給する電力変換部とを制御する制御装置を有し、
前記制御装置は、
前記電力変換部を制御する制御部と、
前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の近傍の温度を検出する温度検出部と、
前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得し、
前記温度検出部が検出した実温度を取得し、
前記電流値、前記周波数、前記記憶部に記憶された前記飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、
前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする制御装置。
[2]前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得した後に、
前記飽和温度情報テーブルを参照して、前記電流値と前記周波数との組み合わせに対応する、前記熱源の現在の飽和温度を算出するa工程と、
前記現在の飽和温度と第1係数を用いることで、前記熱源の温度を推定した現在推定熱源温度を算出するc工程と、
前記現在推定熱源温度と第2係数を用いることで、前記熱源の近傍の温度を推定した現在推定検出部温度を算出するe工程と、
前記温度検出部が検出した実温度を取得するf工程と、
前記現在推定検出部温度から前記実温度を減算することで、温度差分を算出するg工程と、
前記温度差分に予め設定された温度補正係数を乗算することで、温度補正値を算出するh工程と、
前記現在推定熱源温度に前記温度補正値を加算することで、制御用推定温度を算出するi工程と、
前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御するj工程と、を実行する機能を備える
ことを特徴とする上記[1]に記載の制御装置。
[3]前記c工程の前記現在推定熱源温度は、
前記現在の飽和温度が過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1P閾値以上である場合は、前記第1係数を第1P係数とし、下記式31で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1P閾値未満である場合は、前記第1係数を前記第1P係数より小さい第2P係数とし、下記式32で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1N閾値以下である場合は、前記第1係数を第1N係数とし、下記式33で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1N閾値より大きい場合は、前記第1係数を前記第1N係数より小さい第2N係数とし、下記式34で算出され、
前記過去推定熱源温度は、第1の時間前に現在推定熱源温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度であり、
前記e工程の前記現在推定検出部温度は、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2P閾値以上である場合は、前記第2係数を第3P係数とし、下記式41で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が前記第2P閾値未満である場合は、前記第2係数を前記第3P係数より小さい第4P係数とし、下記式42で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値未満である場合は、前記第2係数を第3N係数とし、下記式43で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値より大きい場合は、前記第2係数を前記第3N係数より小さい前記第4N係数とし、下記式44で算出され、
前記過去推定検出部温度は、前記第1の時間前に現在推定検出部温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度である
ことを特徴とする上記[2]に記載の制御装置。
現在推定熱源温度 = 第1P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式31)
現在推定熱源温度 = 第2P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式32)
現在推定熱源温度 = 第1N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式33)
現在推定熱源温度 = 第2N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式34)
現在推定検出部温度 =第3P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式41)
現在推定検出部温度 =第4P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式42)
現在推定検出部温度 =第3N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式43)
現在推定検出部温度 =第4N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式44)
[4]前記a工程、前記c工程、前記e工程及び前記i工程は、前記第1の時間毎に繰り返し、
前記f工程、前記g工程及び前記h工程は、前記第1の時間より長い第2の時間毎に繰り返す
ことを特徴とする上記[2]又は[3]に記載の制御装置。
[5]前記第1係数は、0より大きく且つ1より小さい値であり、前記第2係数は、0より大きく且つ1より小さい値である
ことを特徴とする上記[2]から[4]のいずれか一項に記載の制御装置。
[6]前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流値が予め設定された切換閾値電流以上であり且つ前記駆動部に流れる電流の周波数が予め設定された切換閾値周波数未満である第1の場合には、前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
一方、前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流未満、又は、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数以上である第2の場合には、前記制御用推定温度ではなく前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の制御装置。
[7]前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数未満であって、前記駆動部に流れる電流値が、前記切換閾値電流以上から前記切換閾値電流よりも小さい予め設定されたヒステリシス閾値電流まで低下するように、前記第1の場合から前記第2の場合に遷移するときは、継続して前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
一方、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数未満であって、前記駆動部に流れる電流値が、前記ヒステリシス閾値電流未満から前記切換閾値電流まで上昇するように、前記第2の場合から前記第1の場合に遷移するときは、継続して前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする上記[6]に記載の制御装置。
[8]前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流以上であって、前記駆動部に流れる電流の周波数が、前記切換閾値周波数未満から前記切換閾値周波数よりも高い予め設定されたヒステリシス閾値周波数まで上昇するように、前記第1の場合から前記第2の場合に遷移するときは、継続して前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
一方、前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流以上であって、前記駆動部に流れる電流の周波数が、前記ヒステリシス閾値周波数以上から前記切換閾値周波数まで低下するように、前記第2の場合から前記第1の場合に遷移するときは、継続して前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする上記[6]又は[7]に記載の制御装置。
[9]前記第2の場合において、
前記制御部は、
前記駆動部に流れる電流値が前記ヒステリシス閾値電流未満、又は、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記ヒステリシス閾値周波数以上である場合には、前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする上記[6]から[8]のいずれか一項に記載の制御装置。
[10]前記駆動部はモータであり、
前記電力変換部は、前記電流源から供給された直流電圧から前記モータを駆動するためのモータ駆動電圧を生成するブリッジ回路を含み、
前記制御部は、前記モータ駆動電圧を前記モータに供給することで、前記モータを駆動させるように前記電力変換部を制御し、
前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせは、前記モータを所定の回転数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、前記モータの相電流の相電流値及び前記モータの前記回転数の組み合わせであり、
前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の熱は、前記モータを駆動させるときに発生する熱であり、
前記温度検出部は、前記熱源の近傍に配置され、前記熱源の近傍の温度を検出するためのサーミスタであり、
前記制御部が取得する前記駆動部に流れる電流値は、前記モータの相電流を検出する相電流値であり、
前記制御部が取得する前記駆動部に流れる電流の周波数は、前記モータの回転数に対応し、
ことを特徴とする上記[1]から[9]のいずれか一項に記載の制御装置。
[11]前記第1係数は、前記現在の飽和温度に対する前記熱源の温度の時間変化の一次遅れの関係に基づいた時定数であり、
前記第2係数は、前記熱源から前記サーミスタへの熱伝導の時間変化の一次遅れの関係に基づき且つ前記第1係数と異なる時定数である
ことを特徴とする上記[10]に記載の制御装置。
[12]前記熱源は、
前記電力変換部のブリッジ回路を構成するトランジスタであり、
前記サーミスタは、
前記トランジスタに近接して配置されている
ことを特徴とする上記[10]又は[11]に記載の制御装置。
[13]前記熱源は、
前記モータのコイルであり、
前記サーミスタは、
前記コイルに近接して配置されている
ことを特徴とする上記[10]又は[11]に記載の制御装置。
[14]前記飽和温度は、少なくとも前記駆動期間において、前記制御部が前記モータに対して連続して通電するように前記電力変換部の前記ブリッジ回路を制御することで、飽和する前記熱源の温度である
ことを特徴とする上記[10]から[13]のいずれか一項に記載の制御装置。
[15]前記制御部は、
前記モータに設けられたホール素子が前記モータの回転に応じて出力した信号に基づいて、前記モータの回転数を取得する
ことを特徴とする上記[10]から[14]のいずれか一項に記載の制御装置。
[16]前記モータは、3相モータであり
前記ブリッジ回路は、第1ないし第3のハーフブリッジを含む3相ブリッジ回路であり、
前記第1ないし第3のハーフブリッジは、それぞれ、直列に接続されたハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタとを含む
ことを特徴とする上記[10]から[15]のいずれか一項に記載の制御装置。
[17]前記サーミスタは、前記第1ないし第3のハーフブリッジの前記ハイサイドトランジスタのそれぞれの近傍に配置されている
ことを特徴とする上記[16]に記載の制御装置。
[18]前記モータは、3相モータであり、
前記モータの第1相のコイルの温度の値を、前記モータの第2相のコイルの近傍に配置された第2のサーミスタの温度の検出値と、前記モータの第3相のコイルの近傍に配置された第3のサーミスタの温度の検出値との平均値で代用する
ことを特徴とする上記[10]から[17]のいずれか一項に記載の制御装置。
[19]電流源から電力変換して駆動部へ電力を供給する電力変換部を制御する方法において、
前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを用意し、
前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得し、
前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の近傍に配置された温度検出部が検出した実温度を取得し、
前記電流値、前記周波数、前記飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、
前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする制御方法。
[20]
前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得した後に、
前記飽和温度情報テーブルを参照して、前記電流値と前記周波数との組み合わせに対応する、前記熱源の現在の飽和温度を算出するa工程と、
前記現在の飽和温度と第1係数を用いることで、前記熱源の温度を推定した現在推定熱源温度を算出するc工程と、
前記現在推定熱源温度と第2係数を用いることで、前記熱源の近傍の温度を推定した現在推定検出部温度を算出するe工程と、
前記温度検出部が検出した実温度を取得するf工程と、
前記現在推定検出部温度から前記実温度を減算することで、温度差分を算出するg工程と、
前記温度差分に予め設定された温度補正係数を乗算することで、温度補正値を算出するh工程と、
前記現在推定熱源温度に前記温度補正値を加算することで、制御用推定温度を算出するi工程と、
前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する工程と、を備える
ことを特徴とする上記[19]に記載の制御方法。
[21]
前記c工程の前記現在推定熱源温度は、
前記現在の飽和温度が過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1P閾値以上である場合は、前記第1係数を第1P係数とし、下記式31で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1P閾値未満である場合は、前記第1係数を前記第1P係数より小さい第2P係数とし、下記式32で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1N閾値以下である場合は、前記第1係数を第1N係数とし、下記式33で算出され、
前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1N閾値より大きい場合は、前記第1係数を前記第1N係数より小さい第2N係数とし、下記式34で算出され、
前記過去推定熱源温度は、第1の時間前に現在推定熱源温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度であり、
前記e工程の前記現在推定検出部温度は、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2P閾値以上である場合は、前記第2係数を第3P係数とし、下記式41で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が前記第2P閾値未満である場合は、前記第2係数を前記第3P係数より小さい第4P係数とし、下記式42で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値未満である場合は、前記第2係数を第3N係数とし、下記式43で算出され、
前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値より大きい場合は、前記第2係数を前記第3N係数より小さい前記第4N係数とし、下記式44で算出され、
前記過去推定検出部温度は、前記第1の時間前に現在推定検出部温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度である
ことを特徴とする上記[20]に記載の制御方法。
現在推定熱源温度 = 第1P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式31)
現在推定熱源温度 = 第2P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式32)
現在推定熱源温度 = 第1N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式33)
現在推定熱源温度 = 第2N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式34)
現在推定検出部温度 =第3P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式41)
現在推定検出部温度 =第4P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式42)
現在推定検出部温度 =第3N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式43)
現在推定検出部温度 =第4N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式44)
[22]前記a工程、前記c工程、前記e工程及び前記i工程は、前記第1の時間毎に繰り返し、
前記f工程、前記g工程及び前記h工程は、前記第1の時間より長い第2の時間毎に繰り返す
ことを特徴とする上記[20]又は[21]に記載の制御方法。
[23]前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流未満、又は、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数以上である場合には、前記制御用推定温度ではなく前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
ことを特徴とする上記[19]から[22]のいずれか一項に記載の制御方法。
本発明の種々の態様によれば、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を直接検出できなくても、熱伝導や周囲温度の影響を考慮し、熱源のより正確な温度を推定できる制御装置、及び、制御方法を提供することができる。
本発明の一態様に係る制御装置を示す模式図である。 本発明の一態様に係る制御装置を備えた電動車両を説明するための模式図である。 図2に示す電力変換部30cの周辺の構成の一例を示す図である。 所定の駆動期間、モータを所定の回転数で駆動させた場合における、モータの電流と熱源Zの飽和温度との関係の一例を示す図である。 モータを所定の回転数で駆動させた場合における、モータの電流値61、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度62、熱源Zの実際の温度63、及び、熱源Zの飽和温度64の関係の一例を示す図である。 駆動部としてのモータの駆動を制御する際に、制御部が、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を、モータの電流値(相電流値)とモータに流れる電流の周波数との関係に従って、上記の制御用推定温度又は実サーミスタ温度を選択する方法を説明する図である。 温度保護機能を実行するために、熱源の温度とモータの制御との関係を示す図である。 図7に示す制限閾値51での目標制限トルク57の特性の一例を示す図であって、制限閾値での目標制限トルクとモータ3xに流れる電流の周波数との関係を示す図である。 第3の実施形態に係る電力変換部30cの周辺の構成を示す図である。 モータに流れる電流の周波数と通電電流とが変化した場合における、熱源の温度に対するサーミスタが検出する温度の追従性の一例を示す図である。 一定の電流でモータを駆動させて熱源の温度が上昇する場合の通電時間と熱源の温度との関係を示す図である。 一定の電流でモータを駆動させても熱源の温度が下降する場合の通電時間と熱源の温度との関係を示す図である。
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
例えば、第1の実施形態として制御装置を説明するが、この制御装置は電動車両の負荷を駆動する電動車両制御装置に適用することも可能であるし、この制御装置を電動車両の負荷以外の負荷を駆動する駆動部を制御する装置に適用することも可能である。
(第1の実施形態)
<制御装置>
図1は、本発明の一態様に係る制御装置を示す模式図である。
制御装置1は、電流源2と、この電流源2から電力変換して駆動部3へ電力を供給する電力変換部30とを制御する装置である。また、制御装置1は、電力変換部30を制御する制御部10を有するとともに、記憶部20及び温度検出部11を有している。温度検出部11は、電力変換部30又は駆動部3で発熱する熱源(図示せず)の近傍の温度を検出する検出部である。この熱源は、電流源2から電力を変換する際に電力変換部30で熱が発生する源、又は、電流源2から電力変換して駆動部3へ電力を供給する際に駆動部3で熱が発生する源である。なお、図1では、温度検出部11は電力変換部30の熱源の近傍に配置されている。記憶部20は、駆動部3に流れる電流値及び駆動部3に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを記憶している。また、電流源2は例えばバッテリであってもよく、駆動部3は例えばモータであってもよい。
ここでの飽和温度情報テーブルとは、駆動部3を所定の周波数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、駆動部3に流れる電流の電流値及び駆動部3に流れる電流の周波数の組み合わせと、駆動部3を駆動させるときに発熱する熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けたテーブルである。この飽和温度は、少なくとも上記の駆動期間において、制御部10が駆動部3に対して連続して通電する(連続して電流が流れる)ように電力変換部30を制御することで、飽和する熱源の温度である。
なお、上記の「駆動部3を所定の周波数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、駆動部3に流れる電流の電流値及び駆動部3に流れる電流の周波数の組み合わせ」を、「駆動部3を所定の回転数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、駆動部3に流れる電流の電流値及び駆動部3の回転数の組み合わせ」と置き換えてもよい。
制御部10は、駆動部3に流れる電流値を取得するとともに、駆動部3に流れる電流の周波数を取得し、温度検出部11が検出した実温度を取得し、前記電流値、前記周波数、記憶部20に記憶された飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、前記制御用推定温度に基づいて、電力変換部30から駆動部3へ供給する電力を制御する。飽和温度情報テーブルを用いることで、より正確な制御用推定温度を算出することが可能となる。
詳細には、制御部10は、以下の(a工程)から(j工程)により電力変換部30から駆動部3へ供給する電力を制御する。
(a工程)駆動部3に流れる電流値を取得するとともに、駆動部3に流れる電流の周波数を取得し、記憶部20に記憶された前記飽和温度情報テーブルを参照して、前記電流値と前記周波数との組み合わせに対応する、熱源の現在の飽和温度を算出する。
(c工程)前記現在の飽和温度と第1係数を用いることで、前記熱源の温度を推定した現在推定熱源温度を算出する。
例えば、前記現在推定熱源温度は、以下の(i)から(iv)のいずれかにより算出される。
(i)前記現在推定熱源温度は、前記現在の飽和温度が過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1P閾値以上である場合は、前記第1係数を第1P係数とし、下記式31で算出される。
現在推定熱源温度 = 第1P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式31)
なお、前記過去推定熱源温度は、第1の時間前に現在推定熱源温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度である。
(ii)前記現在推定熱源温度は、前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1P閾値未満である場合は、前記第1係数を前記第1P係数より小さい第2P係数とし、下記式32で算出される。
現在推定熱源温度 = 第2P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式32)
(iii)前記現在推定熱源温度は、前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1N閾値以下である場合は、前記第1係数を第1N係数とし、下記式33で算出される。
現在推定熱源温度 = 第1N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式33)
(iv)前記現在推定熱源温度は、前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1N閾値より大きい場合は、前記第1係数を前記第1N係数より小さい第2N係数とし、下記式34で算出される。
現在推定熱源温度 = 第2N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式34)
(e工程)前記現在推定熱源温度と第2係数を用いることで、前記熱源の近傍の温度を推定した現在推定検出部温度を算出する。
例えば、前記現在推定検出部温度は、以下の(i)から(iv)のいずれかにより算出される。
(i)前記現在推定検出部温度は、前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2P閾値以上である場合は、前記第2係数を第3P係数とし、下記式41で算出される。
現在推定検出部温度 =第3P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式41)
なお、前記過去推定検出部温度は、前記第1の時間前に現在推定検出部温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度である。
(ii)前記現在推定検出部温度は、前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が前記第2P閾値未満である場合は、前記第2係数を前記第3P係数より小さい第4P係数とし、下記式42で算出される。
現在推定検出部温度 =第4P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式42)
(iii)前記現在推定検出部温度は、前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値未満である場合は、前記第2係数を第3N係数とし、下記式43で算出される。
現在推定検出部温度 =第3N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式43)
(iv)前記現在推定検出部温度は、前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値より大きい場合は、前記第2係数を前記第3N係数より小さい前記第4N係数とし、下記式44で算出される。
現在推定検出部温度 =第4N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式44)
(f工程)温度検出部11が検出した実温度を取得する。
(g工程)前記現在推定検出部温度から前記実温度を減算することで、温度差分を算出する。
(h工程)前記温度差分に予め設定された温度補正係数を乗算することで、温度補正値を算出する。なお、温度補正係数の詳細については後述する。
(i工程)前記現在推定熱源温度に前記温度補正値を加算することで、制御用推定温度を算出する。
(j工程)前記制御用推定温度に基づいて、電力変換部30から駆動部3へ供給する電力を制御する。
上記のa工程、c工程、e工程及びi工程は、第1の時間(例えば10ms)毎に繰り返し、上記のf工程、g工程及びh工程は、前記第1の時間より長い第2の時間(例えば100ms)毎に繰り返すとよい。
(第2の実施形態)
<電動車両>
図2は、本発明の一態様に係る制御装置1aを備えた電動車両を説明するための模式図である。
図2の電動車両は、電流源としてのバッテリ2aから供給される電力を用いてモータ3xを駆動することで前進または後退する車両である。なお、モータ3xは駆動部としての一例である。
この電動車両は、電動バイク等の電動二輪車であり、より詳しくは、モータ3xと車輪等の負荷8がクラッチを介さずに機械的に直接接続された電動二輪車である。なお、本発明の一態様に係る電動車両は、二輪車に限定されるものではなく、例えば三輪または四輪の電動車両であってもよい。
図2に示すように、電動車両は、制御装置1aと、電力変換部30cと、バッテリ2aと、モータ3xと、アングルセンサ4と、アクセルポジションセンサ(図示せず)と、アシストスイッチ6と、メータ(表示部)7と、負荷8と、充電器9と、を備えている。
以下、図2の電動車両の各構成要素について詳しく説明する。
制御装置1aは、電動車両の各構成を制御する装置であり、既述のように、例えば、電動二輪車(電動車両)に積載されるようになっている。この場合、負荷8は、電動二輪車の車輪である。そして、モータ3xは、当該電動二輪車の車輪に接続されている。そして、制御装置1は、バッテリ2aから電力変換してモータ3xへ電力を供給する電力変換部30cを制御することができる。
なお、制御装置1aは、電動車両全体を統御するECU(Electronic Control Unit)として構成されてもよい。
この制御装置1aは、図2に示すように、制御部10aと、記憶部20aと、温度検出部11aとを備えている。この温度検出部11aは、電力変換部30cの熱源Zの温度を検出するためのサーミスタSである(図3参照)。しかし、後述のように、制御装置1aは、モータ3xの熱源Zの温度を検出するためのサーミスタSを備えるようにしてもよい。
そして、バッテリ2aは、電動車両の車輪を回転させるモータ3xに電力を供給する。より詳しくは、バッテリ2aは電力変換部30cに直流電力を供給する。バッテリ2aは、例えばリチウムイオン電池であるが、他の種類のバッテリであってもよい。また、バッテリ2aには、制御部10aに動作電圧を供給するための鉛電池が含まれてもよい。
また、バッテリ2aは、バッテリ管理ユニット(BMU)を含む。バッテリ管理ユニットは、バッテリ2aの電圧やバッテリ2aの状態(充電率等)に関するバッテリ情報を制御部10aに送信する。なお、バッテリ2aの数は一つに限らず、複数であってもよい。すなわち、電動車両には、互いに並列または直列に接続された複数のバッテリ2aが設けられてもよい。
また、モータ3xは、電力変換部30cから供給される交流電力により駆動される3相モータである。このモータ3xは、車輪に機械的に接続されており、所望の方向に車輪を回転させる。本実施形態では、モータ3xは、クラッチ(変速機構を含む。)を介さずに車輪に機械的に直接接続されている。なお、モータ3xの種類は特に限定されない。
また、アングルセンサ4は、モータ3xのロータの回転角度を検出するセンサである。ロータの周面には、N極とS極の磁石(センサマグネット)が交互に取り付けられている(図示せず)。
このアングルセンサ4は、例えばホール素子により構成されており、モータ3xの回転に伴う磁場の変化を検出するようになっている。
また、上記のアクセルポジションセンサは、電動車両のアクセルに対する操作量(以下、「アクセル操作量」という。)を検知し、電気信号として制御部10aに送信する。アクセル操作量は、エンジン車のスロットル開度に相当する。ユーザが加速したい場合にアクセル操作量は大きくなり、ユーザが減速したい場合にアクセル操作量は小さくなる。
また、上記のアクセルポジションセンサは、電動車両(電動二輪車)のユーザによるアクセルに対する操作量を検知し、電気信号として制御部10aに送信するようになっている。
また、アシストスイッチ6は、ユーザが電動車両のアシストを要求する際に操作されるスイッチである。アシストスイッチ6は、ユーザにより操作されると、アシスト要求信号を制御部10aに送信する。
また、メータ(表示部)7は、電動車両に設けられたディスプレイ(例えば液晶パネル)であり、各種情報を表示する。メータ7は、例えば、電動車両のハンドル(図示せず)に設けられる。メータ7には、電動車両の走行速度、バッテリ2aの残量、現在時刻、総走行距離、および残走行距離などの情報が表示される。残走行距離は、電動車両があとどれくらいの距離を走行できるのかを示す。
また、充電器9は、電源プラグ(図示せず)と、この電源プラグを介して供給される交流電源を直流電源に変換するコンバータ回路(図示せず)とを有する。コンバータ回路で変換された直流電力によりバッテリ2aは充電される。充電器9は、例えば、電動車両内の通信ネットワーク(CAN等)を介して制御装置1aに通信可能に接続されている。
また、制御部10aは、制御装置1aに接続された各種装置から情報が入出力されるようになっている。
具体的には、制御部10aは、バッテリ2a、アングルセンサ4、アクセルポジションセンサ、アシストスイッチ6、充電器9から出力される各種信号を受信する。制御部10aは、メータ7に表示する信号を出力する。また、制御部10aは、電力変換部30cを介してモータ3xを制御する。制御部10aの詳細については後述する。
また、記憶部20aは、制御部10aが用いる情報(後述の各種マップなど)や、制御部10aが動作するためのプログラムを記憶する。この記憶部20aは、例えば不揮発性の半導体メモリであるが、これに限定されない。なお、記憶部20aは制御部10aの一部として組み込まれていてもよい。
特に、この記憶部20aは、飽和温度情報テーブル(図示せず)を記憶するようになっている。この飽和温度情報テーブルは、モータ3xを所定の回転数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、モータ3xに流れる電流値及びモータ3xに流れる電流の周波数の組み合わせと、モータ3xを駆動させるときに発熱する熱源Zの熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けたテーブルである。
なお、上記の「モータ3xに流れる電流値及びモータ3xに流れる電流の周波数の組み合わせ」を、「モータ3xの相電流の相電流値及びモータ3xの回転数の組み合わせ」と置き換えてもよい。
そして、上述の飽和温度は、少なくとも既述の駆動期間において、制御部10aがモータ3xに対して連続して通電する(連続して電流(相電流)が流れる)ように電力変換部30cのブリッジ回路Xを制御することで、飽和する熱源Zの温度である(図4参照)。このような飽和温度を用いることで、熱源の温度を推定するのに役立つと考えられる。
また、電力変換部30cは、バッテリ2aから出力される直流電力を交流電力に変換してモータ3xに供給するようになっている(図3参照)。
そして、インバータ装置である電力変換部30cは、バッテリ2aから供給された直流電圧からモータ3xを駆動するためのモータ駆動電圧を生成する第1ないし第3のハーフブリッジを含む3相ブリッジ回路Xを備える。このブリッジ回路Xを備えることで、モータを駆動するのに必要な正弦波の位相、波高を制御し、モータを効率よく使用することで熱の発生を最低限にすることが出来る。
第1ないし第3のハーフブリッジは、それぞれ、直列に接続されたハイサイドトランジスタ(半導体スイッチQ1,Q3,Q5)とローサイドトランジスタ(半導体スイッチQ2,Q4,Q6)とを含む。
なお、これらの半導体スイッチQ1~Q6の制御端子は、制御部10aに電気的に接続されている。電源端子30aと電源端子30bとの間には平滑コンデンサCが設けられている。半導体スイッチQ1~Q6は、例えばMOSFETまたはIGBT等である。
そして、半導体スイッチQ1は、図3に示すように、バッテリ2aの正極が接続された電源端子30aと、モータ3xの入力端子3aとの間に接続されている。
同様に、半導体スイッチQ3は、電源端子30aと、モータ3xの入力端子3bとの間に接続されている。
半導体スイッチQ5は、電源端子30aと、モータ3xの入力端子3cとの間に接続されている。
半導体スイッチQ2は、モータ3xの入力端子3aと、バッテリ2aの負極が接続された電源端子30bとの間に接続されている。
同様に、半導体スイッチQ4は、モータ3xの入力端子3bと、電源端子30bとの間に接続されている。
半導体スイッチQ6は、モータ3xの入力端子3cと、電源端子30bとの間に接続されている。
なお、入力端子3aはモータ3xのU相の入力端子であり、入力端子3bはモータ3xのV相の入力端子であり、入力端子3cはモータ3xのW相の入力端子である。
また、制御部10aは、外部から入力された指令信号に応じた指令トルクをモータ3xから出力するように、電力変換部30cを制御して、モータ駆動電圧をモータ3xに供給することで、モータ3xを駆動することができる。
ここで、前述したように、アクセルポジションセンサは、電動車両(電動二輪車)100のユーザによるアクセルに対する操作量を検知し、電気信号として制御部10に送信するようになっている。そして、このアクセルポジションセンサが出力する電気信号は、この場合、当該指令信号に相当する。
制御部10aは、モータステージに応じて、電力変換部30cの半導体スイッチQ1~Q6をオンオフ制御する。これにより、バッテリ2aから供給される直流電力が交流電力に変換される。
ここで、前述したように、サーミスタSは、熱源Zの近傍に配置され、熱源Zの温度を検出するようになっている(図3参照)。そして、熱源Zは、図3に示すように、電力変換部30cのブリッジ回路Xを構成するトランジスタQ1~Q6である。
このサーミスタSは、本実施形態においては、トランジスタQ1~Q6に近接して配置されている。サーミスタSを用いることで、基盤設計が容易なことと温度による抵抗変化で温度を読み取れるため、変換する制御が簡素に構築できる。
特に、図3に示すように、サーミスタSは、3個のサーミスタS1、S2、S3を含む。そして、サーミスタS1は、第1のハーフブリッジのハイサイドトランジスタQ1の近傍に配置されている。さらに、サーミスタS2は、第2のハーフブリッジのハイサイドトランジスタQ3の近傍に配置されている。さらに、サーミスタS3は、第3のハーフブリッジのハイサイドトランジスタQ5の近傍に配置されている。
このように、サーミスタS(S1、S2、S3)は、特に発熱量が大きいとされる第1ないし第3のハーフブリッジのハイサイドトランジスタQ1、Q3、Q5のそれぞれの近傍に配置されている。これにより、ハイサイドトランジスタQ1、Q3、Q5のそれぞれの温度を推定することに役立つと考えられる。
<温度保護機能を実施する際に用いる熱源温度を推定する方法>
温度保護機能を実施する際に用いる熱源温度を前述した制御装置1aによって推定する方法の例について説明する。
ここで、熱源Zであるトランジスタのオン抵抗と駆動部としてのモータ3xの電流による温度上昇と、ユニットの熱容量、ユニットの周囲温度との熱伝導による物理モデルを考える。そして、熱源の熱が飽和するまで時間経過した際の飽和温度から当該トランジスタの温度を推測する。この推測温度と、計算誤差による実温度との乖離を防ぐために実温度を用いた手法とするものである(図5参照)。
なお、上記及び下記の「モータ3xの電流」を「モータ3xの相電流」に置き換えてもよい。
まず、温度保護機能を実施するために、制御部10aは、モータ3xに流れる電流値(モータ3xの相電流を検出して相電流値(例えば100A))を取得するとともに、モータ3xに流れる電流の周波数(又はモータ3xの回転数(例えば1000rpm))を取得する。
なお、制御部10aは、例えば、モータ3xに設けられたホール素子(図示せず)がモータ3xの回転に応じて出力した信号に基づいて、モータ3xの回転数を取得することができる。このようなホール素子を用いることで、モータ3xの回転数を取得するのに役立つと考えられる。
また、電流(相電流)の検出の際には、120°通電及び180°通電において、モータ3xの各トランジスタQ1~Q6のオン/オフの組み合わせで規定される6個のステージ毎に、各電流(各相電流)のピーク電流を取得して、スイッチングノイズを除去して平均化することで、電流値(相電流値)を取得するようにしてもよい。
既述のように、記憶部20aは、モータ3xを所定の回転数で予め設定された駆動期間だけ連続して駆動させたときにおける、モータ3xに流れる電流値(相電流値)及びモータ3xに流れる電流の周波数(又はモータ3xの回転数)の組み合わせと、モータ3xを駆動させるときに発熱する熱源Zの熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを記憶している(図4参照)。
制御部10aは、駆動部(モータ3x)に流れる電流値を取得するとともに、モータ3xに流れる電流の周波数を取得し、温度検出部11aが検出した実温度を取得し、前記電流値、前記周波数、前記飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、前記制御用推定温度に基づいて、電力変換部30cからモータ3xへ供給する電力を制御する。
以下に詳細に説明する。
(a工程)制御部10aは、記憶部20aに記憶された飽和温度情報テーブルを参照して、取得した電流値(相電流値;例えば100A)と取得した周波数(又は回転数(例えば1000rpm))との組み合わせに対応する(関連付けた)、熱源Zの現在の飽和温度(例えば90℃)を算出する。
このように、現在の電流値(相電流値)と周波数(又は回転数)の各計測データに基づいて、予め設定された飽和温度情報テーブルを参照して、熱源Zの現在の飽和温度を算出する。
次に、制御部10aは、以下の(式3)に示すように、現在の飽和温度に対する熱源Zの温度の時間変化の一次遅れの関係に基づいた第1係数(時定数)を用いることで、暫定的に推定した熱源Zの温度として現在推定熱源温度を算出する。つまり、図5に示すように、熱源の温度は、現在の飽和温度に対する一次遅れの関係65に基づく時定数(第1係数)を用いることで推定される。
なお、この第1係数は、例えば、0より大きく且つ1より小さい値である。この第1係数によって現在の飽和温度に対する一次遅れを補正することができる。
以下に、上記の現在推定熱源温度の算出方法を詳細に説明する。
まず、第1係数について以下に詳細に説明する。図11は、一定の電流でモータを駆動させて熱源の温度が上昇する場合の通電時間と熱源の温度との関係を示す図である。図12は、一定の電流でモータを駆動させても熱源の温度が下降する場合の通電時間と熱源の温度との関係を示す図である。
(b工程)上記の現在の飽和温度と第1の時間(例えば10ms)前(1回前)に算出した過去推定熱源温度(例えば100℃)を比較する。このとき、現在の飽和温度が過去推定熱源温度以上である以下の(式a)の場合は熱源の温度が上昇するものと判断する。このときの第1係数は正(P)となる。

(現在の飽和温度 -過去推定熱源温度)≧ 0 ・・・(式a)

なお、過去推定熱源温度は、前記第1の時間前に、現在推定熱源温度の算出方法と同様の方法で算出された温度である。また、過去推定熱源温度が算出されていない場合はサーミスタSで検出した実サーミスタ温度を用いてもよい。
第1係数が正(P)となる場合で、現在の飽和温度と過去推定熱源温度との温度差がP傾き閾値(第1P閾値;例えば20℃)以上である以下の(式b)の場合は熱源の温度上昇が急激である以下の(i)と判断する。P傾き閾値は、ともいう。

(現在の飽和温度 -過去推定熱源温度) ≧ P傾き閾値 ・・・(式b)

(i) 熱源の温度が現在の飽和温度に向けて急激に上昇する場合(図11に示す符号71)であり、第1係数としてP係数(急)を使用する。このP係数(急)は例えば0.05である。このP係数(急)は、第1P係数ともいう。
また、第1係数が正(P)となる場合で、現在の飽和温度と過去推定熱源温度との温度差がP傾き閾値(第1P閾値;例えば20℃)未満である以下の(式c)の場合は熱源の温度上昇が緩やかである以下の(ii)と判断する。

(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)< P傾き閾値 ・・・(式c)

(ii) 熱源の温度が現在の飽和温度に向けて緩やかに上昇する場合(図11に示す符号72)であり、第1係数としてP係数(緩)を使用する。このP係数(緩)は例えば0.03である。このP係数(緩)は、P係数(急)より小さく、第2P係数ともいう
また、現在の飽和温度が過去推定熱源温度より低い以下の(式d)の場合は熱源の温度が下降するものと判断する。このときの第1係数は負(N)となる。

(現在の飽和温度 -過去推定熱源温度)< 0 ・・・(式d)

第1係数が負(N)となる場合で、現在の飽和温度と過去推定熱源温度との温度差がN傾き閾値(第1N閾値;例えば-30℃)以下である以下の(式e)の場合は熱源の温度下降が急激である以下の(iii)と判断する。

(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度) ≦ N傾き閾値 ・・・(式e)

(iii) 熱源の温度が現在の飽和温度に向けて急激に下降する場合(図12に示す符号73)であり、第1係数としてN係数(急)を使用する。このN係数(急)は例えば0.06である。このN係数(急)は、第1のN係数ともいう。
また、第1係数が負(N)となる場合で、現在の飽和温度と過去推定熱源温度との温度差がN傾き閾値(第1N閾値;例えば-30℃)より大きい以下の(式f)の場合は熱源の温度下降が緩やかである以下の(iv)と判断する。

(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度) > N傾き閾値 ・・・(式f)

(iv) 熱源の温度が現在の飽和温度に向けて緩やかに下降する場合(図12に示す符号74)であり、第1係数としてN係数(緩)を使用する。このN係数(緩)は例えば0.04である。なお、N係数(緩)は、N係数(急)より小さく、第2のN係数ともいう。
上記の判断に基づき、第1係数として上記の(i)から(iv)のP係数(急)からN係数(緩)のいずれかを使用する。
なお、第1係数は時定数であるため、温度が上昇する場合も下降する場合も係数は複雑なものとなるが、時定数を上記の4つの場合に近似することで、計算負荷を減らすことができるとともに熱源の温度推定の精度を高めることができる。
(c工程)次に、以下の(式3)に示すように、上記の説明のとおり判断した第1係数(即ち、P係数(急)、P係数(緩)、N係数(急)、N係数(緩))を、前述した方法で算出した現在の飽和温度(例えば90℃)と過去推定熱源温度(例えば100℃)の差分に乗算し過去推定熱源温度に加算することで、暫定的に推定した熱源の温度として現在推定熱源温度(例えば99.6℃)を算出する。

現在推定熱源温度 = 第1係数(P係数(急)、P係数(緩)、N係数(急)、N係数(緩)のいずれか)×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式3)
このように、時定数を計数化した第1係数を用いて、現在の飽和温度から、熱源Zであるトランジスタの温度を暫定的に推測する。
次に、制御部10aは、以下の(式4)に示すように、熱源ZからサーミスタSへの熱伝導の時間変化の一次遅れの関係に基づき且つ既述の第1係数と異なる第2係数(時定数)を用いることで、暫定的に推定したサーミスタの温度である現在推定サーミスタ温度を算出する。つまり、図5に示すように、実サーミスタ温度は、熱源ZからサーミスタSへの熱伝導の時間変化の一次遅れの関係66に基づく時定数(第2係数)を用いることで推定される。
なお、現在推定サーミスタ温度は、現在推定検出部温度ともいう。
また、この第2係数は、例えば、0より大きく且つ1より小さい値である。この第2係数によって熱源ZからサーミスタSへの熱伝導の時間変化の一次遅れを補正することができる。
以下に、上記の現在推定サーミスタ温度(現在推定検出部温度)の算出方法を詳細に説明する。
まず、第2係数について以下に詳細に説明する。
(d工程)上記(式3)で算出した現在推定熱源温度と第1の時間(例えば10ms)前(1回前)に算出した過去推定サーミスタ温度を比較する。このとき、現在推定熱源温度が過去推定サーミスタ温度より高い以下の(式g)の場合はサーミスタの温度が上昇するものと判断する。このときの第2係数は正(P)となる。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度)≧ 0 ・・・(式g)

なお、過去推定サーミスタ温度は、前記第1の時間前に、現在推定サーミスタ温度の算出方法と同様の方法で算出された温度である。また、過去推定サーミスタ温度が算出されていない場合はサーミスタSで検出した実サーミスタ温度を用いてもよい。
第2係数が正(P)となる場合で、現在推定熱源温度と過去推定サーミスタ温度との温度差がP傾き閾値(第2P閾値;例えば20℃)以上である以下の(式h)の場合はサーミスタの温度上昇が急激である以下の(i)と判断する。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度) ≧ P傾き閾値 ・・・(式h)

(i)サーミスタの温度が急激に上昇する場合であり、第2係数としてP係数(急)を使用する。このP係数(急)は例えば0.03である。このP係数(急)は、第3P係数ともいう。
また、第2係数が正(P)となる場合で、現在推定熱源温度と過去推定サーミスタ温度との温度差がP傾き閾値(第2P閾値;例えば20℃)未満である以下の(式i)の場合はサーミスタの温度上昇が緩やかである以下の(ii)と判断する。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度)< P傾き閾値 ・・・(式i)

(ii) サーミスタの温度が緩やかに上昇する場合であり、第2係数としてP係数(緩)を使用する。このP係数(緩)は例えば0.02である。このP係数(緩)は、P係数(急)より小さく、第4P係数ともいう。
また、現在推定熱源温度が過去推定サーミスタ温度より低い以下の(式j)の場合はサーミスタの温度が下降するものと判断する。このときの第2係数は負(N)となる。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度)< 0 ・・・(式j)

第2係数が負(N)となる場合で、現在推定熱源温度と過去推定サーミスタ温度との温度差がN傾き閾値(第2N閾値;例えば-10℃)以下である以下の(式k)の場合はサーミスタの温度下降が急激である以下の(iii)と判断する。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度) ≦ N傾き閾値 ・・・(式k)

(iii) サーミスタの温度が急激に下降する場合であり、第2係数としてN係数(急)を使用する。このN係数(急)は例えば0.02である。N係数(急)は、第3N係数ともいう。
また、第2係数が負(N)となる場合で、現在推定熱源温度と過去推定サーミスタ温度との温度差がN傾き閾値(第2N閾値;例えば-10℃)より大きい以下の(式m)の場合はサーミスタの温度下降が緩やかである以下の(iv)と判断する。

(現在推定熱源温度 -過去推定サーミスタ温度) > N傾き閾値 ・・・(式m)

(iv) サーミスタの温度が緩やかに下降する場合であり、第2係数としてN係数(緩)を使用する。このN係数(緩)は例えば0.01である。N係数(緩)は、第3N係数より小さく、第4N係数ともいう。
上記の判断に基づき、第2係数として上記の(i)から(iv)のP係数(急)からN係数(緩)のいずれかを使用する。
なお、第2係数は時定数であるため、温度が上昇する場合も下降する場合も係数は複雑なものとなるが、時定数を上記の4つの場合に近似することで、計算負荷を減らすことができるとともに熱源の温度推定の精度を高めることができる。
(e工程)次に、以下の(式4)に示すように、上記の説明のとおり判断した第2係数(即ち、P係数(急)、P係数(緩)、N係数(急)、N係数(緩))を、上記(式3)で算出した現在推定熱源温度(例えば46.65℃)と過去推定サーミスタ温度(例えば30℃)の差分に乗算し過去推定サーミスタ温度に加算することで、暫定的に推定したサーミスタの温度である現在推定サーミスタ温度(例えば30.5)を算出する。

現在推定サーミスタ温度 = 第2係数(P係数(急)、P係数(緩)、N係数(急)、N係数(緩)のいずれか) ×(現在推定熱源温度 - 過去推定サーミスタ温度)+過去推定サーミスタ温度・・・(式4)
このように、時定数を計数化した第2係数を用いて、サーミスタSの温度を推測する。
(f工程)次に、制御部10aは、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度(例えば30.9℃)を取得する。
(g工程)次に、制御部10aは、以下の(式5)に示すように、上記(式4)の現在推定サーミスタ温度(例えば30.5℃)からサーミスタSが検出した実サーミスタ温度(例えば30.9℃)を減算することで、温度差分(例えば0.4℃)を算出する。

現在推定サーミスタ温度-実サーミスタ温度=温度差分 ・・・(式5)

なお、実サーミスタ温度は、実温度ともいう。
(h工程)次に、制御部10aは、以下の(式6)に示すように、予め設定された温度補正係数(例えば0.9)を、上記(式5)で算出した温度差分に乗算することで、上記(式3)の現在推定熱源温度(例えば46.65℃)を補正するための温度補正値(例えば0.36℃)を算出することができる。

温度差分×温度補正係数=温度補正値 ・・・(式6)

なお、温度補正係数は、温度検出部(例えばサーミスタ)の種類や個体のバラツキから温度差分を制御用推定温度に反映させる割合である。
(i工程)次に、制御部10aは、以下の(式7)に示すように、上記(式3)の現在推定熱源温度に上記(式6)の温度補正値を加算することで、制御用推定温度(例えば47.01℃)を算出する。

現在推定熱源温度+温度補正値=制御用推定温度 ・・・(式7)

上記の(a工程)から(e工程)と(i工程)は、第1の時間毎(例えば10ms毎)に繰り返し、上記の(f工程)から(h工程)は第2の時間毎(例えば100ms毎)に繰り返す。これにより、温度の誤差を補正する温度補正値を算出する(f工程)から(h工程)については第1の時間より長い第2の時間毎とすることで、制御用推定温度の精度を保持しつつ制御部の負荷を低減することができる。なお、(h工程)の温度補正値は100ms毎にしか得られないので、10ms毎に行われる(i工程)で使用する温度補正値は10回同じ値が用いられる。
また、第1の時間毎(例えば10ms毎)に得られた制御用推定温度及び計算過程の現在推定熱源温度は記憶部に記憶され、第2の時間毎(例えば100ms毎)に得られた温度補正値及び計算過程の現在推定サーミスタ温度は記憶部に記憶される。また、第1の時間毎に得られた現在の飽和温度も記憶部に記憶されてもよいし、第2の時間毎に得られた実温度も記憶部に記憶されてもよい。
なお、過去推定サーミスタ温度は一定間隔にて実サーミスタ温度に戻すとよい。その理由は、制御用推定温度の誤差が積み立てでずれていくので、それの対応策として誤差による実温度との差分が大きく乖離する前に補正して戻すためである。例えば、10msec毎に現在推定熱源温度と現在推定サーミスタ温度を算出し、実サーミスタ温度を使った現在推定熱源温度の補正は100msec毎に実施する。
これにより、熱伝導や周囲温度の影響を考慮して、サーミスタの検出温度、モータの電流及び回転数に基づいて、熱源(ドライバ回路のトランジスタ)Zの温度を推定して、後述する温度保護機能を実行することができる。
そして、既述のように、制御用推定温度は、熱源Zの飽和温度を基準として、一次遅れの特性を考慮して、推定されているため、熱源Zであるトランジスタが破損する温度になる前に、より確実に後述する温度保護機能を実行することができる。
<温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度の選択方法>
図6は、駆動部としてのモータの駆動を制御する際に、制御部が、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を、モータの電流値と駆動部としてのモータに流れる電流の周波数との関係に従って、上記の制御用推定温度又は実サーミスタ温度(実温度)を選択する方法を説明する図である。つまり、制御部10aは、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を、既述の制御用推定温度とサーミスタSが検出する温度(実温度)とを切り換えるようにしてもよい。
なお、図6では、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を、モータの電流値とモータに流れる電流の周波数との関係に従って、上記の制御用推定温度又は実サーミスタ温度(実温度)を選択する方法としているが、温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度を、モータの相電流値とモータの回転数との関係に従って、上記の制御用推定温度又は実サーミスタ温度(実温度)を選択する方法とすることも可能である。
制御部10aは、モータ3xの電流の電流値が予め設定された切換閾値電流45以上であり且つモータ3xに流れる電流の周波数が予め設定された切換閾値周波数46未満である第1の場合には、制御用推定温度47に基づいて、電力変換部30cからモータ3xへ供給する電力を制御する。これにより、モータ3xの駆動が制御される。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値が予め設定された切換閾値電流45以上であり且つモータ3xに流れる電流の周波数が予め設定された切換閾値周波数46未満である第1の場合」を、「モータ3xに流れる相電流値が予め設定された切換閾値電流以上であり且つモータ3xの回転数が予め設定された切換閾値回転数未満である第1の場合」に置き換えてもよい。
また、上記及び下記の「モータ3xの電流の電流値」を、「モータ3xの相電流の相電流値」に置き換えてもよい。
上記の第1の場合は、モータ3xが高電流且つ低周波数で駆動しているため、サーミスタSが検出する温度が熱源Zの実際の温度に十分に追従することができない。しかし、このような場合は、より正確な熱源の温度を推定して算出した上記の制御用推定温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
一方、制御部10aは、モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45未満、又は、モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46以上である第2の場合には、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度(実温度)50に基づいて、電力変換部30cからモータ3xへ供給する電力を制御する。これにより、モータ3xの駆動が制御される。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45未満、又は、モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46以上である第2の場合」を、「モータ3xに流れる相電流値が切換閾値電流未満、又は、モータ3xの回転数が切換閾値回転数以上である第2の場合」に置き換えてもよい。
上記の第2の場合は、モータ3が低電流、若しくは、高周波数で駆動しているため、サーミスタSが検出する温度が熱源Zの実際の温度に十分に追従することができる。このような場合は、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
ここで、図6に示すように、上記の制御用推定温度とサーミスタSが検出する実サーミスタ温度とを、ヒステリシス特性を持たせるように、切り換えるようにしてもよい。
詳細には、制御部10aは、モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46未満であって、モータ3xの電流の電流値が、切換閾値電流45以上からこの切換閾値電流45よりも小さい予め設定されたヒステリシス閾値電流49まで低下するように、即ち矢印41のように上記の第1の場合から第2の場合に遷移するときは、継続して制御用推定温度に基づいて、電力変換部30により、モータ3の駆動を制御する(図6参照)。
なお、上記の「モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46未満であって、モータ3xに流れる電流値が、切換閾値電流45以上からこの切換閾値電流45よりも小さい予め設定されたヒステリシス閾値電流49まで低下する」を、「モータ3xの回転数が切換閾値回転数未満であって、モータ3xの相電流の相電流値が、切換閾値電流以上からこの切換閾値電流よりも小さい予め設定されたヒステリシス閾値電流まで低下する」に置き換えてもよい。
矢印41のように上記の第1の場合から第2の場合に遷移するときは、温度の収束に時間がかかるため、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従することができないことがある。この場合は、上記の制御用推定温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
一方、制御部10aは、モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46未満であって、モータ3xの電流の電流値が、ヒステリシス閾値電流49未満から切換閾値電流45まで上昇するように、即ち矢印42のように上記の第2の場合から第1の場合に遷移するときは、継続して実サーミスタ温度(実温度)50に基づいて、電力変換部30により、モータ3の駆動を制御する(図6参照)。
なお、上記の「モータ3xに流れる電流の周波数が切換閾値周波数46未満であって、モータ3xの電流の電流値が、ヒステリシス閾値電流49未満から切換閾値電流45まで上昇する」を、「モータ3xの回転数が切換閾値回転数未満であって、モータ3xの相電流の相電流値が、ヒステリシス閾値電流未満から切換閾値電流まで上昇する」に置き換えてもよい。
矢印42のように上記の第2の場合から第1の場合に遷移するときは、温度上昇が速いため、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従することができる。この場合は、上記の実サーミスタ温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
また、制御部10aは、モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45以上であって、モータ3xに流れる電流の周波数が、切換閾値周波数46未満からこの切換閾値周波数46よりも高い予め設定されたヒステリシス閾値周波数48まで上昇するように、即ち矢印43のように上記の第1の場合から第2の場合に遷移するときは、継続して制御用推定温度に基づいて、電力変換部30により、モータ3の駆動を制御する(図6参照)。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45以上であって、モータ3xに流れる電流の周波数が、切換閾値周波数46未満からこの切換閾値周波数46よりも高い予め設定されたヒステリシス閾値周波数48まで上昇する」を、「モータ3xの相電流の相電流値が切換閾値電流以上であって、モータ3xの回転数が、切換閾値回転数未満からこの切換閾値回転数よりも高い予め設定されたヒステリシス閾値回転数まで上昇する」に置き換えてもよい。
矢印43のように上記の第1の場合から第2の場合に遷移するときは、温度の収束に時間がかかるため、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従することができないことがある。この場合は、上記の制御用推定温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
一方、制御部10aは、モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45以上であって、モータ3に流れる電流の周波数が、ヒステリシス閾値周波数48以上から切換閾値周波数46まで低下するように、即ち矢印44のように上記の第2の場合から第1の場合に遷移するときは、継続して実サーミスタ温度(実温度)50に基づいて、電力変換部30により、モータ3の駆動を制御する(図6参照)。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45以上であって、モータ3に流れる電流の周波数が、ヒステリシス閾値周波数48以上から切換閾値周波数46まで低下する」を、「モータ3xの相電流の相電流値が切換閾値電流以上であって、モータ3xの回転数が、ヒステリシス閾値回転数以上から切換閾値回転数まで低下する」に置き換えてもよい。
矢印44のように上記の第2の場合から第1の場合に遷移するときは、温度上昇が速いため、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従することができる。この場合は、上記の実サーミスタ温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
また、上記の第2の場合において、制御部10aは、モータ3xの電流の電流値がヒステリシス閾値電流49未満、又は、モータ3xに流れる電流の周波数がヒステリシス閾値周波数48以上である場合には、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度に基づいて、電力変換部30により、モータ3の駆動を制御する。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値がヒステリシス閾値電流49未満、又は、モータ3xに流れる電流の周波数がヒステリシス閾値周波数48以上である場合」を、「モータ3xの相電流の相電流値がヒステリシス閾値電流未満、又は、モータ3xの回転数がヒステリシス閾値回転数以上である場合」に置き換えてもよい。
上記の場合は、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従するため、上記の実サーミスタ温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
また、上記の第2の場合において、制御部10aは、モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45未満、且つ、モータ3に流れる電流の周波数が切換閾値周波数46以上である場合にも、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度に基づいて、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御してもよい。
なお、上記の「モータ3xの電流の電流値が切換閾値電流45未満、且つ、モータ3に流れる電流の周波数が切換閾値周波数46以上である場合」を、「モータ3xの相電流の相電流値が切換閾値電流未満、且つ、モータ3xの回転数が切換閾値回転数以上である場合」に置き換えてもよい。
すなわち、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従した状態であるとして、実サーミスタ温度を用いてもよい。
なお、制御部10aは、モータ3xの回転の加速度に応じて、図6に示す温度切換の関係に拘わらず、切り換える温度を選択するようにしてもよい。
例えば、制御部10aは、モータ3の加速度が予め設定された基準閾値よりも大きい場合には、強制的に(図6に示す関係に拘わらず)、制御用推定温度に基づいて、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御するようにしてもよい。
これにより、図6に示す関係に拘わらず、モータ3xの回転の加速度が大きい場合における急峻な温度が上昇に対して、サーミスタSの検出温度が熱源Zの温度に十分追従することができなかったとしても、上記の制御用推定温度に基づいて、温度保護機能を実行しながら、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御することができる。これにより、熱源を有する電力変換部30cが破損する温度以上になることを防止することができる。
また、モータ3xの加速度が当該基準閾値よりも小さい場合においては、制御部10aは、第1の場合には、上記の制御用推定温度に基づいて(図6に示す関係に基づいて)、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。
そして、モータ3xの加速度が当該基準閾値よりも小さい場合においては、制御部10aは、第2の場合には、サーミスタSが検出した実サーミスタ温度に基づいて(図6に示す関係に基づいて)、電力変換部30cにより、モータ3xの駆動を制御する。
以上のようにして、モータ3xの電流及び角速度に応じて、温度保護機能を実行する際に適用する熱源の温度として、サーミスタSの検出温度と推定温度とを切り換えることで、適切に温度保護機能を実行することができる。
<温度保護機能の実行>
図7は、温度保護機能を実行するために、熱源の温度とモータの制御との関係を示す図である。図8は、図7に示す制限閾値51での目標制限トルク57の特性の一例を示す図である。
図8に示すように、制限閾値での目標制限トルクとモータ3xに流れる電流の周波数は二次関数の関係にある。すなわち、この目標制限トルク57は、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が図7に示す制限閾値51である場合に、モータ3xに流れる電流の周波数が増加すると増加し、一方、モータ3xに流れる電流の周波数が減少すると減少するように設定されている。
なお、上記及び下記の「モータ3xに流れる電流の周波数」を、「モータ3xの回転数」に置き換えてもよい。また、上記及び下記の熱源温度は、温度検出部としてのサーミスタSの検出結果に基づいて得られた温度である。
また、記憶部20aは、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が制限閾値51である場合における、モータ3xに流れる電流の周波数と目標制限トルク57とを関連付けた目標制限トルクテーブルを記憶するようになっている。したがって、制御部10aは、記憶部20aに記憶されている目標制限トルクテーブルを参照することで、モータ3xに流れる電流の周波数に関連付けられた目標制限トルク57を取得することができる。
また、目標制限トルクテーブルでは、駆動部としてのモータ3xに流れる電流の周波数が高くなると目標制限トルク57は増加し、モータ3xに流れる電流の周波数が低くなると目標制限トルク57は減少するように設定されるとよい。これにより、制限閾値51での最小限のトルクを確保することができる。
なお、この「モータ3xに流れる電流の周波数が高くなると目標制限トルク57は増加し、モータ3xに流れる電流の周波数が低くなると目標制限トルク57は減少するように設定される」を、「モータ3xの回転数が高くなると目標制限トルク57は増加し、モータ3xの回転数が低くなると目標制限トルク57は減少するように設定される」に置き換えてもよい。
ここで、温度保護機能を実行するために、図7に示すように、制御部10aは、上記の<温度保護機能を実行する基準となる熱源の温度の選択方法>に記載した方法で、モータ3xを駆動させるために熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度(実温度)が、予め設定された制限閾値51以上であり且つ制限閾値51よりも高い予め設定された異常閾値52未満の制限状態53において、既述の指令信号に応じた指令トルクよりも小さい制限トルク54を出力するように、電力変換部30cを制御して、モータ3xを駆動する。
上記の制限トルク54を詳細に説明すると、まず、制御部10aは、モータ3xに流れる電流の周波数を取得する。
なお、上記の「モータ3xに流れる電流の周波数を取得する」を、「モータ3xの回転数を取得する」に置き換えてもよい。
次に、制御部10aは、上記の制限トルク54を、記憶部20aに記憶された目標制限トルクテーブルを参照して、上記の取得した周波数に対応する目標制限トルク57の大きさ以上になるように設定する。なお、この「取得した周波数」を、「取得した回転数」に置き換えてもよい。
これにより、熱源ZであるトランジスタQ1~Q6の温度が上昇して破損するのを防止するとともに、モータ3xのトルクを下げながらも、電動車両の走行を継続させることができる。
なお、当該制限トルク54は、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が異常閾値52を超えないように設定される。
以上の説明により、上記の制限状態53における、制御部10aの動作により、ユーザの操作によりモータ3xのトルクを増加させてモータが低角速度の状態で高電流が流れて、モータ3xを駆動させるときに発熱する熱源Zの温度が、温度保護機能を実行する制限閾値51以上に上昇する場合に、ユーザの操作に拘わらずモータの出力トルクを制限することで、温度の上昇を抑えることができる。
一方、制御部10aは、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が、上記の異常閾値52以上である異常状態55において、指令信号に拘わらず、モータ3xから出力するトルクがゼロになるように、電力変換部30cを制御して、モータ3を停止させる(図7参照)。
例えば、制御部10aは、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が異常閾値52以上である異常状態55を、制御部10aのシステムの異常が発生した状態と判断するようにしてもよい。これにより、例えば、トランジスタQ1~Q6に異常が発生した場合に、電動車両の走行を適切に停止させることができる。
また、制御部10aは、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度がこの異常閾値52を超えた場合には、例えば、モータ3xを停止させた後、制御部10aの動作がリセットされるまで、モータ3xの制御を再開しないようにしてもよい。
この異常状態55における、制御部10aの動作により、制御部10aや電力変換部30c等に異常が発生して熱源Zが非常に高い温度になった場合に、モータ3xを適切に停止させることができる。
なお、制御部10aは、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度が、上記の制限閾値51未満の通常状態56においては、指令信号に応じた指令トルクを出力するように、電力変換部30cを制御して、モータ3xを駆動させる(図7参照)。
この通常状態56における、制御部10aの動作により、ユーザの操作に基づいた指令信号に応じた指令トルクをモータから出力させることができる。
<制限状態53における制限トルク54での動作の一例>
ここで、上記の制限状態53において、制御部10aが制限トルク54を算出して、当該制限トルク54でモータ3xを駆動するする動作の一例について説明する。
先ず、制限状態53において、制御部10aは、以下の(式A)に示すように、上記の熱源の温度として選択した制御用推定温度又は実サーミスタ温度(以下の式Aでは「熱源温度」という。)から制限閾値51を減算した値に、正の調整係数を積算することで、熱源温度と制限閾値51との間の温度差のパラメータである温度差値を算出する。
また、上述の調整係数は、例えば、モータ3xが出力するトルクが制限トルク54になっている状態で、熱源温度が制限閾値51から異常閾値52までの範囲に収まるように設定される。

温度差値=正の調整係数×(熱源温度-制限閾値) ・・・(式A)
次いで、制御部10aは、駆動部としてのモータ3xに流れる電流の周波数を取得する。
次に、記憶部20aに記憶された目標制限トルクテーブルを参照して、上記の取得した周波数に対応する目標制限トルク57を算出する。
次に、制御部10aは、以下の(式B)に示すように、上記の目標制限トルク57から、モータ3xが現在出力している現在トルクを、減算した値に、上記の温度差値を積算することで、指令トルクから差し引くための負のカットトルクを算出する。

カットトルク=温度差値×(目標制限トルク-現在トルク)・・・(式B)
次に、制御部10aは、以下の(式C)に示すように、指令トルクに負のカットトルクを加算する(すなわち、指令トルクからカットトルクの絶対値を減算する)ことにより、制限トルク54を算出する。

制限トルク=指令トルク+カットトルク・・・(式C)
そして、制御部10aは、制限トルクを出力するように、電力変換部30cを制御して、モータ3xを駆動する。
これにより、ユーザのスロットル操作によりモータの出力トルクを増加させてモータが低角速度の状態で高電流が流れて熱源の温度が、温度保護機能を実行する閾値以上に上昇する場合に、ユーザのスロットル操作に拘わらずモータの出力トルクを制限することで、熱源の温度の上昇を抑えて、当該電動車両の走行を継続することができる。
(第3の実施形態)
既述の第2の実施形態では、熱源Zが、電力変換部30cのブリッジ回路Xのトランジスタである場合について説明した。しかしながら、この熱源Zが、モータ3xのコイルである場合も想定される。そこで、熱源Zが、モータ3xのコイルである第3の実施形態について、図9を参照しつつ説明する。なお、第3の実施形態は、熱源Zがモータ3xのコイルである点以外については第2の実施形態と同様である。
図9に示すように、熱源Zは、モータ3xのコイルL1、L2、L3である。なお、この図9の例では、第2の実施形態と同様に、ドライバ回路XのトランジスタQ1~Q6も熱源Zとして記載されている。
そして、サーミスタSは、コイルL1、L2、L3に近接して配置されている。すなわち、第1のサーミスタS1aは、熱源であるコイルL1に近接して配置されている。そして、第2のサーミスタS2aは、熱源であるコイルL2に近接して配置されている。そして、第3のサーミスタS3aは、熱源であるコイルL3に近接して配置されている。
なお、本実施形態において、例えば、モータ3xの第1相のコイルの温度の値を、モータ3xの第2相のコイルの近傍に配置された第2のサーミスタSa2の温度の検出値と、モータ3xの第3相のコイルの近傍に配置された第3のサーミスタSa3の温度の検出値との平均値で代用するようにしてもよい。
これにより、第1のサーミスタSa1を省略することができる。
また、本実施形態において、必要に応じて、既述のサーミスタSが検出した実サーミスタ温度と制御用推定温度のうち、高い方の温度を、モータを駆動させるために選択するようにしてもよい。
本実施形態によれば、熱伝導や周囲温度の影響を考慮して、サーミスタの検出温度、モータの電流及び周波数又は回転数に基づいて、熱源(電力変換部(インバータ回路)のトランジスタやモータのコイル)の温度を推定して、温度保護機能を実行することができる。
1 制御装置
2 電流源
3 駆動部
10 制御部
11 温度検出部
20 記憶部
30 電力変換部

Claims (10)

  1. 電流源と、前記電流源から電力変換して駆動部へ電力を供給する電力変換部とを制御する制御装置を有し、
    前記制御装置は、
    前記電力変換部を制御する制御部と、
    前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の近傍の温度を検出する温度検出部と、
    前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得し、
    前記温度検出部が検出した実温度を取得し、
    前記電流値、前記周波数、前記記憶部に記憶された前記飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、
    前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得した後に、
    前記飽和温度情報テーブルを参照して、前記電流値と前記周波数との組み合わせに対応する、前記熱源の現在の飽和温度を算出するa工程と、
    前記現在の飽和温度と第1係数を用いることで、前記熱源の温度を推定した現在推定熱源温度を算出するc工程と、
    前記現在推定熱源温度と第2係数を用いることで、前記熱源の近傍の温度を推定した現在推定検出部温度を算出するe工程と、
    前記温度検出部が検出した実温度を取得するf工程と、
    前記現在推定検出部温度から前記実温度を減算することで、温度差分を算出するg工程と、
    前記温度差分に予め設定された温度補正係数を乗算することで、温度補正値を算出するh工程と、
    前記現在推定熱源温度に前記温度補正値を加算することで、制御用推定温度を算出するi工程と、
    前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御するj工程と、を実行する機能を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記c工程の前記現在推定熱源温度は、
    前記現在の飽和温度が過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1P閾値以上である場合は、前記第1係数を第1P係数とし、下記式31で算出され、
    前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度以上である場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1P閾値未満である場合は、前記第1係数を前記第1P係数より小さい第2P係数とし、下記式32で算出され、
    前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が第1N閾値以下である場合は、前記第1係数を第1N係数とし、下記式33で算出され、
    前記現在の飽和温度が前記過去推定熱源温度より低い場合で、かつ、前記現在の飽和温度から前記過去推定熱源温度を減算した温度差が前記第1N閾値より大きい場合は、前記第1係数を前記第1N係数より小さい第2N係数とし、下記式34で算出され、
    前記過去推定熱源温度は、第1の時間前に現在推定熱源温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度であり、
    前記e工程の前記現在推定検出部温度は、
    前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2P閾値以上である場合は、前記第2係数を第3P係数とし、下記式41で算出され、
    前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度より高い場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が前記第2P閾値未満である場合は、前記第2係数を前記第3P係数より小さい第4P係数とし、下記式42で算出され、
    前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値未満である場合は、前記第2係数を第3N係数とし、下記式43で算出され、
    前記現在推定熱源温度が過去推定検出部温度以下である場合で、かつ、前記現在推定熱源温度から前記過去推定検出部温度を減算した温度差が第2N閾値より大きい場合は、前記第2係数を前記第3N係数より小さい前記第4N係数とし、下記式44で算出され、
    前記過去推定検出部温度は、前記第1の時間前に現在推定検出部温度の算出方法と同様の算出方法で算出された温度である
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
    現在推定熱源温度 = 第1P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式31)
    現在推定熱源温度 = 第2P係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式32)
    現在推定熱源温度 = 第1N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式33)
    現在推定熱源温度 = 第2N係数 ×(現在の飽和温度 - 過去推定熱源温度)+過去推定熱源温度 ・・・(式34)
    現在推定検出部温度 =第3P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式41)
    現在推定検出部温度 =第4P係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式42)
    現在推定検出部温度 =第3N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式43)
    現在推定検出部温度 =第4N係数 ×(現在推定熱源温度 - 過去推定検出部温度)+過去推定検出部温度・・・(式44)
  4. 前記a工程、前記c工程、前記e工程及び前記i工程は、前記第1の時間毎に繰り返し、
    前記f工程、前記g工程及び前記h工程は、前記第1の時間より長い第2の時間毎に繰り返す
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の制御装置。
  5. 前記第1係数は、0より大きく且つ1より小さい値であり、前記第2係数は、0より大きく且つ1より小さい値である
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流値が予め設定された切換閾値電流以上であり且つ前記駆動部に流れる電流の周波数が予め設定された切換閾値周波数未満である第1の場合には、前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
    一方、前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流未満、又は、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数以上である第2の場合には、前記制御用推定温度ではなく前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数未満であって、前記駆動部に流れる電流値が、前記切換閾値電流以上から前記切換閾値電流よりも小さい予め設定されたヒステリシス閾値電流まで低下するように、前記第1の場合から前記第2の場合に遷移するときは、継続して前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
    一方、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記切換閾値周波数未満であって、前記駆動部に流れる電流値が、前記ヒステリシス閾値電流未満から前記切換閾値電流まで上昇するように、前記第2の場合から前記第1の場合に遷移するときは、継続して前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流以上であって、前記駆動部に流れる電流の周波数が、前記切換閾値周波数未満から前記切換閾値周波数よりも高い予め設定されたヒステリシス閾値周波数まで上昇するように、前記第1の場合から前記第2の場合に遷移するときは、継続して前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御し、
    一方、前記駆動部に流れる電流値が前記切換閾値電流以上であって、前記駆動部に流れる電流の周波数が、前記ヒステリシス閾値周波数以上から前記切換閾値周波数まで低下するように、前記第2の場合から前記第1の場合に遷移するときは、継続して前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の制御装置。
  9. 前記第2の場合において、
    前記制御部は、
    前記駆動部に流れる電流値が前記ヒステリシス閾値電流未満、又は、前記駆動部に流れる電流の周波数が前記ヒステリシス閾値周波数以上である場合には、前記実温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 電流源から電力変換して駆動部へ電力を供給する電力変換部を制御する方法において、
    前記駆動部に流れる電流値及び前記駆動部に流れる電流の周波数の組み合わせと、前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の熱が飽和する最大の温度である飽和温度と、を関連付けた飽和温度情報テーブルを用意し、
    前記駆動部に流れる電流値を取得するとともに、前記駆動部に流れる電流の周波数を取得し、
    前記電力変換部又は前記駆動部で発熱する熱源の近傍に配置された温度検出部が検出した実温度を取得し、
    前記電流値、前記周波数、前記飽和温度情報テーブル、及び、前記実温度を用いて制御用推定温度を算出し、
    前記制御用推定温度に基づいて、前記電力変換部から前記駆動部へ供給する電力を制御する
    ことを特徴とする制御方法。
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